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銀河皇帝に僕はなる! その前に超宇宙サッカーもあるよ

#スペースシップワールド #戦後


●スペースシップワールド 放逐された戦艦内
 銀河帝国へドクターオロチから譲渡されたアナリシスは、銀河帝国壊滅と共にその存在理由を失ってしまった。特に誰からの指示もなく、放逐された戦艦の中を漂っていったアナリシスは、長い思考の末に一つの結論に思い至った。
「そうだ、銀河皇帝になろう」
 自分が銀河皇帝となり、オブリビオン・フォーミュラとなれば、再びオブリビオンは増え、銀河帝国は再興するだろう。帝国を存続させる為の障害に対処し続けていれば、自分の存在理由について悩む必要はなくなる。
「銀河皇帝に僕はなる!」
 アナリシスが自分のために行動を起こそうと決意した瞬間だった。
「その為には銀河皇帝に相応しい能力を身につけることが先決。銀河皇帝と同一のユーベルコードを持つミディア・スターゲイザーの捕獲・解析を第一目標とし、並行して過去のデーを解析し、自己強化を…」
 密やかに帝国再興の野望が進行してゆくのだった。

●グリモアベース
「……そんな予知が見えたから……掃討しに行って」
 グリモア猟兵の中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)は端的には、今回猟兵に集まってもらった理由について告げる。
 スペースシップワールドにおいて、先の戦争で滅んだ銀河帝国。その残党が活動を開始するという予知が見えたのだ。
「……残党のリーダーは…アナリシス。……ドクターオロチの実験体だった……金属生命体よ。……生命というより…兵器に近かったかもだけど」
 特に命令があるでもなく放置されたようだが、最近、自分でやることを見つけ、活動を開始したのだと言う。
「……自由意志を持つ…そう言えば……聞こえはいいかもだけど…結局は…オブリビオンの本能に突き動かされているようなものよ」
 世界の活動を止めるため、オブリビオン・フォーミュラを生み出す。その為の一環でしかないのだ。
「……そんなわけで…みんなには……ワープドライブを積んだ宇宙船で……アナリシスの拠点へ向かってもらうわ」
 その際に乗せてもらう宇宙船『スウェルス』は過去に猟兵達が銀河帝国の陰謀から救った船だと言う。
「……それで…目的に到着するまでの間……みんなには…超宇宙サッカーを楽しんでもらいたと思うの」

 何それ?

 いきなりの話の方向転換に場の空気が変わる。
「……超宇宙サッカー」
 なんでも、スウェルスで人気のスポーツで、手でボールを触らない、故意に相手を攻撃しない、そのあたりが守られていれば、種族や装備などの制限なく参加できるらしい。その見た目の派手さから、勝ち負けを競うと言うより、どこかショー的な要素も兼ねているのだとか。
 裕美が持ってきたポスターを見てみるとウォーマシンだか鎧装騎兵だか分からないくらいゴテゴテの武装をしたサッカー選手が互いにボールを奪い合っているという、なんともシュールな光景だ。
「……その試合に……『よろしければ参加していただけないでしょうか?』…とのことよ?……伝説の解放軍のプレーを…見てみたいって人は……多いんじゃないかしら?」
 一応、実際に試合に出なくても、応援に見に来てくれるだけでも良いとのことだ。
「……敵地に乗り込む前の…ウォーミングアップにも…いいかもしれないし……頑張ってね」
 そう言うと、裕美は準備のできた猟兵から順に送ってゆくのだった。


麦門冬
 こんにちは、麦門冬(むぎとふゆ)です。銀河帝国との戦いも、終わってもうすぐ一ヶ月が過ぎようとしているんですよね。早いですね。
 そんな訳で、皆様には超宇宙サッカーを楽しんでいただいた後、敵本拠地へ向かっていただきたいと思います。
 第一章では、宇宙船『スウェルス』にて、超宇宙サッカーに参加(もしくは応援)していただきます。試合するチーム名などは決めていないので、『赤チーム』『白チーム』と仮称させていただきます。どちらのチームに入りたいかはプレイングに記入していただいてもいいですし、特に記載がなければ、猟兵の参加が少ないチームに割り振るか、ランダムに決めさせていただきます。
 超宇宙サッカーに関しましては、ハンドとか選手への直接攻撃がなければ、だいたいがセーフです。逆に言えば、ボールを介していれば、どんなに選手が吹っ飛んでいても問題ないです。猟兵も一般人への手加減は心得ているでしょうから、どんなに派手でも死人は出ないと思います。
 第二章では、いよいよ敵の本拠地(放逐された戦艦)に赴き、アナリシスの配下と戦っていただきます。そして、第三章ではアナリシスと決戦です。

 以下、補足事項です。

●宇宙船『スウェルス』
 過去のリプレイ『銀河帝国攻略戦⑥~裏切りの理由(わけ)』に登場する宇宙船ですが、その時の登場人物は殆ど出てきません。せいぜい議長が試合前の挨拶に出てくるくらいです。なので、過去のリプレイは読んでなくても問題ありません。

●超宇宙サッカー
 超宇宙サッカーです。他の宇宙船とルールが違うところがあったとしても、スウェルス独自のルールがあるのかもしれません。ハンドしなければ基本的に問題ないですが、ハンドの定義は種族ごとにちゃんとルールで決められているとかないとか(例:ブラックタールはボールを長時間身体に吸い付けたりしなければセーフとか)

●アナリシス
 銀河皇帝になることを決意した金属生命体。その為に強くなることを欲しているので、猟兵はこの子にとって格好の獲物に見えるでしょう。返り討ちにしてあげてください。

 それでは皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 日常 『これが、超宇宙サッカーだ!!』

POW   :    超宇宙的なシュートや妨害をする

SPD   :    超宇宙的なドリブルや戦術を駆使する

WIZ   :    超宇宙的なパスや応援をする

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●宇宙船『スウェルス』にて
「皆様、ようこそスウェルスへ。歓迎いたします」
 スウェルスに転送されて迎えに来たのは、スウェルス評議会の議長と議員達だ。彼らは銀河戦争の時に、家族を人質に取られて戦争不参加を強要されていた所を解放軍…つまりは猟兵達に助けられた面々だ。
「あれから娘は解放軍の大ファンですよ。今日の試合も楽しみにしていましてね。いえ、楽しみなのは娘だけではありませんね」
 周りを見れば、住人達が多く押しかけており、かなりの歓迎ムードである。
「試合は2チームに分かれ、貴方がたは好きな方のチームに入っていただいて、試合をしていただきます。無論、我々の船の選手達も一緒に参加しますが、選りすぐりの選手達です。あなた達の足を引っ張るようなことにはならないかと」
 競技場まで案内しながら、議長が語りかける。
「それでは皆様、今日はよろしくお願いいたします」
當良邑・祈
【SPD】
機械脚を展開してドリブル、一応は足だが掴んだり挟んだりすればハンドになりかねない。それでも二足よりは複雑に運び奪われにくい、正確に転がし迅速に運ぶ。

スポーツといえど他の猟兵の動き・肉体の構造を敵として見れるのは興味深い、むしろ制限の中で自身の力をどの様に活用するのかは見ものでもある。

タイミングを見計らい、レプリカクラフトでボールの偽物を作り、混入させる。もっとも偽物に騙される猟兵がどの程度いるかはわからない。常人を超える知覚を持つ者も多い。
だが審判はどうだろうか、これが相手の手に触れればハンドの判定を下すのではないか、少々卑怯だがルール内であれば利用させてもらう。


(連携改変等歓迎)


セリエルフィナ・メルフォワーゼ
超宇宙サッカー…
すっごく面白そう!
よーし、絶対負けないよ!

【先制攻撃】からの【スライディング】でボールを奪いつつ、【フェイント】を織り交ぜながらの【ダッシュ】でドリブルしていくよ。
敵がボールを奪おうとしてきたら【ジャンプ】で回避するね。

で、ゴール前に来たら当然シュートをするわけだけど…
【オーラ防御】で足を覆い、ボールを蹴った瞬間に蹴った側の脚で【スカイステッパー】24回分を一気に発動する!
つまりボールを一瞬のうちに24回蹴ることで、そのシュート力は24倍にまで増幅される!

「名付けて24連釘シュート!もしくは二十四連の極み!」

これでキーパーを【吹き飛ばし】て、一点先取だ!


月守・咲凛
SPDで行動、連携アドリブOK、チーム分け希望ありません。
超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。
自軍ゴールからキャノン砲でボールを敵ゴールに撃ち込んだりします。
超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。 ボールが飛んできたらガトリングやミサイルで撃ち落としたりします。
超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。 非殺傷のゴム弾なので人命にも少し配慮しています。
超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。 サッカーのルール知りません。

とりあえず自軍ゴールを守って敵軍ゴールにボールを入れるという事とペナルティエリアから出てはいけない事だけ徹底して、後はフリーダムに暴れまわります。



●これが超宇宙サッカーだ!
「超宇宙サッカー…すっごく面白そう!よーし、絶対負けないよ!」
 白チームに入ったセリエルフィナ・メルフォワーゼ(天翔ける一輪の君影草・f08589)は華麗なスライディングで赤チームフォワードのウォーマシンからボールを奪う。そこからフェイントをかけながら次々と赤チームの選手を抜いてゆく。
「なんとしてでもあいつを止めろ!」
 セリエルフィナを追いかけようと宇宙バイクを駆るミッドフィルダーと待ち構える戦闘機械を操る電子魔術師のディフェンダーが挟み撃ちの体制に入る。
「そんなんじゃボクを止められないよ!」
 セリエルフィナはあわや挟み撃ちとなるところで、跳躍し、ディフェンダーの頭上を超える。
『おおーーっと!セリエルフィナ選手、跳んだ!まるで翼が生えているようだ!』
『実際生えているようにも見えますね』
 吠える実況席。オラトリオ、そしてスカイステッパーである彼女にはこのくらいの芸当は造作も無いことである。だが、
「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です」
 空中にいる所を赤チームのゴールキーパー、月守・咲凛(空戦型カラーひよこ・f06652)のガトリング掃射によってボールをクリアされてしまう。
「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。 非殺傷のゴム弾なので人命にも少し配慮しています」
『おおーっと、これは赤チーム咲凛選手のナイスセーブ!』
『流れ弾に当たったようですが、大丈夫ですかね?』
 ガトリング弾が何発かセリエルフィナに当たったようだが、ボール狙いのため、ファウルにはならないようだ。
 クリアされたボールは白チーム、當良邑・祈(サイボーグの化身忍者・f09602)に渡る。
(スポーツといえど他の猟兵の動き・肉体の構造を敵として見れるのは興味深い、むしろ制限の中で自身の力をどの様に活用するのかは見ものでもありますね)
 猟兵達のデータ分析にもってこいと参加した祈だが、もちろん見ているだけではない。戦闘用の多脚モードに変形し、ドリブルを開始する。
(一応は足ですが、長時間掴んでいればハンドになりかねません。それでも二足よりは複雑に運び奪われにくいでしょう)
『おおーっと!すごいボールキープ力!赤チームのディフェンスを物ともしない!』
『多脚の安定感の他にも蹴り足をこまめに変えて動きを複雑化させるテクニックにも目を見張る物がありますね』
 だが実況席は次の祈の行動に更に驚くこととなる。
「どれが本物か見分けが付きますか?」
 ディフェンスを抜いた祈は【レプリカクラフト】でサッカーボールの贋物を瞬時に作り出す。その数、およそ百!
『これは超宇宙サッカーならではのテクニック「デコイ」だぁーーー!!だが、これだけのボール、今まで見たことがない!』
『偽のボールや選手を用意し敵陣を惑わす「デコイ」ですが、ボールのデコイは多くても10がせいぜい。これだけの数のボールが出てきたのは前代未聞ではないでしょうか!?』
 解説者も興奮する中、祈は冷静に分析する。
(審判は慌てている様子はないですね。偽物を使う行為がテクニックとして確立している以上、本物を見抜く方法もあるわけですか)
 そもそも【レプリカクラフト】は仕掛け罠を作る以外は作成の精度が粗い。よく見てしまえば、選手にも本物と見破られるのは時間の問題だろう。
「なら、本物と見抜かれる前にシュートするまでです!」
 祈は4本の脚、そして戦闘用の脚部に付いた2本の刀の峰を器用に使い、大量のボールを次々とシュートしてゆく。ボールのいくつかは敵選手にエリア外へクリアされてしまうが、それでも大量のボールをゴールへ叩き込む。通常なら、このボールの嵐に対処しきれずゴールを許してしまうだろう。だが、ゴールキーパーも猟兵である。
「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。 ボールが飛んできたらガトリングやミサイルで撃ち落としたりします」
 本物偽物問わず、ボールを多重ロックオンし、【コード・ロックオンモード】によってガトリングやミサイル、キャノン砲で撃ち落としてゆく。
『何十発と撃たれたシュートを全撃ち落としただと!これが伝説の解放軍同士の戦いなのか!』
『あれだけのボールを正確にゴールへ撃ち込んだのもそうですが、それをすべて撃ち落としたのも恐るべきですね』
 そして、咲凛はゴール前に転がっているボールの中から本物を見つけると、素早く拾い上げて自身のキャノン砲に装填する。
「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。自軍ゴールからキャノン砲でボールを敵ゴールに撃ち込んだりします」
 キャノン砲で一直線に相手ゴールへボールを発射する。おそらく、猟兵ではない相手ゴールキーパーは無惨に吹き飛ぶだろう。だが、発射されたボールの進路を塞ぐように飛び出す影があった。
「さ、せ、る、かぁーーーーーー!!!」
 脚に防御のオーラを纏わせたセリエルフィナが空中でダイビングボレーをし、咲凛へ蹴り返す。
「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。 ボールが飛んできたらガトリングやミサイルで撃ち落としたりします」
 咲凛はボールを撃ち落とそうとするが、勢いが止まらない。むしろ、更にシュートが放たれているかのようにボールが加速する。
「ボールを蹴った瞬間に蹴った側の脚で【スカイステッパー】24回分を一気に発動させた!つまりボールを一瞬のうちに24回蹴ることで、そのシュート力は24倍にまで増幅される!」
 加速してゆくボールがついにキーパーである咲凛の身体に直撃する。咲凛も全身に装備したスラスターを噴かせ、その場に押し留まる。だが、シュートの衝撃は止まらず、咲凛を押し込んでゆく。
「名付けて24連釘シュート!もしくは二十四連の極み!」
「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です」
 必殺名を叫ぶセリエルフィナに咲凛が応える。
「サッカーのルール知りません」
 そう言い残すと、咲凛はボールもろともゴールラインの向こうへと吹っ飛ばされていった。
『ゴォーーーーーーーーーーーーーーーーーーーール!!!無敵の壁と思われて咲凛選手を打ち破ってのまさかまさかのゴォーーーーーール!!』
『それぞれの選手が見事としか言いようがありません。この瞬間に立ち会えたことを幸運に思います』
「よし、まずは1点先取」
 そういうとセリエルフィナは華麗にゴールパフォーマンスを決めてみせた。

 その後も猟兵達の熾烈な攻防は続き、試合終了のホイッスルが鳴った時には赤チーム白チームの得点は2-2の同点で試合は終わる。
 だが、この戦いで大事なのは勝ち負けではなく、どれだけ観客達を沸かせることができたかだ。その点で言えば、両チームとも引き分けではなく、双方ともが勝者といえる試合だっただろう。宇宙船『スウェルス』の記録にはそう記されたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『ふていけいせいめいたい』

POW   :    のびーるんるん
自身の肉体を【完全な球体】に変え、レベルmまで伸びる強い伸縮性と、任意の速度で戻る弾力性を付与する。
SPD   :    ぽよんぽよんぽよんっ
予め【身体をぽよんぽよんと弾ませる】事で、その時間に応じて戦闘力を増強する。ただし動きが見破られやすくなる為当てにくい。
WIZ   :    れっつぶんれーつ
レベル×1体の、【おなか】に1と刻印された戦闘用【ふていけいせいめいたい】を召喚する。合体させると数字が合計され強くなる。
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●れっつせんとーう
 超宇宙サッカーによって宇宙船『スウェルス』の住人達を熱狂の渦へと叩き込んだ猟兵たちだが、仕事はこれで終わりではない。これから銀河帝国の残党を狩りに行くのだ。

 そして猟兵達は宇宙船のワープドライブによって敵の本拠地に乗り込むと、そこに仁王立ちで待ち構えていたのは少女のような金属生命体、アナリシスだった。
「よく来てくれたね。ちょうど一人での自己強化に行き詰まっていたところだったんだ」
 アナリシスは訪れた猟兵達にそう声をかける。
「君達のことを、データの上でだけでなく、身近で解析することができれば、僕はもっともっと強くなれる。僕が銀河皇帝になる為の礎になってもらうよ! 【マインド・クリエイション】」
 そう言うと、アナリシスの腕の一部がぼたりと落ちて蠢く。まさか、銀河皇帝の白騎士を生み出す能力を獲得していたというのか…
「どうもです。おてやわらかにです。やわらかです」
「べんぎじょうは、まいんどです」
「なんでもたべます。あ、いえ、かいせきです」
 だが、出てきたのは黒く蠢くよく分からない何かだった。呼び出したアナリシスはどこか得意げだ。
「さあ、猟兵! 君達のデータを取らせてもらうよ!」
 そう言うとアナリシスは不定形のよく分からない物体をけしかけるのだった。
ドゥルール・ブラッドティアーズ
愛しのアナリシスに会えると聞いて!
ああ、やっぱり可愛い……好き……❤
しかも一人称「僕」の、男の娘個体!!
うふふ、うふふふ……早く愛し合いたい……❤

(戦争中に別個体のアナリシスと戦い
一目惚れしちゃったヤンデレ娘です)

【WIZ】
分裂されても、刻印された数字が小さければ
まとめて【衝撃波】で蹴散らせるわ。
合体してくるなら『狂愛』で、逆に私が分裂して
【生命力吸収】し尽くしてあげる。
的が小さい上に【見切り】【オーラ防御】【激痛耐性】も
あるから、簡単には全ての私を倒せないわよ!

「アナリシスから生まれた、この子達も愛おしいわ❤
あぁん、もう我慢できない!!
アナリシス! 私がどれだけ貴方を愛してるか見てて!!」


當良邑・祈
不定形か…あまり相性は良くないな

炎とか電撃とか光線が出せる便利な体ではない以上、脚の刃で物理的に切り刻む程度しかできないが、

「自己強化とか言っていたな」
ここが拠点ならば整備機器や換装用の武装も置いてあるかも知れない。
それらを脚で直接接続し【ハッキング】して操作すれば、多少は殲滅が楽になることだろう。

「つなぐのけっこう気持ちワルイからやりたくはないんだけどな…」
余分な脚を、手を体につけられるような感覚、体の一部分として思うままに操れるが故の不快感、そして一体となるが故に自己を喪失する危険性すらある。

せめて分裂や変形を阻害だけでもできればあとは自分の体でもなんとかなるのだが

(連携改変等々歓迎)



●事前データと実戦経験
「愛しのアナリシスに会えると聞いて!ああ、やっぱり可愛い……好き……!しかも一人称「僕」の、男の娘個体!!うふふ、うふふふ……早く愛し合いたい……!」
 そう言って熱い眼差しでアナリシスを見つめるのはドゥルール・ブラッドティアーズ(狂愛の吸血姫・f10671)だ。
「データベース照合…過去に『別の僕』を撃破している猟兵か。つまりは、僕が銀河皇帝を目指す上で超えなければいけない障害ってわけか」
 彼…アナリシスはどこからデータを引っ張ってきたのか冷静にそう分析する。
「もう一人来ているのは…」
 そう言ってアナリシスの視線の先にいたのは祈だ。
「データベース照合…なるほど。機械足での戦闘を基軸に戦うタイプか。ならば、御しやすい」
「自己強化しているとは聞いていましたが、過去の私達のデータを調べているのですか!?」
 どこまで新しい情報が更新されているかは不明だが、ある程度、銀河帝国攻略戦におけるデータをアナリシスは入手しているようだ。
「銀河皇帝を目指すんだ。あらゆるデータを入手、統合しなければ、あの強さは手に入らない。君達はその為にももっともっとデータを見させてもらうよ!いけ!僕のマインド達!」
 そういうと、アナリシスはふていけいせいめいたいをけしかける。
「でーた、かいせきします」
「さんぷるもぐもぐ、いっときましょう」
 【ぽよんぽよんぽよんっ】と跳ねながら迫りくるふていけいせいめいたい達。
「炎とか電撃とか光線が出せる便利な体ではない以上、脚の刃で物理的に切り刻む程度しかできません…が」
 跳ね回るふていけいせいめいたい達に囲まれて祈は独りごちる。
 一方、ドゥルールはもっと多くのふていけいせいめいたいに囲まれていた。
「あいては、せいめいきゅうしゅうがとくいです。いちどにきゅうしゅうされるのは、よくないです」
「こわけにしたほうが、まんぞくかんがでます。きゅうしゅうに、じかんもかかります」
 ドゥルールの生命吸収に警戒してか【れっつぶんれーつ】によってその数を何十体にも増やす。
「あらあら、それだけ増えると、攻撃のいい的ね!」
 そう言うとドゥルールは短剣を振るい、衝撃波を起こす。悲鳴のような風切り音と共にふていけいせいめいたい達が吹き飛ぶ。
「ふやしすぎはきけん、がくしゅうしました」
「では、ちょうどいいたいきゅうりょくに、とうごうしましょう」
 そう言うと、分裂体がいくつか合体しおなかに「5」とか「6」とか書かれた数体のふていけいせいめいたいとなる。
「合体してくるのね!なら、今度はこっちの番ね!」
 そう言うとドゥルールは【狂愛】によって20体以上に分裂する。
「あぁん、もう我慢できない!!」
 そう言うと、二頭身のミニサイズになったドゥルール達は、ふていけいせいめいたい達の攻撃をかいくぐり、その黒いボディに張り付いて不定形の肉体を吸い始める。
「のどごしにはじしんはありますが、おやめください」
 他の個体が吸収に張り付いているドゥルールの分裂体を引き剥がしてもぐもぐするが、それでもダメージや痛みなど…そしてユーベルコードの発動で寿命が削られていることも無視してふていけいせいめいたいを吸収する。どちらが相手を食い尽くすか、地獄めいた様相を見せていた。
「アナリシスから生まれた、この子達も愛おしいわ! あぁん、もう我慢できない!! アナリシス! 私がどれだけ貴方を愛してるか見てて!!」
 アナリシスを愛するがゆえに、彼が生み出したふていけいせいめいたい達も愛する。そう言っている彼女の様相に、
「うわぁ…」
 アナリシスはどこか引いていた。データとして収集するのと、実際に目の前で見て肌で感じるのとでは、得られる情報に差が出るのは無理もない。
「ま、負けるなマインド!食らい尽くしちゃえ!」
 アナリシスはふていけいせいめいたい達を応援するが、
「それは無理な相談だ」
 不意にふていけいせいめいたいに炎が浴びせられる。
「今度は何!?」
「つなぐのけっこう気持ちワルイからやりたくはなかったんですけどね…」
 そう言って駆けつけたのは祈。彼女の機械脚にはいくつかの機械が新しく装着されていた。彼女に向かっていったふていけいせいめいたい達は既に倒されている。
「打ち捨てられたとは言え、戦艦です。戦闘機械などの整備機器や換装用の武装があるのではと思いましてね」
 彼女の脚につけられていたのは火炎放射器だ。
「まさか、機器にハッキングをかけて自分の武器に!? そんなことができるの!?」
「データにばかり頼っているから、ちょっとした応用に頭が回らない。実戦は不慣れですか?」
(余分な脚を、手を体につけられるような感覚、体の一部分として思うままに操れるが故の不快感、慣れませんね)
 余裕を見せている祈だが、内心はあまり穏やかではなかったりする。
(そして一体となるが故に自己を喪失する危険性すらあります。早いところ決着をつけたいですね)
「やきうちとは、ひどいです」
「やいても、おいしくはなりません」
 彼女の思いなど知る由もなく、炎を浴びせられたふていけいせいめいたい達が今度は祈をターゲットに飛び掛かってくる。
「分裂や変形を阻害だけでもできれば、あなた方など問題ありません」
 そう言うと、祈はもう一つ脚に装着していた機器から冷却用の液体窒素を浴びせる。
「あくまてき、おんどさ…」
「あとは自分の体でもなんとかなりますね」
 急激な温度差に凍りついてひび割れてゆく敵の肉体を確認すると、接続していた機器を外し、機械脚に元から装着された刃で斬り刻む。弾性を失った身体でその攻撃を耐えられるわけもなく、不定形生命体たちが砕け散る。
「さあ、次はあなたを愛してあげるわ、アナリシス!!」
 残った不定形生命体を吸い尽くしたドゥルールがアナリシスへと熱い眼差しを向ける。
「ま、まだだ!」
 そう言うと、アナリシスは再びふていけいせいめいたいを生み出し、猟兵達にけしかけた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

メイスン・ドットハック
【WIZ】
データを取るのはいいことじゃのー
ただしそのデータ、しっかりバックアップ取っておるかのー?

ふていけいせいめいたいを含めて半径310mに電脳黒死病を展開
すべての個体や分裂体の命令系統をジャミングして、動きを封じ込める
その後で電脳魔術で生み出したバーチャルミサイルで敵が多い箇所をピンポイント爆撃していく(誘導弾、破壊工作)

さらにアナリシスのデータ解析に使っている機器にハッキングを仕掛ける
データベースまでクラッキングして、ウィルスを注入してデータベースや現在使っている解析ソフト辺りを使いものにできなくしようとする(ハッキング、破壊工作、暗号作成、鍵開け)

アドリブ絡みOK



●ウィザードとアナライザー
「データを取るのはいいことじゃのー」
 のんびりとした口調で現れたのはメイスン・ドットハック(ウィザード級ハッカー(引き籠り)・f03092)だ。だが、そんな口調と裏腹に仕事は早い。
「どんな生物じゃろーと機械であってものー、ウィルスからは逃れんけーのー!」
 ユーベルコード【電脳黒死病】を展開する。機械どころか生物にも感染する電脳ウィルスにふていけいせいめいたい達はビクンッと痙攣した後、挙動がおかしくなる。
「じゅうだいなえらーがはっせいしました」
「おつかいのたんまつは、せいじょうにさどうしません」
「くぁwせdrftgyふじこlp」
 そして動けなくなったふていけいせいめいたいに向けて、メイスンは電脳魔術で生み出したバーチャルミサイルを放ち、爆撃してゆく。
「戦争でウィザード級ハッカー!くっ、白騎士や黒騎士、皇帝と戦闘した時よりも速度が増している!」
 アナリシスもウィルスに対応するが、ふていけいせいめたいの動作を回復させるまでには至らない。
「ところでそのデータ、しっかりバックアップ取っておるかのー?」
 そのデータとは、この戦闘を含めたアナリシスが自己強化のために集積していた帝国軍と猟兵との戦闘データ。
「ちなみに、僕の黒死病は結構な距離まで届くけーの」
 そういうと、メイスンは新しく生成したバーチャルミサイルを戦場から離れた場所に放つ。
「おきのどくですが、せんとうでーたはきえ」
 そこに何か言いかけていたふていけいせいめたいがおり、撃破される。
「もしもの為にバックアップしたデータをあらかじめ逃がす算段だったかのー?まったく、油断も隙もないけーの」
「くっ」
 メイスンの指摘にアナリシスは苦虫を噛み潰したような顔になる。
(それにしても)
 そんな会話をしながら、メイスンは戦艦内のシステムにクラッキングを仕掛ける。
(僕達の戦闘を解析しているソフトを破壊しようと思ったが、見つからんのー)
「捜し物かい?」
 唐突にシステムから弾かれる。
「油断したつもりはなかったんじゃけんどもなー」
「さっきは不覚をとったけど僕だって解析のエキスパート。電脳戦にはある程度の自信はあるさ」
 互いに言葉をかわし、メイスンとアナリシスは不敵に笑い合った。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 ボス戦 『アナリシス』

POW   :    アナライズ&コードテイカー
【ダメージのない解析ビーム 】が命中した対象に対し、高威力高命中の【対象のユーベルコードを借用した攻撃】を放つ。初撃を外すと次も当たらない。
SPD   :    カウンターコード
【近くで使われたユーベルコードを解析する事】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【そのユーベルコードのコピーを使用する事】で攻撃する。
WIZ   :    ミラーフォーム
対象の攻撃を軽減する【対象と鏡映しの姿(ミラーフォーム) 】に変身しつつ、【対象が所持するユーベルコードを借用する事】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
👑7
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「僕が戦闘データを解析できないように戦艦のシステムを破壊しようとしたのかな?でも、無駄だよ」
 電脳戦を仕掛けた猟兵にアナリシスは宣言する。
「まあ、隠すほどのことでもないから言っておくよ。データの解析ソフトはこの僕、アナリシス自身さ。僕を倒さない限りはデータの解析は終わらないよ」
 そういったアナリシスは猟兵達へ歩を進める。
「そして、やっぱり実戦はデータだけじゃわからないことがいろいろと見えてくる。この戦いを乗り越えれば、僕はもっと強くなれる」
 そしていずれは銀河皇帝に…。
「ここからは僕が相手するよ。君達を倒せば、僕は強くなる。僕が倒れれば、骸の海に還った僕の中のデータはオブリビオン・フォーミュラがいないこの世界では二度と表に出てこないだろう」
 そう言って猟兵達を見渡す。
「さあ、勝負だ」
當良邑・祈
-ワレイノリヲササゲル-
降魔化身法で全身を甲殻で覆い、速度を活かし相手の攻撃をいなし続ける。
普段であれば、絶対にしない戦術であるが…

技も武器は特別なものではない、苦労したのは最初の試みだったからで一度方法が確立されたものなら模倣は容易い、機械とはそういうものであるし、私の一部もそういうモノでできている。

ならばこそ、私の力はコピーされる、数多の怪生を身に宿すこの術法には代償が伴う。真似ても良いことばかりでもない、時に力は自身の枷となることを身をもって体感してもらおう。

しかし自分と同じ力を使う相手との戦闘とはそれはそれで学ぶことも多いものだな。「私もまだまだ…もっと強くなれる…」


(連携改変等歓迎)



●フルパワーの代償
「普段であれば、絶対にしない戦術ですが…」
 そう言うと祈は印を結びだす。
「ワレイノリヲササゲル」
 詠唱と共に祈の全身が甲殻で覆われる。【降魔化身法】により、祈の肉体に数多の怪生が宿ったのだ。
「絶対にしない?その技は、過去のデータで君が使っているのを確認済みだよ!」
 アナリシスも【カウンターコード】によって祈のユーベルコードをコピー。その身を甲殻で多い、強化する。
「それじゃ、行くよ!」
 常人には見えないスピードでアナリシスは祈に迫る。祈も機械脚を展開し、高速の刃を振るう。
「技も武器も特別なものではなく、苦労したのは最初の試みだったからで一度方法が確立されたものなら模倣は容易い。機械とはそういうものであるし、私の一部もそういうモノでできています」
「何が言いたいのかな?」
 高速の打ち合い、斬り合い。地力でアナリシスが勝っているのか、甲殻に覆われた2つの腕、時々足技だけで4本の機械脚+2本の刃の祈に競り勝っている。
 アナリシスの打ち込みで吹き飛ぶ祈の甲殻。血しぶきも舞う。
「ならばこそ、私の力はコピーされます。数多の怪生を身に宿すこの術法には代償が伴うでしょう。真似ても良いことばかりでもない、時に力は自身の枷となることを身をもって体感してもらいましょう」
「なっ!?」
 途端に、アナリシスがビクリと痙攣し、肌がひび割れ、血液の代わりに液体金属が流れる。
「言ったでしょう?『普段であれば、絶対にしない戦術』って」
 その隙を見逃さず、祈は脚部のパーツにある刃で斜め十字にアナリシスを切り裂く。
「データで確認していた時はこんなことには…」
「ええ、あの時は調節していましたから」
 涼しい顔で祈は言い放つが、毒に蝕まれ流血しているので、ダメージは浅くない。
 そもそも【降魔化身法】は妖怪、悪鬼、幽鬼といった化生のものを身に宿して超強化するユーベルコードであるが、その分、呪縛、流血、毒の代償を受ける。その為、このユーベルコードを使用する際には、受ける代償に対してあらかじめ耐性などをつける、代償が強くならないよう身に宿す化生のものの数や種類を調節する等の対策が必要である。
 自分の呼び出せるだけの化生を身に宿したのであれば、その代償もひどいものになる。
「ここからが、本番です」
 そこから祈の怒涛の反撃が始まる。呪縛を受けてスピードの落ちたアナリシスは対応できないアナリシスは攻撃に対応できない。
「何故!? 呪縛はそっちも受けているはず」
「勝負の駆け引きは、やはりまだまだのようですね」
「何を…!?」
 そこまで言って、アナリシスは気づく。祈の宿している化生のものの数が最初に宿したときから減っていることに。先程、甲殻を吹き飛ばされたときだろうか? 祈は呪縛の代償を与えている化生のものを開放することで代償を減らし、スピードを落とさずにいた。
「しかし、自分と同じ力を使う相手との戦闘とはそれはそれで学ぶことも多いものですね」
 アナリシスも同じく呪縛の代償を軽減させるべく、自分の状態を再解析するが、間に合わない。
「遅い!」
「ぐッ!」
 解析の隙を見て、祈は機械脚の連続蹴りを叩き込む。その衝撃で吹き飛ぶアナリシス。
「私もまだまだ…もっと強くなれる…」
 代償に蝕まれ、肩で息をしながら、祈は油断なくアナリシスを見据えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ドゥルール・ブラッドティアーズ
やっと愛し合えるわね、アナリシス❤
皇帝には、妃が必要でしょう?
私とエンゲージしましょ❤(婚約・交戦、両方の意味で)

『愛の想起・花と鳥の小夜曲』で自己強化しつつ
アナリシスの変身を封じ、精神を蝕むわ。
この愛と呪詛の歌を真似されても、互いの変身・強化を打ち消し合い
呪詛のダメージだけが残るから【呪詛耐性】の分、私が有利!

私の【呪詛】の歌も上乗せして
アナリシスが弱ってきたら抱きしめるわ!
靴のヒールで足を踏まれても離さない❤【激痛耐性】

人目も気にせず
猫のように体を擦りつけ
髪や背中、お尻を撫でて【誘惑】
濃厚な【生命力吸収】のキスで
二人は永遠になるの❤

貴方は 私の皇帝(だんなさま)
愛してるわ、アナリシス……❤


月守・咲凛
超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。
やはり撃つなら実弾に限ります。

ガチャンガチャンと武装ユニットをフルオープンしながらアナリシスに対峙します。
私の戦術はとてもシンプルですので……いきますよー!
いつも通りの全武装一斉発射ですが、私の弾薬は魔力で生成しているのですけど、アナリシスには魔力はあるのでしょうか?魔力なしで私と同じ事をやろうとしたら身体を削るしかなくなりそうですけど。

超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。
実はオフェンスの方が得意です。
撃ち合いを制することができたら、欠片も残さず塵になったアナリシスに超宇宙ゴールキーパーとしての最後の言葉を贈りましょう。


メイスン・ドットハック
【SPD】
なるほど、そっちに解析ソフトがあったかのー
一本取られたけど、破壊すれば問題はないのー

ユーベルコード「太陽神は全てを見通す」を発動
圧倒的な千里眼と相手の動作すら読み切る観察眼で、アナリシスの解析能力を上回る攻撃(バーチャルミサイル)を駆使(誘導弾、破壊工作)
攻撃は前座で、このユーベルコードを使わせることが目的
カウンターコードでこちらのユーベルコードを使わせたら、電脳魔術で作りだした閃光弾を使用
太陽の如き光で増幅した夜目を逆手に取り、眼球に大ダメージを与える
目が潰れている間に、ブラックタールに反応して大爆発を起こす爆弾をワイヤーで飛ばし、炸裂させる



●解析できないもの
「やっと愛し合えるわね、アナリシス! 皇帝には、妃が必要でしょう? 私とエンゲージしましょ!!」
 強烈な蹴りを受けた後、呪縛から逃れるために【降魔化身法】を一旦解除し、よろめきながら立ち上がるアナリシスに声をかけたのはドゥルールだ。だが、
「お断りする! 僕がなりたいのは皇帝ではなく銀河皇帝、オブリビオン・フォーミュラだ! 君に合わせるならば、僕は銀河帝国の夫となり、これから生まれてくるこの世界のの全てのオブリビオンの父となる!その邪魔になるようなことはやめてもらいたい。 まあ猟兵の君に言っても理解されないだろうしされなくても構わないけどね」
 もしかしたら別個体のアナリシスには届いていたかもしれないその言葉は、オブリビオン・フォーミュラを目指すことを強く志す彼には、その決意に水を差すようにしか聞こえていなかった。
「うふふ、頑固な貴方も素敵よ、アナリシス。ならその心、私が蕩かしてあげる。美しき半人半鳥の歌姫よ! そして、可憐なる花の精霊よ!」
 ドゥルールが【愛の想起・花と鳥の小夜曲】を発動させ、ハーピィとアルラウネを召喚する。
「オブリビオンを呼び出す力、過去のデータから解析済みだよ!美しき半人半鳥の歌姫よ! そして、可憐なる花の精霊よ!」
 アナリシスが【ミラーフォーム】でドゥルールの姿となり、【愛の想起・花と鳥の小夜曲】を発動する。
(この愛と呪詛の歌を真似されても、互いの変身・強化を打ち消し合い、呪詛のダメージだけが残るから、耐性の分、私が有利!)
 そう思っていたドゥルールだったが、アナリシスのそばに現れたのは『いまさっき自分が召喚したばかりのハーピィとアルラウネ』だった。
「ハーミア! アルル!」
 ハーピィとアルラウネの名前を呼ぶドゥルール。
「そのユーベルコードは不特定多数の種族の中から召喚するものでなくて、特定の個体を召喚するものだったからかな?相性的に解析しやすかったのもあったけど、支配権を奪うのは容易かったよ。どうかな?奪われる気持ちは?」
(それに、オブリビオンを呼び出す感覚、これをうまく掴めれば全てのオブリビオンを呼び出すオブリビオン・フォーミュラに近づけるかもしれない)
「あ……ああ…」
 自信満々に胸を反らすアナリシスにドゥルールはわなわなと震え、
「すごいわアナリシス!! この二人とすぐに仲良しになれしまうなんて! こうなら、この4人で愛し合いましょ!!」
「ヒッ」
 ドゥルールにはアナリシスへの情念しかなかった。
「何でそんな態度でいられる! 君の仲間を奪ったのに!」
「強引に奪ってくる貴方も素敵!!愛してるわ!!!」
「分からない…その感情は解析不能だ……」
 ユーベルコードやデータの解析が得意なアナリシスでも、人の感情を解析することは出来なかった。いや、感情を含めたデータ解析すらできると思っていた彼は、解析しようとして、見てはいけない物を見てしまったのかもしれない。
「まあいい、君を倒して、その後でゆっくりこの子達を解析する!行くよ、ハーミア!アルル!」
「いよいよ出番ね!」
「いっぱいあそぼ~」
 ハーミアの歌声で強化されたアルルの呪詛を込めた歌声がドゥルールに襲いかかる。だが、
「素敵!! もうそこまで使いこなせるのね!」
 ドゥルールも自身で呪詛を込めた歌を歌い、アルルの歌を相殺する。相殺しきれなかった分をその身に浴びるが、呪詛と痛みへの耐性で耐え切り、ゆっくりと歩を進める。
「来るな! 来るなあああ!」
 ドゥルールの姿を写し取った際に現れた短剣を手に、切りかかるアナリシス。

「ふふ、つ~かまえた❤」

 だが、短剣を肩に切りつけられるのも気にせずドゥルールはアナリシスを抱きすくめる。
「どんなに斬られようが離さないわ」
 そう言うとドゥルールはアナリシスのツインテールを外して本来の姿に近づけてから猫のように体を擦りつけ、髪や背中、お尻を撫でる。
「貴方は 私の皇帝(だんなさま)愛してるわ、アナリシス……」
 そう言うとドゥルールは先程の戦闘で出来ていたアナリシスの傷口に濃厚なキスをすると、そのまま彼の生命力を吸い始めた。
「ぐ…ああっ! アルル!全力で僕ごと攻撃しろ!こいつはこのままにしておけない!」
「わかった~。いっくよ~!」

「武装ユニット全開放、撃ちます!」

 アナリシスがドゥルールを倒すことに全力を向けようとしたその時、アナリシスめがけて集団、砲弾、ミサイルが降り注ぐ。咄嗟にハーミアとアルルがアナリシスをかばうが、その勢いは防ぎきれず、あたりが轟音と爆煙に包まれる。
「くっ」
 爆炎の中から【ミラーフォーム】を解除し、煤けた姿のアナリシスが転がり出てくる。
「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です。やはり撃つなら実弾に限ります」
「なるほど、そっちに解析ソフトがあったかのー。一本取られたけど、破壊すれば問題はないのー」
 攻撃した方に目を向けると、武装ユニットをフルオープンした状態の咲凛と、電脳空間を生成してバーチャルミサイルを呼び出していたメイスンだった。必殺の一撃を叩き込むために、完全に意識が別方向へ向く瞬間を伺っていたのだ。
「そうか、君達がいたのを失念していた。感情にとらわれて眼の前のものしか見えなくなる。こういうのも、実戦経験がないと身につかないものだね」
 かなりのダメージは与えたようだが、ハーピィとアルラウネがかばっていたせいか、まだ致命傷には至っていないようである。
「けど、さっきので僕を倒しきれなかったのは失策だよ!」
 アナリシスの全身が【カウンターコード】によって変形し、咲凛の武装ユニットを模した形となる。
「私の戦術はとてもシンプルですので……いきますよー!」
 アナリシスに再度武装を向けて【コード・アクセラレーター】による一斉掃射の構えをする咲凛。
(いつも通りの全武装一斉発射ですが、私の弾薬は魔力で生成しているのですけど、アナリシスには魔力はあるのでしょうか?魔力なしで私と同じ事をやろうとしたら身体を削るしかなくなりそうですけど)
「スペースシップワールドの住人にも魔力はあるけーの。僕みたいな電脳魔術士が使ったり、人によってはフォースやサイキックパワーって言う場合もあるんじゃけんどもなー」
 咲凛の狙いを感じ取ったのか、メイスンがぼそっと呟く。そしてこう続ける。
「じゃけん、僕にも策はあるけーの。ちょいと協力して欲しいじゃけんども」
「何すればいいの?」
「と言っても咲凛は撃ってるだけでいいけーの」
「作戦会議は済んだかな?何があろうと君達は僕が倒すけど」
 何かの気配を悟ったのか、アナリシスが武装を二人へ向ける。
「ほんじゃ、いくけーの!」
 メイスンが電脳ゴーグルを下ろし、ユーベルコードを発動させる。
「電脳の目と接続完了――これで見えんものはないのー」
 視力系の効果を高めるユーベルコード【太陽神は全てを見通す】により、千里眼の如き視力、夜目、動体視力、視認した物への分析力強化などが強化される。
「いっくよー!」
 咲凛が【コード・アクセラレーター】によってキャノン砲、ガトリング砲、ミサイルなどを撃ち込む。
「血迷ったのかな!強力な武器を持った僕に強力な眼を与えちゃって!」
 アナリシスは【カウンターコード】を更に発動させ、メイスンの心眼すらも自分のものにする。
「ハハハ、すごいじゃないか!弾丸の一つ一つが止まって見える!」
 自分に向かってくる弾丸だけを撃ち落とし、的確に反撃を撃ち込むアナリシス。メイスンがバーチャルミサイルを放ち、攻撃をある程度ちらしているが、少しずつ猟兵側が競り負けている。
「さて、前座はこのくらいかのー」
 だが、メイスンは落ち着き払った様子でグレネード弾を電脳魔術で生成、咲凛の腕部兵装ユニット内のキャノン砲にハッキングを仕掛けることで、そのデータを送り、グレネード弾を装填する。
「急ごしらえじゃけんども、問題なく発射できるはずじゃけー」
「よくわからないけど、いくよー! ファイア!」
 飛び交う弾幕の中、アナリシスめがけてグレネード弾が発射される。
「だから、そんなもの、僕には通用しない!」
 アナリシスの放ったキャノン砲が正確にグレネード弾を撃ち抜く。
「たしか、こういう時はこういうべきかのー、――」
 メイスンが何か言おうとしたのだが、その言葉はグレネード弾…正確にはフラッシュグレネード、つまり閃光弾の強烈な光と共に起きる爆音でかき消された。
「目が! 目があああああああ!!!」
 視覚を極限まで強化されていたアナリシスにとって、この強烈な光は遮光バイザー越しでも、目を潰すには十分だった。
「前が見えません!」
 閃光弾の影響を受けたのは咲凛もではあるが、
「安心せー。照準は僕が代わりに火器統制システムを動かして狙っとくけー、咲凛はそのまま撃ち続けー」
「あ、はい、わかりました!」
 ちゃっかり自分の目はしっかり守っていたメイスンは、その神眼を以て咲凛の攻撃をアナリシスへと導く。
「くっ、センサー作動…間に合え!」
 アナリシスも視覚以外の情報から相手を補足しようとするが、途中で攻撃中断不可能な【コード・アクセラレイター】の使用中のため、切り替えに手間取る。そうしている間にも、咲凛の攻撃がアナリシスの肉体を穿ってゆく。
「僕が! 僕がこんなところで! 僕は、銀河皇帝にならなきゃいけないのに!」
「皇帝になるには、解析した状況から大局を見通す力が足りなかったけーの」
 アナリシスの武装が、身体が、削り取られてゆく。その様子をメイスンは見届け、
「ほんなら、これでダメ押しじゃけー」
 電脳魔術で金属生命体に反応する爆弾をワイヤーガントレットを用いて飛ばし、炸裂させる。
「僕は―」
 爆弾やミサイルに身を灼かれ、ついにアナリシスはその身を欠片も残さず塵になった。

「超宇宙ゴールキーパーの咲凛です」
 仲間達が撤収してゆく中、消滅していったアナリシスを見送った咲凛は彼へ最後の言葉を贈る。
「実はオフェンスの方が得意です」
「もーこれ、超宇宙サッカー関係ないじゃろーて」
 メイスンからツッコミの言葉が入る。
「でもまー、帝国軍の残党から宇宙を守ったって意味では名キーパーかもしれんのー」
 メイスンの言葉に、咲凛はそれが言いたかったとばかりに胸を張るのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月10日


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#スペースシップワールド
🔒
#戦後


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種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠鏡繰・くるるです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト