獣人世界大戦⑫〜幼女総統を撃破せよ
「獣人世界大戦への参戦に感謝します。リムは状況を報告します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、リミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は獣人戦線の世界地図を広げ、現在の状況を語り始めた。
「第一戦線を突破し、超大国との戦闘は第二戦線に移行しました。ここからは、より激しい戦いが予想されます」
伝説の「はじまりの猟兵」を巡る超大国の争いは激化し、各国の大将クラスのオブリビオンが戦場に現れる一方、敵の重要拠点に攻撃を仕掛けるチャンスも生まれる。どこを優先するかは各猟兵の自由だが、獣人戦線に平和を取り戻すために、捨ててよい戦場はひとつもない。
「今回皆様に依頼するのは、幼女総統『ギガンティック』の撃破です」
超大国ゾルダートグラードを支配する総統たるギガンティックは、その名の通り身長数百メートルに達する超巨大幼女だ。彼女はその巨体をもってウラル山脈を踏破し、ロシア深部の「はじまりの猟兵」を奪取しようとしている。
「未だ成熟前の『魔女』であるという彼女を、この戦いで殺害するのは困難でしょう。ですが、ダメージを与えて撤退に追い込むことはできるはずです」
なにしろ相手は重力戦闘下における最強の幼女だ。ただ歩いて進むだけでもウラル山脈を始めとする進軍路には甚大な被害が予想される。加えて万が一にも彼女が「はじまりの猟兵」を手に入れることがあれば、何が起こるのか想像もつかない。絶対にここで食い止めなければ。
「ギガンティック総統の最大の武器は、超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』です」
ギガンティックの体格に合わせてゾルダートグラードで開発された、規格外の火力と射程を誇るこの巨大砲を、彼女は何の反動も受けることなく連射することができる。いざ戦闘が始まれば、彼女はこれでウラル山脈の山肌を破壊しながら猟兵の進撃を阻むつもりだ。
「あちらの射程にいてはこちらの攻撃が届きません。絶え間ない砲撃を掻い潜り、ギガンティック総統の足元に飛び込まなければ、勝利はありません」
もちろんギガンティックの武器は「シュリヒトゲヴェーア」だけではなく、超巨体を活かした肉弾攻撃や、時空を操る能力までも持ち合わせている。未熟であるがゆえに『魔女』としての全魔力を己のために使えるという彼女の戦闘力は、ゾルダートグラードの総統にふさわしいものだ。
「敵は超大国のトップ。紛れもない強敵ですが、皆様なら撃破できると信じています」
リミティアは信頼のまなざしで猟兵達を見つめると、手のひらにグリモアを浮かべ、ウラル山脈への道を開く。
目標は鋼鉄と機械の帝国を統べる幼女総統。無人の野を行くが如きその進軍を、果たして食い止められるのか。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回の依頼はゾルダートグラードを支配する幼女総統「ギガンティック」の撃破です。
このシナリオでは下記のプレイングボーナスに基づいた行動を取ると判定が有利になります。
プレイングボーナス……超超巨大砲の砲撃に対処する。
ギガンティックは超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』で、超遠距離から規格外の火力を連射してきます。
このままでは一方的に撃たれるだけなので、どうにか砲撃を掻い潜って敵の足元に飛び込み、攻撃を叩き込まなければなりません。
接近した後も通常のユーベルコードによる攻撃があるので、注意が必要です。
この戦場は【第二戦線】で、完結までの締切が5月20日(月)16時となっています。
そのため、執筆状況によっては採用できないプレイングが出るかもしれないことを、予めご了承下さい。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『幼女総統「ギガンティック」』
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POW : 幼女キーック!!!!
単純で重い【幼女キック】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 超超巨大ビィーム!!!!
【超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア』】から、レベル×5mの直線上に【超超巨大ビーム】を放出する。【魔力】を消費し続ければ、放出を持続可能。
WIZ : 斯様な結末、吾輩は断じて認めない!!!!
全身に【終焉を巻き戻す「エンドテイカーの魔力」】を帯び、戦場内全ての敵の行動を【巻き戻されてゆく時間の流れ】で妨害可能になる。成功するとダメージと移動阻止。
👑11
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サツキ・ウカガミ
成熟前の『魔女』!
思ってたより大きかったけど、まぁ納得がいったよ。
さぁ……ここで叩かないと!
なんとか[死角攻撃]するために、近づかないとね。動きを[情報収集]して、砲撃の[抜け道探し]。抜け道を見つけたら[ダッシュ・悪路走破]。常に動きからルートを更新しつつ、[地形の利用・水上歩行・軽業・武器に乗って飛ぶ・変わり身]……持てる全てで移動する。
近づいたら[死角攻撃・急所突き・暗殺・2回攻撃]。キミにとって、ボクは小さな存在だけど、それでも急所攻撃は痛いでしょ?
巻き戻しには、【瞳術『忍夜皐曲者』・蛞蝓】で対応。エンドテイカー能力は、昔に散々使われてるんだよね。させないよ! この山は、越えさせない!
「成熟前の『魔女』! 思ってたより大きかったけど、まぁ納得がいったよ」
サツキ・ウカガミ(
忍夜皐曲者・f38892)の故郷アマツカグラの地下には、かつて人類の創造主たる『魔女』がいた。その名は『此華咲夜若津姫』――おそらくは今、この地にいるあれも、その同類であるのだろう。何故ゾルダートグラードの首魁に収まっているかは不明だが。
「さぁ……ここで叩かないと!」
ウラル山脈を進軍する幼女総統『ギガンティック』を眺め、気を引き締める。ここを突破されロシア領内深くにまで入りこまれると、あれを止めるのはいよいよ困難になる。「はじまりの猟兵」を奪われないためにも、踏み潰される無辜の人々のためにも、絶対に撃退しなければ。
「出たな猟兵! ここは通らせて貰うぞ!」
自身よりも遥かに小さく、されど侮りがたい敵を発見したギガンティックは『
シュリヒトゲヴェーア』を構える。ゾルダートグラードが開発した、規格外の火力と射程を誇るこの超超巨大砲こそ、彼女の主武装にして切り札であった。
「なんとか死角攻撃するために、近づかないとね」
接近ルートを探るサツキの耳に、落雷を何十倍にもしたような発砲音が轟く。未成熟な『魔女』の膨大な魔力を込めた砲撃はウラルの山肌を抉り、彼女のすぐ傍を突き抜けていく。咄嗟に身を翻していなければ、お陀仏だっただろう。
「まったく肝が冷えるね!」
聞きしに勝る破壊力に緊張しつつも、サツキは敵の動きを調査して、そこから砲撃の抜け道を調べる。いくら強力でも砲撃のコースは直線的であり、山脈という遮蔽物も無意味ではない。ルートを見つければ、後はひたすら駆け抜けるだけだ。
「すぐに行くよ!」
「来させるものか!」
あれほどの威力の大砲を、反動もなく連射するギガンティック。それを掻い潜りながら魔女の足元を目指すサツキ。
高低差の激しい都市国家で鍛えてきた忍者なら、山脈の起伏もなんのその。流れる川の上も「沼浮沓」の草履で走り抜け、高い木々も武器に乗って飛び越える。持てる移動手段の全てを尽くさなければ、ここを突破するのは無理だ。
「やるな……だが、捉えたぞッ!」
何発かの無駄打ちの末、ついに射線に飛び出てきた小さな標的を、ギガンティックの砲撃が射貫く――しかしそれは変わり身の術で生み出された囮だった。次段発射までの僅かな隙に、本物のサツキはウラルの山陰と木々に紛れ、ついに敵の死角に迫っていた。
「待たせたね!」
「あうッ?!!」
すかさず抜き放った「月牙」の太刀から、繰り出すは急所狙いの二連突き。人間大に置き換えると箪笥の角に小指をぶつけた痛みを、さらに酷くしたような激痛がギガンティックを襲い、切り裂かれた足の動脈からは小川のように血が流れだした。
「キミにとって、ボクは小さな存在だけど、それでも急所攻撃は痛いでしょ?」
「やってくれたな……斯様な結末、吾輩は断じて認めない
!!!!」
不覚を取ったギガンティックが大声で叫ぶと、周囲の時間が巻き戻されていく。成熟前とはいえ『魔女』であれば、終焉を巻き戻す「エンドテイカー」は使えて当然か。理想の未来が訪れるまで、望まぬ結果を何度でもやり直す気だ。
「エンドテイカー能力は、昔に散々使われてるんだよね。させないよ!」
「なにッ?!」
しかし、他ならぬエンドブレイカーの前で、その能力を使うべきではなかった。皐月模様に変化したサツキの瞳から【瞳術『忍夜皐曲者』・蛞蝓】が放たれ、エンドテイカーを解除する。大魔女の永遠さえ否定した「終焉を終焉させる者」の前で、未熟な魔女が好き勝手できるものか。
「この山は、越えさせない!」
「ぐぬぬ……!」
巻き戻しに失敗したギガンティックのダメージはそのまま、山脈の途中で立ち止まることを余儀なくされる。物理的に足元にも及ばないと思っていたサツキの小さな勇姿に、今の彼女は大きなプレッシャーを感じていた。猟兵が待つこの先の道程を、無事に越えられるとは思わぬことだ――。
大成功
🔵🔵🔵
シズホ・トヒソズマ
※連携・アドリブ歓迎
幼女なのに総統とか何かと思えばあのでかさなら納得
ですがその巨体をあえて利用してあげましょう
ライダをバイク形態にして◆騎乗し◆操縦
敵が砲撃準備に入ったらUC発動
すっかり懐かしですが宝石災魔の力を使用!
周囲に浮遊させた三色の首の内、青の首の力でギガンティックの肉体をコピー
青の首からその体を生やした巨人を射線上に立ちはだからせ敵の砲撃を体で受け止めさせる
敵に迫るコピー巨人が連続砲撃で倒される前にクロノの風で急加速し足下へ肉薄
足下へのUCの砲撃には手持ちの剣『王垓』に赤の首を合体させ
UC吸収効果を付与
砲撃の魔力を突き出した剣に纏めて吸収し
その魔力で作った大型魔力刃で敵を切り裂きます
「幼女なのに総統とか何かと思えばあのでかさなら納得」
名が体を表しすぎではと思うほど、圧倒的巨体を誇る幼女総統『ギガンティック』。それがのしのしとウラル山脈を踏み越えてくる様子を、シズホ・トヒソズマ(因果応報マスクドM・f04564)は眺めていた。確かにあれは超大国ゾルダートグラードの支配者として君臨するに相応しいスケール感ではある。
「ですがその巨体をあえて利用してあげましょう」
彼女は騎乗機械変形人形『ライダ』を山地の走行に適したバイク形態に変形させ、騎乗する。この手のデカい相手は足元がお留守になりがちというのがお約束だ。距離を詰めてこちらの間合いに入りさえできれば、勝機は十分にある。
「来たな! 吹き飛ばしてくれよう!」
山脈を越えて接近する猟兵を見つけたギガンティックは、超超巨大砲『シュリヒトゲヴェーア』の発射準備に入る。
全長に見合った規格外の射程もさることながら、山肌を抉るほどの破壊力を誇る大砲だ。迂闊に射線上に入れば命はない。
「すっかり懐かしですが宝石災魔の力を使うとしましょう!」
そこでシズホが発動したのは、過去に倒したオブリビオンの力を利用する【幻影装身】。バイクで疾走する彼女の周囲に三色の首が出現し、その中から厳しい男の顔をした『青の首』がギガンティックの肉体をコピーする。人間を遥かに超える魔女のスケール感を、そのままに。
「受け止めなさい!」
「な、なにィッ?!」
青の首から魔女の体を生やした巨人が、敵の砲撃射線上に立ちはだかる。シュリヒトゲヴェーアはギガンティックの体型に合わせて開発された装備だ。その凄まじい反動をものともしない肉体をコピーすれば、砲撃を一時受け止めることもできるはず。
「き、気持ち悪いぞ! 早く倒れろ!」
ズシンズシンと迫る自分のコピー巨人に、ギガンティックは砲撃を浴びせまくる。流石に連発されると保たないし、本体である頭部を吹っ飛ばされるとアウトだが、青の首が倒されるまでの時間はシズホにとって貴重な猶予となった。
「頼みますよ、クロノ!」
時間質量理論搭載竜巻豪腕人形『クロノ』が発生させる竜巻が、バイクを急加速させる。これによってギガンティックの足元まで肉薄したシズホは、手持ちの炎獣牙剣『王劾』に宝石災魔の『赤の首』を合体。赫々と煌めく刀身を振りかざし、敵に斬り掛かった。
「させるか! 超超巨大ビィーム
!!!!」
対するギガンティックは足元に向けてビームを発射するが――それを受け止めることがシズホの真の狙いであった。
未成熟な『魔女』の魔力を込めたユーベルコードを、ユーベルコード吸収効果の付与された剣にまとめて吸い込む。その膨大なエネルギーは、ギガンティックの巨体にも届くほどの大型魔力刃を形成した。
「応報を持って因果を制す!」
「う、うぎゃーーーっ?!」
振り下ろされた赤の巨刃が、ギガンティックの巨体を切り裂き。幼女らしい甲高い悲鳴がウラルの山々に木霊した。
自身の肉体を模倣され、魔力を奪い取られ。まさに因果応報の仕打ちをくらった未熟な魔女が、一歩後退する――。
大成功
🔵🔵🔵

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
どんな火力であろうとそれが運動エネルギーである限りは
私の糧でしかないわね、上質なエナジーをありがとううまー☆
で、
空間を切り刻んで再構築しての空間跳躍で幼女総統の頭上に。
こちらも巨大化して幼女総統を膝枕して指定UCで
アレな妄想を流し込んで脳破壊するわよ。
頭の中は変態なことになってますが見た目は膝枕だから平和平和♪
えっちなのうみそおいしいです❤
「むむむ、猟兵なにするものぞ! くらえ
!!!!」
ウラル山脈で待ち構えていた猟兵達の妨害により、一度は足を止めた幼女総統『ギガンティック』だったが、決して進軍を諦めたわけではない。どんな障害も山ごと吹き飛ばしてくれようと、超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』を連射する。普通なら途轍もない反動がかかるはずだが、『魔女』の魔力を己の為のみに使用する彼女はお構いなしだ。
「どんな火力であろうとそれが運動エネルギーである限りは私の糧でしかないわね」
そんな規格外の砲撃の射線上に、あえて飛び込んできたのはアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の
混沌魔術師艶魔少女・f05202)。彼女が展開したバリアは受け止めた攻撃のエネルギーを吸収し、自分の力に変換するものだった。
「上質なエナジーをありがとううまー☆」
「なにぃっ?! くそっ、おかしな奴め!」
大食いなアリスはシュリヒトゲヴェーアが撃ち出す膨大なエネルギーもぺろりと平らげ、満足そうな顔で艶笑する。
これを見たギガンティックはムキになって砲撃を続けるものの、やはり全て吸収されてしまう。流石に彼女の腹も底なしでは無いはずなので、このまま続ければいつかはパンクするだろうが――。
「お腹いっぱいになったら運動しないとね」
十分なエネルギーを得たところで、アリスはそれを混沌魔術の力に変え、空間を切り刻んでバラバラに再構築する。
自分の存在する座標を別の座標と入れ替える、空間跳躍の魔術。これなら移動途中に攻撃を受けることなく、一瞬で敵に接近できる。
「こんにちは❤」
「うわぁっ?!」
幼女総統の頭上に転移したアリスは、さらなる混沌魔術で自分の肉体をギガンティックと同等のサイズまで巨大化。
突然のことに相手が驚いている隙をついて、足払いをかけて転倒させ、落下する頭を自分の両膝で受け止める。いわゆる膝枕の体勢だ。
「私の妄想を脳に流し込んであげる❤」
この状態から彼女が放つのは【マインドポリューション】。欲望に塗れた自分の思考を直接脳内に送り込み、精神を破壊するユーベルコードだ。その瞬間ギガンティックの頭に流れ込んできたのは、幼女に教えるにはちょっと刺激が強すぎるアレな妄想の数々であった。
「う、うわぁぁぁぁ
?!!?! なんだこれは
?!!?!」
幼女総統と言うだけあってメンタルは意外と初心な一面もあるのか、欲望の濁流にギガンティックはパニック状態。
頭の中は大変(変態)なことになっているが、見た目は巨大少女が巨大幼女を膝枕してる平和(?)な絵面である。
「えっちなのうみそおいしいです❤」
混乱するギガンティックから溢れ出す感情エネルギーをエナジー・ドレインすることで、アリスはますます元気に。
もはや作戦目標よりもそっちの趣味が目的になっている気もするが、敵に精神的なダメージを与えているのは間違いなかった――。
大成功
🔵🔵🔵
ギージスレーヴ・メーベルナッハ
山をも凌ぐ超巨体、其処より放たれる驟雨が如き砲火の雨!
ハハハ、何とも圧倒的な敵よな!
だが、故にこそ面白い!
さあ征くぞ幼女総統!黄昏大隊の力、その身に叩き込んでくれようぞ!
ヤークト・ドラッヘに【騎乗】し出撃。
左右のハンドリング、及び一時的な飛行を駆使しつつ全速走行、一気に彼奴の懐を目指してゆこう。
あの口径なれば直撃せずとも掠っただけで致命傷だ、大きく回避して確実に一発一発を躱してゆくとする。
此方の間合いに入り次第、機甲武装・強襲撃滅を発動。
ユーベルコードでの反撃で一網打尽とされぬよう、彼奴を包囲する形にて布陣させた上にて、余自身のヤークト・ドラッヘの【砲撃】も併せた最大火力での総攻撃を叩き込む。
「山をも凌ぐ超巨体、其処より放たれる驟雨が如き砲火の雨! ハハハ、何とも圧倒的な敵よな!」
流石は超大国ゾルダートグラードの支配者。峻厳なるウラルの山々を跨いで進軍する幼女総統『ギガンティック』の威容を前に、ギージスレーヴ・メーベルナッハ(AlleineBataillon・f21866)は呵々大笑。獣人世界大戦も中盤に入って、とんでもない「大物」が出てきたものだ。
「だが、故にこそ面白い! さあ征くぞ幼女総統! 黄昏大隊の力、その身に叩き込んでくれようぞ!」
「来るがいい! どんな相手でも吾輩の『
シュリヒトゲヴェーア』で吹き飛ばしてくれるわ!」
重機甲戦闘車「ヤークト・ドラッヘ」の車上より挑戦するギージスレーヴに、ギガンティックも負けじと言い返す。
全長数百メートルに及ぶ超超巨大砲も、彼女が持てばまるで小銃のよう。規格外のスケールと射程から繰り出される砲撃こそ、幼女総統最大の武器だ。
「くらえ!」
一発一発が山肌を抉る砲撃を、こともなげに連発するギガンティック。その標的とされたギージスレーヴは、巧みなハンドリングでヤークト・ドラッヘを操り、攻撃を躱しながらフルスロットルで山中を走行する。目指すは敵の懐だ。
(あの口径なれば直撃せずとも掠っただけで致命傷だ)
時に大きく迂回することになってもよい。反重力式推進機構による一時的な飛行も駆使し、三次元の機動で一発一発を確実に回避する。たとえ当たらなくても一方的に砲撃を浴び続ける状況は、兵士の心理に凄まじいプレッシャーを与えるものだが――歴戦の将たるもの心は燃え盛っていても、思考は常に冷静であるのが当然だ。
「むむむ、やるではないか!」
「なにを言う。この程度で驚いて貰っては困るぞ!」
絶え間なき砲撃にも怯まず向かってくる小さき者に、思わず感嘆するギガンティック。何十発にもなる砲弾を浴びせに浴びせ、ウラル山脈の地形が一部変わってしまっても、その山麓を駆け上がるギージスレーヴは健在である。死線を潜り抜けた彼女は此方の間合いに入り次第、反撃のユーベルコードを発動する。
「ヤークト・ドラッヘ、強襲撃滅形態に移行!」
【機甲武装・強襲撃滅】。ギージスレーヴを乗せた車両が武装と装甲を展開すると同時に、山中に布陣していた兵士が姿を現す。幼女総統の注目と攻撃が彼女ひとりに集中している最中に、黄昏大隊は密かに目標を包囲していたのだ。
「完膚なきまでに叩き潰してくれようぞ!」
「なッ、しまった……ぐわぁッ!!」
ギージスレーヴの号令一下、黄昏大隊の総攻撃が開始される。絶大な破壊力を誇る『シュリヒトゲヴェーア』とて、一門きりでは必殺の【超超巨大ビィーム
!!!!】でも直線的な攻撃しかできない。巨体に踏み潰されない程度の距離を取りつつ包囲すれば、一網打尽にすることはできまい。
「これが余の最大火力だ!」
配下に併せてギージスレーヴ自身も攻撃を行う。ヤークト・ドラッヘに搭載された連装電磁砲と連装機銃、そして誘導ミサイルの一斉発射は、サイズ差による防護性をものともせず、巨木の如くそびえ立つ幼女総統の足を撃ち抜いた。
「ま、まさか吾輩がここまで苦戦させられるとは! つ、強い……ぐわーーーッ!!!」
勇猛果敢な戦争狂の首領に率いられた黄昏大隊の攻勢が、ゾルダートグラードの首領をじりじりと追い詰めていく。
あらゆる意味で規格外の『魔女』とはいえ、単騎でこれを相手取ろうとは驕りが過ぎたか。戦争という舞台において鮮烈に輝く黄昏の日は、いまだ沈む気配はない――。
大成功
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朱鷺透・小枝子
突っ込め、ディスポーザブル!!
『ディスポーザブル』技能レベルを引き上げ、メガスラスター【推力移動】敵目掛け吶喊!
サイキックシールド展開敵の砲撃を【オーラ防御】更に【念動力】で砲撃軌道を捻じ曲げ【受け流し】抵抗を可能な限り減じさせ速度を落とさず距離を詰める!
壊れろギガンティックゥウウウウウウ!!!!
パルスアトラクター絶叫電磁音波【マヒ攻撃】大音響で鼓膜を、
電流による肉体の硬直を引き起こし【ロープワーク】超長大に伸ばした念動鞭を【早業】高速で振るい、しなりによって何倍にも加速する鞭の先端とそれが生み出す【衝撃波】で敵の皮膚を裂き、肉を抉る【重量攻撃】
痛みで敵の【体勢を崩す】
【追撃】火牟須比【砲撃】
「突っ込め、ディスポーザブル!!」
前方にそびえ立つ巨大な『魔女』、幼女総統『ギガンティック』に向かって、怒涛の勢いで吶喊するのは朱鷺透・小枝子(
亡国の戦塵・f29924)。彼女を乗せた重装甲量産型キャバリア「ディスポーザブル01」は、カタログスペックを超えたメガスラスターの推進力をもってウラル山脈上空を飛翔する。
「この命が壊れ失せるまで!!」
その出力の代償となるのは操縦者の肉体への過負荷。彼女は自らの心身を犠牲にすることで技能レベルを引き上げ、【ディスポーザブル】の性能を強化しているのだ。国を失い、自覚なき悪霊と化した兵士にできるのは、ただ敵を破壊することだけだと言うように。
「特攻のつもりか? 吾輩を甘く見るなよ!」
どう見てもブレーキを考えていない速度でがむしゃらに突っ込んでくるキャバリアに、ギガンティックは超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』を発砲。その規格外の射程と火力をもってすれば、飛行中のキャバリアを撃墜するなど容易いことだ。
「止まるなっ!!」
対する小枝子は減速も方向転換もせず、ディスポーザブルに活を入れるように吠えた。サイキックシールドを前方に集中展開して防御力を高め、さらに砲弾が当たる瞬間に念動力を最大行使。砲撃軌道を無理やり捻じ曲げてダメージを受け流し、抵抗を可能な限り減少させる――。
「ふん、やったか……なにッ?!!」
シュリヒトゲヴェーアの直撃を受け、空中で爆発四散したかに見えた。だが爆煙の中から姿を現したのは未だ健在のディスポーザブルであった。回避されたのならまだ分かるが、よもや正面から受けられるとは思わず、ギガンティックの表情に動揺が走る。
「耐えたというのか! たかがキャバリアが!」
巨砲の反動をものともしない幼女総統は、躍起になって砲撃を連射する。一度は耐えたとはいえダメージは皆無ではなく、二度三度と食らえばシールド出力も低下し、本体装甲にも破損が広がる。それでもディスポーザブルは止まらない――戦火に滾る亡霊を乗せて、敵のもとに辿り着くまで。
「壊れろギガンティックゥウウウウウウ
!!!!」
まさに鬼気迫る覚悟と戦法で距離を詰めた小枝子は、幼女総統を目前にして絶叫。機体胸部に装着されたキューブ型電磁音響兵器「パルスアトラクター」から、凄まじい大音響がウラル山脈に木霊する。いかに巨大な『魔女』でも、至近距離でそんなものを聞いたらただでは済まない。
「みッ、耳がぁ
……!?!?」
音響に鼓膜を破壊され、電流で肉体が硬直したギガンティックは、つかの間だけ無防備に立ち尽くすことになる。
この隙に小枝子は機体腕部からフォースウィップを限界まで伸ばし、目にも止まらぬほどの高速で振るい。しなりによって何倍にも加速する鞭の先端と、それが生み出す衝撃波を叩きつける。
「いだッ!? いだぁッ
!!?!」
超長大な念動鞭に皮膚を裂かれ肉を抉られる激痛は、実際のダメージ以上に大きい。あまりの痛さにギガンティックが悲鳴を上げて体勢を崩すと、小枝子のディスポーザブルは追撃の「火牟須比」を発射。肩に展開された大型グレネードキャノンが、至近距離で咆哮を上げる。
「吹き飛べえぇぇぇぇ!!!」
「ぐわぁーーーッ
!!!!」
比較すれば遥かに小さなキャバリアの攻撃によって、数百メートルの巨大幼女が後退する。腹に撃ち込まれた砲撃の痕は、くっきりと火傷となり刻まれている。これまで順調に進撃してきたはずの総統の歩みは、ここウラル山脈で完全に停止していた――。
大成功
🔵🔵🔵
ヴォルフガング・ケーニヒバウム
アドリブ&連携歓迎
「あくまで攻撃の範囲は直線上、先制もしてこないと言うなら……まぁ、やりようはあるさ」
UCで相手の注意を銃撃に向け、併用する変異階梯の妙で自己強化
「当たってやるつもりはないよ」
10400Lv相当の野生の勘や心眼でビームの発射と予想範囲を察して躱し余波を受け流しカウンターに62400Lv相当の砲撃の鎧無視な貫通攻撃の乱れ撃ちで反撃します
「純粋な火力だ。相手が巨体かなんて関係ないよ」
回避の折は地形も有効的に利用
共闘の場合は砲撃を用いた火力支援や牽制も行う
「戦闘が久々って訳ではないんだけどね」
自分より強かったり有効な作戦をとる味方がいれば自分は援護に回る
「大切なのは勝つことだからね」
「あくまで攻撃の範囲は直線上、先制もしてこないと言うなら……まぁ、やりようはあるさ」
おそらくはゾルダートグラードが保有する兵器でも最大の射程・火力を誇るであろう、幼女総統『ギガンティック』の『
シュリヒトゲヴェーア』。しかしヴォルフガング・ケーニヒバウム(オオカミの戦闘猟兵・f39969)がその脅威を過大に恐れることはない。どんな強力な兵器も完全無欠とはいかないものだ。
「割と古典的な手だけどね」
まずは届かないことを承知の上で【囮射撃】を仕掛け、敵の注意をこちらに向ける。山脈に木霊する銃声に幼女総統が気付けば、すぐに攻撃してくるはずだ。ここまで猟兵に手こずらされている彼女が、出し惜しみするとは思えない。
「そこにいたか猟兵! くらえ、超超巨大ビィーム
!!!!」
未成熟な『魔女』の魔力をシュリヒトゲヴェーアに込めて放つ破壊光線は、峻厳なるウラルの山々に風穴を開けるほどの威力だ。射線上にいる生物は生死を確認する以前に跡形もなく蒸発するだろう。その予兆となる巨砲からの光を、ヴォルフガングは見逃さなかった。
「本来、こういう使い方をするものじゃないのだろうけどね」
囮射撃と同時に発動した【変異階梯の妙】で、彼の保有する各種技能は飛躍的に練度を増している。研ぎ澄まされた野生の勘と心眼はビームの発射タイミングと被害範囲を正確に予想し、強化された走力や跳躍力が回避を可能にする。わざわざ注意を引き付けてまで攻撃を誘ったのだ、これで避けられなければただのマヌケだ。
「当たってやるつもりはないよ」
「なにいっ?! 外しただとッ!?」
超超巨大ビームが発射される瞬間、パンツァーキャバリアに乗って射線上から離脱するヴォルフガング。巻き起こる破壊の余波を受け流しながら、驚愕するギガンティックの足元へと駆けていく。あちらが魔力を吐ききってビームの放出が止まる頃には、すでに彼は目標を射程内に収めていた。
「純粋な火力だ。相手が巨体かなんて関係ないよ」
「ぐわあっ!!」
キャバリア肩部に装着されたショルダーカノン『Donner』が、冠名のとおり雷鳴の如き砲声を轟かす。【変異階梯の妙】で強化されるのは知覚や回避面の技能だけでなく、射撃技能も格段に向上している。その砲撃を足に撃ち込まれたギガンティックの巨体が、ぐらりと揺れた。
「やってくれるではないか! だが吾輩を舐めるなよ!」
たまらず膝を突きかけたギガンティックだが、総統のプライドにかけて踏みとどまり、撃ち返してくる。必殺の超超巨大ビームを避けられたとはいえ、通常砲撃でもシュリヒトゲヴェーアの破壊力は規格外だ。立ち止まって撃ち合いに徹すれば間違いなくやられる。
「そっちこそ舐めてもらったら困るよ」
ヴォルフガングは起伏や遮蔽物の多い山岳地帯の地形を存分に活かして、回避と砲撃を同時に行う。「はじまりの猟兵」に伝授され継承されたユーベルコードに恥じぬ生き方を己に問い続け、今日まで戦い抜いてきた歴戦の戦闘猟兵、それが彼だ。眼の前にいるのが超大国の支配者ならば、尚の事遅れを取る訳にはいかない。
「……そろそろかな」
休む間もない砲火の乱れ撃ちが、ギガンティックの身体に無視できないダメージを蓄積し始めた頃。ヴォルフガングはちらりと背後を見て後退を始めた。同じ依頼を受けた猟兵達が、グリモアの力で続々とウラル山脈に転移してきている。ここからは火力支援と牽制に回ったほうが効果的だと判断したためだ。
「戦闘が久々って訳ではないんだけどね。大切なのは勝つことだからね」
「貴様、逃げる気かッ……うぎゃぁ!?」
逃げるのではない、援護に回るだけだ。自分を卑下する気はないが、猟兵には様々な実力者がおり、奇想天外な作戦を立てる者もいる。彼らと力を合わせて敵の進軍を阻止することが最優先――大局的な勝利を見据えたヴォルフガングの判断は冷静であり、彼の砲撃はその後も幼女総統を脅かし続けたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
オリヴィア・ローゼンタール
超巨大、超長射程、見た目は愛らしいですが、まるで生ける戦略兵器ですね……
白き翼の姿に変身
超超巨大砲、射程だけではなく口径もまさに規格外
立ち止まっていてはいい的、飛翔して三次元的に躱す!(空中戦・空中機動)
弾丸――ではなくビーム!
極限の【集中力】からなる【心眼】で射線を【見切り】、加速して躱す!(軽業)
加速、加速、さらに加速!
漲る聖なる炎の魔力(属性攻撃・神聖攻撃・全力魔法)と不屈の気力(気合い・根性・覇気)を以って、巨躯の蹴撃に真っ向から激突する!(ランスチャージ)
【烈煌天翔翼】! ぶち抜けえええええッ!!(限界突破)
「超巨大、超長射程、見た目は愛らしいですが、まるで生ける戦略兵器ですね……」
頭身や容姿は幼い少女なのに、身長は数百メートル。山肌をも抉る大砲も、彼女が持てば歩兵用のライフルのよう。
文字通りにスケールの違うゾルダートグラードの支配者、幼女総統『ギガンティック』を見上げれば、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)も驚嘆を禁じ得ない。
「驚いたか! 吾輩と『
シュリヒトゲヴェーア』の力を!」
未成熟な『魔女』であるギガンティックの力を支えるのが、超大国の技術が生み出した超超巨大砲である。ここまでの無人の野を行くが如き進軍も、その圧倒的な火力と射程があってこそ。並の軍隊では近付くことすらできずに長距離砲撃で終わりだろう。
「射程だけではなく口径もまさに規格外。立ち止まっていてはいい的、三次元的に躱す!」
「ふふん、できるものならやってみるがいい!」
オリヴィアは白い翼を生やした天使の如き姿に変身すると、ウラル山脈上空を飛翔してギガンティックに接近する。
無論、空中に身を晒せば敵からも捕捉されるのは致し方ない。彼女の聖槍が届くよりも先に、幼女総統の巨砲が火を噴いた。
「弾丸――ではなくビーム!」
「その通りだッ! くらえ、 超超巨大ビィーム
!!!!」
向けられた砲口から光が漏れるのを見た瞬間、オリヴィアは空中で身を翻していた。成熟前の『魔女』の莫大な魔力をもって直線上にいる全てを吹き飛ばす、ギガンティックのユーベルコード。その射線を極限の集中力からなる心眼で見切った彼女は、間一髪で即死を免れた。
「本当に躱したか! やるな!」
ビームの放出を終えてなお目標が健在であることを確認すると、ギガンティックは賞賛の声を上げる。だが辛くも最初の攻撃を避けただけでオリヴィアは満足などしていなかった。次弾発射の前に空中で体勢を立て直すと、脇目も振らずに速度を上げる。
(加速、加速、さらに加速!)
漲る魔力は聖なる炎となって翼から放出され、ロケットのように飛翔を後押しする。音を置き去りにしてなおも加速する彼女が目指す先は、言うまでもなくギガンティックの懐。小細工なしの真正面からあの巨体に激突するつもりだ。
「ほう! 面白い、受けて立ってやる!」
無謀にしか見えない小さき者の突撃に、闘争心を刺激されたか。ギガンティックも砲撃ではなく肉弾戦を選択した。
数百メートルの巨体による単純な打撃は、ただそれだけで山の地形を変えるほどの威力を誇る。それを知ったうえでオリヴィアは怯まず、破邪の聖槍と共に全身全霊の勝負を挑む――。
「【烈煌天翔翼】!」
「くらえ、幼女キーック
!!!!」
激突の瞬間、凄まじい衝撃と轟音がウラルの山々を揺らした。規格外の領域に達したパワーとパワーの衝突である。
どちらも一撃必殺の威力を秘めたユーベルコード。その余波を受けただけでも、周囲の木々や岩が吹き飛んでいく。
「ぐぬぬぬぬぬぬぬ!」
「うおおおおおおッ!」
両者の力は拮抗し、互いに負けじと吼えながら槍と足を押し付けあう。このような状況になれば、最後に物を言うのは精神力――魔力、速度、そして不屈の気力を掛け合わせたオリヴィアの【烈煌天翔翼】が、巨躯の蹴撃を凌駕する。
「ぶち抜けえええええッ!!」
「なッ……ぐわぁぁぁぁぁぁッ
!!!!?!」
刹那、黄金の閃光と化したオリヴィアは、ギガンティックの体躯を貫通していた。身体にぽっかりと開いた風穴に、絶叫する幼女総統。神話に語られる巨人退治の英雄の如く、小さき者の意地と根性が、圧倒的スケールの怪物を凌駕した瞬間だった――。
大成功
🔵🔵🔵

ビッグ・サン
デカい幼女ですか
物理的に戦うのは無理ですね
精神面から攻めるとしましょう
とにかく、超超巨大砲の直撃なんてくらえばさすがに消し飛んでしまいますからね
ミミックで周囲に溶け込みながら近づくとしましょう
あとは、服を溶かすスライムでもけしかけましょう
全体は無理ですが、おしりのあたりに穴でもあけましょう
時間をかければ徐々に穴を広げれますしね
ズボンやパンツに空いた穴が広がっていって、スースーすることに気が付いて確認するころには少々時間を戻しても手遅れでしょう
恥ずかしがってろくに戦闘行動がとれなくなれば儲けものですね
「デカい幼女ですか」
成長が早いとかそういうレベルではない、数百メートル級の幼女総統『ギガンティック』を見上げるビッグ・サン(
永遠を求める研究者・f06449)。あの巨体に加えて超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』まで装備した彼女を、どうやって倒すか少々考えていたが――。
「物理的に戦うのは無理ですね。精神面から攻めるとしましょう」
結論としては、自分の手札では物理攻撃では倒せないと判断した。なので今回は精神攻撃、もっと平たく言えば嫌がらせに終始することにする。ここで戦っている猟兵はビッグだけではないため、敵を動揺させるだけでも意味は大いにあるだろう。
「とにかく、超超巨大砲の直撃なんてくらえばさすがに消し飛んでしまいますからね」
照準を付けられると回避・防御も困難と考えたビッグは【ミミック(都市迷彩型ゴーレム)】を召喚し、その偽装能力で周囲に溶け込みながら接近を図る。都市やダンジョンでの擬態をもっとも得意とするミミックだが、ウラル山脈の複雑な地形も隠れ潜むにはもってこいだ。
「くらえ、幼女キーック
!!!!」
ギガンティックは現在も他の猟兵と交戦中であり、地べたをこそこそと進む小さき者にまで目が向かない。ひとたび見つかってしまえば、超超巨大砲に撃ち抜かれるか物理的に踏み潰されかの二択だが――怖いもの知らずのビッグのことだ、焦らず慎重に行動すれば足元まで近寄るのはそこまで難しくはなかった。
「あとは、服を溶かすスライムでもけしかけましょう」
間近で見ればますますデカい幼女総統の真下で、ビッグは錬金術製の流動体生物を解き放つ。相手に絡みついて装備や衣服などを溶かしたりするのがコイツの攻撃手段だが、ギガンティック相手では体積が足りず、物理的に身動きを封じたりするのは無理だ。
「全体は無理ですが、おしりのあたりに穴でもあけましょう」
ゆえにビッグの目的は当初の予定通り精神攻撃――嫌がらせになる。相手が戦っているうちに足を這い登り、ズボンに達するとそこに小さな穴を開ける。最初はサイズ比で針の穴くらいにしか見えないが、時間をかけてスライムを浸透させれば、徐々に穴も大きくなっていく。
「うん? なんか違和感が……きゃあ?! い、いつから!?」
妙にスースーするのに気が付いておしりを確認したギガンティックは、ようやく事態を把握すると赤面して悲鳴を上げる。ズボンからパンツにまで広がった穴は、いたいけな幼女的には少々恥ずかしいサイズになっており、前からは分からなくても後ろから見ると丸わかりだ。
「少々時間を戻しても手遅れでしょう」
あの『魔女』には時空を操る能力があることは確認済みだが、いかんせん気付くのが遅すぎた今となっては、穴が開く前までは巻き戻せまいとビッグは予想していた。もし相手が未熟な幼女ではなく成長した大人の『魔女』なら、色々と話は違ったかもしれないが。
「恥ずかしがってろくに戦闘行動がとれなくなれば儲けものですね」
せいぜいおしりの穴を気にして本領発揮できなくなるのを期待して、ビッグはスライムとミミックと共に戦線離脱。
傍目には地味ではあるが、ある意味誰にもできないことをやってのけた、彼の戦果はこの戦いをどう左右するのだろうか――。
大成功
🔵🔵🔵
フリッツ・バーナー
嗚呼、このような闘争を待っていたのだ
狩り甲斐のある文字通りの大物を前に、逸る興奮を抑えきれない
歓喜の感情に誘われ、空間を裂いてバルバロッサが現れる
跪き差し出される手に触れて一体化、勢い良く飛び立つ
機体内部の『ODE/AN-DIE-FREUDE』が励起し、心拍の如く高鳴る
際限なく湧き立つ歓喜のエネルギーを口腔に集約
前方へ指向させた衝撃波として解き放つ
飛来する砲弾を衝撃波で迎撃し、纏うオーラの密度を上げた防御壁にて破片も防ぐ
ある程度接近した所でUC発動
140秒もあれば事足りる
無力化した敵の口内へ侵入
真上には脳髄がある
衝撃波、両肩部の拡散レーザー、刃状に変形した両腕部
全武装でもって貫いてくれよう
「嗚呼、このような闘争を待っていたのだ」
狩り甲斐のある文字通りの大物を前に、フリッツ・バーナー(武器商人・f41014)は逸る興奮を抑えきれない。歓喜の感情に誘われ、一機のマシンが空間を裂いて彼の傍に現れる。それは敵対する者に畏怖の念を抱かせる、禍々しき赤黒の人型機であった。
「往こう、バルバロッサ」
その名を呼び、跪き差し出される手に触れると、フリッツの心身は機体と一体化する。背面の推進機構「DEMETRIUS」に歓喜のエネルギーが満ち、その躯体は勢い良く空に飛び立つ。向かうは超大国ゾルダートグラードの大将、幼女総統『ギガンティック』だ。
「あれはキャバリアか? だが見たことのない機体だ、面白い!」
ゾルダートグラードで主に運用されているパンツァーキャバリアとは設計からして異質な機体。その接近を捕捉したギガンティックは即座に『
シュリヒトゲヴェーア』の砲口を向ける。彼女の体格に合わせて開発されたこの超超巨大砲は、その規格外のスケールに違わぬ威力・射程を誇る。
「撃ち落としてくれよう!」
「やってみせろ」
圧倒的な破壊と死の予感に、バルバロッサ内部の『ODE/AN-DIE-FREUDE』が励起し、心拍の如く高鳴る。無上の歓喜をエネルギーとするそれは、本機体の最上の動力源にして最大の武装でもある。搭乗者から際限なく沸き立つ歓喜の感情が、物理的な"力"として口腔に集約されていく。
「発射!」
「吼えろ」
ギガンティックの発砲と、フリッツの号令はほぼ同時だった。撃ち出された超超巨大な砲弾は、狙い過たずバルバロッサの元に向かい――そして、衝撃波の咆哮に迎え撃たれた。歓喜のエネルギーを前方へ指向させ一瞬で解き放てば、この一撃を凌ぐには事足りる。
「次はこちらの番だな」
「なんとッ!!」
砕け散った砲弾の破片は、纏うオーラの密度を上げて防ぎ。赤黒の防御壁を帯びたキャバリアが今だ健在であることを確認すると、ギガンティックは驚きの声を上げる。巨砲の反動をものともしない相手のことだ、すぐに次の砲撃が来るだろうが、ここまで接近すれば反撃の用意は整った。
「諸君、衝撃に備えたまえ」
「ぬおお……ッ!?」
【作戦発令:衝撃と畏怖】。バルバロッサから放たれた衝撃波が、ギガンティックに凄まじい威圧感を叩きつける。
強烈な畏怖の念を喚起することで、戦場の全ての敵を無力化するユーベルコード。その力は一時的なものとはいえ、かの幼女総統の足さえ竦ませた。
「140秒もあれば事足りる」
この機に乗じてフリッツは、ぽっかりと開いたギガンティックの口内に飛び込む。キャバリアのサイズと比べても、そこはまるで広大な洞穴のよう。だが『魔女』とて生命体である以上、体外より体内のほうが柔いのは定石であり――そして口腔の真上には脳髄がある。
「全武装でもって貫いてくれよう」
先程も披露した衝撃波に加え、両肩部の拡散レーザー砲「AS/SIEGESFEST」、刃状に変形した両腕部の「GÖTZ-VON/BERLICHINGEN」。バルバロッサに搭載された全ての凶器が、ギガンティックの口内で猛威を振るう。その火力は本気で敵の上顎を突き破り、脳天まで穿つつもりであった。
「うがぁっ?! ぐええっ!!」
一寸法師の逸話にも似て、小さき者に体内で暴れられる苦痛は筆舌に尽くし難く。のたうち回る幼女総統の巨体が、ウラル山脈をグラグラと揺らす。それでもまだ耐えているだけ頑丈だが、衝撃と畏怖の効果が切れる頃には、ダメージも甚大なものになっているだろう――。
大成功
🔵🔵🔵
エミリィ・ジゼル
幼女総統って両親もあのサイズなんですかね。気になって夜しか眠れませんね。
まあいいか。ひとまず疑問は置いておきましょう
サメ子に乗ってUDC-[データ削除済]を構え、幼女総統に対して正面から突貫
シュリヒトゲヴェーアの攻撃を意図的に誘発し、【カウンター】でUCによる反撃をお見舞いします。
相手がどれだけ巨体であろうと、超超ビームがどれだけ凄かろうと、当たらなければ意味がありません。丸い釘を四角い孔にはめ込むことは出来ないのです。
その後は相手が攻撃してくる限りUCで反撃し、反撃してこないのであれば鯨の骨を【投擲】し、執拗かつ丹念に嫌がらせし続けます。
わたくしの理不尽さを思い知らせてやりましょう。
「幼女総統って両親もあのサイズなんですかね。気になって夜しか眠れませんね」
魔女の生態は人間とは違うのか、どのように幼児から大人になり子孫を残すのか。あの幼女総統『ギガンティック』を見上げていると、エミリィ・ジゼル(かじできないさん・f01678)の頭には考えれば考えるほど疑問が湧いてくる。
「まあいいか。ひとまず疑問は置いておきましょう」
しかしマイペースな彼女はすぐに思考を切り替え、騎乗用鮫の「サメ子」に乗って空へ飛び立つ。今考えなければならないのは、敵の進軍をどうやって止めるかだ。果たして策はあるのか、彼女は幼女総統に対して正面から吶喊した。
「なんだアレは? とにかく撃ち落とすか!」
空飛ぶサメに乗ったメイドという一見奇妙な相手に、ギガンティックは首を傾げつつ『
シュリヒトゲヴェーア』を構える。ゾルダートグラードの科学力が生み出したこの超超巨大砲にかかれば、どんな敵であれ近づく前に撃墜してくれよう。
「そう来ますよね。わかってました」
まっすぐ行けば狙い撃たれると知った上で、エミリィは敵の攻撃を意図的に誘発した。シュリヒトゲヴェーアが砲声を轟かせ、必殺の【超超巨大ビィーム
!!!!】が放たれる時、彼女はUDC-[データ削除済]を構えており――直撃の瞬間【プロトコル-[データ削除済]】が発動する。
「相手がどれだけ巨体であろうと、超超ビームがどれだけ凄かろうと、当たらなければ意味がありません。丸い釘を四角い孔にはめ込むことは出来ないのです」
「は……はぁっ?!」
その時、文章ではとても説明できないことが起こった。認識不可能な原理によってギガンティックの超超巨大ビームは防御され、正体不明の反撃がお見舞いされる。射程距離の概念さえ無視した必中攻撃が、幼女総統をよろめかせた。
「な、なにが起こった? 吾輩はなにをされたのだ?」
ギガンティックは困惑しながらもう一度ビームを撃つが、やはり結果は同じ――いや本当に同じかどうかも分からない、理解不能のカウンターを受ける。このユーベルコードにまつわる詳細情報は全て[削除済]であり、エミリィ本人の説明もまるで理解を促進しなかった。
「と、とにかく吾輩が攻撃すれば反撃されるのだな? だったら……」
「攻撃しなければいいとか思ってます?」
向こうが撃つのをやめればエミリィはUDC-[データ削除済]をしまい、代わりに鯨の骨で作った手投げ槍を投擲する。
それはギガンティックの巨体に突き刺さった瞬間に破裂し、内部から傷口をズタズタにする。サイズ的に致命傷にはならないが、これはこれで結構痛い。
「わたくしの理不尽さを思い知らせてやりましょう」
「うぎゃっ! よ、よくもぉ!」
怒った敵が砲を構えたら、こちらもUDC-[データ削除済]を構え直してカウンター体勢を取り、撃ってこないのならまた骨を投げつける。執拗かつ丹念に嫌がらせを続けるエミリィに、ギガンティックの苛立ちは増すばかりであり――肉体的にも精神的にも、徐々に余裕をなくしつつあった。
大成功
🔵🔵🔵
アルジェン・カーム
…あの方の能力…そして巨大さ
もしや…ギガンティックメイガスの本来の持ち主…?
機神搭乗
ぷっさん、お願いしますね
「任せて!大きいだけの幼女に男の娘は負けないよ!」
【戦闘知識】
幼女の戦い方と砲撃の方向性を冷静に把握
【オーラ防御・空中戦・勇気・第六感】
UC発動
英霊剣群同時発動
破壊オーラを纏いつつ超高速で飛びながら砲撃を直感を生かしながら回避!恐れは勇気でねじ伏せる!
距離を詰めれば
【弾幕・念動力】
ケルベロス
銀月展開
念動光弾を乱射して動きを鈍らせ
【二回攻撃・切断・串刺し・貫通攻撃・怪力】
破壊のオーラを纏った宝剣で切り刻みバイデントで串刺しにして内側に破壊の波動を流し込んで内側から破壊する!!
「……あの方の能力……そして巨大さ。もしや……ギガンティックメイガスの本来の持ち主……?」
山のような体躯を誇る『魔女』と、『ギガンティック』という名前から、アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)はかつて三塔戒律マギラントで発見された超巨大な
知識の鎧のことを連想していた。遠い古代に建造されたと思しきそのメイガスは、現代ではすでに遺跡と化しており、主不在のまま残骸を晒していた。
「くっ、やはり故郷にある吾輩専用の
甲冑があれば……いや、この程度の逆境、恐れるに足らぬ!」
ギガンティック本人からもそれを示唆する発言はあるが、真実は定かではない。もしこの憶測が正しいのであれば、敵が万全ではない幸運に感謝すべきだろう。その身を鎧う甲冑がなくとも、その手に携えた『
シュリヒトゲヴェーア』だけで、彼女は恐るべき脅威として君臨するのだから。
「ぷっさん、お願いしますね」
「任せて! 大きいだけの幼女に男の娘は負けないよ!」
冥皇神機『プルートー』に宿る人格と会話しながら、アルジェンはウラル山脈上空を飛行する。ここから確認できた幼女総統の戦い方は自らの巨体と武器の射程・火力に任せたもので、下手な小細工を使われるよりも遥かに脅威だが、冷静に見れば付け入る隙はある。
「重力戦闘下における最強の幼女たる吾輩を舐めるなよ!」
近付いてくる異界の機神に向けてシュリヒトゲヴェーアを構えるギガンティック。その身の丈にあった超超巨大砲から放たれる【超超巨大ビィーム
!!!!】の破壊力は山をも貫く。自身が統べるゾルダートグラードの技術力に、彼女は絶大な自信を持っていた。
「ぷっさん! その力……今こそ示しましょう!」
これに対し、砲撃の方向性を把握したアルジェンは【対神滅殺機構『冥界の神』】と【英霊剣群展開】を発動。乗騎の性能をフルに引き出すと同時に、無数の神剣の幻影を周囲に旋回させる。剣呑なるオーラを纏った神機は急加速し、攻撃が来る瞬間にさっと身を翻した。
「くらえ、超超巨大ビィーム!! ……なにいっ!!?」
アルジェンの直感とプルートーのスピードを活かせば、ビームを回避するのも不可能ではない。タイミングを誤れば即死――恐れは勇気でねじ伏せ、彼は見事にそれを達成してみせた。必殺の一撃を躱されたギガンティックの、驚きの叫びが山脈に木霊する。
「ケルベロス、銀月展開!」
「了解!」
そのまま超高速で距離を詰めたアルジェンは、プルートーの搭載武装である遊撃射撃兵装『ケルベロス』と、円月輪『銀月』を射出。それぞれを念動力でコントロールしながら念動光弾を乱射して、ギガンティックの動きを鈍らせる。
「ぐぬぬッ……この程度か!」
「いいえ、まだです!」
幼女総統の圧倒的巨体の前では、キャバリアの武装も豆鉄砲に過ぎない。だが僅かに相手が怯んだ瞬間、アルジェンは宝剣「Durandal」を振るった。使い手の意思によりプルートー用のサイズに変化したその刀身には今、万物を破壊する冥界の神のオーラが宿っている。
「ぐあッ?!」
切り裂かれたギガンティックの胸元から、洪水のように血が吹き出す。すかさずアルジェンは万能近接砲撃戦闘兵装『バイデント』の矛先を突き立て、トリガーを引く。槍型の兵装に内蔵された砲撃機構が、目標の体内に破壊の波動を流し込んだ。
「外側がだめなら、内側から破壊する!!」
「ぐ、ぐわぁぁぁーーーッ
!!!!」
内部で炸裂する冥皇の波動を受ければ、たまらずギガンティックも絶叫。雲を突くほどの巨体が大きくよろめいた。
これでもまだ膝をつかせるには至らないが、外から見えるよりもダメージは深刻なはず。手応えを感じたアルジェンとプルートーは、笑いながら前線を離脱していった――。
大成功
🔵🔵🔵
葛城・時人
相棒の陸井(f35296)と
厄介だね
「あの砲に地味ってついてるのおかしいでしょ」
とか言う間に既に敵の攻撃は始まってる
「OK。だるまさんが転んだ、だよ」
ククルカンウィングを詠唱し飛翔!
空を往く俺めがけ砲撃がくる
技能のオーラ防御や空中機動も駆使し
ギリギリの回避を続けよう
「かなり苛立ってるな」
集中攻撃されて
回避はきわどくなり翼が砲撃に触れ
危うい局面もあったけど…これでいい
俺にかまけさせるのが目的だから!
ほら足元に相棒が
よし!ライフルも動きもUCも全部陸井が止めた!
「流石だよ陸井!」
喚いてるしもがいてるけど陸井の縛鎖は外せない
今こそ二人で全力の同時攻撃を叩き込んでやる
「さぁ満身創痍で逃げ帰るがいい!」
凶月・陸井
相棒の時人(f35294)と
今の俺達には倒し切れない事も解っている
だけど、相棒もきっと同じ気持ちだ
「進路上の人達を、護らないとな」
「あぁ、頼んだ。相棒」
歩くだけでも災害のようなそれと
此方に向いている巨大砲
一瞬身がすくみそうになるけど
相棒は当たり前に飛び出していく
「俺も、負けてられないよな」
敵は時人を狙っていくだろう
俺は気配を消して隠れて
傍を過ぎて行く砲撃は回避して
少しでも早くあの足元へ
攻撃が届く範囲までたどり着いたら
【戦文字「重縛鎖」】を使用
どれだけ巨大でも構わない
「俺の文字は、全てに届く!」
全身を戦文字で縛り上げ
UCすらも縛り付けてから
相棒と俺、二人の全力の攻撃を放つ
「くらっておけ!」
「厄介だね」
「ああ」
ウラル山脈を進軍する幼女総統『ギガンティック』を見上げ、ぽつりと呟くのは葛城・時人(光望護花・f35294)と凶月・陸井(我護る故に我在り・f35296)。規格外の巨体と魔力を誇るあの魔女を、今の自分たちでは倒し切れないと彼らには解っている。そのうえで、彼らが胸に秘めた気持ちは同じだった。
「進路上の人達を、護らないとな」
「絶対にここで追い返さないとね」
あれがただ徒歩で進むだけで大地は踏み均され、道路も都市も壊滅する。「はじまりの猟兵」に彼女が辿り着くまでの途上で、一体どれほどの被害が出ることか。力無き者の盾たらんと誓った彼らにとって、それは絶対に看過できない災厄だった。
「OK。だるまさんが転んだ、だよ」
「あぁ、頼んだ。相棒」
まずは時人が【ククルカンウィング】を詠唱して高速飛翔戦闘モードに変身し、陸井は地上で待機する。こうするとギガンティックは空中にいる時人を先に捕捉するだろう。この距離はすでに超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』の射程圏内だ。
「あの砲に地味ってついてるのおかしいでしょ」
とか言っている間にもう敵の攻撃は始まっている。飛来する規格外スケールの砲弾を、彼は
白燐蟲の翼を羽ばたかせて回避。弾とすれ違う余波だけでも体が持っていかれそうになるが、それもオーラで防御を固めて耐え、眼前の巨大幼女をめざして飛翔する。
「むっ、なかなかやるな。ならばくらえ、超超巨大ビィーム
!!!!」
初撃で目標を撃ち落とせなかったギガンティックは、次は本気になってユーベルコードを発動。成熟前の『魔女』が持つ膨大な魔力を砲身に込め、名前通り巨躯大規模のビームを放つ。こんなものを食らったら、いくら猟兵でも一瞬で消し飛ぶだろう。
「避けてみせる!」
白燐蟲との合体でスピードと反応速度を爆発的に増大させた時人は、閃光の如き空中機動でビームの射線から退避。
なおも連発される砲撃も全てギリギリのところで回避し、上空にて自らの健在を誇示する。その姿は勇ましく、どこか挑発的でもあった。
「大したやつだよ、本当に」
激しい砲火に晒されながらも今だ無傷の時人を見上げ、陸井は感嘆の言葉を紡ぐ。歩くだけでも災害のような敵と、全てを吹き飛ばす巨大砲。一瞬身がすくみそうになったそれに、彼は当たり前に飛び出していった。そんな相棒のことを心から尊敬する。
「俺も、負けてられないよな」
今、敵の狙いは時人に向いている。その間に陸井は気配を消して身を隠し、地上からギガンティックの足元に迫る。
遮蔽物の多い山中に潜んでいても、敵の砲撃は山肌を抉る威力だ。傍を過ぎていく流れ弾には最大限の警戒をもって回避し、少しでも速く先へ進む。
「むむむ! ちょこまかと! いい加減落ちろ!」
「かなり苛立ってるな」
一方の上空では相変わらず、時人がシュリヒトゲヴェーアの集中攻撃を受けている。なかなか標的を仕留められずにギガンティックは喚き散らしているが、時人のほうも余裕はない。動きを見切られつつあるのか回避はきわどくなり、翼の先が砲弾に触れることすらあった。
(危うい局面もあったけど……これでいい。俺にかまけさせるのが目的だから!)
ここまで敵が躍起になってくれるのなら、時人の役割は果たされたも同然だ。上空の標的を目で追っているうちは、地上に目を向けている余裕はないだろう。ギガンティックが気付かない間に――ほら。足元に彼の相棒がやって来る。
「悪いが、これ以上お前には何もさせない」
攻撃が届く範囲まで辿り着いてすぐ、陸井は【戦文字「重縛鎖」】を使用。空に記した「重鎖」と「縛鎖」の戦文字が分裂して広がり、鎖のように連なってギガンティックに絡みつく。たとえ相手が規格外の力を振るう魔女だろうと、どれだけ巨大でも構わない。
「俺の文字は、全てに届く!」
「な、なにぃッ?!」
陸井が紡ぎ上げた戦文字の鎖は、足から胴体、両手から首まで――幼女総統の全身を縛り上げた。その拘束力は非常に強固で、身動きを止めるだけでなくユーベルコードの使用も封じる。時間を巻き戻して無かったことにするような反則技も、これで使えないわけだ。
「流石だよ陸井!」
敵の動きも大砲もユーベルコードも、全て相棒が止めてくれた。幼女総統に絡まる戦文字を見て、時人は「よし!」と喝采を上げた。もちろん彼は相棒の仕事を疑ったことなどない。でなければ危険な囮の役目など果たせないだろう。
「ぐぬぬっ、放せ、放さぬかぁ!!」
ギガンティックは憤怒の形相で喚いているが、いくらもがいても陸井の重縛鎖は外せない。書道使いが用いる戦文字の呪いは、腕力で振りほどけるものではないのだ。今こそ空と地上から、二人の同時攻撃を叩き込むチャンスである。
「さぁ満身創痍で逃げ帰るがいい!」
「くらっておけ!」
大鎌「黒月」を振るう時人と、短刀銃「護身」を抜き撃つ陸井。裂帛の気迫を込めた全力攻撃は、身動きの取れないギガンティックを大きくよろめかせた。その巨体から滝のように流れ出る鮮血が、ダメージの大きさを物語っている。
「ぐ、ぐはぁっ……やってくれたな
……!!」
まだ斃れる気配はないとはいえ、これ以上の負傷は作戦遂行に支障が出る。「はじまりの猟兵」を巡って他の超大国とも争う可能性を考慮すれば、余裕があるとは言えず――幼女総統の脳裏に「撤退」の二文字がちらつきだしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
四王天・燦
《狐姉妹》
ゾルダート、パネェな
銃と服を作った職人さん何者だ?
適当に残像を残したり
時限爆弾を置いて爆発で気を引く
帝竜様らのブレスと同じと思えば見慣れた火力よ
むしろ砲口が理解できる分、落ち着いて射線を見切るぜ
へい
焔こっちこっち
足元に到達すりゃあフォックスファイアを百発ほど乱れ撃ち
ほむに攻撃の隙を作るべく鬱陶しく狐火をギガンティックの周囲に漂わせる
適当に当てて巻き戻させて能力を浪費させるぜ
真の狙いは炎で乾かしておくこと
着衣が乾いたら残る狐火を纏めて放って着火☆
巻き戻しても文字通り焼き直して恥じらわせてやるぜ
ほむ、流石に幼女にはときめかないぞいっ
総統は帰って着替えてきな
四王天・焔
《狐姉妹》
わぁー。巨大な幼女様だー。見上げるほどの巨体だね。
でも、巨体であればあるほど、動きづらかったりしないかな?
その辺りに隙が生まれると思うよ。
■行動
超超巨大砲に対しては【オーラ防御】で身を守るよ。
また、直撃を受けない様に、【見切り】で敵の銃口を見定めつつ、避けるようにするよ。
「燦姉、援護どうもありがとうね! ええ、今そっちに向かうからね!」
此方の攻撃は、『華竜の炎域』を使用して攻撃していくね、
【範囲攻撃】で敵の周りを纏めて焼くね。敵が巨体であれば、
足止めはより有効だろうし。
時間の流れの逆行は、【環境耐性】で敵の攻撃の成功率を下げるように試みてみるね。
「燦姉と一緒なら、怖くないよ!」
「わぁー。巨大な幼女様だー。見上げるほどの巨体だね」
顔立ちや体型は完全に幼女なのに身長数百メートル。巨大な敵と戦うことは初めてではないが、これには四王天・焔(妖の薔薇・f04438)も驚いていた。本人だけでなく着ている服も持っている武器も何もかもデカいので、遠くから見ると遠近感が狂いそうである。
「ゾルダート、パネェな。銃と服を作った職人さん何者だ?」
あの『ギガンティック』に合わせたサイズの服を仕立てるのはさぞかし大変だったろうなと、違う所で感心するのは焔の姉である四王天・燦(月夜の翼ルナ・ウォーカー・f04448)。ゾルダートグラードの総統だし、きっと超大国の技術力を総動員して作らせたのだろう。色んな意味で規格外な相手だ。
「でも、巨体であればあるほど、動きづらかったりしないかな? その辺りに隙が生まれると思うよ」
「だな。よし
焔、行こうぜ」
ロシア深部を目指して進軍中のギガンティックを止めるべく、ウラル山脈の山中に降り立った狐姉妹。ここはもう敵の射程圏内であり、発見されればすぐに砲撃が飛んでくる。まずは、どうやってこちらの攻撃が届く距離まで近付くかの勝負だ。
「出てきたな猟兵! くらうがいい!」
超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』が咆哮を上げ、規格外の巨弾が山肌を抉る。人間や妖狐にあんなものが直撃すれば即死だろう。立ち止まっていてはいい的だと、燦と焔は互いの顔を見合わせ、こくりと頷くと同時に走り出した。
「帝竜様らのブレスと同じと思えば見慣れた火力よ」
踏んできた場数が違うとばかりに、燦は落ち着いて射線を見切る。砲口が理解できるぶん、過去の強敵たちに比べればむしろ攻撃は避けやすいほうだ。ついでに残像を適当に残したり、山中に時限爆弾を置いたりして、少しでも敵の気を散らす。
「むっ、そこか!」
「残念、ハズレ」
時間差で起きる爆発や残像に気を取られたギガンティックは、誰もいない場所に何発も無駄弾を撃つ羽目になった。
この隙に燦は山を駆け登って敵の足元を目指す。遠目にもデカかった幼女総統の姿が、いよいよ目前に見えてきた。
「燦姉、さすがだね。焔も負けないよ!」
一方の焔も姉と同様、直撃を受けないように敵の砲口を見定めつつ攻撃を避けている。砲弾で抉られた山の土砂や岸壁の破片が飛んでくるが、それらもオーラで身を守っているので無傷だ。ふわりふわりと軽やかに、舞うような身のこなしで敵の足元に迫る。
「むむむ。ならば、超超巨大ビィー……むぅっ?!」
「おっとそれはナシで」
業を煮やしたギガンティックは、より強力な砲撃で山ごと標的を消し飛ばそうとするが、させじと下から【フォックスファイア】が飛んでくる。一足早く足元に到達していた燦の乱れ撃ちにより、敵は攻撃の機を逸することになった。
「へい
焔こっちこっち」
「燦姉、援護どうもありがとうね! ええ、今そっちに向かうからね!」
燦が百発ほどの狐火をギガンティックの周囲に漂わせ、鬱陶しく気を散らせている間に、焔も敵を射程距離に捉える。
発動するのは【華竜の炎域】。手にしたドラゴンランス【フローレ】から紫色の炎が立ち上り、山火事のような速さで戦場に燃え広がっていく。
「フローレ、任せたよ。敵の動きを止めちゃってね。いっけー!」
「うおっ、熱っ?! なんだこの火は!」
たちまちギガンティックの周囲を取り囲んだ紫炎は、ダメージと足止めの効果を同時に与える。相手がこれほどの巨体であれば、足止めはより効果的だろう。火の手に包まれて棒立ちになった巨大幼女は、誰から見てもよい的である。
「ぐぬぬ。斯様な結末、吾輩は断じて認めない
!!!!」
狐火と華竜の炎域に囲まれたギガンティックは、癇癪を起こしたように怒鳴る。未熟なれども彼女は『魔女』、終焉を巻き戻す「エンドテイカーの魔力」によって時間の流れを操れるのだ。この力があれば受けたダメージも不利な状況も元通り――。
「だめだよ」
「なんだとッ?!」
しかし環境耐性に優れる焔は、巻き戻されてゆく時間の流れの中でも挫けずにユーベルコードを操り、炎域の足止めを解かない。ここで逃がしてしまうと最初から全部やり直しなんて、そんな理不尽は許さない。少しでも敵に不自由を強いて、行動の成功率を下げるように試みる。
「燦姉と一緒なら、怖くないよ!」
目前で見上げるだけでプレシャーを感じるほどの巨体。一撃でこちらを吹き飛ばせる火力に、時間を操る魔女の力。
それでも焔はまったく怯まず、紫炎を操りて果敢に立ち向かう。共に戦う姉に対する、無上の信頼が彼女の支えだ。
「そらよ、アタシのことも忘れんな」
「熱ッ! み、認めん、認めんぞ!」
さらに燦からも追加の狐火をけしかけられ、それらを巻き戻すためにギガンティックは能力を浪費することになる。
エンドテイカーの魔力も無限ではない。彼女が成熟した『魔女』であれば話は変わったかもしれないが、巻き戻せる時間にも限界があるようだ。
「そろそろかね。着火☆」
ギガンティックの巻き戻しが終わる時を待って、燦は残る狐火を纏めて放つ。これまでの行動における真の狙いは、敵の服を乾かしておくことだった。二人がかりでこれだけガンガン火を焚けば、辺りの空気は乾ききっており、着衣の水気も抜けている。そこに火を着けられたらどうなるか。
「きゃあっ?! 吾輩の服がっ!!」
ボウッと音を立てて燃え上がる軍服。慌ててはたいて火を消しても、その頃には上着もズボンも焦げてボロボロだ。
肉体的には大した火傷にはならないだろうが、魔女も羞恥心を感じるのであれば、精神的なダメージはあるはずだ。
「巻き戻しても文字通り焼き直して恥じらわせてやるぜ」
「き、貴様ぁ……!」
ギガンティックは赤面しながら燦を睨みつけるが、そんな格好では総統の威厳もガタ落ちだ。ここで斃せないのならメンタル面を追い詰めて撤退に追い込む、高度な頭脳プレーである――敵より妹からの視線のほうがちょっと痛いが。
「燦姉、ひょっとしてこういう子にも……」
「ほむ、流石に幼女にはときめかないぞいっ」
いくらデカくても大人というわけではなく、女好きな燦でも幼女は守備範囲外らしい。逆に下心があった場合は純然たるセクハラ行為になってしまうので、それで良かったと言うべきだろう。兎にも角にも作戦事態は成功したわけだ。
「総統は帰って着替えてきな」
「こ、こんなことで帰れるかぁッ!」
帰りたい気持ちもゼロではなかろうが、ここで尻尾を巻いて逃げ出せばそれこそ大恥だ。ゾルダートグラード総統のプライドに賭けて、ギガンティックは依然として徹底抗戦の意思を見せる。たとえボロボロであられもない格好でも。
となれば狐姉妹の対応も決まっている。この幼女総統の心が折れて帰りたくなるまで、何度でも焼いてやるだけだ。にこにこと笑う二人の傍で、二色の炎が妖しげに揺らめいていた――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵

カタリナ・エスペランサ
猟兵相手に戦闘経験を積まれる前に仕留められればベストだけど、
こうも派手に暴れられると野放しにもしておけないか
大物狩りも慣れたもの、初めましての挨拶代わりと洒落込もう!
【閃風の庇護者】の技量解放
《戦闘知識+第六感》と研ぎ澄ませた《見切り》で敵の攻撃を先読み、《空中戦》機動力で接近だね
敵UCのビームは非実体なら《破魔》の金雷を宿したダガーで対処可能だ
《受け流し》の際に《魔喰+略奪+ドーピング》自己強化にも利用して急加速、零距離に飛び込む
《怪力+早業+武器巨大化》で心臓に突き立てるは唯の一撃
金色の雷は《破魔+蹂躙+破壊工作+神罰+属性攻撃》となって体内から《蹂躙》し
魔力の源を直接ズタズタに破壊するよ
「猟兵相手に戦闘経験を積まれる前に仕留められればベストだけど、こうも派手に暴れられると野放しにもしておけないか」
木々を踏み潰し、山肌を抉りながら進軍する幼女総統『ギガンティック』を見て、カタリナ・エスペランサ(閃風の舞手・f21100)はそう呟いた。このままあれを放置すれば、奴が「はじまりの猟兵」の元に辿り着く頃には甚大な被害が各地に出ているだろう。今はとにかく追い返すのが先決だ。
「大物狩りも慣れたもの、初めましての挨拶代わりと洒落込もう!」
巨大な敵との交戦経験も多い彼女は、身長数百メートルの幼女が相手だろうと臆さず向かっていく。虹色にきらめく自慢の翼を羽ばたかせ、ウラル山脈を快速で。もちろんギガンティック側もそれに気付き、迎撃の砲口を向けてきた。
「吾輩はこの先に用があるのだ! 邪魔をするな!」
ゾルダートグラードの超技術が開発した超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』が火を噴き、轟音と共に砲弾が発射される。その射程および威力は獣人戦線のどの兵器と比較しても規格外。直撃すれば人間など跡形も残らず吹き飛ぶだろう。
「おっと、余所見なんて寂しいね! キミの相手はアタシだよ!」
しかし【閃風の庇護者】を発動したカタリナは、持ち前の戦闘知識と第六感に加え、研ぎ澄まされた見切りのセンスで敵の攻撃を先読みする。砲弾が飛んでくるタイミングさえ分かれば、あとは得意の空中機動で避けつつ接近できる。ひらりひらりと鳥のように舞う彼女を撃ち落とすのは容易ではない。
「ぐぬぬ、ならばこれだ! くらえ、超超巨大ビィーム
!!!!」
ただの砲撃では当たらないと悟ったギガンティックは、シュリヒトゲヴェーアに『魔女』の魔力を注ぎ込み、全力のユーベルコードを発射。目も眩むほどの閃光と共に放たれた超特大のビームは、ウラルの山々を削りながらカタリナに向かっていく――。
「ビームは非実体ならこれで対処可能だ」
そこでカタリナが抜き放ったのは一振りのダガー。破魔の金雷を宿したその刃を、避雷針のように使ってビームの軌道を逸らす。さらに受け流しの際にビームのエネルギーの一部を奪って自己強化に充てることで、彼女の翼はより輝きを増した。
「お邪魔するよ」
「なにぃッ?!」
ビームで消し飛ぶどころか逆に急加速したカタリナは、そのままギガンティックとの零距離に飛び込む。魔力を込めたダガーは巨大な敵にも通じる刃渡りまで巨大化し、疾風の早業と怪力で胸に突き立てられる。その一撃には【超超巨大ビィーム
!!!!】を受け流した金色の雷が宿っていた。
「これでお帰り願おうか!」
「ぐわぁぁぁぁーーーっ
!!!?」
流れ込んだ金雷は破魔の神罰となって体内から蹂躙し、魔力の源を直接ズタズタに破壊する。これはギガンティックも堪えたようで、大きな悲鳴が山脈中に木霊する。それでも斃れる気配がないのは大したものだが、蓄積したダメージはもう無視できないはずだ――。
大成功
🔵🔵🔵
佐伯・晶
でかいね
大きい事はそれだけで強みになるから厄介だよ
長距離砲撃対策の為に鉑帝竜に乗り込み飛行して接近しよう
使い魔にサポートして貰おうか
まかされたのですよー
ついでにUCを使用して知覚を困難にしようか
この機体は念動力で飛ぶから発見しにくいよ
もちろん地面に撃たれた時の
爆発に巻き込まれない高度は維持しよう
接近できたらキックの難しい高さを維持して戦おう
いくら巨大でも人体の構造を超えた動きは難しいはずだから
ある程度は敵の動きを予測できるかな
周囲を飛び回りながら
神気による時間停滞やマヒ攻撃で自由を奪っていくよ
敵の動きが止まったら鉑帝竜で砲撃
もう位置を特定されても影響は少ないからね
電磁加速砲で金属弾を撃ち込もう
「でかいね」
幼女総統『ギガンティック』の実物を見た時の、佐伯・晶(邪神(仮)・f19507)の第一声がそれだった。峻厳なるウラル山脈を歩いて渡る数百メートル級の巨体。なまじ見た目が幼女であるからこそ、スケール感が狂いそうになる。
「大きい事はそれだけで強みになるから厄介だよ」
加えて、そのデカさに見合った専用の武器まで持っているときた。超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』による長距離砲撃対策のために、晶は試製竜騎「鉑帝竜」に乗り込み空中から接近を図る。万全を期すべく使い魔にもサポートを要請済みだ。
「頼んだよ」
「まかされたのですよー」
邪神の力で複製創造された少女型の使い魔が、鉑帝竜の飛行制御を手助けする。その力を借りて晶は【邪神の戯れ】を発動し、自身と機体を神気で覆った。これでこちらの姿は相手からは見えず、嗅覚や聴覚でも知覚は困難なはずだ。
「うん? なにか居る気がするぞ?」
それでも違和感を察知したのは『魔女』の直感だろうか。ギガンティックは牽制するようにシュリヒトゲヴェーアを撃つが、その砲弾は晶がいるのとはまるで違う所に着弾する。大地が震えるほどの轟音と共に、山肌が大きく抉れた。
(この機体は念動力で飛ぶから発見しにくいよ)
位置を予測されないように、通常の航空機にはできない機動で鉑帝竜を飛ばす晶。一発でも被弾すれば撃墜の危機である以上、とにかく見つからないようにするのが重要だ。もちろん地面に着弾した時の爆発にも巻き込まれないよう、一定以上の高度は常に維持している。
「まあ、便利ではあるんだよね」
望まぬ事故によって邪神と融合してしまった人間としては、今だに複雑な気持ちはあるが。猟兵としてやっていく上ではこの通り、邪神の権能が強い力となっているのは否定できない。不可知の神気に守られたまま、彼女は無傷で敵に接近することができた。
「なんだ? 吾輩の体が……このっ! やめろっ!」
流石にここまで接近すると【邪神の戯れ】でも気配を隠しきれないが、邪神の神気には触れた敵から時の流れを奪う効果がある。それを利用して晶の鉑帝竜が周囲を飛び回ると、不快感を抱いたギガンティックは闇雲に暴れて虫ケラを叩き落とそうとする。
(いくら巨大でも人体の構造を超えた動きは難しいはずだから、ある程度は敵の動きを予測できるかな)
相手があくまで人型であることが、晶にとっては有利に働いた。【幼女キーック
!!!!】で蹴り飛ばすのが難しい高さを保ったまま、彼女は神気による時間停滞とマヒで敵の自由を奪っていく。スケールの割には機敏だったギガンティックの動きが、次第に遅く、鈍くなっていく――。
「こ、これは、吾輩の時間を……」
系統は異なれども時空を操作する能力を持つギガンティックは、自分の身に何が起きているかを理解できたようだ。
だが、もはや手遅れだ。神気の侵食によって彫像のように立ち尽くす巨大幼女の眼前で、白金の竜騎が姿を現した。
「もう位置を特定されても影響は少ないからね」
「お、のれ
……!!!」
淡々とした調子で言って、晶は至近距離から電磁加速砲を発射。超高速の金属弾がギガンティックに撃ち込まれる。
静謐なる停滞を強要された幼女総統の口から悲鳴は上がらない。だが肉体は不変とまではいかず、穿たれた弾痕も、流れ出る血潮も、全て彼女のダメージを物語っていた。
大成功
🔵🔵🔵
ゼーレ・ユスティーツ
これは面倒ね
『…彼女はこれでも本気じゃない、気を付けて戦おう』
気功法で息を整えながら戦闘態勢をとる
エーリュシオンも警告してきた
デカい…デカすぎる
超超巨大砲の砲撃に対しては心眼で巨大砲を見ながら推力移動で回避する
【可能ならUCスタールイーファントムを使用してから回避する】
とりあえずあの巨大砲の正面に立たないようにしなきゃ…!
敵のUCに対しては敵の直線上に立たないようにしながら指定UCを放つ
『魔女殿…僕も相手をしよう』
指定UCの効果でUC時空呪神・エーリュシオンを発動し時と空間で時空干渉で敵の動きを遅くして概念破壊のエネルギー弾を放つ
てかあんた、誰よ
『紹介が遅れたね、僕はエーリュシオン…時空神さ』
「これは面倒ね」
気功法で息を整えながら、ゼーレ・ユスティーツ(彷徨う『黒蝶の死神』・f41108)は戦闘態勢を取る。彼女の視線の先には、ウラル山脈の西側から進軍する幼女総統『ギガンティック』がいた。規格外の巨体、長射程、超火力を誇るゾルダートグラードの支配者だ。
『……彼女はこれでも本気じゃない、気を付けて戦おう』
ゼーレの傍らに立つ【時空呪神・エーリュシオン】も警告を発する。あの幼女をここで殺し切るのはおそらく不可能で、撤退に追い込むのが限界だと予知されるほどの強敵なのは間違いない。油断すれば命を落とすのはこちらの方だ。
「ここはなんとしても押し通る! くらえ猟兵!」
前方に敵影を発見したギガンティックは、即座に『
シュリヒトゲヴェーア』を発砲。彼女の体格に合わせた数百メートル級の超超巨大砲が轟音を上げ、馬鹿でかい砲弾が山肌を抉りながら超音速で飛んでくる。何もかもがスケールの違う攻撃だ。
「デカい……デカすぎる」
戦慄を抱きながらもゼーレは【還り蝶『スタールイーファントム』】を発動し、量子化と推力移動による回避を行う。巨大砲の動きを心眼でよく見ていれば、弾道と発射のタイミングは分かる。超神速に達する彼女のスピードを以ってすれば、避けられない攻撃ではなかった。
「とりあえずあの巨大砲の正面に立たないようにしなきゃ……!」
最初の一発を避けても、敵は一切の反動を受けずに巨大砲を連射できる。射線上に立たないように気をつけながら、ゼーレは『スタールインファントム』を維持したまま走りだす。とにかく接近しない事には一方的に撃たれるだけだ。
「まだまだ! 超超巨大ビィーム
!!!!」
自らの魔力を破壊の閃光に変え、シュリヒトゲヴェーアより放射するギガンティック。岩が溶け、木々が吹き飛び、山に風穴が空く、そんな凄まじい破壊を目前にしながらも、ゼーレは辛くも生き延びていた。量子化と同時に実体化された残像が、囮になってくれたお陰である。
「蝶の様に散れ!」
無事に自身の間合いまで踏み込むと、ゼーレは渾身の斬滅撃を繰り出す。空間を破壊し概念を無視する彼女の刃は、決して灯籠の斧などではなく。足元から切り裂かれたギガンティックの口から「ぐわあっ?!」と悲鳴が聞こえた。
『魔女殿……僕も相手をしよう』
「な、これはッ……貴様も時を操るのか?!」
さらにエーリュシオンもユーベルコードを行使し、時空干渉で敵の動きを遅くする。時空を操る『魔女』が相手とはいえ、こちらも【時と空間】を司る神だ。巨大幼女がピタリと動きを止めた瞬間、概念破壊のエネルギー弾がその身を撃ち抜いた。
「てかあんた、誰よ」
『紹介が遅れたね、僕はエーリュシオン……時空神さ』
流れで共闘することになったとはいえ、実は相手のことをまだよく知らなかったゼーレ。戦闘の真っ最中ながらも、エーリュシオンは改めて自己紹介する。その態度は紳士的だが話し方は妙に胡散臭く、信用していいのか不安になる。
『ほら、今は戦闘に集中しないと』
「ええ……わかってる」
ともあれ長々と身の上話をしている余裕はなさそうだ。ダメージは与えたとは言え、敵が倒れ伏す気配はまだない。
このままギガンティックが撤退するまで押し切る。ゼーレは呼吸を整え直すと、また果敢に切り込んでいった――。
大成功
🔵🔵🔵
早門瀬・リカ
【剣と分かつもの】
アンジェと共闘するよ。
僕は超超巨大砲の砲撃に対処に専念して、
幼女総統の攻撃はアンジェに託すよ。
螺旋爆散掌で巨大砲から発射された
砲弾を直接攻撃して破壊するよ。
巨大砲なら砲弾も相当の大きさ。
破魔の力でを込めて拳に砲弾を触れる事も十分に可能な筈だからね。
軽業も利用して先行して進み、アンジェの方に砲撃がいかないようにだね。
砲撃の注意を向けさせられれば、僕の最低限の役目は果たせるしね。
アンジェの攻撃が成功して、隙あらば僕自身も接近して
幼女総統に足元に潜り込んで螺旋爆散掌を叩き込むよ。
「一か八かだけれど、やるだけやってみる!」
アンジェリカ・ディマンシュ
【剣と分かつもの】
リカと共闘
超超巨大砲の砲撃対処はリカに託し、わたくしは『ギガンティック』のエンドテイカーの力を封じる爆弾系UCの起動準備に入りますわ
とは言えリカ、大分肉薄する事に成りますが……
リカが超超巨大砲の砲弾に対処した後、幼女総統がUCを発動したならこちらもUCを発動
時空間の流れを巻き戻すというなら――『時空間・因果律改竄者粛清用存在爆破兵器』、起爆ですわ
幼女総統の存在そのものを『爆破』する爆破兵器は、時間の歪曲を『改竄者が齎した影響』諸共消失……
即ち、仮にリカが倒れていても『ギガンティックによって齎された影響』ならば――『リカが倒れた事実』すら爆散
リカは無事という訳ですわ
「僕は超超巨大砲の砲撃に対処に専念して、幼女総統の攻撃はアンジェに託すよ」
「お任せを。ギガンティックのエンドテイカーの力は、わたくしが封じてみせますわ」
成熟前の『魔女』の力に加えて、脅威の巨体と超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』を武器とする幼女総統『ギガンティック』。この強敵に対抗するために、早門瀬・リカ(星影のイリュージョニスト・f40842)とアンジェリカ・ディマンシュ(ケルベロスブレイド命名者・f40793)は互いの役割分担を決めていた。
「とは言えリカ、大分肉薄する事に成りますが……」
「一か八かだけれど、やるだけやってみる!」
そう言って走り出したリカの背中は頼もしく、彼を信じてアンジェリカはユーベルコードの起動準備に入る。託すと決めたからには自身の役割を全力で果たすのが誠意。たとえ相手が超大国の支配者だろうと、必ず撃退してみせよう。
「なにをするつもりか知らぬが……やらせるか!」
ギガンティックは接近してくるリカに照準を合わせ、シュリヒトゲヴェーアによる超遠距離射撃を敢行する。相手の射程の遥か彼方から、一撃で粉砕する火力を撃ち込む。ある意味では戦争の理想ともいえる圧倒的スケールの暴威が、少年忍者に襲いかかった。
「ここが勝負所……!」
直撃すれば即死級の危機に晒されたリカは、それを避けるのではなく【螺旋爆散掌】で迎え撃つ。あれだけ巨大な砲なら発射される弾も相当の大きさ。着弾に合わせて砲弾に触れることは十分に可能だった。破魔の力を込めた彼の拳が叩きつけられた瞬間、流れ込んだ螺旋エネルギーによって砲弾は粉々に粉砕される。
「打ち砕いたというのか、吾輩のシュリヒトゲヴェーアの砲弾を!」
これにはギガンティックも驚愕を隠せない。よもや小さき者の拳が、山をも抉る砲撃を真っ向から相殺するとは。
彼女はさらに砲撃を連射するが、リカはその全てを同様の技で受けきり、軽業めいた身のこなしで山中を駆ける。
(思ったよりキツい……でもやれる。砲撃の注意を向けさせられれば、僕の最低限の役目は果たせるしね)
彼の目的はアンジェリカのほうに攻撃がいかないようにすること。砲弾の質量自体は砕けても、砲撃そのものの衝撃や運動エネルギーが雲散霧消するわけではないので、【螺旋爆散掌】を繰り返すうちに拳はボロボロになる。それでも敵の注意を引き付けるために、彼は前に進み続ける――。
「むむむ。認めんぞ、斯様な結末、吾輩は断じて認めない
!!!!」
この窮地に業を煮やしたギガンティックは、切り札とも言える「エンドテイカーの魔力」を使用。戦場にいる全ての者の時間を巻き戻し、迫る終焉を無かったことにしようとする。これが未成熟とはいえ『魔女』が持つ逆転の一手――だが、そこでアンジェリカが動く。
「汝は女王の資格を剥奪された。断頭台の代わりに用意する処刑台は、存在そのものを爆破する爆弾。汝、その罰として魂魄諸共灰塵となれ」
彼女が準備していたのは【悪意ある魔女を滅する復元の爆弾】。時空間・因果律を歪める意志に反応して起動する、改竄者粛清用存在爆破兵器だ。エンドテイカーのような時空操作能力者に対しては、完全にメタを張るユーベルコードであった。
「ぐわあああッ?!!」
一体なにが起こったかも分からぬまま、突然爆発するギガンティック。この兵器の恐ろしいところは、対象の存在そのものを『爆破』し、ダメージを与えるだけでなく時間の歪曲を『改竄者が齎した影響』諸共消失させることにある。
「即ち、仮にリカが倒れていても『ギガンティックによって齎された影響』ならば――『リカが倒れた事実』すら爆散。リカは無事という訳ですわ」
「ありがとう、アンジェ!」
アンジェリカの攻撃が成功したことによって、一連の攻防の余波からリカが受けたダメージも消えた。実質的な全快を遂げた彼はケガひとつない拳を握り直して、よろめくギガンティックの足元に潜り込み。全身全霊の【螺旋爆散掌】を、今度は砲弾ではなく本体に叩き込む。
「これで、どうだ!」
「ぐおおおっ、ば、バカなぁぁぁ!!」
流れ込む膨大な螺旋エネルギーに足首を捻り上げられ、ついにギガンティックは膝を突いた。存在そのものに負ったダメージと数々の負傷が、彼女の身に重くのしかかっているのだ。先ほどの爆発を懸念すればエンドテイカーを迂闊に使うこともできず――敗北の結末が徐々に迫りつつあった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
レティシア・ハルモニアス
夢幻戦線
…でかいのう
『レティシア様…このような大きさの敵はこれからも出てきます』
敵の大きさに驚いているがライメイザが声をかけていた
行くぞ…!
『はい』
超超巨大砲に対しては妾とライメイザは迷彩で姿を消しながら視力で巨大砲に注意して見ながら推力移動で加速する
凍れ!
敵に接近したら妾は素早く凍結攻撃のエネルギー弾を放ち足元を凍りつかせる
『痺れなさい…!』
ライメイザが破壊雷を放ち一時的に五感を破壊する
敵のUCに対しては打たれる直前に横に推力移動で回避します
妾も行くぞ!
UC吸血鬼の女王を発動して時空破壊の波動を放つ
『あの邪神…何処へ行ったのですか?!』
…なっ!あやつ何処へ行ったのじゃ?!
が油断せずに戦闘再開

黎明・天牙
夢幻戦線
あっ邪神君が居ねえ、しまった…クソ
ようやく邪神がいない事に気づいたが戦闘態勢を取らざるおえない
最初から飛ばすぜ…!ちゅんちゅ〜ん!
指定UCの効果でUC『楽園』奥義・OVER THE PARADISEを発動
ちゅんちゅん…
超超巨大砲に対しては超越次元移動か推力移動で加速しながら視力で砲撃の直前の行動を見て回避(この大砲を跳ね返せるか分からないから)
ちゅん!
敵のUCに対してはUCの力で幻想を現実にする力で敵の足元を凍らせて転ばせる
堕ちろ…現世から!
指定UCを発動して天国と地獄の力を纏った拳で敵の顎を殴ってから時空と次元の拳で追撃した
…邪神君何処へ行きやがった
ティニも邪神君が居ない事に気づいた
「……でかいのう」
『レティシア様……このような大きさの敵はこれからも出てきます』
山の向こうから現れた幼女総統『ギガンティック』のあまりのデカさに、呆気にとられるレティシア・ハルモニアス(奪われた全てを取り返す為に〜吸血鬼戦線〜・f40255)。そんな彼女を落ち着かせるように、従者ライメイザが声を掛ける。今後もより強大かつ巨大な敵と戦う可能性を考えれば、ここで驚いている場合ではない。
「あっ邪神君が居ねえ、しまった……クソ」
一方で黎明・天牙(夢幻戦線のリーダー『パラダイス・ブレイカー』・f40257)は、自分の元からいつの間にか邪神「オーガスト・ベイン」が居なくなっているのにようやく気付いた。あの性悪な邪神を野放しにしておくと何をするか分かったものではないが――今は眼の前に敵がいる以上、戦闘態勢を取らざるを得ない。
「最初から飛ばすぜ……! ちゅんちゅ〜ん!」
「行くぞ……!」
『はい』
【『楽園』奥義・OVER THE PARADISE】を発動した天牙は巨大な白雀の姿になって空に舞い上がり、レティシアとライメイザは迷彩を纏って地上を駆ける。まずは攻撃が届く距離まで近づかないことには、一方的に攻撃されるだけだ。
「二手に分かれたか。ならまずは貴様からだ!」
ギガンティックが標的に選んだのは空中にいる天牙。『
シュリヒトゲヴェーア』が火を噴き、山が震えるほどの轟音と共に砲弾が発射される。この恐るべき長射程と火力を誇る超超巨大砲こそ、彼女をゾルダートグラードの最高戦力たらしめる力であった。
「ちゅんちゅん……」
天牙は砲撃直前の相手の行動を見て、ユーベルコードで得た超越次元移動と推力移動の加速を駆使して回避を行う。
奇跡を起こす力を持つ彼でも、これほど強力な砲撃を跳ね返せるかは分からない。失敗すれば即死しかねない以上、ここは避けたほうが確実だ。
「今のうちじゃ!」
『ええ』
敵の攻撃が天牙に向かっている間に、レティシアとライメイザは推力移動を加速。いくら姿を消しているとはいえ、流れ弾が飛んでこないとは限らない。巨大砲の動きには注意して見ながら、ギガンティックの足元まで近付いていく。
「むむむ、なかなか当たらん……ならばまとめて吹き飛ばしてくれるわ!」
ちょこまかと飛び回ったりこそこそと身を隠したり、小さき者どもの小細工に苛立ったギガンティックは、己の魔力をシュリヒトゲヴェーアに送り込み、必殺の【超超巨大ビィーム
!!!!】の発射体勢に入った。より純粋かつ圧倒的な破壊力をもって、射線上にいる全てを消滅させるつもりだ。
「くらえ、超超巨大ビィーー……ぬわあっ?!」
「凍れ!」
「ちゅん!」
しかしビーム発射の寸前、レティシアは闇刃銃『エレクトニアス・ヴァラージュ』から冷気のエネルギー弾を放ち、天牙は幻想を現実にする力を使って、二人がかりでギガンティックの足元を凍りつかせる。これによりバランスを崩した敵は転倒し――照準のブレた大砲より放たれた閃光は、上空の雲を穿つのみとなった。
『痺れなさい……!』
「うぎゃっ!?」
間髪入れずに【眷属召喚・ライメイザ】が破壊雷を放ち、一時的に敵の五感を破壊する。山に尻もちをついた状態で感電させられたギガンティックは、完全に無防備な状態となり。この機を逃すまいと「夢幻戦線」の面々は追撃を畳み掛ける。
「妾も行くぞ!」
【吸血鬼の女王】を発動したレティシアは、蝙蝠の翼を羽ばたかせながら波動を放ち、空間もろとも敵の肉体を破壊する。真の姿となった彼女の魔力は『魔女』にもゆめゆめ劣らぬものであり、山の如き体躯に大きな傷を刻み込んだ。
「いだだだっ!! おのれぇ!!」
焦ったギガンティックは闇雲にビームを放つが、五感が働いていない状態で不安定な体勢から反撃しても、命中するはずがなかった。レティシアとライメイザは撃たれる直前に推力移動で横に飛び退き、天牙は大きく飛び上がって勢いをつける。
「堕ちろ……現世から!」
「ぐはぁーーーっ
!!!?」
天国と地獄の力を纏った拳で殴り、時空と次元の拳で追撃。天牙渾身の【PARADISEBOOST 天国と地獄の振動終撃】が顎にクリーンヒットしたギガンティックは、もんどり打って仰向けに倒れる。その巨体が横たわる衝撃で、ウラル山脈全体が地震のようにグラグラと揺れた。
「……邪神君何処へ行きやがった」
『あの邪神……何処へ行ったのですか?!』
「……なっ! あやつ何処へ行ったのじゃ?!」
これでもまだ姿を見せないあたり、オーガスト・ベインは本当に近くにはいないらしい。天牙だけでなくレティシアとライメイザも邪神の不在に気付くが、今は探せる状況ではない――敵は巨砲を支えに再び立ち上がろうとしている。
この幼女総統を完全に撤退に追い込むまで油断は禁物だ。逆転の目を許さぬよう、三人は気を引き締めて戦闘を再開するのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
メイティナ・ヴァーンフォルカ
【今回は私とオリオンで戦います】
看板を上げながらキャバリア金剛のオリオンに乗り込む
【オリオン…今回は意思が来てないみたいですね】
敵の巨大砲の対策は迷彩で姿を消しながら心眼で敵の砲撃の瞬間を見ながら推力移動で回避する
【反撃です!】
接近したらレーザーソードから凍結攻撃の斬撃波を放ち足を切り裂いた
『メイ、悪い遅くなっちまった』
【あっオリオン…大丈夫ですよ】
オリオンの意思がキャバリアに宿り迷彩を使用します。再び敵のUCを発動してきたが推力移動で横向きに回避
【もう一つの終断!】
『俺の金剛も受け取りな!』
指定UCを発動した後UC金剛光を発動して敵に攻撃
【まだまだ行きましょう】
『了解』
とオリオンは返事をした
【今回は私とオリオンで戦います】
と書かれた看板を掲げながら、メイティナ・ヴァーンフォルカ(狂人と勘違いされた神がクソゲーハンターとなる話・f41948)はキャバリア『金剛』のオリオンに乗り込み、幼女総統『ギガンティック』を迎え撃つ。獣人戦線で運用されるパンツァーキャバリアと異なり、それはまさに「スーパーロボット」と呼ぶべき唯一無二の機体だった。
「ふん! そんなキャバリア、吾輩が木っ端微塵にしてくれるわ!」
だが、その威容も今回の敵と比較してしまうと大人と子供以上の差がある。超超巨大砲『
シュリヒトゲヴェーア』を構えたギガンティックは、こちらがまだ接近する前から遠距離攻撃を仕掛けてきた。いくら金剛の装甲でも、あの砲弾は何発も防げまい。
【オリオン……今回は意思が来てないみたいですね】
返ってこない反応に首を傾げながらも、メイティナは敵が砲撃する瞬間を心眼で見極め、キャバリアの推進力を真横に向けた。弾道から外れた彼女の機体は辛くも被弾を免れ、空を切った砲弾はそのまま地面に着弾し、山肌を抉った。
「ちっ、外したか!」
ギガンティックは舌打ちしながらシュリヒトゲヴェーアを連射するが、その時にはもうオリオンは迷彩で姿を消していた。あまり長くは欺けないだろうが、見つかる前に近付いてしまえばいいだけのこと。無口な少女を乗せてスーパーロボットが空を翔ける。
【反撃です!】
「ひゃっ!? 冷たっ!!」
無事に接近を果たすと、メイティナはオリオンに搭載されたレーザーソードを抜き、敵の足元を斬りつける。極低温のエネルギーを宿した斬撃波を受けたギガンティックの足は凍りつき、動きが鈍る――その時、敵の悲鳴とは別の声が聞こえてきた。
『メイ、悪い遅くなっちまった』
【あっオリオン……大丈夫ですよ】
メイティナが「オリオン」と呼ぶ者の意思が、キャバリアという器に宿る。これでやっと完全体だ。出力が向上し、機体そのものが輝きを放ちだす。それは幻光の迷彩となって、再び彼女らの姿をギガンティックの目からくらませた。
「おのれっ! 超超巨大ビィーム
!!!!」
『当たるかよ!』
焦ったギガンティックはシュリヒトゲヴェーアからユーベルコードの光線を放つが、あくまで直線上の攻撃である以上、対処法は通常の砲撃とさして変わらない。推力移動を使って横向きに回避すると、そのままオリオンとメイティナは反撃に転じる。
【もう一つの終断!】
『俺の金剛も受け取りな!』
起源を上書きするメイティナの斬撃がレーザーソードから放たれ、凍結した足をより深く切り裂く。直後にオリオンの発動した【金剛光】の輝きがギガンティックを照らし、次元干渉による防御無貫通ダメージがその身を揺さぶった。
「ぐ、ぐわぁぁぁぁっ!!!? バカなぁぁぁぁっ!!!」
想定を遥かに超えたスーパーロボットの力に押し負け、後退するギガンティック。本来ならとうにその足はウラル山脈を越えていたのに、度重なる猟兵の妨害を突破できずにいる。負傷の度合いもそろそろ許容範囲を越えるレベルだ。
【まだまだ行きましょう】
『了解』
このままギガンティックを撤退に追い込もうと意気込むメイティナ。それに返事をしてオリオンは追撃体勢に入る。
二人の意思を一つにして、金剛のキャバリアはウラルの山上にて雄々しく戦う。それは実体よりもずっと巨大な壁として、敵の目に映っただろう――。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
あやややややや!?
反動無し連射可能な超遠距離規格外砲撃でっすかー!?
反則なのでっす!
一人弾幕なのでっす!
もはや狙いも不要レベルで壁が迫ってきてるのでっす!
……ですがこれ、弾が邪魔で向こうからも命中結果、分からないのではー?
撃ちまくればいつか倒せるでしょうが、それでも幼女ならどうなったかは気になるかと!
というわけで!
あやー!?
撃たれた演技なのでっす!
実際は早着替えにより、着ていた服を空蝉し、全く別の服でこそこそ進んでる藍ちゃんくんでっすが!
気になって一瞬弾幕止めるまでいかなくとも意識と視線は宙を舞った藍ちゃんくん(の服)に釘付けかと!
その服の柄に催眠術仕込んでるのでっすが!
視線誘導と一瞬でもぐだっとしている隙に接近!
ここまでの時間稼ぎでファンの皆様、ようこそなのでっすよー!
回転蹴り、サマソ、スタンピングなど、対空キックも範囲キックもできるでしょうから、ファンの皆様には固まるよりは四方八方包囲で攻撃していただくのでっす!
それでは皆様、ご一緒に!
藍ちゃんくんでっすよー!
「あやややややや!? 反動無し連射可能な超遠距離規格外砲撃でっすかー!?」
あまりにも豪快、あまりにも無法。とんでもないスケールの火力と射程で進撃する幼女総統『ギガンティック』に、紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は驚きを隠せなかった。こちらの声が届くのもやっとの距離から、向こうはバンバン砲弾を撃ちまくってくる。
「反則なのでっす! 一人弾幕なのでっす! もはや狙いも不要レベルで壁が迫ってきてるのでっす!」
「はっはははは! そうだ! 驚け! 怯えろ! 吾輩と『
シュリヒトゲヴェーア』の力に!」
こうもビックリされるとギガンティックの方も気持ちが良さそうで、超超巨大砲を調子よく連発している。まだ成熟前であるが故に、彼女は『魔女』としての魔力の全てを己のために使用できる。これが重力戦闘下最強の幼女と呼ばれる由縁だろう。
(……ですがこれ、弾が邪魔で向こうからも命中結果、分からないのではー?)
ギガンティックの攻撃を見ているうちに、藍はあることにふと気付く。なるほどシュリヒトゲヴェーアの火力は絶大で、山肌を抉るほどの砲撃は一発でも直撃すれば致命傷は免れない。が、自分という標的はあまりにも遠くて小さく、実は正確な弾着観測ができていないのではないかと。
(撃ちまくればいつか倒せるでしょうが、それでも幼女ならどうなったかは気になるかと!)
敵は総統なれども幼女。図体はデカくても肩書き相応に子供っぽいところがあるのも分かった。そして猟兵のことを警戒しているのなら、尚の事生死はきちんと確認しようとするのではないか。そこに隙が生まれるやもしれない――。
「あやー!?」
というわけで。藍はハデに撃たれた演技をして、素っ頓狂な悲鳴を上げた。ウラルの山腹に着弾した砲弾がもうもうと土煙を上げ、その中から彼の着ていた服が爆風によって舞い上げられる。普段からステージで見栄えのする衣装を好んで着ているため、遠くからでもハッキリと確認できた。
「やったか!」
流石に弾幕の手を止めるまではいかないが、ギガンティックの意識と視線は宙を舞った藍(の服)に釘付けとなる。
実際には着弾の瞬間、藍は空蝉の術のように着ていた服を身代わりにし、まったく別の服に早着替えして、こそこそと山中を進んでいた。
(その服の柄に催眠術仕込んでるのでっすが! 上手くいったようでっすね!)
手の込んだ一着を犠牲にした甲斐はあり、敵は藍がまだ生きているのに気付いていない。視線誘導と催眠により一瞬でもぼんやりしてくれれば僥倖だ。この隙にこちらの攻撃が届く距離まで接近するのに成功した彼は、同時にここまでの時間稼ぎでユーベルコードの待機時間を満たしていた。
「ファンの皆様、ようこそなのでっすよー!」
【藍にいける藍ドル、藍に生きる藍ドル】。事前に緊急握手会の開催を宣言することで、大宇宙よりファンを集めるユーベルコードだ。推し活のためなら戦場だろうと駆けるける精鋭のファン達は、藍の前でいい格好をしようと、各自とっておきの極大魔法や必殺技でギガンティックに攻撃を始めた。
「うわぁ?! なんだこいつら、どこから来たんだ! このっ!」
どこから出てきた大量のファンに囲まれて、集中攻撃を受けるギガンティック。もちろん懐に入られたからといって重力戦闘下最強幼女が無防備になるわけではなく、超弩級の体格を活かした【幼女キーック
!!!!】で蹴散らそうとするが――。
「回転蹴り、サマソ、スタンピングなど、対空キックも範囲キックもできるでしょうから、固まるよりは四方八方包囲で攻撃してほしいのでっす!」
藍の的確な指示によって散開したファンたちは、幼女総統の思惑を遥かに超えて手強く。藍への愛ゆえに120%の力を発揮した必殺技の数々は、束ねればシュリヒトゲヴェーアにも負けない威力をになる。これぞ人と人との想いを繋ぐ、アイドルの真骨頂と言えるだろう。
「それでは皆様、ご一緒に!
『『『藍ちゃんくんでっすよー!』』』
ピッタリ唱和したお約束のコールと共に、藍ちゃんくんファンの皆様による一斉攻撃がギガンティックに炸裂する。
山のようにデカい幼女の巨体が、「ぐわぁ!?」と大きくよろめくほどの破壊力。もはやその足は次の山を越えることはできそうもなかった――。
大成功
🔵🔵🔵
キリカ・リクサール
アドリブ連携ダメージ描写歓迎
山と見まごうほど巨大な幼女とはな
まったく、冗談のような存在だ
UCを発動
ヴェートマ・ノクテルトのリミッターを全解除してギガンティックに突っ込む
こちらに余裕はない…
故に、全力で行かせてもらうぞ!
念動力を常に最大放出して自分の周囲にバリアーを展開する
光すらも歪めるほどの超エネルギーの力場だ
超超巨大砲のビームであろうとも軌道をずらす事は可能だろう
最も、私の生命を削り続ければの話だがな
死ぬ前に、全力でギガンティックの元へと辿り着こう
近づいても巨大ビームとはな!
一歩間違えれば死にそうだ!
ギガンティックの放つ超超巨大ビィーム!!!!はUCの高速移動で躱し続ける
直線上に放つだけであれば回避は容易だろう
だが、あまり遊んでいる暇はないな
心臓が悲鳴を上げ、自らの生命力が蒸発していくのを感じながらギガンティックに突撃
残った全ての念動力を拳に溜めて全力で叩きこむ
そのまま、ウラル山脈を枕に眠っていろ
…私の命を全て燃やし尽くしたとて、今は打ち倒す事は不可能か…
「山と見まごうほど巨大な幼女とはな。まったく、冗談のような存在だ」
見た目は確かに幼女なのに、身長は巨人族やキャバリアを遥かに超える数百メートル級。その巨躯をもって「はじまりの猟兵」を目指す幼女総統『ギガンティック』を撃退するため、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)はウラル山脈に降り立った。
「コード【épique:La Chanson de Roland】承認。リミッター全解除……起動しろ! 【デュランダル】!」
口頭でユーベルコードのコマンドを入力すると、バトスルーツ「ヴェートマ・ノクテルト」に搭載されたリミッターが解除される。それは大きな代償と引き換えに装着者の能力を飛躍的に強化する、彼女の切り札のひとつでもあった。
「こちらに余裕はない……故に、全力で行かせてもらうぞ!」
ウラル山脈を超えた先はワルシャワ条約機構の領内であり、過酷な環境と圧政に耐えて暮らす獣人達を踏み潰させるわけにはいかない。覚悟と決意をもって立ち向かうキリカに、ギガンティックの主砲『
シュリヒトゲヴェーア』が牙を剥く。
「ならば吾輩も全力だ! ここは絶対に通してもらうぞ!」
総統のためにゾルダートグラードが開発した超超巨大砲の威力と射程は、これまでに披露された通り。あちらも相当に疲弊しているはずなのだが、相変わらず反動もなしに連発してくる。峻厳なるウラルの山肌を抉るほどの砲弾、直撃すれば猟兵でも無事では済まない。
「押し通る!」
キリカは念動力を最大放出して、自分の周囲にバリアーを展開。脳の伝達を察知するヴェートマ・ノクテルトの各部センサーが、【デュランダル】発動中は逆に小脳の受容体を刺激することで超能力を強化する
増幅器と化す。これにより彼女の念動力は光すらも歪めるほどの超エネルギーの力場となっており、超超巨大砲の砲撃であろうとも軌道をずらしてみせる。
(最も、私の生命を削り続ければの話だがな)
これだけの強大な力の発露がキリカの脳に与える負荷は凄まじく、毎秒ごとに寿命が削れていくのが体感で分かる。
敵の攻撃で死ぬのが先か、脳の神経が焼き切れるのが先か。限界が訪れる前に、彼女は全速力でギガンティックの元に辿り着かねばならない。
「なっ、吾輩のシュリヒトゲヴェーアを弾いただと?! それになんだ、この疾さは!」
バリアーで砲弾をそらしながら凄まじいスピードで接近してくる小さき者に、ギガンティックが驚嘆の声を上げる。
【デュランダル】がキリカにもたらす恩恵は超能力の強化だけではなく、リミッターの外れたアシストプロテクターが外付けの人工筋肉として機能することで、生物の限界を超えた超高速移動を可能にするのだ。
「ここからは私の間合いだ」
「くっ! ならば、超超巨大ビィーム
!!!!」
見事敵の足元に飛び込んだキリカは、血の滲む口元をにやりと歪める。対照的に焦りを見せがら、ギガンティックはシュリヒトゲヴェーアに魔力を注いで【超超巨大ビィーム
!!!!】を発射。ゾルダートグラードの技術力と『魔女』の力、2つを合わせた超火力をもって敵を消し飛ばさんとする。
「近づいても巨大ビームとはな! 一歩間違えれば死にそうだ!」
目前で炸裂する閃光の奔流を、キリカは【デュランダル】の高速移動で躱す。流石にこれは念動力バリアーでも防ぎきれないだろうが、直線的に放つだけであれば回避は容易だ。放出を続けながら射線を動かせたとしても、スピードではこちらの方が圧倒的に疾い。
(だが、あまり遊んでいる暇はないな)
心臓が悲鳴を上げ、自らの生命力が蒸発していくのを感じる。増幅器による脳の酷使と同様、人工筋肉が肉体に与える負荷も非常に大きく、猟兵であるキリカだからこそ生きていられるようなものだ。長期戦になれば敵が力尽きる前に自滅する、という状況はなにも変わっていない――ならばこそ、選択肢は短期決着しかない。
「この一撃に、全てを籠める」
脳細胞をフル回転させ、残された全ての念動力を拳に溜め、ビームを躱しながらギガンティックに肉薄するキリカ。
言葉通りの全身全霊。危険域を示す赤いラインが流星の尾のようになびき、圧縮されたエネルギーは閃光を発し――刹那、シュリヒトゲヴェーアさえも凌駕するインパクトが炸裂する。
「ぐ、ぐわぁぁぁぁーーーっ
!!!?!」
さながら巨大隕石の衝突でも食らったかの如く、ギガンティックの巨体が一瞬宙に浮き、ウラルの山腹に倒れ伏す。
命を惜しまぬ覚悟と全力が覆した、圧倒的なスケールの差。これがウラル山脈の戦いを終わらせる決定打となった。
「そのまま、ウラル山脈を枕に眠っていろ」
「ぐぬぬ……お、覚えていろ猟兵! この借りは必ず返すぞ!」
巨砲を支えにヨロヨロと立ち上がったギガンティックは、悔しさを滲ませながらも歩いてきた道を引き返していく。
流石に一国の総統たるもの、引き際は弁えているようだ。こうなると仮に猟兵が追撃をかけたとして、とどめを刺すのは困難だろう。
「……私の命を全て燃やし尽くしたとて、今は打ち倒す事は不可能か……」
キリカもまた、若干の口惜しさを言葉に滲ませながら【デュランダル】を解除。成果を見込めないまま無為に寿命を削るのは彼女とて本意ではない。ひとまずこれで幼女総統による獣人蹂躙の危機は去った、それを喜ぶことにしよう。
――かくしてウラル山脈における幼女総統『ギガンティック』との交戦は、敵撤退による猟兵側の勝利に終わる。
そして獣人世界大戦はいよいよ最終盤の第三戦線へ。これまでを超える激戦の予感を、誰もが感じ取っていた。
大成功
🔵🔵🔵