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不死王の再臨

#サイキックハーツ

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#サイキックハーツ


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「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
 グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「サイキックハーツの東京・阿佐ヶ谷の地下から巨大な『水晶の城』が出現。一般市民をオブリビオンの大軍が襲っています」
 人類の魂に宿る邪悪な別人格『ダークネス』との戦いの末、全ての人類が新人類「エスパー」へと進化を遂げた地球。寿命以外の死を克服し、戦争や犯罪なども消滅しつつある世界で、復活したかつての強敵たちが再び人類に牙を剥く。これもオブリビオンである以上、立ち向かうのは猟兵の使命だ。

「グリモアの予知及び現地関係者からの情報によると、この『水晶城』の城主はノーライフキングの『コルベイン』。かつては『蒼の王』とも呼ばれ、大きな勢力を有していたダークネスです」
 ダークネスの中でも絶大な力を誇った『蒼の王』は、他のダークネスによって力を簒奪され、弱体化したところを当時の人類――|灼滅者《スレイヤー》の組織『武蔵坂学園』に討伐された。今回、阿佐ヶ谷に出現した水晶城は、かつてのコルベインの居城に酷似しているという。
「水晶城から出撃したオブリビオンの大軍は、阿佐ヶ谷周辺にいる一般市民を無差別に襲っています。ノーライフキングには死者をアンデッドとして眷属化する能力があるので、目的はさらなる戦力増強とみて良いでしょう」
 災害や病気や飢餓に至るまで、あらゆる「通常攻撃」を無効化できるようになったエスパーも、サイキックやユーベルコードではダメージを受けるし、死に至る。このままでは遠からず阿佐ヶ谷はコルベイン率いる死者の巣窟と化すだろう。

「皆様には至急、市街地に出てきた敵軍の迎撃をお願いします」
 コルベインの軍勢を構成するのは、彼と同じくオブリビオンとして復活したノーライフキングだ。一般エスパー虐殺のために城外に出てくる連中は力の弱い者ばかりだが、それでもアンデッド製造能力は持つため、早急に蹴散らさなければ市民への被害はどんどん増えていくだろう。
「城外の敵を殲滅した後は『水晶城』内部の制圧及び、蒼の王コルベインの討伐を依頼します」
 城内はコルベイン本人は勿論のこと、より強力かつ多数のノーライフキングが守りを固めているだろう。しかし奴を倒して水晶城を陥落させない限り、阿佐ヶ谷は不死者たちの襲撃を受け続けることになる。ダークネスの中でも戦略級に相当する脅威を、野放しにしておくことはできない。

「オブリビオンとして復活したダークネス……たとえこの世界の人間ではなくても、猟兵として戦うべき存在に違いはありません。どうか、皆様の力をお貸しください」
 説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべ、サイキックハーツの阿佐ヶ谷へ猟兵たちを送り出す。
 骸の海から蘇った『蒼の王』。かつて人類を支配していた大いなるダークネスの不死王が、今ここに再臨する。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」



 こんにちは、戌です。
 今回のシナリオは新世界サイキックハーツにて、阿佐ヶ谷に出現した『水晶城』の主、『蒼の王コルベイン』を撃破する依頼です。

 1章はコルベイン配下の『未完成段階ノーライフキング・女』との集団戦です。
 ノーライフキングの中でも力の弱い彼女たちは、水晶城周辺の市街地にいる一般エスパーを殺害し、アンデッド化して眷属に加えるのが目的です。放置すれば被害が拡大するので、まずはこれを蹴散らしてください。

 2章は敵の本拠地である水晶城にて、コルベインを守護するノーライフキングとの集団戦。
 3章は『蒼の王コルベイン』本人との決戦になります。
 コルベインを討伐すれば水晶城は崩壊し、阿佐ヶ谷が死者の巣窟と化す危機は去ります。

 それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
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第1章 集団戦 『未完成段階ノーライフキング・女』

POW   :    死光弾
【胸】から、レベル×5mの直線上に【アンデッド化光線】を放出する。【サイキックエナジー】を消費し続ければ、放出を持続可能。
SPD   :    クリスタルフェザー
【翼】から、斬撃・投擲・盾受けに使える【自在水晶】を具現化する。威力を減らせばレベル×1個まで具現化可能。
WIZ   :    死命操作呪法
戦場で死亡あるいは気絶中の対象を【アンデッド】に変えて操る。戦闘力は落ちる。24時間後解除される。
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🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。

七草・聖理
ノーライフキングのコルベイン……!
大物の中の大物が復活しましたね

武装を整え、阿佐ヶ谷に到着
即座にUCを発動……この世界の文明は石油やコンクリートに至るまで、全てがノーライフキングによって生み出された『苦しみの為の産物』
だからこそ、私はそれを否定する――眷属よ、罪無きエスパーを守り抜きなさい
特大の弱点を付与するも、ノーライフキングを相手取るなら依然として問題のない条件
そこから莫大な戦闘能力を持った眷属の群れは、民間人を庇う様に陣形を組みながらノーライフキングの群れを連携して各個撃破していく

そこに、私も攻撃しますよ!
屍の王を殲滅する千弾を構え、未完全なノーライフキングを一掃する――



「ノーライフキングのコルベイン……! 大物の中の大物が復活しましたね」
 かつて世界を救った灼滅者の組織、武蔵坂学園の生徒である七草・聖理(光の弓矢は闇無き世界で始まる・f43834)は、もちろんその名前を知っていた。直接対峙したことはないが、ヤツはダークネスの中でも伝説的存在。それがオブリビオンとして蘇ったなら、無視できる相手ではない。
「来ましたね、灼滅者」「今度はかつてのようにはいきません」
 武装を整え、阿佐ヶ谷に到着した彼女を待っていたのは、一般市民を襲う「未完成段階ノーライフキング」の軍団だった。戦う術のないエスパーを殺害し、アンデッドとして眷属化し、戦力を増強するつもりか。『蒼の王』の指揮下で士気も高い彼女たちは、灼滅者も屍の仲間入りさせてやろうと襲ってくる。

「我が光よ。この世界に根付く文明全ては苦しみの為に生まれてきた。その理と宿命を否定した者として、私は汝に正義を行わせよう」
 聖理は即座に【屍王は文明全てを従える。故に主なき世で義を成せ】を発動。周囲の建物やアスファルトの道路――人類社会を構築する文明の産物を眷属化し、ノーライフキングの軍団を迎え撃つ。|配下《サーヴァント》を生み出せるのが今やダークネスだけの特権だとは思わないことだ。
「この世界の文明は石油やコンクリートに至るまで、全てがノーライフキングによって生み出された『苦しみの為の産物』。だからこそ、私はそれを否定する――眷属よ、罪無きエスパーを守り抜きなさい」
 人類を闇堕ちに導くため、文明の発達を後押ししながら人類を管理してきたノーライフキング。だがそれはもう過去の話だ。支配の道具としてダークネスが人類に与えてきた物たちは人類を守護する眷属として、力強く立ち塞がった。

「ッ、こいつら!?」「邪魔をしないで!」
 聖理が眷属化した対象には「罪無き人類やエスパーに危害を加えられない」という弱点を付与されているが、ノーライフキングを相手取るなら依然として問題のない条件だ。弱点に比例した戦闘能力を持った眷属の群れは、民間人を庇う様に陣形を組みながら、敵を連携して各個撃破していく。
「そこに、私も攻撃しますよ!」
 聖理が携えるのはガトリングガン「屍の王を殲滅する千弾」。ノーライフキング上位個体を単独で対処する状況を想定して作られた殲術兵器だが、彼女はサイキックハーツ大戦終結の翌年に入学した生徒のため、大きな戦いに参加する機会はなかった。だがダークネスがオブリビオンとして復活したことで、奇しくも実力を発揮する戦場を得たわけだ。

「一掃します!」
「「ッ、きゃぁぁぁぁっ!!?!」」
 御大層な肩書きに違わず、聖理のガトリングから放たれる弾幕は未完成なノーライフキングを討つには十分だった。
 光を帯びた銃弾に撃ち抜かれ、蒼の王の配下は悲鳴を上げて骸の海は還っていく。現代を生きるほぼ最後の世代の灼滅者として、使命を果たさんとする少女はまっすぐな瞳で『水晶城』を目指す――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

タシュラフェル・メーベルナッハ
まさに阿佐ヶ谷地獄の再現ね…
でも、今度もきっちり守りきらせて貰うわよ。

他の猟兵と手分けして、敵の殲滅と襲われてる人達の救出に向かうわ。
Hexenbesenで【箒飛行】して空中から地上の様子を見て敵を探す。
襲われてる一般人がいれば其方へ最優先で向かうわ。

Die Schwarzを大盾の形にして一般人と敵を分断する形で射出、敵を足止めしつつ一般人が身を守れるよう計るわ。
加えて敵の意識を引きつけた処に、魔法の矢を撃ち込んで攻撃。
敵が水晶で身を守るなら立て続けに撃ち込んで削り倒しにかかりましょう。
助けた一般人には、既に安全確保されたエリアへの道を案内。

まだ敵は多いようだけど。
思い通りにはさせないわよ?



「まさに阿佐ヶ谷地獄の再現ね……」
 2013年の「不死王戦争」にも参戦経験のあるタシュラフェル・メーベルナッハ(夜闇の万華鏡・f43850)には、眼前にそびえ立つ「水晶城」も、市街地を襲うノーライフキングとアンデッドの大軍も見覚えがあった。武蔵坂学園が経験した初の戦争――あの戦いが学園と灼滅者の未来に及ぼした影響は大きい。
「でも、今度もきっちり守りきらせて貰うわよ」
 掴み取った勝利と未来を覆させはしないと、あの頃のままの初等部制服に袖を通し、タシュラフェルは不死王の軍勢に挑む。当時は同じ学園の生徒がいたが、今は猟兵という新しい仲間がいる。彼らと手分けすれば敵の殲滅も一般人の救出も叶うだろう。

「そこにいるわね、ノーライフキング」
 魔女の箒「Hexenbesen」に乗って、空中から地上の様子を観察し、襲われている市民を見つければ最優先で急行するタシュラフェル。「通常攻撃無効」で病死や事故死は防げても、オブリビオンのユーベルコードにエスパーは無力だ。なにを置いても護らなければならない。
「一般人に手出しはさせないわ」
「なっ!」「あなた……灼滅者!?」
 今まさにエスパーを貫くはずだった水晶の翼を、大盾の形状をした闇色の魔力が受け止める。タシュラフェルが射出した「Die Schwarz」はそのまま一般人と『未完成段階ノーライフキング』を分断し、敵を足止めしつつ一般人を保護する状況を作りだした。

「あなた達の相手は私よ」
「ふん、ならお前からアンデッドにしてやる!」
 敵の意識を引きつけたところで、タシュラフェルは上空から【魔法の矢】を撃ち込む。ノーライフキング達も即座に【クリスタルフェザー】を盾にして身を守った。未完成でも流石はダークネスの中でも高い個体戦闘力を誇る種族だ。一兵卒とて弱卒ではない、が。
「脆いわね。撃ち抜いちゃうわよ?」
「なっ……!」「きゃぁぁっ?!」
 タシュラフェルの指先から立て続けに撃ち込まれる魔力弾は、水晶の盾を削りきり、驚愕する敵本体を貫く。数多くの強豪との戦いを経験し、さらに猟兵に覚醒したことで、彼女の実力は大きく伸びているのだ。不死王戦争当時の彼女と思わぬほうがいい――その点を見誤った過去の亡霊どもは、悲鳴と共に骸の海へ還っていった。

「こっちに行けば、あの連中はもう襲ってこないわ」
「あ、ありがとうございます!」「助かりました!」
 付近の敵を一掃したところで、タシュラフェルは助けた一般人を安全確保されたエリアへの道に案内する。バベルの鎖があった昔とは違い、現代では一般社会にも灼滅者の存在は認知され、世界の真実も常識となっている。ESP等で強制せずとも、人々は素直に彼女の言に従い、感謝と尊敬を向けてくれた。
「まだ敵は多いようだけど。思い通りにはさせないわよ?」
 なおも「水晶城」から押し寄せる敵軍を見て、永遠の初等部四年生は不敵に微笑む。今さらになって蘇り、歴史の針を巻き戻すような暴挙、武蔵坂学園の灼滅者が見過ごすと思ったら大間違いだ。扱う力や在り方は変われども、少女は今もなお気ままに戦いの舞台で踊る――。

大成功 🔵​🔵​🔵​

皇・銀静
………ああ
僕はお前らを歓迎しますよオブビリオン
この世界は…既に|詰んで《・・・》いた。あれだ…ユニバース25…だったな
僕からすればお前らこそこの世界を救いに来た存在に見えますよ

故に…お前らはこの世界の存続の為の礎になればいい

ノーライフキング…最強のダークネス
【リミットブレイク】
己の限界を超えて光線を回避

【薙ぎ払い】
UC発動
そのまま襲いかかり野太刀で突いて粉砕し反撃は返し刀で反撃して迎撃する

敵が絶命するまで丁寧に切り刻むか拳を叩き込み殲滅する

…ノーライフキング…死を超越した存在…だが…もうこの世界の皆が死を超えた…だが…資源は減り続けている…

まぁいい…存分に楽しませてくれ(きひひひひひひ



「………ああ。僕はお前らを歓迎しますよオブビリオン」
 武蔵坂学園に所属する灼滅者として、現在の世界のあり方に関わった皇・銀静(陰月・f43999)は、復活したかつての敵たちにそう言った。ダークネスという脅威が再び人類を脅かそうとしている現状は本来喜ばしいことでは無いはずだが、これには彼なりの理由がある。
「この世界は……既に|詰んで《・・・》いた。あれだ……ユニバース25……だったな。僕からすればお前らこそこの世界を救いに来た存在に見えますよ」
 寿命以外に死の危険が存在しない、衣食住の保障された安全な社会では、生命は緩やかに衰退していくという実験と仮説がある。この説を支持するならば、エスパーとなった人類を脅かしうる「外敵」がいない世界は袋小路の理想郷であり、オブリビオンという「新種の外敵」がその状況を打破するというわけだ。

「故に……お前らはこの世界の存続の為の礎になればいい」
「礎ですって? なにをバカな」「あなた達のほうこそ、私達ノーライフキング再興の礎になりなさい!」
 言うまでもないがオブリビオンも世界存続のために復活したのではなく、本気で世界を滅ぼす気でいる。だからこそ銀静の理屈では彼女らが救世主足りうるのだが――何れにせよ同意の成り立つ相手ではない。滅ぼすか滅ぼされるか、両者の関係性は以前のままだ。
「ノーライフキング……最強のダークネス」
 水晶城から出てきたのは、まだ非肉化した部位の少ない『未完成段階ノーライフキング』とはいえ、銀静は油断せずリミットブレイク。己の限界を超えた身体能力や反応速度をもって、アンデッド化効果のある【死光弾】を回避する。死者を眷属に変える屍王たちの代表的な能力は、幾度となく見覚えのあるものだ。

「お返しだ」
「ッ?!」
 銀静はそのままノーライフキングの軍勢に襲い掛かると、野太刀による【天地無双剣】の構えから神速の突きを繰り出す。水晶化した少女の胸を粉砕した一撃は、そのまま返し刀での追撃に派生し、周囲にいる敵をまとめて薙ぎ払う。
「ひっ……きゃぁぁぁ?!」「こ、こいつッ!」
 ノーライフキングたちは慌てて反撃するが、銀静は返し刀でそれを受け止め、神速突きで逆襲する。その戦いぶりには一切容赦がなく、陰鬱な態度に秘められた狂暴な性質が垣間見える。ひとたび敵と見なしたからには、完膚なきまでに叩き潰すつもりだ。

「……ノーライフキング……死を超越した存在……だが……もうこの世界の皆が死を超えた……だが……資源は減り続けている……」
 ダークネスが人類支配の安定と「管理された発展」のために創造した資源も、彼らの滅亡とともに増えなくなった。
 鬱々とこの世界と人類の将来を危惧しながら、銀静は敵が絶命するまで丁寧に切り刻み、水晶が細かい破片になるまで拳を叩き込み、徹底的に殲滅する。
「まぁいい……存分に楽しませてくれ」
「ひぃっ?!」「す、|灼滅者《スレイヤー》め……!」
 武門の一族に生まれ修行を重ね、ダークネスとの実践経験を経て武芸を磨き抜いたストリートファイターにとって、久方ぶりとなる死闘が甘露であることもまた間違いなく。きひひひひひひ、と笑いながら自分達を灼滅する男の姿は、ノーライフキング達にとっては恐怖そのものであった――。

大成功 🔵​🔵​🔵​