獣人世界大戦⑨〜黒の福音
その名は
アングラマンユ。
どす黒き甲冑、
黯党の決戦兵器。
「何が、黯党員をそこまで戦線に駆り立てるのだろうね」
仰木・弥鶴(人間の白燐蟲使い・f35356)は、幻朧帝国から出兵した
黯党がウラジオストクに上陸したと告げる。
既に周辺地域は占領され、奇妙奇天烈な術式を駆使した前線基地と成り果てているらしい。依頼の目的はこの基地に攻め込み、破壊することだ。
「彼らなりの美学は確かにあるんだろう。量産型のアングラマンユと呼ばれる影朧甲冑に搭乗する
黯党員には一切の躊躇いがない。その燃料には
悪魔の力が使われていて、これを何らかの方法で弱めることができなければ、ちょっと手が出せそうにないみたいだ」
悪魔。
サクラミラージュにも存在するが、やはり
同じなのか。
燃料に使われているそれはアングラマンユに強大な力を注ぎ、生半可な攻撃など通用しない超兵器としての運用を可能にしたのだ。
「
黯党は謎の組織だ。今回の侵攻を阻止することで彼らの活動をいくらかでも挫くことができるといいんだけど」
弥鶴はそう言って説明を終わらせた。
強大な力を持つ
悪魔を燃料とする量産型アングラマンユ。
黒き影朧甲冑の侵略からウラジオストクを解放するため――獣人世界大戦の影響激しい、有数の激戦地となったロシア本土へ。
ツヅキ
OP公開直後よりプレイング募集しています。
こちらに届いたものから順次リプレイをお返しする予定です。
●第1章
ウラジオストクを侵略した
黯党の前線基地を破壊するため、運び込まれた量産型アングラマンユの撃破を行います。影朧甲冑の燃料には強大な力を持つ
悪魔が使われており、これを弱体化させないことには歯が立ちません。
●プレイングボーナス
何らかの手段でアングラマンユの燃料となっている悪魔ダイモンの力を弱める。
詳細はOPをご参照ください。
それでは、よろしくお願いします。
第1章 ボス戦
『量産型アングラマンユ』
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POW : 憤怒兜割
単純で重い【上段から】の一撃を叩きつける。直撃地点の周辺地形は破壊される。
SPD : 赫魔召喚
【籠められた影朧の憤怒】から、【獄炎】の術を操る悪魔「【アスモデウス】」を召喚する。ただし命令に従わせるには、強さに応じた交渉が必要。
WIZ : 不浄剣
自身と装備を【憎悪の瘴気】で覆い、攻撃・防御をX倍、命中・回避・移動をX分の1にする。
👑11
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神酒坂・恭二郎
さて、悪魔退治は専門外だが、スペースデビルの相手は何度かした事がある
やってみるかね
対策
風桜子を纏った愛刀を地面に突き刺し、地脈の力を借りて退魔の結界を構築する【龍脈使い、破魔、結界術】
即興なので効果時間は短いが、決着には十分だ
「勝負と行こうか」
速度を減じた相手の上段の懐に飛び込み、零距離からの刺突の切り札を【鎧無視攻撃】でねじ込もう
「ったく、悪魔ってのはどこの世界にもいるもんなのかねぇ……?」
神酒坂・恭二郎(スペース剣豪・f09970)はぼやいた。悪魔退治は専門外とはいえ、似た様な経験がないわけではない。
愛刀を地面に突き刺せば、柔らかに舞い飛ぶ風桜子。
――血脈の力を感じる。
それを操り、構築した退魔の結界がアングラマンユを流れる悪魔由来の力を封じてゆく。燃料源が弱まれば、いままでのようにはいくまい。
「もっとも、効果時間は短いがな。俺にとっては十分だ」
一拍置いて。
「勝負と行こうか」
アングラマンユが上段に振りかぶるが、明らかに動作が鈍い。風桜子を撒き散らしながら恭二郎が懐に飛び込む方が早い。ゼロ距離からの刺突の切り札をねじ込む方が早い――!」
「!!?」
鎧など知るものか。
もしかして、さっき砕いてやったアレか。
「……そら、届いた」
確かな手ごたえがあった。
さらに力を込め、刃が反対側に突き出すまでねじり込む。
大成功
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ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
奇怪な機械甲冑だな…キカイだけに…………こほん!
ともかくベルト・ラムバルドが悪魔だろう相手する!行くぞ!
キャバリア操縦し二刀の剣を振るい攻撃!
…キャバリアもどきの甲冑なのに超手強い!さすがは悪魔か!
悪魔の力を弱めるには…その筋の力を借りるしかあるまい!
UCで桜の精の學徒兵達を召喚!彼ら彼女らの癒しの治癒を…私でなく敵に頼む!
影朧の憤怒とやらを癒しと浄化の力で弱めて貰う!…さすがは桜の精!影朧の扱いは世界一だな!
力の元を断たれれば悪魔も弱まるだろう!
悪魔諸共あの甲冑を二刀の剣の鎧砕きと鎧無視攻撃で切り捨ててやる!
悪魔め!私を恨むなよ?私のせいでなく…桜のせい…………ごほん!
「奇怪な機械甲冑だな……キカイだけに
…………」
ベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)は軽く咳払いした。
キャバリアの操縦席での出来事だ。
アングラマンユからは獄炎のアスモデウスが襲いかかる。迎え撃ったベルトは舌を打った。あまりにも硬すぎやしないか……!?
「さすがは悪魔か! キャバリアもどきの甲冑なのにこれほどまでに手強いとはな。さて、どうするか……」
ベルトの思案は一瞬だった。
相手が悪魔なら、
本職の手を借りればいい。
「お呼びですか?」
要請に応じて現れた桜の精の學徒兵にベルトは言った。
「私――ではなく敵を癒してくれ!」
逆転の発想だ。
力を力でねじ伏せるのではなく、癒してやろう、と。
「はい! わかりました!」
學徒兵のユーベルコヲドを受けたアングラマンユが苦しみだしたのは、
そういうことなのだろう。ベルトは「よし」と拳を握った。
「私の思った通りだ。憤怒は癒されることで力をなくす! ……さすがは桜の精! 影朧の扱いは世界一だな!」
葛藤に苛まれるアングラマンユを斬り伏せるのは難しくない。二刀はさっきまで苦戦していた鎧による防御をこじ開け、そのまま薙ぎ払った。
恨むなよ、とベルト。
「私のせいではなく……桜のせい…………ごほん!」
大成功
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紫・藍
歌うのでっす。
心を込めて歌うのでっす!
この歌は猟兵以外の皆様との合唱なのでっす!
影朧さんとだって歌えるのでっす!
歌っていただくのは憤怒の歌。
藍ちゃんくんはその怒りを否定しないのでっす!
一緒に泣いて、一緒に怒って、全部を吐き出していただくのでっす!
憤怒や憎悪を糧とする悪魔さんは超パワーアップするでっしょうがー。
交渉が難しくなるということでもありますれば!
時間を稼げるのでっす!
その間に藍ちゃんくんは影朧さんの歌に祈りの歌を重ねるのでっす!
どこまでも優しい歌ですっきりしていただくのでっす!
影朧と戦い慰める、それがユーベルコヲド使いでっすので!
影朧さん達が沈められたことで弱まった量産型にフィナーレを!
……歌だった。
戦場を流れる歌には心がこめられている。
――合唱。
自分と他人がいて、初めてひとつの音になる。
「影朧さんも一緒に歌ってほしいのでっす!」
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は手を差し伸べて語り掛けた。何も幸せな歌を歌う必要は無い。
憤怒でいいのだ。
その怒りを吐き出してほしいのだ。
一緒に泣いて、怒って、魂の底から――!
「グォオオオ
……!!」
あふれ出す憤怒がアングラマンユに最大級の力を与える。
だからどうした。どれだけ強化しても歌っている間は行動できない。ゆえに藍は祈りの歌を捧げよう。全ての憤怒を吐き出した後、今度は優しい歌で癒されるように。
戦いは、互いを傷付け合うだけではない。
互いを癒すこともまた、戦いなのだと。
「そろそろフィナーレなのでっす!」
影朧の憤怒が収まった今、アングラマンユはただの甲冑でしかなかった。藍はそれに止めを与えるだけでいい。
大成功
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天宮・紫苑
アドリブ・連携:可
いきなりの大戦争……とはいえ、能力者としても猟兵としても、それなりに経験してますからね。
「今回もしっかりと勝たせていただきます」
初手はダイモンの弱体化、ですね。
殴り倒すのはその後です。
初めにUCを発動。
ダイモンの生命力を奪えば、出力なり落ちてくれるでしょう。
「どこまで効果があるかわかりませんが……」
後は正面から斬り伏せるだけです。
防御・回避に重点を置いて、大太刀の間合いを活かして、
少しずつでも確実に、ダメージを重ねます。
「このまま切り捨てます」
――闇?
アングラマンユにとってそれはとても馴染み深いもののはずだった。だから最初は油断したのかもしれない。だがすぐに、その闇は
違うということに気づいた。これは自分たちとは違う闇だ。触れた者から生命力を吸い取る、黒影の領域……!!
「かかりましたね」
天宮・紫苑(人間の魔剣士・f35977)は呟いた。
どこまで効果があるものかと思っていたが、まずまず効いてくれたらしい。生命力を奪われた悪魔はアングラマンユに力を供給しきれず、一時的なガス欠状態に陥っている。
それを待っていた紫苑はすかさず大太刀で斬りかかった。
真正面から飛び込み、勇敢に斬り結び合う。
「このまま斬り捨てます」
上段から兜割りの一撃が来るのはわかっていたので、防御と回避に重点を置いて動くのも忘れない。こちとら何度も修羅場をくぐりぬけているのだ。
いきなりの大戦争であろうと、遅れはとらない。
「能力者としても猟兵としても、です。今回もしっかりと勝たせていただきますのであしからず」
大成功
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国栖ヶ谷・鈴鹿
◎SPD
黯党、成る程ね、集団自決も、敢えてオブリビヲンになって異世界に侵攻する足掛かりにしたわけだ。
サクラミラージュの外とは言え、こんなのは見過ごしておけない!
【ダイモンの改変】
燃料の改変は、戦闘機と同じ理屈なら、動きを大分制限できるはず!ユーベルコヲド、新世界ユウトピア!ダイモンの組成をアングラマンユの内燃機関、燃焼性の変更!
改変の効果が届くまできこやんの結界術を布陣、効果が現れたら、足止めの制圧射撃からの貫通と部位破壊を込めた音響弾を直接搭乗者に叩き込んで終わりにしよう。
ここの先にいる、本田英和、いいや仇を打ち取りにいこう。
後光領域へ、ご招待。
改変せよ、ユウトピア。
国栖ヶ谷・鈴鹿(命短し恋せよ乙女ハイカラさん・f23254)は光の中で指をたぐる。戦闘機と同じ理屈なら、きっと。見つけた内燃機関。ダイモンの組成、燃焼性の構造を強引に変更してしまえば――?
「!?」
アングラマンユの動きが突如、それまでとは明らかに変わる。それまで抑え込んでいたきこやんの結界術を解いて足止めのための制圧射撃に切り替えた。
「黯党、これが狙いだったのか」
かつて発生した集団自決事件は、オブリビヲンとなって異世界に侵攻する為の足掛かりだった。なんて――誰が赦せる?
「場所がどこかなんて、関係ない。サクラミラージュの外であろうと、ぼくはどこへだって行こう。キミを止めるため!」
鈴鹿は搭乗者目がけ、隠し玉をぶち込んだ。
――音響弾。
貫通せよ、破壊せよ。
爆発の前に鈴鹿は離れ、肩越しに振り返るその髪を爆風がなびかせていった。
「ここの先にいる、本田英和、いいや仇を打ち取りにいこう」
大成功
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ユリウス・リウィウス
こんな代物を身に付けたら、中身ももうオブリビオンになってるんだろうなぁ。なあ、おい。
それじゃさっさと掻っ捌いて、片付けようじゃねぇか。
まずは燃料の
悪魔からか。
「召喚術」の逆転使用で、燃料槽の悪魔を本来の世界へ送還する。生きてるうちに自分の居場所へ帰し手やろ撃ってんだ、余計な抵抗は無しだぜ。
燃料がなくなれば、その鎧はもうただの重い鉄の塊だ。そうだろう? なあ、おい。
兜割も、二本の剣で「武器受け」して。
それじゃあ、「双剣使い」の虚空斬で始末してやる。さっきの奴を搾取していた恨みも、代わりにくれてやらぁ。大人しく、骸の海へ沈め。
やっぱ、人間大の相手の方が気が楽だな。
もはや、中身なんか既にオブリビオンなんじゃないか――。
ユリウス・リウィウス(剣の墓標・f00045)はさっさとこいつらの甲冑を掻っ捌いて片付けることにした。
それが最善だろう。
それが俺の役目ってもんだろう。
召喚術を逆回転させてやれば、
ここにあったものがなくなるの完了というわけだ。
「生きてるうちに自分の居場所へ帰してやる。だから、余計な抵抗は無しだぜ」
燃料がなくなれば、ただの重い鉄の塊の出来上がり。
ユリウスは深い息を吐いた。
悪魔が抵抗しなかったというのは、
そういうことなのだろう。なら、遠慮することはあるまい。
それでもやってくる無駄な抵抗は日本の剣で受け止めてやる。既にただの重い鉄の塊でしかなかったので――いけ、虚空斬。
「骸の海ってのはどんなところなんだろうな」
倦んだ瞳でユリウスは呟いた。
やはり、人間大の相手の方が気楽だと思いながら。
大成功
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御簾森・藍夜
【朱雨】
悪魔も所詮は
命ということだろう
人より高エネルギーであることは否めない
しかし、発想が残酷がすぎるがな
長く使うというより、この短期間役に立てば十分とでもいうような…真相はわからんがな
さて、
命を違うなら命で殴るか
外殻のみがオブリビオンなら外角さえ殴り壊せればどうにかなる可能性もある
もちろん、俺の狐の希望ならば俺が叶えて見せよう
命中率を上げてもらい、習うは中央…ではなく、輝く頭部
意識操作か悪魔でも焼いているのか…、
輝く頭部に狙いを定めUC
対価の心拍数は自信が困らない程度に
使うのは久々だが、今回も加減をする気はない
心音とタイミングを合わせて畳みかけ、狙うは外殻
鎧の破壊を
楊・暁
【朱雨】
藍夜と俺は防寒対策済
悪魔が燃料ってどうなってるんだ…
でも影朧甲冑って言うならオブリビオンには違いねぇ
なら、やりようはあるはずだ
藍夜!
あの中には人がいる
そいつは殺さずに行けるか!?
悪魔に細胞があるとは思えねぇから、生物じゃねぇ…はず!
甘ぇって言われてもいい
俺はもう、奪う必要のねぇ命は奪いたくねぇんだ
早業で藍夜と俺にオーラ防御のちUC
敵の攻撃は見切りか愛刀で受け流し
悪魔を弱体化って言ったらこれしか思いつくもんがねぇ…!
攻撃手段は「俺等の命中増効果もある無数の銀製注射針
ダメージ+甲冑自体に銀を注入
お前等の目的が何だろうと
悪魔や影朧なんざ利用してる時点で俺等の敵だ
これ以上、好き勝手させねぇ…!
「ふむ……」
種火、と。
御簾森・藍夜(雨の濫觴・f35359)の呟きは微かなものだった。白い息。ウラジオストクは未だ寒い。楊・暁(うたかたの花・f36185)は防寒具の襟を合わせながら隣の藍夜を見上げた。
「種火?」
「俺の見立てによれば、かなり即物的な代物だな。まるで命を使い潰すかのような……残酷な発想をするものだ」
「なるほどな。オブリビオンらしいっちゃらしいが……藍夜!」
とっさに暁が叫んだ。
「中に人がいる。そいつは殺さずに行けるか!? 悪魔に細胞があるとは思えねぇ。だから、生物じゃねぇ……はず! そうだろ?」
「命には命を、か。できないとは言いたくないな」
暁にしか見せない藍夜の柔らかな微笑みがその答えだった。
愛する人の希望を叶えることは、藍夜の望みも同然だったので。
ともあれ、藍夜の狙いは
外殻にあった。(それにしても心音のオーラに包まれるのは大変にぬくい)。敵の攻撃を暁が引き受けてくれている間に、敵の輝く頭部目がけて
今最もこの状況に相応しい攻撃媒体を突き刺した。
それは、無数の銀製注射針だった。
「これしか思いつくもんがなかったんだよ! 悪魔に銀ってのは王道だろ? さあ、たっぷりと注ぎ込んでやれ!」
「――いった」
藍夜は甲冑の頭部がはじけ飛ぶのを見る。
「畳みかけるぞ」
「これ以上、好き勝手させねぇ……!」
暁の気持ちを知る藍夜の目が細まった。
甘いと言われてもいい。
もう、奪う必要のない命を奪うのは嫌なんだ。
「お前の目的が何だろうが知ったことか! 悪魔や影朧なんざ利用してる時点で俺達の敵であることは明白。言い訳なんか聞かねぇ……!」
「心音、外殻を狙おう。完全に鎧を破壊するんだ。意識操作か悪魔でも焼いているのかは知らんが、それで終わるはず」
「ああ!」
駄目押しの一手が甲冑の動きを今度こそ完全に止め、その場に頽れさせる。暁は肩で息を繰り返した。ふたりは、勝ったのだ。
大成功
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