帝都櫻大戰③〜磊々落々モダンボーイ
●浮世の随に6thKING
「御機嫌よう。遂に始まった帝都櫻大戰、集まってくれた皆に感謝を」
グリモアベースにある作戦会議室、招集に応じた猟兵たちをカタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)は一礼で出迎えた。
馴染のある猟兵も多いと思われる世界の一つ、
サクラミラージュ。
謎に包まれていた帝の真実と共に幕を開けたこの戦争では、既に各地で激しい戦いが繰り広げられている。
「今回のミッションはエンシェント・レヰス『ビームスプリッター』との戦闘になるよ」
別名「帝都タワー」と呼ばれる世界最大級の電波塔の正体、エンシェント・レヰス『
悪魔』の最高指導者。
彼の担った役割は数知れず、その存在を形容する肩書は枚挙に暇が無い。
「ダイモンには基本的に主が必要だけど、ビームスプリッターの支配権は今のところ空白状態になってるみたいでね」
如何なる遠隔地へも遅延なく通信を繋ぐユーベルコードで帝都の世界統一を支え続けていた彼が幻朧帝に取り込まれればその脅威は計り知れない、という訳だ。
体高2000mという圧倒的な巨体、雨あられと降り注ぐ光線銃は単純な戦闘力も規格外と言う他無いが……。
グリモア猟兵の予知によると、“彼の頭部である「帝都タワー」の最上階展望台まで辿り着き、記念メダル刻印機で「名前入り記念メダル」を作ってもらえば彼は消滅する”らしい。
「消滅……? まぁ、うん。ビームスプリッターを相手に確実性の高い達成目標として考えてくれればいい。多分!」
こほん、と咳払い一つ。
「相手は悪党という訳でもないようだけど、試練感覚なのか遠慮なく猛攻を仕掛けてくる。くれぐれも気を付けて」
無事を祈る言葉と共にグリモアが輝き、豪奢な装飾の施されたゲートが開いて。
ふーみー
当シナリオをご覧くださりありがとうございます、ふーみーです。
帝都櫻大戰@第一戦線、今回は『ビームスプリッター』とのボス戦になります。
プレイングボーナス:敵の超・超巨大に対処する/光線銃に対処する/帝都タワー目指して駆け上がる。
また、希望する展開の指標として難易度オプションも実施しています。
興味のある方はMSページをご覧ください。
それでは皆様の健闘をお祈りしています。
第1章 ボス戦
『ビームスプリッター』
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POW : 光線銃ヲ撃チマクル!
【無数の光線銃】から、着弾地点で爆発する【エンシェントビヰム(ギザギザの光線)】を連射する。爆発は敵にダメージを、地形には【ビリビリ罠化】効果を与える。
SPD : 此処ハ結界、ビームノ檻
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【リフレクトビヰム(細くてよく曲がる光線)】で包囲攻撃する。
WIZ : ICBM(インフォコネクトビームマキシマイザー)
自身の【リングビヰム(輪っか型の光線)】が触れた対象に【通信傍受で得た莫大な情報】を注ぎ込み、身体部位をねじ切り爆破する。敵との距離が近い程威力増大。
👑11
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●皆デ集マレ聖者ノ行進
「号外! 号外! 大号外! 超・超巨大悪魔ダイモンビヰムスプリッタァ、遂ニ帝都ニ姿ヲ晒ス!」
帝都タワーの呼び名でも親しまれたサクラミラージュ最大級の電波塔――その正体は“彼”の頭部に過ぎない。
2000mもの体高を誇る超巨大悪魔、デビルキングワールドに於いては6thKINGとして君臨したビームスプリッター。
根を張るように隠れていた威容を今や余すところなく地上に晒し、彼は声高らかに呼びかける。
「吾輩、次ノ主ヲ求ムルモノ也! 号外! 号外! 大号外!」
――聳える巨躯の頂に挑め。
七草・聖理
↓
通信…クリスタル・ミラビリスが存続していたらスカウトされていたでしょうね
そして、かの組織を『正しく運用する』私の灼滅者の在り方として無視できないわね
ーー6th KINGにしてエンシェント・レヰスがダイモンの指導者『ビームスプリッター』!
私は七草・聖理…対文明戦最強の灼滅者の一人にして、統合元老院クリスタル・ミラビリスを『正しく運用する』エクソシスト!
ビームスプリッター、私の麾下に入りなさい
新体制の統合元老院における『通信』の元老としてスカウトするわ!
アッシュ・ランチャーの力を再現したUCで敵の超・超巨大を当てやすい的として戦略級爆撃機を発進
更に爆撃機にレーザー迎撃装置を搭載し、光線銃から射出される光線をレーザーで撃ち落とす事で対処しながらタワーを目指して駆け上がるわ
ーー「帝都タワー」の最上階展望台まで辿り着き、記念メダル刻印機で「名前入り記念メダル」を作ってもらえば彼は消滅する
ご当地怪人も彼をスカウトしたでしょうね
射撃武器で光線銃の光線を撃ち落としてタワーを駆け上り、メダルを作るわ
●その光線銃を撃ち落として
「通信……クリスタル・ミラビリスが存続していたらスカウトされていたでしょうね」
エンシェント・レヰス『
悪魔』の最高指導者、ビームスプリッターは通信を司る存在なのだと言う。
情報とは社会を形成する要の一つだ。
個々人の繋がりや需要と供給の擦り合わせ、社会が正しく機能する為に必要不可欠な概念と言っても過言ではない。
「そして、かの組織を『正しく運用する』私の灼滅者の在り方として無視できないわね」
ビームスプリッターが帝都の世界統一を支え続けてきたという事実は、裏を返せばその力の使い方ひとつで世界を混沌に陥れるのも容易いという事。
見逃す訳にはいかないと七草・聖理(光の弓矢は闇無き世界で始まる・f43834)は闘志を奮い立たせる。
天を衝き聳える巨躯を見上げ、大きく息を吸い込んで。
「――6th KINGにしてエンシェント・レヰスがダイモンの指導者『ビームスプリッター』! 私は七草・聖理…対文明戦最強の灼滅者の一人にして、統合元老院クリスタル・ミラビリスを『正しく運用する』エクソシスト!」
果たして、その名乗り口上は届いたらしい。
反応するように触手が蠢き、相手の意識が自分に向けられたのを聖理は感じ取る。
「ビームスプリッター、私の麾下に入りなさい。新体制の統合元老院における『通信』の元老としてスカウトするわ!」
「マルデ王ノヨウナ口ヲ叩ク! 良カロウ、吾輩ヲスカウトスルニ足ル資格ヲ示シテミセヨ!」
「我が光よ。戦争を司る一切を灰塵と化す兵装。其れを闇を穿つ兵器の発射機とするべく、脆弱性を一切排し召喚しよう」
超質量の召喚が空間を軋ませる。
天を覆うように姿を現すは戦略級爆撃機、総勢146に至るユーベルコードの軍勢。
「【
灰の発射機よ、戦略兵器により闇を穿て】――発進!」
「成程、圧巻ノ軍事力デアル! 【此処ハ結界、ビームノ檻】……超エラレルカ!」
召喚した爆撃機は聖理の足であり盾。
超・超巨大に由来するビームスプリッターの光線は威力だけでなく制圧範囲・密度も規格外だが、それ故に戦略級爆撃機の数と体積が包囲攻撃を遮る
的として成立する。
光線対策に搭載したレーザー迎撃装置と爆撃機自体の弱点無き頑強を以て時間を稼ぎ、墜ちるたびに後続を継ぎ足していく。
(――「帝都タワー」の最上階展望台まで辿り着き、記念メダル刻印機で「名前入り記念メダル」を作ってもらえば彼は消滅する)
「ご当地怪人も彼をスカウトしたでしょうね」
「所謂「モテモテ」デアルカ! 「モダンボーイ」トハ罪ナ存在デアル!」
「……ええ、本当に」
サクラミラージュの発生時点からずっとこの地で世界の安定を支え続けてきたビームスプリッター。
その在り方に思いを馳せ、着実に迫る
終着点を見据える。
ビームスプリッターと真っ向から砲撃戦を繰り広げる爆撃機の軍勢も、このペースなら到達まで耐えられるだろう。
後は余波一つでも吹き飛びかねない戦略級火力がぶつかり合う中を如何に突破して展望台に乗り込むか。
「メダルを作るわ。必ず……!」
チャンスは逃せない。逃す気も無い。
自らの携行する射撃武器を構え、地獄めいた鉄火場の只中へと飛び込んで。
大成功
🔵🔵🔵
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
そして貴方の新しい主として
この魔王ダーティが立候補しましょう!
貴方にはサクラミラージュの全通信に私そっくりの絵文字を追記していただきたい!それが新しい主である私からの要請です!
でも新しい主がまたすぐに死なないか気になりますよね?
なので私の強さをお見せします!
(UC【醜悪!邪王穢澱烙印槍】で帝都タワーを目指して触手の隙間を縫うように飛翔し『念動力』で{コンパクトミラー}を操作して光線を跳ね返す)
貴方の次の主の雄姿
しかと目に焼き付けてください!
視線ありがとうございます!
さぁこのままてっぺん獲りますよ!
●全砲門を潜り抜けて
「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター!」
「コノ吾輩ニ名乗リヲ上ゲル懐カシキ気配! デビルキングワァルドノ悪魔デアルナ!」
「凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!」
山の如く聳えるビームスプリッターの言わば麓、目指す頂を見上げダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は胸を張る。
電波塔の頭部、光線銃を備えた無数の触手。
どの辺りに目があるかは定かでないが、
意識を引き付けられた事は視線誘導の悪魔であるダーティには感じ取れた。
此方の声も聞こえている。
上々だと口の端に笑みを刻み、高らかな口上に続ける。
「そして貴方の新しい主としてこの魔王ダーティが立候補しましょう!」
「ホウ! 魔王ダァテイ、コノ吾輩ニ何ヲ求ムルカ!」
「貴方にはサクラミラージュの全通信に私そっくりの絵文字を追記していただきたい! それが新しい主である私からの要請です!」
「「御覧ノスポンサァ」ニ成ラントスルカ! 成程、大シタ野望デアル!」
手応えは存外に好感触……と言えただろうか。
光線銃を握る無数の触手がしゅるりと動く。勿論、これが序の口に過ぎない事はダーティも承知の上。
「でも新しい主がまたすぐに死なないか気になりますよね? なので私の強さをお見せします!」
「良キ、否、
悪キ心掛ケ也! 吾輩ノ主ニ相応シキ資格、示シテミセヨ!」
襲い掛かるはギザギザのエンシェントビヰム、対するダーティは自慢の翼を広げ飛翔。
光線銃の照準を視線と解釈しゲイズ・パワーに変換、解放してその身に纏う。
「邪なる王に潜む悍ましき穢れの澱よ! 烙印刻む矛と成れ! 【醜悪!邪王穢澱烙印槍】っ!」
「ヌゥ、大胆不敵!」
スピードは2000mの頂点まで踏破する為に重要な要素の一つだ。
同時、乱れ撃つ光線の只中への高速突撃はそれだけ被弾の危険性も上昇する。
まさにハイリスクハイリターンの大勝負。
赤紫色の巨大な矢印状オーラで全身を覆い、ダーティは一本の槍が如くに突き進む。
「貴方の次の主の雄姿! しかと目に焼き付けてください!」
「ナラバ見セテ貰オウカ! 吾輩ノ不可能弾幕、如何ニシテ攻略スル!」
光線が着弾したビームスプリッター自身の身体はビリビリ罠と化し、かと言って体躯相応に長大な無数の触手を前に安全圏まで離れるのも現実的ではない。
有効なコースは自ずと限定され、逃げ道を塞ぐ光線銃の乱れ撃ちは挑戦者から回避という選択肢を奪い去って。
「どうとでもして見せますとも! 視線ありがとうございます!」
活路を開くは奥の手その一、念動力で操作するコンパクトミラー。
一撃で破損する事こそ無かったものの、絶大な威力を宿したユーベルコードの光線が相手では僅かに軌道を逸らすに留まる。それで十分。
計算に基づき形勢された包囲網であればこそ、生じた綻びは確かな活路を作り出す。
「さぁこのままてっぺん獲りますよ!」
「見事! ナレバ我ガエンシェントビヰム、最後マデ凌ギ乗リ越エテミセルガイイ!」
差し詰め第一チェックポイントを突破と言ったところか。
超難易度のアトラクションに臨むように、挑戦者も更にボルテージを上げていく。
大成功
🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
超・超巨大にはこちらも超・超巨大のジャヴァウォックをぶつけましょう。宇宙空母ベースだけあって
全長数kmはあるわよ。
巨大竜型は伊達ではなく、鉄壁の装甲に
再生力で高い継戦能力を誇るわ。
エナジードレイン機能もあるからビームも爆発も吸収してリソースに。
で、私はビームスプリッターさんの
精神世界にお邪魔して、私と魂の契約をして配下になってよとおねだりしながら”なかよし”になろうとしているわ。
精神世界に入ったことで座標を取得、召喚術×応用力で展望台に転移するわ。
●君ノ声ハ届クノカ?
「ふむふむ」
アリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の
混沌魔術師艶魔少女・f05202)とビームスプリッターの体格差はあまりにも歴然。遥か彼方に聳える帝都タワーの頭部を見上げ、彼女はパチンと指を弾く。
「超・超巨大にはこちらも超・超巨大の【ジャヴァウォック】をぶつけましょう」
鋼の咆哮を轟かせ、虚空より現れるは巨大竜型宇宙空母。
桁違いには桁違いを、ビームスプリッターの巨躯にも互する規模を以て正面から殴りつける。
「壮観也! 吾輩ト「
星間戦争」級ノ大激突を望ムカ!」
「あら、体幹強いのね❤」
ユーベルコードで強化されたジャヴァウォック自身の極大魔法術式と艦載機スナーク軍、その火力ともビームスプリッターは真っ向から渡り合う。
ガチデビルの使役していた宝珠のビームより更に強力なオリジナル、段違いの手数。
そしてビームと直接の関係は無いが強靭な触手のフィジカル。
何よりその身に備えた圧倒的なポテンシャルを十全に活かした隙の無い戦術的な立ち回りが、千日手に近しい拮抗状態を作り出す。
「驚嘆ニ値スル兵力、ナレド吾輩ヲ滅ボスニ能ワズ! サア、如何ニシテ我ガ頂ニ辿リ着ク!」
自らが地形を形成する程の巨体、ともすればそのスケールさえ上回る火力。
時に自らの触手にエンシェントビヰムを着弾させビリビリ罠化を活用するという戦法を取り得る程に、ビームスプリッターの生命力は尽きる事を知らない。
ジャヴァウォックのスケールではゴールである帝都タワー内に乗り込む事は出来ず、アリス自身が向かおうにも延々と繰り広げられる超火力の応酬が障壁となって行く手を阻む。
「如何にして? そうねぇ。あなたに招待してもらいましょうか❤」
押し切らずとも拮抗で充分。
サイキックヴァンパイアたる嗜みの一つ、アリスの狙いはビームスプリッターの精神世界への侵入。
次の瞬間にはサクラミラージュとデビルキングワールド、恐らくエンシェント・レヰスの故郷と思われる景色の混ざり合った原風景にアリスは降り立っていた。
「吾輩ノ精神世界ニ乗リ込ンデクルトハ、豪胆也!」
「ねぇビームスプリッターさん、私と魂の契約をして配下になって❤」
「シカシ「モダンボーイ」ハ硬派也! 色仕掛ケデ陥落スル程甘クハ非ズ!」
精神世界が鳴動し、現実世界と変わらない……ともすればそれ以上の巨躯を以て通信を司る魔王が顕現する。
振り出しでも仕切り直しでもない。
常軌を逸した精神性を備える両者、そして精神世界という舞台なればこそ現実以上に何でもありの
第二面。
「お堅いのね、そういうのも好きよ❤ さぁ――」
パチン、と指一つ弾く音。
悪魔の最高指導者が一角を堕とすのは至難だが、座標の取得に狙いを絞れば幾らかは実現の目も出てくる。
突き詰めれば時間も空間も意味を失くす非現実の攻防、現実世界では一秒にも満たぬ後……展望台には転移した少女の姿。
「それじゃ、”なかよし”になりましょ❤」
名前入り記念メダルの贈呈はファンファーレと共に。
大成功
🔵🔵🔵
菜花・深月
→
よし、行くよ!
うちはキャバリアに搭乗して帝都タワーを目指す(状況次第ではキャバリアから降ります)
とりあえず結界術は展開しておこうかな…?
超・超巨大な敵と光線銃に対しては念動力を纏わせた結界術を展開する
防御出来るとは思わないが念の為
当たったら不味い…絶対に躱しきる!
視力で光線銃を見ながら推力移動で回避します
攻撃が効くとは思えないけど…結界を再展開しないと…!
敵のUCに対しては視力で見ながら推力移動で回避する
回避したらUCを発動して敵に攻撃しつつ結界を再展開して再び帝都タワーを目指す
少しでも攻撃される可能性を減らす!
指定UCの効果でUC星海獄・アンダー・カレンドを発動して光線銃の一部に攻撃した
●
反射の合間に
「よし、行くよ!」
聖輝神機 STELLA・VERMILION――キャバリアに搭乗して猶、ビームスプリッターと菜花・深月(止まった時間が再び動き出す時・f41809)のサイズ差は大の大人に小動物が挑むようなもの。
動力となる聖輝の聖女の力を漲らせ、神機のアイレンズに光が灯る。
「とりあえず結界術は展開しておこうかな……?」
「吾輩ヘノ挑戦者デアルナ! 歓迎シテヤロウ盛大ニ!」
「っ!」
深月の扱う念動力と結界術の技量は
異能の域に踏み込んでいる。だが。
……不味い、と直感。
ビームスプリッターの乱れ撃つ光線の威力、精度、数。
いずれかの要素ではない。
それら全てを複合した結果として、自分の用意できる結界では念のための保険が精々と判断する。
(当たったら不味い……)
「絶対に躱しきる!」
卓越した視力で光線銃を捕捉、自在の推力移動で即死級の光線を躱していく。
時間にすれば僅か一分にも満たぬ間に掻い潜った死線は数え切れず。
追い込まれていると悟った時は既に術中。
結界が弾け飛び、咄嗟に急旋回した深月の機体をリフレクトビヰムが抉り取った。
「【此処ハ結界、ビームノ檻】! 如何ニ乗リ越エルカ挑戦者!」
(包囲光線……! キャバリアから降りる? 的は小さくなるけれど踏破力も下がる、それに次喰らえば後が無い!)
「と、とにかく結界を……! 攻撃が効くとは思えないけど……結界を再展開しないと……!」
確実な正解など無く、一秒の迷いも惜しい。
結界とキャバリアの耐久力で稼いだ僅かな猶予、逃さずどうにか返しのユーベルコードを切る。
「少しでも攻撃される可能性を減らす!」
「ヌッ、小癪!」
【
星矢と殲滅光の輪舞曲】――状態異常の回復効果が深月に平常心を取り戻す。
星矢と防御無視の殲滅光がビームスプリッターの触手を焦がし、確定拘束の効力が続く一手の隙を作る。
「【星海獄……アンダー・カレンド!】」
重ねて放つは荒ぶる星の渦潮。
拘束を振りほどき再度放たれたリフレクトビヰムとぶつかり合い、屈折と乱反射で包囲網を綻ばせて。
「まだまだ……! よろしくねSTELLA・VERMILION……!」
星海獄を繰り出した事で飛躍的に向上した技量を用い、結界を再び張りながらビームの檻を抜ける。
未だ青藍の空は遥か彼方、しかし挑戦者もまた挫ける事は無く。
大成功
🔵🔵🔵
ツォーナ・ロチェアーダ
普段は自身の開発したガジェットを使用する為、この技はあまり使用しませんが…今回は力を借りましょう!
ガジェットショータイム!出てきてください、ビームスプリッターさんに有効なガジェト!
って、これは…変わった形をしていますが、都合よく曲がる光線を打ち抜く光線銃!?
よし、今回はこれでビームスプリッターさんと遊びましょう!
走り抜けたり奔走するのは環状線や東西ではなくビームスプリッターさんの身体ですが!
この戦いが終わった時に、アナタが歌いボク達が踊るような関係になれていたら素敵だと思います、でも今は…!
光線銃を撃ちまくりながら、頂上を目指して記念メダルを頂きます!
●幻朧桜ハ夜ニ紛レズ
文字通り山の如く――それも巨峰と称される類の威容の麓、ビームスプリッターを攻略せんと駆ける猟兵が居た。
「ホウ! 挑戦者ヨ、自ラノ足デ以テ我ガ踏破ニ臨マントスルカ!」
「ツォーナ・ロチェアーダ(世界を渡る大海の剣・f01913)です! よろしくお願いします!」
「ソノ意気ヤ良シ! 掛カッテ来ルガ良イ!」
圧倒的なサイズ差ながら、その魔王が挑戦者を見落とす事は無い。
ツォーナの声も届かない……という事は無く、無数の触手に握られた光線銃が一斉に照準を合わせる。
「普段は自身の開発したガジェットを使用する為、この技はあまり使用しませんが……今回は力を借りましょう!」
威力、精度、手数、あらゆる要素に於いて凄まじいポテンシャルを相手取る為に選んだのはガジェッティアの代名詞たるユーベルコード、どのような状況にも活路を作り出す秘奥が一つ。
「【ガジェットショータイム】! 出てきてください、ビームスプリッターさんに有効なガジェット!」
「秘密兵器カ、面白イ!」
「って、これは……変わった形をしていますが」
現れたのはビームスプリッターが持っている者とも異なる、見慣れぬ形状の銃らしき物体。
見方によればサクラミラージュ特有のオーバーテクノロジーで製造されたレトロ光線銃に似た要素があるか。
試しに引鉄を引くと、銃口から飛び出した光線は弾幕を打ち払い進むべき道を切り拓いて。
「都合ヨク曲ガル光線ヲ打チ抜ク光線銃!?」
「よし、今回はこれでビームスプリッターさんと遊びましょう!」
「歓迎シテヤロウ挑戦者! 【此処ハ結界、ビームノ檻】!」
悪魔の最高指導者が放つユーベルコード、破る事は特効のガジェットをして容易ではない。
温存し出力を上げ所謂ボムのように切るか、弾幕に対応する要となるそれを少しでも長く維持するか。
どちらの選択も一長一短であり……だからこそ、此処は撃ちまくるのが流儀だとツォーナは知っていた。
「走り抜けたり奔走するのは環状線や東西ではなくビームスプリッターさんの身体ですが!」
膨大なリフレクトビヰムの包囲攻撃を迎え撃ち、不安定な足場も何のその。
危険と隣り合わせの激戦を、言葉通り遊ぶように楽し気に潜り抜けていく。
「この戦いが終わった時に、アナタが歌いボク達が踊るような関係になれていたら素敵だと思います、でも今は……!」
「良キ望ミデアル! 果タシテ打チ上ガル閃光ト成レルカ、示シテミセヨ!」
サクラミラージュの発生時点からずっと此処に居たビームスプリッターは現在の状況も理解している。
エンシェント・レヰスの故郷尽くを破壊した幻朧帝が蘇る瀬戸際。
迫るカタストロフに猟兵たちは抗い得るか、その展望台で見下ろして。
「勿論! アナタの頂上に辿り着いて、記念メダルを頂きます!」
大団円の
終幕を掴み取るべく、ツォーナは遥か彼方へとひた走る。
大成功
🔵🔵🔵
カイム・クローバー
大号外、ね。ビラを配り歩いてる場合じゃ無さそうだが。
安心しな、アンタの馬鹿でかい図体、嫌でも目に飛び込んで来るぜ。
手近な建物の上に登ってその巨躯に張り合うつもりだが…流石にあの図体を見下ろすってワケにはいかないだろう。ま、スタート地点ぐらいにはなるだろうさ。
雨あられと降り注ぐ光線銃は最低限を躱して、UCで頂上を目指すぜ。光線銃の爆撃の中、触手を蹴って、魔剣で突き刺して落ちないようにしながら、またUCの繰り返しだ。
登頂した時の景色はどうだい?最高だったら良いんだが。
後は記念メダル刻印機で名前入りメダルを手に入れる。指先で弾いて、空中でキャッチして――待てよ。そういや消滅だって?
骸の海に還ったか、この世界から消えたのか。
空中に投げ出されて2000mからの紐無しバンジーさ。風の音、空の色、絶景じゃないか。いっそ、後ろ向きで落下してやろうか。
ほんの僅かに目を閉じて。浮遊感をたっぷり味わってから、器用に空中で反転。そのまま、足場を利用して地に降りるぜ。
ま、俺にしてみれば戦争前の小休止ってトコか。
●その展望台を飛び降りて
「大号外、ね。ビラを配り歩いてる場合じゃ無さそうだが」
カタストロフをもたらす幻朧帝の復活とサクラミラージュの存亡を懸けた帝都櫻大戰。
手頃な時計塔の天辺に立ち、カイム・クローバー(UDCの便利屋・f08018)は随分と高みに持ち上がった帝都タワーへと目を凝らす。
「安心しな、アンタの馬鹿でかい図体、嫌でも目に飛び込んで来るぜ」
「無論、吾輩ハ通信司リシ
悪魔ナレバ! 「スクゥプ」ヲ伝ヘルニ手落チノ有ル筈モ無シ!」
蠢く触手に埋め尽くされた帝都港区芝公園、此処に立った時点で挑戦者と見做されているらしい。
一斉に狙いを定めた光線銃に光が灯り、ライトアップさながらのビームが襲い掛かる。
「ま、スタート地点には上々か」
何気ない風に足元を蹴れば、猟兵として磨いた尋常ならざるフィジカルはその身を手品のように舞い上がらせた。
降り注ぐ光線を見切り、挑戦者を捉えんと忙しく動く触手も時に足場として大胆に高度を稼いでいく。
「身一ツデ吾輩ヲ踏破セントスルカ! ナラバ乗リ越ヘテミセヨ! 【 此処ハ結界、ビームノ檻】デアル!」
空に複雑な幾何学模様の軌跡を描くは包囲攻撃、逃げ場無き不可能弾幕。
ちょうど空中、近くに剣を引っかける触手も無いタイミングを見計らい仕掛けたユーベルコードがカイムに迫り――
ひょい、と拍子抜けするほど気楽に潜り抜ける。
「空を俺の舞台にする、なんざ贅沢の極みだろ?」
「ヌゥ、ハイカラナ術ヲ使ウ!」
全方位からのリフレクトビヰムがすり抜けた虚空、即席の足場となった青い六芒星が淡く溶ける。
【
空中浮遊】の残りは150余り、切らす心配は無いかと笑う。
お互いに伏せ札を開き、後は読み合いと技の比べ合い。
一度の被弾でもゲーム・オーバーには十分な鉄火場を、遊戯に興じるように乗り越えて。
「ふぅ……! これが登頂した景色か」
見下ろす眺めはビームスプリッターの触手に埋め尽くされたサイケデリック、彼の故郷という訳では無いらしいが寧ろデビルキングワールドを思わせる風情。
とはいえ高さも相当のもの、これはこれで土産話のタネに不足は無いか。
乗り込んだ展望台内部、記念メダル刻印機まで辿り着けばそれ以上光線が襲い掛かる事は無く。
簡単な操作を済ませれば軽快なファンファーレ、指先で弾いた名前入り記念メダルがキラキラと光を反射する。
「――待てよ。そういや消滅だって?」
「見事デアッタ挑戦者ヨ! サラバッ!」
サクラミラージュ発生より此処に存在し続けたというビームスプリッター。
骸の海に還るオブリビオンだったか、単にこの世界から退去したかは定かでないが……足元の感覚が唐突に消える。
戻ってくるのは桜に彩られた大正帝都浪漫の景色、全身を包む浮遊感。
「ハハッ、絶景じゃないか」
重力に身を任せ、遠ざかる空を眺めるように。
それからほんの僅かに目を閉じ数秒、浮遊感を満喫すればタイミングを見計らって器用に空中で一回転。
何度か展開した足場を使って勢いを和らげ、最後は音も無く地に降り立ってタワーの消えた跡に背を向ける。
「ま、俺にしてみれば戦争前の小休止ってトコか」
もう一度指先で弾いた戦利品のメダルから、澄んだ音色が涼やかに空気を揺らした。
―― ビームスプリッター、踏破 ――
大成功
🔵🔵🔵