帝都櫻大戰④〜お前の《理想の彼氏》を教えろ下さい
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「という訳で、皆さんの《理想の彼氏"論"》を伝えてあげてください」
朝倉・くしな(鬼道羅刹僧・f06448)が君達を迎える。
開戦と共に帝都各所にあった逢魔が辻(影朧が湧き出す場所)が暴走し始めたのだ。
逢魔が辻はまるでサクラミラージュの古代神話に伝わる死後の世界への入口……黄泉比良坂の如く、不死身の腐敗した肉体を持った影朧たちが出現している。
これを止めるには、逢魔が辻の最奥にいる強力な逢魔が辻の「主」たる影朧を鎮めるしかない。
「今回戦って貰う影朧、逢魔が辻の主は『猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』』です」
氷の彫刻に狂った愛情を寄せる、氷像職人の影朧だ。
戦闘など興味を持たず、ひらすらに幾つもの男性の氷像を逢魔が辻の最奥で作り続けている。
「彼女もまた、腐敗した肉体、戦闘に向いた『黄泉変異』を発症しておりほぼ無敵です」
ただし、この『黄泉変異』は影朧の執着を力の根源としている。
そのため、彼女の存在のアイデンティティを満たしてあげる事で、一時的にだろうが『黄泉変異』の無敵化能力は解かれるようになるのだ。
「氷刻・与喜子の執着。それは、《理想の彼氏》です!」
猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』。
生前は気に入った人を凍らせ氷像にし、とりわけ美しい部位を切り落として集め、それらを組み合わせ自身の考える「この世で最も美しい彼氏」を作る事に没頭していた。
その理想の彼氏作りを影朧になった今も継続しているようなのだ。
「しかし、影朧になった彼女は絶対に一人では理想の彼氏を作る事はできません」
所詮は過去、骸の海よりにじみ出しただけの存在。
新たなイマジネーションが無い限りはそれは何も上振れる事はないのだ。
「そこで、皆さんで《理想の彼氏"論"》を伝えてあげてください」
実際の彼氏……ではない。
あくまでも《理想の彼氏"論"》。
それを影朧に熱く語り掛ける事で、彼女の心に何かが響く!
揺れ動いた彼女は氷像を作り、それらを組み合わせて理想の彼氏を作り出そうとするはずだ!
理想の彼氏に一歩近づくたびに彼女の執着が弱まり『黄泉変異』の無敵化が解除される!
そこを攻撃して欲しい。
「逢魔が辻の最奥まで行って理想の彼氏つくりを手伝いできるのは猟兵だけ。皆さん、よろしくお願いします」
そしてくしなは背景を櫻の舞う街に変えるのだった。
ナイン高橋
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このシナリオは、「戦争シナリオ」です。
1フラグメントで完結し『帝都櫻大戰』の戦況に影響を及ぼす特殊なシナリオです。
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ナイン高橋です。
この依頼は「理想の彼氏"論"(※実在する彼氏ではない)を語って、それを悪魔合体させようね!」です。
ノロケでもいいんですけど本当に必要なのは現実に存在しない位かっこいい彼氏理論です。
敵は腐敗した肉体……『黄泉変異』によって無敵化状態です。
これを解除するには彼女に理想の彼氏論を語り聞かせて、納得してもらい、
彼女の氷像にその要素を取り込ませた時に、
彼女の執着が薄れ、無敵化も解除されます。
男性が語っても大丈夫です。あくまでも実在しない「理想の彼氏"論"」しか必要としていません。
それでは素敵なプレイングをお待ちしております。
プレイングボーナス:「主」の執着の正体に気付き、弱めてやる。
第1章 ボス戦
『猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』』
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POW : 素材調達用氷彫刻『氷龍』
自身が装備する【氷彫刻道具で制作した巨大なドラゴンの氷像】から【マーライオンの如く大量の液体窒素】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【身体能力低下】【酸素欠乏】【装備凍結】の状態異常を与える。
SPD : 「お前の身体のその部位も美しい……!」
【鑿や氷鋸などの氷彫刻道具で鋭く巧みな攻撃】を放ち、命中した敵を【溶ける事のない永久氷晶】に包み継続ダメージを与える。自身が【凍らせた敵の身体パーツに魅力を感じ、執着】していると威力アップ。
WIZ : 今、紹介します。
自身のオリキャラ「【最高傑作・理想の彼氏くん】」を具現化する。設定通りの能力を持つが、強さは自身の【蒐集する凍らせた人間の身体パーツの美しさ】に比例する。
👑11
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メテオ・アカツキ
彼氏…ようは主君の様なものですよね?ならばお任せあれ。わたくし、瑞獣として『理想の
主君』には一家言ありますので。
さて。氷像を眺めて、ほほう見事ですね。でも…足りないところがあると思いませんか?いえ、理想と言うのなら老若男女誰が見ても「素敵!」と思えるようでなければ…ねぇ?
わたくしの理想としては、いかなる時も気高く!優雅で!内面から溢れでる気品!それと相手をリードする積極性に咄嗟の判断力、そしてそして…
……ということでさぁほら、是非ともそれらを加えて完璧な彼氏を!貴女なら出来ます出来る諦めないで!
理想は近いから!
と力説しつつ、後ろ手で槍を構えて攻撃準備だけはしておきますね。
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暴走した逢魔が辻(影朧が湧き出す場所)は特定の影朧を主としてその影響力を広げていた。
この辻は今や黄泉比良坂の如く、不死身の腐敗した肉体を持った影朧たちを排出している。
それを止めるには核となっている「主」……『猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』』を倒すしかない。
しかし与喜子自身も腐敗した肉体となりほぼ無敵の状態となっている。
ただしこの『黄泉変異』は影朧の執着を力の根源としている。
そのため、彼女の存在のアイデンティティを満たしてあげる事で、一時的にだろうが『黄泉変異』の無敵化能力は解かれるようになるのだ。
与喜子の執着。
それは《理想の彼氏》なのだ!
「彼氏……ようは主君の様なものですよね?ならばお任せあれ。わたくし、瑞獣として『理想の
主君』には一家言ありますので」
メテオ・アカツキ(守護るためならどこまでも・f44455)は下位の影朧を蹴散らし辿り着いた逢魔が辻の最奥でその主と出会う。
「ほほう見事ですね」
『おや?お客さんかい?』
主『猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』』は猟兵が来たのを見ても戦闘態勢もとらず、己の作業……氷像の制作をやめないでいた。
それは黄泉変異を引き起こしている与喜子に現時点ではダメージが入る事はほぼないこと。
そして彼女の執着。《理想の彼氏》に勝る優先事項は存在しないことから起きていた。
「どうだい?これが、私の理想の彼氏なんだ」
与喜子は自慢げに、しかし何処か物足りなさを感じさせる顔でメテオに語る。
「ええ。素晴らしい。素晴らしいですが……足りないところがあると思いませんか?」
『なんだって?』
メテオの言葉に反応した与喜子は自慢の作品を非難された製作者の顔……ではない。
図星をつかれた者の顔をしていた。
「いえ、理想と言うのなら老若男女誰が見ても「素敵!」と思えるようでなければ……ねぇ?」
『ほう?そこまで言うのなら、アンタにはその、老若男女誰が見ても「素敵!」と思える理想の彼氏像が、あるんだね?』
メテオの挑発するような言葉に与喜子は分かって居ながらも敢えて乗ってきた。
そう、彼女もまた思い悩んでいたのである。
本当の、《理想の彼氏》とはなんなのかを!
「ご説明しましょう」
『いいだろう、聞いてやろう』
メテオがぐっと身体を前にすると、与喜子はその言葉から受けるインスピレーションを余す所なく逃す気はないと氷にハンマーを添える。
「わたくしの理想としては、いかなる時も気高く!優雅で!内面から溢れでる気品!それと相手をリードする積極性に咄嗟の判断力、そしてそして……」
『ほうほうほうほう!』
メテオの熱い主への想い……ではなく、《理想の彼氏》論を聞いて与喜子は氷像を作る手が止まらない!
「……ということでさぁほら、是非ともそれらを加えて完璧な彼氏を!貴女なら出来ます出来る諦めないで!
理想は近いから!」
『はっはっはぁ!こんなにも次々と理想の彼氏が湧き出て来る!はぁ素晴らしいねぇ!』
彼女の執着が薄れた時に、その黄泉変異が薄まった瞬間にメテオは熱く力説しながらも後ろ手で構えていた槍を使ってその身を削るのであった。
大成功
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羆嵐・来海
理想の彼氏論ですかぁ?
……精神であれば優しみがあって、人の過去に寄り添い、誰かの為に涙を流せる方でしょうか。多少のユーモアがあると尚良いですねえ。
肉体的ならば……偏食せず、ちゃんと健康的に優れ、程良い筋肉質でしょうか。
この二つがあればですよ? 絞めて捌いて美味しく頂く時にですね、胸の痛みと口惜しさ、そして私の為に死んでくれた感謝の気持ちでより美味しくなるんです。
いつか私も
誰かの命になるのだから、誰かの命を頂かないと。
良ければ……あなたも私の命になってもらえませんか?
夜の森の神で羆に変わって、食らいつければいいなと思ってます。
どのように動くかはマスター様に一任させていただきます。
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「理想の彼氏論ですかぁ?」
逢魔が辻の最奥に辿り着いた羆嵐・来海(大体腹ペコなクマの軍令暗殺者・f43414)はその主、『猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』』へと語り掛ける。
この地は現在、暴走し、今や黄泉比良坂の如く、不死身の腐敗した肉体を持った影朧たちを排出している。
それを止めるには核となっている「主」……『猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』』を倒すしかない。
しかし彼女自身も不死身の肉体を得ているため、まずは彼女の執着を薄める必要があるのだ。
そのために必要なのが、《理想の彼氏"論"》なのだ!
『ああ、今、新たな理想の彼氏への想いが、インスピレーションが湧き出ているのだ!さあ貴様の理想の彼氏も聞かせたまえ!』
与喜子は前にきた猟兵の彼氏論で久々に氷像の作成が次の段階にいったらしく早く来海の《理想の彼氏》論も聞きたがっている。
「……精神であれば優しみがあって、人の過去に寄り添い、誰かの為に涙を流せる方でしょうか。多少のユーモアがあると尚良いですねえ」
『ほうほうほうほう!』
聞きながら氷像を削りその内面性を表現していく与喜子。
「肉体的ならば……偏食せず、ちゃんと健康的に優れ、程良い筋肉質でしょうか」
『ほうほう?その心は!?』
「この二つがあればですよ? 絞めて捌いて美味しく頂く時にですね、胸の痛みと口惜しさ、そして私の為に死んでくれた感謝の気持ちでより美味しくなるんです」
うん、そろそろ脱線する頃合いかなとは思ってた。
「いつか私も
誰かの命になるのだから、誰かの命を頂かないと。良ければ……あなたも私の命になってもらえませんか?」
そして来海は夜の森の神で羆に変わって、食らいつきにいく。
なお与喜子は来海の《理想の彼氏論》を聞いて。
『な、なるほどぉー!あーいったー!!!』
黄泉変異が薄れた与喜子は熊に食いつかれ、それも溢れ出るインスピレーションに従い氷像を作るのだった。
大成功
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臥待・夏報
彼氏、理想の彼氏かあ
古くから伝わるコトワザにこういうのがあってね?
『亭主元気で留守がいい』
つまり……男っていうのは、できるだけ生活空間に存在しないほうがいいってことさ!
えっ駄目?
彼氏と亭主は違う?
きみ、むずかしいこと言うなあ
夏報さんの理想の男ね……
小さくて……目立たなくって……あんまり声とか出さなくて……
必要のない時はポケットかなんかにしまっておけて……
だめだどうしても存在を最小化する方向に行ってしまう
夏報さんは男を何だと思ってるんだ
えっ
それはそれでマスコット系で可愛いからアリ……?
そ、そうなんだ
君がそう思うならいいんじゃないかな
やっぱり共に話し合えば一定の理解が得られるものだな(ほんとか?)
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「彼氏、理想の彼氏かあ。古くから伝わるコトワザにこういうのがあってね?」
臥待・夏報(終われない夏休み・f15753)は逢魔が辻の最奥にやってくるとしたり顔で語り始めた。
「『亭主元気で留守がいい』つまり……男っていうのは、できるだけ生活空間に存在しないほうがいいってことさ!」
『ほうほうほうほう!その心は?』
「えっ心?」
『亭主と彼氏は違うだろう?』
「きみ、むずかしいこと言うなあ」
与喜子につっこまれてしまった夏報だが、実際その通り。
必要なのは《理想の彼氏論》であり、《理想の亭主論》ではないのだ。
「夏報さんの理想の男ね……」
ここまでまっすぐにツッコミを入れられてしまってはどうしようもない。
夏報は改めてじっくりと自身の中にある彼氏に求める理想を、具現化していく。
「小さくて……目立たなくって……あんまり声とか出さなくて……」
『ほうほうほうほう!』
与喜子は夏報の言葉を聞き、その内容と、その思念を読み解き、氷像を削っていく。
「必要のない時はポケットかなんかにしまっておけて……だめだどうしても存在を最小化する方向に行ってしまう。夏報さんは男を何だと思ってるんだ」
『つまりこういうことかい!?』
だが与喜子はその理念を組み上げ完成させていた!
マスコット系彼氏の氷像を!
「えっ、それはそれでマスコット系で可愛いからアリ……?そ、そうなんだ」
なお、語っていた夏報本人はドン引きしていた。
割とひどい気がする。
「君がそう思うならいいんじゃないかな。うんうん。やっぱり共に話し合えば一定の理解が得られるものだな」
でも実際に黄泉変異現象が弱まったので夏報はぺいっと攻撃しておいて与喜子にダメージを通すのだった。
大成功
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絶龍・しれゑな
【アドリブOK】
【い→ゐ、え→ゑ、という感じに一部の言葉が旧字体になっています。】
くふふ…私の望む彼氏となると難しゐですねゑ…
わたしを満足させてくださるお方…それは謎を生み出してくれるお方…
即ち私のためだけになぞをつくってくださるお方ですねゑ。
殺し?或ゐはもっと他のなぞでも良ゐのですよ?
さて、少し過激すぎましたか?
此度は謎を頂くことはできなさそうですが…
ではユウベルコヲドを持ってあなたを喰らゐ尽くしましょう
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「くふふ……私の望む彼氏となると難しゐですねゑ……」
絶龍・しれゑな(謎食い探偵しれゑな・f22446)は逢魔が辻の最奥に辿り着きその「主」を前にして思案の顔をしていた。
『いいんだよ!苦悩、迷い!それがあるって事は、あるんだろう!?《理想の彼氏》がさぁ!!』
逢魔が辻の主、猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』が飢えた獣のような目でしれゑなに詰め寄る。
彼女はその強い執着が故にこの暴走した逢魔が辻の核となっていた。
この場に溢れ出る影朧はこぞって無敵の身体……腐った肉体をもつ『黄泉変異』の症状を見せていた。
しかし与喜子の執着を、その望みを、少しでも叶えてやれば、黄泉変異は一時的にでも治まるのだ。
そして彼女の執着とは《理想の彼氏》についてなのだった。
「《理想の彼氏論》。わたしを満足させてくださるお方……それは謎を生み出してくれるお方……即ち私のためだけになぞをつくってくださるお方ですねゑ」
『ほうほうほうほう!』
与喜子は氷にハンマーを叩きつけながらしれゑなの話に耳を傾ける。
謎を生むもの全てを愛し、その謎を食らうことで生きながらえる、古来より「謎食い」と呼ばれる怪奇人間の血を持つとされる家に生まれたしれゑなだ。
猟奇探偵でもあるが、しれゑなの理想の彼氏は謎を産み出してくれる存在ということである。
『ほうほうほうほう!つまりは連続殺人事件の犯人とかかい?』
「殺し?或ゐはもっと他のなぞでも良ゐのですよ?」
『ほうほうほうほう!』
よくよく考えたらそれってライバル怪盗じゃない?
「さて、少し過激すぎましたか?此度は謎を頂くことはできなさそうですが……」
『うーん、謎!ミステリアス!そうか!《理想の彼氏》には、謎もまた必要!深みが増した気がするなぁ!』
「ではユウベルコヲドを持ってあなたを喰らゐ尽くしましょう」
それで全ての執着が晴れた訳でないのだろう。
だが確実に与喜子はしれゑなの《理想の彼氏論》を聞けて満足した部分があったのだろう。
『黄泉変異』の症状が一時的に解けていた彼女のしれゑなはユーベルコードを叩き込むのであった。
大成功
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出水宮・カガリ
りそうの、かれし、ろん。
……りそうの、かれし、ろん……?(宇宙城門顔)
かれし、とは。恐らく。末長く、共にありたい相手、ということで……いい、のかな。
もっと、現実味を薄く……?
カガリは、ものだから。もの視点になるのだが。
消えない傷を、刻ませてくれる、とか?
ひと目見て、自分の物だとわかるし。他人の目から見ても、誰かの所有物だとわかるのは。いいなぁと思って。
傷、というのは。本来は、無い方がいいものだが。それを付けることを、相手にだけは許しているかれし、というのは。……どうだろうか。
具現化したかれしは、申し訳ないが燃やすぞ(【神都落城】)
カガリは……そのような傷を、あいしたい。この傷は違うがなぁ。
●
「りそうの、かれし、ろん」
出水宮・カガリ(死都の城門・f04556)は説明を聞いて思わず復唱していた。
「……りそうの、かれし、ろん……?」
大事なことだから2回言った。
そう、なんか宇宙城門顔をしてるっぽい気がするけど大事なことだから2回言っただけなんだよ多分!
「かれし、とは。恐らく。末長く、共にありたい相手、ということで……いい、のかな」
カガリは悩みに悩みながらなんとか咀嚼し、自分なりの考えをいう。
『そう、そうだよ!今、いい感じに《理想の彼氏》がね!降り立ってきてるんだ!ほら、もっと、君も理想の彼氏を語ってくれたまえ!』
カガリの目の間にいるのは今回討伐しなくてはいけない影朧。
猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』その人。
彼女は『黄泉変異』によってほぼ無敵の腐敗した肉体に変異している。
しかしそれは、彼女の執着……《理想の彼氏》について語り、満足させる事で一時的に解除できるのだ!
必要なのは現実の彼氏ではない。本当に必要なのは現実に存在しない位かっこいい彼氏理論なのだ。
「もっと、現実味を薄く……?」
カガリはもっともっとと迫って来る与喜子に後退りしながらも更に深く己の中の《理想の彼氏論》を追究していく。
「カガリは、ものだから。もの視点になるのだが」
実はカガリ、ヤドリガミである。
鉄門扉のヤドリガミ。人の姿を取れるようになったが、本質としては門なのだ。
「消えない傷を、刻ませてくれる、とか?」
『ほうほうほうほう!』
ピコピコピコーン!と与喜子が反応し続きを催促してくる。
「ひと目見て、自分の物だとわかるし。他人の目から見ても、誰かの所有物だとわかるのは。いいなぁと思って」
『ほうほうほうほう!』
「傷、というのは。本来は、無い方がいいものだが。それを付けることを、相手にだけは許しているかれし、というのは。……どうだろうか」
『はぁーーーーっ!これはよいよい!いいいインスピレーションがきたぞーーー!』
与喜子は大きく仰け反ったかと思うと天に向かって吠えた。
そして一心不乱に氷像へと向かう!
『成程なぁ!キズ!己だけの刻み付けるもの!ああ、よいぞよいぞぉ!』
「カガリは……そのような傷を、あいしたい。この傷は違うがなぁ」
これで全ての執着が消えたわけではない。
だが一定以上満足を得た与喜子……『黄泉変異』現象の治まり不死身ではなくなった影朧にカガリは槍を繰り出す。
もうすぐ彼女はきっと転生できるだろう。
大成功
🔵🔵🔵
尾守・夜野
え?やだ!恋バナ!?
恋バナ(違)の波動につられて女性人格の私が参りましたの
宿敵と相討ちした結果、現在6歳程に縮んでおりますが…まぁいくつになりましても恋バナというのは良いものです
…私共の肉体の性別?まぁ些事にございましょう
「まずもって必要な事は…誠実さ・強さでは?見た目などいくらでも取り繕えましょうが心根は偽れませぬ
また貴女や私共の立場を考えますにある程度強さがなくては儚くなってしまいます
…別に後追い…殺は吝かではございませんがね
えぇ?!確かに!その様な方も素敵ですわ!」
なお、主人格たる俺は片隅で私共の会話聞いて震えて小さくなってますの
倒す段になれば動いてくれるでしょう
多分!
●
「え?やだ!恋バナ!?」
多重人格者の尾守・夜野(自称バブ悪霊な犬神と金蚕蠱モドキ混合物・f05352)は恋バナ(違くないよ!)の波動につられて女性人格が表に出てきてやってきた。
「いくつになりましても恋バナというのは良いものです」
『いいぞ!いいぞ!さあ今私は人生……あぁもう死んだが、影朧期間の中でも最大の絶好調の中にいるっ
!!!!』
夜野の目の前にいるのは暴走した逢魔が辻の主、猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』であった。
彼女はその強い執着が故にこの暴走した逢魔が辻の核となっている。
この場に溢れ出る影朧は皆一様に無敵の身体……腐った肉体をもつ『黄泉変異』の症状を見せていた。
しかし与喜子の執着を、その心残りを、無念を、少しでも晴らしてやる事で、その時だけは黄泉変異は治まるのだ。
『さあ!お前の《理想の彼氏》を十分に語ってくれたまえ!』
そして彼女の執着とは《理想の彼氏》について。
猟兵は彼女に己の《理想の彼氏論》をぶつける作戦をとったのである!
そう、恋バナだよ!(※ただし現実ではなく理想の彼氏の話である)
「まずもって必要な事は……誠実さ・強さでは?見た目などいくらでも取り繕えましょうが心根は偽れませぬ」
『ほうほうほうほう!』
まさに今、外見を氷像で作っている与喜子であったが興味深そうに夜野の話に食いついてくる。
「また貴女や私共の立場を考えますにある程度強さがなくては儚くなってしまいます」
『やはり!そうかい!必要だよなぁ!強さはさぁ!』
「ええ。ええ。……別に後追い……殺は吝かではございませんがね」
『いやいやいや。やはり永遠に共に歩むのを誓い合えるのもまた彼氏の条件ではないかね!?』
「えぇ?!確かに!その様な方も素敵ですわ!」
そして夜野は与喜子と盛り上がって話し込む。
なお、夜野の主人格はその二人の会話を聞いて、あまりのドロドロ具合に震えて小さくなっていた。
「倒す段になれば動いてくれるでしょう多分!」
大丈夫。無事に一定の満足を得て『黄泉変異』の症状が治まった与喜子にきちんとダメージを与えておいた……というかさっさとやることやってさっていったオルタナティブ・ダブルであった。
大成功
🔵🔵🔵

中村・裕美
「……理想の彼氏ね……絞るのは……難しいわね」
そこで氷像映えに絞って考えてみる
「精悍でどんな相手からも守ってくれるような屈強さはありながらも親しい相手には愛嬌振りまいてくれる大型犬みたいな男子とか。ああでも、コワモテで感情表現が苦手なタイプも捨てがたい。で、鬼畜攻め系の彼によるはキャンキャン言わされちゃう訳なのよ」
男同士の話になっているって?
「……BLは拝めるだけで尊いの……挟まろうとかっていうのなら……殺すぞ」
完全に趣旨を間違えている。UCは変則的にみんなの理想を視覚化させるのとかに使ってみたり
戦闘はドラゴンランスのドラゴンに適当に戦わせる感じで。ランスが凍結したら拳で
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「……理想の彼氏ね……絞るのは……難しいわね」
この時点でなんとなくわかってきていたが、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)からはもう腐海の臭気が漂っていた。
「氷像映えに絞って……考えてみるのも、手……よね」
屈強な氷像を見て、裕美は思考を巡らせる。
「精悍でどんな相手からも守ってくれるような屈強さはありながらも親しい相手には愛嬌振りまいてくれる大型犬みたいな男子とか」
『ほう?』
しかし肝心のところがふわっとぼかされているというかそこは敢えて語られないまま進められた裕美の《理想の彼氏論》に影朧の猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』が反応してしまった。
して、しまった……!
「ああでも、コワモテで感情表現が苦手なタイプも捨てがたい」
『ほうほうほうほう!いいわいいわよ!理想の彼氏ですもの、いっぱいいても!』
「で、鬼畜攻め系の彼によるはキャンキャン言わされちゃう訳なのよ」
ほらもう男同士の話になっている!
『な、成程……!両手に、薔薇
!!!!』
ドンガラガッシャーン!
与喜子の脳裏に稲妻が降り注ぐかのような衝撃が走った!
「……それは、ダメ、よ」
しかしその顔を見た裕美はすっくと、槍を取り出して猫背だった背中を真っすぐにする。
『はっ!?その心は!?』
「……BLは拝めるだけで尊いの……挟まろうとかっていうのなら……殺すぞ」
完全に趣旨を間違えている裕美であった。
なお、衝撃を受けた与喜子は何故か『黄泉変異』の症状が一時的に治まっていたのでドラゴンランスが普通に刺さった。
挟まれようとしてたからね!
『逆ハーだって1つのジャンル!』
ただし戦いは勃発した。
大成功
🔵🔵🔵
ポルト・ボヌール
与喜子さんは、きっと、中途半端なことがお嫌いなのでしょうね
生きづらい思いをしてるならラクにしたいです
理想の彼氏論をお話ししながら氷像を見たさにゆっくり近づきますわ
理想の彼氏は、お肌が綺麗。自分の事が可愛くて大好きだから他人を傷つけてもへっちゃらなメンタルなんです
美しく整った唇から女性に紡ぐ言葉には、自分の欲求に誠実な無茶なお願いを叶わずにはいられなくなる呪いが混ざってます
世でいうクズ男。友人もクズならグッジョブ
私もクズ女ですから
スリル、ショック、いただきサスペンスです
与喜子さん。完璧な彼氏が完成したとして
あなたは彼にふさわしいのかしら?
油断させて噛みついてコピーしたSPDのユベコで攻撃する
●
「与喜子さんは、きっと、中途半端なことがお嫌いなのでしょうね」
ポルト・ボヌール(乙女怪獣ナルコレプノス・f42741)は今回戦うべき影朧について思いを寄せる。
猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』は己の《理想の彼氏》の氷像を作り出す事に執着を示し、それによって影朧となった存在だ。
理想・完璧。
それらを求めるというのは確かに中途半端な彼氏では駄目だったのだろう。
そしてそれは、理想は理想でしかない。
現実には存在できず、そして現実に氷像としても現わせられない。
そんな苦痛を味わってきたに違いない。
特に彼女は
過去の存在。袋小路に陥ってしまっていたのは容易に想像できる。
「生きづらい思いをしてるならラクにしたいです」
ポルトは思いを強く確かめると、与喜子の元へと歩み近づくのだった。
『はぁぁぁーーー!理想の彼氏!今なら、そう、今なら作れる、そんあ気がするぅ!』
与喜子は一心不乱に氷像を作っていた。
今までの猟兵たちの《理想の彼氏論》にインスピレーションが刺激されてきたのだろう。
「私の理想の彼氏論も聞いてもらえる?」
『もちろんよーっ
!!!!』
ポルトがそっと近づきながら聞くと、与喜子はぐるりと鬼気迫る顔で振り向いてきた。
「理想の彼氏は、お肌が綺麗。自分の事が可愛くて大好きだから他人を傷つけてもへっちゃらなメンタルなんです」
『ほうほうほうほう!』
ポルトは与喜子の迫力に負ける事なく、己の理想の彼氏論を語り始める。
「美しく整った唇から女性に紡ぐ言葉には、自分の欲求に誠実な無茶なお願いを叶わずにはいられなくなる呪いが混ざってます」
『ほうほう!それはまた、もしかしなくてもその彼氏ってば……』
しかし話を聞いている最中にも与喜子は何かにピンと来てしまったようだ。
「はい。そうです。世でいうクズ男。友人もクズならグッジョブ。それが私の《理想の彼氏》です」
ポルトの理想はまさかのクズ男だったらしい。
その本心がどこにあるのかは表情が乏しい顔には分からない。
だが。
「私もクズ女ですから。スリル、ショック、いただきサスペンスです」
『ほほーーう!それはまた新し過ぎる発見!!』
与喜子はその語りに新たな知見を得た!
更なる理想を追い求め、氷像を作り出す!
「与喜子さん。完璧な彼氏が完成したとしてあなたは彼にふさわしいのかしら?」
いつのまにか『黄泉変異』の症状が一時的に収まっていた与喜子へとポルトは噛みつき。
更にはコピーした鑿や氷鋸などの氷彫刻道具で鋭く巧みな攻撃を放ち、追撃を行うのであった。
大成功
🔵🔵🔵
夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎
■行動
り、理想の彼氏を作る、です?
また拗らせておりますねぇ。
一先ず【卻渝】を発動し、交戦に備えておきまして。
一番重要なのは、『信仰心』でしょうかぁ。
他の何が優れていても、価値基準が異なるとしんどくなりますからねぇ。
理想としては、極稀に存在するとされる『男性の使徒』になれる程の方であれば最良ですぅ。
そうなれる時点で『能力』は申し分なし、『外見』や他の『内面』は『使徒』となる際に影響が出ますので、然程は?
交戦開始後の『氷龍』による攻撃は『ダメージ』と『状態異常』、何れも【卻渝】であれば『
反動』に置換出来る性質ですので、防いでいる間に『FRS』『FSS』の[砲撃]で。
●
「り、理想の彼氏を作る、です?また拗らせておりますねぇ」
夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)は戦うべき影朧の性質を聞いて困惑顔をした。
今回の討伐対象は猟奇氷像職人『氷刻・与喜子』。
暴走した逢魔が辻の核となる「主」になっており、『黄泉変異』に犯され不死の肉体……腐った身体となりほぼ無敵状態になっている。
だが、彼女の執着。
《理想の彼氏》を作ることを手伝い、その無念を晴らすことが出来れば、一時的にでも『黄泉変異』は治まる。
その隙に攻撃を加え続け、与喜子を倒し、転生させる。
それが今回の依頼内容なのである。
「《理想の彼氏論》ですかぁ……そうですねぇ、一番重要なのは、『信仰心』でしょうかぁ」
るこるは事前に自己強化が出来るユーベルコードを己に発動させながら与喜子の元へ行く。
『ほうほうほうほう!』
与喜子は今までの猟兵たちとの会話によって理想の彼氏を学び、インスピレーションが刺激されてきている。
るこるの話にも興味を示して来た。
「他の何が優れていても、価値基準が異なるとしんどくなりますからねぇ」
『なるほどなるほどぉ、価値観のすりあわせねぇ!』
「理想としては、極稀に存在するとされる『男性の使徒』になれる程の方であれば最良ですぅ」
『ほうほうほうほう!』
「そうなれる時点で『能力』は申し分なし、『外見』や他の『内面』は『使徒』となる際に影響が出ますので、然程は?」
そうしてるこるは己の《理想の彼氏論》を与喜子へと色々と語りまくった。
与喜子はそれを聞きながら、湧き出すイメージを氷像へと叩きつける。
「そういった男性も素敵ですねぇ」
『ほうほうほうほう!!』
気付けば、与喜子の身体は腐った部位がなくなり『黄泉変異』の不死性も治まっていた。
この状態であればダメージも通るであろう。
「ああ。もうそろそろお時間のようですねぇ」
作業に夢中になっている与喜子。
きっと彼女は放っておけばいつまでも氷像を作り続けてしまうだろう。
しかし今この時も逢魔が辻からは『黄泉変異』で無敵状態の影朧が漏れ出ている。
それを止めるには彼女を倒すしかないのだ。
「それではお話できてよかったですぅ。出来ればまた転生したら、理想の彼氏について語りましょうねぇ」
るこるは刀を振るうと、逢魔が辻の主を討滅するのであった。
大成功
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