バトルオブフラワーズ⑨〜想像に勝てるのは想像だけ!
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「皆、聞いて。システム・フラワーズへの道が開いたわ」
グリモア猟兵の緋薙・冬香(針入り水晶・f05538)が猟兵たちに告げる。他でもない猟兵たちの活躍で『ザ・ステージ』の制圧が成っている間のみ、システム・フラワーズの内部に侵入できるのだ。
「このまま一気に中枢まで、って行きたいところなんだけど、やっぱり怪人が陣取っていてね」
中枢までの道における第一の関門、そこは『マニアック怪人『エイプモンキー』』のテリトリーとなっている。
本来、システム・フラワーズの内部は『咲き乱れる花々の空間』で、『花々が集まって足場になる』仕組みになっている。その足場が行きたい場所に連れて行ってくれるのだが、エイプモンキーがいる限り、全ての花の足場はエイプモンキーに繋がるようになっている。
「この先の道に進むためにもエイプモンキーを倒すしかないの」
ただし、強い力を持つオブリビオンであるエイプモンキーは何度でも骸の海から蘇る。その蘇生を阻止するには短期間で許容値を超えるほどに撃破し続けるしかない。
「私が予知したのもそんな感じで蘇った直後のエイプモンキーよ」
冬香の予知が捉えたエイプモンキーを猟兵たちに再び撃破してほしい、ということだ。
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「エイプモンキーは、『自らの想像力が及ぶ限りのあらゆるものを創造できる能力』を持っているわ」
この能力をマニアック怪人の名の下にマニアックにフル活用することで、猟兵たちのユーベルコードを無効化・相殺してくる。
「面倒なことがもうひとつあってね。これを加えた先制攻撃をしてくるの」
冬香曰く。
猟兵たちのユーベルコードの『発動』をトリガーに、そのユーベルコードの弱点を突いて無効化・相殺するようなカウンターが飛んでくるというのだ。
「それが必ず、先にこちらに届く。言葉としてはおかしいけど、『先制カウンター』とでも呼べばいいのかしら?」
しかもその先制カウンターはほぼ自動的に発動するらしく、複数人で囲んだとしてもそれぞれにカウンターが飛ぶ。
「こちらのユーベルコードをカウンターで潰して無防備になったところへ強烈な攻撃を叩き込む。そういう戦術を取ってくるわ」
また、先制カウンターはユーベルコードの効果を潰すだけではなく、それ自体も強烈な威力を持った猟兵に対する攻撃だ。そのまま受けるのは自殺行為に等しい。
ただ、そのオート先制カウンターにもひとつだけ穴がある。
「一度、先制カウンターを放った『同一人物』の『同一ユーベルコード』にはしばらく反応しないみたいなの」
つまり、一度先制カウンターを発動させれば、そのユーベルコードなら攻撃は可能になるということだ。注意が必要な点は『別のユーベルコードを使ったり』『Aさんが使ったユーベルコードをBさんが使ったり』といった場合は、同一の条件から外れるため、もれなく先制カウンターが飛んでくる点だ。
「ということで、現状一番有効な作戦は、『ユーベルコードを使用し、先制カウンターを発動させた上で、それをかわす』。そこからが皆の本番よ!」
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先制カウンターを回避する際に厄介になってくるのが『想像を創造する力』だ。
「十中八九、『回避不能』な形で想像を創造してくるわ」
回避不能といってもそういう属性が付与されているわけではなく、エイプモンキーが想像する『こちらが取るであろう回避行動』が全て潰されているに過ぎない。
「つまり、相手の想像を超えた想定外な方法でかわす! これが対策よ」
エイプモンキーに負けない、マニアックな理論や突拍子の無いアイデアが回避の鍵だ。多少筋が通ってなくても、無理を通せば道理が引っ込む。問題ない。
「普段使っているユーベルコードだからこそ、弱点や穴も熟知してるはずよ」
なので、『あえてその弱点や穴を突かせる形で先制カウンターを撃たせる』ことで、こちらもエイプモンキーの『想像を創造する攻撃』が想定できるはずだ。
「想定できれば、後はそれに対してこちらが想像で超えるだけ」
回避してしまえば、後はユーベルコードを叩き込むだけだ。
「皆なら、きっと出来る。だから、お願いね」
そう言って冬香は皆を送り出した。
るちる
はじめまして、あるいはこんにちは、るちるです。
乗りたい風に乗り遅れた奴は以下略な感じでまた戦争シナリオを出してみます。
まず注意事項です。
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エイプモンキーは、猟兵が使用するユーベルコードの設定を元に、そのユーベルコードを無効化する武器や戦術を創造し、回避不能の先制攻撃を行ってきます。
(ユーベルコードで無効化したり相殺した後、強力な通常攻撃を繰り出す形です)
この攻撃は、ユーベルコードをただ使用するだけでは防ぐことは出来ません。
この先制攻撃に対抗する為には、プレイングで『エイプモンキーが自分のユーベルコードに対抗して創造した武器や戦術を、マニアックな理論やアイデアで回避して、攻撃を命中させる』工夫が必要となります。
対抗するためのプレイングは、マニアックな理論であればあるほど、効果が高くなります。
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ということで、ただ単純にユーベルコードを撃つだけではかなーり厳しい戦いになります。そのため、オープニングにあるような対策を打つ必要があるのです。
プレイングとしては、次の点に気をつけるといいんじゃないかなーと。
①使用するユーベルコードとその弱点を考える。
②弱点を突くとしたらどんな方法(想像なので何でもあり)で潰すかを考える。
③弱点を突いてくる想像に対して、それを上回る想像を叩きつける。
その際、マニアックな理論やアイデアがポイントになります。技能だけでは対処しきれないこともご注意ください。
色々書いたけど、たぶん、こういうことです。
「俺(僕/私)の妄想力に勝るものなし!」
エイプモンキー程度の想像力を遥かに超える想像(妄想)をお待ちしています。
第1章 ボス戦
『マニアック怪人『エイプモンキー』』
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POW : マニアックウェポン
対象のユーベルコードの弱点を指摘し、実際に実証してみせると、【敵に有効なマニアックな装置】が出現してそれを180秒封じる。
SPD : マニアックジェット
【敵のユーベルコードを回避する装置を作り】対象の攻撃を予想し、回避する。
WIZ : マニアックマシン
対象のユーベルコードに対し【敵の死角から反撃するマシン】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
👑11
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デナイル・ヒステリカル
使用するUC:オーバークロックに対して、回避をする装置という条件では候補が無数にあり対策が絞りきれません
僕は後衛であり格闘能力に劣ります、動きを見切るための装置かもしれません
僕は主に雷の属性攻撃しか使用できません、絶縁体で防ぐ装置かもしれません
これら全てに完璧な対策を打ち立てるには、時間が足りない
そして敵が既に中枢へと続く道に陣取っている以上、時間はかけられません
無策で挑むしかないのでしょうか?
いいえ。
いいえ、僕は電脳魔術師です。
敵が装置を創造するUCを使用するならば、その装置をハッキングして狂わせることで、こちらの攻撃を当てて見せます。
電流、電子回路、電気信号、それら全ては僕の得意分野です!
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グリモア猟兵の予知に従って。システム・フラワーズのメンテナンスルート、咲き乱れる花々の空間に足を踏み入れる猟兵たち。花の足場が形成され、そのまま運び込まれる場所にて、遭遇するのは、『マニアック怪人『エイプモンキー』』。
「もう来たかウッキー!」
甦った直後だったのか、全力でこちらを振り返ったエイプモンキーを取り囲むようにして、猟兵たちは戦闘へ突入する。
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デナイル・ヒステリカル(架空存在の電脳魔術士・f03357)がユーベルコードを発動する。
「優先順位変更。ぶっ飛べ……!」
デナイルの言葉をキーにして『雷霆万鈞システム』が起動する。それに反応して、エイプモンキーの先制カウンターもまた発動し、『想像を創造する力』による装置が作り出される。
「ウッキッキ! 稲妻の力で自身を強化するユーベルコードとみたウッキー!」
いかなる術か、エイプモンキーはデナイルのユーベルコードの力を的確に指摘する。その言葉を聞いて、デナイルが咄嗟に身構える。
(『雷霆万鈞システム』に対して、回避する装置という条件では候補が無数にあり、対策が絞りきれません)
エイプモンキーの言葉通り、『雷霆万鈞システム』はデナイル自身を強化するタイプのユーベルコードだ。強化そのものを無効とするか、あるいはデナイルの格闘戦闘を封じるのか、考え出したらキリがない。
しかし、この場で考え得る全てに対して対策を打つには時間も足りず、またキマイラフューチャーの危機を考えるなら、今ここで時間をかけるわけにはいかない。
そしてエイプモンキーの言葉が響く。
「ミーの装置は、雷を全部吸い取る避雷針をぶっぱするウッキー! 全部吸い取って地面に流して、稲妻はぎ取ってやるウッキー!」
カウンター装置が出来上がる。追尾型の避雷針ミサイルが全方位からデナイルへ襲い掛かる。
――無策で挑むしかないのでしょうか?
デナイルの脳裏によぎった言葉。その言葉に対して彼は。
「……いいえ」
否定をする。
「いいえ、僕は『電脳魔術師』です」
それはきっと彼の存在意義にかけての言葉。飛来する避雷針ミサイル群に対して両手を掲げるデナイル。直後、ミサイルが急制動をかけて空中でホバリングする。
「敵が装置を創造するのならば、その装置をハッキングして狂わせればいい!」
デナイルの言葉に応じたかのごとく、進路を反転し、エイプモンキーに向かう避雷針ミサイル。装置へのハッキング、そして応用。それはエイプモンキーのカウンターに対するカウンターとして機能した。
「ウッキー!?」
自分のユーベルコードを食らうエイプモンキー。そして。
「電流、電子回路、電気信号、それら全ては僕の得意分野です!」
デナイルが紫電を纏った拳を至近距離から全力で叩きつけ。
デナイルのアイディア勝利。先制カウンターをさらにカウンターする形で、この場の戦闘は幕を開けた。
成功
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ハロ・シエラ
なるほど、強敵ですね。
ならば私は【剣刃一閃】で勝負です。
弱点は無論、射程の短い武器が命中しなければならないと言う事。
この弱点をマニアックに突くとしたら……白刃取りか何かで剣を封じ、動けなくなった私を攻撃する、とかでしょうか。
剣の届かない位置で封じられ、射撃などで攻撃されればひとたまりも無いでしょう。
なのでレイピアでユーベルコードを発動し、斬りに行くと見せかけて敵の行動と共に装置に向かって【投擲】します。
後は素手のまま【第六感】で攻撃をかわしつつ駆け寄り【物を隠す】技で隠しておいたダガーを抜き【早業】で二度目の【剣刃一閃】を。
【フェイント】をかけて【だまし討ち】と言った所でしょうか。
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「なるほど、強敵ですね」
鞘から『小狐』の名を持つレイピアを抜き放ち、ハロ・シエラ(ソード&ダガー・f13966)が呟く。グリモア猟兵の説明を頭の中でもう一度反復し、ハロが取った選択肢は。
「ならば私は『剣刃一閃』で勝負です」
レイピアを構え、彼女はユーベルコードを発動する。
(このユーベルコードの弱点、それは無論、『射程の短い武器が命中しなければならない』と言う事)
それを突いてくるとしたら。至近距離で白刃取りのような形で武器そのものを封じ、動けなくなったところへ正真正銘のカウンターを叩き込むか。あるいは。
(剣の届かない位置で封じられ、射撃などで攻撃されればひとたまりも無いでしょう)
果たしてエイプモンキーが創造した想像は、ハロの想像した通りであった。
「ウッキー! 近接武器で鋭く斬るなら、遠距離攻撃で絶対近づかせないウッキー!」
「私の読み通りです!」
エイプモンキーの言葉が終わるか否かくらいで、レイピアを『投擲する』ハロ。
「ウッキー!?」
エイプモンキーの装置がハロを狙って射撃を開始した直後にレイピアが突き刺さり、装置が爆散する。
ただひとつ、エイプモンキーの先制カウンターで、ハロの想定を超えてきたのは『回避不能』の想像。射撃がハロの視界いっぱい……というか、ほぼ前面全体に広がる散弾となれば。
「くっ?!」
カウンターとして仕掛けようとしていた二度目の『剣刃一閃』を仕掛けるにはこの弾幕を突破しないといけない。
(これは……!)
第六感でかわすだけならまだしも、かわしてカウンターを仕掛ける、というには準備が足りなかった。弾幕をどうにかやりすごし、再びエイプモンキーと相対するハロ。
「なるほど。では真っ向勝負でしょうか」
しばらく先制カウンターが使えないのであれば、あとは地力の勝負。
「カウンターは使えなくても、ミーのユーベルコードは健在ウッキー!」
とエイプモンキーも通常パターンのユーベルコードで再び装置を作り出す。
「面倒ですね、あなたは!」
一進一退の攻防。それをどうにか制したハロが一撃をお見舞いするのであった。
苦戦
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遠呂智・景明
アリス・レヴェリー(f02153)と連携
序盤は出来るだけ目立たず、息を潜める。
アリスが白鯨を出したのに合わせて白鯨に飛び乗り、白雪の羽織を被り迷彩代わりにしつつゆっくりと前方へ移動する。
【殺気】をコントロールし、全く攻撃の意思を感じさせないようにしとくか。
知り難きこと陰の如くってな。
白鯨の質量攻撃が決まりゃ、そのまま追撃。二刀流による【2回攻撃】で猿を切り刻むぞ。
仮に質量攻撃が決まらなきゃ、敵の動きを【見切り】つつ、そのまま猿に肉薄。ぶった斬る。可能なら回避装置ぶっ壊す。
悪いな、帽子屋や白兎みてぇに愉快じゃなくて。
だがまぁ、今の俺はゔぉーぱるの剣見てぇなもんよ。
覚悟しやがれじゃばうぉっく。
アリス・レヴェリー
遠呂智・景明(f00220)と連携
【友なる白鯨、悠然の調べ】で真っ白なシロナガスクジラのような幻獣、ムートを召喚するわ。
まずはムートの魔法で攻撃したいところだけど、当然、魔法対策の機械を出して来るわよね、どんな魔法でも流石に出始めでかき消されちゃうと厳しいわ。
それでも、まだやりようはあるわ。質量よ。魔法が得意なのは事実だけど、ムートは正直この巨体で物理攻撃したほうが手っ取り早く強いのよ!
更に【刻命の懐中時計】の全12枚の結界を大盤振る舞いするわ。戦ってるムートを守ったり、隙をつこうとするエイプの邪魔をしたりね。
この堅牢な結界を利用したタックル!これが本命……だと思ったでしょ?今よ!遠呂智さん!
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「揺蕩う勇魚、優しき王よ、微睡み歌う、わたしの友よ!」
先手必勝、アリス・レヴェリー(真鍮の詩・f02153)がユーベルコード『友なる白鯨、悠然の調べ』で召喚するのは、『ムート』の名を持つ巨大な幻獣にして、純白の大鯨。
(まずはムートの魔法で攻撃したいところだけど……)
アリスの視線はエイプモンキーに。アリスが想像するに、エイプモンキーの先制カウンター装置は。
「魔法なんて全部吸い取ってしまって、撃ち返せば問題ないウッキー!」
(そうよねー)
ムートの能力を的確に読んだ対策はアリスの想定通り。いつも通りに戦うなら、かなり厳しい展開。ならば。
「まだやりようはあるわ。ムート、お願い!」
アリスの声を受けて、ムートが花の空間を泳ぎ出す。『真っ直ぐエイプモンキーに向かって』。
「ウッキー!?」
慌てるエイプモンキーの様に、してやったりのアリス。
(質量よ。ムートは正直この巨体で物理攻撃したほうがてっとり早く強いのよ!)
もちろん、魔法が得意なのも事実で、そちらの面でもとても頼りになる存在。でも大きいから。押し潰せるから。
その『攻撃方法』は想定外だったのか、エイプモンキーの装置にムートの質量をどうにかする機能は無い。だが、彼とて此度の黒幕の幹部。カウンターが機能しないからといってそのままやられるわけもなく、物理に頼って反撃を試み。
「更に大盤振る舞いするわ!」
「ウッキー!?」
エイプモンキーの強烈な攻撃が弾き返される。それはアリスが展開した『刻命の懐中時計』による全12枚の結界。十全の態勢から放った攻撃ならともかく、慌てて撃ちこんだエイプモンキーの攻撃はそもそもムートに届くことなく。やめて、エイプモンキーの対策はもうゼロよ!
エイプモンキーがムートの質量攻撃に対して身構えた時。
「これが本命……だと思ったでしょ? 今よ! 遠呂智さん!」
アリスの声に応じて、ムートの背から飛び降りる影。遠呂智・景明(いつか明けの景色を望むために・f00220)であった。
アリスがムートを召喚し、突撃を開始するまでのわずかな間に。景明は出来るだけ目立たず、息を潜め。密かに行動を開始していた。
(知り難きこと陰の如くってな)
殺気をコントロールして攻撃の意思を感じ取らせず、真っ白な羽織を隠れ蓑にして。ムートの背をゆっくりと前方へ移動する。
元々、アリスと景明は連携を視野にエイプモンキーに攻撃を仕掛けていたのだ。
そしてアリスの声に応じて、ムートの背から飛び降りる景明。
「悪いな、帽子屋や白兎みてぇに愉快じゃなくて」
身構えていることで咄嗟の動きが出来ないエイプモンキーへ、景明の二刀流による2回攻撃で斬撃を叩き込む。
「ぶった斬る。覚悟しやがれ」
振り向きざまに、もう一度早業による2回攻撃。着実にダメージを叩き込んで、素早く離脱する景明。
直後、ムートの遠慮しない全力質量攻撃が炸裂して。エイプモンキーは文字通り吹っ飛ぶのであった。
成功
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ルー・ガランサス
僕、戦いには不向きなんだけどなー。
メインで使ってる僕の【リザレクト・フルール】は動物や蔦を召喚する術だっけ。いつも通りギリリと締め上げたいところだけど。今回は対策されちゃう。むう。
このUCの弱点は僕が傷を受けると消失するとこ。
つまり、僕が傷を受けにくい遠距離からの攻撃を前提としている。実際僕は遠いところで《蔦人形》を盾に高みの見物決め込むわけで。
簡単さで言ったら、僕の方にズドンと攻撃が来るだろーし、距離からたぶん遠距離範囲攻撃が来るヨカン。
敵の攻撃を〈呪詛〉で転ばせて逸らし、遠距離だったら〈暗殺〉能力を生かし、一気に詰めて接近戦に持ち込む。近くに来たら《蔦人形》で殴って杖で〈傷口をえぐる〉よ。
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(僕、戦いには不向きなんだけどなー)
雰囲気のせいか、無気力な印象を漂わせる少年――ルー・ガランサス(雪には色を、死者には花を・f17549)は、少し困った顔で悩み込む。とはいえ、この場に来てしまった以上、突っ立っていたら巻き込まれてけがをするだけで終わってしまう。
(メインで使ってる『リザレクト・フルール』は動物や蔦を召喚する術だっけ)
手持ちのユーベルコードをもう一度確認しつつ、いつもの戦い方を思い出すルー。普段通りでいけば、召喚した蔦でギリリと締め上げるのだが、今回は対策されてしまう。
「むう」
思わず声が漏れる程度は困ってしまう。他の猟兵たちが相手取っている間に対策を考えねば、と。
(『リザレクト・フルール』の弱点は、僕が傷を受けると消失するとこ)
つまり、そもそも構造が『ルーが傷を受けにくい場所からの攻撃』を前提としたものだ。実際、彼もいつもは『蔦人形』を盾に、高みの見物を極め込むのだから。
(ということは?)
一度首を傾げるルー。至極シンプルに対策を考えるなら、ルーを直接狙うだろう。遠距離から、かつ逃げられないように。ピンポイント狙撃では無く、範囲攻撃といったところだろうか。
であるならば。
『リザレクト・フルール』を起動するルー。それに反応してエイプモンキーの先制カウンター装置が作り出される。
「本人を攻撃すれば問題ないウッキー!」
ルーの想定通り、範囲攻撃を仕掛けてきそうな装置が出現する。その攻撃を逸らすべく、ルーが呪詛を込めて錫杖を掲げる。
(……あれ?))
そこで気付く。攻撃を仕掛けてくるのは『無機物である装置である』と。
「ウッキー?!」
ルーの思惑通り、エイプモンキーは呪詛ですっ転んで頭を強打する。しかし、装置は問題なく稼働し、辺り一面に動物と植物を焼き払う爆弾の雨を降らす。
「これかわすのはちょっと厳しいかもー」
範囲攻撃と読んでいたものの、それをかいくぐるには少し想像力が足りなかったようで。
この場は痛み分けのようだ。
苦戦
🔵🔴🔴
葛乃葉・やすな
相手がUCを無効化するのならその誘いに乗るとしようかのう。
UC【奥義・傾国美女】で妖狐二人を召喚して攻撃じゃ。
このUCの弱点は使用中、わしは戦えず傷を受けると解除される事。
とすればわしを狙いに来るじゃろうなあ。
敵の攻撃方法はパンチと言ったところか。
相手の狙いがわかれば回避も出来ると言うもの。相手がわしに攻撃を仕掛けるタイミングを【見切り】【第六感】で察知し、ある程度まで引きつけたらUCを解除。
地面に向けて【衝撃波】を放ちわしの体を上空に【吹き飛ばし】相手の攻撃を躱す。そのままUCで妖狐を再召喚し二人にはそれぞれ【全力魔法】の【衝撃波】で攻撃して貰おう。
弱点を突こうとする事がおぬしの弱点じゃな。
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エイプモンキーの前に立ち塞がる狐のお姉さん。その名は葛乃葉・やすな(子供好きの妖狐・f14023)。
「相手がユーベルコードを無効化するのならその誘いに乗るとしようかのう」
そう言ってやすなは間髪入れず、ユーベルコードを起動させる。
「よろしく頼むぞ、理想のわし達!」
『奥義・傾国美女』によって召喚される白狐と黒狐。その姿はそれぞれ理想のスタイルをしたやすなの姿をした妖狐たち。二人が攻撃を仕掛けるべく構えるが、それに応じてエイプモンキーの先制カウンターが始動する。
(このユーベルコードの弱点は、使用中、戦えず傷を受けると解除される事)
となれば、やすなを直接狙ってくるに違いない。
果たして想像を創造して作り出された装置は。
「術者が戦えず、術者が傷を受けると解除されるなら、狙い撃つウッキー!」
遠距離パンチ射出装置、とでもいえばいいのか。マニアックにパンチを飛ばしてくる装置が現れる。それも弾幕に出来るほどの多弾頭式。
だが、それもやすなの想定通り。
「狙いがわかれば回避も出来ると言うもの!」
パンチが射出された直後、『奥義・傾国美女』を解除するやすな。これで『弱点は弱点ではなくなった』。装置の攻撃が『ユーベルコードを無力化する想像』に基づくならば、今のやすなにとって、そのパンチはかわせないものではない。
「その上で、こうじゃ!」
第六感と見切りをフル活用して、絶対かつ絶妙のタイミングで。地面に向けて衝撃波を放つやすな。その反動で体を浮かせ、弾幕のわずかな隙間をすり抜ける。
「そんなのアリウッキー?!」
「アリじゃよ、全力で!」
空中で再び『奥義・傾国美女』を発動するやすな。二度目に対するカウンターはないのは既知の通り。再度現れた白狐と黒狐が両手を前に掲げる。
「弱点を突こうとする事がおぬしの弱点じゃな」
やすなの命令に従って、全力を込めた衝撃波を放つ白狐と黒狐。白と黒の奔流がひとつのモノトーンを作り出して。
「ウッキー!?」
その奔流に飲みこまれたエイプモンキーが見事に吹っ飛ばされるのであった。
成功
🔵🔵🔴
アルトリウス・セレスタイト
どこまで対応してくるのか確かめておくか
戦闘領域に入った時点で自動起動する真理に対応してくるか、纏う自分という盾は機能するか確認
自身が無行動でも起動し視覚効果もないものに対処してくるなら面倒だ
自動起動するようにユーベルコードを調整というのは中々マニアックと思うが、さて
情報を得たら結果問わず破天で攻撃開始
魔弾として形成できない様に展開を阻害する、位が効率良いカウンターだろうか
それなら魔力を溜めた体内に魔弾を生成・装填
2回攻撃の一回分、190発程を宿したまま、焦っている態で誘い込み
動きを見切って身体を捕らえ接触状態で魔弾を解放
通じねばあとは、消失の攻撃吸収と自動反撃に賭けるしか無いか
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アルトリウス・セレスタイト(忘却者・f01410)は花の空間に足を踏み入れた瞬間、エイプモンキーと相対して立ち止まった。
その眼前には彼のユーベルコード『真理』に対するエイプモンキーの先制カウンター装置『反転』。
「何かよくわからない原理でも反転させてしまえば問題ないウッキー!」
つまり強化を弱体に変えてしまえば問題ないということで。自動起動であろうとなんであろうと、ユーベルコードの『起動』がトリガーなのだし、相手もほぼ自動で起動するカウンターなのだ。そこから逃れる術はないようだ。
「なるほど、面倒だ」
思った効果が得られていない自分の手を眺めながら呟くアルトリウス。普段ならこのタイミングで既に纏っている『自分という盾』も効果を成していないようだ。具体的な顕現や視覚効果もないユーベルコードだからこそ、ひとつの『想像』で覆される。ここに真理はなくても想像は創造できるのだから。
(どこまで対応してくるのか確かめておくか)
と、情報を得るのが最初の目的だ。それを成した後は、戦うのみ。
「行き止まりだ」
迷わずユーベルコード『破天』を解き放つアルトリウス。死の原理で存在根源を直に砕く、属性に影響を受けない青く輝く魔弾の弾幕を展開しようとするが、それは上手く形を成さない。
(やはり、魔弾を形成できない様に仕掛けてきたか)
ここはそれが効率の良いカウンターと見込んでいたアルトリウスの読み通り。ゆえに対策もできている。
(ならば、魔力を溜めた体内で)
魔弾を形成して、体を弾倉にして装填する。今一度190発に及ぶ弾数を体内に抱え、エイプモンキーに相対する。
「もらったウッキー!」
エイプモンキーの鋭い攻撃をなんとかかわす……のは誘い込み。苦戦する様を見せつけて、相手を調子に乗らせ。
「――ここだ」
ここぞとエイプモンキーの攻撃を見切り、その腕を捕える。そして手をエイプモンキーの体に接触させて。アルトリウスは魔弾を一気に解放する。
「ウッキー?!」
その衝撃に吹っ飛ぶエイプモンキー。先制カウンター装置はさっき稼働したばかりで、今回の魔弾には反応できず。
しかし、アルトリウスの戦闘スタイルはエイプモンキーに対して『相性が悪すぎる』。条件はあるものの、自動起動のユーベルコードであるがゆえに、そのことごとくにカウンターが適用され、それら全てに対して回避を考えなければならない。
そして『破天』については、一度見せた手にエイプモンキーは二度と乗らないだろう。
「……この場は退いた方がよさそうだ」
情報は得た。次からは別の手も打てるし、あるいは誰かと協力することで打破できる環境を作れるかもしれない。
エイプモンキーを倒し切るまであと少し。
その役割を後に続く仲間たちに任せ、アルトリウスは後方へ離脱した。
苦戦
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アンネリーゼ・ディンドルフ
【SPD】
オブリビオンは失われた過去の化身
時間の矢は失われた過去に縛られているオブリビオンの時を前に進ませ
毒相当のダメージを与える
時間の矢の弱点は回避されることなので回避させない
エイプモンキーは時間の矢の弱点を突くのであって
私の行動を予知するわけではない
すたすたとエイプモンキーに歩み寄る
「エイプモンキーさん、初めまして。私はオブリビオン料理研究所の団長、アンネリーゼ・ディンドルフです。よろしくお願いします」
ぺこりと挨拶してエイプモンキーに手を差し伸べ握手を試みる
握手出来たらUC発動
レベル分の1秒で【時間の矢】を発射
相手の攻撃は【見切り】や創造物を盾に回避
【たけのこドリル】で創造物の除去を試みる
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アンネリーゼ・ディンドルフ(オブリビオン料理研究所の団長・f15093)がエイプモンキーの前に降り立つ。
(オブリビオンは失われた過去の化身……)
彼女が得意とするユーベルコード『Time's Arrow』は、時間の矢を放ち、オブリビオンの時を進ませることによってダメージを与える。矢であるがゆえに回避されればその効果は発揮されない。
(であるならば、回避させない)
そうするにはどうするか。
花の足場を渡り歩くようにアンネリーゼはエイプモンキーへ向かって歩いていく。エイプモンキーは警戒しているものの、動きは見せない。
(エイプモンキーは『Time's Arrow』の弱点を突くのであって、私の行動を予知するわけではない)
つまりアンネリーゼの行動に対してカウンターがあるわけではないのだ。
だからこそ。すたすたとエイプモンキーに歩み寄ることもできる。
「エイプモンキーさん、初めまして。私はオブリビオン料理研究所の団長、アンネリーゼ・ディンドルフです。よろしくお願いします」
「あ、よろしくウッキー」
アンネリーゼから無防備に差し出された手を思わず握り返すエイプモンキー。
――その瞬間。
「時間の矢」
アンネリーゼがユーベルコードを発動させる。超至近距離からの超速で射出される時間の矢。
――しかし。
ぱきん、と乾いた音を立てて、時間の矢が弾かれる。カウンター装置がエイプモンキーに矢を通さないバリアを作ったようだ。
「あ、あぶなかったウッキー!」
慌てて距離を取るエイプモンキー。この対応速度がグリモア猟兵の話にあった『先制カウンターはほぼ自動的に発動する』ということらしい。
「厄介ですね」
すぐさま『たけのこドリル』を手に駆け寄るアンネリーゼ。装置を壊そうと試みるが、さすがにそこまでは好き勝手させてくれず、エイプモンキーも攻撃を仕掛けてくる。
「ちっ」
攻撃をかいくぐりながらでは上手く装置を破壊できず、そのままお互い距離を取る。
有効打をお互い入れることができず、時が過ぎる。
苦戦
🔵🔴🔴
マリアドール・シュシュ
アドリブ怪我◎
【茉莉花の雨】使用
そう…届かないのね
けれどマリアにはこの詩(こえ)があるわ!
唄はあなたを捕らえて離さない
どこまでもあなたを追うのよ
完全防御か攻撃が全て回避されても慌てず冷静に対処
恐らく上空からの攻撃に備えた対策を取る筈
ならば足元…地面からの反抗は?
エリアの地面に向かい総てを以て、鼓膜を破る程の聲で地響き起こす(歌唱
敵の体勢崩す
マリアだけ無傷で立っていられる、なんて思っていないのよ(激痛耐性あるが難聴気味。耳から金の宝石が零れ
マリアは猟兵(ひかり)だから
倒れる訳にはいかないの(微笑
UC解除
竪琴で麻痺の糸が絡む音のうねりを出し攻撃(マヒ攻撃、誘導弾、おびき寄せ
創造の言ノ葉で世界を唄う
短夜・いろは
私のやる事は変わらねー。アートを描きなぐってやる。このカラーボールとスプレーでな!
だがテメーの狙いは解ってるぜ。
このアートの弱点、それは感情を失えば当然私のアートにも感動をしなくなること。
くそっくそっ、猿め、心を閉ざしやがって!
しゃーねーなー、じゃー普通にブッ飛ばすか。
私のペイントボールは熱線を液体化した奴だからやろうと思えば普通にダメージ通るんだよな。
感情を完全に閉ざしている故に危機意識や防衛本能で対応できない通常攻撃を狙うことでテメーは反応する事すら出来ない。
そうこれが私の世界。テメーはアートの柱になれ!!
●
「そう……届かないのね」
マリアドール・シュシュ(蜜華の晶・f03102)は小さく呟く。眼前にはジャスミンの形をした水晶の花びらが『自分に向かって攻撃してくる』様。それはマリアドールのユーベルコード『茉莉花の雨』。エイプモンキーが完全防御あるいは回避することは想定していたが、跳ね返ってくるとは。
「……っ!」
花びらがマリアドールを中心に渦巻き、絹の糸のような彼女の髪を斬り裂く。そこに佇んでいた星々の戯れが悲しげに瞬きを止め。水晶を思わせる乳白色の肌に、無粋な赤い筋が何本も刻まれた。
それでもマリアドール慌てず冷静に、『行動を開始する』。『茉莉花の雨』を放った直後、エイプモンキーはマリアドールの想定通り、上空からの攻撃に備えた対策を取り、実際そうなった。では今。
(ならば足元……地面からの反抗は?)
ユーベルコード同士の戦闘は完全にエイプモンキーの先制カウンターの勝利。しかし、しかしだ。
「マリアにはこの詩(こえ)があるわ!」
目の前にいるエイプモンキーもまたこれまでの猟兵たちの攻撃でかなり体力を削られている。あと一押し。そのために、『態勢を崩すこと』くらいなら。
「唄はあなたを捕らえて離さない。どこまでもあなたを追うのよ」
口の端を伝う血を、呼吸(といき)の邪魔だ、と拭ってから。マリアドールは総てを以て、鼓膜を破るほどの聲を放つ。
――竪琴が糸のごとく音のうねりを紡ぎ。
――創造の言ノ葉で世界を唄う。
マリアドールの聲に世界が応える、それは地響きという形を以て。花の空間そのものが、特にエイプモンキーの周囲が揺れに揺れ、立っていられないほどの振動を叩き込む。
(マリアだけ無傷で立っていられる、なんて思っていないのよ)
それはマリアドールも例外では無く。しかし彼女は膝をつかない。それは彼女が有している激痛耐性のおかげでもあり、彼女自身が音(こえ)に対して難聴気味ということもある。
だが、それ以上に。
(マリアは猟兵(ひかり)だから。倒れる訳にはいかないの)
微笑みをたたえ、マリアドールは世界を謳歌する。
●
マリアドールの聲が世界を揺らし、世界を謳歌する中。
短夜・いろは(やさぐれスプラトゥーン・f15837)は態勢を立て直し、立ち上がる。
(私のやる事は変わらねー)
視線の先にはいまだ身動きが取れないエイプモンキー。
「アートで描きなぐってやる。このカラーボールとスプレーでな!」
左手にグレネードランチャー、右手にスプレー缶を構えて。彼女はユーベルコードを解き放つ。
(だが、テメーの狙いは解ってるぜ)
それはいろはの『High Graffiti』の弱点。『感情を失えば当然私のアートにも感動をしなくなる』ということ。『High Graffiti』への対策は簡単だ。
(くそっくそっ、猿め、心を閉ざしやがって!)
無感情に、無感動になった者に、アートはその溢れ出る魅力で太刀打ちすることはできない。
しかし対策は、ある。
「しゃーねーなー、じゃー普通にブッ飛ばすか」
いろはの考えはこうだ。先制カウンターはユーベルコードに反応を返すもの、通常攻撃には反応しない。なら、無感情の今の状態なら『危機意識や防衛本能で対応できない』はずだ、と。
本来なら、無感情であっても、本能的、いや本能を越えたレベルで敵対している猟兵の行動に強烈な反撃が飛んできたはず。ただ単に『普通にブッ飛ばす』なんてことはできない。
しかし、今は。
いろはが仕掛ける前に、マリアドールが世界を謳歌している。偶然かつ奇跡的に。エイプモンキーが発動した先制カウンターの副次作用とマリアドールの行った支援がかみ合い、エイプモンキーに絶対的な隙を作る。
立てもしない者が、感情すら閉ざし、危機意識や防衛本能で対応できない状態になれば。
「テメーは反応する事すら出来ない」
グレネードランチャーが火を噴く。その弾は彼女の特製ペイントボール。『熱線を液体化した』カラーボールだ。当たれば炸裂し、その熱線が敵の身を焼く。
「全部持ってけ!」
手持ちのペイントボールを次々とぶち込み、インクカートリッジから補充してさらに叩き込む。エイプモンキーがいろはの個性(いろ)に染まる。
「そうこれが私の世界。テメーはアートの柱になれ!!」
最後の一発をぶっ放すいろは。着弾したペイントボールが弾け、最後のひと塗りで以て。エイプモンキーという存在を塗り潰す。それはアートが完成した瞬間であり、世界からエイプモンキーが消えた瞬間。
そして世界は鳴動を止める。まるで猟兵たちの勝利を、周囲に流れる花で称えるように。
成功
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