病魔が世界を蝕む前に倒そうよ!
「みんな、聞いて聞いて~! 倒して欲しい組織があるの!」
フィーナ・ルリス(陽だまり・f04597)が、大慌てで現れた。
「あのね、とーっても危険な所を見つけたの! 病気をばらまく妖精さんが沢山いて、そして……組織のトップは何かすっごく怪しい研究やら魔法やらをしているサイコ! 早く倒さないと、どこかで大変な事態が起きちゃうよ! みんなに倒して欲しいんだ!」
それから……と呟きつつ。
「場所はね、森の深い所にある見るからに怪しい建物です! 見たら分かる勢いで怪しい物件です!! 森の深い所にあるから見つかり難いのか、それともそう思ってるのか分からないけどね。病気をばらまく妖精さん達が建物を護る様に警備していたり、建物の中にも潜伏していたりするよ。その妖精を倒したら……次も怪しい妖精のサイコさん! ……うう、私も妖精だから……何だか哀しくなってきた……。とにかく危険だし、同族としても哀しいので、倒して欲しいんだ! あ、後、妖精達が相手だからといって、みんながどの位の大きさをしていても戦いには問題ないから安心してね。相手に当てにくいとかも無いし、みんなが入れないとかいう建物でも無いよ。建物が壊れる勢いでも問題ないからね!」
それから、フィーナはにっこりと笑う。
「で、無事に怪しい組織さんを倒したら……お礼として私が素敵な町に案内するね! 素敵な催し物とか、素敵な特産品や商品を扱っているお店、それと素敵な飲食店に、酒場もあるよ! 悪い妖精をやっつけて、みんなで楽しく過ごそうね!」
白鳥美鳥
白鳥美鳥です。宜しくお願い致します。
今回の組織は妖精組織さんになります。相手は妖精ですが、皆様のサイズはどんなに大きくても小さくても大丈夫なので、安心して戦って下さい。妖精だからと言って攻撃が当たらないとかそんな事も無いので大丈夫です。
無事に倒したら、フィーナが素敵な町にご案内します。催し物は皆様が参加したいものでしたら、開催します。複数でも開催します。ただ、安全な物でお願い致します。お買い物をするのも良し、美味しい物を食べるのも良し。皆さんが自由に楽しんで戴ければと思います。勿論、最後にだけ参加というのもOKです。
リプレイのタイミングは、今回は戦いがメインの為、ある程度プレイングを戴いてからお返しする傾向が高くなるかとは思います。
ただ、今まで通り基本的にはその時々なので、何かで遅れそうな場合は自己紹介とツイッターでご連絡致します。
もしプレイングが流れてもリプレイ出ていない場合は、同じプレイングを送って下さって大丈夫です。勿論、新しくされるのも大丈夫です。更新に関しては、申し訳ないですが、細目に見て頂けると幸いです。
ご参加、お待ちしております。
第1章 集団戦
『病をばらまく妖精』
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POW : あなたをむしばむ毒
【毒液】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : あなたをこわす香
【甘い毒の芳香】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
WIZ : わたしたちをいやす薬
【鱗粉】が命中した対象を高速治療するが、自身は疲労する。更に疲労すれば、複数同時の高速治療も可能。
👑11
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バジル・サラザール
……とりあえず怪しいってことは分かったわ。
極力敵の攻撃の射程外から主に「ウィザード・ミサイル」で攻撃するわ。毒物は焼却よ。
弱ってそうな敵を優先、各個撃破を狙いましょう。
余裕があれば妖精同士を分離して、仲間を回復させないようにしましょう。
後衛から全体をよく見て、状況を把握、他の人にしっかり伝えましょう。
反撃や回復の隙も与えないのが理想だけど、「野生の勘」や「毒使い」としての知識を生かしつつ、対処をしていくわ。
研究を試したいのか、ただ楽しみたいのか知らないけど、思い通りには絶対にさせないわ。
病気は発症しちゃう前に予防しないとね。
アドリブ、絡み歓迎
パラケルスス・アンパルフェ
(初心者なので不備等ありましたら多少変えても結構です。他の人との絡みも歓迎です。)毒をばら撒く妖精ですか…。毒は転じて薬にもすることができます。他人を苦しめるだけの毒に良い思いはありませんし、彼女らに害意があるとするなら許す事は出来ません。
わたくしは基本的に味方のサポートとして、一時的な毒の無効化などを行います。妖精が固まっている場合や破壊すべき壁や塀に対して、武器「咎人の十字架」を使い攻撃します。狭い場所では使えませんが、当たった場合は大分ダメージになると思います。
体質と服装の都合で毒は効きにくいのですが、囲まれて一斉に浴びせられると少し危険ですね。一緒に戦う仲間の為にも早く突破しましょう。
暗い森の片隅に隠れるようにひっそりとある建物。見るからに怪しそうなその建物からは、何だか分からない煙らしきものも窓から零れだしている。あの煙らしきものは何なのだろうか。何やら研究をしているとの事なので、それなのかもしれないが、いかにも怪しい。怪しいとしか言えない。
「……とりあえず怪しいってことは分かったわ」
「それに関してはわたくしも同意です」
その建物を見て、バジル・サラザール(猛毒系女史・f01544)とパラケルスス・アンパルフェ(悪人を裁く聖なる殺人者・f15032)は、そう言葉を交わす。
実は、バジルは薬剤師、パラケルススは医師。今回の病魔の妖精といい、興味もあれば滅ぼす気持ちも同時に持ち合わせている人物達だ。
「……誰?」
二人が敷地に足を踏み込むと、艶やかな蝶の翅を持つ妖精達がわらわらと出てきた。憂いを帯びた瞳に抱えている瓶の中身は……どうやら毒液の様だ。
「あなた達が毒をばら撒く妖精ですか……。毒は転じて薬にもすることができますが、他人を苦しめるだけの毒に良い思いはありません」
「分かるわ、パラケルススちゃん。病気は発症しちゃう前に予防しないとね」
バジルは、パラケルススの言葉に頷くと、炎の矢を生み出した。
「わたくしはサポートに回ります」
「じゃあ、妖精達を集まらせない様にして貰えるかしら。回復されたら、戦いが長引くしね」
「わかりました。お任せください」
戦いを確認し合うと、二人は構える。それに対して敵と判断した妖精達はわらわらと数を増やしてきた。
「毒物は焼却よ」
バジルは炎の矢を次々と妖精達に向かって放っていく。炎の矢に貫かれて燃えていく妖精達。妖精達は炎の矢から逃げ回る様に動き、そして、互いを自らの鱗粉を使って回復しようとする。そこを、パラケルススが4つに分解した咎人の為の十字架を使って、集まる妖精達に放ち、分散させていく。また、小さな妖精達が隠れそうになる場所も狙い破壊していった。
「ありがとう、パラケルススちゃん。さあ、まだまだ行くわよ!」
バジルは炎の矢を操りながら、次々と妖精達を燃やしていく。飛び回る妖精、追う炎の矢、そして十字架が舞い踊った。
大成功
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神城・瞬
何か母と義妹が忙しそうなのでまずは1人先行してきました。間に合えば後から来るでしょう。
ちまちま攻撃していると毒に蝕まれて大変な事になりそうですので、月読の同胞に加勢を頼み、【衝撃波】【範囲攻撃】【二回攻撃】で纏めて攻撃していきます。毒で攻撃してくるのに対抗して【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】【武器落とし】も乗せて行きます。小さきものなれど、毒を使って害をなすなら容赦はしません。纏めて吹き飛ばします!!
真宮・響
娘の奏(f3210)と参加。
いやはや、色々たてこんでいて遅くなった。瞬、加勢に来た。毒を撒き散らすとは危ない奴らだね。被害が広がる前に倒さないとね。
強化を使うし、お互いに治癒されて戦況が長引く前に倒さないとね。【ダッシュ】で一気に敵の群れに飛び込み、【見切り】【残像】で敵の攻撃を回避しながら、【先制攻撃】【二回攻撃】【串刺し】【範囲攻撃】を併せた竜牙で攻撃するよ。攻撃を回避できなかった時は【オーラ防御】でダメージを軽減するよ。
真宮・奏
母の響(f00434)と参加。
瞬兄さん、約束通りきましたよ。忙しくしてて遅くなっちゃいましたが。後詰めはお任せください!!
トリニティ・エンハンスで防御力を高めてから、【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】【拠点防御】を維持しながら敵の群れに飛び込んで、敵の攻撃に【毒耐性】で対応、【属性攻撃】【二回攻撃】【範囲攻撃】【衝撃波】で攻撃していきます。毒を使う危ない集団はここまでです!!
続けて駆けつけたのは、神城・瞬(清光の月・f06558)と彼の義母である真宮・響(赫灼の炎・f00434)、そして義妹である真宮・奏(絢爛の星・f03210)の三人だ。
「……敵、増えた」
暗い目の瓶を抱えた妖精達は、三人に冷たい視線を送ったかと思うと、直ぐに襲い掛かって来た。
「毒を撒き散らすとは危ない奴らだね」
先陣を切るのは、響。愛する子供達に危害が及ばない様にと、一気に妖精達の群れの中へと飛び込んでいく。
「この一撃は竜の牙の如く!! 喰らいな!!」
彼女の強烈な一撃は、周囲に居る妖精達を巻き込みながら次々に串刺しにしていった。
一方の妖精達もやられてばかりでは無く、響に向かって抱えている瓶に入っている毒液をまき散らす。それをなんとか防ぐものの、響の力を毒液は蝕むように少しずつ弱らせていく。しかし、力が弱った所で、そう簡単にやられたりはしない。響によって再度振るわれた一撃は、次々と妖精を巻き込み倒していった。
奏は炎、水、風の魔力を使って、防御力を上昇させる。自らを万全の態勢に整えると、母である響と同じく敵陣に一気に飛び込んだ。当然、響と同じく毒液を浴びるが、それに対して出来る限りの防御を固めながら毒の効力を薄めつつ、広範囲の妖精達へ向かって衝撃波を使って倒していく。
「月読の同胞、力を借ります!!」
一方の瞬は、月読の紋を付けた戦士を召喚する。戦いに加勢した同胞の戦士は剣や矢を使って妖精達を攻撃していく。その攻撃に対して妖精達は回復しようと鱗粉を飛ばしあうが、回復しようとしている群れに狙いを定めた瞬は、周囲に衝撃波を矢継ぎに放って妖精を弾き飛ばす。回復しようと再び群れそうになりそうになった妖精達は、月の同胞が斬り込み矢を放った。
群れたり離れたり、自分達の回復をしようとしたり、弱体化を狙って毒液を放とうとしたり……それぞれの目的の為に妖精達は飛び回る。一定の動きはしない妖精達。その場その場で判断しているらしい。そうなると、狙いを定めるのは難しくなってくる。
確実に回復を狙い鱗粉を浴びる為に群れる妖精達の一団を狙って、響は強力な一撃を放って多くの妖精達を巻き込みながら串刺しにする様に倒していく。
「小さきものなれど、毒を使って害をなすなら容赦はしません。纏めて吹き飛ばします!!」
「瞬兄さん、加勢します! 毒を使う危ない集団はここまでです!!」
瞬と奏は、広範囲に広がっている妖精達に向けて衝撃波を放ち、次々と妖精を吹き飛ばしていく。逃れた妖精達は月の同胞が次々と狩りとっていった。
母と子供達による連携の力は存分に発揮される。響き渡るのは唸る武器の音と衝撃波の音、そして、沢山の瓶が割れる音。様々な音が響き渡り……全ての妖精達は骸の海へと戻って行った。戦場に静けさが訪れる。
そんな中、声高な声が響き渡った。
「何!? 大きな音で研究にならない……って、この状況は!?」
現れたのは赤い髪に赤の服、そして赤い瞳をした赤の翅を持つ妖精。どうやら、彼女が今回の組織の首領の様だ。
大成功
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第2章 ボス戦
『謎の軍団妖精魔法兵器隊長『サイコ』』
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POW : 支援攻撃令
【指定した場所に砲撃攻撃&対空攻撃】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
SPD : 平行線の自分召喚
【平行線のもう一人の自分】の霊を召喚する。これは【同じユーベルコード】や【ユーベルコードの相殺】で攻撃する能力を持つ。
WIZ : 爆撃指令
【指定攻撃場所に空軍妖精部隊の爆発魔法】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
👑11
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真宮・響
【真宮家】で参加。
ああ、研究ご苦労さん。騒がしくしてすまないね。悪いが手下は全て片付けさせて貰った。アンタの邪悪な研究もここまでだ。一番槍はアタシたち家族が務めさせて貰うよ。
ただでさえ敵の攻撃が建物を壊すようなものだから、無敵の相棒で夫のゴーレムを召喚しても問題ないよね?天井突き破るだろうが。ゴーレムと力を併せて、【二回攻撃】【串刺し】で攻撃する。敵の連続攻撃はゴーレムとの連携で叩き潰す。敵からの攻撃は【見切り】で回避し、回避しきれない場合は【オーラ防御】でダメージを軽減するよ。
真宮・奏
【真宮家】で参加。
あ、遅い登場ですね。もしかして研究に夢中でしたか?申し訳ないですが、研究は止めさせて頂きます。お覚悟を。
母さんとタイミングを併せて、【属性攻撃】【二回攻撃】【衝撃波】で攻撃します。敵の攻撃は【第六感】で予測して回避、回避しきれなかったら【オーラ防御】【武器受け】【盾受け】でダメージを軽減。戦況によっては味方を【かばう】ことも視野にいれます。拳が届く距離に来たら信念の拳で敵を思い切り殴り、体勢崩しを狙います。
神城・瞬
【真宮家】で参加
おや、やっと大元の登場ですか。研究の邪魔をして申し訳ありませんが、このまま研究中止とさせて頂きます。僕達家族が先陣を務めさせて頂きますか。
時間を掛けると敵の攻撃で戦況が悪くなりそうです。最初から全力で行きます。【高速詠唱】【全力魔法】【二回攻撃】で氷晶の槍を撃ちます。【鎧無視攻撃】【マヒ攻撃】【目潰し】【部位破壊】も乗せます。連続攻撃やもうひとりの自分の攻撃が邪魔な場合は【吹き飛ばし】を狙います。僕の方に攻撃が飛んでくる場合は【オーラ防御】でダメージを軽減します。
コイスル・スズリズム
アドリブ大歓迎
まずは巻き餌。
相手のPOWとWIZを利用する。
「残像」を「範囲攻撃」で複数撒いて「おびき寄せ」
本体にあたりそうなら「見切り」からの袖での「武器受け」
相手が見事にひっかかったら
中止できない間に
「物を隠す」してた12のランスを取り出して
別にあなたに思うところは
なに一つ、“ナイ”ン、だけど
たぶん悪いヤツ?よね?
あ、そんなことより研究でこういうのって見たことあった?
といってUC攻撃
一度踊りだすと、音楽がとまってももう止まることは無理
あなたがしてたことはなんもわかんないけど
そのことだけは
わかるわ、あなたのことすずも少しだけ
一緒に繰り返し続けましょ。終わるまで
そのカワイイお手はとらないけど。
バジル・サラザール
貴女がここのボスってわけね。
それにしても見た目に反して随分派手に暴れまわるのね。
「毒使い」として、主に「バジリスク・ブラッド」で強化したポーションやウィザード・ロッドで攻撃しましょう。
近接すれば、むこうも攻撃しづらいんじゃないかしら。
緩急をつけて動き回りつつ、敵に捉えられないようにするわ。「野生の勘」も利用しましょう。
研究内容自体は興味あるんだけどね。
それを悪用するっていうなら容赦はしないわ。
アドリブ、絡み歓迎
現れたのは赤い翅の妖精。そういえば、案内人のフィーナが『サイコさん』と言っていたが、どうやら彼女の名前が『サイコ』らしい。
「人の家で何をするのよ! ここ、研究所なんだから! それに手下の妖精達も全滅させてくれちゃって……ただではおかないわよ!」
どうやら怒り心頭らしい。
「ああ、研究ご苦労さん。騒がしくしてすまないね。悪いが手下は全て片付けさせて貰った。アンタの邪悪な研究もここまでだ」
「あ、遅い登場ですね。もしかして研究に夢中でしたか? 申し訳ないですが、研究は止めさせて頂きます。お覚悟を」
「おや、やっと大元の登場ですか。研究の邪魔をして申し訳ありませんが、このまま研究中止とさせて頂きます」
響、奏、瞬のにべもない言葉に、サイコは言葉が出ないらしく、口をぱくぱくさせている。
「……まあ、研究内容自体は興味あるんだけどね」
薬剤師であるバジル・サラザールの言葉に、サイコはきらりと目を輝かせると食いついてきた。
「興味があるの!? じゃあ、あの人達は放っておいて、色々話しましょうよ!」
どこかへ連れて行こうかとしているのか、サイコはバジルの腕を引っ張る。恐らく研究をしている場所へ連れていこうとしているのだろうが……今、目の前に自分を倒そうとしている者達が居るのにその態度は如何な物だろうか。……しかし、研究者という生き物は、全てにおいて『知』の好奇心の方が勝るものなのだ。
そんなサイコにバジルが冷たい視線を送る。
「その研究を悪用するっていうなら容赦はしないわよ?」
「悪用かどうかは、見てみないと分からないでしょう? まずは、見てみて! そして、意見を聞かせて!」
とにかく研究を見せたくて仕方が無いらしい。
「ここまで怪しい建物は見た事ないわ。きっと、まともな事をしていないんでしょう?」
とにかくバジルを連れて行こうと頑張っているサイコに、コイスル・スズリズム(人間のシンフォニア・f02317)が、やはり冷たい目で見ている。……勿論、響、奏、瞬の三人も同様だ。
まさか、自らの危険よりも研究の方が大事とは。逃げられるという心配以前に、何かの拍子にバジルが巻き込まれて、却って戦いにくくなるかもしれないという別の状況になりつつある。
ここは、もう、実力行使に出る他無い。
「いい加減、諦めな!」
響は亡き夫の姿をした3メートル以上はある巨大なゴーレムを召喚する。天井をも突き抜けるゴーレムを見て、建物が崩れかけているというのに、今度は響の方を見て、サイコは目をキラキラさせる。
「ちょっと、そのゴーレム、どういう仕組みなの!? 少し見せてくれいない?」
「アンタの頭の中はどうなってるんだい!」
今度はゴーレムを見て目を輝かせるサイコに対して響は一喝するが、表情に変化は感じられない。目をキラキラさせている。
「気持ちは分からないでも無いけれど、ちょっとオイタが過ぎるわよ、サイコちゃん」
自らから離れたサイコに対して、自らの血を代償にした猛毒を付与したウィザード・ロッドで、ぽかりと叩く。
「~~!! 痛い~~!! 貴女までそっちの味方なの!? もう、許さないんだから!」
バジルに裏切られたと思ったらしいサイコは厳しい顔つきに変わった。……いや、裏切るも何も無いのだけれど、彼女の中では裏切られたらしい。
「さあ、来なさい。私の大切な研究成果!」
そう言うと、サイコは何かの機材を召喚すると、そこから5人に向かって集中的に砲撃を浴びせかけた。
「いくよ、奏、瞬!」
響の掛け声と共に、奏と瞬の三人が動く。響は相棒であるゴーレムと共に串刺しする様に叩きつけ、奏もそれに合わせて衝撃波による攻撃を行う。そこに、瞬の氷の槍が襲い掛かった。
「……何をするのよ! こっちも負けないわよ!」
首領らしく、タフなサイコは配下にしていた妖精とは別の妖精集団を召喚し今度は魔法に依る爆裂攻撃を行う。
「見た目に反して随分派手に暴れまわるのね」
ぱらぱらと落ちてくる瓦礫を払いながらバジルはそう呟く。確かに見事な大暴れだ。
二度のサイコによる物理と魔法の砲撃によって建物が崩壊し始めている。爆撃を防ぐのも中々大変だが、建物の崩壊も面倒だ。出来るだけ早く倒すに限る。
「ただ、この攻撃の仕方だと、近接されるのは苦手よね」
「接近戦ならアタシ達に任せな!」
「私、接近戦が得意ですから!」
「すずもとっておきのものがあるのよ?」
バジルの言葉に、響、奏、コイスルから元気のいい返事が返って来た。
「そうなると僕とバジルさんで、爆撃攻撃を上手く誘導して……」
「そして、後はお三方にお任せという所かしら」
作戦を確認し合う5人。
まずは、瞬が氷の槍を放った。それに対して、サイコの魔法に依る爆撃が始まる。一度始まったら暫くは止まない爆撃。それを狙って、瞬とバジルは上手くサイコの攻撃を誘導していく。
そして、接近戦に持ち込める最適な距離が生れた。
まずは、響が相棒と共に叩き潰しにかかる。それに対処しようとしたサイコの傍に奏が潜りこんだ。
「喰らえ~!」
籠手を付けた全力を込めた拳による超高速かつ大打撃の一撃を奏が放った。吹き飛ばされたサイコを迎え撃つのはコイスル。
「研究でこういうのって見たことあった?」
にっこりとコイスルは微笑むと、12本のドラゴンランスが全て真っ直ぐにサイコに向かって突き刺さっていく。ドラゴンランスが突き刺さる度に地面は揺れ……12回の大きな地面の揺れが終わった時……サイコは骸の海へと還っていった。
「いやー、見事に壊れたね」
「まあ、ほとんどは、響さんと、すずと、あの妖精がやったんだけれど、ね」
見事に崩壊した建物を外から見ながら、響とコイスルは笑う。
多少、脱出には手間取ったが、出てみて、今まで居た場所を見ると……あの怪しい建物は既に無く、瓦礫が散らばっていた。
「建物は見事に崩壊しましたが……無事に組織を壊滅に追い込めましたね」
「そうですね、兄さん。皆さん、お疲れ様でした!」
瞬と奏は皆の健闘を讃え、皆も笑顔で返す。全員無事である事が何よりなのだから。
崩れ去った瓦礫を見ながら、バジルはふと思う。
(「彼女が私に見せたかった研究って何だったのかしら? 戦い方からしても恐らく爆撃ではないとは思うのだけれど……」)
そう想いを馳せてみるが、今は闇の中。それが良い事なのか悪い事なのかは分からないけれど……。
こうして変わった首領を持った妖精組織は無事、壊滅されたのだった。
大成功
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第3章 日常
『とある町での一幕』
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POW : 賑やかな場所に行ってみる
SPD : 穴場を探してみる
WIZ : 商店や市場を見て回る
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「みんな、危険な妖精の組織を倒してくれてありがとう! 約束通り、素敵な街に連れて来たよ! 催事場では、特産物とか、お菓子とか、音楽なんかをやっているみたいだよ。商店街には、お土産屋さんに、レストランにカフェ。もしかしたら、ちょっと珍しい所もあるかも? 折角だから、思いっきり楽しもうね!」
フィーナに連れられて来た街。確かに色々な物がありそうだ。何をしても何か楽しい事が待っていそうな街。
遊んでも、美味しい物を食べても、歌っても、踊っても、買い物をしても良い。
何をしようか、何を楽しもうか? その選択はそれぞれ自由。のびのび楽しめる事を願って。
コイスル・スズリズム
POW
妖精さんの音楽、っていうのが気になるから
すずは音楽にそって、何かないかを探そうかな
あの妖精さんの研究が
どういったものだったのか―――今のすずにはわからないけど
この平和な光景が崩されるようなことは、あっちゃいけないと
そんなことを、すずは妖精の街を歩いて思うよ。
もしあるのなら、何か砂糖をまぶした甘いものを手に
妖精さんたちの音楽を、ただ静かに聞き続ける
この世界のことは、まったくわからない
でも、ちょっとずつこうやって、知っていけたらいい
しかし妖精さんのセンスって、なんか全体的に
すず、好きだな
サイズ的にはすずが大きくなってしまうけど
お祭りの雰囲気にのせられながら
今日はのんびりその場にのっかります。
真宮・響
【真宮家】で参加
いやあ、見事に建物ごと危険な妖精組織は壊滅したね。やり過ぎた気がしないでもないけど、爆撃普通の敵だったからあれぐらいが丁度いいのかもね。
街には催事場があるんだね?アタシ達家族は音楽一家としての顔もある。精霊との共演したことあるし、舞台経験は豊富だ。家族3人で、一曲、披露しようかね。アタシは赫灼のグロリアで歌うよ。(アルトでハスキー気味の良く通る声)この街の平和と発展を願って。
真宮・奏
【真宮家】で参加
何か見事に壊滅しましたね。まあ、これ以上毒と爆撃撒き散らされるよりは徹底的にやって良かったかもですね。一件落着です。
この街で一曲披露するんですね。母さん、了解です!!とびっきりのを披露しましょう!!私は母さんの歌と瞬兄さんの演奏に併せて、絢爛のクレドで踊ります!!街の皆さんが喜んでくださるように張り切って踊りますよ~!!(風の妖精のような軽やかでしなやかな踊り)
神城・瞬
【真宮家】で参加
サイコの言動と攻撃からこれ以上研究を続けさせると街を壊滅させる恐れがありましたから、研究所ごと壊してよかったかもですね。凄かったですが。
僕ら家族は音楽一家としての顔もあります。母さんが歌、奏がダンス、僕が楽器演奏ですね。催事場で一曲披露します。僕は精霊から貰った銀のフルートで清光のベネディクトゥスで演奏します。この街の平和と発展を心から祈り、心をこめて演奏します。
バジル・サラザール
なんか……想定外の目に合ったわ。
何を研究していたかも気になるけど、ひとまず街に繰り出してリフレッシュしましょう。
アックス&ウィザーズの街に来たんだし、薬屋で薬草とかポーションとか買って回りたいわ。
薬にも特産品って程じゃなくても、その土地らしさって現れる気がするの。
その後は、野菜や果物なんかを見て回ろうかしら。
……薬の材料にならないかなって気持ちも無くはないけど、普通に料理して食べるつもりよ。
時間があれば他にも色々見て回りたいわね。
やっぱりこういう平和な日常に触れると、それを守らなきゃって気分になるわね。
コイスル・スズリズムは、妖精の音楽に興味があった。ここはアックス&ウィザーズ。妖精達も多く住んでいる。
……住んでいるからこそ、先日の組織の様な妖精だけで構成された所もあるのだけれど。あの妖精の研究が何だったのか、今は知る手立ては無いけれど、こうして平和な街を見ると、この平和を大切にしたいと改めて思う。
それに、街にも妖精達は居るだろう。何せ、この街への案内人も妖精だった位なのだから。アックス&ウィザーズには馴染みは無いのだけれど、少しずつ、この世界の事も知っていきたいと思う。
街をのんびりと歩いていると、お菓子屋さんの看板に目が留まった。看板には『妖精にも大好評! 光る花畑の蜜を使ったキャンディ』。
(「何て分かり易い……。あ、でも、妖精さんも買い物に来るだろうし、こういうのがあった方が便利なのかもしれないな」)
それに『妖精にも好評』という書き方だと、妖精と共通して好まれているものなのかもしれない。店頭を覗いてみると、綺麗な琥珀色をしたキャンディが何種類も取り揃えてある。色々なサイズもあって、その中には妖精にも合いそうな小さなものも。ただ、キャンディのサイズは小さいのに、入っている袋は人間が買うサイズだ。
「……これ、妖精さんに向けたもの、ですよね?」
お店の店主と思われる老婆に声をかけると、彼女は微笑んだ。
「ああ、そうだよ。あの子達は賑やかな事が好きだから、複数で集まっている事も結構あるんだよ。だから、一気に買っていくんだ。さっきも、一袋、買っていった子がいてね、『今日はみんなで歌って踊る』って楽しそうな顔をしていたよ」
「どこに行くのか言っていませんでしたか?」
「今日は噴水の近くに集まるって言ってたよ」
教えて貰った場所に、コイスルは『妖精にも人気のキャンディ』を自分用に買ってから向かってみる。すると、水の流れる音と共に鈴が鳴る様な音や楽しそうな歌声が聞こえて来た。その音につられていくと大きな噴水の飛沫が上がる中、妖精達の集団が歌ったり踊ったりと楽しそうにしている。噴水の水が光を反射して、その光の中で歌って踊る妖精達は物語の様だけれど、今、実際に目の前に広がっているのだ。
その幻想的な光景は、この世界では珍しいものでは無いようだけれど、楽しそうに見ている子供や親の姿も見える。コイスルもその中に加わる事にした。
妖精の歌や奏でる音楽、楽しそうに踊る姿……それがどれも水の光と相まってキラキラとしていて。
(「妖精さんのセンスって、なんか全体的に、すず、好きだな」)
先程買ったキャンディを思いだし、一つ口にする。甘く……どこかの花畑が思い浮かぶ、そんな味。この妖精達は、こういうものが好きなのだなと思って頬が緩んだ。
商店街を見て回るのは、サイコに巻き込まれかけたバジル。研究に興味を持っていただけにサイコに好かれてしまったし、あの研究はあの研究でまだ気にはなるのだけれども。
「せっかくだし、リフレッシュしましょうか」
手始めに、薬草やポーションを売っている商店を見て回る。
「あら、この薬草、珍しいわね?」
「ああ、それは近くの渓谷で採れる薬草だよ。熱冷ましに効くんだ。強すぎず、弱すぎず丁度良い塩梅なんだよ。この薬草を目当てにこの近くに来る人たちもいるくらいさ」
「へぇ……それは使い易いわね。これ、貰おうかしら。あと……向こうにある薬も見せて貰っても良いかしら?」
「ああ、この薬は……」
薬草や薬等、店主と色々と話しながら、気に入った薬草類を購入してから、野菜や果物も見て回る。薬の材料に……と考えない訳では無いけれど、普通に料理しても美味しいと思うから。それに、余り目にする事の無い物もちらほらと見かける。
「……どんな味かは食べてみてのお楽しみ?」
可笑しなキャッチコピーの果物を見つけた。黄色の星型に近い果物だ。見た目はそこまで可笑しな感じはしない。
「これ、食べられるの?」
疑問に感じて尋ねると、笑顔で返される。
「ああ、大丈夫。味は美味しいよ。ただ、他の果物と違って個体差が結構あるんだよ。甘さも酸味もね。だから、一つ一つ、食べた感覚が違うんだ。これは甘いと思ったり、これはさっぱりしてると思ったり……だから、ちょっとしたお遊びみたいな感じだね」
「へえ、面白いわね。いくつか貰おうかしら?」
面白い果物も手に入れて、バジルは再び商店街を見て回る。
「……そういえば、途中で一緒に戦った人達が催事場に向かっていたわね。後で、足を運んでみようかしら?」
その、催事場。そこに、真宮・響、真宮・奏、神城・瞬の三人は訪れていた。猟兵である事だけではなく、真宮一家は音楽一家というもう一つの面があるのだ。響は歌、奏がダンス、瞬が演奏をそれぞれ担当していて、色々な舞台に立って来た実績を持っている。精霊とも共演した事もあるのだ。それだけの舞台をこなしたり、精霊との共演が出来たりするのも、それだけ素晴らしい音楽とその世界を持っていて、多くの心を掴む事が出来る証でもある。
「家族3人で、一曲、披露しようかね。この街の平和と発展を願って」
「母さん、了解です!! とびっきりのを披露しましょう!!」
「この街の平和と発展を心から祈り、心をこめて演奏しましょう」
こんな話の流れで、この催事場を使い、この街の平和と発展を願って一曲披露する事にしたのだ。
瞬の楽器は精霊から貰った銀のフルート。フルートと歌声の音程、そしてリズムを確認してから、集まっている人達の前で礼をする。それに、わっと拍手が鳴り響いた。
透き通るフルートの音色に、響のアルトでハスキーな声で歌い始める。美しいフルートの音色に、澄み渡る力強い歌声。それに合わせて、奏は踊り始めた。軽やかなステップを踏み、瞬の奏でる澄み渡る音に乗って踊る風の妖精の様に、そして、響の歌のメッセージを体現する様に強くしなやかに……。澄んだ音色と歌声は街に響き渡り、奏の踊りに街の人達は大いに盛り上がる。
一曲、演奏を終えた時には、会場からは溢れんばかりの拍手が鳴り響き、アンコールを求める声が次々と上がる。
それに、響、奏、瞬の三人は笑顔で頷きあった。これだけ喜んでもらえるのなら、もっと喜んでもらいたいから。
「では、アンコールにお応えして、もう一曲披露しますね!」
奏の言葉に、会場はわっと盛り上がる。
瞬が奏でるフルートに乗る響の歌声、それに合わせて奏が舞い始める。
この街が平和であるように、そして、より一層、発展する事を心から願いながら――。
大成功
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