燦々太陽とにゃんにゃん大行進
●バルテレミー班の先輩四名は今日も楽しそうです
アルダワ魔法学園の地下迷宮の一つ、第21迷宮。ここは最近になって、未発見の部屋が見つかったとして学園生徒たちの間で話題になっていた。
ニコラ・バルテレミー以下、バルテレミー班の上級生四人も、この噂を聞きつけてその領域にやって来たのだが。
「うーん……」
「ニコラ、悩んでてもしょうがなくない?」
リーダーのニコラが腕を組む隣で、アニェーゼが毛量の豊かな尻尾をふりふり、そこを指さした。
そこには、高さも幅も15センチくらいしかなさそうな、小さな穴が空いている。この部屋に他に扉や通路への入り口はない。
ここより他に道はない。しかしこの穴に入れそうなのはケットシーのエーミール以外にいないのだ。
「いや、そうなんだが……ここは発見されて間もない区画だ、そこにエーミールを一人送り込むなど危険すぎる」
ニコラはどこまでも渋っていた。ここは最近発見されたばかりの領域。まだ見ぬ強力な災魔がいないとも限らない。
エーミールの隣で、アレクシアも心配そうな表情をしてしゃがみ込んだ。
「そうだわ、いくらエーミールにはライオンくんがいるからって」
「僕の事なら心配はいらないって、心配しすぎだよ」
獣奏器を手にしながらふんと胸を張るエーミールではあるものの、それでも油断が禁物なのは変わらなかった。
静かに首を振ったニコラが踵を返す、と。
「いや、やはり駄目だ。ここは一度態勢を」
「ねぇニコラ、このスイッチなんだろ?」
いつの間にか穴のすぐそば、思わせぶりに設置されていたスイッチにアニェーゼが手を伸ばしていた。
振り向いたニコラが静止しようにも、僅か遅い。
「えっ?って、待てアニェーゼ、軽々しく触るんじゃ」
ぽちり、とアニェーゼの指がスイッチを押すや、その頭上からガスが吹き付けてきた。それはアニェーゼの周囲にいたニコラも、アレクシアも、エーミールも巻き込んで煙に巻いていく。
「わっぷ、何!?」
「くっ、息が……!」
咳き込みつつ息を止めながらも、どうしてもガスを吸い込んでしまって、ようやくガスの噴出が止まって視界が晴れた時には。
「……あれ?」
ニコラは目を見張った。視線がやたらと低い。そしてエーミールと同じかそれより少し高い身長の、女性のケットシーが二人いて。
思わず自分の手を見る。もふもふしていて小さい。
「にゃ、にゃんだこれは!?」
「えっ、皆ケットシーになってるにゃ!?」
何故かケットシーになってしまった三人。それを呆気に取られて見ていた、元々ケットシーだったエーミールがぱんと手を打つ。
今は四人ともケットシーなのだ。この穴の中に入っていける。ニコラは少々体格が大きいが、何とか通れるだろう。
「……と、ともかく!これで先に進めるよね、皆で一緒に!」
「そ、そうだにゃ!」
「行くにゃ!」
そうして四人はニコラを先頭に、一列になって穴に潜り込んだ。
四つん這いになってどんどん、ただただまっすぐな暗い通路を進んでいく。
そうしていくうちに、視界の先に明るい光が差し込むのが見えて。
「見るにゃ、明るいにゃ!」
「ようやく……」
どんどんと通路を進み、通路の出口を潜り抜けたニコラは、文字通り目を見張った。
次いで後からやって来たアニェーゼ、エーミール、アレクシアも、揃って目を見張ることになる。
「にゃっ!?」
「これは
……!?」
何故なら。
視界一面に広がる背の高いひまわり畑。
燦々と頭上から照り付ける太陽。
そして。
「「アッツゥゥイ!!」」
●元からケットシーの人たちには影響がないそうです
グリモアベースにて、アスター・ファラデー(ルーンの繰り手・f02089)は、真剣な表情で猟兵たちを見て言った。
「今回は、皆さんには、ケットシーになっていただきます……」
その言葉に、大半の猟兵たちが首を傾げた。
なにがどうなって「ケットシーになる」ことになったのか。
少しだけ、目を伏せたアスターが、自身のグリモアから映像を投影した。そこに映るのはアルダワの地下迷宮の一室と、やたらに小さい入口、思わせぶりに設置された一つのボタン。
その場の猟兵たちに映像を見せるようにしながら、アスターが口を開く。
「アルダワ魔法学園の第21迷宮の地下1階に……これまで発見されていなかった区画が、見つかったんです。
そこには、この映像の通りに部屋があって、ケットシーか、フェアリーの人じゃないと入れないような、小さい入口があって……その入り口から入った先のエリアに、強力な災魔がいることが、分かったんです」
アスターが映像の中に映る入口の部分を拡大する。確かに、大柄なケットシーが四つん這いになって、やっと通れるくらいの小さな穴だ。これは確かに、並の生徒では中に入れない。その奥にいる災魔を倒すことも叶わない。
「おまけに、情報をくれた、ニコラさんによると……この穴の先が、ひまわり畑になっているそうで。今は冬なのに、真夏のように暑い、らしいんです。
ニコラさんたち、ケットシーのもこもこ毛皮の上に、冬服を着こんでいらしたので、熱中症になりかけてしまって……とても探索どころではなく、逃げ帰って来たと」
曰く、この穴は体感的にもなかなか長く続いているらしい。狭い空間だから汗もかくだろう。そこに季節外れの高温エリア。ちゃんと自力で帰って来れたニコラたちは褒められていい。
と、一人の猟兵の手が上がった。ケットシーになるにはどうすればいいのかと。
それを受けて、アスターがこくりと頷いた。
「穴がある、小部屋に、スイッチがあります……そのスイッチを押すと、変身効果のあるガスが、出てきます。それを吸い込むことで、ケットシーになれます……武器や道具は、このバッグにしまっておけば、そのまま穴の中にも持ち込めます。
服は着ているのがそのまま、ケットシーサイズになりますが……夏服を着ていくことを、おすすめします……」
アスターの言葉に、おぉっと声が上がった。服や道具の心配をしなくていいのは助かる話だ。だが先述の通りひまわり畑は高温、自分の服装で体温調節はしないとならないだろう。
しかもこのひまわり、空を飛ぶものに種を飛ばして撃ち落としてくる。地面を行かねばならないだろう。
ひまわり畑を進んでいけば、どこかにこの状況を作り出した災魔がいるはずだと、アスターは言う。その名を、モリィ・グレイル・メメントス。
「鋼糸で戦う、バトルマニアの災魔です……昔の魔法学園で、活躍していた、生徒のようですね。
鋼糸で切り裂いたり、糸で作られた蜘蛛の巣を張ることで、戦闘力を高めてくる、ようです……」
モリィがどうしてこの場にいるかは、まだ分からない。災魔だから、理由などないのかもしれないが。
だが、強力な災魔である以上、放置はできないだろう。
「皆さんの、働きが頼りです……ですが、折角の機会なので。楽しんで、来てください……」
そう話して手を組む、アスターの表情は、どこか穏やかだった。
屋守保英
こんにちは。屋守保英です。
今回は皆さんににゃんこになっていただきます。
元からにゃんこの人は……うん、いつも通りだネ!
季節外れの遠足気分で気軽にどうぞ。
●目標
・『死の幻想』モリィ・グレイル・メメントス×1体の撃破。
・ケットシーとしての冒険を楽しむ。
●場面・戦場
(第1章)
アルダワ魔法学園地下迷宮、第21迷宮の地下1階です。
これまで見落とされていた小部屋に、ケットシーかフェアリーでもないと通り抜けられない、小さな入り口の通路があります。中もずっと狭いです。
小部屋には薬効ガスの噴出口があり、そのガスを吸い込むことでケットシーに変身できます。
副作用はなく、冒険が終わって迷宮を出る頃には元に戻ります。服を除く所持品はそのままですので、通路に入る時は専用のバッグにしまうなどする必要があります。
(第2章)
第21迷宮の地下1階、通路の先です。
辺り一面のひまわり畑で、太陽が燦々と照りつけています。暑いです。広いです。
空を飛んだり空中を跳んだりして移動すると、漏れなくひまわりが種をマシンガンのように飛ばして撃墜してきます。
(第3章)
第2章と同じく、第21迷宮の地下1階です。
ひまわり畑の一区画、すっかりひまわりが刈り取られて地面が見えている場所で、モリィが皆さんを待ち構えています。
それでは、皆さんの楽しいプレイングをお待ちしています。
第1章 冒険
『設計ミス?狭い通路を通り抜けろ!』
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POW : 通路を押し広げる!
SPD : 体を無理やりねじ込む!
WIZ : 普通に通れますが何か?
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鈍川家・玉五郎
不採用含めて全て歓迎にゃ。
な、なんてことだにゃ…この勇ましいケットシーの戦士、ニルヴァーナ・ファイブボールが可愛らしい猫になってしまったにゃん!
ひとまずポンチョの下にくくりつけたミニミニトマホークや櫃まぶし・鰹ぶしも念のためにリュックに入れるのにゃ。…にゃん。
暑い陽射しもいつものマカロニスタイルなら問題ないにゃん。
通路の狭さが問題なのにゃ。…にゃん。
念のためにユーベルコードで摩擦抵抗を減らし、するする行けるようにするのにゃん!
リュックはお婆ちゃんから貰ったお弁当も詰めるにゃん。ヒマワリの種は美味しいらしいし、袋も持ってくのにゃ!…にゃん。
●ニルヴァーナさんは随分とノリノリのようです
ぽちり、と壁のスイッチが押される。
ガスがぷしゅーっと噴出し、それが排気口に吸われて晴れた時、ニルヴァーナ・ファイブボール、こと鈍川家・玉五郎(かっこよくなりたい鈍川さん家の玉五郎・f19024)は愕然とした表情で自分のもっふりとした腕を見た。
「な、なんてことだにゃ……この勇ましいケットシーの戦士、ニルヴァーナ・ファイブボールが可愛らしい猫になってしまったにゃん!」
そう、猫になってしまった。しかし問題は、彼の種族が元々ケットシーであることだ。
つまるところ、いつも通りである。
誰もツッコミを入れない中で、玉五郎はいそいそと自分の荷物をグリモア猟兵から支給されたリュックサックに入れていった。
「ミニミニトマホークに、櫃まぶし、鰹ぶし……おばあちゃんから貰ったお弁当も詰めるにゃん。ヒマワリの種を入れる袋も持って行くのにゃ!……にゃん」
語尾のにゃんを敢えて言い直しながら、玉五郎はリュックの蓋を閉じた。
ちなみにヒマワリの種は実際におやつとして食べられ、結構美味しいそうだ。某国では枯れた花の状態で売られ、むしっては食べむしっては食べとするらしい。
さて、日差し対策はいつものマカロニスタイルでいけば問題ないとして、後は目の前にある狭い通路である。
「通路の狭さが問題なのにゃ……にゃん。念のためにユーベルコードで摩擦抵抗を減らし、するする行けるようにするのにゃん!」
そう言って玉五郎が自分の身体をペロペロ毛づくろい。摩擦抵抗を極限まで減らして、スムーズに通ろうという算段だ。
そうして両手両足の毛づくろいを終えた玉五郎が四つん這いになると、頭から通路に突っ込んでいく。
彼の姿はそのまま、滑るように通路の中へと消えていった。
成功
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バロン・ゴウト
ニコラさん達って、確か前に蜜ぷにが大量発生した時に、協力して戦ったメンバーの皆さんかにゃ?だったら以前の【恩返し】も含めて張り切っちゃうのにゃ!
服装はアルダワ魔法学園の夏制服で行くのにゃ。
【WIZ】
ケットシーの中でも小柄なボクなら特に問題なく通れるはずなのにゃ。
その分、慣れないケットシーボディに戸惑ってる他の人達のフォローに回るのにゃ。
「大丈夫、ケットシーの身体は小さくても、見た目以上に頑丈でパワフルなのにゃ!急に小さくなって歩きにくいのなら、一緒に手を繋いで行こうなのにゃ。」
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
黒木・摩那
【WIZ】
なるほど、ここが入り口ですか。
確かにこれはサイズ的に入れませんね。
でも、ケットシーになるのはいいのですが、
メガネもサイズに合うのでしょうか。
そこが不安ですね。
暑さ対策にジャケットは脱いで、バッグに仕舞います。
では、いざケットシーに。
ケットシーから見ると、世界が高いのですね。
こういう視点は新鮮です。
猫耳だと音の聞こえ方も少し違いますね。
ケットシーになって冒険。楽しみです。
●バロンさんは恩返しに張り切っているようです
目の高さにある、壁に据えられたスイッチを見て、バロン・ゴウト(夢見る子猫剣士・f03085)は夏服に身を包んだ腕を組んだ。
「ニコラさん達って、確か前に蜜ぷにが大量発生した時に、協力して戦ったメンバーの皆さんかにゃ?」
「お知り合いなのですか?」
バロンの様子に、入り口をしゃがんで覗き込んでいた黒木・摩那(冥界の迷い子・f06233)が首を傾げた。
アルダワ魔法学園は猟兵と交流のある学生もそれなりにいる。猟兵も転校生として学園に属する以上、当然の話だ。
しかしてバロンは摩那の言葉に頷いた。
「前に、学園の事件で顔を合わせたのにゃ。以前の恩返しも含めて張り切っちゃうのにゃ!」
そう言いながらバロンも、摩那が覗き込む通路の入り口に近付いていく。
縦横15センチ程度の入り口。中がそれより狭まっている様子は無いが、同様に広くなっている様子も無い。
ケットシーの中でも小柄なバロンなら苦もなく通り抜けることが出来そうだが、人間の摩那はそうも行かない。
しゃがみ込んだままジャケットを脱いで、難しい顔をしてスイッチを見つめる摩那である。
「確かにこれはサイズ的に入れませんね。でも、ケットシーになるのはいいのですが、メガネもサイズに合うのでしょうか。そこが不安ですね」
「ニコラさんたちの話によると、服装もそのままにケットシーに変身したらしいにゃ。メガネも服と同じ扱いになるんじゃないかにゃ?」
摩那の不安がる発言に言葉をかけるバロンだ。ニコラ達曰く、身に付けていた服も帽子も全て一緒くたに、自分の身体と一緒にケットシーサイズになったとのこと。メガネがそのカテゴリから外れるとは考えにくい。
バロンの言葉を受けて、意を決した摩那の色の白い指がボタンを押し込む。途端、ぷしゅーっと噴き出す変身ガス。
そのガスが摩那の身体を包み込み、それが晴れるとそこには、赤いアンダーリムのメガネをかけた、黒と白のパトカー柄なケットシーが一匹。
勿論、摩那である。摩那が迷宮の天井を見上げながら、その瞳孔が縦長に切れた茶色の瞳を細めた。
「ケットシーから見ると、世界が高いのですね。こういう視点は新鮮です」
「大丈夫、ケットシーの身体は小さくても、見た目以上に頑丈でパワフルなのにゃ!急に小さくなって歩きにくいのなら、一緒に手を繋いで行こうなのにゃ」
「そうですね、お願いします。ケットシーになって冒険、楽しみです」
バロンが手を差し出して、摩那がその手を取って。そうして二人は通路の先を目指して歩き出す。
二つの小さな身体が、通路の入り口に入り込んで、そのまま見えなくなった。
成功
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シン・ドレッドノート
アドリブ絡みOK
猫になる部屋ですか。面白そうですね。
なかなかなれるものではありませんし、楽しむとしましょう。
ボタンを押す前に夏服に着替えたら、
「ぽちっとな」
ぼふっ、と煙に巻かれた中から現れた、金毛の大きな耳とふさふさした尻尾のメインクーン種のケットシー。
耳の先にピンと生えたリンクスティップがチャームポイント。
手鏡を見て
「ふっ、マダム受けしそうにゃ美形猫じゃにゃいですか。」
自画自賛しつつ、ケットシーの姿を堪能しましょう。
一通り身体の具合を確かめたら、いざ出発。
「狭そうですにゃ。荷物はできるだけ小さくしにゃいと…」
荷物は全部【永遠の輝き放つ星】にしまって、通路の中を進んでいきましょう。
●シンさんは猫になってもイケメンなようです
ケットシーになったり、元からケットシーだったりする猟兵たちが次々通路の向こうに消えていく中で。
シン・ドレッドノート(真紅の奇術師・f05130)はその端正な顔に手をやりながら面白そうに笑みを浮かべた。
「猫になる部屋ですか。面白そうですね。なかなかなれるものではありませんし、楽しむとしましょう」
そう言いながらシンはいそいそと夏服に着替えていった。
普段と異なる種族になれる機会など、そうあるものでもない。ましてやケットシーという普段と大きく勝手が変わる種族。これは楽しまねば損というものだ。
しかして着替えを終えたシンが、しゃがみ込んでスイッチをポチッとな。
噴き出すガスを吸い込んだら、見る見るうちに視点が低くなって。
ガスが排気口に吸われて晴れたときには、金毛の大きな耳とふさふさした尻尾のメインクーン種のケットシーがそこにいるわけだ。
耳の先のリンクスティップをふさりと揺らしながら、シンは徐に手鏡を取り出した。
普段と全く異なる姿の自分の姿をまじまじと見て、ふっと笑みを零す。
「ふっ、マダム受けしそうにゃ美形猫じゃにゃいですか」
そんな自画自賛も飛び出すくらいにはイケニャンになったシンである。ところどころ語尾がにゃ、となっているのがケットシーらしくて実にいい。
かくして、自分の姿を堪能し終わったら冒険の始まりだ。
手鏡を含め、荷物をあらかた指輪の中にしまい込んで、彼は通路の入り口に頭を突っ込む。
「中も狭そうですにゃ。荷物はできるだけ小さくしにゃいと……」
そう言いながら、ふっさふさの尻尾を揺らしてシンは通路の中へと消えていった。
成功
🔵🔵🔴
九条・蒼
「ふむ、猫か。猫妖精になれるのか。ふむ…」
冷静沈着な蒼だが、内心とても楽しみな様子の、逞しい筋肉妖精だ。
※アドリブ・連携歓迎。鏡磨・シロミと共闘、共同できれば嬉しい※
リュックの中には大好物のパン、プロテイン、ダガー用の毒、薬草など
服装はラフ、腹筋見え。
●行動
猫になるスイッチは、遠慮なく押す。
尻尾や耳を、自分でも堪能する。(可愛いもの好き)
基本は地面を歩く
ひまわりの攻撃の様子を知るために、敢えて飛んでみることも試す。
種は自慢の高速旋回で避けたり、ダガーで斬り落としたり。
ひまわりの様子を今後の行動に活かす。
もともと狭い所を通るのは慣れているので、周りを警戒しつつ、悠々と通過。
空腹時はパンを食す。
鏡磨・シロミ
ネコにっ! なれるとっ!! 聞いてっ!!!
それじゃあ、ボタン、ぽちーっ♪(何のためらいもない行動)
※ アドリブ・連携歓迎 ※
「みぃ~♪」
猫化したら、支給された、リュックに、衝撃吸収材と、一緒に、梱包した、本体と、武器を、入れるみゃ♪
それと、ひまわり畑の、陽気対策に、多めの水と、塩飴を、詰め込むの!
日差しは、集光術で、なんとでも、なるから、問題ないみゃ~♪
問題は、通路の、狭さと… 道中の、通路って、明かりは、あるのかにゃ?
狭いのは、身体を、ねじ込めば、行けるとして… もしも、暗いなら、『集光術弐式・清流絢爛』を、応用して、進む、方向に、光の弾を、浮かべて、視界の、確保を、しながら、進むにゃ!
●ケットシーという種族はやはり魅力的なようです
「ふむ、猫か。猫妖精になれるのか。ふむ……」
九条・蒼(フェアリー・ドラゴンフライ・f04493)はその筋骨隆々な太い腕を組みながら、まっすぐにそのスイッチを見ていた。
冷静な様子を崩さない蒼だが、内心はスイッチを押したくてうずうずしている様子で。
何しろしっかと地に足を付けながら、今の自分よりちょっと『背の高い』種族である、ケットシーになれるのだ。期待しないはずもない。
そんな彼女の前で。というか彼女の横から手が伸びる形で。
「ネコにっ! なれるとっ!! 聞いてっ!!!」
「あっ」
鏡磨・シロミ(神出鬼没のガラテイア・f00224)が一切合切なんの迷いもなく、ガスが噴き出すボタンを押し込んだ。
ブシューっと噴き出してくる変身ガス。それに巻かれる二人が視界を覆われて。
そのガスが晴れる頃には、蒼もシロミも同じ視点の高さ。
「にゃ……地に足が付く感覚が、新鮮だにゃ……」
「みぃ~♪猫さんだみゃ〜♪」
猫耳や尻尾など、普段は存在しない部位を興味深げに観察する蒼と、猫になれたことが嬉しくてぴょんぴょんはしゃぐシロミが、二人ともがケットシーとしてそこにいた。
蒼は赤毛で色の濃い、スラッとしたアビシニアン系。シロミは元のイメージ通り真っ白でふわふわとしたチンチラ系。
各々別方向なケットシーになりながら、二人は互いの姿を見て微笑んだ。
「さて……支給されたリュックの中身は大丈夫かにゃ?」
「にゃっ!確認しますみゃ〜!」
そう言いながら、二人はグリモア猟兵から渡されたリュックの口を開けた。
蒼のそれには、大好物のパン、プロテイン、ダガー用の毒、薬草など。どこまでも実践的な内容がちゃんと入っている。愛用のダガーもケットシーサイズになってはいるものの、ちゃんと腰にある。
シロミのリュックには、衝撃吸収材と一緒に梱包した本体と、武器。そしてひまわり畑の陽気対策に、多めの水と、塩飴。
いずれも、内容に問題はなさそうだ。
「問題は、通路の、狭さと…… 道中の、通路って、明かりは、あるのかにゃ?」
「ふむ……中を見た感じ、中は暗いようだにゃ。まっすぐで、障害物はなさそうだけど、明かりの類はなさそうだにゃ……」
シロミの懸念に、蒼が通路の中を覗き込みながら答える。
通路は真っすぐで迷うことはないだろうが、それでも暗い。障害物があるにせよ無いにせよ、注意は必要だろう。
「分かったにゃ!集光術弐式・清流絢爛を、応用して、進む、方向に、光の弾を、浮かべて、視界の、確保を、しながら、進むにゃ!」
「ふむ、それなら明かり取りは任せるのにゃ」
シロミがユーベルコードを発動させたのを見て、蒼も頷いて。
そうして二人は通路の入り口へと足を踏み入れた。
ケットシー達の冒険は、まだ始まったばかりだ。
成功
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第2章 冒険
『太陽の迷ひ路』
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POW : 体力が尽きる前に走り抜ける
SPD : 暑さ対策を万全に行い挑戦する
WIZ : 魔法で熱を和らげながら進む
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●ここだけ季節は真夏のようです
狭い通路を抜け、ようやく視界が開けた猟兵たちは、一様に目を見開いた。
視界一面のひまわり。しかも視点が低くなっているから茎と葉しか見えなくて、花は頭上の遥か上。
そして予め説明されていたことだが、暑い。うだるように、暑い。
ただでさえ真夏並みに暑いというのに、ケットシーだから毛皮で熱がこもってしまう。余計に暑い。
これは対策を講じなければ、踏破もままならないだろう。しかし猟兵たちは予知という強みがある。
「よし、これなら行けるにゃ!」
「進むにゃ!」
誰が言うでもなく、猟兵たちはひまわり畑の中へと踏み込んでいく。
背の高いひまわりに囲まれて、頭上高くにあるひまわりの花がこちらを向いた気がした。
●特記事項
・第二章以降からご参加くださった方も、小部屋の変身ガスでケットシーに変身していただいた体で話を進めます。この場にはケットシーしかいません。
・マスコメにも記載してありますが、空を飛んで移動するとひまわりに狙撃されます。そして撃ち落とされます。
基本的に地面の上を進んでいただく形になりますので、ご留意ください。
バロン・ゴウト
うう、暑いとは聞いてたけど、思ってた以上の暑さなのにゃ……。
けどボクは【火炎耐性】もあるし、工夫して通り抜けるのにゃ!
【WIZ】
【トリニティ・エンハンス】の水の魔力で周囲の空気を冷やし、【オーラ防御】で冷えた空気を閉じ込めて身に纏い、暑さに対抗するのにゃ。
そしてなるべく日陰になるような【地形の利用】をしながら歩くのにゃ。
もし暑さにやられてる人がいたら【救助活動】をして、一緒にひんやり空気の中に入ってもらうのにゃ。
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
鈍川家・玉五郎
不採用含めて全て歓迎にゃ。
POWでいくにゃ!
陽射しを遮る帽子もポンチョも効果はあるけど、涼しくなるための装備はなかったのにゃん。
スキットルの中のホットミルクを他に人がいるなら、かっこよく見せる為にぐびりといくにゃん。
……余計に暑くなって割かしヤベーのにゃ……。
ユーベルコードでノミィズに荷物を運んで貰うにゃん。
可能ならその辺の石やノミィズを投げるのにゃん。ヒマワリの種を射たせて回収だにゃ!
でも敵と判断したらノミィズはヒマワリに群がりそうだし、その時はひとつでもヒマワリの種をお持ち帰りするのにゃん。
種がどれほどの大きさかわからにゃいけど、お婆ちゃんを喜ばせるために頑張るにゃ!
●猫に熱さは大敵です
ひまわりの咲き誇る中、バロンと玉五郎は揃って額の汗を拭った。
「うう、暑いとは聞いてたけど、思ってた以上の暑さなのにゃ……火炎耐性があってもつらいのにゃ……」
「陽射しを遮る帽子もポンチョも効果はあるけど、涼しくなるための装備はなかったのにゃん……」
尻尾がへにゃっとしているバロンの横で、玉五郎もうんざりとした表情だ。そして懐からスキットルを取り出し、かっこよくその中身を呷ってみせる。
その様子に目を見開いたバロンが、徐に玉五郎へと声をかけた。
「ニルさん、それはなんなのにゃ?」
「ん?この中身はホットミルクにゃん」
「この暑いのにさらに熱いものを飲むのにゃ!?」
さらりと返って来た答えに、思わずバロンは大声を上げた。冷たい水でも入れてきたのかと思いきや、まさかのホットミルク。余計に暑い。
事実、身体の内側からぽっぽっと熱くなってきたようで、玉五郎の瞳が若干虚ろだ。
「……余計に暑くなって割かしヤベーのにゃ……」
「ニルさーん!?」
バロンは慌てた。大いに慌てた。すぐさまに黄金のレイピアを抜き放って天に掲げる。
レイピアの切っ先に魔力を集中させると、周囲に広げるようにそれを解き放った。
「トリニティ・エンハンス、水の魔力にゃ!空気を冷やすのにゃ!」
「おぉー……ひんやり。助かったにゃん」
解き放たれた水の魔力が頭上から降り注いで、周囲の空気が冷やされていく。幾らかひんやりとした空気に、玉五郎の意識もはっきりとしてきた。
暑さが和らいだことを確認したバロンがこくりと頷き、一歩を踏み出す。勿論レイピアは高く掲げたままだ。
「よし、進むのにゃ!」
「ノミィズ、荷物を運ぶのにゃん!」
バロンの後を追うように、玉五郎も歩き出す。召喚したノミィズ・アーミーに持参した荷物を運んでもらって、身軽な状態だ。
ひまわりの葉の下、日陰になっている部分を選んで歩いていく二人。バロンの水の魔力のおかげもあって、それなりに快適に進むことが出来ている。
と、いくらか歩いたところで。徐に玉五郎が荷物を持っていないノミィズの一体を掴んだ。
「うむうむ。で、よいしょっと」
「ニルさん!?突然どうしたにゃ!?」
突然の突飛な行動にバロンが足を止めて振り向いた。その瞬間、バンッと破裂するような音が響く。
頭上を見上げると、今まさに放り投げられたノミィズが消滅するところだった。その位置からバラバラ、と音を立ててひまわりの種が降ってくる。
地面に次々零れ落ちてくるひまわりの種を拾い上げて、玉五郎がにんまりと笑った。
「思った通りだにゃん、空中を飛んだり動いたりするものがあると、ヒマワリはそれを察知して種を飛ばしてくるにゃん」
「もしかして……投げたのは、種を飛ばさせるためだったにゃ?」
不思議そうにそれを見るバロンに、玉五郎はこくりと頷く。そしてリュックの中から種を入れるための袋を取り出して拾った種をその中へ。
周囲を見れば、先程撃たれたひまわりの種だろう、辺りにたくさん落ちている。拾い集めれば結構な量になりそうだ。
「その通りだにゃん、これでお婆ちゃんへのお土産が出来たにゃん!」
嬉しそうに言いながら、嬉々として玉五郎はひまわりの種を拾っていく。陽の当たるところもなんのその、幅広の帽子があれば怖くない。
「なるほどにゃ……でも、あんまり日向にい過ぎないようにしてくださいにゃ!」
ひまわりの種を拾い集める玉五郎の背中に、バロンの心配そうな声がかかった。
成功
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黒木・摩那
【WIZ】
話には聞いていたけど、マジ暑い。死ぬ……
ケットシーの毛の性能良すぎです。
このままでは確かに行き倒れは必至ですね。
ここは涼を採ってしのぎましょう。
ルーンソードにUC【トリニティ・エンハンス】で【水の魔力】を付与します。
ルーンソードから細かい水のミストを撒くことで、温度を下げます(状態異常の強化)。
●ケットシーの体毛はもっふもふで防寒性能バッチリです
ひまわり畑に燦々と、容赦なく太陽が照りつけては気温を上げていく中で。
「話には聞いていたけど、マジ暑い。死ぬ……」
額に手を翳しながら、摩那はうんざりといった様子で目を細めた。
ケットシーの体毛の蓄熱効果、恐るべし。
夏服を着てきたというのにうだるように暑い。体毛のもっふりが熱を逃がすのを全力で邪魔してくるのだ。
普段からもっふりならともかく、人間の発汗作用と放熱作用に慣れている身では、なかなかにキツい。
「このままでは確かに行き倒れは必至ですね。ここは涼を採ってしのぎましょう」
そう独りごちながら、摩那はリュックからルーンソードを取り出した。
その刀身に手を添えるようにしながら意識を集中、剣に宿らせるのは水の魔力。
途端に、刀身がしっとりと湿り気を帯びた。そこから吹き出すように、辺りに広がっていくのは細かな霧だ。
水分が霧の形を取って辺りに広がっていくにつれ、徐々に空気が冷やされて快適な温度に近付いていく。
「これなら、なんとか動けそうですね。道中で効果が切れないよう、しっかり維持していきませんと」
そう言って摩那はゆっくりと、辺りを伺うようにしながら歩き出した。
背の低いケットシーの姿では、ひまわり畑の中はまるで迷宮のよう。
居場所を見失わないよう、ボスの元に辿り着けるよう。
彼女は自分の意識を研ぎ澄ますのだった。
成功
🔵🔵🔴
九条・蒼
シロミ、シンと一緒に行動希望
「みにゃさんの安全は私が護る!この動き、捉えられるかにゃ?」
最初に、ひまわりの攻撃範囲を知るため、敢えて飛び上がる
どこまでなら大丈夫か確認し、シロミとシンに伝える
種は自慢の高速旋回で避けたり、ダガーで斬り落としたり
その後、盗賊稼業で鍛えられた身のこなしで、先陣を切り地面を進み注意を引き付ける
UCで分身、4つの目でその他の危険も確認する
適宜二人を振り返り、アイコンタクトや肉声で連携
熱対策は水筒を使うくらいしかないので、二人から援護してもらう
「汗を多くかき、熱を逃がすのも一案…!」
運動量を増やすために多く動く
お腹が空くとついパンを食べてしまい、その隙をつかれる可能性も?
シン・ドレッドノート
【狐の宿】でシロミさん、蒼さんと参加
【SPD】
暑いなら涼しくしましょう。
キラーンと目を光らせ、耳の先のリンクスティップとふさふさの尻尾をふわりと動かしながら銃を構えます。
「精霊石に宿りし精霊よ…来たれ、氷狼!」
精霊石の銃から、【精霊たちの行進曲】で氷狼のヴィンランを召喚。
「さぁ、出発進行にゃー」
自分の身長(ケットシーサイズ)の2倍の氷狼(つまり、普通の狼サイズ)の背に乗って、ひんやりした感触を満喫しながら、ひまわり畑を進んでいきます。
同行している皆さんにも、氷狼の放つ冷気でひんやりと涼んでいただきましょう。疲れているようなら交代で背中に乗って。
「ピッタリくっつくと気持ちいいにゃ♪」
鏡磨・シロミ
【狐の宿】で、シンと蒼と一緒に行動。
そろそろ襲撃などにも対応するために、警戒態勢で行くよ。
(この時点より、言語能力が励起されて流暢に会話可能になります)
「───話には聞いていたけれどこの陽気…… 本当に屋内、いやダンジョンの中にゃのかしら。とりあえず熱射病対策はシンに任せて、日射病は私が防ぐにゃ。水も塩飴もあるし、これで快適に進めると思うにゃ」
周囲近辺に差し込んでくる陽光は、集光術を応用して視界が暗く閉ざされてしまわないよう程々な感じで吸収して弱めて防具【光の衣】に溜め込むよ。
飛んでる蒼には【錬成カミヤドリ】で複製した本体の鏡を浮遊させる形で同行させて、蒼の日射病予防と探索のアシストを行うよ。
●役割分担も大事な仕事です
シンに蒼、シロミの【狐の宿】の三人。
全身真っ白の白猫ケットシーになったシロミと、メインクーンのシンは、二人揃って上空を見上げていた。
「蒼さん、大丈夫かにゃ〜?」
「心配はいらないと思うにゃー。私の鏡も浮遊させて付かせてますにゃ」
二人の視線の先には、上空に飛び上がって分身とともに動き回る蒼が、四方八方から襲い来るひまわりの種を避け続けていた。
シロミの器物である鏡を錬成して蒼の側に付かせ、後方や周囲を映すなどして援護させているものの、蒼が動きを止める様子はない。時折ダガーの刃の煌めきも見えた。
「にゃっ、シロミさん、いつの間に言語能力が励起していたにゃ?」
「多分、このひまわりのせいだと思うにゃ。襲撃してくるから油断ならないにゃー」
いつの間にかシロミの言語能力が励起し、流暢に喋れるようになっていたことに目を見張るシンである。
そんな会話が眼下で繰り広げられている中、蒼はまた鋭くダガーを振り抜いた。切り裂かれたひまわりの種がバラバラと地面に向かって落ちていく。
「とっ、はっ、そこかにゃっ!」
ダガーを片手に何度か宙を蹴った蒼が、一本のひまわりの花の影に身を隠した。
目標の一つを見失ったひまわりがしきりに首を動かすのを見ながら、蒼はその手のダガーをしっかりと握りしめる。
「ふーむ、思っていたより索敵範囲が広いにゃあ……これはなかなか、上空から探すのは骨が折れそうだにゃ」
ひまわりの茎を滑り降りながら地上を目指さす蒼が眉をひそめる。その茎の根元にやってきたシンが朗らかに声をかけた。
「蒼さん、どうだったにゃー?」
「見た感じ、花の高さより上のあたりから狙撃範囲に入る感じだにゃ。下方向に狙撃してくる様子は無いから、地面を進む分には安全だと思いますにゃ」
「じゃあ、そのまま地面を進んでいきましょうにゃー」
シロミがコクリとうなずくと、シンが精霊銃をその手に構える。尻尾を揺らしながら引き金を引けば、真っ白な狼が一頭、冷気をまといながら姿を現して。
その狼の背中にシンが乗ったことを確認すると、分身した蒼が先頭になるようにして彼らは歩き出した。
頭上から強く照りつける太陽にちらと視線を向けながらシロミがため息をつく。
「それにしても──話には聞いていたけれどこの陽気…… 本当に屋内、いやダンジョンの中にゃのかしら」
「ダンジョンの中だからこそ、なのかもしれないにゃあ」
「でもヴィンランのおかげで、側にいれば暑くないにゃ〜」
蒼の神妙な言葉に頷きながらも、シンは白狼の背にまたがってご機嫌だ。
実際、ヴィンランのもたらす冷気は、快適な気温を作るのに随分役に立っていた。涼しいまでとは言わないが、ケットシーの分厚い毛皮を持っていても、不快なほどに暑くはない。
ヴィンランの背中に腹這いにしがみつくようにしながら、シンは随分嬉しそうだ。
「ピッタリくっつくと気持ちいいにゃ♪疲れたら背中に乗せてもらえるし、一石二鳥だにゃ♪」
「水も塩飴もあるし、これで快適に進めると思うにゃ。蒼さん、眩しさは大丈夫にゃ?」
「問題ないにゃ。シロミの集光術のおかげだにゃ」
光の衣で程よく太陽光を吸収し、周囲の明るさを調節するシロミが声をかけると、蒼もコクリと頷きを返す。
太陽が燦々と照っている時は視野が眩しすぎて大変だったが、これならそこまで見にくくもない。
ある程度を進んだところで、蒼がふと思いついたように口を開いた。
「それにしても……ボスの災魔はどうやって、このひまわり畑に来たんだろうにゃあ」
「もしかしたら、骸の海から直接このひまわり畑に来たにゃ?」
「そうかもしれませんにゃ……あっ、あそこ、開けているにゃ!」
シンがぴくり、とその耳を動かしつつ前方を指差した。確かに、視界を埋め尽くすひまわりの茎の先に、ぽっかりと開けた空間が出来ている。
自然と三人の足も早まった。
そして。
「「「着いたー!」」」
猟兵たちはようやく、というよりやっと、ひまわり畑の茎の林を抜け、畑に出来た原っぱに飛び込んだのであった。
成功
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第3章 ボス戦
『『死の幻想』モリィ・グレイル・メメントス』
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POW : 切り裂いてあげる。『鋼糸一閃』
【鋼糸】が命中した対象を切断する。
SPD : 搦め捕るわ。『鋼糸搦篭』
【鋼糸】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【の上に鋼糸で出来た数多の蜘蛛の巣を張り】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
WIZ : ――塵も残さない。『鋼糸鏖殺』
【鋼糸による連撃】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
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●特記事項
この後、断章を投稿する予定です。断章が投稿されてからプレイング受付を開始いたします。
今しばらくお待ち下さい。
●バトルマニアさんとにゃんこさんたちが対面です
ひまわりが咲き誇る畑のとある一角、明らかに刈り取られたように地面がむき出しになっているそこに、彼女は立っていた。
金髪に、翠とピンクの服装を身に付けて、肩と両足を剥き出しにして。
モリィ・グレイル・メメントス。かつての昔にアルダワ魔法学園に所属していた、生徒の一人。今は、災魔の一人。
愛用の鋼糸を弄びながら振り返った彼女は、猟兵たちを見て目を見開いた。
「あら……あらあらまあまあ!こんなに可愛く、愛らしく、それでいて実力もありそうなケットシーたちが、こんなにたくさん!」
モリィの瞳は明らかに輝いていた。それはまるで、おもちゃを見つけた子供のようで、あるいは好敵手を見つけた戦士のようで。
そうして嬉しさを隠せない様子のモリィが、すっと右腕を差し出した。彼女の手元で手繰られた鋼糸が、空気を切り裂いて音を立てる。
「どうしてこんなところまで来たのか、それは分からないけれど今はいいの。遊びましょう、楽しみましょう?世界はこんなにも戦いで満ち溢れているのだから!」
どこまでも嬉しそうに告げる彼女の纏う空気が、一転して変わる。
猟兵たちはそのもふもふした小さな手で、各々の武器を構えた。ここからは、正真正銘の戦闘だ。
リオ・ウィンディア
(白い毛並みのケットシー突如登場だにゃん)
私の実力は見ればすぐわかるにゃ
お前のようなギラギラした奴は嫌いだにゃ
世界はこんなにも…死臭に満ちてるにゃん
(ズリズリ手回しオルゴールを持ち出して)
これ運ぶの苦労したにゃ〜
さて、ここからが私の舞台だにゃー!
UC発動
仲間のケットシーには嵐を防壁にしたり、嵐で跳躍に勢いをつけるサポートを
敵の攻撃には全部自分に返ってくるように仕向けるにゃ
戦いを楽しむのもいいのだけれど…
こういう音色がないと命のやり取りに真剣になれないにゃ
これはごっこ遊びか何かだと思ったにゃ?
死は確実にやってくるということを(そんな単純なことを)
教えてあげるにゃよ
アドリブ、絡み歓迎です
バロン・ゴウト
昔の魔法学園の生徒が、どうして災魔として戦ってるのにゃ?
……どんな理由があっても、このまま放っておけば他の生徒が戦いに巻き込まれるかもしれないにゃ。
だったら、その前にボク達がキミを倒すのにゃ!
敵の武器は鋼糸。時間をかければそれだけ糸が張り巡らされてこちらが不利になるのにゃ。だったら敵の攻撃より早く、全力【ダッシュ】での【金色の一閃】で【先制攻撃】にゃ!
狙うは鋼糸を操る敵の手。【マヒ攻撃】を付与したレイピアで【串刺し】にゃ!
絡み、アドリブ大歓迎にゃ。
●真っ白にゃんこと真っ黒にゃんこ
ざ、と草の揺れる音が聞こえてくる。
ひまわり畑の中からリオ・ウィンディア(墓地から来た歌い手・f24250)が飛び出してくるのを、バロンはモリィの向こうにしっかと見ていた。
支給されたリュックの中から大きな手回しオルゴールを取り出しながら、リオはその乳白色の瞳で忌々し気にモリィをねめつける。
「お前のようなギラギラした奴は嫌いだにゃ。世界はこんなにも……死臭に満ちてるにゃん」
「あらあら?何を当たり前のことを言っているの、白猫さん。世界は戦いで満ち溢れているのだから、死臭で満ちているのもまた当然の話でしょう?」
新たな猟兵の出現にちっとも動揺することなく、モリィは手指をくるくると回して鋼の糸を手繰った。渦を描いた細い糸がリオとバロンに伸びていく。
その糸を掻い潜るようにダッシュしながら、バロンはリオへと呼びかけた。
「猟兵かにゃ?お手伝いありがとうにゃ!」
「礼には及ばないにゃ。さて、ここからが私の舞台だにゃー!」
リオがオルゴールの取っ手を回し始めれば、ポロリポロリと涼やかな音が流れ始める。しかしその音によって引き起こされるのは、忌々しい呪詛の籠められた闇の嵐だ。
地面の石や砂が舞い上がって闇の音となり、渦を巻いてモリィに襲い掛かる。鋼糸を手繰って音を迎え撃つモリィのその手を目掛けて、バロンが一直線に突っ込んだ。
もう片方の手の鋼糸でバロンの黄金のレイピアを受け止めるモリィの指先と、バロンの鼻先がぶつかり合う。
「昔の魔法学園の生徒が、どうして災魔として戦ってるのにゃ?」
「どうして?不思議なことを聞いてくるのね、黒猫さん」
ぎり、と歯を食いしばりながら問いかけるバロンに、モリィが心底から不思議そうな表情をした。
大きく腕を振って、バロンの身体を弾き返しながら目を細めて笑う。
「私はとっくの昔に死んだ人間だもの。過去に生き、死んだ人間がこの世界に蘇る時は、それは全て災魔――オブリビオンになるでしょう?そこに何の理由も意図も存在しないのよ」
「……どんな理由があっても、何も無くても、このまま放っておけば他の生徒が戦いに巻き込まれるかもしれないにゃ。だったら、その前にボク達がキミを倒すのにゃ!」
弾き飛ばされたバロンが地面に着地するや、すぐさま地を蹴って繰り出される第二撃。狙い目は先程自分を弾き飛ばし、無防備に晒されている左手だ。
モリィがその手を引き戻すよりも早く、黄金の切っ先がその手に傷をつける。そこから流し込まれる麻痺の魔力が、彼女の手指の動きを確かに阻害した。
「くっ
……!?」
「これはごっこ遊びか何かだと思ったにゃ?戦いを楽しむのもいいのだけれど……こういう音色がないと命のやり取りに真剣になれないにゃ」
モリィが顔をしかめたその隙を突いて、リオがオルゴールの回転を早めていく。ますます巻き起こる呪詛の嵐がモリィを苛んだ。
「死は確実にやってくる……そんな単純なことを、教えてあげるにゃよ」
「まあまあ、それこそ単純すぎるお話だわ」
びしりと指を突きつけながら言い放つリオへと、苦悶の表情を浮かべていたモリィが笑った。否、嗤った。
それはどこまでも当たり前で、当然のことで、今更他人に言われるまでもない事だったから。
「私はもう、一度死んだ人間なのだから」
そう告げて、彼女は改めて自分の右手をリオに向ける。
鋼糸がオルゴールの音色に対抗するように、鋭い音を立てて空間を奔った。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
黒木・摩那
糸を使うのはあなただけではないんですよ。
ヨーヨー『エクリプス』で戦います。
ヨーヨーは軽く反応性重視でいきます。
さらにUC【偃月招雷】で帯電します【属性攻撃】。
メメントスの糸をヨーヨーで迎撃しつつ、ヨーヨーの刃を出し入れして、
攻撃します【なぎ払い】。
さらに【念動力】でヨーヨーの軌道を動かして、回避困難にします。
防御は【第六感】とスマートグラスのAIで対応します。
ケットシーでもヨーヨーはちゃんと使えてよかったです。
てっきりヨーヨーに引っ張られるんじゃないかと思いましたよ。
●糸使いとヨーヨー使い
猟兵たちとモリィが戦う様子をつぶさに観察して、摩那が面白そうにその口角を持ち上げた。
「鋼糸使いですか。でも、糸を使うのはあなただけではないんですよ」
そう言いつつ前線に躍り出たシャララ、と硬質な音を立てて摩那の手元から降りていくのは、ヨーヨーだ。ケットシーの体格に合わせて糸をだいぶ短くし、質量も軽くしてある。
その手元の武器を見て、モリィが興味深げに顎へと手を持って行く。
「へぇ……?ヨーヨー。面白い武器を使うのね、楽しみだわ」
「すぐにそんな軽口を叩けなくしてあげますよ。ウロボロス起動……励起。昇圧、集束」
摩那の発動詠唱と共に、バチリと空気が爆ぜて。
ヨーヨーの本体に、糸に、紫電が走っていく。
その様を見たモリィが目を大きく見開いた。電気を通す上に身体の一部が武器と繋がっている鋼の糸の特性的に、電撃とは相性が良くない。
「あらあら……?ヨーヨーとその糸に帯電させるとは、やるじゃない。厄介ね」
「それはどうも。この『エクリプス』をただ帯電するヨーヨーとだけ思われたら、それこそ心外ですが」
そう返した摩那の手元に戻ったヨーヨーが、一直線にモリィの方へと放たれる。糸を伸ばして急接近したヨーヨーがモリィの足元まで達すると、一気にその本体から刃が飛び出した。
足を斬られたモリィが思わず驚きの声を上げる。
「キャッ!?」
「よしっ、行けた。ケットシーの姿でもヨーヨーはちゃんと使えてよかったです……まだまだ行きますよ」
にやりとほくそ笑んだ摩那が再びヨーヨーを手繰る。ぐい、と引き戻されたヨーヨーの糸が小さく撓んだかと思えば、繰り出されたモリィの鋼糸を上に弾くように上昇した。
摩那の念動力によって自由自在に動き回るヨーヨーとその糸の動きに、翻弄され続けるモリィが悔し気に奥歯を噛んだ。
「くっ、なんて不規則な!?」
「私のヨーヨーを簡単に見切れると思わないことです」
ぐい、と手元にヨーヨーを引き戻した摩那が笑みを見せた。そうしてもう一度ヨーヨーを前方に放つ。
ぎゃり、というベアリングの音が戦場に小さく響いた。
成功
🔵🔵🔴
佐藤・くおん
くーちゃんf01176と連携
これはにゃんとびっくりにゃ、半分猫の僕が全部猫になったにゃ
しかーし、悪者は成敗するのが定めなのにゃ、鯖も食べるにゃ
そういうわけにゃので美しいお嬢にゃん、普段なら口説くところ成敗食らうにゃ!
ってくーにゃん、そりゃないにゃー!
ケットシーの恩恵により【野生の勘】が強くなり【ジャンプ】でぴょんぴょんギロチン刃の上を跳びながら鋼糸を【見切り】、必殺の一撃のため【怪力】を出すための準備運動をする
「へいへーい、当たってないにゃん~」
【挑発】をして相手の注意を向けたら、怒りで散漫になった攻撃を回避しつつ急接近、溜めたパワーを爪に乗せて
「食らってくたばるにゃ!」
【喝采の一撃】!
朧・紅
紅人格でくおんさん(f02218)と
ぅや!くおんさんが猫なのに猫に!
もふもふしたいにゃって思ったら僕もシッポの長い赤毛の猫でした!
僕一度にゃんこになってみたかったので感激ですにゃん♪
悪い子倒して僕も鮪を食べるにゃ!
……って、くおんにゃん?彼女さんに告げ口しちゃうですよぅー(じぃ
【紅朧月】のギロチン刃を【第六感】でくおんさんの動きを読み的確に足場になる位置に飛翔させるですね
上でも、下でも、蹴って、跳ねて、飛んでも
トリッキーな動きに対応、翻弄するにゃ
僕も一緒に刃をにゃんと飛び回って攻撃を回避武器受け
攻撃妨害もお手のもの2人への鋼糸を弾き、蜘蛛の巣も斬り裂かせて頂くし
なんなら退路も断っちゃうにゃん!
●半分猫な人と猫じゃない人が揃ってにゃんこ
一心不乱にひまわり畑を駆け抜けて、戦場に飛び込んできた佐藤・くおん(ミスタースマイリー・f02218)と朧・紅(朧と紅・f01176)は、視界が開けるなり揃って自分たちの手を、共に立つ相手を見て尻尾をぴーんと突っ張らせた。
「これはにゃんとびっくりにゃ、半分猫の僕が全部猫になったにゃ」
「ぅや!くおんさんが猫なのに猫に!もふもふしたいにゃ!」
ウサギと猫のキマイラのくおんは黒猫に。多重人格者の紅は赤毛のトラ猫に。無論二人ともケットシーであって。
「そう言ってるくーちゃんも猫ですにゃ。くーにゃんですにゃ」
「僕一度にゃんこになってみたかったので感激ですにゃん♪」
くおんも紅も、普段なら見ることの出来ない互いのケットシー姿に、随分嬉しそうだ。既に戦場にいるというのに、モリィが完全にほっとかれている。
と、そこで二人がくるりと方向転換、モリィの方にびしりと指を突きつけた。
「しかーし、悪者は成敗するのが定めなのにゃ、鯖も食べるにゃ」
「悪い子倒して僕も鮪を食べるにゃ!」
「あのー、もしもーし?私もしかして、悪い子扱いなわけかしら?」
紅の言葉に、少々呆気にとられた様子のモリィである。紅の年齢は外見からでは分からないものの、彼女は11歳。11歳の少女に悪い子扱いされてしまったモリィの心境は、きっと複雑だろう。
気勢が削がれたモリィへと、くおんがにこりと笑いかけた。
「そういうわけにゃので美しいお嬢にゃん、普段なら口説くところ成敗食らうにゃ!」
「……って、くおんにゃん?彼女さんに告げ口しちゃうですよぅー」
「ってくーにゃん、そりゃないにゃー!」
かっこよく決めたと思ったら、隣から紅が冷徹な一言をぶち込む。何とも締まらない。
いよいよ我慢ならなくなったモリィが、二人に向かって一斉に両手の鋼糸を怒りと共にぶちまけた。
「口説かなくていいし、漫才はもう結構なのよ!!」
激昂した様子のモリィが広範囲に放った鋼糸。飛んでくる糸を二人してジャンプ。回避すると同時に地面に鋼糸が広がっていく。
「にゃん!」
「にゃ!?地面に蜘蛛の巣が出来たにゃん!」
「ただの蜘蛛の巣じゃないわ、鋼の糸で出来た巣……踏み込んだ途端にズタズタよ!」
飛び上がって地面を見た紅が目を見開いた。自分たちがいた場所にも、鋼糸が撒き散らされた場所にも、きらりと輝く糸で作られた蜘蛛の巣が広がっている。
その糸の色、輝き、細さ、モリィの言う通り、どう見ても普通の蜘蛛の糸ではない。踏み込んだが最後、足元からズタズタにされてしまうことだろう。
しかし、紅は狼狽えない。一対のギロチン刃を取り出すや、それを放り投げた。
「ふっふっふ、甘いにゃん!赤く紅く、鮮烈に……にゃん!」
紅の掛け声に合わせて空中で複製されたギロチンが、蜘蛛の巣の広がる場所へと落下していく。しかして刃は蜘蛛の巣の中心を捉え、広げられた糸を千々に切り裂いた。
「なっ!?」
「くーにゃんナイスですにゃ、そのまま行きますにゃ!」
驚きに目を見張るモリィ。地面につき立ったギロチン刃の上に着地しながら、くおんが再び空中へと飛び出した。
「オッケーですにゃ!どんどん出すにゃ!」
くおんの動きに合わせて、紅が次々にギロチン刃を複製しては放っていく。上から、下から、横から。刃の峰を足場にしたり、刃の腹を蹴飛ばしたり。
縦横無尽にトリッキーに飛び回るくおんに、モリィも翻弄されていた。鋼糸を次々に放つも、その小さな身体を捉えられていない。ケットシーの体躯の小ささが、ここに来て大きな力になっていた。
「へいへーい、当たってないにゃん~」
「くっ、このっ、ちょこまかと……!」
あちらこちらに飛び回りながら挑発していくくおんに、だんだんとモリィもイライラしてきたらしい。鋼糸の狙いの付け方が甘くなってきた。
そしてそれを、紅は見逃さない。ギロチン刃を複製して飛ばし、くおんの足が刃の腹を足場に出来るように持って行く。
「くおんにゃん、今だにゃ!!」
紅の合図の言葉に合わせて、くおんはギロチン刃を思い切り蹴った。それと一緒に紅が刃をぐっと押し込み、加速の後押しをする。
しかしてくおんは弾丸のようにモリィへと一直線。急接近してくるくおんに向かってモリィが鋼糸を放つも、狙いが散漫になった糸は彼に当たらない。
「そこっ……なっ!?」
「よーし、食らってくたばるにゃ!」
モリィを射程に捉えたくおんが爪を思い切り振り降ろす。
ケットシーに殴られたとはとても思えない重低音が、戦場に響き渡った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
九条・蒼
【狐の宿】で参加。アドリブOK/シン、シロミと協同
【開始前】「そんな細い四肢で、敵うと思うのにゃ?片腹痛いにゃ!」筋肉盛り上げアピール&威嚇【POW・SPD】「私の筋肉が切り裂けるかにゃ?」糸を身体で受け止め、こちらへ手繰り寄せたり、怪力で引きちぎったりを狙う。受けること自体が危険であれば、UCの分身を囮に使ったり、素早い動きで翻弄したりして注意を引きつける。素手で危険と感じたらダガーも併用。シロミやシンの動きに紛れて行動し、奇襲をかけることも狙う。「隠密行動は十八番にゃ…!」耳をぴくぴく、スキを突く。【戦闘後】「猫はもう終わり…寂しいにゃん。」可愛いもの好きの蒼は、それはそれは寂しそうでした
シン・ドレッドノート
【狐の宿】で参加、アドリブ連携OK
【SPD】
「さぁ、やっつけるにゃよ!」
精霊石の銃を両手で抱えるようにして構えて、しっかり狙いをつけてモリィを狙撃、援護射撃します。
鋼糸搦篭に対しては4対のソードビットで切り払い、さばき切れなかった分は閃光の魔盾のビーム障壁で盾受けします。
「今度はこっちの番にゃ!」
【紺青の剣劇】を発動。追加召喚したソードビットで鋼糸を切断していきます。
姿勢が崩れたところを狙ってライフルビットで一斉射撃しますね。
「外に出たら、元の姿にもどるんにゃ?」
戦闘終了後、もう少し、ごろごろしててもいいですけど。
…ここはちょっと、暑すぎますね。
「…トロピカルドリンクでも飲みたいにゃー」
鏡磨・シロミ
【狐の宿】で参加。シンと蒼の2人と連携して戦うよ。
「……そんにゃに戦いたいのね。なら、お望み通りに……楽しませてあげるにゃ」
蒼より後、シンより前に立ち、攻めの起点を作るべくUCの準備の為に、技能『力溜め』を用いつつ光を集めていくよ。
基本的には初手から回避に徹しつつも、時には前に出てなぎなたの『鏡月』で牽制も混じえるよ。
「シン! 蒼! 私に合わせてにゃ!」
十分な光量をチャージ後、声掛けの後に『全力魔法』を用いて指定UCを発動。
幾つかの光弾の操作権は握っておいて『おびき寄せ』で相手の行動範囲を狭め『スナイパー』で相手の足を狙撃。
その後は『援護射撃』『一斉射撃』で追い詰めてシン達のアシストを行うよ。
●にゃんこの時間は終わりを……まだ告げない
傷を負っても尚、その両足で立ち続けるモリィ・グレイル・メメントス。
そんな彼女の前に、【狐の宿】の三人はそれぞれの武器を構えて彼女をまっすぐに見つめた。
「……そんにゃに戦いたいのね。なら、お望み通りに……楽しませてあげるにゃ」
「そんな細い四肢で、敵うと思うのにゃ?片腹痛いにゃ!」
薙刀を構えるシロミの横で、蒼が己の筋肉を誇示している。むきっとしているのはしているのだが、哀しいことに毛皮のもっふり感があるせいで微妙に筋肉が分かりづらい。
そうでなくても、モリィにとってはあんまり示威行為にはなっていなかったようで。くつくつとおかしそうに笑う彼女だ。
「それを言うならあなたたちこそ、そんな小さな身体と手足で、私に敵うと思って?……と言いたいけれど。ここまでされておいて、それは無粋ってものね」
肩を竦めたモリィがゆるゆると首を振った。
何しろ、今のモリィは肌を斬られ思い切り殴りつけられ、結構悲惨な状況だった。猟兵たちが全員揃ってケットシーの姿であるから、ケットシーの体躯の小ささで侮ることなど、今になっては出来ようもない。
しかし、それでも。否、だからこそ。モリィは楽しそうに、その瞳に決意を漲らせて鋼糸を構える。
「さすがは猟兵、その実力は大したもの……あなたたちなら、私の力が尽きる、その最後の最後まで、私を満足させられそうだわ!」
彼女の言葉に呼応するように、モリィの手元で鋼糸が甲高い音を鳴らした。
そしてモリィが力強く声を張る。
「おいでなさい、私を楽しませてみせて!!」
その言葉にぐっと身体に力を籠めたシンが、対抗するように口を開いた。
「さぁ、やっつけるにゃよ!」
「いくにゃ!」
「分かったにゃ!」
その言葉を受けて蒼とシロミが前に出た。精霊石の銃を狙撃態勢で構えるシンを残し、蒼が前に、シロミがその後ろに。
繰り出される鋼糸を避けながら、どんどん接近してくる二人と、その二人の後ろから弾丸を放ってくるシン。見事に明確化された役割分担だ。
「チームプレーってわけね、分かりやすくていいわ!」
シンの狙撃で行動範囲を制限されながらも、モリィは次々に鋼糸を放ってくる。そして放たれた糸の一本が、蒼の腕へと巻き付いた。
ギリ、と締められると同時に彼女の腕から鮮血が噴き出す。
「くぅっ!」
「蒼!大丈夫にゃ!?」
苦痛に顔を歪める蒼の後ろからシロミが声をかける。と、蒼が返すよりも早く後方からシンの声が飛んだ。
「シロミ、蒼なら大丈夫にゃ!前に出るにゃ!」
シンの声に前を見据えたまま、シロミは蒼の後ろから飛び出して側方から回り込む。鋼糸に囚われたシンはその場から動くことなく、逆に糸をしっかとその手で掴んでいた。
これでモリィは片手を蒼によって封じられている。もう片方の手は未だ鋼糸を放っているが、シロミとシンの両方を狙うにはシンの狙撃が邪魔だ。
「なるほど?一人が盾になり、一人が狙撃、もう一人が遊撃。理想的ね、素晴らしいわ。学園の教材にしてもいいくらい。でも、それだけじゃ――」
「駄目、だよにゃあ?」
「なっ!?」
側方から回り込んでくるシロミに向かって鋼糸を振るおうとしたその瞬間、逆側から声が飛んで来た。思わず手を止めて振り向くと、そこにはダガーを構えて接近してくる蒼の姿。
モリィの瞳が、驚愕に見開かれた。
「そんな、あなたはあそこで確かに……!」
「ふふふ、お前に私と私のどちらが本物かは、分からなかったようだにゃあ」
すぐに手を返して鋼糸を放つも、隙を突いてダガーを振るう蒼の方が幾らか早い。
蒼のダガーに切り裂かれてモリィの腕が血を噴いた。苦痛に顔を歪めるモリィが歯を食いしばる。
「ナイスにゃ蒼、そのまま抑え込むにゃ!」
そこにシンの狙撃が飛んで来た。完全に動作を停止したモリィの肩や、足を、弾丸が貫いていく。
ふと見ればシンのいる方、分身の蒼は既に姿を消している。耐えられなくなったか、それとも蒼が自ら消したか。
「分身か……!小癪な真似を!」
「片方に気を取られていたら、その隙を突かれる、鉄則ですにゃ!」
蒼が後方に下がりつつあるそのタイミングで、シロミも薙刀を振るった。舞い踊る鋼糸を打ち払い、軌道を乱しながら牽制を続けていく。
さらに前方からはシンの召喚したソードビットが飛んで来た。鋼糸を斬り払って打ち落としながら、どんどん自分の方へと接近してくる。
三方に敵がいるこの状況、流石にモリィも危機感を感じずにはいられない。両手の鋼糸を一斉に自分の元へと引き戻した。
大技が来る。
「このっ、かくなる上は――」
「『鋼糸鏖殺』にゃ!シン!蒼!私に合わせてにゃ!」
「了解にゃ!」
シロミの鋭い声が飛んだ。同時に蒼が全力で後退する。鋼糸鏖殺の効果範囲がどこまであるかは分からない。なるべく遠くへ、遠くへ。
そしてひまわりの咲き誇るエリアが近づき、茎と茎の間が鮮明に見えてきた瞬間に。
モリィの力強い声と鋼糸の鳴る音が響いた。
「塵も残さないわ!切り刻め!!」
「今にゃ、舞い踊れ!!」
刹那、暴風のように鋼糸が荒れ狂った。範囲が予想より広い、ひまわり畑の際にも達しているようだ。咲き誇るひまわりが、ズタズタに切り裂かれているのが見える。
そんな中で、鋼糸に対抗するように舞い踊る光の弾。鋼糸とぶつかってはその軌道を逸らして、いくつかはモリィの足に向かって飛来して。
足を撃たれたモリィと、鋼糸に身を裂かれるシロミが、同時に声を上げた。
「くぅっ……!」
「うぅっ……!」
「シロミ、平気かにゃ!?」
「大丈夫にゃ……シン、いけるにゃ!?」
苦痛に顔を歪めながらも蒼に言葉を返すシロミが、視線を向けるのはシンの方だ。
同じように鋼糸鏖殺に巻き込まれながらも、その範囲の内側でシンは力強く声を張る。
「オーケー、今度はこっちの番にゃ!」
その声と同時に召喚されたのは追加のソードビットだ。その刃が一斉に振るわれて、舞い踊る鋼糸を両断してみせる。
バラバラと、切断された鋼糸が地面に落下した。
「な――!?」
「今にゃ、一斉射撃ーーっ!!」
驚愕の表情で固まったモリィ。そこに召喚されたライフルビットが合計63体。
その63体が一斉に、モリィ目掛けて弾丸を打ち込んだ。足を穿たれたモリィは、それを躱すことが出来ない。
「ふ、ふふ……ここまで綺麗に、してやられるなんて……素晴らしいわね、あなたたち……」
全方位から穿たれたモリィの表情は、どこか満足そうで、やり切ったような感じで。
バラバラに切り刻まれた鋼糸と一緒に、モリィの姿が泡に溶けるように消えていく。
後には切り刻まれた痕の残る地面と、寸断されたひまわりの茎や花があるばかり。
「……終わり、ました、にゃ?」
「うん、これで終わりですにゃ」
「ということは、猫の姿ももう終わり……寂しいにゃん」
戦闘が終了して、ほっと息をついたシロミとシンだ。シロミは戦闘が終了したからか、言語能力の励起が終わって口調が元通り。
そして蒼は耳と尻尾をしゅーんと垂らして寂しそう。可愛いもの好きな彼女にとっては、この時間は至福の時だったようで。
その姿を見たシンが、小さく首を傾げた。まだ変身が解ける様子は無いから、ちょっとならごろごろしていてもいいかもしれないが、ごろごろしすぎて変身が解けて、あの狭い通路を通れなくなったら嫌だし、そもそもここは暑すぎる。
「外に出たら、元の姿に戻るんにゃ?」
「グリモア猟兵の、話では、変身ガスの効果が、切れたら……だそうです、にゃん。
それに、最初の部屋に、戻れば、また変身ガスの、スイッチが、ありますにゃ?」
「にゃるほど!つまり猫になりたければ、またスイッチを押せばいいということだにゃん!」
「名案だにゃ!」
蒼の言葉に、シンがぴょこんと跳ねた。シロミも心なしか楽しそうで、耳と尻尾がぴくりぴくり。
かくして、【狐の宿】の三人組のケットシータイムは、真夏地帯から戻った後も、もうちょっとだけ(具体的には蒼が満足するまで)続くのであった。まる。
大成功
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