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エンパイアウォー②~安らかならぬ死

#サムライエンパイア #戦争 #エンパイアウォー


「ようこそ、おいでくださりんした」
 グリモアベースで君たちを出迎えたのは、狗衣宮・藍狐(キューティースタイリスト・f00011)だ。
「サムライエンパイアにて、エンパイア・ウォーが始まりんした。ぬしさま方には、その戦線の一つ、奥羽に出向いて貰いんす」
 江戸より遥かに北上した先の地、奥羽。現代日本で言えば東北にあたる地方。
 その地では陰陽師『安倍晴明』の配下たるオブリビオン『異端なる術士、西行』が『水晶屍人』の軍を率いて村々を襲っているという。
「西行は強力なオブリビオンでござんす。ただそれだけならばぬしさま方でも相手はしやすかったのでありんしょうけれど、問題は水晶屍人でござりんすなあ」
 水晶屍人――安倍晴明が西行に率いさせている異形の兵士。その姿は人間ではあるものの、肩から奇妙な水晶を生やしたものだ。それもそのはず、この兵士たちの正体とは安倍晴明が屍に術をかけて造り上げた動く屍なのだから。
 この動く屍たちは村々を襲い、噛み付いた人間を自分たちと同じ水晶屍人へと変質させることで仲間を増やす。こちらに被害をもたらしながら、雪だるま式に戦力を増やす厄介な性質を持つ。
 幸いなことに、猟兵たちが噛まれても屍人になることはないし、“元”が元であるから単体での強さ自体はそれほどではない。四肢を破壊するか、身体から生えた大きな水晶を砕けば一撃で無力化できるだろう。
「西行の周辺には、この水晶屍人たちが肉盾として立ちはだかりんす。この屍人たちを蹴散らしながら、指揮官たる西行を直撃。撃破することが今回の作戦の肝となりんす」
 屍人たちは谷間にある村で村人たちを襲い、その数を増やすだろう。そうなれば、西行の肉盾もまた増える。よって、大きく役割を三種に分けると以下のようになるだろう。
 一つ。村から離れて屍人たちに囲まれた西行を直撃する者。自力で屍人を蹴散らし、あるいは仲間からの協力を得て道を切り拓いて貰って西行へと挑みかかる。
 二つ。屍人たちの密集した地帯へと向かい、その数を漸減する者。道を切り拓くため、あるいは村を守るために集まっている屍人を屠り、その数を大きく減らす。
 三つ。村で戦い村人たちを護る者。敵戦力の補充を打ち止めながら被害を食い止め、敵の数を減らすために地形や設備を利用して村を防衛する。簡素な柵や堀などが利用できるだろう。
「繰り返しになりんすけれど、西行は強力な敵でござんす。短時間ながら倒された屍人たちの遺骸を利用した戦闘形態となって、空を飛ぶ力と強力な雷霆を放つ力を得たり。あるいは、術によって自身の身体を“最高”のものとして、いかなる攻撃も通さない無敵の力を得たり。またあるいは、黒百合と呼ばれる狂妖を呼び出し、糸や糸巻き、糸車を放つことでこちらの攻撃を減じたり、ユーベルコードを封じて来ることもありんす」
 雷霆を防いで空を飛ぶ西行を攻撃する手段。
 信じ続ける限り無敵となる西行に、「最高ではない」ことを示すことで無敵状態を解除する策。
 強力な下僕、黒百合の妨害を潜り抜けて西行へと有効打を与える火力。
 西行を直撃する者たちは、自分たちの取る攻撃手段に応じてこれらの対策を立てると良いだろう。
「いつにも増して厳しい戦いになりんしょうけれど。ぬしさまがたならばきっと水晶屍人たちを乗り越え、西行を撃破できるものと信じておりんす」
 健闘を祈るように、最後に藍狐が深々と頭を下げて。
 それからぽーんと、グリモアである手毬が宙を舞うのだった。


三味なずな
 お世話になっております、三味なずなです。
 こちらはエンパイアウォーの②奥羽屍人戦線のシナリオとなっております。
 屍人を豪快に蹴散らそう! ゾンビパニック要素もあるよ!

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 このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
 1フラグメントで完結し、「エンパイアウォー」の戦況に影響を及ぼす、特殊なシナリオとなります。
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 水晶屍人:よわよわ。数が多くて厄介。ダッシュで襲いかかって来る。もう助からない。
 西行:つよつよ。倒れた屍人を使って強化したりする。戦闘以外は屍人を指揮している。

 なずなのマスターページにアドリブ度などの便利な記号がございます。よろしければご参考下さい。

 かつて人だった水晶屍人。あなたは何を思い、彼らに刃を向けるでしょうか。
 プレイングお待ちしております!
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第1章 ボス戦 『異端なる術士西行』

POW   :    素材ともなれん端材共よ、我が身を守る栄誉をやろう
【幾万の犠牲者の遺骸を纏う異形の戦闘形態】に変身し、武器「【錫杖により放たれる雷霆】」の威力増強と、【犠牲者達の嘆きの念に包まれた血と骨の翼】によるレベル×5km/hの飛翔能力を得る。
SPD   :    我が願い、我が望み、我が目指す最高の人よ顕現せよ
無敵の【心を除き全てが美しく皆を魅了する最高の体】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
WIZ   :    我がしもべ、我が忠臣、黒百合よ我が敵を封じよ
【幾万の犠牲者達の遺骸の素材と成得なかった】【部分を用い作り上げし呪詛に塗れた裁縫道具】【此が変じた狂妖、黒百合が妖糸、糸巻、糸車】を対象に放ち、命中した対象の攻撃力を減らす。全て命中するとユーベルコードを封じる。
👑11
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石上・麻琴

■心情
死人を操るのは、どちらかというと妖術師といった雰囲気なのですが……
まぁ、オブリビオンとなってその力を悪行に使えば、陰陽師も妖術師も変わりませんか
黄泉への旅路の案内人となってしまうのが心苦しいですが……せめて、屍人の魂が、僕らが倒すことによって安らかに眠れることを祈りましょう

■戦法
二の屍人たちが密集した地帯で、その数を減らすことを目的とします
ユーベルコードによって召喚した大蛇を大暴れさせつつ、僕もなぎなたや刀を奮って、技能:破魔、技能:属性攻撃、技能:なぎ払い、技能:2回攻撃などの技能を使いつつ屍人を蹴散らしていきます


月山・カムイ

死したる者を操る輩には、物言わぬ骸となる権利を上げるとしましょうか
……ですがまずは、犠牲となった人達に哀悼を
そして、二度と操られる事のない眠りを

その怒りは恐らく、なにか碌でも無い過去の記憶の琴線に触れた為
基本的に戦う時は暴風の如く苛烈ではあるが、今日はそれすら振り切ったかのように
これ以上村を襲わせ無い為に、絶影の放つ刃が次々と水晶屍人を食い破っていく
そのユーベルコードの射程は半径50m弱、それ程の広さでありながら、その数千万に及ぶ斬撃は味方を避け、敵だけを的確に葬り去っていく

村へ向かう為の足を断とう
人へ喰らい付く為の顎を真っ二つにしよう
そして、語らぬ骸に還り……静かに眠って下さい


皐月・灯

オレは屍人の密集地帯に向かって、数を減らすぞ。
……こいつらをほっとくと、村に向かうんだろ?

やることは単純だ。
【ダッシュ】【スライディング】で敵の只中に飛び込んで、
寄ってくる傍から《焼尽ス炎舌》を叩き込んでやる。
群がられると面倒だが、コイツなら屍人どもをまとめて焼けるからな。
戦いながら動き続け、捕まらねーように敵の挙動を【見切って】立ち回るぜ。

なあ、望んでそんな姿になったんじゃねーよな。
死んだのに利用されて、オレ達にまた殺されて……たまったもんじゃねーだろ。
……だけどな。
アンタらが村人を襲えば、今度は村人が自分の村を滅ぼしちまう。
――それだけは、ぜってー許しちゃならねーんだ。
ぜってーだ。



 屍人が七分に、地が三分。
 身体から水晶を生やした水晶屍人たちが走りながら村へと向かう様は、まさしく地上の津波のようであり、大量の馬群が一斉に駆け出すかのような様相であった。大地鳴動の如き音と地響き、そして圧倒的な数の前では見る人を圧倒する。
「まったく笑えねー数だな」
 地を埋め尽くさん程の屍人を見て、皐月・灯(喪失のヴァナルガンド・f00069)は言葉の通りの険しい表情をした。どこぞの世界の魔術工房が暴走して、グールや精霊が大量発生した時だってこんな数はいなかったはずだ。
「今回の仕事は黄泉路への案内人かと思っていましたが……。はてさて、これほどの数ともなると、案内しきれるかどうか」
 慣れぬことはするものではないということでしょうか、と軽口を叩きながらも、石上・麻琴(虹の彼方の空の星・f01420)の顔もやはりどこか固い。
「やるしかないですよ。彼らをあるべき姿、いるべき場所に戻せるのは、私たちだけですから」
 小太刀を手に、月山・カムイ(絶影・f01363)が前へ出る。二人と同じく彼の顔つきもやはりまた固く、険しい。だがそれは危機を目前としたためのものではなく、多分に好戦性を含んだものだった。あるいはそれは、過去にあった類似した凄惨な虐殺事件をその脳裏に映し出して、重ね合わせてしまったがゆえか。
「……そうだな。こいつらを放っておいたら、村で被害が拡大する」
「ここで倒すことで、彼らにも安らかに眠って貰いたいですからね」
 灯は遥か後ろにある、護るべき村人たちを想い。
 麻琴は走り来る水晶屍人たちのかつての顔を想い。
「死したる者を操る輩には、物言わぬ骸となる権利を。そして、犠牲となった方々に哀悼と、二度と妨げられることなき永久の眠りを」
 カムイはかつての記憶の中の人々を想いながら。
 彼らは水晶屍人たちへと立ち向かって行った。
「アザレア・プロトコル2番――」
 最初に動いたのは、灯だった。彼は疾走と共に敵集団へと突っ込んで行く。
 手の甲の魔術回路が彼の中で魔力を循環させ、体表に貼られた呪符がその流れを加速させる。魔力循環に呼応するように、彼の手を覆ったガントレットが不可思議な光を散らす。
 屍人どもは目の前。あわや衝突するかと思った瞬間、灯はその姿勢を低くしてスライディングで滑り込むように集団の中へと食い込んだ。

    サラマンダードライブ
「――《焼尽ス炎舌》!」

 ガントレットの煌めきが、業火へと変貌する。術式による発火現象。それを宿した拳が、屍人へとめり込む。燃え盛る炎の音と共に、紅蓮の炎渦が横に放たれた。その様はまさしく、伝承上で語られる炎を操りし四大精霊サラマンダーの如く。
 集団の中で炎の渦が暴れ回り、屍人たちを焼き焦がされて身悶えさせる。そして彼らは衝突事故を引き起こし、また炎は拡大する。皮肉なことに、その様相は紛れもなく彼らが増える手段に酷似していた。
「次だっ!」
 術式再展開。炎の拡大速度を少しでも早めるために、新たな炎の渦を別方向へと拳から放つ。
 なんとも皮肉で、人によっては残虐だと評するような対集団戦での効率解。だが、灯とてそれを好んで用いているつもりは毛頭無かった。
 彼もまた、水晶屍人たちが望んでそのような姿になったわけではないことを理解していた。死んだはずなのに妖術によって利用されて、こうして自分の手によってまた殺される。そんな死の冒涜と再殺は彼をして同情に値し、およそ人であれば想像するだにぞっとするような悲惨な命運と言えた。
「悪く思うなよ」
 火炎を放ちながら、灯は渋面する。
 だが、そんな悲運を知ってなお、彼は屍人たちを効率よく、素早く倒さなくてはならなかった。全ては屍人の行き先、村に住まう村人たちを襲わせないために。
「――この悲劇は繰り返しちゃならねー。それだけは、ぜってー許しちゃならねーんだ」
 絶対に。絶対に。絶対に。いかなる手段を用いようとも、それだけは防がなくてはならなかった。
 焔が燃え盛り、燃え移る。炎に包まれ身悶えする屍人どもの姿は、まるで地獄の炎が踊っているかのようだった。
 これ以上この場を火の海にしたところで悪効率な上に、延焼分は消せるとはいえ危険なことに変わりはない。灯が離脱しようとバックステップとともに後ろを見るが――そこは屍人たちによって囲まれている。
 長居し過ぎた。奥歯を噛み締め、灯が別の術式を拳へと展開しようとした。
 その矢先。退路の先にいた屍人が両断されて、道が切り拓かれた。
「一度退いて下さい」
 カムイだ。手にした小太刀を血振るいしながら、彼は灯へと言い放つ。頷きを返して、灯が後ろへ下がる。
 擦れ違い、戦場の主導権がカムイへ渡る。彼は炎の海の中を駆け抜ける。より多くの敵を求めるように。より遠くに味方を離すために。
「音も無く――」
 小太刀を構える。陽の光を浴びて、ぬらりとその刀身が鈍い光を反射する。
「――その身に刻め」
 鈍い光が幾千、幾万と閃いた。
 放たれたのは無数にして無音の斬撃。【無響剣舞・絶影】。
 破魔の力を宿した小太刀が刃を放ち、水晶屍人たちを膾切りにしていく。
 ある屍人は村へと向かうための脚を断たれ。
 ある屍人は人へ食らい付くための顎を真っ二つにされ。
 ある屍人は人を捕らえるための手を斬り飛ばされ。
 またある屍人はその力の源たる水晶を斬り割られた。
「語らぬ骸へと還り……静かに、眠って下さい」
 血色に染まってしまった小太刀を振るって、血を払い落とす。
 数に対抗するには、手数が必要だ。多すぎる手数はコントロールが難しい。ゆえにこそ、これが彼のできる最大限度の一対多の戦い。あるいは、世界をも侵さんとする“毒”への抵抗だった。
「断ち切るために、私は存在しますから」
 伝染し、拡大する毒のような水晶屍人。ここで斬り殺し、その連鎖を断ち切る。かつて故郷を侵した物とは別ではあるが、カムイの戦い振りを普段の暴風の如き苛烈さから度を越したものにするには、その“毒性”がもたらすであろう光景はあまりにも彼の怒りを買い過ぎた。
 ふと、カムイの上を影が覆った。太陽が雲で陰ったのではない。彼の身を覆い隠す程に太い大蛇が、その頭上を通過したのだ。
「名就けしは十二天将が一つ、前四勾陳土神家在辰主戦闘諍訟凶将――。僕もようやく準備が整いました。さあ、いきますよ」
 その大蛇の頭に立つのは、薙刀を構え霊符を手にした麻琴だった。
 呼び出したるは黄金色の闘気纏いし大蛇。六壬神課の匂陣、かつては京の中心を守護したと伝わる土神。陰陽師たる麻琴が呼び出した強力な霊に違いなかった。
 大蛇はその身に纏いし金色の闘気を輝かせたかと思うと、黄金の波動を放って眼下に捉えた屍人たちを薙ぎ払う。
「まったく、これがかの安倍晴明が施した術とするならば、嘆かわしいことこの上ないですね」
 水晶を生やした屍人たちを見遣りながら、麻琴は苦々しい表情をする。
 そもそも陰陽師とは占星術師であり呪術師だ。五行と星辰から吉兆を占い、呪術によって人を癒やし、真言を操ることで怪異を退治する。
 今の彼がそうしているように十二天将の霊に力を借りることはあれども、本来であれば陰陽師には死者がどうこうは管轄外だ。死霊術ないしは妖術に該当するこの水晶屍人たちを生み出す術は、陰陽道のそれではないと麻琴は顔を顰める。
 陰陽五行思想において、生者とは陽であり死者とは陰。生者を木行とするならば死者は土行だ。
 しかし死者でありながら生者の如く活動する屍人は陰陽の気を併せ持ち、木剋土の相克関係に真っ向から反する存在である。これはあるいは、禁術の類によって生み出されたのやもしれぬと麻琴は予測する。
「同じ陰陽師とは思われたくないものです」
 繰り返しになるが、本来陰陽師からしてみれば、死者がどうこうは管轄外だ。
 だが、それと同時に――陰陽師にとって、化生退治の類は彼らの専門分野の一つであった。
 勾陳がその尾を振るって並み居る屍人を薙ぎ払う。まずはこの大蛇から倒すべきだと屍人が押し寄せるも、それを麻琴が許さない。破魔の力を宿した薙刀を振るって、寄って群がる屍人を蹴散らす。

 敵はいまだ多く、戦場の凄惨さは酸鼻を極める。
 しかしながら、猟兵たちは戦うことをやめはしない。
 これ以上の悲劇を繰り返さぬように。これ以上の犠牲者を出さぬように。
 彼らは拳を振るい、刃を振るう。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リル・ルリ
■櫻宵/f02768


第一声がそれなんだ?!
まぁ、君らしいけど
ズレてる気がするけど
まずはこの屍人を何とかしなきゃだよ、櫻

水晶屍人…安らかに眠らせてあげたいよ
あんなにも苦しそうなんだもの
櫻宵、お願い
僕は君が害されないよう歌い守るよ
歌唱に込めるのは櫻宵への鼓舞だ
いつだって、奮い立てるように
君への攻撃も水泡のオーラ防御で防ぎ守って道を拓く手助けをするよ
櫻の背中は僕が守るんだ!
彼を傷つける全てを星の瞬きのように打ち消してやる
渾身の歌を「星縛の歌」を響かせて
西行の放つ全てを、防いでみせる
僕は櫻を信じてる
君も君の生まれ育った故郷も全部守るんだ

これは鎮魂歌
せめてこの歌が散りゆく骸に届くよう
――さあ、おやすみ


誘名・櫻宵
🌸リル/f10762


安倍晴明なんて
陰陽師としては一度は殺してみたい相手じゃない!そうね
その前にこいつらから何とかしなきゃ

たくさん斬れそうで愉しみだわ!愉しまなきゃね!
リル、あたしの為に歌って頂戴
あなたの為にたくさん首をとってくるわ

リルを庇うように前へでて
刀に宿らせる破魔、広範囲になぎ払い
衝撃波放ち斬り殺す
屍人の群れを払い除け狙うは西行
あなたの首よ
綺麗にとらせて頂戴な
攻撃見切り躱したならば、咄嗟の一撃斬りこんで――殴るのもいいわね
一撃一撃に生命力吸収の呪詛こめて斬りこみましょう!
傷を抉り、何度でも
踏み込み放つは怪力込めた「絶華」

死んでからも利用されるなんて哀れだわ
だから今度こそ眠らせてあげる



 安倍晴明――平安期における、最も有名な陰陽師。
 音に聞こえしその威名は、世が世であれば「陰陽師の誰もが知る」と評される。
 誘名・櫻宵(屠櫻・f02768)もまた、陰陽師の一人としてかの才名は伝え聞いていた。ゆえに――
「安倍晴明なんて、陰陽師としては一度は殺してみたい相手じゃない!」
 かの勇名の一端に触れ、それを打ち破らんと心を踊らせた。
 彼は雅やかな人だった。男でありながら無骨な装いを避け、華やかな衣装を好む。社交的で、その面倒見の良さとおっとりとしていて。迎櫻館において彼を慕う者、懐く者は多い。
 だがその一方で血を好み、咲いた血桜を愛で。戦に狂い、戦火の中で艶やかに笑う。そんな戦狂いの顔もまた併せ持つ。
 桜のような華やかさと、鬼の如き好戦性を評して、誰が呼んだか“屠桜の剣鬼”。それこそ櫻宵という人間だった。 
「第一声がそれなんだ?!」
 それを知っているこそ、そのあまりにも突飛で、あまりにも攻撃的な放言にリル・ルリ(想愛アクアリウム・f10762)も普段は静かな薄花桜の瞳をびっくりしたように見開きながら、「まぁ、君らしいけど」と呆れの溜息混じりに櫻宵を見上げる。
「って言っても、安倍晴明本人を直接相手にするわけじゃないのよねえ」
「うん、目の前のじけん、ちょっとちかづいた。けど、まだズレてる。まずはこの屍人を何とかしなきゃだよ、櫻」
 懸命に、まるで月光のように綺麗なヒレをぱたぱたとさせながら。目の前の水晶屍人たちを倒さなくては、とリルは櫻宵へと伝える。
 果たしてリルの想いはしっかりと伝わったのかどうか。櫻宵は笑顔で「そうね」と頷きを返した。
「晴明の前にこいつらから、よね。主菜を後に控えた前菜は心が躍るわねえ」
「やっぱり、まだズレてる……」
 うきうき、にこにこ。数多の敵を前にして、櫻宵はすらりと刀を抜き放つ。
 “屠櫻”。妖魔の血で鍛えた、血桜の太刀。陽の光を反射して、刀身が紅くぬらりと輝いた。
「何言ってるの、リル。何事もまず愉しまなくちゃ。こんなにたくさん斬れそうなんですもの、たくさん愉しまなきゃ損でしょう?」
 桜のように華やかな笑みを櫻宵が浮かべる一方で、リルの表情は水底のように沈んでいた。
 リルが視界に映すのは、水晶を生やした屍人ども。
 彼らは元は普通の人々だったのだ。それが何の因果か、こうして人を襲う怪物と化してしまった。
 その有り様が、その表情が。あまりにも悲痛で、あまりにも苦しそうなものに見えて仕方がなかったのだ。
「……櫻宵、お願い。あの子たちをころしてあげて」
「ええ、殺すわ。死んでからも利用されるなんて哀れだもの。だからリル、あたしのために歌って頂戴」
「ああ、歌うよ。櫻のために、歌い続ける」
「ありがとう。――あなたのためにたくさん首を刈って来るわ」
 交わす言葉が途切れた瞬間、太刀を構えた櫻宵が駆けた。
 息を整え、リルは歌い始める。かつて見世物劇場で歌姫として歌っていたように。けれど今は観客のためではなく、目の前で駆ける愛しい人のためだけに。
「♪綺羅星の瞬き 泡沫の如く揺蕩いて 耀弔う星歌に溺れ 熒惑を蕩かし躯へ還す――」
 その歌声はまさしく天上のもの。それは極楽浄土に住まうとされる、半人半鳥の生物カラヴィンカが如き比類なき美声。それは水底に住まう、半人半魚のリルの歌声。
 まるで流れる水のように滑らかでありながら、戦う櫻宵を鼓舞し奮い立たせるような軽妙な歌は、まるで明るい海面のようだ。リズムの波に合わせるかのように、リルの周囲から水泡が現れ櫻宵へと続く。
 だが、これは同時に鎮魂歌。櫻宵によって殺される屍人からしてみれば、最期に聞く黄泉路への慰めに違いなかった。
「これはしっかり、頑張らないとね」
 愛する人の歌声によって、背中を押されるように櫻宵は走る。
 刃に宿るは破魔の力。太刀を半月の如く横薙ぎに振るってみせる。
 血煙。目の前にいた屍人たちが横一文字に両断されて、その身体から煙のように血を噴き出させる。一拍遅れて血煙が巻かれ、刃から生じた衝撃波が血霧の中から屍人を襲う。
 ある者は水晶を割られ、ある者は胴体が泣き別れし、またある者は首を断たれた。あるいは幸か不幸か致命傷を免れたとて、血刀に込められた呪詛がその生命力を吸い出して瞬く間に枯らしてしまう。
 酸鼻を極める斬殺の只中にて、屠桜の剣鬼は笑っていた。その様はまるで血を吸い上げて美しく咲き誇る桜のようである。 
 屍人の群れを突き進む櫻宵とて、しかし背中に目は付けられぬ。生き延びた屍人たちが追い縋り、その背から組み付こうと手を伸ばす。だが――
「♪凪いだ湖面に ひとひらの花弁 波紋呼び寄せ 水底へ――」
 リルがそれを許さない。
 思考を蕩かせる歌は明瞭な思考を持たぬ屍人に対して効果が薄い。だが、その攻撃速度を少しばかり遅らせることならできる。生じたそのほんの少しの時間さえあれば、水の泡を櫻宵の盾にすることだって、できる。
 歌いながらもその瞳は愛する人の背を見守り続け。その背を守り切ってみせると決意を表していた。
「来たか、猟兵!」
 屍人の群れの果てに、果然、群れを取り纏める西行の姿があった。
 ぎょろりと妖しい赤色の瞳を見開いて、異端の術士は錫杖を構えてみせる。そうして起こるは妖術奇術。辺りに散乱した屍人の破片が集まって、瞬く間に西行の肉鎧となったではないか。
「ええ、あなたの首を獲りに来たわ」
「戯けたことを。我が首欲しくば飛んで来るが良い」
 血と骨の翼で羽ばたいて、櫻宵の刃から逃れるように西行は上へと飛翔した。
 だから、櫻宵も踏み込んだ。踏み込んで跳んで、羽ばたいた。
 ――木龍の証たる、枝垂れ桜の如き翼にて。
「綺麗に斬らせて頂戴な」
「猪口才なことを――ッ!」
 振りかざされた錫杖から放たれるは雷霆。
 見切ったところで宙を跳ぶ櫻宵には躱す手段が無い。雷霆を斬ったとて、その後二の太刀へと続けることは難しい。
 あわや捨て身の強行か――そう思った時。雷霆の先に、泡が来た。
 櫻宵を想うリルの水泡だ。櫻宵を包み込み、雷をその表面で受け止めたならば、ぱちんと弾けて消えてしまう。
 ありがとう、と口の端をほころばせながら、櫻宵は太刀を振るった。
「散りなさい。――桜のように、潔く!」
 首を狙った渾身の一撃。その剣戟はまさしく不可視。
 空間ごとその首を断ち斬り、宙へと飛ばす。
 血花も咲かせず刎ねられたその首は――しかし、西行の胴体へと戻って行った。
「これはしたり、一命獲られた。だが我が命運、未だ潰えず」
「あなた、人間じゃないのね……」
 櫻宵とて術を封じられた身とはいえ、陰陽師の端くれだ。目前で怪奇が起きれば、状況推理も難くない。
 おそらくは、外方によって造り上げられた生き人形の類。屍をかけ合わせて造られた怪魔に違いなかった。
 耳を傾ける。リルの奏でる歌声の調べが、次第次第に遅く、鈍くなっていた。それもそのはず、彼の歌うそれは、彼自身の寿命を対価に支払っている。
 長くは戦えない。柳眉をひそめ、剣鬼は“屠桜”を構え直す。
 敵は想像以上に厄介であるようだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

黒玻璃・ミコ
※スライム形態

◆心情
希代の陰陽師として名を残すセイメイですか
真贋はさて置き此の軍勢を退けて進み
所在を突き止め直接お目にかかりたいものです

◆行動
【黒竜の災厄】でマイハンドと攻撃回数を増やし
愛用の黒竜剣で九連斬し【範囲攻撃】で突貫しボスへの道を切り開きますよー

はい、【気合い】を入れた【怪力】による重い斬撃かつ
【生命力吸収】でその屍を動かす呪力さえ喰らい尽くしましょう
うふふ、少しかすっただけでも【毒使い】による腐食毒で朽ち果てますよ

此処は私に任せて皆さんは先へ進んで下さい
大丈夫、冴え渡る【第六感】で致命的な攻撃は防げますし
【カウンター】を決めて時間は稼ぎます

◆補足
他の猟兵さんとの連携、アドリブ歓迎


黒川・闇慈


「水晶屍人ですか……どういう術式なのか興味はありますが、まずは雑魚散らしと参りましょう。クックック」

【行動】
wizで対抗です。
私は西行への道を切り開くといたしましょうか。
高速詠唱、呪詛、全力魔法の技能を活用してカース・ブーストを使用します。変身が完了したら上空を飛行し、上から西行までの最短ルートを見極めましょう。ルート上の水晶屍人は上空から怨念火砲による呪力砲撃で蹴散らします。

余裕があれば西行にも呪力砲撃を行いますが、これはせいぜい牽制になればいいでしょう。多少なりとも直接戦う猟兵への援護になるかと思います。

「安倍晴明の力の一端、しかと拝見させていただきましたよ。クックック」


ヴィクティム・ウィンターミュート
◎水晶屍人の殲滅をメインに動く

──趣味が悪ィ
だから気に食わねえ
テメェの悪行には美学は致命的に足りてねぇ
三流と一流の絶対的な差を見せてやる

──ま、直接相手はしねえんだけど
おーおー、ぞろぞろ集まってやがるな…容赦はしないが、死後の安寧くらいは祈ってやる
「クエイカーズ」、セットアップ
座標決定、規模決定──実行

村にも行かせない、西行の所にも行かせない
そこで迷って、惑って──終わっとけ

脱出しようとするかい?そうかそうか
出口まで来たら、起爆だ。全部吹っ飛ばす
後はこれの繰り返しさ…時間を稼いで、最後には消えてもらう

哀れだとは思うし同情もするさ
だが、俺は止まってはいられない
せめて死人として…あの世では安らかに



「希代の陰陽師として名を残すセイメイですか」
 水晶屍人の群れを眺めながら、黒玻璃・ミコ(屠竜の魔女・f00148)はその黒いスライムの身体を揺らした。
「真贋はさておき、よくもまあここまで軍勢を拡大したものです」
 猟兵たちが数を減らしたとはいえ、尽きせぬ程にその軍勢の数は多い。
 叶うことならば、軍勢がどこから来たのか辿って安倍晴明の所在地を突き止め、直に対面することでその正体を見極めたいとも考えたが、この圧倒的な数を前にしてはさしものミコとて今は無理だと断念せざるを得なかった。
「いやはや大した軍勢です。水晶屍人、一体どのような術式を用いた業なのか、興味が尽きませんねえ。クックック……」
 ミコが軍勢の彼方を見遣る一方で、黒川・闇慈(魔術の探求者・f00672)は軍勢の裏側、即ちその製法と構成術式について思いを馳せていた。
 魔術を愛してやまず、追い求め続ける闇慈からしてみれば、目の前の軍勢は差し詰め愉快に歩く玩具の兵隊たちだろうか。一体どうやって動かしているのか、どうやって造り出したのか。彼の興味はその一点に集まっていた。
 しかしながら術式の解明よりもまず重視されるべきは目の前の軍勢の掃討である。よしんば猟兵たちが戦う中で自分だけ術式を解明せしめんと解析を押し進めたところで、魔術によらない外法の術は彼の専門外である。その解明には一昼夜費やしたところでまるで足りず、そのまま戦いの波に飲まれてしまうであろうことは想像に難くない。だからこそ、彼もまた落ち着いた術式の解明のためにこの軍勢の打破に尽力せざるを得なかった。
「では、そろそろ仕事を始めましょうかー」
「クックック。この数が相手ですから、手加減はできそうにありませんねえ」
 にゅるん、とミコはそのスライムの体表から腕らしき触手を伸ばし。
 どすん、と闇慈は十字架型の魔術杖を地に着ける。
 最初に動いたのはミコからだった。おもむろに敵へと近付き、スライムの腕で握った蛇腹剣を振るう。
 到底スライムのものとは思えないような重い斬撃は、まるで怒り狂うかのような暴力的な軌道でもって圏内に捉えた水晶屍人たちを薙ぎ払う。大半は斬られ、あるいは圧し折られて行動不能になり。あるいはその一撃が致命傷に至らなかった屍人でさえも、生命力を吸い出す毒によって腐食し、枯れ果て、朽ちて行く。
「まだまだ行きますよー」
 外見相応のけれどおよそ阿鼻叫喚の戦場には似つかわしくない、ゆるりとした語調のままに彼女は蛇腹剣を振るい続ける。
 そうして作り上げられるのは、二人を中心としたキルゾーンによる空白地帯だ。
 それはすなわち、闇慈が魔法を繰り出す時間を作り出すための時間になる。
「我が内より湧き出るは漆黒の凶呪。漆黒を統べるは我が魂。ここに呪をもって力となさん――」
 掲げた禍々しい十字架型の魔術杖から、夥しい量の呪力が湧き上がる。それらは闇慈の身体に纏わり付いて、さらなる呪力を励起させる。
 呪力高励起体への変身魔法。莫大な量の呪力は闇慈の操作によって指向性を持ち、その身体を宙へと持ち上げる。
「では、このまま“安全地帯”の形成をお願いしますよ。クックック」
「そちらもうまく行くことを祈ってますね」
 互いの健闘を祈り合うように視線を交錯させて。闇慈は上空へと飛翔した。
 飛び上がるのはほんの十数メートルで十分だ。呪力の噴射でもって滞空しながら、戦場を一望する。
 わらわらと地を埋め尽くす屍人の中に、一人毛色の違った人影が見えた。
 異端なる術士、西行。その人である。
「クックック、見つけましたよ。それでは――発射です」
 巨大な十字架を下界へ向けて、励起された高密度呪力をまるで光線の如く打ち出した。
 あるいは、この光景を見た者がいたならそれを悪魔の杖と呼んだだろうか。黒く禍々しいその呪力砲撃は、“安全地帯”の外縁部分から一直線に西行に至るまでの屍人たちを薙ぎ払う。
 継続的な攻撃による橋頭堡の確保。
 呪力砲撃による、西行に至るまでの最短ルートの確保。
 それがこの二人が担う作戦の一端だった。
 だが、ただ薙ぎ払っただけではまたすぐに屍人どもによって埋め尽くされてしまうだろう。継続的な火力運用はいかにも難しく、この“最短ルート”は瞬間的なものでしか無い。
 ゆえに、それを持続させるための者がいた。
「では、後はお任せしましたよ」
 振り向き、“安全地帯”の更に後方を見遣る。そこに立っているのは、一人の男。
「オーキードーキー。この端役様に任せとけよ」
 ヴィクティム・ウィンターミュート(impulse of Arsene・f01172)が、上空から振り向いて合図をして来た闇慈へ向けて、軽く手を挙げて応えて見せる
「『ここは任せて先へ行け』――なんてのは安全マージンが取れてねえ。三流端役のやることだ」
 膨大な敵を相手に、殲滅はいかにも非現実的だ。
 だからと言って、大火力の継続的運用で“最短ルート”を確保し続けるのもまた困難を極める。
 だからこそ、ここで「攻撃すること」に囚われない必要があった。
「一流の端役はこうやるんだよ。――“クエイカーズ”、セットアップ! 座標決定、規模策定。実行!」
 左腕のサイバーデッキ『トランシス・アヴァロン』で、プログラムが実行される。
 戦場に地響きがして、地中から不可思議な色の壁がいくつもいくつも迫り上がって来る。そうして形成されるのは、巨大な迷宮だ。
 そしてその迷宮は、安全地帯から西行まで至る道を壁によって確保していた。
「村にも行かせねえ。西行のところにも行かせねえ。迷って、惑って、死んでくれ」
 『Quakers』――戦場に迷宮を作り上げるプログラム。
 その強度は元が一般人である屍人には打ち破り難く、その高い壁は乗り越え難い。これは屍人たちを閉じ込め、分断するための檻だった。
「……まったく、趣味が悪ィったらねえぜ」
 気に食わない、とばかりにヴィクティムは迷路の壁、その先にいるであろう屍人たちを見遣る。
 屍人は元々人間だ。骸の海から来た存在、すなわちオブリビオンではなく、いうなれば改造された人間である。
 それがどうしようもなく、故郷で改造手術を施されたストリートチルドレンの仲間とダブって仕方がなかった。サイバネティクスによらない、バイオロジカルによる生体移植手術。自然主義を掲げるカルト宗教団体の推し進めていた、非人道的な人体実験。
「……まだあのウィルソンどもがマシだったなんてな」
 カルト教団には、まだ教義という“美学”があった。反吐が出そうな気色の悪い考えだが、少なくともそれは信念によって支えられたものだった。
 振り返って、水晶屍人たちはどうだろうか。その製造過程にはおよそ信念らしきものが無い。ただ目的を果たすための手段として効率的だったから選んだと言わんばかりだ。
「ああ、反吐が出るぜ。テメェの悪行には、美学が致命的に欠如してやがる」
 まざまざと、これ見よがしのマキャベリズムを見せつけられて、ヴィクティムは渋面した。
 ヴィクティムは生き残るため、勝つために非合法の手段を厭わず使って来た。
 だが、彼はどうしようもなく人間だった。人間だから、理由なき非人道を忌避せざるを得なかった。そこだけは超えてはならない一線なのだと弁えていたのだから。
「『クズにはなっても、人でなしには成り下がるな』――だ」
 かつて、ストリートで聞かされた言葉を思い出す。無法の中にも法があるように。クズの中にもクズなりの倫理観がある。その一線を超えてしまえば――世界すべてが敵になる。
 この対オブリビオン専用の爆発物が仕込まれた迷宮が水晶屍人たちをただ「閉じ込める」ことしかできず、オブリビオンではないがゆえに爆発に反応しないのはなんとも皮肉めいた話だった。
「……あとは主役たちに任せるとするか」
 最後に、壁の向こう側にいる屍人たちへと哀れみの視線を向けて。彼はマントを翻した。
「せめて死人として……あの世では安らかに」

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

リア・ファル

POW

これ以上、村人の被害が増えるのは看過できないよ。
村人たちを護り、敵戦力の補充を止めよう

「水晶を破壊して、動きを止める!」
水晶屍人に対しては『ヌァザ』で斬りつける
(鎧無視攻撃/部位破壊)

または、『セブンカラーズ』に破魔の力を付与して撃つ
(破魔/属性魔法/クイックドロウ/スナイパー)

イルダーナで動き回り、村人達を避難誘導しつつ、
UC【召喚詠唱・白炎の不死鳥】を使用して、
味方の猟兵から、助けられる対象はまとめて助けるさ
(逃げ足/時間稼ぎ/拠点防御)

「ナビゲートするよ! 着いてきて!」

トライオーシャン・ナビゲーター、なんて異名もあるんだ、
いずれの案内も承ろう!


月宮・ユイ
◎ 
*身に<呪詛>宿す

敵の戦力を利用し自身の戦力とする
行為の是非はともかく有効な手段ではありますね
故にこそ、これ以上の被害出すわけにはいきません

《機能強化》<第六感>含め知覚拡大
<情報収集・学習>開始<知識>蓄積利用
<早業・高速詠唱・2回攻撃>
《不死鳥》連続召喚:<破魔の呪>込め強化

村での防衛を行う予定
天下自在符と<コミュ力>使い、村人達に少しでも安心感を。
元が元です、身体能力もオブリビオン程ではないのでしょう
村にある柵や堀等でも多少の侵入防止や足止め出来る様です。
不死鳥の選別可能な炎なら設備や作物荒らさずに済む
対象を水晶に定め破壊、<破魔の呪>で敵の術祓い屍人止める。
せめて安らかなる眠りを…



 屍人たちの漸減はうまく行っていた。
 迷宮に閉じ込めたことによる分断なども正しく機能していた。
 だが――それらすべてがうまく行ってもなお、村へと襲来する屍人の数はそう少なくはなかった。
「これで少ないって、元の数はどれだけ多いんだか……!」
 村へと襲来して来る屍人たちを愛用のリボルバー銃でもって迎撃しながら、リア・ファル(三界の魔術師/トライオーシャン・ナビゲーター・f04685)は険しい顔にならざるを得なかった。
 手数は圧倒的に足りていない。術式によってリボルバーを瞬時に再装填しながらも、水晶を狙って銃撃していくが、倒す速度よりも襲来する数の方が増え始めているように感じていた。
「敵の戦力を切り崩し、自身の戦力へと移し替える。人道としての是非はともかくとして、戦術的に有効な手段ではありますね」
 声がしたかと思うと、リアの横を炎の鳥が飛んで行き、屍人たちを焼殺していくのが見えた。
「村人たちの説得は概ね終えた。このままここで食い止めておけば、村人たちの避難はできそう」
 炎の鳥の後からリアの横へと来たのは月宮・ユイ(捕喰∞連星・f02933)だ。
 彼女たち二人はまず役割を分けた。村人たちを説得して取りまとめ、まとめて避難させるユイ。その間、襲来する屍人たちを迎撃するリア。
 ちょうど今しがた、ユイがようやくその役目を終えて迎撃戦線に合流したようだった。天下自在符や、彼女の身に宿した誘惑の呪詛でもっても、村人たちを取り纏めるのには時間を要したようだった。さもありなん、屍人の襲来を目の前にしていない村人たちに危機感は薄かったようなのだから。
「柵も堀もそろそろ限界が近いかも。早めに見切りを付けて、村人たちを逃してあげたいけど……隙ができるのを待ち続けるのも難しいかな」
 現状の戦況を説明しながらもリボルバーを撃つ手を止めないリア。ユイの方も、知覚拡大によって得られた情報と合わせて状況を把握していく。
「それなら、村人たちを避難誘導しながら撤退戦をするべきだと思う。あなたが誘導、私が殿を務めれば効果的」
 そうなるよねえ、とユイの提示した作戦に頷く。リアもまったく同じ作戦を考案したものの、いまいち気乗りしないようだった。当然だ、逃げながら守って戦う必要のある撤退戦など誰も好き好んでやろうとしない。
 だが、やるしかないのだ。
「ここで村人を守らないと、犠牲者がどんどん増えちゃうからね。……それで行こう!」
 決心したように、リアは銃を下ろして後ろへと駆けて行く。彼女が跳躍すると、そこへと滑り込むように愛機イルダーナがやって来て、操縦手を席へと迎え入れる。
「いずれの案内も承ろう! トライオーシャン・ナビゲーターの異名が伊達じゃないってところ、見せてやる!」
 リアはイルダーナに乗って村人たちの元へと向かう。それを背で見送りながら、ユイは破魔の炎の鳥を屍人へと放ち続ける。
 柵が倒され、堀の橋代わりになるのはそう時間を要さなかった。増殖する炎の鳥たちに一度任せて、自身もまた愛機“コメット”へと騎乗してリアたちの後ろへ付く。
「……舞え」
 保管庫との接続を繋げっぱなしにして、連続して具現化術式を起動する。そうして概念具現化した赤い炎の鳥たちを放って、襲来する敵を次々に焼いていく。
「コード承認! 電子の門をくぐり、幻想より来たれ、白き再生の不死鳥よ!」
 一方でリアの方は、癒やしの白い不死鳥を使って村人たちの傷を癒やしながら皆を誘導していた。再生を司る不死鳥は、その白き炎で傷口を包み込んでは癒やし、村人たちの避難の脚を早めさせる。

 撤退戦は厳しく、敵の数は多い。
 極論を言えば、この戦いに必要なのはオブリビオンの討伐だ。水晶屍人は倒せれば倒しただけ良いものだし、村人を救う必要性は必ずしもない。
 だが、救わなければならない、助けなくてはならないとリアもユイも考えていた。
 リアがリボルバーで屍人の水晶を打ち砕き、ユイが炎の鳥によって屍人を焼き尽くす。その中で、彼女たちは屍人たちへと安らかに眠って欲しいという哀悼の感情が胸の内にあったはずだ。
 それをさっきまで生きていた村人たちへ向けたくない。
 これ以上の犠牲者を出したくないという、その一心で彼女たちは村人たちを守りながら、戦域離脱まで屍人たちを迎撃し続けたのだった。

 後の記録では、撤退戦は順調に進み、結果的に犠牲者を出さずに無事に避難を終えられたと記されている――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

ヘンペル・トリックボックス


あの外道に漕ぎ着けるまでが難儀ですなァ…生憎と、手遅れの相手に情けをかけるような若さは、疾うの昔に枯れております。
一刻も早く、その魂に救済を。参ります─

手持ちの呪符をフル活用。
火行符による【属性攻撃】を木行符で威力相乗、【範囲攻撃】化して一気に血路を開きます。
西行への導線が出来たら土行符で地形を変動させ、西行と私を囲むように分厚い土壁を形成。タイマンに持ち込みます。

敵の無敵UCは厄介ですが、その存在事態が『願望』であり『目指す場所』である以上、逆説的にそれは完璧ではなく完成もしていない。
…と疑念を抱かせるように【催眠術】を交えつつ【言いくるめ】、隙をついて破魔の力を籠めた霊符を叩き込みます。


祇条・結月
僕らの世界の歴史で学んだ西行法師とは違うんだろうけど。
それでもオブリビオンとして還ってきちゃった姿は、見たくないな。
うがんばってみよっか。できることをするよ。

水晶屍人の接近は銀の糸を使った即席の【罠使い】で阻んで、苦無の【スナイパー】【投擲】で確実に数を減らしていく。
西行自身の攻撃がこっちへ向いたら【第六感】も駆使して攻撃を躱しながら。躱し切れない一撃が来たら≪鍵ノ悪魔≫を降ろして西行の体を透過して躱して、咎人の鍵で反撃するよ。

なぜ捉えられないか、って? ……僕を捉えられる心が、ないからじゃない? 
言って、無敵の力を揺らがせて、押し切る。

骸の海へ還れ。
如月の、望月の頃とはいかないみたいだけれど


メルノ・ネッケル

「皆を魅了する最高の身体」……か。
そんなら、その身体に靡かない奴の存在を叩き付けたればええ。それで揺さぶり、術を解く!

「キツネビサイクル」に【騎乗】し、「R&B」の熱線で屍人を薙ぎ払いながら全速で突っ込む!

西行の所に届いたら、挨拶がわりの二丁【先制攻撃】!
まだ奴は無敵、気が引ければええ。

奴の意識がこっちに向いたら、全力で奴を否定する!

アンタの術は直ぐに破れる……何でか、教えたろか?

今!ここに!
アンタをぶっ潰したくてたまらん女狐がおるからや!!

魅了する程の身体を主張するなら、もうちょい心も媚びとくんやな。
幾ら玉体の持主だろうと、心がなきゃ人は着いてこん!

講説ついでに持ってけ『クイックドロウ』!



 戦場に突如としてユーベルコードにより形成された迷路。それは屍人たちを分断し、西行への直線ルートを作り上げていた。
 そのルートをいち早く利用したのがメルノ・ネッケル(火器狐・f09332)だ。青い外套をはためかせながら、愛騎キツネビサイクルに乗って全速力で走り抜ける。
「まずは挨拶代わりや、かましたるで!」
 ハンドルから離した手が向かう先は二丁の愛銃。赤と黒のブラスターと、銀色のリボルバー。
 全ては一瞬。全ての工程がまるでワンアクションであるかのような速度で、西行へと実弾と熱線が放たれる。見通しが良いとはいえ、常人ではまず対処できない速度での先制、そして奇襲攻撃。
 それらは狙い過たず西行の身体へと間違いなく命中した――そのはずだった。
「無駄だ。我が身体は至高の肉体。貴様らの攻撃なぞ物の数ではない」
「せやろなあ、ホンマずっこいわあ……!」
 ホルスターへと愛銃を収め、メルノはハンドルを握ると体重移動でもってキツネビサイクルの軌道を変える。
 最高の身体、無敵の肉体。西行がそれをユーベルコードによって実現しているという話は、事前に教わった通りだった。ゆえにまずそこの防御性に亀裂を入れるべく、こうして挑みかかったのだが、それはそれとして自慢の愛銃の銃撃を受けて平気な顔をされるのは少し癪だった。
 だが、ここで諦めるわけにはいかない理由がメルノにはあった。
 彼女は名前も装備も別世界の物を使っているが、出身はサムライエンパイアだ。天涯孤独の身でありながら、サムライエンパイアの人々によく世話を焼かれて育って来た。
 だから、今がその恩を返す時に違いないとメルノは思っていたのだろう。故郷たるこのサムライエンパイアの世界を守るために、彼女は戦に身を投じたのだから。
「ほらほら、こっちや!」
 キツネビサイクルの機動力を活かして、片手ハンドルで巧みに操作しながらもう片手で射撃する。
「無駄だと言ったはずだ。この至高の身体に対して、貴様は傷一つ付けることはできぬだろう」
「至高の身体ぁ? 聞いてヘソで茶を沸いてまうわ!」
 西行の言葉を、あえて殊更に挑発的にメルノは一笑する。
「アンタの術はすぐに破れる。――何でか、教えたろか?」
 応えを待たずして、メルノはカーブと共に西行へ向けて射撃する。
「今! ここに! アンタをぶっ潰したくてたまらん女狐がおるからや!! 至高の身体や魅了する身体や言うんなら、もうちょい心も媚びさせとくんやな! いくら玉体の持ち主だろうと、心があらへんなら人は付いて来ん!!」
 この機動射撃戦の中でメルノが西行へと向けていた物は、熱線であり実弾であり、そして何よりも殺意だった。それは、西行の魅了から引き出される好意とは程遠い感情の一つである。
「ちゅうかそもそも故郷の敵、世界の敵に魅了されるアホがどこにおるねんっちゅう話やろ! 身体磨き直して出直して来ぃ!」
「この至高を解さぬとはなんたる愚物、無知蒙昧。このまま捨て置いても構わぬが、蝿のように飛び回られても鬱陶しい。我が身体を愚弄した罪、その命でもって償ってもらおうか」
 シャン、と地を突いた錫杖が音を鳴らす。それによって錫杖から放たれるのは、雷霆の如き雷撃だ。
 さしものキツネビサイクルとて雷速からは逃れ得ぬ。
「アカン――!」
 咄嗟のカーブで避けようとするメルノ。雷撃はそれを追尾しようとして――土の壁によって防がれた。
「婦女に対してそのような乱暴な扱い、感心しませんなァ」
 シルクハットのつばから漆黒の瞳を覗かせて。およそ鉄火場に似つかわしくないようなセリフと共にステッキを西行へと向けるのは、ヘンペル・トリックボックス(仰天紳士・f00441)だ。
「実に紳士的ではない。婦女はこうして守るものなのですから」
「戯けたことを!」
 再び錫杖から放たれた雷霆を見て、やれやれと首を横に振りながらヘンペルはステッキを振ってみせる。そこからまるで手品のように現れたのは、一枚の札だ。
 土行鎮星符。五行の一つ、土行を司る札が不可思議な光を放つと共に、土壁が雷霆を防ぐ。
「木剋土。雷は木行ですから、今しがた見せたばかりの土行とは相性が悪いですよ。あなたの上司は陰陽師と聞いておりましたが、はて。部下の教育がまるでなってないようですなァ」
「黙れ、至高ならぬ身で俺に口答えする気か!?」
「ハッハッハ。至高、最高――実に面白い冗談ですなァ。五行相剋を知らぬ身でよくもまあ言えたものです」
 西行から立て続けに放たれる雷撃や呪撃の悉くを、ヘンペルはそれに対応した相性の良い符でもって防いでみせる。
「よく見ればあなたはどうも私と似ているようです。人間ではなく、その存在は人形に近い。差し詰め、あなたは人間の最高の身体を実現させることを目的に造られた人形でしょうか?」
「だとしたら、それがどうしたと言うのだ!」
「あなたが人間ではない以上、そして最高の身体をユーベルコードによって実現している以上は、あなたは存在自体が願望であり目指す場所です。ゆえに、逆説的に言えば完璧でもなく、完成すらしていないということですよ」
 最高の人としての身体を得たとしても、それはあくまでユーベルコードでの話。そうであればと願望を抱くがゆえに実現できている仮初の姿に過ぎない。仮初であるならば、それは完成されておらず、完璧からは程遠いのだ。
 ぐるぐるとステッキを回しながら、朗々とした口調でヘンペルは敵の攻撃を防ぎながら指摘を続ける。
「大体、婦女に手を挙げるような者が完璧などとおこがましいとは思わないのですか。今までその不完全な“最高”に対して疑念をお持ちになったことがない? 自省なくして完璧とはこれもまたおかしな話ですなァ」
 相手に揺さぶりをかけるように、言葉でもって追い詰めていく。
 物理的な攻撃は必要ない。少なくとも、今はまだ。
 妖しく回されるステッキが及ぼす催眠術が、そして舌先三寸から放たれる言葉こそが、西行を惑わす攻撃に違いないのだから。
「我は、我は――……ッ!?」
「おっと、これは好機到来でしょうか。今ですよ!」
 西行の中で疑念が生じたのか、その姿が一瞬揺らぐ。それを見て取ったヘンペルが、呼び掛けると、それに応じるように苦無の一撃が西行へと飛んで行った。
 すんでのところで、しかし攻撃を察した西行の錫杖によって、苦無は弾かれてしまう。
「疑念を持って揺らぎはしたものの、思考放棄でまた元の無敵状態に戻ってしまったみたいかな」
 まだ揺さぶりが必要みたいだ、と少し厳しい表情をしながら現れたのは、投げられた苦無の主、祇条・結月(キーメイカー・f02067)だ。
「……僕らの世界の歴史で学んだ西行法師とは、随分違うみたいだけど。そうだとしても、オブリビオンとして還って来ちゃった姿は見たくないな」
 学生服に身を包んで学校で習った中では、西行という人物はこれほど禍々しい術士ではなかったはずだ。歴史や古典の授業で名前を見た彼は、良き歌人だった結月は記憶している。
 それがこのような姿となって敵対するところなんて、見たくなかった。骸の海から来てほしくなかった。
 けれど、来てしまったのなら。せめて、自分にできることをして、骸の海へと還してやるしかない。
「小僧、この至高の、最高の人として、完成された身体を見てなお愚弄する気か!」
 激昂したように西行が怒声を上げる。それと同時に、錫杖から放たれるのはやはり雷撃だ。
 しかし、結月は雷撃を避けない。彼はその手に持った銀の鍵を、自分に向けていた。
「……僕を、見るな」
 ガチャリ、と。
 鍵穴もないのに、音を立てて銀の鍵は何かに施錠した。
 何者かから守るためのようであり、また何かを隠すかのような鍵の音。小さく、けれどはっきりと鳴ったそれを掻き消さんほどに激しい音を立てて、凄まじい雷撃が結月を襲う。だが――
「なぜだ……? なぜ、雷撃は当たったはずだ!」
 結月は傷一つなく、立っていた。
 銀色の大きな鍵を握り、結月は西行へ強かな打撃を与える。手応え。たまらず西行が反撃するが、振るった錫杖はまるで雲を掻くかのように結月の身体を通り抜けた。
「なぜだ、なぜ捉えられない! 今の俺は至高の身体、無敵の肉体なのに!」
「なぜって……。僕を捉えられる心が、ないからじゃない?」
 そんな馬鹿な話があるか、と西行は信じられないような表情をする。
 事実、そんな話は無い。結月に攻撃が通らないのは、彼がその身に境界を統べる権能を持った「鍵ノ悪魔」を宿したがゆえにだ。周囲の空間と境界を曖昧にすることによって敵の攻撃を透過した、ただそれだけである。
 だが西行はそれを知らない。殺意を向けられ、自身の在り方を揺らがされ、そして今また無敵であることすら疑わしくなって来ていた。
 疑念はほころびとなって、その姿を揺らがせて。肉体の防御性能を格段に落としていく。
 その隙を、猟兵たちは逃さない。
「さっきの受け取り忘れや、うちの熱線と鉛玉、貰ってってぇーな!」
 メルノは二丁の愛銃でもって、その熱線、その実弾を西行へと叩き込み。
「生憎と、手遅れの相手に情けをかけるような若さは、疾うの昔に枯れております。容赦はできませんな。では――その魂に、救済を」
 ヘンペルは木生火の五行相生によって威力を向上させた、火行熒惑符と木行歳星符の組み合わせ攻撃で西行を焼き。
「あの和歌のように如月の、望月の頃とはいかないけれど。――骸の海へ還れ」
 超強化の代償によって、大量の血を流しながらも結月が咎人の鍵で西行へと接近戦を挑む。
 西行への道筋は確保され。その無敵性も、大きくその防御力を損なわせた。
 猟兵たちの戦いは、まだ続く――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

天御鏡・百々

これほどの数の民が犠牲となったのか……
元に戻すことは出来なくとも
せめて安らかに眠らせてやるとしよう

屍人相手ならば、我が破魔の力が役に立つというものだ
村を護ることも考えたが、我は敵軍の密集地帯に赴き
多数の屍を浄化するのが適任であろう

破魔69を乗せた『天鏡破魔光』にて水晶屍人をなぎ払い
その悉くを浄化してくれようぞ

十分に屍人を倒すことが出来たならば
我も敵将の元へと向かうとしよう

敵将の放つ糸の類いは
真朱神楽(武器:薙刀)によるなぎ払い26で斬断し
絡め取られることを防ぐとしよう

その心の醜さで、最高とはこれ如何に
心技体そろってこその最高であろうに

●神鏡のヤドリガミ
●連携歓迎
●本体の鏡へのダメージNG 


アマニア・イェーガー

あー、ウイルスパニックみたいなやつだね。お手軽で、リターンも大きくて、便利だよねー
いや、やられた側からしたらたまったもんじゃないけど。ホント
ちょっとわたしも本気だす

ユーベルコード【回帰せし氷球世界】を発動!
限定範囲内の天候を【ハッキング】により書き換えるウィザード魔法・天候崩壊(ウェザーブレイク)で猛吹雪をおこすよ
この空間内で相手を認識できるのは猟兵だけ、水晶屍人を礫や氷柱で撃ち抜くよ!
なるべく水晶を狙うけど外れたらごめん

西行の攻撃は【空中浮遊】【空中戦】で回避しつつ礫で相殺、本体には氷柱の雨を降らせ、周囲の時間ごと凍らせて身動きを封じるよ
これは人の命を弄んだ罰だよ、キミの時間は凍結する!


アララギ・イチイ
西行対応

死体の再利用なら、こっちにも方法があるわぁ

【怪奇~】使用よぉ
倒れた屍人をUC効果で生物兵器に変換、敵に襲い掛からせるわぁ(敵UC対策も兼ねて

前衛にフギン配置、ランスの【串刺し】、散弾砲で【範囲攻撃】、シールドで【武器受け】
後衛にムニン、連装バルカンで【2回攻撃・援護射撃】、ミサイルの【誘導弾】攻撃
上記の戦闘人形を前線に押し出しつつ、【早業】の【武器改造】で砲身+砲機関部+動力炉を合体させて、大型砲を構築、【範囲攻撃】の荷電粒子砲を前線に叩き込むわぁ
敵の攻撃は【見切り】、浮遊するシールドシステムで【盾受け】対処よぉ

火力が必要な時はロケット弾や重機関銃を【念動力】で操作、【一斉発射】だわぁ



「かくなる上は、いでよ我が忠臣、我が下僕――黒百合よ!」
 至高の肉体、無敵の身体を揺るがされた西行は、懐から出した大きな白い針を掲げると、それは呪詛の渦とともに女妖怪へと姿を変えた。
 それを眺めて、「ふぅん」と目を細めるのはアララギ・イチイ(ドラゴニアンの少女・f05751)である。
「少なくともぉ、ヤドリガミってわけじゃなさそうだけどぉ」
 和装に白衣という風変わりな出で立ちでありながら、彼女は煙管を吹かして今しがた白い針が変身した狂妖・黒百合を観察しているようだった。
「あんなものがヤドリガミであってたまるものか」
 珍しく少しばかり不愉快そうに、むっとした顔で反駁したのは天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)だ。
「元々が裁縫道具――というのは間違いないであろう。だが、我はヤドリガミゆえ言えることだが、あれはもうヤドリガミではないだろう。怨念を纏っている辺りから、無念の遺骸たちから造られた呪具、その変身体と言ったところであろうな」
「へぇ、さすがヤドリガミ。ご同類には詳しいのねぇ。……じゃあ、死体の再利用ってことならこっちにもやりようがあるわぁ」
 百々が手にした鏡で黒百合を映しながら自分なりの見解を伝えると、面白そうにアララギは頬を歪める。まるで目の前のおもちゃで新しい遊び方を思いついたかのような笑みだった。
「ああ、良かった。あれがヤドリガミだったらちょっと出しにくかったけど。そう古いものでもないなら遠慮はいらなさそうだね」
 ほっと安心したように胸を撫で下ろしているのはアマニア・イェーガー(謎の美女アンティークマニア・f00589)である。生粋のアンティークマニアである彼女としては、古い物を壊すことについては大なり小なり抵抗感があったのだろう。
 それを察してか察さずしてか、「オブリビオンの所有物だが恐らくは年代物だろう」とまでは見解を続けず、百々は鏡を宙に浮かせて薙刀を構える。
「屍人でなくとも、あの妖魔の類であれば我が破魔の力は有効だろう。――まずは時間を作る。その間に、頼んだ」
 戦いに際して大掛かりな準備がある程度必要なアマニアとアララギに言い残して、百々は薙刀を手に突撃を始めた。
「匹夫の勇だな」
 ニヤリと口元に笑みを浮かべながら西行が合図をすると、黒百合が百々目掛けて妖糸を繰り出す。
 するすると伸びて来る黒い糸を一瞥して、百々は跳躍した。和装の裾と袖を翻しながら、絡め取ろうとして来た糸を躱し、赤い薙刀でもって薙ぎ払う。刃に宿った破魔の力が、触れた先から妖糸を斬り裂いた。
「黒百合とやらを“観た”時、数多の怨念が垣間見えた。これほどの人数を水晶屍人として犠牲にしておきながら、その黒百合とやらを作り上げるだけで一体どれほどの民を犠牲にしてきたのか」
「犠牲の数など知ったことか。全ては我らが理想のため。犠牲者の命などそれに比べれば物の数に入らんだろうよ」
 何を問うかと思えば、とばかりにせせら笑う西行。それを見て、百々の視線がきっと鋭くなる。
 百々はヤドリガミだ。元が道具であったがゆえにか、人の助けとなり、また導くことを彼女は己の信条としていた。つまり彼女は、人というものを好ましいものだと思っていた。
 その人々を、この西行は軽んじた。あまりにも利己的な外道の言葉に、薙刀を握る力が強まっていく。
「――ならば貴殿のその黒百合、我が力によって浄化されるところを見ているが良い」
「何……!?」
 輝く鏡、己が本体の鏡面を百々は黒百合へと向ける。日輪紋の輝ける鏡は、まるでその模様が示す通り太陽の如き光を放つ。
 嫌な予感を覚えたのか、黒百合がその鏡を狙うかのように妖糸を伸ばして妨害を試みるが――つい今しがた百々の薙刀によって切断された糸では長さが足りない。
「悪しき者よ、我が破魔の力によりて滅び去るがいい!」
 破魔の光。それが鏡面より発射されて、黒百合に直撃した。悍ましい断末魔を上げながら、浄化される黒百合はその身を塵へと変え、光の中へと飲み込まれて行く。――後に残ったのは、白い針に血で錆びた糸切りバサミだ。
「くっ、なんということを……! 蘇れ、黒百合よ!」
 すぐさま西行はその裁縫道具へと再び怨念を纏わせ、黒百合を復活させようとするが、それは氷雪の嵐によって阻まれた。
「この地方は寒冷地らしいじゃないか。それなら夏って季節もあるし、これがぴったりだと思ったんだよね。――時間すら凍え、凍てつき、凍りつく氷河時代にご招待だよ! 天候崩壊、吹き荒れろー!」
 魔術でもって空に浮きながら、アマニアが西行へと放ったのは猛吹雪を呼び起こす天候操作魔法だ。限定範囲内の天候情報を、ハッキングによって上書きすることによる強制的な氷雪が西行を襲う。
 さしもの西行とて視界の大半をホワイトアウトさせる猛吹雪には太刀打ちできないようだ。更に周辺時間情報の改ざんによって、一時的な時間凍結を受けたらしい。
「じゃあ、後は任せて頂戴ね。――さあ、遺骸が裁縫道具になって、その次は液体生物よぉ」
 そして、その時間を利用してアララギが更に白い針と糸切りバサミへと粒子状の何かを散布する。すると、見る間に針とハサミはその姿をゲル状の液体生物へと変貌させしめた。
「【怪奇・黄泉帰り】――ってね。ちょっと姿は変わっちゃったけど、ちゃんと私が黄泉帰らせておいたわよぉ?」
 嗜虐的で残忍な笑みを浮かべながら、アララギは氷雪に覆われた西行を見遣る。
 時間凍結から解放された西行は、雷撃でアマニアを牽制して体勢を整えながらも、その表情はこの上なく苦々しいものになっていた。
「我が下僕を斯様な悍ましい姿に変えるとは……外道め!」
「外道はどっちなんだかわかんないわねぇ。でも、人間を素材に作ってる方が悪いと思うわよぉ」
 歯噛みする術士をせせら笑うアララギ。趨勢は猟兵側へと大きく傾いていた。
 ぶぉん、と赤い薙刀が振り下ろされた。回避に意識を割いていなかった隙を突いての、百々の真朱神楽による斬撃だ。
「戦場において油断とは。心が醜いとかくも無様を晒すものか? 先の猟兵たちには最高だなどと言っていたようだが、心技体も揃わぬ内に放言とは大言壮語も甚だしい」
 ぱっくりと傷口ができた二の腕を抑えながらよろめく西行へと、追い打ちの如く次に襲いかかるのはアマニアによる氷柱と氷の礫だ。
「君の率いてるウイルスパニックもどきって良いよね。ウィルスのワームみたいに、お手軽でリターンも大きくて便利だし。……でもさ、やられた側からしたらたまったもんじゃないんだよね、ホントに! 人の命を弄んだ罰は受けてよね!」
 彼女なりに水晶屍人たちについて思うところがあったのだろう。アマニアは言葉と共に氷柱と礫の弾幕の勢いを更に激しく、濃くして行く。
 そして、その弾幕と挟み撃ちにするようにランスチャージングを敢行したのは、アララギの所有する戦闘人形フギンだ。弾幕をシールドで防ぎながら、西行の身体をランスでもって串刺しにする。更にクロスファイアを組むかのように、横合いから2号機となる戦闘人形ムニンによるバルカン砲とミサイル攻撃でもって火力支援が更にそこへと加わった。
「屍人はともかくとしてぇ、あなたの黒百合ちゃんは私が可愛がっておくからぁ。――安心してお逝きなさぁい」
 そして、アララギ本人が念動力でもって操作するのは、重機関銃である。
 けたたましい銃声が、吹雪の音に加わる。反撃の雷霆が周囲に迸り、周辺に被害をもたらす。

 ここは戦場。骸の海より来たりし過去が、悪意をもって今を存続させる猟兵たちと戦う場――。
 過去と今の熾烈な戦いは、まだ続く――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

オルハ・オランシュ

ヨハン/f05367と

そうだね
倒すべき相手は指揮官だよ
でも、あいつの盾になる以上
屍人を放置するわけにはいかないんだ

揺らぐ心を支えてくれた彼の言葉に頷いて
うん……疾く解放してあげよう

大丈夫、絶対になんとかなる
ヨハンがついててくれるから!
彼が切り開いた道を駆ける
尚も盾となろうとする屍人は水晶を砕いて対処

ヨハンの足止めとタイミングを合わせて
西行を【早業】で【2回攻撃】
命を奪うというより、まずは少しでも多くの血を流させるつもりで
すごい傷だね
それで無敵だとか最高だとか、聞いて呆れちゃう
ねぇ……自惚れって言葉、知ってる?

自分への攻撃もヨハンへの攻撃も【武器受け】
【カウンター】で攻撃に転じる


ヨハン・グレイン

オルハさん/f00497 と

噛みついただけで水晶屍人が増えていく、と
加速度的に増えていきそうですね

指揮している者がいるのなら、
頭を叩きに行きましょうか

既に救えないと分かっているのなら感傷なんてものも無用
寄せる想いなど特にありませんから
……ただ疾く眠らせるだけでいいでしょう

西行を狙うため、彼女が辿り着けるように、道を開く
一人だけで行かせる気もないですから、勿論一緒に向かいますけどね
『蠢闇黒』から闇を喚び、<呪詛><全力魔法>で強化
最短を行く、その道にいる屍人を散らす
余計な手はとらず、水晶を砕いて

屍人を抜けた先、首魁が視得れば【蠢く混沌】を、
少しの時間であろうと、足を止めてやろう



 猟兵のユーベルコードにより、大きく迷宮の壁で分断された戦場。その迷宮の外にも、屍人たちは群れていた。
「噛みついただけで水晶屍人が増えていく、と。加速度的に増えていきそうですね」
 眼鏡を押し上げながら、ヨハン・グレイン(闇揺・f05367)は屍人どもを見遣る。迷宮の外にいる屍人だけでも結構な数だ。これを完全に殲滅するのには時間がかかるだろう。それは現実的ではない。
「指揮している者がいるのなら、頭を叩きに行きましょうか」
「そうだね。まず倒すべき相手は指揮官だよ」
 並び立つオルハ・オランシュ(アトリア・f00497)が首肯する。二人が見るのは屍人どもの先、迷宮の壁の向こう側。異端なる術士、西行だ。
「しかし転送された場所が場所ですね。まさか外に出されるとは」
「大丈夫、なんとかなるよ。壁なんて飛び越えていけば良いんだし」
「簡単に言ってくれますよ、本当に……」
 あくまで楽天的に笑いながら腰の翼を上下させるオルハを一瞥して、大量の屍人と高い壁を見遣りながらヨハンは溜息をつく。壁の向こう側からは戦闘音が響き、時折雷撃が上空を飛び交う。上空から飛んで行くにしても、あの雷があっては難しいだろう。ゆえに――
「正面突破です。壁を乗り越えるための時間を最小にして、西行まで辿り着きましょう」
「屍人は、どうするの?」
 少し硬い表情になったオルハを、ヨハンは一瞥して魔導書を手にする。
「倒します。既に救えないものだとわかっているならば、感傷なんてものは無用でしょう」
 寄せる想いも特に無い、見ず知らずの赤の他人。情をかけてやる余裕もなければ、必要もない。
「ただ、疾く眠らせるだけでいいです」
「……うんっ。疾く、解放してあげよう」
 頷きと共に、オルハの硬くなっていた表情が少しだけ和らいだ。
 きっと彼女は優しいから、元々が一般人だった屍人たちを倒すことに抵抗が少なからずあったのだろう。けれど、村への襲撃や西行のリソースになってしまうことを考えると、ただ放置するのもまた問題だった。
 倒さなければならない。けれど、元は倒してはならない存在だったがゆえに、殺めてしまうことをどうしても躊躇ってしまう。
 ――その揺らぎを「倒す」から「眠らせる」に変えたことで、抑え込む。欺瞞と言えばそれまでだ。だが、目の前の“敵”を倒す理由は気が楽になるものであればあるほど良い。
「道を切り開きます。行きましょう」
「うん、行こうっ!」
 ヨハンは魔導書、封魔藍を。オルハは三叉槍、ウェイカトリアイナを手に。
 二人は屍人の群れへと、迷宮の壁へと、そしてその先にいる西行へと駆け出した。
 駆ける二人の中、最初に行動したのはヨハンだった。
 魔導書を片手に、突き出すもう片手にの指に嵌められているのは銀指輪。それを彩る蠢く闇を封じた黒光石から闇が呼び起こされる。
「出し惜しみはしません」
 言葉と共に解放された闇が、奔流となって屍人たちへと襲いかかる。闇たちはまるで吸い込まれるように的確に屍人たちの水晶を貫き、砕いて敵を倒して行く。
 そうしてヨハンが作った道を駆け抜けるのは、オルハだ。
「……大丈夫、絶対になんとかなるから」
 呟きながら、ヨハンの切り拓いた道を真っ直ぐに疾走していく。
 余人が見れば、およそ無謀な突撃だ。すんでのところでヨハンの援護が入ったことで無傷で済んだという場面も少なくない。
 だが、それで良いのだ。ヨハンが付いていてくれる。それこそが、オルハの足を止めさせない理由なのだから。
「ヨハン!」
 なおも立ち塞がる屍人の水晶を三叉槍で砕き、迷宮の壁のすぐ前まで到達すると、すぐ後ろに付いて来ていたヨハンへと振り向いて手を差し伸べる。
 ヨハンは呼びかけに応じるように、頷いて差し出された手を取った。
 跳躍。
 腰の黒い翼を羽ばたかせて、オルハはヨハンを連れて壁を越える。
 雷撃がすぐ傍を通り過ぎていくのにも構わずに、翼を動かして姿勢を制御。着地と同時に顔を上げて壁の中の光景を見る。そこには異端なる術士、西行その人がいた。
「沈め」
 西行を視界に映すと同時にヨハンが呟くと、西行の影から黒闇が出現する。それはまさしく【蠢く混沌】。槍のように尖ったそれらは、西行の脚を貫いた。
「なぁっ、貴様らは……!?」
 突如として現れた二人に驚愕の表情を浮かべながら、西行は体勢を崩す。
 それを見逃すオルハではない。ヨハンの術から間髪入れずに、三叉槍での突き込みを二連。必殺とは程遠く、けれど確実に命中して敵に流血を強いるような攻撃。思った以上の手応えを感じたのは、先に挑んだ猟兵たちが西行へと疑問を抱かせ、その無敵性を大きく損なわせたからだろう。
「すごい傷だね。最高とか無敵の身体って聞いてたんだけど、それで無敵とか最高だとか、聞いて呆れちゃう」
「黙れ、薄汚い畜生めが!」
 敢えて挑発的にあざ笑って見せるオルハへと、西行は錫杖を振って反撃する。
「ねぇ……自惚れって言葉、知ってる?」
「黙れ、黙れ、黙れェ!」
 感情的に振り回される杖などただ速いだけだ。軌道を読んだオルハはそれを防いで、三叉槍の石突でカウンターを入れて行く。
「猪口才なァ……!」
「させませんよ」
 雷霆を出そうとすれば、ヨハンの闇が錫杖を包んでそれを妨害する。
 共に何度も死線を潜り抜けて来たがゆえの、コンビネーションだ。
「畳み掛けるよ、ヨハン!」
「わかっていますよ、オルハさん」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

千桜・エリシャ
西行…私が存じている方とは違うのかしら
同じ桜を愛した歌人だったと聞き及んでおりますが
まあ、なんにせよ
助かる命があるのなら護るのが猟兵の道理というもの
私、そこまで鬼ではなくてよ

そう、そちらが戦力を増やすのなら
こちらも同じ手で参りましょう
――百華夜行
殺した屍人を操って
さらに屍人を殺して
それを戦力に加えて増やし続けて
百華の軍勢を率いて西行の元へ
さあ、首なし達
あれがあなた達の怨敵
儚く散らされた命の恨みを晴らしなさい

黒百合は彼らに任せて
その混乱に乗じて西行へ肉薄
呪詛載せた刃で御首を斬り落として差し上げましょう

――願わくば花の下にて春死なん
あなたはこの歌を存じているかはわかりませんが
血桜の下で殺してあげる


パーム・アンテルシオ
戦の音。築く屍の山。
この世界にも、来たんだね。この時が。

…いつもなら、皆のサポートを…って、思ってた所なんだけど。
少し、思いついた策があるから。試してみたいな。

狙うは…術士、西行。
ユーベルコード…火梨。
今の私の姿は…あなたの好む姿。
きっと、あなたの理想の姿。

あなたの過去は、わからないけれど。
あなたの好きだったものは、この炎が知っている。
思い出して。あなたの目指すものは、そんな姿だった?
思い出して。あなたの好きなものは、どんな姿だった?
思い出して。あなたの愛した人は…どんな姿だった?

私はまだ、信じたい。試したい。
過去の怪物も、人だったのなら。
愛を持った、人だったなら。
見える世界も、きっと…ある。


奇鳥・カイト

つえー奴等は誰かが意気込んでいくだろ、なら数が多い方をやった方がどっちかってと面倒が少ねぇよな
俺は楽そうな屍人の群れへ行かせてもらうぜ


群れへ飛び込み、手始めに範囲攻撃を行い誘き寄せ
やってきた奴らを【空蝉】で絡め取り、縛り殺す
漏れた奴はラフファイトとカウンターの糸で倒すかね
纏めて絡めりゃ面倒も減るからな



ま、言い分としちゃあんなんでよかったろ

──ただ俺が、ムカついただけだしな

にしても、お前ェ等も災難だよな
殺されて、操られて、同じヒトを殺して。その繰り返し
文句も言いたくなるだろーが、もう口もきけねぇもんな
目の前の理不尽なんて見過ごせっか

だから終わらせてやるよ
二度と繰り返させねェ様に、俺が断ち切る


ネグル・ギュネス

頭数だけは多いな。
だが、『オレ』の前では無意味だと理解させてやる。

最短距離、駆け抜けさせて貰う
───UC、《失っても、壊せ》

跳躍しながら変身し、有象無象の屍人の頭を足場にして、八艘飛びの如く指揮官へ向かう
時に速さから来る【残像】、機械機能の【迷彩】を駆使して敵を欺き、雷の如くの速さとジグザグ軌道で飛び抜けながら、障害になるならば、屍人を躊躇いなく斬り捨て、【衝撃波】で吹き飛ばし、道を作る

最高の身体?
興味ないな
魅力も感じなければ、修練が足らぬ貧相な身体だ

というかだ、何を持って最高なんだ?
晴明より強いのか?

その妄念を抱きながら、 死 ね

【破魔】の雷光を宿した刀で、高速の首刈りで、頭を刎ねてやる


ヴォルフガング・ディーツェ

必要に応じ他猟兵とも連携

……罪もない人を、子ども達の未来と笑顔を奪う事はいけない
西行、お前は惨たらしく殺してやらねば気が済まない

屍人達を蹴散らしつつ、西行の首を獲りに行こうか
水晶を地の【属性攻撃】を纏わせた鞭の【範囲攻撃】で破壊
西行戦では【全力魔法】【範囲攻撃】で拡大化した火のルーンで諸共焼き払う
遺族たちの恨みは買うだろうが…跡形もなく焼き尽くす
体は朽ちようと、やがて魂は輪廻に乗ると信じているから、ね

西行には【抗魔の喪跡】で手数を増やした火のカノ、太陽のソウェイルを組み合わせた劫火のルーンを集中的に討ち放つ

直撃は免れようと、空気が尽きればどのみち死ぬだけさ
我慢比べ、楽しんでいこうじゃないか



 戦の音が絶えずに響く。
 怒号、武器の音。悲鳴、怨嗟の声。雷鳴、渦巻く怨念。
 繰り返される激しいぶつかり合い。戦いの余波もまた尋常のものではなく、西行と猟兵たちの戦場を形成していた迷宮の壁はその一部が戦いの果てに破壊されてしまっていた。
「来い、出来損ないの水晶屍人どもよ! 我のため、肉の盾となる誉れをくれてやろう!」
 西行はそれを好機と見て、屍人たちを壊れた壁から呼び寄せる。軍団と言うにはもう見る影も無いが、それでも群れと称する程度の数が揃っていれば厄介であることに変わりはない。
 しかし――壁が崩れたということは、壁の向こう側で戦っていた猟兵もこちらに来ることができることを同時に意味していた。 
「逃さねぇ」
 その内の一人、奇鳥・カイト(自分殺しの半血鬼・f03912)は鋼糸を放って屍人たちを絡め取り、手の動きと同時にその身体を解体して縛り殺した。
 崩れた壁、崩壊した瓦礫から、一体どこに繋がっているのかと覗き見て、彼は顔をしかめた。
「よりにもよって西行のところかよ……」
 元より強敵を相手にするつもりなど毛頭無かった。誰かが意気込んでやってくれるだろうと高をくくっていたからこそ、こうして屍人の群れを倒していたのだが。
「あら、ご不満でして?」
 聞き慣れた声に振り向いて、げ、とカイトは声を漏らす。そこにいたのは桜の女。彼もよく訪れる旅館の主、千桜・エリシャ(春宵・f02565)だった。
 怨念、怨嗟が渦巻く戦場にあって、しかしエリシャはそれを気にした様子もなく、むしろ笑みさえ湛えて大太刀を手にする。
「なんで女将がここに……」
「西行だなんて知っている名前を聞いてしまったら、来ないわけにはいかないでしょう?」
 もっとも、と彼女は術士たる西行を一瞥して吐息する。
「どうも人違いだったようですけれど。……同じ桜を愛した歌人だったと聞き及んでおりましたから、期待はずれでしたわ」
 言葉に反して特に残念がる素振りも見せない若女将へと、カイトは「そうかよ」とだけ応えるに留める。まるで散歩のように気まぐれな理由だが、それが彼女という人であることはカイトもよく知っていることだった。
「もちろん、それだけのために来たわけではありませんわよ」
 ねえ、と彼女が同意を求めた先にいたのは灰色髪の男、ネグル・ギュネス(ロスト・オブ・パストデイズ・f00099)だ。
「これはあくまで戦争だ。戦争ならば戦わなければならない」
「とは言え、故郷がこうして戦争になってしまうのもちょっと複雑な気分だけどね」
 ひょこり、とネグルの陰から現れたのは桃色の妖狐の少女、パーム・アンテルシオ(写し世・f06758)である。ね、と同意を求めるように彼女はエリシャを見上げると、エリシャも頷きを返す。サムライエンパイアを故郷に持つ彼女たちからすれば、故郷の世界が危機に瀕しているとなると、複雑な思いも当然抱くであろうものだ。
「それに、罪もない人たちと、子どもたちの未来と笑顔を奪わせるわけにはいかないからね」
 鞭を手に、頷いて付け加えた男はヴォルフガング・ディーツェ(花葬ラメント・f09192)だ。エリシャが「ええ」と首肯する。
「助かる命があるのなら護るのが猟兵の道理というもの。助かる命を見捨てるほど、私、そこまで鬼ではなくてよ」
 羅刹ではありますけどね、と付け加え、若女将は冗談めかしてころころと笑う。その一方で、カイトの表情は呆れたようなものになっていた。
「……よくもまあ、こんなに旅館の面子を集めたもんだな」
「集まったわけじゃなくて、偶然居合わせただけなんだけどね」
「見かけたから、つい声かけちゃったよね」
 びっくりしたよ、とパームが苦笑し、わさわさと尻尾を振りながらヴォルフガングは笑う。
「こうして集まるのも女将の人望の一つだな。知り合いと共闘できるならば、これほど心強いものもあるまい」
 さて、と彼は呟いて、紫色の鍵を己の義手へと挿し込んだ。
「突撃する。二人とも、任せられるか?」
「オッケー。まずは屍人を蹴散らして一直線だね」
「……殺せば良いんだろ、簡単だ」
 ヴォルフガングとカイトの返事に頷きを返して。ネグルが鍵を回すと同時に、その姿が一変した。サイボーグとしての機械部位はそのままに、生身の身体が機械へと置き換わって黒き機械兵へと変貌を遂げる。
「最短距離、駆け抜けさせて貰う」
 抜刀は疾走と同時に。黒い刃の刀を手に、屍人たちへと突っ込んでいく。アウトレンジから横薙ぎに一振り、刀を振れば衝撃波が生じて目の前の屍人たちを吹き飛ばす。仮に吹き飛ばし損ねたとて、ネグルは跳躍と共にその頭を蹴りつけ、足場として利用することで障害をやすやすと乗り越えてしまう。
「ダンノウラハッソートビ……だっけ。やるねえ」
「余所見してないでこっちもやってくれ。ほら、纏めたぞ!」
 ネグルの曲芸じみた突撃を見て感心したように口笛を吹くヴォルフガングへ、カイトが大声で呼び掛ける。カイトもまた、捕縛用の鋼糸でもって屍人の群れをまとめて縛り上げていた。鋼糸を巧みに操り、糸に引っ掛けてはまるで塊を作るかのように次々に引き寄せて纏め上げていく。
「どうも。それじゃあ――おやすみなさい」
 鋼糸に拘束されて纏め上げられた屍人たちの水晶目掛けて、ヴォルフガングの鞭がしなる。魔法によってエンチャントされた鞭打は正確に水晶を打ち砕き、拘束の中で抵抗していた屍人たちを次々に無力化していった。
「身体は朽ちようとも、その魂がやがて輪廻に乗りますように」
「…………」
 目を伏せ手短に祈りの言葉をヴォルフガングは口にする。それを一瞥して、カイトは複雑な表情を浮かべた。
 彼とて安倍晴明、そして西行の所業には怒りと苛立ちを覚えていた。そして、何より屍人たちへ同情していた。
「……お前ェらも災難だよな。殺されて、操られて、同じ人間を襲って、それ繰り返して……」
 水晶を砕かれた屍人たちを見下ろしながら、彼は呟く。
 きっと屍人たちとて文句の一つも言いたかっただろう。だが、屍人になった時点でそれもできない。死人に口はないのだ。
 目の前の理不尽に、歯軋りする。
「……終わらせてやるよ。二度と繰り返させねェように、俺がここで断ち切ってやる」
 カイトは両手指の鋼糸を振るって、水晶屍人たちを倒していく。
 同情はあっても、祈りの言葉はない。少なくとも、今はまだ。今必要なのは祈りのために立ち止まることではなく、被害を防ぐために戦うことだと知っていたから。

「……さて。いつもならみんなのサポートを、って思うところなんだろうけど」
 ネグル、カイト、ヴォルフガングたちが突撃し、戦うところを見ていたパームがふむ、と考えるように顎に手を当てる。
 最高の身体。無敵の肉体。今は大きく損なわれてしまっているようだったが、それらをユーベルコードでもって体現した西行に対して、一つ試してみたいことがあった。
「――陽の下、赤の下、鏡の中に心を問おう」
 歌うように詠唱して、彼女が出現させたのは変化の性質を持つ白い狐火だ。ほのかに温かいそれへと手を伸ばし、全身を包み込ませる。
 白い炎を身に纏った姿のまま、パームは今しがた切り拓かれた道を使って西行の元へと歩いて行く。
 武器も持たない、無防備な状態。しかし、パームがそんな状態であっても西行は何かしらの攻撃をすることがなかった。――否、できなかった。
「き、き、貴様は……。否、貴殿は……!」
 驚愕したように目を見開き、西行はパームの姿に魅入る。
 パームの纏う白の狐火は変化の性質を持っている。今、その変化の炎を身に纏う彼女は、西行の好む姿――恐らくは、彼が理想とする姿に映って見えることだろう。
「あなたの過去は、わからないけれど。あなたの好きだったものは、この炎が知っている」
 さあ、とパームは白い炎を纏った右手を、西行へと向けた。
「思い出して。あなたの目指すものは、こんな姿だった?」
 目を逸らそうとして、けれど逸らせず。西行はただ渋面ばかりだ。
「思い出して。あなたの好きなものは、どんな姿だった?」
 違う、違う。異端の術士は首を横に振る。目の前の物は幻覚だ。見るなと呟く。しかし、彼の目はパームから食い入るように離れない。
「思い出して。あなたの愛した人は……どんな姿だった?」
「おォ、おおォォォオォォ……ッ!」
 頭を抱えて、ついには西行はその場に崩れ落ちた。
 自らが理想とする最高の肉体が目の前に現れて、ありし日々を思い起こさせる。
 彼は元をたどれば人形だ。ゆえに、瞼の裏に浮かぶのは彼を作り上げた人物ばかり。その姿ももう、朧気で――。
「我は――違うのか」
 時折揺らいでいた西行の姿が、完全に元に戻った。妖しく、目だけが爛々と光、四肢に縫合痕を残した術士の姿だ。
 それを見て、パームは少しだけ寂しそうに「そっか」とだけ呟いた。
 彼女は信じたいと思った。試したいと願った。いかに過去の怪物といえども、かつては愛を持って人だったならば。あるいは、見える世界もまた違った物があるのではないかと。
 西行の出した結果は、諦念だった。
 目指すところを、好きなものを、そして愛した人物を。問われ、今までを省みて。そして彼は目の前に立つパームが示した理想の姿を見て、自身がユーベルコードで作った最高の肉体は「違うのだ」と決定的な疑念を抱き、それを諦めてしまったのだ。
「だが――だが、違えどもそれで良い。まだ果てに辿り着いていなければ、今からでも遅くはない! ――集え血よ、遺骸よ、怨念よ! 我が糧となるが良い!」
 完全に元の姿に戻ってしまった西行は、しかしその戦意をまだ喪ってはいなかった。散った屍人たちの遺骸を寄せ集め、己が糧にせしめんと両手を広げる。
 だが――
「――狂って、咲いて、紅の華」
 自身を強化するために、屍人どもの遺骸を集めて部品にしようとして。けれど、それは桜吹雪によって防がれた。
「屍人にされて、殺されて。殺された後も、あなたの糧となってしまう。――それではあまりにも死者が哀れに思えてなりませんわ」
 だからこうしてあげますの、とエリシャは微笑む。
 桜吹雪の舞った先。彼女の後ろには、桜の花びらによって操られる首無しの屍人たちが立っていた。
「【百華夜行】――。さあ、首無しの方々。あれなるがあなたたちの怨敵ですわ」
 黒く長い爪で、首無し屍人どものために指し示すのは異端なる術士、西行だ。ゆらり、ゆらりと首無し屍人たちがエリシャの横へと並び、西行を見やる。
「――儚く散らされた命の恨み。今ここで晴らしなさい」
 エリシャの号令一下、首無し屍人たちは駆け出した。怨敵を逃すなとばかりに、殺到していく。
「やめろ、貴様らの敵は猟兵――」
「いいや、お前だよ。西行」
 言葉を遮ったのは、ヴォルフガングだった。彼はその呪われし指先を輝かせながら、火のルーン“カノ”と、太陽のルーン“ソウェイル”を組み合わせたルーン魔術文字を展開していく。
「屍人たちの敵はお前だ、西行。――だからお前は、惨たらしく殺されなくちゃ、俺の気が晴れない」
 組み合わされて造り上げられた劫火のルーンが輝いて。9つの火柱が西行を焼く。寿命は削れれども、元より狼神より賜りし愛執もあって魔性に堕ちた身。対価など今更気にも留めない。
 劫火によって炭化した姿になろうとも、しかし西行の命は尽きず。最高の身体への変身が解けてその防御性を喪えども、生への執着によってのみ彼は地に立つ。
 だが。だが――
 その生への執着を、二つの影が断ち切る。
 エリシャとネグル。それぞれの握る墨染と咲雷の黒い刃が、同時に西行の首を刎ねたのだ。
「――妄念を抱きながら逝け、西行。お前はこの世にいてはならない」
 首を刎ねられて黒い塵へと還りゆく西行の遺骸を見遣りながら、ネグルは血振るいした刀を鞘に収める。
 ふと振り返れば、血を滴らせる大太刀を手にして、かつて西行だったものを見下ろすエリシャがいた。
「――『願わくば 花の下にて 春死なん』。あなたがこの詩を存じていたかはわかりませんが」
 懐紙でもって、大太刀に付いた血を拭い。彼女もまた、その刃を鞘へと収める。
「血桜の下で逝けたこと。あなたの手向けとなりますように」
 最後にそう一言だけ、言い残して。彼女は踵を返した。
 パームへ、カイトへ、ネグルへ、ヴォルフガングへ。それぞれの顔を見回して、エリシャは花のように笑って見せる。
「さあ、旅館に帰りましょうか。……少し、桜を見たくなってしまいましたから」

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月06日


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#サムライエンパイア
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種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠ヴァーリ・マニャーキンです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト