帝都櫻大戰⑯〜昨日より今日、今日より明日へ
「んと、サクラミラージュの世界で起こっている大きな戦いはもうご存じですかぁ?」
君たちに声をかけたカレン・ソウゲツ(サイボーグのハイウェイスター・f36589)がそう切り出したということは、今回の話はその『帝都櫻大戰』関連の、先日始まった【第二戦線】に関連した話なのだろう。
「実はぁ、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』さんが無数の幻朧桜と共にわたしの出身世界であるサイバーザナドゥのサイバースペース内部に降臨した様なんですよぉ」
サイバースペース内部に存在する遅効性の思考破壊プログラム「ヤマラージャ・アイビー」を起点とし、サンサーラの放つ骸の海はサイバースペース全域を、ひいてはサイバーザナドゥの
現実をも破壊しようとしているのだという。
「こんなの放置しておけませんよぉ」
この世界出身のカレンとしてはたまったものではないのだろう。それはそれとして、神王サンサーラは極めて強大なオブリビオンではあるものの、そのあまりの強大さ故に、「完全に無傷の状態」でない限りこの世界への顕現を維持することができないという弱点もあるらしい。
「広がり続ける骸の海を乗り越えてぇ、何とかしてこのひとにぃ一撃でも与えられればぁ、一旦撤退してくれると思うんですよぉ」
もっとも、神王サンサーラは「骸の海を無限に広げる」という規格外かつ制御不能のユーベルコードを持っており、ただそこにいるだけでいずれ世界の悉くを破壊してしまうのだとか。
「聞く限り打つ手なしのようにも聞こえますよねぇ?」
だが、事と次第によっては唯一彼と対等に渡り合える者がキャンピーくんの力で送り込まれてくるらしい。その名は幽世の竜神親分『碎輝』。
「碎輝さんはぁ、戦い始めこそ極めて弱いそうなんですけどぉ、『無限に成長する』という特性を持っておられるんですよぉ」
もし、戦いが長引けば長引くほどに飛躍的に強くなってゆく碎輝を無限に広がる骸の海に対抗できる程に成長し終えるまで守り抜くことができれば、勝利することも難しくない訳だ。
「こう、手ごわい相手かもですけどぉ」
よろしくお願いしますねぇとカレンは頭を下げ君たちを送り出すのだった。
聖山 葵
カレンさんの故郷がっ!
という訳で、今回はサイバースペース全域を、ひいてはサイバーザナドゥの
現実をも破壊しようとしているエンシェント・レヰス『神王サンサーラ』を撃退するお話となります。
尚、このシナリオフレームには下記の特別な「プレイングボーナス」があり、これにのっとった行動をすることで、戦いに有利になるようです。
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プレイングボーナス:弱い状態の碎輝を守って戦う/強力に成長した碎輝と協力して戦う。
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ではご参加お待ちしておりますね。
第1章 ボス戦
『神王サンサーラ』
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POW : サンサーラディーヴァ
自身の【眼前】を【広大無辺の仏国土】化して攻撃し、ダメージと【神王サンサーラへの到達不能】の状態異常を与える。
SPD : サンサーラノヴァ
【かざした両掌の間】から、詠唱時間に応じて範囲が拡大する、【五感封じ】の状態異常を与える【神王光】を放つ。
WIZ : 強制転生光
レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1m以内の全てを消滅させる【サンサーラの光】を放つ。発動後は中止不能。
👑11
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ヴィゼア・パズル
連携やアドリブ◯WIZ
「護衛の任は久方振りだな。」
気を引き締めて行こうか。
消滅した端から動き出すもの、風とは流動その物だ。遮蔽物が存在しようが、隙間を縫うに時間は掛らん。幾ら海が広かろうと、空に届く事は無い。
「まぁ、水中戦も苦手ではありませんが。」
Dunkuleに騎乗、碎輝を庇う形で攻撃を仕掛ける
『おいで、狩りの始まりだ。』
UC使用。常に移動して着弾地点を予想誘導。暫く敵の攻撃を避け、氷の弾を育てながら攻撃に転じる。
「風の渦を止められるか?」
敵の足元から頭上へ向けて嵐を引き起こし、突き上げる様に高圧の大気で以って氷柱の数々で貫く、死角からの奇襲を狙う。目的は時間稼ぎ
「さて、何処まで通じるやら」
ヴィオレッタ・エーデルシュタイン
他の猟兵たちと協力して参加するわね。
今回はとにかく時間を稼ぐこと。
その為には敵全体を叩いて動きを封じましょう。
離れたところに[迷彩]衣装で隠れるところから開始。
そして弓を天にかざしてユーベルコード【ヤヌスの矢】
「降り注げ、敵に滅びを、友に癒しを」
戦場全体に攻防の矢を放って満遍なく敵に打撃を与えるとともに、味方の碎輝さんは回復させる。
躯の海が迫ってきたら走って距離を取り、改めて攻撃。
強くなるまでの時間をこんな感じで稼ぐわ。
十分な強さを稼いだ後も、やることは変わらないわね。
敵攻撃と味方回復を兼ねたユーベルコードで援護するわよ。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
難しい状況ですが、やってみましょう。
『FAS』で飛行、『FLS』で
全『祭器』召喚後、空間歪曲障壁を形成しまして。
竜神親分に呼び掛け『賛同』を要請、【紉祾】を発動しますねぇ。
これで、親分には私の『祭器』の複製が、私には親分の『無限成長の強化』が其々扱える状態として付与されますぅ。
そのまま『無限成長』の性質を親分に教わり、『回避』で大丈夫なら『FPS』による探査から『FIS』の転移で『眼前』の外へ退避、『耐えた』方が良いなら『FES』『FMS』を重ねた多重防御に『FQS』の治癒を重ね『無限成長』の条件へ誘導、十分『成長』したら『FRS』『FSS』の[砲撃]を。
高柳・零
POW
守る戦い…なら参加させていただきますよ!
「碎輝さんが成長するまだ守れば…何分くらい必要です?」
まあ、分からないので全力でやるしかないですね。
碎輝さんの前に立ち、両手に盾と魔導書を持ち、オーラ防御を張ります。
「とんでもUCですが、受けきってませます!」
敵UCにはとにかく耐えます。オーラがダメなら盾と魔導書。それもダメならUCを使って、とにかく受ける事に専念します。
碎輝さんさえ守れば自分としては「勝ち」なので。
もし、碎輝さんが成長した時にまだ立っていられたら、衝撃波の2回攻撃で援護します。
アドリブ、絡み大歓迎です。
山梨・玄信
POW
破戒しているとは言え、仏を騙る奴は許せんのう。
全力を出す為にも褌一丁で挑むぞ。
…何かおかしいか?
最初から全力で脱ぎ力を高めてUCを発動。高めた力でオーラを全力展開じゃ。
常に碎輝を守るような位置を取って行動するぞ。こいつが成長せんと勝負にならんらしいからな。
碎輝が戦えるまで成長したら、反撃開始じゃ。
主力は碎輝になるじゃろうから、そちらが戦い易いよう動くぞ。
相手のUCは眼前が対象じゃから、飛んで常に死角に回って浸透撃(鎧無視攻撃)で徹底的に行動を邪魔してやるのじゃ。
「こういう事は妖精の方が得意なんじゃが…やってみせるぞ」
「この世を骸の海になんぞさせん!お主だけで帰れ!」
アドリブ歓迎じゃ。
「護衛の任は久方振りだな」
独言した時、ヴィゼア・パズル(風詠う猟犬・f00024)の視界の端には護衛対象である竜神親分『碎輝』が存在していた。
「守る戦い……なら参加させていただきますよ!」
勿論それだけでもない。次々と転送されてくる味方の猟兵。高柳・零(
テレビウムのパラディン・f03921)は宣言すると周囲を見回し。
「今回はとにかく時間を稼ぐこと。その為には敵全体を叩いて動きを封じましょう」
同様に辺りを視線で撫で味方の存在を視認したヴィオレッタ・エーデルシュタイン(幸福証明・f03706)はそんな提案を。
「味方がいること自体は心強いが、気を引き締めて行こうか」
複数人の猟兵に助っ人として碎輝も居るとはいえ、対峙する相手が強大過ぎるのだ。
「そうですねぇ。難しい状況ですが、やってみましょう」
一つ頷いた夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は
3対のオーラの翼で空へと舞い上がる。
「私の放つ骸の海は無限に広がりゆく。それを阻む術は無い……たとえ何人来ようとも無意味だ」
そのるこるを見上げ、エンシェント・レヰス『神王サンサーラ』は口を開いた。諦念の滲む言葉でもあった、だがそれで諦めるような猟兵はこの地に転送されては来ないだろう。
浮遊する16枚の札を用いて祭器の数々を召喚したるこるは空間歪曲障壁を形成し。
「破戒しているとは言え、仏を騙る奴は許せんのう」
「玄信?! もう脱いでるヌギ?!」
良く知る声を聞いて振り返った零は褌一丁の山梨・玄信(3-Eの迷宮主・f06912)を見て思わずお供の妖精口調で仰け反り。
「……何かおかしいか?」
「全くそんなことはないヌギ! ヌギカル☆玄信も『サクラミラージュ編』に突にゅ……この場合収録は『サイバーザナドゥ編』ヌギ?」
「そんなことを考えておる場合か!」
首を傾げた玄信が割とどうでもいいことに悩む様子を見せたお供の妖精にツッコんだ。
「そうだったヌギ! 碎輝さんが成長するまで守らないと……何分くらい必要です?」
「いや、分で尋ねられてもな……」
我に返って質問を投げる零ではあるが、さすがの碎輝もその温度差にではなく、唐突な質問内容に即応は出来なかったようだ、ただ。
「少しの間一緒に祈り、複製した祭器と能力の共有に賛同していただけませんかぁ?」
「わかった……こう、でいいか?」
続くるこるの申し出にはその内容から何を狙ってかおおよそ把握したことで把握して手を合わせ。
「大いなる豊饒の女神、祈りを捧げる者達に、その天祐をお与え下さい」
同時にるこるも祈りを捧げれば、るこるの周囲にある祭器の数々と同じものが碎輝を取り巻き。碎輝とるこるの双方が強化されることとなるが、これを座して見守っている神王サンサーラでもなかった。
「これは」
「っ」
猟兵らが見る風景が一変する。サンサーラが自身の眼前を広大無辺の仏国土化したのだ、だが。
「とんでもUCですが、受けきってませます!」
るこるの展開した空間歪曲障壁の手前で零がお供の妖精の口調と演技を放棄しオーラで身を守りながら盾を構える、頼みの綱である碎輝を庇う形で。
「こういう事は妖精の方が得意なんじゃが……やってみせるぞ」
更に全身を露出した肌の映える輝きで覆った玄信もオーラを全開にして零の横に立つ。理由は同じ、目的も同じ。
「強化されている筈なんですけどねぇ」
るこるの形成した空間歪曲障壁が悲鳴を上げサンサーラの攻撃はやがて二人へ至る。が、それだけでもあった。
「……意外と持ちこたえていられますね」
逆に言うなら障壁がそれだけ攻撃の勢いを削いだのであろう。
「あいつが成長せんと勝負にならんらしいからな」
後方を振り返る訳にもいかず、意識だけを玄信は碎輝へ向け。
(頃合いかしら?)
尚も碎輝を二人が庇おうとする中。迷彩衣装を纏い仲間たちからは離れた場所でいつの間にか身を隠していたヴィオレッタは弓を構えた。サンサーラは「完全に無傷の状態」でない限りこの世界への顕現を維持することができない。故に矢傷一つでもつけたならこの場に留まることは能わなくなる。
(敵の注意は明らかにあの二人に向いているみたいだし)
ヴィオレッタは静かに矢をつがえ。
「降り注げ、友に癒しを、敵には滅びを」
そして、天空から矢は降り注いだ。
「む」
サンサーラからすれば想定外であったのは間違いない。故に出来たのは、かざした両掌の間から神王光を上方に放つことだけ。咄嗟であるからこそ本来の威力は発揮できず、それでも降り注ぐ矢を消滅させるには十分で。
「おいで、狩りの始まりだ」
攻め時と見て、ヴィゼアがDunkuleへ跨り、自然現象へ属性を混ぜてゆく。
「風の渦を止められるか?」
「容易いことだ」
足元から吹き上げる嵐へ氷柱が投入されれば、嵐ごと消滅させんサンサーラの放つ光が嵐を消滅させ。
「死角からの奇襲だったのですが」
直前までヴィオレッタの降らせた矢に対応していたというのにこれである。
「さて、何処まで通じるやら」
もともとの目的が時間稼ぎなだけあってヴィゼアに動揺はない。
「ですが難敵ですねぇ」
零たちが耐える間に
20枚の浮遊する布と
浮遊する12枚の円盤を用い結界とバリアで多重防御の備えを作り出したるこるは機を見計らう。
「じゃが、敵とて気は抜けんはず」
傷一つついただけで顕現が解けてしまう以上、猟兵全員の攻撃に対処せねばならぬのだから。そうして時間を稼げば、あとは成長した碎輝が何とかしてくれる。
「それまで立っていられるかはわかりませんけどね」
全員が立っていなければいけないという訳でもない。零の視界の中で矢が天から再び降り出し。
「また、か」
サンサーラが光を空に放った。
それかどれ程攻防は続いたであろうか。
「みんな、待たせたな!」
待ちに待った碎輝の声を耳はとらえ。
「ようやくじゃな、いくぞ」
「ヌギ!」
玄信に声をかけられ超防御モードを解いた零は衝撃波を放つべく構え、見た。空を褌一丁で飛んで行くヌギカル☆玄信の背中を。
「この世を骸の海になんぞさせん! お主だけで帰れ!」
「後ろか――」
死角に回り込み攻め掛かる玄信。
「お手伝いしますぅ」
砲撃を開始するるこる。どちらの攻撃が命中してもサンサーラの顕現は解かれただろう、だが。
「昨日より今日! 今日より明日! 俺は、どこまでも強くなる……!」
「ぬうっ?!」
「届いたぜ、お前を止められる域にまでな!」
迸る電流は無限に広がる筈の躯の海を凌駕してサンサーラの身体へ届き。
「みごと、だ」
顕現を維持できなくなったサンサーラは消え始めた。猟兵らの勝利だった。
大成功
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