帝都櫻大戰㉒〜Greed Fleet
何処までも広がる蒼。空と海。海を征くは無数の海賊船。そして己が在るのは、それらが形作る船団の中心、旗艦の舳先。
懐かしき光景だ、とカルロス・グリードは述懐する。
だが、同時に理解もする。此処は己が王として君臨していた世界――グリードオーシャンではない。限りなく同一であるが、実態として別の世界――謂わば『第二のグリードオーシャン』。
『『グリードオーシャン・アルゴ』……それが、汝の創造せしこの世界の名か』
カルロスの纏う鎧から声がする。しわがれた老人の、然し恐ろしい程の力籠る声が。
「如何にも。過程こそ異なれど、余の拠点となる世界ならばその名がこそ相応しい」
なれどカルロスの答える声音に動揺は無い。存在格ではより優る相手であれど、己の在り方が彼の望みに沿うならば。今のように、己が主となってその力を借りることもまた可能と理解する故に。
「元のグリードオーシャンは『サクラエリュシオン』を海に沈めることで成立せし世界。そして、このグリードオーシャン・アルゴは、サクラミラージュを海に沈めることで成立せし世界。……因果を感じぬでもないな」
ふ、と小さく笑う余裕すらある程だ。ともあれ。
「こうして拠点たる世界が出来たならば、為すことはひとつ」
それこそは『四番目の猟兵』――多世界侵略船団コンキスタドールの本懐を果たす行い。即ち。
「――侵略の時だ!」
数多の世界を侵略し、あらゆるものを奪い去る。生命も、歴史も、未来も。全て、全て。
●
「なんだか思った以上にスケールの大きい戦いになったよねぇ」
グリモア猟兵、メリヲ・テフルヴイ(フリヰダムスヲウド・f22520)は、驚きとも呆れともつかぬ表情で肩を竦める。
「みんなのおかげで、
超古代種族の世界侵略は阻止できたんだけど……ついに、今回の戦いの大元の元凶が出て来たんだ。『幻朧帝イティハーサ』がね」
猟兵達も予兆に見ただろう、世界を創造さえも可能という凄まじき力の持ち主。なれどかの存在は『過去さえられば未来など不要』と考え、サクラミラージュを、ひいては36の世界を滅ぼさんと動き出した。
「イティハーサは此処まで戦った
超古代種族の性質を元に新しい世界を創って、これを『侵略新世界』に仕立てたのだけど」
全部で5つ在る侵略小世界。だが、ひとつだけその成立経緯の異なる世界がある。
「カルロス・グリードはイティハーサを自分の鎧にして、その力を使って自分で侵略新世界を創り出したんだ。それが『グリードオーシャン・アルゴ』って世界」
其はその名の通り、第二のグリードオーシャンというべき世界。彼がサクラミラージュに在った最大の目的――オーシャンボールを以てサクラミラージュを海に沈める、という目的が果たされた状態を模して創り上げられた世界だ。
「カルロスはこの世界に大規模な海賊船団を作り上げて、皆を迎え撃つつもりだよ」
海上に浮かぶ無数の海賊船に、多種多様なオブリビオンからなる海賊軍団。それらを指揮して、猟兵達を迎撃する準備を万全としているという。
「グリードオーシャン・アルゴもグリードオーシャンと同じで、空に乱気流が渦巻いてて空を飛ぶのは難しくなってる。だから戦いは海の上で行うコトになるね」
数多の船舶がひしめき合う海の上、無数のオブリビオンを殲滅し、カルロスの在る旗艦を目指すこととなる。海の上を行くにせよ、船の上を渡るにせよ、それに対応した戦術が必要となるだろう。
「敵を放っておけばカルロスと戦う時に邪魔になるから確実に殲滅していかないとだけど……勿論カルロス自身も強敵だから、戦う時は気をつけてね」
元々オブリビオン・フォーミュラである処に、イティハーサの力も上乗せされているのだ。王笏甲冑は無いものの、此度の戦の緒戦で戦ったよりも確実に強敵となる。気を引き締めてかかってもらいたい。
「此処でカルロスをやっつけてグリードオーシャン・アルゴを滅ぼせないと、此処から他の世界が侵略されるコトになっちゃうから、何とかしてやっつけないとね」
それは或いは、かつてのグリードオーシャンでの決戦の再演と言えるのかもしれない。何にせよ、此処でかの敵を逃がす理由など無し。確実なる殲滅を、とメリヲは願う。
「それじゃ、転送始めるよ! 皆、よろしくね!」
メリヲの掲げるグリモアの輝きが、かの侵略新世界への道を開く。蒼に沈みし桜の世界の残骸、其を模した世界へと。
五条新一郎
海上大決戦。
五条です。
帝都櫻大戰も終盤戦。
敵は幻朧帝イティハーサ、そして彼の力によって生み出されし侵略新世界。
他世界の侵略を阻止するべく、これらを確と殲滅して参りましょう。
さて当方よりお送りするは、第二のグリードオーシャンにおけるカルロス・グリードとの決戦です。
海賊大船団を突破し、その中心に座する王を打ち倒すと致しましょう。
●このシナリオについて
このシナリオの難易度は「やや難」です。
●目的
『カルロス・グリード幻朧態』の撃破。
●戦場
グリードオーシャン・アルゴの海上。風景は概ねグリードオーシャンと同一です。
海上に無数の海賊船が展開しています。
●プレイングについて
OP公開と同時にプレイング受付を開始します。
「海上戦に適応する/海賊船団を素早く殲滅する」ことでプレイングボーナスがつきます。
グリードオーシャン・アルゴもグリードオーシャン同様、上空に乱気流が渦巻いているため、あまり高いところを飛行することはできません。
それでは、皆様のプレイングお待ちしております。
第1章 ボス戦
『カルロス・グリード幻朧態』
|
POW : 海王の矢
【無限に広がりゆく大海】から無限に供給される【『死の海水』の矢】を、レベル分間射撃し続ける。足を止めて撃つと攻撃速度3倍。
SPD : 王錫海巨人
全長=年齢mの【『海水の巨人鎧』を纏った姿】に変身し、レベル×100km/hの飛翔、年齢×1人の運搬、【生命を蝕む呪いの海水拳】による攻撃を可能にする。
WIZ : インヴェイジョン・オーシャン
全身を【数万トンに及ぶ海水】で覆い、自身の【侵略への欲望】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
|
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
相変わらず大変な相手ですが、やってみましょう。
『FLS』で各『祭器』を召喚、『FPS』で周囲一帯の探査を開始しまして。
【炳輦】を発動、マストの高さ程度を飛行しますねぇ。
無数の船団には『戦場全体』を対象とする『時空切断の嵐』を放射、建造物破壊の『FDS』の[爆撃]と併せた[範囲攻撃]で一気に叩きますぅ。
【海王の矢】は『FLS』の空間歪曲で直撃を逸らし『防御結界』に『FMS』『FAS』他各種防御を集中させ受け流し、尚危険なら『FPS』で時機を測り転移回避&『FQS』の治癒を。
カルロスさんと会敵出来たら『時空切断の嵐』に『FRS』『FSS』の[砲撃]を集中させて狙いますねぇ。
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪なうえに
悪事の邪魔する
ワルにとってのワル
超ワル魔王ダーティとは私のことです!
侵略世界の創造なんて超ワルじゃないですか!
絶対に成就なんかさせませんよ!
カルロスさんとイティハーサさんの苦労を水の泡にします!
さて!まずは船に乗り込んでUC【悪辣!滲染穢堕禁踏沼】を発動し
兵力を揃えます!
分身の私には『衝撃波』を纏ったパンチと『オーラ防御』で戦ってもらい
カルロスさんには分身体全員の『念動力』で海水をひっぺがして
『斬撃波』の蹴りの一斉発射でバラバラにしてもらいます!
さぁ超ワルの華の咲きどころですよ!がんばりましょう!
フレスベルク・メリアグレース
先制攻撃ユーベルコードが無いのですね……
ならば、このUCはいかがでしょうか?
ノインツェーンに乗り込んで『対象・状況に最適な『概念』の機械化能力』で『グリードオーシャン・アルゴの海』を機械化していき、海を機械化させられた事で船団としての機能を喪失させられたコンキスタドールへと機械化した海から展開した砲塔で掃射
更に『インヴェイジョン・オーシャン』で数万トンに及ぶ海水を鎧とするなら海水の機械化を解除して残りの船団の残骸を機械化しファンネル化
もう一つのUC能力である『時間質量を操作する事による時間操作』を用いて海水の質量攻撃を加速と逆行を適宜使い分けてファンネルを用いてカルロスを撃破していきます
猟兵達が転送を果たした先は、大海に浮かぶ小さな無人島。目の前には果てしなく広がる大海原、そして其処を埋め尽くさんばかりの帆船の群れ。
「あれがカルロスの艦隊ですね」
其を見遣り、フレスベルク・メリアグレース(メリアグレース第十六代教皇にして神子代理・f32263)は確認じみて口にする。艦隊を構成する船舶の数、軽く百は超えるだろうか。
「ええ、相変わらず大変な相手のようで……」
探査祭器を以て偵察を行う夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は小さくふるりと身を震わす。かつてグリードオーシャンで相まみえた時も強敵と言えたかの世界の王、此度はこの世界全てを己の戦力として運用してくるという。
「侵略世界の創造なんて、超ワルじゃないですか!」
その壮大なる野望が、決して大言壮語ではないことを実感し。ダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は何処か楽しげな声を上げる。尤も、それはかの王の野望そのものではなく。
「ええ、絶対に成就なんかさせませんよ!」
かの王と、其に力貸す幻朧帝の苦労を水泡と帰さしめる
行いに対してのもの。
「その通りですねぇ。では、やってみましょうかぁ」
るこるはユーベルコードを発動し、防御結界と祭器の衣とを纏い空へと浮かび上がる。
「無論ですね。彼らの思惑通りにはいかせませんとも」
フレスベルクが同意を示すと共に、その背後へ白金の神々しき意匠のキャバリアが現れ出る。フレスベルクの乗機たる伝説級神騎『ノインツェーン』である。
「それでは! いざいざ突入です!」
るこるの防御結界に跳び乗ったダーティの呼びかけるに応え。猟兵達は海賊船団目掛けて飛翔を開始する。高空は乱気流により飛行困難な為、敵船のマスト程度の高さを飛んでゆく。
『では、まずはわたくしが仕掛けて参りましょう』
ノインツェーンの機内、フレスベルクが言うが早いか、眼下の海が突如として変貌を開始。うねる海水が、瞬時にして機械仕掛けの平地や鉄塔へとその形を変えてゆく。
其はフレスベルクが発動せしユーベルコードによる、概念の機械化能力。『グリードオーシャン・アルゴの海』を機械化しての敵船団の機能喪失と、攻め手の増加を狙ったものだ。概念としての強度ゆえに、船団全てを機能停止する程の効果範囲を得ることは叶わなかったが、それでも相当の範囲の海が機械化しフレスベルクの制御下に収まるに至った。
「それでは一気に叩いていくとしましょうかぁ」
ともあれ、動きが止まったならば後は攻撃あるのみだ。るこるが念ずると共に、正面に展開していた船が次々とバラバラに斬り刻まれ、或いは爆発に飲まれ吹き飛んでゆく。其々、ユーベルコードによる時空切断の嵐と、祭器の一つである爆撃機構の攻撃によるものだ。
更にはフレスベルクによって機械化した海からも砲撃が放たれ、船の横っ腹を撃ち抜き撃沈に追い遣ってゆく。機械化に伴って形成された砲台群によるものだ。
「では私は船団へと突入しちゃいましょう!」
そうして敵艦隊の前衛が壊滅した処で、ダーティが防御結界から跳躍。まだ無事な船の舳先へと着地を果たす。
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター!」
そこから高らかに名乗りを上げれば、船に乗り組んでいるオブリビオン達の視線は否応なく彼女へと収束する。彼らの向こう、猟兵達を迎え撃たんとしたカルロスの視線も。
「凶悪で極悪で劣悪で最悪なうえに! 悪事の邪魔するワルにとってのワル!」
その名乗りは、かつて以上の情報量を伴って朗々と響き渡る。そう、今の彼女は。
「超ワル魔王ダーティとは、私のことですッ!!」
かの船団のワルを挫く更なるワルを実現すべく。こうして乗り込んだのである。
直後、名乗りきったダーティの身が、その表面に波紋めいた波を作り――其処から、無数のダーティと同じ姿をした存在が次々飛び出してきた!
それはダーティが発動したユーベルコードの恩恵。己と同じ強さの分身を生み出す力。その数は実に百名以上――ダーティの認識できる敵数と同数。即ち真っ向から数の振りを潰しにかかったのだ。
現れ出たダーティの分身達は、出て来る傍から次々と周囲の海賊船へと跳び映っていき、海賊オブリビオンを衝撃波纏う拳で次々と殴り倒してゆく。海賊船を逆に乗っ取りかねない猛攻に、船がひとつ、またひとつと機能停止。其処をるこるの爆撃やフレスベルクによって機械化した海面からの砲撃によって破壊され、沈んでゆく。それは、まさしく蹂躙と言って良い圧倒的攻勢といえた。
「随分と好き放題やってくれるな」
そうして船舶を破壊してゆくうち、やがて向かい来た軍人風の装いの男。彼こそがカルロス・グリードだ。
「我が配下たちをこれ以上やらせる訳にはいかんのでな」
言い放つが早いか、機械化した地面を破り、海面から大量の海水が噴出。其がカルロスへと纏われるように集束していき――やがては、数万トンはあろうかという大量の海水でその身を覆うに至り。
「その生命も、余が収奪してくれよう!」
直後、彼を包む海水から全方位へ向けて、辺りを埋め尽くさんばかり無数の矢が撃ち放たれてくる。この世界を覆う『死の海水』から無限供給される海水の矢だ。
其に撃ち抜かれてダーティ分身体達は次々と消滅、るこるも防御祭器で逸らしたり防ぎ留めたりするが、それでも少なからぬ矢がその身へ傷を穿つ。
『何の……! 其方がそうくるのであれば……!』
フレスベルクも、ノインツェーンの損傷が増えてゆくのに唸りつつ。カルロスの纏う海水に機械化の力は通じないが、それでもまだ手はあると片手を差し向ける。
直後、元に戻った海面から飛び出してくるのは、破壊された船の残骸。これを機械化し、ビットのように用いられるようにしたのだ。飛翔する其は鋭利なる槍の如く、矢の雨を突っ切りながらカルロス目掛けて突撃してゆく。
「フン、その程度で余には届かぬ――何!?」
なれど己の海水の守りを抜くには至らぬ。そう確信するカルロスだが――直後、信じられぬ変化が起こる。
「でしたら、その守りを引っぺがしてしまいましょう!」
ダーティである。生き残った分身達と総出で行使するは念動力、一人ではまるで歯が立たない海水防壁だが、己と同数の分身と共に行使すれば文字通り山をも動かし得る。海水の壁を破るぐらいは朝飯前だ。
「ちぃぃっ! ならば新たな守りを……ぐはぁぁぁ!?」
海水を追加して引っぺがされた分の守りを強化しようとするカルロスだが、ダーティ達の妨害によってそれも悉く剥がされ――そして、ビット化した残骸の槍を、その身へとまともに叩き込まれた。
「それでは、一気に叩かせて頂きますねぇ」
「さぁ超ワルの華の咲きどころです! まだまだ頑張っていきましょう!」
追撃に動くるこるとダーティ。時空切断の嵐と立て続けの砲撃がカルロスを襲い、ダーティ達の蹴りが生み出した蹴圧波が、かの王の身をバラバラに引き裂かんばかりに次々撃ち込まれていった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
シノギ・リンダリンダリンダ
いやぁ、素晴らしいですね王笏……いえ、カルロス・グリード
まさか、もう一度私にグリードオーシャンを略奪する機会を与えてくれるなんて
海の世界に大海賊の私がいるならば、為すことはひとつ
略奪の時間です
【海の女傑】を発動
世界の水位を、さらに上げる
船団をさらに海に沈め、自分は向上した速度と、持ち前の水中機動と、水目を見極める航海術で泳ぎ抜ける
上がった水の抵抗で相手も動き辛いでしょう
無限に広がる大海に対抗するように自分も水位を上げ、海水の矢を上記のように避けながらカルロスに接敵
海水に己の呪詛毒を撒き散らし、その身を焼き爛れ腐らせ攻撃
お前の力も、お前の世界も、全部。略奪させてくださいな?
エミリィ・ジゼル
海はコンキスタドールだけの者ではありません。我々、鮫魔術師の、そしてサメのフィールドでもあります。そのことを思い知らせてやりましょう。
ということは、サメの出番です。どうせなら、ここぞとばかりにすべてのサメの頂点たる存在を呼び出します。
カモン、サメダディ!
あの海の支配者面してる輩どもに、誰が真の海の支配者であるかを思い知らせてやってくだち!
UCでサメダディことリヴァイアサンを召喚。上記の方向性で説得を行い、海を操るサメダディの力で巨大な大海嘯を出してもらったり、巨大な渦潮を生み出してもらい、カルロスもろとも海賊船団を一網打尽にしてやります。
この海はサメがいただいた!
「いやあ、素晴らしいですね王笏……いえ、カルロス・グリード」
先の猟兵達の攻撃により数を減らしつつも、なお錚々たる数を保つ海賊船団。其を眺め呟くシノギ・リンダリンダリンダ(
強欲の溟海・f03214)の評は、決して皮肉ではない。というのは。
「まさか、もう一度私にグリードオーシャンを略奪する機会を与えてくれるなんて」
即ち、思うさま彼らから略奪の限りを尽くした
羅針盤戦争の再演。かつて程の規模ではないにしても、此処は海の世界であり、己は大海賊。ならば、為すことはひとつ。
「そうですね、そして改めて思い知らせてやりましょう」
並び立つエミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)も其に応じて頷きながら、我が物顔で海を行く船団を見据える。例え創造者があの船団の主だとしても、海はコンキスタドールだけのものではない。
「海は我々鮫魔術師の、そしてサメのフィールドでもあるのだと」
それはサメ
愛好家であり鮫魔術師としての矜持。サメのいない海など如何な面白みがあるというのか。かの王に、身を以て理解させねばならない。即ち。
「そう。この戦い、サメの出番です。それも、すべてのサメの頂点たる存在の出番です」
ほう、とシノギが興味を示すが早いか。エミリィは虚空へ向かって高らかに呼びかける。
「カモーン! サメダディ!」
その直後、空間を突き破って飛び出してきたのは巨大なサメ。通称リヴァイアサン。そのまま着水したサメの父は、エミリィへ値踏みするような視線を向ける。この存在はエミリィの完全な制御下にある訳ではなく、故にその力を振るって貰うには、都度交渉が必要なのだ。
「ダディ! あの海の支配者面してる輩どもに、誰が真の海の支配者であるかを思い知らせてやってくだち!」
とはいえ今回に関しては、その交渉は極めて容易であったと言えよう。海の王者の座を簒奪せんとする不遜の輩の存在をエミリィが告げれば、リヴァイアサンは船団の方へ頭を、エミリィへ背を向ける。乗れ、というつもりなのだろう。
「ありがとうございます! それでは好き放題やってくだちい!」
エミリィが其へ乗るが早いか、シノギはそれこそ鮫の如き笑みを浮かべて宣言する。此処から先は己らの時間――即ち。
「さあ――略奪の時間です」
直後、グリードオーシャン・アルゴの海に異変が生ずる。海面が更に上昇し、島々が次々に水没。更には海賊船団へは、リヴァイアサンが起こした大海嘯が襲い掛かり、次々と転覆、浸水、沈没せしめてゆく。
それらを凌いだ船達も、混乱したかのように右往左往の状態。シノギのユーベルコードによる水位の上昇に加え、水の抵抗も増したが為に動きにくくなっているのだ。
そんな彼らを後目に、シノギは自らの身ひとつで海を泳ぎ、エミリィはリヴァイアサンの背に乗って海を行く。抵抗増加の効果はシノギには無く、リヴァイアサンはその存在格故に影響を意に介さぬ。
「ちぃ……! やってくれたな猟兵!」
唸りながら姿を現すカルロス。船団に大きな損害を齎した水位上昇と大海嘯、其をまともに受けても彼の船は被害らしい被害を見せていない。その戦場にてカルロスは更なる海水を纏い。
「纏めて撃ち抜いてくれよう!」
二人を目掛け、海水の矢を猛烈な勢いで掃射する。前方を埋め尽くさん程に迫る海水矢の嵐を前に、二人は。
「でしたら更に水位を増やすだけですよ」
「サメの父はその程度で倒れはしないのです!」
シノギは海面水位を更に増やし、其処へエミリィの頼みを受けたリヴァイアサンが再度大海嘯を巻き起こす。海矢は全てそれらへ呑み込まれ――
「!?」
「さあ、勝負といきましょうかカルロス」
大波を凌いだ直後に起こった事態に、カルロスは驚愕する。いつの間にか――恐らくは今の大波に乗じて来たのか――己の在る船に現れた、シノギの姿を前として。
「良かろう。だがこの守りを抜けるか?我が領域たる海水の守りを」
なれど驚愕から立ち直ればあくまで冷静に。実に数万トンもの海水で形作られた守りは盤石。如何に泳ぎの得意な猟兵といえど、己のもとまで辿り着けは――
「――ガハッ!?」
だがその時、カルロスは盛大に喀血した。己の身へ、火傷とも腐敗と見える悪しき影響が生じているのを知覚する。だがそれは何か。対峙するシノギは只、腕を海水の中に突っ込んでいるだけで――
「おや、流石に大した耐久力。ですが」
だが、シノギはこれだけでも充分だった。彼女の身は、ありとあらゆる呪詛毒によって満ち満ちている。それこそ、その気になれば2万トンの海水すら全て毒で汚染しきってしまえよう程に。
「お前の力も、お前の世界も、全部。略奪させてくださいな?」
それはお願いに擬した純粋な欲求。この海賊の持つもの全てを奪い尽くしたいという強欲の発露。
「そして!」
直後、高らかなエミリィの宣告。シノギの離脱後も毒で動けぬカルロスを乗せたまま、船がリヴァイアサンの力で創造されし大渦へと引き込まれ――
「この海は! サメが頂いた!」
続けてエミリィが言い放つが早いか、その船体を粉々に圧搾破砕されながら、海へと沈んでゆくのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
カタリナ・エスペランサ
ご丁寧に解説どうも
些か遺憾ながらイザナミには援軍を手配して貰った借りもあってね
――折角だもの
命を慈しんでくれた神様たちに狼藉を働いたイティハーサ共々、報いをくれてやるとしましょう
敵の動きは《戦闘知識・第六感》で補足し《心眼》の先読みを欠かさず攻撃回避
空を塞がれているのは癪だけど足場を選ばない《空中戦》技術は海上戦でも有用でしょう
腹拵えの有象無象を揃えてくれるとは気前が良い事ね?
《ハッキング+蹂躙+略奪+捕食》【喰魂神域】
射程圏内悉くを糧としてオーバーロード
仮に足場の必要な味方が居るなら船くらいは残しておきましょうか
呪いの海水だろうと分解・無害化からは逃さないわ
攻撃減衰の効果もあるけれどメインは《エネルギー充填》
【喰魂神域】は維持、海も巨人鎧も削り喰らい続ける
たとえ作り物だろうと虐げられた世界の怒りは変わらない
その身で思い知りなさい
《ハッキング+情報伝達+応用力》で呼び掛け《地形の利用+破壊工作》
《占星術》で天の力を・《竜脈使い》で海底より地の力を誘導し《神罰+属性攻撃》の奔流に呑み込むわ
九段下・鈴音
「この世界は存在してはいけない。勿論、他世界への侵略など許す訳にはいかないのじゃ」
『オーラ防御』を展開しつつ、船から船へと飛び移りながら敵を倒していく。【妖刀錬成】で複製した妖刀で纏めて倒していく。『足場習熟』でバランスをとるのじゃ。
カルロスには距離をとり、重い一撃を食らわないように立ち回る。食らった場合は『激痛耐性』で耐え、『オーラ防御』を全開にする。『足場習熟』でバランスをとり、敵の有利を潰すのじゃ。
【妖刀錬成】で妖刀を様々な陣形に展開させ四方八方から攻撃を加える。時間差で妖刀を飛ばすことで攻撃する隙を与えないのじゃ。
アドリブ/連携歓迎
マリン・フィニス
……そうか、ならば、今「あの海」に生きる者として
貴様の再びの船出を止め、貴様の旅路をここで…終わらせる!
騎鮫の『サメット』に騎乗し、水上戦を挑むぞ
船団に対してこちらが上回るとすれば小回りと潜水もできるということぐらいだろう
水上、水中の機動力を生かし、泳ぎまわりながらバブルワンドで各種属性バブルを浮かべ、罠としていくぞ
更に側面や背後を取り、UC【ハイドロプレッシャー】を使う!
船である以上、転覆等の問題は付きまとう、加えて私のこのUCも「周囲の水を力とするもの」、貴様の海そのものを糧に、知識や技能、貴様の得てきた全てを押し流す水流を放ち続けるぞ……!
※アドリブ連携等歓迎です。よろしくお願いします
続く猟兵達が船団へ乗り込んだ直後。襲い来るのは多様なる姿のオブリビオンの群れ。なれどそれらを前としたカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)の貌には不敵な笑みが浮かぶ。
「腹拵えの有象無象を揃えてくれるとは気前が良い事ね?」
敵群を眺め渡す桃色の瞳は、あくまでも余裕の色。敵は数こそ多いがそれだけだ。なれば纏めて食らい尽くすのみ。
「うむ、早々にカルロスへの道を開けて貰わねばのぅ」
そんなカタリナの意志に、九段下・鈴音(藍の黎明・f01929)も同意を示す。斯様な世界は存在してはいけない。勿論、他世界への侵略などなお許す訳にはいかぬ。
『奴の再びの船出……何としても、止めなければならない』
蒼色の鎧型メガリスにて全身を余すことなく鎧ったマリン・フィニス(蒼海の騎士・f26997)もまた同じく。見目も声音も、その性別を特定しえぬ様相を示すマリンだが、任務遂行にかける意志は高い。
「それじゃ、早速――
あの狼藉者共々、報いをくれてやりに行くとしましょう」
呼びかけるが早いか、カタリナの足元から魔法陣が展開される。其は三人が今在る船を丸ごと覆い尽くさんばかりに拡大し、その全てを彼女の術の内に捉えた事実を示す。
「うむ! ではカルロスのもとにて合流するとしようぞ!」
『承知した……行くぞ、サメット!』
鈴音は呼びかけると共に隣の船へと跳び渡り、マリンは船縁を跳び越えて海上へ飛び降り――其処で待っていた鮫の背へと着地しそのまま跨る。マリンが鮫魔術で従える鮫『サメット』である。
(二人とも離脱したか。なら、加減は要らないね)
両者の行動を見て、カタリナは良しと頷く。これより己が行使するは、全力で繰り出せば仲間をも巻き込みかねぬ術。故に加減して行使するつもりだったが――これならば。
「――『歓喜せよ。貴様等の価値すべて、供物として捧げる栄誉をくれてやる』」
口にするは、己と共に在る魔神の述べる口上。かの神の力を借りることにて行使するユーベルコードたるが故に、その意志が斯様の如く表出するのだ。
そして、その直後――船が、消えた。まるでその場に最初から無かったかのように。魔法陣より放出された、あらゆる存在・現象を分解し喰らう力によって。
「よし、良い感じね」
カタリナは船のあった空間の中心で浮遊し、術の成就した結果を見届ける。その身は捕食吸収に伴って
超克を果たし。長く伸びた金髪が潮風に靡き、黄金の六翼が揺らめく。
想定通りの効果。なれば後は、行く手を阻む敵の悉くを同様に喰らい尽くすのみだ。判じ、カタリナは次の船へと向かいながら、再度魔法陣を展開してゆく。
「押し通るのじゃ!」
鈴音は妖刀を振るい、目の前に立ちはだかる海賊オブリビオンを一刀のもとに斬り捨てる。挙動ごと、ポニーテールに結われた青みがかった黒髪が揺れ跳ねる。
然し、見れば己へ向かい来る敵の数は想像以上に多い。これでは敵の間を走り抜けつつ斬り倒すという手は使えないが――
「ならば、これでお相手させて貰おうぞ!
なれど鈴音は臆することなくその手を掲げる。直後、現れ出るは百本を優に超える数の刀の群れ。鈴音の携えたる妖刀の複製だ。
この数ならば逃がすまい。鈴音の意志を受けた複製妖刀群は、一斉にオブリビオン目掛けて飛翔。それらを悉く斬り刻み貫き、片っ端から斬り捨ててゆく。
『船上が騒がしいとて此方を捨て置く理由も無いか』
さて一方、船と船の間を海上では。サメットに跨るマリンが水面を疾走する最中。後を追うは同じく鮫に跨った海賊達。その技巧は確かなれども。
『だが、お前達の相手をしている余裕は無いのでな』
尚も海賊騎手らを振り切らんと疾走を続けるマリン。その身から幾つかの泡が飛び出しては後方へ流れていき――爆発。
バブルワンドで生成した泡は凄まじい爆発性を有する。海賊達はもとより、彼らの船にもどてっ腹へ大穴をあけてしまう程だ。そうして沈没を始めた船の末を皆まで見届けることなく、マリンは鮫と共に水面を駆ける。
そうして三者三様の蹂躙が続いた後。カタリナと鈴音はカルロス・グリードの座する船へと乗り込む。
「よくぞ来た。そしてこれが最後だ」
先に乗り込んできた猟兵達との交戦により、カルロスは少なからぬ傷を負っている。だが、海水で形作る巨人の肉体、其が齎す攻撃と守りの力は変わらぬ脅威だ。
「いいえ、そういう訳にはいかないわね」
カタリナは魔法陣を維持しつつ、振るわれる拳を掻い潜る。流石に有象無象と異なり一息で分解とはいかぬが、それでも魔法陣の力は確実に効いている。そう判じ、耐え凌ぎ続ける。
「他世界の侵略など絶対にやらせないのじゃ!」
鈴音はカルロスから距離を取り、拳の重い一撃へ徹底的に対策する構え。同時に複製妖刀を飛ばし、地道に海水の肉体を削ってゆく。
「で、あろうな。ならば、このまま押し通るのみよ!」
だが海水鎧の守りは堅固。有為なダメージを刻むよりも前に、その巨体が二人を船首へと追い詰めんとする。
「ぬぅ……! これ以上は退けんか!」
此処からでは他の船へ跳び移るにも距離がありすぎる。何とか正面の水巨人を突破せねばならぬが――唸る鈴音。カタリナは俯き、その表情は窺い知れぬ。
「まずは二人。六番目の猟兵の命、奪わせてもらおう」
仕留めた。そう確信し、拳を振りかぶるカルロス。その拳が、二人を目掛けて振り下ろされ――
『いいや、貴様は何も略奪できん!』
その時である。カルロスのちょうど側面より、マリンの身が跳び上がってきたのは。
『奪われるは貴様の方だ! 貴様の海そのものを以てな……!』
その身を包む鎧が光を放つ。掲げた右手に応えるように、海面から夥しい水流が噴き上がり右手に纏わる。
『この水流を前に、何処まで抗えるか――見せてみろ!!』
そして右手を突き出せば、纏わる海水は猛烈なる高圧水流と化して。カルロス目掛けて襲い掛かる!
「ぬおおおおお……!? こ、これ、は
……!?」
その勢い、同じく水で形作られた巨人の鎧をも押し流し剥がし取りにかからんとする程のもの。更にカルロスは感じる。己の修めたる知識、技術……さらには記憶までも洗い流されてゆくのを。
「今じゃ……! 其処、隙だらけじゃぞ!!」
此処こそ好機。動いた鈴音は妖刀の複製を最大数まで生成、其を多少の時間差を与えながらカルロス目掛け射出する!
「が……っ! しまった……!」
カルロスの身体に、幾つもの妖刀が突き刺さり深い傷を齎す。海水鎧もほぼ剥がされきったことに呻きを漏らすカルロスだが――体勢を立て直す間もなく、更なる追撃が襲い来る。
「些か遺憾ながら、イザナミには援軍を手配して貰った借りもあってね」
先の
超古代種族との戦いを思い返しつつ。概して神を嫌うカタリナだが、彼女のような神などはその例外。少なくとも、仇討ちしてやろうという気持ちは湧いてくる。故にこそ。
天が鳴動し、地が揺れる。その振動が、海上の船にも影響を齎す。――来る。
「その身で思い知りなさい! 作り物だろうと変わらない、虐げられた世界の怒りを!」
吼えるが早いか、天と地とを結ぶように、落雷めいたエネルギーの奔流が、船を破壊しながらカルロスの総身を飲み込んで――その身を焼き焦がしてゆく。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
オリヴィア・ローゼンタール
コンキスタドール、猟兵の力を悪用せし者
いま再び拠点を得ようというのなら、その悉くを粉砕してくれる!
水着に着替えて【水上戦】に対応
アーク・ボードを駆り、巧みな【サーフィン】で死の海水の矢を、そして船団の砲撃を躱す
レディ・オーシャンの大海嘯を、サーフィン魔法で鎮めながら戦った経験が活きる
そしてカルロスへ近付けば近付くほど、死の海という縁がこれを可能とする――【終焉獣の召喚】!
巨大な獣が次々と喰らい付き、海賊船団に終焉を執行する
その圧倒的な【蹂躙】の化身は、カルロスの警戒と【注目を集める】のに充分
その隙に甲板へ跳び降り、こちらへ矢を向け直すよりも速く、【怪力】による【ランスチャージ】で突き穿つ!

玄羽・レン
◆SPD、アドリブ絡み歓迎、装備指定は
〔???〕
生命を奪うなら平和を奪い返すだけ
それが人造灼滅者の覚悟ですよ
敵のスケールが段違いでも怯みません
【氷獄の爆槍】を叩き込むのが今回の目的
投薬で『身体能力強化』後に海上戦適応型の『高速隠密空襲』
後者はステルス翼形態の〔FZK〕で海面付近を滑空して実現
なお簡易バベルブレイカーは〔DRC/SND/ALF〕の合体で構成
穂先の『冷たい炎』ですれ違う海賊船を焼き凍らせます
ステルス機能を活かし巨大カルロスへ辿り着いたら
跳躍の足場を〈錬金術Lv100〉で確保して高速で駆け上がり
海水鎧ごと彼を打ち貫き、強化『冷たい炎』の火災旋風で氷結
水底がお好きなら貴方も行きますか?

リーゼロッテ・ローデンヴァルト
【WIZ】
アドリブ連携歓迎
愛機搭乗
なかなか面白い事するじゃないのさ
探索のヒマがないのはちょっと惜しいかな?
海上戦は『ツェンタオア』のホバーと機体の推力活用
必要な出力は『アダマンタイト』でカバー♪
生体電脳と〈瞬間思考力〉からの思考〈操縦〉で回避しつつ
『H・ビーク』連射と『レリー・V』ブチ撒けで速攻雑魚殲滅
おいでなすったねえカルロス♪
悪徳海賊が略奪しないでナニするって話だしね
でも少しは節制を覚えた方が良かったかな?
DA52号【クロニクル】展開、『M・メモリ』起動
同時に一発ブチ込めば、超絶強化は呪いに早変わり♪
自前の弾幕やら過去戦闘の受傷再現で追い詰めたら
『ユピテル』の核弾頭で水球諸共イッちゃいな♡
猟兵達の攻勢により、カルロス・グリードの海賊艦隊は最早壊滅状態。なれど残存するだけでも未だその威容はかなりのもの。そもそも、本質的にはこの世界そのものが敵の艦隊とも言えるのだ。
「生命を奪うなら、平和を奪い返すのみです」
なれど玄羽・レン(『元』対歯車のコッペリア・f44108)は怯まない。その為にこそ、己は人造灼滅者となったのだから――穏やかな貌には、苛烈なる覚悟が宿る。その背に外套へ模した飛翔翼バインダーを広げ、水面近くを滑るように飛んでは艦隊へと真っ直ぐ迫る。
「コンキスタドール、猟兵の力を悪用せし者――いま再び拠点を得ようというのなら、その悉くを粉砕してくれる!」
抜群のプロポーションを強調する白の三角ビキニ姿のオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)もまた、苛烈なる闘志を宿しサーフボードで水面を馳せる。四番目の猟兵と知った、かの敵を討つ為に。
『折角なら、ちょっとくらい探索はしてみたかったけどねぇ』
そんな二人の一歩後ろ、水面をホバー走行する蒼き魔改造キャバリア『ナインス・ライン』からはリーゼロッテ・ローデンヴァルト(
KKSなリリー先生・f30386)の声。侵略目的で生まれたにせよ未知なる世界、如何なる事物が在るか興味はあるが、任務を放棄してまで為すことではないとも知る。
程なくして、三人は船団へと接近を果たし――歓迎とばかり、銃弾や矢、魔力弾といった飛び道具が雨霰と三人を襲うが、其々に回避や防御で凌ぎ。
『よーし、そんじゃ一丁派手にイクとしようか!』
リーゼロッテは意気揚々と愛機の火器類を展開。対キャバリアプラズマライフルに加え、肩部迫撃砲や脚部高速誘導弾、腕部にはヘヴィガトリング砲までが展開され、これらを一斉に掃射開始。まともに浴びた船が爆散と言って良い勢いで大破、沈没してゆく。
「焼き凍らせます……!」
レンが振るうは剣・銃・杖を合体させて簡易的なバベルブレイカーと化さしめた武器。海賊船へと一気に肉薄、すれ違いざまに其を振り抜けば、船が瞬く間に炎へと包まれる。なれど其は焼け落ちるのではなく、凍り付き崩れ落ちてゆく。其はかつて人造灼滅者として行使していたサイキックの産物――『冷たい炎』がユーベルコードへ昇華したもの。その威力はかつてを大きく上回る。
「温い! この程度で私を捉えられると思うな!」
そんな攻勢の合間、オリヴィアは水面を滑り敵中深くへ突撃してゆく。迎撃の銃撃砲撃を、巧みなボード捌きへすり抜けてゆけば。
「来たか……! これ以上やらせはせんぞ!」
正面の船から立ち上がる巨大な水巨人、その中心にカルロスの姿。これまでの交戦の結果であろう、既に相当の消耗が見て取れるが、屹立せる巨人の威容は凄まじい威圧感を伴って其処にある。
「汝らの身命、余すことなく収奪せん!」
呪詛を帯びたる海水の矢が、雨霰と戦場へ降り注ぐ。さしものオリヴィアも全ては躱せず、その身に幾つもの傷を刻まれ、生命力を削られてゆくが。
「この程度で私は倒れん! そして……!」
オリヴィアの進撃は緩むことなく。寧ろ反撃をも繰り出さんとする。両の手を掲げ、詠唱を紡ぐ。
「父と子と聖霊の御名によって命ずる。終焉の獣よ、死の海より来たりて我に従え――!」
直後。交戦海域に爆発じみた海水の噴出が生ずる。その退く中より現れたるは、七つの頭に十の角を備えたる冒涜的な見目の巨獣。その威容はまさに、黙示録に語られし悪しき獣の如し。
獣は早速とばかり、周辺の海賊船へと片っ端から食いかかり、これを貪り吸い尽くしてつく。その様、まさしく世界の終わりとさえ言え得る。
「巨いなる死の獣、なれど我にかかれば……!」
カルロスは現れたる巨獣へと攻撃を集中。巨体に生命奪う矢が次々と突き刺さり、その生命力を削り落としにかかる――が。
『悪いね、そこ貰ったよ♪』
「―――!?」
リーゼロッテの声の直後。一発の銃弾が水巨人を撃ち抜き貫いて――直後、カルロスは異変を感じ取る。巨人の動きが、目に見えて悪くなり。自身も肉体の急速なる衰微と、肉体の痛みが増幅してゆくのを感じる。――それ程までの、劇的なる効果。
『悪徳海賊が略奪しないでナニするか――とはいえ、少しは節制を覚えるべきだったね♪』
嗤うと共に、ナインス・ラインが巨大なバズーカを構える。狙いは無論、水巨人内のカルロス。この一撃で、吹き飛ばしてみせる。
トリガーを引くと共に、撃ち出されるは核弾頭。其が真っ直ぐに水巨人へと突き刺されば――眩い閃光と猛烈な爆風が、戦場一帯に吹き荒れて。
「ぐ……お……。こんな、こんなことが……」
光の退いた後、其処に残ったのはカルロスのみ。その身を鎧っていた水の守りは吹き飛び、後に残るは全身が焼け爛れた無残な姿。
なれど未だ仕留めきれてはいない。決着をつける必要がある。その意志のもと、猟兵達は動く。
「カルロス・グリード! 今一度、貴様の野望を打ち砕く!!」
巨獣の背より跳躍せしオリヴィアは、黄金の聖槍を構えて疾走する。
「水底がお好きなら、貴方も行くと良いでしょう」
レンは錬金術を以て足場を構築し、一気に水面から船上へと駆け上り。複合銃槍を構えて。
「これで――」
「終わりです!」
そして繰り出された二つの槍が、コンキスタドールの王を捉えて。貫かれたその身を、冷たい炎の火災旋風が焼き凍らせる。
「――余は、此処まで、か。幻朧帝よ。どうやら汝も道連れらしい」
致命に至った。カルロスがそう悟ると共に、砕け落ちてゆく白き鎧。幻朧帝イティハーサもまた、彼と共に滅びようとしているらしい。
「――全く、無念なことだ。余は、今一度……果てなき……航海を……」
その口から、未練を滲ませながらも。コンキスタドールの王、カルロス・グリードは、冷たい炎の中で凍り付き、砕け散って。今一度の滅びを迎えたのである。
●
以て、猟兵達は『グリードオーシャン・アルゴ』を制圧。かの世界による侵略は、食い止められようとしていた。
サクラミラージュの、数多の世界の命運を巡る戦は、間もなく終幕を迎える。猟兵達を待つ結末とは、果たして。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵