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獣人世界大戦⑬～この俺に負けはない！

作者：ゆうきつかさ

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●獣人戦線
「カッカッカッ、どうやら、この場所に猟兵達が来るようだな。だが、甘い！　甘すぎる！　他の奴は知らんが、俺に勝てる訳がないだろ！　まあ、此処までは『王』と『師父』の思惑通り！　本田と黯党は、本気で俺から領土を奪えたと思っているだろう。だが、それは全て、幻朧帝国の中枢に深く食い込んでいる『王』の策略。俺達が本気で相争っていれば、始祖人狼は俺達を捨て置き、欧州に注力する事だろう。それにより、俺が『はじまりの猟兵』を探す時間を稼げるという寸法だ。それに、俺の『師父』は既に、『はじまりの場所』の目星をつけている。それ故に、はじまりの猟兵を見つけ出す事など簡単だ」
　コンキスタドール『有頂天道人』が勝ち誇った様子で、高笑いを響かせた。
　彼は「サイバー化」と「渾沌化」で己の肉体を強化し尽くし、圧倒的な暴力と智謀によって人民租界のサイバーマフィアを統率する、百戦錬磨のコンキスタドールである。
　コンキスタドール『有頂天道人』は、『師父』と呼ぶ何者かの命により、ワルシャワ条約機構や幻朧帝国を出し抜いて「はじまりの猟兵」に至ろうとしているようだ。
　しかも、有頂天道人と猟兵の決戦を察知し、人民租界の各都市を支配していたオブリビオンマフィアの幇大人達が道人のもとへ馳せ参じようとしているらしい。
　そのため、機械化義体で武装した彼らの波状攻撃をかわして振り切り、有頂天道人に一撃を入れなければならなくなった。

第1章 ボス戦 『有頂天道人』

POW   :    サイバネ殺法 undefined cyberne 【機械化義体でカンフー技】を放ち、命中した敵を【undefined】に包み継続ダメージを与える。自身が【中国拳法の構えを】していると威力アップ。 SPD   :    サイバー渾沌拳 undefined kungfu 【サイバー化した肉体】と【渾沌化した肉体】を組み合わせた独自の技能「【サイバー渾沌拳】」を使用する。技能レベルは「自分のレベル×10」。 WIZ   :    渾沌波動弾 undefined aura レベル秒間、毎秒1回づつ、着弾地点から半径1ｍ以内の全てを消滅させる【undefined】を放つ。発動後は中止不能。 👑11 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

●有頂天
「カカカッ！　マジで来たのか。正気か、お前等！　俺と戦って勝てる訳がねえだろうが！　それとも、あれか、頭の中がハッピーな奴らばかりか？　だったら、来いよ！　……掛かってこい！」
　有頂天道人がハイテンションで、猟兵達を挑発し始めた。
　どうやら、猟兵達が来るのを待っていたらしく、色々な意味でヤル気に満ちていた。
「……でしたら、何処からでも構いませんよねー？」
　そんな中、馬県・義透（死天山彷徨う四悪霊・f28057）がオーラ防御を展開しながら、騙し討ちを仕掛け、有頂天道人の体勢を崩した。
「……って、お前、やりやがったな！」
　有頂天道人がサイバー化した肉体と、渾沌化した肉体を組み合わせ、サイバー渾沌拳を繰り出し、義透を殴り飛ばした。
　幸い、義透がオーラを張っていたおかげで、何とか致命傷を避ける事が出来た。
「……」
　次の瞬間、義透が【四更・風（シコウ・フウ）】を発動させ、漆黒風（棒手裏剣）を発射した。
「グ、ググ……、生意気な真似を！」
　有頂天道人が首元に刺さった漆黒風を引き抜き、イラついた様子で牙を剥き出した。
「掛かってこいと言う割に、だいぶ焦っているようだね」
　鳳凰院・ひりょ（天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864）が、残像をバラ撒きながら、有頂天道人にマヒ攻撃を繰り出した。
「グガァァァァ、身体が……動かねぇ！　コイツは、一体……どういう事だ！？　動け……動け……動きやがれ！」
　その事に違和感を覚えた有頂天道人が、必死に体を動かそうとした。
　しかし、身体のあちこちがマヒしているせいで、ゼンマイ仕掛けの人形のような動きしか出来なくなっていた。
「……精霊王よ、俺に力を貸してくれ！明日への希望を見出すために！」
　ひりょが【精霊王乃太刀召喚（イダイナルオウノタチ）】で、精霊力を込めた携帯型破魔刀から、偉大なる精霊王の太刀を具現化し、有頂天道人の身体を斬りつけた。
「グガ、ガガガァァァァァ！　畜生っ！　よくも、よくも！　だが、今の傷で身体が……動く！」
　有頂天道人が唸り声を響かせ、不気味な笑みを浮かべた。
「あ、私の事は気にしないでください」
　そのドサクサに紛れて、リマリル・ビューウィン（常(駐)在戦場の商人・f43465）が有頂天道人の手下相手に商売を始めた。
　値段的にリーズナブルだったのか、手下達には大好評。
　まとめ買いをしてホクホク顔の手下もいたため、有頂天道人の表情が曇っていた。
「いや、この状況で『はい、そうですか』とは言えないだろう。こっちは真剣に命のやり取りをしているんだから……。お前達も何をやっている！　侵入者は、みんな殺せと言っただろ！」
　有頂天道人が呆れた様子で、手下達を叱りつけた。
　それに合わせて、手下達が半ばヤケになりつつ、捨て身の特攻を仕掛けてきた。
「えっ？　いや、そういうつもりではなかったんですが……。なんだか、雲行きが怪しくなってきたので、私は、この辺で」
　その事に危機感を覚えたリマリルが【ゴーイング・マイウェイ】を発動させ、絶対的な危機的状況から逃げ出す事に成功した。
「こら、待ちやがれ！　おい、お前等！　奴を追え！」
　有頂天道人がハッとした表情を浮かべ、大声を上げて手下を嗾けた。
　その指示に従って、手下達がフラフラと、後を追いかけた。
「んじゃ、君は私達の相手をしてもらおうか」
　ベルト・ラムバルド（自称、光明の暗黒騎士・f36452）がリミッターを解除し、存在感を示しながら、エスパーダ・アサエモン（呪われし細剣）を握り締め、貫通攻撃で斬り込んだ。
「そういや、そうだったな」
　有頂天道人が禍々しいオーラで、自分の身を守りながら、undefinedを放って、着弾地点から半径1ｍ以内の全てを消滅させた。
「うわ……、こんなの、当たったら、シャレにならないな。だからと言って、負けるつもりはないが……」
　ベルトが【ハイカラ・バトルセンス（ハイカラ・バトルセンス）】で、自身の移動力・攻撃力・身体硬度・勝負勘が上昇させ、鎧無視攻撃を繰り出した。
「カカ、カカカカッ、調子に乗るな！　こんなの、かすり傷だ！」
　有頂天道人がニヤリと笑いながら、傷口にペッと唾を吐き捨てた。
「……馬鹿にされたものね。唾をつけたら、治る傷でもないと思うけど……」
　仇死原・アンナ（処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978）が呆れた様子で、錆色の乙女（鉄塊の如き巨大剣）から斬撃波を放ち、有頂天道人の傷口をえぐった。
「確かに、そうだな。……否定はしねぇ。だが、それだけだ。さっきも言ったが、こんなの、かすり傷だからなっ！」
　有頂天道人がリミッターを解除し、内に秘めた殺気を解き放ち、猟兵達に恐怖を与えた。
「それで脅しているつもり？　確かに、他の人なら効果があったと思うけど、ワタシには無意味……」
　アンナが凍るように冷たい視線を送り、オーラ防御を展開しながら、【炎焔の処刑人（エンエンノショケイニン）】で、自らの身体を切り裂き、地獄の炎を噴出させて、全身を覆った後、命中・回避・移動を減少させ、攻撃・防御を強化し、有頂天道人に斬りかかった。
「ああ、そのようだな。だが、お前がさっきから狙っているのは、すべて残像だ。それじゃ、俺は殺せねぇぜ！」
　有頂天道人が素早い身のこなしで、残像を繰り出した。
「とりあえず、あれを倒せばよいのか……」
　由利・智鶴（ビハインドのガンスリンガー・f43304）が落ち着いた様子で、リボルバー銃でクイックドロウを仕掛け、有頂天道人の左肩を撃ち抜いた。
「この状況で、俺の左肩を撃ち抜くなんて……やるじゃねえか」
　有頂天道人が左肩を庇いながら、智鶴を見つめてニヤリと笑った。
「それだけ、殺気を放っていれば簡単……」
　智鶴が闇に紛れながら、攻撃を仕掛けるタイミングを窺った。
「カカッ、簡単か。その様子じゃ、ジョークって訳ではないようだな」
　有頂天道人が小馬鹿にした様子で鼻を鳴らし、undefinedを放って、まわりにあるモノを消滅させた。
「例え、何があっても、この拳銃で、撃ち抜く、だけ……」
　智鶴が地面を蹴って飛び上がり、【銀の弾丸（シルバー・ブレット）】を発動させ、弾丸のひとつを銀の弾丸に変えた後、有頂天道人の右肩を撃ち抜いた。
「うぐ、ぐぐぐぐぐっ！　正直、笑えねえな、この一撃は……」
　有頂天道人は右肩を庇いながら、イラついた様子で、禍々しいオーラを展開した。
「いい加減に諦めろ。このまま足掻いたところで、死期を長引かせるだけ。何の抵抗もしなければ、苦しむ事なく骸の海に送ってやろう」
　エクレア・エクレール（ライトニングレディ・f43448）が間合いを取りつつ、電撃で有頂天道人を痺れさせた。
「……畜生、やけにビリつきやがる！　怪我さえしていなければ、いいマッサージになったって言うのによぉ！」
　有頂天道人が鬼のような形相を浮かべ、機械化義体でカンフー技を繰り出した。
　だが、度重なる攻撃で、ダメージが蓄積されていたため、盆踊りをしているようなノリになっていた。
　それが原因で動きが読みやすくなっていたため、何とか致命傷を避ける事が出来た。
「おいおい、逃げてばかりじゃ、話にならないぜ！」
　有頂天道人が不気味な笑みを浮かべ、カンフー技でエクレアに攻撃を仕掛けた。
「挑発しても、無駄じゃ」
　エクレアが【正義の誓い】で『絶対に全員を守る』という誓いを立て、真の姿に変身した後、有頂天道人に攻撃を防いでいった。
「ちょっと調子に乗りすぎてません？　……有頂天道人だからそれもアリなのでしょうか。しかし、やろうとしているのは碌でもない事ですね。故に、ここで喰い止めねばなりません」
　禹・黄風（武の頂を・f40009）が、周囲の地形を確認しながら、有頂天道人の前に陣取った。
「カカッ、やれるものなら、やってみろ！」
　有頂天道人が挑発的な言葉を吐きながら、サイバー渾沌拳を繰り出した。
「ええ、そうします」
　黄風が自在三節棍で、有頂天道人の攻撃を受け流し、わざと後退していった。
「逃げるばかりじゃ、俺には勝てないぞ」
　そのまま一気に間合いを詰め、有頂天道人が拳を叩き込もうとした。
　次の瞬間、黄風が自在三節棍で地面を突いて伸長し、黄風を軽々と飛び越えた。
「――固め、打ち据える」
　それと同時に、黄風が【硬功棍（インゴングゥン）】を発動させ、呼吸を整え黄金の闘気を練り込むことにより、伸縮自在の超硬化した自在三節棍による連撃を繰り出し、有頂天道人にトドメをさした。
「や、やるじゃねえか。だが、俺を倒しても無駄だぜ。はじまりの猟兵を狙っているのは、俺だけじゃねえからな」
　そう言って有頂天道人がゲフっと血反吐を吐き、地面に突っ伏して息絶えた。

大成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​

最終結果：成功 完成日:2024年05月16日