砦を築け 兵を鍛えろ
●アックス&ウィザーズ
そこは剣と魔法の西洋風ファンタジー世界。
とある王国の辺境に『黒の森』と呼ばれる大森林が広がっている。
そこは人間の支配権の及ばない場所だ。
森からは頻繁にモンスターが外の世界、人の世界に侵食してくる。
その為に森から一定の距離に砦が築かれ、砦の兵士たちが森から出たモンスターを監視、討伐している。
いつもはそれで大丈夫であったが、先日、森から常にない大群の魔物が溢れ出した。
『動く死体』-ゾンビ-の群れである。
数百、ひょっとしたら千を超える死者の群れは生者を求めて砦に殺到する。
その戦いは砦が大損害を受け、砦の守備隊に壊滅に近い死傷者を出したものの、援軍に来た辺境伯軍によってゾンビの殲滅に成功する。
辺境伯は戦後、三つの指示を出した。
砦の復旧、守備隊の新生、そしてゾンビの大量発生の原因の究明である。
現在、辺境伯軍の大多数は元の国境警備に戻っており、少数の正規軍と募兵に応じた新兵たちが砦の再建工事に努めている。
新兵は平民の次男三男であり、冒険者だったりして練度は低い。
辺境伯の目論見としては砦を再建して、新兵を練兵してそこの守備に当てる。
原因が判明し次第、場合によっては原因排除の討伐隊を組織する、であった。
しかし、間に合わない。
予知では原因の特定に成功するも、討伐隊の編成の前に再び大攻勢が行われ、再建途上の砦は防衛力を発揮できず蹂躙されることになる。
●グリモアベース
グリモアベースの一角でグリモア猟兵の一人、ステラ・リデルが猟兵達に自身の見た予知を説明する。
アックス&ウィザーズでゾンビの大群が砦を蹂躙するというものだ。
「残念ながら、ゾンビ発生の原因を予知する事は叶いませんでした」
しかし、辺境伯の手配した捜索隊が原因を究明して砦に戻る姿は予知できた。
ただ、その報告が辺境伯の元に届く前にゾンビの再攻勢が始まり、砦は陥落する。
「そこで皆さんの力をお借りしたいのです」
まず、砦の再建に力を貸してあげて欲しいとステラは言う。
現地の兵士たちだけでは再攻勢に間に合わないが、猟兵の力を持ってすれば間に合う事が可能だという。
それと並行して新兵を鍛えてあげて欲しいらしい。
砦の防衛力がある程度発揮でき、兵士に一定の練度があれば、そこに猟兵の力を加える事で犠牲を最小限に再攻勢を退けることが可能なはず、というのがステラの見立てだ。
「砦の再建、兵士の練兵、そして原因の排除。かなり忙しく皆さんには負担をかけてしまいますが、多くの命を救って頂きたいと思います」
そう言ってステラは頭を下げる。
なお、新兵の募集で冒険者なども広く受け入れている為に猟兵が潜り込むのは簡単だ。
また、辺境伯は実力主義者であり、その薫陶は砦に残った僅かな正規軍にも行き届いている為に力を示せば、意見を受け入れてくれるとのこと。
「それでは皆さん、よろしくお願いいたします」
淵賀
3回目のシナリオをお届けします。淵賀です。
よろしくお付き合いいただければ嬉しいです。
以下で今回の依頼をまとめさせてもらいます。
●目的
崩壊した砦の再建をして下さい。
皆さんの好みに仕上げてもらえれば嬉しいです。
また、完成した砦に○○砦みたいに、名前をつけるのもありです。
※もし複数候補がある場合は第2章で選んでもらいます。
(1章、冒険)
新兵たちを訓練してください。
彼等は家業土地を告げない男子や定職につきたい冒険者たちで強さは一般人かそれに毛の生えた程度です。
第2章の終わりにゾンビの群れの襲撃があり、それまでの結果によって損害の程度が決まります。
(2章、冒険)
ゾンビの発生源との戦いになります。その正体は2章の終わりで明らかになります。
(3章、ボス戦)
第1章 冒険
『砦の建設』
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POW : 砦の建設に必要な力仕事を行う
SPD : 周辺の探索を行う、仕掛け罠を用意する
WIZ : 砦を利用した戦い方を提案する
👑11
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茲乃摘・七曜
心情
動く死体ですか…やはり、この世界は興味深いです
指針:WiZ
空堀と土壁の作成
新兵の適正確認と振り分け
「さて、いかに侵攻をばらけさせられるかですね
行動
魔術師として新兵の募集に参加
※Angels Bitsとの三重の【歌唱】で能力行使
砦強化
土【属性攻撃】【範囲攻撃】で土を動かし空堀と土壁を生成し砦に辿り着くまでの時間を稼ぐ
「森から砦までの防衛戦の構築の指揮をさせていただけないでしょうか?
新兵訓練
動く死体を遠距離から攻撃する事を念頭に狩りなどで弓の扱いが出来る新兵と長柄の武器で遠くから叩く新兵で戦線を構築させる訓練を行う
「木の棒に石を括りつけた武器でも振り下ろせば威力は出ます。体に覚え込ませましょう
●新兵募集
砦の守備隊の壊滅。失われた戦力を補充する為に辺境伯領の街や村に新兵募集の高札が立つ。
その高札を見て、ある者は食べる為、ある者は立身出世を夢見て砦に行くのだった。
●漆黒の淑女
戦力が欲しい、と言っても何事にも適性がある。
適性のない者が兵士になった場合、無駄死にの可能性が高まるし、最悪それに仲間を巻き込む。
そんな事を防ぐ為、最低限の面接と体力試験のどちらか、あるいは両方が行われている。
特技があるという者は面接が行われ、その特技を測られ認められれば即採用、場合によっては指揮官として迎え入れられる。
特技がなくともやる気はあるという者は体力試験で篩い分けられるようだ。
測る者、面接官を務めるのは砦に少数残っている辺境伯直属の騎士だ。
そんな騎士の一人、クラウスはその日、一風変わった希望者の面接を行っていた。
それは黒色の広い鍔の帽子で目元を隠すように微笑む女性で、見えるのは口元だけだ。
しかし、長く美しい漆黒の髪と色白の肌は隠された美貌が容易に想像できる。
悲劇を回避すべくこの地を訪れた猟兵の一人、茲乃摘・七曜(魔導人形の騙り部・f00724)である。
「貴女は魔術師であるという。それが本当であれば是非、得たい人材だ。その力を見せてもらっても構わないだろうか?」
「ええ、勿論、構いません。それでは外に出て宜しいでしょうか?開けた場所の方が分かりやすいと思います」
「分かった。それでは移動しよう」
面接が行われていた建物から外に出る七曜とクラウス。
そこで七曜は『Angels Bit』を二機、展開する。それは自律式の多機能小型蒸気機関式拡声器で、彼女の周囲を浮遊し始める。
そして――
美しい歌声が周囲に響き渡る。『Angels Bit』によって拡声された神秘の歌声は世界の法則を書き換える。
「おお――!」
クラウスの前で土が独りでに盛り上がり、土壁と空堀を生成する。
人力のみで行った場合、十人で一日掛かりそうな立派なものだ。
「如何でしょうか?」
「素晴らしい!是非、協力して貰いたい」
落ち着いた声で語り掛ける七曜に興奮気味に答えるクラウス。
七曜は魔術師としての実力を評価され、新兵の指揮官の一人として採用される。
十人の新兵を任せられたようだ。
指揮下の新兵たちとの顔合わせが終わった後、司令部に七曜はある提案をする。
「森から砦までの防衛線の構築の指揮をさせていただけないでしょうか?」
と言うものだ。
その提案は砦自体の復旧がまだ終わらないのにと難色を示す者もいたが、彼女の力を目の当たりにたクラウスが強力に支持。認められることになる。
「それでは貴女の指揮下にある新兵十人と共に防衛線の構築を頼む。また、新兵たちは戦いの素人が殆どだ。折を見て訓練も施して貰いたい」
有能と分かればこき使うのが辺境伯軍の気風だ。
それを七曜は穏やかに承諾する。もとより彼女はそのつもりで来ているのだ。
(動く死体ですか……やはり、この世界は興味深いです。まずはその動く死体に対応した戦術を体に覚え込ませなければなりませんね)
短期間で体に覚え込ませるには……と訓練方法を考える七曜の姿に、少し怖いものを感じる新兵たちだった。
成功
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■砦の状態
砦の復旧はまだまだ。
しかし、砦と森の間に土壁と空堀による防衛線が構築されつつある。
ドリスコ・エボニス
POW
ゾンビの発生ね、気にはなるが取りあえずは砦の再建をやりますか
「数の暴力……。楽しそうで身震いがするなぁ」
まずは【戦闘知識】と【情報収集】を利用して砦全体の破損具合のチェックかな
特にひどい部分を修理をしましょう
【怪力】や【ダッシュ】で必要な建材を素早く運びます
ひどいってことは次もそこを襲ってくる可能性もあるから重点的に【地形の利用】も利用して強固に仕上げましょうか
取りあえずはこんなところでしょうか
※アドリブ、連携は歓迎です
ジークフリート・ヴァールハイト
WIZで判定
砦の建設そのものは力仕事を手伝おう。木材や石材を運ぶ。砦に装備を施すというならその手伝いをしよう。俺は猟兵としてまだ未熟ではあるが、戦場を生きてきた騎士として、砦の建設のアドバイスぐらいなら手伝えるかもしれない。
さて、訓練に関してだったな。指輪を翳して混沌の狼を呼ぼう。……実践訓練だ。狼の数は訓練の兵士の数に合わせて適量。ゾンビに比べれば人型ではないが、素早いし、力も強いはずだ。勿論、実践訓練を積んで貰うだけだ。怪我はさせないが、そっちは全力で斬りつけて来ると良い。
いいか?覚えるのは連携だ。魔物を相手に単騎で挑むな。必ずニ対一の状況を作っていけ。周りに目を光らせ、連携して闘うと良い
●
喧噪の中、砦の復旧作業は続いている。
あっちに石材、こっちに木材と建材が忙しく運ばれる中、一際目立つ存在があった。
二人掛かりで運ぶような建材を一人で軽々と運ぶ男性、ドリスコ・エボニス(蛮竜・f05067)である。
赤い瞳と白銀の瞳のオッドアイが印象的な彼もまた、この地の悲劇を防ぐ為に訪れた猟兵の一人。
「ゾンビの発生ね、気にはなるが取りあえずは砦の再建をやりますか」
と体力試験を尋常でない好成績で合格して砦の一員となっている。
そんな彼が試験に合格して、まずやった事は砦全体の破損具合のチェックである。
特に破損の酷い所を把握に努める。
そして、ドリスコの豊富な戦闘知識は何故、酷くなったのかと言う原因を理解する。
「砦の縄張り上、弱点となっているな。ゾンビにそれを見抜く知性があるとも思えないが、逆に本能で当たりをつけたか」
――この部分は次の侵攻時に再び弱点となる可能性が高い。
そう考え、辺りを見回すドリスコ。
あそこに物見櫓を立て、あちらの壁を強固に。反対側からフォロー出来る様にして……そして……
壁や櫓など防衛施設を複合的に利用して弱点を逆に強みに変える構造を考え出す。
それを図面に纏め、司令部に持って行くドリスコ。
司令部の騎士たちは初めは懐疑的であったが、ドリスコの説明を聞いて納得する。
「これは尤もだな。君は何処でこれだけの知識を?」
戦いを生業とする騎士たち以上の見識にドリスコの経歴に興味を示す。
騎士たちの注目を一身に受け、実は気が弱いところがあるドリスコは内心、緊張しつつも戦場を渡り歩いて得た知識だと説明する。
「君は体力試験も好成績だったな。それでいて戦場経験も豊富なのであれば」
と新兵十名をつけられ、自らが提案した工事の指揮を任せられることになる。
そして現在、怪力、快足を活かして工事を頑張っているのである。
指揮下に入った新兵たちも隊長が率先して動いている中ので皆、活発に働いている。
●
勿論、ドリスコ隊だけが工事をしている訳ではない。
同じ作業場にもう一隊、投入されており、協力して行っている。その隊の隊長も実は猟兵である。
ジークフリート・ヴァールハイト(Chaos Legion・f17072)、銀髪碧眼の眼光鋭いダンピールだ。
彼は採用の際に騎士としての経験を語り、実際にその実力を認められてドリスコ同様に十人の新兵を預けられている。
猟兵同士であり、主導権争いなどをすることなく協力して順調に作業は進む。
そして、工事作業の時間が終わり、訓練の時間となる。
基本的に新兵の訓練はその隊の隊長に委ねられている。
「ドリスコ、訓練方法に関して俺に考えがある。せっかく同じ現場で働いているんだ。君の隊も一緒にやらないか?」
「良いですね。ジークフリートさんのお手並みを拝見させて貰いますよ」
明日以降も同じ現場で働く予定になっている。
それならば訓練も合同で行い、連携を強めた方が効率的になるはずと言うジークフリートの考えに快諾するドリスコ。
広場にそれぞれ武器を持って集められたドリスコ隊とジークフリート隊の新兵たち。
彼等の前に立ち、ジークフリートはよく通る声で力のある言葉を発する。
『混沌よ。その姿を顕せ』
混沌の騎士の言葉に応じ、姿を顕す蒼黒の狼たち。
その体は不安定に揺らいでおり、狼たちがこの世ならざる存在であることを見る者に悟らせる。
突如、顕現した狼たちを見て動揺する新兵たちにジークフリートは声を掛ける。
「これから実践訓練を行う。ゾンビに比べれば人型ではないが、素早いし、力も強いはずだ」
俊敏で狂暴そうな狼との実戦と聞いて顔を青褪めさせる新兵たち。
「勿論、実践訓練を積んで貰うだけだ。怪我はさせない。だが、そっちは全力で斬りつけて来ると良い」
その様子を見て安心させるように言う。
ただし、ジークフリートは無表情なのであまり安心できないようだ。
それを感じ取って狼に自身への襲撃と直前での停止を命じる。
狼たちはその意を受けて、彼に襲い掛かり……直前で避けるという動作を忠実にこなす。
これで新兵たちは幾分か安心したようで生気を取り戻す。
「いいか?覚えるのは連携だ。魔物を相手に単騎で挑むな。必ずニ対一の状況を作っていけ。周りに目を光らせ、連携して闘うと良い」
ジークフリートの訓示に新兵たちは了解の声を上げ、訓練が開始される。
その訓練にドリスコも自身の経験からのアドバイスを送り、充実した時が過ぎていったのだった。
成功
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■砦の状態
砦の復旧はぼつぼつ。
以前の砦の弱点を克服した形になりつつある。
また、砦と森の間に土壁と空堀による防衛線が構築中。
■新兵の状態
一部の新兵たちに顕著な向上あり。
夜神・静流
練兵。刀剣を用いた白兵戦を叩き込みます。
防衛網を突破してきた敵の迎撃・殲滅を行なって味方を援護する、危機を防ぎ、好機を作る為の遊撃剣兵隊を組織する事を提案。
敵の侵入に備え、近接戦闘に長けた部隊は必要かと愚考します。
身軽さを活かして戦場を駆け回り、敵の攻め手を潰して回る、危険ですがやり甲斐がある仕事です。素質とやる気がある新人を集めて鍛えたい。
見切りと早業の技能を教え込み、敵の動きを見切った上で素早く斬り、動きを止めない事を最重視。
また訓練と並行して地形の把握も徹底。敵がどこから攻めるか予測し、素早く駆け付けられるように心構えを。
実力を見せる必要があれば一ノ秘剣・八雲を披露。他の技でも可。
●遊撃剣兵隊
司令部に赴く颯爽とした剣士が一人。夜神・静流(退魔剣士の末裔・f05903)、この地に訪れた猟兵の一人だ。
彼女は司令部に着くと礼儀正しく来訪の理由を告げる。内容は特殊部隊新設の提案だ。
「遊撃剣兵隊……?」
「はい。防壁を突破してきた敵の迎撃・殲滅を行って味方を援護する、危機を防ぎ、好機を作る為の部隊です」
「ふむ」
彼女の提案に司令部の騎士達は相談を始める。
砦は防壁に囲まれているが、何処か一ヵ所が突破されるとそこが蟻の一穴となり、戦線が崩壊するという事は往々にしてある。
彼女が提案する部隊は一穴が穿たれた瞬間にその穴を埋めるという事だろう。
「敵の侵入に備え、近接戦闘に長けた部隊は必要かと愚考します」
「成程、君の提案には一考の価値があるな」
予備戦力の必要性を騎士達は認識しているが、新兵側からそれを提案されるとは考えていなかった。面白いと考える。
「それを作るとして重要性を認識している者を指揮官とする必要がある。
具体的に言うと君だ。その任に堪える自信はあるかね?」
静流は自信を以て肯定する。
彼女の実力は採用の際の実技で騎士達は把握している。剣の腕は自分達を遥かに凌ぐと。
「君の実力は知っている。だが、部隊となると兵を率いなければならない。どんな人材が欲しいかね?」
「身軽さを活かして戦場を駆け回り、敵の攻め手を潰して回る、危険ですがやり甲斐がある仕事です。
素質とやる気がある新人を集めて鍛えたいと思います」
「宜しい。それでは次の大休憩で募集をかける。君は志願者から十名選びたまえ」
「ありがとうございます」
特殊部隊新設という事で立身出世を夢見る者、腕に自信がある者が名乗りを上げ、募集には思った以上の人が集まった。
定員の関係上、静流は一人一人と面談して採用する。
そして、選ばれた十人。だが、同じ静流に選ばれた十人にも温度差があるようだ。
素直に静流の指示に従おうという者もいれば年若い彼女を軽んじている者もいる。
静流は今後の事を考えて実力を示しておこうと判断。
「皆さんの中には私が何故、遊撃剣兵隊の隊長を務めるのか疑問に思っている方もいると思います。
その疑問を晴らす為、実力を見ていただこうと思いますが、誰か相手をしてくれますか?」
丁寧なだが自信に溢れた彼女の言葉に腕自慢の男が名乗りを上げる。
「それなら、俺が相手になろう。アンタに不満がある訳じゃないが腕を知らない奴の指図を受けるのは気に食わねぇ」
彼は冒険者だったが近くに故郷がある為にこの地を守る為に志願して砦にやって来た。十人の中では一番、腕が立つ。
「ありがとうございます。それでは――」
十歩ほどの距離を取って向かい合う二人。
二尺五寸の愛刀を納刀したままの静流とバスタードソードを構える男。
開始の合図と共に静流が風になる。
《一ノ秘剣・八雲》 風を纏った彼女は一瞬で間合いを詰め、居合からの高速八連撃を放つ!
無論、全て寸止めである。だが静流の神速の連撃に男は一歩も動く事ができない。
審判が静流の勝利を告げる。
「いや~負けた負けた。アンタ、いや隊長、強いな。上級の冒険者でも隊長ほどじゃないと思うぜ」
男は素直に静流を称賛し、勝負を見た他の新兵たちも静流の実力を認める。
結果としてこの勝負が功を奏して結束が強まり、静流の刀剣を用いた白兵戦の叩き込み訓練を協力して乗り越えていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
■砦の状態
砦の復旧はぼつぼつ。
以前の砦の弱点を克服した形になりつつある。
また、砦と森の間に土壁と空堀による防衛線が構築中。
■新兵の状態
一部の新兵たちに顕著な向上あり。
遊撃剣兵隊結成。
フィニー・レイナ
ふむ、砦の建設と強化と兵の育成ですか。よいでしょう、白の翅の傭兵隊長の経験とPOWと指揮を活かした建設をしましょう。
先ずは実力を見せましょうか、経験と才能の力で試験の内容に合わせて近接力を見せる。武器はその場に合わして使う、指揮を見せる必要があるならUCのフェアリーの大号令を使う。
新兵は前衛の近接武装にあった陣形や配置・統率を組み合わせて指揮ができる人には戦術と連携を教える。なるべく後衛まで接近された時の保険が必要だからね。
建設は砦の外に先が尖った杭を出入りする道以外に3段構えで設置するように、建設する人と作業する。理由は簡単、進軍しやすいルート以外は渋滞を起して時間稼げはできるからね。
●
銀髪赤瞳のフェアリーの少女が志願してきた時、面接を担当した騎士は戸惑った。
少女と言うにも年若く、幼女と言える年齢にも見える。
また、彼女はフェアリー、アックス&ウィザーズ世界に存在する身長は人間より遥かに小さい種族だ。
とは言え、総じて魔力は高く「旅の導き手」として知られている存在でもある。
だから、騎士も最初は魔術師として志願してきた、と思ったのだ。
だが、彼女、フィニー・レイナ(残虐なフェアリー・f13646)は戦士として来たという。
しかも、傭兵隊長として指揮の経験もある、と。
外見からはとても想像がつかないが、想像を上回る存在が意外と多い世界だ。
「ふむ。それでは実力を示してもらおうと思う。白兵戦能力と指揮能力の双方だな。構わないかな?」
「それは当然ですね。相手は騎士殿が務めてくれるのでしょうか?」
「そうだな、君の担当は私だ」
という事で実力を試されることとなる。
騎士と対峙したフィニーは自身の持つユーベルコードの一つ《経験と才能の力》の力により溢れ出る魔力に包まれる。
「ほう」
増大した魔力を感じ取り気を引き締める騎士。
「始めていいかな?」
「構わない。いつでもきたまえ」
「それでは」
急激に加速して騎士に向かうフィニー。
騎士は鋭い剣筋で迎え撃つが、彼女はそれを巧みに回避してすれ違いざまに一撃を入れる。
その一撃を躱せないと判断して、鎧で受け止める騎士。
だが、小さな体からの一撃とは思えない衝撃を受けて体を揺らす。
「何とっ」
何とか耐え態勢を立て直そうとするも既にフィニーは二撃目の動作に入っている。
喉元にルーンソードを突きつける!
「まだ、続ける必要が?」
「いや、十分だ」
騎士はフィニーの実力を認め、試験は合格となる。
「君の個人的な力量は分かったが、指揮官を希望していたね。
今のままでも指揮官待遇で採用するが、何か示す手段はあるかな?」
「ありますよ。お見せしましょう――『出でよ、我が精兵達!』」
フィニーの力の秘められた言葉と共に、妖精の霊達が無数に現れる。これはかつて彼女が率いていた傭兵団の霊だ。
「これは、凄いな」
絶句する騎士。フィニーはその後、妖精の霊達を指揮して一糸乱れぬ統率を見せる。
これにより十人の直属の部下と全体の訓練内容への意見陳述を許される立場を得る。
また、敵の侵攻ルートを制限する為に尖った杭による防衛設備の設置を提案して採用されたようだ。
成功
🔵🔵🔴
■砦の状態
砦の復旧はほぼほぼ。
以前の砦の弱点を克服した形になりつつある。
また、砦と森の間に土壁と空堀による防衛線が構築中。
砦の外に三段の尖った杭の防衛設備が設置中。
■新兵の状態
一部の新兵たちに顕著な向上あり。
遊撃剣兵隊結成。
新兵たちの全体レベルが微増。
レイチェル・ケイトリン
砦の建設に必要な力仕事を行う
まあ、力ってわたしの場合、「念動力」をつかった「サイコキネシス」なんだけどね。
大地の魔法使いってなのって、辺境伯さんのとこから砦までの道をしっかり整備して七曜さんたちに資材とかがどんどんとどくようにするよ。
いざというときの援軍もはやくこれるもの。
あたりの状況を「情報収集」して「地形の利用」して、必要なら「トンネル堀り」もしちゃうからね。馬とか馬車とかはやく走れるように。
兵士さんたちあずけてもらったら郵便配達と荷物の運送をがんばってもらうね。
「デジタルカメラ」で砦のことをいろいろ「撮影」して、砦の隊長さんにかいてもらったおてがみを辺境伯さんにとどけるところからかな。
●
「大地の魔法使い?」
この日、志願してきた銀髪碧眼の可憐な少女、レイチェル・ケイトリン(心の力・f09500)の名乗り。
担当した騎士クラウスは先日、砦に加わった漆黒の淑女を思い浮かべる。
「魔法使いということなら、大歓迎だが……その魔法の力、見せてもらっても構わないだろうか?」
「勿論だよ」
クラウスの要請を快諾するレイチェル。
「私の魔法は力仕事に活かせると思うんだ」
どう見ても華奢な彼女と力仕事は結び付かない。それを結び付けるのが魔法の力なのであろうが……
色々と想像するクラウスと共に工事現場に出たレイチェル。
そこで彼女は防壁の上に運ばれる建材に目をつける。
「あれを上に運ぶの大変だよね?」
「ああ、そうだな。男二人掛かりで慎重に運ばなければならない。また、落下事故なども気をつけねばならないな。
……あれを何とかする方法があるという事かな?」
「うん、見ててね。あっ、念のために上にいる人たちを少しの間、離れてもらっても良いかな?」
クラウスの指示で人が離れる。何事かと工事を行っていた新兵たちがレイチェルとクラウスを注視する。
「えへへ、ちょっと照れるね。それでは――」
ユーベルコード《サイコキネシス》の発動。レイチェルの念動力で重たい建材が宙に浮く。
「「おおっ――」」
どよめきが周囲を包む。その中で宙に浮いた建材はそのまま上昇して防壁の上に運ばれる。
「どうかな?」
「見事な腕前だ」
彼女の問いにクラウスは拍手と共に採用を告げる。
その後、彼女はある提案をする。
辺境伯の領都と砦の間の道を整備して資材の運搬や行軍速度を上げたいというものだ。
「道の整備に目をつけるとは慧眼だな。閣下が好まれる人材だ」
そう褒めつつも、提案自体は保留だ。
理由は『道』を重視する辺境伯によってある程度、整備された道が既に存在していること。
勿論、レイチェルの力を以てすれば、より素晴らしい道になることは予想できたが、それよりも今は砦の復旧に力を入れて貰いたいということだ。
砦の復旧が終わった後なら、彼女の希望は容れられるだろう。
もう一つの提案は諸手を挙げて受け入れられた。
それは「デジタルカメラ」で砦の様子を撮影して、辺境伯への報告書に添えるというものだ。
「これは素晴らしい。絵とは思えん」
「絵じゃないんだけどな」
騎士達の要請に従って複数の写真を撮るレイチェル。
『写真』の価値は彼女が思っているよりも高く評価されたようで一見華奢な彼女には護衛がつけられることになった。
その後、卓抜した念動力で工事を援け、作業効率は大幅に上昇することになる。
成功
🔵🔵🔴
■砦の状態
砦の復旧は完了間近。
以前の砦の弱点を克服した形になりつつある。
また、砦と森の間に土壁と空堀による防衛線が構築中。
砦の外に三段の尖った杭の防衛設備が設置中。
■新兵の状態
一部の新兵たちに顕著な向上あり。
遊撃剣兵隊結成。
新兵たちの全体レベルが微増。
カイム・クローバー
【s】
要するに金になる仕事って訳だな。ゾンビの群れを見つけて防衛して反撃して叩く。やる事は単純だが、それを成すにはキッチリと事前準備しなきゃな。準備は戦場の前の基本だぜ?
俺はUC使って、周辺の探索を行うとするか。流石に森まで行くわけにゃいかねぇが、何かしらゾンビ共の大量発生のヒントが落ちてるかも知れねぇし。
何か見つかりゃラッキー程度でな。けど、あんまり期待すんなよ?
それと新兵の訓練だっけ?
そうだなぁ…魔術なり、戦術なりってのが俺は得意な訳じゃねぇし、一流冒険者ってのが得意な連携の仕方ってのを教えてやるよ。武器取って二人組になりな。俺が相手してやる。遠慮はいらねぇから思いっきり掛かってきな
●
森と砦の間、土壁と空堀による防衛線が構築されて行くのを後目に辺りを探索する者が一人。
長い銀髪を後ろで束ねた紫の瞳の男、猟兵の一人、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)だ。
「ゾンビの群れを見つけて防衛して反撃して叩く。
やる事は単純だが、それを成すにはキッチリと事前準備しなきゃな」
カイムは何かしらゾンビの大量発生のヒントが得られないかとこの場にいた。
《盗賊の極意》により、今の彼は極めて優れた盗賊技能を有している。
盗賊と言っても家屋に浸入して盗むだけではない。
痕跡を消す事に長けた彼等は逆に僅かに残された痕跡を見逃さず、屋外においては優れた追跡者にもなる。
調査の結果はゾンビ共は森の一定の範囲から、ほぼ真っ直ぐ砦を目指したということが分かる。
「この範囲の奥に行けば原因を突き止める事も出来るだろうが、流石に森まで行くわけにゃいかねぇな」
大量発生の原因は分からなかったが、侵攻の起点をほぼ把握でき、砦以外にゾンビ達が行った形跡もないことが判明したことは朗報だ。
また、砦で騎士達に聞き取りをして、ゾンビと言っても人間ではなく、ゴブリンやオーク、オーガなど森に棲む、いわゆるモンスターと呼ばれるモノだったことも判明している。
「まあ、原因は後日に判明されるって予知されているし、こんなものか」
カイムは得られた情報を砦の者たちと共有する。
砦に戻ったカイムはその腕を見込まれて十人の新兵をつけられる。
「あんまり柄じゃないんだが、新兵の訓練だっけ?」
新兵を見回しながら考える。
「そうだなぁ……魔術なり、戦術なりってのが俺は得意な訳じゃねぇし、一流冒険者ってのが得意な連携の仕方ってのを教えてやるよ」
『Marchocias』地獄の大いなる侯爵の名を冠する剣を顕現させようとして、思い止まる。
新兵の訓練に使った日には阿鼻叫喚だ。
「誰か訓練用の模造剣を持ってきてくれ。それで、あんた達は武器取って二人組になりな。俺が相手してやる。遠慮はいらねぇから思いっきり掛かってきな」
持ってこられた模造剣を肩に担ぎ、新兵たちを見回しながら言う。
「二体一で良いんですかい?」
「いいぜ。まあ、やって見ればわかるさ」
カイムの自信に溢れた態度に「怪我しても知りませんぜ」と武器を構える新兵たち。
そして訓練が始まる。
「おい、せっかく数が上なんだ、連携しろ」
「そうじゃない、それじゃあ、各個撃破されて終わりだ」
「そうだ、そうやってフォローしあえ」
「少しはマシになったがまだまだ甘い」
二人五組が代わる代わるカイムと手合わせするも全く歯が立たない。最初の頃は瞬殺だ。
それでも、何周もする内に少しずつ手合わせする時間が増え……
「よし、今日の所はここまでだ。大分マシになった。感覚、忘れるなよ」
とカイムが終了を宣言した時には全員、へばり込んでいる。結局、カイムに一太刀も入れられていない。
「強過ぎだろ」「意味が分からん」「腹減った……」
カイムの強さに舌を巻く新兵たちだが、訓練で自身の腕が上昇しているのも実感できる。
「だが、良いな」「ああ、何というか強くなっている感じがする」「腹減った……」
カイムの下で結束を強める新兵たちだった。
大成功
🔵🔵🔵
■砦の状態
砦の復旧は完了間近。
以前の砦の弱点を克服した形になりつつある。
また、砦と森の間に土壁と空堀による防衛線が構築中。
砦の外に三段の尖った杭の防衛設備が設置中。
■新兵の状態
一部の新兵たちに顕著な向上あり。
遊撃剣兵隊結成。
新兵たちの全体レベルが微増。
四宮・かごめ
罠使いとして新兵募集に参加致しまする。頼もう
【SPD】
大軍とて逐次戦場にすれば各個撃破されるのみ。罠を広く展開し、敵の進行を遅らせ防衛側が対処し易いよう致したく
周辺の様子や工事の具合を見ながら、他の猟兵とも連携し砦外の適当と思われる場所に罠を配置していきまする
偽物はそれ自体頑丈で敵を食い止められる『高い土塁』侵攻経路の開けた場所に複数置けば間を通ろうと渋滞を起こしまする。念のため砦のとは離れた場所に作り苦無で大きく×印を。拠って戦おうとは思いませぬよう
罠は発動後も暫く効果を発揮し続ける深く広い落とし穴。底に竹槍を植え込みまする
頭の高さや広範囲を攻撃するものも良いかと
技能:早業・罠使い・地形利用
●
「頼もう」
緑色の忍装束を身に纏った黒髪黒瞳のエルフの女性、四宮・かごめ(たけのこ忍者・f12455)が砦の司令部を訪れる。
彼女は罠使いを特技として新兵募集に参加して、その力を認められている。
「これは四宮君、罠の設置場所や種類は決まったかね?」
訪問したかごめに対応するのは面接を担当した騎士ヨーゼフだ。
彼は彼女を採用した後、特技を活かす為にどの様な罠を何処に設置するかを考えてから、報告する様に要請していた。
「しかりと。説明するゆえ、それがしについて来て頂きたい」
「うむ、それでは案内して貰おう」
ヨーゼフを連れ歩きかごめは意図を説明する。
「大軍とて逐次戦場にすれば各個撃破されるのみ。罠を広く展開し、敵の進行を遅らせ防衛側が対処し易いよう致したく」
「ふむ、侵攻ルートを限定するのだな」
他の新兵からも上がってきている案だ。今回の新兵募集は突出してレベルの高い者が多いな、と思いながら肯く。
普通は指示されたことをこなすのに精一杯で提案してくる者はまれだ。
「砦の外の適切な個所にそれ自体頑丈で敵を食い止められる『高い土塁』を築きまする。
また、侵攻経路の開けた場所に複数置けば間を通ろうと渋滞を起こしまする」
勿論、その土塁は侵攻を遅延させる為のもの。拠って戦えるものではないので分かりやすく壁面に×印をつける。
分かりやすいがゾンビには判断できないだろうという考えだ。
「成程。それで罠はどうするのかね?」
「はい、この土塁による進路制限を効果的にする為にここ、そしてあそこを中心に落とし穴を作りまする。
落とし穴は発動後も暫く効果を発揮し続ける深く広いものを。そして底に竹槍を植え込みまする」
あとは頭の高さや広範囲を攻撃するものも良いかと思いまする。
そう続けるかごめの発言をヨーゼフはしばし考え。
「よろしい、許可を出そう。土塁の方は茲乃摘君に協力する様に頼んでおこう。罠の方は任せていいのだったね?」
「お任せあれ。それがしの《仕掛け罠》は効果抜群でございますゆえ」
「ああ、あれは魔法のようだったな。ならば、宜しく頼む」
最初の試験の際に、精巧な罠をあっと今に作成したかごめのユーベルコード《仕掛け罠》を見ているヨーゼフは彼女の腕を信頼している。
彼女はその信頼に応え、砦の周囲に強力な罠地帯を築くのであった。
成功
🔵🔵🔴
■砦の状態
砦の復旧は完了。
以前の砦の弱点を克服した形になっている。
また、砦と森の間に土壁と空堀による防衛線が構築。
その後ろに土塁と罠地帯あり。
砦の外に三段の尖った杭の防衛設備あり。
罠と杭と土塁によって敵の侵攻ルートはほぼ固定される。
■新兵の状態
一部の新兵たちに顕著な向上あり。
遊撃剣兵隊結成。
新兵たちの全体レベルが微増。
シン・コーエン
【WIZ】で。
試験を受けて力を示した上で入隊。
既に砦の強化を兼ねた復旧や、外部に防衛線が構築されている事を考慮し、「新兵全員が隊列を組んで動く訓練を実施するべきです。」と指揮官に意見具申。
特に砦と森の間の防衛線を活用するには、素早い進軍と撤退の訓練が必須。
具体的には、
最初に新兵全員が隊列を組んで、基本的な号令(「立て」「歩け」「止まれ」「走れ」「戦闘開始」等)に添って完全に行動できる所まで実施。
次に襲撃を想定して、砦から外部防衛線までの迅速な展開と砦への退却の訓練を繰り返す。
最後に砦防衛の訓練。
※一部の隊は襲撃役を演じる。
シンは新兵なので、訓練実施時の各隊の指揮はそれぞれの指揮官に委ねる。
●砦完成
猟兵達の活躍もあって砦の復旧は完了する。
短期間の工事だったが、むしろ以前よりも強固になったと言えるだろう。
砦の外にも敵戦力を漸減する為の防衛線。
それを抜けても土塁と罠。外壁に備えられた鋭利な杭によって敵の侵攻ルートは著しく制限される。
「まさか、ここまでのモノが出来るとは」
「うむ、閣下もご覧になったら驚く事だろう」
騎士達も驚き喜んでいる。
●合同訓練
砦が完成した今、次に為されるのは新兵の練度の向上だ。
既に各隊毎に訓練が施され、向上著しい部隊もあるがやはり全体訓練は欠かせない。
「新兵全員が隊列を組んで動く訓練を実施するべきです」
新兵の一人が、そう司令部に意見を具申してきたのはそんな時だった。
具申した者の名はシン・コーエン(灼閃の・f13886)。猟兵の一人で金髪碧眼の戦人だ。
シンは砦と森の間の防衛線を活用するには、素早い進軍と撤退の訓練が必須だと主張する。
次の襲撃時の勝敗は如何に砦から外部防衛線に迅速な展開が出来るかと防衛線での敵戦力漸減後に如何に砦への退却をスムーズに行うかにかかっていると。
弁舌爽やかな青年の主張に司令部の騎士達は理解と好感を示す。
「尤もな意見だ。全体訓練自体は既定のものであったが、君には訓練内容にも案があるかね?」
あるというシンに騎士達は発言を促す。
「最初に新兵全員が隊列を組んで、基本的な号令に添って完全に行動できる所まで実施します」
基本的な号令とは「立て」「歩け」「止まれ」「走れ」「戦闘開始」等だ。
戦場は混乱が常だ。自分の周りは把握できても全体の戦況を把握できる者は少ない。
だからこそ、戦況を把握する者からの指揮に従がわなければならないのだが、それがまた難しい。
鐘の音や旗の色などの合図を体に叩き込んでおく必要がある。
「次に襲撃を想定して、砦から外部防衛線までの迅速な展開と砦への退却の訓練を繰り返します」
防衛線には物見が居る。彼等の合図を受け、迅速に防衛線に戦力を配置する。
そしてある程度戦った後に戦力を失うことなく砦に退却する。この二点を徹底したいと言う。
「そして、最後は砦に拠っての防衛の訓練です。これは攻め手と守り手に分かれて交互にするのがよろしいかと」
攻め手を経験する事でどこが砦の弱い部分かを客観的に見る事ができるとシンは言う。
「よろしい。君の意見を採用しよう」
騎士達は短い相談の末にシンの意見を採用。全体訓練が実施されるのであった。
成功
🔵🔵🔴
第2章 冒険
『兵士との訓練』
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POW : 突撃や力の使い方を体で教える
SPD : 戦闘その場その場においてのテクニックやコツを教える
WIZ : 集団戦術や、継続的な戦闘における戦術や知恵などを教える
👑11
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■
この章では新兵の訓練後、再び襲ってくるゾンビの大群との対決となります。
ですのでプレイングには
①新兵への訓練方法
②新兵を率いてのゾンビの大群との戦い方
①②の両方、あるいはどちらかを書いて送って頂ければと思います。
描写的には①の後②となりますが、各人のリプレイごとにちょっと過去に遡る(①描写)の後、現在(②描写)にするつもりですので、前の方のリプレイで②が描かれていても①のプレイングを送って頂いて大丈夫です。
■特殊ルール
今回だけの特殊ルールとして第一章に参加して頂いた方の成功率に第一章の成功度に応じて+判定を行います。
これは第一章の砦の強化、新兵の訓練が活かされたとお考え下さい。
第一章、成功の方には+10%、大成功の方には+20%のボーナスがつきます。
第二章から参加の方には残念ながらボーナスはつきませんが、不利になることはありませんのでご了承頂ければ幸いです。
それでは、よろしくお願いいたします。
夜神・静流
遊撃隊の皆を中心に指導。
「遊撃隊は敵がどこを、何の為に狙っているかを察知し、速やかに急行・排除する事が任務になります。常に敵の一手先を取る事を意識しましょう」
実戦訓練は遊撃隊も攻撃側と防御側の二班に分け、攻撃側は敵の立場に立ってどこから攻めるか、防御側は如何にそれを察知して防ぐかを意識させながら訓練を。
もちろん地理の把握や、早く正確な伝令、仲間との連携も必要になり、そして上手く先回りできたとしても、敵を倒す剣の腕前が無くてはいけません。
覚える事は多いですが、頑張りましょう。
見切り・視力・先制攻撃・第六感・戦闘知識あたりの彼らに必要そうな技能を使用して適時アドバイスを。
負傷者は月光の癒しで治療。
●
砦の復旧が完了し、現在は新兵の訓練に重きを置かれている。
午前は小隊毎の訓練、午後からは全体訓練が日課だ。
そんな、ある日の午前。
「遊撃隊は敵がどこを、何の為に狙っているかを察知し、速やかに急行・排除する事が任務になります。常に敵の一手先を取る事を意識しましょう」
遊撃剣兵隊の隊員達の前で隊長、夜神・静流の涼やかな声が響く。
「聞いたか、お前等、敵の一手先だぞ」
副長を務めるアルバンが大声で復唱する。
この男、遊撃隊結成時に静流に完敗してから第一の信奉者となり、腕も確かなので副長を任せられている。
「一歩先を取るって言うけど、どうやって?」
「あん?それはだなぁ……どうやってでしょう隊長?」
隊員の疑問を静流にそのまま流すアルバン。この男、腕はあるが学はない。
「考える事ですね。敵の動きを見て、その目的を考える。目的が分かれば、それを阻止する為に何をすれば良いのかも見えてきます」
勿論、それを戦闘中に行うのは難しい。だからこそ、訓練時から考える癖をつけておかなければならない。
戦場を重ねれれば見えてくるものもあるが……やはり、最初からそれを考えている者とそうでない者との差は大きい。
「うへぇ……出来るかなぁ」
「最初からできる者はいません。ですが、意識しなければいつまで経ってもできないでしょう」
あくまで丁寧に接する静流。
「お前等、隊長がやれって言っているんだからやるんだよ!声出せ!」
「はーい」「了解」「分かりましたー」
返事はまちまちながら全員からやる気を感じられる。
まずは第一歩とその様子に満足する静流であった。
「さて、上手く敵の一歩先を取り、先回りできたとしても、敵を倒す剣の腕前が無くてはいけません。これから二人一組になり、模擬戦を行って下さい」
静流の指示で模擬戦を始める隊員達。
「右手が下がっています。それでは長時間の戦闘には耐えられませんよ」
「あと一歩、踏み込んで下さい。そうすれば相手は反撃できません」
彼女はその様子をつぶさに見て適時アドバイスをして行く。
実戦さながらの厳しい訓練だが、静流が的確な指導をすることもあり、士気は高くめきめき上達していく。
勿論、怪我人なども出るが……
「光あれ。この者の傷と痛みを癒し給え」
《月光の癒し》、静流の放つ、青白い月の光でたちまち癒される。
卓抜した剣の腕、そして癒しの奇跡と隊員達の間では静流は女神の如き扱いだ。
全体訓練では遊撃隊も攻撃班、防御班の二班に分かれて訓練を行う。
攻撃側は敵の立場に立ってどこから攻めるか、防御側は如何にそれを察知して防ぐかを意識して訓練するようにという静流の指示に忠実に実行する隊員達。
こうして、訓練漬けの一日が暮れていく。
そして、数日後の運命の日。
ゾンビの大群の再襲来を遊撃剣兵隊は一人として欠けることなく、功績を挙げるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シン・コーエン
新兵を率いて最前線で戦う
①訓練については既に提示された方針実施
・二人で連携して一人を倒す
・号令に従って動く事を徹底
・敵襲撃時には砦から外部防衛線に迅速な展開
・敵戦力漸減後に砦に迅速な退却
②ゾンビ大群との戦い
隊長として常に陣頭で戦い、新兵に号令し、戦線を維持
外部防衛線では【2回攻撃、衝撃波、風の属性攻撃、なぎ払い、範囲攻撃、地形の利用、拠点防衛】でゾンビを纏めて攻撃しつつ指揮
砦への退却時には殿を務め、UC:灼星剣皇で縦10cm×横10cm×長さ2㎞の灼星剣皇召喚(重さは無いので振るうに問題無し)
先述の攻撃で追撃するゾンビを纏めて殲滅
「全ては想定通り。これより砦防衛線に移る!」と全軍を鼓舞して帰還
ドリスコ・エボニス
新兵くんたちの訓練ですか
自分に配属された10名の新兵に弓矢にて味方の援護の訓練をしましょう
【戦闘知識】を生かして訓練、【情報収集】で一人一人の改善点を見つけてなおしていきます。少しでも一人前の弓兵に育てたいですね
それで【援護射撃】の重要性を説きます
めげそうな新兵がいたら【鼓舞】します
ゾンビの大群との戦闘ですが、我々は砦から弓矢で味方の援護です
自分は【戦闘知識】と【スナイパー】で仲間が仕留め損なった敵や死角からの敵など攻撃して【援護射撃】といきます
仲間の位置から遠くで密集している敵にはユーベルコードを使います
新兵くんたちには倒した数だけ味方を救っていると【鼓舞】しましょう
アドリブ、連携歓迎です
レイチェル・ケイトリン
1 訓練
わたしの担当になってくれた兵士さんたちにはけがしちゃった人をさがして手当して、わたしのいる救護所まで運んでくる訓練してもらうね。
必要なことは医術の技能でおしえてあげるよ。
2 戦い方
念動力は魔法じゃないけど、熱運動を激しくして蒸気をつくることはできるの。
そして、蒸気があればアルダワ魔法学園の魔導蒸気機械ガジェットはうごかせる。
それを工夫したサイコマナジェネレーターとサイコマナコンバーターで癒しの力を持つユニコーンを呼んで兵士さんたちがつれてきてくれた患者さんをなおしてもらうの。
必要なら医術と浄化の宝石の魔力の破魔の力もつかってね。
魔法学園服と細胞細胞培養ケースをつかえば手術もできるしね。
●
ゾンビの大群の襲来。それは刻一刻と迫っている。
それまでに自分の出来る事を精一杯やって、できるだけ犠牲者を少なくする。
ここにいる猟兵全員の思いだ。
●弓兵隊
ドリスコ・エボニスは自らの率いる隊を見て考える。
ゾンビの大群の再襲撃は予知を信じるとそう遠くない。
残された時間は少ないのだ。
新兵たちにあれもこれもと教えても、なかなかものにするのは難しいだろう。
ならば、一種類をとことんやるのも良いかもしれない。
他の部隊とのバランスも考えて……ドリスコが選んだのは弓矢だった。
「皆さんには弓矢の扱いを重点的に訓練して貰います」
「弓ですか?」「剣の方が良いなぁ、格好良いし」「槍の方が良くねぇか」
などなど、新兵たちの声を聞いて。
「成程、剣、槍、これらも重要です」
とドリスコ。しかし、彼は続けて。
「ですが、弓の重要性も剣槍に劣ることはありません。むしろ、より重要と言っても良いでしょう」
と戦場における弓の優位性、重要性を自身の戦場経験を踏まえ語る。
実際に数多の戦場を経験してきたドリスコの言葉は重く、説得力がある。
「隊長がそこまで言うなら」
「信じますぜ、隊長」
と全員が納得したようだ。
そして、弓矢の鍛錬が始まる。
初めは素引きだ。いきなり、矢をつがえるのは初心者には危険だ。
弦だけを引いて、構えを習う。ドリスコは各人の様子をよく見て射形を修正していく。
次に近距離での実射、それから徐々に距離を伸ばしていく。
この辺りまでくるとセンスのある者は順調に伸びていくが、そうでないものは躓く。
「俺には無理なんだ」
という新兵も出たが、ドリスコはそんな彼等に丁寧に上達する為の練習方法を教え、また、一人一人の名前を呼んで励ます。
結果、脱落者を出さずに一定の水準以上の弓兵部隊を作ることに成功する。
●救護所創設
レイチェル・ケントリンは考える。
戦闘となれば新兵達に傷を負う者も出てくるだろうと。
心優しい彼女はそんな負傷兵の為に救護所を作ることを思いつく。
まずは司令部に打診すると許可が下りる。
だが、自分一人では人手不足だ。
レイチェルは自分を護衛してくれている者達に協力をお願いする。
「兵士さんたちにはけがしちゃった人をさがして手当して、わたしのいる救護所まで運んできて欲しいの」
「しかし、我々は貴女の護衛で……」
最初は渋った彼等だったが、彼女の純真な眼差しでお願いされたら聞かない訳にはいかなかった。最終的には承諾。司令部の許可を得てレイチェル指揮下の衛生兵部隊となる。
とは言え、彼等は医療的な事は素人。今のままでは怪我人を運んでくるまでに悪化させかねない。
そしてそれはレイチェルにも十分、予想がついていた。
「必要なことはわたしが教えるね。まずは応急処置かな?」
彼女は医術に関して造詣が深い。
傷病者の扱い方、応急処置の仕方、運び方などを一生懸命に教える。
その真摯な様子はまさに天使。
「レイチェルちゃん、マジ、天使」
とやられた護衛達は奮起して学び、衛生兵に無事、ジョブチェンジしたのだった。
●
全体訓練。シン・コーエンは定められた方針に従い、新兵達に声を掛ける。
「この訓練を本番にこなせるかが勝敗を分ける」
毎日繰り返し行う事で、最初の頃と比べたら段違いに動きが良くなる。
「この調子だ。だが、油断は禁物だぞ」
「分かっていますよ」
「俺達が生き残るためだ。肝に銘じてます」
訓練となると人一倍厳しいシンだが、その快活な人柄は多くの新兵に慕われている。
●ゾンビの襲来
カン!カン!カン!
ゾンビの大群の襲来を知らせる鐘が鳴る。真っ先に反応したのはシンだ。
「まずは迅速に外部防衛線に移動するぞ!合図を!」
「「おう!」」
襲撃を知らせる鐘の音を聞くや防衛線への移動の合図を指示する。
合図の音が鳴り、訓練の甲斐あって素早く外部防衛線に移動する新兵達。
外部防衛線の土塁の上で森の方向を見れば見渡す限りの死者の群れである。
「何だ、あの数は……」
「多過ぎるだろう」
初めての実戦で友軍を遥かに上回る数の敵を見て、動揺する新兵達だが。
「諸君、訓練の成果を見せる時が来た!恐れる事はない。訓練通りにやれば勝利は揺るがない!」
シンの良く通る声が響き渡る。
声の方向を見れば大群を前に自信に溢れた様子で立つ戦人の姿が見える。
「「おお!」」
その姿に勇気づけられ戦意を新たにする新兵達。
それから間もなくゾンビの群れが押し寄せる。
初めは土塁と空堀を活かして優位に戦いを進めていたが、ゾンビの数は圧倒的だ。次第に乱戦になる。
そんな中、シンは常に新兵達の先頭に立ち、真紅に輝く灼星剣を振るってゾンビを屠る。
「この程度か!」
剣先から衝撃波を放ってゾンビの群れを吹き飛ばしたと思えば、振り向き様に灼星剣で薙ぎ払う。
まさに獅子奮迅の活躍だ。
「向こうが苦戦している。ここは良い。援軍に行け!」
また、武勇を発揮しながらも指揮も的確だ。
それから暫し……これ以上は犠牲を大きくなる。そう判断したシンは声を上げる。
「全ては想定通り。これより砦防衛線に移る!全軍、砦に帰還せよ!」
シンの声に撤退を始める新兵達。
勿論、ゾンビ達はその背中を攻撃しようとするが……
「我が剣よ、無限の想念の元、全てを超越せし剣皇として顕現せよ!」
シンのユーベルコードにより突如顕れた紅く光り輝く《灼星剣皇》が新兵の後背を襲おうとするゾンビの群れを消し飛ばす!
殿を務める彼の活躍で砦への退却はほぼ犠牲者なしで行われるのであった。
●
「シンさんは流石ですね」
外部防衛線を放棄して撤退する新兵の殿を務めるシンの活躍を見て称賛するドリスコ。
彼と彼の率いる弓兵隊は砦の防壁に配置される。
外に出ていた新兵達が訓練の甲斐あってスムーズに砦に入った後、それを追ってゾンビの大群が姿を見せる。
罠に引っかかり損害を出しつつも気にした様子もなく迫りくる。
しかし、侵攻ルートを制限され、渋滞を起こしつつある。
かなり狙いやすい状況だ。
「構え――撃て!」
ドリスコの号令と共に次々と射られる弓矢は狙い違わず先頭を進んでいたゾンビ達に突き刺さる。
既に死人であるゾンビ達を一矢で倒すのは難しいが……隊員達は訓練の果てにある程度の速射を修めている。
二矢、三矢と突き刺さり、やがてゾンビも倒れ伏す。
「良いぞ。矢が続く限り撃つんだ」
「「「おう!」」」
弓兵隊の活躍でかなりの数のゾンビが防壁に辿り着くことなく倒れることになる。
また、ドリスコ自身の戦果も凄い。
弓兵達では届かない距離に密集しているゾンビの群れに狙いを定めると――
《爆裂矢射ち》、突き刺さると同時に爆裂する矢を放つドリスコのユーベルコードが放たれる。
射られたゾンビは周りを巻き込みながら爆発するのだった。
●
ゾンビの大群の襲来。その報を受けてレイチェルは救護所の準備をしていた。
彼女は自身の強大な念動力で蒸気を作成。それをエネルギーに『サイコマナジェネレーター』と『サイコマナコンバータ』を起動させる。
この二つは蒸気から魔力を発生させるアルダワ魔法学園製の魔導蒸気機械だ。
そうして生み出された魔力で……
「きて。わたしはここにいるよ」
癒しの力を持つ幻獣、ユニコーンが召喚される。
「これからここは戦場になるんだ。ユニコーンさん、みんなを助ける為に協力してね?」
彼女のお願いにユニコーンは頷く仕草で了解を表明する。
暫くして、衛生兵達が怪我人を運んでくる。聞けば外部防衛線での戦いで負傷した者達だ。
「なおすから、少しの間、がまんしてね」
レイチェルの意思に反応してユニコーンの角から癒しの魔力が溢れる。
その温かい光に当たった負傷兵はみるみる傷が塞がる!
「うん、これで大丈夫、でも安静にしてね」
「あ、ありがとうございます」
外部防衛線に続き、砦での攻防、多くの負傷者を出したがレイチェルの活躍で多くの新兵達が命を救われるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
フィニー・レイナ
①と②の同時訓練で
まずは訓練可能な全兵士を広い場所に一ヵ所に集めて砦を使った大規模訓練を行う。訓練内容はちゃんとやる前に報告して許可を得るようにする、突然砦を使った実戦は不可能に近いからね。フェアリーの大号令で最大数まで召喚して攻め側として動かし兵士は防衛側として動かす、流石にそのまま訓練したら兵士達は苦戦するだろうから助っ人を呼ぶことにする。助っ人は純・ハイトと聖・美月に指揮が可能な指揮官で行う。
もはや、実戦に近いけどここまでして、やっと使えるからね。
訓練を始める前にユーベルコードの災害クラスの覇気を使用して、兵士達の気を引き締めさせる。
純・ハイト
フィニー・レイナの助っ人
最初はなめられたら困るからユーベルコードの禁断の戦神フェアリーの召喚で様子見、それでも弱いと思われるならスキルフルの狂気の人形劇で少しボコる。
訓練が始まる前のフィニーが災害クラスの覇気を使う前に戦神フェアリーの鼓舞で兵士達を力づけさせる。
訓練中はフェアリーの世界大戦争で必要な数を召喚してボコられて動けなくなった兵士を回収する作業をする、流石にフィニーの全力の精兵の近接は対策していても数の力でごり押せるからね、だけど余裕がありそうならフェアリーの世界大戦争で攻撃に入り数追加で動く。
訓練は甘くしたらだめだからな。
聖・美月
フィニー・レイナの助っ人2
最初は純・ハイトさんと共に行動して純・ハイトさんにボコられた兵士を生まれながらの光で治療します。
訓練前は何もできないですが、回復担当ですので訓練中にケガをした人達のためにシンフォニック・キュアで回復を維持するようにして、そうとうボコられて回復が追い付かない場合は生まれながらの光で回復させます。
争い事は苦手ですが、誰かを守るためには必要な事と思いながら回復に専念する。
●
フィニー・レイナの提案する大規模訓練。その可否について騎士達は話し合う。
「ふむ、良いのではないか?現在、攻め手と守り手に分かれて模擬戦を行っているが、全軍で協力して戦うというのは悪くない」
「しかし、本当に可能なのか?それだけの敵軍を用意するなど」
「可能だと思いますよ。彼女は試験時に指揮能力を示す為にフェアリーの軍団を召喚しました。
霊体ではありますし、サイズもゾンビ共とは勝手が違うでしょうが、訓練相手にはなるでしょう」
概ね、好意的な反応で結果、フィニーの提案は了承される。
「ありがとうございます。実戦に極めて近い戦いをお見せしましょう」
騎士達に礼を言ったフィニーは続ける。
「この大規模訓練に私の仲間を加えてもらって宜しいでしょうか?」
フィニーの考えでは自分が全力の《フェアリーの大号令》を使った場合、兵数は圧倒的に砦の全兵士を上回る。
他の猟兵達はユーベルコードを使わないだろうし、そうなると砦側の苦戦は免れないだろう、と。
それを緩和する為に仲間を呼び、砦側の助っ人としたいという考えだ。
「ふむ、傭兵隊長をしていたと言ったな、傭兵仲間かね?」
「そうではありませんが、実力は保証します」
「まあ、いいだろう」
あっさりと許可を出す。騎士達にしてみれば戦力は多い方が良い。
これで敵が人間であるならば、防諜的な意味合いで慎重にもなるが、この砦の仮想敵はモンスターである。
知られて困る機密的なものはない。
告知をする時間が必要という事で大規模訓練は明日実施ということになる。
その時間的余裕を活かし、純・ハイト(数の召喚と大魔法を使うフェアリー・f05649)と聖・美月(妖狐の聖者・f10835)が砦にやってくる。
二人はフィニーが所属する集団『猟兵マンション』の心強い仲間達だ。
「やあ、フィニー。呼ばれて来ましたが、俺は何をすれば良いのでしょう?」
「フィニーさん、私も必要なのですか?」
尋ねる二人にフィニーが答える。
「まず、ハイト殿、美月殿、来てくれてありがとう。お礼を言うわ」
謝辞を述べた後、砦側の指揮官の一人として戦って欲しいと告げる。
「俺が?今日来たばかりのフェアリーに従うでしょうか?」
「司令部の許可は得ているので、後はハイト殿の手腕に期待するわ」
「あの、フィニーさん、私も指揮官でしょうか?」
「美月殿は違うわ。実戦に近い訓練をすればどうしたって怪我人は出る。それを癒して欲しいの」
「成程、私が呼ばれた理由が分かりました。頑張って回復させますね」
そう微笑む美月にありがとうと再度お礼を言うフィニー。
「大規模訓練は明日でしたね。今日の内に、率いる兵士達に挨拶に行って良いでしょうか?」
「勿論、構わないわ」
「それなら私もハイトさんについていきますね」
フィニーの案内でハイトは自分が指揮する兵士達に引き合わされる。
「初めまして、俺が明日の大規模訓練で貴方達を指揮する純・ハイトです。宜しくお願いします」
(最初はなめられたら困るからな)
「とは言え、私の実力に疑問を持つ人もいるでしょう。まずはご覧下さい。『失われた都で眠る戦神フェアリーよ、その姿を顕してくれ』」
ハイトの力の秘めた言葉と共に顕現するフェアリーの女性の霊。
「「おお……」」とどよめきが湧く。
しかし、悲しいかな可憐なフェアリーの霊という事で威圧感はない。その様子を感じ取ったハイトは仕方ないな、と今度は血塗れの武器を持った自立人形を召喚する。
不吉な外見の人形に息をのむ兵士達。
「これは小さいですがなかなか強いですよ。そうですね、君、相手をしてみてくれませんか?」
ハイトの言葉にこれから起こることを予想して眉を顰める美月。
指名されたのは特に不満そうな態度を示していた男で、言われていきり立つ。
「小っちゃいお人形ですが壊しちまっても良いんですかね?」
「構わないですよ。出来るなら、ですが」
「ハッ、言ってくれますなあ!」
こうして男と自立人形が戦う事になったが……結果は惨憺たるもので男はボコられる。
「勝負ありです」
慌てて美月が止めに入り、男を聖なる光で回復する。
「あ、ありがとうよ、お嬢ちゃん」
この一連の騒ぎでハイトと美月の実力は認められたようだ。
●大規模訓練
大規模訓練当日、フィニーは外部防衛線の前に立ち……
「まずは気を引き締めて貰おうかしら?」
とにんまり笑う。
その顔を見て「まずい」とハイト。
『皆に問う、我らを虐げたり弱者をいたぶる愚か者達を許すのかと、否、我々は自由と法によって生きる自由がある!! 皆奮起せよ生きるために!!』
咄嗟にユーベルコード《戦神フェアリーの鼓舞》を発動する。
唐突なハイトの言葉。されど、共感した者もいた様でその者たちは戦闘力が上がる不思議な感覚を体験する。
その次の瞬間。
強烈な殺気が外部防衛線を覆う。
「ヒェ」「何だ!?」
訳の分からない恐怖に混乱する外部防衛線。平気なのは直前のハイトの言葉に共感した者だけだ。
その様子を満足げに見たフィニーは《フェアリーの大号令》を発動する。
無数に現れる妖精の精兵の霊達!
「何だ!?」「妖精の霊か?」「小っちゃいな」
「しかし、何だあの数は?」「数え切れんぞ」
最初は妖精の霊の小ささを侮っていた者の続々と無数に出現する妖精の霊に次第に絶句する。
「それでは、大規模訓練を開始する!」
フィニーの力強い声が開戦の合図となる。
砦の兵士達と妖精の霊達の戦いは激戦となった。
初めは勝手がわからず、妖精の霊達に一方的に攻められた砦側もハイトや他の指揮官の奮戦で徐々に盛り返し、最終的には砦の正門を破られるものの妖精の霊達の撃退に成功する。
これは兵士達の奮戦は勿論だが、フィニーが上手く調整したという事もある。砦を落とす事が目的ではないのだから当然だ。
なお、大規模訓練中、特に中盤以降は怪我人続出で回復の為に歌い続けた美月は喉がからからになったようだ。
なにはともあれ、この訓練を経験したことが圧倒的多数のゾンビとの戦いの際に有利に働いたのは言うまでもない。
成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴
カイム・クローバー
【S】
連携の仕方もちっとは様になってきたか。いいか?深追いすんなよ。手柄なんざ他の連中にくれてやれ。兵士だ騎士だ平民だは命あっての物種だ。
さて、後は……あーっ!!砦の名前決めてなかった!おい!なんかいい案ねぇか!?折角立派な砦になったんだぜ?名前決めなきゃ勿体ねぇだろ?(思案)……お前ら、新兵だったよな?じゃあ、【新兵砦】にしようぜ!(ノリノリ)
んで、ゾンビ共との決戦だったか。俺は銃を。新兵には弓を使わせて最初に数を減らす。接近されりゃ俺が最前衛に出る。良いか!組んでる相方が怪我すりゃケツ振って砦に帰りやがれ。生きてりゃ報酬で俺が酒をたらふく奢ってやる!だから絶対に死ぬんじゃねぇぞ、お前ら!
四宮・かごめ
②
【SPD】
弓兵部隊を率い前衛を支援
自分は高い位置でUC使用
呼び出すのは大筒等の長射程範囲攻撃が出来るもの
味方退却済みの場所を埋め尽くす
ゾンビの群れの真中に長射程範囲攻撃を放り続ける
火災と味方を巻き込まぬよう注意
前衛の頭越しに敵を目視出来る小高い場所を幾つか見繕い、号令に従い移動する
そうそう、今回一斉発射に旨味は無い。敵は矢の雨に足並みを乱す事は無く、また各人視力や射撃速度には個人差がある故、一番遅い者を待つ事にもなり申す
初撃斉射後は好きに射って貰って結構
ゾンビの海に向け遠く射ても良いが一矢で一体しか殺せぬのは同じ。近くの敵の眉間を確実にぶち抜くべし。
技能:地形利用・拠点防御・視力・スナイパー
●新兵砦
砦完成後は厳しい訓練の日々が続いている。
そんなある日の暮れ、訓練終了の合図が先程あり、新兵達は思い思いの場所にへたり込んでいる。
そんな中、疲れた様子も見えないカイム・クローバーが新兵達に声を掛ける。
「連携の仕方もちっとは様になってきたか。良いぞ」
数日の短い訓練だが、着実に成長している新兵達にそれを指導するカイムも嬉しく思う。
だが、気になる事もあった。
少しずつ実力がつき、自信を持つのは良いが、今日の全体訓練では深追いし過ぎる場面が目についた。
その結果、孤立しそうになっていたのだ。その際はすぐにカイムがフォローに回り、事なきを得たが……
「だがな、深追いはいただけないぜ。いいか?手柄なんざ他の連中にくれてやれ。
兵士だ騎士だ平民だは命あっての物種だ」
軽い口調ながら真剣な眼差しで語り掛けるカイム。
「分かってますって」
「さっきはすいませんでした。ついつい」
「気をつけますぜ」
新兵達が募兵に応じた理由は様々だ。
中には手柄を挙げて出世したいという者もいる。
だが、そんな者でもカイムが自分たちを思って言っていることは伝わっているし、実際、深追いして死なないまでも重傷などを負った日には出世も何もない。
だから、全員が素直に彼の言葉を受け入れるのだった。
「さて、後は……あーっ!! 砦の名前決めてなかった! おい! なんかいい案ねぇか!?
折角立派な砦になったんだぜ? 募集もされているし、名前決めなきゃ勿体ねぇだろ?」
打って変わってテンション高く新兵達に語り掛けるカイム。
実は砦が完成した際に司令部から砦の名称が募集されている。
目論見としては自分達で名前を付ける事で寄り帰属意識を強めようというところか。
「そうだなぁ……」「こんなのはどうだ?」「てめぇセンスなさすぎだろ」
ワイワイガヤガヤと賑わう新兵達。それを聞きながら思案したカイムは。
「……お前ら、新兵だったよな?じゃあ、【新兵砦】にしようぜ!」
とノリノリで宣言する。
「隊長、いくらなんでもそのまんま過ぎねぇか?」「ギャハハ、良いじゃねぇかシンプルで」
その後もいろいろな意見が出たが、最終的にはカイム案の【新兵砦(レクルート・フォルト)】がカイム隊の案として提出され、採用されることになる。
●
『黒の森』にゾンビ大量発生の原因を捜索に行っていた者達が砦に帰還する。
聞けば森には既にゾンビが犇めいており、数日中にはこちらに向かってくるという話だ。
情報は各隊隊長に共有され緊張の時が過ぎる……そして、襲撃を告げる鐘が鳴る。
●
鐘が鳴ると共に外部防衛線に向かう兵士達。その中に四宮・かごめの姿もあった。
彼女は弓兵部隊を率いて土塁の上に立ち、迫りくるゾンビの大群を見ると弓兵達を振り返る。
「訓練の成果を出せば大丈夫でござる。あまり、緊張し過ぎぬように」
実戦を前に顔がこわばっている弓兵達に声を掛ける。
無表情ながらいつもと変わらぬ彼女の様子に若干顔色をよくする弓兵達。
「そうそう、今回一斉発射に旨味は無い。
敵は矢の雨に足並みを乱す事は無く、また各人視力や射撃速度には個人差がある故、一番遅い者を待つ事にもなり申す」
雲霞の如きゾンビの大群相手に常に一斉射撃を行うのは効率が悪いとかごめは言う。
「初撃斉射後は好きに射って貰って結構。
ゾンビの海に向け遠く射ても良いが一矢で一体しか殺せぬのは同じ。近くの敵の眉間を確実にぶち抜くべし」
彼女の指示に口々に了解の旨を告げる弓兵達。
「あと少しでござるな。それがしはそこの高台に移動するでござる。みなは全体の指示に従って行動するでござるよ」
「わかりました。かごめさんはどうするんですか?」
「ここで使うには問題のある兵器を使うでござる。効果は抜群なので期待しておくといいでござるよ」
かごめがユーベルコードで召喚しようとしている兵器は兵たちが密集している場所で運用するのは難しい。
それ故の移動である。着実に迫りくるゾンビを見て、かごめは土塁でも高い場所に移動する。
「うむ、ここがいいでござる」
この外部防衛線はある程度交戦してゾンビの数を減らした後、被害が大きくならない内に砦に撤退する事が決まっている。
その撤退時に味方を支援、またゾンビの数を少しでも減らす為にユーベルコード《侍帝式からくり機構》を発動する。
「どーん」
彼女の掛け声とともに高台に大筒が出現する。この大筒は呪術法力が動力のからくり兵器だ。
大筒を複数用意した後、開戦の合図を待つ。
「放て!」
ゾンビの大群が有効射程範囲に入ると同時に攻撃開始の合図がなされる。
弓兵達はかごめの指示通り、最初の斉射以降は各人が己のペースで一生懸命、撃っているようだ。
「それでいいでござる。さて、それがしも始めるでござるか」
複数の大筒、その砲身から同時に弾丸が発射される。
それは弓矢の射程を大きく越えてゾンビの群れに着弾。爆風と共に複数のゾンビを吹き飛ばす!
「おおー!」「すげえ」
それを見て弓兵達は感嘆の声をあげる。
かごめは呪術法力を用いて次弾を装填。出来る限りの速度で撃ち続けるのだった。
●
一方、カイムの率いる部隊も外部防衛線に配置されていた。
最初は弓を用いてかごめの部隊同様、遠距離攻撃を行っていたが、いよいよゾンビが土塁を登ってくる段階になって、近接武器に切り替える。
「良いか!組んでる相方が怪我すりゃケツ振って砦に帰りやがれ。
生きてりゃ報酬で俺が酒をたらふく奢ってやる!だから絶対に死ぬんじゃねぇぞ、お前ら!」
「「「おお
!!」」」
カイムの鼓舞に歓声で応える新兵達。
黒と銀の大剣を振るって最前線に出るカイム。
当たるを幸いと超高速で周囲のゾンビを斬り裂いていくその姿はまるで舞っているようだ。
その姿に勇気づけられ奮戦する新兵達。
そして、暫しの時間、激戦が行われ、撤退の合図が響く。
「よし、十分だ。俺が殿をやる。お前たちは先に砦に戻れ!」
「分かりやした!」「お気をつけて!」
カイムの指示に迅速に従って砦に撤退して行く。
その背を見送り、自身の撤退のタイミングを計ることしばし。
少し離れた場所のゾンビの集団がかごめの大筒によって吹き飛び、一時的な空白ができる。
カイムはその隙を逃さず、砦に戻る。
その後の砦での戦いでもカイムと彼の率いる部隊は奮戦し、怪我人こそ出たものの死者を出さずに勝利を迎えることになる。
●
砦への撤退の合図と共にかごめは自動発射の術式を大筒に仕込む。
これにより、機械的にゾンビの群れに向かって弾丸を放ち続ける大筒。
「これでいいでござる。みなの者、砦に戻ってもうひと働きでござるぞ!」
高台から離れ、自らを待っていた弓兵達を率いて退却するかごめ。
大筒は高台に登って来たゾンビに破壊するまで戦果を上げ続けるのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
茲乃摘・七曜
指針
空堀、土壁を使った遅延戦闘
新兵を鼓舞し防衛戦
「さぁ、英雄になりにいきましょうか!
新兵訓練
動く死体の頭に壁上から長柄を叩きつける訓練と空堀の中に叩き落す訓練を実施
空堀と土壁に模様を刻み迷わないよう工夫し移動の指示をしやすくする
「敵の勢いを削ぎ、後方に繋ぎます。安易に命をかけないこと!
対動く死体
三重の【歌唱】で【属性攻撃】【範囲攻撃】
広範囲に冷水を振り撒き、凍える風にて敵を氷結させ動きを阻害し二挺拳銃の銃撃で砕く、新兵には動きの鈍い個体を土壁に引きつけさせ攻撃させる
「訓練通りやれば負けません!落ち着いて着実に!
『流転』
土壁を抜ける個体の動きを封じ後続への防壁代わりにする
「各個撃破を着実にですね
●襲撃前
新兵砦の基本戦術は土壁と空堀からなる外部防衛線で敵戦力を漸減した後に砦での防衛戦となる。
その外部防衛線の建築を主導した黒の貴婦人、茲乃摘・七曜は誰よりも構造を熟知していると言って良い。
訓練の続くその日も防衛線を活かした戦術を新兵達に教導している。
「この場の戦いの目的は敵の勢いを削ぎ、後方に繋げる事です」
落ち着いた口調で目的を認識させ、その上でそれを実現させる為の訓練を行う。
まずは土壁の上の配置だ。
「等間隔で並んで下さい。両隣の邪魔にならない距離です」
「こんなものでしょうか?」
「いえ、それでは長柄を振る際に隣の方が邪魔になります。もう少し離れて下さい」
土壁を登ろうとするゾンビに長柄の武器を叩きつけて落とす。
その為には余り密集し過ぎても、互いが邪魔となり、効率が落ちる。
かと言って距離を空け過ぎればそこが隙となりゾンビの侵攻を許す。
適正な距離感と言うのはなかなか難しく、体に覚え込ませるように何度も反復練習を行う。
「そうです。その距離感を覚えて下さいね」
配置を覚えたら次は長柄を敵に叩きつける訓練だ。
上から登ってくる敵を叩き落とすというのは、平地で戦うのとはまた勝手が違う。
これも訓練あるのみだ。
「上から下に叩きつけるのにはコツがいります。手本を見せるのでよく見ておいてくださいね」
淑女然とした七曜だが意外と言うべきか武器の扱いに慣れている。
得意とするスタイルは銃と体術を組み合わせたものだが、長柄の扱いも苦手な訳ではない。
少なくとも新兵達から見ればそのフォームは美しく手本とするのに十分だ。
「それではお願いします」
「「「はっ」」」
彼女を手本に新兵達が訓練を始める。
新兵の命を一人でも多く救う。その為に厳しく指導する七曜だった。
●襲撃
襲撃の知らせと共に七曜と彼女の率いる部隊は素早く外部防衛線に展開する。
「訓練通りやれば負けません!落ち着いて着実に!安易に命をかけてはいけませんよ!」
「「「おう!」」」
七曜の美しく張りのある声で激が飛び、新兵達は威勢よく了解の声を上げる。
ゾンビ達は当然の事だが攻城兵器などは持っていない。それではどうやって土壁を登ってくるのか?
その答えが眼前に繰り広げられている。
「クソッ、味方の死体を足場にしてやがる」
「手を動かせ。ボケっとしていると呑まれるぞ」
ゾンビ達は策もなく生者を求めて土壁に突撃。防衛線からは矢や弾丸が飛び、少なくない数が倒されるが彼等は気にしない。
当然、土壁に行く手を阻まれるが、後続のゾンビがそれを踏み台にする。
さらに後続のゾンビがそれをまた踏み台にして、と犠牲を出しながら着実に土壁を攻略しつつある。
そんな中、七曜は新兵達を率いて奮戦する。
統率の取れた長柄部隊はまだゾンビの登頂を許していない。
七曜自身も二機の浮遊拡声器を展開。
三重唱による魔法詠唱によって広範囲に凍てつく風を放ってゾンビの動きを阻害。
二挺拳銃で凍り付いた敵を撃ち砕いている。
しかし、遂にはゾンビが土壁の登頂に成功する箇所が出る。
その個所を起点に土壁の上に溢れ出すゾンビ達。
これ以上の交戦は犠牲を甚大にする――そう、七曜が判断したのとほぼ同じタイミングで砦への退却の合図がなされる。
「速やかに退却です!ただし、整然として!」
七曜の号令に従がって退却を始める新兵達。
しかし、すでに乱戦状態に入りつつある。犠牲は避けられないか――
「させはしません。『流転』――!」
タンタンタンと二挺拳銃から放たれた弾丸によって魔導回路が描かれる。
それによって封印術式が発動!
土壁で退却をする新兵達の後背を襲わんとしていたゾンビ達の動きを封じ込め、七曜隊は無傷の退却を実現する。
●終戦
七曜だけでなく他の猟兵達も進んで殿を務め、戦力をほぼ減じることなく砦への帰還を成功させる。
士気高く、十分に兵力を保って砦で決戦が行われ――襲ってきたゾンビの数を考えれば奇跡的ともいえる大勝利を飾る。
大成功
🔵🔵🔵
第3章 ボス戦
『ドラゴンゾンビ』
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POW : 異種再生
戦闘中に食べた【ゾンビや死骸、腐肉】の量と質に応じて【自らの体の欠損箇所を再構築し】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
SPD : 戦場の記憶
【戦いを挑み返り討ちにあった冒険者達】の霊を召喚する。これは【生前と同じ手段】や【霊体を生かした攻撃方法】で攻撃する能力を持つ。
WIZ : 生まれるゾンビの群れ
レベル×5体の、小型の戦闘用【ゾンビ】を召喚し戦わせる。程々の強さを持つが、一撃で消滅する。
👑11
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●ゾンビの発生源
辺境伯の放った調査隊によってゾンビの発生源が突き止められる。
その情報は新兵砦にももたらされ、猟兵達も把握する。
「ドラゴンゾンビ!?」
その情報によると死せる巨大なドラゴンが無尽蔵ともいえるゾンビを創出しているという事だ。
『黒の森』の比較的浅い場所を縄張りとしていたモンスター達は既にドラゴンゾンビの餌になり、生者の気配はしないということだ。
幸いにもドラゴンゾンビは現在、動きを止めているが、その場でゾンビを生み出し続けているらしい。
生み出されたゾンビは最初、その場に留まっていたが、十分に数が溜まると森の外を目指して動きを始めたということだ。
ゾンビ一体一体の戦闘能力は高くないので物量で押し潰すという戦術であろうか?
最初の襲撃が跳ね返されたので第二陣はさらに数を溜めてから放たれたのだが、そこまでは調査隊を把握していない。
調査隊はドラゴンゾンビの場所とゾンビが森の外を目指し、移動を始めたのを知らせた後、辺境伯の元に立つ。
ゾンビの襲撃はこの数日後の出来事だ。
●出立
ゾンビの大群を迎え撃ち、見事に勝利した猟兵と新兵達。
猟兵達は発生源であるドラゴンゾンビ討伐に乗り出す。
調査隊から得られた情報を考えれば今もゾンビを生み出し続けている可能性は高い。
第一次の襲撃より第二次の襲撃の方が数が多かったことを考えると、次はされに多く生み出してくることも考えられる。
迅速な撃破が求められるだろう。
==================================
ここまでの参加、誠にありがとうございます。
第三章は元凶、ドラゴンゾンビの撃破が目的となります。
ここまでの関りで新兵達は猟兵達を非常に慕っています。
黙って旅立つのも良いですし、声を掛けて旅立つのも良いでしょう。
また、ドラゴンゾンビ撃破後の動きなども余裕がありましたら教えていただけると幸いです。
それでは、よろしくお願いいたします。
シン・コーエン
出立時は新兵達に「ゾンビの根元を斬ってくる。いつも通りの訓練と警戒は怠るなよ。」と、ちょっと散歩に行くような感じで話す。
『決戦』
シンは【ダッシュ、ジャンプ、残像、空中戦】による変幻な動きで敵を翻弄しつつ、UC:灼閃・連星を使用。
【2回攻撃、念動力、衝撃波、炎の属性攻撃】で、初撃で敵を斬り割き、2回目に大ダメージの攻撃実施。
口元を斬り落とせば死肉を喰らって再生もできまい。
防御は【見切り、第六感】で躱し、躱せない場合は【オーラ防御、武器受け】で凌ぐ。
アドリブ・連携歓迎
撃破後は新兵砦に一泊して新兵や騎士に報告
翌朝「みんなと戦えた事は俺の誇りです。また会いましょう、それまで死ぬな」と全員に挨拶して退去
カイム・クローバー
ドラゴンゾンビの討伐に行くが、勿論一声掛けるぜ。適当に肩組んでよ、良い闘いだった!ナイス逃げっぷりだったぜ、お前ら!(親指グッ)……冗談だ。中々良い連携だった。その感覚忘れんなよ!
【S】
んじゃ、元凶の排除と行くか。俺は剣を顕現して前衛に出る。UCを使いつつ、基本は【二回攻撃】で手数を重視。隙見付けて【串刺し】で葬る。冒険者達って事は複数か?囲まれねぇように注意と…霊体の体?まさか物理無効なんていうんじゃねぇだろうな?ま、俺の剣には関係ねぇけど。攻撃には【見切り】【残像】で対処。受けより躱す。一張羅だ。汚すかよ。
全部終われば報酬で飲むぜ!新兵砦の連中は勿論、猟兵も交えて派手に飲み明かそうぜ!
夜神・静流
「私は旅立ち、皆もいずれはそれぞれの道を進むでしょう。ですが剣士としての誇りが胸に宿っていれば、心はいつまでも一緒です」
隊の皆に常に驕らず鍛錬を欠かさぬよう言い残し、旅立ちます。
彼等はよく頑張ってくれました。次は私の番です。
「私は退魔の剣士。悪しき魔物は討ち滅ぼす」
基本的に本体を狙います。
敵の攻撃を残像・見切り・第六感で回避しながらダッシュで接近し、二ノ太刀・紅で攻撃します。
破魔・早業・怪力・属性攻撃・カウンターを使用。
ゾンビや霊が行く手を阻む場合は破魔・投擲技能を使って浄化の霊符を投擲しながら走り抜けます。
撃破後は二度とゾンビが出現しないよう、お祓い道具と破魔技能を使い土地をお祓いします。
レイチェル・ケイトリン
「念動力」は魔法じゃなくてうごかす力。
でも、それで高めた熱運動でつくった蒸気はアルダワ魔法学園の魔導機械をうごかせる。
それで工夫したわたしのガジェット、「サイコマナジェネレーター」と「サイコマナコンバータ」で放つ「浄化の炎」で敵を「範囲攻撃」して、「吹き飛ばし」てくの。
まわりの死骸とかも焼き尽くすよ。たべさせたりしないよ。
そして、冒険者さんたちの霊も……わたしは焼き尽くす。
ある島でひろった勇者の遺産、浄化の宝石の力、「破魔」……それをかりてかさねているのが浄化の炎。
霊も亡骸もすべて灰にして大地にかえす……
それがこのオブリビオンとのたたかいだとわたしはおもうから。
四宮・かごめ
情が移る前に去るのが忍び
ヨーゼフ殿にだけ別れを告げて去る
お世話になり申した(【礼儀作法】)
……さて、ようやく身軽になったでござる
急ぎ【ダッシュ】で森に向かう
森では斥候と味方の支援を務める(【目立たない】【迷彩】)
報告から数日が経過している故
既に相当数のゾンビが溜まっている筈
是を【おびき寄せ】た上で減らす
ゾンビの攻撃は組み付き等の近接攻撃
囲まれれば死あるのみ
【逃げ足】【早業】を活かし先んじて後退
森の【地形を利用】して少数ずつ相手取る
印字には【破魔】の力があり申す
寄って来るゾンビに片っ端から【投擲】
目の前の敵を倒したら再び数減らしにかかる
平和が訪れれば、影は去るのみ。
では、これにて!(しゅたっ
ドリスコ・エボニス
新兵くんたちとの別れは惜しいですが
「生きてまたどこかで会いましょう」
と声をかけてからいきましょうか
さて元凶のドラゴンゾンビの討伐と参りましょう
【覚悟】はできている、まずは【ダッシュ】で一気に間合いをつめてユーベルコードを【怪力】を生かして【捨て身の一撃】で与えましょうか
【早業】で【二回攻撃】といきます
相手の攻撃には【ダッシュ】で【残像】を作り出し【第六感】と【戦闘知識】で【見切り】しましょう
できるのであれば【カウンター】も狙っていきますか
アドリブ、連携歓迎です
茲乃摘・七曜
心情
ここから先は猟兵の仕事ですね
指針
動く死体の撃破及び毒の仕込み
「再生と動く死体の生成能力……難敵ですね
行動
細かく動き動く死体を翻弄することを意識
※周囲が森であれば木々を利用し立体的に行動
撃破した動く死体をドラゴンゾンビが食べることを前提に行動
遅効性で腐食性の毒液を使い動く死体を濡らし、凍気にて氷結させ砕くことを主軸に行動
※残骸を取り込ませ麻痺や毒を狙う
「普段はあまりしない戦い方ですが……龍ならば出し惜しみはなしですね
流転
ドラゴンゾンビの尾を封じるように使用
to新兵
土壁・空堀の整備の指示
「私は元凶の討伐に向かいますが……次の備えを忘れないように
「……とはいえ、全て終われば祝杯も許されるでしょう
●出立
ゾンビの大群を殲滅した夜。今宵ばかりはと酒が振舞われ新兵砦はお祭り騒ぎだ。
そんな中、秘かに集まる猟兵達。
ゾンビの大量発生の原因、ドラゴンゾンビの所在は掴めた。
今日、大群を退け、ひとまずは砦の安全が確保された今、できるだけ早く討伐に赴こう、という話だ。
黙って出ていくのも不義理という事で司令部の騎士達や自分達が鍛え上げた新兵達に挨拶をしてから行こうという結論になった。
そして翌日、まず、騎士達にドラゴンゾンビ討伐に行く旨を伝える。
そして、砦の部隊から除隊する事もだ。
騎士達は卓抜した能力を持つ猟兵達の離脱を残念がったが、同時に納得もしていた。
この砦で収まる器ではないという事は明白だからだ。
そして、ドラゴンゾンビを僅か十にも満たない人数で討伐するという話に、驚きながらも感謝を捧げ、武運を祈ると送り出してくれた。
騎士達に挨拶した後は猟兵達はそれぞれの部隊の者達に別れを告げに行く。
例外は四宮・かごめで彼女は自身を採用した騎士、ヨーゼフにだけ別れを告げる。
「お世話になり申した」
「こちらこそ、だな。武運を祈るが、勝てないと思ったらすぐに引くのだぞ」
短いやり取りを終え、皆より先に砦を出るかごめ。
新兵達に別れを告げないのは「情が移る前に去るのが忍び」というのが言い分だ。
「つれないな」という者もいたが、「案外、誰よりも情が深いのかも知れないぞ」と彼女の心中を慮る者もいた。
どちらが正解かは彼女のみが知る事だ。
さて、別れを告げられた新兵達はそれぞれの場所で悲鳴を上げていた。
「ゾンビの根元を斬ってくる。いつも通りの訓練と警戒は怠るなよ」
シン・コーエンはちょっと散歩に行ってくるというのと変わらない調子で新兵達に告げる。
「「「ハア
!?」」」
「何で隊長が!?」
怒涛の疑問を大したことではないという態度で流し、新兵達の元を後にする。
「退治し終わったら戻ってくるからな、サボるなよ」
「「「へーい」」」
隊長が戻って来た時にどやされたくねぇからなと訓練を始める新兵達だった。
シンとは違い軽快に新兵達に声をかけるのはカイム・クローバーだ。
「よ、良い闘いだった!ナイス逃げっぷりだったぜ、お前ら!」
親指をグッと立てながら、新兵の肩を組んで随分なことを言う。
あまりと言えばあまりの言葉に情けない顔になる新兵達。
「……冗談だ。中々良い連携だった。その感覚忘れんなよ!」
そんな様子を見て、ニッと笑って褒めるカイム。
「隊長」「分かってますよ」
自然と新兵達の顔が綻ぶ。
まあ、その後、ドラゴンゾンビの退治に行ってくるというカイムの言葉に悲鳴を上げることになるのだが。
「私は旅立ち、皆もいずれはそれぞれの道を進むでしょう。
ですが剣士としての誇りが胸に宿っていれば、心はいつまでも一緒です」
普段通り礼儀正しく丁寧な口調で語り掛けるのは夜神・静流だ。
彼女はドラゴンゾンビ討伐の為に旅立ち、そして、もう戻らないと別れを告げたのだ。
新兵達は落胆しながらも武運を祈って送り出す。
ついていって役に立ちたいと思う者もいたが、彼女との実力差は明白。
足手まといになるだけと涙を呑んでのことだ。
かつて戦場で一人だけ生き残ってしまった過去があるドリスコ・エボニス。
彼にとって、自ら鍛え、そして死線を共に潜り抜けた新兵達への思い入れはあるいは猟兵達の中で一番であるかもしれない。
「生きてまたどこかで会いましょう」
ドラゴンゾンビ退治に行くことを告げ、驚く新兵達に告げた短い別れの言葉には切実な願いが込められている様に聞こえた。
ゾンビの大群を最初に受け止め、ボロボロになった外部防衛線の土壁や空堀。
「私は元凶の討伐に向かいますが……次の備えを忘れないようにして下さいね」
黒い衣装の麗人、茲乃摘・七曜は自ら元凶であるドラゴンゾンビの退治に行くことを告げると共に土壁、空堀の整備を指示する。
新兵達は彼女の旅立ちへの驚きと整備の大変さを思って何とも言えない呻きを上げる。
「油断は大敵です。速やかに修復しなければなりません……とはいえ、元凶を取り除けば祝杯も許されるでしょう」
げんなりとした様子を見せる新兵達に見えている口元を綻ばせて告げる七曜。
その言葉に気を取り直して新兵達はやる気を見せる。
「分かりました」「隊長が戻るまでに綺麗にしておきますよ!」「ですから、絶対に無事に帰ってきてくださいよ」
こうして、それぞれに惜しまれながら新兵砦を後にする。
●黒の森
砦を後にして合流した猟兵達はドラゴンゾンビを求めて黒の森に浸入する。
「本当に生き物の気配がしないな」
「ええ、調査隊に聞いてはいましたが、ここまでとは」
シンとドリスコが静寂が支配する辺りを見回して警戒を強める。
「しっかし、まだ日が高いのに暗いな。足元に気をつけないとな。お嬢さん、大丈夫かい?」
「ありがとう。でも、大丈夫だよ」
森の中の暗さと道の険しさに華奢な少女に見えるレイチェル・ケイトリンを心配するカイム。
その心配に感謝しながらもレイチェルは微笑んで問題ないことを告げる。
彼女は念動力のエキスパートであり、その気になれば自らの体をその力で操ることも出来るだろう。
「ドラゴンゾンビの場所を調査隊に教えていただきましたが……これは下手をすると迷うかもしれませんね」
「ええ、調査隊は印を残していると言っていましたが、これだけ暗いと見失う恐れがありますね」
ドラゴンゾンビの元まで迷わず行けるのか? 深く暗い森の様子に二人の美女、静流と七曜は思案する。
「心配いらないでござる。それがしにお任せあれ、にんにん」
そんな二人に声をかけるのはかごめだ。
森を故郷とし、また優れた忍びでもある彼女の眼には調査団が残した印がはっきりと分かる。
猟兵達の先頭に立ち、彼等を導くのだった。
●決戦
「待つでござる」
それまでスムーズに一同を先導してきたかごめが制止の声を上げる。
もう少し進んだ先に森の中で開けた場所に出るのだが……そこにはゾンビの群れが蠢いていた。
「やはり、また増やしていたでござるな」
その光景はかごめや他の猟兵達にとって十分、予測が出来たことだった。
調査達の報告からすでに数日過ぎている。
ドラゴンゾンビがゾンビを生み出し続けている場合、相当数が溜まっているであろうと。
「おい、見ろよ。ゾンビ共の向こうだ」
「……!」
カイムが鋭い視線でゾンビの群れの向こう側の小山を指さす。
小山に見えたソレは……彼らが求めていた。ドラゴンゾンビ、屍竜だ。
「予想以上の大きさですね」
屍竜は翼の生えたワニの様な形状をしていた。
その体高は十メートルに迫り、全長となると何十メートルになるであろうか……?
思わず息を呑む猟兵達。
「敵は巨大だが、倒すしかない」
「その通りだ」
気合を入れなおすシンに同意の声を上げる猟兵達。
「まずは、それがしが露払いをするでござるよ」
そう宣言するのはかごめだ。
彼女は屍竜の周辺に蠢くゾンビ共をおびき寄せ、他の猟兵達が屍竜本体を攻められるようにするという。
「それでしたら、私も協力しましょう。私はかごめさんに釣られなかったゾンビを仕留めようと思います。
釣られなかったゾンビを倒せばドラゴンゾンビは餌とするでしょう。それを逆手に取ります」
かごめに釣られなかったゾンビは屍竜の周辺にいる事になる。
その状態で倒せば屍竜はそれを食べ自身を強化するだろう。それを防ぐと七曜は言う。
「それなら、まず、私に先手を取らせてくれないかな?」
レイチェルが言う。
かごめが突っ込むにせよ、ある程度、数を減らしてからの方が良い、と。
猟兵達の了承を得たレイチェルは二機の魔導機械『サイコマナジェネレーター』と『サイコマナコンバータ』を展開。
彼女は強大な自身の念動力で生じさせた蒸気の力でこの二機を稼働させる。
この魔導機械は、蒸気の力で魔力を発生させ、その魔力を操って疑似魔法を発動させるという驚異の機械だ。
この二機の力に、さらに浄化の宝石―ある島で拾った勇者の遺産―の破魔の力を加えて浄化の炎が放たれる!
バサァァァァ――!!
白く聖なる力を宿し浄化の炎がゾンビ達を焼き消滅させ、開戦の狼煙となる!
まずはかごめが飛び出し、浄化の炎により、数を減らしたゾンビの群れに襲い掛かる。
接近して『腰鉈』で斬り裂き、少し距離のあるゾンビに破魔の力を込めた石礫を投げつける!
あっという間に数体のゾンビが倒れ伏す。
「さあ、こっちでござるよ!」
彼女はそのまま、周りのゾンビを倒しつつも屍竜のいる場所から遠ざかる。
釣られて動き出すゾンビ達。
それによって屍竜の周りはほぼ空白となる。
「よし、では行くぞ!」
このタイミングで残った猟兵達が動き出す。
シン、カイム、静流、ドリスコは真っ直ぐ屍竜を目指し、七曜はまだ残っているゾンビ共の処理を優先する。
残ったレイチェルは二発目の浄化の炎を放つ準備だ。
ドラゴンゾンビは此処に至って初めて自らを襲う敵を認識する。
「チイサイモノドモメ――」
黄色く輝く瞳で迫りくる天敵を睨みつけ、巨体に似合わなう速度で尻尾を振るう!
だが、シンはその一撃を大きく跳んで回避。
そのまま突進して真紅に輝く『灼星剣』の一撃を屍竜に加える。
「ガァァァァ――!!」
「まだだ!」
《灼閃・連星》 灼星剣はより輝きを増し、一撃目を振り抜いたシンは速度を落とすことなく身を翻して連撃を与える!
「ギシャアアアア――!!」
屍竜の苦痛の叫びが木霊する。
「オノレ!」
《戦場の記憶》 ドラゴンゾンビの体が淡く黄色く輝き、十数人の戦士の霊が現れる。
これは、かつて屍竜を討伐せんと戦い、志半ばで斃れた冒険者達の霊だ。
屍竜に殺された彼等の霊は屍竜の支配下にある。
「ヤレ!」
生前と同じ技量、それに加えて霊体となった事で可能となった攻撃手段を織り交ぜて猟兵達を襲う冒険者の霊達。
「ハッ、哀れな奴等だ。俺が解放してやるよ」
複数の冒険者の霊に囲まれてもカイムの余裕の笑みは崩れない。
強大な力を秘めた愛剣『Marchocias』を片手に《死の舞踏》を舞い踊る!
優雅、優美と形容できるカイムの動き。
確実に霊の攻撃を躱し、その躱した動きのまま貫き屠る。
「一張羅だ。汚すかよ」
霊はその数をドンドンと減らして行く。
「私は退魔の剣士。悪しき魔物は討ち滅ぼす」
ゾンビを生み出し砦を襲い、殺した冒険者の霊を支配して使役する屍竜。
まさに静流が倒すべき悪しき魔物である。
「チカヅクナ!」
屍竜の鋭い爪の一撃が静流を襲う!
爪は静流を捉えたかに見えたがそれは残像。
攻撃を見切った静流は最小限の動きで躱し、そのまま間合いを詰める。
「我が剣は焔。二ノ太刀・紅!」
二尺五寸の業物『十六夜』に炎を纏わせ、神速の一撃が屍竜を斬り裂く!
「フヴァアア――!」
斬り裂かれた傷は炎で焼かれる。
それもただの炎ではない。魔を浄化する聖なる炎だ。
苦悶の叫びをあげる屍竜。
「オノレ!オノレ!」
苦痛に苛まれながらも牙を爪を尻尾を振るって暴れる屍竜。
その巨体から放たれる一撃一撃が当たれば絶大なダメージを受けるのは間違いない。
だが――
ドリスコの覚悟はそんな事では怯ませられない。
猛然と走って間合いを詰め、牙、爪、尻尾による攻撃を見切って捨て身の一撃を捻じ込む。
《大閃斬》 ユーベルコードの奇跡の力を秘めた巨大な斧の閃く斬撃が屍竜の腕を一本、斬り落とす!
「グルァァアアアア――!!」
怒り狂う屍竜。さらに暴れながらも回復と強化を計る為に周囲のゾンビを吸収しようとする。
だが――
「フフ、少し、遅かったようですね」
冷たく屍竜を嘲笑する七曜。
彼女は既に屍竜の周囲に残ったゾンビを倒し終えており、しかもその死体に腐食性の毒液を浸していた――!
「!?!?――――アガガガガ!?」
吸収したゾンビに含まれた腐食毒によって黄色い煙を出して苦しむ屍竜。
苦し紛れに尻尾を振るうが――
「流転――」
「ガアアアア――!!」
その動きより早く発動した七曜のユーベルコード《封印術式『流転』》により尻尾は封じられ千切れ飛ぶ!
それでも屍竜は死力を尽くしたが――
シン、カイム、静流、ドリスコの鋭い刃に牙も爪も翼も斬り落とされ。
援軍として呼んだ冒険者の霊もレイチェル、七曜に滅ぼされ。
猟兵達の息の合った連携に一糸も報いる事が出来ずに最期を迎えるのであった。
●
動かなくなったドラゴンゾンビ。
この巨大な骸を浄化したのはレイチェルの浄化の炎だ。
「霊も亡骸もすべて灰にして大地にかえす……
それがこのオブリビオンとのたたかいだとわたしはおもうから」
冒険者の霊を浄化するのは彼女の心に少しの影を落としたが、それはなさなければならない事。
浄化の炎を見つめながら冥福を祈る。
その姿を見守りながら静流は土地そのものの浄化の準備をする。
夜神の業は退魔の業。
「ドラゴンゾンビはオブリビオン。自然発生ではありません。ですが、奴は瘴気を放ち過ぎました。
ここは不死の者が生み出されやすくなっています」
それを解消する為の祓いの儀式だ。
レイチェルの協力もあり、儀式の後は少し前まで死の気配が充満していたとは思えない程、清浄とした空気が流れる。
「むむ、それがしもドラゴンゾンビに一太刀入れたかったでござるが」
かごめが引き離したゾンビを殲滅して戻って来た時には既に屍竜は斃されていた。
だが、誰もが彼女の功績を認めている。
ゾンビが蠢いている状態で屍竜と戦えば、先程の様な一方的な展開にはならなかったであろう。
それは彼女も分かっているのでこれは軽口の類だ。
「ともあれ、平和が訪れれば、影は去るのみ。では、これにて!」
しゅたっという擬音が聞こえそうな感じで彼女は姿を消す。
「はは、面白い人ですね」
かごめの消えた場所を見て、残った猟兵達も、それぞれに挨拶をしてこの場を後にする。
●帰還
ドラゴンゾンビ討伐後、新兵砦に一部の猟兵達が戻る。
やはり、無限にゾンビを生み出す原因の排除は一刻も早く伝えておいた方が良いだろうという判断だ。
喜ぶ顔が見たいという理由もある。
当然、新兵砦は英雄達の凱旋に湧いた。
ゾンビの大群を退けた日に続いて宴会が催される。
宴会でもカイムは大活躍した。
新兵砦の面々は勿論、その場にいる猟兵も巻き込んで大いに宴を盛り上げたようだ。
翌日、新兵砦の全員に見送られて猟兵達は帰還する。
「みんなと戦えた事は俺の誇りです。また会いましょう、それまで死ぬな」
シンの最後の言葉に、新兵砦の面々は力強く同意するのだった。
大成功
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