2
混沌の洋墨

#ブルーアルカディア #デビルキングワールド #東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』


「なぜ黙っていたんです?」
「何の話だい、グリモア持ちの猟兵様よぉ?」
「ジャッジメントガールさんから聞きました。スーパーカオスドラゴンさんぐらいの実力者なら悪魔契約書の作り方を知ってるから、その気になればいつでもデビルキングワールドに自力で帰還できたはずっス、と。なのになんで黙っていたんです?」
 ルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)からの問いかけにスーパーカオスドラゴンは3つある首全てで人を馬鹿にしたような笑みを浮かべた。
「ギャハハ、それはな……オレサマの悪魔インクは『極大のカオスを引き起こす』ことでしか作れないからだゼぇ!」
「確かにオレサマなら混沌魔法で浮遊大陸のひとつふたつ丸ごとカオスにしてインクを作るなんて容易いが、そんなものを残して帰ったら、どうしたってこの世界の皆様にご迷惑だろうがァ!」
「アンタら猟兵様の力だけで帰れるならそっちの方がはるかに楽だし禍根も残さねェし効率もイイ、って思ったのも事実だがナぁ? 結局全部一時的で終わっちまッたが」
 スーパーカオスドラゴンが極大のカオスを引き起こすために本気で暴れれば、全てが崩壊を続ける「カオスの混沌領域」が発生する。そんなものをこの世界の住民に押し付けて帰る訳にはいかねぇ、と言外に告げるこの「東のラスボス」様はデビルキングワールドで7thKINGの候補に挙がる前から気遣いの鬼であった。
「それについてなんですが……ちょっとお話したいことが」
「ん?」
 ルウは精一杯背伸びをし、首を伸ばしたスーパーカオスドラゴンに耳打ちする。
「……なるほど?それが本当なら、確かに問題は無くなるなァ?」
「まァ、いつまでもここに長居してるわけにもいかねェっーのも事実だしナ」
「この間の……イザナミとやらと戦ったとこでも良いし、コルディリネでやってもいいなァ。どっちにしろオレサマが暴れ散らかした後だからもっと暴れたところで大して迷惑はかからネぇだろ」
「そうですね。では自分はインク作成に協力してくれる猟兵を募ってきます」
「おう、頼んだゼぇ。ドコで待ってるかは後で連絡するからなァー」

「スーパーカオスドラゴンさんが作るカオスの混沌領域。こちらはそこに存在する物全てが崩壊をし続ける非常に危険な領域なのですが、ここに踏み込んだ者が内心に抱いている脅威……すなわち、かつての強敵の姿がオーラとなって具現化して襲いかかってきます。それらを一切合切全て倒し尽くすことができれば、混沌領域は初めから何もなかったかのように消滅することが明らかになりました」
 この性質を利用すればスーパーカオスドラゴンが懸念していた厄介な置き土産を残さず、悪魔契約書の作成に必要な悪魔インクを作り出すことが出来る。
「皆様にはまずスーパーカオスドラゴンさんと全力で戦っていただき、カオスの混沌領域を作るお手伝いをしていただきます。一体で暴れるよりもそちらの方が効率が良いそうなので」
 舞台となるのはかつて堕天使として3rdKINGに君臨していた「大天使エンケロニエル」が治めていた屍人帝国「コルディリネ」。エンケロニエル亡き後も残党は少なからず残っており、騒ぎを起こせば捲土重来を掲げて現れる可能性もある。
「ですが悪い事ではございません。カオスの混沌領域の生み出すオーラはオブリビオンに引き寄せられて一体化する性質を持っており、憑依されたオブリビオンはオーラの元となった存在の攻撃をそっくりそのまま模倣して戦うようになります。ですが耐久力などは憑かれたオブリビオンの据え置き。オーラを相手取るよりも簡単に済む可能性もあるので慌てず騒がずまとめて薙ぎ払ってきてください」
 しかしこれで一件落着とはならない。なぜなら内容に抜けのある契約書を書いて儀式を強行すれば、召喚されようとした悪魔本人が契約の穴をすり抜けて殺されてしまう危険性をはらんでいるからだ。
 完璧な契約書を作るには十分な量のインクが必要となる。しかしカオスの混沌領域から一度に取れるインクの量には限りがある。
「なので混沌領域を解消したら次に戦いを起こす場所の下見をスーパーカオスドラゴンさんと行っていただきます。……というのは建前で、コルディリネにある空中庭園でのんびり英気を養ってきてください。仕事をサボってのんびりするのって、すっごく『ワル』ですからね」
 スーパーカオスドラゴンが食いつきそうなキーワードを最後に交えて、ルウはミーティングを終えた。


平岡祐樹
 櫻大戦のあとしまつ……ではないな。お疲れ様です、平岡祐樹です。

 今案件の第2章・第3章にはシナリオボーナス「スーパーカオスドラゴンと協力する」がございます。
 今シナリオでは全章通じて「スーパーカオスドラゴン」が登場します。スーパーカオスドラゴンは敵として対峙する第1章を除き、プレイングに指定があれば猟兵達の援護をしてくれます。スーパーカオスドラゴンと積極的に関わりたい方はプレイングでの言及をよろしくお願いいたします。
94




第1章 ボス戦 『東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』禍』

POW   :    ハイパーカオスチャージ
【カオスで予測不能な軌道を描く】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【他のスーパーカオスドラゴン】の協力があれば威力が倍増する。
SPD   :    アンリミテッドカオスファング
【三つの頭の牙による連続噛みつき】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ   :    マッドカオスフレイム
自身が【混沌魔法「カオスヘッダー」を発動して】いる間、レベルm半径内の対象全てに【属性を変え続ける混沌の炎】によるダメージか【肉体を癒やす混沌物質】による治癒を与え続ける。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​
エリー・マイヤー
相変わらず、気配りの行き届いた素晴らしいドラゴンですね…
さて、戦う前にスーパーカオスドラゴンさんに言っておくことがあります。
先の大戦では、手伝ってくれてありがとうございました。
とても助かりました。

キャバリアを召喚してそのまま【念動ローディング】。
【念動フラッド】と、適当な攻撃用UCを4つ込めて戦闘開始です。
混沌の炎は無尽蔵のサイキックエナジーで吹き散らして防御。
サイキックウィングで飛翔し、スーパーカオス以下略さんに突撃します。
そのまま接近して、フォースセイバーに適当なUCを乗せてぶった切る方向で。
スーパー以下略さんは悪魔の中でも指折りの強者ですからね。
今使える一番強い技で挑ませてもらいます。



「相変わらず、気配りの行き届いた素晴らしいドラゴンですね……」
 エリー・マイヤー(被造物・f29376)は苦笑しつつ初めて降り立つコルディリネの土地を踏みしめつつ、正面に待ち構えるスーパーカオスドラゴンを見遣る。
「さて、戦う前にスーパーカオスドラゴンさんに言っておくことがあります」
「あ? なんだァ?」
「先の大戦では、手伝ってくれてありがとうございました。とても助かりました」
 一礼してストレートに感謝の意を示すエリーにスーパーカオスドラゴンは照れたのか、明後日の方向を見出した。
「……アンタとは食卓囲みながらポリポリ食ってた覚えしかねェが、まァ、助かったんなら何よりだ」
「じゃあ今度はオレサマを助けてもらおうか!!」
 スーパーカオスドラゴンの周りに属性を変え続ける混沌の炎の海が広がり出す。そしてそこから何十何百ものスーパーカオスドラゴン達が現れた。
「数で押してきますか」
「ギャーッハッハッ、こんぐらいハデに暴れなきゃ悪魔インクは作れねェんだよ! 俺がお口にチャックしてた理由が分かったか?」
「だが7thKINGが束になれば抑え込めるんだろォ? その言葉信用させてもらうゼ!」
 言葉の節々から感じる期待に応えるために、エリーはキャバリアを召喚する。
「スーパーカオス以下略さんは悪魔の中でも指折りの強者ですからね。今使える一番強い技で挑ませてもらいます」
「オイちょっと待て、オレサマの名前を略すんじャネェ!? さっきまでの恩人扱いどこいッた!?」
 スーパーカオスドラゴンの抗議を無視してエリーはキャバリアに乗り込むと、そのまま【念動ローディング】を開始する。
「【念動フラッド】と、適当な攻撃用ユーベルコードを4つ込めて……『今日はこれで行きましょう』」
 準備が整ったところでエリーはスーパーカオスドラゴンの突進を避けるべくサイキックウィングで空へ飛び立つ。
「オッと、逃がさネェぞ!」
「残念、そこから先は『赤信号です』」
 全身にサイキックエナジーの奔流を帯びさせることによって生まれた念動力でスーパーカオスドラゴンの体を押さえつけ、地面に叩きつける。
 追手がいなくなったところでエリーは急旋回し、フォースセイバーに高濃度のサイキックエナジーを注ぎ込んで巨大な刃を展開させながらスーパーカオスドラゴンへの突撃を開始した。
「いきますよスーパー以下略さん」
「もっと短くなッとる!!」
 行く手を阻む、常に属性を変え続ける混沌の炎は無尽蔵のサイキックエナジーが吹き散らし、エリーへのあらゆる干渉を無効化する。
 後に残るは、憤慨して本気の攻撃をぶちかまそうと構えていたのにいつの間にか棒立ちにさせられていたスーパーカオスドラゴンだけ。
「はいどっかーん」
 棒読みで淡々と振るわれた一撃は近隣にいた別個体を巻き込んで、大量の血を噴き上がらせた。

成功 🔵​🔵​🔴​

御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!

バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?

戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!



「はーっはっはっは! 知っていてすっとぼけられていたのは癪に障るが、サポートを頼まれては断れんな!」
 御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)は属性を変え続ける混沌の炎が辺り一面を覆い尽くす大陸に堂々と着地する。
「魔王と邪神の現れる所に火は必要不可欠であるからな! 素晴らしい演出ではないか!」
「テメェのために用意した炎じャネぇけどな! さア、バチバチにやり合おうゼぇ!!」
 吠えたスーパーカオスドラゴン達が一斉に突撃をしてくる。菘は炎によって鱗がジワジワと炙られている痛みを感じながら左腕を高々と天に翳した。
 それはこの地にも出張してきた幻朧桜に敬意を示した技。大量の桜の花弁が空から落ちてきて、スーパーカオスドラゴン達の体をその質量で押し潰しにかかる。
「ぐッ……なんだこの重さはァッ……!!」
『妾の腕から逃れようなど、あまりに不遜が過ぎるであろう?』
 衝撃波を伴う音速超えの左ストレートが先頭で身動きが取れなくなっていたスーパーカオスドラゴンに直撃し、その後ろに連なっていた者達がまとめて薙ぎ倒されていく。
 同時にその体に積み重なっていた花弁が炎の中に落ちて、仄かな香りが鼻先をくすぐった。
「1ライン吹っ飛ばしただけで終わッたと思っテんじャネェぞ!!」
 左腕を突き出した体勢でしばらく止まっていた菘へ、他の方角から突っ込んできたスーパーカオスドラゴンが怒鳴りつける。その足元からいつのまにか地面に潜っていた菘の尻尾が飛び出して、3つある首の内の1つの顎を的確に捉えた。
「妾は一切油断しておらぬぞ? 映えは常に意識してるがな?」
 左ストレートを喰らったスーパーカオスドラゴン達が炎によるリジェネを受けて起き上がってくる。こちらに向けられた視線に菘は右手の指を動かして挑発する。
「さぁ、もっと並んで来い! 何体連なってこようと全員まとめて吹っ飛ばしてくれようぞ!」
「テメェの撮れ高なんて知ったことか! 今度は轢き潰してくれるわ!」

成功 🔵​🔵​🔴​

メローア・ゴドレイア
【アドリブ・連携OK】

 ヒャア~~~(昇天)

 あ、あれが本物のデビルキングワールド東のラスボス、激レア級にして最強格のドラゴンモンスター、スーパーカオスドラゴン……!!
 こんなやっべぇ見た目な上に最強スーパー無法カオスなんて困っちゃう(?)ス、マジでかからないと失礼……とかじゃなくて、勝てる気がしないッス。

 ここはカオスで予測不能な軌道を描く突進に真っ向勝負スね、無敵効果のある正義執行龍ギャラクティカを召喚して突っ込めばなんとか勝負にはなるはずっす。



「ヒャア~~~、あ、あれが本物のデビルキングワールド東のラスボス、激レア級にして最強格のドラゴンモンスター、スーパーカオスドラゴン……!!」
 自他共に認めるドラゴンオタクであるメローア・ゴドレイア(残念ドラゴンオタク レベルMAX・f44031)は浮島でド派手な戦闘を繰り広げるスーパーカオスドラゴン達の姿に髪の下に隠れた目を輝かせる。
「こんなやっべぇ見た目な上に最強スーパー無法カオスなんて困っちゃうス、マジでかからないと失礼……とかじゃなくて、勝てる気がしないッス」
「ギャ〜ッハッハッ、ズイブンと弱気だナァ!」
「でも確かにこのオレサマに憧れる気持ちは分かるぜェ! テレビとかレンズ越しに見るのじゃ我慢が出来なくなったんだろう!」
 7thKINGの座についた猟兵は「個」ではなく「群」の存在であり、自分と違ってその実力差はまちまちであることをスーパーカオスドラゴンは理解していた。おそらくメローアは「下の方」に位置していることも。
「だが、ここに来たからには最初から最後までキッチリ付き合ってもらうゼェ!」
 そう言ってスーパーカオスドラゴン達は隊列を組んで蛇行しながらメローアに向けて突っ込み始めた。
「ここはカオスで予測不能な軌道を描く突進に真っ向勝負スね、無敵効果のある『正義執行龍ギャラクティカ』を召喚して突っ込めばなんとか勝負にはなるはずッス」
 後攻の番となり、メローアはドローを行う。
 ディスティニードロー、とはならなかったが、絶望せず手持ちのドローソースを用いて手札に引き出す。
「召喚、正義執行龍ギャラクティカ!」
 そして召喚のために前に突き出すと、ギャラクティカのカードは眩ゆい光を発し始めた。
『ぼ、ボクのカードが!?』
 驚愕しながら光に呑まれたメローアのシルエットがカードに吸い込まれて消える。
 何が起きているのか、スーパーカオスドラゴン達が息を飲んで見守っていると残されたカードから、その絵に描かれていたドラゴン———ギャラクティカが雄叫びを上げながら顕現した。
 その咆哮で我に返ったスーパーカオスドラゴン達は口を真一文字に結んでギャラクティカへの突進を試みる。
 普通の相手ならば圧倒的な質量差に押し出され、その勢いに飲まれて転んで踏み潰されただろう。しかしギャラクティカは先頭のスーパーカオスドラゴンの体をがっぷり四つで受け止めた。
「正面から受け止めた、ダトォ!?」
 後ろのスーパーカオスドラゴン達がいくら押してもギャラクティカの体はびくともしない。逆に離れようとしてもその強靭な爪が体から外れる気配がない。
 にっちもさっちもいかなくなったスーパーカオスドラゴンが歯を食いしばって身を捩らせる中、ギャラクティカは正面から強烈なブレスを吐きかけた。

成功 🔵​🔵​🔴​

エドゥアルト・ルーデル
オッスおひさー元気してた?殺し合いしようぜ!

カオスにはカオスをぶつけるんだよ!
カオスで予測不能な軌道を描くスーパーカオスドラゴン氏に対抗するには拙者もカオスで予測不能な軌道で飛ぶしかねぇな!
拙者自身を掴み…そして投げ飛ばす!掴んで投げれば飛ぶ!それは拙者とて例外じゃねぇ!じゃあ自分で自分を投げ飛ばしたっていいよな!

軌道を変えるスーパーカオスドラゴン氏を都度空中で拙者掴み投げを行い猛追ですぞ!
追い付いたら掴んで投げる!ズババンババンバ空中殺法!頭の一つを逆さに掴んで股下に挟み込み!そのまま地面に叩きつけろ!これが拙者の必殺技フェイバリットパイルドライバーマッスル・ドライバーッ!



「オッスおひさー元気してた? 殺し合いしようぜ!」
 最近髪型変えた? レベルのノリで言葉の爆弾を投げつけたエドゥアルト・ルーデル(黒髭・f10354)にスーパーカオスドラゴンは獰猛に笑い返す。
「いいゼェいいゼェ、そんぐらいのヤル気でかかッて来られるのは大歓迎だ! さあ、今回もインク作りに協力してもらうぜェ!! お前ら、キレイに決めんぞォ!!」
 そう言って空中に浮かび上がったスーパーカオスドラゴンはスーパーカオスドラゴンに向かって急降下していく。
 スーパーカオスドラゴンはそれを全身で受け止めながらレシーブし、一旦勢いを弱めつつも宙に打ち上げる。
 大して上がらなかったことですぐに落ちてきたスーパーカオスドラゴンを、また別のスーパーカオスドラゴンがトスし、最後に勢いよく走り込んできた4体目のスーパーカオスドラゴンによるスパイクが叩き込まれる。
「なんだこのゲシュタルト崩壊!」
 スーパーカオスドラゴンが激しく行き交う様にエドゥアルトは思わず突っ込んだ。
 強烈な打撃を得たスーパーカオスドラゴンは自力で飛び上がった時よりも遥かに速く、エドゥアルトのすぐそばに突き刺さる。
 その衝撃で起きた風圧にエドゥアルトが後退させられる中、地面に埋まった頭をスーパーカオスドラゴンは全身を使って何とか引っこ抜こうとしていた。
 何というカオスか。だがいつまでもツッコミ役でいる気はない。
「カオスにはカオスをぶつけるんだよ! カオスで予測不能な軌道を描くスーパーカオスドラゴン氏に対抗するには拙者もカオスで予測不能な軌道で飛ぶしかねぇな!」
 空を見上げたエドゥアルトは自分自身を掴む。
「掴んで投げれば飛ぶ! それは拙者とて例外じゃねぇ! じゃあ自分で自分を投げ飛ばしたっていいよな!」
 かつてデスリング総統が見せた技を模倣し、エドゥアルトは豪快に腕を振り上げて回転しながら宙へ跳び出した。
 スーパーカオスドラゴンの軌道はカオスで一貫性はない。ならやることはシンプル。スーパーカオスドラゴンを打ち込まれた方向へ、都度空中で自らを掴み投げて猛追すればいいのだ!
「こいつ、翼も足場もねェのに空を飛んでるンだが!?」
 困惑するスーパーカオスドラゴンとガンギマったエドゥアルトが交錯する。
「追い付いたら掴んで投げる! ズババンババンバ空中殺法! 頭の一つを逆さに掴んで股下に挟み込み! そのまま地面に叩きつけろ!」
 吹っ飛ばされる前にスーパーカオスドラゴンに組みついたエドゥアルトはその股に自らの頭を差し込んで担ぎ上げた状態で上昇し出し、空中で体勢を反転させつつ翼を掴む。本来なら翼ではなく足首に手をかけるのがベストだがこの体格差で贅沢は言ってられない。
 そして相手の腋に足をかけるとしっかり解かれないようにホールドして落下し始めた。
「オマ、離せーッ!!」
「これが拙者の必殺技フェイバリットパイルドライバーマッスル・ドライバーッ!」
 変な体勢で地面に押し付けられたスーパーカオスドラゴンの首と腕は変な方向に折れ曲がった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

クリスティナ・バイエンス(サポート)
火の神の名を持つキャバリアに選ばれたサイキックキャバリア乗り
水着みたいな格好なのは、コックピットが蒸し風呂みたいに熱いから仕方なくだからね

正直キャバリアを降りての戦闘はあまり得意じゃないのよ
でもキャバリアを使っての戦いは任せてね、みんな炎で薙ぎ払ってやるわ
とはいえ、必要ないところで炎を使うつもりはないの危ないもんね
使わなくても私の〔炎神機カグツチ〕は十分強いもの

よろしくね!



「ただでさえ熱いのに、どんどん熱くなっていくね……」
 異界の火の神の名を冠したキャバリアの中でクリスティナ・バイエンス(炎のキャバリア乗り・f30044)はうんざりした表情を浮かべながらわざとらしく手で顔を煽ぐ。
 いくら蒸し風呂状態のコクピットに居続けているとはいえ、それとこれとは話が別なのだ。
「ゲャ〜ッハッハッ、熱中症には気をつけろよォ! 救出するためとはいえ、そのキャバリアを壊しちまうワケにはいかねェからナぁ!!」
 心配はしつつもスーパーカオスドラゴンはカグツチに飛びかかる機を見計らいながら、四方八方に飛び交い続ける。
 しかしクリスティナは無理にそこに飛び掛かろうとも追いかけようともしなかった。———する必要がないからだ。
『念動集中……発射っ!』
 クリスティナの念動能力を増幅した衝撃波がカグツチの両肩から放射される。それを全身で浴びたスーパーカオスドラゴンは突然3つの口から血を吐いて墜落した。
「悪いね、アツアツなだけのキャバリアじゃないんだよこの炎神機は!」
 そう叫んでクリスティナは前進を開始し、変わり果てた同位体の姿に視線を奪われていたスーパーカオスドラゴンの左の首を炎を帯びた右の拳でぶん殴る。
 頬に拳の形の火傷を負わされた首がのけ反ったことで残り2つの首がカグツチに注目する。
 一方は左の拳を真正面から喰らったが、もう一方はその仇を討つべく噛みつきにかかる。
 しかし噛んだ瞬間に走った熱と激痛にスーパーカオスドラゴンは声にならない悲鳴を上げた。しかも離そうとしても唇の肉とカグツチがくっついてしまって外れない。
「自分も炎を纏ってるから同レベルだと思った? 甘いねぇ、甘すぎるよ!」
 クリスティナは焔ノ剣を抜くと、焼けたことによる変な臭いを発し始めたスーパーカオスドラゴンの首を一発で切り捨てる。
 するとスーパーカオスドラゴンの体は爆発し、カグツチに張り付いていた生首も木っ端微塵になった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 冒険 『カオスより来る敵』

POW   :    気合とパワーで正面からぶっ飛ばす。

SPD   :    過去より成長した自分の技を振るい、強敵に打ち勝つ。

WIZ   :    強敵の憑装を何らかの手段で弱め、その隙を突く。

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​

「あれは……スーパーカオスドラゴンと猟兵か?」
「何やら仲違いをしているようだな?」
 巡回をしていたコルディリネ軍の兵士達が、スーパーカオスドラゴンと猟兵達の姿を見つける。
 主君を討たれた彼らにとって、その光景は漁夫の利を獲れる好機に感じられた。
「このチャンス、逃すわけにはいかぬ!」
「エンケロニエル様の墓標に奴らの首を立ててやろう!」
「全軍、突撃ー!!」
 意気揚々と上空から襲いかかった彼らへ、緑色のカオスの炎から上がった煙がまるで意志を持ったかのように蠢きながら近づいてくる。
「なっ、はーっ!?」
 口内に飛び込んできた煙に兵士達は目を白黒させる。だが実体のない煙はいくら武器を振るっても素手で掴みかかろうとしても外れず、兵士達の体内へ潜り込み続ける。
「あ、う……」
 そして意識を失った兵士達は墜落することなくその場で項垂れて、体を痙攣させ出す。そして体内から溢れ出したオーラにまとわりつかれた。
「は、ははっ……」
 顔を上げて薄ら笑いを浮かべた兵士達はオーラの操り人形となって、スーパーカオスドラゴンと猟兵達に襲いかかった。
エリー・マイヤー
内心に抱いている脅威が具現化する、でしたか。
脅威というと、記憶に新しいのはエンシェント・レヰスですが…
そんなこと考えてたら出いちゃいますよね。
イザナミさんwith冥府の蛆獣。

まぁ、仕方ありません。
先の大戦の焼き直しと行きますか。
【念動オーバーフィル】によりキャバリアを強化。
サイキックウィングによる高速飛行で敵を攪乱します。
そのまま、隙をついてフォースセイバーでぶった切りましょう。
敵は幻櫻死界でこちらの活力を奪ってくるはずですが…
ぶっちゃけ私はこれの対抗策を持ってません。
なので、スーパーカオスドラゴンさんに対処して頂ければと思います。
マッドカオスフレイムの治癒とかでなんとかなるでしょう。
たぶん。



「内心に抱いている脅威が具現化する、でしたか」
 空から聞こえてきた羽ばたきの音にエリーは眉間に皺を寄せて視線を上に向ける。その先には武装したエンジェル達の姿があった。
「脅威というと、記憶に新しいのはエンシェント・レヰスですが……そんなこと考えてたら出いちゃいますよね。イザナミさんwith冥府の蛆獣」
 その体からイザナミとその体を蝕む蛆獣の姿を模ったオーラが湧き出てくる。しかしその大きさは本物よりもはるかに小さい。まるで寄生先エンジェルの体に合わせたかのように。
 すぐに攻撃に動かずに様子見していると蛆獣がイザナミの肌を這いずり出す。するとイザナミとエンジェルが緩慢な動きで腕を振り上げ始め、死者を受け入れる櫻の園———サクラエリュシオンが展開され始めた。
「ああ、あくまでイザナミは『蛆獣の操り人形』だということですか」
 操り人形越しに操り人形を操るとはなんと回りくどいことをするのだろう、と鼻で笑いつつタバコの煙をくゆらせる。しかし先端についていた炎のエネルギーはすぐに奪われて、尽きてしまった。
 サクラエリュシオンの地はこういった熱を始めとするこちらの活力を奪ってくることは分かっている。……しかしぶっちゃけエリーはそれへの対抗策を持っていない。
「スーパーカオスドラゴンさん、何とかなりませんか?」
「重要な時だけフルネームで呼ぶのやめようかおめェよォ?」
 急に話を振られたスーパーカオスドラゴンは顔を顰めながらも記憶を思い返す。
「確か、どうせ奪われるなら奪われる前に全力でぶつかれ、みたいな感じでいッた覚えがあるが……。少なくともあの時の姉ちゃんよりは小せェよな?」
 スーパーカオスドラゴンの言う通り、母体となっているエンジェルはイザナミと比べてはるかに小さい。これならイザナミの時よりもゴリ押しが効くかもしれない。
「これといった対処法はないと。……まぁ、仕方ありません。先の大戦の焼き直しと行きますか。エネルギー不足は『マッドカオスフレイム』の治癒とかでなんとかなるでしょう。たぶん」
「言ッとくが混沌の炎もそこまで万能じャねェからなァ? たぶん大丈夫だろうがなァ」
 サクラエリュシオンが展開されてから急に勢いに陰りが見えてきた混沌の炎を見つつ、スーパーカオスドラゴンはエリーの背中をやんわりと押す。
 サクラエリュシオンだけでは力不足だと認識したのか、蛆獣の口によってイザナミのオーラが引き裂かれて8体の火雷大神が召喚される。
 バチバチと体から電気を発する火雷大神を前にして、エリーは許容量を超える膨大なサイキックエナジーを放出し出す。どうせ奪われるなら少しでも有意義に使った方がいいからだ。
 オーバーフローしたエネルギーで展開されたサイキックウィングを背に、キャバリアが高速で動き出す。しかし直接エンジェルには突っ込まず、ぐるぐるとその周りを巡り出す。
 初動に置いて行かれた火雷大神はせめてこちらに攻め込んできた時を狙おうと目で追いかけようとするが、あまりの速さに目を回してしまう。一方でエンジェルは初めからキャバリアを見ようともせず、虚ろな目で空を見続けていた。
 エリーは火雷大神の動きが鈍ったところを強襲し、ウィングの余波で周囲の障害物を薙ぎ払いつつフォースセイバーでエンジェルの体躯を真っ二つにぶった切った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エドゥアルト・ルーデル
なんか人が来てるでござるよスーパーカオスドラゴン氏
お友達?

この環境で拙者周りになんか出てきたりは無いですぞ
今までぶち殺した奴らに今更脅威なんざ感じる訳ないだろ!仮にまた出てきても再生怪人なんざあっさり倒されるのがお約束というものですぞ
暇だしなんか汚ったねぇにやけ面したヌケ作兵士共ぶん殴って正気に戻す遊びしようぜスーパーカオスドラゴン氏
沢山目を覚まさせた方の勝ちな!別にぶん殴ってもいい奴らだしな

そのマヌケな顔をフッ飛ばしてやる!顎狙え顎!
さあめざめるのだ!このれんげきでぇぇぇぇ!!!
目覚めたかな?目覚めたかも?わからんでござるな!残念だもう一発いこう



「なんか人が来てるでござるよスーパーカオスドラゴン氏。お友達?」
「んなわけねーだロぉ?」
 エドゥアルトの問いかけにスーパーカオスドラゴンは眉を顰めながら反応した。
「たぶんアレだ。エンケロニエルの部下だった奴らだろ」
「あーなんかそんなことを言っていた気がするでござるな」
 親分が討たれたのにしつこいなぁ、と呆れつつエドゥアルトは体を伸ばす。
「それより大丈夫カぁ? アイツらたぶんオレサマのカオスの混沌領域からお前の苦手にしている存在を憑依させてきてるゼぇ?」
「この環境で拙者周りになんか出てきたりは無いですぞ」
 心配しているのか煽っているのか、どちらにも取れる言葉をスーパーカオスドラゴンが吐く。それをエドゥアルトは鼻で笑った。
「今までぶち殺した奴らに今更脅威なんざ感じる訳ないだろ! 仮にまた出てきても再生怪人なんざあっさり倒されるのがお約束というものですぞ」
 そう言い切った上で、エドゥアルトは改めて空を見上げる。空から急降下してくるエンジェル達は総じて貼り付けたような不気味な笑みを浮かべていた。
 何の努力もなしに突然手に入った力に溺れているのか、テンションが上がっているのか、意識がオーラに乗っ取られているのか。どれにせよ、とにかくムカついてくる表情を浮かべていることは確かだ。
「暇だしなんか汚ったねぇにやけ面したヌケ作兵士共ぶん殴って正気に戻す遊びしようぜスーパーカオスドラゴン氏」
「いいゼぇ? こっちもやられぱなしじゃつまらネぇからナぁ。ルールは?」
「沢山目を覚まさせた方の勝ちな!別にぶん殴ってもいい奴らだしな」
「シンプルでいいじゃネぇか、じゃあお先にやらせてもらうゼぇ!」
 そう言ってスーパーカオスドラゴンは翼を広げて先にエンジェル達に襲いかかる。
「デュフフフ……やってやりますぞ」
 エドゥアルトもエンジェルに負けじと不敵な笑みを浮かべてファイティングポーズを取った。
「そのマヌケな顔をフッ飛ばしてやる!」
 エンジェルが突き出した槍の切先を軽いステップで避けて懐に潜り込む。
「顎狙え顎!」
 そして宣言通りにエンジェルの顎を下から上へ殴りつける。
 火花が散ったかのような錯覚に襲われたエンジェルは、スーパーカオスドラゴンと違って目の前の男の弱いところを見出すことが出来なかった。
「さあめざめるのだ! このれんげきでぇぇぇぇ!!!」
 下駄を履いていたつもりが履いてなかったエンジェルは格上の相手に一方的に殴られるしかない。助けようと増援が来たところで脚を掴まれてジャイアントスイングの武器として流用されるだけだ。
「目覚めたかな? 目覚めたかも? わからんでござるな!」
「おはえ、なんね……」
 打撃を与えられ続けて歯が欠けたエンジェルの目から闘争心がまだ失われてないと判断したエドゥアルトは開いていた掌をもう一度硬く握りしめる。
「残念だもう一発いこう」
「ちょっ……」
 弁明する機会も与えられず、エンジェルの顔面に拳は深々とめり込んだ。

大成功 🔵​🔵​🔵​

御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!

バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?

戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!



「はーはっはっは! アカウントの乗っ取りにBANか、確かに考えるだけで恐ろしい!」
 エンジェルの手元で映し出される著作権を堂々と無視した映像、振りかざされる権限の幻覚を前に菘は豪快に笑ったが、その口角はやや引き攣っていた。
 配信者にとってアカウント乗っ取りやBANは今まで積み上げてきた物を全て奪われ、消し飛ばされることと同義。それを自在に操れる存在を前にして、恐れを抱くなという方が酷であろう。
 しかしかつて対峙した相手きょうてきではない。他の配信者がやらかしたのを対岸の火事として「気をつけよう」と思ったくらいだ。
「ルウよ、お主が言っていたよりカオスの混沌領域は有情なようであるぞ!」
 菘は右手を高々と掲げ、宣言する。
「妾の配信を、動画を、チャンネルを、お主達には渡さぬよ!」
 青空に浮かび上がった魔法陣から無数の花弁が降り注ぐ。それらはエンジェルの体の上に積もっていくとその動きを封じて混沌の炎が燃え盛る地面へ転落させた。
 地面に押し付けられた天使達の体が燃える音と喉から出てくる断末魔で映像の音声がかき消される。そして菘のチャンネルをBANする権限を得た者の手は花弁に邪魔されて、最後の一押しをすることが出来ない。
「お主達のような者を相手取る生配信でこういう事態に陥ることは想定済みである!」
 そう言いつつ菘は手元のモニターで配信とコメントがちゃんと動いていることを確認した後、ファンサービスで自分を映すドローンに向かってキメ顔で手を振った。

成功 🔵​🔵​🔴​




第3章 日常 『空中庭園の散策』

POW   :    空中庭園の全てを見て回ろう

SPD   :    じっくり庭園の設備を楽しもう

WIZ   :    庭園の歴史を学ぼう

👑5
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​
エリー・マイヤー
いやー、イザナミさんは強敵でしたね。
スパカドさんの助力が無ければ危ういところでした。
キャバリアに乗った上でなお、勝算が見え…
え?変な略し方するな?
でも、マサカドみたいでかっこよくありません?
かっこよくありませんか。
では、代わりに私も略して呼んでくれていいということで…
え?略す余地がない?
ごもっともですね。

仕方ありません。
諦めて、スーパーカオスドラゴンさんと呼ぶことにしましょう。
そんな下らないことを話しつつ、スーパーカオスドラゴンさんと共に空中庭園の壮大な景色と綺麗な空気を楽しみま……
あ、ごめんなさい。
煙草切れで死にそうなのでちょっと一服させてもらいますね。
喫煙所ってありますかね?



「いやー、イザナミさんは強敵でしたね。スパカドさんの助力が無ければ危ういところでした」
 屍人帝国の者が手入れしているとは思えないほど綺麗に手入れがされた庭園の一角にあるベンチでエリーは脚を組む。
 その品種が元々冬に咲く花なのか、この地が一度雲海に沈んでオブリビオンのための大陸と化したからなのか、季節が冬にも関わらず、木々には青い葉が生い茂り、色とりどりの花が辺り一面に咲いている。
 だがそんな清涼な風景とは真逆の、苦虫を噛み潰したような表情をスーパーカオスドラゴンは浮かべていた。
「サっきからスーパーカオス以下略だのスパカドだの……平穏だからって変な略し方で呼ぶんジゃネぇよ」
「キャバリアに乗った上でなお、勝算が見え……え?変な略し方するな?」
 先程から変な渾名で呼ばれ続けていることに対する抗議されたエリーはその苦言自体が意外だったのか、キョトンとした顔で首を傾げた。
「でも、マサカドみたいでかっこよくありません?」
「どこがだ」
 スーパーカオスドラゴンから見ると異世界の存在に当たる、かつて国政の転覆を図ったかの武将の名前に似た呼称はお気に召さなかったらしい。
「かっこよくありませんか。では、代わりに私も略して呼んでくれていいということで……」
「エリー・マイヤーのどこに略せる要素があるんだよ、エリマイよりもエリーの方が短く済むだろうが」
「え? 略す余地がない? ごもっともですね」
 スーパーカオスドラゴンからの指摘にエリーは肩を竦めて白旗を挙げた。
「仕方ありません。諦めて、スーパーカオスドラゴンさんと呼ぶことにしましょう」
「なんでさっきから偉そうなんだよ……いや、お前も含めて猟兵デビルキングだからオレサマよりも偉いんだけどヨぉ……」
 そんな下らないことを話している間にも風が吹き込み、木の葉が揺れる音が響く。
 青い空と白い雲が無限に続いているかのような壮大な景色に比例するように、澄み切ったように綺麗な空気が庭園を満たしていた。
「あ、ごめんなさい。煙草切れで死にそうなのでちょっと一服させてもらいますね」
 しかしその綺麗な空気はエリーの体にとっても精神的にも、毒であった。
 エリーはポケットから煙草のつまった箱とオイルライターを取り出して周囲を見回す。
「……喫煙所ってありますかね?」
「知るかよ。でも本来禁煙のところで吸うなんて、結構な『ワル』ジゃネぇか?」
「ではお言葉に甘えて」
 したり顔で告げてきたスーパーカオスドラゴンに全面的に乗っかる形で、エリーは煙草を口に咥えて火を点す。
 ニコチンとタールを多分に含んだ煙ごと空気を深く吸い込み、煙草を指で摘みつつ息を吐く。白みがかった灰色に染まった煙は一帯を汚らす間もなく庭園の空気の中に溶けて、消えていった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アーク・ベルゲン(サポート)
【人物像】
・冷静沈着で落ち着いた雰囲気の知的な男性
4、50代に見えるが、実際はもっと年嵩(100は余裕で越している)
・職業柄、他世界の植物や動物にも興味を抱きやすい。未踏の地の探索にも積極的

【口調】
一人称→私
二人称→君(きみ)、名指しの場合は~君(くん)、~嬢
語尾→だ、だな、だろう、なのか?


【戦闘】
・通常装備(装備欄1~6)や騎士装備(装備欄7~12)を使い分け、キャバリアや時にはふねにいる宇宙生物や攻性植物らに協力してもらう
・【代替要員】は貯蔵艦に変身こそ出来ないが、それ以外は本人と同じ
・攻めるよりは護る方に重きを置く
・弱者を甚振る敵には義憤を覚える(激昂はしない。冷静に対処する)



 エリーとスーパーカオスドラゴンが話している裏で、アーク・ベルゲン(方舟アーク博士・f42706)はコルディリネの庭園に根差す植物の採取を試みていた。
 しかし土から根が露出した途端、花も葉も茎も全て早送りした映像のように朽ちて崩れていく。今度は余裕を持って周囲の土ごと掘り出して鉢に移し替えようとする。しかし鉢に入れる前に植物は枯れて土と同化してしまった。
 調査のためにはサンプルを持ち帰りたいところだったのだが……取ったそばから枯れてしまってはどうしようもない。アークは指に残った土を擦り合わせながら改めて周囲を見回した。
 冬でも青々とした葉をつけ、可憐な花を咲かせている植物からは本来しているはずの活動―――光合成をしていなかった。しかし枝を折れば、折れた箇所から修復を始めようとし出した。動物で例えるなら、心臓が止まって息をしていないのに体は成長を続けている……そんな状態だ。
 持ち込んだ検査機で土を調べたところ、微生物や虫の姿が全く無いだけで特に変わった成分は含まれておらず適度に湿った普通の土だった。スーパーライフベリーを試しに植えてみたら普通に生えてきたので、先程発芽しなかったのはカオスの混沌領域のせいだと断定してよいだろう。
 そうするとこの特性は植物によるものか、何者かに持ち出されないようにこの庭園に何らかの魔術がかけられているか、ということになる。
「攻性植物を用いる者が治めていた国の庭園と聞いていたが……少し考えを直さなければならないかもな」
 ただ菌類などに寄生をしていないのに光合成をしていない、という点から考えるとアークが研究する植物と同じ存在かどうかも怪しいところ。理想の見た目をした植物じみた物・・・・が広がる庭園でアークはそう呟き、嘆息した。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2025年03月05日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#ブルーアルカディア
🔒
#デビルキングワールド
🔒
#東のラスボス『スーパーカオスドラゴン』


30




種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『日常』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト