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バイオファクトリー破壊作戦!

#サイバーザナドゥ #工場破壊 #生体兵器

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#サイバーザナドゥ
#工場破壊
#生体兵器


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●脱走少女は走る
 スラムに続く路地裏を、一人の少女が駆けていた。いや、この場合は逃げていたといった方が正しいだろう。
「はぁ……はぁ……あぁっ!?」
 突然、少女の足がもつれて金属が擦れるような悲鳴を上げた。破れた作業着をめくり上げれば、その下に見えるのは機械の義体。それも、かなり旧式の安物らしく、激しい運動には耐えられない代物だ。
「どうしよう……。これじゃ、もう走れないわ」
 関節から小さな火花が上がっていることで、少女は絶望に追いやられた。このままでは、遠からず追手に追いつかれてしまう。そうなれば、その先に待つのは人間としての尊厳を欠片も残さず破壊されるような惨い死に方だけである。
「でも……それでも……逃げなきゃ……」
 どこへ行く宛があるわけでもない。誰に助けを求めれば良いのかもわからない。だが、それでも少女は再び駆け出した。義体が限界を迎えるその瞬間まで、諦めたらそこで終わりだと知っていたから。

●生体兵器工場破壊任務
「我々の活躍で、サイバーザナドゥにおける奴隷工場の存在は、その多くが壊滅せしめられたようだな」
 もっとも、だからこそ敵も悪事の主体を水面下に移し始めたと霧崎・紫苑(機械仕掛けの闇医者・f32327)は猟兵達に告げた。猟兵の手により潰された工場の数は50件以上。だが、それでも未だ多くの奴隷工場が存在し、そこで非道な仕事に従事させられている者達もいるのだと。
「今回、お前達に依頼したいのは、そういった奴隷工場から逃げて来た者の安全確保だ。脱走したは良いが、既に追手に追われている。このまま放っておけば、遠からず追い詰められた上で、原型も留めぬ姿にされ殺されるだろう」
 その工場の詳細が判らない以上、ここで脱走者を殺されるわけにはいかないのだと紫苑は続けた。脱走したのは手足を義体化させた少女で、彼女を始めとした奴隷たちは義体を維持するための薬を餌に、半ば強制的にメガコーポに従わされているのだ。
「少女を追っているのはメガコーポの開発した生物兵器だ。どうやら、この企業は比較的新しく創設されたものらしいが……自社の製品である生物兵器を販売することで、徐々に力を増してきているらしい」
 その名はイージス・カンパニーといい、全てを守る盾の名に相応しく、表向きは身寄りのない子どもの保護を中心とした慈善活動を行っている。だが、裏では集めた子ども達を薬漬けにした改造した上で奴隷とし、生物兵器の製造にも関わらせているという悪徳企業だ。
「やつらが更なる力を得る前に、ここで叩いておいた方がいいだろう。そのためにも、脱走者の保護は優先されなければならない」
 彼女しか工場の場所や詳細を知らないという事実を抜きにしても、ここで脱走した少女を見捨てるという選択はないだろう。彼女を狙う生物兵器はファンタジー世界のゴブリンに酷似しており、知能はそこまで高くない反面、物量でこちらを圧倒して来る。
「イージス・カンパニーの工場を潰せるか否かは、少女の保護に掛かっているからな。必要そうな物品は、こちらでも可能な限り用意しておいた。状況に合わせて自由に使ってくれて構わない」
 少女の義体を維持するのに必要な薬は予め自分の方で複製しておいたとだけ告げて、紫苑はそれを手渡すと、猟兵達をサイバーザナドゥの名も知れぬ路地裏へと転送した。


雷紋寺音弥
 こんにちは、マスターの雷紋寺音弥です。

 サイバーザナドゥの方で、メガコーポに動きがあったようです。
 水面下で悪事を働く悪徳企業の工場を、脱走者からの情報を元に潰してください。

●第一章(集団戦)
 脱走者の少女を狙う『恐怖のバイオゴブリン軍団』との戦闘になります。
 数だけは無駄に多いですが、個々の戦闘力はそこまで高くありません。

●第二章(集団戦)
 少女からの情報を元に生体兵器工場へと侵入し、常駐するオブリビオンを撃破してください。
 どのような敵がいるのかまでは、現時点では不明です。

●第三章(ボス戦)
 工場を任されたボス級のオブリビオンとの戦いになります。
 こちらも、まだ現時点では詳細不明です。

●逃亡者の少女
 両手両足を義体化している、名も知れぬ少女です。
 現在、スラムに続く路地裏を逃走中。
 彼女を無事に保護できれば、工場に関する詳細な情報が得られます。
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第1章 集団戦 『恐怖のバイオゴブリン軍団』

POW   :    数の暴力
敵を【圧倒的な物量】で攻撃する。その強さは、自分や仲間が取得した🔴の総数に比例する。
SPD   :    確率の暴力
行動成功率が0%でなければ、最低成功率が60%になる。
WIZ   :    継戦時間の暴力
【消耗戦で圧し潰そうとする仲間】が自身の元へ多く集まるほど、自身と[消耗戦で圧し潰そうとする仲間]の能力が強化される。さらに意思を統一するほど強化。

イラスト:マツクロ=ダイナ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

ヴィリー・フランツ
心情:何でファンタジー世界以外でも|小鬼《ゴブリン》が出てくんだよ、人為的に作られたとは言え何処にでもいる連中だな。
面倒臭せぇ。

手段:「メディック!そこのお嬢さんを治療してやれ」
【宇宙海兵強襲部隊】を召喚、飛行型揚陸艇に便乗させてターゲットまで急行する。
現場に着いたら救助者の周りに2、30人程度降下させて安全を確保。

残りは10人の分隊から50人程度の小隊に分かれてスラム各所に降下してゴブリン共を掃討させるか
敵がもしこちらに集中するなら部隊を集結させ、道中に十字砲火によるキルゾーンを形成し迎撃する。
相手は消耗戦狙いか?アホが、こっちは準備万端の完全武装だ、そっちの予備戦力も含めすり潰してやる。



●スラムに降り立つ海兵隊
 ゴブリン。それはファンタジー世界において、害獣とも呼べる獣人種族。
 個々の強さは大したことがないにも関わらず、徒党を組んで悪知恵を働かせることにより、旅人や冒険初心者を体の良い獲物として嬲るような存在だ。彼らは時に人間から物資を略奪し、女を攫って犯し、子どもは殺して肉として食らう。正に外道を絵に描いたような生き物であり、それ故に忌み嫌われる存在でもある。
 そんなゴブリンが、よりにもよってサイバーザナドゥの世界に湧いて出た。まあ、こちらはあくまでゴブリンを模した生体兵器なのだが、それでも鬱陶しいことに変わりはない。
(「何でファンタジー世界以外でも|小鬼《ゴブリン》が出てくんだよ、面倒臭せぇ……」)
 スラム街を空の上から眺めつつ、ヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵であり民間軍事請負会社のCEO・f27848)は心の中で悪態を吐いた。小柄なゴブリンにとって、狭い路地が入り組んだスラムは格好の場所だ。いくら相手が雑魚とはいえ、敵に地の利があるような場所で、大多数を相手になどしたくはない。
 ならば、ここはこちらも数で押し切るべきだろう。予め呼び出しておいた飛行型揚陸艇から、宇宙海兵隊の幽霊と共に飛び降りる。
「行くぞ野郎ども、今日は死ぬには良い日だ!」
 もっとも、そうは言っても宇宙海兵隊達は既に死んでいるのだが。それでも装備している武器は紛うことなき本物であり、その火力は一国の艦隊に所属する戦闘部隊に勝るとも劣らない。
「む……あれが話にあった要救助者か? メディック! そこのお嬢さんを治療してやれ」
 壊れた義体を引きずりながら走る少女を見つけ、ヴィリーは救護兵を急行させた。その一方で、他の者達は周囲の警護に当たらせ、残りは全てスラム街の中へと小隊に分けて突撃させた。
「さてと……。後はこれで、それぞれ分断して撃破するだけだな」
 自分の部隊を信頼しているのか、ヴィリーはそれ以上は自分から動こうとしなかった。その信頼を証明するかの如く、スラムのあちこちで爆発が起きると同時に、ゴブリンどもの下劣な雄叫びが響き渡る。
「あ、あの……。あなたは、いったい……」
 そんなヴィリーのことを訝しげに見つめる少女だったが、今は彼女にあれこれ説明している時間も惜しかった。
 狡猾なゴブリンどもは、ヴィリーの放った戦闘部隊と戦うのを避け、それぞれ狭い建物の隙間を縫う形で、少女のいる場所を目指して集結しつつあったのだ。彼らは集まることで力を増し、仲間の死をも厭わない消耗戦で、全てを蹂躙しようと企んでいるのだが。
「……アホが、こっちは準備万端の完全武装だ、そっちの予備戦力も含めすり潰してやる」
 既に少女の前には、ヴィリーが万全の布陣で部隊を展開させていた。ゴブリンどもが姿を現すや否や、宇宙海兵隊の持っているレーザーライフルやロケット砲が一斉に火を吹く。それらは時に戦闘車両でさえも破壊できる程に強力で、数を集めるしか脳のないゴブリンなど、直撃を喰らえばひとたまりもない。
「グェェェェェ!!」
「アギャギャギャギャ!!」
 身体が吹き飛び腕がもげ、ゴブリン達は散々な目に遭いながら、禄に攻撃もできないまま死んでいった。生物兵器とはいえ、所詮は安物の量産品だ。生身で殴り合う分には人間よりも強いのかも知れないが、それでも肉弾戦で戦う以外の方法を知らない彼らでは、重火器で武装した戦闘のプロに敵うはずもなかったのである。
「やれやれ……とりあえずは静かになったか。だが、まだ生き残りがいるかもしれねぇな。しばらくは、この場所を確保しておく必要がありそうだぜ」
 周囲のゴブリンを粗方始末しても、ヴィリーは最後まで油断せず、ぬかりなく見張りを立てていた。彼がこの場所を守っている限りは、少女がゴブリンに殺されることもないだろう。

大成功 🔵​🔵​🔵​

イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの?』

アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う

ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしている
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません

アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗らず生身で戦います(他の人のキャバリアを足場にする等はあり)


クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは集団召喚系か範囲攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪


早乙女・カリン(サポート)
私がアスリートアースのプロバトロワシューター早乙女カリンよ👾

バトロワシューターらしく基本は銃火器を使った中遠距離戦闘を得意とするわ!!

少し本気になった時は体内に蓄積された電気でビリビリ痺れさせちゃうぞ⚡️👾⚡️

戦闘以外でもカリンはゲーム実況なんかで活躍してる人気ストリーマー様ですのでー👾どんな依頼や案件もNG無しでいっぱい参加出来ちゃいます👾ピンチや逆境な戦場でも撮れ高に変えてやります💕

今ならお好きなユーベルコードも使いたい放題!バトロワランカーの力が必要になったらいつでも声かけてね!


アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人に見られるように見た目的にも精神的にも背伸びしている
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的

戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
光や聖属性は使えません

非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも



●退治はプロにお任せ!?
 一度、少女を守るための拠点を作ってしまうと、そこから先は早かった。
 ゴブリンの群れは未だ圧倒的な数を誇っているが、戦闘力だけであれば猟兵の方が上だ。おまけに、今回はゴブリンを退治するためのプロとも呼べる者が戦いに加わっている。剣と魔法の世界に生きる、イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)もまたその一人であった。
「世界が違っても、対処の方法は変わりないわ。……くれぐれも、油断は禁物よ」
 力量では上回っていても、イネスは慢心を抱くような真似はしなかった。彼女の故郷では、このような愚劣な魔物の被害も数知れず。時に油断した冒険者が下等な魔物に蹂躙されることもあるため、的確に屠って行くことが求められるのだ。
「う~ん、ゴブリンかぁ……なんか、思っていたのとは違う感じ? 知性も碌にないっぽいね、こいつら★」
 その一方で、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)もまた、ある意味ではゴブリン退治のプロフェッショナルである。もっとも、彼女は主に、女性相手にあんなことや、こんなことを仕掛けて来るゴブリンの相手が得意なのだが、それはそれ。
 生物兵器として量産されたゴブリンは、ただ命令されるがままに標的を抹殺することしか脳のない存在だ。間違っても、Hなことなど期待はできない。放っておいても無駄に命を奪われる者が出るだけなので、そういう連中はさっさと土に返すに限る。
「当たり所が良い事を祈るといいよ。……即死できなければ、激痛に悶え苦しむ事になるからね」
 まずはクローネが情け容赦なくホローポイント弾を発射して、ゴブリンの群れに致命的なダメージを与えて行く。数が多いので、とにかく狙いなどつけずに撃ちまくっているだけなのだが、ゴブリンどもからすれば堪ったものではない。
「アゲェェェェッ!!」
「ギャッ! ギャッ! ギャッ!!」
 急所に命中しなかった者は中途半端に内臓や筋肉を抉られるので、その分だけ痛みも増し苦痛も続く。それでも中には気合と根性で、時に仲間の身体を肉壁にしてまで迫って来る者もいたが、それでも最後の砦としてイネスが構えているので、そこを突破するには至らない。
「……下がりなさい。これ以上進むのであれば、命の保証はできないわよ」
 言葉が通じるかも分からなかったが、警告だけは告げておく。その上で、性懲りもなく前に出て来るゴブリンに対しては、問答無用で刃を振るい、その身体を一撃の下に斬り捨てる。
「ふぅ……分かってはいたけど、さすがにちょっと数が多いかな★」
「ええ、そうね。でも、問題はないわ。あちらでも、既に戦いが始まっているみたいだから」
 そう言ってイネスが目配せすれば、既に別の路地裏へと続く通りでは、ド派手な銃撃戦が開始されていた。
「わぁお! ここにいるやつ、全部撃っていいの? 実弾の使用もOKとか、もしかしなくても刺激的な配信ができるかも!」
 ここなら遠慮なく撃つことができそうだと、早乙女・カリン(PREDATOR Ⅵ・f37832)が重火器を乱射していた。彼女は本来、モデルガンを使ったスポーツであるバトロワのプレイヤーだ。そのため、時として多対一の戦いに身を投じることも多く、このような戦場にも慣れている。
 加えて、今日の彼女は敵が化け物ということもあって、そこそこ本気モードになっていた。いつもであればモデルガンで相手を制圧するだけなのだが、今回は自身の身体に流れる電気を弾に込め、即席のスタンライフルとして使用しているのである。
「アッ……ガッガガ……」
「ギギ……ギ……」
 急所を射抜かれたゴブリン達は、それだけで身体が痺れて動けなくなってしまった。中枢神経に直接電流を流し込まれたようなものだ。これでは神経回路の電気伝達系が完全におかしくなってしまい、脳からの指令をまともに実行することも不可能だ。
 この調子で駆逐して行けば、なんとか少女を守り切れそうだ。誰もがそう思い、なにより少女自身も安心したのか軽い溜息を吐いたが、狡猾なるゴブリンどもはそのタイミングを待っていたのだろうか。
「ヒャァァァァッ!!」
 突然、寄生と共に、ゴブリンどもが空から降って来た。どうやら建物の上を移動し、そこから飛び降りることで一気に距離を詰めてきたらしい。
 これでは、いくら地上の防衛網を強くしても意味はない。いよいよ防衛ラインを突破されてしまったかと思われたが……しかし、地上に降り立った瞬間、ゴブリンどもの身体はまとめて輪切りになり崩れ落ちた。
「どうやら間に合ったようだな。さて……数だけは多いようだけど、少しは楽しませてもらえるのか?」
 ゴブリンの群れから少女を庇うようにして、いつの間にかアトシュ・スカーレット(神擬の人擬・f00811)が立っていた。彼の得意とする技は剣戟もそうだが、それ以上に棘と呪詛を組み合わせた独自の戦法。その凶悪さに関しては……目の前のゴブリンどもには、身を以て知ってもらうしかなさそうだ。
「我が理想よ、現界せよ! 其は何にも揺るがぬ刃となり、盾となれ!」
 己が理想とする姿の幻影を自らに憑依させ、アトシュは一気に敵との距離を詰めた。すれ違い様にゴブリンの身体を斬りつければ、その傷口から瞬く間に肉が腐敗し溶解して行く。彼の用いる呪詛は腐敗の呪詛。斬撃と共に傷口から棘を差し込めば、どのような存在であれ、そこから腐食してしまうのである。
「オォォォォ……ァァァァ……」
「ニギィィィィッ!!」
 無気味な悲鳴を上げながら、凄まじい腐臭と共に溶けて行くゴブリン達。このまま放っておいても全滅しそうなものだが、さすがにこの匂いは少しばかり我慢のならないものなわけでして。
「みんな、退いて! すっごいのブッパしちゃうわよ~!!」
 混乱するゴブリンの群れを一網打尽にしてしまおうと、ついにカリンが最終兵器であるレールガンを取り出した。起動には膨大な電力が必要な武器だが、その電力は彼女自身が供給できるので問題ない。
「まとめて吹っ飛んじゃえばいいのよ! いっけぇぇぇぇ!」
 瞬間、強烈な閃光と共に凄まじい威力の弾が発射され、それはゴブリン達の身体を文字通り消滅させながら、一気に路地を駆け抜けて行った。後に残されたのは、薄汚い生物兵器の成れの果て。少女を狙って襲撃を仕掛けて来たバイオゴブリンどもは、これにて漏れなく全滅したのである。
「やれやれ……試し斬りにもならなかったな」
「まあ、所詮はそんなものよ。それに、こいつら相手には情けを見せる意味もないわ」
 刃を納め、アトシュとイネスがそれぞれに感想を呟いたところで、クローネが改めて怯える少女の下へと走る。奴隷工場への入り方を知っているのは彼女だけなので、ここはなんとしても情報を聞き出さねばならない。
「あ、心配しないで★ クローネちゃん達は、あなたの味方だから♪」
 先程の戦いで、既に猟兵達が敵ではないことは、少女も察していたのだろう。
 彼女は静かに小さく頷くと、改めて顔を上げ、自分が働かされていた恐るべき奴隷工場の実態を語り始めたのであった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 集団戦 『サイキック少女隊』

POW   :    サイキックソード
任意の部位から最大レベル枚の【サイコエネルギーの剣】を生やして攻撃する。枚数を増やすと攻撃対象数、減らすと威力が増加。
SPD   :    サイキックアロー
【指先】から無限に供給される【サイコエネルギーの矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
WIZ   :    ヒュプノサイキック
【催眠サイキック光線】を飛ばし、命中した対象をめろめろにする。対象の傷を治してもよい。

イラスト:透人

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●悪魔の生体兵器工場
 バイオゴブリンの群れに追われていた少女を辛くも救出した猟兵達だったが、彼女はまともに動くこともできない状態だった。
 原因は、彼女の手足を構築している機械化義体である。この義体はかなり旧式の粗悪品で、細かな作業をするのに向いている反面、激しい運動をするのには向いていない。そんな義体で路地裏を走って逃げ回れば、遠からず身体が限界を迎えるのは必然だ。
 義体の簡易的な修理を終え、猟兵達は少女に名前を聞いた。しかし、彼女は小さく俯いたまま、自分には名前などないと答えるだけだった。
「あの工場で働かされている人達に、名前なんてないわ。ナンバー024号……それが私に振られた番号よ」
 そう言って、少女が義体に刻まれた番号を見せると、そこには確かに024という数字があった。どうやら、彼女が働かされていた奴隷工場は想像していた以上に、人の尊厳というものを奪い去るような場所らしい。
 猟兵達は024号と呼ばれた少女に案内されるままに、共に奴隷工場へと潜入した。下水道から廃棄物処理場を抜けて内部へと侵入すると、そこに広がっていたのは想像していた以上におぞましい光景だった。
「あ……ががぁぁぁぁぁっ!!」
 どこからか連れてこられた孤児と思しき少年が、回転鋸で麻酔もなしに手足を切断されていた。失われた手足の代わりに移植されるのは、024号と同じタイプの機械化義体。どうやら、この工場では定期的に孤児を攫っては、非人道的な方法で改造して労働力にしているらしく。
「んっ……ぐふっ……ぅぅ……」
 別の場所では、こちらは生産奴隷か何かなのだろう。機械に繋がれた女性達が口から強引に栄養を補給させられており、その腹は妊婦のように膨らんでいた。
 もっとも、彼女達が孕んでいるのは遺伝子操作によって作られた生物兵器だ。成長促進剤で最適な段階まで成長したところで、腹を裂かれて生物兵器の幼体を摘出される。当然、麻酔などないが、それ以上に自分の腹から昆虫や爬虫類と人間の混ざり合ったような化け物が摘出されているのを見て、まともな精神状態でいられる人間などいないだろう。
「……16番と27番は、既に肉体が限界ね。35番は精神に異常をきたしているけれど、生産能力に問題はないわ」
「了解。役に立たなくなった母体は、そのまま廃棄物処理場に送っておくわね」
 そんな地獄のような場所で、冷静かつ的確に指示を出している少女達。彼女達は奴隷ではなく、この工場で正規に仕事をしている社員なのだろうか。
「うぅ……も、もう嫌だ! こんなの、我慢できねぇよ!」
 突然、別の場所から奴隷と思しき少年の悲鳴が聞こえた。見れば、そこには奴隷の少年とは別に手術衣を着せられた少女が台に固定されており、その頭部は奴隷少年の義体に仕込まれた電気メスで頭蓋まで斬り裂かれていた。
「何を言っているの? あなた達に託されたのは、素材から必要な脳内物質を摘出することだけよ」
「でも……せめて、麻酔くらい使わせてくれよ! こんなのあんまりだ!!」
 奴隷少年は監督役の少女達に抗議をするも、少女達はそれを鼻で笑い飛ばし、冷徹な笑みを浮かべて手を掲げる。すると、少年の身体が宙に浮き、何もないのに首が絞まり始めた。
「あ……ぐぐぐ……」
「奴隷風情が、身の程をわきまえなさい。あなた達の代わりなんて、いくらでもいるんだから」
 このまま破棄されたくなければ、大人しく素材に恐怖と痛みを与えて必要な成分を搾り取れ。なぜなら、恐怖と痛みを与えた方が、必要な物質の放出量も多くなるのだから。そう言って、少女は奴隷少年を乱暴に床へと叩きつけると、次はないのだと念を押した。
「あなた達は、私達のように選ばれた超能力者ではないの。ゴミ溜めから拾って来た道具。手足を奪われて、義体を維持する薬がなければ、芋虫のように地べたを這いずることしかできない役立たず。それを自覚することね」
 超能力少女達の、冷たい視線が奴隷少年に突き刺さる。他の奴隷たちは巻き添えを食らいたくないのか、誰も彼も死んだような瞳のままに、与えられた作業をこなすだけだ。
 生物兵器生産のために、人間があらゆる尊厳を奪われる場所。それこそが、024号が逃げ出して来た奴隷工場の実態である。
 こんな工場、この世に存在してはならない。奴隷にされた者達や、素材として扱われている者達を救うためにも、まずは現場を監督している超能力少女達を蹴散らしてしまおう。
ヴィリー・フランツ
心情:ヒデェ場所だ、さっさと叩き潰すぞ。
手段:「連邦保健労務局だ、貴様ら全員動くな!」
一度はこう言った法務系のノリで突入したかったんだよ、まぁこんなので怯む連中じゃねぇか。
工場なら必ず車両での搬出・搬入路があるだろう、【宇宙海兵戦闘工兵隊】はそこから突入、爆薬やドーザーで装甲シャッターを叩き破れ!
社員とガキの距離が近いなら先ずはガスグレネードを投擲、敵を無力化したら誤射防止の為近接武器でトドメを刺す。
距離が有るならエンディミオンでの射撃、気密服だから催涙ガスも無効だしHADからのアイリンクで誘導弾も機能する。
折を見て工兵隊は工場爆破の爆薬を要所に設置、それと助かるガキは皆輸送車両に乗せとけ。



●悪夢の兵器工場
 人間の持つあらゆる尊厳を奪い去り、生物兵器生産のための道具としか見做さない悪魔の工場。イージスの名前とは裏腹に、そのあまりに非人道的な所業を目の当たりにしたヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵であり民間軍事請負会社のCEO・f27848)は、あまりの酷さに思わず目を背けてしまった。
(「ヒデェ場所だ、さっさと叩き潰すぞ」)
 数多の戦場を駆け抜けて来たヴィリーであっても、この工場で行われている非人道的な行為の数々は目に余るものだった。戦場に兵士の死体が転がっているのとは違う。戦いなど望んでもいない者達が、一方的に自由も尊厳も奪われた挙句、道具や素材として搾取されているのだから。
「連邦保健労務局だ、貴様ら全員動くな!」
 一度に制圧するためには小細工など無用と判断したのか、ヴィリーは正面から突入した。こういった法務官のイメージでの突入に憧れていたというのもあるが、この戦いにおいてそれはフレーバーでしかない。
「労務局? そんなもの、今は名ばかりの存在なのに……」
「この世界で法は既に死んでいるわ。力と金と暴力こそが新たな法なのよ」
 案の定、工場を取り仕切っている超能力者の少女達は、まったく怯む素振りさえ見せなかった。
 ならば、ここは遠慮なく強行突破だ。こちらが単独で突入していると思わせておいて、一気に背後から強襲するのだ。
「工兵隊、展開開始!」
 次の瞬間、搬入口のシャッターをブチ破る形で、ヴィリーの呼び出した多数の戦闘工兵が突入して来た。彼らは全て建設・輸送用のビークルに搭乗しており、おまけに幽霊なので物理的な攻撃では倒せない。突然の侵入者に少女達が驚いている間に、ヴィリーはガス弾を炸裂させると、その場にいるあらゆる者の視界を奪ってしまった。
「……っ! 視界が!?」
「落ち着いて。私達は選ばれたエリートよ。この程度で狼狽える必要はないわ」
 視界を奪われてもなお、少女達は余裕の表情を崩さない。しかし、彼女達は超能力が使える以外は普通の少女でしかないのも事実。そのため、戦闘工兵の幽霊が煙に紛れて近づいて来ているのには気づかず、簡単に背後を取られてしまい。
「……あぐっ!!」
 まずは一人、何の抵抗もできないまま工場の床に倒れ伏した。相手が念力を使ってくるなら、接近戦で仕留めれば良い。そう考えてヴィリーは工兵達に命令を下していたのだが……果たして、それはむしろ少女達にとっても好都合だった。
「なるほど、近づいて死角から攻撃しようというのね。だったら……」
 ふいに、少女達は身構えるのを止め、敢えて無防備な姿勢を取り始めた。それを好機と見做したのか、次なる工兵が少女の一人に仕掛けるが、今度は反対に工兵の方が光の刃で貫かれていた。
「なんだ、ありゃ!? 身体から刃とか、そんなのありかよ!」
 自慢の工兵隊が返り討ちに遭ったことで、ヴィリーは思わず距離を取った。
 戦闘が長引くことで、だんだんとガス弾の効果も薄れてきている。それでなくとも、相手は全身のどこからでも光の刃を出せるので、迂闊に近づけばこちらが危険だ。おまけに、刃は念力を具現化したものであるからか、幽霊のような非実体でさえ斬り裂く力を持っているようだった。
「くそったれが! こうなりゃ、後は時間稼ぎだ!」
 誘導弾を発射可能なアサルトライフルを乱射し、ヴィリーは工兵達が奴隷工場で働かされている少年少女達を助ける時間を稼ぐ。この弾幕により、少しでも超能力少女を倒せれば御の字だ。輸送車両に乗せられるだけの奴隷を乗せた後は、ドサクサに紛れて工場に爆薬を仕掛け、煙に紛れて退くだけだ。
「一時撤退だ! あの女どもを近づけるな!」
 車両に装備された火炎放射器で牽制しながら、ヴィリーは救えるだけの奴隷を工場の外へ運び出した。迂闊にも追って来た超能力少女は一瞬で黒焦げにされてしまったが、その死体が瞬く間に崩れて消えて行くのを見て、ヴィリーはあの少女達もまた哀れな生物兵器でしかないことを理解した。
「あいつら、既に骸の海に汚染されていやがったな……」
 選ばれたエリートを自負していた超能力少女達でさえ、使い捨てのオブリビオンでしかなかったという事実。どこまでも悪魔的な所業を貫くイージス・カンパニーのやり方に、改めて嫌悪感を抱くのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ベルト・ラムバルド(サポート)
キャバリアを使用できる環境なら愛用のキャバリアを操縦します
そのとき装備してるキャバリア用の剣と槍を振るい敵群を蹴散らします
キャバリアの操縦技術は優れています
キャバリア使用不可なら生身とその時の装備してる物で戦いますが残念ながら生身だとそんなに強くありません
それを補助するのが己のハイカラなオーラとセンスと瞬間思考力とUCによる謎の召喚術で頑張ります


アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。


クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系はばっちこい★状態変化もばっちこい♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは集団召喚系か範囲攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪


百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃や灼熱の束縛を中心に使用
攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター

みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

説得できる余地がある場合は説得したい
同情の余地がある敵の場合は情を漏らすことも

書いてなくても場合によっては持ってる技能を使うよ


カグヤ・モンデンキント(サポート)
モンデンキント級要塞艦に宿ったヤドリガミですわ。
女性に年齢を聞くものではなくてよ

猟兵の方々はオブリビオンを殲滅することを目的としているご様子
ならばオブリビオンが発生した惑星を破壊すべく、地球型惑星を破壊できる規模の主砲であるユーベルコード「ジャッジメント・クセイド」を放ちますわ

止められたら、別のユーベルコードを使います

さもなくば、地殻を割らない程度に威力を抑えた主砲を撃ちます
これでもエネルギーを10桁以上減らしているので、近隣の津波や火山活動の活性化などにはお目こぼしくださいませ



●奴隷工場制圧作戦
 一度、奴隷達を解放する流れができてしまうと、そこから先は早かった。
 イージス・カンパニーは生物兵器の生産を生業としている企業だが、しかし工場の危機に自らが開発した兵器を投入してくることがないのは幸いだった。やはり、商品には傷をつけずに保管しておきたいのだろうか。否、もしかすると、この工場を管理している超能力少女達でさえも、イージス・カンパニーの開発した商品のひとつに過ぎないのかもしれない。
 もっとも、それらは今となっては些細なことだ。運び出された奴隷と入れ替わるようにして工場に入り込んできた猟兵達により、工場のあちこちで戦闘が開始されていたのだから。
「みんな大丈夫? 助けにきたよ!」
 灼熱の業火でシャッターを焼き切り、百地・モユル(ももも・f03218)が飛び込んできた。それを見た超能力少女達は全身に光の刃を生やした状態でモユルに体当たりを食らわせようとするが、その攻撃は横から割り込んできたアス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)によって遮られた。
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
 光の剣には光の剣とばかりに、アスもまたフォースセイバーを抜いて少女達と対峙する。既に斬られた者は、しかし肉体こそ傷ついていないものの、その内にある邪心を根こそぎ破壊されている。
「あ……ぁぁぁ……」
 過酷な改造のせいか、はたまた突然変異の代償か。その人格が悪そのものであった少女達は、内なる邪心を斬られた時点で廃人となった。悪の心しか持たない彼女達にとって、悪心を断ち切る光の刃は特攻兵器に等しい存在である。
「どうやら、ここは生物兵器を生産するために、人間を素材として消費するような工場らしいな」
「なんだって!? そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!」
 工場で行われていた所業を瞬時に理解したアスの言葉に、モユルの中で何かが弾けた。
 ここは人間の尊厳を奪い、破壊し、人道に反した兵器を作る場所だ。そんな工場、この世にあってはならない。怒りに任せて火を放てば、それらは工場のあちこちに引火して、ついには生物兵器の入っている培養槽さえも燃やし始め。
「くっ……な、なんてこと!」
「消火装置が、この騒動で破壊されたのね……仕方ない、撤退よ!」
 さすがに形勢不利と悟ったのか、超能力少女達は一斉に逃げ出そうとした。だが、そんな彼女達の退路を塞ぐようにして、新たに二人の猟兵が姿を現した。
「なるほどね……話には聞いていたけど、確かに碌でもない場所だね」
 いつもの雰囲気から一変して、クローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)は冷徹な瞳で少女達を見据えた。
 確かに、外見だけは可愛らしいので、お楽しみができなくはなさそうだ。しかし、この少女達は内面の部分でさすがにアウト。改造された結果であれば可哀想なところもあるが、骸の海に精神まで汚染されてしまった者を、このままここで見逃すわけにもいかない。
「生物兵器の生産プラントですか……確かに、放置はできませんわね」
 同じく、カグヤ・モンデンキント(天体娘・f31348)もまた、この工場を破壊することに躊躇いはなかった。もっとも、彼女の攻撃は普通に行うと範囲が広すぎるため、味方をも巻き込む可能性を考慮して、今回は容易に使えないのだが。
「あなた達……邪魔をするの?」
「まともに戦うのも面倒だわ。洗脳して、こいつらを盾に逃げるわよ」
 そんな二人を排除すべく、少女達は催眠光線を放ってくる。これに当たると常人であれば瞬く間に魅了されてしまうのだが……今回ばかりは相手が悪かったといえよう。
「あ〜、そういう手で来るのね。うん……なかなか悪い気分じゃないけど、クローネちゃんを満足させるには、ちょっと足りないかな★」
 光線の直撃を受けたクローネだったが、何故か余裕の表情で立っている。まあ、それはそうだろう。元より快楽主義者なクローネにとって、この手の攻撃はご褒美にしかならない。
「それじゃ、今度はクローネちゃんの番だね♪ 頭の中を真っピンクにしてあげる★」
 お返しとばかりにクローネがネクロオーブから光を放てば、その光は物質を透過してダイレクトに少女達へと降り注いだ。しかも、それを食らった少女達は脳内がイケない妄想でいっぱいになり、もはや戦いどころではなくなってしまった。
「……っ! こ、これは……な、なんて破廉恥な……ぁん❤」
「だ、駄目……! 理性が……保てない……」
 意匠返しの光線を食らい、脳みそをパーにされたのは少女達の方である。残念ながら、洗脳攻撃ではクローネの方が一枚も二枚も上手であった。そして、洗脳されて動けなくなった敵などは、カグヤからすれば良い的でしかなく。
「破廉恥な妄想は、頭の中だけに留めておくのが吉。卑猥なことを口走られる前に、消えていただきます」
 彼女が軽く指を鳴らせば、突如として天井をブチ破り、天からの光が少女達を焼き尽くす。脳内がピンク色に染め上げられて念力を使う余裕さえ失っていた少女達は、あっという間に灰にされてしまった。
「「「きゃぁぁぁぁぁっ!!」」」
 断末魔の悲鳴の後に、残されたのは黒い影だけ。肉片さえ残さず消滅させられたのは、少女達にとってはある意味で救いだったのだろうか。

●暴走、お嬢様キャバリア!?
 戦いが続く中、超能力少女達は撤退もできないまま追い込まれて行くが、そんな彼女達にさらなる絶望を告げる者が現れた。
「御機嫌よう~! キャバリアお嬢様である私が出陣しましてよ~! お覚悟なさいませ~! オッホッホ!」
「なぁ~! 勝手に動くなよ~!」
 なんと、いきなり壁をぶち破り、ベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)がキャバリアと共に乱入してきたのである。
 なお、彼のキャバリアは自らの位置を持ち自律行動ができるのだが、問題はその性格である。お嬢様を自称しているが、その戦い方はノリと勢いに任せた出たとこ勝負。要するに、滅茶苦茶なのだ。しかも、搭乗者であるベルトの言うことを殆ど聞いてくれないので、これでは暴走ミサイルを野に放っているのと大差ない。
「な、なに……あれ?」
「なんだか分からないけど……あれを突破しないと、ここからは逃げられそうにないわね」
 呆気に取られながらも、少女達は指先から念動力の矢を発射して、ベルトのキャバリアを攻撃してきた。もっとも、人間に当たれば致命傷のそれも、キャバリア相手では装甲の堅牢さと体格差から、大した効果を発揮できず。
「痛っ! ちょっと、なにをなさいますの! 淑女の柔肌に傷をつけるなど、許せませんわよ!」
 いや、鋼鉄より頑丈な装甲なのに柔肌とか言われても……。そんな突っ込みも許さない程にベルトのキャバリアは暴れに暴れ、周囲の機械を破壊しながら少女達との間合いを詰めて行き。
「むきぃぃぃぃっ! お仕置きですわぁぁぁぁっ!!」
 怒りに任せて拳を振り下ろすと、一撃で少女の身体を赤い染みに変えてしまった。
「えぇと……とりあえず、勝ったのかな?」
「ああ、恐らくはそうだろう」
 最後は殆ど毒気に当てられた状態のモユルが訪ね、アスが刃を納めながら答えた。見れば、周囲の設備は先の戦闘でズタボロになっており、誰がどう見ても容易に復旧できそうな状態ではなくなっていた。
「どうせ、ここまで破壊するのであれば、最初から工場ごと消し飛ばしてしまった方が良かったかもしれませんね」
 途中、カグヤが何気に恐ろしいことを呟いていたが、それはそれ。まあ、奴隷達の避難が終わるまでは工場を破壊するわけにもいかなかったので、これは仕方のないことであるのだが。
「一応、これで目的は達成できたみたいだね。でも……」
 未だシリアスモードなままのクローネが、油断はできないと他の者達を戒める。超能力少女隊は全て倒したかもしれないが、彼女たちと所詮はイージス・カンパニーによって作られた生体兵器のひとつでしかない。
 この工場を管理している真の親玉は他にいる。そいつを倒さない限り、この工場を完全に制圧したとはいえないのだろうと。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 ボス戦 『キャプテン・ザナドゥ』

POW   :    ハイヤーッ!
自身の【任意のカラテ・プログラム】ひとつを用いた行動・攻撃の威力を3分間3倍にする。終了後[任意のカラテ・プログラム]は【プログラム更新】により破壊される。
SPD   :    ベイビー・サブミッション
【|強制管理者権限《アドミニストレータ》】によって、自身の装備する【ゴーグルを介し、視認した事象や物体】を遠隔操作(限界距離はレベルの二乗m)しながら、自身も行動できる。
WIZ   :    |ストレンジ・ハーペン《不思議な事が起こった》
【ロボ装甲】【バイオ装甲】【ブラック装甲】のいずれかを召喚して装着し、攻撃力・機動力・めくらまし力のいずれかを超強化できる。

イラスト:もりさわともひろ

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠カルマ・ヴィローシャナです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


●最後の管理者
 大破した工場と、全滅した超能力少女隊。製造途中の生物兵器も培養カプセルが破壊されたことで自壊してしまい、もはやこの工場は生産プラントとしての価値を失っていた。
 これで、奴隷工場をひとつ潰せただろうか。思わず安堵の溜息が漏れそうになったが、しかしまだ戦いは終わってはいなかった。
「やれやれ……これは随分と派手にやってくれましたね」
 半壊状態の鉄扉を軽々と蹴破り、両目を機械のゴーグルで覆った男が現れた。その体から微かに響く機械音からして、この男がサイボーグの類か、あるいは完全なアンドロイドであることは明白だった。
「まったく……これだから、生体ベースの兵器など信用ならないのですよ。どれだけ強力な超能力を持っていようと、優れた運動能力を誇っていようと、所詮は脆弱なタンパク質の塊ではありませんか」
 やはり、機械こそ至高の存在であり、機械兵器こそ戦場の主役だ。なぜなら、このキャプテン・ザナドゥこそが、それを体現する者なのだから。そう言って、男は近くに転がっていた生物兵器の頭を無造作に踏み潰すと、息絶えた超能力少女の亡骸を蹴飛ばし、そして猟兵達と対峙した。
「既に、この工場は機能を停止しました。雇われの身である私が、ここに残る義理もないのですが……」
 それでも、これだけ好き勝手に破壊されては、さすがに自分も処罰されるかもしれない。最悪、解体される可能性もあるわけで、そのような目に遭うくらいならと男は静かに拳を構え。
「……猟兵の首のひとつでも手土産にすれば、帳消しにしてもらえるかもしれませんね。残念ですが、貴方達には私の手柄になっていただきますよ」
 用心棒、あるいは仮初の管理者として雇われていたキャプテン・ザナドゥは、自らの保身のためだけに猟兵達へと戦いを仕掛けてきた。ここで彼を倒さない限り、どうやら工場の完全破壊も、この場から撤退することも難しそうだ。往生際の悪い機械人間には、早々と退場してもらうことにしよう。
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。


仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います

UCは指定した物をどれでも使用

普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)

処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣で攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにして相手をします。
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵を攻撃します。影朧にはできる限り説得しますが説得不能と判断すれば容赦なく屠ります
キャバリアを操縦したり生身でも戦います



●剣は拳よりも強し!
 既に工場の機能は停止したも同然であったが、それでも戦いを止めようとしないキャプテン・ザナドゥ。己の保身のために猟兵の首を欲しがるとは、機械にしてはなんとも人間臭い男である。
 だが、こちらも遠慮が必要ないというのは、ある意味では幸いだった。本気で戦っても後腐れのない敵であれば、こちらも容赦なく叩き潰すことができるのだから。
「機械でありながら、己のエゴで戦うか……。随分とおかしなマシンもあったものだ」
「お前には手加減する必要もなさそうだ。倒しても心が傷まぬ相手ならば、遠慮はしない」
 アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)と仇死原・アンナ(処刑人、炎の花嫁、魔女、屠る騎士、そしてあいどる☆・f09978)は、それぞれに愛用の武器を抜いた。光り輝くフォースの刃と、巨大な鉄の塊の如き大剣。それらを構え、キャプテン・ザナドゥへと一気に距離を詰めて行くも、キャプテン・ザナドゥはその攻撃を紙一重のタイミングで避けて行く。
「ハイヤーッ!! カラテ・プログラム機動!!」
 人知を越えた格闘技のプログラムを起動させたことで、キャプテン・ザナドゥは予測不可能な動きが可能となり、その攻撃力も3倍にまで増加するのだ。武器こそ持っていないが、それでも機械の身体から繰り出されるカラテの一撃は、アンナの鉄塊剣を拳だけで軽々と弾き飛ばし。
「フハハハハ! これだけの攻撃、見切ることができますか?」
 次々に繰り出される正拳突きのラッシュが、アスに攻撃するためのチャンスを与えない。数的には優位を取っているはずにも関わらず、このままではキャプテン・ザナドゥに一撃を当てることさえ難しい。
「どうやら、こちらも出し惜しみをしている場合ではなさそうだ。ならば……!」
 もはや手段は選んでいられないと、アンナは全身に蒼い炎を纏う骸骨馬を召喚した。そのまま馬に跨ると、彼女は一気にキャプテン・ザナドゥへと突撃して行く。迎え撃つキャプテン・ザナドゥは突進を軽々と避け、そのままカウンターでアンナの身体に拳を繰り出すが、しかしその攻撃でアンナが死ぬことは決してない。
「な、なんと!? 確かに、心臓を貫いたはず!!」
「……それがどうした? 今のワタシは黙示録の騎士! その特性は……不死だ!」
 それは、生きながらにしてアンデッドと同質の存在になるという、極めて危険な禁忌の術。だが、その状態であれば物理的な死は勿論のこと、寿命の概念さえも何ら意味を持たない。肉体が存在する限り、今のアンナは誰にも殺せず、また死ぬこともできないのだ。
「くっ……それならば、あの男の方を……!?」
 このまま戦っても埒が明かないと思ったのか、キャプテン・ザナドゥは攻撃の対象をアスに切り替えようとした。しかし、残念ながらその瞬間にタイムアップ。彼にインプットされているカラテプログラムが有効なのは3分間だけであり、その時間を過ぎると再びプログラムを再構築してからの再起動をかけねばならないのである。
「隙を見せるとは……そこだ!」
 そして、そんな隙をアスが見逃すはずもない。今までの鬱憤を晴らすかの如く、青白い斬撃が一閃。キャプテン・ザナドゥの胸元を、大きく斬り裂いていたのだった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​

百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃、灼熱の束縛などを使っていきたい

攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
こいつがボスか…
みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

説得できる場合は説得したい
同情の余地がある敵には情を漏らすことも
ほかの技能も状況に合わせて使うよ



●守りこそ最大の攻め手
 既に勝敗は決したというのにも関わらず、己のエゴだけで戦いを続けようとするキャプテン・ザナドゥ。それを抜きにしても、この工場で行われていた非道な行為は、百地・モユル(ももも・f03218)にとって断じて許せるものではなかった。
「こいつがボスか……。奴隷を使って生物兵器を作らせるなんて、そんなこと許せない!」
 もっとも、そんなモユルの怒りをキャプテン・ザナドゥは鼻で笑い飛ばした。彼にとってみれば、正義だの何だのといった感情は、全て無意味で無駄なものだからだ。
「何を熱くなっているのか知りませんが、私は仕事で雇われて監督をしていただけですよ。怒るのであれば、この工場を作ったイージス・カンパニーに文句を言ってくださいね」
 それでも戦うというのであれば、子どもであろうと容赦はしない。それだけ言って、キャプテン・ザナドゥは一気にモユルとの距離を詰め、得意のカラテで息をする暇もないほどの連続攻撃を浴びせてきた。
「もう止めろ! 既に勝負はついているんだ! 降参すれば、命までは取らないよ!」
「フフフ……既に勝負はついている? もう、勝ったつもりでいるのですか?」
 攻撃を懸命に防ぎながらも、モユルはともすればキャプテン・ザナドゥを説得しようと試みていた。どんな悪人であれ、殺して終わるだけが解決ではない。相手が機械であったとしても、人と同じくやり直しの機会を与えたい。それがモユルの信じる正義だったが、しかしキャプテン・ザナドゥからすれば、それは青臭いだけの理想に過ぎなかった。
「戦いの中で甘さを捨てきることができない……ならば、その先にあるのは『死』です!」
 いつまで経っても攻撃を仕掛けてこないモユルに苛立ちを覚えたのか、キャプテン・ザナドゥは一気にカラテ技の速度を増した。一撃で人の身体をも粉砕できる程に強化された拳が繰り出され、それはモユルの顔面に炸裂する。だが、人体など一瞬で赤い染みにできてしまうはずの正拳突きは、モユルの顔面で止まっており。
「……っ!! まだだ……まだ、負けない!」
 両手を交差する形で歯を食いしばり、モユルは全身を『超防御モード』へと変えていた。この状態では自らの意思で動くことはできないが、あらゆる攻撃に対して無敵となるのだ。
「ぬぅぅ……小癪な小僧めぇ!」
 キャプテン・ザナドゥも攻撃を繰り出し続けるが、それらは全てモユルの身体に弾かれてしまう。最強の拳と最強の身体。それらの激突は千日戦争になるかと思われたが、終わりは唐突に訪れた。
「くっ……ここまでですか。プログラムを再構築しなくては……」
 今まで一方的にモユルを殴っていたキャプテン・ザナドゥの拳が一瞬だけ退いた。プログラムを発動できる限界時間を迎え、カラテの攻撃が止まったのだ。
「よし……今だ!」
 そこを逃さず、モユルの燃える拳がキャプテン・ザナドゥに炸裂した。怪力を乗せたパンチの威力も然ることながら、その拳に宿る紅蓮の炎はキャプテン・ザナドゥの半身を焼くのに十分だった。
「ぐぁぁぁぁっ! そんな馬鹿なぁぁぁぁっ!!」
 人工皮膚を焼かれ、キャプテン・ザナドゥの機械化された半身が露出する。金属の骸骨を思わせるボディを曝け出したキャプテン・ザナドゥは、オーバーヒートを起こして思わず床に膝を突いた。
 攻撃が最大の防御であれば、防御こそ最大の攻撃なのだ。制限時間のある強化プログラムに対し、鉄壁の防御で耐え忍んだモユルの粘り勝ちであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

クローネ・マックローネ(サポート)
普段の口調は「クローネちゃん(自分の名前+ちゃん、相手の名前+ちゃん、だね♪、だよ!、だよね★、なのかな?)」
真剣な時は「クローネ(ワタシ、相手の名前+ちゃん、だね、だよ、だよね、なのかな? )」
強調したい時は「★」を、それ以外の時は「♪」を語尾につけるよ♪

基本は一般人の安全を優先で♪
多少の怪我は厭わず積極的に動くね♪
シリアスな場面では状況の解決を優先するよ
コメディ色が強い場合はその場のノリを楽しむ方向で動くね♪
えっち系・状態変化系もばっちこいだよ♪
絡みOK、NG無しだよ★

UCは少人数を召喚する系か単体攻撃系を優先して使うよ♪
状況に応じてMS様が好きなのを使ってね★

後はMS様におまかせするね♪



●不思議なことが起きませんでした
 半身を焼かれたキャプテン・ザナドゥは、もはや人の姿を維持することさえ困難な状態になっていた。
 だが、それでも彼は諦めない。ここまで追い詰められているからこそ、退くに退けない状況なのかもしれないが。
「往生際が悪いね。お前みたいに、人の尊厳を破壊するやつを見ていると気分が悪くなるよ」
 いつもは陽気なノリで状況を楽しむクローネ・マックローネ(|闇《ダークネス》と|神《デウスエクス》を従える者・f05148)も、今回ばかりは怒りの感情が表に出ていた。
 孤児の誘拐に始まり、違法な人体改造や子どもの奴隷化、果ては生物兵器の生産母体として人間を使い潰すなど、どれも許されざる行為である。
 あらゆる種族のあらゆる思想と自由を認めるクローネだからこそ、他者の自由と尊厳を奪うことにもまた敏感だった。人は生まれながらにして自由であるべきだが、それは他人の自由を侵害して良い理由にはならない。ましてや、己のエゴのためだけに、他者の命を弄ぶなど論外である。
「おのれ……こうなれば、私も切り札を見せましょう!」
 そんなクローネに対し、キャプテン・ザナドゥは負傷した半身を覆うようにして、バイオ装甲なるものを装着した。これを装着していると機動力が上がるだけでなく、なんと液状化もできるという優れものだ。
「さあ、このスピードの前では、何人であろうと無力です!」
 攻撃されても即座に液状化することで無効化できるのだと豪語するキャプテン・ザナドゥ。しかし、クローネは何ら慌てることなく、大量のデモノイドを召喚して攻撃を開始する。翼の生えたデモノイド達は、パワーだけならキャプテン・ザナドゥに勝るとも劣らない。
「言ったはずですよ、無駄だと! 力任せの攻撃など、今の私には通用しないのです!」
 それでもキャプテン・ザナドゥは、身体を巧みに液化させることで攻撃をしのぎ、ついにクローネの懐に飛び込んできた。そのままクローネの胸元を手刀で貫けば、彼女の身体は水風船の如く、簡単に貫通されてしまった。
「フハハハハ! 口ほどにもない! これで一人、私の手柄に……?」
 だが、あまりに手応えがなかったことで、キャプテン・ザナドゥは思わず顔をしかめた。もっとも、それに彼が気づいたところで、既に全てが遅かったのだが。
「残念だったね★ 液状化ができるのは、クローネちゃんも同じなんだよ♪」
 なんと、胸元を貫かれたはずのクローネが、余裕の表情で喋っているではないか! 何を隠そう、彼女の正体はブラックタール。人間に近しい姿に擬態しているだけで、その実態は液状の不定形生物なのである。
 当然、そんな彼女だからして、姿形も変幻自在。先のキャプテン・ザナドゥの攻撃も、食らったと見せかけて身体を変形させていたので、実は全くダメージを受けていなかったのである。
「それじゃ、今度はこっちの番だね★ バイオ装甲とかいうの……バラバラにひっぺがしちゃうよ♪」
 クローネが号令をかければ、それに合わせてデモノイドの群れが殺到し、キャプテン・ザナドゥの装甲を引き剥がしてゆく。バイオ装甲さえなくなってしまえば、後はこちらの好き放題。
「不思議なチートで勝利していいのは正義の味方だけだよ★ あなたには、不思議もチートも起きなかったみたいだね」
 ズタボロに装甲を引っ剥がされたキャプテン・ザナドゥに向け、意匠返しを決めたクローネは、残酷な現実を嫌と言うほど突きつけるのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ヴィリー・フランツ
心情:アホだねぇ、隠れていれば雇われ工場長なんぞ誰も探さねぇのに。
手段:「何がカラテじゃ、ナンオラー!スッゾコラー!」
やつのカラテプログラムが作動したら遠距離からの銃撃、その為のゴーグル型HADとライフルだ、ロックオンして接近を防ぐ。
万が一接近されたら銃剣を構えての【軍隊式近接格闘術▲命中率】、奴の攻撃をいなし、受け流しを狙いながら確実に反撃しダメージを与える事を試みる。
距離を空けたい時は奴の腕を掴んでぶん投げるか、ストッピングパワーに優れる軍用大型拳銃を至近距離からぶっ放して無理やり脚を止めさせてやる、成功したら再び銃撃からの仕切り直しだ。

さてガキ達はどうするか、ウチの警備会社で雇うか?



●カラテマスターの最後
 既に工場が壊滅したというのに、性懲りもなく戦いを続けるキャプテン・ザナドゥ。雇われの身でしかない彼が、何故にそこまで戦いにこだわるのか。傭兵であるヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵であり民間軍事請負会社のCEO・f27848)からすれば、それは理解不能な行動だった。
「アホだねぇ、隠れていれば雇われ工場長なんぞ誰も探さねぇのに……」
 そのまま逃げていれば、あるいは猟兵に倒される未来もなかったはずだと告げるも、しかしキャプテン・ザナドゥはその程度では退かない。確かに、ここで工場を遺棄して自分だけ逃げれば猟兵と戦わなくとも済むかもしれないが、遠からずイージス本社から粛清されてしまうだろう。
「私はここで倒されるわけにはいかないのですよ! 逃げ隠れしたところで、イージス・カンパニーの追跡からは逃げ切れるものではない。ならば……強大な権力に抗うのではなく、あなた達の首を貰い受けた方が良いと考えるのは当然では?」
 既に満身創痍のキャプテン・ザナドゥは、それでも新たに更新したカラテプログラムを使ってヴィリーに攻撃を仕掛けてきた。遠距離から銃撃を浴びせるヴィリーだったが、ライフル弾であろうとなんだろうと、キャプテン・ザナドゥは攻撃力の強化された手刀の一撃で軽く弾き飛ばし、どんどん距離を詰めてくる。
「何がカラテじゃ、ナンオラー! スッゾコラー!」
 それでもライフルを乱射するヴィリーだったが、その攻撃はキャプテン・ザナドゥを止めるには至らなかった。ついには接近戦に持ち込まれ、銃剣での戦いを余儀なくされてしまった。
「どうしたのです? 先程までの威勢はどこへ行きましたか?」
 強化されたカラテプログラムによる攻撃は、ヴィリーの軍隊式格闘術を以てしても、防御に回るのが精一杯。なんとかして反撃の糸口を掴みたくとも、いなして受け流すのが限界であり、その先の反撃にまでは至らない。
 だが、それでもヴィリーは気づいていた。このカラテプログラムによる強化は永遠ではない。一定の時間だけ攻撃を凌げば、その後に必ずプログラムを再構築するためのクールダウンが必要になる。
 狙うのであれば、その瞬間だろう。それまでは、ひたすらに相手の攻撃を流し続け……そして、ついにそのチャンスが訪れた!
「む……これはいけませんね。プログラムの再構築を……」
「そうはいくか、ノロマが! 食らいやがれ!」
 カラテの猛攻が止んだ次の瞬間、ヴィリーは大型拳銃を引き抜くと、キャプテン・ザナドゥの脚を撃ち抜いた。元より、戦車でさえ攻撃可能な大口径花器だ。そんなものを至近距離で食らって無事で済むはずもなく、気づけばキャプテン・ザナドゥは脚の部分を大きく損傷してしまっていた。
「まだだ! こいつは、さっきまでのお返しだ!」
 続け様に、ヴィリーがキャプテン・ザナドゥを投げ飛ばした。これで距離が開けてしまえばこちらの間合い。おまけに、相手は脚を失っているためか、満足に立つことも難しい。
「ぬぅ……こんな……こんなはずでは……」
 最後はありったけの火気を浴びせられ、キャプテン・ザナドゥは全身から火花を放ちながら爆発した。これにて、任務は無事に終了。後は残された奴隷達だが、ヴィリーは彼らの保護のことも考えていた。
「このまま放っておくわけにも行かないからな。ウチの警備会社で雇うか?」
 悪い大人に利用される未来しかないのであれば、いっそのこと自分の会社の社員にでもなってくれた方が都合も良い。手足をもがれ、苦痛と絶望の中に生きてきた彼らにも、救いの光が見えた瞬間だった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年11月24日


挿絵イラスト