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武者修行を妨害せよ

#アリスラビリンス #戦後 #【Q】 #チャンピオン・スマッシャー


●不定期でやりたいなと
 アリスラビリンスのとある場所にある、力持ちの愉快な仲間たちが住む村。
 そこはとある猟書家の襲撃を幾度となく受け、さらにはオウガ・フォーミュラの襲撃すら受けたが、それでもなんとかその危機を乗り越え、今はこうして平和な時を過ごしていた。
「あー、何事もなくて暇だなあ」
「そんな事言ってると、またあいつがやって来るぞ」
「いやいやそんな事は」

 ……。

「……あるわけねえよなあ」
「だってあいつはもうこの村には来られねえんだしなあ」
「ちげえねえや、わっはっは」
「わっはっはっはっは」

『ふはははは!我が名はチャンピオン・スマッシャー!!』
 だが力持ちたちは気が付いていなかった。たしかに奴は来ていたのだ……この村の近くまで。だが。
『……あれ?おかしいな?どういうわけか踏み込めん!!』
 そう。猟兵たちの活躍により、もうチャンピオンはこの村に入れなくなっていたのだ。おかげで村の平和は保たれる事になった。しかしチャンピオンはあきらめるどころか、むしろ前向きに考えてしまったようだ。
『わけがわからんが、おそらく私の力が足りていないためであろう!ならば修行だ!』
 かくして村をあとにしたチャンピオン・スマッシャーはアリスラビリンスを放浪し、やがてひとつの不思議の国に辿り着いた……。

 一方グリモアベース。
「彼も元気だねえ」
 しつこい敵にちょっとあきれたような大豪傑・麗刃(26歳児・f01156)。
「ともあれ、元猟書家のチャンピオン・スマッシャーくんは戦いが得意そうなオウガの集団を見つけたようで、まず彼らを全員叩きのめして弟子にした上、みんなで鍛錬を行って強くなろうという算段らしいのだ」
 もしそんな事になったら、いろいろあって入れなくっているあの村にまた襲撃があるかもしれない以前の話として、せっかく平和が訪れつつあるアリスラビリンスに強大なオブリビオンが誕生してしまうというえらい事態になりかねないのだ。なんとしても阻止しなければなるまい。
 さて、今向かえばちょうどチャンピオン・スマッシャーが地元オウガと遭遇するタイミングであろう。両方とも放置してはいけない相手だ。まずは地元オウガから倒してしまおう。その後でチャンピオンと戦いという流れであろう……が。
「さっきも言ったけど、今回のオウガは戦いが得意ということで、戦場にもそれなりのギミックが満載らしいのだ。それに気を付けつつ、逆に利用できれば有利になるかもしれないのだ。これがフーリンカザンというやつなのだ」
 なんかよく意味はわからない言葉が出てきた気もするが、まあギミックを利用するのは良いアドバイスだろう。頭の片隅に入れておくのは良いかもしれない。
「じゃ、みんながんばってほしいのだ!」
 麗刃の一礼を受け、猟兵たちはアリスラビリンスへと向かうのであった。


らあめそまそ
 新世界が出たけどあえて旧世界。らあめそまそです。
 元猟書家シナリオをお送りいたします。プロレスをやるも普通に戦うも汝の欲するところを為すが良い。またプレイングボーナス的なものについてはオープニングにもちょっと触れましたが、後に改めて明記する予定ですのでご確認いただければ幸いです。
 なおチャンピオン・スマッシャーが『村』に入れなくなった事情については私のシナリオ【バトル・オブ・オリンピア(嘘)〜フォーミュラを目指して】をご参照ください。

 それでは皆様のご参加をお待ちしております。
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第1章 集団戦 『うさうさトランプ兵』

POW   :    落雷II
無敵の【空飛ぶイボイノシシ型の対地攻撃機】を想像から創造し、戦闘に利用できる。強力だが、能力に疑念を感じると大幅に弱体化する。
SPD   :    そう、我々はやればできる!
自身の【ゴーグル】が輝く間、【軽量自動小銃】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
WIZ   :    バーガータイム
【ハンバーガーとフライドチキン】を給仕している間、戦場にいるハンバーガーとフライドチキンを楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
👑11
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●USA GI
 仮に猟兵たちがここに来ていなければ。
『喜べ!お前ら全員私の弟子にしてやろう!そして私がお前らを鍛え上げ、やがてはアスリートアースとかいうプロレスの本場で戦うのだ!』
『おまえは何を言ってるウサか』
 そして両者の戦闘となり、チャンピオンが敵兵たちを蹴散らして強制的に従わせた事だろう。だが幸か不幸か、猟兵たちが到着した時、まだチャンピオンはここに現れていなかった。
『敵襲だ!総員迎撃態勢をとれ!』
『ウサ!ウサ!』
 現地オウガ【うさうさトランプ兵】たちは猟兵の登場をみて、すぐさま戦闘の準備を整えたようだ。戦いは避けられまい。むろん相手がオウガであれば結局戦わねばならない事に変わりはないのだが。

 うさうさトランプ兵たちの能力は以下の3種類だ。
【落雷II】は対地攻撃機を呼び出して攻撃するものだ。落雷ThunderboltIIの名や低空のイボイノシシlow-flying warthogから想像される攻撃機はさまざまな戦場で戦果を挙げ、その力は強力だろう。なお現実の兵器とは異なるから、対地攻撃機ならドッグファイト弱いんじゃね?と考えるのはやめた方がいいかもしれない。
【そう、我々はやればできる!】は自動小銃の攻撃回数を増やすというものだ。ただでさえ自動小銃の全自動射撃は恐るべき威力を持っているのに、その攻撃回数が9倍となればまさにひとりで小隊に匹敵する力があるかもしれない。味方を1回も攻撃しないと寿命が縮むデメリットはあるが、短期決戦ではほとんどデメリットとはならないだろう。
【バーガータイム】はハンバーガーとフライドチキンを楽しむというなんともアメリカンなユーベルコードだ。だが侮ってはいけない。なんとハンバーガーとフライドチキンを楽しんでいない者の行動速度が大幅に減少してしまうのだ。行動速度が下がった所で攻撃をくらっては防御も回避も反撃も非常に困難になり、致命的な結果を招きかねないだろう。
 くわえて今回の敵は軍隊なだけに、要塞を作ってそこに籠っている。そこから固定砲台による援護射撃が飛んできたり、城壁や有刺鉄線で守られたむこうから銃撃を仕掛けたりと実に軍隊的な戦い方をしてくることだろう。これらの組み合わせが軍事行動にすぐれた相手をさらに強敵にしている。
 だが、よく見たら演習用のためか、猟兵にも使えそうな場所に塹壕やら有刺鉄線やら砲台やらがあるじゃないか。もしかしたらこれをうまい事使えば戦いを有利に進める事も可能かもしれない。いずれにせよ、なかなか厄介な相手だし、ちょっとプロレスやるのは難しそうではあるが、これはあくまで前哨戦だ。オードブルはさくっと平らげ、本番に備えようではないか。
ニコリネ・ユーリカ
よっしゃ来たわね!
いえ、来ようとしているのねチャンピオン!
貴方が来るというなら私も行くわ、村を守る為に!

兎兵が籠る要塞めがけて営業車で驀進!
持ち前のドラテクで固定砲台による援護射撃を躱し
アメリカンなフードを給仕している所へドライブスルーでオーダー

ハンバーガーとフライドチキン、飲み物のコーラは瓶で!(ウインク

片手にバーガーを持ちながら片手でハンドルを回すなんて余裕よ
タイパ重視なアメリカンスタイルを充分楽しんで行動速度を保ったら
固定砲台のちょい横くらいを目指してドリフトパーキング!
砲身をあらぬ方向に向けながらベタ付けして、後に続くお仲間さんを守りたいわ
兎兵の駆逐は…皆さんにお任せしまーす(もぐもぐ



●栄養バランス何それ食べられるの
「よっしゃ来たわね!いえ、来ようとしているのねチャンピオン!」
 チャンピオン・スマッシャーの登場に気合を入れて花屋の営業車を駆り戦場へと向かうニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)。気合が入るのも当然だろう。チャンピオンが『村』に入れなくなった原因は猟兵に何度も敗れ去ったためであるが、中でも特に中心的な役割を果たし、チャンピオンに直接とどめを刺したのが何を隠そうニコリネだったのだ。で、完全追放したはずの村にチャンピオンが懲りずに襲撃を狙っているとあっては。
「貴方が来るというなら私も行くわ、村を守る為に!」
 こうなるのは当然の流れであった。

 一方、要塞では。
『猟兵が来るまで時間がかかるだろうウサ』
 うさうさトランプ兵たちが戦闘前にハンバーガーとフライドチキンで腹ごしらえの準備をしている所であった。
『食える時に食っておくのは軍人の基本ウサ』
『まー来たとしてもこの要塞にはそう簡単に入ってこれないだろうウサ』
『敵襲!敵襲!』
『って最悪のタイミングできやがったウサ!?』
『砲撃で返り討ちにしてやるウサ』

「おっとぉ!」
 戦場には到底似つかわしくない営業車であるが、ニコリネにとっては乗りなれた車であり、もっとも信頼できる相棒だ。雨あられと飛んでくる砲撃を見事なドライビングテクニックで回避していく。だが攻撃を回避しているだけでは戦いにはならない。無論ニコリネにもそれはわかっていた。
「さて、たしか言われた事があったような……えっと、あれかな?」
 事前の情報を頭にまとめつつ、ニコリネは目指すべき場所を探していたのだ。そしてどうやら見つかったようであった。
「ハンバーガーとフライドチキン、飲み物のコーラは瓶で!」
『う、ウサ』
 そう、そこはアメリカンなフードを給仕していた場所であった。販売ではないはずなので酒保あるいはPXではなく隊員食堂という事になるのだろうか。いきなりドライブスルーのように横づけされてウインクしながら堂々とそう言われたら出さないわけにはいかない。かくしてニコリネは行動速度減少を免れる事に成功したのであった。
「うーん、アメリカンね」
 ハンバーガーの生まれはたしかにアメリカだがもとをただせばドイツ系移民が持ち込んだハンブルグ風ステーキであり、一方フライドチキンは米国南部の黒人に好まれた料理でありアメリカ全土に普及していたとはいえないものであった。現在その両方がアメリカを代表する料理とされるのはたいへんな企業努力によるものであるらしいが、なんにせよファストフードの代表であり、タイパ重視の料理はこういう場では非常に重宝されるものだ。そしてさすがは日常生活が運転と切り離せないニコリネにとって片手でハンバーガーを頬張りながら片手でハンドルを握るなど慣れたものである。砲撃を回避しつつ、ニコリネは愛車の速度を上げていった。
「さて、そろそろかしら」
 そのままの速度でニコリネは愛車を砲台のひとつに向けてかっ飛ばすと、思い切りドリフトしながらベタ付けしてみせた。イタリア語で情熱的FOSOCOと名付けられたドリフトは砲身の向きをあらぬ方向に向けてしまった。
『こ、これでは敵襲に対応できないウサ!』
 あわてふためいて修復を試みる敵兵だったが、おそらくかなりの時間を必要とするだろう。それを見ながらニコリネは次の砲台へと向かう。
「兎兵の駆逐は…皆さんにお任せしまーす(もぐもぐ」
 フライドチキンをパクつきながらニコリネは次々と砲台を無力化していった。そう、敵兵を直接叩くだけが戦闘ではない。できる事をこなせばよいのである。こういうのだって立派な戦い方なのだ。そして本場の味はやはりひと味もふた味も違っていた……本場と呼んでいいか謎であるが、まあUSAだし良いのだろう。うん。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
プロレスよりは此方の方がやり易いですねぇ。

塹壕に入り『FLS』により全『祭器』未装備含召喚後、上方を中心に空間歪曲障壁を展開しまして。
『FMS』のバリアと『FES』の対物理結界を重複、爆撃や射撃に備えますねぇ。
そして【虚籃】を発動し戦場全体を覆う『威』を放射、戦域内の大地を対象に含め、共振を伴う『局地的超振動』&『大地震』により『要塞』という建造物自体を崩壊させれば「建造物内に籠ったこと」が仇になり、崩壊に巻込まれることになりますし、この超振動下で『対地攻撃機』が飛行可能かも疑問ですぅ。
後は『FRS』『FSS』の[砲撃]と『FDS』の[爆撃]で[追撃]しますねぇ。



●地震は雷より先に名前が挙がる
「プロレスよりは此方の方がやり易いですねぇ」
 と言う夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)であったが、『村』ではないアリスラビリンスの別の場所でチャンピオン・スマッシャーとは1度戦った事はあったようだ。その際もあえて相手のプロレスに合わせるではなくいつも通りの戦い方をしたようなので、その言葉に嘘はない。まあ戦いやすいやり方をとるのがいいのではないだろうか。
『敵襲!』
 早速要塞内からるこるの姿を見とがめたウサギ軍人たちは砲撃を試みたが。
『ええい砲台の修復はまだか!早くしろ!』
『ウ、ウサ!!』
 どうやら先刻別の猟兵がなにやらやったらしいのだ。ということで砲撃は散発的で歴戦の猟兵には回避は容易だ。とはいえこの状況がいつまで続くかわからないし、そのうち砲撃のみならず……。
「あ~、あれが……」
 はるか上空、るこるの視界に入ってきたのはイボイノシシ型の攻撃機【落雷II】だ。ただでさえモデルとなった機体は対戦車用ガトリング砲や空対地ミサイル等で各地の戦場で戦果を挙げてきた強敵なのに、呼び出した者の自信でその力はさらに強化されているだろう。攻撃が来る前にとるこるは目についた塹壕に身を隠すと、上から飛んでくる砲撃や爆撃に対して空間歪曲障壁にバリアに対物理結界を重ね掛けを行った。たちまち頭上で鳴り響く連続した爆発。るこるの張った多重の防壁は固定砲台の攻撃や攻撃機の対地攻撃に耐えているようだが、いつまでもつかはわからない。ならば。
「大いなる豊饒の女神、あなたの使徒に『霊脈の加護』をお与え下さいませ」
 そのユーベルコードの名は【虚籃】といった……良かった常用漢字が来た。読みの『リクゴウノユリカゴ』は『六合の揺り籠』であろうか。六合とは天地と四方、すなわち全世界を指す言葉である。
『な、なんだ!地震ウサか!?』
 兵士たちは突然の揺れに慌てた。むろんこれがるこるのユーベルコードの効果である。これは戦場全体を『威』なるもので覆い、それが命中した相手に強力な攻撃をくわえるというものである。初撃を当てた相手に超強力な二撃目を決める一方、初撃を外したら二撃目も無効というユーベルコードは性質上いかに初撃を与えるかがキモとなってくるが、それを戦場全体を対象とする事で回避を非常に困難にするというのはなかなか考えたものである。さらに射程範囲は『別の位相や次元を含む戦場全体』だという。次元移動してもダメとはなかなかの念の入れようだ。しかもその二撃目というのが……。
『ば、馬鹿な!この要塞は計算上震度7級の地震にも水爆にも耐えるはずウサ!』
 ……『共振を誘発する「局地的超振動」による崩壊』だ、そうな。要はものすごい大地震である。まあむろん猟兵やオブリビオンが相手なので、手段によっては防御あるいは回避できる者もいるかもしれないが、こと要塞という事だと回避は無理だし、耐えるのもなかなか難しいかもしれなかった。そして。
「うーん、思ったよりも粘りますねえ」
 るこるが言ったのは要塞もだが、対地攻撃機の方もであった。この超振動の中で飛行機が飛べるとは。このあたりはこんな大変な状況でもなお落雷IIへの信頼を失わない敵の精神力をほめるべきであろうか。ただ、さすがに飛べるのは飛べるにせよ、かなり飛行に制限は加わるだろう。
「全弾発射ですぅ!」
 ならばやる事は迎撃だ。るこるは射撃用の祭器を総動員して攻撃機を撃墜すべく猛烈な砲撃をくわえた。さらに半壊した要塞にも爆撃用祭器を飛ばす。オリジナルと違って速度にすぐれ空対空攻撃もこなせる落雷IIだったが、さすがにこれには撤退を余儀なくされた。さらに要塞および中の兵士たちが大打撃を受けた上、固定砲台も修理どころかさらに破壊が進むという悲惨な結果となったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

建依・莉々
アドリブ・連携OKです!

「ハンバーガー! フライドチキン! 食べ放題! ポテトもつけて? むふーっ♪」

食べ放題と聞いて! 化術を使ってトランプ兵に変身! しれっと要塞内に入り込み、食べ放題と洒落込みます。えーと、敵の兵站を潰す戦略的な行動なのですよ、うん。これでバーガータイムは封じたも同然♪(ほんとか!?)

いい加減堪能したら、変身したまま要塞内部から撹乱していきます。リリ・インパクトで要所を破壊! 偽情報を叫び混乱を招く! 攻撃機の出来を酷評する! 見つかっても物に化けてやり過ごし、またトランプ兵に化けて撹乱、味方を援護します。

最後は・・・「冷たいコーラが1L、怖い」

お後がよろしいようで。



●実際米軍の戦闘糧食レーションは量が少なめらしい
 さて最初の猟兵が敵兵に直接打撃を与えるのではなく建造物を標的として敵の攻撃力を削ぐ選択をした事が、のちの戦いにおいてボディブローのようにじわじわと効いてきているのは明らかな事なのだが、似たような事を考えた猟兵が他にもいた。
「食べ放題と聞いて!」
 いや、たぶん建依・莉々(ブラックタールのどろんバケラー・f42718)は何やら大きな勘違いをしているような気がしないでもないのだが。具体的に何が勘違いかはのちにわかるとして。ともあれ、まず敵から食料を受け取ってその後に破壊活動に移るという流れも偶然にもよく似ていたが、莉々は素直に突っ込む代わりにトランプ兵に化けて基地内に潜入する方法を選んだ。どろんバケラーなだけに化術はお手の物だ。そして実際疑われる事なく潜入に成功したのであった。
「ハンバーガー!フライドチキン!食べ放題!ポテトもつけて?むふーっ♪」
 莉々は単に食べ放題を楽しみたかったわけではない。これはあくまで敵のユーベルコード【バーガータイム】の発動条件を潰してしまおう作戦の一環なのだ。そう、敵の兵站を潰す戦略的な行動であり私情を挟んでは……いや絶対いる。まあ良い。ともあれ莉々は全く疑われる事なく目当てのブツをゲットした。11歳のリリにはちょっと大きすぎるのではないかと思われた大きなハンバーガーも、変身している今なら何も問題はない。口を大きく開けて、ぱくり。
「うーんアメリカーン♪」
 ワイルドでパワフルなファストフードを堪能し、思い切りカロリーを摂取した。だがまだまだ本番はこれからだ。なにせ今日は食べ放題なのだ。早速莉々は再度……。
「おかわりー!」
『もうダメウサ』
「え~!?」
 だが残念ながらストップがかかってしまった。そう、実は食べ放題ではなかったのである。いや平時ならあるいはわからなかったけど、今は一応戦闘中なのだ。満腹で戦闘に出ると腹を撃たれた時に空腹のときに比べてダメージが大きいという合理的な理由は一応あるから仕方がないね。
「ぶー。けちー。じゃーもういいわよ!」
 ちょっと堪能には足りない気がしたが、まー一応味わいはできたのだ。後は暴れるだけであった。ダイナーを後にしたリリは早速修理中の砲台へと向かった。必死で作業をしているトランプ兵を横目に砲台の近くまで行くと、拳を握りしめ。
「えいっ♪」
 思い切りぶん殴った。単純な一撃だがその威力は絶大。必殺の【リリ・インパクト】は修理をがんばっていた兵士たちの努力を一瞬にして無にしてしまったのだ。これはひどい。
『ウ、ウサアアアアアっっっ』
 嘆きの叫びを聞きながら莉々はさらに走る。既に半壊している要塞にとどめを刺すべく、片端から殴りまくり壊しまくり。さらにこの機に乗じて流言飛語を流しまくりと。しかもどろんバケラーの特性を活かし、見つかりそうになったら変身を活かして追手をやり過ごすやり口はなかなか堂に入っている。
『目標発見!』
 だがついに攻撃機が莉々の姿をとらえたようだ。さすがに拳では攻撃機にはなかなか届くまい。それでも莉々はしっかり対策をとってきた。
「今時近接航空支援しかできない攻撃機とか!時代遅れにもほどがあるわよ!」
 これは敵に自信を失わせる事で能力を落とせないかという試みであった。それが功を奏した……かはわからないが、必殺のガトリングは莉々に命中する事なくその横をかすめていった。一度飛び去った敵がまた戻って来る前にと莉々は再度化術を使い追跡から逃れたのであった。
 かくして莉々は要塞を破壊して回ったわけだが、最後に一言。
「このへんで、冷たいコーラが1L、怖い」
 いやあなた別にハンバーガーやフライドチキンが怖い怖いと言ったわけじゃないでしょうに。
「お後がよろしいようで」

大成功 🔵​🔵​🔵​

中嶋・李良
【心境】
タダで食べてもいいの!? ぼく、お代持っていないんだけど、いいの?
本当に????
それなら、ハンバーガーLサイズとポテト、ついでにリンゴジュースをお願いね!

【行動】
機械仕掛けの箒のレシプロ式マイクロブルーム 1.6(そこ、スティック掃除機とか言わない!)に跨って、ゾンビ・クラウドをばら撒くよ!
条約違反待ったなしの兵器だけど、オブビリオンとかオウガに条約は存在しないから実験し放題!
人体実験(?)たっのしー! 映像サンプルも取っておこッと!



●破った者勝ちな点があるのは否定はできない
 先にも少し挙げた通り、一番最初の猟兵は敵への直接攻撃ではなく建造物破壊を狙って見事味方の援護に成功したわけであるが、それとは別にもうひとつ意外なところで功績を挙げていたとは本人すらも思いもしなかったに違いない。それは。
「タダで食べてもいいの!?」
 他の猟兵がやったように変装する事なく直接配給場に出向いて食料を調達する、という手段が成立する事を証明してしまった事であった。そんなわけで中嶋・李良(禁忌破りの探究者・f43760)はその猟兵にならって正面から堂々と侵入をすることにしたようだ。
「ぼく、お代持っていないんだけど、いいの?本当に????」
 これは獣人戦線世界のカネを持っていないのか、それともリアルでカネがないのか、そのあたりは定かではない。まあいずれにせよロハで食い物もらえるのは前例もあるし確かなようだ。ただ、こうして堂々と侵入できたのは、他の猟兵が暴れ回っていて、トランプ兵たちがそちらの対処のために大混乱していたからというのはあるかもしれない。平常時だったら配給やってる食堂に到達する前にさすがに見つかって攻撃を受けていた可能性は決して低いものではなかっただろう。幸運にも味方され、李良は無事に食堂に到着した。
「ハンバーガーLサイズとポテト、ついでにリンゴジュースをお願いね!」
『あーもう、忙しいから勝手に持ってくウサ!1セットだけウサよ!』
 かくして李良は敵の凶悪なるユーベルコード【バーガータイム】から逃れるためのハンバーガーを入手したのであった。これでだいぶ活動は楽になるはずだ。手に入れた大きなハンバーガーにかぶりつきつつ、李良はさっそく次の行動に移った。さっそく取り出したのは小型の円筒に長い筒が付き、その先端に平型の吸引口が取り付けられた、いわゆるあれだ……
「そこ!スティック掃除機とか言わない!」
 違ったらしい。ええと、李良が言うには機械仕掛けのレシプロ式マイクロブルームだそうだ。broom、すなわち魔法使いが使うホウキであるとか。しかもレシプロ式とか。まあ時代の変化でそういう形の箒があってもおかしくないが、レトロウィザードなのにそのあたりはレトロではないというのもおもしろいものである。ちょっと調べたらそれほど『実例』は多くないらしい。
「じゃ、いっくよー」
 早速マイクロブルームに跨った李良、右手で体を支えて左手でハンバーガーをパクつきつつ、エンジンを起動した。そして高速で移動しつつばら撒くは……これ基本ユーベルコードなんだ。えっとBCアルケミストの基本ユーベルコード【ゾンビ・クラウド】であった。
『こ、これは……ぎゃあああああああ』
 たちまち戦場に鳴り響く阿鼻叫喚。それは名前の通りゾンビ化ガスを用いて吸い込んだ者をゾンビにして操るというヒーロー側が使っちゃまずいだろな感じのものであった。
「いいのいいの!細かい事は!」
 そう。たしかにオブリビオンを倒すために禁忌に手を染める覚悟を決めた者だからこそ使える技なのである。一応ゾンビ化に制限時間はあるようだが、それでも2分弱ぐらいは操れるわけで、あちこちでトランプ兵たちの同士討ちが始まりそりゃあもう大変な事に。
『び、BC兵器は条約違反ウサ!』
「何言ってんの!たしかに条約違反待ったなしの兵器だけど、オブビリオンとかオウガに条約は存在しないから実験し放題!」
 とはいえこれもあくまでオブリビオンという強敵と戦うため。BCアルケミストは覚悟を決めて禁忌に手を染めたのである。恐れられることもわからないでもないが、その覚悟は称賛されてしかるべきであろう……
「人体実験たっのしー! 映像サンプルも取っておこッと!」
 ……いや、ちょっとぐらいは趣味と実益が入っているのかもしれない。ちょっとぐらいは。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィルデ・ローゼ
「あらまあ、また来るのね?そのガッツはどこから来るのかしら?」
オウガとはいえ、まだ配下にもなっていない者を先回りでボコしましょう、というのはちょっと気が引けるボコされる方が好みな……ので、正面から行って事情を話し、一時隠れていてもらいましょう。

「これからチャンピオン・スマッシャー変態マスクマンがあなたたちをボコしにくるから、ちょっと隠れててくれないかしら?」
「先にボコしとけって言われたのだけど、かわいそうじゃない?」
……まあ、交渉は決裂するだろうので、UCを使って無敵になり、彼らが攻撃機の性能に疑問を持つまで耐えるわ。



●何度でも蘇るさ
「あらまあ、また来るのね?」
 ヴィルデ・ローゼ(苦痛の巫女・f36020)にはたしかにそれを言う権利があった。なにせあのチャンピオン・スマッシャーとは何度も戦ってきたわけだし、間違いなくチャンピオンを『村』から追放する事に功績のあるひとりであるからだ。
「そのガッツはどこから来るのかしら?」
 まあプロレスラーだから引退復帰を繰り返すのはある意味正しいのかもしれない。ただここまでやるのは某N田A選手ぐらいだとは思うが、さすがに。どっかの誰かがネタを思い浮かぶ限りは何度でも出てくるんじゃあないかな。たぶん。それはさておき今回はそのチャンピオンと戦う前に、チャンピオンの部下にされる事が確定している野良オウガ軍団を倒さなければならないが。
「オウガとはいえ、まだ配下にもなっていない者を先回りでボコしましょう、というのはちょっと気が引けるわね」
 ヴィルデはあまり気は進まないらしい。まあもとよりオウガなんだからいずれは倒さなければならない相手だ。以前既にアリスと出会って食ってる可能性だってあるわけだし。なので一片の情けをかける必要はない相手ではある。なにせ自分の領域に閉じこもってるオウガを倒そうみたいな依頼だって普通にあるわけだし。とはいえ今回に限っては被害者なわけだし、倒すのも気が引ける気持ちもわからんでもないよなあ、と思いきや。
「……ボコすよりはボコされる方が好みなのよね」
 それが本音ですかいッッッ。ともあれヴィルデは真正面から小細工抜きにうさうさトランプ兵たちの前に堂々と現れたのであった。
『新手ウサ!迎撃ウサ!』
「そんなに殺気だたなくてもいいわよ、私は戦いに来たわけじゃないんだから」
 敵兵に銃を突きつけられてもヴィルデにはまったくひるむ様子も見られない。そして早速本題に入った。
「これから変態マスクマンがあなたたちをボコしにくるから、ちょっと隠れててくれないかしら?」
『ウサ?』
「先にボコしとけって言われたのだけど、かわいそうじゃない?」
 先に述べた通り、これはまぎれもないヴィルデの本音であった。そして実際これからチャンピオンは本当に来るわけだし、嘘などまったくついてはいない。仮にこれでトランプ兵たちはヴィルデの言葉を聞き入れて避難して、その後でやってきたチャンピオンを倒した後に、改めてトランプ兵たちをどうするかはまた議論の対象とはなるだろう。だが。
『お前は何を言っているウサか』
 あまりにタイミングが悪かった。
『攻めてきたのはお前たちじゃないかウサ!!』
「あ」
 言われてヴィルデは気が付いた。そうなんだよねえ。猟兵たちの活躍で既に敵兵には大損害、基地は半壊という状況であったのだ。この状況では誰がどう見たって攻めてくるのは変態マスクマンではなく猟兵となってしまう。繰り返すがあまりにタイミングが悪すぎであった。
『ええい覚悟するウサ!こいつでぶっ倒しちゃるウサ!』
 そして無敵の攻撃機が飛んできた……が、さすがにヴィルデとて交渉が決裂した時の準備ぐらいはしていたのだ。ということで早速ユーベルコード【女神降臨Advent of Goddess】を発動させたのである。
「苦痛の女神よ、我が身に依りて顕現せよ!」
 ここから先は一方的な展開になった……といっても片方がもう片方を瞬殺したとかではない。むしろ逆であった。落雷IIがいかな攻撃をしようとヴィルデに全くダメージを与える事ができないのだ。必殺の対戦車ガトリング砲も空対地ミサイルもヴィルデは不動のまま全て受けきっている。
『こ、こいつ不死身ウサか!?それとも……』
 さすがに落雷IIの性能に疑問を抱いてしまったトランプ兵は半壊した要塞に退かざるを得なかった。実際はといえば、落雷IIは確かに無敵だった。だが。
「ああん、もうちょっと味わいたかったわぁ」
 それ以上に全ての苦痛を受け止める女神モードのヴィルデが攻撃に対してあまりに無敵すぎたのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

終焉勇者・エンドブレイバー
「創世神イヴ・ザ・プリマビスタ様!どうかわたし達をお導きください!」

妖精さんに、敵要塞内の偵察と破壊をお願いします!
ユーベルコード「万軍の門奥義」を使用し、オーラの城門から英霊の軍勢を呼び出し、星霊グランスティードに騎乗させ、拠点防衛陣・包囲連携陣・蹂躙殲滅陣・疾風怒濤陣を戦況に合わせて切り替えて攻撃します!
更に、イマジネイションオーラで無敵の超巨大ドラゴンを想像から創造して敵の対地攻撃機と戦わせます!超音速で空を飛び、首が何本もあって、それぞれ色んな属性のブレスを吐いて、例え首を切られても瞬時に再生するスゴイツヨイドラゴンです!

妖精さんに道案内をお願いし、抜け道とかあればそこから侵入します!



●誰でも最初は初陣である
「創世神イヴ・ザ・プリマビスタ様!どうかわたし達をお導きください!」
 掛け声も勇ましく戦場に現れたは終焉勇者・エンドブレイバー(運命と創世神に導かれ覚醒した偉大なる伝説の超勇者!・f42548)。名前の通りの勇者である。なんでも激闘に倒れた際に創世神の導きを受けて猟兵となった……という認識で良いのだろうか。かつて偉大なる伝説の超勇者と本当に呼ばれていたのかはちょっと情報が不足しているのでわからないが、少なくとも猟兵としては今回が初陣のようだ。以前どんなにすごかった人でも猟兵になったら1から成長し直しになってしまい、一時的にはむしろ弱くなってしまう事すらあるのはその特質上仕方がない。だがそれは誰もが辿らねばならない道だ。実際エンドブレイバーを導いたらしい創世神も猟兵となった際にはやはり1からやり直しになったのだ。果たしてエンドブレイバーが偉大なる伝説の超勇者となる事ができるのか、そして創世神と肩を並べて戦う日が来るのか。それは今後の楽しみにとっておくとしょう。ともあれエンドブレイバーは要塞の前に立った。
「妖精さん!敵要塞内の偵察をお願いします!」
 エンドブレイバーが送り込んだ妖精によれば、既に猟兵たちの活躍で半壊状態に陥った要塞内はかなりの混乱ぶりを見せてはいたが、それでもさすがは歴戦のオウガ、相当な損害を受けつつもいまだその士気は落ちてはおらず、問題ないとは言えないが戦闘は継続できる状況らしい。あと一押しが必要なようだ。ならばとエンドブレイバーは妖精さんにそのまま破壊行動に移る事を命じつつ、自らも動いた。
「英霊たちよ!呼び出しに応じてください!」
 エンドブレイカー世界の城塞騎士が使った『アビリティ』に【万軍の門】というものがある。それはオーラの城門から英霊の軍勢を呼び出すというものだったが、エンドブレイバーが使ったのはそれをユーベルコードの領域まで昇華したものであった。【万軍の門奥義】とでも呼ぼうか。呼び出された城門は10基、それらが1基につき軍勢を10回召喚できるので、出現した軍は100隊だ。いずれ実力を上げれば文字通りの万軍を呼ぶ事もできるだろうが、今はまだこれだけのようだ。現れた部隊は馬型の星霊グランスティードに跨り敵陣めがけ一直線に走った。
『敵襲ウサ!』
 数重なる破壊工作に加え、今もまた加わった妖精の破壊活動に対処しつつも、うさうさトランプ兵たちは新たに現れた軍団に素早く対応し、たちまち集団戦とあいなった。適宜陣形を変えつつ攻め込んでくる英霊たちにも一歩も退かないあたりはさすがに歴戦の兵士といったところであろうか。さらに攻撃機まで飛んできて、さすがの英霊たちも危うい、と思われたが、エンドブレイバーはちゃんと対策を立てていた。
「攻撃機がこのスゴイツヨイドラゴンに勝てるかな?」
 落雷IIに立ち向かったのはエンドブレイバーが想像力で作り上げた巨大な多頭の飛龍であった。双方とも想像力による創造物である。当然のように激戦となった。互いに苛烈な攻撃を行いつつ、ダメージを負ってもすぐさま復活するという有様でなかなか決着がつきそうにない。スゴイツヨイドラゴンはスゴイツヨイので復活するのはわかるが、一方で落雷IIの原型となった機体も数多くの不死身伝説で知られているのだ。だがこの空中戦は決着しなくても良い。強力な敵を引きつけさえしておけばそれで良かったのだ。決着は地上戦だ。
「みんな、侵入するならあそこからだよ!」
 妖精の連絡で敵要塞の隙を知ったエンドブレイバーは、英霊たちが敵兵を食い止めている間に、一軍とともにそこから侵入した。そして自ら勇者の剣を振るい、敵要塞を存分に破壊したのである。あと一押しで敵は壊滅するだろう。初陣としては十分な戦果といえた。
「これで少しは伝説の超勇者に近づけたかな?」
 一仕事終えたエンドブレイバーは満足気な笑顔を見せたのだった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エーファ・マールト
ハンドパペットのカーニェさん。来ましたよ……再演! えーっと猟書家!「駄夢魔ァ! 何も覚えてねえじゃねえか! めちゃくちゃ突っ込まれてたろうが……!」最近猟書家の新事実が明かされてたことですし、はじまりの猟兵さんには感謝ですね!
さてさて、ウサウサ。なんかめちゃくちゃ戦場に放り込まれてしまいましたよ。ウサウサ。元々バニー服ですからウサウサはいいんですけどね。拍手の一つでももらわないと潜入が下手な方みたいに
大砲発見! 《四角四方の大劇場》で大砲マジック、人間砲弾の大魔術と行きましょう。えいっ(すぽっ) そのまま発射されて、小銃の弾丸嵐を掻い潜り奇襲しちゃいますよ! なぜ無事かって? ちっちっち、だから手品、イリュージョンなんですよ♪



●イリュージョンだから
「ハンドパペットのカーニェさん!」
 エーファ・マールト(魔道化ピエロ黒兎カーニェとその助手本体・f28157)は左手の黒兎なハンドパペットに話しかけた。称号からすればメインがハンドパペットのカーニェで、エーファはその助手であるらしい。それが設定なのか本当なのかはいまだに明らかではない。
「来ましたよ……再演!」
 再演。そう、エーファはカーニェとともにあのチャンピオン・スマッシャーと戦った事が確かにあった。そしてその際の戦い方は実に曲芸めいた、あるいは奇術めいたものであったのだ。本来強敵である猟書家との戦いも、エーファにとっては培ってきた技術を披露するためのステージに他ならなかったのかもしれない。
「えーっと相手はたしか……」
 エーファ、頭を抑えつつ小考……そして。
「猟書家!そう、猟書家です!」
『駄夢魔ァ!』
 早速カーニェのきつめのツッコミが入った。
『何も覚えてねえじゃねえか!めちゃくちゃ突っ込まれてたろうが……!』
「最近猟書家の新事実が明かされてたことですし、はじまりの猟兵さんには感謝ですね!」
 怒られた事などまったく堪えていないように平然と笑顔で述べるエーファ。そうなんですよねえ。猟書家こそ第三の猟兵で、しかも現状ではほぼほぼ壊滅状態とは。感謝と同時に驚愕もあったものです。まあ生き残った猟書家が何してるのかはわからないですが、少なくともチャンピオン・スマッシャーは復讐とかそういうのは別に眼中になく、ただただやりたいようにやっている感じではあります(筆者の世界観ではの話であり他マスターがどう考えるかは不明ですが)。
「さてさて、ウサウサ」
 ともあれ。エーファが周囲を見回すと、既に戦いの真っ最中。かつては立派だったであろう要塞はほぼほぼ破壊されている状況だし、あちこちで戦っていたり、あるいはもうすぐ骸の海に戻るであろう倒れていたりなうさうさトランプ兵たちの姿。
「なんかめちゃくちゃ戦場に放り込まれてしまいましたよ。ウサウサ」
『どうでもいいがお前そんな語尾だったか?影響されすぎなぜ駄夢魔!』
「元々バニー服ですからウサウサはいいんですけどね」
『新手ウサ!』
 さすがに戦場である。エーファはあっさりと発見されて複数の兵士たちに自動小銃を突き付けられた。
「うーん、まだまだ元気ですね」
『当たり前ウサ!我々はやればできるウサ!』
 敗色濃厚だがまだまだ敵の戦意は高く、それを示すかのように着用されたゴーグルは光輝いている。これは敵がユーベルコードを使用している合図であろう。ただでさえかなりの射撃性能を誇る自動小銃は、今やワンマンアーミーと呼べるの程の力を有しているとブリーフィングで伝えられたような気がした。
「うーん、拍手の一つでももらわないと潜入が下手な方みたいに」
『言ってる場合か!なんとかしろ!』
 こんな状況であってもあくまで平静のままでいられるのは余裕なのか馬鹿なのか。たださすがに余裕だけで切り抜けられる状況ではない。カーニェに怒られるまでもなく、なんとか抜け出す方法を探さねば、とあたりを見回してみたら、視線の先には訓練用の大砲。
『ホールドアップウサ!』
「さてさて、ここからはまばたき禁止ですよ♪えいっ♪」
 銃を構えたまま包囲を輪を狭めようとするトランプ兵を前にして、思わぬ素早さを見せてエーファは大砲の中にすぽっと潜り込んだ。
『ちょ、ちょっと待つウサ!』
 さすがにこれにはトランプ兵もびっくり。
『いや素早いのはまだわかるにせよ、ちょっとその大砲は人が入るには小さすぎやしないかウサ!?』
「これこそ手品、イリュージョンです」
 イリュージョンじゃ仕方ない。実際これこそエーファのユーベルコード【四角四方の大劇場クロースアップ】の効果なのだが、やはり敵さんとしては納得いかないわけで。
『ならばその大砲を墓場にしてくれるウサ!撃て撃て!』
『ウサ!』
 たちまち巻き起こる弾幕の嵐。だが弾幕が大砲もろとも中の人を破壊する前にエーファは人間砲弾と化して発射された。超高速の人間砲弾は弾幕の嵐を中を搔い潜って進み、トランプ兵たちをまとめてなぎ倒すと、そのまま崩壊寸前の要塞に叩き込まれた。大爆発とともに今度こそ要塞は完膚なきまでに崩落する。そしてがれきの山の中央で。
「はいっ!拍手をお願いしまーす!」
 何事もなかったかのようにポーズを決めるエーファ。
『な、なぜ無事ウサかッッッ』
「ちっちっち」
 愕然とした生き残りのトランプ兵の前で、エーファは二本指を振った。
「言ったじゃないですか、だから手品、イリュージョンなんですよ♪」
 うん、イリュージョンなら仕方ないね。ともあれ。
『こ、こうなっては仕方ないウサ!転進ウサ!』
 基地は完全崩壊、部隊はほぼ壊滅とあってはさすがにこれ以上の戦闘は不可能だろう。生き残りのうさうさトランプ兵たちは方々の体でアリスラビリンス奥深くへと逃げ込んでいった。仮に再起を図るにしても当分先の話になるだろう。その時はまたグリモア猟兵の誰かが予知してくれるんじゃないかな。

大成功 🔵​🔵​🔵​




第2章 ボス戦 『チャンピオン・スマッシャー』

POW   :    グローリーチャンピオンベルト
自身の【チャンピオンベルト】が輝く間、【自身】の攻撃回数が9倍になる。ただし、味方を1回も攻撃しないと寿命が減る。
SPD   :    キス・マイ・グローリー
【プロレス技】を放ち、レベルm半径内の指定した対象全てを「対象の棲家」に転移する。転移を拒否するとダメージ。
WIZ   :    アイ・アム・チャンピオン
自身の【攻撃を回避しないチャンピオンとしての信念】の為に敢えて不利な行動をすると、身体能力が増大する。
👑11
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●有刺鉄線ミリタリーデスマッチ
『な、なんだこれは!私が勧誘するはずだった兵士たちはどこへ行った!?』
 遅れて到着したチャンピオン・スマッシャーは愕然とした。だが猟兵の姿に、すぐさま何があったのかを悟ったようだ。
『おのれ!私の弟子となるはずだった者たちを!こうなったら俺が直々にお前たちを倒して弟子にしてくれるわ!』
 わりと飲み込みも切り替えも早いようだ。ついでに言うと舞台が整うのも早いようで、いつの間にか戦場の有刺鉄線を利用したリングができあがっていた。
『この俺が今とっさに考えたミリタリーデスマッチ!これを受ける度胸があるならかかってこい!まあ受けなければお前たちの負けになるのだがな!』

 ミリタリーデスマッチ。
 文字通り、ロープのかわりに有刺鉄線が張られたリングが戦場である。それだけならまだしも、マットすらないので地面に叩きつけられた時のダメージは普通のリングより大きいし、結構凹凸があるので走りづらいだろう。また破壊されたはずの大砲は健在なようで(もともと生きていたのかチャンピオンが復活させたのかは不明だが)、それが不規則なタイミングで飛んでくるのでそれにも対処しなければなるまい。
 そしてチャンピオンの能力は以下の3種類だ。
【グローリーチャンピオンベルト】は自らの攻撃回数を9倍にするというものだ。ただでさえチャンピオンのパワーとテクニックから繰り出される技は強力なのに、それが9倍となったら恐ろしすぎるだろう。今回チャンピオンには弟子がいないため、弟子に1撃与えて寿命が縮むデメリットを回避する技は使えないが、そも短期決戦ではそれほどのデメリットにはならないだろう。
【キス・マイ・グローリー】はプロレス技を放つものだ。プロレス技なら近接しかないと思いきや、これの射程距離は300m以上ある(猟兵の成長限界の倍換算)。しかも技をかけられた者は『自分の棲家に強制送還』『追加ダメージ』のいずれかを選ばねばならない。むろん敵を前にして強制送還を選んだら赤丸3つは免れまい。ダメージを受ける以外に良い方法はあるだろうか。
【アイ・アム・チャンピオン】は相手の技を回避しない事で自らの力を上げるという実にプロレスラーらしい技だ。生半可な攻撃はダメージ以上にチャンピオンの力を上げてしまう事だろう。またチャンピオンはこれを猟兵の技のみならず、設置された有刺鉄線や大砲等に対しても使用するようだ。すなわちただ時間が経つだけでもどんどんチャンピオンが強化されるのだ。対策は急務だろう。

 以上、さすがは元猟書家だけあってかなりの強敵だ。が、チャンピオンとて思い付きで作ったリングであるからその全てを使いこなせるとは言い難いだろう。戦場にありそうなものを適切に利用できれば猟兵にとっても有利になるかもしれない。ちょっと頭の中に置いておくと良いだろう。あと一応チャンピオンはプロレスやる気まんまんだが、それ以外の戦い方を選んでもしっかり対応はしてくるので、猟兵としてはプロレスやってもやらなくてもいいよとは書いておきます。ちょっとやってほしい気持ちはなくはないけど。なくはないけど!!
 ともあれ、こいつをなんとかしてくださいお願いいたします。
夢ヶ枝・るこる
■方針
・『祭器』召喚継続
・アド/絡◎

■行動
敵方の得手に合わせる理由は有りませんので。

攻撃力と回数に優れるなら「攻撃の機会を奪う」と参りましょう。
【匸勹】を発動、『祭礼の女神紋』により自身と全『祭器』を認識出来ない状態にし、『FPS』で行動を察知、攻撃用の各『祭器』でリング周囲を囲い知覚不可のオールレンジ攻撃を行いますねぇ。
問われた際に答える必要が有るのは「自身の所在」、『祭器』の配置を回答する必要は無く、回答直後に『FIS』で転移すれば、声を頼りに狙うことも出来ません。
後は「当たるを幸いの無差別攻撃」を探査を元に対処、『〈虚音〉』で『砲台』等の仕掛けを一時『祭器』化して制御し一斉に叩きますぅ。



●異種格闘技戦
『なんだお前!関取か!』
 夢ヶ枝・るこるを見たチャンピオン・スマッシャーの第一声がこれであった。かつてるこるはチャンピオンと戦った事があるが、あの時のチャンピオンと今回のチャンピオンと同一人物でありながら別人なので、その時の記憶はチャンピオンにはないようだ。ともあれ、るこるのわがままなボディは猛稽古と過剰な栄養で作られたものではないのでチャンピオンの言葉は大外れであった……いや栄養分は関与しているかもしれないが。
『相撲取り出身ならレスラーとして大成する事もあろう!私が一から鍛えなおしてやろうではないか!まずは関取体型をプロレスラー体型にする事からだ!チェンジ・ザ・ボディー!!」
 確かに日本プロレスの父と呼ばれた偉大なレスラーは相撲出身だし、他にも相撲出身の名レスラーは多い……が。
「お断りしますぅ」
『何?』
「敵方の得手に合わせる理由は有りませんので」
 るこるはきっぱりと拒絶した。そしてリングに入る事なく祭器の数々を並べて戦闘の構えだ。いかに顔や性格や体型がゆるかろうと、その意思は存外強固なのだ。なんとなくこういうシナリオだとプロレスやった方がいいのかなーな雰囲気に流されて普段白兵戦やらないような人がプロレスやってしまうような事はままあるが、それに縛られることもないし、それでチャンピオンが言うように戦わずして負けという事はないだろう。それに村の時よりはプロレスしなければって空気も薄いだろうし、アスリートアースのダークレスラー相手ならさすがにプロレスやらなきゃまずいだろうけど……そういえばそのアスリートアースのプロレスでも(ノールールだったといえ)まったくプロレスやってなかったんですわこの子。
『ふん、真正面からの戦いから逃げるか、それも良いだろう!だが覚えておくがいい!プロレスから逃げる者は人生からも逃げ続け、みじめな最期を迎えるのだ!』
 チャンピオンの主張は間違いなく自分勝手なものだ。それでもその力だけは本物である。そしてそれをさらに強化すべく、腰のベルトが光を放ち始める。その威容はまさしく【栄光のチャンピオンベルトglory champion belt】と呼ぶにふさわしいものであった。
「誰も逃げるなんて言ってないんですけどねえ」
 るこるは冷静にブリーフィングで聞いた相手の能力を思い出していた。相手のユーベルコードは攻撃回数を9倍にするという恐るべきものだ。ならば。
「攻撃力と回数に優れるなら『攻撃の機会を奪う』と参りましょう。大いなる豊饒の女神の使徒の名に於いて、窺いえぬ祝福の帷帳を此処に」
 そのユーベルコードの名は【匸勹】といった。匸は隠す事、勹=包である。読みの『エンペイノイバク』は『掩蔽の帷幕』であろう。そして次の瞬間、るこると大量の祭器の姿は消え失せたのであった。
『こ、これは!』
 さすがのチャンピオンもこれには驚愕した。そりゃあチャンピオンとて透明人間と試合をする機会などそうはあるまい。ちなみに驚くべき事に実際のプロレスでは透明人間との戦いはわりと頻繁に行われている。ただまああれはあれで……いやいや本当にやってるんですよ透明人間と。そういうことにしといてください。
『おのれ!姿を現せ!どこにいる!』
「私はここですよぉ」
 虚空よりるこるの声。これは決してナメプの類ではない。このユーベルコードは他者から認識されなくなるが、所在を問われたら大声で返事をしなければならないという縛りがあったのだ。それでは使いづらいだろう、と、筆者は思っていたのだが。
『そこか!見えなくとも場所さえ分かれば!』
 早速チャンピオンはロープをつかむと、その巨体に見合わぬ運動神経でトップロープに飛び乗ると、そのままスワンダイブ式ドロップキックで声のあたりに突っ込んでいった。多少目標がずれても9回攻撃で絨毯爆撃を行えば一発は当たるだろう、という計算高いのか大雑把なのかはわからないが効果的でありそうな手段を取った。人間地対地ロケットが絨毯爆撃を行う……が。
『ぐはぁ!!』
 結果チャンピオンはマットもない地面にまともに叩きつけられた。絨毯爆撃は一撃たりともるこるをとらえることがなかったのだ。
『どこだ!どこにいる!』
「こちらですよぉ」
 声は全く離れた所からだ。ありえない。一体どんな速度で動いているのだ、と困惑するチャンピオン……答えを言えば、るこるは返事をした後で転移用の祭器で動いたのである。なるほど確かに返事してもずっと同じ場所にいる必要はないわけだ。さらに言うなら。
『そこか!ええい今度こそ動くなぐはあッッッ』
 そう。隠したのは本人のみならず攻撃用祭器もであった。そして祭器は返事ができない。そうかそういう手があったのか、使いようだなあと筆者はえらく感心し、そしてチャンピオンは。
『ええい感心なんかするな!ならばこうだ!』
 見えないならばさらに絨毯爆撃の範囲を広げるしかない。チャンピオンはまるで分身の術を使うかのように四方八方にミサイルキックを飛ばす……が。その動きは全てるこるに察知され、的確に祭器による砲撃を受ける。しかも、しかもだ。
『な、なんかさっきから砲台が私ばかり狙ってる気がするぞ!』
 本来ランダムに放たれるはずの砲撃が、正確にチャンピオンを狙ってくるのである。そう、るこるはしっかり砲台のコントロールも得ていたのだ。今や戦場全てがチャンピオンの敵になっていたと言っても過言ではあるまい。
『おのれ!だが俺はプロレスで負けたわけではないぞ!』
「ですからプロレスをするつもりはないと申しておりますのに」
 思想は最後までかみ合わなかった。が、この場での勝敗は明らかだ。るこるにはそれで十分であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

中嶋・李良
心境
……いじめっ子みたいだ。あぁ、思い出しちゃったよぉ。泣けてきちゃったよぉ……
【すすり泣きしてたら急に怒り出す】
ムカつくなァ!
強引で意地っ張りで……あー言うのは殺しておかないとダメだ。ヨシ、殺そっと。
毒なんかで手軽に殺せちゃあだめだ。
徹底的に、泣いて叫んで襤褸雑巾になるまでずっと痛めつけなきゃ許せないよねェ!

行動
バカにされてた頃とは違うんだってことで、自作のミニチュアとか飛行船でアイツの目などの柔らかそうな部位を銃撃したりするよ。
最悪、飛行船をアイツにぶつけて爆発させるのも良いかも。
出来る限り、全力で飛行船団を操ってどうにかしようとしてるかも。
機種とかそういう細かいところはお任せするね!



●機種指定するなら旧ソ連あたりかなとも思った
 中嶋・李良がチャンピオン・スマッシャーを見て思ったのはこれであった。
「……いじめっ子みたいだ」
 まあ言わんとする事はわかる。ただでさえでかいし、なんかえらそうだし。しかもプロレスといえば今は知らないが昔はパワハラがほぼ常態化されていたような有様だ。どうも日本プロレスの父と呼ばれてた人が相撲出身で、で相撲といえばパワハラなわけだから、その悪しき(とあえて呼ぼう)風習をそのまま取り入れてしまったようで。そんなわけでチャンピオンは自身の団体を持っているわけではないが、まあオブリビオンだし間違いなくパワハラ気質はあるだろうし、強制的に弟子にされた人は間違いなく地獄を見るものと思われた。それを耐え抜いた者は立派なプロレスラーになれるんだとは思うけど、別にプロレスラーになる気などない李良にとってはいじめっ子以外の何物でもないのだった。では逆にチャンピオンが李良を見て思ったのは?
『ほう、トラか』
 確かに李良はトラ獣人だ。獣人戦線世界で言う所の階梯は現時点では不明だが、トラである事は間違いない。トラ獣人といえばつい最近獣人戦線でおおいに暴れ回った有頂天道人を思い出す者もいるだろうが、プロレスラーにとってはまた別の意味があったのだ。
『ならばあの伝説のレスラーになれるかもしれないということだ!』
「え?」
 李良にはまったく意味が分からなかったに違いない。実はかつて虎のマスクをかぶった伝説的なプロレスラーが存在したのだ。で、先に挙げた有頂天道人がサイバネを捨てて渾沌一本で戦うようになった時に黄色から白へと体毛を変えたように、そのレスラーもまたスタイルをルチャリブレか総合格闘技的なものに変えた時に、黄色い虎のマスクが白いものに変わったという事があったのだ。
『タッパはないが、鍛えれば技と敏捷性はどうにかなろう!』
「ええっ!?」
『この私がお前を立派なルチャドーラに育ててやろう!私についてくるがよい!』
「……あぁ、思い出しちゃったよぉ。泣けてきちゃったよぉ……」
 チャンピオンの強引すぎる態度が何かに触れたのか、突然泣き出す李良。そして。
『なんだなんだ?そんな事じゃあ立派なプロレスラーにはなれないぞ!やはりこの私が一から』
「……ムカつくなァ!」
 今度は突然ぶち切れた。余程触れられたくない過去に偶然触れてしまったがゆえの悲しみからの思い出し怒りである。ただその殺意は過去の人間にではなく、現在眼前に立っている相手に向けられる事になったようだ。
「強引で意地っ張りで……こー言うのは殺しておかないとダメだ」
『ようやっとやる気になったようだな』
 純粋な殺気にむしろチャンピオンは凶悪な笑顔を向けた。良い殺気を見せる相手ならば、叩きのめせば良いレスラーになるとでも判断したのであろうか。むろんその根底には、自分が負けるはずがないという自身への絶対的な自信があるわけだが。
「ヨシ、殺そっと」
『能書きはいい、かかってこい』
 有刺鉄線のリング内でファイティングポーズをとるチャンピオンだったが、むろん李良にはプロレスをやるつもりなどさらさらない。先刻の猟兵もそうだったが、たしかにチャンピオンの流儀に合わせる理由など猟兵にはないのだ。ましてや。
「毒なんかで手軽に殺せちゃあだめだ。徹底的に、泣いて叫んで襤褸雑巾になるまでずっと痛めつけなきゃ許せないよねェ!」
 そういう相手なればこそ、である。あるいはそういう相手だからこそ相手の土俵で叩きのめした時の喜びもまた大きいというのはあるかもしれないが、まあそこは考え方というやつであり何が正解かなどないだろう。
 ということで。李良は早速小型の戦闘機や飛行船を大量に召喚した。
「あの頃のぼくとは違うんだ!とことんやるよ!」
 その名は【手工制作的飞行船队】……某機械翻訳では『手作りの飛行艦隊』と出た。李良的には『お手製飛行船団』と読むらしいが、まあ同じだろう。ともあれ、その数610機。小型とはいえこれだけ数がいればなかなか壮観な光景である。
『ふん!質より量か!いいだろう!ならば私はその攻撃を全て耐えきってみせよう!』
 チャンピオンはガードを解いた。その姿、まさしく我こそ王者なりI am championと宣言しているようだ。回避を捨てて敵の攻撃を受ける事で能力を上げるユーベルコードで飛行船団の攻撃を全て受けきり、しかる後に極限まで上昇した戦闘力で一気にカタをつけようというハラのようだ。
「行っけぇ!」
 その光景は映画やドラマの特撮で巨大な怪獣に飛行機が殺到する光景を思い出させるものであった。ああいうものだと巨大怪獣に通常兵器は全くとは言わないがごくたまにしか有効ではないものだ……が。
『ぐはぁ!!』
 豆鉄砲を想定していたチャンピオンが思わず顔を抑えた。李良はチャンピオンの目を狙ったのだ。プロレスでは確実に反則な目への攻撃はさすがに効いたようだ。これでも眼球が潰れていないあたりはさすがといったところだが、でも痛いものは痛いのだ。
「よし効いてる!このまま攻撃だー!」
 その後も李良はチャンピオンの弱い部分を狙って攻撃を続けた。なかなか精密なピンポイント攻撃は難しいが、そこは数でカバーだ。なにせ目以外にも人間の急所は数多くあるわけで。例えば。
『だ、だがこのようなことでは……はうあッッッ!?』
 今度はチャンピオンは両足の間にあたる部分をおさえた……まさに外道!!いやそりゃあプロレスにだって急所攻撃はなくはないけど、それはもうちょっとタイミングとかいろいろと。いや繰り返すがプロレスではないのだこれは。さすがに事ここに至ってはチャンピオンとて防御を捨てる事ができなくなったようだ。
『く、こ、この私がこんな屈辱をッッッ』
「今だ!みんな突撃~!!」
 敵の能力上昇を防げた事でここが好機と見た李良は全機をチャンピオンに突撃させた。大量の小型飛行機が、飛行船が、空対地ミサイルのように次々にチャンピオンに激突していく。そして大爆発。
『ぐおおおおおおおおお』
 これでもまだ生きているのだから猟書家は侮れない。それでも李良のトラウマやストレスを多少なりとも発散させる事はできたであろう。そう思いたい。

大成功 🔵​🔵​🔵​

建依・莉々
乱入/タッグ、ウェルカム♪

「バーガー残ってないの? むー!」
「鉄線は別に平気。でも衣裳破けちゃうの、ヤだな。」

もふもふ猫耳ハーフマスクに尻尾つきフリル多めのルチャ衣装で参戦。ルチャドーラっぽく空中戦と行きたいところだけど、そんなスピードないし、何よりロープもないし。なら、自前で反動用意する♪

ちょこまか逃げ回って煽り、掴み→有刺鉄線への投げを誘います。ここでバウンドボディ。ボスに巻きつけたアホ毛を最大加速で縮め、超反動! 怪力全開のドロップキックを返します。終始ボス有利な展開からのカウンター、WIZは発動できないよね?

そしてスタンしているところにジャイアントスイング! 次の猟兵にタッチです。



●なにげにサブは力持ち
 建依・莉々はちょっと機嫌が悪かった。
「バーガー残ってないの?むー!」
 食べ放題だと思っていたら違った事がいまだに腹立たしいらしい。ただハンバーガー自体はあの戦闘の間に食べ尽くされたとも考えづらいから、あるいは戦いが終わった後に要塞のあった場所に言ってみたら完成品や材料がまだ残っている可能性はある。しかし要塞が全壊した時にハンバーガーもダメになってしまったとか、敵の生き残りが基地放棄を決めた時に持って行ってしまったとか、そういう可能性だってあるわけで。実際どうなのかはリプレイ内で触れる事はしないので各自のご想像にお任せしますということで。ただそれでも敵を前にしてはさすがに気持ちを切り替えざるを得ず、莉々はチャンピオンの前に立った。
『ううむ、プロレスラーとしてはかなりの小粒だな』
 一方、チャンピオン・スマッシャーの頭にあったのは、眼前の敵を屈服させて弟子にして立派なプロレスラーに育てる事だけであり、そういう視点から莉々を評価した。莉々は139.9cmと間違いなく小柄だ。ただ。
「小粒って、そもまだ11歳なんだけど」
 そう。莉々の成長期はまだまだこれからであろう。ブラックタールの成長曲線はちょっとわからないが、まあ人間と同じくらいと考えて大丈夫だろう。ともあれ猟兵やオブリビオンなら年齢や体格はあまり気にする事ではないかもしれないが、時として気にしても良い事もある。特にプロレスでは体格良い方が有利な事もあるから、果たして莉々の年齢や体格でプロレスができるかという問題があるかもしれない。が。
『11歳?なら十分プロレスできるぞ!』
「そうなの?」
 チャンピオンは事も無げに言い放った。実際プロレスラーの最年少デビュー記録は4歳だというから驚きだ。女子プロレスラーの最年少デビューは小学3年生らしい。莉々なら十分にプロレスやる資格がある……まああるんじゃないかな。
 そんなわけで。

『やる気十分じゃないか、実に良いぞ』
 改めて、莉々はもふもふ猫耳ハーフマスクに尻尾つきフリル多めというなかなか気合の入ったコスチュームで現れた。実に魅せる見た目はチャンピオンからもなかなの評価を得られたようだ。だがロープ代わりに張り巡らされた有刺鉄線を見て莉々の顔がやや曇った。
『なんだ?臆したか!そんな事では立派なプロレスラーにはなれんぞ!』
「んー、鉄線は別に平気」
 莉々はこう見えてもブラックタールなのでそのあたりは問題はないようだ。では何が問題かといえば。
「でも衣裳破けちゃうの、ヤだな」
 実際のプロレスラーのコスチュームは予備があるようだが、さすがに職業でプロレスやってるわけではない莉々にとっては間違いなく一張羅だ。たしかに破けるのはまずいかもしれない……まあそんな心配ができるのも勝ってこそである。どうにか服に引っ掛けないように莉々はチャンピオンの待つリングに足を踏み入れた。
(さてルチャドーラっぽく空中戦と行きたいところだけど)
 チャンピオンの巨体を見ながら莉々は考えた。ハーフマスクはやはりそっち方面意識だったのだろう。が。
(でもそんなスピードないし、何よりロープもないし)
『どうした?こないならこっちから行くぞ!』
 チャンピオンの巨体が莉々に迫る。これに捕まれてはたまったものではない。正面から行くのは愚策とリリは逃げた。ひたすら間合いを離し、攻撃をかわし、逃げ回り続けた。これは卑怯ではない。巨漢には真正面から行かない事。それは伝説的な覆面レスラーも認めている戦い方だ。
『おのれちょこまかと!プロレスラーなら攻めてこないか!』
「来てほしいならそっちから来ればいいじゃないの!」
 チャンピオンを挑発しつつ自分からは決して行こうとしないリリ。むろん逃げてばかりでは勝てるはずもない。どこかで莉々の方から仕掛けなければいけないのだが、そんな事は莉々とて百も承知。今はそのタイミングを必死で待っている所なのだ。莉々が狙うタイミングとは、すなわち……。
『ようやっと捕まえたぞ』
 さすがにチャンピオン級のレスラーから一生逃げ続ける事はできず、ついに莉々は捕まってしまう。そしてチャンピオンは莉々を抱え上げると、全力を込めた。
『食らえ!我が威光にひれ伏すがよいKiss my glory!』
 そして思い切り投げ飛ばした……が。
「って、え、ええ~!?」
 莉々は有刺鉄線に向けて投げ飛ばされる事を想定していたが、その軌道ははるか上であった。チャンピオンのユーベルコードは技を受けた相手に帰宅を強制するものだ。このまま世界を超えて自分の棲家に帰ってしまったら敵前逃亡で赤丸3つは免れまい。かといって帰宅を拒否したら、空中から受け身が取れない落ち方をしてしまう事は避けられない。しかも落ちる先は凹凸激しい地面だ。ダメージは相当のものとなるだろう。莉々危うし……だが。
「……そうか!当初の予定通りでいいんだ!」
 莉々が選んだのは落下ではなく、そのまま飛んでいく事であった。やがては空間も超えて我が家に辿り着くらしいが、果たして莉々は自ら敗北を選んだのか?
『馬鹿め!このままリングアウト負けを選んだか……何?』
 否。ここでチャンピオンは気が付いた。つい先刻まで莉々を抱えていた右腕に何かが巻き付いていたのを。その先ははるか天空、そう。莉々が飛んでいった方向だ。そして見よ。その方向から超高速で飛んでくる莉々の姿を。
「いっけー!!」
 莉々は一本ぴょこんと飛び出した髪の毛、俗に触覚とかアンテナとかアホ毛とか呼ばれるやつだ。それをチャンピオンに結んでいたのだ。そして思い切り投げられたのち、ブラックタール特有のバウンドボディで超反動をつけて必殺の一撃を食らわせる。これが狙いだったのである。莉々がSPD系を使用したからSPD系で返すというチャンピオンの行動が、結果的に莉々に利した形になったようだ。
『ぐっはぁ!!』
 莉々の両足がチャンピオンの顔面に突き刺さった。さすがにこれにはたまらずチャンピオンの巨体が崩れ落ちた。そこに体格差など関係ないとばかりにとどめのジャイアントスイングを決めてみせた。
「じゃ、次の人お願~い!」
 十分すぎる戦果を挙げた莉々は、チャンピオンが起き上がる前にと次の猟兵に場を譲ったのであった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ヴィルデ・ローゼ
「待っていたわよ、チャンピオン!」
颯爽とリングに入るわ。有刺鉄線とかわざわざ痛いものを選ぶなんて、趣味がいいわね。もちろん私は堂々プロレスに応じるわよ。

「どうやったって、他人とは迷惑の掛け合い苦痛を与えあうことになるとは思うわ。でも、意図的に危害を加えるのは違うと思うのよね。」
技と一緒に言葉も応酬して、『村』に執着する理由とか、彼の意図を汲みたいわね。オブリビオンを討伐するのに変わりはないと言えど、骸の海から蘇ってきた理由を訊くことに、意味はあると思うの。(UC発動)

「何度蘇ってきたところで、私が受け止め、祓ってあげる。」
最後は熊殺しでフィニッシュよ。



●ジャンキー
「待っていたわよ、チャンピオン!」
 実際、ヴィルデ・ローゼはチャンピオン・スマッシャーの登場を心待ちにしていたに違いない。これまでチャンピオンと戦ったのは4度。その全てが、苦痛の巫女たるヴィルデを非常に満足させるものであったからである。しかも、5度目の対決たる今回のリングはといえば。
「有刺鉄線とかわざわざ痛いものを選ぶなんて、趣味がいいわね」
 そう。ロープの代わりに有刺鉄線。床はマットではなく吹きさらしの地面。整地どころか小石すら取り除いていない、つい先刻まで激しい戦闘が行われていた戦場の地面そのものである。さらには不定期に大砲の弾まで飛んでくるというのだ。もしかしたら埋めたまま忘れられた地雷とかすらあるかもしれない。どれもこれもまともにくらってしまったら大変痛そうだ。そしてそれは苦痛の巫女であるヴィルデにはまさしく望むところであったのだ。で、前の猟兵のタッチを受ける形でヴィルデは堂々とリングインを果たした。むろんその際には有刺鉄線のトゲトゲの部分を思いっきり握っているし、なんならむき出しの肌にこすりつけすらしたかもしれない。
「あ~、い~い感触……」
『……いや、あったから使っただけなのだが』
 ヴィルデと戦ったチャンピオンは今回のとは同一人物でありながら別個体という事にはなっているが、それでも何度も戦った相手ということで、なんとなくおぼろげながらではあるがちょっとぐらい印象には残っていたかもしれない。そういえば痛いのを避けるどころかむしろ自ら積極的に受けたがる猟兵いたなあ、ぐらいの認識で。
「でも使うってことは、そういうことなんでしょ?」
『どういう事だ』
 実際どうなんだろう。とりあえずデスマッチで有刺鉄線に限らず痛そうなアレやコレやを使うのは、それで流血するのが視覚的にもわかりやすく痛そうであり、お客さんに迫力が伝わるからというのはあるだろう。ただそれが好きでやっているかといえば?例えば試合でアドレナリンがドバドバ出まくっている状態だと有刺鉄線やらの刺激が妙に気持ちいいって事はあるとかないとか。しかし日常的にはどうだろう。まああれだ、デスマッチ的なギミックを挙げるまでもなく、プロレスの技って基本的には痛いわけで。引退したとあるプロレスラーは、自分がそのような痛い技を受ける事についてはもうやりたくないと言っていた。ではなんで現役プロレスラーは耐えられるのかと聞かれひとこと「マゾなんじゃないか?」と答えたとかとか。
「やっぱりそういうのあるんじゃないの」
『いやいやいや……なんか変な方向に進んできたぞ。これ以上は許さん!』
 ともあれ勝負が始まった。なにせ何度も手を合わせてきた相手だ。そして両者とも技を受ける姿勢を見せたため、観客がいないのがなんとも残念な熱戦が展開されていた……とはいえ技を回避しない理由はそれぞれ異なるものであり、ヴィルデについては改めて説明する必要もないだろう。一方チャンピオンは相手の攻撃を回避しない事で自身の能力を上げる【アイ・アム・チャンピオン】を発動させるためであった。
「どうやったって、他人とは迷惑の掛け合い苦痛を与えあうことになるとは思うわ」
 熱戦の最中、ヴィルデはチャンピオンに問いかけた。
「でも、意図的に危害を加えるのは違うと思うのよね」
 それはヴィルデが崇める神の教えであろうか。確かに時として人間関係を続けていればそれで衝突する事もあろう。それを理由に他者との関係そのものを拒絶してしまう者もいるだろうが、普通は他者とうまいことやっていく事を選ぶものであろう。
『俺はただ強さを知らしめプロレスの頂点に立つだけだ』
 ではチャンピオンにとって人間関係とは何か?唯一それらしき関係は、今は亡きオウガ・フォーミュラこと鉤爪の男との主従関係ぐらいであろう。それが断たれた今となっては、強制的に『弟子』を作ってただただ勢力を広げる事ぐらいしかやる事がないのかもしれない。
「じゃあ、どうしてあの村に執着するの?」
 次のヴィルデの問いはたしかに疑問に思う者も多いだろう。チャンピオンがアリスラビリンスに登場したのは今回入れて12回。うち村を襲撃したのが6回。なんであの村にこんなに執着するのかなあ、って考えても仕方がない。
『決まってる、やられっぱなしが癪に触るからだ』
 いややられた他の場所にはもう出てないのになんであの村にだけ……まああんまり深い理由もないのかもしれない。まあなんにせよ理由が聞けただけでもヴィルデは満足する事にした。いずれにせよ、だ。
「何度蘇ってきたところで、私が受け止め、祓ってあげる」
 この結論には変わりはないのだ。互いの技に耐え、有刺鉄線や硬い地面に耐え、時折飛んでくる砲弾にも耐えつつ、激闘は続いていった。だがやがて身体能力を徐々に上げていったチャンピオンが優勢になっていた。
「く、くうっ……」
『どうした、立派なのは口だけか、やはり私の弟子になって鍛えなおした方が良いようだな』
「そ、そうは行きませんわ、苦痛の女神よ、痛哭の帳を此処に」
 ヴィルデが【追憶夜陰twilight of grief】を発動させ、出現した苦痛と夜の女神の紋章を見た瞬間、チャンピオンの脳内にありえない記憶が生まれた。それは今回のチャンピオンが知るはずもない、これまで村に攻め込んでは敗北を繰り返した、その記憶だ。知らないはずなのになぜかよーく知っている、その苦痛は、チャンピオンの足を止めるのに十分なものであった。
「人は苦痛で成長するもの、それを知らないあなたにとっては、これはただの重荷でしかないわ」
『こ、小癪な!』
 それでもどうにか足を前に出しヴィルデに突進するチャンピオンだったがその動きは鈍い。ヴィルデはその腕を取ると、その巨体をカウンター式に背負い投げに持っていき……ジャンプして尻もちをつくと同時に前方に投げ落とした。それは熊殺しという、まさに熊のような巨体を投げるに相応しい技であった。
『ぐはあっ!!』
 戦いが一段落つき、アドレナリンがおさまってきたヴィルデの全身に改めて疲労と苦痛が襲い掛かってきた。
「ああ……生きてるって感じだわぁ」
 うっとりとした顔でヴィルデはつぶやいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

エーファ・マールト
なるほどなるほど。どうやらプロレスがご所望のようですねこのチャンピオンスマ男さんは! このエーファ、カーニェさんのアシスタントとして大立ち回りを演じてみせましょう。ここからは瞬き禁止ですよ!
やられたー(任意の技で秒殺) ……しくしく、前より強くなってません? あえて不利な行動をしてくるとかヒールレスラー的にも完璧ですしね。潔くお家に帰らせていただきます
と見せかけて!《紅い蜘蛛の糸》発動!前にスマ男さんに勝った記憶を改竄して、瞬殺された失敗をなかったことにしますよ。タネが割れてしまえばどんな技も怖くありません。今度はうまくかわして必殺のカーニェバスターを決めます
「そんな技はねえ!」
ないらしいですけど、そこのところよろしくお願いします♪



●実際新技だいたいこんな感じだよね
 これまで『村』を襲ったチャンピオン・スマッシャーに対抗した今回の猟兵には、これまでとはちょっと違った傾向がみられていた。というのも、これまではチャンピオンがプロレスをやるという事があり、猟兵たちも基本的にはプロレスで対抗していたのだが、今回は舞台が戦場ということもあり、チャンピオンとの戦いはが急ごしらえで作ったリングのためかどうかはわからないが、プロレス以外の手段で立ち向かった者が半数いたのである。むろん重要なのはプロレスやる事ではなく勝つ事なのでやりやすいやり方をとれば良いとは思うのだが。で、エーファ・マールトはといえば。
「なるほどなるほど。どうやらプロレスがご所望のようですねこのチャンピオンスマ男さんは!」
『おいおいスマ男って誰だよ名前ぐらいちゃんと呼んでやれよ』
『誰がスマ男だ誰が』
 エーファの言葉にカーニェとチャンピオンが異口同音にツッコミを入れた。本当に、エーファの言動は演技なのか素なのか判断が難しい所だ……が。ただそれでも猟兵として体を張る意思は確かなようであった。
「このエーファ、カーニェさんのアシスタントとして大立ち回りを演じてみせましょう」
『アシってそりゃアシなんだがその言い方だと俺がプロレスやるみてえじゃねえか』
 確かに。普通はアシスタントってプロレス的な言い方だとセコンドか。そういう感じのイメージがあるから、アシスタントとかいうと試合中はリングサイドにいてレスラーに指示や声援を送ったり、時たまちょっと手を出したり(反則だけど)するわけだから、やはり実際に試合をするイメージがどうしても薄くなる感はなくもない……と思いきや。
『いやセコンドがメインぽいのは一応なくはないがな』
 さすがにチャンピオンはプロレスに詳しい。たしかに、たまーにセコンドがレスラーより立場上に見える場合もある。例を挙げる事はここではしないが。ともあれエーファもそういう立場のレスラーだと思えばアシスタントがリングに上がる事もなんら問題はないだろう。
『まあなんでもよいわ!とっととかかってこい!』
「言われなくても!」
 エーファはロープ代わりに張られた有刺鉄線の刺さらない部分を握りつつリングイン。そしてチャンピオンと相対した。ゴング代わりに砲撃の轟音が鳴り響き、それを合図に両者動き出す。
「ここから先は瞬き禁止ですよ!」
『能書きはいいからとっとと来い』
 体格差で圧倒的に上回っているチャンピオンに、勇敢にもエーファは真っ向から向かっていき、両者はがっぷり四つに組んだ。決して高身長とは言えないエーファがこの作戦を取ったというのは、余程の自信の現われか、ただの無謀か。そういやば前回チャンピオンと戦った時のエーファは確か……。
「い、痛い痛い痛いです!」
『おいおい』
 関節を取られて軽くひねられてエーファは苦痛の叫びをあげた。あまりの情けなさにさすがにチャンピオンも思わずリリースしてしまう。技を続けていたら瞬殺されていただろうか、そんな勢いの痛がり方であった。そのままエーファは場外へと転がっていった。
『逃げるな戦えこの駄夢魔ァ!俺のアシスタントとして大立ち回りはどうしたァ!』
「だってだって!明らかに前より強くなってませんスマ男さん?しくしく」
『泣くなぁ!!』
 あまりに情けないエーファの姿にカーニェの怒りも大きい。ちなみにオブリビオンに成長はないと思いきや、一応レベルだけなら『猟兵の成長限界の倍』ということになっている(この説を採用するかはマスター次第ではあるが)ので、確かに猟兵が強くなればオブリビオンもそれに合わせて強くなるものらしい。しかも、しかもだ。
「だってぇ!あれ見てくださいよ!」
『どうした口だけか、やはり私の弟子になって心身ともに鍛えなおされた方がいいんじゃないか?』
 エーファが指さしたリング上ではチャンピオンが飛び交う砲弾を我が身で受けながらリングに上がって来るようエーファを挑発していた。さらに有刺鉄線に自ら飛び込んでみせるパフォーマンスをやってみせた。無観客なのに。だがこれは無意味な行動ではなく【アイ・アム・チャンピオン】で自己強化を図るためなのだ。
「あえて不利な行動をしてくるとかヒールレスラー的にも完璧ですしね」
『そこをなんとかするのがお前の役目だろーが!どうにかしろ!』
 手をこまねていては戦力はどんどん広がっていくばかりだ。で、エーファの選択は。
「潔くお家に帰らせていただきますぅぅぅ」
『帰るなぁ~!!』
『……私が使ったのはキスマイグローリーだったかなあ……』
 よもや自ら逃走を選ぶとは。これにはさすがにカーニェはぶち切れ、チャンピオンは立場を忘れてあきれかえり。このまま赤丸3個になってしまうのか!?
「……と見せかけて!!」
 取って返すと颯爽とリングイン。そう簡単に尻尾を巻いたりしないあたりはさすがは猟兵である。
「さあ!今度こそ覚悟してください!」
『ようやっとやる気を出したようだな、だが私も容赦はせんぞ!』
 そしてリングに戻ってきたエーファに対し、チャンピオンは本当に容赦しなかった。もともとレスリングテクニックは圧倒的にエーファを上回る事は先刻の攻防でも既に証明済みだ。その上さらにユーベルコードの効果でその戦闘力をさらに上昇させているのだ。あっという間にチャンピオンはエーファを正面から組み伏せて前方から抱え込む、そのままエーファの腰に腕を巻きつけて思い切り持ち上げた。そしてそのままむき出しの地面に思い切り叩きつけた……必殺の投げっぱなしパワーボムだ。
「や、やられたー」
『ふん、でかいのは脂肪と口だけか!』
 プロレス特有の間も何もあったものではない秒殺劇だ。このまま赤丸3個になってしまうのか!?(2回目)否。エーファとてまるきり賞賛もなくリングに上がるはずはないのだ。
「……ですが!こんなこともあろうかと!」
 発動したユーベルコードの名は【紅い蜘蛛の糸spider's red】と言った。それは10秒以内の致命的な失敗をなかったことにするという強力極まりない効果を持つ。必殺のパワーボムのダメージはこれで無になった。だが強力な効果には強烈な反動が付くもので。
「……くっ!い、以前はあなたに負けましたが!今回は負けません!」
 それは幸福な記憶をトラウマに変換するというものであった。カーフェはチャンピオンに勝利した記憶を敗北のトラウマに改竄したのである。トラウマは増えたが、それでも危機は脱した。いわばそれは地獄に落ちた罪人を救う一本の蜘蛛の糸といったところだろうが、カーフェは無事それを登り切る事ができるのだろうか。
『あれ?あの時は確か私は勝ったんだったかなあ、まあ良い!今度こそ逃さん!』
 理屈も記憶もよくわからないが目の前の相手がダメージから回復した事だけは確かだ。ならばもう一度犍陀多のように地獄に送り返してやろうとチャンピオンは再びパワーボムを狙う。だが。
「タネが割れてしまえばどんな技も怖くありません!猟兵が一度見た技は二度は通用しない事はもはや常識です!」
『何!?』
 エーファはチャンピオンの腕をするりと抜けてその背後に立った。そして素早く組み付くと、チャンピオンの巨体を抱えて高々と飛びあがったのだ!
「今こそ必殺のカーニェバスター!」
『そんな技はねえ!!』
「……じゃあなんとかでっち上げます!」
 ツッコミを受けつつ、エーファはチャンピオンの巨体を空中で逆さにして複雑に固めると、そのまま落下して相手の脳天を地面に叩きつけたのだ。これにはさすがのチャンピオンもたまったものではない。あまりの大技に見ている者がいたら「ゲーッ!」とか驚いた事であろう。
『……おめー、こんなもんに頼るなんてよォ』
「いやあ、万一って来るものですね」
 勝つには勝ったが自らの記憶をトラウマに変換してまでの勝利にあきれるカーニェに、それでもエーファは笑顔を崩す事はなかった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ニコリネ・ユーリカ
武者修行は失敗に畢ったのよ、チャンピオン
貴方が弟子にする筈だったウサちゃんは頼もしいお仲間さんがやっつけてくれたし
私を含め多くの戦士がバーガーを食べて力をつけたわ。美味しかったわ
生来ファイターは牛丼とかファストフードでパワーを得るもの
必ずや玉座を揺るがしてみせる!

不可視の槍で自らを射抜いてUCを発動!
チャンピオンと同じ身長と体重になり、これまで懸念であった体格差を解消する
……骨格や肉質までは同じになれないんだけど(脇腹むにっ
やっぱりね、勝れた体格同士がぶつかると見栄えがするというか、諸々派手でしょ?
大きいは正義!の名の下に、真向パワー勝負を仕掛けるわ

ミリタリーデスマッチなんて、私が背負う村を思えば怖くない
大切な人が負うかもしれなかった痛みを浴び、力に変えてみせる!
相手と同じく有刺鉄線による刺撃、大砲の爆撃を喰らい
強化を得られずとも立ち上がる気合、打算なき意地を見せつけるの
身体の増幅と共に増強したスピードと知覚力を頼ってチャンピオンを捕らえ、投げーる!
おりゃ!お星さまになって飛んでいけー!



●救うために傷つくのが友情だから
『ぬおお!なぜだあッッッ』
 チャンピオン・スマッシャーは荒れていた。
 思えば今回の戦いは最初から不本意な事ばかりであった。当初攻め込もうとしていた村には入れない。弟子にしようとした見どころのあるオウガ達は到着前に猟兵によって壊滅していた。そして猟兵の戦い。何もかもが思うように進まない。フラストレーションは最高潮に達していた。それでも戦意と自信だけは折れる気配のないチャンピオンは絶叫した。
『ええい、誰でもいいから相手になってくれよう!かかってくるがよい!』
「武者修行は失敗に畢ったのよ、チャンピオン」
『貴様は!!』
 ニコリネ・ユーリカが投げかけた声で、チャンピオンは全てを思い出した。そうだ、チャンピオンがあの村に入れなくなったのは、現在新チャンピオンとしてニコリネがあの村に君臨しているからだ。いわば元凶のうちのひとり。むろん元凶はもっといるし、その中には今回参加した猟兵もいるわけだが。
「貴方が弟子にする筈だったウサちゃんは頼もしいお仲間さんがやっつけてくれたし!」
『おのれ我が弟子(になるはずだった者)たちを!』
 ニコリネの言葉にさらに怒気を強めるチャンピオン。どうやらチャンピオンの中では既に弟子扱いだったようだ。さらにさらにだ。
「私を含め多くの戦士がバーガーを食べて力をつけたわ」
『バーガーだと!?』
「さすが本場アメリカンなバーガー、とても美味しかったわ」
『美味いとかじゃない!バーガーは炭水化物過剰だ!プロレスラーたるものジャンクばっか食ってないでもっとプロテインを摂れ!』
 このあたりはプロレスラー的なこだわりであろう。例えば日本のプロレスラーがよく食べる『ちゃんこ鍋』はタンパク質を豊富に摂れるようになっている。アメリカのレスラーだと結構ジャンクフード食べる者も多いようだが、その分は粉末のプロテインで補うようにしているようだ。いずれにせよスイーツ好きで売るプロレスラーもいるぐらいだし、たまにはハンバーガーくらい食べたっていいかもしれないが、それで力をつけるというのはチャンピオンには許しがたい言い分だったようだ。だが。
「生来ファイターは牛丼とかファストフードでパワーを得るものよ!」
 チャンピオンの言い分は人間のレスラーの話だ。現代のすっかりエンターテイナーに毒されてしまったプロレスラーと違い、昔のプロレスラーは超人的な人物であり、そして超人的な人物はニコリネの言う通り、栄養学などに囚われずに自由に好きなものを食べてきた。日本代表なら牛丼を食べるしアメリカ代表ならハンバーガーだし中国代表ならラーメン(なぜか中国料理の拉麺ではなく日式ラーメン)だしインド代表ならカレー(なぜかインド風ナンカレーではなく日本風カレーライス)だ。へのつっぱりはいらんですよ。そしてニコリネはチャンピオンに人差し指を突き付けた。
「必ずや玉座を揺るがしてみせる!」
『よく言った!その挑戦受けてやろう!』
 なんか何事もなかったかのようにチャンピオンがチャンピオン(妙な言い方だ)でニコリネが挑戦者な形になっているが、よくよく考えたらあの村でニコリネはチャンピオンから王座ひとつ奪っているような気がするのでむしろチャンピオンの方が挑戦者(なんともややこしい)な気がしないでもないが、まあチャンピオンだからベルトのひとつやふたつ奪われてもずーっとチャンピオンのままという事でいいのだろう。そして玉座にいるからには狙われるのは当然の流れである。かつて将棋で3冠を持っていた名棋士がいたが、のち8冠となる若手にその全てを奪われた。持っているから奪われるのだ。
「行くわよ!」
 リングインするとニコリネはチャンピオンに真正面から挑んでいく。ニコリネも決して低身長ではないが、チャンピオンとの差は歴然だ。猟兵の戦いに体格は関係ないという向きもあるかもしれないが、ことプロレスにおいては体格が左右しやすい事は言うまでもないだろう。
『ほう、身長差を恐れず来るか、その意気や良いが、どこまでもつかな?』
「体格差があると思った?」
『……ん?花?』
 だがニコリネには秘策があった。殺風景なはずの戦場にどこからともなく花の馨が漂ってきたと思った次の瞬間、ニコリネの体が一気に巨大化し、チャンピオンと同じ体格になったのだ。これこそユーベルコード【Flowers for Charlie】の効果であった。
『なんだと!?』
 さすがにこれにはチャンピオンも驚愕。一方のニコリネはといえば。
「……まあ骨格や肉質までは同じになれないんだけど」
 脇腹むにむにしながらつぶやいた。さすがにチャンピオンほどの筋肉質にはなれないようだ。それでも気を取り直し、改めてチャンピオンに向き直った。
「やっぱりね、勝れた体格同士がぶつかると見栄えがするというか、諸々派手でしょ?プロレスでは大きいは正義だし!」
『おもしろい』
 チャンピオンの方も驚愕から立ち直ったようだ。自分と同程度の体格のものとやりあうというめったにない経験に、凶悪な笑顔を深くした。

 そして改めて始まった真向パワー勝負。互いに真正面から組み合い、殴り合い、投げ合い、極め合い、力と技を尽くした名勝負。まさに荒野の野獣決戦。その激戦たるや、観客がいない事があまりにも惜しまれた。いや、ある意味ではこの闘いがあの村で行われたわけではない事は幸いだったかもしれない。なにせこの闘い。
「くうっ!よ、容赦ないわね」
 プロレスの試合なのに大砲の弾が飛んでくるのである。これはさすがに観客を入れるわけにはいかない。そして大砲はニコリネたち猟兵が破壊し、チャンピオンによって復活させられたという経緯があるにも関わらず、ニコリネにチャンピオンの区別なく撃ちこんでくるのである。
『ふはは!やめるなら今のうちだぞ!』
 ただしチャンピオンは大砲の弾をノーガードで受け止め【アイ・アム・チャンピオン】の効果でダメージを上回る自己強化を行う事ができる。ニコリネにはそれがない。時間をかければかけるほど不利になるのは否めない。だがニコリネに恐れる心はない。
「ミリタリーデスマッチなんて、私が背負う村を思えば怖くない!大切な人が負うかもしれなかった痛みを浴び、力に変えてみせる!」
 チャンピオン同様にニコリネもノーガードで大砲の弾を受け、有刺鉄線を受け、そしてチャンピオンの攻撃を受け続けた。その気迫は、さすがのチャンピオンをも動じさせるものがあった。
『馬鹿な!王者たらんとする気迫あるわけでもないのに、ただ攻撃を受けているだけなのに、なぜ倒れない!』
 チャンピオンはダメージを自己強化に変えるユーベルコードを使っている。一方のニコリネはユーベルコードは使っていない。だがチャンピオンに王者たらんとする気迫があるのと同様に、ニコリネにもあるのだ。強化を得られずとも立ち上がる気合、打算なき意地が。誰に見られていなくても、あの村人たちは常にニコリネとともにある。彼らのために戦うという気迫。むこうはチャンピオン、こちらは村のチャンピオン。そこになんの違いもありゃしねぇだろうが!
『違うのだ!!』
「!!今よ!」
 チャンピオンに生じたわずかな気迫の揺らぎ。それをニコリネは見過ごさなかった。【Flowers for Charlie】はただ体格を変えるだけではない。本命は知覚力の大幅な上昇なのだ。同時に上昇した行動速度をもってニコリネは一気にチャンピオンに組み付くと、そのバランスを崩しにかかった。
『ぐっ!わ、私とした事が!』
「これでとどめよ!」
 チャンピオンはあっさりと大の字になった。さらにニコリネはその両足に組み付くと、腕力と遠心力をもってリング中央で大回転を開始したのだ。巨漢が巨漢を振り回すまさしく巨大な回転。ジャイアントスイング。
『ぐおおおおおおおおお』
「おりゃ!お星さまになって飛んでいけー!」
 記録タイの60回転で手を離すと、チャンピオンはそのまま遠くに飛んでいった。さらにそこに追撃するように砲撃が加えられ、まるで打ち上げ花火のような大爆発である。これはさすがにリング復帰は不可能であろう。

(……こ、これで終わりだと思うな……わ、わたしは必ずやまた……)

 場外20カウントを聞きながらチャンピオンは無念の表情で骸の海に還っていった。これだけの激戦の結末が場外リングアウト決着というのもまあプロレスらしくて良いのかもしれない。
「みんなー!勝ったわー!」
 そしてニコリネは同じ空を見上げているであろう村の仲間達に向けて笑顔で伝えるのだった。無論村の者たちは戦いがあった事すら気付いてはおるまい。しかし誰が知らずとも、猟兵たちが村の、そしてアリスラビリンスの危機をひとつ取り除いたのは紛れもない事実なのだ。猟兵たちにとってはそれで十分であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2024年07月28日


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🔒
#アリスラビリンス
🔒
#戦後
🔒
#【Q】
#チャンピオン・スマッシャー


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主はビードット・ワイワイです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト