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白虎にクチナシ、桜にはケンカ

#サムライエンパイア


 ――その町の自慢は、郊外に広がる「早生桜の苑」。
 かつて、とある豪商が調えたという広大な苑には、豪商の奥方が殊更に愛したという早咲きの桜が何百と植わっている。
 栄枯盛衰の理の通り、その豪商が没落して後、早生桜の苑は領主の預かりとなり、桜の世話は町ぐるみで行ってきた。
 故に、早生桜が満開となる春先の頃、苑は一般に開放され「桜祭り」が催される。町の人々が何より楽しみとしており、常は静かな苑も花見を歓ぶ人々で大いに賑わうのだ。
 今年も、その筈だったのに。
「えーっと、何て言うんやったかな……月にムラクモ、花にはアラシ?」
 独り言を呟く各務・瞳子(七彩の聴き手・f02599)は、考え込んだ表情から一転、にこやかに猟兵達を見回す。
「そんな訳で、町の人達が楽しみにしとる『桜祭り』を邪魔するオブリビオンが出現したんや」
 よりにもよって桜祭りの当日、「早生桜の苑」が、オブリビオンに占拠されたという。
「苑の中は『堕ちた白虎』……頭を喰われてオブリビオンになってしもた式神が、うようよ徘徊しとる」
 まずはこれを蹴散らし、掃討しなければならない。
「白虎は風を操るようや。あんまり暴れさせると折角の桜が散ってしまうさかい、一工夫必要かもな」
 そして、苑の中央は桜の木々に囲まれた広場となっており、そこにボス格のオブリビオンが待ち構えている。
「見た感じ、羅刹の男性やねんけど……一言で言えば、『喧嘩屋』やな」
 喧嘩――戦闘に狂う余り、数多の災いを撒き散らして自滅したであろう羅刹は、オブリビオンとして甦った時、これまた傍迷惑なユーベルコードを得た。
「1つは、喧嘩魂の籠った拳を交わす事で喧嘩衝動を湧き起こし、向かってくる者総てを喧嘩に巻き込む力」
 更には、無差別に眠れる本能を強制解放し、常に高速治療を発動し続ける戦場効果を一帯に及ぼすのだ。
「つまり、中央の広場を常人の限界を超えた喧嘩を繰り広げる『喧嘩祭り』の会場にしてしもとるんや」
 堕ちた白虎の群れは、この喧嘩祭りの参加に足るのか、そのテストといった所だろう。
「こんな祭り、一般の人にはまず無理や。高速治癒するのはお互い様やけど、そんな中で喧嘩屋を叩き潰せるのは『真の姿』を解放出来る猟兵だけって訳や」
 『喧嘩祭り』の領域は、今はまだ苑の中央広場に留まっているが、いつ拡大するかしれない。
「まだ被害を抑えられる今の内に、宜しゅうお願いするで」
 尚、首尾よくオブリビオンを平らげ、桜に甚大な被害が及んでいなければ、夕方より予定通り桜祭りが催される。提灯が幾つも吊るされる中、夜の桜の美しさは又ひとしおだろう。
「早咲きの桜やさかい、見頃たけなわの満開や。喧嘩で騒いだ血を鎮めてのんびり夜桜を楽しんできてな」


柊透胡
 こんにちは、柊透胡です。
 今回はサムライエンパイア、早生桜が美しい苑を占拠して、傍迷惑な喧嘩祭りを強行するオブリビオンを掃討して下さい。

 第1章で配下の「墜ちた白虎」との【集団戦】に勝利してボスの元に辿り着き、第2章の【ボス戦】で「傍迷惑な喧嘩屋」を撃破する流れです。
 第2章のボス戦は、強制的に「真の姿」で戦う事になります。(強制的なので、真の姿に変身する事自体は🔴なしでも大丈夫です)
 「真の姿」について、プレイングやステータスシートの設定などで触れていて戴ければ、描写の参考に致します。派手な喧嘩シーンを描写できればと考えています。

 首尾よくオブリビオンを平らげ、又、桜の木々に深刻な被害が無ければ、第3章で「花見で一杯」が楽しめるでしょう(桜の損害が酷ければ、その復旧作業のシーンとなります)。
 「早生桜の苑」は今が桜の盛り。提灯の灯に照らされた夜桜は又格別の光景です。
 仲間と賑やかに騒いで良し、恋人同士のでぇとも良し、独りで静かに花見も良し。存分に堪能して戴ければと思います。

●NPCについて
 お誘いプレイングがあった場合のみ、各務・瞳子(トンボ眼鏡のグリモア猟兵・f02599)は第3章の日常シーンのみ登場します。

 それでは、皆さんの熱いプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『堕ちた白虎』

POW   :    旋風
自身の身長の2倍の【3つの竜巻】を召喚する。それは自身の動きをトレースし、自身の装備武器の巨大版で戦う。
SPD   :    飄風
【触れるものを切り裂く暴風を纏った突進】による超高速かつ大威力の一撃を放つ。ただし、自身から30cm以内の対象にしか使えない。
WIZ   :    凱風
自身に【相手の動きを読む風の鎧】をまとい、高速移動と【かまいたちによる遠距離斬撃】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
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 苑に足を踏み入れれば、見渡す限り、薄紅の花霞――早咲きの桜は今が盛り。本来ならば、ゆっくりと桜並木を堪能したい所だけど。
 木々の根元を、闊歩するのは首なしの白虎。頭も無い癖に我が物顔に悠然と。その数、1頭や2頭ではない。
 かつては名家の守護獣であったともされる式神は、今や守るべき未来を暴風にて引き裂くオブリビオンとなってしまった。ひとたび敵を察知すれば、忽ち群れ成し襲い掛かってくるだろう。
 暴威に引導を渡せるのは、猟兵しかいない――。
宇冠・由
お花見のために頑張りましょう
(首を食べられた……誰に? もしかして)

相手は風を操る虎、炎を得意とする私とは相性余り宜しくありませんわ
火の粉が周囲に広がったら目も当てられません
なので今回地獄の炎は封印、ビーストマスターで戦いますの

【十六夜月】で狼たちを召喚
拠点防衛には心得があります、桜に気を配りながら狼たちに支持
竜巻が動きをトレースするなら白虎を桜のない道なりに走らせ誘導すれば被害は少ない筈
白虎に囮の狼をわざと追跡させおびき寄せ、伏兵の狼で一網打尽にします


(過去の記憶がなく、真の姿も自身で気づいていませんが、真の姿時にその一端が蘇る予定です)



(「首を食べられた……誰に?」)
 木陰より様子を窺う宇冠・由(宙に浮く焔盾・f01211)は、桜並木を闊歩する堕ちた白虎の姿に怪訝を覚える。
 もしかして――元凶に心当りは浮かぶも、今は追及を止めておく。
(「それにしても……相手は風を操る虎。炎を得意とする私とは、相性が余り宜しくありませんわ」)
 由はブレイズキャリバー。地獄の炎が周囲を巻き込んでは目も当てられない。
「私に力を貸して」
 故に今回、由が喚ばうは歴戦の狼の群れ。その爪牙は、敵を鋭く切り裂く。
 ――――!!
 狼の姿を認めるや、白虎も咆哮を上げて3つの竜巻を集める。ゴウと唸る風の螺旋は容易く木々の枝をへし折り、花を散らすだろう。
(「拠点防衛には心得があります」)
 狼達へ、矢継ぎ早に指示を出す由。或いは並木道沿いに動けば、被害も少ない筈。
 ガルゥウゥゥッ!!
 果たして、道なりを駆ける狼を追って突進してきた首なしの虎は、一斉に飛び掛かって来た伏兵の狼らに千々に切り裂かれ、霧散した。
「では、お花見の為に頑張りましょう」
 ――後は着実に、順々に白虎を屠るのみ。

成功 🔵​🔵​🔴​

クリーク・クリークフリークス
戦争であるか? なぁ、戦争であろう!? 戦争であるな!
喧嘩も戦争も等しく闘争。
容量を弁えれば花見に添えるつまみにもなろうが、
度を越したものは邪魔であるゆえさっさと叩き潰すである!

タケノコ・バタリオンで殲滅します。
戦闘知識14、敵の陣地に対する地形の利用12や破壊工作7、範囲攻撃3で
白虎をそれぞれ孤立させたり乱戦に巻き込んで統率を乱して
行動を制限したり味方をサポートしつつ
2回攻撃14で制圧します。

確か虎と言えば西の木行であったであろうか……
風を司るなら空気もちゃんと読めである!



「戦争であるか? なぁ、戦争であろう!? 戦争であるな!」
 クリーク・クリークフリークス(ブラックウォーメイジ・f02568)は何というべきか……そう、非常に生き生きとしていた。
 クリークにしてみれば、喧嘩も戦争も等しく闘争だ。
(「とは言え、度を越したものは邪魔である」)
 用量を弁えれば花見に添えるつまみにもなろうが……故に、さっさと叩き潰す!
 凡そ、猟兵達は苑内に散って戦っている模様。クリークの見える限り、同胞の姿は無い。
「単身で、群れと闘争するならば」
 白虎をそれぞれ孤立させる、或いは乱戦に巻き込んで統率を乱す――前者は戦場傭兵の経験を駆使し、地形も利用して追い込んでゆく。そして、後者ならば。
「戦争である! 戦争である! さぁ歓びを! 戦争である!」
 一帯を、無数のタケノコ大隊が埋め尽くす。根元から少年の顔を覗かせた巨大タケノコが号令すれば一気呵成。タケノコ大雪崩れが白虎の群れを席巻する!
 グルゥゥゥ――。
 悲鳴じみた雄叫びも忽ち掻き消していくタケノコ・バタリオン。
(「そう言えば、確か虎は西の木行であったであろうか……」)
「風を司るなら、空気もちゃんと読め! である!」
 誇らしげに穂先をわさわさ揺らし、タケノコの根元でどや顔が言い放った。

成功 🔵​🔵​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
一応、桜が散らぬほうが喜ぶ者も多いか

臘月で分体を喚び交戦
半数が魔眼・封絶で白虎を拘束
全力魔法の技術を転用し視界に捉える個体を最大数同時に

残る半数は魔眼・掃滅で拘束された白虎を消去
高速詠唱の応用で最速で消していく

いずれも桜の木に深刻な被害が及びそうで、束縛が間に合わなければ近い分体が代わりに受ける

本体は分体が討たれるなどして消えれば都度再召喚
広範囲に被害が及ぶ旋風を喚びそうなら魔眼・停滞で打ち消し


経験は風流を解すには未だ幼い
その方が良いことがあるとなれば出来る限り目指してはみる



「ふむ……」
 堕ちた白虎に仕掛ける前に、アルトリウス・セレスタイト(原理の刻印・f01410)は逡巡する。
「……一応、桜が散らぬほうが喜ぶ者も多いか」
 一見、眼光鋭い長身の青年ながら、その内実は風流を解すには未だ幼い。けれど……その方が良い事があるとなれば、出来る限り目指してはみよう。
 ――写せ。
 アルトリウスの周囲に出現したのは、数十もの彼自身の写し身。二手に分かれ、頭なき白虎の一群へ躍り掛かる。
 ――淀め。
 片や、心眼が捉え得る限りを世界の根源から魔眼の力で縛り。
 ――足元は見えているか。
 動きを止めた端から、異空へ放逐する原理を以て掃滅していく。
 大局で見れば圧倒的優勢。だが、アルリウスと全く同じ姿であり能力を持っていたとして、写し身の実態は謂わば『霊体』に等しい。又、彼自身、打たれ強さが些かのネックであり、能力バランスまで忠実に擬えているとなれば。
 ――――!!
 白虎とて諾々と掃討されるばかりではない。今しも、触れるものを切り裂く暴風を纏い突進。軌道の果ての桜の木を庇った写し身が、音もなく消える。
 とは言え、アルトリウスの表情は変わらない。
 ――写せ。
 写し身が数を減らせば、その都度、粛々と再召喚。数でも力でも、負ける気はない。

成功 🔵​🔵​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
……本当に傍迷惑な奴が出たね。
その魂魄諸共刈り取って、根こそぎ潰してしてやるよ。
――桜の下で、無惨に散れ。

音速を超えてダッシュし、先制攻撃のスライディングで堕ちた白虎達を掬い上げて吹き飛ばし……【断砲】で先ずはいっぺんに刈り取る。
その後に無数の残像を作り出して、数匹を取り囲み刻天炉を乱射。――焦れて突っ込んできた奴へは、刻天炉の大砲モード・壊銃形態の砲弾で潰す。

後は加速式充填で一時的に速度を引き上げ、伸びるドス・碧穿炉の二回攻撃で左右の地面を斬り裂き――フェイントで中央へおびき寄せる。
そしたら早業で準備を終えて再度【断砲】。即座に叩き切ってやるよ。
……本命はアンタ等じゃ無いからね。

※アドリブ可



 ――――!!
 戦の殺伐は伝播するのか、苑のあちこちで咆哮が轟く。
「……本当に傍迷惑な奴が出たね」
 だが、フロッシュ・フェローチェス(疾咬の神速者・f04767)の視線は、白虎が跋扈する更に向こう――苑の中央に通じる方向を見据える。
「その魂魄諸共刈り取って、根こそぎ潰してしてやるよ」
 トントンと、軽く爪先で地面を叩くや――フロッシュの姿が消える。
 ――まとう音すら、超えてやる……。
 次の瞬間、彼女のスライディングが堕ちた白虎共を掬い上げるように吹き飛ばす。擦れ違い様、裂断の足刀が刈り取っていた。
 瞬間移動――否。無数の残像生むスピードこそがフロッシュの生き甲斐であり、至高の武威。
 三連散弾銃型のガジェット『刻天炉』の乱射で数頭を仕留め、暴風纏い突進してきた1体を壊銃形態の砲弾で潰す。
「……本命はアンタ等じゃ無いからね」
 だからこそ、遠慮会釈なし。逆手の短刀・碧穿炉が刀身を伸ばしてしなるや、風を切って左右の地面を断つ。
「機械ブーツ可変完了――」
 飛び退いた白虎共が必然、中央に固まれば、待ち構えていたように地を蹴るフロッシュ――即座に、白の体躯を真一文字に叩き切った。
 後方でどうと倒れ霧散するオブリビオンは一顧だにせず、見開かれたフロッシュの右眼は、只管に苑の奥を睨め付ける。
「喧嘩屋、ワタシと遭った時が最期だ、覚悟しとけ」
 ――桜の下で、無惨に散れ。

成功 🔵​🔵​🔴​

須藤・莉亜
【飛空戦艦ワンダレイ】の皆と参加。
「喧嘩で体を動かして、お花見でお酒を飲む。うん、完璧なプランだね。」
お酒とお花見の為にいっちょ殺りますか。

僕は大鎌を28本に複製、20本を攻撃用に残りを防御用にして周囲に展開する。
攻撃用の大鎌で敵さんを【2回攻撃】して付けた傷を【傷口をえぐる】で更に広げていこう。
夜野が動きを止めた敵さんを優先的に攻撃していくかな。

レイの結界を盾がわりにしつつ、敵さんにあまり近づかないように立ち回る。僕や味方がヤバそうな時は防御用の大鎌で【武器受け】を使って防御。


尾守・夜野
【飛空戦艦ワンダレイ】で参加。

火事と祭りはエンパイアの華というが…いいねぇ!
滾ってくるぜ。

花見もしてぇからな。
回りに被害出さねぇよう気を付けるぜ。

鎖を持って待機し、相手が突っ込んでくる寸前にUC使って別人格の駄目に見せてる腹黒な【僕】を呼び出し二人になるぜ。

鎖を間にピンと伸ばして…絡めとって後タコ殴りにするぜ。
切れそうなら足元に伸ばすようにし転ばそうか。

切るってもラグあるだろうし、その一瞬の衝撃は防げねぇだろ。
皆!チャンスだぜ!


リリーナ・ロリポップ
【飛空戦艦ワンダレイ】で参加

わー立派なお庭!桜もキレイ!
……って、うわ首なし白虎うようよ居るね。
オーケーオーケーあたしに任せて!
ヘッドフォンからお気に入りの曲が掛かったら、テンションMAX!行っくよー!

UCで縦横無尽にインクを塗って(桜に掛からないように配慮しつつ)
夜野くんのつくってくれた隙に乗じて、白虎をペイントブキの柄で強打する!

敵の旋風は、レイさんの影の結界を風避けにしつつ、ペイントブキで地面を塗りながらスイスイ避けるよ。

(アドリブ歓迎です)


レイ・アイオライト
【飛空戦艦ワンダレイ】で参加。
首なしの白虎……しかも風を操るって桜を守りながら戦うってこと?まあ花見なんて滅多にできないし、良いタイミングかしらね。

あたしは【影ノ傷跡漏出:暗黒領域】で複数の影の結界を生成して、風を遮るように無数に配置するわ。動き回るのを阻害するようにランダムに配置よ。

皆に向く敵からの攻撃は結界で『オーラ防御』、 隙を見せた所で、影の結界の闇を利用して【変幻ナル闇ノ曙光】で白虎を『範囲攻撃』。

風を放ちそうになったら影の結界の中に閉じ込めて影の刃で攻撃する。
流石に周囲に強風を拡散させるわけにはいかないからね。 (アドリブ歓迎)


ネージュ・ローラン
【ワンダレイ】で参加。
綺麗な桜ですね。
オブリビオンとの戦闘で散らせるわけにはいきません。

桜の木を守ることを最優先で動こうと思います。
ヴェールを翻して【存在感】を出して相手の注意を引き、夜野さんの構える方へと連れて行きましょう。
その後はかまいたちが桜の木へ向かいそうなら【庇って】【絶対零度の霊衣】で防ごうとします。
あとは隙があればダッシュで接近して蹴り飛ばしてやりましょう。

お花見が楽しみです。



 単身で戦う猟兵がいる一方、旅団「飛空戦艦ワンダレイ」より参戦した5名は、一団としてオブリビオン殲滅に動く。
「喧嘩で体を動かして、お花見でお酒を飲む。うん、完璧なプランだね」
 その中で真っ先に動いたのは、須藤・莉亜(メランコリッパー・f00277)。ぼんやりと気だるげな挙措ながら、オブリビオンを見やる視線は血を求めるように剣呑を帯びる。
「いっちょ殺りますか」
 まずは白き大鎌を28本複製。内、8本を防御用に周囲に展開、後の20本を一斉に堕ちた白虎の群れに向ける。
 だが、白虎共が莉亜の鎌に注意を向けるより早く、白の毛皮を掠めるようにヴェールを翻すネージュ・ローラン(氷雪の綺羅星・f01285)。
「お花見が楽しみです」
 その圧倒的な存在感は、空を翔けんばかりのダイナミックな舞故か。芸術を解する感性も頭も無かろうに、白虎共は次々と旋風を、飄風を纏って突進する。
「朔月に墜ちる影、全てを塗り潰す暗黒の結界、具現しなさい!」
 一撃こそネージュの柔肌を裂くも、続く二撃目を遮ったのは、空間を暗黒で塗りつぶす結界。構築した結界の中は『法則』が独立しており、『法則の境界』は絶対不可侵領域という。レイ・アイオライト(潜影の暗殺者・f12771)のユーベルコード「影ノ傷跡漏出:暗黒領域」だ。
(「首なしの白虎……しかも風を操るって、桜を守りながら戦うってこと?」)
 領域越しにも判るぶち当たった風撃の強さに顔を顰めながらも、すぐ不敵に赤の眼を細めるレイ。
「まあ、花見なんて滅多にできないし、良いタイミングかしらね」
 白虎の風を阻むように、影の結界を次々と配置していく。動きも鈍らせるよう、敢えて規則性を排し、気ままに結界を敷いていった。
「虎さん、こちら」
 素早く傷口を縛ったヴェールがフワリと翻る。あくまでも優雅に、白虎を誘き寄せるネージュ。一路、首無し白虎の群れを桜並木の道沿いに引き連れて――。
 ――――!!
 唐突に張られた鎖のトラップを、ネージュは鮮やかな跳躍で回避する。だが、白虎共の駆け足はすぐに止まれない。
 次々と雪崩れるように倒れ込む獣躯、立ち込める土煙――大漁の成果に、鎖を握っていた尾守・夜野(墓守・f05352)は、もう1人の己と顔を見合わせニヤリとする。
「皆! チャンスだぜ!」
「オーケーオーケー、あたしに任せて!」
 快活に答えたリリーナ・ロリポップ(バーチャルキャラクターのゴッドペインター・f01947)は、お気に入りのミュージックスタート!
「テンションMAX! 行っくよー!」
 ヘッドフォンから聴こえるリズムに合わせてこころ赴くまま、白虎をキャンパスにライブペインティング!
 グガァァァッ!
「おっと!」
 怒れる旋風はレイの結界でかわし、リリーナは力一杯、ペイントブキの柄で強打!
「バラバラにした方がいっぱい血が出るよね?」
 すかさず、莉亜の鎌が強かに殴られた箇所を抉るように切り裂く。右から一撃、返す刃でもう一撃。得物は念力で動かし、当人はレイの結界越しにしっかりオブリビオンと距離を取っているのだから、周到だ。
 取って返したネージュもダッシュの勢いのままいっそ豪快に蹴り飛ばし、結界の闇と同化したレイは鉄さえも斬り裂く黒影の刃を無数に放つ。
「もういっちょやるか?」
 第一陣を瞬く間に殲滅し、夜野は企み顔で鎖持つ手を振る。
 ――――!!
 だが、猟兵達が応じるより早く、轟く咆哮。結界の防壁の向こうに集結した新手の白虎共は、次々と風の鎧を纏うや突撃を敢行する!
「何っ!?」
 咄嗟に現出した結界をひらりとかわされ、唇を噛むレイ。
「……うわ、まだまだうようよ居るね」
 ペイントブキで足下を塗りながら回避を試みるリリーナだが、カマイタチに地面を抉られ、ペイントが途切れて立ち止まった瞬間、跳ね飛ばされた。
「綺麗な桜、ですから……オブリビオンに散らせるわけにはいきません」
 それでも、桜は護らねば。奔るカマイタチの射線に立ち塞がり、ネージュは精霊の魔力を乗せたヴェールを一閃! 風撃の相殺を果たす。
「これ以上、強風を拡散させるわけにはいかないからね」
 レイもカマイタチを放たんとした1体を結界に閉じ込め、影の刃で貫いた。
「大丈夫?」
「ああ、いける」
 夜野に迫る風刃を、莉亜の鎌が弾く。感謝の笑みを浮かべ、少年は再び鎖を手繰る。
「火事と祭りはエンパイアの華というが……いいねぇ! 滾ってくるぜ」
 己の命を削る捨て身の攻撃で、堕ちた白虎が一矢報いたのも束の間。猟兵達が体勢を立て直すのも又即行。混戦の最中、再度巡らされたチェーントラップに、虎の咆哮が轟く。
「花見もしてぇからな。これ以上、被害は出さねぇようにしないとな」
 飄々と嘯き、夜野は雁字搦めの哀れな獲物を容赦なくタコ殴り。
「うん! 立派なお庭だし! 桜もキレイだし!」
 元気よく肯いたリリーナも、ポップにキュートに、ブンッとペイントブキを振るって引導を渡した。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『傍迷惑な喧嘩屋』

POW   :    喧嘩魂
【怒涛の拳打を繰り出し、喧嘩魂が籠った拳】が命中した対象を爆破し、更に互いを【爆破する度に強くなる喧嘩衝動】で繋ぐ。
SPD   :    殴り続けろ!
【ユーベルコード喧嘩魂を発動し拳による会話】を聞いて共感した対象全ての戦闘力を増強する。
WIZ   :    立ち続けろ!
【戦闘中は常時発動。戦場効果の敵味方識別】を代償に自身の装備武器の封印を解いて【真の姿を強制解放し常に高速治療する戦場】に変化させ、殺傷力を増す。
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 ――斯くて、堕ちた白虎の群れを平らげた猟兵達は、そのまま苑の中央へ急ぐ。
「……ハッ、遅かったじゃねぇか」
 桜の木々に囲まれた中央広場の更に真ん中で、羅刹の男が1人、仁王立ち。
「こちとら、いい加減待ちくたびれてんだ。さっさとおっぱじめようや」
 猟兵の数にも臆する風もなく、羅刹の男――『傍迷惑な喧嘩屋』は、人差し指でクイと差し招く。
「……っ!?」
 果たして猟兵が1歩、中央広場に足を踏み入れた瞬間――内から沸騰するような血の昂ぶりが全身を襲う。
「さあ、喧嘩祭りの始まりだぁっ!!」
 次々と真の姿に変じていく猟兵達を小気味よさげに眺め、喧嘩屋は呵々大笑した。
宇冠・由
熱い、身体が、熱い……!
(ヒーローマスクの頭部に火炎の身体を持つという変わった少女。マスクがひび割れ真っ二つに、そして地獄の炎から人間の体躯が現れる。白髪黒角、竜の尻尾を携え、まるでドラゴニアンと思わしき姿。一糸まとわぬ少女はすかさず炎のマントで身体を隠し、漆黒の双眸で喧嘩屋を睨む)

ここは……私は一体……?
(混在する記憶。今まであった記憶とは別の、全く覚えのない、けれども自分自身のものだと認識できるもう一つの記憶が頭の中で駆け巡る)

(とにかく今は敵を倒さないと)
【十六夜月】で狼を召喚
突然の出来事で戸惑う私の代わりに戦ってもらいます

※苦戦でも構いません



(「熱い、身体が、熱い……!」)
 リボンも愛らしいリスの面――宇冠・由は、燃え立つ少女が着けたヒーローマスクだ。そのマスクが真っ二つにひび割れるや、地獄の炎から人の姿が現れる。
「ここは……私は一体……?」
 白い髪に黒い角、揺れる竜の尻尾――ドラゴニアンと思しき、一糸纏わぬ少女は、すぐ炎のマントで身を覆い隠す。
 ――脳内を駆け巡り、混在する記憶。今まで在った記憶に違うそれは、全く覚えがなかった。けれども、自身のものと確信出来るのは何故か。
 確かに、ヒーローマスクとしての由は滅び失われた都に封印され、取り残されていた。自分が何者だったのか、本当の過去は判らない。
(「……とにかく、今は敵を倒さないと」)
 漆黒の双眸が喧嘩屋を睨むも、強制的に真の姿に変じた由は混乱していた。戦意をかき集めながら、身体が思うように動かない。
「私に力を貸して……」
 辛うじて絞り出した喚び声に、狼が集う。次々と牙剥き飛び掛かるが、詰まらなそうに鼻を鳴らした喧嘩屋はにべもなく叩き伏せていく。その光景を、由はもどかしげに見詰めていた。

苦戦 🔵​🔴​🔴​

アルトリウス・セレスタイト
悪いが俺はお前のやり方に付き合いたくない

付近の猟兵と協働し自身は支援に徹する

魔眼・封絶で拘束
目標の始動を抑える形で実行
短時間でも躓きが生じれば徐々に戦況は傾く

以後は魔眼の力を瞳の内で循環させ、内部に力を溜めつつ高速詠唱の技法を転用し小刻みに行動を阻害
主に目標が攻撃に転じる時と回避に移る時
細かな損害を重ねて味方の有利を固める

畳み掛けるに十分な状況にあれば、力を溜め込んだ魔眼に全力魔法の応用で更に力を重ねて解放
拘束の強度と時間を最大限強化し味方が最大火力を振るえるように

万一叩き切れなければ破天で追撃
周囲に被害を出さないように目標の頭上から掃射


ネージュ・ローラン
【ワンダレイ】で参加します。
喧嘩祭りにしては勝手が過ぎますね……。

「弁えぬ無法者に裁きを」
真の姿を解放。
ドレスのような戦乙女の鎧を纏い、背中には白と黒の一対の翼を広げ、冷たく凍るような視線を向けます。

拳による会話に付き合う気はありません。
まずは攻撃を誘い、相手の動きを【見切ろうと】します。
そしてその攻撃毎に【高速詠唱】で【氷装創出】を使用し、武器を作り替えながらカウンターを狙って戦いましょう。
こちらに向けられた全ての攻撃を正面から潰すつもりでいきます。
どこまでも冷酷に。



(「喧嘩祭りにしては、勝手が過ぎますね……」)
 背中に白と黒の一対の翼を広げ、ドレスのような戦乙女の鎧は涼やかに。
「弁えぬ無法者に裁きを」
 拳による会話になど、付き合う気はない。まず攻撃を誘わんと、ネージュ・ローランは冷たく凍るような視線をオブリビオンに向ける。
 ―――!!
 薄笑いを浮かべ、悠然と間合いに踏み込んできた喧嘩屋は、一気に怒涛の拳打を繰り出してくる。紙一重で見切ったネージュの掌中に、形作られるのは氷の武装。
 ――集え氷精、其の力を凍てつく刃と成せ。
 狙いはカウンター。全ての攻撃を正面から潰す気概で、何処までも冷酷に。
(「悪いが、俺はお前のやり方に付き合いたくない」)
 やはり内心で吐き捨て、アルトリウス・セレスタイトはネージュの支援に動こうとする。
 短時間でも躓きが生じれば、戦況は徐々に傾くもの――魔眼の力を循環させ、高速詠唱の要領で喧嘩屋の動きを阻害せんと。
「な……っ」
 だが、ユーベルコード発動の寸前、ギロリと喧嘩屋に睨め付けられ、一足飛びに間合いを詰められた。怒涛の拳打がアルトリウスを捉えるや、爆ぜる。同時に、心底から湧き上がるのは、殴り返したいという原始的な衝動。
「……此処まで来て小利口とか、興醒めもいい所だぜ」
 喧嘩屋の呟きは怒気を含んでいた。敵の土俵に立った以上、真っ向から則に反しようとすれば、苦戦は免れない。
「おらおら! 殴って来いよ!」
 羅刹の握る拳に力が増す。だが、喧嘩魂が共鳴しての戦闘力の増強は、反発した2人には埒外だ。
「……っ」
 アルトリウスの魔眼が喧嘩屋の動きを幾許か阻んだとして、ネージュの氷装が穿つ傷は端から癒されていく。場を支配する治癒の速度に、未強化のネージュの火力が追い付けていないのだ。
(「細かな損害、どころではないな……」)
 アルトリウス自身、込み上げる喧嘩の衝動を堪えながらの支援は、精彩に欠く。
 畳み掛けるのに十分な状況には――程遠い。

苦戦 🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

尾守・夜野
【ワンダレイ】の皆と行動
俺のコミュ力(拳)が唸りをあげるぜ

…喧嘩なら武器なんぞ不要だろう。
まぁ最終的には滅するんだが。

おい!てめぇ!ツラ貸しな!この場じゃ余計なもんが気になって集中できん!

…喧嘩を楽しみてぇんだろ?
すぐに全力で相手してやるからよ!
おら!祭りの会場に移動してぇ奴らはそこを動くな!

精神世界(元々住んでた村)に団体様ご案内だな。

中にいる別の人格?
…俺の人格は結構いるぞ。
どんな口調、性格かは任せる。

真の姿は全身黒剣が内側から突き出てる姿だな。
ヒビ、継ぎ接ぎ。
黒剣がそれを繋いでる感じだな。
要はまち針。

中で暴れるが俺同士は反りが合わんから乱闘になる。
って…皆もはっちゃけてるな負けられねぇぜ



「おい! てめぇ! ツラ貸しな!」
 同じ旅団仲間の苦戦も手伝い、横槍の拳が強襲する。黒剣が内側から突き出た姿は、至る所がヒビ割れ、継ぎ接ぎ。マチ針のように黒剣で全身を繋いでいる呈だ。
「この場じゃ余計なもんが気になって集中できん!」
 尾守・夜野の真の姿だ。文字通りの剣呑だが、喧嘩に武器は不要とばかりの徒手空手。
(「まぁ、最終的には滅するんだが」)
「おら! 祭りの会場に移動してぇ奴らはそこを動くな!」
 小さな家なら覆い尽くす程の大魔方陣を敷き、夜野は声を張る。
 それはある意味、危うい賭けだ。
 夜野の「俺の世界」の入り口は、抵抗しない者にしか開かれない。喧嘩屋に拒否されればそれまでだ。
「……喧嘩を楽しみてぇんだろ? すぐに全力で相手してやるからよ!」
 睨み合う事暫し――あくまでも居丈高な夜野に、喧嘩屋はニヤリと牙を剥く。
「……ハッ、のっけからイラついてたんだ。河岸変えるのも悪くねぇだろ」

「団体様、ご案内だな」
 そこは、夜野の精神世界――元々住んでいた村を象っているという。
「何だぁ、あれ」
「……俺の人格は結構いるぞ」
 続々と姿を見せるのは、夜野と似て非なる――多重人格者である彼の他人格達。敵対者には蛸殴りを、友好であれば歓待を。
「面白れぇ」
 喧嘩屋から立ち上る闘気が散じるや、忽ちタマをやり取りする鉄火場に塗り替えられる。
「さあ、仕切り直しだぁっ!」
 胴声に夜野の他人格も次々と身構える。
「カカッ! ショバ代代わりだ、てめぇらもかかってこいや!」
(「『俺』同士も反りが合わんからな……乱闘になるぜ」)
 夜野がちらと周りを窺えば、『同意』した者ばかり故か、誰もがはっちゃけた獰猛な空気。
「俺も、負けられねぇぜ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

クリーク・クリークフリークス
喧嘩屋殿とやらに、一つ喧嘩の必勝法をご伝授しようかである。
答えは簡単。
相手より大人数で囲んで叩けばいいである!
棒とか使うとなおよしであるが、ここは素直に殴ろうである1

タケノコ・バタリオンで攻撃します。
タケノコ大隊みんなで囲んでぼこぼこに殴ります。
先制攻撃3、グラップル2を殴る威力に足します。

さぁ殴り合おう、れっつ血祭りフェスティバルである!



 タケノコの皮が蓮華の開花のように割れる。中から現れたのは、結跏趺坐した少年僧――その全体がブラックタールという己が肉で象った、クリーク・クリークフリークスの真の姿だ。
「喧嘩屋殿、1つ喧嘩の必勝法をご伝授しようかである」
「そういうのをな、ブッダに説法ってんだよ!」
 羅刹の拳打が激しく爆ぜる。心底より湧く喧嘩衝動にニィと笑みが零れるクリーク。元より闘争好き。堪える理由が無い。
「何、答えは簡単。相手より大人数で囲んで叩けばいいである!」
 クリークの周囲に、タケノコ大隊が雨後の如くボコボコと。
「さぁ歓びを! 喧嘩である!」
 早速、喧嘩屋をボコボコに殴るべく、大挙して押し寄せるタケノコ・バタリオン。
 棒とか使うと尚良しだが、ここは素直に殴ろう……というか、タケノコの拳って何処?
「さぁ殴り合おう、れっつ血祭りフェスティバルである!」
「応ともっ!」
 次々と圧し掛からんばかりに襲い来るタケノコ群を、喧嘩屋もボコボコに殴り返す。
 ガキィッ!
 次なるタケノコ大隊召喚の前に、迫る拳を真っ向か受けるクリーク。
「やるじゃねぇか」
「拙草は戦争であれば!」
 共鳴し合う喧嘩魂が、治癒のスピードを越えるのはどちらが先か――更なる殴り合いは、熾烈を極めていく。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネリー・マティス
わーい!祭りだ祭りだー!荒っぽい祭りも好きだけど、迷惑をかけるのはよくないよ!
というわけでさっそく真の姿になるよ!(真の姿は、身長4m超、横幅5m超の筋肉、体が膨れ上がった、顔はそのままの巨大な姿)
巨大化した体で爆発を耐えつつ、【グラップル】【怪力】を用いた格闘戦!殴りに足踏み、掴みからの握り潰し!喧嘩屋さんと大立ち回りを演じるよ!
どっちが化け物かわかんないかもだけど……たまにはこういうのもいいよね!



「わーい! 祭りだ祭りだー!」
 元気な女の子の声と共に、ズゥゥゥンッと重々しい地響き。
「わたしも荒っぽい祭りは好きだけど……迷惑をかけるのはよくないよ!」
 顔立ちは寧ろ幼げ、声音は年相応。だが、ネリー・マティス(大きな少女・f15923)の首から下は……見上げんばかりの巨体。膨張した大胸筋や三角筋、上腕筋で、真の姿は横幅の方が寧ろ広い。
 ――――!!
 爆ぜる拳打も構わず、ネリーは僅か一歩で間合いを詰め切る。応酬の拳を繰り出す腕は、丸太の如く。
「捕まえた!」
 喧嘩屋の長躯を倍する体格で掴み掛かり、握り潰す。メキメキと物騒に骨を軋ませながら、喧嘩屋はニィと唇を歪める。
「いい身体じゃねぇか、けどな」
 バキャァッ!
「顔面ももっと鍛えやがれ!」
 力任せの頭突きを眉間に喰らい、よろめくネリーの掌から滑り落ちる喧嘩屋。流石にこちらも無傷と行かず、踏ん張る姿勢。睨み合う間に、ダメージが急速に治癒されていく。
「まだまだぁっ!」
 ネリーはいっそ愉しげに叫ぶ。組んだ両腕を勢いよく頭上から叩き付け、踏みつけんと足を振り上げる。両腕を翳して脳天割りをブロックした喧嘩屋は、ネリーの軸足にすかさずスライディング。
 ドォォォォォンッ!!
 地響きが大地を震わせ、もうもうと土煙が舞う。下手に近付けば、巻き込まれ轢き潰されるだろう大立ち回り。
(「どっちが化け物かわかんないかもだけど……たまにはこういうのもいいよね!」)
 喧嘩衝動の赴くまま、ネリーはベアハッグで圧し潰すべく腕を開いて突進した。

成功 🔵​🔵​🔴​

フロッシュ・フェローチェス
……これが情報にあった強制移行……?!
でも真の姿が、未だ安定しないなんて……。
ならこの姿も把握するまで。――その果てに潰れて散れ。
この体じゃ刻天炉は撃てないし、徒手空拳で行こう。
拳を放つ度に銃器が火を吹く二回攻撃を起点にした早業連撃で攻め立てる。

超脚力で残像もより多く作れそう。
コレで隙を作り、背中の銃を発砲し勢い付ける異質な前方ジャンプで突撃。
乱射合わせて蹴っ飛ばすよ。

生憎とアタシは卑怯でさ。だから殴りかかるフェイントをかけ、だまし討ちで銃火器乱射も良いかもね?
とか言って油断してると空中戦の妙を活かした落下踏み付け、行くよ?

トドメは【翠碧迅殴】。
砲弾搦めてかっ飛ぶ拳で、砕け散れ。

※アドリブ歓迎



 意図せぬ真の姿への変貌に、フロッシュ・フェローチェスは戸惑っていた。
 端的に表すならば、バイオマシノイド――鋭利な角が右側頭から伸びるアシンメトリー。体中に様々な銃器や文様が浮かぶ。
(「……少しは安定したか?」)
 特に長くなった脚部は逆関節で、馴染むまで仕掛けられないのがもどかしかった。
(「だが、この姿も把握するまで」)
 ――その果てに潰れて散れ。

 全身に銃器を生やした姿で、愛用のガジェットを扱うのは厳しい。だから、徒手空拳で――動けるようになるや、連撃で攻め立てるフロッシュ。拳を放つ度、銃器が火を噴く。
「喧嘩に飛び道具たぁ、イッパシの邪道じゃねぇか」
「こっちもアタシ自身だからね」
「カカッ、そりゃあ、便利なこった」
 銃創をも高速治癒しながら、愉悦を滲ませ怒涛の拳を放つ喧嘩屋。
 ――――!!
 フロッシュの得物は銃器ばかりでない。超脚力を駆使して残像を重ね、背の銃器をジェット噴射代わりに突撃。蹴りを繰り出す。
「生憎とアタシは卑怯でさ」
 あくまでステゴロの相手に、銃火器乱射も躊躇なく。かと思えば、跳躍から頭を踏みつけんと。
 だが、敵も然るもの。寸前でフロッシュの脚を掴んだ腕が、力任せに地面へ叩き付ける。
「……か、はっ!」
 全身を衝撃に震わせながら立ち上がると、急速に痛みが引いていく――今度こそ、仕留める!
「潰れ、壊れ、微塵に……砕けろっ!!!」
 真の姿となって尚、異形なるフロッシュの右眼がカッと開く。喧嘩屋の動きを捕えるや、全身より迸る砲弾。同時にかっ飛んだ拳が厚い胸板を抉り込む。
「ぐ……ゴフ……」
 血反吐をぶちまける喧嘩屋。それでも……倒れない。
「さあ、来いやぁっ!」
 全身朱に染めながら、羅刹の男は心底愉しげに、吼えた。

成功 🔵​🔵​🔴​

レイ・アイオライト
【ワンダレイ】の皆と参加。
「喧嘩、なんて……生易しくないわよ。あたしはね」
さて……それじゃあ行きましょうか。
『真の姿』黒と金のドレス、雷剣の二刀流、幾何学模様の漆黒の光背、周囲に浮かぶ暗赤色のダガー、性格は更に冷静沈着、据わった視線。

暗赤色のダガーが影から無数に出現、圧倒的な物量で『範囲攻撃』、即座に近づいて雷剣の二刀流『クイックドロウ・マヒ攻撃・傷口をえぐる』わ。
漆黒の光背があたしの身体を即座に『目立たない』ように影の中に沈み込ませる。
『殺気・恐怖を与える・だまし討ち』で連撃、仲間と入れ替わるように攻撃するわね。

……暗殺者が正々堂々と『喧嘩』なんてするわけないでしょ。


リリーナ・ロリポップ
【ワンダレイ】で参加
ごくり。喧嘩屋のただならぬ気配に圧倒されるけど…戦うのも真の姿になるのも、みんなとなら怖くないよ
「け、喧嘩上等っ!」

真の姿を解放すると、脳裏に響くプログラム音声
『リミッターを解除しますか?』
『yes』
それを選択した瞬間、電気信号が身体中を駆け巡り、瞳が真紅に染まる
瞳と髪の色が赤く染まり、万能感を得てほくそ笑む

「あたしに着いてこられるかな?」
挑発しつつUCを放つよ。避けられても、塗りつぶした地形を踏んで跳躍
身軽に苑内を飛び跳ねながら、味方とかわるがわる繰り返し攻撃
激しい攻防の最中も、楽しくて堪らない様子で笑い続ける
回復が追いつかないくらい、塗料を掛けまくる
アドリブ歓迎です


須藤・莉亜
【ワンダレイ】の皆と参加
「あ、これ後でめっちゃ疲れるヤツ…。」
…良いぜ良いぜ、喧嘩上等‼︎派手に遊ぼうぜッ‼︎

『真の姿』
髪は白く染まり、左目は金に右目は白く濁った目に。背中から大鎌の刃を羽のように生やした天使っぽいヤツに。さらにテンションが戦ってる最中にどんどん上がっていく変な性格に。

大鎌を28本に複製し自分の周囲に展開、縦横無尽に動かしながら敵へ突っ込むぜ。

大鎌の攻撃で敵の手足を斬り刻んで、その隙に【吸血】。肉を喰い千切る勢いで噛み付いてやらァ‼︎

「クハハハッ‼︎もっとだ、もっとオレに血を寄越せ‼︎」



 連闘に次ぐ連闘で、とうに限界を超えている筈の喧嘩屋は、いまだ獰猛な笑みを浮かべて立ち続けている。
 ごくり。喧嘩屋の只ならぬ気配に圧倒され、無意識に咽喉を鳴らすリリーナ・ロリポップ。だが、すぐに取って代った万能感にほくそ笑んだ。
(「戦うのも真の姿になるのも、みんなとなら怖くないよ」)
 リミッター解除したリリーナの瞳と髪は真紅に染まり、電気信号が身体中を駆け巡っている。
「け、喧嘩上等っ!」
「良いぜ良いぜ、派手に遊ぼうぜッ!!」
 リリーナに応じて、高らかに叫ぶ須藤・莉亜。その真の姿は、常の紫の髪は白く、紫の眼は金と濁白に変じている。何より目を引くのは、鎌刃の翼。剣呑なる天使の如きは殺伐の気に中てられたか、テンション急上昇中……後でめっちゃ疲れるかもしれないが、そこはそれ。
「喧嘩、なんて……生易しくないわよ。あたしはね」
 一方、レイ・アイオライトは冷ややかに言い放つ。黒と金のドレスを纏い、得物は雷剣の二刀流。漆黒の光背は幾何学模様を描く。
「さて……それじゃあ行きましょうか」
 据わった眼が、喧嘩屋を捉える。正しく、獲物を見る眼差し。
 ――曲者は、『高速治療』だ。
 先に挑んた猟兵達の火力は、それぞれに重く猛々しかった。だが、喧嘩魂の共鳴で戦闘力が増して尚……癒し続ける戦場に在って、押し切るには至らなかった。
 故に3人は息を合わせ、一斉に仕掛ける。
「あたしについてこられるかな?」
 不敵に挑発しながら、蛍光塗料を投げ付けるリリーナ。初撃はかわされるも、構わず塗り潰した家屋の壁を蹴って跳躍。すかさず、莉亜が愛用の白き大鎌を最大限複製、周囲に展開。縦横無尽に操りながら突進する。
 喧嘩屋の拳が爆ぜれば、応酬はレイの影より出し無数の暗赤のダガーだ。圧倒的な物量で面攻撃を敢行する。
「アハハハッ! こっちこっち!」
 入れ替わり立ち代わり、間断なく攻撃する3人。時に喧嘩屋に閃き、時に反撃を被りながら、リリーナの笑い声は絶えない。楽しくて堪らないようだ。
「クハハハッ!! もっとだ、もっとオレに血を寄越せ!!」
 莉亜も哄笑しながら大鎌を振るう。手足を切り刻むだけでは足りず、肉を喰い千切らん勢いで噛み付き、血を啜った。レイは一気に間合いを詰め、雷気纏う二刀流で莉亜が穿った傷口を抉る。
(「……これは」)
 ――やがて、レイは気付く。一貫して激しい筈の喧嘩屋の拳の勢いが、ここに来てほんの僅かに、緩んだ事を。
 確かに、敵味方問わず『傷』は癒え続けている。だが、『疲労』は……喧嘩屋の体力は、長時間に渡る猟兵との『喧嘩』で着実に消耗していたのだ。
「どうした、どうした! この程度で終わりじゃないだろう!」
 レイの目配せに察したか、声高に煽る莉亜。リリーナは只管に塗料を掛けまくる。喧嘩屋の動きに生じた僅かな淀みを突き、2人が攻勢で圧した次の瞬間。
「……暗殺者が正々堂々と『喧嘩』なんてするわけないでしょ」
 終焉は、唐突。漆黒の光背に紛れ、影に沈んだレイの黒刃が無数に喧嘩屋に突き刺さる。
 ――――。
 果たして、その騙し討ちに、喧嘩屋は殺気や恐怖を感じただろうか。
 少なくとも、レイのユーベルコードが齎したのは、欠片の治療も許さぬ――即死、であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 日常 『花見で一杯』

POW   :    花より団子。ひたすら食べて飲みまくる

SPD   :    まずは花見の準備だ。食べ物や場所の確保

WIZ   :    花見は風雅に。花をまずは愛でよう

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 猟兵達の奮闘で、オブリビオンが強行した喧嘩祭りは終結する。
 猟兵らの努力の甲斐もあって、早生桜に大きな被害はなく、「桜祭り」は予定通り開催されるようだ。
 今は中央広場にて、屋台が急ピッチで設営中。日が暮れて祭りが始まれば、大いに賑わうだろう。
 既に猟兵達も、真の姿が解かれている。町の人々に入り交じり、今が盛りの桜を眺めるもよし、屋台を巡るもよし。お手製の弁当を広げるのも、いっそ屋台を出してみるのも悪くない。
 提灯が幾つも吊るされる中、夜桜の美しさは又ひとしお。喧嘩で騒いだ血を鎮め、長閑に、或いは賑やかに、『花見で一杯』は如何?
宇冠・由
(舞い散る桜を遠くに見ながら、ひとりで今回の戦いについて振り返り)

あの記憶は……もう一つの、別の今を生きた私……?
(気づいたら元に戻っていた姿。いつもの自分、ヒーローマスクの本体。自分の身体の仮面が砕けて、肉体が出てきたのなら――)

(もう一度、今度は自らの意思で仮面を割り、白髪長髪、黒角の人型のドラゴニアンの少女となります。そしてその姿のまま、お花見を堪能します)

なるほどなるほど、それなら――まずは、この姿でお団子を沢山食べたいですねっ



 ふわり、はらり――。
 提灯の明かりを透かすように、夜桜がひとひら、ふたひら。
(「あの記憶は……」)
 宇冠・由は独り、或いは1面で、舞い散る桜を遠目に今回の戦いを振り返る。
(「……もう1つの、別の今を生きた私……?」)
 真の姿を強制する戦場に、現れた姿。ヒーローマスクである由は、本体たる仮面が砕け、人型が出でた。
「今なら……」
 先刻をそのまま準えば――自ら本体を割るというのは、少しばかり勇気が要ったけれど。
 ――パキリ。
 存外に軽い音を立てて、真っ二つとなったリスの面を足元に、ドラゴニアンの少女は長く白い髪と黒角を揺らして小首を傾げる。
「これが、ワタクシノスガタ……なるほどなるほど」
 すぐ合点の入った表情になると、何だか嬉しそうに笑み零れる。
「なら……まずは、お団子を沢山食べたいですねっ」
 確か、中央広場の屋台に、美味しそうなお団子屋さんがあった筈。何から食べようか、なんて思い描きながら、由の足取りは浮き浮きと弾むようだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ネリー・マティス
ふう……そうだ、喧嘩はもう終わったんだ……。おだんごを食べながら、人気の少ない所でのんびり静かに桜を見るよ!見上げれば視界を覆う満開の桜、さっきまで激しい喧嘩が行われていたとは思えない光景……。いつしかおだんごを食べることも忘れ、静かにたたずむ桜を眺めるよ。



 アッと思う間もなく、グングンと目線は下がり――気が付けば、元の広場の真ん中にいつもの姿で立ち尽くしていた。
(「……そうだ、喧嘩はもう終わったんだ……」)
 昂る血の気を鎮めるように、ネリー・マティスは溜息を零したものだ。そうして、喧嘩の余韻に浸る間に、祭りの仕度は滞りなく。
 今はお団子を買い込んで、花見の喧騒から離れた木の下に腰を下ろす。
「どれから食べようかなっ」
 幾つもの包みには三色団子にみたらし団子、よもぎ団子に餡団子。どれも美味しそうで、目移り仕切り。手始めに三色団子をパクリとすれば、仄かな甘さに体の強張りも解けていく。成程、看板に偽りなしの絶品だ。
 のんびりと舌鼓を打ちながら見上げれば、視界を覆う花霞。ぽつり、ぽつりと灯る提灯に、夜桜が淡く照り映える。
「さっきまで、激しい喧嘩が行われていたとは思えない光景……」
 乙女だって、偶には団子より花。いつしかお団子を食べる事も忘れ、ネリーは静かに満開の桜に見入っていた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

フロッシュ・フェローチェス
……終わったね。
少し、疲れたよ……覚悟して臨んでいたけどさ、流石に暴かれた時に何も思わないと――何も消費しないと言う訳じゃないしね。
兎に角。
事は済んだんだ、夜桜を静かに楽しんでみよう。
……その前に食べ物と飲み物を買い込んで……。

それにしても、綺麗だね。
昼間の桜しか知らなかったし、こういうのは初めて見たから、なんか……幻想的で心に染み入るみたいだ。
何処か、儚げでもあって……。

ちょっと思い出しちゃったな、真の姿の事。
毎度姿が変わる「真」。
グチャグチャなアタシの“中身”と、何か関係があるんだろうか。
……アタシの過去と、その真実と。

――ううん、今は祭りだね。
アタシなりに目一杯、楽しもう。

※アドリブ歓迎



 夜桜を見上げ、フロッシュ・フェローチェスはしみじみと感じ入る。
(「……終わったね」)
 じんわりと覚える疲労感は、身体的なものばかりではない。
(「覚悟して臨んでいたけどさ」)
 当人の意向など一切構わず、真の姿を暴かれて、流石に何も思わない……消費しない訳ではないのだ。
 ――兎に角。
 オブリビオンは骸の海へ還し、町の人々が愛する桜の苑も無事。猟兵としてやるべきは果たした。今は、夜桜を静かに楽しもう。
「それにしても、綺麗だね」
 腰を落ち着ける前にしっかり買い込んだ物を飲み食いしながら、花見に興じるフロッシュ。桜と言えば真昼の華やぎしか知らなかったから、夜闇の灯に浮かぶ光景は……何だか幻想的で、沁みるよう。
「……」
 いっそ儚げな様相を堪能しながら――ふとした瞬間、思考が立ち返るのは、心底に蟠りがあるからだ。
 毎度姿が変わる、フロッシュの『真』。
(「グチャグチャなアタシの『中身』と、何か関係があるんだろうか……アタシの過去と、その真実と」)
 ゴクリと飲み下した茶が、苦い。
「……ううん、今は祭りだね」
 アシンメトリーの双眸を瞬き、フロッシュは敢えて笑みを浮かべる。
「アタシなりに目一杯、楽しもう」
 草餅の包みを解きながら、自らに言い聞かせるように呟く。そうして、摘んだ蓬色に花弁がひとひら、あわやかに彩った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

リリーナ・ロリポップ
【ワンダレイ】で参加
みんなお疲れ様ー!
屋台が色々出て盛り上がってるねっ。
ワクワクきょろきょろしながら歩き回りつつ、夜野くんが確保してくれた桜の下の瓦版に座るよ。
レイさんと夜野くんが買ってきてくれた屋台のご飯や桜餅をみて、目を輝かせていただきまーす♪
あたしはスナック菓子をパーティ開けして、はいどーぞって振る舞いつつ、炭酸ジュースのペットボトルを抱えてゴクゴクぷはー!
夜桜を見上げたら、幻想的でとってもキレイ。激しい戦いだったけれど、散らずに守れて良かったな。
ネージュさんの舞をうっとり見惚れて、終わったら拍手を送るよ。
あっ、莉亜さん元気になってきたね♪よかったー!
(アドリブ歓迎です)


尾守・夜野
【SPD】【ワンダレイ】の皆と参加

一等綺麗に見える場所を確保する
そこらの瓦版を敷くだけだが

…須藤平気か?
きついなら休むか?

声かけてから飯とおかずを求めて屋台へ

レイが片っ端から買うみてぇだし反対側の極少量だな
食いきれなくなりそうだし
だが分けられるようにしとくぜ

…普段エンパイア的な飯は作らねぇから新鮮だ
二八蕎麦屋や煮売り屋を探してみる
つまみに成りそうな煮付けがあるといいんだが…

戻ったら飯の後にちょいと菓子でも摘まむ

桜を見上げながらの桜餅
いいねぇ

桜餅だけじゃなくてスナック菓子もか!いただくぜ

舞と桜を眺めながらの一杯(ジュース)は最高だぜ

なお甘党な上に量は食べない
(買ってくるのは普通のだし飯も喰うが)


レイ・アイオライト
【ワンダレイ】の皆と参加。
喧嘩の後の落差についていけそうにないわよ……。
桜餅と甘酒を用意、真の姿やるのも結構しんどいわね……ゆっくりと花見をするとしましょうか。
屋台もあるなら片っ端から買ってくるわよ。

あ、リリーナのスナック菓子もらうわね。莉亜にはツマミのチーズでもあげましょうか。……完全に低燃費モードなのね。
ネージュの舞も神秘的ね。

……うん、樹に寄りかかりながら頭上の桜を見るのもいいかもしれないわ。
月光と屋台の光で映えるわね。(アドリブ歓迎)


須藤・莉亜
【ワンダレイ】の皆と参加
「うぅ…だるいぃ…しんどい…。」
でも、お酒は美味しい…。

持ち込んだ缶ビールを飲みながら、だらだらお花見といこうかな。
「綺麗な桜だなぁ(ひたすら缶ビールを飲んで回復中)」

夜野には休んどけば大丈夫とを告げて、ついでに屋台に行く人たちにツマミを頼もう。
「まあ、のんびりしてたらそのうち回復するよー。あ、ツマミがあればもっと早く回復しそう。」
桜とネージュの舞のコラボレーションを見ながら、買って来てもらったツマミを食べつつ缶ビールを飲んでたら、そのうち元に戻るでしょ。


ネージュ・ローラン
【ワンダレイ】で参加。
流石に疲れてしまいましたね。
皆さんもお疲れ様です。
桜を守れてよかった……。

夜野さんが確保してくれた場所で皆さんと花見をしましょう。
リリーナさんが持ってきたお菓子やレイさん夜野さんが買ってきてくれた屋台のご飯もいただきます。
て、この量は食べきれますかね……?
こんな幻想的な景色を見ていると疲れも忘れて踊りたくなってきます。
舞い散る桜の中でクルリと舞を披露しましょうか。
ただしあくまで主役は桜、その美しさを邪魔しないように。



「……ああ、いい感じだ。ここら辺が良さそうだぜ」
 祭り仕度の間に、桜が一等綺麗に見える場所に見当付ける尾守・夜野。早速、瓦版――所謂、新聞紙を敷いて場所取りだ。
「うぅ、だるいぃ……しんどい……」
「須藤、平気か?」
 須藤・莉亜は、桜の幹にもたれてぐったりと。夜野の気遣う視線に、持参してきた缶ビールをゆるゆる振って見せる。
 何せ、所謂『江戸時代』に通じる所が多いサムライエンパイアだ。現地で手に入る飲み物は限られている。それは食べ物も同様で、猟兵達は転移の際に、花見用に可能な限り持ち込んでいた。
「まあ、のんびりしてたらそのうち回復するよー。あ、ツマミがあればもっと早く回復しそう」
 買い出しに向かう仲間に声を掛け、莉亜は一足早い1杯目で気力体力回復中。
「綺麗な桜だなぁ」
 ――提灯も灯り出す黄昏の頃には、屋台広場も賑やかに。既に、町の人々も集まってきているようだ。さざめく笑い声に自然と気持ちも浮き立ってくる。
「色々盛り上がってるねっ」
 ワクワクした面持ちで、きょろきょろしながら歩き回るリリーナ・ロリポップ。あちこちから、乾杯の音頭や調子外れの手拍子や歌声が聞こえてくる。
「おじさん、端から端まで、1個ずつね」
 レイ・アイオライトは屋台の端から買っていく勢いで、果たして食べきれるのかと、小食気味の夜野はちょっぴり戦々恐々だ。
(「入れ物、分けられるようにしとくか。ツマミになりそうな煮付けがあるといいんだが……」)
 それで、レイとは逆の方向から、二八蕎麦屋や煮売り屋を探す夜野。
「普段、エンパイア的な飯は作らねぇから新鮮だな」
 夕飯の類を、よくよく吟味して少しずつ。甘味の方は……レイに任せよう。
「みんなお疲れ様ー!」
 すっかり日が暮れた頃、旅団「飛空戦艦ワンダレイ」5人のお花見もいよいよ始まり始まり。
「はい、どーぞっ」
「お、スナック菓子もか! いただくぜ」
 やはり先に持ち込んでいた菓子の袋を景気よくパーティ開けして、夜野に勧めるリリーナ。炭酸ジュースのペットボトルを抱えて、ゴクゴクと。
「ぷはー!」
 元気一杯のリリーナを横目に、ネージュ・ローランは小さく溜息1つ。
「桜を守れてよかった……でも、流石に疲れてしまいましたね」
「真の姿やるのも結構しんどいわね……喧嘩の後の落差についていけそうにないわよ」
 『喧嘩祭り』での強制的な真の姿への変身に、負担が掛った者も少なからずか。桜餅と甘酒を振舞うレイの言葉に、相変わらず低燃費モードの莉亜もうんうんと頷く。
「だから、ゆっくり花見といきましょうか」
「桜を見上げながらの桜餅、いいねぇ」
 甘党の夜野は並ぶ甘味に嬉しそうだが、まずは腹拵えだ。
「この量、食べきれますかね……?」
 買い出しの時の夜野と同じ心配を呟くネージュだが、花見の夜は長い。リリーナは目を輝かせて健啖ぶりを発揮しているし、多分、大丈夫。
「莉亜、チーズいる?」
「もちろん……でも、それ、持ち込み分だよね? 最初から欲しかったなー」
 レイに軽口を叩ける程度には、莉亜も持ち直してきているようだ。
 お腹もくちくなれば、自然と視線は頭上の桜へ。夜桜を透かして、月影も仄白く。提灯の灯が、幽玄の情を醸し出すよう。
「幻想的でとってもキレイ。激しい戦いだったけれど、散らずに守れて良かったな」
「……うん、そうね。月光と屋台の光に映えて」
 リリーナのしみじみとした呟きに、樹に寄りかかりながら花霞を見上げるレイ。
「こんな景色を見ていると、疲れも忘れて踊りたくなってきます」
 軽やかに立ち上がったネージュは、シルクベールを揺らして木の下へ――ひらりはらりと花弁ちらつく桜下で、クルリと舞を披露する。
(「あくまでも、主役は桜。その美しさを邪魔しないように」)
 常ならば、空を翔けるダイナミックな振付を得意とするネージュだが、桜の息吹を逃さぬよう、指の先から爪先、視線に至るまで仕草の1つ1つが細心にして繊細。
「神秘的ね」
 言葉少なに、赤い眼を細めて見入るレイ。莉亜は桜とネージュのコラボレーションに、危うく缶ビールを落としそうになった程。
「ネージュさん、素敵!!」
 うっとりと見惚れていたリリーナは、舞の終わりを惜しみながらも大きな拍手を送った。
「ああ、舞と桜を眺めながらの一杯は最高だったぜ」
 息を弾ませて戻って来たネージュを迎え、夜野はジュースで労う。
「お疲れ、ネージュ。これ、ツマミだけど、結構いけるよ」
「あっ、莉亜さんも元気になってきたね♪ よかったー!」
「ネージュのヒーリング効果かもね」
 漸くだらだら花見から立ち直ってきた莉亜の様子に、素直に喜ぶリリーナ。レイがクスリと笑みを零せば、ネージュははにかんだようにうっすら頬を染め、莉亜当人は飄然と肩を竦めて見せた。

 ――斯くて、「桜祭り」は賑やかにして淑やかに。夜桜を見上げ、「喧嘩祭り」での己の真の姿に想いを馳せる猟兵もいたようだ。
 桜には、万感を受け止めて咲く寛容が、在るのかもしれない。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2019年04月06日


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#サムライエンパイア


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は花巻・里香です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト