バトルオブフラワーズ⑩~ラビットバニーをエモ倒せ!
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「あの格好(おっぱい)でカワイイ怪人とか、あざとすぎると思いますにゃん!」
シャムテイル・イルミナス(カシミール・キトゥン・f05642)が開口一番そうのたまう。お前は自分の格好を見て言ってるのかとかツッコミを入れている余裕は無い。何しろ、システム・フラワーズへの通路をまたひとつ進むことができたのだから。
「第二の関門は、『カワイイ怪人『ラビットバニー』』が守ってますにゃん。例によって、ここの花の空間は今、先に進めない状態ですにゃん」
システム・フラワーズの中枢に繋がる空間『咲き乱れる花々の足場』。この場に降り立つと、花の足場が形成され、次に進めるのだが、今はどこに降り立ってもラビットバニーの元に繋がっている状態だ。
また、ラビットバニーも強大なオブリビオンであるため、倒されてもすぐに復活する。しかし、短期間のうちに許容限度を超えるほどに撃破を続ければ、その復活を阻止できる。
「アタシが予知(み)たのもそうやって復活したラビットバニーにゃ。そこを皆で襲撃して撃破して欲しいのですにゃん」
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「ラビットバニーは『絶対無敵バリア』に覆われていますにゃん」
それはラビットバニーの特殊な能力だ。そのバリアが展開されている限り、ラビットバニーにはありとあらゆる攻撃が効かない。その名の通り、絶対に無敵なのだ。
「ただ、突破口はありますにゃ。それは……ラビットバニーに『エモい』って感じさせることですにゃん!」
そう、このバリアはラビットバニーが『エモい』ものを目撃した時に一時的に解除される。その瞬間に攻撃を叩き込むのだ!
「ちなみに、ラビットバニーのエモ基準は結構ゆるゆるですにゃ……」
例えば、かわいさ、男らしさ、おもしろさ、血だらけで立ち上がる様子、突然のパンチラ、イケメンの壁ドン、水を吐き出すフグなどジャンルは問わず。要するに『SNSではやりそうなやつ』はだいたいエモいと感じるようで、それらを目撃するとバリアが解除される。
「個人的にはギャップ萌えを推しますにゃん」
これはシャムテイルの単なる趣味である。ただ、この発言も的外れではなく、エモさが狙えないと思った時は、萌えや尊死などを狙ってもいいかもしれない。
「バリアをエモ破るのが大前提ですにゃん。その上で戦うラビットバニー、こちらもまた油断のできない猛者ですにゃん」
そのため、戦闘に関する行動をてきとーにしているとあっさり返り討ちにあう。バリアの解除とラビットバニーとの戦闘、両方をしっかりやらないといけないのが猟兵の辛いところだ。
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「そうそう、アタシが予知た個体は、エモが過ぎると隙が出来るみたいですにゃん」
具体的に言うと、エモがクリティカルヒットすると吐血して動かなくなる。さらにエモが最果てまで届くと血文字でダイイングメッセージを書き始める。
「そこまで行ければボコり放題ですにゃ」
まぁ狙ってやるには厳しいかもしれないが、仮にその状態になったらボーナスタイムと思って、全力を叩き込んで欲しい。
「というわけで、皆のエモをお待ちしてますにゃん!」
るちる
はじめまして、あるいはこんにちは、るちるです。
ツイッターでのるちるを知っている方は、ラビットバニーのエモさ基準を普段のるちるだと思って、萌え攻撃を仕掛けると簡単なのでは、と思った次第です。
冗談はさておきまして、注意事項いきますねー。
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ラビットバニーは必ず、猟兵に先制して『絶対無敵バリアを展開するユーベルコード(POW、SPD、WIZ)』を使ってきます。
絶対無敵バリアは本当に絶対無敵で、あらゆる攻撃を無効化しますが、「ラビットバニーがエモい物を目撃する」と、精神集中が乱れてバリアが消滅します。
ラビットバニーのエモい基準はかなりユルいので、バリアの解除は比較的容易と思われますが、バリアなしでも彼女は相当の実力者です。
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このため、プレイングには『ラビットバニーをエモらせること』『戦闘も舐めずにしっかり仕掛けること』のふたつが必要となります。
エモいって言葉に対する感覚は人それぞれです。そのため、基準を狙わずに、『俺(僕/私)はこれがエモい!』と思うことを仕掛けてください。あ、18禁はエロもグロもダメですよ!
それでは、皆さんのエモをお待ちしていまーす。
第1章 ボス戦
『カワイイ怪人『ラビットバニー』』
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POW : 赤べこキャノン
【絶対無敵バリア展開後、赤べこキャノン】で対象を攻撃する。攻撃力、命中率、攻撃回数のどれを重視するか選べる。
SPD : うさちゃんカンフー
【絶対無敵バリア展開後、兎面の目が光る】事で【うさちゃんカンフーモード】に変身し、スピードと反応速度が爆発的に増大する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : おはなハッキング
【絶対無敵バリア展開後、両手の指先】から【システム・フラワーズ制御ビーム】を放ち、【花の足場を自在に操作する事】により対象の動きを一時的に封じる。
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●システム・フラワーズ内部
『咲き乱れる花々の空間』で『カワイイ怪人『ラビットバニー』』はゆっくりと立ち上がる。今まさに復活をしたばかりの彼女は、ストレッチをしながら周囲を見渡す。まだ猟兵は来ていない。
「ま? あーしには『絶対無敵バリア』があるし? 今まで負けたのはちょっとした油断だし、ここから本番ってヤツ!」
そう、バリアを破られない限り、彼女に敗北はあり得ない絶対に。破られない限り。
「あーしのエモ基準かなりガバいけど、いくら猟兵でもそうそうエモいもの持ってこれないっしょ? よゆーよゆー!」
胸を反らして、アッハッハと笑うラビットバニー。その周辺に流れてくる花の足場。その上には猟兵たちがいる。
「よっしゃー、あーしの実力が爆発するトコ、見せちゃうゾ!」
そんなわけで戦闘開始である。
松苗・知子
心情?
エモい。エモいってなんだ。
それは……可愛いってことよおお!たぶん
エモさ:
中くらいの大きさの土鍋を用意するのよ。
土鍋を手に近寄って、おもむろに妖狐の能力で狐変身!土鍋にすぽっと収まって猫鍋ならぬ狐鍋で可愛さアピールよ。
鍋に合わせて体を丸めて、ちょっと頭を出して、無垢な感じで小首を傾げるわけよ
「きゅーん?」
みたいな!
戦闘:
うまいことバリア解除出来たら(ダメなら全力で逃げるわ)
変身解除しつつユーベルコードでお札を早撃ちよ「ばらーじしゅーと!」
射撃後即座に特殊警棒を構えながら、弾幕を盾に近接戦を挑む、という【フェイント】を掛けて、近距離から再度爆雷符乱れ撃ちよ。
後は【逃げ足】を活かして全力で逃走
●一番・もふもふ!
松苗・知子(天翔けるお狐・f07978)はラビットバニーを前に、瞳を閉じてエモを描いていた。
(エモい。エモいってなんだ)
それは問いかけ。そして既に答えを導き出した問い。くわっと眼を見開いて彼女は魂を叫ぶ。
「それは、『可愛い』ってことよおお!! ……たぶん」
たぶん。
●というわけで
すたすたとラビットバニーに歩み寄っていく知子。その手には中くらいの土鍋が抱えられている。
「はっ、わざわざあーしのま……?」
うさちゃんカンフーモードになったラビットバニーに、ばっ、と知子が鍋を持っていない方の手をかざす。その手には何も握られておらず、広げた掌はむしろ制止を表わしている。
『皆まで言うな』
何かが起こる。そんな気配を感じ取った、空気を読める女ラビットバニーは構えを解いて、知子と相対する。かくして二人はちゃぶ台でお鍋を囲めるくらいの距離まで接近する。
ことり、と鍋を床に置く知子。それを見つめるラビットバニー。そして。
ぽん! ぽふっ。すとん。すやぁ。
「……ごふっ!? え、エモ、い……」
次の瞬間には、ラビットバニーが口元を押さえて崩れ落ちていたのでした。
●説明しよう!
何が起こったのか。
ラビットバニーが鍋の中を覗き込んだ瞬間、知子は妖狐の能力である狐変身にて、もふもふの狐姿になったのだ。
そして空中からふわっとした音を立てて鍋に着地。そのまま、鍋の中に収まるように体を丸める。
そこからひょこっと顔を出して。
「きゅーん?」
無垢な感じで小首を傾げた。そう、これは猫鍋ならぬ狐鍋で可愛いアピール作戦!
不意に視界の外から降ってきたもふもふ狐の『鍋に合わせて体を丸めて、ちょっと頭を出して、無垢な感じで小首を傾げるわけよ』ポーズに、ラビットバニーが耐えきれるはずも無く。
吐血した。ついでにバリアもぱりーんと割れた。
●可愛さの勝利
(よし!)
心の中でガッツポしながら変身解除する知子。その手には既にどこからともなく取り出した知子謹製の陰陽札が握られており。
「ばらーじ! しゅーと!」
間髪入れず、ユーベルコード『爆雷符乱れ撃ち』を発動する! 至近距離な上に吐血していて動けないラビットバニーに対して、弾幕の如くお札が乱れ飛ぶ。
そして起爆。
「ウソォォォォ?!」
連鎖するお札の爆発に見事吹っ飛ぶラビットバニーでした。あ、知子は逃げ足活かして一気に爆発件から離脱済です!
成功
🔵🔵🔴
ルルティア・サーゲイト
「エモい、というのはよく分からぬが……こういう事か?」
するり、と下着を引き抜きひらひらと晒す。
「足りぬか、足りぬじゃろうな。では、これでどうじゃ?」
下着をぽいっと捨てるとぺりっと肌色の何かを剥がす。
「さて、これで妾は正真正銘本気(ではいてない)モードな訳じゃが」
単純な速度勝負では獲物が大きい分妾が不利。で、あれば妾の利点はただ一つ。素手では届かず、大鎌で届く一瞬の距離に一撃で斬り捨てる。
「残影……舞踏陣ッ!」
はらり、と着物の裾が舞う……妾は、常に肝心な部分は見えないように鍛錬を重ねている! 見えはせぬ、しかし不動でもない。見えそうで見えないという事が肝要じゃよッ!
●二番・セクシー!
悲鳴をあげながら吹っ飛んできたラビットバニーがルルティア・サーゲイト(はかなき凶殲姫・f03155)の近くに不時着する。
「くっ、今度は油断しないし!」
ルルティアの姿を見て絶対無敵バリアを張り直すラビットバニー。ついでにうさちゃんカンフーモードに突入だ。
相対したルルティアは、ふむ、とひとつ頷き。
「エモい、というのはよく分からぬが……こういう事か?」
『浮世の夢』と名付けられたフリル盛り盛りな和洋折衷お着物の裾から、するりと下着を引き抜き、ラビットバニーの前でひらひらと晒す。
「いやいや、情緒もないエロスはただのエロっしょ? エモさとは全然ちがくない?」
「足りぬか、足りぬじゃろうな。では、これでどうじゃ?」
「そうじゃなくて」
下着をぽいっと捨てたルルティアは、もうひとつ、ぺりっと肌色の何か(何かはひみつ♪)も剥がしてぺいっと。
「さて、これで妾は正真正銘本気(ではいてない)モードな訳じゃが」
「ちょ、あーしの話聞いてる?」
カンフーモードのまま、ラビットバニーもツッコむレベルの展開である。
だが、ルルティアは至って大真面目だ。
(単純な速度勝負では獲物が大きい分妾が不利)
であるならば。取る手はただ一つ。素手では届かず、大鎌で届く一瞬の距離に一撃で斬り捨てる。気合と共に放つそのユーベルコードの名は。
「残影……舞踏陣ッ!」
一太刀で仕留める、彼女の必殺の間合い。これまでの流れで下着だけ脱いでいるので大鎌の刃はさらに加速している。
しかし。
「アンタ、あーしのこと舐めてんね!」
エモが足りない。絶対無敵バリアはいとも簡単に『残影舞踏陣』を受け止める。
「ぶっ飛べー!」
カウンターに放たれるうさちゃんカンフーの拳がルルティアに直撃するその寸前。
はらり。
浮世の夢の裾が舞う。そんなミニスカ丈の着物の裾が舞って翻ったら……見えてしまう。見え、見え……見えない!?
「これが伝説のチラ見せってヤツーー!?」
目の前の光景に思わず攻撃をやめて叫ぶラビットバニー。
「妾は、常に肝心な部分は見えないように鍛錬を重ねている!」
くるりと回転しながらルルティアが宣言する。そう、裾が何度はためいても。
「見えはせぬ、しかし不動でもない。『見えそうで見えない』という事が肝要じゃよッ!」
「そっちできたかぁぁぁぁぁぁ!!」
ぱりーん、と割れる絶対無敵バリア。『残影舞踏陣』で放たれていた大鎌の刃がざっくりラビットバニーに突き刺さる。
「ぎゃー!?」
「もう一発じゃー!」
「やめるし!?」
ルルティアの『残影舞踏陣』がラビットバニーの肌をざっくざっく面白いように斬り裂いていく。その攻勢にラビットバニーは慌ててこの場を逃げ去るのだった。
成功
🔵🔵🔴
太宰・セノフォンテ
セノ:私、丁寧な口調、態度、遠距離担当
ゼノ:俺、粗野な口調、態度、近距離担当
いいでしょう、それでは秘されし策の使い時と見ます
いでよネコミミヘアバンド!
ちょい強面の紳士が大真面目のネコミミをつけているそのギャップに!
『イカした悪めのおっさんがネコミミつけて悪ぶるそのギャップに!』
あ、あなたは耐えられますかな!?
『セノ、最後で照れんな真面目にやれ』
ま、真面目ですとも! ですがこのような、ああもう! いかがでしょう!?
戦闘
二人掛かりでボコる
前衛のゼノを後衛のセノが制圧射撃等でアシストしつつ攻撃を加える
基本は一人に意識を割くともう一人が攻撃してくる感じ
「やらせませんよ!」
『俺を前によそみすんなよォ!』
●三番手、あやしくないですよ(ぴこぴこ)
ラビットバニーが逃走した先へ回り込んだのは太宰・セノフォンテ(多重人格者のガジェッティア・f06439)であった。その姿を確認したラビットバニーは絶対無敵バリアを展開。うさちゃんカンフーモードの構えを取る。
「いいでしょう、それでは秘されし策の使い時と見ます」
紳士然たる口調のセノフォンテが言葉を紡ぐ。見た目の悪人度が非常に高いが、彼は善人である。それはさておき。
セノフォンテの用意した秘策が今、ここに!
「いでよ! ネコミミバンド!」
手品の要領でぽーんと。シルクハットの下から現れるネコミミバンド(ぴこぴこ動いている)。もちろん頭に装着された状態でだ!
「ちょい強面の紳士が大真面目にネコミミをつけているそのギャップに!」
「イカした悪めのおっさんがネコミミつけて悪ぶるそのギャップに!」
セノフォンテの口調が変わる。それは彼の中のもうひとつの人格、粗野な性格たるゼノフォンテのもの。セノとゼノ、これがセノフォンテという猟兵を成す人格たち。
「あ、あなたは耐えられますかな!?」
再びセノに戻り、ラビットバニーへ問いかける。その様子に不満があったのか、ゼノが浮かび上がってくる。
「セノ、最後で照れんな真面目にやれ」
「ま、真面目ですとも! ですがこのような、ああもう! いかがでしょう!?」
ゼノの追及に抗議するセノ。とりあえず振り切ってラビットバニーへ突き付ける、ネコミミを!
そこには吐血してうずくまってるラビットバニーがおりました。あ、ぷるぷる震えておりますぞ。
「今です!」
セノが『オルタナティブ・ダブル』を発動。もうひとりとして顕現したゼノがセノと並び立ち、ラビットバニーを二人掛かりでボコ……じゃない、攻撃を仕掛ける。
だがそこはラビットバニー、なんとか持ち直してうさちゃんカンフーモードで構え直す。
「くっ、これにネコしっぽがついていて、にゃーんとかやられたら、マジ昇天してたし!」
「なるほど、その手が」
「やらせませんよぉぉぉぉ!!」
ラビットバニーの攻撃をけん制しつつ、ゼノの言葉に割り込むセノの射撃。色んな意味で危険が危ないところだった。
セノの制圧射撃でラビットバニーがたたらを踏んだところへ。
「俺を前によそみすんなよォ!」
ゼノが殴りかかる。ゼノの攻撃に意識を割いた瞬間、セノのヘッドショットがラビットバニーを撃ち抜く。
「アンタら、面倒!」
「それは光栄、といっておきましょう」
セノとゼノの絶妙なコンビネーション。それはラビットバニーを撤退させるに十分な攻勢であった。
成功
🔵🔵🔴
ノエル・キャロル
ばばーんと取り出したのは自作紙芝居
下手っぴだけど気持ちを込めて一生懸命描いたの
一番を目指す、短気で口が悪い、けれど本当はとても優しい少年騎士とどんくさいお姫様の物語
歩くのが遅いお姫様を少年騎士は文句を言いながらも見捨てず背負ってくれて危ない時には率先して守って傷ついて
「こ、このおはなしはふぃくしょんでありじつざいの……」
黒い顔を真っ赤にして
(PLの狙い:少年のツンデレと語り手の反応とで二種のギャップ萌え)
カンフーの速度についていくのは無理だけどずっとは出来ないはず
ヒメに水のドレスを着せて水の膜でバリアを作り衝撃に耐えるわ
隙が出来るまで耐え凌げたら
初お披露目火のドレスで全力の火の弾をぶつけるわ!
●四番手、青春はエモい!
態勢を立て直すべく、前線を離脱したラビットバニー。そこへ現れたのはブラックタールの少女、ノエル・キャロル(いつかお姫様になりたいの・f04794)であった。
再び、絶対無敵バリアを展開、うさちゃんカンフーモードになるラビットバニーに対し、ノエルの取った行動は。
ばばーん!
ノエルは自作紙芝居を掲げた。
「下手っぴだけど気持ちを込めて一生懸命描いたの」
「既にエモい」
ノエルの言葉でバリアが解けそうになるラビットバニー。いやいやそんなことでは、と持ち直すが、ノエルのような小さい子が一生懸命描いた紙芝居を見もせずに、攻撃を仕掛けるなんて、そんなのJKの風上にも置けないし。
そんなわけで、二人は向き合って座りこむ。
「一番を目指す、短気で口が悪い、けれど本当はとても優しい少年騎士とどんくさいお姫様の物語」
ゆっくりとノエルが話し出す。その紙芝居は上手ではないかもしれないけど、確かにノエルの気持ちが、想いが込められていて。
「歩くのが遅いお姫様を少年騎士は文句を言いながらも見捨てず背負ってくれて……」
紙芝居に描かれた少年騎士とお姫様はどこかしらリアルが滲み出していて。
「危ない時には率先して守って傷ついて……」
語るノエルの口調もお話口調でありながら、込められた気持ちが本物で。
「こ、このおはなしはふぃくしょんでありじつざいの……」
紙芝居は終わる。何故かノエルの黒い顔ははたから見てもわかるくらい真っ赤になっている。それを見てラビットバニーが囁く。
「で、実際は?」
「え?」
「えー、それはないっしょー? マジでフィクション? マ?」
じりじりとにじり寄るラビットバニー。どうやら興味を刺激してしまったみたいで?
でもノエルも恥ずかしいので耳打ちで許してもらう。
「えっと、ね」
ごにょごにょ。
「……ごふっ。ごめん、お姉さん、青春には勝てない体になってる……」
そのままうずくまるラビットバニー。もちろん、バリアは綺麗に割れた。
(カンフーの速度についていくのは無理だけど)
とか思っていたノエルだが、なんかボーナスタイムに入った模様。抱えた人形のヒメに水のドレスを纏わせ、耐えるつもりだったが、それは不要のようだ。
「じゃあ……ヒメ、初お披露目よ!」
『機械姫礼装換装』でヒメがドレスを纏う。そのドレスが宿すのは火。ノエルの全力の火の弾がラビットバニーに降り注ぐ。
「ぎゃー!?」
身動きが取れないまま、着弾した火の弾で燃えるラビットバニー。ノエルの攻撃にラビットバニーは逃げ出すのであった。
成功
🔵🔵🔴
木元・祭莉
【かんさつにっき】で!
絶対無敵バリア、カッコイイ! おいらも勝負服で!(ヒマワリ着ぐるみ)
アンちゃんと並んで。
ラビットバニー!(びし!)
ここが年貢の納め時だヒマー♪(うぃんく☆)
わわ、アンちゃん、痛くない? 落ち着いて深呼吸ー。さん、はいっ。
ん、落ち着いた?
で。
らびっと、ばにー。だよね?(しれっと容赦なし)
っと。
アンちゃんの照れ隠しに合わせてダッシュ!
あ。うさみん☆白(ぽそ)。
にゃんお姉さんの連射を弾幕に突入!
野生の勘で急所だけは守り、激痛に耐えて肉薄。
「お姉さん、素顔見せてほしいな?(向日葵花弁を落とし、満面笑顔でおねだり♪)」
コダちゃんを背に庇って血塗れで微笑み、カウンターで渾身の灰燼拳!
木元・杏
【かんさつにっき】
エモ:無意識にどじっこ属性
普段は静かな方だし
熱血でぎゃっぷ萌え狙う?(こく
(指びしっ
らぴっとはにー!
ここが年貢のおさみぇ…
…………(口上失敗して顔赤らめ
………………ぇ、らびっと…?(気付く
……うさみみメイドさん、行って!
リカバリーに攻撃仕掛けるけど
バニーに行き着く前にぽてっとコケるメイドさん(スカートひらりん
……………………(更に真っ赤&涙目
バリア解けたら
後方から隙を狙い【華灯の舞】
剣から白銀のオーラも飛ばし
制御ビームを相殺し防御
拠点防御も併せ皆の足場も確保
メイドさんは跳び跳ね移動し
近接から早業で目潰すの
フェイントも混ぜバニーの動きを翻弄
慣れない事した八つ当たりでげしげし倒す
鈍・小太刀
【かんさつにっき】
エモさって…(偏った知識が頭の中をぐーるぐる
し、仕方ないわね
今回だけは着てあげるわよ、今回だけだからね!(ツンデレ
黒のミニ丈ワンピにフリルが可愛い白エプロンのメイド服着用
白ニーソとエナメル革の靴合わせ
ツインテールの頭にはぴょんと立ったウサミミが揺れる
杏のウサミミメイドさんと並んでポーズ
う、やっぱ恥ずかしい
シリンも道連れよ、制服を可愛く着せちゃうんだから!(ぐ
あとドジっこ杏は癒し(ぐ
でも戦闘は文字通りの真剣勝負
片時雨を手に祭莉んと合わせ前に出る
攻撃を見切って回避
カウンターで剣刃一閃!
祭莉んが庇ってくれたらきゅんとしつつも
やっぱり隣に立っていたいから
刃に想いを載せて渾身の一撃を!
シリン・カービン
【かんさつにっき】
エモいとかギャップ萌えとか、
…よくわかりません。(ファンタジー世界の住人なので)
なので、詳しそうな子たちにアドバイスしてもらいました。
ええと。
私の世界(アックス&ウィザーズ)に無いような服装ですね?
まずは制服。(某武蔵坂セーラー服)
それからねこグローブ。(耳もセット)
そしてにゃんポーズ。(いつものクール顔で)
こんな感じでいいのでしょうか、にゃん?(クール顔で)
バリアが解除されたらスカートから精霊猟銃を抜き出し
喜びの精霊を宿らせた【スピリット・バインド】を発射。
感情を増幅させてバニーをエモ漬けにします。
前衛の子たちの突撃に合わせて援護射撃。
弾幕張りますにゃん。
アドリブ・連携可
●5番手、バニーにはウサギで勝負!
木元・杏(微睡み兎・f16565)はラビットバニーの前に立って、指をびしぃっ、と突き付けた!
「らぴっとはにー! ここが年貢のおさみぇ……」
「「「……………」」」
口上を失敗して顔を真っ赤にしている杏。沈黙する現場。ラビットバニーすらちょっと困り顔!
「わわ、アンちゃん、痛くない? 落ち着いて深呼吸ー。さん、はいっ」
そんな中、木元・祭莉(花咲か遮那王・f16554)だけが反応できた。さすが兄。
ではその沈黙の間に、【かんさつにっき】のメンバーを紹介しよう。
●準備してます
グリモアベースにて出立前。【かんさつにっき】のメンバーは作戦を立てていた。
「絶対無敵バリア、カッコイイ!」
祭莉はいたく感嘆していた。
「おいらも勝負服で!」
そして対抗すべく、ヒマワリ着ぐるみを着こんでいた。何故だ、どうしてそういう理論になった?
そんな中、渋い顔をしているのは鈍・小太刀(ある雨の日の猟兵・f12224)である。
「エモさって……」
小太刀、15歳。これまでの人生で得たエモに関わる知識が頭の中をぐーるぐる、ぐーるぐる。
「し、仕方ないわね。今回だけは着てあげるわよ、今回だけだからねっ!」
結論は出た。テンプレみたいなツンデレを発揮して、小太刀は衣裳部屋に足を運ぶ。
そして。
現れた小太刀はウサミミメイドであった。
黒のミニ丈ワンピに、フリルが可愛い白エプロンのメイド服。足元は白ニーソとエナメル革の靴合わせで、ツインテールの頭にはぴょんと立ったウサミミが揺れている。
そして何故か顔はわずかに赤面している。
あのー、エモの知識が妙に偏ってる上に、めっちゃ気合入ってません?
「う、やっぱ恥ずかしい。シリンも道連れよ!」
「え、あの」
いきなり巻き込まれるシリン・カービン(緑の狩り人・f04146)。
「制服を可愛く着せちゃうんだから!」
ぐ、と手を握り締める小太刀。意見は聞いてもらえなかった。
シリンとしては、エモいとかギャップ萌えとか、出身の関係かこれまでに縁がなかったようで。
「……よくわかりません」
といった感じだったし、小太刀らにアドバイスをしてもらうつもりだったので、渡りに船といえばそうなのだが。
そんなわけで、小太刀チョイスのシリンコーディネート、はっじまるよー♪
「ええと……私の世界に無いような服装ですね?」
シリンが手に取った服は彼女にとって馴染みが無いようで、故郷であるアックス&ウィザーズではなかなかお目にかかれない造形らしい。一見、かの世界で冒険が出来ないような服装に見えるが、それは。
「これはね、『己の闇を恐れ、でもその闇の力を使って世界を救う学校の物語』の制服よ」
小太刀が設定を説明する。ええ、きっと誰かの創作の設定です、ええ。若干魔改造されていると評判のその服に袖を通し、次は。
「それからこれ」
ぽすっと手渡されたのはねこグローブ(ネコミミもセットで)。しっかりと手にグローブをはめ、ネコミミを頭に装着し。
「そしてにゃんポーズ!」
「にゃんポーズ……」
小太刀の言葉を繰り返すシリン(いつものクール顔)。
「にゃん?」
そして真面目に練習するシリン(いつものクール顔!)。
「こんな感じでいいのでしょうか」
というシリンの問いに、ぐ、と小太刀がサムズアップしたのは言うまでもない。
お着替えが終わって、祭莉と杏の元へ戻る小太刀とシリン。
「普段は静かな方だし……熱血でぎゃっぷ萌え狙う?」
こくりと頷きながら杏が告げる。彼女の方向性はこれで決まりな感じ。
「じゃー、準備して、いくぞー」
と祭莉の声に、おー、と返事を返して。【かんさつにっき】のメンバーはキマイラ・フューチャーへ突撃したのだ。
●実はテイク2
【かんさつにっき】のメンバーがラビットバニーと相対する。
杏と祭莉が背中を預けるように並び立ち。杏の隣には彼女が繰るからくり人形のうさみみメイドさんに、ウサミミメイドな小太刀。そして3人の後ろで、にゃんポーズしているシリン(いつものクール顔!!)。
杏と祭莉が二人でラビットバニーに指をびしぃっと突き付ける。
「らぴっとはにー!」
「ここが年貢の納め時だヒマー♪(うぃんく☆)」
びしっと決まったー! と思いきや。
「あ、あの、キマったとこめっちゃ申し訳ないんだケド、あーし、ラビットバニー……」
「……ぇ、らびっと……?」
杏、再び沈黙。
そう、ラピットハニーだと、連射するミツバチになってしまう。それはそれでカッコいいぞ! そんな敵だっているかも知れない!
「らびっと、ばにー。だよね?」
しかしそんなフォローは無かった。しれっと容赦なく追撃する祭莉。鬼か!
「……うさみみメイドさん、行って!」
顔が真っ赤になったのを誤魔化すべく、うさみみメイドさんを突撃させる杏。
「ヒマー!」
「はーい!」
その声にあわせて祭莉、そして小太刀も一緒に駆け出す。そして!
ぽてっ。
うさみみメイドさんが花の足場に乗り損ねてこけた。全力で突っ伏してスカートもひらりんとめくれた。
「あ。うさみん☆白」
祭莉が思わず呟く。ますます顔が真っ赤になり、最早涙目になりつつある杏。そろそろ杏の羞恥が限界に達しそうな勢いである。
そんな光景を振り返りながら小太刀はそっと視線を逸らす。
(ドジっこ杏は癒し!)
杏に見えないように、こっそりしっかりガッツポする小太刀。そう、ドジっこは癒し。杏には、無意識にどじっこ属性が備わっているのかもしれない!
「……ええと」
この状況をどうしたものか、と見守っていたシリン。とりあえず、ラビットバニーを確認する。ラビットバニーはうずくまっている。足元に血らしきものがしたたりおちてるし、なんていうかぷるぷる震えている。
「バリア、解除されていますね」
シリンがスカートの中から精霊猟銃を取り出す。あ、またラビットバニーの吐血量増えた。
●戦闘はシリアス
そして火薬の炸裂する音が響く。シリンの精霊猟銃から発射されるのは精霊を宿した投網弾。シリンのユーベルコード『スピリット・バインド』が発動する。
「あ、コレ、ヤバいヤツ!?」
投網にひっかかり、精霊の属性攻撃を受けるラビットバニー。喜びの精霊がラビットバニーのエモ感度を増幅させて、エモ漬けにする。
しかし、彼女とてオブリビオンの幹部。やられっぱなしでは、とあかべこキャノンを担いで立ち上がる。どう見てもぷるぷる震えてて照準あってないけど。
「弾幕、張ります、にゃん」
その様子を見て、精霊猟銃を構えるシリン。ボルトアクションにもかかわらず、早業による脅威の連射で弾幕を張る。にゃんも効いてる効いてる。
「射て」
そこへ冷静を取り戻した杏が指先をラビットバニーに向け。放つは桜の花弁を思わせる白銀の光。ユーベルコード『華灯の舞』がラビットバニーの放ったおはなハッキングを相殺しつつ、ラビットバニーを貫く。
シリンの弾幕と杏の援護に合わせて、祭莉と小太刀が突っ込み、一気に肉薄する。
「お姉さん、素顔見せてほしいな?」
向日葵着ぐるみの花弁部分を落として、満面の笑顔でおねだりする祭莉。
「は? そんなの、裸見せるよりイヤだし!」
そこは触れてはいけないところだったらしい。ぷるぷる震えていたのが一時収まり、至近距離からあかべこキャノンをぶちかますラビットバニー。
「……っ?!」
自身の攻撃より先に飛んできたキャノンを回避……する瞬間、祭莉の視界の端に映ったのは小太刀の姿。
咄嗟に。小太刀の前に立って、キャノンを受け止めた。
「祭莉ん!」
小太刀が悲鳴を上げる。キャノンのダメージで血塗れになっている祭莉の姿。その姿を見てこみ上げてくるのは心配、そして……嬉しさ。
「あーしの禁則事項に触れようとか百年はえー、ぶっっ?!」
追撃しようとしたラビットバニーが仰向けに吹っ飛ぶ。それはうさみみメイドさんによる強襲。弾幕、攻撃が行き交う中、飛び跳ね移動しながら肉薄したうさみみメイドさんによる目潰しを狙った空中ミドルキック。完全に隙を突いた一撃がラビットバニーを吹っ飛ばしたのだ。
小太刀は。自分を庇ってくれた祭莉の行動にきゅんとしながらも、片時雨をぎゅっと握りしめる。
(やっぱり……隣に立っていたいから!)
守られるためじゃなくて、一緒に戦うために。小太刀は祭莉の隣に進み出る。
「コダちゃん、いっちゃう?」
隣に並んだ小太刀に微笑み、祭莉が構える。小太刀から返ってきたのは頷きと刀を構える音。ラビットバニーが立ち上がる前に。二人は一気に踏み込む!
「灰・燼・拳ッ!」
「剣刃……一閃ッ!」
二人の、心を込めた渾身の一撃がラビットバニーを捉える。
「く……無念……だし」
どさっと地面に倒れ伏したラビットバニーの姿に、4人は歓声をあげた。
●エピローグ
「ふ、ふふ、これで終わったと思うなってやつ……」
最早消え去る直前であろうラビットバニーがゆらりと立ち上がる。
「第二、第三のあーしが現れたり、そーじゃなくてもまだまだうちらの戦力いるし!」
ゆらーり腕をあげて猟兵たちを指差すラビットバニー。
「あんたらに勝ち目は」
「うさみみメイドさんいって」
たぶん最後の見せ場だと言うのに、杏がうさみみメイドさんを繰る。べしっと背後から蹴り倒すうさみみメイドさん。
「ちょ、あーしの最後のセリフくらい言わせてくれてもよくない?!」
顔面から突っ伏したラビットバニーが抗議の声と共に顔をあげて。そこにいたのは杏である。
げしげしげしげし。
「あ、ちょ、まっ、そんな顔真っ赤にしながらげしげしするとか、エモ死ぬ、エモ死ぬってば!」
杏のげしげしは慣れないことをした八つ当たりである。でも杏がげしげしと八つ当たりする様すら、エモいらしい。当の杏はその言葉すら八つ当たりの燃料としているので、ほぼ永久機関なげしげしが繰り広げられ。
「くっ……このあーしはここまで」
がくっと力尽きるラビットバニー。側には『エモ』というダイイングメッセージ。
「なるほど、これが『エモ』……」
妙に納得するシリン。たぶん、違うと思います。
「ギャップ萌えは正義!」
ぐ、と手を握り締める小太刀。そこにはツンデレも入りますからね?
「アンちゃんの大勝利だねっ」
祭莉の言葉が一番的を射ているかもしれない。
そんなわけで、この場に現れたラビットバニーは無事エモ倒されたのでした、まる。
大成功
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