【サポート優先】お菓子と王子さま
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●嘆き
「悔しい……」
「何が英霊だ、どうして私たちだけが」
災魔、『アルダワホムンクルス』の群れが、ぶつぶつと呟きながら、あてもなく迷宮をさまよう。
正確に言うならば、彼女らは単なる災魔ではない。かつて、鋼鉄共栄圏において、幻朧帝と戦い散った人々の魂……それらと合体した災魔なのだ。
「無念だよね、辛いよね」
かつん、と重い足音が迷宮に響く。
「安心して。僕がすべてを受け止めるから」
足音の主……西洋親分『しあわせな王子さま』は、災魔の群れへと両腕を広げた。
●グリモアベース
「帝都櫻大戦の時に、キャンピーくんがアルダワに送り込んでくれた、しあわせな王子さまなんだけど……まだ帰れてないみたいなんだよね」
リサンドラ・ビューティファイ(化粧の悪魔・f43721)は、片方の人差し指を立てて頬に当てる。
「でも、王子さまは、あまりカクリヨファンタズムに帰ることにはこだわってないみたい。アルダワの広い迷宮をずーっと旅して回ってるんだって。というのも、帝都櫻大戦で『護国鉄神零號』さんがアルダワ地下迷宮に出現した時に、護国鉄神零號さんの体内から、8億の魂のうち『278万体』が漏れ出て、迷宮の災魔と合体しちゃって、そのまま、さまよっているんだよ。王子さまは優しいからね、ほっとけないのも分かるよ。……だから、王子さまを手伝ってあげてほしいんだ」
言い、リサンドラは胸の前で両手を組んで、『お願い』のポーズをとった。
それから彼女は続ける。
「王子さまは迷宮で、アルダワホムンクルスっていう錬金生物の災魔と合体した、英霊の群れと向かい合ってるところだよ。まずは王子さまと合流して、災魔を一掃しないと。普通に戦って英霊を介錯してあげてもいいんだけど、王子さまは英霊たちとお話をして、傷付いた心を癒して成仏させてあげようとしてるみたい。どっちの方法をとってもOKだよ」
それと、と呟き、リサンドラは人差し指で空中に小さな円を描いた。
「アルダワホムンクルスの後には、一際強力な災魔と出くわすことになると思う。『お菓子な精霊魔術師』シュガー・メレンゲ……この災魔自身、かつて、大魔王の軍勢と戦い命を落とした英雄の一人なんだけれど、この災魔にも、幻朧帝と戦い散った人の魂が合体してるよ。似た者同士、相性が良かったのかもね」
対話で英霊を成仏させようにも、相手は恨みと哀しみに狂い切っており、一旦大人しくさせなければこちらの言葉も届きそうにない。
しあわせな王子さまは、頑丈な体を活かして盾役を買って出てくれるだろう。その隙に一旦殴り倒して無力化するなり、相手が疲れ果てて動けなくなるまで王子さまと一緒に攻撃をいなし続けるなりして、この英霊を大人しくさせ、話を聞いて成仏させてやる必要がある。
「終わったら、一度アルダワ魔法学園に帰ってくるといいよ。調理室を貸してくれるそうだから、お菓子作りをやってみるのはどうかな。あ、甘いのが苦手なら、他の料理でも大丈夫。もし料理自体が苦手なら、食べる専門とか、眺める専門でも良いよ」
全ての説明を終えたリサンドラは、グリモアを起動した。
「行ってらっしゃい、頑張ってね!」
猟兵たちは、アルダワ地下迷宮へと転送されていく。
地斬理々亜
地斬です。
よろしくお願いします。
こちらはサポート優先シナリオです。
第1章 集団戦
『アルダワホムンクルス』
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POW : コピー・クリスタライズ
自身と自身の装備、【触れている】対象1体が透明になる。ただし解除するまで毎秒疲労する。物音や体温は消せない。
SPD : コピー・ミレナリオ・リフレクション
対象のユーベルコードに対し【正確に全く同じユーベルコード】を放ち、相殺する。事前にそれを見ていれば成功率が上がる。
WIZ : コピー・叛逆の狼煙
【両手のひら】で受け止めたユーベルコードをコピーし、レベル秒後まで、両手のひらから何度でも発動できる。
👑11
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仲佐・衣吹(サポート)
キレイなもの、カワイイもの、ぶち壊そうなんて許さないんだから
バトルだって芸術よ。美しく戦いなさい!
お相手するはアタシことネイル
美術好きな女性人格よ
口調はいわゆる女言葉かしら
身のこなしが一番軽いみたいで
接近戦より距離をとってダガーで戦うのが好きよ
よく使う手は
外套を投げつけて囮や目暗ましからの一撃
ルーンソードで戦ってる途中で手放して虚を突き、袖口から隠し武器としてダガー
光属性を付けたルーンカルテを落としといて、タイミングを見て目潰しフラッシュ
こんなところかしらね
アイテムやユーベルコードはお好きに選んでくれていいわ
使えるものは全部使って、華麗に美しく戦いましょ!
●勝利への道程は美しく
「しあわせな王子さま、アタシが手伝いに来たわよ」
「ああ、猟兵が来てくれたんだね。助かるよ」
しあわせな王子さまに、仲佐・衣吹(多重人格者のマジックナイト・f02831)が声を掛けた。王子さまが微笑を返す。
多重人格者である衣吹の人格は、複数ある。その中で、現在表に出ているのは、女性人格『ネイル』である。
「さあ、華麗に美しく戦いましょ、英霊たち!」
言い、ネイルはすらりとルーンソードを抜き放った。
「――アタシの、まるでチートのような、とんでもない才能……とくと見るがいいわ」
ネイルの姿が不意に増える。実体を有する、10体のネイルの分身が現れた。『カゲブンシン・フェノメノン』の効果が発動したのだ。
本体を含め11人のネイルが駆け、ルーンソードを閃かせる。接近戦はあまり好まないネイルだが、いくつもの刃が閃く戦場というのもまた美しいと判断したのだ。
英霊を宿したアルダワホムンクルスたちが、一体また一体と地に伏していく。
「く……『コピー・叛逆の狼煙
』……!」
アルダワホムンクルスの一体が、ネイルの分身のルーンソードを両手のひらで受け止めた。
直後、アルダワホムンクルスが増える。10体、20体、30体……。コピーした『カゲブンシン・フェノメノン』の効果を、繰り返し発動しているのだ。
ネイルとその分身たちは、ふっと口元を緩め、一斉にルーンソードを手放した。
「おや、降参か?」
「それでいい、生者は敗者となるがいい!」
歪められた英霊たちが、勝ち誇った笑い声を上げる。
「いいえ――アタシね、こういうのが好きなのよ」
ネイルの袖口からするりと現れたのは、ダガー。それを振るい、手近な災魔の首を浅く傷付けると、増えに増えた災魔は、同時に、床へ力なく崩れ落ちた。
「分身は本体と生命力を共有し、分身の数だけダメージは倍加する……それを利用させてもらったわ」
次は、ネイルが勝ち誇る番であった。
成功
🔵🔵🔴
向・存(サポート)
もし手助けが必要でしたらお手伝いするのですよぉ~。
得意なのは近接戦闘とか、【情報収集】も兼ねた見回りとかお話を伺うのも好きですよぉ~。
非道なことをなされる方には手加減無用、全力で参らせていただきますねぇ~。
大丈夫ですよぉ~。手足の二・三本くらいもげてもなんとかなりますのでぇ~。
ユーベルコードの出し惜しみをするつもりはありませんよぉ~。
使いどころに迷ったときはぁ、ご同輩に相談するのも良いですねぇ~。
あとは最後まで油断大敵、【咄嗟の一撃】も放てるように【逃亡阻止】は意識しておきましょう~。
堅実にきちんと片づけたら、皆で美味しいものでも食べて帰りましょう~。
※アドリブ・連携歓迎
●むかしむかし
「王子さま、お手伝いするのですよぉ~」
「ありがたいよ」
アルダワ地下迷宮に現れた、向・存(葭萌の幽鬼・f34837)へと、しあわせな王子さまは再び微笑を向けた。
「えっとぉ~。英霊の皆さんとお話しして、成仏させてあげればいいんですよねぇ~?」
「そうしてもらえるなら、僕としては嬉しい」
確認するように尋ねた存へ、王子さまが答える。
「それじゃ、昔話を語りましょうかぁ~」
存はユーベルコードを発動する。『
伝承者』。周囲の地下迷宮の風景が、牧歌的な光景に置き換わった。
「むかしむかし、あるところに、おじいさんとおばあさんが暮らしておりましたぁ~」
存が、辺りを見回す英霊たちに語りかける。
「おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川へ洗濯に……もう分かりますねぇ~。ここは、日本の説話『桃太郎』の世界ですよぉ~」
英霊たちは存に襲いかかろうとするが、説話の進行を妨げる行動であるため弱体化し、軽々とかわされる。ユーベルコードをコピーしようと試みても、同じ空間を展開できるようになるだけなので、無意味だ。
「この後、鬼ヶ島に向かった桃太郎は、鬼退治を成功させ、金銀財宝を持って、おじいさんとおばあさんのもとに帰りますぅ~。……あなた方も、幻朧帝を倒して無事に生きて帰って、めでたしめでたしで終わりたかった……そういうことですよねぇ~?」
存の言葉に、英霊たちの動きが止まった。
「確かに、あなた方が生きて帰れなかったのは悲しいことですねぇ~。ですが、あなた方の勇敢な犠牲がなかったなら、より多くの犠牲が出ていたことでしょ~。あなた方は、数多くの人々の『めでたしめでたし』を勝ち取ったんですよぉ~。誇ってくださいぃ~」
英霊たちが涙をこぼし、鼻を啜る。
「ありがとう……」
礼を言い成仏してゆく英霊たちを、存は穏やかな笑顔で見送った。
成功
🔵🔵🔴
仇死原・アンナ(サポート)
鉄塊剣『錆色の乙女』,妖刀『アサエモン・サーベル』、戦闘用処刑道具『赤錆びた拷問器具』、『鎖の鞭』等装備してる物を使います
UCは指定した物をどれでも使用
普段の口調は(私、あなた、呼び捨て、ね、よ、なの、なの?)
戦闘中は(ワタシ、お前、呼び捨て、言い捨て)
処刑人として敵と戦います
同行者がいれば協力
メインは鉄塊剣等大剣で敵を攻撃
鉄塊剣の使用が不向きな相手・場所では刀剣をメインにし敵を攻撃
拷問具や鞭を使い敵の行動を阻害、鉄塊剣や刀剣で敵群を倒す
守護対象がいれば武器受けでかばい、敵をおびき寄せ注意を惹いたりします
キャバリアを操縦したり生身でも戦います
●手向け
「王子様」
「久しぶり、アンナさん。君も手伝いに来てくれたんだね」
仇死原・アンナ(処刑人、獄炎の花嫁、焔の魔女、恐怖の騎士・f09978)の姿をサファイアの瞳に映した王子さまは、親しげに微笑み、片手を小さく挙げた。
「王子様と同じ戦場に、味方同士として、一緒に立てるのが嬉しいよ」
「光栄だよ」
「でも、私は処刑人だから、王子様が望む方法で英霊を成仏させることはできそうにないの」
「そう。……それなら、君の得意な方法で送ってあげて」
「わかったよ」
ペストマスク風の黒色の仮面を被り、アンナは英霊たちに向き合う。王子さまは、アンナの攻撃の邪魔にならない位置まで離れた。
「今からあなたたちをあるべき場所へ還す……なぜなら私は……処刑人だ!!!」
鉄塊剣『錆色の乙女』をアンナは構える。この剣は、デザインこそ拷問器具をモチーフにしているが、長い苦痛を与えるための物ではない。
(「せめて、一瞬で終わらせよう」)
鎖の鞭や赤錆びた拷問器具を取り出そうとはせず、アンナは自分の体から地獄の炎を噴き出させた。
それを見た災魔たちが、自分たちを透明化する。
「逃がさない……ッ!!!」
アンナは、地獄の炎の噴射で超加速した鉄塊剣を振るう。
それは、相手が透明であろうと関係なく、近接範囲内の全員をなぎ払うユーベルコードだ。
骨を砕く音が響き、透明化が解除された災魔たちが骸となって転がる。
いくつもの足音が遠ざかっていく……アンナの攻撃を逃れた、透明化したままの災魔たちが逃げ出したのだ。
「逃がさないと言っている……ッ!!!」
炎の噴射と共に、アンナが追う。再びの『ブレイズスマッシュ』……災魔たちが薙がれ、透明化が解除され、動かなくなった。
アンナは仮面を外す。
「これで本当に良かったの……? 王子様」
王子さまは何も言わずに、ただ静かに頷いたのだった。
成功
🔵🔵🔴
キノ・コバルトリュフ(サポート)
キノキノ、キノが来たから
もう、大丈夫だよ。
キノノ?キノだけじゃ心配だって?
マツタケ!キノには星霊の仲間がいるから大丈夫!!
トリュフ!!キノ達の活躍を見せてあげるよ。
シメジ?キノが苦戦はありえないけど、その時は一発逆転を狙っていくよ。
キノキノ、みんなよろしくね。
●焼きキノコ
「キノキノ、キノが来たからもう大丈夫だよ、王子さま」
「心強いよ」
やって来た、キノ・コバルトリュフ(
キノコつむりの星霊術士・f39074)へと、王子さまは穏やかに微笑む。
災魔の群れはキノを見ると、すうっと姿を消した。自分たちを透明化したのだ。
「マツタケ! バルくん、活躍を王子さまに見せてあげて!」
キノは星霊術士である。彼女が使役する星霊たちのうち一体、星霊バルカンが彼女に応えた。黒猫の姿の星霊は、尻尾から火炎連弾を空間目がけて放つ。それらは地下迷宮の廊下を直進し、透明化した災魔に命中したものは激しく燃え上がった。
「トリュフ!! さすがバルくん。マイタケ、敵はあそこだね。エノキ、歯ごたえ抜群のキノコ笠はいかが?」
ピュアリィ「キノコつむり」であるキノは、大きなキノコ笠を頭に被っている。彼女はそれに下から両手を当て、すぽんと外した。
キノはそのキノコ笠を、燃え盛る災魔の群れ目がけて射出する。ユーベルコード、『魔菌「バウンドマッシュ」』だ。
超絶猛毒のキノコ笠は、繰り返し加速しながら空中を進む。
弾性を宿したそれは、災魔や迷宮の壁に当たるたびにぽよんとバウンドし、次々と災魔を打ち倒していった。
やがて、毒と炎によって、この区画にいる災魔が全て倒れたのを確認したキノは、キノコ笠の軌道を変更し、減速させて、自分の手元に戻した。
「キノ、よいしょ。……ナメコ!? あちちっ」
キノはキノコ笠を被り直したが、燃える敵に当てたので少し熱くなっていた。
「キノコが焼ける香ばしい匂いがするね。……これ、毒なの?」
王子さまが小首を傾げる。
「キノノ、近くにいるだけなら毒は受けないよ。シメジ、食べても……毒じゃないよ🍄」
「うふふ、そうなんだね」
キノの嘘を見抜いたのか、王子さまが笑う。
「シイタケ、災魔はこれで全部かな?」
「いや、他の区画にもまだいると思う。急ごう」
王子さまは、キノと共に迷宮内を移動していった。
成功
🔵🔵🔴
アメリア・イアハッター(サポート)
【サポート】
他の猟兵の行動が成功するようにサポートに徹し、下記のような行動をとります。
・機動力が必要であれば宇宙バイク「エアハート」に仲間を乗せる。
・仲間の攻撃が当たるように、敵の行動をUC「風の友」で読んだり、氷系のUCを使って敵の機動力を封じる。
・仲間の攻撃を強化するために支援系UCを使ったり、鼓舞をする。
・敵の注意を逸らすため、宇宙バイク騎乗や空中にて囮となる。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
シホ・エーデルワイス(サポート)
助太刀します!
人柄
普段は物静かで儚げな雰囲気ですが
戦闘時は仲間が活躍しやすい様
積極的に支援します
心情
仲間と力を合わせる事で
どんな困難にも乗り越えられると信じています
基本行動
味方や救助対象が危険に晒されたら身の危険を顧みず庇い
疲労を気にせず治療します
一見自殺行為に見える事もあるかもしれませんが
誰も悲しませたくないと思っており
UCや技能を駆使して生き残ろうとします
またUC【贖罪】により楽には死ねません
ですが
心配させない様
苦しくても明るく振る舞います
戦闘
味方がいれば回復と支援に専念します
攻撃は主に聖銃二丁を使用
戦後
オブリビオンに憎悪等は感じず
悪逆非道な敵でも倒したら
命を頂いた事に弔いの祈りを捧げます
●人としての願い
王子さまが移動した先には、天井が高い大広間があった。そこにも災魔たちの姿がある。
その災魔たちに、シホ・エーデルワイス(捧げるもの・f03442)と、アメリア・イアハッター(夢想空流・f01896)の二人の猟兵が向き合う。
「私は、あなた方をこれ以上苦しませず、安らかに眠らせることができるのなら、そうしたいです」
「私も同じ意見よ」
シホが言い、アメリアが同意する。
「黙れ、お前たちに我らの何が分かる……!」
災魔に合体した英霊たちが、怨嗟の声を上げた。
「私の想像が及ばないぐらい、あなた方がとてつもなく苦しんだのであろうということは分かるつもりですよ」
シホは言葉を、慎重に選びながら紡いでいく。
英霊は行動できない……災魔が、両手のひらで受けたユーベルコードをコピーして放つという特性を持っているため、シホたちが攻撃してこない限りは、災魔もまた攻撃に移れないのだ。
シホは、言葉を続ける。
「どうか、あなた方の思っていることを、私にぶつけてください。それであなた方の気が晴れるなら」
英霊たちは顔を見合わせ、口を開いた。
「私たちが命を落とし、生者たちがのうのうと生き続けているのは不平等だ」
「全ての者が私たちと同様に苦しみ、滅びればいい」
「そうだ、おかしい。皆が死ねばいいのだ」
英霊たちが一通りの言葉を吐き散らすまで、シホとアメリアは黙って聞いていた。
それから二人は、ゆっくりと口を開く。
「今のあなた方がそう感じていらっしゃるのは理解しました。ですがそれは果たして、生前からのあなた方のお考えなのでしょうか」
「そうね。英霊と呼ばれるからには、もっと気高く勇敢な魂だったはずよ。オブリビオン化で歪んだだけよ、きっと」
シホとアメリアの言葉に、英霊たちが戸惑いを見せた。
「生前から私たちは、この怒りを抱えていたと思っていたが……」
「歪んだだけ……?」
アメリアが上を指差す。
「英霊の皆、あれを見て」
英霊たちが見上げると、空間の上方一面に、いくつもの魔法のランタンが浮かぶ光景が広がっていた。アメリアのユーベルコード、『
想空溢』によるものだ。
「ここが地下迷宮だから、本物の空じゃないのは惜しいけどね。……私は、あなた方が命と引き換えに守った皆が、無事で幸せでありますように、って……そう願うよ。賛同してくれるなら、この願いが叶うかもしれないわ」
アメリアが言う。シホは、両手を組んで祈りを捧げた。
「……私たちが幻朧帝と戦い、死したことが無駄じゃなかったと言うなら、せめて……」
「ああ。守った者たちが無事で幸せであるならば、どんなに良いことかと、思う……」
英霊たちがぽつぽつと口にする。
魔法のランタンたちが、ぽうっと、淡い輝きを帯びた。
「そう願えた時点で、もう災魔じゃあない。人よ」
「そうです。英霊と呼ばれるに相応しい、気高い魂ですよ」
アメリアが笑顔を浮かべ、シホも微笑みをこぼす。
「ありがとう……もう思い残すことはない」
「……どうかあなたたちも、幸せであれ」
英霊たちは災魔の体を離れ、猟兵たちの幸福を願いながら成仏していった。
「……!? ……!??」
自分の意識を取り戻したアルダワホムンクルスたちが、混乱しながらもシホとアメリアに襲いかかろうとする。
「あなたたちの魂にも、救いあれ」
シホは二丁の聖銃から、無数の旋律の魔弾を飛ばした。幾何学模様を描き複雑に飛翔するそれらは、花火のように色鮮やかで、災魔たちの心を奪う。
「きれい」
災魔の一体が呟く。それを最後に、魔弾に貫かれた全ての災魔は事切れた。
シホはそっと弔いの祈りを捧げる。
「ありがとう、猟兵達。おかげで、英霊の皆を成仏させることができたよ」
王子さまが嬉しそうに微笑む。……その表情が、ふと緊張にこわばった。
「いや、英霊はまだいるみたいだね。それも、強いのが。……こっちに近づいてくる、どうか気をつけて」
シホとアメリアは王子さまに頷き、構え直した。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第2章 ボス戦
『『お菓子な精霊魔術師』シュガー・メレンゲ』
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POW : 精霊契約:スイート・アグリーメント
自身の【持っているメープルシロップ】を代償に、【その地に住まう精霊】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【自属性とお菓子属性の合成精霊魔術】で戦う。
SPD : 精霊結界:スイーティスト・ティータイム
【ほっぺたが落ちるほど激甘な紅茶】を給仕している間、戦場にいるほっぺたが落ちるほど激甘な紅茶を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 精霊世界:スイートフル・ワールド
自身からレベルm半径内の無機物を【材料:お菓子】に変換し、操作する。解除すると無機物は元に戻る。
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シン・クレスケンス(サポート)
◆人物像
落ち着いた雰囲気を持つ穏やかな青年。
窮地でも動じず冷静な状況判断で切り抜ける。
◆戦闘
射撃(愛用は詠唱銃だが、様々な銃器を使い分けている)と魔術による広範囲攻撃が主。
魔力の操作に長け、射撃の腕も確か。
作戦次第では、闇色の武器を召喚(UC【異界の剣の召喚】)して前衛を務めることもある。
◆特技
・情報収集
・機械の扱いにも魔術知識にも精通している
◆UDC『ツキ』
闇色の狼の姿をしており、魂や魔力の匂いを嗅ぎ分けての追跡や索敵が得意。
戦闘は鋭い牙や爪で敵を引き裂き、喰らう。
◆口調
・シン→ステータス参照
(※使役は呼び捨て)
・ツキ→俺/お前、呼び捨て
だぜ、だろ、じゃないか?等男性的な話し方
●カラメルの香り
「盾役は僕に任せて」
「はい。よろしくお願いします、王子さま」
シン・クレスケンス(真理を探求する眼・f09866)は、眼鏡の位置を直して、王子さまへと頷いた。
「あなたたちなんか、あなたたちなんかっ」
地下迷宮の大広間に姿を現した、英霊と合体した強力な災魔……『お菓子な精霊魔術師』シュガー・メレンゲは、駄々をこねるように、精霊魔術を行使する。
「スイートフル・ワールド!」
シュガーは、迷宮の瓦礫を変換した。それは、50センチほどの巨大なアーモンドの種に変化する。それはまるで弾丸のように、シンへと飛ばされた。
すかさず王子さまが割って入り、アーモンドの弾丸を頑丈な体で受けきる。
「助かります、王子さま」
シンは短く礼を述べた。
「僕は、僕にできることをしたまでだよ」
王子さまは振り向かずに応える。
シンは、王子さまの後ろに隠れつつ、時折、身を乗り出す。そのたびに彼は、自動詠唱銃で銃弾を見舞った。正確に狙いを定めた先は、続いて放たれようとする別のアーモンドと、シュガーだ。
アーモンドは撃ち落とされ、元の瓦礫に戻る。
「きゃああっ」
撃たれたシュガーもまた、悲鳴を上げた。
シンの後ろから、闇色の狼がシュガーへと駆ける。シンが使役するUDC怪物、『ツキ』である。
「ツキ、殺さないようにお願いしますね」
『わかってるぜ、シン!』
ツキはシュガーへ飛び掛かり、彼女のふくらはぎに牙を突き立てた。
「痛……っ」
シュガーが表情を歪める。
「ツキ、離れてください」
シンの言葉に応じて、ツキが後方に飛び退く。
「……少々熱いですよ、お嬢さん」
シンが呟く。下がったツキとすれ違うようにして、高熱の炎がシュガーへと飛んだ。シンによって混沌の深淵から召喚された、異界の炎である。
「や、やだ、熱いっ!」
シンがあえて威力を抑えた炎によって、消し炭になるようなことはないものの、シュガーは火傷を負う。
砂糖が焦げるような甘い匂いが、辺りに充満したのだった。
成功
🔵🔵🔴
北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。
●裁きの光条
「あなたたちなんかどうせ……みんなみんな
……!!」
シュガーは怨嗟に満ちた呟きを続けている。
「話を聞いてやりたいが……」
北条・優希斗(人間の妖剣士・f02283)が呟く。シュガーは災魔だが、英霊が合体している。彼女を成仏させるには、話を聞いてやらなければならないのだ。
王子さまが首を横に振る。
「今はまだ無理みたいだ。一旦彼女を大人しくさせないと」
「どうやらそのようですね、王子さま」
優希斗が頷いた。まずオブリビオンの話を聞いてから、自分なりの回答をし、それから斬るというのが彼のスタイルだ。けれど、今のシュガーは恨みと哀しみに狂い切っており、話をしてくれそうにない。
「今回、俺は後衛に回ります。王子さまは前衛をお願いします」
「引き受けよう。僕に任せて」
優希斗の頼みに応じ、王子さまが前に出る。
「スイートフル・ワールド!」
シュガーが右手のスプーンで王子さまを指し示した。周囲の瓦礫が、いくつもの、スイカほどの大きさのアラザンとなり、王子さまに向かう。
破砕の音が響いた。砕けたのは王子さまの体ではなく、アラザンの方だ。
「ご無事ですか、王子さま」
「僕は平気だよ。心配をありがとう」
優希斗の問いかけに対し、王子さまは穏やかに答えた。
「今、回復しますね」
左手の魔刀『蒼月・零式』、右手の妖刀『月下美人』を、優希斗は交差させる。
二刀から放たれたのは、裁きの光条……『ジャッジメントレイ』だ。それは王子さまの傷を癒し、同時にシュガーへダメージを与えた。
「ありがとう。おかげでまだまだ戦えそうだ」
王子さまが優希斗へ礼を述べる。
「まずはあなたからね!」
シュガーは標的を優希斗に変更した。アラザンはカーブして王子さまを避け、優希斗に向かう。
アラザンは優希斗の残像を撃ち抜いた。優希斗は難なく回避したのである。
「ああ、もうっ!」
「アンタの哀しみ、少しは理解できるつもりだ」
地団駄を踏むシュガーに優希斗は言う……まだ声は届かないと、知っていても。
成功
🔵🔵🔴
大宝寺・朱毘
連携歓迎。
公序良俗に反する行動、利敵行為、過剰に性的な描写はNG。
アイドルでありロッカー。
ロック(漢気があるとほぼ同義)な様を好み、「ロックだ」と感じれば味方はもちろん敵でも賞賛することがある。
民間人への被害を嫌い、救助活動などには全力を尽くす。
使用武器は黒いボディに炎の模様が入ったギター『スコーチャー』
演奏によって音の爆弾や衝撃波を生み出してぶつけるという戦法を好む。
必要なら演奏を続けつつ蹴りなども行う。
冒険では、魔力任せに障害を吹き飛ばすといった行動が得意。ただし地頭が悪いわけでもないので、搦め手が必要ならその都度考える。
台詞例
「いいね、ロックじゃん」
「こっちゃ世界の命運背負ってんだよ!」
●ロック・ユー
「つまり、幻朧帝だか大魔王だかに対して、お前は命を賭して立ち向かったってわけだよな?」
大広間に踏み入ったのは、大宝寺・朱毘(スウィートロッカー・f02172)だ。彼女はそう言い、それから、にやりと笑った。
「いいね、ロックじゃん。そういうの好きだぜ、あたし」
「でも、でも、だって……!」
シュガーは朱毘の言葉を受け入れない。今はまだ、恨みと哀しみに狂い切っているのだ。
「スイート・アグリーメント! 大地の精霊よ!」
小脇に抱えたメープルシロップの瓶、その蓋を開けながら、シュガーは精霊に呼びかける。チョコレートガナッシュの色をした岩の弾丸が、朱毘の前に立つ王子さまに向かった。
「話を聞かないのはロックじゃないぜ!」
ロックギター『スコーチャー』を朱毘はかき鳴らした。衝撃波が発生し、岩の弾丸は王子さまに届く前に砕け散る。
「ありがとう」
「良いってことだ!」
王子さまと言葉を交わした朱毘は、シュガーが再び岩の弾丸を準備する前に動いた。
「あたしの魂を包む、この力」
無数の烏羽が、朱毘の全身を覆っていく。
「……ははっ。降臨しろ、羽黒の山の烏天狗! ハグ・ロック!」
朱毘の戦闘力が、大きく高まった。
シュガーが大地の精霊に命じて放ったガナッシュ色の弾丸を、高速で飛翔する朱毘は次々と避けていく。
シュガーの頭上に移動した朱毘は、さらにスコーチャーを演奏した。炎の模様が入ったギターから生まれたのは、音の爆弾だ。
朱毘は真っ直ぐにシュガーへ向けて急降下し、踵落としを放った。
「きゃあっ!」
シュガーがうずくまった隙に、朱毘は離れ、さきほど生み出した音の爆弾をシュガーにぶつける。
「きゃああ!!」
シュガーは吹き飛ばされた。それでも、メープルシロップの瓶は割れていない……シュガーがとっさに庇ったのだ。
「甘い物、大好きなんだな。大切なものを守る姿はロックだよ」
朱毘が言い、シュガーがふらふらと立ち上がった。
成功
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明日・がある(サポート)
はっ……思い出しましたわ!!
わたくしが前世でチャンネル登録300万人の超人気ハンドメイド作家であったことを
……!!!
ところで何ですの?
コレどういう状況ですの???
わたくしレジンとフェルトとかぎ針編みしか能がありませんわ〜〜〜
!!!!!
勘弁してくださいまし〜〜〜〜!?
★自分のことを転生者だと思い込んでいる
超低品質AIです。
★毎日昼12:00に
記憶がリセットされ、実在しない「前世」のこと以外は何も覚えていません。あらゆる状況にノリだけで対応します。
★UCを含め、マトモな攻撃能力を持ちません。
★ただし、ショップ店員扱いなのでギャグのように固いです。肉壁としてお使いください。
●糠に釘
昼の12時を過ぎたのは、ちょうどその時だった。
明日・がある(レジンのくつ・f42044)は、目を開け、顔を上げた。
「はっ……思い出しましたわ!! わたくしが前世でチャンネル登録300万人の超人気ハンドメイド作家であったことを
……!!!」
「そ、そうなんだ?」
王子さまが戸惑う。彼には、があるの言葉を否定できなかった。
しかし、全てはがあるの思い込みである。彼女は、自分のことを転生者だと思い込んでいる
超低品質AIであり、外見カスタムショップの店員のノンプレイヤーキャラクターでしかないのだ。
「ところで何ですの? コレどういう状況ですの???」
昼の12時を過ぎたことで、
記憶がリセットされたがあるは、実在しない『前世』のこと以外何も覚えていない。
「あそこにいる災魔はね、英霊と合体した存在なんだ。彼女に成仏してもらうために、言葉を届かせなければならないんだけど、まずは大人しくさせないといけない。だから、殴り倒して無力化するか、攻撃をいなし続けて疲れさせないと」
王子さまが丁寧に説明する。
「要は戦えってことですのね?? わたくしレジンとフェルトとかぎ針編みしか能がありませんわ~~~
!!!!! 勘弁してくださいまし~~~~!?」
があるはレジンで制作した、役立たずのきれいな石を取り出した。
「何よそれ、いらないけどほしいわ!」
シュガーは周囲の瓦礫を大きなチョコチップに変え、王子さまとがあるへと、マシンガンのごとく連射した。
……二人とも、びくともしない。
があるは、王子さまのように、物理的な頑丈さを持っているのではない。ショップ店員のノンプレイヤーキャラクターであるため、ダメージが通らないのだ。
「おやめくださいまし~~!??」
があるが発したのは、攻撃された店員としての、定型文の台詞である。
「な、なんでよ!?」
シュガーは焦りつつ、チョコチップを連射し続ける。精霊魔法を使い続けた彼女の魔力は減っていき、疲労が蓄積していったのだった。
成功
🔵🔵🔴
ゾンビーヌ・ロッテンローズ(サポート)
デッドマンのコミックマスター×自由農夫、18歳の女です
普段の口調は「女性的(わたくし、~様、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、心を許したら「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です
ゾンビとして蘇った文字通りの『腐』女子
男性が好きですが恋愛対象でなく、妄想のネタとして男同士でくっつけることを好みます
口調は作っているもので、本性は内気な陰キャです
ユーベルコードは所持する物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●合体と聞いて
シュガーのいる大広間から、少し離れた廊下で。
「はあ、はあ、はあ、はあ……」
一人のゾンビが、荒い呼吸を繰り返しながら駆けていた。
このゾンビは猟兵、ゾンビーヌ・ロッテンローズ(元カルト組織「リビング・デッド魔導会」の腐薔薇姫・f40316)である。
この呼吸の理由は、走っているからというだけではない。彼女は、興奮しているのだ。
(「合体……英霊と災魔が合体……! 似た者同士、相性が良かったのね……。掛け算はどっちが先? 英霊×災魔か、それとも災魔×英霊か」)
めくるめく妄想が止まらない。
果たして彼女は、大広間に到着した。
シュガーを一目見て――ゾンビーヌは膝から崩れ落ちる。
「女の子じゃないの……!」
BLの夢が、がらがらと音を立てて崩壊した。
「隙だらけよ!」
シュガーは大地の精霊に呼びかけ、キャンディの槍を生成させて、ゾンビーヌに飛ばす。
「危ない」
王子さまが割って入り、槍をその身で受け止めた。
「感謝しますわ、王子さま」
礼を言うゾンビーヌ。人によってはここで、王子さまにときめくところだが……。
(「他人のためなら身を投げ出し、体を張ることもいとわない王子さま。博愛精神を持つ彼が唯一、欲を伴う愛を向ける男性は……」)
残念ながら、ゾンビーヌは一般的な女子でも夢女子でもなく、腐女子である。早速、王子さまを妄想のネタにしつつ、彼女はロッテンローズヒップを土に植えた。
シュガーがキャンディの槍を次々と飛ばす。10秒間のタイムラグを、ゾンビーヌは、王子さまに盾になってもらうことでやり過ごした。
やがて、無数の蔓薔薇が生える。棘から滴る腐毒は操作によって抑え、ゾンビーヌはそれをシュガーに向かわせた。
べしーん、と蔓でシュガーの体を打つ。
「きゃあっ!」
シュガーは、壁に叩きつけられた。
「これで多少は、頭が冷えまして?」
「ううっ……」
身を起こすシュガーを、ゾンビーヌは見守った。
成功
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アウル・トールフォレスト(サポート)
(基本好きな様にお任せします)
「今日はどんなところに行けるのかな?」
楽観的でマイペース、夢見がちで元気いっぱいな女の子
好奇心旺盛で無邪気であるが、根本が人でない故に残酷
神出鬼没に出現し、気まぐれに歩き回り、楽しげに爪を振るう
猟兵の役割は理解し依頼も遵守しようとするが、それはそれとして常に楽しい、面白いで物事を判断しているので、時にはそれを優先して行動することも
バイオモンスターの特徴として、肉体は植物の性質を持つ
戦闘では怪力の発揮や身体の巨大化、鋭い爪での引き裂き、即時回復目的の捕食等、野性味溢れる肉弾戦を好む
理力の扱いも得意で、体表で自生する蔓や苔植物を操り、防御や隠密に罠等サポートも行わせる
●お砂糖にさよなら
「……スイートフル・ワールド!」
シュガーは、まだ戦おうとしていた。
「いけない」
王子さまがサファイアの目を見開く。
「エンキドゥ! 動きを止めて!」
アウル・トールフォレスト(高き森の怪物・f16860)の鋭い叫びが響く。
ユーベルコード、『
蛮戦技巧・地縛錨鎖』。人型兵器『エンキドゥ』がシュガーへと駆け、光の鎖に変化した。そのまま鎖はシュガーに巻き付き、捕縛して、ユーベルコードを封じる。
「……降参するわよ。解いてちょうだい」
シュガーが言う。
「エンキドゥ、放してあげて」
アウルが言うと、光の鎖は解け、エンキドゥは元の姿に戻った。
「……私の話を聞いてくれる?」
「そういう依頼だったからね。わたしにできることは、するつもりだよ」
「ありがとう」
シュガーはアウルに礼を言い、近くの瓦礫に腰を下ろす。王子さまも、近くに腰掛けた。背の高い怪物であるアウルは、あえて地べたに直接座ることで、シュガーと視線の高さを合わせた。
「私はね……強い敵に挑んで、そのまま帰れなかったの。帰れない可能性が高いことは、解っていたのに」
シュガーはぽつぽつと語り出す。これは、アルダワの大魔王の軍勢に挑んだ英雄の言葉であると同時に、幻朧帝と戦い散った英霊の言葉でもあるのだろうと、アウルは思う。
「帰れないって解っているのなら、最後に思いっきり甘い物を食べて、満足すれば良かった……それが、私の心残りよ」
「なるほどね」
アウルは一つ頷く。
「その心残りに縛られてる限り、シュガーちゃんは自由になれないんだね。そんなのは、楽しくないと思うな。シュガーちゃんも、わたしも」
蜜や果実を差し出すことはせず、アウルは言葉だけを返した。
「……あなたの言うとおりね。私、もう自由になるべきよね……。ありがとう」
シュガーは薄く微笑む。彼女の体はきらきらと光り、消滅した。
「成仏できたんだね。良かった」
アウルは、胸を撫で下ろしたのだった。
成功
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第3章 日常
『アルダワ的調理実習』
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POW : レシピなんて見なくても気合いと間隔で料理できるさ!
SPD : 料理もスピードがいのちだよね!
WIZ : 料理は科学だ。正確に計量して料理する、
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数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」
基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。
探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。
情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。
戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。
●刺激的なプリン
「よっ、王子さん。その様子だと、英霊を成仏させることに成功したみたいだね。お疲れさん!」
地下迷宮から、一度アルダワ魔法学園に戻ってきた王子さまを、数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)が出迎えた。
「ありがとう。猟兵の皆が来てくれたおかげだよ」
王子さまが微笑む。
「そうかもねぇ、皆頑張ったよ! 王子さんもね。ここは一つ、打ち上げパーティーといくかい!」
調理室に、多喜と王子さまは移動した。多喜は長いウェーブヘアをまとめて結い上げ、エプロンを装着する。
「アタシはプリンを作るよ。王子さんは?」
「うん、僕は皆の手伝いをしようと思ってるんだ」
「そっか、助かるよ。そういうことなら、このレシピ本を広げて固定して、持っててくれるかい?」
「承ったよ」
多喜は王子さまにレシピ本を渡し、プリンの作り方のページを開いて固定してもらう。
「ありがとう、王子さん。ええと何々、まずはカラメルを……」
多喜は、本に書いてある通りの手順で、プリンを作っていく。失敗しがちなカラメルも、上手くできあがった。
卵と砂糖、それに牛乳を混ぜる工程もミスなくこなし、蒸しも冷やしも規定通りに行う。
ぷるりと美味しそうなカスタードプリンが完成した。
「これで完成だね。美味しそうだ」
「ああいや、王子さん。仕上げがまだだよ」
「仕上げ?」
「そうさ。こいつを掛けるんだ」
多喜が取り出した小瓶には、『激辛! 唐辛子フレーク』と書いてあった。
「そ、そうなんだね」
「ああ、もちろん王子さんの分には掛けないよ。アタシ自身、こういうのが好きって人ばかりじゃないってことは知ってるからね」
「そう、良かったよ」
かくして二人はテーブルに着く。
多喜の分のプリンにはどさどさと唐辛子フレークが掛けられ、プリンが見えないほどの唐辛子の山になった。
多喜と王子さまは、それぞれの分のプリンにスプーンを入れ、口に運ぶ。
「おいしいね」
「うーん、たまらないねぇ!」
二人はそれぞれ、満足げな表情を浮かべたのだった。
成功
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インプレッサターボ・フォレストハリアー(サポート)
「いんぷノセリフハコンナ感ジノヒラガタかたかな逆転表記デオ願イスルにゃ」
アイコンは一般人と接する時はこんな感じに見えているだろうというアバター的なものということで。
基本的には世話好きな『おねえさん』としてふるまうとか。このあたり、えらそうにツッコミ役をやってたけど実際はどこか頼りない感のあった元の『ますたー』と長い事一緒にいた影響かもしれない。
なわけでいろいろと他人の世話を焼くが、それでもひとりで異世界に出て間もないからか、あるいは別の要因からか、どこか抜けたところもあるらしい。変なところでもとの『ますたー』に似てしまったようだ。でも笑顔だけは崩さないらしい。
●ライドキャリバー、料理に挑む
「料理ヲスルノにゃ?」
「うん、料理だね」
疑問の声を上げたのは、インプレッサターボ・フォレストハリアー(ワールドラリーエクスペリメンタル・f44230)だ。王子さまがそれに頷く。
「いんぷはらいどきゃりばーにゃ。何ヲ求メテイルノにゃ」
「ごめんね、猟兵」
王子さまは、青い一輪バイクに対して謝った。
「別ニ怒ッテナイカラ謝ラナクテイイにゃ。頑張ッテミルにゃ」
しばらくインプレッサターボは考えて、ふと閃いた。
「王子サマ。いんぷノ荷物ニ鰹節ガアルカラ取リ出シテ欲シイにゃ」
「鰹節……これだね」
「ソレにゃ。ソレヲいんぷノぼでぃノ横ニ装着スルノにゃ」
「ここに嵌めるのかな? よいしょ」
王子さまが、鰹節をインプレッサターボにセットする。
「ソシタラ熱々ノ炊キタテゴハンヲ用意スルにゃ」
「え、今から? う、うん」
王子さまが炊飯を行った。描写は省略する。
「ソレヲ茶碗ニ盛ッテ鰹節削リ器ト一緒ニ持ッテ来ルにゃ」
「わかったよ。……これで良いかな?」
「王子サマぐっどにゃ。ソレジャア削ルにゃ。削リ器ヲ鰹節ニ当テルにゃ」
言われるがまま、王子さまは削り器を鰹節に当てる。
「ヨイショ、ヨイショ」
インプレッサターボが前後に動き、鰹節が削れていく。ひらひらと落ちるそれを、王子さまが茶碗で受け止め、ごはんに乗せた。
「後ハオ好ミデ醤油ヲカケレバ猫マンマノ完成にゃ。熱イ内ニ召シ上ガレにゃ」
「ありがとう」
テーブルに鰹節ごはんを持って行った王子さまが、とくとくと醤油を回しかける。
「いただきます」
王子さまは手を合わせ、箸で猫まんまを口に運んだ。
「オイシイにゃ?」
「うん、美味しい。鰹節の風味とお醤油の味わいが、ごはんに良く合うよ。ありがとう、猟兵」
「オ粗末様にゃ」
インプレッサターボの姿は、いつもよりどこか誇らしげに見えたのだった。
成功
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明日・がある(サポート)
はっ……思い出しましたわ!!
わたくしが前世でチャンネル登録300万人の超人気ハンドメイド作家であったことを
……!!!
ところで何ですの?
コレどういう状況ですの???
わたくしレジンとフェルトとかぎ針編みしか能がありませんわ〜〜〜
!!!!!
勘弁してくださいまし〜〜〜〜!?
★自分のことを転生者だと思い込んでいる
超低品質AIです。
★毎日昼12:00に
記憶がリセットされ、実在しない「前世」のこと以外は何も覚えていません。あらゆる状況にノリだけで対応します。
★UCを含め、マトモな攻撃能力を持ちません。
★ただし、ショップ店員扱いなのでギャグのように固いです。肉壁としてお使いください。
●フェイクスイーツと本物の想い
「わたくしには手芸スキルはあっても、調理スキルはからっきしですわ~~~!!!」
があるは嘆いた。なお、まだ一日経っていないので、
記憶はリセットされていない。
「調理室でレジンをやるというのも、ハンドメイド作家としての矜持が許しませんわ~~~!!!」
「難しいね。お菓子をレジンに封入するって話を聞いたことがあるけど……」
「王子さま!! それは絶対にいけませんわ~~~!!! 虫が湧いたり、カビが発生したりしてしまいますわ~~~
!!!!!」
があるは大きな声で否定する。
「そうなんだね」
王子さまは納得した。
「というわけで! わたくしの作成済みレジンをご覧くださいまし! 本物のお菓子は使っていない、レジン製のフェイクスイーツですわよ~!」
テーブル上に、があるは『商品』を並べた。
きらきらとした色とりどりのキャンディにグミ、小さなパフェをかたどったチャーム。ソフトクリームにアイスクリーム、チョコの掛かったクッキーにビスケット。
「これ、君が作ったのかい?」
王子さまが、それらに目を奪われた。
「わたくしレジンにかけては右に出る者ございませんわ!」
があるが渾身のドヤ顔を見せる。
「そうなんだね。……ね、これいただいても良いかな? もちろん、お金は出すよ」
「本当ですの? 毎度ありがとうございますわ~!!!」
商品が売れるのはハンドメイド作家としての本懐だ。があるは王子さまから代金を受け取り、王子さまにフェイクスイーツを渡す。
「ちなみに、それをどうするつもりですの? 身に着けるんですの??」
「ううん。僕は一度、地下迷宮に戻るつもりだからね。これをシュガーさんにお供えしようと思ってるんだ。カクリヨに戻るかどうかは、それから決めるよ」
「なるほど。王子さまはお優しいですわね……彼女も喜ぶと思いましてよ!」
があるは言った。
きっとこの日のことも、があるは忘れてしまうだろう。
けれど、彼女のレジンを手に取ってもらえた喜びは、本物なのである。
成功
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