●渦巻く陰謀
ブラウンタイムス編集部。
そのデスクでは、ウサギの獣人……ブラウン編集長が、難しい表情をしていた。いつものように。
「尻尾をつかんだぞ『
F.O.N』……! 連中め、何やらよからぬ事を企んでいるな……!」
ブラウン氏の手元には、執念の果てにつかんだ情報、それをまとめた記事がある。
だが、これを新聞として発行しても、どれだけの市民が信じてくれるだろうか?
「くっ! なぜ! なぜ誰も真実に目を向けてくれない!」
誰か、誰かいないのか? 奴らの喉元にナイフを突きつけられる実力と、信用を兼ね備えた人物が……!
ブラウン編集長は、頭を掻きむしり、コーヒーのお代わりをすすった。
●いざ編集部へ
ヴェルタール・バトラー(ウォーマシンの鎧装騎兵・f05099)は、『獣人戦線』世界における新たなる依頼を、猟兵達に説明し始めた。
「獣人戦線のアメリカは、ウサギ獣人の国。『
F.O.N』と呼ばれる、どこかで聞いたような名を冠する秘密結社によって支配されております。とはいえ、戦乱に満ちた他国と異なり、表面上は平和そのものでございます」
だが、それこそが『F.O.N』の陰謀だ。
平和を隠れ蓑に、人知れず一般人達の命を奪いオブリビオンに変え、他の超大国との戦争に兵隊として利用しているのだ。
「この真実を知る国民は、まずおりません。その中で、新聞紙『ブラウンタイムス』のブラウン編集長は、数少ない……おそらくは唯一、この真実を知り、人々に訴えかけている人物なのでございます」
しかし、ブラウンタイムスは、世間的には、三文タブロイド紙扱い。陰謀論を取り上げたところで、一般市民がそれをうのみにすることは、まずありえない。
「ですが、我々猟兵は、『F.O.N』の存在が紛れもない真実だと承知しております。ここは1つ、ブラウン編集長の元に赴き、氏がつかんだという『F.O.N』に関する極秘情報を聞き出しもらいたいのであります」
極秘情報とは、どうやら、『F.O.N』による新たな徴兵作戦……すなわち、虐殺事件の概要らしい。
敵の潜伏先、敵の兵力、作戦の決行日時など……。
ブラウン編集長から計画にまつわる情報を聞き出すことが出来れば、虐殺を事前に阻止する事ができるはずだ。
しかし、ブラウン編集長とて、ただで情報を提供してくれるわけではない。
「こちらが単なる興味本位や冷やかしでない事、『F.O.N』の存在を認めている事を、ブラウン氏に訴える必要があるでしょう。何か手土産を持参するのも有効な手段かと」
首尾よく情報が得られたら、それを元に、敵の隠れ家へと急行する。
「そこには、作戦の実行部隊が詰めているはずでございます。それをスパーンと撃滅すれば、計画は破綻。何より、ブラウン編集長の覚えもよくなることと推測されます」
一般市民を、他の超大国侵略の尖兵にさせてはいけない。今こそ猟兵の出番だ。
編集長と猟兵……ペンと剣の合わせ技で、平和を守るのだ!
七尾マサムネ
あのキャンピーくんとも知己の仲? であるブラウン編集長、再登場です。
●1章
ブラウンタイムス編集部を訪問し、ブラウン編集長から、オブリビオンの虐殺計画に関する情報を聞き出します。
多少、気難しそうなブラウン氏ですが、なんだかんだでキャンピーくんのコーヒーを飲んでくれるなど、乗りのいいところはありそうです。
●2章
ブラウン編集長の情報を元に、虐殺計画を実行しようとするオブリビオン部隊のセーフハウスに向かい、これと交戦します。
●3章
敵部隊を率いる指揮官オブリビオンと戦い、これを撃破します。
それでは、皆さまのご参加、お待ちしております!
第1章 日常
『ブラウン編集長の「極秘情報」』
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POW : 情熱と勢いで正面からぶつかる
SPD : 聞き出した情報を街の様子と照らし合わせる
WIZ : 話題を誘導し、オブリビオンに近付けそうな情報を引き出す
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ベルト・ラムバルド
アドリブ上等!
一人孤独に真実に立ち向かう男…!
渋いな~ハードボイルドだな~まるで探偵だな!…え?編集長?
ともかくこのアメリカ合衆国の民と一人の男の情熱を救うべく騎士ベルト・ラムバルドは行くのだ!
UCを発動し在感感と貴人の如きカリスマで放って眼前に現れよう
安心したまえよMrブラウン!私は騎士ベルト・ラムバルド!
貴殿の知っている真実とやらを私に存分に話したまえ!
…信用でけない?酷いやっちゃな~…
せっかくピラミッド目ん玉お化けことキャンピーくんと知り合いなのにな~
彼と一緒にキャンプに行った仲なのにな~彼のコーヒーのおかげで大魔王を退けたのになぁ~?
知りたい?あいわかった!まずは私が如何にして(以下略
グリモア猟兵の依頼内容を確かめたベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)は、しみじみと、珈琲を味わうような表情で頷いた。
「一人孤独に真実に立ち向かう男……! 渋いな~ハードボイルドだな~まるで探偵だな! ……え? 編集長?」
ブラウン氏は、記者にして編集長である。
しかし、その取材手法次第では、あながちベルトの見立ても間違ってはいないかもしれない。
「ともかく! このアメリカ合衆国の民と一人の男の情熱を救うべく騎士ベルト・ラムバルドは行くのだ!」
そして編集部の扉をノックし、入室する。
「失礼する!」
パァァァ……!
恐るべき存在感と、貴人の如きカリスマ。そして、やたらいい感じの香気を部屋にもたらしながら、ベルトはブラウン氏の前に現れた。
「……な、まさかお前は秘密結社『F.O.N』の手先!? 真実に近づき過ぎた儂を消しに来たのか!?」
がたっ。
思わず、椅子に足をぶつけながら立ち上がるブラウン氏。
「安心したまえよMr.ブラウン! 私は騎士ベルト・ラムバルド! 貴殿の知っている真実とやらを私に存分に話したまえ!」
「騎士だと? 思わず圧倒されてしまったが、怪しい……!」
いきなりのマイルド自白強要に、ブラウン氏は心の警戒レベルを上昇させた。さすがは、自力で陰謀に気づいただけの事はある。
「あれ? 信用でけない? 酷いやっちゃな~……せっかくピラミッド目ん玉お化けことキャンピーくんと知り合いなのにな~」
ベルトは、ふふん、と妙に得意げというか、もったいぶるような口調で話を続けた。
「彼とは一緒にキャンプに行った仲なのにな~彼のコーヒーのおかげで大魔王を退けたのになぁ~?」
「なん、だと!?」
ここにきて、一気にベルトの存在感パワーが効いてきたらしい。
ブラウン氏の警戒心が、好奇心に屈服したのを機に、ベルトは畳みかけた。
「大魔王……はよくわからんが、ヤツの事を知っているのだな? 『F.O.N』の一味でないというのなら、知っている事を教えてくれ! ヤツらの事を!」
「知りたい? あいわかった! まずは私が如何にして」
ベルトのロングインタビューは続いた。
その一言一句を、ブラウン氏は書き留めた。わざわざ。
「ふむ、『F.O.N』の存在を認め、かつ、戦っているという要点は理解できた」
「ならば!」
「うむ、儂のとっておきの情報を伝えよう。そう、ヤツらの今回の計画を……!」
首尾よく、ブラウン氏の情報を手に入れたベルトは、編集部を後にした。
感謝と超いい香りを残して。
大成功
🔵🔵🔵
吉岡・紅葉
Nice to meet you、Mr.ブラウン!
私はクレハ・ヨシオカ……あなたのお話に興味があって、
参りました!(名刺を差し出し)
「時にブラウン編集長。あなたは先日、ピラミッドに目がついたような
怪物に遭遇したとか」
「それはもしかしてぇ……こ~~んな顔をしてませんでしたかぁ?」
と、新聞で顔を隠した隙に百面相セットでキャンピーくんの貌に
《変装》しますよ。
「(皮を剥いで)あっはっは、驚かせてすみません。あなたの情報、信じますとも!」
ついでに《早業》でお茶を淹れて、お菓子と共に差し出すとしますか。
「私は伝説的泥棒の弟子として、様々な技術を叩き込まれたんです。必ずお役に立てるかと」
こんこん。
ノックの音に、ブラウン編集長が入室を促す。
姿を見せたのは、吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)だ。
「
Nice to meet you、Mr.ブラウン! 私はクレハ・ヨシオカ……本日はあなたのお話に興味があって、参りました!」
紅葉の差し出した名刺を、ふむ、と受け取るブラウン氏。
「時にブラウン編集長。あなたは先日、ピラミッドに目がついたような怪物に遭遇したとか」
「そうとも。あれは自分が秘密結社『F.O.N』の一員だと自白した! 間違いなく奴らは実在する!」
何らかのスイッチが入ったかのようにまくしたてるブラウン氏に、頷く紅葉。
「それはもしかしてぇ……こ~~んな顔をしてませんでしたかぁ?」
「!?」
ブラウン氏の眼前に出現したのは、間違いなくキャンピーくんだった。
「なっ……お前、突然消えるだけでなく、そんな技まで持っていたのか
……!?」
思わず、窓際まで後ずさるブラウン氏。
キャンピーくん?は、三角顔を揺らして笑うと、びりりっ、と皮を剥いでその正体を現した。
もちろん紅葉だ。新聞で顔を隠した隙に、素早く例の三角形の貌に変装してみせたのだ。
「あっはっは、驚かせてすみません。あなたの情報、信じますとも!」
「なっ、変装だったか……ほっ」
安堵のため息とともに、椅子に座り込むブラウン氏。
「いや待て、今ほどの変装が出来るという事は、君は、あのピラミッドお化けの事を実際に見た事があるというのか?」
「そういう事になりますね」
こくり、紅葉が首肯してみせた時には、ブラウン氏の前にお茶が置かれている。当然のように、お茶菓子も添えて。
「なるほど、君も『F.O.N』を追う1人という事か」
ずずっ。
「来客にもてなされるとは。これも贈賄の一種か……」
ブラウン氏は、難しい顔で、紅葉のお茶をすすった。美味い、と。
「私は伝説的泥棒の弟子として、様々な技術を叩き込まれたんです。必ずお役に立てるかと」
「ふむ、確かにその見事な技があれば連中とも渡り合えるかもしれんもぐもく」
紅葉のお菓子を一かけら残らず平らげたブラウン氏が、紅葉を、鑑定でもするようなまなざしで見つめた。
「……ならばこの秘密情報、君にも託すとしよう。我が国に仇為す結社連中の企みを打ち砕いてくれ。ついでに、儂の訴えが正しいことを世間に証明できれば申し分ない!」
「善処しましょう。では!」
無事、敵の計画を入手した紅葉は、自転車に乗ると、颯爽と現場へと向かうのであった……!
大成功
🔵🔵🔵
マシュマローネ・アラモード
◎
信頼を得る為には、真摯な『礼儀作法』『プリンセス力』が試されますわね。
UC『赫灼たる王の宣言』と共に、ブラウン編集長の信頼を得るように交渉に当たりましょう。
モワ、お初にお目に掛かりますわ。
私はラモード王国の第一皇女、兎の皇女、マシュマローネ・アラモードと申します。猟兵でもあります。
ブラウン編集長の仰るFONの名はキャンピー君と言いませんでしたか?実際に猟兵として遭遇しておりますが、今回のブラウン編集長の得た情報のFONは未だに捕捉出来ておりません。
誓って、この国の民のために、どうかご存知になっている情報を頂けませんか?
必ずや、脅威を払ってお見せします、この姿に誓って!
「おや、今度の客人は、手狭な編集部には相応しくないようだ」
マシュマローネ・アラモード(第一皇女『兎の皇女』・f38748)と対面したブラウン編集長は、一目でその気品を見抜いたようであった。
信頼を得る為、試されるのは、真摯な『礼儀作法』や『プリンセス力』。
マシュマローネは、知識と経験、そして王家の高貴なる血。それらに加え、『赫灼たる王の宣言』と共に、ブラウン編集長に語り掛けた。
「モワ、お初にお目に掛かりますわ。私はラモード王国の第一皇女、兎の皇女、マシュマローネ・アラモードと申します。猟兵でもあります」
「ふむ、今日は猟兵の来客がずいぶん多いな」
さすがに、来客の前で紫煙をくゆらせることはできない。
少々口寂しい感じをにじませるブラウン氏に、マシュマローネは、要件を切り出した。秘密結社の件について。
「ブラウン編集長の仰る『F.O.N』の名は、キャンピーくんと言いませんでしたか?」
「正解だ。あのピラミッドもどきは、確かにそう名乗っていた」
マシュマローネに飲み物を出しながら、話に長耳を傾けるブラウン氏。
「あの者には、実際に猟兵として遭遇しておりますが、今回のブラウン編集長の得た情報の『F.O.N』に関しては、未だ捕捉出来ておりません」
「なるほど、儂のつかんだ情報が欲しい、というわけか」
「誓って、この国の民のために、どうかご存知になっている情報を頂けませんか? 必ずや、脅威を払ってお見せします、この姿に誓って!」
ブラウン氏は、マシュマローネの姿を見定めた。
この国の民……何よりブラウン氏と同じ、兎人の姿を。
「その目、その言葉、信じるに値するか……いいだろう。儂も、1人でも多く味方が欲しいところだ」
ブラウン氏は、鍵のかかった引き出しから、書きかけの原稿を取り出した。
「ここに、今回儂がつかんだ『F.O.N』、その一派の殺戮計画が記されている」
原稿を丁重に受け取ったマシュマローネは、そこに書かれている内容を一言一句、逃さず読み取っていく。
「なんという……確かにこの計画が成功すれば、『F.O.N』は、また戦力を増強させてしまいますわね。お任せください、この信頼に応えてみせましょう!」
「頼むぞ猟兵。たとえ儂の記事を信じてくれずとも、この国の民が尊い存在であることに変わりはない。守ってくれ。奴らの魔の手から!」
ブラウン氏の願いは、今ここにマシュマローネに託されたのだ……!
大成功
🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』
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POW : メルティング・シュガー
自身と武装を【ゲル化させる薬液】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[ゲル化させる薬液]に触れた敵からは【肉体や装備を溶解させることで戦闘力】を奪う。
SPD : フォーリング・パウダーシュガー
自身が装備する【軍服】から【粉砂糖状のBC兵器】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【溶解】の状態異常を与える。
WIZ : シュガー・ウィズ・シュガー
体内から常に【甘い香り】が放出され、自身の体調に応じて、周囲の全員に【相手を疑ったり敵対する意思を奪う、】もしくは【『甘えたい』『ダメにされたい』など】の感情を与える。
👑11
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ブラウン編集長から得た極秘情報を元に、猟兵達がたどりついたのは、とあるライブハウスに隣接するビルであった。
もうすぐこのライブハウスでは、人気バンド『ウサッギーズ』のライブが開演する。
この場を『
F.O.N』の実行部隊が襲撃。観客をオブリビオンに変える……つまり殺戮してしまおうというのが、今回ブラウン編集長がつかんだ、『
忘れられた軍団』量産計画であった。
情報操作により、『F.O.N』の関与は隠蔽される。集団失踪事件、『ウサッギーズ』の仕業に見せかけるなど、いくらでも手はあるだろう。
そして、その時は近づいている。観客は既に入場を始め、『ウサッギーズ』のメンバーもチューニングに余念がない。
すぐ隣の建物で殺戮計画が進行していることなど、誰1人知る由もない。
ビル内で、決行の時刻を待っているのは、『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』達だ。
その能力を用いて自分達の肉体を溶かし、ライブ会場にひそやかに潜入。
あとは、特製の化学物質をまいて、音もなく観客達をあの世に導けば、任務は完了。
「うふふ、もうすぐね」
「ワタシ達のとっておきで、甘い死をプレゼントしてあげるわ!」
だが、その計画は、ブラウン編集長、そして猟兵の知るところ。
黒砂糖達を、このビルから一歩たりとも出すことなく、全てを終わらせるのだ。ブラウン編集長の情報提供に報いるためにも……!
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
悪い子ちゃんめー!こら~!!!
そ~んな悪いことはこの騎士ベルト・ラムバルドが許しません!
…なんだか甘い香りがするな…いや甘すぎないこの匂い?
ちょっと気持ち悪くなってきた…おえ…コーヒー飲みたい…
いかん…!このまま引き下がってなるものかよ!
UC発動し超いい香り後光を放って甘い香りを打ち消してやる!
…で…どうするか…レイピアで斬り付けるのはちと残酷すぎるし…こうなりゃ…悪い子は!お仕置きだ!
ひとりひとり相手の頭にげんこつを食らわせ重量攻撃で戦闘意欲を奪ってやる!
泣くんじゃない!私の手だって痛いんだよ!というか殺獣人未遂で貴様等のほうが悪いんだからな!
…あと何人いる?これ全員にげんこつ?
「悪い子ちゃんめー! こら~!!!」
「きゃああ~どなた!?」
ベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)が、勢いよく敵アジトに殴り込むと、可憐な悲鳴が上がった。
編集部ご訪問の時とはうって変わって、討入の構え。礼儀はとりあえず最低限だ。
「企みは一切合切とっくにお見通しだ! そ~んな悪いことはこの騎士ベルト・ラムバルドが許しません!」
「うそっ、バレてる!? なんで!?」
浮足立つ『黒砂糖』達。
が、彼女らが動くたび、ふわりこぼれるいい香り。
「……なんだか甘い香りがするな……いや甘すぎないこの匂い?」
思わずベルトは、口を手で押さえた。
ただの、やたら甘くて困ってしまう香りではない。ユーベルコードによるものだ。可憐に見えて、工作系錬金術師の肩書は伊達ではないようだ。
すると、なんだかベルトの敵意が薄れ……というか、それどころではない体調の変化が訪れる。
「ちょっと気持ち悪くなってきた……おえ……コーヒー飲みたい……」
「コーヒーがご所望なの? いいわ、御馳走してあげる。ただしお砂糖たっぷりの、ね!」
「ここは地獄なのか?」
意地の悪い笑みをのぞかせ、ベルトを囲む『黒砂糖』達。
「いかん……! だがこのまま引き下がってなるものかよ!」
騎士の矜持。
ベルトは、甘い香りを振り払うように、覇気を放った。正確には、後光を放って、『黒砂糖』達を圧倒し返した。超いい香り付きで。
「こっ、この匂い……」
「なんていい匂い……これ好き……」
ユーベルコードにはユーベルコード、香りには香り。
『黒砂糖』達の醸し出した香りを、自身の香りで上書きし、魅了するベルト。とりあえず、目論見は上手くいったようだ。
だが相手は悪辣な工作員。これでお終い、というわけにもいかない。
「かといってレイピアで斬り付けるのはちと残酷すぎるし……こうなりゃ……」
ぐっ。ベルトは拳を固めた。
「悪い子は! お仕置きだ!」
がつん!
ベルトは、『黒砂糖』達ひとりひとりの頭に、げんこつを食らわせて回った。シンプルな重量攻撃で、戦闘意欲を奪っていく。
「いったぁ~い!」
「泣くんじゃない! 私の手だって痛いんだよ! というか殺獣人未遂で貴様等のほうが悪いんだからな!」
説教とともに、愛ある?鉄槌を下していくベルト。だが。
「えいえいっ! ……ってこれあと何人いる?」
結構いる。
これ全員にげんこつをくらわしていくのは、割と骨が折れそうだった。
大成功
🔵🔵🔵
吉岡・紅葉
さて、いよいよ私達の出番ですか。
ブラウン編集長に、とっておきのネタを持ち帰ってあげましょう!
敵のBC兵器は脅威ですが、兵士の身体能力はごく平凡と見ました。
ここは【オータムランページ】を使ってひと暴れしましょう!
赤い紅葉のオーラを纏い、相手をかく乱しながら戦いますよ。
《ダッシュ》《軽業》でビル内を駆け回り、フックショットによる
《空中機動》も駆使して敵を襲撃。スピードと手数を重視して、
《ナイフ投げ》や跳び蹴りで軍服に仕込まれた装置を破壊していきましょう。
見たところ敵は軽装ですから、BC兵器さえ無力化すれば
もう何も怖くありません。近づいて、ジャンクトンファーで
ガツガツ打撃して制圧しちゃいましょう!
なんとも予定外。
猟兵の急襲を受けた『黒砂糖』達は、抗戦しつつも、逃走の機会をうかがっていた。
どういうわけか極秘作戦が露見した以上、長居は無用。証拠隠滅してさっさと撤収したい。
だが、『黒砂糖』達の目論見は、人影に阻まれた。通りすがり風の女学生、吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)だ。
「いよいよ私達の出番ですね。ブラウン編集長に、とっておきのネタを持ち帰ってあげましょう!」
「また猟兵~?」
げんなり、とした表情を露わにする『黒砂糖』達。
だが、清楚に見えても、本質は工作員。紅の瞳に殺意を走らせ、紅葉へと襲い掛かる。
「ふふっ、『お砂糖』まみれにしちゃうよ?」
スカートの裾を振り乱し、紅葉を突破せんとする『黒砂糖』。
確かにこの挙動、訓練を受けたもののそれだが、その本領は、BC兵器。『黒砂糖』自体の身体能力はごく平凡……そう看破した紅葉は、接近戦を挑んだ。
「えっ、なにこの花……じゃなく葉っぱ?」
『黒砂糖』達は、景色の変容に困惑した。紅葉が、舞う紅の葉のオーラをまとい、攻撃を仕掛けたのだ。
ビル内を縦横無尽に駆け回り、『黒砂糖』達をかく乱する。
自分達のテリトリーだったはずの場所が、敵である紅葉に支配されている……その事実が、『黒砂糖』達に焦りを呼んだ。
それでも、軍服に仕込んだBC兵器……『粉砂糖』を振る舞う好機をうかがう。しかし、冷静ともいえるその判断が、『黒砂糖』達にとってはマイナスとなった。
ばしゅっ! 敵の隙を突いた紅葉が、天井へとフックショットを射出した。
敵頭上を取りつつ投擲したナイフが、『黒砂糖』に突き立つ。軍服に仕込まれた装置が、情けない音と煙を立てて停止する。
「えっ、せっかくの『お砂糖』が~!」
半泣きになる『黒砂糖』。
うかつに破壊すれば、かえって周囲にBC兵器が散布されてしまいかねない。
的確に装置を停止させる必要があったが、紅葉の技量は、正確にその目的を叶えたようだ。
味方を見捨ててでも逃走を図ろうとする『黒砂糖』を、紅葉は、階段の手すりを滑り降りて追撃。狙いすました蹴りをお見舞いし、装置を破壊。
敵に武装はない。スカートの下に機関銃を隠しているという事もさすがになさそうだ。虎の子のBC兵器さえ無力化できれば、武力で圧倒できる。
となれば、自作のジャンクトンファーの出番。反撃の手段を失った敵群を、追い詰め、打撃。
手心加えず、すみやかに敵部隊を制圧していく紅葉だった。
大成功
🔵🔵🔵
イネス・オルティス(サポート)
『この鎧は一族伝統のものよ、それがどうかしたの?』
アックス&ウィザーズ辺境のどこかにある隠れ里に住む一族の女戦士
〔一族伝統の鎧〕のビキニアーマーを愛用し主に〔巨獣槍〕という槍を使う
”ダッシュ”で近づき”なぎ払い”、”串刺し”等をよく行う
ボン・キュ・ボンのナイススタイルで、ビキニアーマーを普段使いしている
恥ずかしさ耐性のあるイネスは、周りの視線を気にしません
そのビキニアーマー姿の存在感で、無意識に誘惑してしまう事がありますが
イネスにそのつもりはありません
アドリブ・絡み・可 ””内技能
描写はセクシーレベルまで
キャバリアには乗らず生身で戦います(他の人のキャバリアを足場にする等はあり)
建物の中で繰り広げられる、猟兵と秘密結社『F.O.N』の戦い。
『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』が抵抗を続ける中。イネス・オルティス(隠れ里の女戦士・f06902)が加勢した。
イネスの戦装束を目の当たりにした『黒砂糖』達は、さっ、と顔を赤らめた。
「そっ、それっ、なんて格好なの……!」
「この鎧が気になるの? これは一族伝統のものだけどどうかした?」
イネスにとっては日常であるが、『黒砂糖』達には、非日常に他ならない。
「あなた達もそれが軍服なのでしょう? それと何も変わらないわ」
「え、あっ……まぁそうね」
イネスの何一つ迷うところのない言い分に、『黒砂糖』達は、了承して戦闘行動を続行するしかなかった。
けれど、『黒砂糖』の中には、イネスに、ぽーっ、と見惚れるものもいた。ビキニアーマーの魅力は、敵獣人すらも虜にするというのか。
「……はっ、猟兵は抹殺しないと!」
『黒砂糖』は、任務に目覚めた。
イネスの武器は、『巨獣槍』。『黒砂糖』の痩躯など容易く貫くだろう。
だが、『黒砂糖』が得意とするのは、正面切ってのぶつかり合いではない。その軍服にこそ、秘密が仕掛けられている。
「最期のスイーツタイムをお届けよ!」
ふわり。
『黒砂糖』達から、白い霧のようなものがあふれ出た。
「なにかしら、これ。甘い匂い……」
一見、害意はない。しかし、イネスの、戦士としての直感が、これを危険だと告げていた。
肌に痛みが走った瞬間、とっさに霧から距離を取る。すると、室内に置かれていた花瓶が、どろりと溶解し始めたではないか。
「その霧、ずいぶん物騒ね」
「せっかくその鎧を溶かしてあげようと思ったのに!」
悔しがる『黒砂糖』。
一か所にとどまっていれば、敵の『粉砂糖』の餌食となる。
イネスは、槍を構え直しつつ、ビキニアーマーの女神に祈りを捧げた。その身に女神の加護が宿り、霧の魔手から脱する速力を与えた。
掻き消える、イネスの姿。その初速は衝撃を巻き起こし、『粉砂糖』を吹き飛ばす。
「はっ、速い! 見えないー!」
戸惑う『黒砂糖』達が、1人、また1人と倒れていく。
疾風と化したイネスの槍撃が、次々と敵を仕留める。BC兵器さえ無力ならば、『黒砂糖』自体の武力は恐れるに足りない。
そうしてイネスが挙げた戦果は、女神へと捧げられるのだった。ビキニアーマーの女神へと。
成功
🔵🔵🔴
マシュマローネ・アラモード
◎
ブラウン編集長に報いる為、この国を守るため、いざ参りますわ!
UC、
不可侵戦域、斥力(吹き飛ばし)を全周に纏い、近づくもの全てを振り払う攻防一体の技、そして、ハラハラと舞うチリから位置を掴み、捕捉した重撃を叩き込みましょう!
モワ、私の
権能は斥力、触れること能わずと思いなさい。
そして、潜むなら配管や壁裏や床に染み込みのも良いと思いますが、斥力は戦闘中に常に発動しています、奇襲は無駄だと知りなさい。
……不自然な動きも斥力の綱にかかっておりますわ。
『F.O.N』の目論見を破綻させるべく、マシュマローネ・アラモード(第一皇女『兎の皇女』・f38748)は、『黒砂糖』達の前に立ちはだかった。
「ブラウン編集長に報いる為、この国を守る為、いざ参りますわ!」
「こっちだって、『F.O.N』の名に懸けて、乗り切って見せるんだからっ!」
『黒砂糖』達も、工作員の端くれ。目撃者たるマシュマローネ達を生かして帰すわけにはいかない。
『黒砂糖』達が取り出したのは、小瓶。中身を満たす砂糖色の薬液を、『黒砂糖』達は……自分達に振りかけた。
消える。その姿と気配が。
肉体をゲル化させることで、マシュマローネの聴覚と視覚、そして嗅覚から逃れ出たのだ。
こうなれば、『黒砂糖』が発する音は届かず、動きも見えぬ。
物陰、天井、壁の裏……何処に潜むか、工作員。逃げるも攻めるも、敵の思うまま。反対に、薬液を浴びればマシュマローネは、一たまりもない。
だが!
マシュマローネが発した王の気魄が、周囲の調度品を吹き飛ばし、カーテンを跳ね飛ばした。
不可侵戦域! 斥力を全周に纏う事で、マシュマローネに近づくもの全てを振り払う、攻防一体の『王技』である。
聴覚も封じられているゆえ、敵の悲鳴は届かない。だが、マシュマローネは、ある変化を見逃さなかった。
はらはら、舞う塵。『黒砂糖』自身は隠せても、その動きから生じるものまでは、影響は及ばない。
マシュマローネは、動いた。塵から類推した敵の位置へと、ためらいのない重撃を叩きこむ!
じんわり、染み渡るように手ごたえが返ってくる。
「そんなっ、薬液に猟兵が触れれば、溶けてしまうはずなのにっ……?」
「モワ、私の
権能は斥力、触れること能わずと思いなさい」
薬液の効果が切れたか、あるいは、マシュマローネの攻撃で薬液が吹き飛ばされたか。『黒砂糖』が、その姿を再び認識させた。
「配管や壁裏や床に染み込むのも良いと思いますが、斥力は私が戦に身を置く間、常に発動しています。奇襲は無駄だと知りなさい」
だが、マシュマローネの『忠告』も、『黒砂糖』には届かなかったようだ。
「懲りないようですね」
マシュマローネは、ノールックで後方へスイング。
次の瞬間、打撃を喰らい倒れ込んだ『黒砂糖』を、マシュマローネは見下ろした。
「……不自然な動きも斥力の綱にかかっておりますわ。全て!」
大成功
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第3章 ボス戦
『俗物軍人『ブタ将軍』』
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POW : トンカツ作戦
戦闘用の、自身と同じ強さの【レベル×20体の歩兵】と【レベル÷10両のパンツァーキャバリア】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD : ビフカツ作戦
【サーベル】を向けた対象に、【自身が指揮する兵士達の機銃掃射】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : カツレツ作戦
【信号弾】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【兵隊】で囲まれた内部に【カノン砲から発射される榴弾】を落とし、極大ダメージを与える。
👑11
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「か~ッ、全く使えん連中だ! 上層部め、ワシにザコを押し付けおってからに」
『黒砂糖』達が沈黙した後。
こつこつ、と靴音が階段から降りてきた。
ぷはーっ、と、煙を吐き出し現れたのは、軍服姿の豚獣人。襲撃部隊を率いる『ブタ将軍』であった。
「そこの貴様らも、どうやってワシらの計画を知ったのかはわからんが、まあいい。貴様らを始末してワシの手柄にしてしまおう。うん、名案だな!」
なんというポジティブ。部下が倒された事も、全く意に介さない。
そう、ブタ将軍の二つ名は『俗物軍人』。誇りも慈悲も風格も、何1つ持ち合わせていない。
「猟兵を始末したら、なんちゃらのライブとやらに殴り込んでやろう。なあに、小細工などいらん、その場の全員、首を刎ねてやればいいだけのことよ。ブヒヒッ」
この場にブラウン編集長がいたなら怒りを覚えただろう発言とともに、ブタ将軍はサーベルを抜いたのである。
ベルト・ラムバルド
アドリブ上等
おいでなすったかブタ野郎!見るからに俗悪な奴!
この騎士ベルト・ラムバルドがそんの腐り切った性根とぶよぶよな贅肉を叩き切ってやる!
…て…うわー!?
いきなり機銃掃射で撃つ馬鹿…ウマシカでなくブタがどこにいるんだ!
このままじゃ蜂の巣になる!キャバリアも呼べないし…
…てそうだ!私が超人というのを見せつけりゃいいのだ!
UCで後光を発してカリスマオーラを纏って己の姿を偉そうに見せつける!
機銃掃射を浴びても全然聞効かない!ちょっと怖いけど‥‥そこは我慢して堂々と弾切れまで待つ!
どうだ!この私にそんな物は効かんのだ!こんな私の攻撃はさぞかし痛いだろうな~?
…といって脅してやろう!攻撃できんしな…
きりっ! すらっ!
騎士として、日頃の鍛錬やらなんやらでスマートさを保ったベルト・ラムバルド(自称、光明の暗黒騎士・f36452)。
ずしっ! どむっ!
俗物として、日頃の怠惰やらなんやらで豊満さを保ったブタ将軍。
正反対ともいえる両者が、秘密のアジトで対峙していた。
「おいでなすったかブタ野郎! 見るからに俗悪な奴! この騎士ベルト・ラムバルドがそんの腐り切った性根とぶよぶよな贅肉を叩き切ってやる……て、うわー!?」
ガガガガガッ!!
ベルトの口上は、ブタ将軍小隊による機銃一斉射によって撃ち抜かれた。
「ハァ~? 騎士だと? 騎士道など今時、はやらんわ」
ぷは~っ、と葉巻をふかして、傲慢ムーブを決めるブタ将軍。
「こらっ! いきなり機銃掃射で撃つ馬鹿……ウマシカでなくブタがどこにいるんだ!」
「ブヒっ、貴様のつまらん話に付き合うほど暇ではないわ。さっさと仕事を済ませて酒を呑む!」
「暇ではないか!」
ぎりっ。睨み返したベルトへの返答は、機銃の第二波であった。
容赦なく、残弾数など気にせずばらまかれる弾丸。
「くっ、このままじゃ蜂の巣になる! キャバリアも呼べないし……」
射撃音に混じって、ブタ将軍が得意げに鼻を鳴らす音が聞こえてくる。
ベルトが、銃撃回避ダンスの踊り手マスターになってしまうのも時間の問題だ。
「……てそうだ! 私が超人というのを見せつけりゃいいのだ!」
カッ!
ベルトは両腕を広げ、後光を発した。
「まぶしっ! なんだこれは!」
ブタ将軍はもちろん、敵部隊もまた、ベルトのまばゆさに目を細めた。
光の強さだけではない。そこに秘められたカリスマが、矮小なる己を恥じ入らせているのだ。
「なっ、なんという偉そうな存在だったのだ、貴様は……」
褒めているのかどうか若干疑わしい発言だが、効果はばっちりのようだ。
「さあ、撃てるものなら撃つがいい!」
ガガガッ!
機銃掃射を浴びても全然効かない! 高貴めいた笑みを湛えるベルトに、敵群はおののいた。
正直ちょっと怖いけど……そこは我慢して、堂々とした態度をキープ。
「残弾数ゼロ! た、弾切れです将軍!」
「どうだ! この私にそんな物は効かんのだ! こんな私の攻撃はさぞかし痛いだろうな~?」
「ひ、ひぃぃ!」
攻撃できない分、ハッタリで切り抜ける。
なんかすごい威光にすっかりおののいたブタ将軍とその部下達は、ベルトの言葉に、まんまと震え上がったのであった。
大成功
🔵🔵🔵
シェリー・クサナギ(サポート)
「美しくない世界なんて、生きるに値しないわ」
◆口調
・一人称はワタシ、二人称はアナタ
・女性的な口調
◆性質・特技
・血液の形状を自在に操作する能力を保有する
・可愛いものには目がない
◆行動傾向
・暴力と砂嵐が支配する狂気の世界において、美しいものと可愛いものこそが人の心を救うと信じ、それらを護るために戦ってきた歴戦の奪還者です。社会通念や秩序に囚われることなく、独自の価値観を重んじます(混沌/中庸)
・彼にとって『美しさ』は外見だけでなく、義侠心や献身的な姿勢、逞しく生きようとする精神の高貴さも含まれます。これを持つものは敵であっても尊重します(が、世界を脅かす存在は『美しくない』ので結局戦います)
「あら、醜い軍人さんもいたものね」
先刻の戦いの余波か。
花瓶から、はらりと床に落ちた花弁を拾い上げながら、シェリー・クサナギ(荒野に咲く一輪の花・f35117)が告げた。
言の葉の先には、豚の獣人……ブタ将軍。
「ブヒっ、ワシの顔が醜いだと!? そこに座れ、首を刎ねてやる!」
「容姿の事を言っているのじゃないわ。醜いのはアナタの心、よ」
何ィ、と豚将軍は、シェリーの眼力にたじろいだ。
「部下を、駒とすら考えていない。そして、任務の遂行も、所属する『F.O.N』の為ではなく、あくまで自分の出世の為……逞しさは十分だけど、決して高貴とは呼べないわね」
「ブフン、それがワシの生きる道。ワシの正義なのだよ!」
開き直ったブタ将軍が、シェリーへと、呼び出した兵団をけしかけた。
ずらりと並んだ兵士達が、機銃を一斉掃射する。
無慈悲な破壊のつぶてが、機械的にシェリーを打ちのめしていく……!
「撃ち方やめーい! ブヒヒっ、肉片1つ残らなかったようだな!」
高笑いし、一服に移るブタ将軍。
「あら、このくらいの戦果でアナタは満足してしまうのね。ずいぶんと安っぽい事」
「ブヒっ!? ゲホゲホっ」
むせるブタ将軍。
ハチの巣になった室内、硝煙の匂いの中から現れたのは、無事な姿のシェリーであった。
「こっちの攻撃が効かんだと~!?」
「アナタより、アナタの部下の方が可愛らしいわね。きっちりと上官の命令に従うのだもの」
何食わぬ顔で、埃を払う仕草を見せるシェリー。
「う、ぐぐ~生意気な! だとしても、武器も持たずにどうやってワシを倒すつもりだ、んん!?」
「武器ならあるわ」
煽り立てるブタ将軍に、シェリーは、自分の胸に手を当てて見せた。
「そう、武器ならワタシの体の中に流れているわ。さぁはたらきなさい、ワタシの赤血球!」
ブタ将軍達の前に、赤き球体が出現する。巨大な赤血球……偽神兵器だ。
「ただ赤くてでかいだけではないか。撃ち落としてしまえ!」
ブタ将軍の命令は、果たして、実行されなかった。
兵士達は、引き金を引く前に、偽神兵器の一団に蹂躙されていたからだ。
「なっ、その赤いものをワシに向けるんじゃない! 来るな、来るな~!」
「その生に執着する心は認めてあげなくもないわ。……もっとも、どのみち、世界を蹂躙するなら、許すわけにはいかないのだけれど」
でたらめに振るわれるサーベルを切り抜けて。
赤き激風が吹き抜け、ブタ将軍に制裁を加えたのであった。
成功
🔵🔵🔴
吉岡・紅葉
現れましたね、F.O.N!
あなたをやっつけて、恐ろしい計画を白日の下に晒してあげましょう!
敵の火力は脅威ですが、当たらなければどうってことありません。
額に烏天狗のメダルを貼り付けて、高速戦闘で対抗です!
《空中機動》《軽業》で所狭しと飛び回り、的を絞らせないようにします。
先程の黒砂糖との戦闘で使った、フックショットの《ロープワーク》も
引き続き活用。同士討ちを誘発できればいいですね。
雷火の《クイックドロウ》《レーザー射撃》《矢弾の雨》で敵兵を倒し、
ブタ将軍への路が開けたらジャンクトンファーで《咄嗟の一撃》を。
「遂に暴かれた、秘密結社の陰謀!」
明日の新聞の一面はこれで決まりですねぇ!どうです!?
びしぃっと、吉岡・紅葉(ハイカラさんが通り過ぎた後・f22838)が、ブタ将軍に指を突きつけた。
「現れましたね、『F.O.N』! あなたをやっつけて、恐ろしい計画を白日の下に晒してあげましょう!」
「ブヒヒッ、貴様ら如き有象無象に、そんな事ができるものか~!」
肥満体……いや、ブタ獣人的には平均体形なのだろう……を揺らして、紅葉の決意を笑い飛ばすブタ将軍。
日頃の手入れが行き届いていないのか、刀身のくすんだサーベルを突きつける。だが、自ら率先して斬りかかるほど、ブタ将軍は武闘派ではなかった。
「発動、ビフカツ作戦!」
「ブヒーッ!」
ざざっ!
ブタ将軍の招集に応じ馳せ参じたのは、機銃を構えた一部隊。
「あの猟兵を血祭りもしくはハチの巣にしてしまえーい! 撃て!」
ガガガガガッ!!
荒々しく響き渡る銃声。
数と命中精度を考えれば、敵の火力は脅威……だが。
「ブヒッ!? 全然当たってないではないか!」
ばきっ、と手近にいた部下の頭を殴るブタ将軍。
その通り、紅葉は、血祭りにもハチの巣にもなっていなかったのだ。
「当たらなければどうってことありません!」
素早く駆ける紅葉の額には、メダルが張り付けられていた。烏天狗のメダル……それが、紅葉に飛来する弾丸をもかわす速力を与えていた。
室内を自在に飛び、跳び回り、あまねく銃弾をかわしていく紅葉。そのアクロバティックな挙動は、さながらアクション映画の様相。
「あっちに逃げたぞ!」
「いやそっちだ!」
機銃隊が必死に狙いを修正しようとするが、とてもではないが追いつかない。
「捉えた!」
やっとの思いで照準を合わせ、トリガーを引く。
しかし、紅葉は、笑顔を残してその場から消え去った。フックショットが、紅葉の居場所をより安全なところへと連れていく。
的を見失っても、一度始めた射撃動作は止められぬ。だが、弾の行先は、
「味方!?」
同士討ちに混乱する中、紅葉の光線銃『雷火』が閃いた。雨あられと降り注いだ光が、敵陣を一網打尽。
妨害を切り抜け、ブタ将軍に急接近。
「ブヒっ、こっちに来るんじゃなぁい!」
サーベルをでたらめに振るうブタ将軍に、ジャンクトンファーの一撃!
「ブフーッ!?」
床に叩きつけられ、激しくバウンドするブタ将軍。
「『遂に暴かれた、秘密結社の陰謀!』 明日の新聞の一面はこれで決まりですねぇ! どうです!?」
紅葉の脳裏には、早くもブラウン編集長の得意げな表情が浮かんでいた。
大成功
🔵🔵🔵
御形・菘(サポート)
※語尾に「のじゃ」は不使用
はっはっは、妾、推っ参!
敵は決してディスらんよ、バトルを彩るもう一人の主役なのでな!
強さも信念も、その悪っぷりも誉める! だが妾の方が、もっとスゴくて強い!
バトルや行動は常に生中継+後で編集しての動画配信(視聴者が直視しては危ない系は除く!)
いかにカッコ良く魅せるか、見映えの良いアクションが最優先よ
とはいえ自身の不利は全く気にせんが、共にバトる仲間にまで不利を及ぼす行動はNGだぞ?
戦法は基本的に、テンションをアゲてボコる! 左腕とか尾で!
敵の攻撃は回避せず、受けて耐える! その方がカッコ良いからのう!
はーっはっはっは! さあ全力で来るがよい、妾も全力で応えよう!
「ブヒっ、このままではヤバい! 戦略的撤退だ~ッ!」
追い詰められたブタ将軍は、地下へと逃亡した。
だが、秘密の抜け穴を起動しようとしたブタ将軍は、行く手を塞がれた。御形・菘(邪神様のお通りだ・f12350)によって。
「はっはっは、妾、推っ参! うむ、倒しがいのありそうないい体をしてるじゃないか! 存分に力を振るい合おうぞ!」
「こっ、こんなところにまで……まともに相手する義理などないわ! さっさとそこをどけ~!」
ブタ将軍がサーベルを菘に突きつけた瞬間、四方の壁が破られた。
現れたのは、獣人歩兵軍団。そして、『F.O.N』の紋章が刻印されたパンツァーキャバリア隊であった。
「屋内でこんなデカブツまで持ち出すとは、本気で妾を殺すつもりだな! 嬉しいぞ!」
迫りくる歩兵隊! 暴れ回るキャバリア!
これなら見た目にも派手派手しい。生配信のしがいもあるというものだ。
武力行使の光景を、ブタ将軍は、後方で高みの見物。手を汚さず、汗も流さず。それがブタ将軍の処世術だった。
「ブッヒッヒ、今更命乞いしても遅いぞ~? さあ、我が軍団よ。猟兵をぐっちゃぐちゃにしてやれ~!」
「はっはっは、いいぞ、悪人はこれくらい威勢が良くなくてはな!」
ブタ将軍の高笑いに張り合うようにして、菘もまた笑い声を挙げた。
歩兵隊の襲撃を、菘は、真っ向から受け止めた。銃剣をしのぎ、耐える。
対多数の格闘戦。しかも、鋼の戦車すら加わった戦闘は、じつに見ごたえのあるものとなった。
「ずいぶん派手なやり方だと思ったが、なるほど、証拠隠滅も兼ねているというわけか! さすがは秘密結社だな!」
「ん? ああ、そうだ。見たか、ワシの見事な采配!」
菘の指摘に、ブタ将軍は、肥満体を満足げにゆすった。こっそりと、こめかみを汗が伝っていったので、ハッタリである。
「構わん構わん! 全員でかかってくるがよい!」
菘のお言葉に甘えて、攻めよせるトンカツ部隊。
その猛攻に、ブタ将軍は自軍が優勢であるかのように錯覚し、増長した。
「どうだ我が軍は! 圧倒的ではないか……んん?」
ブタ将軍が、観客席代わりのキャバリアから、身を乗り出した。
よく聞けば、響いてくるのは、菘の笑い声と、部下の悲鳴。
菘の尾に巻き付かれたそばから、頭突きを喰らい、撃沈していくのだ。
そして華麗な連続攻撃により、道を切り開いた菘は、本命、ブタ将軍へと突撃!
「くっ、来るな~、来ないでください!」
懇願むなしく。
ブタ将軍もまた菘に拘束され、ロケット頭突きを喰らったのであった。
成功
🔵🔵🔴
七瀬・夏希
オブリビオンには死体が残る奴と残らない奴がいるけど、今回の敵はどっちかしらね。
後者なら捕獲が必要になるけど、完全無力化は難しい。
死んで消えるなら今回はそれまでね。
さて、逃がしはしないわ。
構えた拳銃で脚に狙いを付ける。
逃げるようなら念動力で足を引っ掛けて転ばせ、脚を撃ち抜く。
また何かを呼び出すような動きを見せたら、先制攻撃でその行為を潰していく。
動き回れなくなったらワイヤーで縛り上げる。
随分と立派な勲章を付けているわね。
せっかくだから、この国の人達に見せびらかしてあげるわ。
それとも素晴らしき将軍様は見世物となることを良しとせず、自害なさる?
十分悩んでもらったら、眉間に銃を突きつけてさようなら。
「ひっ、ひぃいい……!」
ブタ将軍は、ユーベルコードで呼び出した部下を使い捨てながら、何とか脱出口を目指していた。
本人も満身創痍。必死の形相で床を這うように進んできたブタ将軍は、新たな気配にびくり、と体を震わせた。
武装し突入してきた七瀬・夏希(SWAT隊員・f29827)が、ブタ将軍を見下ろしていた。
「オブリビオンには死体が残る奴と残らない奴がいるけど、あなたはどっちかしらね。将軍様」
「ひぃいいッ猟兵ッッ!!」
威厳の欠片もない悲鳴を上げる、ブタ将軍。
「死んで消えるなら今回はそれまでね。まあ、あなたにはどちらでもいいことかしら」
夏希を向いたまま、かさかさと後退するブタ将軍。顔面は蒼白。猟兵は天敵だと、すっかり刷り込まれてしまったらしい。
「さて、逃がしはしないわ」
夏希の構えた拳銃、その銃口が、ブタ将軍の脚に狙いを付けた。
「うっ、撃つな、いや撃たないで! 降参だ!」
ブタ将軍は、お守りのように握っていたサーベルを放り出し、両手を挙げた。
こういう手合いは、たいてい逃げるか奇襲するかの二択だが、ブタ将軍もその例にもれず。
俗物軍人が選択したのは、前者だった。
「ブッ、ブヒィ~!」
夏希の一瞬のスキをついて……あくまで本人はついたつもりで……逃走を図るブタ将軍。
その足が、見えざる手によって掴まれた。夏希の念動力に引っ掛けられたその足が、撃ち抜かれる。
「……ッ!」
あまりの痛みに、もはや悲鳴もかすれて響かない。
「いてえ、いてえ……こ、今度こそ降参だ! 本当だ!」
靴音を立てて近づく夏希に、ブタ将軍は、必死になって訴えた。
「たとえば、部下を呼んだりもしない! ……なーんてなプギャーッ!!」
ブタ将軍が、今度は、わかりやすい叫び声を上げた。
ユーベルコード発動の兆しを先読みした夏希によって、起死回生のトンカツ作戦を潰されて。
両脚を無力化されたブタ将軍を、ワイヤーで縛り上げる夏希。
「随分と立派な勲章を付けているわね。せっかくだから、この国の人達に見せびらかしてあげるわ」
「……!」
「それとも素晴らしき将軍様は見世物となることを良しとせず、自害なさる?」
「ブ、ブヒ……」
どうすればこの場を切り抜けられる? その時のブタ将軍の頭脳は、最高速で回転していたに違いない。
それでも、答えは出ないままに、眉間に銃が付きつけられる。
「十分悩んだ? それじゃあさようなら」
「ブ……!」
一発の銃声。
それが、ブタ将軍の最期に聞いた音であった。
かくして、『F.O.N』の秘密虐殺作戦は、ここに頓挫した。
標的となったライブは、何事もなかったかのように大盛況。
猟兵からの情報提供を元に、ブラウン編集長は記事を書き上げたものの、案の定、読者からの反応は芳しいものではなかった。
だとしても、ブラウン編集長の記者魂が潰えることはない。猟兵という、心強い味方を得たのだから。
大成功
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