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のっきん・おん・わかめずどあー

#キマイラフューチャー


●knock-knock-knocking
 キマイラフューチャーで暮らす全ての者に欠かせない、コンコンすると何か出てくる機械。
 今日も大好物のハンバーガーを求め、キマイラの若者がコンコンしに来た。
 ふっかふかのパンズ、食欲をそそるケチャップの香り、肉汁が溢れるパティ――思い出すだけで幸せになるその味。コンコンして出てくるものはいつも同じだが、それでもいつもハンバーガーが食べられるだけで幸せだ。
 そんな期待を込めて若者がコンコンすると……ハンバーガーの箱のカタン! という小気味よい音は聞こえてこない。
 代わりに聞こえてきたのはべしゃりという音。出てきたのは……ワカメだ。一応袋には入っているので、持って帰っておひたしなんかにしたら美味しいかもしれない。
 だがそんなことはどうでもいい。ハンバーガーを貰いに来たらワカメが出てきたのだ。方向性が違いすぎる。
 機械の故障だと思い至り、怒り狂った若者は管理者の元へ行こうとするが……。
「大変だー! こっちの機械からワカメが出たぞー!」
「ちょっと、私のお気に入りの服がワカメになってるじゃない!!」
 なんとハンバーガーの機械だけでなく、町中のほとんどの機械がワカメを出すようになっていたのだ。
 数機だけ生き残っている機械もあるが、それもあと少しでワカメを出すようになるだろう。
 その日、町は大体ワカメに埋め尽くされた。

●on WAKAME
「集まってくれて助かる、事件だ……いや、これも立派な事件だ」
 グリモア猟兵の茜屋・ひびきはバツが悪そうな顔をして説明を開始する。
「キマイラフューチャーで事件が起きたんだ。あの世界には『機械をコンコンすると食料や生活必需品が出てくる機械』があるよな。ある町のその機械が、どうやら怪人に乗っ取られたらしい」
 つまりそれは生活インフラが乗っ取られたも同然だ。大変なことである。しかしひびきは妙に緊張感が足りない風に見える。
「いや、インフラが大変なことになってるのは事実なんだが……どうやらその機械が、生活必需品じゃなくてワカメを出すように改造されているらしい」
 ワカメ。
 あのつやつやした美味しい海藻である。それが出てくるのである。
「皆にお願いしたいのは、その原因を突き止めて犯人をとっ捕まえることだな。機械自体は修理可能らしいし、犯人さえどうにかなれば問題はないみたいだぜ」
 皆を安心させるようにひびきは少し雰囲気を柔らかくして言った。

「それで……まず皆にお願いしたいのは、犯人の足取り調査及び確保だ」
 改造された機械から痕跡を探るもよし、機械を壊しておびき寄せるもよし、生き残っている機械に張り込みをするのもよし、というか素直に近隣のキマイラに聞き込みをするもよし。
 取れる手段はたくさんありそうだ。それぞれ思うような手段で挑んで欲しい、とひびきは付け加える。
「まずは犯人を探すことをやり遂げて欲しい。ふざけた事件だが、被害が拡大していけばキマイラフューチャーの生活がガタガタになるわけだしな」
 地道な作業だが、猟兵達なら大丈夫であろう。
 そう信頼するような声をかけ、ひびきは猟兵を見渡す。

 グリモアベースから転移の準備が整い、猟兵達は準備を終える。
 いざ、ワカメから人々を救い出す冒険が始まる。


ささかまかまだ
 こんにちは。ささかまかまだです。
 今回はキマイラフューチャーを舞台にした事件です。
 果たして猟兵達は、ワカメからキマイラ達を守ることが出来るのか。
 出てきたワカメはキマイラ達が美味しく食べますのでその点はご安心を。

 最初は機械の調査や犯人の追跡を行う展開です。
 といっても難しく考えず、各々やりたい風に遊んでいただければと思います。
 ただしコミカル&緩めの雰囲気な依頼になりますので、全体的にそんな空気になるのはご了承いただけたらと思います。

 もちろん怪人との戦闘もあります。
 果たして怪人は何者なのか、どんな戦いが繰り広げられるのか……そんな事を思っていただけたら嬉しいです。

 それでは今回もよろしくお願い致します。
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第1章 冒険 『コンコン機械とイタズラ者』

POW   :    まずは行動!コンコン機械を使えなくしたり、地道に張り込み犯人を探したりする

SPD   :    素早く対処!コンコン機械を修理したり、機械に犯人探しの仕掛けをしたりする

WIZ   :    知恵を絞る!住民に注意を呼びかけたり、状況から犯人の推理をしたりする

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三寸釘・スズロク
【SPD】
アドリブ歓迎

ワカメ美味いよなわかめ。焼き肉の後のスープとかな。
けどワカメばっかっつーのはなぁ。飽きるよなー。

そんじゃサクッと犯人探しいくか。
ワカメ化してる機械教えて貰って修理のお手伝いすっぜー。
ついでに機械に隠しカメラ仕掛けて電脳ゴーグルでウォッチしとく。

モチロン調査が終わったらカメラは全部回収、
お客サンの個人情報はオマモリしますってな。
但しそいつが犯人なら別な。他の猟兵とも情報共有さして貰うぜ。
俺は肉体派じゃないんで、とっ捕まえんのは誰か頼むわ。

なー修理中コンコンしまくってワカメだらけになっちまったんだけど。
誰か食ってくれー。
え?ワカメがワカメ配ってるって?
誰がワカメヘアーじゃい!


カル・フラック
ふーん、コンコンするとワカメが出てくるんすか。……ま、まさかいつもコンコンすると新作ゲームの出てくる店もワカメの餌食に!?嫌っすよワカメプレイングゲーム略してWPGとか!?こうしちゃいられないっす!コンコン機械にデバイス繋いでハッキング、履歴見て変なワカメプログラムとか入ってないか調べるっすよ。多分追加された箇所を消せば機械は直るだろうし、ワカメデバフを直せば犯人は慌てるはずっすし。量がいるってなら共闘モード発動、二人がかりで情報収集っす。俺とみんなのゲームを守るためにもここは負けられないっすね!


リア・ファル
【心情】
「被害は、増えまくるワカメちゃんの水で戻る早さより急速に拡大してる。
一刻も早く解決しないとね」

既に食べたいものが決まってる時に、
注文と違うモノが出てきたらそれはとても悲しいから

犯人捜しにボクも力を尽そう

【行動】
被害に遭った機械をチェックしておいて、
正常な機械に何かあったら分かるように努めよう

「できた、Working Category and Method detect system、略してワカメ追跡システム。…こいつを仕掛けて…」
まだすり替わっていない機械にアクセスして、内部に各種センサー、
ボク作成の自己診断ツールをセッティングしよう

聞き込みをしながら成果を待とうか



最初に動いたのは機械に強い三人の電脳魔術士だ。
 彼らはワカメを出すようになった機械と、正常な機械の両方がある一角へ赴いた。

「ワカメ美味いよなわかめ。焼き肉の後のスープとかな。けどワカメばっかっつーのはなぁ。飽きるよなー」
 白衣の電脳魔術士、三寸釘・スズロクは機材を組み立てながら呟いた。コンコンする機械から漂うワカメの匂いが美味しいスープを思い起こさせたからだ。彼の口調はゆるいが、機材を用意する手付きは手早い。
「ふーん、コンコンするとワカメが出てくるんすか……ま、まさかいつもコンコンすると新作ゲームの出てくる店もワカメの餌食に!?」
 隣でデバイスに何かを入力していた猫の電脳魔術士、カル・フラックは焦っている様子だ。コンコンする機械でゲームを買うこともある彼にとって、今回の件は死活問題だ。ゲームがワカメプレイングゲーム略してWPGになるのは耐えられない。
「被害は、増えまくるワカメちゃんの水で戻る早さより急速に拡大してる。一刻も早く解決しないとね」
 更にその隣で電脳少女の電脳魔術士、リア・ファルは真剣な面持ちでヘッドセットを用意していた。既に食べたいものが決まってる時に、注文と違うモノが出てきたらそれはとても悲しいから……そんな気持ちを胸に抱えて。桃色の瞳が決意の色に染まる。

「よし、それじゃあまずは俺がハッキングっす。隠しコマンド発動っす!」
 最初に機械に直接触れたのはカルだ。彼はユーベルコード『共闘(デュアルプレイ)』を発動し、色違いのカルの姿をしたキャラを召喚した。そして二人でそれぞれのデバイスを叩き、おかしくなっている機械をハッキングしていく。
 商品補充の履歴を検索していくと……ワカメが混入されたタイミングを無事に発見だ。
「やった、まずはここを直すっすよ」
「同じ電脳魔術士でもやり方は様々なんだな……俺も手伝うぜ」
 スズロクも同じように機械を修理していく。
 時々進捗がどんなものかを確認するために機械をコンコンしたりもする。その度にワカメが出てきた。少し悲しい気持ちになる。
「……これだけワカメが出てくると、処理に困っちゃうね」
「「そこら辺はあとでキマイラ達に任せればいいんじゃないっすか?」」
 自分の装置を用意していたリアが呟けば、二人のカルが同時に応える。
「そっか……ええっと、そちらは任せても大丈夫そうだね。ボクはこちらに手を付けるよ」
 不思議な様子に面食らいつつ、リアは正常な機械に触れた。キマイラの許可を取って中を開けると、いくつかセンサーを取り付ける。そしてプログラムの方にも自作ツールもセットしだす。
「できた、Working Category and Method detect system、略してワカメ追跡システム……こいつを仕掛けて……」
 このシステムはリア特製の便利ツールだ。
センサーと合わせて異常を感知すれば、彼女のゴーグルへ知らせてくれる便利な自己診断ツール……それがワカメ追跡システムだ。
 これだけしっかり用意しておけば、誰かが機械に悪さをしてもすぐに察知することが出来るだろう。

「じゃあ俺はこれも設置しておくぜ」
 機械の修理が終わりかけた頃、スズロクは更に装置を機械へと付け足した。それは小型の隠しカメラだ。彼の持っている電脳ゴーグルに接続されているので、何かあればすぐに見つける事が出来るだろう。
「個人情報とか大丈夫なんすか?」
「その辺もちゃんと考えてるぜ。調査が終わったらカメラは全部回収、お客サンの個人情報はオマモリしますってな」
「それなら良かった……もうハッキングとか、色々やっちゃってるけど……」
 カメラに関する所感を話す猟兵達。
 個人情報には注意するが、犯人の情報だけはすぐさま別の猟兵へと知らせるつもりだ。
 こうして三人は修理した機械と正常な機械の両方に罠をしかけた。
 カルが修理した機械をもう一度ハッキングしにくればスズロクの監視カメラがその姿を捉え、正常な機械を弄りにくればリアのプログラムが反応する。
 三人はこの状態で犯人が動くのを待つことにした。

「それで、結局このワカメはどうしよう?」
 待機中にリアが呟く。その手にはたくさんのワカメの袋が。
 結構な量のワカメが出てしまったために、三人で食べきるのは難しいだろう。
「やっぱりキマイラ達に配るしかないっすねー」
「よし、じゃあ配るか。誰かこのワカメ食ってくれー」
 近場のキマイラへ声をかけ配りだす三人。すぐに何人かのキマイラがもらってくれた。
「ありがとうワカメの猟兵さん!」
「確かにお兄さん、髪型もワカメっぽいかも」
「え? 誰がワカメヘアーじゃい!」
 キマイラ達と愉快な会話がありつつ、ゆるい空気が流れる。

 しかしそれも情報が出てくるまで。
 それぞれの仕掛けた罠に何者かが引っかかる。急いでカメラを確認すると……。
「ワカメ! シカケル! コレデイイ!」
「ワカメタリナイ! トリニイコウ!」
 そこは二体の不気味なシルエットをした怪人が映り込んでいた。
 彼らは大量のワカメを機械へ仕込むと、どこかへ去っていく。
 これが犯人か! と思い至った三人は、すぐさまその情報を仲間へ伝えた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

竹城・落葉
 犯人は、ワカメが町に溢れかえっている様を見に、現場を訪れるだろう。ならば、我は張り込みをする事で、犯人もしくは怪しい人物を探す事にしよう。
 軍人は、ボディペイントや葉っぱをくっつける事によって姿を隠すと聞いた事がある。ならば、我も体全体にワカメをくっつけて姿を隠そう。例え姿を見られたとしても、敵が大量に溢れさせたワカメが落ちている程度にしか思わないだろう。しかも、お腹がすいた時は、体にくっつけたワカメを食べれば済むから、一石二鳥だ。という訳で、ワカメを食しながら、犯人を捜すべく張り込みをするぞ。
 ……しかし、ちょっと磯臭いなぁ。この仕事が終わったら、帰ってシャワーでも浴びるか。


マーシャ・ドラクロフ
■方針:POW

ワカメだって!
ワカメだよ!なんでもワカメ!くひひひっ

(箸が転んでもおかしいお年頃のマーシャの笑いの沸点は塩素ぐらいに低い)

ハーッ!
笑い尽くしたところで捜査開始!

物質をワカメに変換なんてできるとは思えないし、ここはワカメを補充しにくる輩を待ち伏せした方がいいかな?

■ユーベルコード
影が奉ずる賢者の知恵より、張り込みに適した道具、使い魔を召喚する。

ただし、何が召喚されるか本人にもわからないため臨機応変に対応したい。
※何が出るかお任せ!


■補充者が来なかった場合


ほんとに物質をワカメに変換してるってこと!?

わけわかめだよ!
※機械を解体して解析を始めるが直せないことに気付いて逃走する


立花・桜華
皆の生活が大変なことになってるみたいだね
しっかりと事件を解決して皆を安心させてあげよう!
……ところでなんでワカメなんだろ?

【とにかくコンコン!】
機械には詳しくないからメンテとかは出来ないけどわたしに出来ることをやってみよう
ワカメが出なくなるまでコンコンし続けたら犯人も慌てて現れてくれるかな?
さぁレッツコンコン!秒速16連打!
持ち前の怪力によるパワーとシーフとして培ったテクニック、シーブズ・ギャンビットを用いて更なる加速を加えたスピードを用いてコンコンコンコン!!

目の前の機械からワカメが出なくなったら次の機械に向かうよ!
後でキマイラの皆とワカメ料理でもして食べようかな?


雨霧・結
ワカメだすように機械ねぇ……いやー私は機械には詳しくないし…
改造されてない生き残ってる機械に地道に張り込みしようかしら。

アンパン片手に張り込みするのって一度やってみたかったし!
新聞に穴開けて覗くのもやってみたかったし!……や、遊んでないわよ?

コンコン機械に、コンコンしに来てない人は怪しいわよね…変わった動きをする人には注視しなきゃ。
怪しい行動してる人には「ワカメは好きですか?」って声かけてみる。
…ワカメだらけになったこの場で、ワカメと聞いて嫌な顔しない人がいれば怪しいかなって。


アルフレッド・モトロ
「なんだなんだ磯の匂いがするんだが!?」

よう!ワカメに誘われてやってきた魚介類だ!
まずは行動!POWでコンコン機械を使えなくしたら、犯人がひょっこり現れないか気になるので張り込みをするぞ!

「こういうのは斜め45度から殴ると直るって聞いた」
【鎧砕き】と【怪力】で斜め45度からコンコン機械を殴って治そうとするがたぶん壊れる(使えなくする)。

張り込み中は【野生の勘】で、怪しい奴が近づいてこないか物陰に隠れて観察するぞ!

「アイツが怪しい。……理由? 野生の勘だ、元野生児をナメてもらっちゃ困るぜ」

犯人を見つけたら後を追いたいが…難しいか。

ギャグ展開は大歓迎だ!


ゼット・ドラグ
「アルフレッド団長、俺はサポートに回るぜ。好きにやってくれ。」
旅団【飛空戦艦ワンダレイ】の乗組戦闘狂員。今回は団長のサポートに徹する。団長とは別方向から張り込む。コンコン機械をぶっ壊して犯人をおびき出すなら、仕掛けは必要なさそうだが、他の参加者が困るようであれば俺が修理をする。
「ふむ、うちの団長が迷惑をかけたようで。今修理しますわ」
恰好はどうあれ、修理業者を装う。変装するための服装一式と帽子があれば良かったんだが。


月影・左京
【飛空戦艦ワンダレイ】の皆さんと一緒に行動するわ。
団長さん……アルフレッドさんが行動しやすいように、私は【礼儀作法】を使って周りのキマイラさんに注意を促すわね。

「初めまして、キマイラの皆さん。突然の事で驚いているかも知れないけれど、何だかいつもの機械の調子がおかしいから、不用意に触らないようにね。原因と対策は、私たちで何とかするから、少しの辛抱よ。」

それでキマイラさんたちが納得してくれなかったら、瞬時に【祈り】を捧げて、予め持ち込んでおいた煮干しとお味噌、油揚げを使って「お味噌汁」を作るわ。サムライエンパイアの料理よ。

「これでも召し上がっていてね。ただワカメを食べるより、おいしいでしょう?」


アイン・アブソリュート
「リスナーのみんなはお待たせっ!今回は飛空戦艦ワンダレイの艦長のドキメンタリー動画の配信だよっ☆アルには内緒だからボクたちだけの秘密だからねっ♪」
【飛空戦艦ワンダレイ】のみんなと参加だよっ

艦長のアルには内緒で撮影ドローン『ユーイ』を【迷彩】で【目立たない】ようにしてから撮影開始っ♪

動画配信して住民からの【情報収集】で怪人目撃コメントを募集してみるねっ♪

アルの張り込みしてる付近で被害が出ていない装置には【エレクトロレギオン】を一体づつ配置しておいてアルの所に誘導出来ないか試してみるよっ!

レギオンの『ムニ』たちには黄色いヘルメットを被せて制服みたいのを着せていかにも修理してるように見せかけるねっ☆



電脳魔術士達が仕掛けた罠へと引っかかった怪人の情報。
 それは張り込みや聞き込みをしていたメンバーへもすぐに知らされた。
 猟兵達はその情報を元に、より詳しい犯人の情報を求め町中を駆け回った。

「ふふ、あはは、ワカメだって! ワカメだよ! なんでもワカメ! くひひひっ」
 竜騎士のマーシャ・ドラクロフは爆笑していた。
 箸が転んでもおかしいお年頃のマーシャからしたら、町がワカメに埋め尽くされている状況は簡単にツボに入る。
「大丈夫? 今から改めて張り込みをするんだけれど……これ、飲む?」
 人狼の雨霧・結はそんなマーシャを心配そうに見つめ、手にした牛乳を差し出す。
 彼の手元には他にもアンパンや新聞といった『張り込みする刑事がよく持ってるやつ』が一通り用意されていた。
「わたしもあとで牛乳貰っていいかな? いっぱい動いてしっかりと事件を解決して皆を安心させてあげないとだし! ……ところでなんでワカメなんだろ?」
 そんな様子を見つつストレッチをするシーフの立花・桜華。
 彼女は肉体労働に従事すべく準備を整えていた。
「確かにワカメなのは謎だが……かえって好都合かもしれない。ワカメを利用出来るからな」
 剣豪の竹城・落葉は真剣な口調で応える。今の彼女は業務用の冷酷な人格だ。
 彼女は敵の策略を利用すべく……ギリースーツのようにワカメを身に纏っていた。
 落葉のそんな姿にびっくりしたマーシャがまた笑いだし、結と桜華は焦り、落葉は淡々と準備を整えていた。

 それからしばらく。ようやく全員の準備が整い、調査が開始された。
 まずは桜華が敢えて派手に動き、怪しい人物をあぶり出す事にした。
「それじゃあ……レッツコンコン! 秒速16連打!」
 手近な機械を発見し、羅刹パワーとシーフパワーを合わせた凄まじいコンコンを機械に浴びせる。
 スピードが足りないと思えばダガーを引き抜き、『シーブズ・ギャンビット』を使って柄の部分でコンコン。
 その機械からワカメが売り切れれば別の機械へ移動し、更にコンコンしていく。
 溢れ出たワカメはきちんと回収して、あとでキマイラ達にあげました。
「よーし、これでこの辺の機械は大丈夫かな? それじゃあ張り込みをお願いするね!」
「お疲れ様、はい牛乳どうぞ」
 結から牛乳を受け取った桜華は休憩へ。怪しい機械へ張り込むのは他の三人の仕事であった。
「じゃあ今度は私がやるよ。影よ、この場を切り抜ける一手を頂戴」
 先程とは打って変わって落ち着いた様子で、マーシャはユーベルコードを発動。
 『影が奉ずる賢者の知恵(シャドウアーティクルスピナー)』により張り込みに適した道具を召喚……出てきたのは人数分の椅子と双眼鏡だ。
「これがあれば座って張り込みは出来るけど……みんなの状況に合わせたのかな?」
「そうね、確かに双眼鏡とかは持ってきていなかったから助かるわ」
「あ、私も借りていいかな」
 各々道具を取っていくマーシャ、結、桜華。一方で落葉はどの道具も借りていかなかった。
「我は構わん、前に出るつもりだ」
 彼女だけは『落ちたワカメの塊』のフリをして、機械のそばで張り込むのだ。
 大丈夫か? と思いつつもそれに了承した三人は機械と少し離れた場所へ移動した。

 それから更にしばらく。怪しい人物はなかなか現れず、時間だけが過ぎていく。
「ううん……変わった動きをする人とか、変なシルエットの人とかなかなか現れないわね」
 アンパンを食べつつ機械を見張る結。直接見張っていると怪しいので、穴を開けた新聞も持ってそこから観察中だ。
「物質をワカメに変換なんてできるとは思えないし、ワカメを詰めてたなら補充しに来るよね……」
 マーシャも少し不安になってきたのか辺りをキョロキョロしだす。
「でもこれだけコンコンしたんだから、犯人も慌てて現れてくれるんじゃないかな?」
 双眼鏡で機械の方をじっと見ている桜華も少し不安げだ。

 一方機械のそばにいる落葉。彼女も退屈と空腹から装備したワカメをちょっと齧っていた。このまま犯人が来なければ装備したワカメを食い尽くしてしまう。それはちょっと……と思っていた矢先、怪しい人物が出現した!
「ワカメ! シカケル! コレデイイ!」
「ワカメタリナイ! トリニイコウ!」
 仲間からもらった情報とも合致するその謎の人物――頭部がイソンギンチャクの形をした怪人達が、機械にワカメを補充しだす。
「待て! 貴様らが犯人だな! 観念しろ!!」
 起き上がって怪人へと攻撃をしようとする落葉。しかし、身に纏ったワカメにサムライブレイドが引っかかり、なかなか斬りかかることが出来ない。
「ワー! ナンダオマエ! ワカメオバケダ!」
「五月蝿いイソギンチャクお化け!!」
 その様子は離れて張り込みをしていた仲間もすぐ察知する。
「このままだと落葉が危ないね!」
「犯人をとっ捕まえよー!」
 ダッシュで駆け出す女の子猟兵二人。結も道具を片付けつつ付いていく。
「ナカマガイルノカ、コノママデハ カコマレルゾ」
「リョウカイ、ベツノキカイへイコウ!」
 猟兵が集まってきたと見ると、怪人達は慌てて逃げ出す。
「待ちなさい! 私達だけじゃ追いきれないかしら……それなら!」
 走りつつ携帯を取り出す結。どこかへと電話をかけ、一言二言交わすと皆へ叫ぶ。
「別働隊の方へ誘導しましょう!」
 三人もそれに頷くと、怪人共をその方向へと駆り立てていった。

 時間は少し遡り。
 先程とは別の一角で、飛空戦艦ワンダレイのメンバーは行動を開始していた。
「初めまして、キマイラの皆さん。突然の事で驚いているかも知れないけれど、何だかいつもの機械の調子がおかしいから、不用意に触らないようにね。原因と対策は、私たちで何とかするから、少しの辛抱よ」
 聖者の月影・左京はキマイラ達を優しく諭す。彼女の仲間の行動を不審に思ったキマイラ達を説得していたのだ。
「いやいや……本当に修理なのかあれは」
「修理……ええ、修理なのよ。あれは修理なの。ああ、そうだわ。待っている間にこれでも召し上がっていてね。ただワカメを食べるより、おいしいでしょう?」
 呆れるキマイラ達のために祈りを捧げる左京。その祈り……という名の仕込みによって作り出した美味しいお味噌汁(ワカメ入り)を振る舞いつつ経過を観察する。キマイラ達もお味噌汁にほっこりしたのでしばらく様子を見てくれる事になった。
 果たしてキマイラ達が呆れていた、その作業とは……。

 なんと皆の目の前で、一人のクダマキエイのキマイラが機械をぶち壊しそうな勢いで殴りつけていたのだ。
 ガン! ガン!という激しい音を立てて殴られる機械。
 角度は決まって斜め上45度から、キマイラはそれを丁寧に守って殴り続ける。
「こういうのは斜め45度から殴ると直るって聞いた」
 そのキマイラことワンダレイの艦長、アルフレッド。モトロは聞きかじりの知識で機械の修理に挑んでいた。
 本人的にはこれで機械が直るはずと思ったのだが、彼の鎧も砕く怪力の前では機械も耐えきれない。直るどころかどんどん壊れていくのだ。
 煙と嫌な音を立て始める機械を前にして、左京は急いで仲間に連絡。
 そしてアルフレッドへとそっと話しかける。
「アルフレッドさん、もうこの機械は専門の方でないと直せないんじゃないかしら……」
「そうか! じゃあ修理は他のやつに頼んで、一度張り込みに行くとするか!」
 左京の意見を聞き入れたアルフレッドは素直に移動を開始する。機械を直そうというのは本心であったが、念の為に別の手段も打ち合わせていたのだ。
 こうして二人は元々決めていた張り込みポイントへと移動することになる。

 アルフレッドが機械をぶん殴る様子はネットで配信されていた。
 ワンダレイのメンバーである電脳魔術士、アインによるものだ。彼は他の皆とは離れた場所で配信を行っていたのだ。
「リスナーのみんなはお待たせっ! 今回は飛空戦艦ワンダレイの艦長のドキメンタリー動画の配信だよっ☆ アルには内緒だからボクたちだけの秘密だからねっ♪」
 現場に飛ばした撮影ドローン『ユーイ』によって配信される映像。アインの明るい声色によるナレーションも加わっており、ワカメ騒動を気にするキマイラ達によって結構な視聴者数を叩き出していた。
「ところでボクもワカメにはすっごい困ってて、視聴者の皆が何か知ってたら教えて欲しいんだよねっ! このままだとアルもどんどん機械を修理(物理)しちゃいそうだし……」
 アインは視聴者へ向けて情報を募集する。機械の様子に危機感を覚えたキマイラ達も続々とコメントを書き込んでいく。
 そういえば機械の側で変な影を見た、変なカタコトも聞こえた、機械を修理しているのも見た等……。
「みんなありがとう♪ おかげでボク達が犯人を追い詰められるかも! 次は犯人を捕まえた記念の配信をするからねー☆」
 情報が適度に集まった所で配信の終了時間がやってきた。
 ここから先は別の仲間と連携しての仕事だ。まずはユーベルコード『エレクトロレギオン』を発動、レギオンの『ムニ』達を呼び出した。
「それじゃあ、しっかり誘導してね!」
 ムニ達に作業員のような格好をさせつつ指示を出すアイン。それを受けたムニ達は町中へ繰り出し、機械の側で待機し始めた。

 アルフレッドと左京の張り込み中、彼らの仲間でありワンダレイの乗組戦闘狂員であるゼットが交代するように現れる。元々は別の場所で張り込みをしていたのだが、左京の救助要請を受けて移動してきたのだ。
 長い髪を纏め、修理業者のような出で立ちで現れたゼットは、近くのキマイラ達へと一礼する。
「ふむ、うちの団長が迷惑をかけたようで。今修理しますわ」
「迷惑というか……直るのかそれ?」
 そんなキマイラのコメントはよそにテキパキと修理を始めるゼット。しばらくすると機械は修復された。
 その様子を物陰から見ていたアルフレッドはサムズアップ。ゼットもサムズアップを返す。左京も安心したように頷いている。ドローン経由で見ているアインも思わず安堵。
 しかしゼットがその辺のキマイラ女子についでに声をかけようとしたのを見て、アルフレッドと左京は慌てて彼を張り込みポイントへ引っ張っていく。
 機械が修理されたとなれば犯人もまた機械を触りに来るだろう。だから機械からは速やかに離れなければならない。
こうしてワンダレイのメンバーも張り込みを続けることとなる。

 そして時は戻り。
 張り込み現場でまず動いたのはアルフレッドだった。
「ん? なんかこう野生の勘が……そろそろ何か来るかもしれねぇな」
 キマイラの勘(?)が働き、辺りをキョロキョロ見回す艦長。
 その様子にゼットは不安な顔をする。
「俺は確かに今回サポートに回るって決めてたが……急に勘って言われても」
「いえ……あながち間違いではないかもしれないわ」
 自身の携帯を見ながら左京が応える。そこにはアインからのメールが入っていた。その文面は『別働隊からの連絡だよ! 犯人らしきやつらがそっちに逃げてる!』といったものであった。
 それと同時にイソギンチャク怪人達が現場へやってくる。彼らはアインのレギオン・ムニに追い立てられ、更に後ろからも猟兵に追われていた。
 その様子を確認すると、アルフレッドはすぐさま駆け出し怪人の進行ルートに陣取った。
「おおっと! これ以上逃げられねぇぞ、元野生児をナメてもらっちゃ困るぜ」
「ワー! リョウヘイ、イイカゲンニシロー!」
 新しい猟兵の出現に触手をもぞもぞさせながら怒る怪人。別の方向へと逃げようとするも……。
「これで追い詰められたな」
「もう逃げられないわよ!」
 ゼットと左京もすぐさま道を塞ぐ。ムニ達と連携し、怪人を囲むように陣取ったのだ。

「さあ、いよいよ観念する時だよ!」
「これでもう悪さは出来ないわね、ここが年貢の納め時ってやつよ」
「さーて、こてんぱんにしてやるからね!」
「……覚悟しろ、怪人共」
 後ろから追いかけてきた四人も合流出来た。落葉の様子にワンダレイのメンバーは一瞬ぎょっとしたものの、すぐに怪人の方へ向き直る。
「よかった、みんな集まってるね♪ それじゃあ……こいつらを倒そう!」
 アインも罠を仕掛けていた電脳魔術士三人と合流してから現場へやってきた。

 これだけの数の猟兵に囲まれた怪人は、流石に逃走は諦めたようだ。
「オノレリョウヘイドモ、コウナッタラマトメテシバクゾ!」
 二体のイソギンチャク怪人は触手を不気味に擦り合わせ、謎の音を発した。
 すると何体もの怪人がその場に現れたのだ。
「リョウヘイドモ、カクゴシロ!!」
 怪人共は臨戦態勢を取ると、猟兵達に襲いかかる。
 猟兵達もそれぞれ武器を構え、戦闘を開始した!

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『イソギンチャク怪人』

POW   :    テンタクル・テンペスト
予め【触手を振り回しておく】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
SPD   :    ウネウネ・アネモネ
自身の肉体を【ウネウネモード】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
WIZ   :    ポイゾナス・ポリプ
【頭部】から【毒針のついた触手】を放ち、【麻痺毒】により対象の動きを一時的に封じる。
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ウネウネ、もぞもぞと触手を動かすイソギンチャク怪人共。
 その数は総勢10体だ。
 しかし、彼らの様子もなんだかおかしい。
「コノママデハ、ワレワレモシカラレテシマウ」
「アネゴ、オコルダロウナァ」
 なんだか何かに怯えている様子。話しぶりから真の黒幕がいるようだ。
 イソギンチャク怪人と戦い続けていれば、おそらく焦った黒幕も現れるだろう。
 事件解決のために、戦え猟兵! ワカメから人々を救い出すために!
竹城・落葉
 ついに追い詰めたぞ。観念するが良い!……ん、何だと!ワカメが引っかかってサムライブレイドが抜けない……!?おのれ怪人め、これが貴様らのやり方か!ええい、仕方ない。おい、そこの怪人、ちょっと頭部の触手に付いている毒針を貸せ!それで引っかかっているワカメを切り落とす!ワカメを切り落とせたら、余計な事は考えずに戦闘へ集中する。
 我は『剣刃一閃』で怪人を切り伏せる。戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情かつ無言で攻撃を仕掛ける。


カル・フラック
出たっすねワカメ怪人!え、イソギンチャク?なんでイソギンチャク入れなかったんすかね?ともかくゲームの邪魔はさせないっす!プレイバイワカメとか嫌なんで!共闘発動からの二人掛かりで動き回ってパズルブロックを投げながら敵を牽制、怪人の体が絡まって動けなくなるのを狙うっす。さらにこんなこともあろうかと取っておいたワカメを敵の足元に設置。派手にずっこけるがいいっすよ!


ゼット・ドラグ
「よっしゃ、やっと戦闘だな。ずっと待ってたんだぜ」
纏めた髪をバサァして衣装チェンジする戦闘狂。どうやったかは知らん。
ワンダレイ機械化歩兵部隊でロボット達を召喚。
アルフレッド団長に吹き飛ばされた敵一体を黒剣でボコボコにする。
「すまんな、タイマンする気はねえ」
敵が連携しようとするのをロボット達で邪魔しつつ、1体ずつ確実に倒していく。
戦闘狂軍団(一人)大暴れ。


三寸釘・スズロク
ウェェ……直に見るとUDC連中にも負けねえエグい見た目してんなオイ!
あと磯臭ェ!
つーかイソギンなのにワカメの布教してんの!?
イソギンのプライドはないの!?同じ元海のイキモノとして!

まぁこんだけ猟兵集まってんなら何とかなるだろ!
エレクトロレギオン発動、ミニレーザーガン付きのドローン召喚。
敵一体に一点集中でレーザー浴びせまくったり、
牽制して仲間が攻撃する隙を作ったり、っつー感じで動かしとくぜ。
あ、俺は後ろの方にさがっています。触手イヤだし……
……イヤだっつってるじゃん!!ヤダー!助けて!!

アネゴさんねぇ。一体どんな黒幕なのやらだな。
こういう連中のボスは逆にマーメイド的な美人サンだったり?


シノギ・リンダリンダリンダ
イソギンチャク怪人がワカメを……?
なんだかややこしいですね……
こういう時はシンプルに殴るに限ります。
さぁ悪い事をした怪人は一列に並んでください。端っこから殴っていきますよ。

とは言ったものの、イソギンチャクな怪人を殴るのはなんか生理的に嫌なので、【リザレクト・オブリビオン】で召喚した死霊騎士と死霊蛇竜に任せます。
「あぁ叱られてしまいますね。ここでさらに無様な戦いをしてしまえば、恐らくより一層叱られてしまいますね。怒られてしまいますねぇ? きっとカンカンでしょうねぇ?」
【呪詛】のこもった囁き作戦で的をかく乱させつつ、死霊たちに攻撃させます。
敵からの攻撃はあえて乱戦に飛び込み【敵を盾にして】防ぎます


リア・ファル
お出ましだね、イソギンチャク怪人!
(彼らのおびえた様子に気付き、話しぶりを耳にする)

…なるほど、察するにそのアネゴとやらが黒幕だね
事件解決のためにも、黒幕にはご登場頂く必要がある、
君たちを叩いてお出まし願おうか
「怪人を餌に、黒幕を釣るワケだね、イソギンチャクなら海釣り…いや今回は丘釣りかな」

ユーベルコード五光の神速疾走で宇宙バイクを強化
他の猟兵が動きやすいよう、イルダーナで攪乱していこうか
集中して狙われないように気をつけつつ、
一撃離脱を心がける

「さあさあ、こっちだよ! よく伸びる触手だけど、何処まで伸びるかな?」
シグザク走って、伸びたところで、混線したり、伸びきった横合いを攻撃したもらったり


雨霧・結
さて、あんぱん食べた事だし運動しなきゃね?
ところでイソギンチャクって美味しいのかしら…見目悪いのって美味しいって言うけども(じっ

うねうね、もぞもぞ行儀の悪い触手は、切り落として坊主にしてあげましょうか
【巫覡載霊の舞】使用。仲間が麻痺毒の餌食にならぬよう、衝撃派を放って触手を切り落す後方サポートに回る
地形利用して、建物に衝撃派をあてて頭上に看板を落としたり、落ちてるワカメ吹き飛ばして目隠しさせたり、ワカメで滑って転ばせたり、ワカメで足を引っかけたり……ワカメさんごめんなさい、後で美味しく食べるから…!

アドリブ超歓迎


アルフレッド・モトロ
「ああ!?こんな大変な悪戯する奴ァ、女だろうがなんだろうがまとめて『めっ』てしてやるぜ!」

【ワンダレイ】のメンバーと一緒に戦うぜ!

1人1体ずつ相手できるようにまずは敵の群れを散らすことにする!
【先制攻撃】で敵の群れに突っ込んで武器【ワンダレイ・アンカー】で【吹き飛ばし】

敵が散り散りになった後は【2回攻撃】で手近な敵を【怪力】で首根っこ引っ掴んで持ち上げて「ワカメばっかじゃ飽きるだろ?ワンダレイ3秒クッキング!イソギンチャクの丸焼きってな!」っと【力溜め】からの【ブレイズフレイム】で盛大に燃やす。
回避は【野生の勘】任せだ。

自分が担当してる敵を片付けた後は、すぐ近くで戦ってる奴の援護に向かうよ。


アイン・アブソリュート
「黒幕はスタイルの良い女性幹部みたいな感じかもっ!倒して改心させたら美女に戻るとかお約束じゃないかなっ☆」
【ワンダレイ】の皆と参戦

男性陣の士気が高まるかな?

撮影ドローンの『ユーイ』に動画の撮影と配信を頼むよ

「猟兵vsイソギンチャク怪人の大乱闘っ!それじゃ配信スタートッ♪」

真っ先に飛び込むアルが吹き飛ばした敵に【残像】を残すスピードで【ダッシュ】して近付き【ジャンプ】からのアクロバットな【空中戦】で脚技による【範囲攻撃】を決めていくよ

防御はスピードの緩急で【残像】を作り的を絞らせない

敵の頭部が怪しい動きをしたら【スカイステッパー】で空を蹴って回避する


星群・ヒカル
【飛空戦艦ワンダレイ】の助っ人、超宇宙番長参上ッ!
ふふふ、こういうウニョウニョした奴はUDCアースで慣れ……あっでもやっぱちょっと気持ち悪ッ!

●行動:SPD
使用技能:地形の利用、視力
「超宇宙・強襲流星撃ッ!」
超宇宙望遠鏡ガントバスから伸びたコードが背中に刺さり神経接続(割と痛い)
視力を超強化した上で
周囲のビルの屋上から怪人たちを、バイクにくっついてるガトリングガンで蜂の巣にするぜッ
ふふふ、こっちの射程距離の方が怪人より長いぜ!多分。
もちろん皆には当たらないように気をつけるぞ。

あらかた殲滅したら皆と合流して情報交換
ついでにアインの撮影ドローンに向かってVサインとアピールだ
キマイラの皆見てるー?


月影・左京
【ワンダレイ】の仲間と一緒に参戦よ。
まずは団長(アルフレッド)さんに蹴散らしてもらったら【忍び足】で敵の背後に【目立たない】ように回るわね。
そしてそこからの【ジャッジメント・クルセイド】の【2回攻撃】を行うわ。【鎧砕き】も狙っていくわよ。
「鬼さんこちら♪うふふっ」

反撃を受けそうになったら【見切り】で回避!
そのまま再び【ジャッジメント・クルセイド】の【2回攻撃】をお見舞いするわ。もちろん【鎧砕き】も狙って。
「そう簡単に倒れてなんてあげないわ!」

敵がしぶといようなら、メイスで思い切りぶん殴っちゃう!
【鎧砕き】も狙った【気絶攻撃】よ。

(作戦の齟齬はワンダレイの仲間にあわせるわ。アドリブも大歓迎よ。)



「黒幕はスタイルの良い女性幹部みたいな感じかもっ! 倒して改心させたら美女に戻るとかお約束じゃないかなっ☆」
 戦場に明るい声を響かせ、アインは再び撮影ドローン『ユーイ』を飛ばす。彼の発した言葉に猟兵達は皆「そういえば幹部ってやっぱりどんなヤツなんだろう」という疑問がよぎったりもする。それの答えは戦いが終われば分かるだろう。
「猟兵vsイソギンチャク怪人の大乱闘っ! それじゃ配信スタートッ♪」
 戦闘の様子はユーイを通してキマイラフューチャーに配信される。ワカメに困っている住人達は手に汗を握り見守っていることだろう。

「ついに追い詰めたぞ。観念するが良い!」
 最初に切り込んだのは落葉だ。先程は焦ってサムライブレイドを引っ掛けてしまったが、今度こそは……。
 そう意気込んで再び武器を引き抜こうとすると、またしてもワカメに引っかかってしまう。
「ええい、まさかこれが貴様らの狙いだったのか!」
「オマエ、ナンダカパニクッテルナ! ココガチャンス!」
 自分達に冤罪をふっかけつつパニックになる落葉と、それをじーっと見ていた怪人。
 しかし怪人もチャンスだと感じたためか、即座に触手を振り回し落葉へ突進してくる!
「……! そうか、その毒針を貸せ!」
 抜刀出来ない今の状況では相手の攻撃を受け流す事が出来ない。
 絶体絶命の大ピンチかと思われたが――落葉は敵を観察し、好機を見出した。
 飛び込んでくる怪人の頭には鋭い毒針が生えている。それを逆に利用してやればいいのだ。
 身動きが取りづらい状況ながらも身を翻し、腕や腰に引っかかったワカメを毒針に切り裂かせる。毒針は少し身体に掠ってしまったが、動けないよりは遥かにマシだ。
 落葉はすぐさまサムライブレイドを抜刀し、一閃。ユーベルコード『剣刃一閃』によって怪人は斬り伏せられた。
「オ、オノレ……」
「……」
 消えゆく怪人を前にして表情を変えない落葉。非常に落ち着いて、しかし殺気立ってもいる。
 武器についたワカメと怪人の体液を振り払うと、再び落葉は怪人達と対峙する。
 先程までのパニックもなんのその、今の彼女は冷酷な戦士として敵と対峙している。
 ただし腕以外のワカメは振り払う余裕がなく、戦闘にも支障はないためそのままである。今の彼女はワカメの鎧を身にまとう戦士だ。
 ……敵の数はまだ多い。他の仲間にも加勢すべく、落葉は飛び込んでいった。

「ああ!? こんな大変な悪戯する奴ァ、女だろうがなんだろうがまとめて『めっ』てしてやるぜ!」
 落葉と同じく切り込みに行っていたのはアルフレッドだ。落葉とは別の方向にいる怪人達の方へと走っていき、そのまま勢いよくワンダレイ・アンカーを振り下ろす。
 怪人達は勢いよく吹っ飛んでいき、そのまま散り散りになる。それが彼の狙いだった。
「こいつは俺に任せろ! 出来れば一人一体相手にしろよ、それが確実だからな!」
 アルフレッドは手近な怪人を引っ掴みつつ仲間へ叫ぶ。数の有利は自分たちにあるのだから、それを活かさないのは勿体無い。艦長として的確に指示を出しつつ、自分は自分の仕事をこなすのだ。
「ハ、ハナセ! オマエモ海ノ生キ物ッポイシ分カリアエナイカ!? ワカメマミレデモ困ラナインジャナイカ!?」
 掴まれている怪人が叫ぶ。クダマキエイのキマイラである彼ならきっと分かってくれるのではないか……そんな淡い期待を込めつつ。
 だが怪人がどれだけ説得をしようとも、既に町の住民は被害を被っている。散々迷惑をかけた上に黒幕までいるのだ。組織的な悪戯であり大迷惑、つまりギルティ。
「いやいや……ワカメばっかじゃ飽きるだろ? ワンダレイ3秒クッキング! イソギンチャクの丸焼きってな!」
 アルフレッドは毒針から地獄の炎を滾らせ、怪人へ思い切りぶつける。自分に燃え移りそうな部分は上手く消し、怪人だけを燃やしていく。『ブレイズフレイム』の効果があってこその攻撃だ。
 そして掴んでいた怪人を燃やし尽くすと、アルフレッドはすぐさま別の仲間の元へ駆けていった。

「よっしゃ、やっと戦闘だな。ずっと待ってたんだぜ」
 アルフレッドが敵を吹き飛ばした直後、彼の部下であるゼットはその意図をすぐさま理解していた。目指す方向を確認すると全力で駆け出す。
 まとめていた髪をバサァと振りほどき、変装モードから戦闘モードにチェンジするのも忘れない。変装はキマイラフューチャーの素敵技術を使っていたのだろう。変装するのも解くのも簡単だった。
 そして自分の近くに落ちそうな一体を確認すると、ユーベルコード発動の準備に取り掛かる。
「さて……お前ら出撃だ! 一気に攻めるぞ!」
 飛空戦艦ワンダレイへ指示を飛ばすと、巨大なロボット達が転送されてきた、彼の『ワンダレイ機械化歩兵部隊』によるものだ。ロボット達は巨大な黒剣を装備しており、ゼットの動きをトレースしながら動く。
「すまんな、タイマンする気はねえ」
 自らも黒剣を取り出し落ちてきた怪人を見据える。そしてそれを振りかぶると……ロボット達も同じように黒剣を振りかぶる!
 大きな衝撃が起こり、落ちてきた怪人は再び吹っ飛んだ。
 別の怪人がゼット本人の邪魔をしてこようとするが、ロボットの数と大きさに阻害されゼットまで辿り着くことは出来ないようだ。
 それを好機と見て落ちてきた怪人に追撃。更に黒剣で斬り刻む。複数の巨大な黒剣にボコボコにされた怪人は跡形もなく消滅した。
「……まだ戦えるな。良いじゃないか」
 戦闘狂の彼にとって今の状況はとても楽しい。戦闘狂軍団(一人)大暴れである。仲間の邪魔だけはしないようにしつつ、更に敵へと向かっていく。

「出たっすねワカメ怪人! ……え、イソギンチャク?」
 カルもイソギンチャク怪人と対峙していた。なんでイソギンチャク入れなかったんすかね? という疑問も心によぎったが、今はそれよりも戦闘だ。
 大好きなゲームの邪魔をこれ以上させたくない。このままではゲームもワカメに侵食されていく。プレイバイワカメ略称PBWとか生まれたら嫌だし。なんか似た略称のゲームとかもあるけど多分気にしないでいいっすよね、とか思いつつカルは手にしたゲームデバイスを起動した。
「隠しコマンド発動っす!」
 ユーベルコード『共闘(デュアルプレイ)』により、先程の調査時と同じく2Pカラーの自分を召喚。茶色の毛並みをしたカル本人と、白い毛並みの2Pカルが怪人を睨む。
「フエルトカヒキョウダゾ!」
「そっちだって仲間を呼んで増えたからおあいこっす!」
 怪人の文句をあしらい、二人のカルはそれぞれのデバイスからパズルゲームのブロックを具現化する。カル達はお互い目を合わせてから頷くと、それを怪人へ向かって投擲し始めた。
「ワー! コレ並ンダラ消エルヤツジャナイノカー!」
 次々と投げ込まれるブロックによって囲まれていく怪人。このブロックが消えるのはゲーム内のお話、今のカル達にとっては敵の動きを制限する立派な柵だ。
「ついでにこれも!」
「イッタイ何ヲ……ウワー!」
 本物のカルが更に何かを投げ込み、それによって足を滑らせた怪人は見事にずっこけた。
「一体何を投げたんすか?」
「こんなこともあろうかと取っておいたワカメっす! 大当たりだったっすね!」
 2Pカルの疑問に笑顔で応える本物カル。彼の手にはいくつかのワカメが握られていた。
「それじゃあ……トドメっす!」
 ずっこけた怪人の上に更にブロックを投げ入れると、見事に押しつぶされて怪人は倒された。
 敵を一体倒せたことに安堵しハイタッチする二人のカル。
 それでもまだ敵の数は多い。戦闘はまだまだ続く。

「ウェェ……直に見るとUDC連中にも負けねえエグい見た目してんなオイ!」
 スズロクは怪人の見た目にゲンナリしていた。
 イソギンチャク怪人達は、シルエットで見た時よりもずっとずっと気持ち悪い。そして磯臭い。
「つーかイソギンなのにワカメの布教してんの!? イソギンのプライドはないの!? 同じ元海のイキモノとして!」
「イヤマァ、アネゴノ命令ナンデ……」
 プライドという言葉に対し、触手をシナシナと垂らしながら答える怪人。その様子を見てスズロクは一瞬同情しかけたが、シナシナしている触手もウネウネしていたのでやっぱり気にしないことにした。
 そして気を取り直して戦闘開始だ。スズロクはモノレンズクラスを掛け直し、プログラムを起動する。
「まぁこんだけ猟兵集まってんなら何とかなるだろ! 数なら俺も増やすし!」
 プログラムから『エレクトロレギオン』を発動させると、彼の目の前には65体ものミニレーザーガン付きのドローンが呼び出された。
 ドローン達は統制の取れた動きで怪人を囲むと、一気にレーザーを射出する。一点集中攻撃を食らった怪人はひとたまりもなく蒸発した。
 更に別のドローンが仲間の支援をすべく散り散りになっていく。これなら安心、触手イヤだし俺は後ろの方にさがっていようとしたスズロクだが……。
「オノレ! コザカシイゾ!」
 なんと、別の怪人がすぐさま飛び込んできたのだ。思わずドローンを数機防御に回すも、ビックリしたのには変わりない。
「……イヤだっつってるじゃん!! ヤダー! 助けて!!」
 叫び声を上げつつもドローンへの指示は的確に飛ばしているスズロクだった。
 飛び込んできた敵はなんとか抑えられたが戦闘は続く。彼は再び気合を入れ、敵へと向き合った。

「皆調子良さそうかな? それじゃあボクも頑張るよー♪」
 ドローンの『ユーイ』を飛ばしつつ、動き回る準備をするアイン。彼の特製レガリアスシューズ『Type-OverSky』の推進装置を起動させ、思いっきり駆け出す。
 目標はアルフレッドが吹き飛ばした敵のうちの一体、誰も相手にしておらず自分の近くにいたヤツだ。
 まわりの壁を蹴り、床を蹴り、残像を残すようなスピードで敵へと飛び込むアイン。
「こんにちはー☆ 空を飛んでるのってどんな気分かなっ?」
 配信のゲストへ話しかけるような口調で怪人にインタビューだ。一瞬怪人も面食らうものの、アインの明るい雰囲気に流される。
「ア、エット、楽シイデス!」
「そっか! じゃあもうちょっとボクと空の旅、楽しんでねッ♪」
 アインの声色に思わず明るい返事をしそうになった怪人は、彼のアクロバティックな蹴りで更に上空へと飛ばされる。アインは『スカイステッパー』を繰り出し何度も飛び上がると更に怪人を追撃。ジャンプの限界が近づけば地上へと吹き飛ばして自分は華麗に着地する。
「オ、オノレ……」
 ボロボロになった怪人は身体をウネウネさせ、なんとかアインに一矢報いようとしたが……。
「大丈夫、見えてるよ!」
 アインは再び残像を残すようなスピードで動き見事に回避だ。そして再び怪人へと全力の蹴りを当てると、怪人は消滅した。
「よーし、あとちょっと頑張ろうっ☆」
 他の仲間に加勢すべく再び地面を蹴り飛ばすアイン。まだまだ元気いっぱいだ。

「イソギンチャク怪人がワカメを……? なんだかややこしいですね……」
 猟兵と怪人が入り乱れる戦場に、新しい参戦者が現れた。
 それは死霊術士のシノギ・リンダリンダリンダだ。彼女は戦場を見回すと少し考え込む。
 イソギンチャクなのにワカメ。本当にどうしてでしょう。しかし考え込んでも答えは出ない。それならやることは一つだ。
「こういう時はシンプルに殴るに限ります。さぁ悪い事をした怪人は一列に並んでください。端っこから殴っていきますよ」
 そう言いつつ構えるシノギ。彼女に気付いた怪人達は、殴りかかられると思い臨戦態勢を取るが……すぐさま後ろから何かに飛びかかられる。怪人達が慌ててそちらへ向き直ると、そこでは死霊達が牙を剥いていた。
「ああ、イソギンチャクな怪人を殴るのはなんか生理的に嫌なので攻撃はこちらに任せます」
 シノギが手にしていたのはネクロオーブだ。それにより『リザレクト・オブリビオン』を発動、召喚された死霊騎士と死霊蛇竜が怪人達へ襲いかかっていたのだ。
 彼女ももちろん戦闘に加わる。オーブを通して怪人達へ呪詛を届けるのだ。
「アネゴですか……あぁ叱られてしまいますね。ここでさらに無様な戦いをしてしまえば、恐らくより一層叱られてしまいますね。怒られてしまいますねぇ? きっとカンカンでしょうねぇ?」
 たたでさえ聞きたくない話を、呪詛も混ぜて聞かされる。そんなに賢くない怪人からするととんでもない苦痛である。
「ワアア、シカラレタクナイヨォ……」
 しょんぼりしている怪人は混戦では邪魔になるだけだ。仲間からの攻撃があたってもしょんぼりしている。
 シノギはそれを盾として利用しつつ死霊達に指示を飛ばし続けた。
 部下に任せつつ敵も利用する。海賊らしい戦いが出来ている感じがして、シノギは少し嬉しくなった。

「お出ましだね、イソギンチャク怪人!」
 怪人を直接目にしたリアは気合十分であった。彼らの話しぶりに耳を傾け、次の行動も考える。
 どうやらアネゴとやらが黒幕らしい、それなら怪人はさっさと叩いて黒幕を引きずり出そう!
 CEOも務める彼女は顧客のことをしっかり考える。同じく怪人のこともしっかり考え、自分なりの最善手を導き出すのだ。
「怪人を餌に、黒幕を釣るワケだね、イソギンチャクなら海釣り……いや今回は丘釣りかな」
 そんなことを呟きながら、愛用の制宙高速戦闘機『イルダーナ』のエンジンをかけるリア。先程は電脳魔術士として活躍したが、彼女はスターライダーでもあるのだ。
「突撃形態(アタックモード)へ移行。いくよ、イルダーナ!」
 そう叫ぶとユーベルコード『五光の神速疾走(ブリューナク)』が発動。イルダーナが大きく音を立て、より攻撃的な形へ変形していく。
 リアはそれに乗り込んで……敵陣へ突っ込んでいった!
 流石の怪人達もこれには驚き、なんとか避けていく。しかしこれでひき逃げアタックをするのが目的ではない。真の狙いは他の猟兵のサポートだ。敵に注目させ、撹乱することで仲間の動きをよくすることをこそがリアの目的である。
「さあさあ、こっちだよ! よく伸びる触手だけど、何処まで伸びるかな?」
「ナンダト、コノヤロー!」
 挑発も交えて敵を誘導。ジグザグに走ったり、まっすぐ走ったりを繰り返して敵を混乱させていくのだ。
 その横から他の仲間の攻撃も加わっていく。その様子にリアは安心し、更にイルダーナの速度を上げていった。

 ワンダレイのメンバーは現場から少し離れた所にもいた。
 ある現場周囲のビル、そこの屋上に一人の猟兵がいたのだ。
「ふふふ、こういうウニョウニョした奴はUDCアースで慣れ……あっでもやっぱちょっと気持ち悪ッ!」
 超宇宙番長の星群・ヒカルだ。愛用のバイク、銀翼号に腰を掛けつつ現場を見つめている。
「よし……超宇宙望遠鏡ガントバス、融ッ合! ……『視えた』ぜ、てめぇの姿! 今更隠れようとしたってもう遅い、蜂の巣にしてやるよ!」
 詠唱と共に魔法の望遠鏡・超宇宙望遠鏡ガントバスを手に取ると、そこから凄まじい勢いでコードが伸びていく。コードはヒカルの身体に突き刺さり、彼の神経と接続する。
「くっ……まだまだ、本番はここからだぜッ!」
 結構な痛みが彼を襲うものの、気にしていないという雰囲気で佇むヒカル。彼の目はガントバスに接続され、凄まじい視力を身につけているのだ。
「それじゃあいくぜ! 超宇宙・強襲流星撃ッ!」
 更にユーベルコードは続く。銀翼号に搭載されているガトリング砲を起動すると……強化された視力をもって、怪人にのみ狙いを定めて狙撃していく!
「ナンダ!? ドコカラ攻撃サレタ!?」
 突然の事態に焦る怪人達。猟兵達もビックリしたものの、攻撃が見事に敵にのみ当てられるので「援護射撃なんだな」と思うことが出来た。
 ヒカルは怪人を殲滅しきるまで、ずっと狙撃を続けている。目がちょっと疲れるが番長は挫けない。敵の数もあと少しなのだ。

「さて……あんぱん食べた事だし運動しなきゃね?」
 結は軽く準備運動をしつつ敵を見据える。さっき食べたあんぱんは美味しかった。その分気合を入れて敵へ立ち向かうつもりだ。しかしそんな彼でも気になる事がある。
「ところでイソギンチャクって美味しいのかしら……見目悪いのって美味しいって言うけども」
 じーっと怪人を見つめる結。確かに触手だけ切り落として和風の味付けをすると案外美味しいかもしれない。
 怪人達は感じたことがない期待を受けたことを察し、少したじろぐ。
「ソンナ、タベテモオイシクナイゾ!」
「ええ、そうね……やっぱり気味が悪いわ。うねうね、もぞもぞ行儀の悪い触手は、切り落として坊主にしてあげましょうか」
 結はその言葉と共になぎなたを取り出すと、『巫覡載霊の舞』を披露する。彼の身体が光に包まれ、その光はなぎなたにも集中していく。
「この技は大変だけれど……でも皆のためだものね。しっかりやらせてもらうわよ」
 命を削る舞を披露しつつも結の顔は覚悟の色に染まっている。なぎなたを振るうと衝撃波が放たれるが……それは怪人の上の方へと通り抜けていく。
「ドコヲ狙ッテイルンダ!」
「どこって……上よ」
 その言葉に疑問を感じ、怪人は上を見つめ……そのまま落ちてきた看板の下敷きになる。キマイラフューチャーには背の高い建物も多く、その上にネオン看板が取り付けられていることも多いのだ。それを利用すれば皆が毒針や触手に触れずに戦えるという読みであった。
 更に結は別のもの利用する。それはワカメだ。先程までに拾ったワカメを投擲し、怪人の足止めや目隠しに利用していく。
「私も行儀が悪いわね……ワカメさんごめんなさい、後で美味しく食べるから……!」
 ワカメへの謝罪を述べつつ、結は更になぎなたを振るっていく。

 皆がド派手に動く中、敢えて静かに行動する者もいた。
(アルフレッドさんがせっかく敵を散り散りにしてくれたのだから……頼らせてもらうのが一番ね)
 ワンダレイの一員である左京は、彼女の上司が吹き飛ばした敵へとそっと近づいていた。
 忍び足で目立たないように動き、目を回している怪人を刺激しないようにして……。
 確実に攻撃を当てられる距離まで近づけられればあとは攻撃するのみだ。
 右手の人差し指をそっと怪人へ向けると……怪人へ向かって天からの光が襲いかかる!ユーベルコード『ジャッジメント・クルセイド』の力だ。
「ワー マブシイ! イイ加減ニシロ!!」
 聖なる光に身体を焼かれ、怒りつつ飛び起きる怪人。気迫があるが左京はそれを恐れない。
「鬼さんこちら♪ うふふっ」
 女性らしい仕草で敵を挑発したりもする。怪人はあまり賢くないので、あっさりそれに乗った。
「オマエー! バカニスルナヨ!」
 怒り狂った怪人が、頭部の毒針を伸ばし左京を攻撃しようとする。しかしそれもしっかり見切る。その隙に彼女は再び『ジャッジメント・クルセイド』を叩き込んだ!
「そう簡単に倒れてなんてあげないわ!」
 彼女の攻撃はそれだけではない。愛用のメイスを振りかぶると、それで思い切り追撃する。
 思い切り殴られた怪人は蚊の鳴くような声を出して倒れ込む。そしてすぐさま消滅した。
「やった、一体倒せたわ……残りは?」
 戦場を見回す左京。どうやら今倒したのが最後の一体だったようだ。他の猟兵達はそれぞれ安堵している様子だ。

「皆お疲れ様だぜ! あ、今配信してるんだよな!」
 銀翼号に乗ったヒカルが皆と合流し、それぞれ感謝や労いの言葉をかけていく。
「ヒカル、お疲れ様っ! そうそう、配信中だよ☆ 今コメントも盛り上がってるんだ!」
 アインも笑顔で応え、二人で一緒にカメラに向かってVサインやアピールをしている。
 他の仲間もカメラに手を振ったり、自己紹介したり、あるいは撮影拒否をしたりなんかしている。
 こうして穏やかな空気になったかと思ったが……そう、黒幕がまだである。
 何か不穏な気配を感じ、猟兵たちは再び警戒を始める。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『怪人『オンナマズ』』

POW   :    ジャイアントナマズ
自身の身長の2倍の【巨大ナマズ怪人 】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    ナマズ人召喚
レベル×1体の、【後頭部 】に1と刻印された戦闘用【ナマズ人】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
WIZ   :    矢ナマズ発射!
レベル×5本の【雷 】属性の【刺さるデンキナマズ】を放つ。
👑17
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

「あんた達ッ!いい加減になさいッ!!」
 上空から、突如女の声が鳴り響く。
 声の主は……ナマズ頭の女怪人であった。
 彼女は超人的な脚力で猟兵達の元へと踏み入ると、すぐさま臨戦態勢を取る。
「あんた達がアタイの部下を倒すからとーっても困っているのッ! ここから素晴らしいワカメビジネスを始めようと思っていたのに……いい加減にッ! なさいッ!!」
 ヒールをガンガン鳴らしで地団駄を踏む女怪人。
 彼女の名前は『オンナマズ』。デンキナマズが好きすぎる女性が怪人となった存在だ。
 今回の彼女はナマズ愛を拗らせすぎて、海や川の生き物のビジネスに執着していったという過去を持つ。それを繰り返すためにコンコンする機械をワカメまみれにしたのだ。
 彼女を倒せば町の平和は取り戻せる。
 戦え猟兵、勝利まであと少し!
竹城・落葉
 地団駄を踏んでいる最中に、ヒールの足元へワカメを投げ入れて滑らせよう。ワカメは自身の体からちぎったものだ。その行為を、冷めた目で行うだろうな。
 我は、その作戦内容に対し、流石に呆れかえる。ワカメビジネスを行うと言っているが、町をワカメまみれにする事が宣伝効果になるとでも思ったのか……?ただ迷惑をかけて悪評を振りまいただけではないだろうか……。
 とにかく倒すぞ。まぁ、自身の姿を見せ、ワカメをお洒落として身に纏ったと偽って近付こう。そして油断させたところを『剣刃一閃』で切り伏せる。ワカメを身に纏うなど、正気の沙汰ではない!(ブーメラン)
 戦闘中は冷酷な雰囲気を醸し出し、無表情で攻撃を仕掛けるぞ。


シノギ・リンダリンダリンダ
ワカメ……ナマズ? ワカメビジネス?
どうして……ナマズ愛をこじらせたあなたはナマズではなくワカメを……?
あぁダメです。分かりません。ちょっと理解に苦しみます。
というか理解をしたいわけではないですし、はい、殴って終わらせましょう。

自身の装備しているスクラップ、あと周りに使えそうな無機物があったらそれも使って【ビルドロボット】します。
相手が巨大ナマズ怪人も出す可能性があると考えると、こちらも巨大ロボで対抗するしかないですよね。
巨大ロボと巨大怪人の対決はロマンだと聞いたことがあります。
ロマンを求めずしてなにが猟兵でしょうか。
この鋼の拳で、悪いやつらをメッコメコに殴ってあげましょう!


三寸釘・スズロク
ちくしょー、美人マーメイドを期待したのに。そうだよな怪人だもんな。
若干スタイルはイイのがハラ立つぜ。

つーかワカメビジネスってなんだよ!
流行らせたいならせめてもっと工夫したらいいだろ!
美味い味噌汁とか、見た目映えるサラダにして提供するとかさあ…
決してメインディッシュ張れるヤツじゃねえ、
けど食卓にそっと安らぎと海のミネラルを添えてくれる、
そんなヤツらの魅力ってモンがあるだろ、そうまるで俺みたいな…

増えるワカメならぬ増えるナマズに攻撃されたら
【次元Ωから覗く瞳】で回避するんで、その隙に誰か一発かましてくれ!
あっ回避できなくても誰か頼む。
俺今コンコン機械修理用のスパナしか持ってねえんだよな。殴るか。


リア・ファル
ワカメの侵蝕、キマイラ達にとって迷惑千万、
到底受け入れられるモノじゃない。
ここで倒させてもらう!
叩き返してビジネスの基礎から見つめ直して来てもらおう。

「怪人も、通常のデンキナマズに近い生態なのかな…?」
電脳ゴーグルから生態チェック。各種センサーから対象の発電細胞…および脂肪分を測定

「デンキナマズは自分で感電しているけど、豊富な脂肪が絶縁体になってるから
問題にならないらしいよ? キミはどうかな?」
【エレクトロレギオン】で機械兵器を召喚、遠巻きから部位狙いで射撃
脂肪や発電版の部位を攻撃。自爆してくれれば良いけど。

「コンコンする機械にした悪事の代償、払ってもらうよ!」


マーシャ・ドラクロフ
※アドリブ・連携大歓迎※

ナ、ナマズ!
ビジネスウーマンナマズだー!
仕事を優先するあまりに結婚を諦めた怪人なんだよね…。
私は知ってるよ。

■技能【世界知識】を使用して会話
大丈夫、世界は無数にあるもの!
素敵な出会いだってきっとあるよ!
諦めないで!ねっ!

というわけで、ここでビジネス続けても将来性ないよ!
新たな市場開拓の旅に出ましょー

■戦闘
【血統覚醒】で吸血鬼パワーで殴り合い

ナマズだし、お肌ヌルヌルかもしれない。
あのヌルヌルを鎧と見立てられるなら、私の技能【鎧無視攻撃】は機能してくれるかなー?


雨霧・結
ボスって、一番高い所か、一番地下深い所にいるというけども…
そういうもんなのかしらね、まいっか
高い所から下りてくるといい、脚力が自慢なのかしら?
イソギンチャクよりもデンキナマズの方が美味しそうですけども…
ああ、うんヤメ、後でどうやってワカメ食べるかだけ考えましょっと

【ブラッド・ガイスト】使用
なぎなたの刃先で自身の指を切り、刃を紅く変色させ邪悪な形状に変化
本体への攻撃と見せかけて、靴のヒールを折る事を狙い、動きの妨害を図る
ヒールのある靴って、かかとが折れると大変ですもんね?
ヒールが折れて、バランスを崩したところを狙い、懐に入り込み
頭に向かってフルスイングし【気絶攻撃】を仕掛ける

アドリブ超歓迎



「えいやっ!」
 最初に行動したのは落葉だった。彼女は装備していたワカメをこっそり投擲し、オンナマズの足元に設置したのだ。
 怒りで興奮しているオンナマズはそれに気付かず、地団駄を踏み続ける勢いでワカメも踏みつけすっ転んだ。
「いったいわねッ! なんなのもう!!」
 髪のような触手を振り乱しながらキレ続けるオンナマズ。それが猟兵の仕業だということにすら気付いていなかった。
 落葉はそれを冷めた目で観察している。いやだって、ワカメビジネスを目論む割にワカメにキレてるし。そもそも町をワカメまみれにする事が宣伝効果になるとでも思ったのか……? ただ迷惑をかけて悪評を振りまいただけではないだろうか……そんな疑念が頭の中によぎる。
 他の猟兵達もオンナマズの思考や行為には疑念を抱いていた。
「どうして……ナマズ愛をこじらせたあなたはナマズではなくワカメを……?」
 先程までイソギンチャク怪人の事が理解出来ずに悩んでいたシノギは、更に理解不能なオンナマズの目論見に対して混乱している。
「つーかワカメビジネスってなんだよ! 流行らせたいならせめてもっと工夫したらいいだろ!」
 スズロクも怪人の作戦にツッコミを入れざるを得ない。ワカメの活用法はたくさんある。美味い味噌汁とか、見た目映えるサラダにして提供するとか、いくつもの手段が簡単に思いつくはずなのに。
 というかオンナマズも何なんだろう。美人マーメイド系を期待してしまったのは後悔しているが、あれは本当に何なんだ。それと若干スタイルはイイのがハラ立つ。その行き場のない気持ちは戦闘でぶつけようと思いつつ。
 一方結は相手のことそのものが気になっていた。ボスというのは一番高い所か、一番低い所から現れることが多い。わざわざ下りてきたのは脚力が自慢なのかしら。そんな部分が気になるが、一番気になるのはナマズだということだ。
「イソギンチャクよりもデンキナマズの方が美味しそうですけども……」
 思わず考えている事が口から出てきてしまう。その言葉にオンナマズが一瞬凄い顔をしたのに気付き、結は慌てて別のことを考え出す。ワカメの方がきっと美味しいとか、そういう事を。
「後でどうやってワカメ食べるかだけ考えましょっと」
 そういって気合を入れ直す結だった。

 猟兵の中には、オンナマズの別の部分にツッコミを入れたい者もいた。
「ビジネスウーマンナマズだー! 仕事を優先するあまりに結婚を諦めた怪人なんだよね……。私は知ってるよ」
 マーシャは悲しげな目でオンナマズへ話しかける。この言葉にオンナマズは一瞬地団駄を辞め……その後更にブチ切れた。
「だ、だ、誰が行き遅れですってーッ!!」
「大丈夫、世界は無数にあるもの! 素敵な出会いだってきっとあるよ! 諦めないで! ねっ!」
 マーシャは恐れずに話を続ける。猟兵であるが故の世界知識で懸命な説得をするが……。流石に怪人は素直に聞き入れない。
「アタイはこの世界で天下を取るのよ! 邪魔はさせないわッ!」
「いやいや、ここでビジネス続けても将来性ないよ! 新たな市場開拓の旅に出ましょー」
 呑気に見えるマーシャだが、これは彼女なりの宣戦布告であった。これ以上キマイラフューチャーは荒らさせない。これはそういう決意なのだ。
「そうそう、ワカメの侵蝕、キマイラ達にとって迷惑千万、到底受け入れられるモノじゃない。ここで倒させてもらう!」
 リアもその宣戦布告に乗る。怪人は叩き返してビジネスの基礎から見つめ直して来てもらおう、そんな心づもりだ。
「そうだそうだ、ワカメの使い方がなってねえよ。ワカメってのは決してメインディッシュ張れるヤツじゃねえ、けど食卓にそっと安らぎと海のミネラルを添えてくれる、そんなヤツらの魅力ってモンがあるだろ」
 そうまるで俺みたいな……と付け加えつつ、スズロクも同じように自分の意見を告げる。最後の呟きは皆ちょっと生暖かい目つきで聞いていた気がするが、気にしないことにした。
「ええい、やっぱりあんた達は敵なのねッ! こうなったらギッタンギッタンにしてやるわッ!!」
 猟兵達の話を一通り聞いたオンナマズ。とうとうその怒りをぶつけるべく、本格的に最後の戦いが始まった!

「まずはボクが! 怪人も、通常のデンキナマズに近い生態なのかな……?」
 まずリアが一歩前進し、電脳ゴーグル・ハローワールドのスイッチをオン。オンナマズの身体を解析にかけるのだ。
「デンキナマズは自分で感電しているけど、豊富な脂肪が絶縁体になってるから問題にならないらしいよ? キミはどうかな?」
 一通り観察を終えれば攻撃開始だ。『エレクトロレギオン』で80体もの機械兵器を召喚すると、解析の結果見つけた弱点へ目掛けて攻撃させる。
 脂肪や発電版の部位を攻撃すれば自爆するのではないか――そんな予想をしたのだ。
「コンコンする機械にした悪事の代償、払ってもらうよ!」
 そう叫びつつ攻撃を指示するリア。オンナマズの方は自爆こそしないものの、効果は覿面のようだ。自分の身体から出てきたデンキナマズにダメージを受けている。
「あばばばッ 弱点を攻撃するなんてヒキョウよッ!」
「キマイラ達を苦しめておいて何を……そもそもキミが悪事を働かなければ良かった だよ!」
 自らもCEOを務めるリアからすれば、間違ったビジネスを行う怪人は許せない。気合を入れて機械兵器達へ指示を続ける。

「貴様も苦労しているんだな……」
 自分でダメージを受ける羽目になっている怪人へ向かい、落葉は敢えて心配そうに近づく。
 ワカメまみれの落葉を見た怪人は、彼女が自分のビジネスの理解者だと思い込んだ。さっきワカメを投げ込んだのか落葉だとは微塵も気付いていない。
「そうよ……アタイだってこんなに大変な目に遭うなんて思ってなかったわ……あんたなら……アタイの事を分かってくれる……?」
 チョロかったオンナマズ、思わずほだされそうになるも……。
「そんなわけあるか! ワカメを身に纏うなど、正気の沙汰ではない!」
 あっさりと切り捨てられる。
 落葉のユーベルコード『剣刃一閃』による素早い一閃が見事に決まったのだ。
 そのまま勢いを付け、何度も斬りつけにかかる落葉。もうワカメはいらないかなと思い、ある程度は脱ぎ捨てた。脱ぎ捨てた分も含め、あとで食べられる部分は食べようと思いつつ。
 しかしその思考も顔には出さない。今の落葉は冷酷だ。
「あんた……猟兵じゃないか! 騙しやがってぇ……やっておしまい!!」
 なんとか急所は外したものの、手痛いダメージを負ったオンナマズ。怒りをそのままぶつけるべく、巨大ナマズ怪人を召喚、そのまま落葉を押しつぶさせようとするが……。
「巨大ロボと巨大怪人の対決はロマンだと聞いたことがあります」
 巨大ナマズ怪人は、突然現れた巨大ロボットに横っ面をぶん殴られる。
 ロボットの正体はシノギが作り出したスクラップの集合体である。落葉と怪人が話している間に『ビルドロボット』を使用し、辺りのスクラップをバラックスクラップに纏め変形させていたのだ。
「貴方の事は分からなかったのですが、理解をしたいわけではないですし、はい、殴って終わらせましょう」
 色々考えたが、考えるより殴るのが良さそうだと決意したシノギだった。
 それよりもロマンである。ロマンを求めずしてなにが猟兵か。
「さあ、この鋼の拳で、悪いやつらをメッコメコに殴ってあげましょう!」
 ロボットの腕をブンブンと振るい気合をアピールするシノギ。その後もどんどん怪人を殴りつける。

「あ、ボクちょっと変身したいから誰か隙を作ってくれないかな?」
「私も少し準備をしたいのだけど……」
「よし、それなら俺に考えがある」
 皆が戦っている間に準備を整えていたマーシャ、結、スズロク。
 最後の仕上げのためにまずはスズロクが動くことにした。
「それじゃあ行くぜ」
 モノレンズグラスをかけ直し、電脳世界を展開するスズロク。それに不穏な気配を感じ取ったオンナマズはユーベルコードで対抗してきた。
「させないわよッ! いけッナマズ人!」
 オンナマズの髪が千切れ、そこからたくさんの戦闘用ナマズ人が生み出されていく。ナマズ人達は次々に三人へと襲いかかるが……。
「演算完了。あとは俺の身体が想定通り動くだけ」
 電脳世界の展開と演算を終えたスズロクは、超人的な動きでナマズ人をあしらっていく。
 彼のユーベルコード『次元Ωから覗く瞳(チートシート)』による予測と回避だ。回避しきれない分はスパナで殴ってどうにかしたりもする。コンコン機械修理用のスパナがあってよかったと思うスズロクであった。
「よーし、準備オッケー! 時間稼いでくれてありがとう!」
 一方でマーシャはユーベルコードの準備を終え、そのままの勢いでオンナマズをぶちのめしに行く。
 彼女が使用したのは『血統覚醒』。吸血鬼としての力を覚醒させ、そのパワーで肉弾戦をしかけるのだ。矢のような勢いで飛んでいくマーシャ。そして全力のパンチをオンナマズへと当てる!
「あだッ こんなヤンチャな子もいるの……ってさっきの失礼なヤツなの!?」
「ボクはそんなつもりじゃ……ま、いいや!」
 変身したマーシャをマーシャだと認識するのが遅れたオンナマズ。そのままストレートに殴り抜けられた。
 怪人のヌルヌルした体液で拳が少し滑るが、マーシャはそれも気にしない。滑っても大丈夫なくらいの勢いで殴りぬけばいいのだから。
「このままボコボコだよー!」
「それじゃあ私も……!」
 結はなぎなたで自分の指を傷つける。流れた血はなぎなたの刃を覆い、紅く邪悪な形状――殺戮捕食態へと変化させた。ユーベルコード『ブラッド・ガイスト』の力である。
「そ、そんな恐ろしい武器まで……」
 オンナマズもこれには恐怖し、巨大ナマズ怪人に自身を守らせようとした。しかしそれも結の狙い通りである。
「ええそうよ、これで貴方を斬り刻むわ」
 結はそう脅すように告げるとなぎなたを振り払う。狙いはオンナマズの足元だ。
 身体を狙われると思ったオンナマズは足元の防御を疎かにしていた。おかげでなぎなたは上手く怪人のヒールを叩き切る。
「あッ!? ちょっと!?」
 思わずバランスを崩すオンナマズ。結はそれも見逃さない。すぐさまなぎなたの向きを変え、オンナマズの頭へ思い切りなぎなたを振るう!
 鋭い刃により怪人の頭部、うねうねとした触手がバラバラになった。
「お、おのれーッ! 寄ってたかって……!」
「貴方だって巨大ナマズとかナマズ人を生み出してるからおあいこよ!」
 思わずツッコミを入れる結だった。

 この戦闘において、猟兵達は常に優勢であった。
 リアの弱点看破、落葉の一閃、シノギの拳、スズロクの引きつけ、マーシャの翻弄、結の斬撃。
 その全てが的確にオンナマズとその配下を削り取っていく。
 お互いがお互いをフォローし、そして最後には……。
「お、おのれイェーガー……アタイの……夢が……」
 いよいよボロボロになるオンナマズ。ヒールが潰れた足で立っているのがやっとという状態だ。
「よーし、最後の一発はあの辺に当ててくれると!」
 最後の解析を終えたリアが皆に告げる。
「それなら俺が囮になる、任せたぜ!」
 それに合わせてスズロクが敵前へ躍り出れば。
「……ならば」
 落葉が静かにサムライブレイドを構え。
「分かりました、全力ですね」
 シノギが拳を強く握りしめて。
「吸血鬼パワー全開だね!」
 マーシャが身を低くし、飛び込む姿勢を整える。
「そうね……皆で合わせましょう!」
 最後に結がなぎなたを持ち直し。
 そして6人の猟兵がタイミングを合わせ、最後の全力攻撃を叩き込む!
 嵐の如き力を叩き込まれたオンナマズはひとたまりもなく……。
「お、お、覚えてらっしゃーいッ!!」
 最後に負け惜しみを叫びつつ、オンナマズはどこかへ吹き飛ばされていった。
 猟兵達は、ワカメから人々を救うことが出来たのだ。

 戦闘が終わり、ある程度片付けが済んだ町で。
 猟兵達はキマイラにたくさんの料理を振る舞ってもらっていた。
 コンコン機械の修理が進んでいるとはいえ、まだまだ町にはワカメが大量にあるのだ。それを皆で食べないと勿体無い!
 キマイラ達は猟兵へと次々に感謝を述べ、ワカメ料理を振る舞っていく。
 最後までワカメに囲まれてるなぁと思いつつ猟兵達も料理を楽しんだり楽しまなかったりする。
 こうしてまた一つの町の平和が守られたのだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年01月02日


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🔒
#キマイラフューチャー


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鳥渡・璃瑠です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト