「ねぇ、どうして? そんな子よりボクのほうが顔立ちが整ってるじゃないか。背だって君と殆ど変わらない、同じ目線で見つめ合えるのに。ねぇ、どうして? ボクが『王子様』だからかい? キミは、いかにもか弱い女の子のほうが好きなのかい?」
出現したアイドルステージの上で、愛麗は王子様系悪役アイドルへと変身。そしてファンの女子生徒達を従順なロボットに変えて、男子生徒とその恋人を殺害してしまうのだった。
「この世界は猟兵とアイドルの存在はなぜか人々の記憶に残りにくく、しかも存在すら知られていません。ですので、まずは愛麗さんの暴動が起こる前にゲリラ音楽ライブイベントを開催して、戦闘の際に応援してえもらうような下地を作ってゆきましょう」
アイドル☆フロンティアでの戦闘は特殊で、アイドルになりたいと願った者のもとにアイドルステージが出現することでバトルが始まるのだ。そうしなければオブリビオンは可視化されずに浄化も出来ないのである。
ライムがグリモアを輝かせれば、猟兵達は新世界『アイドル☆フロンティア』へ出立してゆくのだった。
七転 十五起
新世界『アイドル☆フロンティア』へようこそ!
なぎてん はねおきです!
●概要
第1章は日常、卒業式でゲリラライブイベントを開催します。
同時に飲食やゲームの出店も出店しているようですので、ライブそっちのけで楽しんでもいいかと思います。
ただしあくまでもライブがメインです。内容次第では却下させていただくこともありますので、その辺りをご考慮しながらプレイングを掛けてください。
第2章集団戦、この事件の張本人である播磨・愛麗の心から溢れた骸の海に冒された、ロボに成り果てた愛麗のファン達と戦います。
アイドルステージ上でのバトルですので、召喚された観客へのファンサービスを交えながら戦うと有利に戦えます!
第3章ボス戦、いよいよ王子様系悪役アイドルに変身した愛麗と直接対決です。
ユーベルコードの対策の他に、恋愛絡みの歌や呼びかけをすることで大きな隙が生まれるかも知れません。
それでは、皆様の熱い歌声をプレイングに込めて、ご参加をお待ちしてます!
第1章 日常
『お祭り☆フェスティバル』
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POW : 出店を巡って楽しむ
SPD : ゲームやレクリエーションの企画に参加する
WIZ : ライブステージを見物する
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「えー、突然ですが、今回の卒業式は学園祭のように賑やかに行おうと思います」
校長の鶴の一声……ではなく、グリモア猟兵があらゆる手段を尽くして学校側へ働きかけた結果である。
お陰で校庭には様々な出店が軒を連ねて賑わいを見せている。
友人同士で巡る者達いれば、恋人同士の甘い時間を過ごすなんてことも。
「アイリーン様! あっちでゲリラライブが開催されるようですよ!」
「行きましょうよ! どんなアーティストが出演するんだろう〜?」
もちろん、取り巻きのファン達に誘われた播磨・愛麗もステージへ向かう。
「ああ、もちろんだとも。ただ、ボクの華々しい高校生活最後に相応しい演奏だといいのだけどもね」
まんざらでもなさそうな愛麗だが、すれ違う意中の男子生徒とその恋人の小柄な後輩女子生徒を見かけると、ちくりと心の奥が針で刺されるような感覚に見舞われるのだった。
スイート・シュガーボックス
学園祭卒業式でゲリラライブだってさ、ディオちゃん。
「アオハルの極みじゃん。テンションアゲアゲでいくっきゃねえべ☆」
そして愛麗ちゃんの失恋の痛みを癒すには…そうだね、お菓子だねッ!
早速ステージに上がろう。
「ヒュー、皆盛り上がってる〜?もっとアゲてこーッ!」
さあ、この世界で新たな力のお披露目だ。ディオちゃん、ハイタッ〜チ…からの【錬成するは、黄金の流星の如き輝き】ッ!
アイドルになったディオちゃんがアイドル力を爆アゲして歌って踊っちゃうよ。
さらに出店の食べ物を持ってきて…食レポパフォーマンスだッ!
売上にも貢献しちゃって出店の人達をファンにって寸法さ。
「スイートPの手腕が光る〜☆」
【アドリブ歓迎】
スイート・シュガーボックス(おかしなミミック・f41114)、そしてそのズッ友のディオニュソスは、卒業式を終えたばかりの私立高校の校庭に足を踏み入れた。
猟兵側の要請により、既に多くの出店が校庭で軒を連ねて大盛況だ。
「学園祭卒業式でゲリラライブだってさ、ディオちゃん。すごい賑わいだッ!」
「こんなんアオハルの極みじゃね? もちテンアゲMAXでいくっきゃねえべ☆」
「そして予知された愛麗ちゃんの失恋の痛みを癒すには……そうだね、お菓子だねッ!」
スイートは普段にも増して自信たっぷりの様子で、特設ステージへディオニュソスと一緒に向かっていった。
早速ステージに上がったスイートとディオニュソスは、多くの卒業生と在校生から声援を送られた。
「あの水色の髪の子カワイイ!」
「お菓子の缶箱が歩いてる! しかも喋ってる!」
「多様性ってすごいねー!」
猟兵はその特性によって『一般人から絶対に種族特徴等を怪しまれない』ので、ミミックであるスイートも『お菓子の缶箱の姿をした、そういう人』だと認識されるのだ。
「ヒュー、皆盛り上がってる〜? もっとアゲてこーッ!」
ディオニュソスが手を振れば、学園の男子生徒達は一斉に野太い声を上げて手を振った。
「「ディオちゃああああああ!」」
「あ、でもウチ、実は男なんだけどね?」
そう、ディオニュソスは男の娘である!
唐突のカミングアウトに、会場はなぜか更に熱狂した。
「カワイイ男の娘、萌えるぅ!」
女子のハートにクリーンヒット!
「こんなに可愛いなら男でも良かですたい!」
男子の新たな性癖の扉を開けてしまう。
なんて罪づくりなディオニュソス!
「さあ、俺も頑張るよッ! この世界で新たな力のお披露目だ。ディオちゃん、ハイタッ〜チ!
「いえ〜い!」
「からの〜? 【
錬成するは、黄金の流星の如き輝き】ッ!
すると、仮設のステージは魔法のアイドルステージへと大変身!
ディオニュソスの姿もスイートのお菓子錬金術パワーを込めたハイタッチによって、グルメでデリシャスなアイパーアイドルに超変身!
「ふふふ、アイドルになったディオちゃんがアイドル力を爆アゲして歌って踊っちゃうよ。さらに! 俺が出店の食べ物を持ってきて……さあディオちゃん! 出店のグルメ、食レポパフォーマンスだッ! 売上にも貢献しちゃって出店の人達をファンにって寸法さッ!」
「スイートPの手腕が光る〜☆ それじゃ、まずはカレーからいただきまーす! あむっ! ん〜! これはなかなかスパイシー! 刺激的なアオハルの味だね! 鼻から抜けるカルダモンの香りにゴロゴロ大きい具材がたまらな〜い! これを食べれば、高校3年間の思い出も一瞬で蘇っちゃうカモ? すっごく美味しい! じゃあ次は〜たこ焼きをいっただっきま〜す♪」
ディオの食レポで食べた屋台グルメは、すぐに生徒達が殺到して大繁盛!
会場にいる愛麗もファンと一緒に、紹介されたクレープを頬張ると、つかの間の笑顔を取り戻すのだった。
大成功
🔵🔵🔵
カンナハ・アスモダイ
※アドリブ連携等歓迎
口調:女性的(私、あなた、なの、よ、なのね、なのよね?)
惚れた腫れたの大騒ぎ……実にアオハルって感じね。
何はともあれ、新たな門出をお祝いしなきゃね!
ゲリラライブのお時間よ!
プリンセスハート!メ~クアップ!
みんなに笑顔を!完全無敵★最強アイドル!
悪魔法少女★あすも☆デウス!降☆臨!
まずは空中<パフォーマンス>で<存在感>をアピール!
<励まし>ボイスの<歌魔法>で下準備を整えるわ!
いくわよ!
乙女魔法「花咲か魔法少女~新たな門出を祝いましょう」!
溢れんばかりのフラワーシャワーで卒業生をお祝い!
悪魔法少女として、あなたたちの進む道に幸あらんことを願うわ!
卒業、おめでとう!
盛り上がりを見せる卒業ゲリラライブ。
次の出演者はカンナハ・アスモダイ(悪魔法少女★あすも☆デウス・f29830)だ。
ステージ脇でカンナハは播磨・愛麗の姿を発見して、こっそり眺めている。ウルフカットかかったショートヘア、役者のように整った顔立ち、そして気品溢れる立ち振舞い。制服こそ女子生徒だが、纏うオーラは確かに『王子様』だった。
(そんな『王子様』が男子バスケ部員と惚れた腫れたの大騒ぎ……実にアオハルって感じね)
しかもそれが報われないのだから、このあとの展開が少し心苦しくなる。
(何はともあれ、新たな門出をお祝いしなきゃね!)
カンナハは愛麗の心の闇を少しでも取り払うべく、そして卒業生達を応援するべく、きらびやかなステージへ登場してみせた。
「こんあす〜! みんなに笑顔を届けたい! 完全無敵★最強アイドル! 悪魔法少女★あすも☆デウス、契約者のみんなの願いに応えて、ここに降☆臨よ!」
プリンセスハート★XENOMを頭上に掲げてピカピカ輝かせれば、一瞬で観客達はカンナハに視線が釘付けになった。
湧き上がる歓声にステージの端からは端まで駆け回って手を振るカンナハは、笑顔で言葉を発した。
「ありがとう! それじゃあ早速、ゲリラライブのお時間よ! プリンセスハート! メ~クアップ!」
ユーベルコードの詠唱を済ませると、カンナハの身体はなんと中に舞い上がり、彼女特有のアイドルステージが具現化する!
「コール&レスポンスの準備はバッチリよね? 私が『Hey!』って言ったら『Wowow あすもちゃん!』ってアンタ達は叫ぶのよ! 返事は〜?」
「「いえええええええええーっい!」」
そうしてしばらくコール&レスポンスの練習をしてステージの空気を温めた後に、いよいよ記念すべき1曲目を披露するカンナハ。
「オーケー! この熱量のままいくわよ! 1曲目は、乙女魔法『花咲か魔法少女~新たな門出を祝いましょう』! よーく聞きなさい!」
軽快なアイドルPOPソングで空中でのパフォーマンスをこなしてゆくカンナハ。時には可愛く、時には妖艶に観客達を魅了し、あえて愛麗へ視線を投げかけてウィンクしてみせた。
「――!?」
さすがの愛麗も悪魔のカリスマオーラ的魅了は心に届いたらしく、恥ずかしそうに目を泳がせていた。ちなみに周りの取り巻きのファン達は刺激が強すぎたためか腰砕けになってしまった。
1曲目を歌い終えたら、続けざまに2曲目、今度は情熱的なロックバラードで攻める!
今度は地上に降りて、身振り手振りで歌を表現してゆけば、観客達の心を大きく揺さぶってゆく。曲の最後はコール&レスポンスも成功させ、会場全体が一体になったのだった。
(よし、今よ!)
次の瞬間、魔法のアイドルステージの上から、溢れんばかりのフラワーシャワーで卒業生を祝う!
降り注ぐ色とりどりの花弁は、彼女のステージをより極彩色に飾り立ててみせた。
「2曲続けて聞いてくれて、ありがとう! 悪魔法少女として、あなたたちの進む道に幸あらんことを願うわ! 卒業、おめでとう!」
割れんばかりの拍手と歓声をあとに、カンナハは満足しながら舞台袖へはけていった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
UC常時
「うへへへへへへ♥」
…なんだお前…妙にご機嫌だな?
「うんうん☆あのねご主人サマ☆実は遠い遠い世界にもメルシーが居たんだぞ☆」
…は?
「メルシーも気づけなかったけど…伝令の権能は遠い世界のメルシーにもアクセスできるみたいでね☆それで…ご主人サマとメルシーの冒険を伝えたんだけど…そしたら向こうのメルシーも凄く興味持っててね…向こうのご主人サマに接触できたみたい☆」
お前ら何やってんだよー!?逃げろ向こうの僕ー!?
「もう手遅れだぞ☆」
畜生めー!?つか何処だよ!?36世界じゃねーのか!?
「遥か遠い世界だぞ☆UCも使えないみたいだぞ☆」
うっがぁ!もうやけだ…出店の食いもん買ってライヴ観るぞおらぁ!
つか…好きな奴にフラれるとかまぁ…結構傷つくからな?
「あー…結構傷ついたんだ☆」
知るかボケ
僕は僕を愛してくれる人を大事にするだけだ
「そっか…☆」
それじゃ…ライヴキメるぞおら!
それは盗賊スタイルの歌
欲しい物は奪え!戦って勝ちとれ!願うだけで得られる物などない
渇望すれば力を尽せ!
そんな想いを歌おう
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)の相棒メルシーは、なんだかご機嫌の様子だ。
「うへへへへへへ♥」
『……なんだお前……? 妙にご機嫌だな?」
「うんうん☆ あのね、ご主人サマ☆ 実は遠い遠い世界にもメルシーが居たんだぞ☆」
「……は?」
メルシーが妄言を吐くのは日常茶飯事だが、流石に今の言葉はカシムは理解しがたい内容だった。
「何言ってやがるんだてめー?」
「メルシーも気づけなかったけど……伝令の権能は遠い世界のメルシーにもアクセスできるみたいでね☆ それで……ご主人サマとメルシーの冒険を伝えたんだけど……そしたら向こうのメルシーも凄く興味持っててね……? その子、遂に向こうのご主人サマに接触できたみたい☆」
「お前ら何やってんだよー!? 逃げろ向こうの僕ー!? てか平然と第四の壁を貫通するな!」
「もう手遅れだぞ☆」
「畜生めー!? つか何処だよ!? 36世界じゃねーのか!?」
「遥か遠い世界だぞ☆ ユーベルコードも使えないみたいだぞ☆」
いや、どこだよそこ???
「うっがぁ! もうやけだ……! 出店の食いもん買ってライヴ観るぞおらぁ!」
カシムは混乱して出店グルメを片っ端から食い荒らしに向かうのだった。
「つか……好きな奴にフラれるとかまぁ……結構傷つくからな?」
ようやく正気に戻ったカシムは、今回の事件の確信に迫る。そして自身の経験談と重ねていた。
「あー……つまりご主人サマも結構傷ついたんだ☆」
「知るかボケ! 僕は、僕を愛してくれる人を大事にするだけだ!」
「そっか……☆」
「それじゃ……ライヴ、キメるぞおら! 応援するんだろ!?」
「そうこなくっちゃ☆」
カシムとメルシーがステージに上がると、荒々しいロックサウンドとともにステージを駆け回り始めた。
それは盗賊スタイルの歌だ、欲望の歌だ。
「欲しい物は奪え! 戦って勝ちとれ! 願うだけで得られる物などない! 渇望すれば力を尽せ!」
「この世は強欲だぞ☆」
そんな真っ直ぐな欲望の歌が、愛麗の胸を打つのであった。
大成功
🔵🔵🔵