帝都櫻大戰④〜嫉妬忍者は僻みたい!
●逢魔が辻
「リア充死すべし、慈悲はない」
サクラミラージュの街角に突如として現れた謎の男はそう言いながらデエトを楽しむカップルに手裏剣を放った。
哀れリア充は脳天に刃が突き刺さり一撃でお陀仏。
「サヨナラッ」
断末魔の叫びをあげそのまま死亡してしまった罪なき一般人。
その死体に向け唾まで吐いたモノの姿は憎悪で強化された面をつけた忍者にしか見えない黒衣の男。
螺旋を描くようにぐるんと体を回転させるとそのまま次のターゲットを目指しその場を立ち去ってしまった。
大忍『無顔』、それがこの忍者の名であり通り名である。
そして付け加えるならばこの男こそが今回退治せねばならないターゲットなのだ。
●グリモアベース
「一方的な嫉妬で殺されちゃおちおちデートもできませんよねぇ」
グリモア猟兵の村雨・ベルは読んでいた雑誌をテーブルに置き話を始めた。
そうやら逢魔が辻の影響により強化された忍者がリアルで満たされたリア充を狙い殺しまくっているらしく早期解決を望まれる事件だというのにこのテンション。
どうやら敵はカップル相手に現れ襲ってくるので、偽装であろうとカップルとして出向けばすぐに戦闘に入れるためあまり難しくないのだとベルは言う。
不必要に強さを隠す必要もないしやりたい放題猟兵たちが頑張れば勝てるとそう思っているのだ。
「というわけで、浅草六区近くの路地に転送しますから~ちゃちゃっと迷惑な忍者倒してきてくださいねー♪」
とてもいい笑顔でベルは手を振ると一同をグリモアの輝きへと案内をする。
傍迷惑な嫉妬忍者をいかに倒すのか……それは猟兵たちの実力次第なのだ。
轟天
これは帝都櫻大戰の1章完結戦争シナリオです。
カップルを狙い襲ってくる、嫉妬に駆られた忍者を退治しちゃいましょう。
カップルで出向いてもよし、現地で誰かにカップル役を頼んで敵をおびき寄せるもよし。
どうやるかは皆さんの創意工夫で考えてみちゃってください。
●プレイングボーナス
「主」の執着の正体に気付き、弱めてやる。
第1章 ボス戦
『大忍『無顔』』
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POW : 忍法・螺旋転撃
自分の体を【高速回転】させる攻撃で、近接範囲内の全員にダメージと【出血】の状態異常を与える。
SPD : 忍法・螺旋風撃
【手裏剣】から、戦場全体に「敵味方を識別する【螺旋の斬風】」を放ち、ダメージと【出血】の状態異常を与える。
WIZ : 忍法・螺旋衝撃
【刀の切っ先や印を結んだ手】を向けた対象に、【螺旋状の衝撃波】でダメージを与える。命中率が高い。
イラスト:8mix
👑11
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夢ヶ枝・るこる
×~△
■方針
・アド/絡◎
■行動
幾ら何でも、酷い動機ですねぇ。
先日の銭湯へ行って番台にいた見覚えのある女性を連れ出し、「百合カップル」に見せましょう。
難しければ、該当店か櫻學府で協力者を探しますぅ。
【綰閒】を発動し全『祭器』を体内に収め、『FPS』の能力で周囲を探知、襲撃に備えましょう。
【螺旋転撃】は近接前提、時機を測り『FIS』の能力で転移し範囲から逃れれば回避可能、同行者は一緒に転移するか、
問題ない場合は残す方法も?
『FGS』の能力による重力波で回転と回避を抑え、『FRS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]の能力を重ね叩きますねぇ。
協力料代わりに、後程何か悪戯される可能性も?
●
「幾ら何でも酷い動機ですよねぇ」
「カップルさんに嫉妬するなんてダメですよね~♪」
イチャイチャと女性カップルがデートの途中なのか怪しい路地に近づいてきたのは夕暮れ時。
もちろんリア充許すまじと大きな黒い影が回転しながら飛んできてカップル目掛けて落下した。
「リア充死すべし、慈悲はないっ!」
「かかりましたね嫉妬忍者さん!」
「うぇるかむ つぅー でぃす まじっく たーいむ♪」
地面が炸裂するほどの威力の爆発の中からいくつもの浮遊兵器とトランプが舞い散り声まではっきりと聞こえてきた。
土煙の中から飛び出した夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)の女神の加護『綰閒』によって転移し範囲外へと瞬時に逃れ、もう一人の
手品師風の衣装の褐色娘もきっちりしがみついて共に転移に成功していたらしい。
「き、貴様ら……何奴っ!」
「よくぞ聞いてくれました! 私達こそ帝都を騒がす……って、るこるさんまだ口上の最中ですよっ!?」
「……撃てぇ!」
浮遊放題などの砲撃と爆撃が一気にニンジャへと撃ち込まれ騒然とする路地にさらなる硝煙の臭いが立ち込めた。
事前に襲撃に備えあらゆる祭器を使っていたるこるにとって長期戦はいろいろな意味で反動が怖い。
また胸のサイズアップが酷いことになったらどうしようなどと考えていてふと違和感に気付く。
(あ、あれ……? なんだか着ていたはずの下着の感触がないような?)
戦闘中だというのに違和感が心から離れないるこるが助っ人の褐色娘のほうを見ると、手にしたステッキの先にるこるが着ていたはずの下着が引っ掛かって風に揺れていた。
「ちょっ、ここでシリアス壊すのやめてくださいよぅ!」
「わわっ、なんでー?」
「お主ら、儂をからかっておるのかっ!」
大忍『無顔』はこの殺し合いだというのに弛緩した空気を余裕で出せるこの二人に何だか恐怖を覚え忍法・螺旋転撃の構えに入る。
こいつらのような舐めたカップルには思い知らせてやるとそう気合をこめ、彼は二人のバカップル(に見えている)へと高速回転で飛び掛かっていった。
大成功
🔵🔵🔵
上野・イオナ
友人のエテルネ(f36956)と
グリモア猟兵の話がよく聴けなかったんだけど。まぁいいや、男女2人組ね。OKー!着いてくよ。これは儀式条件か何かかな?
敵が出るまで暇だね。まだ暑さも残るしアイスでも買ってこようか?
っとと、結構早めに出たね。あー、色恋沙汰系かぁ。
UC【足元の虹】使用
触手で構えたトライレインボウのインク弾で行動妨害。そのまま桜のイラストで映えスポットを作ろうかな。
エテルネのカメラにピースしてから三刀流で切りかかろう。
※アレンジ歓迎
エテルネ・イミタージョ
相方のイオナ(f03734)と
カッ……いや、男女2人組で行かなきゃ行けない依頼があるから行くわよ。
まぁ、2人組でこの街をうろついていればそのうち出てくるらしいわ。
デートの前にソーシャルレーザー達を周囲に隠すようにに展開。取り付けたカメラと自身を同期。
戦闘時だけど、刀や手が相手の一部UCの発動条件になってるのは把握しているので構えそうになったらレーザーを放ち妨害。
複数の視覚情報を活かしてイオナの援護に入るわ。
※アレンジ歓迎
●
「なんかグリモア猟兵の話がよく聴けなかったんだけど、別にいいよな?」
「はぁ……もう、全然聞いてなかったの?」
出発前にあまり実の無い話しかしてなかったエルフの事はすでに忘却の彼方、上野・イオナ(レインボードリーム・f03734)は一応それでもいいよねとエテルネ・イミタージョ(La vastiĝanta cibermondo・f36956)に確認をとったというわけだ。
やはり知ったかぶりをするより素直に言うほうがいい。とはいえもうちょっと聞いておいてほしいよねとエテルネは
ぷくりと頬を膨らませる。
「カッ……いや、男女二人で行かなきゃいけない依頼があるから行くって言ったわよね」
「そ、そうだっけ? 儀式条件か何かだったかなー?」
イオナがこんな調子なのでエテルネとしてはちょっと複雑な気分。もうちょっと何で一緒にここに来ているか考えてもらいたいものだ。
だがそんなやり取りも嫉妬にかられた者から見ればイチャコラしているように見えるらしい。
まだ敵が出てこないからとアイスまで買って一緒に食べていた光景なんて見たら、言訳不能……執行対象に見事当選ってところなのである。
「うぬら! お天道様が高いうちから実に不健全である! よって……リア充死すべし慈悲はないっ!」
突然に置いてあったゴミ箱の蓋が天高く吹き飛んで中から飛び出してくる黒い影。
指先を二人に向けわなわなと怒りに燃えた外道な忍者が嫉妬全開で手裏剣を構える。
「けっこう早めに出たな!」
「二人でうろつくだけで本当にあっさり出てきたわね!」
カカッ
不意を突かれることなくその場から小ジャンプした二人のいた場所に突き刺さる何本もの手裏剣。
一般人であれば即死だったかもしれないが猟兵の二人にとってはバレバレの動きでまだ生ぬるい。
それぞれの
得物を手に散開しながら一気に間合いを詰めていく。
「あぁ……色恋沙汰かぁ」
呆れたようにイオナは吐き捨てると、触手で構えたトライレインボウのインク弾で追い打ちに放たれた手裏剣を迎撃し、両者の中央付近にインクと手裏剣の花が咲いて地面に転がり出鼻を挫く。
「見えてるわよ!」
付近に展開したソーシャル・アイによって大きな円を描いてイオナの背中に突き刺さりそうな手裏剣に気付いたエテルネが放ったレーザーがあらぬ方向に放たれそこでも手裏剣が弾かれ壁に突き刺さった。
正面に気を引き付けているうちに本命は背中からという実にいやらしい忍者の戦いぶりにイオナはゾクリとテンションが上がっていった。
「これは今描かなくてどうするかって感じだよなっ!」
ペイント弾が次々と忍者に放たれそれは避けられるも次第に壁にべっとりと付着した何色もの塗料で見事な桜が描かれていく。
それはこの帝都をよりよく見せる
映えスポットに変わったということだ。
「頭だけでなく道路までお花畑か貴様ぁ!」
必殺の忍法・螺旋衝撃を放つべく忍者が突き付けた忍刀に螺旋状のエネルギーが集まっていく。
だがそれが放たれるよりも早くエテルネの放ったレーザーが忍刀を弾き飛ばし発射を防ぐ。
「おっ♪ ナイスアシスト~っ!」
ブイブイとカメラに向かいピースし褒め称えるとイオナは自ら描いたイラストの上を駆けるように間合いを詰めていった。
まさに絵になる光景とはこれのこと、滑り込むようにスライディングし一気に距離を詰め、号『二朝』で左右同時に下から上に払う斬撃を加えさらには彩虹の剣による強烈な縦一文字。
「もらった!」
「なんのっ、うぬぬ…なんだこの剣はっ色がっ!?」
「ぷっ」
ベットリと忍者の身体に刻まれた縦一文字のペイントでもはや漆黒の忍者とは言えない忍者の外見に思わず吹き出すエテルネ。
いくら殺気を放とうとペンキで落書きされた外見では凄みがあまりにも無くなってしまったのだ。
「こっ、このような嫌がらせをするとは言語道断。うぬらの名を人別帳から消してくれるわっ!」
「はっ! やれるもんならやってみろ」
「やらせるわけないでしょ!」
怒りに燃える忍者とそれを軽くいなす二人の戦いぶりに何処からか歓声が上がりどうやら“場”はよく温まったようだ。
三刀流で飛び込むイオナとそれに合わせレーザーをあらゆる角度から撃ち込むエテルネのコンビプレイ。
両者の刃とペイントブキがぶつかりあい……飛び散ったインクだけが忍者の顔に思いきり伏着した。
「お、おのれぇ……人をおちょくりおってぇぇぇ!」
「お前……やっといい色になってきたなっ!」
最後まで二人きりのデートとはいかなかったが十分に愉しめたと、エテルネは支援を続けながらイオナ達を見て口元を緩め笑ってしまうのだった。
大成功
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南雲・深波
【いちご殿と】
故郷の危機にはひと肌脱がずにはいられないであります
…とはいえ殿方の知り合いはいちご殿くらいしかおらず
恋人の振りを頼んだでありますよ
男装したいちご殿は案外カッコよく
デートは不慣れゆえに思わずドキドキ
…していると忍者が釣れたでありますな
打合せ通り2人協力して交戦のはずが…デートで浮ついていた所為か、敵の接近を許し、いちご殿に庇われて…
私を抱き寄せるいちご殿にドキッとしたのですが…同時に何だか肌寒く
!?
スライムで服が溶けて、しかもいちご殿の手が私の乳房を…!?
さすがにそれは恥ずかしいであります!?
真っ赤になって、勢いで呼び出したノコギリザメをチェーンソーのようにぶん回すのでありました…

彩波・いちご
【深波さんと】
※カップル偽装のため男装
「どうして私に声を?」
確かに女子寮にいるとなかなかキッカケはないかもしれませんね…
カップル偽装しているとすぐに敵が釣れたようです
実際の恋人ではなくても、同じ寮で暮らす仲間同士、連携はバッチリ
仲睦まじくする私達を直接仕留めようと、忍者刀を振るって高速回転しつつ接近戦を仕掛けてくる敵
適度に
異界生物を召喚しながら足止めし
深波さんの鮫をぶつけてトドメ
…といきたかったのですが
深波さんの危機をカップル役らしく庇って守った弾みに
スライムが暴走して敵も味方も巻き込むいつもの
事故
服が溶けた深波さんとアレコレ絡みながら、なんとか撃退したのでした
●
「なあ、お主ら。 もう帰っていいぞ……」
あまりにあまりな惨状を目にして大忍『無顔』は頭を抱えるしかなかった。どこをどうすればこうなるのかもわからないありえない状況。
カップル含むリア充絶対ぶっ殺すマンである彼にとって、目の前の呼吸をするようにやることなすこと
トラぶるにしかならない相手にもはや手の出しようがないと言えるのだ。
……というか、関わり合いになりたくない。
そんな酷すぎる評価を受けた彩波・いちご(ないしょの土地神様・f00301)と南雲・深波(鮫機動部隊司令官🦈・f26628)は路上で全裸で抱き合い悶えているという、どこからツッコミいれてもおかしくない状況になっていたのだから。
「……なんかもう、どうでもよくなってきた」
ズンと重い空気のまま嫉妬にかられていた忍者はその場を立ち去っていった。
●
時間はさかのぼり数十分前のことだ。
転送して現地に現れたいちごと深波は目的の敵がいる路地へとイチャイチャしながら歩いていた。
深波がいちごに腕を組みむにゅりと胸を押し付けてい周囲に見せつけているものだから、一般人さえその二人のバカップルぶりに好奇の目を向けるほど。
「ど、どうして私に声を?」
いちごにしてみれば囮になるとしてどうして
男装させてまでカップル役を誘ってきたのか疑問なのだ。
「故郷の危機に一肌がずにはいられないでありますが、あいにく殿方の知り合いはいちご殿ぐらいしかおらず……」
そう答えながらも深波は男装したいちごが存外かっこよくドキリとし続けてしまい恥ずかしさのあまり思っていた以上に抱き着いてしまったというのは言うに言えない秘密。
デートも不慣れすぎて、一緒に甘味を食べたり活動写真を楽しんでいて思っていたよりもドキドキが止まらず頬が火照ってしまうし、目を合わせると暴発しそうでもう限界。
「アイェェェェェ!!」
そんな二人の目の前に突如として何かが回転しながら突き刺さり地面が炸裂する。
奇声をあげながら自らを手裏剣と化し飛び込んできた大忍『無顔』はイチャつく二人を指差すと唾でも飛ばす勢いで叫び始めた。
「なんだ貴様らは! 先ほどから見ていれば日の高いうちから人目も気にせずイチャツキおって!」
「かかりましたね嫉妬忍者さん。ここは私達があなたを退治してみせます!」
「そうであります! 可愛いいちご殿を貴殿の好きにはさせないであります」
反論するけどちょっとポーズがいただけない。いちごを胸で抱き寄せながら膨らみで顔を挟んでるものだからもはやこれは忍者への宣戦布告に他ならない。
「ききき、貴様ら……いい加減離れろぉ!」
ブルブルと指を震わせもはやブチギレ状態。怒りに任せ投げた手裏剣はいちごに命中する前に足元から這い出た
異界生物が全て吸収してしまい効果はない。
こいつら実は噂の超弩級戦力というやつかと警戒した忍者だったが……目の前の光景を見てちょっと呆然としてしまう。
せっかくスライムが手裏剣を防いだのに抱き合ったままいちごと深波が倒れ、地面でモゾモゾと抱き合ってるというか絡み合ってしまっていたからだ。
「なぜ防御成功していてそうなるっ!!」
「ひえぇぇ……深波さん動かないでくださぁい」
「ひっ、いちご殿そこはそこはいけませぬっ!」
なんだろう……ここだけ空間が断絶しているというべきか、忍者がいかに攻撃しようともスライムに阻まれ攻撃は貫通しない。
だというのに暴れれば暴れるほど深波は脱がされ半裸になっていってしまう。
「スライムの制御がぁぁぁぁっ」
「いちご殿、危ないっ!」
降り注ぐスライムをいちごを庇ってまともに受けた深波の服はあっという間に溶かされ普段まったく露出しない素肌がいちごの眼前に晒された。
白い肌と形のいいバストが目に入りツンと自己主張する
桃色が目に留まりついついそれを視線で追ってしまった。
「み、見ないでほしいでありまっす」
「す、すいませええん」
慌てて手で隠そうとするがそれはいちごから深波の胸を揉みにいったようなもので柔らかな感触に指がいやらしく動き揉みしだかたりさすがの手腕。
「いやいやいや! なんで勝手におっぱじめてるんだ貴様ら 喰らえっ忍法・螺旋転撃っ!」
全身を回転させ突っ込んでいく忍者、だがその直線状に転がっていたノコギリサメをまるでチェインソーのように振り回した深波の一撃が弾き返してしまう。
「くっ……なるほど今までのは擬態か!」
「いちご殿の手が私のぉ私の胸にぃ」
「深波さんこれはそのっ、不可抗力というかなんですか…っ」
実力を認めた発言すらもはや耳に入っていない二人。
……忍者の中で何かが折れた。
大成功
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月影・木乃葉
一人参加ですので現地で誰かに頼みます
頼る以上は五行符の『結界術』で守り
そして『カウンター』のリンゴ爆弾
RB団、レッドフード1号として
RB歴の先輩が未熟な後輩にRB指導といきましょうか…
まずRB…すなわちリア充爆破…貴方には火薬が足りません!
RB花火、ロケット花火を『呪詛を込めて』射出『爆破』!
次に死体蹴り唾を吐きかける行為はRBマナーが良いとは言えませんね!
煙玉を数個投擲『目潰し』!
忍法・螺旋転撃、手裏剣甲のスパイラルジェイドと似たそれ見切りました
上手く接近し顔にリンゴ爆弾を叩きつけ一言
RB道とは笑いにあり、最後は派手に吹き飛んでのやられ役
RBとは相手に上手くいってほしい嫉妬と願いを込めて…
ということで、では皆さんご一緒に
爆 発 オ チ な ん て さ い て ー !(共に自爆)
●
「いやぁ、ボクの我儘に付き合ってもらってありがとうございます」
「大丈夫ですよ~。ちょうど店番してた銭湯が閉店したばかりなもので~」
サクラミラージュに降り立ち囮役を買ってでたかった月影・木乃葉(人育ちの仁狼・f43890)だが、今回はカップルでないと敵を誘き寄せれないために困っていた。
そんな流れで適任を探していたらちょうど暇していた褐色銀髪娘に出会いお願いしてみると一発OK!
人探しで時間を使いたくなかったので木乃葉としては大助かり。
後はデートのふりをして協力してくれた彼女を守りつつ敵がやってくるのを待つのみだ。
「とはいえ五行符を渡しておきますので身に着けておいてくださいね」
「ありがと~。 なんだか知らないけど持っておきまーす」
木乃葉はもしものために結界術を仕込んだ呪符を渡しておきいざというときのための準備も万全。
優しい微笑みを浮かべ渡し振り返った木乃葉の顔に浮かぶのはやらねばならない使命に燃えた男の顔。
そう……情けない。 情けなすぎるのだ。
嫉妬のあまりこんな未熟な手段で安易に人を傷つける。
それは木乃葉にとって……いや、
RB団のレッドフート1号として指導に当たらねばならない。
使命感に燃えた木乃葉はまずはきっちりデヱトして誘き寄せるぞと街に飛び出していく。
「……け、けっこう出費大きいけど経費で落ちますかねこれ?」
「活動写真も面白かったしアイスも美味しかったですご馳走様―♪」
どうやら回る場所が悪かったのか丸一日デヱトしていても現れなかった嫉妬に燃える大忍『無顔』。
実は木乃葉の知らないところで、色々呆然とする相手に気力を奪われ回復するのに丸一日かかっていたなどわかるはずもない。
だがそろそろ今日はお開きかと夕暮れ時に差し掛かった家屋の屋上に腕組をしながら見下ろす影が二人の前に立ちはだかった。
「そこなカップル。 天が許そうと、この大忍『無顔』が貴様らのその破廉恥極まる所業を許さない!」
「出たな未熟者! 今日は特別にこのレッドフート1号があなたを教育しなおしてさしあげます!」
「レッドフート2号は怖いので隠れてまーす♪」
褐色娘が全然怖がってない様子で離れてくれたのを確認し、木乃葉は狂気の笑みを浮かべ嫉妬忍者を指差した。
「なぁ……リア充だ。 リア充でしょう? ねぇ……リア充ですよね貴方」
「な、なにを言っておる。貴様らのほうがデヱトをしてリア」
「リア充ですよねあなたぁぁぁぁぁっ!」
もはや話を聞いてない。木乃葉が握りこぶしの指の間に挟んだ火花散る何かを忍者に向けニヤリと笑った。
それはまさに狂気一歩手前の覚悟完了したものしか到達できない至高の境地。
「あなたには足りてません! RB……すなわりリア充爆破の言葉の意味、火薬がっ火薬が足りてませぇぇぇん!」
指に挟んでいたのは何本ものロケット花火、それが大きな笛吹音と共に発射され幾何学的な軌道を描きながら次々と忍者へと襲い掛かる。
「なっ!? 火薬、火薬だとっ!? 我が嫉妬はそのような直接的なものではっ……ぐはっ」
最後まで言い終わらないうちに間合いを詰めた木乃葉が袖の中から出したリンゴをパンチと共に顔面へと叩き込んだのだ。
「爆破っ!」
木乃葉の叫びと共に顔面で炸裂したリンゴ爆弾。常人ならばこの時点で致命傷だがさすがは忍者まだ生きている。
「お前のような……リア充に、我が心は絶対に理解できな……」
「は? 誰がリア充だというんですか?」
忍者の捨てセリフに過剰に反応する木乃葉、煙玉をさらに顔に投げつけ嫌がらせなんてもんじゃない。
RBマナーが悪いものに教育的指導するのは先輩として当たり前の行為なのだ。
「ボクだって、ボクだって……今日のあの子はデヱト代で雇ったエキストラ。 ボクだって
ずっと孤独なんだぁ!」
「おぉ……それなら我らが戦う理由など無いではないか……」
血の涙を流し合う二人、まあ色々言いたいことはあるがもう後がないレベルで二人とも帰ろうかという誘惑に何度も屈しそうになる。
だがやらねばならない仕事がここにある。RBマナーを教え込むという大事な使命が。
「ならば……これで決める。忍法・螺旋転撃!」
「それはもう見切りましたっ!」
回転し突っ込んでくる忍者にタイミングを合わせ顔面に叩き込んだリンゴ爆弾を握ったまま木乃葉はマジ顔でここにはいない誰かにつぶやく。
「RB道とは……笑いにあると見つけたりっ! 嫉妬と願いをこめて……さぁご一緒に!」
「いやいや待て、なんだその巨大なリンゴはっ! まさかこのサイズの爆弾だとぉ!?」
帝都の一角に一際大きな爆発が起こりキノコ雲ならぬリンゴ雲が大きく舞い上がっていく。
爆発四散した木乃葉と嫉妬に狂った忍者のド派手な最期。
帝都の空に、親指をたてドヤ顔の木乃葉と忍者のバストアップが浮かび上がった気がした。
「爆発オチなんて……さいてぇ…」
一部始終を見届けた褐色娘はそれを言わねばならないような気がしてレッドフード2号としての仕事をやり遂げる。
最後までギャグとネタに命を懸けた木乃葉はきっとこの言葉を言ってもらいたかったに違いない。
逢魔が辻の力が枯れ急速に失われていくのは忍者が倒れた結果だ。
平和が訪れた……約一名の尊い自爆により得られた貴重な平和だ。
帝都櫻大戦はまだ続いてるけどそこは気にしない。 ノリですよノリ。
大成功
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