【RP】たったひとつ、
葬・祝 2021年8月9日
ふたりで、夜空を眺めて。
様々な人々が空へと投げ上げた色とりどりの花火は、やがて少しずつ消えて、静かな星空だけが残った。
人の声も消えた、静かな、静かな夜だった。
☪︎*。꙳
はふりとカフカ
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=36350
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葬・祝 2021年8月9日
(しん、と静かな夜。遠くで、虫の声だけがする。先程までの煌めきが嘘のようだった。空に咲いた光の花は跡形もなく、あとはもう、帰るだけ。地面に並んで座って眺めていた夜空から、相手へ視線を向ける)
……終わっちゃいましたねぇ。 ねぇ、カフカ。少し、このままお話ししませんか。
(傍らの相手へ、静かな問いをひとつ。伸ばした冷たい手が、地面に置かれていた相手の手を、上からそっと包み込むように握った。話さず、先延ばしにすることは、しない方がきっと良い。この奇跡的に芽生えてしまった心が、辛うじて正しいものだと言える内に、優しい気持ちである内に。話しておきたかった)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年8月9日
(花火が終わってしまっても、このまま帰路につく気も起きなくて。煌めきを失った空をぼんやりと眺めていれば、隣の視線に気付いて)
…………いいぜ。
(目をくれることはなかった。けれども、重ねられた手を拒むことはしなかった)
(何を話すつもりなのか、なんとなくわかってしまったから)
(無効票)
葬・祝 2021年8月9日
(視線は、合わない。今の自分には、あの日からこの子が何を考えているかも、分かりそうになかった。手に取るように分かっていたはずのものが分からないことは、“こわい”ものなんだな、と何となく可笑しくなる。でも、重ねた手はそのまま許されたから、それで良い。ちゃんと言えと再三言われて、それでやっと何とか言おうとしているから。情けないのも、格好悪いのも、そもそも厄災としてのろくな力も失い零落した悪霊如きが身の程知らずなのも、分かった上だ)
……何から話そうか。嗚呼、そうだな。色々、お前に言わないといけないことが、出来たのだけれど。……怒られそうなことから、先に言っておくと。私はね、お前の恋が叶ったら、お前を手放して居なくなる気でいたんだ。ずっと。何百年も前から。
(薄く笑みを掃いた唇が、吐息と諦観と共に言う。普段の口調を落としたそれは、昔々の、この口調になる前の取り繕わないそれだ)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年8月9日
はぁっ!?
(思わず隣を振り返る。そのまま視線を強めたまま、悪霊を見据えて)
…………お前なァ……怒るに決まってるだろンなこと。
そんなことを何百年も前から? 考えていただァ?
――――理由は?
(己が怒るということをわかっていた。その変化自体は喜ばしいことなのだろうが、それを讃えられるほどの余裕は消し飛んだ)
(どうして? なんで? 今は、ぐるぐるとした想いが胸の裡を焦がすようにのたうち回っていた)
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葬・祝 2021年8月9日
──私だけのものでなくなったお前を、見たくなかった。
葬・祝 2021年8月9日
(睨み据える金色の瞳を見返す、一瞬だけ抜け落ちた表情とぽつりとひどく淋しく落ちた声。けれど、その唇はまた笑みを形作る。怒らせるだろうな、とは、最近少し思うようになったから、先に言っておいた。そもそも、それが全ての発端だから、此処から話すしかないのだ)
当時の私は、はっきりとしたことなんて考えていなかったし、単純に、恋が叶ったら幸福の場に厄災が居るべきではないとも思っていたし、其方の方しか理解していなかったけれど。……早い話が、嫌だったのさ。お前を奪われた気がしていた。私だけのものだったのに、と。その癖、お前の意志を妨げるなんて、今ですらも心底嫌だ。他ならぬお前が、他の誰かの元へ行きたいなら、見たくないものからは、私が遠ざかるべきだろう。
葬・祝 2021年8月9日
……と、まあ、最近自覚して、改めて色々と振り返ってみた。
(可笑しそうな色が、僅かだけ声に滲む。だってそうだろう、厄災が、× × ×が、完膚無きまでに違う何かにされてしまった)
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神狩・カフカ 2021年8月9日
(話を聴いているうちに、段々と力を失っていく)
それは
………………
(言い淀む。数百年、ずっと彼が抱えてきたのだろうその想いに、なんて返すべきか。彼の身勝手だと思ったことは、結局は自分のためだったのだから)
…………そうか。
お前はおれが他の奴と一緒になるのが厭だったのか。
(何故か、なんて)(聴かなくてもわかってしまって)
(そんな想いをずっとさせていた自分に嫌気が差してきて)(項垂れるように俯いた)
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葬・祝 2021年8月9日
(力を失って、遂には項垂れてしまった金色に、くすくすと小さく、柔らかく、悪霊が可笑しそうに笑う。よしよし、と相手の手の甲を冷たい指で撫で擽るように、昔から変わらぬ甘やかしてあやす癖。人真似だけれど、ずっとそうして来た)
最初の時も、私、恋をして人里で暮らし始めたお前に逢いに行かなくなったろう。でも、その時も、他の時も、何度も何度も、女が死んでは、恋が叶わなくては、哀しい苦しい痛いと部屋に籠って壊れそうなくらい泣くんだもの、お前。……結局、離れ切れずに何度も戻って来てはこのざまだ。
葬・祝 2021年8月9日
色々と理解する以前から、愚かしいことだは、良く知っていた。私の存在に真っ向から反していることも。でも、……それも、彼女の今生で最期だと思っていた。だって、もうあれが神となって永遠に死ぬことがないのなら、私が泣くお前を慰めることもなかろう?
(無効票)
神狩・カフカ 2021年8月9日
(なにを笑ってやがる。言いたい気持ちはあれど、それを言う資格は自分にはない。あやされるの受け入れていれば、不思議とそんな気持ちも治まっていく)
…………お前は、おれのことをよく見ていてくれてるな。まあ、そんなこともあったか。
(自分でさえ過去のことと記憶に蓋をしたいたことを、よくもまあ事細かに憶えているものだ)
神狩・カフカ 2021年8月9日
……確かに、そうかもな。
(彼女の周りの何もかもがいなくなるまで待てば、きっと自分のものになる。何百何千と時間はかかるかもしれないが、結果は見えている)
けれど、おれは…………
……お前に慰めてもらいたいだけで、傍にいて欲しいわけじゃねェぞ。
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葬・祝 2021年8月9日
私に、お前以外に見るものがあるとでも?
(あっさりと、他のものなんて興味がないと妖は笑う。そもそも、千年と少し、記憶の中に相手が居なかったのなんてその中の何年だと言うのか。もう一度、宥めるように相手の手の甲を指で撫で擽った)
それも、少しは理解出来ている。でも、もうお前が泣かないなら、あれと永遠に生きるなら、私が居る必要もそろそろなくなると思ったのさ。どの道、見ての通り、私の力はどんどん落ちて、何時かは吹けば飛ぶような塵芥と変わらなくなる。
(このままなら、きっとそうなる。停滞したカクリヨだからこそ、猟兵になったからこそ、まだ辛うじて己は力を示すことが出来る。でも、何時かはそうなる。だから、相手を見守る役目も彼女の今生で終わりなら、後腐れなく恋を見届けて、祝って手放して、さよならをするつもりだった)
葬・祝 2021年8月9日
……なのに。“こわい”だの、“いやだ”だの……“大切”だの。このたった一年で、私は随分と、余計なことを知ってしまった。知ったらもう二度と戻れやしないのに。
葬・祝 2021年8月9日
……そうしたら、お前を手放す日を考えると、胸が痛くなった。お前が彼女の話をすると、黙らせたくなった。他の何を忘れても、お前を忘れたくなくなった。お前にだけは忘れられたくなくなった。
(淡々とした声が、静かに告げる)
本当にどうして良いかも分からなくなり始めて、途方に暮れて、慣れ親しんだはずの人真似すら上手く維持出来なくなって行った。……だから、お前を避けた。お前が視界に入らなければ、人真似の維持はまだ何とかなった。でも、……考えても、考えても、どうにもならなくて。珮李に助けを乞うて指針を貰って、クロウにも縋って話を求めた。セラにも……話をして貰った。
(自分が、こんなに誰かを頼ることになるだなんて、思いもしなかった。結局、足掻いて藻掻いて助けを求めて縋って、わざわざ時間を割いて親身になってくれた彼女たちの話してくれる言葉を理解しようと必死になった)
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神狩・カフカ 2021年8月9日
当たり前みてェに言ってくれるなァ、お前は。
(己の手を擽る手の形に、この空気だというのに頬が熱くなる)
へェ……頼れって言ったのはおれだが、随分と色んな奴の助けを借りたもんだ。
(これは変化であり、進歩だ。喜ばしいことなのだろうが、自分を頼らずに避けていたのだけはどうにも鼻につく。仕方のないことだろうとわかっていても)
…………お前が生きる方法なんて、おれにかかればいくらでもある。その識っちまった感情も、すべておれにぶつけてくれりゃいい。
おれは……それに…………
(ゆっくりと息を吸い、吐き出して)
神狩・カフカ 2021年8月9日
応えるだけの覚悟はある。
(すっ、と隣の悪霊をすっと見据える)
(それがすべての答えだ。自分も気付かなかったことへの。何百年の恋よりも、大切なことへの)
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葬・祝 2021年8月9日
……!
(微かに、瞳を見張る。覚悟?それは、どういう意味、の?)(だって、数百年、ずっと見ていた。あれが、恋というものなのだろうと、彼女のためにと多くを変えて行く相手をずっと眺めていた。だから、こんなもの、この子の意志を妨げるただの我儘でしかないと、そう思って。今だって、言えと言ったふたりとの約束に背を押されるように何とか言葉を並べていたと言うのに)(ずっと、ずっと、ずっと。もう数百年、いや、その前から。もしかしたら、初めてこの子供が何の恐れも怯えも敵意もなく、まっさらで無垢な感情と共に手を差し伸べて来たその時から、ずっと)
葬・祝 2021年8月9日
(片手が、己の胸元の着物を一度強く握る。それは、緊張と、怯えだ。とっくに死んでいるのに、鼓動が早くなったような気さえする)
葬・祝 2021年8月9日
…………、……私、は。
……お前を手放したくない。何処にも行かせなくない。意志を妨げたい訳じゃないのに。ただ、私だけのものだと、思っていたかった。でも。
(何時もは嫌というほど口が回るにも関わらず、上手く言えない言葉が、纏まらないまま堰を切ったように溢れて行く。静かで淡々とした声音に波など逸そないのに、痛切な感情が、己の存在に、本質に反してでも止められない激情が確かに存在していた)
……すきだよ。お前が、愛しい。手に入らぬなら傍に居られないと思うくらい、愛して、しまった。
(無効票)
神狩・カフカ 2021年8月9日
ハッ、なにをいい子ぶってンだか。厄災のくせによ。
(悪態を冗談にできるくらいの余裕が戻ってきた)
(重ねられた手に、もう片方の自分の手を重ねて。そのまま両手で包み込むように彼の手を取った)
――――おれも同じ気持ちサ。
お前の存在のほうが、数百年の恋よりも大切だって。お前が悩んでる間に、おれも気付いちまったのサ。
だからもう、離しちゃやらねェよ。
(握った両の手にぎゅっと力を込める。そのまま自分の気持ちも伝わればいい)
(無効票)
葬・祝 2021年8月9日
(目の前が、ちかちかするようだと思った。光が、散るようだと。片方だけになった金の眼が、失ったことを惜しんで、やっと片方しかないことにも慣れて来たはずのその煌めきが、どうしてか、ひどく眩しい。包み込まれて握られて手が、まるで生きているみたいにひどく熱い気がした)(良い子ぶったつもりはないけれど。でも、意志を妨げることはしない。瘴気だって抑える。不便になったって、構いやしなかった。だって、そうすれば、この子の大切なものを害することはせずに済むと、そう思って。そうすれば、せめて少しは他の神々や妖たちに邪魔されずに、傍に居られる時間が増えると思って)(ただ、傍に、居たくて)
葬・祝 2021年8月9日
(着物を掴んでいた手で、そっと、相手の手を更に上から包んだ。それを、そのまま俯くように己の額に押し当てる。手の力が、僅かだけ強まる)
……嗚呼もう、何て、言えば良いか
。…………お前は、私のものだ。私だけのものだ。もう、……離してやれもしない。
(違う何かに完膚無きまでに変質させられてしまうなら。× × ×として殺されるなら。お前が良い)(相手を強い力で強引に引き寄せて抱き締め、掠めた耳元で。大人姿特有の甘やかに低い声が、小さく告げた)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年8月9日
言いたいことなんざ、これからいくらでも聴いてやるサ。
(時間はいくらでもある。此処まで長かったが、これからだって長いのだ。二人が望めばいくらだって)
おうよ。おれはお前のものだ。だから二度と離さないでおくれ。
ま、いなくなるつもりはねェけどな。
(抵抗もなく、抱きしめられてやる。だからお返しとばかりに、同じように耳元で囁いてやった)
(この言葉も、お前だけのもの)
(。)
葬・祝 2021年8月10日
(数百年のこの子の恋が、どういう形にこの子の心の中で終わりを迎えたのかを、自分は知らない。あれだけの哀しみを、苦しみを、愛しいのだと全身で告げていた想いを、どうしたのかを、自分は知らない)(それでも。己の存在が数百年に渡るこの子の恋を妨げたのかもしれなくても。この子は、己を、この厄災を選んだ。選んで、くれた。今の己は。それが、何と表現して良いかも分からないくらい、何だか堪らないのだ)
……他ならぬお前が他に行きたいと言わないなら、二度と手放してやろうなんて殊勝なこと、考えたりするはずもないだろう。だって、……ずっと、欲しかったんだ。お前だけが、欲しかった。
(何だか、抱き締めるのも久しぶりで。慣れた温もりが、心地好い。悩み疲れるほど悩んで悩んで、多くに背を押されて。でも、もう、良いのか。私の。私だけのものだ)
葬・祝 2021年8月10日
(自分のもの。なんて、もの扱いをして、所有物扱いをして。結局、それは。本人すら気付かない遥か昔から、切々と一途に続く愛だった)
(。)
葬・祝 2021年8月10日
(唇へ、目元へ、眼帯の上へ、頬へ、鼻先へ。愛しくて堪らないのだと、言葉にせずとも示すように降る口付け。しばらく、そうしてふたり過ごしたなら。今夜くらいは、みんなの神さまはお休みして貰うとしよう。私のカフカ、と呼ぶ声には蕩けるような万感の想い。誰よりも。何よりも。おまえがいとしい)
葬・祝 2021年8月10日
(そうして、朱烏の神さまは厄災の妖の腕の中。とこしえに)(今度こそ、誰にも譲る気は、ない)
葬・祝 2021年8月10日
【〆】