3
【戦後】オーンブル巡礼団

#スペースシップワールド #スペースオペラワールド #戦後 #【Q】 #希望の聖地オーンブル #プレイング受付中


●巡礼者たち
 一隻の宇宙船が宇宙の果てを目指し、旅を続けていた。彼らが向かうのは『希望の聖地オーンブル』。宇宙の失われつつあった伝承に残された約束の地。

 巡礼者たちの宇宙船の前に、航路を塞ぐようにいきなり中型の貨物用宇宙船が現れた。
「こちら『オーンブル巡礼団』、応答せよ。」
 貨物船との通信を試みるも応答はない。それどころか、宇宙船が次から次へと『オーンブル巡礼団』の行く手を塞ぐかのように現れた。
「まさかここは『宇宙船の墓場』……!」
 目の前に浮かぶ宇宙船の残骸に気を引き締めるクルーたち。だが、クルーたちは更なる危機にまだ気づいていないのである。

●オーンブルへ行こう!
 グリモアベースに出現した黒板と教壇に「またアイツかぁ」と言わんばかりの顔を浮かべる一部の猟兵。彼らの予測はおおむね的中していた。
「はい注目」
 現れたのは句坂・野乃(主婦兼アマチュア作家・f41457)。彼女は黒板に『聖地巡礼』と書きだした。
「聖地、と一口に言っても宗教的なものやサブカル的なものなど、多様なものがありますが、今回皆さんに向かってもらうのは宇宙の聖地です。」
 黒板に書きだしたのは『オーンブル』の文字。
「心当たりのある方もいるかもしれませんが、スペースオペラワールドにある『希望の聖地オーンブル』。ここが皆さんの目的地です。」

 『オーンブル』の名が最初に確認されたのはブルーアルカディアの浮遊大陸であったとされる。その後、同じ名前の聖地がスペースオペラワールドでも確認され、現在に至る。
 前者と後者の最大の違いとして「スペースオペラワールドのオーンブルは複数存在する」というものがある。

「その中の一つを目指し、『オーンブル巡礼団』を名乗る一団が旅を続けています。彼らは順調に航海を続けていたのですが、『宇宙船の墓場』と呼ばれる宙域に迷い込み、現在脱出不能の状態に陥っています。このままでは聖地に辿り着く前に宇宙の藻屑となってしまうでしょう。」
 黒板に周辺宙域の地図が張り出される。赤くバツ印が付いたところが巡礼団の宇宙船がいるところのなのだろう。
「皆さんは彼らを助け、ともに聖地へ向かってください。巡礼団は老若男女種族問わず歓迎してくれます。」

●両方やるのが猟兵だ
「最近は色々な世界で一気に大きな動きがあったみたいですが、以前からあった謎を解き明かすのもまた、猟兵の役割と言えるでしょう。世界の危機を防ぎつつ謎を解明する。どちらもやらなきゃいけないのが猟兵の大変なところですね。」
 野乃がグリモアを起動する。
「それでは皆さん、頑張ってください。」


武炎鉄
 武炎鉄です。8作目の今回は宇宙の旅。

●第1章は宇宙船の墓場から『オーンブル巡礼団』の宇宙船を助け出します。
●宙域には放棄された宇宙船に搭載されていた自動機械が暴走して妨害してきますので、さっくり蹴散らしましょう。
●助け出した後は『オーンブル巡礼団』に同行し、『希望の聖地オーンブル』へ向かいます。
●第2章は『クェーサービースト・スクイカンタクル』との戦闘です。詳しくは断章にて。
5




第1章 冒険 『宇宙船の墓場からの脱出』

POW   :    自動機械を薙ぎ払い強行突破

SPD   :    自動機械を誘き出し、やり過ごしつつ進む

WIZ   :    自動機械同士を同士討ちさせその間に進む

👑7
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

●希望は外からやってくる

 『オーンブル巡礼団』を乗せた宇宙船は時に間一髪のところで自動機械の攻撃を回避し、時に搭載したビーム砲でスペースデブリを破壊しながら『宇宙船の墓場』から脱出しようとしていた。しかし、必要最低限の武装しかないこの宇宙船では、いずれジリ貧になるのが目に見えていた。

「だ、団長!大変です、また新しい反応が!」
 何かがこちらへ向かってくるのがレーダーに映し出された。もうダメかと誰もが諦めかけた時、『何か』は宇宙船の道を開くように周辺の自動機械やスペースデブリに攻撃を始めた。その様子に『団長』と呼ばれた男はかつて母星にいた頃に聞いた噂を思い出していた。
「まさか、あれが『猟兵』……?」
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎

「幽霊宇宙船の群れか…(溜息して)対処と対策を実行する」
『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』を起動して1分先の未来を見ながらファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットを創造して展開しファンネルに誘導ビーコンを搭載させて幽霊宇宙船の航路と進軍路を確保します。
“オーンブル巡礼団”を囲む様にシールドビットを展開して護衛しつつリフレクタービットで防衛と攪乱パルスで偽装して、必要な際には空間飛翔テレポートで回避と移動を行ないます。
不測の事態を想定してのサイコミュ・ドローンも創造して展開させ透明化し視聴嗅覚を阻害して待機させます。

「緊急事態にも準備する」



●星は煌めいて

 生命の存在を拒絶するかのような極寒の真空状態が続く宇宙空間にあって、宇宙服すら身に着けていない生身の姿の『ソレ』は異質な存在であった。しかし、『ソレ』は地球における生命にあらず、魔性のもの。
 ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)は金属生命体に近い存在である。

「幽霊宇宙船の群れか……。」
 ティティスは溜息を一つつくと、周囲を見渡した。
「対処と対策を実行する。」
 彼女の目が鉱石のように輝く。これこそがティティスのユーベルコード『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』である。彼女は己の目をアストラル・エレメント・エネルギーに変換し、未来視を行っているのだ。
 その瞳に映しだされたのは1分後のビジョン。その中で宇宙船は幽霊宇宙船と衝突し、航行不能なまでに大破していた。
「これはいけない。」
 声に呼応するように、虚空から多種多様なビットが現れた。全てこの場でティティスが創造したものだ。
 ファンネルビットが宇宙船の航路上にあった幽霊宇宙船へ飛ぶ。このファンネルビットには誘導ビーコンが搭載されており、かろうじて生きていた幽霊宇宙船の自動航行システムがこれに反応した。これにより、幽霊宇宙船の航路がファンネルの飛ぶ方向へと変更され、衝突することはなくなった。

 だが、今度は自動機械の攻撃により、宇宙船が蜂の巣の如き惨状になるというビジョンが見えた。そこでティティスはシールドビットを宇宙船の周りに展開した。更にリフレクターピッドで防御と攪乱パルスによるジャミングを行い、周辺には透明化したサイコミュ・ドローンが待機しているという念の入れようである。

「乗組員へ、この声が聞こえるか?」
 宇宙船へ通信を試みる。
「ああ、聞こえる。君が助けてくれたのか?」
 対応したのはオーンブル巡礼団の『団長』である。
「そうだ。」
「ありがとう、助かったよ。」
「だが、まだ危機を脱したわけではない。そこでポイントQ-55640まで空間飛翔テレポートを行う。」
 クルーがティティスの示したポイントを地図上に表示させる。
「完全に脱出できるわけではなさそうですが、とりあえず一息付けそうな場所ですね。」
「分かった。そこまでお願いしてもいいかな。」
「了解した。」
 周囲の空間が歪み、ティティスと宇宙船の姿が消え、今度はポイントQ-55640にティティスと宇宙船の姿が現れた。

「緊急事態にも準備する。」
 そう、宇宙とは何が起きるか分からない場所なのだ。

成功 🔵​🔵​🔴​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

オーンブルの名前をこっちでも聞くことになるたぁね。
アタシの故郷にゃ袖擦りあうも他生の縁って言葉もあるんだ、助太刀させてもらうよ!

まずは宇宙カブに『騎乗』して船団の先にあるデブリ帯を駆け抜けながら、要所要所に重力特異点のアンカーを仕掛けていく。
自動機械たちはデブリの陰に隠れたり、位置取りを工夫して別の機械を盾にしながら一定空間をぐるっと一周だ。
全部の仕込みが終わったら船団へ戻り、発動タイミングを合わせるよ。
こいつはアタシが別世界のオーンブルで手にした力、活路を切り拓く一手!
【波導断骸渦】を発動させて進路上の残骸類を消し飛ばすよ!



●宇宙を駆ける光のように

 『オーンブル巡礼団』を乗せた宇宙船は、空間飛翔テレポート先の『ポイントQ-55640』にて休息がてら体勢の立て直しを図ることにした。そのさなか、1人のクルーが『団長』の元へと駆け寄ってきた。
「この先に中規模なデブリ帯が確認されました。しかしこれを突破しないことには先へ進めません。」
 モニターに周辺宙域の地図が表示された。
「迂回ルートは無し、か。やってできないことはないだろうが、リスクは大きいな。」
 『団長』が渋い顔で地図を見つめる。だが、救いの手は既に差し伸べられているのである。

 UDCアースで『カブ』と呼ばれているバイクがある。それと酷似した宇宙バイクが宇宙船を目指し、彼方より走ってきた。乗り手の数宮・多喜(撃走サイキックライダー・f03004)はサイキッカー特有の透視能力で宇宙船の場所を特定してここまで走ってきたのだった。
「オーンブルの名前をこっちでも聞くことになるたぁね。」
 そう、彼女はブルーアルカディアの『オーンブル』へ行ったことがあるのだ。それはかつてブルーアルカディア全土を巻き込んだ戦争『アルカディア争奪戦』での出来事であった。

 ブルーアルカディアでの『オーンブル』は元々水晶の生えたただ1本の『名もなき大樹』が浮くだけの無人の大陸であった。だが、屍人帝国の一つ『天帝騎士団』と同盟関係にあった『帝国継承軍サクセション・フォース』なる機械化オブリビオン軍団に占領され、宇宙戦艦の如き飛空艇の拠点となってしまったのだ。
 だが、『名もなき大樹』は猟兵たちの『希望』に応え、彼らに光の武装を与えることで『帝国継承軍サクセション・フォース』を撃ち払うことに成功したのだった。

「アタシの故郷にゃ袖擦りあうも他生の縁って言葉もあるんだ、助太刀させてもらうよ!」
 多喜は加速するようにアクセルを強く握りしめた。

「あーあー、『オーンブル巡礼団』さん、こちらの声が聞こえるかい?」
 突然の通信に驚きながらも、『団長』は慎重に返答をする。
「こちら『オーンブル巡礼団』。音声通信はクリアに聞こえている。そちらは何者だ?」
「自己紹介が遅れたね。あたしは数宮・多喜。猟兵だよ。」
「『猟兵』!?我々は先程別の猟兵に助けてもらったばかりなんだ!無礼なことを言って申し訳ない。」
「いいよそれくらい。ところで次はどうするんだい?」
「この先に中規模デブリ帯があって、ここを抜けないとこの宙域から脱出できないようだ。協力してもらえないだろうか。」
「元から助太刀するつもりだったんだ、喜んで協力するよ。」

 話し合いの結果、多喜が偵察し、安全が確認できた時点で宇宙船が出発する形で進むことになった。今回の場合、デブリ帯では小回りの利く宇宙バイクの方が向いており、さらに、どこに自動機械が潜んでいるか分からないという事情もあった。
「よっと。」
 時にはいくつかの要所に次元特異点のアンカーを設置し、時にはデブリの陰に隠れて自動機械をやり過ごし、またある時には位置取りを工夫する形で自動機械を相打ちさせ、デブリ帯を1周し宇宙船まで戻ってきた。
「安全は確認できたか?」
「ちょっと待ってて、今道を開くからさ。長くは持たないと思うから、こっちが合図したら全力で突っ走ってくれ。あたしも後で向かう。」
 多喜の言葉にクルーたちは慌ただしく準備を始めた。多喜もまた、ユーベルコード発動の構えを取る。

 しばしの静寂の後、多喜の瞳がユーベルコードの光を放つ。それはヘルメットから溢れ出ている様にも見えた。
「座標計算完了。これで導かれる結果は一つ……手前ェの終わりだ!」
 その力は彼女が蒼い空の世界で手にしたもの。名を『波導断骸渦ヴォイド・ボルテクス』という。次元特異点のアンカーを結ぶ形で空いた超次元の巨大な穴はデブリも自動機械も全てを飲み込み、消失した。
「今だ!進め!」
 合図と同時に宇宙船は多喜が開いた道を一気に駆け抜ける。その後ろ姿を見届けると、彼女は改めて後ろから追走するのであった。

成功 🔵​🔵​🔴​

エリー・マイヤー(サポート)
フラスコチャイルドのサイキッカー × 寵姫です。
常に丁寧語で、あまり感情を乗せずに淡々と話します。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、目的達成のために全力を尽くします。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。

***
ごきげんよう。
手が必要そうなので手を貸しに来ました、エリーです。
念動力で解決できることならお任せください。
そう、遠くから押したり引いたり掴んだりとか、
持ち上げたり回したり投げたりとか、
そんな感じに遠隔で力を加える系のあれです。
セコい工作はとても得意です。
物理的な手段でどうにかなるなら、大体何とかしましょう。



●紫煙はどこへ消えるか

 猟兵たちの助けを借り、『宇宙船の墓場』を進む『オーンブル巡礼団』。
「航海図によると、もう間もなく宙域を脱出できそうです。」
「そうか、では脱出に成功したら最寄りの星で一度休息と補給、それから船の点検を行おう。皆も緊張続きで疲れているはずだ。」
 『団長』とクルーが話をしていると、緊急アラートが操縦室に鳴り響いた。
「これは!?」
 レーダーが前方に巨大な影を捕らえた。船外カメラには、今までで最も巨大な機体が映し出されていた。
「こちらからの通信に返答なし、恐らく放棄されたものと思われます。」
「貨物船でしょうか。熱源反応から推測すると、船の警備システムはまだ稼動している可能性が高いです。」
 行く手を塞ぐ巨大な廃貨物船を相手に『団長』は考えた。下手に動くと警備システムの攻撃を受ける。だが、迂回ルートが安全である保障はどこにもない。考えれば考えるほど、袋小路に迷い込むような感覚に陥った。

 一方その頃、1機のサイキックキャバリアが2機の宇宙船を視野に捕らえていた。操縦者であるエリー・マイヤー(被造物・f29376)が片方の宇宙船――『オーンブル巡礼団』の船に通信を送る。
「もしもし、そちらは『オーンブル巡礼団』でしょうか。こちらはエリー・マイヤー、猟兵です。」
「『猟兵』か!助かった!」
 クルーたちから歓喜の声が上がった。
「現在我々の船は廃船に遮られ、身動きが取れない。迂回ルートを選ぼうにも安全が確約できない状態にある。打開策はあるだろうか。」
 『団長』が事態を簡潔に説明する。話を聞いたエリーは煙草を燻らせつつ、最適な行動を考えた。
 エリーは念動力に特化したフラスコチャイルドだ。ならば今回はその力を存分に振るった方が良いと彼女は考えたのだった。

 宙域の地図を見る限り、このまま直進するのが最も安全で確実なルートである。だが、それを超大型廃船が阻んでいる。ならば迂回ルートはと調べるも、どこも安全とは言い難い。ならば手っ取り早く、廃船を動かした方が良い。少なくとも、エリーにはそれを可能とする力がある。
「さて、必要な手は何個でしょうか。」
 サイキックキャバリア――『アレクサンドラ』から廃船に向かって不可視の念動力の手が放たれる。その数実に1516個。大量の不可視の念動力の手が廃船を押し出す。

 突如として動き出した廃船に『オーンブル巡礼団』からどよめきが起きる。
「何が起きてるんですか!?」
「分からん。だが『猟兵』のすることだ、何かユーベルコードの力が働いてるんだろう。」
 『団長』の推測は概ね当たっていた。エリーのユーベルコード『念動ハンドサイ・ハンド』は不可視の念動力の手を操る力である。

 そうこうしているうちに、廃船は遠くに押し出され、ルートが開けた。
「先に行ってください。私も後から行きます。」
 エリーの言葉に背を押されるように、『オーンブル巡礼団』は先へと進むのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

リカルド・マスケラス(サポート)
『さーて、どう調べるっすかね~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
得意なのはサポートで、非戦闘時はコミュ力や宇宙バイクの機動力で情報収集をしたりなどが可能。ある程度のその世界の知識や常識なども世界知識でわきまえていたりもする
色々な世界を渡って学んだことで魔術や機械の操縦など何でもござれ
また、仮面単体の時のサイズを利用すれば、念動力と組み合わせて、狭い場所を通ったり潜入調査を行うこともできる

基本的には真面目に仕事はしますが、きれいなお姉さんと一緒に行動できる選択肢があれば、迷わずそちらを選ぶチャラいキツネさんです



●キミは希望という名の仮面

 あと少し、あと少しで『宇宙船の墓場』を脱出できる。その安心感が気の緩みとなったのだろうか、エンジンルーム近くにスペースデブリが衝突し、船の航行が停止してしまったのだ。
「致命的な損傷ではなさそうだが、修理には時間がかかりそうだな。」
「そうですね、幸いにも周囲には自動機械もいないようですし、ここで応急処置をしましょう。」
「本格的な修理はこの先の宇宙ステーションで出来ますからね。」
 『団長』とメカニックたちのやり取りを、物陰からそっと見守っている猟兵がいた。リカルド・マスケラス(希望の仮面マスカレイド・f12160)である。今回は仮面形態でやってきた。

「とりあえず必要な機材はこれでいいですかね?」
 若いメカニックが先輩に確認を取ろうとしたその時だった。
「そうっすね、これだけあれば十分っすね。」
 先輩の顔に見たことのない仮面が被さっていた。しかも口調も何か違う。突然の事態に固まる若いメカニックをフォローするように、リカルドが説明を始める。
「自分、皆さんを手伝いに来たんすよ。で、先輩さんに事情を説明したら『ぜひ手伝ってくれ』って頼まれてこう、被ってもらってるんすよね。」
「は、はぁ。」
 若いメカニックもヒーローマスクを見るのは初めてである。生返事気味になってしまったのも若干仕方ないのかもしれない。

 そんな気の抜けた感じで修理を始めたメカニックたちだが、リカルドの修理技術――正確には『リカルドのユーベルコードによって底上げされた先輩の修理技術』には舌を巻くばかり。
「あとこことここをネジ止めっすね。ネジ取ってもらえるっすかね?」
「はい!」
「『猟兵』は凄いな、予定時間より早く修理が終わりそうだ。しかも俺らだけでやるより精度が高い。」
 感心した様子のメカニックが呟く。

「よし、これで大丈夫っすね!」
 リカルドが操縦室へ連絡し、エンジンを再起動させる。エンジンは何事もなかったかのように起動し、力強く宇宙船を前に進める。
 そして数時間後、『オーンブル巡礼団』は無事に『宇宙船の墓場』から脱出することに成功したのだった。

成功 🔵​🔵​🔴​




第2章 集団戦 『クェーサービースト・スクイカンタクル』

POW   :    SVCヴィジリウム
【自身を認識した者にとって最も幸福な幻想】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
SPD   :    SVCスクイウス
戦場全体に、【自身を認識した者にとって最も不幸な幻想】で出来た迷路を作り出す。迷路はかなりの硬度を持ち、出口はひとつしかない。
WIZ   :    SVCテンタクアム
自身に【自身を認識した者にとって最も恐れる幻想】をまとい、高速移動と【恐怖を煽り、トラウマを想起させる幻想】の放射を可能とする。ただし、戦闘終了まで毎秒寿命を削る。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​

●その幻想を超えていけ

 近くの宇宙ステーションに到着した『オーンブル巡礼団』の宇宙船。クルーたちは生きて『宇宙船の墓場』から脱出できたことを喜び、神と猟兵たちに感謝の祈りを捧げた。

 猟兵たちも宇宙ステーションに合流し、『オーンブル巡礼団』のクルーたちと対面した。確かに彼らは老若男女も種族も関係なく、穏やかな人々ばかり。
「私はグレマン。巡礼団の皆からは『団長』と呼ばれている。」
 中年のクリスタリアンが自己紹介をした。
「助けてくれてありがとう。巡礼団を代表して礼を言おう。」
 グレマンが頭を下げた。

 それから暫くの間、猟兵たちは『オーンブル巡礼団』の宇宙船に同乗し共に旅を続けた。猟兵たちも共に聖地を目指す仲間としてすぐに受け入れられた。

 ある日、グレマンが猟兵たちを操縦室へと集めた。
「この先に我々が目指す『希望の聖地オーンブル』があります。ですが、この先には『聖地を目指す者、皆ことごとく幻想の眠りに沈む』という伝承があるのです。」
 グレマンの顔は浮かない。
「この伝承には前文がありまして『強き者には幸福を、速き者には不幸を、賢き者には恐怖を与える』とあるのです。幻想に対する対策がなければ『猟兵』と言えど……。」

 その頃『オーンブル巡礼団』の宇宙船を遠巻きに見つめる巨大な目が浮かんでいた。『クェーサービースト・スクイカンタクル』。幻想を操る希望の聖地の守り手である。
ティティス・ティファーナ
SPD]で判定
*アドリブ歓迎

「『オーンブル巡礼団』の光点と見て本能に駆られたか…対処する」
『マルチスタイル・サイコミュ・ファンネルビット』をLv機体を創造して展開し広大な迷路を前に「行け!解析だ」とファンネルビットを創造して展開させながら行き先が把握できる毎に記憶し記録して障害物や障害宇宙生物の対処でリニアロングボウとレーザービームで攻撃を仕掛け駆逐し、テレポートを駆使しながら出口を目指します。
途中や出口から出た後には猟兵たちに現法と対処策をファンネルビットを通して連絡して、最後にフルバーストとヘラ・エウピションで総攻撃と最大火力で対処して倒します。

「鯨や鮫の様に体格に合わせた知性を有しろ」



●幻想を砕く光

 操縦室にアラートが鳴り響く。
「レーダーが巨大な生体反応を検知。船外カメラを起動します。」
 ウォーマシンのオペレーターがカメラの画面を表示すると、そこには巨大な――それこそ『怪獣』とでも評すべきイカのような生命体がいた。
「宇宙イカ……ですかね?」
 呑気なクルーに対し、グレマンが危機感を募らせる。
「いや、あの大きさは『クェーサービースト』だ。銀河帝国をも退けた驚異の超巨大生物だと聞いている。まさかあのクェーサービーストがオーンブルを守っているのか?」
「だとしたら、この船も狙われていますよ!」
 あのクェーサービーストに恨みはないが、行く手を塞ぐのなら倒すしかない。猟兵たちは戦闘の準備を始めた。

 先陣を切って飛び出したのはティティス・ティファーナだ。ティティスの肉体は金属で構成されており、生命維持のための呼吸を必要としない。また、超極寒となる宇宙空間においての耐性も有している。その為、生身の肉体を持つ猟兵たちと比較すると、準備に時間がかからない分初動が早かった。

 宇宙船の前には突如として巨大な迷路が広がっていた。クルーの誰かの不幸に反応したのだろうかあろうか。
「『オーンブル巡礼団』の光点と見て本能に駆られたか…対処する。」
 その言葉と共に、ティティスの周囲にファンネルビットが構成される。その数実に155個。
「行け!解析だ。」
 ファンネルビットを先行して迷宮に送り込み、その結果を基に脱出までの最短ルートを分析する。
「こっちだ。」
 宇宙船を誘導し、出口へと向かう。道中には障害物や宇宙生物が待ち受けていたものの、リニアロングボウやレーザービームを駆使し、遠距離から破壊することで余計な交戦を回避。宇宙船にダメージを与えずに済んだ。
 時にはテレポートを使いショートカットを行うことで燃料も節約することができた。

 宇宙船が通過した後にはファンネルビットが残された。これは後から来る猟兵たちの為に、目印として設置されたものだ。また、これは通信用のビーコンとしても機能している。ティティスは猟兵たちに現在地点と迷宮の対処法を連絡しながら、出口を目指した。

 不意に前方が開けてきた。ここが迷宮の終わりなのか。だが目の前に蠢く触手を何本も震わせた巨獣――『クェーサービースト・スクイカンタクル』が立ち塞がる。
「鯨や鮫の様に体格に合わせた知性を有しろ。」
 ティティスは短く言い放つと、全てのレーザー武装を最大火力に設定すると、全ての照準を『クェーサービースト・スクイカンタクル』に合わせ、一斉に放った。
 いくつもの光が重なり合い、巨大な一筋の光線となり、スクイカンタクルの触手を何本も焼き切った。

大成功 🔵​🔵​🔵​

数宮・多喜
【アドリブ改変・連携大歓迎】

なあ、団長さん。
機械が考える「不幸」ってどんなもんだろうな?
ウォーマシンとかじゃねぇ、意思を持たないマシーンたちさ。
そいつらがセンサーであいつらを認識したなら、一体どうなるんだろうねぇ?

何てこたぁないよ、さっきから宇宙カブのアラートがうるさくて堪らねぇのさ。
準星の獣を前にして、居ても立ってもいられねぇってよ!
どうやらコイツは、大本をぶち壊したくて仕方がねぇらしい!

先行してもらった味方からの情報を頼りに周囲の空間を『情報収集』し、慎重に発動座標を絞り込む。
博打にも程があるけれど、【宙穿つ穴】は座標指定式だ。
迷路の向こうでのんびり漂っている所を消し飛ばしてやらぁ!



●宇宙カブは不幸の夢を見るか

「なあ、団長さん。」
 多喜が通信越しにグレマンへ話しかける。
「機械が考える『不幸』ってどんなもんだろうな?」
 その言葉に、グレマンはオペレーターのウォーマシンをちらりと見た。だが多喜が動きを読んだように言葉を続ける。
「ウォーマシンとかじゃねぇ、意思を持たないマシーンたちさ。」
「『意思を持たないマシーン』となると、『宇宙船の墓場』にいた自動機械のようなものか?」
「そうそう。そいつらがセンサーであいつらを認識したなら、一体どうなるんだろうねぇ?」
「作り手や使用者の残留思念でも付着していればそちらに反応するだろうが、それすらない場合は完全な盲点となりうるだろう。しかしまた、なぜそのような話を?」
「何てこたぁないよ、さっきから宇宙カブのアラートがうるさくて堪らねぇのさ。準星の獣クェーーサービーストを前にして、居ても立ってもいられねぇってよ!」
 宇宙カブのアクセルを強く握りしめ、多喜は宇宙空間に現れた迷路の中へと飛び込んでいった。

 幸いなことに、迷路を先行していた猟兵が他の猟兵にも情報を送ってくれていた。多喜はその情報を元に、迷路の中を進みつつ、慎重にユーベルコードの発動座標を絞り込む。
「よし、見えた!」
 イチかバチかの賭けであるが、その座標に『クェーサービースト・スクイカンタクル』がいるのは確実なのだ。やるしかない。
「消し飛べぇっ!!」
 その頃、迷路の出口で傷を癒していた『クェーサービースト・スクイカンタクル』は己の周辺空間が捻じ曲がっていることに気づいた。動こうにも空間連続崩壊の影響で重力が変化し、身動きが取れない。何もできないまま亜空間の連続崩壊による攻撃を受け続けることとなった。

 つまり、多喜は賭けに勝ったのである。賭けに勝利した猟兵と『オーンブル巡礼団』はまた一歩、聖地へと近づいた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

鈴乃宮・影華(サポート)
「どうも、銀誓館の方から助っ人に来ました」
銀誓館学園所属の能力者……もとい、猟兵の鈴乃宮です

かつての様にイグニッションカードを掲げ
「――起動イグニッション!」で各種装備を展開
友人から教わった剣術や
体内に棲む黒燐蟲を使役するユーベルコードを主に使用

TPO次第では
キャバリアの制御AIである『E.N.M.A』が主体となるユーベルコードを使用したり
『轟蘭華』や乗り物に搭載した重火器をブッ放したり
神機召喚アクセス――起動イグニッション!」からのキャバリア召喚で暴れます

例え依頼の成功の為でも、他の猟兵に迷惑をかけるような行為はしません
不明な点はお任せします



●宇宙往く黒燐蟲

 『クェーサービースト・スクイカンタクル』は漆黒の宇宙空間に不釣り合いな、白い影を見た。それは鈴乃宮・影華(暗がりにて咲く影の華・f35699)が駆るサイキックキャバリア『レガリア・ベルクス』だ。
「あれが『クェーサービースト・スクイカンタクル』ね。」
 目標を確認した影華はしかし、次の瞬間驚くことになる。
「ちょっと待って、先行していた猟兵が送ってきたデータによると確かクェーサービーストは1体だけのはず。なのにここには2体いる。どういうこと?」
 首を傾げる影華に、グレマンから通信が入る。
「こちらで分析したところ、生体反応が確認できたのは1体だけだ。つまり2体のうちどちらかが幻ということになる。だが見分ける方法がない。幻にしてはあまりにも精巧すぎる。」
 と、向こうもこちらに気づいたのか、2体同時に長い触手を振り回し攻撃を仕掛けてきた。咄嗟に『BX大黒燐創鋼剣『影蘭』』を生成し応戦するも、どちらが幻なのか手ごたえからは分からない。
「質量を持った幻!そんなのアリなの!?」
 だが、質量があるということは攻撃が通る可能性があるということ。それならば影華にも手がある。

 『レガリア・ベルクス』から黒い煙のようなものが湧きだす。
「故障でしょうか?」
「いや待て、煙を拡大してくれ!」
 疑問を口にしたウォーマシンのオペレーターに、グレマンが指示を出す。と、拡大された映像には大量の黒い蟲――かつて銀の雨降る世界シルバーレインで銀誓館の能力者たちと共に戦った黒燐蟲そのもの――が映し出されていた。
「彼の力を以て世界を侵す――皆、食べ放題だよ!」
 黒燐蟲の群れは影華の指示を受け、2体の『クェーサービースト・スクイカンタクル』へと襲い掛かる。スクイカンタクルも懸命に触手を振り回し振り落とそうとするも、小さく数も多い黒燐蟲相手ではどうしようもない。
 スクイカンタクルの体に取り付いた黒燐蟲はエネルギーを吸収し、今度は攻撃に転じる。そうして腹が減るとまたスクイカンタクルのエネルギーを吸収する。一つ一つの吸収量は少ないが、何せ数が多いのだから、ひとたまりもない。
 そうこうしているうちに、黒燐蟲の群れは満足したのか姿を消した。残されたのは1体のスクイカンタクルだ。
「あなたが本体ね!」
 『レガリア・ベルクス』が『影蘭』を振りかざし、スクイカンタクルを切り伏せた。

 オーンブルへの道をまた一歩進む猟兵と巡礼団。目的地は近い。

成功 🔵​🔵​🔴​

印旛院・ラビニア(サポート)
・境遇的なものもあり、思考や嗜好は成人男性のものです(恥ずかしい境遇なので自分からは喋らない)
・基本的にはヘタレで気弱、慎重な面がありますが、物事がうまくいったり周りに煽てられるとイキって墓穴を掘ることもあります
・なんだかんだで人がいい
・やり込みゲーマーで現状を学ぶ【学習力】と自分のプレイに【チューニング】できる応用力が武器
・キャバリア・劫禍との関係はUCの秘密設定あたりで察してください

  UCは活性化した物をどれでも使用し、例え依頼のためでも、公序良俗に反する行動はしません。えっちな展開はコメディ目であれば許容
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



●君は『スターシップ・ワールド』を知っているか?

 宇宙の闇に溶け込むような漆黒のキャバリアが宇宙船に並走する。
「宇宙は初めて来たけど、本当に無重力なんだね。」
 コックピットで感心したように呟くのは印旛院・ラビニア(エタらない人(仮)・f42058)。
「確かに今までとは挙動が違うな。」
 愛機であるオブリビオンマシン『劫禍』の声が返ってきた。
俺様がいた世界クロムキャバリアではもはや誰も宇宙のことなど考えぬ。故に『死んだ知識』扱いよ。」
 『殲禍炎剣ホーリー・グレイル』によって高速飛翔体が全て落とされたクロムキャバリアにとって、宇宙開発などもはや絵空事でしかない。地上と地中と海が全ての世界で、ヒトはただ争いを続けるばかり。
「僕だって現実統制機構にいる時は、夜空を見上げることなんてあまりなかったなぁ。どっちかっていうと、ゲームの宇宙空間にいることが多かったし。」
「どのようなゲームだ?」
 興味を示した劫禍に、ラビニアの目が輝く。
「『スターシップ・ワールド』って作品で、ジャンルとしてはオープンワールドゲームかな。プレイヤーは宇宙船の船長として自由に宇宙を飛び回るんだ。運び屋や交易商人みたいな遊び方もできるし、新しい惑星を発見する探検家プレイもできる。そうそう、宇宙海賊だってできるよ!
 依頼をクリアしてお金を貯めて、自分の宇宙船をカスタマイズしたり新しい船に買い替えたり、それから乗組員を雇って能力値を上げたりするんだ!
 時々プレイヤー同士の戦争があって、その時は大艦隊が集まるのも見どころだよ!」
「ほう、それは面白そうだ。俺様にも後で遊ばせてくれ。」
 劫禍を沼に引き込むことに成功したラビニアであった。

「見ろ!」
 劫禍がレーダーで示した先には、『クェーサービースト・スクイカンタクル』が待ち受けていた。だが、ラビニアはその傍らにあった宇宙船に驚いた。
「あれは、僕が『スターシップ・ワールド』で使っていた船!どうしてここに!?」
 それを知ってか知らずか、宇宙船は大量のビーム砲を劫禍と『オーンブル巡礼団』の宇宙船に浴びせてくる。咄嗟に『盾の戦乙女ヴァルキリー・ランドガルダ』を召喚し、ビーム砲を防ぐことには成功したが、このままではジリ貧になるのが目に見えていた。
「落ち着けラビ子、あの船には熱源反応がない。おそらく幻の類だろう。」
「そういえば団長さんも『幻想の眠り』って言ってたよね。なら、本体を叩こう!」
 可能な限り『クェーサービースト・スクイカンタクル』のそばへ近づこうとする劫禍。そこに宇宙船が割って入ろうとするも、幻想でしかない宇宙船ではすり抜けてしまう。
「射程圏内に入ったよ!」
「よし!今だ!」
 劫禍がピンバイス型ドリルの発射体勢に入る。
「「爆ぜろ!!!!!」」
 ドリルは迷いなく『クェーサービースト・スクイカンタクル』に突き刺さり、濃縮された『骸の海』が流し込まれる。断末魔の如く触手を振り回し暴れるスクイカンタクルだったが、遂に爆発四散。その衝撃が宙域一帯を揺らした。

 もう少しで『希望の聖地オーンブル』に到達すると通信が入ったのは、それから間もなくのことだった。

成功 🔵​🔵​🔴​

ネッド・アロナックス(サポート)
めずらしい そざいはある?
なければ じょうほうを しいれて かえろうかな!
(※セリフはひらがな+カタカナ+空白で話します)

探し物や調べ物は楽しくて得意だよ
"くらげほうき"や"ゆきソリ"で空を飛んだり泳いだりしてヒトや物も運ぶよ

戦闘はサポートに回ることが多いかな
手強い敵は基本隠れながら隙を作って逃げる!
"クリーピングコイン"で物をひっかけて飛ばしたり
"しろくじら"の歌で余所見をさせたりね

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功のためでも公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
よろしくおねがいします!



●星の海の果て

 『宇宙と深海はよく似ている』とは誰の言葉だったか。どこまでも続く暗闇に、多くの生命を拒絶する過酷な環境。そして――。
「そこに たどりつくまでが たいへん。」
 操縦室でこれまでの推移を見守っていたネッド・アロナックス(ガムゴム人の冒険商人・f41694)はふらりと外へ出た。彼は『希望の聖地オーンブル』にあるであろう珍しい素材を求め、この旅に同行していたのであった。

 ネッドが操縦室を出てから数分後、計測機器の数値が異常を示し出した。アラートが操縦室に鳴り響く。
「機体への圧力負荷の上昇を確認!」
「機体周辺に大量の水分が検出されました!」
「環境耐性バリアを展開するんだ!早く!」
 バリアを展開した『オーンブル巡礼団』の宇宙船は、次の瞬間信じがたいものを見た。それは自分たちの周囲がマリンスノー降る深海へと転じていた光景だった。彼らの前をしろくじらが引くゆきソリに乗ったネッドが行く。
 ネッドはユーベルコード『シェイプ・オブ・ウォーター』によって、周辺宙域を深海へと変化させたのだ。不可能を可能にするのがユーベルコードの力とはいえ、にわかには信じがたい状況である。

 さて、この状況に対応できなかった生物が1体、もがき苦しんでいた。『クェーサービースト・スクイカンタクル』である、イカによく似た姿をしていながらも、深海に対応する術を持ち合わせていないこの巨獣にとって現状は極めて不利なものだ。スクイカンタクルにとってさらに不幸なことに、『希望の聖地オーンブル』へ向かう何かが接近していた。
 このままでは使命を果たすことができない。スクイカンタクルは必死に恐怖の幻想を映し出そうとするも、慎重な性格ゆえに生き延びてきたガムゴム人の記憶を推し量ることができない。
 小さい何かが大量に突き刺さった。よく見ればそれは金貨で、ネッドが放ったクリーピングコインだった。最後の1枚がスクイカンタクルの急所を貫く。巨体は沈黙し。二度と動かなかった。

 深海と化した宙域を抜けた『オーンブル巡礼団』。彼らの目の前に、淡い水色の靄に包まれた惑星が現れた。
「座標を確認……間違いありません!あの星こそが『希望の聖地オーンブル』です!」
 オペレーターの言葉に沸き立つクルーたち。彼らの『巡礼』は果たされた。そして団長として皆を支え続けたグレマンの目には涙が浮かんでいた。

成功 🔵​🔵​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年08月28日


タグの編集

 現在は作者のみ編集可能です。
 🔒公式タグは編集できません。

🔒
#スペースシップワールド
🔒
#スペースオペラワールド
🔒
#戦後
🔒
#【Q】
🔒
#希望の聖地オーンブル
#プレイング受付中


30




種別『冒険』のルール
「POW・SPD・WIZ」の能力値別に書かれた「この章でできる行動の例」を参考にしつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト