【RP】酩酊
葬・祝 2021年7月13日
帰り道。
帰らないと、いけない時間。
お互いに、だんまり。
口を開いたら、良く分からないものが飛び出しそうで。
何故だか足元の覚束無い子に掛ける言葉すら、咄嗟には出て来なかった。
☪︎*。꙳
はふりとカフカ
https://tw6.jp/scenario/show?scenario_id=33633
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葬・祝 2021年7月13日
(あれは。あれは、何だったのだろう。甘くて、甘くて、なのにひどく優しくて。まるでじんと脳髄が痺れるようだったのに、口の中にはもう味のひとつも残っていなくて。さらりと、夢のように儚く消えてしまった。掴み取る前に指の隙間を通り抜けて消えてしまったそれが、何だか分からなくて、落ち着かない。分かったのは、……あれが、たったひとりへの。紛うことなき、この子への、己の想いとやらの発露だということだけだった)(変化。また、それか。想いなんて、知らないのに。分からないのに。心なんて、本当の感情なんて、知らなかったのに。分かれ、知れ、と目の前に突き付けられているような心地だった)
葬・祝 2021年7月13日
(自分のものじゃなくなるなら、見たくなんて、)
葬・祝 2021年7月13日
(ふるふると強く頭を振って、一度ぎゅっと目を閉じる。一瞬だけずきりと痛んだ胸には気付かない振りをして、深く呼吸をする)(そんなことより)(そう。そんなことより。どうしてか酔ってしまった様子のこの子を、連れて帰らなくてはならない)
…………、……カフカ、ちゃんと歩けますか?
(無理なら、封印を解いて元の姿で連れ帰るしかないだろう。この姿でも出来なくはないが、この子は嫌がる)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年7月13日
(足元はふらふら。敢えて思考を放棄した頭はぽけぽけ。悪霊の後ろをのろのろと着いていく)
…………ん、……お、おう
……、……悪ィな……おれは、だいじょうぶさ……
(回らない舌。辿々しい受け答え。今にも何かに足を取らて転びそうで見るからに危なっかしい)
(無効票)
葬・祝 2021年7月13日
(どうしてこんなにも酔ってしまったのかを、この悪霊は気付いていない。自分の千年以上に渡る無自覚に煮詰まった想いに当てられた、だなんて、分かるはずもない。一度足を止めて、やっと振り返って相手を見上げた)
……駄目そうですねぇ、完全にぽやっぽやじゃないですか、君。抱っこします?
(自分のことなんぞ二の次にして相手を見始めてしまえば、どんなに脳内が忙しくても行動は出来る。どうせ断られるだろうことを前提にしつつ、一応聞くだけ聞いてみることにした。完全に駄目になるまでは、まあ、嫌だと言われれば手でも引いて歩こう)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年7月13日
(抱っこ)(酩酊した脳はその言葉がどういう意味を指すのか少し時間がかかった)
…………いや、おれァ、ガキじゃねェんだぞ
……???
(大丈夫だから、と早足で歩き出す。探偵を名乗ることもあるというのに、こう頭が回らなくなる感覚は好きではなかった。だから人前で酔うことも極力避けているというのに――)
(なんて、自分に苛立ちながら歩いていれば、)
神狩・カフカ 2021年7月13日
(あなたを追い越した辺りで、すてーんと綺麗に躓いた)
(無効票)
葬・祝 2021年7月13日
(やっぱり断られたけれど)
ちょっとカフカ、あんまり急ぐと危な、……ほら言わんこっちゃない。
(足早に横を擦り抜けて行こうとする子供に、忠告をするのとほとんど同じタイミング)(すてーん、とまあ何とも綺麗に、弁明の余地さえ与えないくらい綺麗に、幼子のようにすっ転んだ)
葬・祝 2021年7月13日
(溜息)(やっぱり、自分が余計なことを考えているまでもない。どう考えたって、こんな訳の分からないものについて頭を働かせるより、今のこの子を連れ帰る方が大切だ。ちりん、と音ひとつ。鈴が外れる。瞬きひとつの内に、相手にとっては見慣れた青年が姿を現した)
だから言ったでしょう。意地を張らずにおいで、わたしの愛い子。
(相手が拒否しなければ。身長差なんて気にも止めず、まるで子供を抱えるのと変わらない素振りでそのまま抱き上げられるのでお気を付けて。別に誰が見ている訳でもなし、お社の手前できちんと下ろしてやるから大人しくしていて欲しい)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年7月13日
…………いてて……うー……ままならねェなァ
…………。
(情けないことこの上ない。転んだまま腕で顔を隠す。身体も重くて怠いし、このまま地面に融けてしまい心持ちだ)
………………………………わかったよ。
(さすがに目の前でこうも見事に転んでしまっては先程の大丈夫も説得力は皆無だ。大人しく抱き上げられたものの、表情は酩酊でふにゃふにゃながらも不服そうな形を作っていた)
(無効票)
葬・祝 2021年7月13日
(抱き上げた子供のぬくもりと心音は、何時もなら一番落ち着く心地好いもののはず。なのだけれど。どうしてか、今日はひどく落ち着かない。胸がざわつく)(……どうして、)(考えるな)
全く。……酔うようなもの、あの周辺になかったでしょうに。
(何時も通りに笑ってやって、揶揄うように。不服そうな表情は相変わらず隠せない素直な子供のようで、酔いでとろりとした蜂蜜のような瞳や赤く染まった頬とはひどく不釣り合いだ)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年7月13日
(不満はあるものの、慣れ親しんだこの体勢に自然と身も心も落ち着いていく。悪霊の心中など知らずに)
…………あの水…飲んだら……こうなっちまったンだよ……。
(批難混じりの声音。それが相手にどんな影響を及ぼすかなんて、頭が回るほどの余裕はなく。自分にとって、ただわかっている事実を述べただけに過ぎなかった)
(無効票)
葬・祝 2021年7月13日
(自分のこの姿より縦には伸びて越えた嘗ての幼子を抱く手は、心中はどうあれ澱みなく、慣れ切ったそれだった。相変わらず、見た目よりずっと軽い。着物で幾ら嵩増しした所で、この子は本当に肉も筋肉も付きづらい)(そうだ。幼い子供の面倒を見るように。物珍しい玩具を気に入って愛でるように。だって、私のもので。私の玩具で。そうやって、ずっと、)(それだけ、で)
…………、……あれ、の、せい……?
(批難混じりの声が告げた言葉に、頭をぶん殴られるような心地がした。ひやりと心臓が竦むような)(知られた?)(あの、良く分からない、あれを)(あれのせいで、こうなった?)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年7月13日
(あっ)(言ってしまった)
(いつもより頭は遥かに鈍いが、芋づる式に想定が行き着くところまで及ぶ。この言葉は“気持ちを識った”と同義ではないか)
…………いや、でも……なんで酔ったか、わかンねェことには変わりねェわな……。
(識らないふり。気づいていないふり。これが正解かはわからないが、今どうするべきか答えを導ける頭もない。自分で考えることを保留した)
(無効票)
葬・祝 2021年7月13日
(足だけは、澱みなく歩を進める。どんな時でも、どんな状態でも、迷わず歩き続けることだけは昔から得意だった。大抵は歩みを止めれば死ぬからだったけれど、こんな風に頭の中がいっぱいでも、意外と変わらず歩けるものらしい)
……そう、ですか。
(あの依頼に行く前、グリモア猟兵は何と言っていたっけ?)(「雫は、掬った者の想いに比例するように甘くなるのだそうだ。掬って誰かへ飲ませれば、想う気持ちをそのまま相手に伝えられる
」……?)(あれが、想い?あんなものが、自分の?)(そのせいで、……こうも、酔わせてしまった?)(どうして?)(知られた?)(何で、)(脳内が忙しくて、歩き続けることは出来ても、口数が少なくなる。多分、今、この妖は笑っていない)
(無効票)
神狩・カフカ 2021年7月13日
(歩むごとに揺れる感覚が心地よく、段々と意識がうつらうつらとしてくる)
……なんだよ。歯切れが悪ィなァ。
(やんわりと指摘するものの、それ以上は追求しない。追求できない。それは自分の気持ちを自覚することと同じだから)
(それでも、いつもの誂い混じりの会話がないと心配になる。表情も珍しく笑顔がなく、張り付いたように感じられて)
はふり? 大丈夫か? 重かったら、降りるぜ。
葬・祝 2021年7月13日
……君が重かったことなんてありましたっけ。本当に、相変わらず薄っぺらいんですから。
(口角を引き上げるように、薄く笑う。笑う。笑えている、はず。ずっと学んで来た人真似は、考えなくても出来るようになっていたのに)(想いって、何だろう)(私は、)(何を、)(この子に尋ねられないことが増えて、積み重なって行く。グリモア猟兵に言われた言葉を、確かに聞いていたはずの、この子。あれを口にして、どうしてか酔ってしまった、この子。想いとやらを、知られたかもしれない、この子は)(何も、言わない)(それは多分、この子は考えたくないのだ。知りたくない、のだろう)(私だって、……知りたくなんか、なかった)
葬・祝 2021年7月13日
(でも)(知れと、何度も突き付けられるように、痛くて、痛くて。何だか分かりもしないのに、ちくりと、じくじくと、胸の痛む日々が増えて行く。分からないのに。分かりたくもないのに)(“こわい”から“いや”なのに)
葬・祝 2021年7月13日
(でも)(でも、だって)(考えないと、いけなくて。知らないと、多分、駄目で。だって、駄目って、感情を知ってくれって、他ならぬこの子が、)(知らないと、いけなくて)(嗚呼、頭が痛い。自分が、× × ×が、)(根底から作り変えられてしまうようだ)(知ったら、多分。戻れない)(ぞっとする)(× × ×じゃなくなったなら、……私は、)
葬・祝 2021年7月13日
……良いから、大人しくしてなさいな。どうせ、飛ぶも歩くも今は出来ないでしょう?
(そっと、抱き上げた子供に頬を寄せた)
葬・祝 2021年7月13日
(……誰に、)(教えを乞おう?)
(。)
神狩・カフカ 2021年7月13日
好き好んで薄っぺらいわけじゃねェよ。
(いつも通りの反応が返ってきたので、いつも通り不貞腐れたような反応を返す。違和感は与えないはずだ)
(けれど、相手が笑顔の裏で何か考えあぐねているのは、どうしても伝わってくる。それはきっと相手も同じで――千年の付き合いから感じ取れる機微は侮れないものだ)
(それを無視するのは心痛いけれども、今の自分にはどうすることもできない。不甲斐ないことに)
(知って欲しいと言ったのは自分のくせに――)
神狩・カフカ 2021年7月13日
…………ん、そうする
。……、………………ありがとな。
(消え入りそうな声で告げる礼。寄せられた頬に、すりと微かに応えた)
(。)
葬・祝 2021年7月13日
(そっと擦り寄せられるぬくもりに、またじくじくと胸が痛んだ。預けられた重みが、寄せられた頬が、触れて伝わるぬくもりが。ずっと、ずっと、ずっと。この子の、愚かなほど無防備な全幅の信頼だと、知ってしまっていた)(それを
、)(……それを切り捨てて、なかったことにしてしまうなんて、)(自分には、出来ないのだ)(人間が恐れた未知。概念の集合体。それを、× × ×を本当の意味で殺して違う何かにしてしまえるのは、)(きっと)
葬・祝 2021年7月13日
帰りましょ、私の愛い子、可愛いカフカ。
(良いや、もう)(そっと呼んだ声は、ひどく優しくて甘かった。まるで、あの水のように)(殺されるのなら、この子が良い。私が私でなくなるのなら、この子のことでが良い。何かに作り変えられてしまうのなら、解明されて行く文明の智慧なんかよりも、どうかこの子の手で)
葬・祝 2021年7月13日
(腕に抱えた宝物を、もう一度、ぎゅっと抱き締めて)(そうして、妖は社へと帰って行く)(変わらない、何時も通りの光景。……たったひとつ。今日、変わったのは、)
葬・祝 2021年7月13日
【〆】