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夏だビールだティラノサウルスだ

#UDCアース #呪詛型UDC


●グリモアベースにて
「UDCアース、UDCアースに向かってくれる猟兵さんはいないかなー? 仕事があるんだよー」
 まるで呼び込みのように、佐伯・キリカ(陽気な吸血魔法使い・f00963)が猟兵たちに呼びかけをする。
 ふらりと立ち寄る猟兵数名に、キリカは嬉しそうに話し出した。
「ティラノサウルスの群れが呪詛を唱えて怪しいことをしてるみたいだから、オクトーバーフェスを存分に楽しんで欲しいんだよ」
 その言葉を聞いた猟兵のひとりが言葉を漏らした。
 なぜ、と。
 わかってる、皆まで言うな、という態度でうなずき、キリカは続ける。
「実は、都市部の公園でオクトーバーフェストを楽しむ人々がUDCの怪異に巻き込まれる、っていう予知が出たんだよ」
 どうやらそれは『UDCによる呪い』と呼ばれるようなもので、怪異に誘われるのは『その場で日常を満喫している者』だという。
 ちなみにオクトーバーフェストとはドイツで開催される大きな規模の祭典で、細かいことを抜きに言えば『ビールを飲む』祭りだ。もちろんおつまみなども提供される。とはいえ全部有料だから、お金はちゃんと持って行こう。
「で、猟兵さんたちが民間人よりも日常を満喫――すなわち『オクトーバーフェスト』をめちゃくちゃ楽しんで満喫すれば、UDCに連なる『怪しい誘い』を猟兵さん自身に引き寄せることができるんだよ」
 現時点で『怪しい誘い』の内容は不明だ。キリカいわく『なんか妙にひんやりしてる』ことしか解らなかったらしい。
 だが『怪しい誘い』を猟兵自身に引き寄せ、無事解決できれば、その奥に潜むUDCであるティラノサウルスが出現するという。
 なぜティラノサウルスが出現するかも不明だし、それを言えばそもそもの発端がオクトーバーフェストなのもよくわからないから、ここは深入りしない方がいいのかもしれない。
「ってわけで、ここまでの内容をまとめるね。猟兵さんたちがオクトーバーフェストを楽しんでいれば、怪異に巻き込まれる。その怪異を片付ければ、UDCであるティラノサウルスが現れるから倒す。――シンプルだけど、猟兵さんたちならきっとばばーんと解決できるはず!」
 そうしていつものようにキリカは猟兵たちを送り出す。
 猟兵たちならば何の心配もない、という顔をして。


雨音瑛
 UDCアースにてよろしくお願いします。
 ギャグメインになりそうな感じなので、勢いのあるプレイングをお待ちしております。こちらも勢いでリプレイをお返しします。

●各章補足
 第1章:日常/18時(少し明るい)〜22時(暗い)頃のオクトーバーフェストでの行動となります。選択肢だけに限らず、ご自由に楽しんでください。未成年の方へはジュースやお茶などが提供されます。

 第2章:冒険/怪異現象が発生するので、それを解決します。詳しくは開始時に記載しますので、プレイングはそれ以降に送っていただければと思います。

 第3章:集団戦/ティラノサウルスとの集団戦です。詳しくは開始時に記載しますので、プレイングはそれ以降に送っていただければと思います。
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第1章 日常 『オクトーバーフェス開催中!』

POW   :    とにかくたくさん飲む!!

SPD   :    おいしく楽しく飲む!!

WIZ   :    違いを味わいながら飲む!!

👑5
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ユウキ・スズキ
え……?ティラノサウルスが……?
呪詛……?……え……?しゃべんの?
「学説が崩壊するぅ~!?」
……と、ふざけた所で仕事といこうか。
とりあえず、UC【戦場指揮官の手腕】で頭数を揃えて適当に騒がせるとしよう。
たかがビールのアルコールで酔うとは思わんが、酔っぱらいながら戦いたくは無いんでな。俺自身は酒では無く適当に茶でも飲みながらその輪に加わって『怪しい誘い』とやらを待つとしよう。
出てくる兵士達も、結局は人間の形をした何かでしかない以上、酒で酔うとは思わんが……
……意思があるからなぁ、アレ……雰囲気に酔いそうだ……ま、その辺は放って置くか。
【アドリブ、絡み歓迎】


波狼・拓哉
お酒が飲めると聞いて!!!
…え、まじで飲めるパターン???…いやっほう!
取り敢えず会場回ってみるか。…んー色々なお酒があるな。やっぱりこういうとこでしか飲めないようなのを楽しみたいし、クラフトビールとかあれば色々飲んで回ろう。
フェストビアとかあると凄くテンション上がるんだけどなー。
飲んでばかりも体に悪いし…食事も程々に楽しもうか。一応この後動くし食べ過ぎないようにだけはしとかなくちゃ…ん?お酒は気をつけないのかって?おにーさんお酒に強くてあんまり酔わないから気にせず、飲みまくるよ?
(アドリブ絡み歓迎)


高柳・源三郎
POW行動、連携、アドリブOKです。
「おぉビール。ビールがいっぱいじゃ!!」
サムライエンパイア生まれの源三郎にとって滅多に飲めないビールが目の前に並んでいるのを見て小躍りして喜んでいる。
行き交う人々や猟兵達にオススメのビールを聞くが勿論人それぞれ好みがあり、飲むビールが決められない。
「どのビールを飲むか迷うのう。そうじゃ、ここに有るビールを全部飲めばいいんじゃ!」
源三郎はこの後の事を考えずビール全種類制覇の為に動き出しました。



 グリモアベースで聞いた話を思い浮かべつつ、ユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉・f07020)はオクトーバーフェスト会場の前に佇んでいた。
 ティラノサウルスが喋る。しかもその内容は呪詛。これらが意味することはただ一つ。
「学説が崩壊するぅ~!?」
 なんてふざけるのはここまで、ユウキは指をぱちんと鳴らし、突撃銃を装備した歩兵と狙撃銃を装備した歩兵を呼ぶ。賑やかしには丁度良い。
 というか周囲がとても賑やかだ。何事かとやってきた民間人もビールが入っているからか、歩兵の肩を抱いて一緒に飲んでいる。銃器についてはこれから何かイベントがあるものと思われているようで、不信感は抱かれていないようだ。
 それを眺めるユウキが飲むのは、ビールではなくお茶である。
 ユウキ自身はビールくらいのアルコールで酔うほど酒に弱くはないが、酔いながらの戦闘というのは好ましくはない。歩兵たちととりとめの無い会話、のようなものをしながら彼らの輪に加わる。
 ユウキの金でビールを飲む彼らは、兵士の姿をとっても結局は人間そのものではない。人間のようにアルコールの血中濃度が上昇し、以下略的に酔うことはないだろう。
 とはいえ、とユウキは茶を飲み干した。すると、数体が大声で歌い出したではないか。微妙に音が外れたそれは、軍歌のようだ。
「うわあ、あそこの人たちめちゃくちゃテンション高いなー……大丈夫かなあ……」
 波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)は、歩兵たちの様子を見て心配そうに呟いた。
「ああ、心配は無用だ。私は猟兵、そしてアレは私が喚び出した――で、あとは想像のとおりというわけだ」
「なるほど、それなら心配無用ですね」
「そう言う貴殿は……その、大丈夫か?」
 ユウキが少しばかり視線を落とす。拓哉の前に置かれたグラスは軽く10を超えているのだ。
 フェストビアがあれば、と臨んだが、残念ながらまだ仕込み中であったようで、クラフトビールの飲み比べをすることにした拓哉である。
 なお、日本においてはオクトーバーフェストは本場よりも前倒しで開催される場合が多い。今回もそうだ。なお、本場と同じ時期にもまた開催されるがそれはまあその時にでも。
「ああ、ご心配なく! お酒に強くてあんまり酔わないから気にせず、飲みまくりますので!」
 お酒が飲めると聞いて現場を訪れただけあって、酒に強くあまり酔わない拓哉だ。満面の笑みを浮かべた後、厚切りベーコンにかじりついた。
「飲んでばかりだと身体に悪いし、やっぱり少しは食事もしておかないと……お酒が飲めると聞いて来たら、本当に飲めるパターンとは嬉しい限り。次はどこのを飲もうかな? あっこれいただけるんです? ありがとうございます!」
 歩兵たちから(ユウキの金で)奢ってもらった拓哉が、ぺこぺこと頭を下げる。すると歩兵たちは次から次へと拓哉の元へと酔ってきて、あれもこれもと(ユウキの金で)買ったものを差し出してきた。
 どうやら飲みっぷりを気に入ったらしい。
「……やっぱり、雰囲気に飲まれたか。あいつら、あれでいて意思があるからなあ……」
 言いつつ、放っておいて次のお茶をもらいにいくユウキであった。
 そうしてソフトドリンクコーナーを目前に、ふらりふらりと左右に揺れる男性を見つけて思わず支える。
「大丈夫か? 飲み過ぎには気をつけた方がいい」
「――む? どなたか知らんが心配無用じゃ、素面じゃしのう。わしの出身地では滅多に飲めぬ『ビール』が沢山あるゆえ、小躍りしていたところじゃ」
 高柳・源三郎(流浪の酔いどれおやじ、たぬき人形と共に・f15710)が楽しそうな笑顔でひょいひょいと踊るため、ユウキは支えた手を離す。
「おぉビール。ビールがいっぱいじゃ!! ……と、な」
 源三郎が体勢を立て直す動きは、妙にぴしりとしていた。ダンスの上手い者がそうであるように、『止め』の動きが出来る者は体幹が鍛えられているといわれる。
(「……この男性、ただ者ではないな。おそらくは……」)
(「ええ、猟兵のようですね」)
 歩兵を連れてやってきた拓哉が、ユウキの思考の続きを代弁する。ユウキが無言で拓哉を見つめると、探偵の青年は朗らかに笑うだけだ。
「いやあ、ビールなくなっちゃって。次のはどれにしようかってなって、じゃあ一緒に行こうか! ってなったんですよ」
 悪びれずに告げる拓哉と、こめかみを抑えるユウキ。高柳・源三郎はそれを見て、声を上げて笑った。
「ほっほっ、楽しいのう。お前さんたち、おすすめのビールはあるじゃろうか? あったらわしに教えてくれんかのう?」
「すまないが、私はお茶しか飲んでいないのでな」
「クラフトビールいいですよ、クラフトビール。あのへん全部クラフトビールですからいいですよ」
「クラフトビールか……それにしたって数が多いのう、迷うのう……そうじゃ!」
 源三郎の後ろで、クルクル回る光が明滅した。
「ここに有るビールを全部飲めばいいんじゃ!」
「それはナイスアイディアですね、付き合いますよ! さあ、歩兵さんたちもご一緒に!」
「ほっほっほっ、そうれいっちに、いっちに、ビール大行進じゃ!」
 源三郎の掛け声に合わせ、二人三脚でもしているかのごとき動きで集団はクラフトビールの一角へと進撃してゆく。
「……雰囲気に飲まれすぎだろう、あいつら」
 自身が喚んだ歩兵たちがそれぞれ好き勝手に歌いながら行くのを見送り、ユウキはこめかみを抑えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
びーる、ですか。
UDCアースには何度か訪れた事がありますが、じっくり飲む機会はありませんでしたな。

折角です、篤と味わわせて頂きましょう。

◆金はある
まずUDC組織殿にこの世界の通貨を融通願いましょう。
確か小判は此方でも高値で取引される聞いた事があります故、とりあえず切餅ひとつ(25両)分ほど両替して頂きたい。

◆鯨飲
資金を確保できたら、目に付いた店から一杯ずつ頼んで参りましょう。

色は輝かしい金色で、味わいは軽く咽喉越しの切れが良く、しゅわしゅわした刺激も慣れれば心地よい。
それに驚くほど冷たく、蒸し暑い夏には何杯でも干せそうです。

しかしこの後の事も考えて――、飲むのは一斗ほどで我慢しておきますか。

+


黛・夢乃丞

【SPD】
酒が飲めるだとっ!(ガタタッ)
……ち、無料じゃねぇのか。
(財布の中身見ながら……難しい顔となり)
大丈夫、明日の金は明日の俺がなんとかしてくれる!はず!
さぁ、小麦色の汁を飲んで飲んで飲みまくるぜぇっ!!

かーーっ、日本酒こそ至高だと思っていたが
ビールってやつも案外イケるな、しかも産地で全然味違うし
やっぱ酒は奥深いねぇ(ニヤニヤ&楽しそうに)
お、つまみも美味ぇじゃん。
後は綺麗な姉ちゃんが注いでくれりゃあ極楽なんだけどよぉ!
(沢山飲むが顔にはあまり出ない。でも酔ってるしご機嫌)
え?依頼?
あれだろ、楽しく飲んで素敵な出会いを見つけろ、ってヤツだろ?
違うのか?(酒を呑みソーセージ頬張りながら)



「これがびーる、ですか」
 グラスを持ち、鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は金色の液体をじっと見る。
 何度かUDCアースを訪れたことがあるものの、これまでビールをじっくりと飲む機会はなかったのだ。
「目に付いた一店目、味は如何ほどか――」
 思い切って口をつければ、舌の上での味わいは軽く、すぐに喉に流し込めば切れの良さを感じる。しゅわしゅわした刺激は最初こそ驚いたものだが、慣れればそれも心地よいものだ。
 何より驚くのは、その冷たさ。今日のように日没後でも暑さの欠片が残る日には、何杯でも飲み干せそうだ。
 さて次の店、と巡る景正の足取りは軽い。何倍飲もうとも、いつまでも軽い。それにお金も次から次へと出てくる。巡った店舗の数が2桁に差し掛かったとき、美青年が震えながら景正の財布を指差してきた。
「ちちちちょっと待て! なんだお前のその財布の分厚さは!?」
 黛・夢乃丞(柄悪妖狐・f12250)は颯爽と顔をしかめ、自分の財布と景正の財布、というか巾着袋を見比べた。
「……ふむ、どこから話したものやら。そうですね、切餅ひとつ分の小判をUDC組織殿に換金してもらって」
「くっ、その手があったか……!」
 悔しそうに指を鳴らし、夢乃丞はうなだれる。対照的なまでに無表情の景正は、ゆっくりと頷いた。
「私は鞍馬・景正と申します。その姿、妖狐とお見受けしました。サムライエンパイア出身のよしみで、一緒に巡りませんか? ああ、お金ならご心配なさらず。この後のことも考えて私は一斗ほどで我慢しておこうと思ったので、丁度良いかと」
「いッ……!?」
 100合。すなわち18リットル。その豪快すぎる飲みっぷりに若干ドン引きするも、タダ酒という誘惑には敵わない。シャッと財布を仕舞い、夢乃丞はきらきらした瞳で景正にサムズアップした。
「その話、乗ったぜ! 俺は黛・夢乃丞。さぁ、あんたと俺で小麦色の汁を飲んで飲んで飲みまくるぜぇっ!!」
「はい、美味しくいただくとしましょう」
 そういうわけでオクトーバーフェスト、即席珍道中の開始だ。夢乃丞と景正は苦みの強さが売りだというビールを注文し、受け取った。
 グラスを軽く合わせた後、夢乃丞は一気にビールを飲み干す。
「かーーっ、日本酒こそ至高だと思っていたが、ビールってやつも案外イケるな!」
 ニヤニヤしつつ、楽しそうにグラスを空にする夢乃丞。
「世界は広いものですね」
 穏やかにうなずき、景正もビールを口に含む。確かに苦みは強いが、決して不味いわけではない。むしろ、独特の深みが面白いほどだ。
「しかも産地で全然味違うし、やっぱ酒は奥深いねぇ。お、つまみも美味ぇじゃん」
 先ほどの店でちゃっかりとオーダーしていた夢乃丞は、カマンベールのフリットを口に運びながらあたりを見回す。
「後は綺麗な姉ちゃんが注いでくれりゃあ極楽なんだけどよぉ! あっ、おっちゃん、それ2杯よろしくな!」
 振り向いたところにある店舗で勝手にオーダーし、景正は躊躇無くお金を払う。
 受け取った2つのグラス、その一つを景正に私ながら夢乃丞は少しだけ真顔になった。やはり口を閉じていれば役者絵にでも描かれそうなほどだというのに。
「そういやこの後のこと、って言ってたけどよ……あんたはあれか、嫁さん探してんのか?」
「……はい?」
 首を傾げる景正。夢乃丞も首を傾げ、先ほど渡されたビールを一口呑んだ。
「え? あれだろ、今回の依頼は楽しく飲んで素敵な出会いを見つけろ、ってヤツだろ?」
「……私の聞いた依頼と違いますね。もしかしたら、別の依頼を受けたのかもしれません。だとしたら、不思議な縁ですね」
「だなあ! またどこかで会ったらよろしくな!」
 ぱりぱりと皮の弾ける音をさせながらソーセージを食べ、夢乃丞は豪快に笑った。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
(オクトーバーフェストのテーブルのひとつで向かい合ってビールを呑んでいる鬼面とジュースを飲んでいる巫女の少女)

ぐびぐびぐび・・・ぷはー。
いや~ッ!楽しくビール呑んでいりゃあいいなんていい仕事だな相棒ッ!
つまみも結構旨いしなッ!
おっと、相棒は未成年だからジュースかお茶じゃなきゃダメだぜ。

え、呑みすぎて酔いつぶれないようにって?
わかっているって、ガハハハハハッ!

「・・・酔いつぶれたら水ぶっかけるから。」
・・・もしかしてそのためにあるのか?
相棒の席の脇にある水入ったバケツ・・・。


【アドリブ歓迎】



 会場内に設置されたテーブルのひとつで、鬼の面と少女が向かい合って座っていた。
 といっても椅子に座るのは少女のみで、鬼面の方はテーブルに置かれているような状態であるのだが。
 鬼面の名は、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)、どこからどう見てもヒーローマスクだ。
 鬼面の向かいに座る少女の名は、神代・桜。凶津と心を通わせた、無口な少女巫女だ。
 凶津は器用にもグラスに注がれたビールを飲み、大きく息をついた。口に注がれた液体がどこに消えたのかは考えてはいけない。
「いや~ッ! 楽しくビール呑んでいりゃあいいなんていい仕事だな相棒ッ! つまみも結構旨いしなッ!」
 言いつつ、太いウインナーを囓る凶津。対して、未成年の桜は冷たい緑茶と共にココナッツシャーベットを無言で味わっている。
 シャーベットを口に運びながら、桜はちらりと凶津を見た。それだけで、凶津は桜の言いたいことを察する。
「――呑みすぎて酔いつぶれないようにってか? わかっているって、ガハハハハハッ! おっとビールがあと少ししか無ぇ。おかわりか、別のを飲むか……迷うのも楽しいってモンだよなァ!」
 元より赤い顔をしている凶津がどの程度酔っているのかは不明だ。口調から判断しようにも、今日は初っぱなから上機嫌ときたものだ。
「どうだ相棒、その甘そうなやつを食べおわったらもう一巡りする、っつーのは?」
 桜は無言のまま小さく頷き、凶津を冷ややかに見た。
「いいけど……酔いつぶれたら水ぶっかけるから」
「ガハハハハッ、ンな冗談、相棒らしくぜ! ユーベルコードじゃあるまいし、どこから水なんざ――」
 そこまで言って、凶津は気付いた。桜の席の脇にある、水の入ったバケツに。
 なるほどそのためのバケツ。ちょっとばかり酔いが醒めるのを感じながら、凶津はビールを飲み干した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

霧島・千晴
フレズローゼ(f01174)と

お? なんだよ、オクトーバーフェス初心者か?それじゃオニーサンが色々教えてしんぜよう!
こーんな長い渦巻いたドイツソーセージやプレッツェルなんかもあるはずだから俺らはそっちを楽しもうぜ!

俺? 果物も野菜も炭酸も好きだぞ、好きなものが多い方が人生楽しいだろ?
姫さんは…ああ、なるほど!うさぎが人参を好むのは本当だったのか!
なんて揶揄いつつ「Eins, zwei, drei, g'suffa! Prost!」

はしゃぐ姿と笑顔が嬉しくて、いつものコーラが特別美味しく感じる気がする

浴びるように? …ってなんでそんな人生に疲れたOLみたいなこと言ってんだ、程々にしとけ。程々に!


フレズローゼ・クォレクロニカ
🐰 千晴くん(f01295)と一緒
アドリブ歓迎

わー!ボク、オクトーバーフェスって初めてだよ、千晴くん!
うさ耳ぴょこり、賑やかな雰囲気に心もぴょこり踊りだす
ビールって美味しそうだよね
まだ未成年だから飲めないのが残念だよー
飲んでみたかったなぁ
でもお酒には酔えなくても、雰囲気には酔えるよね!

ぴかぴか笑顔を向けて、ジュースを選ぶ
千晴くんはどんなのが好き?果物?野菜?それとも炭酸?
ボクはキミのことが知りたい
ボクが選ぶのは、あまーいキャロットジュース
さぁ乾杯しよ!

おいしい!
なんだか特別、おいしく感じられるね!
千晴くんも美味しいかな?

大人になったらボクもお酒を飲むんだ
あびるように
その時はまた一緒に乾杯しよ



 辺りに立ちこめる熱気も気にならないほどに、フレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)は目の前の光景に円な苺月の瞳を輝かせた。うさ耳をぴょこりと動かせば、賑やかな雰囲気をいっそう感じて心もぴょこりと躍り出す。
「ボク、オクトーバーフェスって初めてだよ、千晴くん!」
「なんだよ、オクトーバーフェス初心者か? それじゃオニーサンが色々教えてしんぜよう!」
 霧島・千晴(ブラッディ・レイヴ・f01295)は胸をどんと叩き、フレズローゼと共に、賑やかな笑顔の通りを連れ立って歩く。
「……ビールって美味しそうだよね。まだ未成年だから、飲めないのが残念だよー」
 飲んでみたかったなぁ、と指をくわえて金色の液体を眺めるフレズローゼに、大丈夫だと千晴は笑いかけた。
「こーんな長い渦巻いたドイツソーセージやプレッツェルなんかもあるはずだから俺らはそっちを楽しもうぜ!」
 両腕を広げて示す長さはどう見ても誇張だが、
「うん、そうだね。お酒には酔えなくても、雰囲気には酔えるよね! ……あ、ジュース! ね、ね、千晴くん。千晴くんはどんなのが好き?」
 千晴のことをもっと知りたいと思うフレズローゼはぴかぴかの笑顔を向け、くい、と袖を引く。
「俺? 果物も野菜も炭酸も好きだぞ、好きなものが多い方が人生楽しいだろ? ま、今日はコーラにしとくかな。姫さんは?」
「ふふ。ボクが選ぶのは、あまーいキャロットジュース!」
「ああ、なるほど! うさぎが人参を好むのは本当だったのか!」
 なんて揶揄う紫の瞳は、悪戯っぽく笑む。
「んもう、ほんとに美味しいんだよ、キャロットジュース! こんど千晴くんも飲んでみなよ。身体にもいいし」
「そうだな、今度またこういう機会があったら――と、ほら、注ぎ終わったみたいだ」
 注文したコーラとキャロットジュースを受け取った千晴が、キャロットジュースをフレズローゼに渡す。
「さぁ乾杯しよ!」
「Eins, zwei, drei, g'suffa! Prost!」
 そうしてふたり、グラスを合わせた。
 フレズローゼはひんやり甘いキャットジュースを口に含み、喉に流し込む。
「……おいしい! ふしぎ、なんだか特別、おいしく感じられるね!」
「だな。俺もコーラなんて飲み慣れてるのに、特別美味しく感じる気がする」
 それというのも、フレズローゼがはしゃぐ姿と笑顔が嬉しく思えるからだろうか。
 グラスの半分ほどまで飲んだ後、フレズローゼは微笑みながら賑わいを見渡した。
 ちかちか、きらきら。
 がやがや、わいわい。
 大人になれば楽しめるという煌めきは、フレズローゼの憧れフィルターを通して眩いばかりだ。
「大人になったら――ボクもお酒を飲むんだ、あびるように」
「なんでそんな人生に疲れたOLみたいなこと言ってんだ、程々にしとけ。程々に!」
 酔い潰れたら元も子もないだろうと、千晴が困ったように笑う。
 時間は少しずつ、過ぎてゆく。それでも大人になるためには全然、足りない。まだまだたくさんの年月が必要だ。
 でも、いつか大人になったなら。フレズローゼが、そっと口を開く。
「その時はまた一緒に乾杯しよ」
 千晴の答えは、グラスの中で氷が溶ける音にかき消された。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 冒険 『冷凍倉庫でアルバイト』

POW   :    気合と根性で冷気に耐えて作業終了

SPD   :    素早い動きで凍える前に作業終了

WIZ   :    品物の配置を頭に入れて効率よく作業終了

👑11
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 先ほどまでオクトーバーフェストを楽しんでいたはずの猟兵たちは、気付けば冷凍倉庫の中で横たわっていた。
 これが怪異の正体か、と誰かが息を呑んで呟いた。
 正体というにはまったくもって意味がわからないが、まあ、気付いたらここにいたのだ、きっとそういうことなのだろう。
 冷気漂う倉庫内には、無数の発泡スチロールでできた箱が積まれている。床は半分凍っていて、注意して歩かないと転倒してしまいそうだ。天井から生えたつららは、無機質な倉庫内を彩るシャンデリアのよう、と思えばそう見えてくるから不思議だ。
 よく見れば、壁には文字が書いてある。
『ドアが開けられなくなったので片付けをお願いします。箱の取り扱いには注意してください。
←倉庫の奥 現在地 出口→』
 この文章を無邪気に信じるならば、猟兵たちが横たわっているのは倉庫の中程。
 箱の重さはなかなかのもので、並の腕力であれば一度に運べるのは一つが限界だろう。
 この冷凍倉庫の中でひとつだけ確かなことがあるとすれば――箱を片付けなければ倉庫から出られない、ということだ。

---
【補足】
●簡易配置図
倉庫の奥(壁) 箱 猟兵 箱 出口
※倉庫は横長の長方形です。

●箱の中身
気になる場合は適当に指定してくださって構いません。
指定なしで開けた場合にはこちらで何か入れておきます。
神代・凶津
あれ?何処だここ?
俺達は確か・・・そうだ調子に乗って呑みすぎて相棒にバケツの水ぶっかけられた所までは覚えてるんだが・・・。
これが噂の怪異か。ってか寒ッ!このままじゃ凍え死んじまうぜッ!

「取り敢えずいくぜ相棒ッ!」
「・・・転身。」
雷神霊装、放電してるし少しはましになるだろ。
さっさとこんな所オサラバしようぜ。

ってなんか書いてある。
・・・どうやら箱を片さなきゃここから出られないようだぜ。
しょうがねえな、さっさと片付けようぜ相棒。
雷神霊装で引き上げた反応速度とスピードで凍える前に片付けちまうぜ。

にしてもやけに重い箱だな。
いったい何入ってんだ?(パカッ)


【アドリブ歓迎】



 くしゃみと同時に目を覚ました神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は、あたりを見回した。見知らぬ壁と天井はどこまでも冷たい。雰囲気が、ではなくダイレクトに温度が。
「……あれ? 何処だ、ここ?」
 これが噂の怪異か、と認識するよりも、異様な寒さに感覚を持って行かれる。ここが冷凍倉庫だからというだけではないだろう。
 おそらくは、神代・桜に容赦なくバケツの水をぶっかけられたため――無論、桜が冷たい視線を送ってくるのにかかわらず調子に乗って飲み過ぎたせい――だ。そのため、本体である仮面はところどころ凍り付いている。
「このままじゃ凍え死んじまうぜッ! 取り敢えずいくぜ相棒ッ!」
「……転身」
 身を震わせた凶津は桜の顔にぴたりとくっつき、力を一つにした。一体化した二人の体表を電撃が走る。放電している間は、さすがにいくらか寒さを堪えられる。
「さーて、暖を取ったところでこんなところとはオサラバだ。出口出口、と……うん?」
 桜が壁の一角を指差すのを見て、凶津は視線をそちらに向けた。
「なるほどなァ。箱を片さなきゃここから出られない、っつーわけか。そならさっさと片付けようぜ、相棒」
 雷神霊装・二ノ型の姿を取れば、スピードと反応速度は普段のそれとは段違いに向上する。通常であれば一つを運び終える時間で、凶津は五つも運び終えていた。
「にしても、やけに重い箱だな。何が入ってんだ?」
「……止めた方が良いと思うけど」
「何か言ったか、相棒?」
 仮面の霜を払った凶津は、桜が止めるより早くも箱の蓋を開けた。
「……なんだ、コレ? ビー玉か何かか?」
 霜の降りた赤い玉がぎっしり、箱の中に入っていた。それらが少し動いた気がして、桜の方が咄嗟に箱を閉めた。すると凶津は、
「あっ、おい! でもまあ、大したモンじゃなくてガッカリだぜ。どうせなら蟹とか入れてくれりゃあいいのによ。そうしたらこっそり持ち帰って――じょ、冗談だよ相棒! 誰かの所有物を勝手に持っていくわけにはいかないからな!」
 慌てた様子で言い訳をするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ユウキ・スズキ
「厚着で正解だったな」
(羽織っていたコートを着込む)
再度、同じUCを使用。
「てめぇら、好きなだけ遊んだんだ。今度は働いてもらうぞ」
少々狭苦しくはなるかもしれんが、まぁいいか。
馬鹿正直に出口を目指しても構わんが、俺は疑り深いんでね。
「両側から箱を中心に運びつつ前進。片側を開けてどちらにも行けるように運搬しろ!」
…さて……人を氷付けにでもする気か?
下らん考えだな。
……あ?俺は何をするのかって?
悪いが、こいつを使ってると戦えないんでね、あくまで指揮に徹するさ。
そういや……さっきまで、≪俺の≫金で飲んでた奴も居たっけなぁ……
……まぁいい。
何れにせよ、戦闘まで体力は温存させて貰うさ。
※アドリブ・絡み歓迎


黛・夢乃丞
……寒ィ。

酒に酔った内にどっか移動してたんか俺は。
酔いも覚めちまったじゃねぇか。

えぇと…よくわかんねぇが箱をどかせってことだな。
ったく、せっかく気持ち良く酒呑んでたのによぉ
(ぶつぶつ言いながらも箱を運ぶ)

…あ。
(思い出したようにUC【フォックスファイア】を発動。
 荷物や他のものに燃え移らないよう留意)
これで少しは寒さをしのげっかな。
(荷物運び再開。
 だるそうに。面倒くさそうに。隙あらば休みたい。仲間を応援したい)

ってか、重い!重ぇわこれ!
なんなんだよこの中身!
(とりあえず開けて中を見る。内容&反応お任せ♡)

俺ぁ、この扉を開けば美人の姉ちゃんが待っててくれると信じてんだ…!

+ ※ネタ大歓迎です♡


波狼・拓哉
…怪異としか言いようがないね。いやマジ唐突に移動したな。
それじゃあ、まあ…片づけるか。いや、別に壊したりしてもいいけど片づけた方が早くない?中になにあるか分からんしね。じゃ、ミミックさん出番ー。珍しく荒事じゃないよ!やったね!
足元に注意しつつ一個ずつ移動させよう。落ちにくく持ちやすくするためロープで結んで運んだりと工夫しよう。ミミックも一個ずつ慎重に運んでね?
…しかし中身何なんだ。普通に運べちゃうし…一個くらい空けてみるかな。危ない場合考えて頼んだミミック!あ、やばそうとか見ない方がよさそうとかなら死ぬ気で抑え込んでね?俺はいいけど周りに被害行くのだけは避けよう。
(アドリブ絡み歓迎)



 黛・夢乃丞(柄悪妖狐・f12250)は、異様な寒さで目を覚ました。
「……どこだココ? くそっ、酔いも覚めちまったじゃねぇか」
 酔った勢いで移動してしまったのか、誰かに連れてこられたのか。
 考えるだけ無駄と判断した夢乃丞は、壁に書かれた文字を素直に読み上げた。
「ったく、せっかく気持ち良く酒呑んでたのによぉ」
 ぼやきつつも、一つずつ丁寧に運ぶ夢乃丞だ。
 だいたい、5個ほど運んだ時だろうか。かじかむ指をこすり合わせ、
「くそっ、指先の感覚が麻痺してきやがった……どこかに暖が取れるようなモノがあれば……そうだな、例えばレベル×1個の【狐火】の炎を放てて、全て個別に操作でき、複数合体で強化でき、延焼分も含めて任意に消せるやつが――って」
 目を見開いた夢乃丞の頭上で、電球が灯った(※イメージです)。
「それだわ」
 夢乃丞は荷物に燃え移らないように気をつけ、30程の狐火で室内を暖める。
 羽織るだけにとどめていたコートを着込むユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉・f07020)であったが、室内に暖かさが満ちるに連れてコートの前を開けた。
 しかしその後の対応は、軍人そのもの。飲み食いしていた連中を再び呼び出し、冷たく言い放つ。
「てめぇら、好きなだけ遊んだんだ。今度は働いてもらうぞ」
 出す指示は、といえばもちろん箱の運搬だ。
「両側から箱を中心に運びつつ前進。片側を開けてどちらにも行けるように運搬しろ!」
 馬鹿正直に出口を目指しても、おそらく問題はないのだろう。だが、ユウキは人一倍疑り深いのだ。
 壁の一角に背を預けたユウキは、歩兵たちの様子を見守りながら壁に背を預けた。
(「……さて……人を氷付けにでもする気か? 下らん考えだな」)
 歩兵を出現させている間、ユウキ自身は戦闘が不可能となる。
 そうして歩兵たちが指示通り箱を運ぶのを見て、ユウキはふと思い出した。
「さっきまで、≪俺の≫金で飲んでた奴も居たっけなぁ……」
 その言葉に、びくりとする歩兵が数人。しかしユウキは咎めることなく、壁に背を預けたまま事態を見守っている。
「あっ、先ほどはごちそうさまでしたー!」
 と、空気を読んでいるのか読んでいないのかよくわからない発言をしながらご機嫌にぶんぶんと手を振っているのは波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)だ。
「ああ、確か貴殿は歩兵と意気投合していた……どういたしまして」
 ユウキは一度だけ手を振り返し、再び歩兵たちに目を光らせた。
「あっ、夢乃丞さんも暖房ありがとうございまーす!」
「おう。……しかしなんで野郎ばっかなんだ……美女はいないのか、美女は……」
 ため息をつきつつ、夢乃丞はだろうそうに面倒くさそうに荷物運びを再開した。
「おー、そこの歩兵さん格好いいね? 格好いいついでにこれ頼める? ――やっぱりダメ?」
 休む機会を失って舌打ちし、夢乃丞は再びだるそうに荷物を運ぶ。
「あはは、ここは大人しく働くしかなさそうですね。……しっかし、マジ唐突に移動したな。本当に怪異だな、これ。そうだな、ミミックさんの出番かな」
 一人より二人、というか一人と一体の方が効率が良いだろう。ユウキが歩兵たちに守らせているルールで、拓哉はミミックに箱の運搬を依頼することにした。
 呼びだしたミミックに軽く触れ、拓哉は微笑んだ。
「珍しく荒事じゃないよ! やったねミミック! それじゃ足元に注意してよろしく!」
 もちろん拓哉自身も運ぶ。落ちにくく、かつ持ちやすくするためにロープで結べば安定した運搬ができる。
「おっと、ミミックも慎重にね。一回につき一個厳守でよろしく」
 そうやっていくつかの箱を運び終えた時、拓哉は衝動を抑えきれなくなった。
「――ところでミミック。箱の中身について気にならない?」
 すぐに首(?)を振るミミック。
「そうか、気になるかぁ! じゃあ言い出しっぺが開けるべきだよね、というわけでよろしくミミック! あ、やばそうとか見ない方がよさそうとかなら死ぬ気で抑え込んでね? 俺はいいけど周りに被害行くのだけは避けたいからさ」
 しぶしぶ、といった様子で箱を開けにいくミミックを、拓哉はそこそこ離れたところで見守る。
 ぱかっ、という音が鳴った時、拓哉はしっかりと耳を塞いで目を閉じた。しかし数秒経っても爆発の類いは発生していないのを確認して、そろりとミミック&箱の元へと歩いてゆく。
「さーて、中身は……っ!? こ、これは……!?」
 拓哉は箱に入っていたものを掴み、取り出す。
 白い。細い。長い。どれもが似たような形をしてはいるが、微妙に形が異なる。
「なんだ、これ……? ミミック、わかる? ――そうかそうか、やっぱりそう思うかー! じゃあしまっちゃおうねー!!」
 何故だか異様に嫌な予感がして、拓哉は勢いよく箱を閉じた。
「なんだ? なんか変なモンでも入ってたのか? ってか、重い! 重ぇわこれ! さっきのより滅茶苦茶重くねえか!? なんなんだよこの中身!」
 乱暴に箱を起き、これまた乱暴に箱を開く夢乃丞。だが、すぐに蓋を閉じて無表情で箱を運び、積まれた箱の上に重ねた。
「夢乃丞さんの開けた箱、何が入ってたんです?」
「さあ、何だろうな? 俺は見てないぞ、蠢く肉なんか」
「ははは、そんな! 肉が動くわけないじゃないですかー! あの、ユウキさんは開けてみたりしないんですか? そのあたりの箱なんか結構重かったですよ」
「……いや、私は遠慮しておこう」
 静かに首を振り、ユウキは歩兵たちの監視を続ける。どうせこの後には戦闘が控えているのだ、体力を温存しておいて悪いことはないだろう、と思考しながら。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

霧島・千晴
フレズローゼ(f01174)と

(もふもふ尻尾を体に巻きつけながらドアのメッセージを見て)
…怪異を片付ける(物理)じゃねぇか。
ほら姫さん、起きた起きた。こんなとこでずっと寝てるとアイスにして食っちまうぞ。
さてじゃあ凍っちまう前に軽く調べ…

って、はあああああああ!?
なにしてんの、え、なにしてんの姫さん!?
片付ける(消し去る)じゃないからな多分!!いや結果的にドアは開くけど!!

傀儡「愚者」を使用して姫さんとうさぎたちから箱を守る…ってどうしてこうなった!
なんだかちょっと楽しくなってきたぞ!
壊される前に全ての箱を壁まで吹っ飛ばせ!

※アドリブ歓迎、テンション上がるので多分箱はあんまり無事じゃない


フレズローゼ・クォレクロニカ
🐰 千晴くん(f01295)と
アドリブ歓迎

もう食べられないよぅ
はっ!寝てた?え、なんでボクら冷凍されてるの
寒い!やだ!寒いのは嫌いなんだボクは!
しかも箱が一杯……邪魔なんだ!
ええーい!「TRUMP TRUMP」!
呼び出したトランプ兵達と一緒に、邪魔な箱を破壊工作で片ずけるよ!
要は箱がなくなればいいのさ
絵の具に魔力をこめて箱に絵を描いて、爆破だ!
ええい、千晴くん!とめちゃだめなんだ!
冷凍兎になる前に、取り扱いに気をつけながら箱を木っ端微塵にするんだボクは!
あ、箱からなんかでてきた

……!やるね
千晴くんお片付けうまい
ボクが壊すのが先か、キミが片ずけるのが先か!
競走だよ!
こうしてると身体も暖かいしね



「……物理で怪異を片付けるのかよ」
 もふもふした尻尾を体に巻き付け、霧島・千晴(ブラッディ・レイヴ・f01295)は書かれたメッセージを見て呟いた。次いで足元を見れば、
「もう食べられないよぅ」
 と、幸せそうな顔ですぴすぴ眠るフレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)の姿が。
 千晴は屈み、フレズローゼを揺り起こす。
「ほら姫さん、起きた起きた。こんなとこでずっと寝てるとアイスにして食っちまうぞ」
 はっ! とした顔で目を覚ましたフレズローゼはきょろきょろと周囲を見渡し、寒そうに自身の身体を抱いた。
「え、なんでボクら冷凍されてるの。寒い! やだ! 寒いのは嫌いなんだボクは!」
 立ち上がったフレズローゼの口から、白い息が漏れる。しかも、よく見れば周囲には邪魔な箱が沢山あるではないか。とたん、フレズローゼの目がきらりと光った。
 フレズローゼが起きたことに安堵した千晴は、準備運動とばかりに伸びをする。
「姫さんも起きたことだし、凍っちまう前に軽く調べ……」
「ええーい! 『TRUMP TRUMP』!」
 フレズローゼの周囲に、トランプ兵たちが出現した。さらにはフレズローゼの指示のもと、トランプ兵たちは箱を破壊しはじめたのだ。
「はあああああああ!?」
 千晴の目は、ただただ見開かれる。さっき飲んだキャロットジュースに何か入っていたのだろうか。
 さらに絵の具に魔力を籠めて箱に絵を描いて爆破するフレズローゼ。
 ちゅどーんどかーん、の後に天井のつららが落ちてくるのをヒュッと避ける千晴の慌てっぷりを、フレズローゼは全く見ていない。
「うわ危ないっ、ていうかなにしてんの、え、なにしてんの姫さん!?」
「ええい、千晴くん! とめちゃだめなんだ! 冷凍兎になる前に、取り扱いに気をつけながら箱を木っ端微塵にするんだボクは!」
「色々矛盾してるぞ姫さん!?」
 片付けるイコール消し去るではない、多分。でも結果的にドアが開けば結果オーライだ。二つの思考の間で揺れ動く千晴は、転がった箱から出て来た大量のトゲのようなものをちらりと見つつ、気付けば傀儡「愚者」を使用してフレズローゼとうさぎたちから箱を守るべく果敢に立ち回っていた。先に箱を吹っ飛ばせば、破壊する必要もないだろう。
「どうしてこうなった……!」
 もちろんその疑問に答えられる者はいない。けれどちょっと楽しくなってきた千晴である。フレズローゼの目が、再びキラーンと光った。
「やるね、千晴くん! お片付けうまい! それじゃボクが壊すのが先か、キミが片づけるのが先か! 競走だよ!」
「こうなりゃヤケだ、やってやろうじゃねーか……!」
 それにこうして動いていると、楽しい上に身体も温かくなる。
 というわけでクエスト発生、千晴&箱VSフレズローゼ。
 壊される前に全ての箱を吹っ飛ばすか、全ての箱を壊すか。既に箱は瀕死だが、いま、戦いの火蓋は切って落とされた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

鞍馬・景正
……、………。
はッ、酔ってませぬ。まだ酔ってませぬぞ。

と、ここは――成る程、潜り込む事が出来ましたか。
片付けよと申しても曖昧な指示ですが、とりあえず奥に積み重ねれば良いのでしょうか。

では羅刹らしく、【怪力】で持てる限り運んでいきましょう。
多少の冷気は【氷結耐性】で辛抱できますが、長居は無用。手早く片付けていきましょう。

しかしこの箱の中身は何なのか。
先程までいた祭り会場の近くだとしたら、酒やつまみでも入ってるのでしょうか。
あの「うぃんなー」や「さらみ」という肉は美味で、「びーる」が進んだものです。

………。
はて、そういえば家畜にびーるを飲ませるという飼育法を聞いたことがある気が。(呟きつつ開封)



 安らかな寝息を立てて眠り込んでいた鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)の口が、ゆっくりと開かれる。
「はッ、酔ってませぬ。まだ酔ってませぬぞ」
 慌てて起き上がれば、成る程、と納得のいく風景。無事怪異のただ中に潜り込むことが出来たようで、安堵する。
 片付けろ、という曖昧な指示に一度だけ首を傾げ、景正は冷凍倉庫内をぐるり見渡した。出口を確保するのならば、とりあえず奥に積み重ねれば良さそうだ。
 さて、景正の取った手段はシンプルそのもの。
 羅刹らしく怪力を発揮し、並の者ならば一度に一つしか運べない箱を一度に4箱も抱えた。
「……箱自体もかなり冷えますね」
 氷結への耐性は充分。とはいえ、長居するつもりは毛頭無い景正だ。
 てきぱきと、的確に片付けてゆく。
 けれどやっぱり気になる、箱の中身。
 この冷凍倉庫がどこに位置しているのかはわからないが、もしオクトーバーフェスト会場の近くだとしたら、酒やつまみが入っているのが妥当だろう。
「そういえば、あの『うぃんなー』や『さらみ』という肉は美味で、『びーる』が進んだものです」
 しみじみ思い出す素晴らしき味わいたち。怪異に巻き込まれなければ、もう少し堪能したかったものだと景正は嘆息を漏らす。
「はて、そういえば家畜にびーるを飲ませるという飼育法を聞いたことがある気が」
 呟きつつ箱を開封する手は、まるで躊躇無く。
「……これもまた、つまみの一種でしょうか」
 中には何やら、蠢く肉塊。しかも一つの箱に一つ、丁寧に収まっている。物怖じせずにつつけば、反応するようにひときわ大きく蠢く。
「ふむ、つまみとして供するものだとしたら、悪いことをしました。質が落ちるのはいただけません、丁重に戻して封をしておくとしましょう」
 微笑み、景正は箱を積む作業に戻った。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第3章 集団戦 『暴れまわるティラノサウルス』

POW   :    がぶがぶ
【噛みつき】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
SPD   :    びたーん
【尻尾】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
WIZ   :    がおー
【大きな鳴き声】を放ち、自身からレベルm半径内の全員を高威力で無差別攻撃する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

 冷凍倉庫のドアが開くと、冷凍倉庫内に満ちた冷気が通路にあふれ出た。
 それと同時に、猟兵たちが片付けた箱と床に転がったものが大きく揺れ始める。直後、箱の蓋が開き、猟兵たちが我慢できずに見た物体たちが合体し始めた。
 物体は示し合わせたようにまとまり、いくつもの同じ個体を形づくってゆく。
 赤いビー玉のようなものは目に。
 白く細く長いものは骨格に。
 蠢く肉は筋肉に。
 トゲのようなものは牙に。
 脈打つ肉塊は、心臓に。
 そうして、ティラノサウルスは顕現した。

 ティラノサウルスの赤い瞳が、ぎろりと猟兵たちを睨みつける。さらにおもむろに開かれた口、そこから見える鋭利な牙の隙間からは絶え間なく呪詛が零れ続けていた。
「サムイサムイサムイサムイサムイ」
「コロスコロスコロスコロス」
「オレタチヲコンナメニアワセタヤツ、ユルサナイ」
「オマエラカ」
「オマエラダナ」
「ユルサナイ」
 冷凍倉庫内に、咆吼が響き渡った。
ユウキ・スズキ
「お~、ほんとにトカゲが喋ってら」
さて、対象は白亜紀末期のバカにでかいトカゲ。
体長約11~13m、体重おおよそ5~9t。
「いやはや、でかいでかい」
対象の攻撃範囲外となる位置は首の裏。身体構造上、その位置への攻撃は不可能と推定。
「でかくて重きゃ良いってもんじゃないぞ間抜け」
左腕部アンカーショットで首の裏に取り付き、アサルトライフルの銃弾を発射。対象の肉を削いだら、内部にUCで作成した手榴弾をねじ込んでやる。
「派手に吹き飛ぶぞ~?」
それをアンカーショットで地形利用、空中戦によって素早く(SPD)行い複数を仕留める。
「悪いな、たかがトカゲにビビるほどルーキーじゃあねぇんだ。とっとと失せろ」



「お~、ほんとにトカゲが喋ってら」
 軽く拍手しながら、ユウキ・スズキ((元米国陸軍)少尉・f07020)は朗らかに笑った。
 ティラノサウルスたちが距離を詰めてきたところで左腕部のアンカーショットを構える。
 狙いはティラノサウルスの首、その裏だ。
「グエッ!?」
「ふん、予想通りか。身体構造上、ここに攻撃はできまいよ。でかくて重きゃ良いってもんじゃないぞ間抜け――それにしても」
 このティラノサウルスが白亜紀末期のバカにでかいトカゲと同等の存在だとしたら、一体につき体長約11~13m、体重おおよそ5~9tだろうか。
「いやはや、でかいでかい」
 なんて悠長に観察している場合ではない。アサルトライフル銃口を向けて引き金を絞ったユウキは、数発発射してティラノサウルスの肉を削ぐ。
 その後は偽の手榴弾を作成し、先ほどの傷口に埋め込んだ。
「ピン抜いて爆発すりゃ、贋作もへったくれもあってたまるか、ってな。おっと」
 無論、ティラノサウルスも黙ってやられるわけにはいかない。ユウキを振り落とそうとティラノサウルスは体を揺らすが、ユウキは慌てることなく別の個体の首に向けて再びアンカーショットを撃つ。ティラノサウルスの背中を蹴り、別の個体の首に取り付いた後は、またアサルトライフルでの射撃から手榴弾の作成、埋め込みをこなす。
「派手に吹き飛ぶぞ~?」
 直後、背後で起きる爆発に拓哉は口角を上げた。複数の個体がまとめて吹っ飛んだであろうことは、音で解る。
「悪いな、たかがトカゲにビビるほどルーキーじゃあねぇんだ。とっとと失せろ」
 壁や箱をも足場にし、ユウキは器用に立ち回る。
 手榴弾を作成したつもりがパイナップルが出来てしまうこともあったが、その時は無表情で手近なティラノサウルスに投げつけるのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

鞍馬・景正
むぅ、これは……!

そうですか、確かにこんな所にいては寒かったでしょう。お労しや。(※酔ってる)

しかしそれならば暖まる良い方法があります。
及ばずながらご助力仕る。

(【一騎怒濤】で愛馬を呼び出し、【騎乗】。そのまま冷蔵庫内や通路を走り回り)

はははっ、躰を温めるには早駆けが一番。
さあご一緒に!(そのままティラノと鬼ごっこ)

む、どうした夙夜。(※馬)
ふむ、そうか。ああ。

動物会話は出来ぬので何を言ってるか分からぬ。
とりあえずティラノ殿たちに疲労が見えれば馬首を翻し、【怪力】込めた斬撃による【衝撃波】で首を薙がせて頂く。

すべて片付いたらまたあの祭りに乗り込んで呑み直しましょうか。



 嘆き、呻くティラノサウルスを前に、鞍馬・景正(天雷无妄・f02972)は頭を垂れた。
「むぅ……そうですか、そうですか……」
「ナンダコイツハ」
「タベルナライマノウチダナ」
「サムイカラ、タベテ、アッタマル!」
「確かにこんな所にいては寒かったでしょう。お労しや」
 ゆっくりを息を吐き出した景正は、しかしそれならば、と眩しい笑顔をティラノサウルスたちに向けた。
 思わぬ反応に、ティラノサウルスたちは数歩下がる。まさか景正が酔っているとは夢にも思うまい。
「!?」
「暖まる良い方法があります。及ばずながらご助力仕る」
「!?!?」
「コイツハナニヲイッテルンダ!」
「難しいことではございません。ただ――馬上の戦こそ武士の本領。御覚悟を」
 冷凍倉庫の中に、馬が出現した。体長は景正の身長の二倍、名を夙夜という彼の者は景正の愛馬だ。ひらり騎乗した景正は、いっそう爽やかな笑みを見せつける。
「躰を温めるには早駆けが一番。さあご一緒に!」
 まるで自らが鬼ごっこの鬼だと言わんばかりに、縦横無尽に冷凍倉庫内を駆け巡る景正だ。一瞬だけぽかんとしたティラノサウルスたちであったが、すぐに目的を思い出して夙夜に乗った景正を追いかけ回す。
 途中、夙夜が妙に鼻を鳴らものだから、景正は夙夜の首に耳を近づけた。
「む、どうした夙夜。……ふむ、そうか。ああ」
 小さく笑いながら、景正は頷いた。
 動物との会話はできない景正だ、何を言っているのかまったくわからなかったのだ。
「マ、テ……」
「クソッ、アイツ、ハヤイゾ……!」
「おや、お疲れの様子。それでは――ゆっくりお休みください」
 手綱を操って夙夜を止めた直後、景正が無銘脇差を抜くや否や、ティラノサウルスたちの首がぼとりぼとりと落ちゆく。
「ア゛――!」
 首だけとなった個体は少しの間口から何かの言葉を漏らしていたが、それもすぐに潰えた。
 景正が見舞ったのは、あらん限りの力を込めた斬撃。発生する衝撃波はティラノサウルスたちの首を落とすには充分な威力だ。
 基礎の素振りとも言えるような動きだが、それに力を乗せるだけで恐るべき威力になるのは剣術に才を見いだされた景正だからこそだろう。
 もちろん、ティラノサウルスはそんなことを知る由もないのだが。
「ナ、ナンテコトヲー!」
「コウナッタラ、トムライガッセンダ!! オレにツヅ、ア゛――!」
 斬撃は容赦なく、何度でも浴びせられる。ティラノサウルスの攻撃よりも早く、力強く。
 すべて片付いたらまた再びあの祭りに乗り込んで呑み直そうと考える景正は、一点の曇りもない目で信じている。
 ここには時計もないが、なんとなく日付が変わったような気もするが、あんなに楽しい祭りであるから絶対に今もまだ続いている、なんなら夜通しやっているはず、と。

大成功 🔵​🔵​🔵​

波狼・拓哉
…確かにやべーものでしたね?元々が何だったとかはあんまり考えたくはないですね!
じゃ、そういうわけで!(ミミックを掴んで投擲する)化け焦がしな!ミミック!サムイらしいから暖めてあげようぜ!冷凍庫だし多分場所の耐久値はそこそこあるだろ。後まあ、復活してない中身も焼いておこう。あ、味方猟兵は死ぬ気で避けてね。無差別だからあれ。
自分は衝撃波込めた弾で炎の範囲に恐竜押し止めつつ尻尾とか頭とかを撃って攻撃の邪魔してサポートに回ろう。後は隙見ては継続的にミミックを投擲しとこ。……ところで恐竜って食えんのかな?
(アドリブ絡み歓迎)


黛・夢乃丞
いやいや別におまえら冷凍したの俺じゃねーし!
誤解だっての!
っていうかおまえらも寒いんかい!
とりあえず早く帰って俺は酒で身体を暖めてぇんだ、消えやがれ!
(薙刀を手に)

■戦闘
「いくら肉でもおまえらの肉は食いたくねぇな…」
先程の蠢く肉を思い出し無表情になりながら
薙刀で【衝撃波】を放ちつつ【二回攻撃】で斬撃を

敵の攻撃は【武器受け】し、【カウンター】で【なぎ払い】
「俺に近づくんじゃねぇ!」
敵のUCには距離を取りつつ
UC【サイコキネシス】で適当な空き箱を敵の口へ動かし頬り込む
「俺を食っていいのは綺麗な姉ちゃんだけだ!」
サイキックエナジーと薙刀の衝撃波を合わせ、敵に遠距離攻撃を
激しく叩き込む

+ ネタ大歓迎♡



「いやいやいやいや!?」
 黛・夢乃丞(柄悪妖狐・f12250)は両手を前に突き出し、全力で首を振る。
「別におまえら冷凍したの俺じゃねーし、誤解だっての!」
「ウルサイウルサイウルサイ」
「サムイサムイサムイ」
「オマエラクッテ、アタタマル」
「聞けよ! っていうかおまえらも寒いんかい、何がどうしてこうなった! ええい、とりあえず早く帰って俺は酒で身体を暖めてぇんだ、消えやがれ!」
 黛家に伝わるなぎなた『炎断』を手にすれば、付近に立つ波狼・拓哉(ミミクリーサモナー・f04253)が、ダァン!と冷凍倉庫の床を踏みしめた。
「手伝いますよ! ……ところで恐竜って食えんのかな? どう思います?」
「いや、いくら肉でもあいつらの肉は食いたくねぇな……」
 蠢く肉を妙に鮮明に思い出して無表情になりつつ、無慈悲にティラノサウルスたちへと衝撃波を喰らわせる夢乃丞。
「まあ、元々が何だったとかはあんまり考えたくはないですしね!」
 そういうわけで、と拓哉はミミックを掴み、投擲する。その動きには寸分の迷いもない。
「化け焦がしな! ミミック! あとサムイらしいから暖めてあげようぜ!」
 炎に化けたミミックが、次々とティラノサウルスと箱を焼いてゆく。尻尾でびたーんと反撃しようとした個体は、たどり着く前に焼き作られてしまう。
「ギニャー!」
「アツイ! アツイ!」
「ヒヤシテ! ヒヤシテ!」
 炎弾によるダメージは凄まじいものであるが、今のところ冷凍倉庫は無事であることを確認して拓哉は安堵の息を吐く。しかし次の瞬間、ここには他の猟兵がいたことも思い出して――
「あっやべっ、言うの忘れてた! 死ぬ気で避けてくださいね夢乃丞さん、無差別なんで、あれ」
「あぁん? 何か言ったか?」
「ギャー夢乃丞さん尻尾燃えてる尻尾燃えてるー! すみませんすみません、消火消火ー!」
 急ぎ夢乃丞に駆け寄り、ミミックで尻尾をはたいて火を消す拓哉。
「室内が暑いとは思っていたが、まさか俺の尻尾が燃えていたとは……! っていうかその方法で消えんの炎!?」
「イエス! イッツ・ショウ・タイム! はい消えましたーミミックも消えましたー! おっと危ない」
 マジシャンのような動作で両手を広げた拓哉は、ティラノサウルスたちが迫るのを見て、すぐに衝撃波を籠めた弾丸を撃ち出した。
「クワセロクワセロ」
「はっ、俺を食っていいのは綺麗な姉ちゃんだけだ!」
 すると目の前の個体が後ろの個体とさっと入れ替わる。
「アタシヲヨンダカシラ?」
「おーこりゃまたビッグな姉ちゃん……って性別わからんわ!!」
「アタシナラ、アナタヲタベテモイイノヨネ?」
「話聞いてねぇな!?」
 夢乃丞は美女ラノサウルスから距離を取り、サイコキネシスで周囲の空き箱を浮かせた。指先で操った箱を美女ラノサウルスの口に押し込むと、
「援護しますよ!」
 拓哉が銃弾で援護してくれる。動きを止めたティラノサウルスたちに炎断で再び衝撃波を叩き込めば、次々とティラノサウルス(含・美女ラノサウルス)を消滅させてゆく。
「よーし、この調子でミミックもよろしくー!」
「う、またアレか……」
 拓哉が召喚した燃えながら動き回る箱を、今度はしっかりと回避した夢乃丞であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

神代・凶津
おいおいおいおい、なんか合体して現れたぞッ!?
え、ティラノサウルスってあんな不思議生物だっけかッ!?
「・・・落ち着いて、あれはオブリビオン。」
そ、そうだったな相棒。
あんまりにもぶっ飛んだ登場で動揺しちまったぜ。

このビックリトカゲ野郎ども、そんなに寒いならこの雷神霊装の雷撃で温まらせてやるよッ!
骨の髄までなッ!

高速移動で縦横無尽に動いてトカゲ野郎どもを翻弄しつつ破魔の雷を纏った斬撃の放射を雨あられと浴びせかけてやるぜ!
真っ黒焦げになっちまいなッ!

こんな奴ら、さっさとぶちのめして呑み直しに行こうぜ相棒ッ!


【使用技能・破魔】
【アドリブ歓迎】



「おいおいおいおい、なんか合体して現れたぞッ!?」
 ティラノサウルスとは、果たしてこのような不思議生物だっただろうか。混乱しつつ、神代・凶津(謎の仮面と旅する巫女・f11808)は神代・桜の背後に回り込んだ。
 桜はため息ひとつ、屈んで凶津を拾い上げる。そして凶津の視線の先にティラノサウルスが見えるような一で固定した後、
「……落ち着いて、あれはオブリビオン」
 と、無表情に告げた。慌ただしい兄と妹のようなやり取りを、双方はどのように感じているのだろう。
「! そ、そうだったな相棒。あんまりにもぶっ飛んだ登場だったもんだから動揺しちまったぜ。そうだな、オブリビオン、オブリビオン……ティラノサウルスに見えても結局のところオブリビオン……よし! やい、このビックリトカゲ野郎ども!」
 言い聞かせるように何度か呟いた凶津は、きっと手があったのなら指差したであろう気迫で告げる。
「そんなに寒いならこの雷神霊装の雷撃で温まらせてやるよッ! 骨の髄までなッ!」
「ナンダアイツハ」
「アカイノハ、マズソウダ」
「オンナノホウダケ、タベヨウ」
「おいおい、見た目で判断するなよ――ってよせ、食べていいっていう意味じゃねえ! くそっ、準備はいいか相棒、決めるぜッ!!」
「転身ッ!!」
 顕現した霊装から繰り出す技は、まさに心技一体。ティラノサウルスたちが一歩踏み出したその僅かな時間で、凶津は彼らの背後に回り込む。
「ヌ、アイツライドウシタゾ」
「ハヤイナ」
「オレハ、サムイ」
「はっ、それならあっためてやるぜ! 相棒」
 ティラノサウルスが振り向きざまに尻尾で凶津を薙ぎ払おうとするが、今の凶津にとっては――
「遅い遅い遅いッ! お前らの動きなんざ止まって見えるぜッ!」
 妖刀に雷を集めて一閃すれば、光弾ける斬撃がティラノサウルスを切り裂いた。
「はっ、真っ黒焦げになっちまいなッ!」
 たとえ運良く掠る程度で済んだとしても、傷口は雷で炭と化す。直撃しようものならシンプルな死が待っている。それらを雨あられと浴びせかけ、凶津はは気持ち良いほどのテンポでティラノサウルスたちを斬り伏せてゆく。
「こんな奴ら、さっさとぶちのめして呑み直しに行こうぜ相棒ッ!」
「……いいけど。バケツに水、汲んでおかないと」

大成功 🔵​🔵​🔵​

フレズローゼ・クォレクロニカ
🐰 千晴くん(f01295)と一緒
アドリブ歓迎

何か恐竜がいるよ、千晴くん!
破壊工作に夢中で気が付かなかった
なんでこんな箱に入ってたんだろ?
ビックリなんだ!
ボクは少し箱を爆破したけだよー!
千晴くんだって吹っ飛ばしてたんだ

無実の罪を証明しなきゃ
ボクは知ってる!こういうのは死人に口なしって言うんだっ

「EAT ME」!兎さん、やっておしまい!
持たせるのはパパの刀(ファンシーにデコ)
野生の勘で攻撃を察知して躱す
飛んで跳ねてくねり走って
踊りじゃなくて操作してるんだ
絵の具飛ばして全力魔法で爆破たよ
その通り
食べられるのは恐竜のほうさ!
ほら、そこだよ兎さん!
首をはねておしまい!

えへへ
パパの刀は強い!笑顔で自慢


霧島・千晴
フレズローゼ(f01174)と

オマエラカ、と問われりゃ否定できるはずもない。冷凍したのはともかく、吹っ飛ばしたり破壊したのは確かだもんなぁ…(遠い目)
「犯人はこのうさぎの姫さんです」

あのな、それは無実の証明じゃなくて口封じって言うんだぜ

「起きろ、『The Fool』」
腕を爪で裂き『愚者』へ自身の血液を与え殺戮捕食態へ
開いた肋骨は身を守るものではなく、宛ら鉄の処女のように抱擁したものを貫く針
長い指は触れることを許さぬ刃
捕食される側の気持ちを解らせてやろうじゃねぇの
…あれ姫さん、何踊ってんの?

「…姫さんのパパ、可愛い趣味だな」
父親、の言葉に僅かに尻尾が揺れるも自慢気に掲げられた刀に脱力

アドリブ歓迎



 霧島・千晴(ブラッディ・レイヴ・f01295)はティラノサウルスたちを一瞥し、後頭部を掻いた。
 すると、ね、ね、と、つい先ほどまで破壊工作に勤しんでいたフレズローゼ・クォレクロニカ(夜明けの国のクォレジーナ・f01174)が千晴の服の裾を引く。
「何か恐竜がいるよ、千晴くん!」
 破壊工作に夢中で気が付かなかった、と言わんばかりに目を見開いて、フレズローゼはティラノサウルスたちの顔を見てゆく。
「デ、ドウナンダ」
「オマエラガヤッタンダロウ」
「あー……」
 「オマエラカ」という問いについては、否定の言葉を持たない千晴である。冷凍したのはまるで覚えがないとして、吹っ飛ばしたり破壊したのは否定のしようがない。遠い目をしつつ、千晴はまだ裾を引っ張っては驚いているフレズローゼをぴしりと指差した。
「犯人はこのうさぎの姫さんです」
「ええっ、千晴くんひどい濡れ衣だー! ボクは少し箱を爆破したけだよー! それに千晴くんだって吹っ飛ばしてたんだ、共犯だー」
 フレズローゼは千晴の腕を人差し指でちくちくしながら、頬を膨らませている。
「ドッチデモイイ」
「リョウホウ、タベレバイイダケ」
「! こうなったら、無実の罪を証明しなきゃ。ボクは知ってる! こういうのは死人に口なしって言うんだっ」
「それは無実の証明じゃなくて口封じって言うんだぜ」
 呆れ顔で言いつつ、千晴は『愚者』と呼ぶからくりをその手に抱いた。
「起きろ、『The Fool』」
 千晴が爪で腕を割き、愚者にぽとり垂らせば傀儡は禍々しい形状へと変化する。
「ヨシ、アイツカラクウ――ガッ!?」
 大口を開けたティラノサウルスが千晴に迫るが、彼の前に立ち塞がるように立つ愚者がそうはさせない。
 開いた胸部がティラノサウルスを抱擁するように開かれる様子は、さながら鉄の処女。
「せいぜい喰われてな、捕食される側の気持ちを解らせてやろうじゃねぇの」
 さらに愚者の広げられた腕、その先に長い指は刃となる。長い指は迫るティラノサウルスの喉を貫き、千晴どころか愚者本人にすら近寄らせない。
「その通り、食べられるのは恐竜のほうさ! 兎さん、やっておしまい!」
 フレズローゼの合図ひとつで、巨大なうさぎが彼女の前に出現した。アリスエプロンを着たそのうさぎ、そしてフレズローゼの手には「Ridill+」という名の剣。うさぎの手にしている剣の方は、フレズローゼのものより数倍は大きい。
 とはいえ、何より目を惹くのは大きさよりもそのデコっぷり。ひたすらに可愛くデコられたその剣はフレズローゼの母が父に贈った剣だというのだが、それはまた別の物語。
 ともかくフレズローゼはデコった剣を手に、飛んでは跳ね、跳ねてはくねり、くねっては走って。
「……あれ姫さん、何踊ってんの? もしかして寒い?」
 ティラノサウルスたちを順当に倒しながら、千晴が問いかける。
「違うよ千晴くん、踊りじゃなくて操作してるんだ」
 そう、うさぎはフレズローゼの動きをトレースして動いている。だから野生の勘を用いてティラノサウルスの攻撃を察知したフレズローゼがその場で動けば、うさぎはフレズローゼ同じ動きで飛んでは跳ね、跳ねてはくねり、くねっては走るのだ。
 合間に絵の具を飛ばして、全力魔法による爆破も忘れないフレズローゼだ。
 ティラノサウルスたちは成す術なくその数を減らし、ついには最後の一体となる。
「ヒイーウサギコワイー!」
「ほら、そこだよ兎さん! 首をはねておしまい!」
 真横に薙いだ動きで、ティラノサウルスの首を切り落とす。
 見事な切り口で切り落とされた最後のティラノサウルスは、沈黙した。

 さて、倉庫内を「片付けた」フレズローゼは、
「えへへ、パパの刀は強い!」
 自慢げな笑顔を浮かべてRidill+を掲げる。
 パパ、という単語に千晴の尻尾が僅かに揺れる。けれど胸を張るフレズローゼが掲げる刀を直視すれば、
「……姫さんのパパ、可愛い趣味だな」
 なんて、脱力してしまうのだった。それがフレズローゼ自身の手でデコられた剣であるということを千晴が知るのは、また別の話。

 というわけで。
 こうしてUDCの怪異がまたひとつ、猟兵によって解決されたのだった。
 めでたし、めでたし。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年08月08日


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#呪詛型UDC


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

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挿絵イラスト