バトルオブフラワーズ⑩~エモくあるものは~
●兎は猛り立つ
まじびびった! だってモンキーやられてっし!
あいつあーしらの中で最強っていうか、誰も勝てる訳ねーって思ってたんですけど!
でもまあ、あーしが全員始末すりゃいいか。
なんつっても、あーしのユーベルコードは『絶対無敵バリア』!
どんな攻撃も、あーしには全部無効なんだから。それで負けるわけなくない?
まあ、エモいもの見ちゃったら、心が乱れてバリアも解けるけど……。
かわいい仕草とか、血だらけで立ち上がるとか、突然のパンチラとか、あーしのエモ基準かなりガバいけど……。
まーなんとかなるっしょ! アゲてくぞー!
●猟兵は並び立つ
「お前さんたちの働きのおかげで、エイプモンキーを撃破することが出来た。だが、まだ油断は禁物だよ」
猟兵たちを見渡して、サハル・マフディー(神の信徒は紫煙と共に・f16386)は腕を組みつつそう切り出した。
エイプモンキーの次に猟兵たちを待ち構えるのは、カワイイ怪人『ラビットバニー』。
如何なるユーベルコードも全て無効化する『絶対無敵バリア』を展開してくる難敵だ。
「本来なら、このバリアを破ってラビットバニーに攻撃を与える手段は無い……が、このバリアは強力であるがゆえに発動条件が厳しいようでね。
ラビットバニーが「エモい」と感じるものを目にして感情を乱せば、一時的にバリアが解除されるんだ」
ちなみにラビットバニーの「エモい」の基準はかなり緩い。
とにかく感情が大きく揺り動けばいいのだ。感動する方向でも、えっちな方向でも、猛り立つ方向でも、SNSでバスりそうな何かでも、やり方は何でもいい。ラビットバニーの心情に訴えかけることが出来る、ということが重要である。
とはいえ絶対無敵バリアがなかったとしても彼女が強敵であることには変わりない。相当の苦戦が強いられることは間違いないだろう。
「先に説明した通り、ラビットバニーのユーベルコードはその全てが先んじて絶対無敵バリアを展開する。このバリアの展開はお前達が行動するよりも早い。その点は注意しておくれ」
バリアを展開した後のラビットバニーは、赤べこキャノンによる攻撃と、うさちゃんカンフーモードに変身してスピードと反応速度を爆発的に増大させる行動を行ってくる。
また、両手の指先からシステム・フラワーズ制御ビームを放って花の足場を生成し、猟兵の動きを封じてくることもしてくるようだ。
「兎にも角にも難敵だ。一筋縄ではいかないことだろう。だが、お前達ならきっと勝てるはずだ。そこんとこ、忘れないでよろしく頼むよ」
屋守保英
こんにちは、屋守保英です。
キマイラフューチャーの戦争もいよいよ大ボスに手が届くところです。
頑張りましょう、皆さん。
●目標
・カワイイ怪人『ラビットバニー』×1体の撃破。
●先制攻撃
ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
●戦場・場面
(第1章)
システム・フラワーズの内部です。
咲き乱れる花々の足場の中で、ラビットバニーが待ち構えています。
それでは、皆さんの力の籠もったプレイングをお待ちしています。
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
👑11
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備傘・剱
エモい、ね?
いや、エモいかどうかは解らないが、一つ、試して見たい事をやってみるか
レプリカクラフトを使って、ラビットバニーの等身大フィギュア(精巧なの)を作るぜ
でこいつを使ってだ
恥ずかしさ耐性ON!
ダンスと誘惑を使って、その人形と蠱惑的に踊って見せよう
どうだ?自分人形が見知らぬ男にいい様に(物理的に)踊らされているのを見るのは?
…なんか、バリアが解けたら、その人形をラビットバニーに放り投げて煙幕罠発動
視界が利かず、呆気にとられている所を背後から暗殺を仕掛けるぜ
咄嗟に反応しても武器で受け流して、胸にOrthrusの一撃を入れるぞ
悪いな、手段を選んでる余裕は、ないんでよ
アドリブ、絡み、好きにしてくれ
●エモいとは、かわいい
辺り一面に花が咲き誇るエリア。
先陣を切って戦場に転移してきた備傘・剱(絶路・f01759)は、色とりどりの花が鮮やかに咲き乱れる中に、これまた色鮮やかな敵の姿を認めて、ほんの僅かに眉を寄せた。
「あーっ、猟兵!ついにあーしを倒そうってやって来たんね?絶対負けてなんかやんないし!てか負けるはずないし!」
そう声高に宣言しつつびしりと劔に指を突きつける、カワイイ怪人・ラビットバニー。
彼女の指先から淡い光が迸ると、彼女を守るように堅固なバリアが築かれていく。
これが、彼女が絶対的な自信を誇る守りの技。猟兵たちのあらゆるユーベルコードによる攻撃を無効化する、『絶対無敵バリア』だ。
それを見やり、嘆息する劔。その右腕がすっと横に伸ばされる。
「エモい、ね?とりあえず一つ、試してみたいことをやってみるか」
そう独り言ちつつ、伸ばした右手を軽く下げる。と、劔の腕に抱かれるようにしてラビットバニーが現れた。
「なっ……あーし!?え、それあーし!?」
唐突に現れた自分の姿に、動揺するラビットバニー。心情の揺れに反応してか、絶対無敵バリアが僅かに揺れた。
好機と笑った劔がほくそ笑むと。
「で、こいつを使って……だ」
そのままラビットバニーの手を取って、軽やかにステップを踏み始めた。
このラビットバニーは勿論本人ではない。レプリカクラフトによって劔が作り出した等身大フィギュアだ。結構造りが精巧なので、一見すると本物のように見える。
そのフィギュアの手を取って、劔はダンスを見せつけているのだ。本人に。
一見すると嫌がらせとも受け取れよう。趣味の悪い演出ともとれる。何しろ自分の模造品を勝手に作られ、見知らぬ男とのダンスを見せつけられているのだから。
だが。問題はラビットバニーの「エモい」の基準がユルユルな点である。
「踊らされるあーし……かわいい……」
事実、劔の手によって物理的に踊らされる自分の姿に、ラビットバニーは結構なエモさを感じていた。
ナルシストなのだろうか。それとも自分カワイイの領域なのだろうか。
ともあれ、エモさに浸るラビットバニーは、先程自分が目の前に張った絶対無敵バリアが解けていることに気が付かない。
「(よっし!)」
そして劔は、バリアが解けた事実を見逃さなかった。
ダンスの過程でぐるぐると回り、フィギュアを振り回すようにしてから、勢いをつけて
ラビットバニー目掛けフィギュアを放り投げる。
「え、はっ!?」
突然に自分の方へと放り投げられる自分の姿に、困惑しながら瞳を光らせるラビットバニー。目にも留まらぬ速度でフィギュアに一撃を入れると、そこからもくもくと煙幕が噴き出した。
そして煙幕に気を取られたラビットバニーの背後。
僅かに煙幕が揺らぐや、短刀Orthrusを構えて劔が突貫してくる。
「悪いな、手段を選んでる余裕は、ないんでよ」
「っ、遅いっての!」
劔の暗殺攻撃に素早く反応したラビットバニーがすぐさま振り向くと、劔めがけて立て続けに拳を繰り出した。
拳による乱打に、劔の身体が大きく押される。しかし劔の突き出す短刀は止まらない。
しかして全身を遍く打たれ、身体が悲鳴を上げる劔が撤退していく時。
ラビットバニーの胸元には、一筋の切り傷が刻まれていた。
苦戦
🔵🔴🔴
山梨・玄信
うーむ、エモいという概念が良く分からぬが。ちょとした芸でもしてみるかの。
【SPDを使用】
事前に瓦を500枚積んでおくのじゃ。(1枚1cm計算で5m)
敵がUCを使って来たらこちらもUCを発動し、見切りと第六感、ダッシュと逃げ足も使って全力回避するぞい。
そのまま瓦の所まで移動し、地面に衝撃波を叩きつけて高くジャンプ!気を込めた拳(グラップル+範囲攻撃)で一気に瓦を叩き割るぞい。
バリアが消えたら上着を脱ぎ捨てスピード勝負じゃ。
オーラを全力展開して、見切り、第六感を全て攻撃に傾け、鎧無視の2回攻撃UCを刺し違える覚悟で当てに行くぞい。
「わしが倒れても、仲間が何とかしてくれるはずじゃ!」
アドリブ歓迎じゃ
●エモいは、たかい
花の舞い散る戦場に、瓦が高く積み上げられていた。
一体こんなところに、何故こんなものが、と誰もが思うことだろう。
ラビットバニーも思っていた。遠目にでも見えるほど、高く積み上げられていたのだから。
「え、何あれ何あれ?なんか場違いなモンが出来上がってんですけど?」
絶対無敵バリアを張りつつ、ラビットバニーは地を蹴った。超スピードをそのままに、猛然と現場へと向かって行く。
そしてその場所には。
「ふぅ……げっ、もうやって来たというのか!やっと積み終わったところだというのに!」
瓦をこの場所に積み上げた張本人、山梨・玄信(ドワーフの破戒僧・f06912)が冷や汗を垂らしながら闖入者を見つめていた。
瓦の数、実に500枚。高さにして優に5mを越している。身長1mにも満たない玄信が、一体どうやってこんなに積み上げたのか、は今は置いておこう。
何故こんな場所で、わざわざこんな枚数の瓦を積み上げたのか。
ラビットバニーが瓦タワーを見上げているのにチラリと視線を送ると、玄信は仁王立ちになって拳を合わせた。
「さて、一芸披露させてもらおうかの」
「芸……?」
ラビットバニーが首を傾げた瞬間、仮面の向こうの瞳が誰に気付かれることもなく大きく見開かれた。玄信の姿が掻き消えたからだ。
咄嗟に上を向くと、身長の何倍もの高さを一挙に飛び上がった玄信の姿がある。
瓦タワーの最高点よりも高く飛び上がり、失速した玄信の身体が落下を始めると。
「うりゃあああ!!」
裂帛の気合が響き渡った。次いでバキバキバキ、と瓦が割れる音、音、音。
自由落下する勢いと、籠めた気の力で、次々に瓦を割っていく玄信が再び地面に降り立つ頃には。
500枚積まれた瓦が全て割られ、辺りに割れた瓦が瓦礫の山となっていたのだった。
「おぉー……」
パチ、パチ。ラビットバニーは思わず拍手していた。エモいというより、ヤバい。ヤバさのあまり自然と手を叩いていた。
「いやぁー、すごいわ今の。なにあの、びょーんって、びょーんってたっかいの。エモじゃんあれ」
「ありゃ、そっちにエモさを感じたのか……」
なんかエモ判定を受けたのが予想とはちょっと違うところで、玄信が頬を掻くも。
既にバリアは解除されている。すぐさまに道着の上衣を脱ぎ捨てた。
「ともかく、覚悟じゃ!」
「あっ、ずりーし!」
オーラ防御を全開にして、ダガーを片手に突っ込んでくる玄信。そのスピードを上回る速度で、地面の花を蹴散らしながらラビットバニーが側方に体を入れて回避を試みる。
玄信のダガーを紙一重で躱し、身体が通り過ぎた次の瞬間に、裏拳を叩き込むように拳を入れる。拳は玄信の背中を捉えると、後方に抜けていく身体をさらに早く吹き飛ばしていった。
しかし玄信もそこを読んでいなかったわけではない。自分目掛けて襲ってくるその腕にむけてダガーを振るっていた。身体目掛けて振るった攻撃はフェイント、本命は躱された後の追撃を迎撃する一刀だ。
「わしが倒れても……仲間が何とかしてくれるはずじゃ……!」
花の咲く地面に頭から突っ込みながらも、意思の炎を消さない玄信。
その呟きを聞き取ったラビットバニーが、腕を押さえながら噛みつくように反論した。
「仲間がどれだけ来たって、あーしのバリアで全部弾き返してやるし!」
苦戦
🔵🔴🔴
レーヴェ・ナハトシッフ
エモさか……
敵の先制攻撃時
アガトをかばいながら武器受けでダメージを減らし
背中越しに語り掛ける
アガト……傭兵として、お前の思いは狂ってると俺も思う
傭兵は敵に容赦しないし、猟兵としても世界を滅ぼす過去を友達とになる必要はない
だが、戦友としては応援する
過去があるから今を生きて未来へと歩める
だから……過去の為に死ぬな
過去の残照を発動
俺の魂を創造して
足までくれた弟のように死ぬな
アガトの花びらに混沌の水を纏わせて強化
自身は接近戦を仕掛け、敵が攻撃した時に
敵の後ろに出現してバックアタック
後ろに出現が読まれてカウンターされそうになったら
カウンターで振り向いた時に後ろへ
それと炬燵紛失をばらすにゃ(噛
アドリブ歓迎
アガト・シレスティアル
エモさにゃ?
敵の先制攻撃時はレーヴェにゃんに隠れながら
赤べこキャノンをガトリングで相殺するにゃ
「……しゃーん」(BGMを口のスピーカーから流してエモさを高める
ふに……レーヴェにゃんにそう言われるとへこむにゃ
うにゃ!にゃん銃士仲間のレーヴェにゃんが応援してくれて嬉しいにゃ!
なるべく死なないにゃ!
決意のネリネ起動
シャーくんのガブガブ以外のモードを全て花びらに変えて
敵だけを攻撃
痛みは激痛耐性で我慢にゃ
こちらへの攻撃は大食いと武器受けで食べちゃうのにゃ
バニーさん!ここはにゃーが守りたい人達がいられる場所だから
ここから帰ってもらうにゃ!
後地割れでここに落ちたレーヴェにゃんの炬燵知らないにゃ?
アドリブ歓迎
●エモいは、こころにくる
「エモさか……」
「エモさにゃ?」
「しゃーん?」
レーヴェ・ナハトシッフ(風を纏う傭兵獅子・f04940)とアガト・シレスティアル(葛藤は終わらない。抱いた思いは目的と矛盾し続ける。・f03547)、そしてアガトの鮫剣のシャーくんは、揃って腕を組んでいた。シャーくんはヒレを組んでいた。
改めて絶対無敵バリアを張ったラビットバニーが、寄り添うようにして現れたレーヴェとアガトに視線を向ける。
「えっ、なになに?猟兵、あーしに今度は何を見せようって?言っとくけどあーし、並大抵のエモじゃ心動かないって……」
「バニーさん、地割れでここに落ちたレーヴェにゃんの炬燵知らないにゃ?」
「はい?」
唐突な問いかけにがくっと膝を折るラビットバニー。そんなアガトに視線を落としながら、眉をひそめてレーヴェが口を開く。
「アガト、炬燵紛失をばらすにゃ……あっ」
レーヴェが語尾を噛んだ途端に。
ラビットバニーがガクッと膝をついた。同時に霧散する絶対無敵バリア。
「エッッッモ……高身長イケメンネコ科キマイラの語尾「にゃ」……かわいいが過ぎるっしょ……尊い……」
「えっ……」
「えぇ……」
予想だにしないところでエモ判定を食らい、呆気に取られるレーヴェとアガト。
シャーくんもぽかんと口を開いていたが、すぐに気を取り直した。ラビットバニーを追撃するために口のスピーカーからエモさを高めるBGMを流し始める。
「……しゃーん」
「シャーくん偉いにゃ!レーヴェにゃん、今のうちに始めるにゃ!」
「えぇぇ……今、ここからか……?」
アガトに促されて困惑するレーヴェだが、今こそ好機。きっとまなじりを決して過去の残照を発動させる。
刹那、レーヴェの膝から下が消えた。極彩色の炎のごとき水に覆われた足に、両目を覆う緑の鉢巻き。過去、いずれかで存在していたであろう姿に変身したレーヴェの両手から、ラビットバニーに向けて思念波が放たれる。
思念波に身体を打たれ、はっと顔を上げた時には遅い。既にレーヴェもアガトも攻撃態勢を整え終わっている。
「くっ……!エモさに浸ってたってのに、ずるいっての!」
赤べこキャノンを構え、レーヴェめがけて撃ち放つラビットバニー。アガトを庇うように前に立ったレーヴェの後ろから、ガトリングモードになったシャーくんから放たれた弾丸が何十も放たれた。
アガトをその背に庇いつつ、思念波を飛ばしながらレーヴェは口を開く。
「アガト……傭兵として、お前の思いは狂ってると俺も思う。
傭兵は敵に容赦しないし、猟兵としても世界を滅ぼす過去を友達とになる必要はない」
「ふに……レーヴェにゃんにそう言われるとへこむにゃ」
友人の冷徹な言葉に、アガトの耳と尻尾がしゅんと垂れる。
しかし、真正面を見据えて攻撃を加えたままで、友人をその背に庇いながらレーヴェは言葉を続けた。
「だが、戦友としては応援する。
過去があるから今を生きて未来へと歩める。だから……過去の為に死ぬな。俺の魂を創造して足までくれた弟のように死ぬな」
「うにゃ!にゃん銃士仲間のレーヴェにゃんが応援してくれて嬉しいにゃ!なるべく死なないにゃ!」
「ああもう!なんなのあんた達!エモさであーしを殺す気!?殺す気なの!?エモさビンビンであーしもう立ってらんないんだけど!
もっと聞かせて!その話もっと!特にイケメンの方の弟の話!」
攻撃を受けながらも、ラビットバニーは迸るエモさに身悶えしていた。それはもう水揚げされたマグロのようにごろんばたんと悶えていた。
しかし望み通りに話してやるほど二人はお人好しではない。ガブガブモードのシャーくん以外をネリネの花びらに変えたアガトも、その花びらに混沌の水を纏わせるレーヴェも、二人揃って無言のままだ。
しかして、舞い散るネリネの花びら。
「バニーさん!ここはにゃーが守りたい人達がいられる場所だからここから帰ってもらうにゃ!」
「地に足がつかず、浮いてる感覚が久しぶりだな」
「ちょっ、やめっ、もっと聞かせてぇぇぇ!」
ネリネの花びらに巻かれながら、混乱の只中にいるラビットバニー。
しかしその表情はエモを最大限補充できたためか、アガトのユーベルコードの効果で痛みがなかったためか、幸せそうだったと言う。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
スパイニア・ソーン
アドリブ連携歓迎
『エモい』
語源は諸説あるようだが、要は心を揺さぶればいいのだろう。
幻惑や魅了も得意分野だ。さて、どう突破しようか。
システム・フラワーズ内の花々とUCの墨蝶を使って即席のフラワーゲート(庭園の入り口にある様な花で飾られたアーチ)を作成
インスタグラマーも真っ青な盛り盛り仕上げでバニーの気を引こうとするぞ。
アーチのアクセントには【迷彩】で華やかに偽装した墨蝶を配置
一撃で仕留められるよう、門には10匹配置しよう。花に隠れた蝶をお前は見つけられるかな?
バニーが門をくぐればしめたもの。
その先にあるのは致命の一撃と知れ。
バリアが解けたのを確認し、潜んでいた死角から蝶と共に毒矢を撃ち込む。
●エモいは、きれい
花びらに巻かれ、きりきり舞いさせられたラビットバニーが目にしたのは、一つのフラワーゲートだった。
「エモい。語源は諸説あるようだが、要は心を揺さぶればいいのだろう」
フラワーゲートの傍で身を隠すようにして、スパイニア・ソーン(致命の一矢・f03958)はラビットバニーの様子を伺っていた。
フラワーゲートはシステム・フラワーズの花々を使って、即席で作り上げたものだ。だが、ただ花で飾られているだけではない。スパイニアのユーベルコードで召喚された、墨色の蝶が合計10羽、主と同じように身を潜めて機を伺っている。
「やっべ……きれいじゃーん……」
絶対無敵バリアを張った傍から、インスタグラマーも真っ青な、即席で作ったとはとても思えないような装飾盛り盛りのフラワーゲートを前にして、ラビットバニーのエモさゲージはメーターが振り切れそうだった。
バリアが解かれていることに気付く間もなく、ふらふらと吸い寄せられるようにゲートに近づいていくラビットバニー。
ゲートの中に入るようにして、ほわわーんとしながら花に手を伸ばすと。
「いった……!」
途端にちくりとした痛みを感じて手をひっこめるラビットバニー。その手の甲には毒の塗られた矢が深々と突き刺さっている。
傷を負ったその身体に、フラワーゲートから抜け出した墨色の蝶が次々と襲い掛かっていく。蝶にまとわりつかれるラビットバニーにさらに攻撃を加えんと、スパイニアがフラワーゲートの影から飛び出した。
「その先にあるのは致命の一撃と知れ!」
「っ、そこかー!」
ようやく攻撃主の姿を認めたラビットバニーが、スパイニアの立つ足元を目掛けて制御ビームを放った。すぐさまに、足元の花の足場が蔦と化してスパイニアの青い肌をした足を絡め取る。
「くっ……!」
「っ、いったた……よくもやったなぁ……あっちょ、やめやめ、来るなー!?」
動けなくなったスパイニアを追撃しようと地を蹴るラビットバニーだが、黒蝶に邪魔されて思うように動けない。
身動きが取れない状況に歯噛みしながらも、スパイニアは改めて弓の弦を引き絞った。
苦戦
🔵🔴🔴
高柳・零
POW
玄信さん(f06912)と参加
「倒れるにはまだ早いですよ!」
玄信さんを応急手当して起こします。
「あなたには重要な使命があります。…そう、ヌギネタという重要な使命が!」
「え、もうやった?上半身裸なんて中途半端な事するから苦戦するんですよ。どうせなら全裸になって禁断の超速モードにならないと」
…ナチュラルに漫才をします。
「忘れてました!戦闘中でしたね」
玄信さんに持ってもらい、文字通り「盾」になります。
オーラを全力で盾に纏わせ、無敵城塞も発動します。
「玄信さん、盾受けのやり方は自分が指示を出します」
接敵したら鎧砕きを2回攻撃で叩き込み、敵の防御力を下げて味方に繋ぎます。
「これがコンビ芸です!」
山梨・玄信
零殿(f03921)と参加
【POWを使用】
「零殿すまんの…ってネタじゃないわ!UCじゃ!あやつには及ばなかったがの」
「やったら大問題じゃから禁断なんじゃ!消されたいんかお主は!」
「お主救援で来たんじゃろ?行くぞい」
敵のUCには零殿を盾にし対抗するぞい。ダメージ重視ならわしのオーラも零殿に被せ、見切りで軌道を読んで力を逸らしながら受けるのじゃ。
命中、回数重視なら自分にオーラを纏い、今までの戦闘で見た敵の攻撃の癖から第六感と見切りでパターンを読み零殿に伝え、指示に従って攻撃を受けるぞい
攻撃は一気に距離を詰め、零殿を敵の顔面に投げつけ、零殿が作った鎧の凹みに2回攻撃で灰塵拳をぶち込むぞい
「芸かい!」
●エモいは、おもしろい
「倒れるにはまだ早いですよ!」
毒矢に翻弄され、ふらつく頭を押さえるラビットバニーの視界の中。
花の咲き乱れる地面に頭からダイブしていった玄信を助け起こす、高柳・零(テレビウムのパラディン・f03921)の姿があった。
玄信の背中に作られた打撃痕に回復のユーベルコードをかけながら、零は玄信の顔を覗き込んで力強い表情を画面に表示させる。
「あなたには重要な使命があります……そう、ヌギネタという重要な使命が!」
「零殿すまんの……ってネタじゃないわ!UCじゃ!あやつには及ばなかったがの」
「え?ちっさいおっさんの半裸になったのってネタだったん?」
「違うわ!」
零がナチュラルに差し込んでくるボケに、即座に玄信がツッコミを入れた。その阿吽の呼吸、まさしく職人芸である。
絶対無敵バリアを展開後、何故かそこにちょいちょい言葉を挟んでくるラビットバニーが、実にいい味を出していた。
「え、もうやった?上半身裸なんて中途半端な事するから苦戦するんですよ。どうせなら全裸になって禁断の超速モードにならないと」
「やったら大問題じゃから禁断なんじゃ!消されたいんかお主は!」
「え?そのおっさん全部脱いだらそんなすごいん?」
「誰もそんなこと言っとりゃせんわ!ああもう滅茶苦茶じゃ!」
ギリギリなボケをかます零の頭を、ぴしゃりとはたく玄信。零の頭はテレビなので、硬い。叩いたらもちろん、痛い。
玄信が手を振るそこに、これまたナチュラルにボケるラビットバニー。予想外の方向からも飛んでくるボケに玄信は頭を抱える他なかった。
予想だにしていなかったダブルボケ。観客がいないことだけが惜しい。
もう収拾がつかない大変な状況に、玄信が零の身体をひょいと抱え上げた。
「お主救援で来たんじゃろ?行くぞい」
「忘れてました!戦闘中でしたね」
「そこ忘れんじゃねーし!」
もうすっかり漫才の様相を呈している。零と玄信の息の合ったやり取りに完全に乗せられていたラビットバニー、すっかりバリアが霧散してしまっている。
かくしてなし崩し的に始まった戦闘。玄信と零の取る戦術はなんとも独特だった。
零が盾を構えて無敵城塞を発動させる。その状態の零を玄信が抱えて盾にする。
零がテレビウムで、身長が40センチメートル弱だからこそ取れる作戦だ。
「玄信さん、盾受けのやり方は自分が指示を出します」
「任せたのじゃ」
こくりと頷き合う玄信と零。苦々しげにそんな二人を見たラビットバニーが、肩に担いだ赤べこキャノンの照準を向ける。
「そんな程度であーしの赤べこキャノンを防げるなら、防いでみろし!」
刹那、吐き出される紅色の弾丸。それが何発も。
攻撃回数を重視し、砲弾を連射するラビットバニーの真正面に立った玄信が、零を眼前まで持ち上げた。
「さぁ、行くぞ!」
「はい!玄信さんお腹まで下げて!」
一発目の砲弾が零のすぐそばまで迫った瞬間、零の身体が下げられた。盾の真ん中にぶつかった砲弾が砕け散る。
次いで二発目、右肩の位置。三発目は顔。零の的確な指示に従い、玄信は撃ち出される砲弾を次々に防いでいく。
ほぼ同時に放たれた砲弾を防ぎきれずに、何発か零が砲弾を受けたものの、無敵城塞の効果で傷一つ受けてない。
そうして防御を固めながら、二人はじりじりとラビットバニーとの距離を詰めていった。
「なんなん……なんなん、あんたたち!」
攻撃の悉くを防がれ、困惑をあらわにラビットバニーは叫んだ。砲弾の嵐が途切れたところで、盾を下ろした零が自信満々に声を張る。
「これがコンビ芸です!」
ドヤ顔を決める零がちらと上を向くと、玄信は抱えた零を大きく振りかぶった。
そして。
「芸かーい!」
吼えながら、玄信は零を投擲した。
ラビットバニーに向かって投擲した。
凄まじい速度でラビットバニーに接近する零。攻撃直後で隙を突かれたラビットバニーは動けない。
接敵間際、無敵城塞を解除した零が続けざまに剣を二度振るう。ラビットバニーの顔面に傷が、びしりと走った。
そして、束の間を置いて。
「これが、わしと零殿の、コンビネーションじゃ!!」
ダッシュで一気に距離を詰めてきた玄信が、その拳をウサギの仮面へと叩き込む。
零が付けた傷に向かって、寸分違わぬ位置にまず一発、続けざまにもう一発。
ラビットバニーの顔面に、大きな大きな亀裂が走った。
「うっそだぁ……つえーし、おもしれーし、息合ってっし……ドチャクソエモじゃん……」
後方に傾ぎながら、エモを吐き出すラビットバニーの身体が、花びらと一緒になって消えていく。
最高のコンビネーションを発揮し、強大な敵を滅してみせた玄信と零は、互いに握った拳を打ち合わせて、お互いの健闘を讃えるのだった。
成功
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