アースクライシス2019⑩~古代都市に潜む影達
●海底都市のとある一区画
ここは青き水面の奥底、冥き海底に作られし古代都市アトランティス。
石造りの住居や神殿が立ち並ぶ街並みは本来アトランティスの住民達が行き交い、都市中に浮かんだ魔法の泡から出る光によって都市は光に満ち溢れている…のだが、今は人々の姿は消えて暗闇に閉ざされた不気味な廃墟都市と化している。
ここはこの区画の中心部にあるローマ様式の劇場。
普段ならば大衆が歌姫の奏でる歌を聞きに集まるであろう扇形になったすり鉢状の劇場に、すっぽり収まる形で巨大な二枚貝が大きく口を開けていた。
その中には遠くからでも分かるほど巨大な真珠のような珠が鎮座し、それが光り輝くと人々の悲鳴が響き渡る。
そして、巨大な真珠が発する光の点滅に同調するように、ダークポイントが次々と姿を現した。
劇場に響く叫び声、悲鳴、嗚咽を他所にダークポイント達は銃を抜き、巨大貝から躍り出ると闇に覆われた古代都市に姿を消していく。
「命令:クローン装置の防衛。
戦術:造られた数で圧倒。
実行:侵入者を排除」
●グリモアベース
「度重なる連戦で疲れているだろうが、次の任務だ」
集まった猟兵達を見上げるようにテレビウムが言葉を発する。
「紹介が遅れたな。俺の名はリコ・エンブラエル(鉄騎乗りの水先案内人・f23815)、この度グリモア猟兵として着任したばかりのテレビウムだ。よろしくな」
お互いに軽く挨拶を交わすとリコは傍に控えさせていた躯体に乗り込み、丁度猟兵達の目線と合う高さに調整するとモニターから映像を表示させる。
「ビックウェーブでの活躍があって、アトランティスに進行する事が可能となった…が、一難去ってまた一難とやらだ。次のミッションはアトランティス内に設置され、現在稼働中のクローン装置の破壊だ」
モニターには巨大な二枚貝、そしてその中に鎮座する巨大な真珠貝のような球体を拡大表示させた。
「攻撃対象は街中あらゆる所に置かれた、このバカでかい二枚貝の中にある真珠のような球体、これが今ミッションの目標であるクローン制御装置だ。しかし、ただ壊せばいいという物ではない。この中にはここ、古代都市アトランティスの住人達が数百人規模で閉じ込められ、クローン製造に使われる魔力や生命力を搾り取らている。そして、それらを元にクローンが大量生産され、街中のいたる所に敵が配置されているという現状だ」
モニターの映像を次々に切り替えながら、リコは淡々と猟兵達に説明をする。
「俺が担当する区画で確認されたのは、お前達が今まで戦ってきたであろう量産型のダークポイントだ。俺達猟兵の侵攻に備え、今こうしている間も住民達を糧にクローニングされ続けている。オマケに市街地戦と来たものだ。参加する者達には骨を折らせてしまうが、圧倒的な数を揃え待ち構えている奴らに対抗する術と手段を講じなければ、こちらが返り討ちされるだろう。だが、上手く超・大群共を撒いてクローン装置までたどり着き、破壊すればその装置で造られたクローン共は大きく弱体する。さっきも説明したが、クローン装置の中には住民が閉じ込められているので、余力があれば救出し保護にあたってくれ」
一通り説明が終わるとモニターの映像を切り、そこにはモニターを覗き込む猟兵達の顔が映っていた。
「では、ミッションの説明を終えたので、これよりポイントへの転送を行う。各人、準備はいいか?」
リコはグリモアを展開させると、猟兵達をアトランティスへと転送させた。
ノーマッド
ドーモ、初めまして。
この度MS試験に合格し、グリモア猟兵として登録させて頂きましたノーマッドと申します。
戦争シナリオが初シナリオとなり、至らぬ所があるでしょうが宜しくお願いします。
●本シナリオにおける「プレイングボーナス」
今シナリオでは、【「超・大群」に何らかの方法で立ち向かう】とプレイングボーナスが付与されます。
逆に超・大群への対策がなければ、苦戦、ないし失敗となる可能性があります。
『超・大群を撃破し尽くしてクローン装置の自壊を狙う』作戦を取る場合は、超・大群を殲滅していけるだけの作戦が必要となるのでご了承下さい。
また後者の作戦を取る場合、捕らえられた住民の安否は保証できません。
住民の救出自体は成功判定に影響を与えませんが、後味が悪い結末を回避したい方はご注意下さい。
それでは、アトランティスをクローン達から解放する皆様の熱いプレイングをお待ちします。
第1章 集団戦
『量産型ダークポイント』
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POW : ダークマシンガン
【機関銃】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : ダークスナイプ
レベル分の1秒で【専用のカスタマイズが施された拳銃から銃弾】を発射できる。
WIZ : インビジブルアサシン
自身と自身の装備、【自身の銃弾で負傷または死亡した】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
👑11
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イヴ・クロノサージュ
アドリブ歓迎☆
●心情
た、大変なの!
クローン制御装置でアトランティスの住人達が苦しめられる!
これは魔法少女として助けにいかないといけないわ!
――
魔法少女の原則その5
苦しむ人々を見たら、すぐに駆けつけよう!
――
☆作戦☆
《陽動》
「超・大群」にはこちらも大人数の巨大兵器で仕掛けるのがいいと思うの!
UCを使用して、機械鎧兵小隊を出撃させます
私が経験したダークポイントの【戦闘知識】をAIに覚えさせて銃攻撃!
【範囲攻撃】を意識してなぎ払うの!
《本命》
そして、私がアトランティス内の真珠貝に潜入してクローン装置の破壊!
聖鍵で思いっきり「えーいっ!」って感じで殴る!
☆救い出した住人達の前で決めポーズは忘れません☆
ルドルフ・エルランゲン
※絡み・アドリブばっち来い!
古代都市アトランティス…本来なら幻想的で美しいのでしょうね。なんとか住民たちを解放していきたいところです
■詭道の計(wiz)
※自身が戦う事は無く、戦闘は味方猟兵に任せつつ助言とフォローに回る
量産型ダークポイントの大群とは厄介な。しかもそれが透明化なんて面倒極まりない。全部まとめて無効化させましょう
対峙する敵、および展開させたセンサードローンに取り付けたスピーカーを通じて域内全域に
「透明化など無駄です。諸君らの癖はサーモセンサーとソナーで全て解析しました。透明になったところで全てお見通しなんですよ!」
と、透明化UC自体が無駄だと認識させて自発的に使う気を無くさせる
●ハッタリかましてMOVE ON!
「古代都市アトランティス…本来なら幻想的で美しいのでしょうね。なんとか住民たちを解放していきたいところです」
古代都市の名に相応しい何処となく彫刻的で巨大な石柱、その上に石やレンガを積み上げて建てられたドーム状の丸屋根。闇が支配する古代都市アトランティスに降り立った猟兵、ルドルフ・エルランゲン(黄昏に抗う白梟・f03898)が神殿であろう建造物を見上げて嘆声をもらす。
『感知:侵入者。
解析:猟兵。
対応:排除開始』
そして、その神殿の前から空気でなく水を伝搬させながら機械的な声が響く。
聞こえるはコツコツと石床を鳴らす足音のみ…声の主は何処にも見えない。しかし、ルドルフは眼鏡のブリッジを人差し指で押し上げ、慌てることなく冷静に、レンズを光らせながら静かに口を開いた。
「おっと、透明化など無駄です。諸君らの癖はこのセンサードローンに搭載されているサーモセンサーとソナーで全て解析しました。透明になったところで全てお見通しなんですよ!」
半分は正解、半分はでまかせであった。現に今、向こうの声で気づいたのだから…ッ!
だが、詭道の計…そんなハッタリも功を奏したのか足音はピタリと止まった。
『確認:飛翔物。
探知:ソナー音。
結論:偽装解除』
闇の中に翠の灯りが瞬き、声の主である量産型ダークポイントが姿を現した。
しかし、その数はふたつ、みっつ…次々と浮かび上がり、ざっと百は超えていた。
「おっと…もしかして、藪蛇…でしたか?」
ルドルフの冗談めかした問いに応えず、静かに銃口を向けるダークポイント達。
引き金を絞り、今まさに銃弾が撃たれるその瞬間、その間に割って入る声が響いた。
「《宇宙戦艦》クロノトロン=ユニットから通達、敵を感知! 機兵隊は対象のポイントに降下突入して下さい」
声の主はイヴ・クロノサージュ(《魔法少女》キュア・サージュ・f02113)。
そして宇宙空間から海底へ空間を転移し召喚された水中戦用に換装された兵装、イヴの開発した高性能AIで本来の戦場である宇宙戦から水中戦に最適化された12機の機械鎧兵小隊が彼女の背後に控える。
アトランティスの街並みのせいか、神話の世界の巨人を思わせる6メートルの鉄巨人達はダークポイント達に照準を合わせた。
「クローン制御装置でアトランティスの住人達が苦しめられる! これは魔法少女として助けにいかないといけないわ! オープン・コンバット!」
号令に合わせて魚雷型ミサイルによる範囲攻撃が放たれ、爆発による衝撃波がダークポイント達を次々と吹き飛ばし、急激な水圧の負荷により圧潰させていく。
「は…はははは、私が何の対策もしてないと思ってるんですか? 丸腰であなた達の前に出て来るなんて無謀なことはしません。これもあなた達を誘き出す為の策なのですよ」
ハッタリもここまでくれば大したものである。
だが、ここまですれば当然周囲の建物も無事で済む訳でもなく、魚雷型ミサイルによる衝撃波、そして流れ弾が神殿に当たれば、その爆発で大きな泡を立たせながら崩れ去っていく。
海中に舞い上がった砂埃が収まればそこにあるのは、死屍累々と骸の海に還っていくダークポイント達の残骸、そして神殿であった残骸と…その中に隠されていた巨大な貝とクローン制御装置だった。
「魔法少女の原則その5! 苦しむ人々を見たら、すぐに駆けつけよう! えーいっ!」
新たなクローンが製造される前にイヴは水中を跳び、手にした聖鍵で思いっきり真珠型クローン制御装置を叩き破壊に成功した。
次第に光が消えていき、崩壊していくクローン制御装置。
そして、クローン制御装置が壊されたことにより奪われた魔力が復活して魔法の泡から出る光が周囲を照らし出す。
救われた人々は目の前で決めポーズを決めるイヴとルドルフの姿に目を白黒させ、一体何があったのか、ここにあった神を祀る神殿は? と、状況を飲み込むには暫し時間はかかろう。
確かなのはひとつだけ…ハッタリが彼らを救ったのである。
成功
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アリソン・リンドベルイ
【WIZ 侵略繁茂する葛葛】
……正面からだと、敵群に呑まれる…なら…っ! 海底に辿り着いたら、ユーベルコードで地下の岩盤を植物の蔓に変換。そのまま、地底の岩盤を潜り、掘り進める形で海底都市、クローン装置の下を目掛けて移動していくのよ。そーっと、そーっと…!
直下まで到達できたら、あとは『範囲攻撃、生命力吸収』の蔓を展開して海底まで掘り進んで浮上、クローン装置は無機物でしょうから植物蔓に変換して、中に閉じ込められていた方は『救助活動、奉仕、医術』で救出したいのよ。…お初にお目にかかります、海に住まう賢き民の方々……ええ、ええ。これで、クローンを延々と生産されて千日手、というのは避けられるかしら?
●海底を這うは緑の侵略者
アリソン・リンドベルイ(貪婪なる植物相・f21599)はアトランテシスに転送されると街並みから離れ、舗装されて整えられた石床からせり出すように剥き出しになった海底の岩盤を見つけると静かに手を添えた。
「……正面からだと、敵群に呑まれる…なら…っ!」
目を閉じ、意識を集中させれば岩盤が植物の蔓に変換されていく。
無機物を植物の蔓に変換するUC「侵略繁茂する葛蔓」。超生命力で急成長する葛の蔓が侵略者の如く、地底の岩盤までもを植物の蔓に変えていく。
「(でも、目を離したら一瞬で成長しちゃうから、慎重に…そーっと、そーっと…!)」
目標は転送された時に見つけた広場の巨大な二枚貝とクローン制御装置。
暗闇を切り裂くように光が激しく点滅していたという事は、今現在クローンが大量生産されていると知り得た彼女は機転を利かせ、正面突破ではなく地中からクローン制御装置を破壊する事を選んだのだ。
「(そろそろ広場の上ね…ここで浮上しましょう)」
石床の隙間から葛蔓がせり出し、音もなく二枚貝の外殻を伝い伸びていく。
『知覚:僅かな異音。
探知:装置周辺。
対象:排除開始』
流石にクローン装置を守るように猟兵を待ち構えていた量産型ダークポイント達が異変に気づき、手にした銃で銃撃を始めたが時既に遅し。
葛蔦は銃撃を物ともせずに巨大な真珠状のクローン装置を包み込んだ。
真珠質に輝く装置その物は団子状に絡まりあった植物蔓となり、クローン装置を失った量産型ダークポイント達は次第に顔面に刻まれた模様の発光が消え、身体が崩れて塵となり骸の海へと還っていった。
「…お初にお目にかかります、海に住まう賢き民の方々」
全てが終わった頃にアリシアは地中から姿を出し、元はクローン装置だった巨大な蔦玉をかき分けて中に閉じ込められた住民達と邂逅した。
そして、魔力を搾り取られて衰弱しているアトランティス住民を身に付けた医術の知識で献身的な救助活動を始める。
クローン装置によって奪われた魔力が復活し、次第と光を発する魔法の泡が増えてく
その光は広場を中心に古代都市アトランティスの街並みと建物の造形を静かに浮かび上がらせ、光も届かぬ水面の底を幻想的にあたたかな雰囲気に演出していた。
大成功
🔵🔵🔵
ヴィクトリア・アイニッヒ
【太陽の家】で参加。
住人を、閉じ込めて…?
その様な非道、許す訳にはいきません。
私達の手で、人々を救うのです。それこそが、猟兵足る者の務め…!
UC【神威の光剣】を使用。
迫り来る大群に付いては、無数に生成される光剣で対応します。
ここが海底であるとは言え、我が主の威光は翳りません。
陽は遍く全てを照らす物。主への【祈り】を捧げ、その力で敵を足止めしましょう。
装置の中の市民は、可能な限り助け出したい所です。
愛用の大鞄に医薬品や衣類など、必要なものを詰め込んで持ち込みます。
人々を護り救う為に磨き上げた、【救助活動】や【医術】といった知識。
今この時こそ、活かさなければ…!
※アドリブ歓迎です
キング・ノーライフ
共闘可
生憎と我は大量破壊の技は心得てないし、真っ向から戦う気も無い。機械の神は効率を好むのでな、装置を狙わせてもらおう。
水陸両用の【ヴァーハナ】に【鼬川の指輪】で召喚した鼬川を乗せて出陣。
機関銃という弾をばら撒く銃ならば【敵を盾にする】事で数を減らしつつ【運転】や【パフォーマンス】で片輪やドリフトや最悪回転とかしても悪路…というか車道以外の道や室内も突き抜けて敵を撒いていく。
一応【ノーライフ】での射撃や【風刃】も攻撃に使う、ただ風刃は障害物排除メインになるか、ヒーローが好きならカーアクションも好きだろ鼬川?
最終的には車ごと崖から転がり落ちたり、どこかからダイブして突っ込んででも装置破壊を狙う。
クロエ・アスティン
【太陽の家】で参加
「街の人たちをこんな風に扱うなんて許せないであります!」
【アースジャイアント】を呼び出し、戦女神の大盾を構えて突撃させるであります!
ダークマシンガンでの攻撃を大盾の巨大版で「盾受け」しつつ、「シールドバッシュ」で突破していきます!
ヴィクトリア様の攻撃で敵が減ったタイミングで【アースジャイアント】を作り直すことで
大群による波状攻撃に対応するであります!
体力を回復するヒーリングポーションも惜しまず使い、全力で前進していきます!
ゆっくり進んでいてはクローン装置にとらわれた住民が心配です。このまま一気に真珠貝まで突き進むであります!
※アドリブや他の方との連携も大歓迎です。
木常野・都月
装置の破壊を最優先、次点で敵への攻撃を行いたい。
人は、助けられるなら助けたい。
しかし大勢の敵の目を掻い潜るにはどうしたら…
[野生の感、第六感]を使用、敵の動向に注視したい。
その上で[オーラ防御]を纏った狐の姿で[逃げ足、ダッシュ、忍び足]を駆使して駆け抜けたい。
風と光と闇の精霊様にお願いして、足音を抑え、日向と日陰で光量を調節、可能な範囲で姿を誤魔化して貰いたい。
UCは装置の射程まで辿り着ければ【精霊の矢】を雷で使用、装置の破壊を。
装置の射程に届く前に敵に補足された場合は【雷の足止め】で敵の妨害をしたい。
敵の攻撃は[高速詠唱、カウンター、吹き飛ばし、雷の属性攻撃]で相殺、もしくは追撃したい。
ミフェット・マザーグース
【太陽の家】で参加するね
猟兵のみんなもたくさん、だけど敵もいっぱい
クロエとヴィクトリアがすっごく敵の目をひきつけてくれてるから、その間にミフェットはできることをやらなきゃ
UC【粘液の体】
「情報収集」でしっかり《球体》の位置を把握して
体をブラックタールの粘液に戻して、影から影に移動して《球体》に近づくよ
《球体》に取り付いたら、周囲の敵に見つからないようにくっついて、接触面の一部をドリルに変化させて「トンネル掘り」で「串刺し」にして中に潜るの
中に上手く入れたら、制御端末にこそっと取り付いて「メカニック」と「ハッキング」で《球体》を壊すね
あとはこっそり住民の人たちの中に隠れて、安全を守るよ!
ヴィクトル・サリヴァン
市街地戦で向こうは銃器使い…延々と撃たれたら厄介だけど何とか突破しないとね。
海水に満たされた都市ってことで水泳で移動。
シャチは海でこそ最速クラスだって陸の住人に見せたげないとね。
市街地の地形を遮蔽物として利用し敵の銃弾を回避する。
高速詠唱で周囲の水を凍らせ即席の盾にしたりも。
もし海中にばらばらに相手が展開していないのなら水面近くまで泳いでそこからダイビングする要領で装置へと接近。
銛が投擲して届く射程に入ったら即ぶん投げUC発動、水のシャチに喰らいつかせ装置を破壊させるね。
基本的に銃器が武器、投げられた銛を止めるのはやり辛いんじゃない?
破壊出来たらクローン達の掃討に移るよ。
※アドリブ絡み等お任せ
●猟兵は地を疾走り天を遊泳する
「大地の巨人よ、その土塊を我が映し身となれ! ――アースジャイアント!」
クロエ・アスティン(ハーフドワーフのロリ神官戦士・f19295)が石床に掌を押し当てると、クロエの姿と装備を象った大地の巨人が地面からせり上がり顕現する。
『確認:UC使用反応。
視認:我々と同じ背丈の石像
判定:驚異に非ず。集中砲火、排除する』
ダークポイント達が構えたダークマシンガンが暗色の火を吹き、無数の銃弾がアースジャイアントを身体を削り取っていく。
幸いにクロエ、そして仲間であり同居人でもあるヴィクトリア・アイニッヒ(陽光の信徒・f00408)はアースジャイアントが構えた大盾により銃撃から身を隠した。が、2人の盾となったアースジャイアントは銃撃が止むと音を立てて崩れてしまった。
「くっ…まさか、ここまで数が多いとは…」
ヴィクトリアが周囲を包囲するダークポイント達を睨む。
時を戻せば、彼女らの仲間であり同居人のミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)をブラックタールである特性を活かしクローン制御装置がある劇場へと侵入させるべく、ヴィクトリアとクロエは陽動として囮となった訳である。
しかし、ふたりの奮戦虚しく想像以上のクローニングされたダークポイントの大軍勢が押し寄せ、今は防戦に追われていた。
「あなた達は…何故死を恐れないでありますか!? 攻撃を防ぐ素振りもせずに、仲間の骸を越えて何も感じないのでありますか!?」
事実、ダークポイント達は攻撃を避ける素振りもせず、クローンとは言え己の屍を踏み押し寄せてきた。
クロエの生物として当然持っている生の感情を訴えかけた問いに、彼らは銃口を向けながら答えた。
『質疑:我らの存在とは何なのか』
『回答:血となり肉となる触媒と装置がある限り』
『回答:我らは超・大群(レギオン)』
『回答:我らは大勢であるが故に』
『回答:我らは全にして個』
『回答:我らは個にして全』
『終結:無限にして無尽。チェックメイトだ、猟兵』
このまま彼女らは蜂の巣になってしまうのか?
いや、それは早計である。
何故なら、闇を切り裂くヘッドライトがエンジン音を唸り上げさせながらダークポイント達の背後より突っ込み、鳥のような外観の装甲車がドリフトさせながら彼女らの目の前で停止した。
「乗り給え、お嬢さん方。我の気が変わらん内に、な」
何が起きたのか呆然とする2人の前に声の主であるキング・ノーライフ(不死なる物の神・f18503)ハッチから身を乗り出すと手を差し伸べた。
「クロエさん、急ぎましょう!」
「は、はいであります!!」
ヴィクトリアはクロエの手を取り、ハッチの中に滑り込むと軽快な声が車内に響いた。
「ご乗車ありがとうございまーす。これより当ヴァハーナはアクセル全開でここより離脱します。ご乗車してる方々は、適当な手すりにお掴みください…てな!」
ドライバーの鼬耳と尻尾を持つ従者『鼬川瞬太』による冗談めかした車内アナウンスが終わるや否や、タイヤを鳴らしながら装甲車ヴァハーナは次々とダークポイント達を再び撥ね飛ばしながら離脱した。
「ありがとうございます…危ない所を助けて頂きまして」
「なーに、良いって事よ。ヒーローなら女の子のピンチは見過ごせねぇからな」
「ふん、鼬川よ。余計な寄り道をしおって」
そんな会話が交わされる中、クロエは初めて見る装甲車の車内を興味津々に見渡していた。
「ところで…ヒーローが好きならカーアクションも好きだろ鼬川?」
「当然だろキングの旦那。寄り道した分、ちょいと近道をして急ぐぜ」
急に道から逸れて悪路を走り…そして崖を跳んでショートカットをしてみせる。
車内にはヴィクトリアとクロエの声にならない悲鳴が響いた。
「何か…聞こえませんでしたか? 人の悲鳴のような…」
「うーん…気のせいじゃないかなぁ?」
シャチのキマイラのヴィクトル・サリヴァン(星見の術士・f06661)の背びれに木常野・都月(妖狐の精霊術士・f21384)が掴まりながら周りを見渡した。
「そう言えば、まだお礼は言ってませんでしたね。危ない所を助けて頂いてありがとうございました」
「良いって事だよ。困った時はお互い様。シャチは海でこそ最速クラスだって陸の住人に見せたげたいけど、市街地戦で向こうは銃器使い…延々と撃たれたら厄介だけど、気づかれる前に何とか突破しないとね」
こちらも時を戻すと、狐の姿に?化した都月をダークポイント達が追ってきた所をヴィクトルにより助けられたのだった。
そして今は、ヴィクトルの背びれに掴まりながら風と光と闇の精霊の加護を受け、限りなく闇に溶け込んだステルス状態となり、悠々と市街地を泳ぎ縫っているのであった。
ダークポイント達を都月の野生の感と第六感による指示でヴィクトルはくぐり抜け、目の前には劇場らしき建物が見えてくる。
「装置の破壊を最優先…人は、助けられるなら助けたい」
「そうだね。この悲劇、終わらせてあげなきゃ」
2人は互いに目的を確認し合うと、シャチは力強く尻尾の尾びれを水中で棚引かせた。
●強襲ショウタイム
「クロエとヴィクトリアがすっごく敵の目をひきつけてくれたから来れたけど…ここも敵はいっぱい」
ミフェット・マザーグース(沼の歌声・f09867)はブラックタール特有の粘液の体に戻して市街地を抜け劇場にたどり着いたが、クローン装置を取り巻くようダークポイント達が警戒を強めている。
『感知:侵入者。
反応:猟兵。
構え:迎撃準備』
ダークポイント達が一斉にミフェットが潜んでいる方向に顔を向け、ダークマシンガンを構える。
「え…もしかして、ミフェット、見つかっちゃった…の?」
ダークマシンガンが火を吹き、ミフェットは身構える。
だが、銃口はミフェットよりも上の場所、上空めがけて放たれていた。
「主の威光よ、悪意を祓い給え! ──『神威の光剣』よ!」
冥い海の虚空から無数の光剣が雨のように降りかかり、迎撃していたダークポイント達の四肢を次々と差し貫く。
「雷の精霊様、悪しき者達に裁きの雷槌を!」
間髪入れずに稲妻が光剣を避雷針にするように降り注ぎ、ダークポイントらの身体が崩れて塵となり、骸の海へと還っていく。
そして残った塵を押しつぶすように装甲車が着地する。
上面のハッチにはヴィクトリアが身を乗り出し、それに続きヴィクトルが背中に乗せいた都月を地面に降ろす。
「ヴィクトリア、それにみんな!」
だが、束の間の再会を破り住民達の悲鳴と共にクローン装置は輝き、倒したはずのダークポイント達が続々とクローニングされていく。
『実行:超・大群。
戦力:拡充。
猟兵:排除する』
「街の人たちをこんな風に扱うなんて許せないであります!」
「その様な非道、許す訳にはいきません。私達の手で、人々を救うのです。それこそが、猟兵足る者の務め…!」
「生憎と我は大量破壊の技は心得てないし、真っ向から戦う気も無い。鼬川、障害物を排除せよ」
「精霊様、ご助力下さい」
「さあ、追いかけて、齧り付いて――喰い千切れ、獲物はここだ」
まさしくそれは消耗戦であった。
降り注ぐ光剣、盾となり銃撃を防ぐ石の巨人、縦横無尽に貝殻内を走る装甲車にレールガン、305本物の雷を纏った精霊の矢、銃撃をものともしない投げられた銛と水で象った巨大なシャチの総攻撃。
しかし、次々とやられていくダークポイント達も超・大群ですぐに補充されていく。
そんな乱戦を粘液の身体で掻い潜り、ミフェットは装置までたどり着くのに成功した。
「制御端末…はない。すべすべしてるだけ…それなら…」
黒い液体が鎌首をもたげると、その先をドリル状に变化させる。
そして穿つ、穿つ、穿つ!
わずかに亀裂が走った表面に黒き液体は侵入していく。
真珠状の制御装置は徐々に侵食されて黒く染まり…その機能を停止させた。
●戦いおわって
クローン制御装置が破壊された後に残ったダークポイント達は掃討され、装置に閉じ込められていた住民達は救い出された。
度重なる超・大群製造で住民達の魔力は大きく搾り取られ、中には手や足を壊死させている者も居たが、ヴィクトリアが愛用する大鞄の中に詰め込められた医薬品に衣類、そしてクロエのヒーリングポーションや都月による緑の癒しの狐火、ヴィクトルによる活力の雷による懸命な治療活動により事なきを得た。
クローン制御装置に奪われた魔力が次第に戻り、泡が放つ幻想的な光が周囲を包む。
だが、まだアトランティスの一区画が解放されただけである。
今も別の場所では住民達が囚われたままで、オブリビオンの暴虐が続いていよう。
まだ戦いは続く…だが今は、ひとときの休息に身を委ねよう。
泡の光が猟兵達を暖かく癒やす、この僅かな安らぎの時を…。
大成功
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