幻朧桜に喚ばれしは
●滅びの大地にて
平安結界の外、荒れ果てた大地を一人の身なりの整った少年がフラフラと歩いている。彼は皇族の末席に連なるものであり、供もつけずに一人で歩いているなど本来はあり得ないことだ。
もっともありえないというならば、そもそも誰であろうと平安結界の外側へと出ることがありえない。そこは妖が跳梁跋扈する死の大地なのだから。
そして皇族の少年が辿り着いたのは、この場には不釣り合いな美しい桜の木……『幻朧桜』であった。彼が桜の木に触れると、その体に異変が起こる。
「うわああああああっ!?」
皇族たる彼に流れる『妖滅の血』が暴走を始めたのだ。そしてその周囲には、新たな『平安結界』が発生し、見る間に『平安時代の風景』が滅びの大地を覆っていった。
だが、新たに結界が生まれたと言え、ここは先刻まで滅びの大地であった。つまり、皇族の少年はすぐに妖の群れに取り囲まれてしまう。そして……。
●皇族の少年を救出せよ
「……というのが、我の見た予知だな」
グリモア猟兵の天御鏡・百々(その身に映すは真実と未来・f01640)は、集まった猟兵達に予知の内容を話す。それによれば、皇族の少年が平安結界の外で窮地に陥るというものであった。
「彼の周りに集まっている妖は、『青鷺火』という鳥の妖の群れだ。青い炎とその光による幻惑を行ってくるが、さして強い妖ではない」
しかし、敵の強さこそ控えめであるものの、少々戦場には厄介な状況が発生している様子だ。
「皇族の少年の周囲には『微細な皇族の血の飛沫』が舞い飛んでいる。それは、近付く者を無差別に『妖滅の血』の効果に巻き込んで戦闘力を激減させてしまうのだ」
妖滅の血によって、妖のみならず猟兵もその知覚が大量の神仏の幻影に埋め尽くされてしまう。これに対処することができれば、敵の殲滅も容易になるだろう。
「妖の群れには、青鷺火を率いるボスがいるようだな。青鷺火をあらかた倒せば、その妖が出てくるだろう」
この戦いも、妖滅の血による大量の神仏の幻影に対処しながら行わなければならない。
「妖のボスを倒せば、皇族の少年を救出することができるぞ」
皇族の少年は消耗しているため、暫し休息してから連れ帰ることとなるだろう。
「それにしても……皇族の少年を呼び寄せたのは、どうみても幻朧桜に見える。サクラミラージュの者が何故……?」
予知を見る限り、ここまでの事態は全て幻朧桜が元凶に感じる。このアヤカシエンパイアにそれがなぜ存在するかは気になるところだが、今は皇族の少年の救出を優先すべきであろう。
「うむ。先ずは救出優先だな。皆、よろしく頼んだぞ」
そして百々は猟兵達を現地へと送り出すのであった。
夢幻
●マスターの夢幻です。
●章構成
1章:集団戦『青鷺火』
2章:ボス戦
『???』
3章:日常『時の間の休息』
●プレイングボーナス『大量の神仏の幻影に対処する』
第1章 集団戦
『青鷺火』
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POW : 青の吐息
【口から吐く炎の吐息】により、レベルの二乗mまでの視認している対象を、【青い炎】で攻撃する。
SPD : 燃え上がる翼
【青白い輝きを纏う翼】が命中した対象を燃やす。放たれた【輝く】炎は、延焼分も含め自身が任意に消去可能。
WIZ : 五位の火
【怪しげな青白い光】を放ち、命中した敵を【幻惑と青い炎】に包み継続ダメージを与える。自身が【仲間と飛翔】していると威力アップ。
👑11
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転移した猟兵達が見たものは、桜を中心に広がっている平安結界と、そこで『青鷺火』の群れに囲まれている皇族の少年であった。
『妖滅の血』の効果があるとはいえ、余裕はあまりないだろう。急ぎ青鷺火を蹴散らして、彼を救出するのだ!
鳳獣寺・棗子
本来サクラミラージュに在るという幻朧桜。
其がアヤカシエンパイアの地に在るというのは、成程、面妖なる事態。
とはいえ、いずれと致しましても危地に晒されたる方が在るというならば、捨て置くわけには参りますまい。
急ぎ、現場へと参りましょう。
然し妖滅の血に巻き込まれては、討伐も侭なりませぬ。
此処は【結界術】にて己の周りに結界を展開し、血の飛沫に触れぬよう、及び敵の放つ光を浴びぬよう、身を護りましょう。
其を以て知覚を確保できましたらば、秘術・胡我羅赤瀑布を発動。
火に親しむ敵なれど、荒ぶる神の威を纏う焔には耐えられますまい。
疾く、在るべき処へお還りなされませ。
「成程、面妖なる事態ですわね」
グリモア猟兵から事件の詳細を聞いた鳳獣寺・棗子(獣鬼御遣の陰陽師・f42827)は、その内容を把握して頷いた。本来幻朧桜といえばサクラミラージュにあるはずだ。それがアヤカシエンパイアの地に在るとはいったいどういう事だろうか?
「いずれと致しましても危地に晒されたる方が在るというならば、捨て置くわけには参りますまい」
皇族の少年はの救助は急を要する。棗子は考察を後回しにして、すぐさま現地へと転移していった。
「間一髪で間に合いましたの。しかし、妖滅の血に巻き込まれては、討伐も侭なりませぬ」
そして転移先では、『青鷺火』の群れは周囲に散る妖滅の血を警戒してまだ少年を囲うに留まっていた。しかし、その妖滅の血は妖のみならず、猟兵にも等しく効果を発揮する。
「此処は結界を展開し、血の飛沫に触れぬよう身を護りましょう」
そこで棗子は自身の周りに結界を展開する。これで妖滅の血を遮れば、ひとまずその効果を受けることは防げるはずだ。
「グワ、グワ」「グァー!」
しかし、それによって棗子の存在も青鷺火に気づかれたようだ。皇族の少年を囲う中から数匹が彼女の方に向かってくる。だが棗子は冷静に、ユーベルコードを発動させた。
「此は我ら鳳獣寺が祭神の力の一端、畏れを抱き滅びるが宜しいでしょう」
『秘術・胡我羅赤瀑布』によって、戦場に溶岩の雨が降り注ぐ。それは青鷺火を叩き潰し、焼き払っていった。そして同時に棗子、加えて皇族の少年を溶岩が鎧のように纏って防御する。
「火に親しむ敵なれど、荒ぶる神の威を纏う焔には耐えられますまい。疾く、在るべき処へお還りなされませ」
「グァッ!?」「グワアアアッ!」
攻防一体、しかも妖滅の血の影響のないそのままの威力で放たれたユーベルコードによって、青鷺火は一気に数を減らすのであった。
大成功
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バルタン・ノーヴェ(サポート)
「バトルの時間デース!」
雇われメイド、バルタン! 参上デース!
アドリブ連携歓迎デース!
普段の口調:片言口調(ワタシor我輩、アナタ&~殿、デス、マス、デショーカ? デース!)
戦闘スタイルは物理系!
遠距離ならば、銃火器類の一斉発射が有効デース!
近距離ならば、武器を展開して白兵戦を挑みマース!
敵の数が多いor護衛対象がいるならば、バルタンズの使用もお勧めしマース!
状況に応じて行動して、他の猟兵のサポートに回っても大丈夫デス!
迎撃、防衛、襲撃、撤退戦。どのような戦場でも参戦OKデース!
指定ユーベルコードが使いづらいなら、公開している他のものを使用しても問題はありマセーン!
勝利のために頑張りマース!
「妖殿、そこまでデース! みんな倒して救助しマース!」
続いて転移してきたバルタン・ノーヴェ(雇われバトルサイボーグメイド・f30809)が、皇族の少年を囲む『青鷺火』の群れへと『ファルシオン』片手に突っ込んでいく。しかし、そこは妖滅の血が撒き散らされている範囲内だ。単純に襲撃しても、知覚が大量の神仏の幻影に埋め尽くされて戦闘力が激減してしまう。
「ノープロブレム! これでデバフはキュアしマース!」
バルタンは走りながら『バルタン・クッキング』で料理を作り出し、それを食べることで妖滅の血の効果を解除していた。妖滅の血も状態異常の一種と言えるので、こういった対処法もあるのだ。
「火の扱いもお手の物デース!」
青鷺火達の吐く『青の吐息』も、俊敏なバルタンには掠りもしない。逆に上手く利用されて、同士討ちすら発生する始末だ。そして青鷺火は、次々にバルタンのファルシオンに切り刻まれていく。
「このまま殲滅シマショー!」
そうしてバルタンは超級料理人のスキルを活用しつつ、青鷺火を蹴散らしていくのであった。
成功
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真宮・響
【調和の絆】で参加
アタシ達が保護してる朔兎は皇族だ。見た目と違って長命なサクラミラージュとは基本的に違うが、自分の意志に関係なく余計な魔を呼び寄せてしまうのは同じようだ。しかもアタシ達の住んでいるサクラミラージュの幻朧桜が関わるならば・・・放って置けないね。
さて、まず目の前にいるうるさい鳥たちをなんとかせねば。妖滅の血については赫灼の戦乙女をサポートに召喚した上で、【オーラ防御】【残像】【心眼】でまともにあびるのを避けた上で【結界術】【回復力】で同時に敵の炎にも耐える。
敵の攻撃を掻い潜った上で【怪力】【範囲攻撃】!!まるごと愛用の槍で薙ぎ払う!!
その程度の炎、生ぬるいねえ!!さあ、消えな!!
真宮・律
【調和の絆】で参加
俺達家族6人の住んでいるサクラミラージュの幻朧桜は転生と影朧の仕組みがあるはかなさと泡沫を象徴するものだ。皇族の朔兎を保護するものとしてその仕組みの象徴が持ち込まれたならば。動かないとな。
基本アヤカシエンパイアとは違う皇族とはいえ、知らずにいらんものを呼び寄せるやっかいさはしってるんでな。火雷の意志発動。【残像】【迷彩】【回復力】【結界術】で妖滅の血の影響を避けつつ、【電撃】で牽制してから、両手剣を振り抜く!!これ以上させない!!ここはお前らのいていいところじゃない!!
朔兎もそうなんだが、尊い身分って大変なんだな。ああ、これ以上侵すことは防がないとな。
「サクラミラージュの幻朧桜か……」
「アレが関わるならば……放って置けないね」
続いて真宮・律(黄昏の雷鳴・f38364)と真宮・響(赫灼の炎・f00434)の二人、真宮夫婦がこの任務を受けてアヤカシエンパイアにやってきた。幻朧桜がこの世界に出現したのは異常事態ではあるが、二人がそれを特に気にするには理由があった。
「向こうの幻朧桜は、転生と影朧の仕組みの持つはかなさと泡沫を象徴するものだ。皇族の朔兎を保護するものとして、その仕組みの象徴が持ち込まれたならば動かないとな」
「そうだね。あっちとは基本的に違うが、自分の意志に関係なく余計な魔を呼び寄せてしまうのは同じようだからね」
そう。二人はサクラミラージュにある自宅にて、皇族である源・朔兎(既望の彩光・f43270)を保護している。今回の事件が彼の保護に影響する可能性がある以上、少しでも情報は入手しておきたいという訳だ。
そして二人は本来の平安結界の外、今回新たに結界の構築されたところへと突入する。そこでは、皇族の少年が『青鷺火』の群れに包囲されていた。これまでの猟兵達の活躍によって大分数は減らしているが、未だその危機は続いている。
「さて、まず目の前にいるうるさい鳥たちをなんとかしないとね」
「基本アヤカシエンパイアとは違う皇族とはいえ、知らずにいらんものを呼び寄せるやっかいさは朔兎と同じだな」
今回は呼び寄せたと言うよりも、妖の領域に皇族の少年が侵入してしまったという状況か。もっとも、その結果として妖が集まってしまっため、あながち間違ってもいないかもしれない。ともあれ、任務の目的を果たすため、二人は行動を開始する。
「さあ、共に行くよ!!」
響は『赫灼の戦乙女』を召喚すると、可能な限り周囲に舞う妖滅の血をオーラで弾きつつ敵集団へと突っ込んでいく。そして彼女は青鷺火の『燃え上がる翼』をかいくぐり、敵集団の中央で愛用の槍を振り回す。
「その程度の炎、生ぬるいねえ!! さあ、消えな!!」
多少妖滅の血の影響があろうとも関係ないとばかりに、『ブレイズブルー』は青鷺火達を薙ぎ払っていく。真紅の戦乙女もそれに並び、確実に青鷺火へととどめを刺していた。
そんな妻の活躍に負けじと、律もまた奮戦していた。
「これ以上させない!! ここはお前らの居ていいところじゃない!!」
『火雷の意志』により燃え上がる雷の炎のオーラを纏った彼は、『青の吐息』を吐こうとする青鷺火を電撃で怯ませると、『クレプスキュル』で両断する。律も妖滅の血の影響を低減すべく、結界によってそれを可能な限り弾いていた。
そうしてしばらく戦えば、青鷺火は残りわずかとなり壊走を始めた。ひとまずは窮地は脱しただろうか。
「朔兎もそうなんだが、尊い身分って大変なんだな……っと、親玉がきやがったか?」
しかし、一息ついたのもつかの間。青鷺火を率いる強大な妖が、その場に現れたのであった。
大成功
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第2章 ボス戦
『嵌合体災害獣『鵺』』
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POW : 雷猿
攻撃が命中した対象に【鵺の雷撃を誘導する帯電 】を付与し、レベルm半径内に対象がいる間、【肉体と魂を破壊する魔を帯びた雷撃】による追加攻撃を与え続ける。
SPD : 虎葬
【暴風を纏う巨大な姿 】に変身する。隠密力・速度・【纒った暴風と巨体を活かした攻撃】の攻撃力が上昇し、自身を目撃した全員に【生きる事を諦め、恐怖と絶望】の感情を与える。
WIZ : 蟒蛇
【全てを腐蝕し朽ちさせる毒 】が命中した対象にダメージを与えるが、外れても地形【を生命と文明を根絶する毒で満たし】、その上に立つ自身の戦闘力を高める。
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「ギャオオオオオッ!!!」
青鷺火を蹴散らした猟兵達の前に現れたのは、猿の上半身に虎の胴体、そして蛇の尾をもつ妖、嵌合体災害獣『鵺』であった。配下を倒されて激昂する鵺は、即座に猟兵達に襲い掛かってくる。この鵺さえ倒せば、周囲の妖は一掃できる。そうなれば、皇族の少年も安全に救出することが可能だろう。
ちなみに、周囲に舞う『妖滅の血』は未だ消えてはいない。そちらへの対処も引き続き考えておくべきだ。これは鵺にも作用するが、こいつはそれでもなお相当な戦闘力を持った強敵だ。油断なく戦い、撃破するのだ!
バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
HAHAHA! 強敵のエントリーデスネ!
皇族の少年を救出するべく、戦闘を続行しマース!
バルタン・クッキングで用意した大量の料理が残っている間に、鵺を退治しマショー!
神仏の幻影に知覚が埋め尽くされる状態異常は、先程作り出した料理の残りを摂食することで克服!
回復した状態で鵺と対峙しマース!
激昂し、幻影に翻弄されているなら雷猿の攻撃も見切って躱しやすいデショー!
真の姿を開放、軍装を纏った冷徹な雰囲気に移行。
滑走靴による空中機動で鵺の猿側頭上に移動。
「六式武装展開、鉄の番!」
雷には鉄をぶつけるのが効果的であります。
尾の蛇の毒に腐食される前に脳天を殴り、地に叩きつけるであります。
「HAHAHA! 強敵のエントリーデスネ! 戦闘を続行しマース!」
嵌合体災害獣『鵺』の出現に、援軍に来たバルタンはそのまま戦闘を継続する。皇族の少年を救出するためには、こいつの撃破は必須だ。そして周囲には未だ妖滅の血が舞っているが、そこは心配無用だ。
「料理はまだまだいっぱいありマース!」
そう、先ほどバルタン・クッキングで用意した大量の料理が十分に残っている。それを食べることで神仏の幻影に知覚が埋め尽くされる状態異常を解除してしまえば、万全の状態で戦えるという訳だ。
「ギャウッ! ギャアッ!」
対する鵺はと言えば、時折周囲をうっとおしそうに薙ぎ払う様子が見受けられる。妖滅の血で見せられる幻影のせいでその動きは随分と鈍っている様子だ。しかし、その上でも帯電した猿の攻撃は、当たればただでは済まないだろう。
「油断ならぬ強敵、ここは本気で行きましょう」
そこでバルタンは真の姿を開放、軍装を纏う彼女は冷静に仕掛けていく。彼女は『滑走靴』で宙を駆け、鵺の大振りな攻撃を躱してそのまま敵の頭上へと走りこむ。
「六式武装展開、鉄の番!」
そしてバルタンの振るう『チェインハンマー』による強力無比な『鉄拳制裁』が、鵺の脳天に叩きつけられた!
「ギャウウウウウウッ!?」
流石に一撃KOとはいかなかったものの、相当なダメージを与えることができたようだ。この調子で、鵺を倒してしまおう!
大成功
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鳳獣寺・棗子
引き続き【結界術】で血の付着を避けつつ戦います。
以前に戦った鵺とは多くの部分にて異なる存在ですが。
恐るべき敵であることに変わりはありません。
なれど退きは致しません。確と打ち倒してみせましょう。
敵は毒をばら撒いて攻撃してくる様子。
毒そのものは結界で防ぐとしても、地形に残留する毒による強化は無視できません。
とはいえ、敵が強化を狙ってくるのであれば、其処に付け込むことは可能でしょう。
地に撒かれた毒を囲む形で、地面に陰陽式符を設置。
敵がその内側の毒へと足を踏み入れたところで秘術・胡我羅轟空閃を発動。
平安なる世に斯様な毒は不要、その身諸共焼き尽くされませ。
「妖を率いていたのは鵺でしたか。以前に戦った鵺とは多くの部分にて異なる存在ですが、恐るべき敵であることに変わりはありません」
同じ名前をもつも別種のオブリビオンということは時折あることだ。同じ敵であれば過去の経験が役に立ったものも、初見の相手となるとそうはいかない。もっとも、初見の敵との戦いなど猟兵にとっては日常茶飯事だ。
「なれど退きは致しません。確と打ち倒してみせましょう」
目の前の鵺も確かに強敵、だが棗子は臆さずに目の前の敵へと立ち向かう。
「ギャアアアアアッ!!」
猛り狂う鵺は蛇の尾より、四方八方へと毒を撒き散らす。妖滅の血が効いているようでその狙いは荒く無差別に放っているものの、地面を満たす毒の上に鵺が入ればその能力が強化されてしまう。
「毒そのものは結界で防げますが、地形に残留する毒が面倒ですね。いえ、強化を狙ってくるならば、其処に付け込みましょう」
元より妖滅の血の対策で結界を貼っているので、毒の直撃は防ぐことができる。しかし、地面に毒が流れるのはどうしようもない。そこで棗子は撒かれた毒を囲む形で、地面に陰陽式符を設置した。それから少々誘導してやれば、鵺は狙い通りにその中へと入ってきた。
「今です! 『秘術・胡我羅轟空閃』!!」
「グギャウウウウッ!?」
そこで棗子が九字印を結べば、符で囲まれた空間に超高熱の閃光が発生する。その熱量の前には多少な強化など意味は無い。鵺はその身を焼かれ悲鳴を上げるのであった。
大成功
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真宮・響
【調和の絆】で参加
星羅と朔兎から目撃情報を聞いていたが・・・まあ、黄昏の雷鳴に比べれば、ね。律の雷は悪を撃つ雷だ。奪うだけの雷とは違うね。
真正面から突撃するつもりか。普通に無理な戦法だが。雷同士の意地の張り合いは邪魔できないねえ。なら広範囲の雷はアタシが引き受けるか。
奏の得意技を借りるかね。トリニティ・エンハンスで防御力を上げ、【残像】【オーラ防御】【見切り】で致命傷を避けながら【回復力】で耐えるかね。
危険なのは巨大な姿に立ち向かう律だ。【槍投げ】【衝撃波】でとことん敵の気を散らし、律のみに攻撃を集中させないようにする。
でかい図体がもったいないねえ。アンタの雷はその程度だったんだよ!!消えな!
真宮・律
【調和の絆】で参加
ほう。こいつが噂の・・・ふざけんじゃねえ。人に害を及ぼす為の雷使いなど同じ雷使いとして認める訳にはいかない。この存在が星羅と朔兎の未来の邪魔をするなら。
響、広範囲の処理ありがとな。【残像】【心眼】【オーラ防御】【回復力】を駆使して致命傷をふせぎながら、【勝負勘】【戦闘知識】を使い、敵の攻撃をみる。
動きと隠密がよくとも響の邪魔がはいると全部はこなせないだろう?その隙をつく。傭兵の流儀を使って一度攻撃の癖を覚えればだいだいわかる。【ジャンプ】【ダッシュ】も使って動き、【武器に呪詛を纏う】【武器に魔法を纏う】を使い、とっておきの呪詛の雷の剣を叩きつける。
終わりだ!!目障りなんだよ!
「ギャウウウウウッ!!」
猟兵達に叩かれ焼かれ、怒り狂う嵌合体災害獣『鵺』はその身を巨大化させ暴風を纏う。更にその腕からは、雷撃が迸っていた。
「ほう。こいつが噂の……」
「星羅と朔兎から目撃情報を聞いていたけどねぇ」
そんな凶悪な妖にも、律と響は恐れることは無い。むしろ律は怒気を滲ませ、響は冷めた目で見ていた。
「ふざけんじゃねえ。人に害を及ぼす為の雷使いなど同じ雷使いとして認める訳にはいかない」
「まあ、黄昏の雷鳴に比べれば、ね」
そう、同じ雷を使う律に比べれば、こんな邪悪な存在など如何ほどのものか。響にとって、鵺などは恐るるに足らぬ。
そして律は、雷使いを汚すようなこの悪逆のオブリビオンに、真正面から突撃を仕掛けていった。
「真正面からとは無茶するね。でも、雷同士の意地の張り合いは邪魔できないねえ。なら避けにくそうなあの雷はアタシが引き受けるか。奏の得意技を借りるよ!」
律を援護するため、響は『トリニティ・エンハンス』で自身の防御力を上げると、敵の放つ雷撃を受け止めた。ダメージを無効化まではいかないものの、オーラによる防御と合わせれば十分に耐えることは出来る。
「響、広範囲の処理ありがとな」
感謝を告げた律は鵺に接近すると、敵の纏う暴風の隙間を縫って『クレプスキュル』による斬撃を鵺に喰らわせていった。
「ギャアッ! ガアアッ!!」
だが、鵺もやられているばかりではない。剛腕を振るい、律を叩き潰さんと大暴れだ。幸いにも妖滅の血による幻影で狙いは無茶苦茶だが、下手に攻撃を喰らってしまえば危ういだろう。律も妖滅の血の効果は受けているので、いつまでも避けきられるとは限らない。
「このままじゃ律が危ないね。せめて敵の気を散らしてやるよ!」
そこで響は槍を投擲し、敵の注意を自分へと向けるべく奮戦する。こうなると、鵺も律ばかりに集中することができない。
「隙ありだぜ!」
そうして鵺の注意が響に向いたところで、律が再度仕掛ける。的確に隙をついた攻撃で、どんどんと鵺の負傷が積み重なっていく。それもそのはず、律の攻撃は『傭兵の流儀』によって鵺の癖を捉え、次第にその鋭さを増しているのだ。
「でかい図体がもったいないねえ。アンタの雷はその程度だったんだよ!!」
そして満身創痍の鵺の前足に、響の渾身の投槍が突き刺さる。その一撃にバランスを崩した鵺は、その猿の上半身を地面に投げ出した。この絶好の好機を逃す律ではない。
「終わりだ!! 目障りなんだよ!」
武器にとっておきの呪詛の雷を纏わせた律は、ジャンプからの全力の斬撃を鵺の首に叩き込んだ。この一撃で首を断たれ、鵺は遂に討伐されたのである。
妖の首魁が倒れれば、残りはもはや烏合の衆だ。猟兵達はこの新しく展開された平安結界内の妖を狩り尽くし、皇族の少年の安全を確保したのであった。
大成功
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第3章 日常
『時の間の休息』
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POW : 英気を養う
SPD : 周囲を散策してみる
WIZ : 書物を開いてみる
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猟兵達は新しく展開された平安結界内の妖を一掃した。これで一先ずこの結界内は安全だ。後は皇族の少年を連れて帰るだけだが……
「君達が助けてくれたのか? 感謝する……うっ」
皇族の少年はフラフラと危うい様子だ。妖滅の血を多く流したので消耗が激しいのだろう。暫し休息が必要そうだ。
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●必ずしも皇族の少年と交流する必要はありません。猟兵だけで休息していても、しばらく時間がたてば少年も歩けるようになるでしょう。
●幻朧桜が一本生えている以外は、周囲は通常の平安の風景が広がっています。
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ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)
~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい
セリフ例:
まぁ綺麗なところ
折角ご縁を頂戴したんだもの、寄っていっても良いかしら?
えっこれ何……ひゃっ!
んンッ、おーいしー!
頂いたご縁に感謝しましょ
瞳に映るもの全てに頬笑み
日常の景色を視て、触れて、遊んで、楽しみます
情景の説明役、褒め役として使って頂ければ幸いです
「お邪魔しまーす! 無事救助はできたみたいで一安心かしら」
ニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)がやって来た時には戦闘は終結し、皇族の少年を休ませる必要もあって皆は休憩中であった。せめて何かできないかと、ニコリネは周囲を見回す。
「うーん、新しくできたところだから仕方ないけど、桜一本だけはちょっと寂しいわねぇ」
今皆がいる平安結界は、今回の事件の際に展開されたものである。その中には平安の風景が広がっているとはいっても、それは最低限のものだ。
「よし、それじゃあちょっとだけ花を植えていきましょ」
そこで花屋でもあるニコリネは、この新しい平安結界内に花を植えることを思いついた。彼女は『The end of FY』で自身の分身を何体も召喚すると、手分けして作業に入る。この時代に合っておかしくない花々を選択して、二コリネたちは人海戦術で植えていった。
「うん、ひとまずこれくらいかしらね」
これでこの場所も少し華やかになった。今後人が暮らすことを考えれば、良い仕事をしたと言えよう。
成功
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バルタン・ノーヴェ
POW アドリブ連携歓迎
安全確保、ヨシッ! お疲れ様デース!
ドーモ、バルタン・ノーヴェであります!
皇族の少年、えーと。お名前はお伺いしてもオーライ?
消耗が激しそうなので、英気を養うために調理を開始しマース!
消化に良い種類から味付けの濃いものまで、少年のリクエストに応じたメニューを10秒で用意いたしマスヨー! なんでもお好きなものをご注文くだサーイ!
クッキングして、周囲の状況を観察するゆとりもできマスナ。
荒れ果てた大地になぜ幻朧桜が咲いていたのか、わかりマセンガ……。
また同じようにフラフラと外に出て危ない目に遭わないよう、知見のある術者の方をお招きして調査してもらうのも良いかもしれマセンナ!
「安全確保、ヨシッ! お疲れ様デース!」
バルタンはこの平安結界内を一回りパトロールしてきたが、妖の姿は影も形も無い。この場は完全に安全であると確認できたため、バルタンは座りこんでいる皇族の少年へと声をかける。
「ドーモ、バルタン・ノーヴェであります!
皇族の少年、えーと。お名前はお伺いしてもオーライ?」
「ああ、私の名前は元良と言う。猟兵よ、救助感謝する」
受け答えははっきりとしているが、その顔色はあまり芳しくない。そこでバルタンは彼を回復させるため、『バルタン・クッキング』を発動する。
「英気を養うために調理を開始しマース! なんでもお好きなものをご注文くだサーイ!」
「そうか? それなら……」
少年のリクエストの品を、バルタンは10秒に一品ずつ作成していく。少年はその速度に驚きつつも、料理に舌鼓を打っていた。食事しつつしばらく休めば、彼の体力も回復することだろう。その姿を眺めつつ、バルタンは今回の事件について思考を巡らせる。
「それにしても、荒れ果てた大地になぜ幻朧桜が咲いていたのか、わかりマセンガ……」
そもそものところ、サクラミラージュの幻朧桜があること自体がおかしい。とはいえ、今ここで何が原因かを判明させることは出来ないか。
「また同じようにフラフラと外に出て危ない目に遭わないよう、知見のある術者の方をお招きして調査してもらうのも良いかもしれマセンナ!」
調査の必要があると結論がまとまったところで、皇族の少年も大分回復したようだ。バルタンは他の猟兵達と共に、少年を元の住居へと送り届ける。これにて任務完了だ。
大成功
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