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卒業式パニック! 青薔薇の『王子様』へ、届け歌声!

#アイドル☆フロンティア #卒業式

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#アイドル☆フロンティア
#卒業式


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 3月。それは別れの季節。
 高校生最後の1日、卒業式。
 未来へ期待と後輩や友人、そして恋人達と別れで悲喜こもごもになる学び舎。
 そのなかでひとり、憎しみを抱く者がいた。

「どうして……ボクじゃないんだ……?」

 その者は、学園ナンバーワンの『王子様』と名高いショートヘアの女子生徒であった。
 名を|播磨《はりま》・|愛麗《あいり》。愛称はアイリーン様。
 同性からの人気は絶大で、部活としてファンクラブが創設されたほどである。
 愛麗は今日でこの高校を卒業する。周囲には熱烈なファンが取り囲み、彼女の卒業を惜しんでいた。
「アイリーン様が大学生になっても、ファンクラブは存続しますから!」
「時々、大学へお顔を見に行ってもいいですか!?」
「あの、最後に握手してください!!」
 しかし、ファンの声援は今の愛麗に届かなかった。

「どうして……ボクじゃないんだ……?」

 見つめる先には、高身長の男子生徒。その傍らには、小柄なか弱い女医生徒が彼の顔を見上げて微笑んでいた。
 愛麗は別のクラスの高身長の男子生徒に片想いをしていたのだ。卒業式直前に、勇気を出して告白したものの玉砕。彼には2年生の後輩女子生徒と既に交際していたのだ。

「ねぇ、どうして? そんな子よりボクのほうが顔立ちが整ってるじゃないか。背だって君と殆ど変わらない、同じ目線で見つめ合えるのに。ねぇ、どうして? ボクが『王子様』だからかい? キミは、いかにもか弱い女の子のほうが好きなのかい?」

 嫉妬と自分の存在意義に心が押し潰された愛麗は、骸の海が心から溢れ出す。
 出現したアイドルステージの上で、愛麗は王子様系悪役アイドルへと変身。そしてファンの女子生徒達を従順なロボットに変えて、男子生徒とその恋人を殺害してしまうのだった。
 振り向いて得くれないなら、いっそ壊してしまえばいい――。

「嫉妬と怒りの炎……|私《わたくし》にも身に覚えがありますので、愛麗さんの悲しみは理解できますわ」
 グリモア猟兵の蛇塚・ライム(その罪名は『憤怒』/IGNITE POP DiVA・f30196)は、今回の任務について猟兵達へ説明を始めた。
「今回は新しい世界である『アイドル☆フロンティア』での事件ですの。事件現場は某私立高校の卒業式。そこで播磨・愛麗様の心から骸の海が溢れて暴動が発生しますわ」
 猟兵達はそこに乗り込み、まずはパニックになっている卒業式を音楽ライブで鎮めてほしい。
「この世界は猟兵とアイドルの存在はなぜか人々の記憶に残りにくく、しかも存在すら知られていません。ですので、まずは愛麗さんの暴動が起こる前にゲリラ音楽ライブイベントを開催して、戦闘の際に応援してえもらうような下地を作ってゆきましょう」
 アイドル☆フロンティアでの戦闘は特殊で、アイドルになりたいと願った者のもとにアイドルステージが出現することでバトルが始まるのだ。そうしなければオブリビオンは可視化されずに浄化も出来ないのである。
「私から学校側へは許可を取っておきますの。皆様は卒業生の門出を祝うべく、盛大に盛り上げてくださいね」
 いざ戦闘になったら、まずは愛麗のファンクラブ部員だっったロボットオブリビオン達が襲ってくる。美味く浄化して助けてあげよう。
 問題の愛麗だが、恋愛絡みの問題ゆえに力押しでの浄化以外の方法もあるかもしれない。色々と彼女へ声をかけて見るとよいだろう。
「それでは皆様、ご武運をお祈りしてますわ」
 ライムがグリモアを輝かせれば、猟兵達は新世界『アイドル☆フロンティア』へ出立してゆくのだった。


七転 十五起
 新世界『アイドル☆フロンティア』へようこそ!
 なぎてん はねおきです!

●概要
 第1章は日常、卒業式でゲリラライブイベントを開催します。
 同時に飲食やゲームの出店も出店しているようですので、ライブそっちのけで楽しんでもいいかと思います。
 ただしあくまでもライブがメインです。内容次第では却下させていただくこともありますので、その辺りをご考慮しながらプレイングを掛けてください。

 第2章集団戦、この事件の張本人である播磨・愛麗の心から溢れた骸の海に冒された、ロボに成り果てた愛麗のファン達と戦います。
 アイドルステージ上でのバトルですので、召喚された観客へのファンサービスを交えながら戦うと有利に戦えます!

 第3章ボス戦、いよいよ王子様系悪役アイドルに変身した愛麗と直接対決です。
 ユーベルコードの対策の他に、恋愛絡みの歌や呼びかけをすることで大きな隙が生まれるかも知れません。

 それでは、皆様の熱い歌声をプレイングに込めて、ご参加をお待ちしてます!
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第1章 日常 『お祭り☆フェスティバル』

POW   :    出店を巡って楽しむ

SPD   :    ゲームやレクリエーションの企画に参加する

WIZ   :    ライブステージを見物する

イラスト:ぽんち

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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


「えー、突然ですが、今回の卒業式は学園祭のように賑やかに行おうと思います」
 校長の鶴の一声……ではなく、グリモア猟兵があらゆる手段を尽くして学校側へ働きかけた結果である。
 お陰で校庭には様々な出店が軒を連ねて賑わいを見せている。
 友人同士で巡る者達いれば、恋人同士の甘い時間を過ごすなんてことも。
「アイリーン様! あっちでゲリラライブが開催されるようですよ!」
「行きましょうよ! どんなアーティストが出演するんだろう〜?」
 もちろん、取り巻きのファン達に誘われた播磨・愛麗もステージへ向かう。
「ああ、もちろんだとも。ただ、ボクの華々しい高校生活最後に相応しい演奏だといいのだけどもね」
 まんざらでもなさそうな愛麗だが、すれ違う意中の男子生徒とその恋人の小柄な後輩女子生徒を見かけると、ちくりと心の奥が針で刺されるような感覚に見舞われるのだった。
スイート・シュガーボックス
学園祭卒業式でゲリラライブだってさ、ディオちゃん。
「アオハルの極みじゃん。テンションアゲアゲでいくっきゃねえべ☆」
そして愛麗ちゃんの失恋の痛みを癒すには…そうだね、お菓子だねッ!

早速ステージに上がろう。
「ヒュー、皆盛り上がってる〜?もっとアゲてこーッ!」
さあ、この世界で新たな力のお披露目だ。ディオちゃん、ハイタッ〜チ…からの【錬成するは、黄金の流星の如き輝き】ッ!

アイドルになったディオちゃんがアイドル力を爆アゲして歌って踊っちゃうよ。
さらに出店の食べ物を持ってきて…食レポパフォーマンスだッ!
売上にも貢献しちゃって出店の人達をファンにって寸法さ。
「スイートPの手腕が光る〜☆」


【アドリブ歓迎】



 スイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)、そしてそのズッ友のディオニュソスは、卒業式を終えたばかりの私立高校の校庭に足を踏み入れた。
 猟兵側の要請により、既に多くの出店が校庭で軒を連ねて大盛況だ。
「学園祭卒業式でゲリラライブだってさ、ディオちゃん。すごい賑わいだッ!」
「こんなんアオハルの極みじゃね? もちテンアゲMAXでいくっきゃねえべ☆」
「そして予知された愛麗ちゃんの失恋の痛みを癒すには……そうだね、お菓子だねッ!」
 スイートは普段にも増して自信たっぷりの様子で、特設ステージへディオニュソスと一緒に向かっていった。

 早速ステージに上がったスイートとディオニュソスは、多くの卒業生と在校生から声援を送られた。
「あの水色の髪の子カワイイ!」
「お菓子の缶箱が歩いてる! しかも喋ってる!」
「多様性ってすごいねー!」
 猟兵はその特性によって『一般人から絶対に種族特徴等を怪しまれない』ので、ミミックであるスイートも『お菓子の缶箱の姿をした、そういう人』だと認識されるのだ。
「ヒュー、皆盛り上がってる〜? もっとアゲてこーッ!」
 ディオニュソスが手を振れば、学園の男子生徒達は一斉に野太い声を上げて手を振った。
「「ディオちゃああああああ!」」
「あ、でもウチ、実は男なんだけどね?」
 そう、ディオニュソスは男の娘である!
 唐突のカミングアウトに、会場はなぜか更に熱狂した。
「カワイイ男の娘、萌えるぅ!」
 女子のハートにクリーンヒット!
「こんなに可愛いなら男でも良かですたい!」
 男子の新たな性癖の扉を開けてしまう。
 なんて罪づくりなディオニュソス!
「さあ、俺も頑張るよッ! この世界で新たな力のお披露目だ。ディオちゃん、ハイタッ〜チ!
「いえ〜い!」
「からの〜? 【|錬成するは、黄金の流星の如き輝き《アルケミー・ハイパーデリシャスアイドル》】ッ!
 すると、仮設のステージは魔法のアイドルステージへと大変身!
 ディオニュソスの姿もスイートのお菓子錬金術パワーを込めたハイタッチによって、グルメでデリシャスなアイパーアイドルに超変身!
「ふふふ、アイドルになったディオちゃんがアイドル力を爆アゲして歌って踊っちゃうよ。さらに! 俺が出店の食べ物を持ってきて……さあディオちゃん! 出店のグルメ、食レポパフォーマンスだッ! 売上にも貢献しちゃって出店の人達をファンにって寸法さッ!」
「スイートPの手腕が光る〜☆ それじゃ、まずはカレーからいただきまーす! あむっ! ん〜! これはなかなかスパイシー! 刺激的なアオハルの味だね! 鼻から抜けるカルダモンの香りにゴロゴロ大きい具材がたまらな〜い! これを食べれば、高校3年間の思い出も一瞬で蘇っちゃうカモ? すっごく美味しい! じゃあ次は〜たこ焼きをいっただっきま〜す♪」
 ディオの食レポで食べた屋台グルメは、すぐに生徒達が殺到して大繁盛!
 会場にいる愛麗もファンと一緒に、紹介されたクレープを頬張ると、つかの間の笑顔を取り戻すのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等歓迎
口調:女性的(私、あなた、なの、よ、なのね、なのよね?)

惚れた腫れたの大騒ぎ……実にアオハルって感じね。
何はともあれ、新たな門出をお祝いしなきゃね!

ゲリラライブのお時間よ!

プリンセスハート!メ~クアップ!
みんなに笑顔を!完全無敵★最強アイドル!
悪魔法少女★あすも☆デウス!降☆臨!

まずは空中<パフォーマンス>で<存在感>をアピール!

<励まし>ボイスの<歌魔法>で下準備を整えるわ!

いくわよ!
乙女魔法「花咲か魔法少女~新たな門出を祝いましょう」!


溢れんばかりのフラワーシャワーで卒業生をお祝い!

悪魔法少女として、あなたたちの進む道に幸あらんことを願うわ!
卒業、おめでとう!



 盛り上がりを見せる卒業ゲリラライブ。
 次の出演者はカンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)だ。
 ステージ脇でカンナハは播磨・愛麗の姿を発見して、こっそり眺めている。ウルフカットかかったショートヘア、役者のように整った顔立ち、そして気品溢れる立ち振舞い。制服こそ女子生徒だが、纏うオーラは確かに『王子様』だった。
(そんな『王子様』が男子バスケ部員と惚れた腫れたの大騒ぎ……実にアオハルって感じね)
 しかもそれが報われないのだから、このあとの展開が少し心苦しくなる。
(何はともあれ、新たな門出をお祝いしなきゃね!)
 カンナハは愛麗の心の闇を少しでも取り払うべく、そして卒業生達を応援するべく、きらびやかなステージへ登場してみせた。
「こんあす〜! みんなに笑顔を届けたい! 完全無敵★最強アイドル! 悪魔法少女★あすも☆デウス、契約者のみんなの願いに応えて、ここに降☆臨よ!」
 プリンセスハート★XENOMを頭上に掲げてピカピカ輝かせれば、一瞬で観客達はカンナハに視線が釘付けになった。
 湧き上がる歓声にステージの端からは端まで駆け回って手を振るカンナハは、笑顔で言葉を発した。
「ありがとう! それじゃあ早速、ゲリラライブのお時間よ! プリンセスハート! メ~クアップ!」
 ユーベルコードの詠唱を済ませると、カンナハの身体はなんと中に舞い上がり、彼女特有のアイドルステージが具現化する!
「コール&レスポンスの準備はバッチリよね? 私が『Hey!』って言ったら『Wowow あすもちゃん!』ってアンタ達は叫ぶのよ! 返事は〜?」
「「いえええええええええーっい!」」
 そうしてしばらくコール&レスポンスの練習をしてステージの空気を温めた後に、いよいよ記念すべき1曲目を披露するカンナハ。
「オーケー! この熱量のままいくわよ! 1曲目は、乙女魔法『花咲か魔法少女~新たな門出を祝いましょう』! よーく聞きなさい!」
 軽快なアイドルPOPソングで空中でのパフォーマンスをこなしてゆくカンナハ。時には可愛く、時には妖艶に観客達を魅了し、あえて愛麗へ視線を投げかけてウィンクしてみせた。
「――!?」
 さすがの愛麗も悪魔のカリスマオーラ的魅了は心に届いたらしく、恥ずかしそうに目を泳がせていた。ちなみに周りの取り巻きのファン達は刺激が強すぎたためか腰砕けになってしまった。
 1曲目を歌い終えたら、続けざまに2曲目、今度は情熱的なロックバラードで攻める!
 今度は地上に降りて、身振り手振りで歌を表現してゆけば、観客達の心を大きく揺さぶってゆく。曲の最後はコール&レスポンスも成功させ、会場全体が一体になったのだった。
(よし、今よ!)
 次の瞬間、魔法のアイドルステージの上から、溢れんばかりのフラワーシャワーで卒業生を祝う!
 降り注ぐ色とりどりの花弁は、彼女のステージをより極彩色に飾り立ててみせた。
「2曲続けて聞いてくれて、ありがとう! 悪魔法少女として、あなたたちの進む道に幸あらんことを願うわ! 卒業、おめでとう!」
 割れんばかりの拍手と歓声をあとに、カンナハは満足しながら舞台袖へはけていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
UC常時
「うへへへへへへ♥」
…なんだお前…妙にご機嫌だな?
「うんうん☆あのねご主人サマ☆実は遠い遠い世界にもメルシーが居たんだぞ☆」
…は?
「メルシーも気づけなかったけど…伝令の権能は遠い世界のメルシーにもアクセスできるみたいでね☆それで…ご主人サマとメルシーの冒険を伝えたんだけど…そしたら向こうのメルシーも凄く興味持っててね…向こうのご主人サマに接触できたみたい☆」
お前ら何やってんだよー!?逃げろ向こうの僕ー!?
「もう手遅れだぞ☆」
畜生めー!?つか何処だよ!?36世界じゃねーのか!?
「遥か遠い世界だぞ☆UCも使えないみたいだぞ☆」
うっがぁ!もうやけだ…出店の食いもん買ってライヴ観るぞおらぁ!

つか…好きな奴にフラれるとかまぁ…結構傷つくからな?
「あー…結構傷ついたんだ☆」
知るかボケ
僕は僕を愛してくれる人を大事にするだけだ
「そっか…☆」
それじゃ…ライヴキメるぞおら!

それは盗賊スタイルの歌
欲しい物は奪え!戦って勝ちとれ!願うだけで得られる物などない
渇望すれば力を尽せ!
そんな想いを歌おう



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の相棒メルシーは、なんだかご機嫌の様子だ。
「うへへへへへへ♥」
『……なんだお前……? 妙にご機嫌だな?」
「うんうん☆ あのね、ご主人サマ☆ 実は遠い遠い世界にもメルシーが居たんだぞ☆」
「……は?」
 メルシーが妄言を吐くのは日常茶飯事だが、流石に今の言葉はカシムは理解しがたい内容だった。
「何言ってやがるんだてめー?」
「メルシーも気づけなかったけど……伝令の権能は遠い世界のメルシーにもアクセスできるみたいでね☆ それで……ご主人サマとメルシーの冒険を伝えたんだけど……そしたら向こうのメルシーも凄く興味持っててね……? その子、遂に向こうのご主人サマに接触できたみたい☆」
「お前ら何やってんだよー!? 逃げろ向こうの僕ー!? てか平然と第四の壁を貫通するな!」
「もう手遅れだぞ☆」
「畜生めー!? つか何処だよ!? 36世界じゃねーのか!?」
「遥か遠い世界だぞ☆ ユーベルコードも使えないみたいだぞ☆」
 いや、どこだよそこ???
「うっがぁ! もうやけだ……! 出店の食いもん買ってライヴ観るぞおらぁ!」
 カシムは混乱して出店グルメを片っ端から食い荒らしに向かうのだった。

「つか……好きな奴にフラれるとかまぁ……結構傷つくからな?」
 ようやく正気に戻ったカシムは、今回の事件の確信に迫る。そして自身の経験談と重ねていた。
「あー……つまりご主人サマも結構傷ついたんだ☆」
「知るかボケ! 僕は、僕を愛してくれる人を大事にするだけだ!」
「そっか……☆」
「それじゃ……ライヴ、キメるぞおら! 応援するんだろ!?」
「そうこなくっちゃ☆」
 カシムとメルシーがステージに上がると、荒々しいロックサウンドとともにステージを駆け回り始めた。
 それは盗賊スタイルの歌だ、欲望の歌だ。
「欲しい物は奪え! 戦って勝ちとれ! 願うだけで得られる物などない! 渇望すれば力を尽せ!」
「この世は強欲だぞ☆」
 そんな真っ直ぐな欲望の歌が、愛麗の胸を打つのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 集団戦 『マインド・ロボット』

POW   :    ロボニクス・ボム
自身の身体部位を切断し、(レベル×切断部位数)m半径内の全てを爆破する【自走式追尾爆弾】に変換する。
SPD   :    反生命化装置
知性のない【機械】をレベル体まで眷属化できる。弱点「【自爆装置】」の付与量に比例し、眷属の戦闘力が増加する。
WIZ   :    ギブアップレイ
【胸の模様】から【精神破壊光線ギブアップレイ】を放つ。ダメージは与えないが、命中した対象の感情から【生きる意欲】を奪う。

イラスト:雲間陽子

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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 播磨・愛麗は傍観者であることをやめた。
 自らも歌って表現して、愛しいあの人に振り向いてもらおう。
 そう願ったまでは良かった。彼女の心からドス黒い骸の海が溢れなければ。
「さあ! ボクの従順なファン達! 愛しいあの人をここへ連れてきておくれ!」
 闇のアイドルへと変身した愛麗は、取り巻きのファン達をロボットオブリビオンに変えてしまうと、周囲の生徒達を襲わせ始めた!
 こうしてはいられない! アイドルステージを最大展開させて、アイドルバトルで人々を守り抜こう!!
スイート・シュガーボックス
「うぇ~い、アイドルステージ盛り上がっていってみよ〜♪」
アイドルバトルの始まりだねッ!

【ビスケット騎士団】を召喚するよ。歌って踊るディオちゃんの後ろでバックダンサーをさせるよッ!
更に俺も『キッチンカー』で『美味しいお菓子』を沢山作り客席にばら撒いていくパフォーマンスだッ!
「イェーイッ!皆盛り上がってるー?ドンドンいってみよー☆」

そのままパフォーマンスの一環でロボットオブリビオンにビスケット騎士団が攻撃さ。自走式追尾爆弾はビスケット騎士達が囲んで抑えるよ。これなら爆発しても硬いビスケットが衝撃を抑える。

さあ、アイドルとお菓子のコラボレーションを続けていくよッ!


【アドリブ歓迎】



 卒業式を終えた私立高校の校庭に、ロボットのオブリビオンに成り果てた生徒達が暴れ回る。
 スイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)とズッ友のディオニュソスは、すぐさま心のなかで『アイドルになりたい!』と願う。すると、世界が彼の願いに応えてくれた。
「うぇ~い、アイドルステージ盛り上がっていってみよ〜♪」
 アイドル衣装に変身したディオニュソスがマイクを片手に大はしゃぎ!
 校庭に出現する巨大なアイドルステージ! 現実に設営したライブ会場ではなく、魔法のアイドルライブ会場だ! そこには大勢の観客として、襲われていた生徒達がサイリウムやペンライトを振りながら応援してくれているではないか。
「なるほど、これがアイドル☆フロンティアの戦い方ッ! アイドルバトルの始まりだねッ!」
 なんとも合理的な世界のシステムに感心しながら、スイートはいつの間にかキラキラの装飾をまとってアイドルステージの上に立っていた。
「それじゃ、ユーベルコードで『ビスケット|騎士団《ナイツ》』を召喚するよ。歌って踊るディオちゃんの後ろでバックダンサーをさせるよッ!」
 ユーベルコードによって159体のビスケットで出来た騎士団が召喚されると、ポップなアイドルチューン似合わせて踊るディオニュソスのバックで、華麗なステップを逸し乱れぬフォーメーションダンスとして披露してみせる。
「更に俺もキッチンカーで美味しいお菓子を沢山作る! そして客席にばら撒いておやつのお裾分けだッ! これが俺なりの美味しいパフォーマンスだッ!」
「イェーイッ! 皆、盛り上がってるー? ドンドンいってみよー☆」
 スイートとディオニュソスのアイドルライブは最高潮に盛り上がると、観客と世界は二人にパワーを与え続ける。そのままパフォーマンスの一環で、ロボットオブリビオンにビスケット騎士団が攻撃!
「ガガ! ガガピーッ!」
 ロボット達は体の部位を切り離して自走式追尾爆弾を発射!
 範囲攻撃の爆破攻撃がステージ上を襲う!
 しかし、スイート達は無傷だ!
「チッチッチ! 爆弾はビスケット騎士達が囲んで抑えるよ。硬いビスケット鎧と盾が、爆発の衝撃を抑えるからねッ!」
 ビスケット騎士団はその自慢の身体は堅焼きビスケットで出来ており、爆弾程度の衝撃など身を挺して遮ってしまうほどの強度を誇るのだ! 故にステージ上のパフォーマンスに師匠なし! むしろ爆発を演出に変えて、二人のライブはより盛り上がりをみせていた!
「さあ、アイドルとお菓子のコラボレーションを続けていくよッ!」
「心を失った悲しいロボットのみんなにもお菓子をお届けだしッ!」
 襲ってくるロボット達の口にディオニュソスがマカロンを放り投げれば、その美味しさで彼らを人間に戻してみせたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等歓迎
口調:女性的(私、あなた、なの、よ、なのね、なのよね?)


何時の時代も恋する乙女は可愛いものだけど、
想いが溢れて大変なことになってるわね……やれやれ

滾るその想い、取り巻きちゃんたちと一緒に燃焼してあげるわ!
私のライブパフォーマンスでね!

急に歌うわよ!おいで、流れ星!

先ほどとは打って変わって
情熱的な<歌唱><パフォーマンス>

奏でるわ、恋する乙女の<歌魔法>!

見てなさい、私の溢れる想いを!
身も心もアッツアツにしてあげる!

乙女魔法「LOVE★IGNITION」!

いくら気力が奪われようと、
私を応援してくれる|契約者《ファン》の皆がいる限り、
私は歌い続ける!
それが!アイドルってもんよ!


東雲・緑田
アドリブ連携歓迎

◼️注釈
アイドルと魔法少女を大体同じものと捉えてこの世の愛とか勇気の為に魔法少女を勧める魔法使いのお兄さんです

◼️心情
ふむ、ラーメン盛況でしたが、私、乗り遅れてしまいました?
いえ、此方ではUC等と便利なものがありますからね、今からが魔法少女の時間です

◼️囁き
緑田です。
此方の世界のフォーマットでは組合員なのでロボット少女さん達にもみくちゃにされても体がほどける位で問題ないです。

と、言うわけでそこのロボ少女さん、いいんですか?
皆さんと同じで、御姉様に|目立つ《抜け駆け》なら、今ですよ?
はい、UCでロボさん達改めて箱推しアイドルアレクシアンガール御姉様を称えながら一般人を守って下さい



 カンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)は悲しそうな顔で、暴れまわるロボット達を憐れんだ。
「何時の時代も恋する乙女は可愛いものだけど、想いが溢れて大変なことになってるわね……やれやれだわ。それに他人をけしかけるだなんて、王子様もなかなかの小心者のようね? でも安心なさい! アンタの滾るその想い、取り巻きちゃんたちと一緒に燃焼してあげるわ! 私のライブパフォーマンスでね! というわけで、急に歌うわよ! おいで、流れ星!」
 アイドルステージ上で不敵な笑みを浮かべる悪役王子様系アイドルの愛麗へ『宣戦布告』を果たしたカンナハは、先程のライブとは打って変わって心燃え上がる情熱的な楽曲でバトルに望む。
「曲名は『|天国と地獄/paradis ou l'enfer《パラディ・アンフェール》』! 心の芯からアッツアツにしてあげるんだからね!」
 魂を震わせる熱い歌唱力、見ているだけで心に熱を帯びるキレキレのダンスが、灼熱火炎魔法となってロボット化した取り巻き達を焼き焦がしてゆく!
「ガガピーッ!?」
「ピガガガー!」
 苦し紛れに彼女たちの胸の装甲から精神破壊光線ギブアップレイを放つが、悪魔的カリスマオーラをまとったカンナハの心を折ることなど誰も出来ないのだ!
「誰かの心を折るような絶望なんて、私の歌で焼き払ってあげるわ! そしてこの炎は希望んお輝きでもあるのよ! 取り巻きちゃん達! 元の姿に戻りなさい!」
 紅蓮の爆炎がロボ達を飲み込んだかと思えば、癒やしの炎が同時に愛麗からの呪縛を解き放って人間へと戻してゆくのだ。
「これが乙女魔法「LOVE★IGNITION」! いくら気力が奪われようと、私を応援してくれる契約者ファンの皆がいる限り、私は歌い続ける! それが! アイドルってもんよ!」
 気高いアイドル精神を見せつけられ、対岸のステージで歯噛みする愛麗であった。

 そんな中、東雲・緑田(マホーの宇宙人の|魔法少女《アイドル☆》斡旋業者・f45150)は屋台の営業から戻って驚いた。
「私のラーメンの屋台が盛況すぎて、いつの間にかバトルが始まってました!? 私、ひょっとして乗り遅れました!?」
 魔法使いのお兄さんは、ヨレヨレのTシャツにジーパン、タオルを頭に巻いたラーメン屋店主モードのまま参戦する羽目になった。すごく場違いな兄ちゃんがアイドルステージに降り立つ!
「ということで、魔法少女のお時間ですね。そこのロボットさん? 魔法少女、いえアイドルにご興味ありませんか? 今なら色々と手続きをすっ飛ばして即変身出来ちゃいますよ! 年令や性別も関係ありません。遠慮も躊躇もいりません」
「ガガピ???」
 自爆装置マシマシのロボ達に、なんと魔法使いのお兄さんこと緑田は営業をかけ始めたのだ!
 すごく怪しい! でもこれが彼のユーベルコードなのだ!
「それに、考えても見てください。貴方がたの敬愛する王子様なお姉様と一緒のステージでアイドルできちゃうんですよ? こんなチャンス、もう巡ってこないのですよ? お姉様、卒業しちゃうんですから!」
「ピピピッ!」
「ガガーピ!?」
 ロボ達に電流が走る!
 愛麗様と同じステージに立てるのは、今しかない!
 そんな事実を突きつけられてしまったら、戦闘どころではない!
「おわかりいただいたようですね? それではこれが変身アイテムです、どうぞ!」
 緑田はロボ達にマジカルステッキを手渡すと、そのまま彼女たちを強制変身させた!
「これで貴方がたは魔法少女アイドルですよ。さあ、手始めにあの悪魔的なアイドルさんとのコラボを!」
「「はーい! プロデューサー!!」」
「え、ちょっと? アンタ達、バックダンサーなの!? だったらキリキリしっかり踊りなさい!」
 戸惑うカンナハを尻目に、送り出した新人魔法少女アイドルたちのダンスに後方腕組見守りモードになる緑田であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

熊ヶ谷・咲幸
「ここはアイドルの出番ですね!」
流れ星に願いを込め、コンパクトを強引にこじ開けアイドルに変身!
「掴め、希望の元気星!チアフル⭐︎クレッシェン……あっ」
決めポーズを取ろうとして、襲いかかってくるロボに拳を突き出す形に
「あわわわわ……だ、大丈夫ですか?壊れてないですか?」
などと言っていると、向こうが自分の身体を切り離してボムに
「こ、今度は何もしてないのに壊れた!わ、あたしのせいじゃないですよ!?」
などと言いながら自動追尾弾を鷲掴みし、ロボを【怪力】で抑え込み、無理矢理ハメ直そうとする
「な、なんとか直りませんか!?(カチッ)あっ」
敵を巻き込み大爆発し、敵を片付ける

そんな感じでUC発動します



「ここはアイドルの出番ですね!」
 熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)は流れ星に願いを込め、コンパクトを開け……開けようと指先に力を込めて……。
「なんで開かないのかな!? ふんっ!」
 アイドルらしからぬ野太い声を発しながら、咲幸は強引にコンパクトをこじ開け、アイドルに変身!
 練習した変身ポーズを今こそ披露する時!
「掴め、希望の元気星! チアフル⭐︎クレッシェン……あっ」
 決めポーズを取ろうとして、襲いかかってくるロボに拳を突き出す形に。
「ガガピガー!?」
 あまりにも鋭い拳の一撃に、ロボのボディが陥没してしまっている!
「あわわわわ……だ、大丈夫ですか? 壊れてないですか?」
 咲幸が心配してロボの肩を掴んだ。
 すると、メキメキメキィッと鋼鉄の装甲が握り潰されてゆく!
「あわわわ! またやっちまったべさ!」
 思わずお国言葉が出るほど焦る咲幸。彼女は自身の怪力を制御しきれていないのだ!
 そんなパニックになってる彼女をよそに、ロボ達は自分の身体を切り離してボムに変換!
「こ、今度は何もしてないのに壊れた! わ、あたしのせいじゃないですよ!?」
 向かってくる自動追尾弾をなんと鷲掴みすると、ロボを怪力で抑え込み、パーツを無理矢理ハメ直そうとする。
「な、なんとか直りませんか!? これが、こっちで……あっ」
 カチッとなにかが押し込まれる音がした次の瞬間、アイドルステージは爆炎と轟音に飲み込まれた。
 ロボの起爆装置が爆発し、周囲のロボのボムも誘爆したからだ。
 こうして、一瞬で花火会場と化したアイドルステージの上で、咲幸は爆発のダメージを回復するべくパワーフードを貪り食っていた。
「熱つつつつつ! ロボさん、卒業式だからって盛大にやりすぎですよ〜!」
 そして咲幸の認識はちょっとズレているようだった……。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・金瑠
機神搭乗
「何とも不思議な世界に来たみたいだね!…おお!我が心の友と叡智皇もいるようだ!」

虚無の真眼発動
周囲のロボ(神機含む)を解析
【18歳変身】
…エリちゃん
おれは今から完全に黙るしこの世界はどうやら心や感情に左右されるようだから…エリちゃんのしたい様に動いて
おれは補助に回るよ
18歳変身で真っ白い仮面を被った青年に変身
後…おれの存在は隠蔽して
後名前も呼ばないでね
以後金琉は完全沈黙
「?恥ずかしがり屋さんだな少年は!承知したよ!さぁ!この世界の危機はこのエインヘリヤルが見逃さないぞ!此処は俺に任せろ!心の友に叡智皇も目的は一緒だろ?」
UC発動
【グラップル】
格闘攻撃で粉砕
関節も決めたりして暴れる


カシム・ディーン
機神搭乗
此処でもロボかよ!?
「此処はキャバリアアイドルのオンステージだ☆」
UC発動
「「皆ー☆此処はメルシーとご主人サマが助けるぞー☆」」
ドラグナーコスプレでダンスでパフォ披露

って陰キャ野郎と…なんだあの白い奴
「な!?エリちゃんだー!?あの子も生きてたの!?」
おめー知ってるのか!?
「ジャパニア十侯のNo2だよ!グリムちゃんの親友でもあったんだけど…!」
誰か乗ってるのか?
「乗ってる筈だけど隠れたいみたい?」
何だよ陰キャか…ったく
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵陣の情報を解析
結果を仲間にも伝達
【二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み・念動光弾・属性攻撃・弾幕】
念動光弾を始めとした猛攻を仕掛け金目の物は強奪


皇・銀静
機神搭乗
…なんだこの世界は…アイドル世界とか…ラヴリンスターかこれ
「とても素敵にあ世界だね主☆さぁ…主もアイドルとして…☆」
僕は出ない。
「いやぁん☆でも相手もロボットならこの状態もいいかもね☆」
兎に角…僕は黙るぞ
「任せてー☆さぁ…怖いロボット達は正義のグリムちゃんが粉砕するぞ☆」
…妙に熱狂的じゃないか?
「主だって解ってるでしょ☆男の子はこういうのが好きなんだから☆」
…そうだな。息子にもサリアと遊ばせよう
「金琉君だったよね☆」(あの子…妙に感情が薄いんだよね…それに…こっちを観察してたね…☆
「ってエリちゃんだ☆お母サマもいるし…まぁエリちゃんがいるなら共闘もやむなし☆」
UC
槍の神発動

殲滅開始!



 皇・金瑠(灼滅者の殺人鬼・f44018)は皇・銀静(陰月・f43999)の息子である。普段は別行動の親子だが、この時ばかりは偶然鉢合わせしてしまったようだ。
 そして、彼らが乗り込む神機達にも同じことが言えるようだ。
『何とも不思議な世界に来たみたいだね! ……おお! 我が心の友と叡智皇もいるようだ!』
 金瑠の愛機である勇猛神機『エインヘリヤル』は、デカい声で操縦者へ語りかけた。
 お陰で銀静が息子の存在に気付くきっかけになってしまう。
「……なんだこの世界は……? アイドル世界とか……ラヴリンスターかこれ? それに息子もいるのか……何だこの状況は?」
『あ、主ってそういう界隈のアニメ、観るんだ?」
 絶対神機『グリームニル』のツッコミに、バツが悪そうな表情で黙りこくる銀静。
『それはともかく、とても素敵な世界だね、主☆ さぁ! 主もアイドルとして……☆』
「僕は出ない」
 食い気味に拒否する銀静、それに本気で落胆するグリム。
『いやぁん☆ でも相手もロボットならこの状態もいいかもね☆ アイドル☆ロボバトル!』
「はぁぁぁ……兎に角……僕は黙るぞ」
 銀静はこの世界に自分は相応しくないと察し、今回の事件を全てグリムに委任することにした。
 グリムは初めて銀静に信頼されたことで、テンションアガりまくり!
『任せてー☆ さぁ……怖いロボット達は正義のグリムちゃんが粉砕するぞ☆』
「……妙に熱狂的じゃないか?」
『主だって解ってるでしょ☆ 男の子はこういうのが好きなんだから☆ そ・れ・に! 主の期待にグリムちゃんは応えるよ☆』
「……ああ、任せた。それと……あそこにいる息子にも、サリアと遊ばせよう」
「金琉君だったよね☆ ってエリちゃんだ☆ あっちにはお母サマもいるし……まぁエリちゃんがいるなら共闘もやむなし☆ おーい☆」
 グリムの呼びかけに、金瑠と遠方で事を構えていたカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)とメルクリウスが振り返った。
「おお、我が心の友よ! それに叡智皇も! 3柱で敵を蹴散らそう! 目的は一緒なのだからな! ハッハッハッハッ!』
 快活に笑うエインヘリヤルに、金瑠は感情を押し殺した声で告げた。
「……エリちゃん。おれは今から完全に黙るし、この世界はどうやら心や感情に左右されるようだから……おれは迂闊に動けない。だから、エリちゃんのしたい様に動いて。おれは補助に回るよ」
 そう告げると、金瑠はたちまち真っ白い仮面を被った青年に変身した。
「これ以降は……おれの存在は隠蔽して、名前も呼ばないでね」
 その言葉を最後に、金瑠は一切口を開かなくなった。
「ハッハッハッハッ! 承知した! 全く、恥ずかしがり屋さんだな少年は! さぁ! この世界の危機はこのエインヘリヤルが見逃さないぞ! 此処は俺に任せろ!」
 体高5mの神機にとって、足元で自爆するロボなど脅威ではない。
 あらゆる攻撃に対する耐性を得る獅子の覇気を周囲に放ち、エインヘリヤルの闘志が燃え上がれば、押し寄せるロボなど一瞬で木の葉のように吹き飛んでゆくのだった。
 そこへグリムの邪気を纏った100連撃が放たれ、ロボ達を寄せ付けることを拒み続けるのだった。

 一方、神機メルクリウスに乗り込んだカシムは、カオスな状況に目を回していた。
「なんだこりゃぁぁ!? 神機状態のメルシー分体達がドラグナーガールのコスプレして踊ってるだと??? ロボがアイドルやってるって性癖ネジ曲がりすぎだろ!!」
『此処はキャバリアアイドルのオンステージだ☆』
『『皆ー☆此処はメルシーとご主人サマが助けるぞー☆』』
 163機のメルクリウス分身機がステージ狭しとキレのあるダンスを披露!
 観客は科学館のアトラクションとアイドルステエージの融合に新たな世界を見出して熱狂してゆく!
 と、ここでようやく皇親子にカシムが気付いた。
「って、ありゃー陰キャ野郎と……なんだあの白い奴?」
『な!? エリちゃんだー!? あの子も生きてたの!?』
「おめー知ってるのか!?」
『知ってるも何も、古代ジャパニア十侯のNo2だよ! グリムちゃんの親友でもあったんだけど……!』
「誰が乗ってるかわかるか? それとも自律稼働してるのか?」
『うーん、誰かが乗ってる筈だけど、気配を消して引きこもってるのかな?』
「何だよ、あっちは陰キャでこっちは引きこもりか……ったく」
 カシムは手っ取り早く終わらせるべく、ドラグナーガールメルクリウス達に襲ってくるロボを撃退させて、、自身も魔砲カドゥケウスで後方から援護射撃を行うのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​




第3章 ボス戦 『ブルーローズ』

POW   :    ダーティー・ローズ
【自らの心の闇】を解放し、戦場の敵全員の【輝き】を奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
SPD   :    フローズン・ローズ
【銃を突きつけるパフォーマンス】を見せた対象全員に「【跪け】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ファン】が半減する。
WIZ   :    エンド・オブ・ローズ
自身の【銃口】から【青い薔薇と棘だらけの蔓】を放出し、戦場内全ての【アイドル】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。

イラスト:ねむる

👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠柊・はとりです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


 愛麗の取り巻き達はすべて猟兵達によって『浄化』され、ライブ会場の観客席で人間の姿に戻っていた。
「チッ、使えない子猫ちゃんたちだね!」
 悪役王子様系美少女アイドルとなった愛麗は、青薔薇の花弁を周囲に撒き散らしながら颯爽と猟兵達と同じステージに立った。
「ボクの名前はブルーローズとでも名乗らせてもらおうか! ボクはただ、好きな人に振り向いてもらいたかっただけだった! ボクは自分の美貌に自信があるし、彼とも釣り合うって今でも信じてる! なのに、彼は……あんな平凡な後輩の女の子に心を奪われて……! 身長差だってボクとなら彼と同じ目線で……できるのに……!」
 結局、男はか弱くてぶりっ子キャラの女の子にめっぽう弱いのだと、愛麗ことブルーローズは思い知らされた。自身が目指す『強くてかっこいい女性』なんて、男は見向きもしないのだと絶望した。
「だから、このステージでみんなに思い知らせてあげるよ! 誰がこの学園で一番の美少女で、彼にふさわしい相手かということをね!」
 暴走した恋心とともに、ブルーローズはアイドルバトルを猟兵達に仕掛けてきた!!
スイート・シュガーボックス
愛麗ちゃん改めブルーローズちゃんの失恋の痛みを癒す為のお菓子タイムの始まりだッ!

ブルーローズちゃんが早速心の闇を解放して人の輝きを奪ってくる。
ならそれ以上に輝けばいいのさ、【錬成するは、黄金の流星の如き輝き】ディオちゃんハイタッチッ!
「ウチらの流星の如き輝きで魅せてやるし☆」

二人がアイドルバトルしてる隙をついてブルーローズちゃんにもハイタッチ☆
奪った総量に応じた幸運の特性を利用する事で、パワーアップするハイタッチをしちゃう筈さ。
その姿になったら食レポ力が溢れ出すから、『キッチンカー』でお菓子を作りまくれば食べずにはいられない。
美味しいお菓子でその悲しみと絶望を癒しちゃうよッ!


【アドリブ歓迎】



 スイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)はアイドルステージの上でお菓子を作り始めた!
「愛麗ちゃん改めブルーローズちゃんの失恋の痛みを癒す為のお菓子タイムの始まりだッ!」
 クッキングショーを行う傍ら、ディオニュソスは歌とダンスでブルーローズに対抗する。
「お菓子ごときでボクの心の闇を晴らせると思っているなら、それは愚かだね!」
 ブルーローズが早速、心の闇を解放して人の輝きを奪ってくる。観客達を不幸にしてゆくブルーローズに、スイートとディオニュソスはユーベルコードで輝き始める!
「ならそれ以上に輝けばいいのさ、【|錬成するは、黄金の流星の如き輝き《アルケミー・ハイパーデリシャスアイドル》】! ディオちゃん、ハイタッチッ!」
 錬金術パワーを込めたハイタッチ! ディオニュソスがアイドルに大変身!
「ウチらの流星の如き輝きで魅せてやるし☆」
「まずは俺が作ったハニーチーズピザだよッ! 食レポ力がパワーアップしたディオちゃん、頼むよッ!」
「わっ、焼き立てじゃーん! うううーん! チーズ塩味とハチミツの甘みがベストマッチ☆」
 食レポに魅了された観客達は唐突な飯テロにテンション爆上がり!
「な、なんだ!? ただお菓子とピザを食べてるだけなのに、なんで二人はこんなに輝いてるんだ!?」
 ブルーローズは飯テロアイドルの輝きに困惑を隠せない!
 そんな二人が隙をついて、ブルーローズにもハイタッチ!!
「ブルーローズちゃんも輝けるさッ! 君の魅力が理解ってくれる人は他にもいるッ! 一人に固執して、この輝きを失わせるなんて国の損失だねッ!」
「失恋はマジつれーけどさ、次の恋を探すのも青春じゃね?」
 スイートとディオニュソスは、ブルーローズが奪った幸運の総量に応じた特性を利用する事で、ハイタッチするたびにパワーアップ!
「ボ、ボクの心の闇が……光に飲まれてゆくなんて! それに、お腹が減った……!」
 ブルーローズは目の前のお菓子へ無意識に手を伸ばしてしまった。そしてかぶりつく。
「おいしい! ああ、美味しすぎるよ!」
 無心になってお菓子を食べまくるブルーローズ。
「フフフ、その姿になったら食レポ力が溢れ出すから、俺がお菓子を作りまくれば食べずにはいられないのさッ! 美味しいお菓子でその悲しみと絶望を癒しちゃうよッ!」
「お菓子は世界を救うって、マジな話だしッ☆」
 こうして、ブルーローズとスイート&ディオニュソスは、アイドルステージで食レポバトルで戦い、観客達の空腹を促し続けるのだった!

大成功 🔵​🔵​🔵​

熊ヶ谷・咲幸
申し訳ないですけど、それは驕りです。愛麗さんからは周りからの見てくれの話しか伝わってきません!キスしたいなら目線の高さなんて関係ない。ただ、やりたいことや自分の想いを伝えればよかったんです
「自分の負けを……弱さを認めないと次へは進めません!」
輝きを奪われて不幸が起きるかもしれない。ステージの設備や屋台の看板などが落ちてくる
「それでも、みんなの応援があれば、負けません!」
UCでファンの応援力と自身を強化し不幸を跳ね除け力ずくで近付く
「目線の高さを気にする前に、相手の目を、目線の先を見たりはしてたんですか!?」
胸ぐらを掴み自分の目線に引き摺り下ろして語りかける

幸運が心の闇を晴らす方向になって欲しい



 熊ヶ谷・咲幸(チアフル☆クレッシェンド・f45195)はブルーローズの言い分に真っ向から反論する。
「申し訳ないですけど、それは驕りです。愛麗さんからは周りからの見てくれの話しか伝わってきません! キスしたいなら目線の高さなんて関係ない。ただ、やりたいことや自分の想いを伝えればよかったんです」
「伝えればよかった、だって? 伝えようとボクが決意したときには、あの人の隣は別の女が既にいたんだ! どうしようもないじゃないか!」
 ブルーローズは自らの心の闇を解放し、戦場の敵全員の輝きを奪って不幸を与え、自身に「奪った総量に応じた幸運」を付与する。
 咲幸は奪われたアイドルの輝きを感じると、頭上から照明器具が突然落下してきた!
 咄嗟に身体を真横へ飛んで緊急回避する咲幸は、ブルーローズへ決定的な言葉を投げかけた。
「それは、あなたが何も行動を起こさなかった結果です! 行動を起こさなかった自分の負けを……弱さを認めないと次へは進めません!」
「うるさい!」
 ブルーローズのユーベルコードで咲幸の身に次々と不幸が起きる。照明だけではなくステージセットが倒壊したり、マイクの音が出なくなったりとライブ続行不可能なところまで追い込まれてゆく。
 観客達ももはやここまでか……と諦め顔だ。
 だが、咲幸はまだステージに立ち続けていた。
「だとしても! みんなの応援があれば、負けません! コール⭐︎アンド⭐︎レスポンスだよ!」
 すかさずユーベルコードでファンの応援力と自身を強化! 不幸を跳ね除け、力ずくで近付く!
「目線の高さを気にする前に、相手の目を、目線の先を見たりはしてたんですか!?」
 不幸で近付けなかった咲幸はファンの声援を受けてブルーローズのユーベルコードを強引に突破して接近、そのままブルーローズの胸ぐらを掴んで自分の目線に引き摺り下ろして語りかける。
「あなたが奪った幸運が、心の闇を晴らすのなら! あたしの輝きを奪えばいいよ! でも、あたしの輝きが潰えることなんてありません! ファンのみんなの声援がある限り、あたし達アイドルは戦い続けることができるから!」
 奪う不幸の量よりもアイドルパワーの輝きのほうが上回ってゆく!
「これが……乙女の覚悟なのか!?」
 ブルーローズこと愛麗は、自分の臆病な心に今更ながら気付いて負けを認めるのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カシム・ディーン
皇家
UC継続中
流石にキャバリア状態だとやりづれーな…
「それじゃ戻るぞ☆」
疾駆する神発動
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵の能力や戦い方を把握
あ、僕はアイドルじゃなくてイケメンな?
「メルシーは神様だぞ☆」
「「メルシー達はアンサンブルだぞ☆」」(あの男の子に合わせた

つかあの陰キャ野郎…そんな事が
「煽っちゃう?」
よし彼奴を捨てた婚約者ぶちのめそうぜ!
「やっぱり同情しちゃうよね☆」

つー訳で僕も対抗するぞ
おめーに聞きテー事がある!
その野郎に対しておめーはどう行動を起こした!?
相応しいかどうかなんてもっとシンプルだろうが…おめーはもっと動くべきだったんだ
相応しさなんて…とっくにおめーはもってたんだよ
そいつが好きってならな
だからまぁ…おめーも判ってんだろ
…それはそいつの選択の結果だ
おめーが悪いわけじゃねぇ
だがその野郎が悪いわけじゃ…いや…見る眼がねーって事は悪いのか?
それに…僕の好きな女は強くてカッコいい女だぜ?

だからよぉ…おめーを選ばなかった時点で…下らねーと切り捨てた方が楽だぞ?

技能を尽し猛攻


皇・銀静
皇家
機神搭乗
………(実は二章で物凄く動揺してた
……金琉………何時からだ?
「やっぱり驚いてたんだ主は☆」
…そうか…猟兵って奴は…!(苦悩
兎に角…お前…エリちゃんだったか?お前は金琉を護り抜け
裏切ったら…鋳潰してやるからな…!
「大丈夫だよ主☆エリちゃんは金琉君を裏切らないよ☆金琉君を選んだのならね☆」
…この依頼が終わったら幾つか聞きたい事がある

…そうだな
まずはこの女を…って金琉!?おま…知って…
「確かにあの子には響くかもね☆」

ぐぅぅ…(でも息子の手前と言葉と状況に…決断!

今の妻よりも前に居て…婚約破棄した者への激情を…歌う(銀静の事情についてはアドリブ禁止

♪我が君よ
我が愛した君よ
家で決められた婚約者だった♪
それでも…僕は貴方を愛していた♪
でもすれ違い…貴方は自由と…他の男を選んだ♪
今も納得できない♪
僕の方が強かった♪
僕の方が活躍してた♪
だけど貴方はあの男を選んだ♪

許せなかった♪
怒りを抑える事をやめた♪

この僕を愛せ♪
愛さなければ僕を殺せ♪
それができなければ…

僕がお前を殺す…!

UC発動
技能を尽す


皇・金瑠
皇家
…ちょっと困ったね(冷静。変身解除
父の問いに
…猟兵達がサイキックハーツに訪れた頃だよお父さん(正直に答
「もしかして隠してたのかい金琉君?」
…うん。こういう場合お父さん心配するだろうからね
…時間の問題とは思ってたけどね

うん、わかった
先ずはあのお姉さんを助けるんじゃないかな

…お父さん
アイドルはおれ達にはできないけどミュージカルならいけないかな
ほら、|お母さん《汐音》と一緒にFat〇Zer〇のミュージカル見たでしょ?
おれも苦手だけどアンサンブルなら出来るよ
そこの|お姉さん達《ドラグナーメルシー》もやれるでしょ?
そうだね…お父さんは気にせず…嘗ての婚約者さんへの怒りを歌えばいいんじゃないかな
あ、おれの事は気にしなくていいよ

UC発動
おれは主に舞台演出をフォローとドラグナーメルシーさん達を指揮するよ
虚無の真眼発動
この場にいる者達全員の能力や特性や性質を解析

おれは舞台装置とかを操るよ
一応こういうミュージカルの演出は視ているからね
観客の感情は良く分からないけどスポットライトの当て方や演出は判るよ



 カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)はあることに気が付いた。
「流石にキャバリア状態だとやりづれーな……」
 アイドルステージ上でロボが踊るには手狭であった……
「それじゃ戻るぞ☆」
 メルシーは神機モードから人型モードへ変身し、アイドル衣装を着込んだ。
「で、そっちの気まずい二人はいい加減にしろよな?」
 カシムは皇・銀静(陰月・f43999)と皇・金瑠(灼滅者の殺人鬼・f44018)の二人を見遣った。
 実際、銀静は金瑠の姿を見て動揺を隠せていない。
「……金琉………何時からだ?」
「やっぱり驚いてたんだ主は☆」
「当然だ……」
 ストーカーのグリムは無表情の銀静の表情が動くレアケースに驚いた。

そして金瑠も困り果てていた。
「……困ったね。うん、正直に言うよ。猟兵達がサイキックハーツに訪れた頃だよ、お父さん。その頃に覚醒したんだ」
「もしかして隠してたのかい、金琉君?」
 勇猛神機『エインヘリヤル』も人型に戻って尋ねた。
 金瑠は俯きながら応えた。
「……うん。こういう場合お父さん心配するだろうからね……時間の問題とは思ってたけどね」
 銀静は新世界に猟兵が到達するたびに現地の種族が猟兵化する事実をよく知っていた。
「……そうか……これだから猟兵って奴は……!」
 父親として戦場に身内を出す苦悩。しかし戦力が増えることにかかわらない上に、信頼できる相手ならなおさら心強い。
「兎に角……お前……エリちゃんだったか? お前は金琉を護り抜け。もし裏切ったら……鋳潰してやるからな……!」
「大丈夫だよ主☆ エリちゃんは金琉君を裏切らないよ☆ 金琉君を選んだのならね☆」
 グリムの言葉に銀静は顔をしかめた。
「おい……この依頼が終わったら幾つか聞きたい事がある。付き合え」
「やだ……デートのお誘い……? トゥンク……☆」
 勘違いしているグリムの頬に銀静は無言で平手打ちをぶちかますのだった。
 一方、金瑠はため息混じりに現状を確認した。
「うん、わかった、先ずはあのお姉さんを助けるんじゃないかな。でも……お父さん。アイドル、おれ達にはできないけど……ミュージカルならいけないかな。ほら、お母さんと一緒にミュージカル見たでしょ?」
「おいやめろ、色々とフォローできないんだぞ!?」
「おれも実際ああいうのは苦手だけど……アンサンブルなら出来るよ」
「アンサンブル? アンす――」
「死ねぇ!」
 電撃迸る打刀がメルシーの首を刎ね飛ばす!
 カシムの容赦ないツッコミ(即死攻撃)によって権利侵害は未然に防がれた!
「もーご主人サマったら情熱的だぞ☆ よいしょ☆」
 転がった自分の首を拾い上げてくっつけるメルシーに目を疑いつつ、金瑠は尋ねた。
「えっと……そこのお姉さん達? アイドルもやれるでしょ? ドラグナーっぽいやつ?」
「おけまる☆」
「お父さんは気にせず……嘗ての婚約者さんへの怒りを歌えばいいんじゃないかな? あ、おれの事は気にしなくていいよ」
「今の妻よりも前に居て……婚約破棄した者への激情を……?」
 なんで息子が銀静の過去を知っているのかとか疑問がよぎるが、他に方法がないため言われるがまま怒りを歌に変えて暴れ出す銀静。
「四門開門・凶……! おい青薔薇とか気取ってんじゃねーぞ……!」
 まずは絶華が激情を込めて歌い出す!

 ♪我が君よ 我が愛した君よ
 家で決められた婚約者だった♪
 それでも……僕は貴方を愛していた♪
 でもすれ違い……貴方は自由と……他の男を選んだ♪
 今も納得できない♪
 僕の方が強かった♪
 僕の方が活躍してた♪
 だけど貴方はあの男を選んだ♪

 許せなかった♪
 怒りを抑える事をやめた♪

 この僕を愛せ♪
 愛さなければ僕を殺せ♪
 それができなければ……僕がお前を殺す…!

「お父さん、すごい感情の発露だな……」
 金瑠は戦わずにアイドルステージの照明やら音響を巧みに操って、父親のステージを盛り上げてみせる。
 これに愛麗は黙って頷いた。
「キミもつらい想いを経験したんだね……。ならばその輝きを捨てて、闇へ落ちよう!」
 愛麗は心の闇を漏らして、ユーベルコードで猟兵達の幸運を吸い取ろうと試みる。
 だが……。
「黙れ!」
「おごッ!?」
 で、でた~! 有無を言わさぬ銀静の顔面直撃パンチ! アイドル(物理)だ!
「僕の邪魔をするな……! 殺す!」
 銀静は怒りで我を失い、愛麗に馬乗りになって顔面をボコボコに殴り始めた!
 もはやアイドルステージではなく喧嘩バトル番組めいた泥臭い拳の乱打だ!
「ア、アイドルの顔を殴るとか、正気か!?」
「死ねぇ!」
「アバーッ!?」
 もはや殺戮マシーンとなった銀静を止められるものは、あんまりいない!
 てか息子よ、さすがお父さんだと感心してないで止めて上げて!
 愛麗がオブリビオン化が解けてもそのまま殴り殺しかねない!
 これには完全に置いてけぼりを食らっている元祖アホアホコンビのカシムとメルシーもドン引きだ!
「つかあの陰キャ野郎……そんな事があったのかよ?」
「じゃあ、煽っちゃう? 傷口に塩塗っちゃう?」
「まーもうあの陰キャ野郎がボコボコにしてくれてるからな? よし! 彼奴を捨てた婚約者ぶちのめそうぜ!」
「やっぱり同情しちゃうよね☆ ご主人サマ優しいゾ☆」
 カシムがようやくステージの上にたった。
「つー訳で! 僕も対抗するぞ。おい王子様よぉ! おめーに聞きてー事がある! その野郎に対しておめーはどう行動を起こした!? 相応しいかどうかなんてもっとシンプルだろうが……それ以前に、おめーは彼奴に好きだってアピールをしたのかよ?」
 これに愛麗は殴られながら応えた。
「して……ない! できるわけ、ないじゃ、ゲボ! ないか! アバーッ!?」
「そうか……だったら、もっと動くべきだったんだ……相応しさなんて……とっくにおめーはもってたんだよ! そいつが好きってならな! つか校内でファンクラブできるくれーの美貌なら、彼奴を口説けば堕ちただろうがクソボケがぁ! だからまぁ……要は、おめーも判ってんだろ? それはそいつの選択の結果だ。おめーが悪いわけじゃねぇ!」
「yalalalabadabbadlululu!」
 銀静は狂乱して、愛麗の顔面を晴れがってもなお殴り続けてる!
 一応、愛麗も青薔薇や言霊で銀静を屈服させようと試みるが、全てパワーの前では打ち砕かれるだけだった。パワーこそ最強だった。
「一応、その子、オブリビオンだけど女の子なんだよ!? もとに戻ったときに怪我が残らないよね!?」
 メルシーも心配そうに見守る!
 そしてカシムの説教はまだまだ続くのだった。
「だがその野郎が悪いわけじゃ……いや……見る眼がねーって事は悪いのか? それに……僕の好きな女は強くてカッコいい女だぜ? だからよぉ……おめーを選ばなかった時点で……下らねーと切り捨てた方が楽だぞ?」
「死ねぇぇ!」
 銀静、トドメにヤクザキックで愛麗の顎を蹴り飛ばして空中へ高々と飛ばした!
 空中へ飛び出した愛麗は、どこか諦めが付いた表情を浮かべていた……。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

東雲・緑田
アドリブ連携歓迎

■心情(をおもてなし精神で読み解く)
はい、愛の裏表、光と闇のせめぎ合い、
これもまた魔法少女で青春なのですね。
これは、是非とも大々的にプロデュースすべきでしょう

■回想
と言うわけで私、前回は後方P顔してたように見えまして、
はい、現場を緑田’に任せまして、
スカウトしてまいりました、

■ハートに届く

あ、ブルーローズさんはじめましてPの緑田です。
今回は新人|アイドル《魔法少女》デュオとのコラボありがとうございます。
差し出がましくも一言言わせて頂くと、
アイリーンさんのアンケ結果で男性人気、中々でしたよ。
女性ファンがそのパワフルでしたが。
後はお悩みの件ですが…
プレゼン不足かと、かけた時間とか、彼の好みと自分の好みを混同されても…

■二人は
さて、心揺らせた辺りで、魔法少女素体を取り出しまして、
愛羅さんのハートにUC失礼しますね。
そう、|アイドル《魔法少女》と言えば葛藤の果てに結ばれる絆。
さあ、彼にもUCで(TS中)同じステージに立っていただきましょう。
そう、二人の王子様、二人はアレクシアン!



 東雲・緑田(マホーの宇宙人の|魔法少女《アイドル》☆斡旋業者・f45150)はブルーローズこと愛麗の独白に思うところがあった。
(はい、愛の裏表、光と闇のせめぎ合い、これもまた魔法少女で青春なのですね。これは、是非とも大々的にプロデュースすべきでしょう)
 いつの間にか屋台で買い込んできたアマゾネスから揚げ串(魅惑のアレな味)に齧り付きながら、緑田は自分にそっくりの人物とバトンタッチする。
「お疲れ様でした、緑田’(グリーンダッシュ)。私が屋台巡りをしながら魔法少女のスカウトをしている間に仕事をしてくれて感謝します」
 なんと、先程のロボと戦っていたのは未確認生物である緑田のそっくりさんなのだった!
 早速、本物の緑田がブルーローズに接触する。
「あ、どうも。お取り込み中失礼します。はじめまして。私、魔法少女と書いてアイドルを発掘する新人宇宙プロデューサーの東雲・緑田です。私の『代理』がお騒がせしたようで。これ、つまらぬものですが、どうぞ受け取ってください」
 緑田が差し出したのは大量のお好み焼き(激しいソレの味)だった。
「いや、アイドルのステージで堂々スカウト活動をするとか、プロデューサーとしての品格はどうなんだい? あとうちの在校生はなんて怪しい者を販売してるんだろうか?」
 呆れるブルーローズだが、緑田は構わずゴリ押し営業を開始!
「さて、|魔法少女《アイドル》になってみませんか? 今ならうちの新人とデュオユニットとして売り出す路線を考えております。正直に言うと、アイリーンさんの女性人気は無視できないのですよ、我が事務所に是非所属して頂き、全銀河を股にかけて活躍していただきたいのです」
「全銀河だって? 言ってる意味が全然理解できないんだが!?」
 ブルーローズはなんだか面倒臭くなってきた。緑田は勝手にコンセプトや組まされる新人魔法少女の性格や長所を語りだすのだから、聞くだけ無駄だと判断したのだ。
 故に、ブルーローズは指鉄砲を緑田に向けて発射する素振りをしてみせた。
『バァン! 跪け!』
 これはユーベルコードであり、指差された相手は目の前で屈服するのだ。もし理性でこれを逆らえば、対象のファンが半減する。つまり緑田のプロデューサーとしての信用がガタ落ちになるのだ。
「アイリーンさんのアンケ結果、男性人気も中々でしたよ。女性ファンがそのパワフルでしたが。後はお悩みの件ですが……やはり意中の男性へのプレゼン不足かと。かけた時間とか、彼の好みと自分の好みを混同されても……」
 だが緑田は屈しない! いや、緑田に最初からプロデューサーとしての信用はないのだ!
 だってえ魔法少女へ勧誘する成人男性がまともに見えるだろうか? 見えるはずがない!
「こいつ! 最初から信頼値が終わってるだと! 人として恥ずかしくないのか!?」
 愕然とするブルーローズ。これに緑田が首を傾げる。
「すみません。先程からアイリーンさんが何を仰ってるのか理解できません。私、人間じゃなくて群生型不定形生物遊星人なので」
「ガチの地球外生命体だって!?」
 これにはステージを見守る観客達もどよめきが広がってゆく……。
「さて、そろそろお話をまとめましょうか。魔法少女素体を取り出しまして、愛羅さんのハートに失礼しますね」
「グワーッ!」
 いきなり魔法少女の元をチェンジアップで愛麗の胸元へ投げ込む緑田!
 こいつ人間のやることじゃねぇ! もともと人間じゃなかったがな!
「そう、アイドル魔法少女と言えば葛藤の果てに結ばれる絆。さあ、彼にも同じステージに立っていただきましょう。そう、二人の王子様、二人はアレクシアン!」
「愛麗……俺、魔法少女になっちまったよ……」
 緑田の後ろには、美少女化した愛麗の意中の彼の変わり果てた姿(超絶美形魔法少女)があたった。
「いやあーぁぁぁぁぁー!?」
 愛麗は意中の人が女性化したり魔法少女貸していたり、そもそも自分の胸の内を罵詈雑言とともに吐き散らかしていたのをステージ脇から見られていたと思うと、気まずさと羞恥で思わず爆発四散してしまった!
「はは〜ん? 体を張る芸人系魔法少女路線ですか、アリですね……」
 緑田のキチガイぶりがこの瞬間、ステージ上で露見した。
 当然、プロデューサーとしての信頼値は微塵も増えずにゼロを横ばいするのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等歓迎



……それは違うわ。
釣り合うとか合わないとか、そんなの恋愛には関係ないことよ。

貴女がその男の子のこと、本当に好きだったんだって、
痛いくらい伝わってくる。

だからこそ言わせて。
貴女がその子のことを好きになったのはどうして?
その子みたいなタイプが好みだったから?

……きっと、きっかけはそうだったかもしれないけど、
それだけじゃ、なかった筈でしょう?

選ばれなかったことをそこまで悔しがれるんですもの
……きっと、時間をかけて
色々なところを知っていくうちに、
好きになった時よりずっと、大好きになっていったと思うから。





そんな恋する乙女に、悪魔法少女から一つプレゼントよ。
「好みでない」のなら「好みにする」

貴女の言う「強くてかっこいい女性」を貫き通すのもまた強さだって
先輩アイドルとして、見せてあげるわ!


──|混沌変身《メークチェンジ》!

悪魔法少女★あすも☆デウス・|混沌変身態《カオスフォーム》!

クールな<ダンス><パフォーマンス>に乗せた<歌魔法>で

光と闇の混沌を創生
青薔薇の蔓を弾き飛ばすわ!



「ああ、もうめちゃくちゃじゃないのよ!」
 ステージ上がカオスになった原因を作った張本人をカンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)はステージ下へ全力で蹴り落とした。
「ぐす……もうおしまいだ……! こんなはずじゃなかったのに……!」
 ブルーローズこと愛麗はボロボロになって泣きじゃくっている。もはや戦意喪失している。
 だがアイドルステージがまだ顕現している以上、愛麗の心から溢れる骸の海は止まっていないのだ。
 カンナハは彼女を救うため、マイクを握りしめて叫んだ。

「立ちなさい! それにまだ終わってないわ!」

 ブルーローズはキョトンとしてえカンナハを見詰める。
「ここからどうしろっていうのさ!?」
「そもそも、根底から違うわ! 釣り合うとか合わないとか、そんなの恋愛には関係ないことよ。
貴女がその男の子のこと、本当に好きだったんだって、痛いくらい伝わってくるわ。だからこそ言わせて。『貴女がその子のことを好きになったのはどうして?』 教えてくれるかしら?」
 カンナハの質問に、ブルーローズは即答しようとした。だが言葉が出てこない。むしろ最初から答えなどなかったかのように言葉に詰まる。
 カンナハは一気に押し切る。
「その子みたいなタイプが好みだったから? その子のどこが好みだったの? 思い出せない? 違うわ……きっと、きっかけはそうだったかもしれないけど、それだけじゃ、なかった筈でしょう? だって……『最初からそんなのなかった』んだもの」
「!?」
 カンナハの言葉にブルーローズはひどく狼狽し始めた。
「それ以上言うな!」
 ブルーローズは茨が巻かれた銃をカンナハへ突きつける。引き金に指をかけて、いつでも発射できると言いたげに威嚇する。
 しかし、カンナハは他の猟兵達とは覚悟が違った。
「選ばれなかったことをそこまで悔しがれるんですもの……きっと、時間をかけて、色々なところを知っていくうちに、好きになった時よりずっと、大好きになっていったと思うから。でも、貴方は恵まれすぎたのよ。その美貌に自信があるゆえに、誰からも好かれると『勘違い』していたのよ。実際、この学校で貴方の人気は疑うことなくナンバー1だったでしょうね。でも、彼は貴方を見てなかったのよ。残念だけど、この事実から目を逸らしちゃダメなの!」
「うるさい! うるさい! うるさい! それ以上『本当のこと』を言うな!!」
 ブルーローズは重厚から青薔薇の茨を発射! 勘違いの身体を絡め取って束縛する!
「これはボクの命を削るユーベルコードだ! このまま地獄まで一緒に落ちてもらうよ!」
「もう、やっと素直になったと思えば心中のお誘い? そんな恋する乙女に、悪魔法少女から1つプレゼントよ。『好みでない』のなら『好みにする』だけよ。貴女の言う『強くてかっこいい女性』を貫き通すのもまた強さだって……先輩アイドルとして、見せてあげるわ!」
 カンナハのマイクがまばゆい輝きを放つ!

「──|混沌変身《メークチェンジ》! 悪魔法少女★あすも☆デウス・混沌変身態カオスフォーム!」
 これは、美少女戦士アニメ御用達の変身バンクだ!
 アイドルパワーが炸裂した結果、拘束していた茨を引きちぎり、光と闇の魔法が入り混じった混沌モード衣装へえの早着替えを実現したのだ!
「まさか、ユーベルコードが破られただって!? のこり7秒……全部撃ち込んでボクは死んでやる!」
 再びブルーローズは銃口を突きつける。だが、Popなユーベルコード調のアイドルソングが流れ出すと、カンナハはキレキレのダンスとクールな歌声で銃口から飛び出る茨を花束へ魔法で変えてみせた!
「光と闇の混沌魔法はあらゆるものを創生できるわ! 貴女の青薔薇の蔓を弾き飛ばして、その心にキレイなお花を咲かせてあげる!」
 おお! この楽曲は! 御当地魔女っ娘アニメのオープニング曲めいたキャッチーさもありつつ、有名プロデューサーが手掛けたかのようなモーショナルな歌詞の完璧なマリアージュ!
 カンナハのパフォーマンスで観客達は一斉に盛り上がり、その完成がカンナハのパワーへ変換されてゆく!
「あすも☆デウス★テンションビーム!」
 ハートマークのハンドサインから発射されたビームがブルーローズに命中!
「グワーッ! リフレェェェェェーッシュ☆」
 虹色の爆発を起こしたブルーローズは、骸の海から解放されて見事、浄化されたのであった!

「驕り高ぶって、勝手に相手が自分のことを好きだと勘違いしていたなんて……恥ずかしい……」
 正気にも戻った愛麗は母校の校門をあとにした。
 おぼろげに何が遭ったかは覚えている。だが、この世界での精神世界「アイドルステージ」での出来事の記憶は現実に持ち越すことが出来ないのがお約束である。
「でも、ボクは『王子様』だからね! まだボクの魅力に気付いてない人達のために、ボクはもっと美しくならなくては! ハーハッハッハ!」
 どこか吹っ切れた様子の愛麗を、カンナハは陰ながら見守る。
「いつか全人類が振り向くようなカッコいい女性になれるわ、貴女ならね?」
 カンナハはまるで自分自身に言い聞かせるように、愛麗へこっそりエールを送ったのだった。

<了>

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2025年05月04日


挿絵イラスト