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クリスマスは時に南にて(昼編/夜編)

#アスリートアース #ノベル #猟兵達のクリスマス2023

カシム・ディーン



リーゼロッテ・ローデンヴァルト



秋月・信子



アレフ・フール




 2023年、12月24日――クリスマスイヴ。
 北半球では当然冬の最中だが、南半球……例えばこのアスリートアースのオーストラリアでは、夏本番だ。ゴールドコーストは観光客で賑わい、熱い日差しの中でクリスマスの到来を祝う。
 そして旅団『非合法機動医療艇ファルマコン』の面々もまた、旅団長であるリーゼロッテ・ローデンヴァルト(KKSかわいくかしこくセクシーなリリー先生・f30386)の発案でこの海岸を訪れていた。
「そーれっ!!」
 彼ら彼女らが興じるのは、ビーチバレー。リリーの強烈なスパイクが、ボールを相手のコートに叩き込む。そして着地と同時に、ボールに負けじとばゆんっ、と揺れる乳房。
 大胆な聖夜風ビキニから零れ落ちそうな姿を、これ見よがしに見せつけて。
「む、ぅ……」
 彼女とペアを組んでいるアレフ・フール(愚者・f40806)は、それにどうしても視線を奪われる。
 太陽が苦手だが、リリー達と遊べると言う理由で無理を押して参加した彼にとって、大胆過ぎる揺れはなんとも目の毒だ。
「ん? どうしたのかな、アレフさん?」
「な、なんでもないぞ!」
 いつもは合法ロリのリリーだが、今はユーベルコードで真の姿を晒し、さらにその肌をこんがりと日に焼いている。
 それをこれ見よがしに見せつけられれば、純情な彼としては視線を彷徨わせ――だが見逃すのも勿体なく、幾度となくチラ見してしまい。
「全く何をやっているの、リーゼ。アレフさんが困っているでしょう!」
 そんなネットの向こうの2人を見て呆れたような表情を浮かべるのは、リリーの双子の妹――と言う名目の、複製体であるシャルロッテ。こちらも真の姿を晒しており、聖夜風ビキニを身に付けてはいるが、肌は美しい色白のままだ。
「ん? 本当に困ってるかな? ねぇ、どうかな?」
「う、む……こ、困ってはいない……」
 注意をされても、全く改める様子のないリリー。赤く、固くなっているアレフを、これ見よがしにからかいながら、ちらりと横に視線を向ける。
「ほら、困ってないって。それにアタシだけじゃないし?」
「いえ、こちらは、困っているんですけどぉ……!?」
 その視線の先で身を強張らせているのは、秋月・信子(魔弾の射手フリーシューター・f00732)。内向的な彼女は試合には参加せず、審判を買って出たのだが――。
「ほらほら、2チームとも頑張るんだぞー☆」
「応援はいいですけど、なんで、その、抱きついて……っ!」
 その背中側から抱きついて胸をむぎゅむぎゅと押し付けているのは、カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)のキャバリア・メルクリウス。ユーベルコードによって少女の姿を取る彼女は、信子と積極的な『スキンシップ』を図っている。
「えー、だってそんな大胆な格好してるし。誘ってるんでしょ?」
「違いますっこれは別に誘っている訳じゃ……もう、メルシーさんっ……!?」
 そのメルシーが指摘する通り、信子の格好はサンタビキニ。せっかく真夏のクリスマス休暇だからと、いつもより大胆な格好で冒険してみたのだが、それを良い事にメルシーのスキンシップはさらに加速する。
「ああ、全くもう。メルシーさんも、公共の場なんですからもっと……!?」
「ボール、行ったよ!」
 そんな光景に頭を抑えて説教しようとするシャルだが、そちらに気を取られていたせいで、急に飛んできたボールに体勢を崩してしまう。
 なんとか上には上げたものの、砂に足が取られて転倒し――むぎゅり、と何かを押し潰した。
「いたた……って、カシムさん!?」
「むぎゅう……♪」
 その大きな胸の下敷きにしたのは、だ。すっぽりとその顔が谷間に埋まり、呻きを漏らしている。
「ご、ごめんなさいっ、わざとと言う訳では!」
「いや、わざとでも全然構わな……うん、まあ大丈夫だ」
 慌てるシャルのその胸の感触を堪能し、真面目な顔で頷くカシム。こちらはラッキースケベもドンと来いと言うか、むしろ自分から胸の下に潜り込んだフシが有る。
 いや、一応バレーは真面目にやっていたが。でも胸が飛んできたら、それは男として仕方ない。仕方ないのだ。
「じゃれてるのは良いけど、こっちも忘れないでほしいんだけど!」
「あっ、ごめんなさいっ!?」
 そんな2人のラキスケに対して声をかけるのは、信子のユーベルコードによって生み出されたドッペルゲンガー、通称黒信子。2人が使い物にならない間、一人で相手のボールを受け続けている。ちなみに、さっきボールへの注意が疎かだったシャルに声をかけたのも彼女だ。
 なおこっちのチームは3人と言う事になるが、そもそもユーベルコードとかで人数が増えてぐちゃぐちゃなので、その辺りは気にしていない。
「ほーら、いくよっ!」
「……くっ、きゃあっ!?」
 そんな黒信子がバランスを崩した所にリリーの強烈なスパイクが炸裂すれば、レシーブしつつも尻もちをついてしまう。
 その先にあったのは不運にも――あるいは案の定と言うべきか、カシムの顔だ。シャルが慌てて胸を離した所に、改めてそれがずしんと乗っかって。
「むぎゅうっ♪」
「あっ……ちょ、ちょっと、んっ……ぁんっ……♪」
 ブラックなサンタビキニ越しに、顔の凹凸と吐息に敏感な部分を擽られ、声を漏らす黒信子。だが比較的奔放な性格である彼女は、慌てて立ち上がろうとせず、むしろその刺激を楽しんでしまっており。
「んっ、か、カシムさん、にぎっ……にぎってぇ……!」
 さらに顔から胸を離したシャルも、顔への衝撃の拍子で手を伸ばしたカシムによって、その豊かな膨らみを握られていて。顔を真っ赤に染めて首を振り……だが、過剰に拒む事もなく、やはりそれを受け入れているようで。
「って言うかわざとじゃないですよねぇ……んっ……♪」
「わざとでも良いじゃな……ぁんっ……♪」
 そのままさらに、もつれ合っていく3人。カシムも2人の下でもごもごと声を漏らしながら、その顔を、その手を、積極的に動かしていく。
 これではもはやビーチバレーどころではない、が。
「お、ぉぉお……胸、が……」
「いやー、ごめんごめん……んっ♪」
 ネットの向こう側でも、全力スパイクを決めた勢いでリリーがアレフに倒れ込み、その胸で押し潰しているので、どのみちすでに続行不可能である。
 と言うかむしろ、押し倒したとも言う。倒れそうになればアレフがフォローしに来てくれると、それを計算した上での動きであった。
「ぁぅ……! も、問題はないぞ!」
「そう? それなら良かった……んっ……♪」
 顔面を押し潰す柔らかな感触に、カチンコチン緊張するアレフ。それを解きほぐすように、リリーはさらに積極的に擦り付け、頭を撫でる。
 その一方でアレフもまた、緊張こそしてはいても、リリーの肢体を全力で味わおうとももおり、胸に頬ずりするように顔を擦り付け、胸板を、腰を突き出していく。
 あけすけに解放する事もできず、恥じらいと欲望の合間で揺れ動くような曖昧な動きだが、そこはリリーの方が積極的なので、結局は激しい事になっていて。
「いやぁ、もうバレーどころじゃないねぇ、これは☆」
「……んっ、あっ……のっ……メルシー、さんっ……!」
 そんな2つのコートを見ながら楽しげに笑いつつ、こちらも審判どころではなくしてしまっているメルシー。彼女のスキンシップに信子は顔を真っ赤に染め、その身を縮こまらせている。
「私、一応、審判なのでっ……」
「審判っていったって今はする事ないでしょ? だから大丈夫大丈夫☆」
 信子も一応は抵抗してはいるが、押しに弱いせいで全く意味を為していない。流石に衆目もあるのでメルシーも一線は越えないが、そのせいで本気で拒むタイミングが掴めないと言う面もある。
 サンタビキニの上からメルシーの手が這う度に、信子の口から声が漏れ。
「も、もうっ……いい加減に、してくださいぃぃぃ……!」
 そんなか細い嘆きが、真夏のビーチに弱々しく響き渡るのだった。

「いやー、楽しんだ楽しんだ。カシムもお楽しみだったみたいだね☆」
「否定はしないかな。うん」
 そんなビーチバレー……ビーチバレー? を終えた一行は、砂を洗い流し、高級ホテルへと戻る。満足げなメルシーの言葉に、うむ、と深く頷くカシム。
「楽しんで貰えたなら、発案した甲斐もあったってものだよ♪
「はぁ、リーゼは本当にもう……」
 得意げなリリーの様子に頭を抑えるシャルだが、そういう彼女もなんだかんだ言って楽しんでいたフシはある。
 ちなみにそんな2人に挟まれる形で歩くアレフは、彼自身の低身長もあって頭の左右で胸が揺れる形となっており、何か言葉を発する余裕はない。まだ昼とはいえ室内に入って直射日光から逃れたので、身体はむしろ元気になってはいるが。
「はぁ、もう……疲れた……今日はもう、ゆっくり寝たい……」
 そんな中で多分一番疲れた信子が、深くため息をついてそう口にする。……それを見た黒信子は、ちらりとリリーやメルシーに目配せし、信子に気づかれないように頷き合う。
(「ここで帰られたら困るのよね、私はあんたから離れられないし♪」)
 そんな企みを知る者、知らぬ者。7人はそうして、同じ部屋へと消えていき――。

 ――そしてすっかり夜も更け、12時過ぎ。日付もクリスマス・イヴからクリスマスへと変わった聖なる夜。
「ひぃ……ひぃ、ひぃ……はひぃ……♪」
「もう、信子ちゃんったら本当に可愛いんだからー♪」
 7人が寝ても余裕のある程の巨大なベッドの上に汗だくで横たわり、荒く乱れた吐息でその胸を上下させる信子。一糸まとわぬ肢体で、かろうじて大事な所を隠してはいるが、シーツは汗『など』でぐっしょりと濡れている。
 そんな信子を抱きまくらのようにしっかりと抱きしめ、すりすりと頬ずりしているメルシー。ついでにぐりぐりと信子の太股に押し付けたりもするが、信子の方は、全く拒む体力も残っていない。
 部屋に戻って行われたのは、『7人での親睦会』だ。もちろん、その親睦の意味は、今更言うまでもない。
「はひー……はひー……」
「ふふ、信子ったら、体力ないんだから……♪」
 信子のそんな様子を見て、くすりと微笑む黒信子。こちらも吐息は荒く汗だくだが、まだまだ余裕な様子を見せており。
 そしてそんな彼女の上には、やはり心地よい疲労に身を委ねたカシムが、覆いかぶさって彼女を抱きしめている。
「はぁ……はぁ……んっ……♪」
 胸元に顔を埋めるようにして、余韻に浸るカシム。すりすりと頬を擦り付けて、豊かな膨らみの柔らかさを味わっていく。
 その心地よさによって活力を取り戻すと、顔を上げ、黒信子を見つめて。黒信子の方もまた、妖艶な笑みで応じていく。
「んっ、まだやる……? 良いわよ、んっ……♪」
「ああ、もう1度……んっ……むっ……♪」
 唇を重ねてのキス。互いに情熱的に貪り合えば、隙間から吐息が漏れ出していく。黒信子を抱くカシムの手に力がこもり、黒信子の脚もカシムに絡んで。そうした動きも、今夜だけで数えきれないほど繰り返してきた。
 そしてそこから横に視線を移せば、リリーとシャルに挟まれたアレフの姿。 
「ふふ、がんばったねえ……♪」
「そうですね、とっても……♪」
 リリーが前から、シャルが後ろから。豊かな膨らみをしっかりと押し付け、その頭をむにゅりと挟み込んでいる。シャルがリリーの複製体である以上、本来はそっくりな容姿の2人だが、今はリリーがこんがり焼いているので、黒白のコントラストでより一層に肌の美しさが引き立っていて。
 同時にリリーの焼けた肌が、アレフの生来の色黒な肌と重なり合ってもいる。アレフは自分の頭が溶けて一つとなっているような、そんな感覚すら覚えるほどだ。
 もう息も絶え絶えなのにそんな膨らみを押し付けられれば、溺れたような息苦しさを覚える。だがその苦しさは心地よくもあり、蕩け切った表情を浮かべていて。
「せ、先生ぇ……シャルぅ……♪」
「あ、んっ……♪ ふふ、もう、したくなった?」
 酸素を求めてか、それとも別の感触を求めてか。リリーの豊かな膨らみに唇を押し付けながら、甘えた声を零すアレフ。リリーも楽しげな甘い声を漏らしながら、そんな彼を昼間よりさらに優しく、そして甘く受け入れていく。
 そしてシャルがくすりと微笑みながら、アレフの身体に手を這わせる。昼間は真面目な顔をしていた彼女も、今は淫蕩さを隠そうともせず。その手は下へと進んでいき、何かを確かめるように動くと、甘く楽しげな声を落としていく。
「ホント、欲張りさん……♪」
「うぅ……♪」
 シャルのからかうような言葉に、顔を真っ赤に染めるアレフ。だが、それで恥じらって縮こまる事はなく、むしろより一層に元気さを増して。
「……んんんっ♪」
「ほら、また……♪ ……んっ♪」
 そのままアレフが大きく身体を震わせれば、リリーは笑みを浮かべながら、シャルを誘うように手を伸ばし。
 シャルもそれに応じれば、唇を重ね合わせていく。
「んむっ、んっ……むっ……んっ♪」
「むっ……んちゅっ……はむぅっ♪」
 傍から見ているだけでも興奮を誘われる、熱烈なディープキス。それをアレフは、2人に挟まれたまま見せつけられる。
 すっかり目を奪われ凝視してしまえば、リリー達も見せつけて来るように、ますますエスカレートさせていき。唾液の絡む音を聞かされれば、もう我慢出来ないと、2人に割り込んでいく。
「むっ、んむぅっ……♪」
「んっ、あむっ……んっ♪」
 2人に交互に口づけては、貪るように舌を動かすアレフ。2人も当然それに応えて、熱烈なキスをかわしていく。
 だが、すっかり夢中になってしまったアレフに対し、2人はまだまだ余裕を見せて。
「くひゅうううぅうっ――!」
「は、んっ……♪ ふふ、ホントに可愛いねぇ、アレフは♪」
 そのままアレフの身体が大きく跳ね上がるのを、ぎゅうっと強く抱きしめるリリー。掠れた悲鳴のようなその吐息も、吸い尽くすように唇を押し付けて。
「ええ、本当に……きゃっ!?」
「ねぇ、そっちも良いけど……こっちでも楽しみましょ?」
 一方でシャルの方は突然腕を引かれ、黒信子によって抱き寄せられる。さっきまでカシムと抱き合っていたのに、バテた様子はなく、妖艶な表情でシャルを誘って。
 カシムの方はすっかりと出し尽くしたようで、ベッドへと身体を投げ出している。余韻に浸るように、熱い吐息を何度も溢れさせていて。
「……ええ、良いですよ……んっ♪」
「それじゃ、たっぷりとね……♪」
 そうして黒信子に抱き寄せられたシャルは、その口から熱い喘ぎを溢れさせていく。アレフに対してはお姉さんぶって余裕を見せていた彼女だが、本来どちらかと言えば、こうして身を委ねる方が性に合っていて。
「んっ、あんっ……はぁ、んっ……♪」
「お、楽しんでるねー☆ じゃあ、サンドイッチ☆」
 黒信子の男性的な蹂躙に貪られ、激しい快楽に声を上げるシャル。そんなシャルの背中側から、今度はメルシーも抱きついていく。さっきは挟んでいたシャルが、今度は逆に挟み込まれて。
「あんっ、はぁ、メルシーさんっ……んんっ♪」
「気持ちよさそうね、ふふっ♪」
 熱い吐息を零しながらも、2人に身を委ねるシャル。2人の方もそれに応えて、さらに激しさを増していく。
 身体のぶつかる乾いた音が響けば、それにシャルの声が重なって。思わず身を捩ろうとするが、2人の胸が、身体が、しっかりと挟み込んで逃さない。
「んん~~~っ……♪」
「……はぁ、はぁ……うっ……♪」
 そんな音と声に反応するように、力尽きていた筈のカシムが、活力を取り戻す。そうは言っても疲労は色濃いので、半ば這うようにして進んでいき。
「……は、ひっ……♪ 何、あっ……んんんっ!」
 その進んだ先は、さっきからずっと力尽きたままの信子。こちらは全く回復する素振りは見せていなかったが、構わず覆いかぶさり、抱き竦めていく。
「だ、だめっ……んっ……はぁ、んっ……♪」
「はぁ、はぁ、んっ……だめ、じゃないでしょう……♪」
 口では拒む言葉を漏らしながらも、抗えずか抗わずか、カシムに完全に身を委ねていく信子。それを良い事にカシムも、残る余力を全て注ぎ込むように、しっかりと抱き合っていく。
 こちらも体力がそこまで残っている訳でもないが、さりとて疲労に身を委ねて眠りにつくには、心身ともに興奮し過ぎている。それを全て解放するまで、眠れる気はしない。
 そしてそれは、アレフも同じ事。残りの全てをリリーにぶつけるべく、懸命にその身体を動かし続ける。
「はひぃ……はひ、はひぃ……りりー、せんっ……せぇっ……」
「なぁに? ……ふふ、ほらほら、もっと来て……♪」
 いや、こちらはむしろ、眠らせて貰えないと言うべきか。アレフ一人ならとうに力尽きているのに、欲望の限りを引き出されていく。
 リリーの胸に挟まれた頭は、もうすっかり蕩け切ってしまったようで、表情は取り繕う事すら出来ていない。
「はひっ……はひっ、あっ……おおぉっ……♪」
「んっ、そう……そうよ、んんっ……♪」
 誘惑されるがままにより激しく、一心不乱に体を動かすアレフ。もう、自分の意志でこうしていると言うより、リリーに操られているような感覚だ。
 だがそれも、全く問題とは思わない。むしろリリーに操って貰えるなら、それで良い。そんな事すら考えて――いや正確にはもうとっくに、そんなまともな思考は出来なくなっているが。
 脳内にピンク色の靄がかかって、その向こう側でチカチカと、言葉が明滅しているような、そんな感覚。
「っ、っ~~、っ~~~~!」
「んんっ……はぁ……♪」
 時折その火花が強くなる度に、全身を電流のような物が駆け抜けていく感覚。すっかりその感覚の虜になり、もっともっとと求めていく。
 すでに根こそぎ吐き出して、とうに力尽きているはずなのに。それでも何度も、その電流をねだって身体を動かし続けて。
「ぁ――――――」
「お?」
 そして突然、ブレーカーでも落としたかのように身体の動きが止まる。意識も遮断されて、ベッドに倒れ込んでいくアレフ。
 完全に全身を弛緩させ、四肢をベッドに投げ出して。息も激しく乱れてさせている。
「ふふ、おやすみ、アレフ♪」
「ん……ぁ……」
 が、そんなアレフの頭を撫で、優しく甘やかしていくリリー。すると乱れた呼吸もゆっくりと収まり、安らかな寝息へと変わっていく。
 全てを吐き出し尽くした彼の身体は、心地よい疲労感によってまたのない安息を得ているようで。そんな様をひとしきり愛でたリリーは、視線を周囲に移していく。
「すぅ……すぅ……」
「はひ……はひぃ……♪」
 カシムもまた全てを出し尽くしたようで、アレフと同じようにベッドの上で安らかな寝息を立てている。その横に寝ている信子の方は、眠りについてなお身体をヒクつかせているが、あれはあれで幸せそうではある。
「ほら、もっと……いくわよ?」
「ん、はっ……あんっ、来て、ぇ……んっ、んん~っ♪」
 だが信子とシャルの方は、まだ終わる気配を見せてはいない。まだまだイケるとばかりに抱き合い、激しく快楽を貪り合う2人……もちろんメルシーも、後ろからシャルを抱きしめており。
「お、そっち終わった? じゃあこっち来る?」
「ふふ、そうだねぇ……♪」
 視線に気づいたメルシーが振り向いてそう問えば、ちろりと舌なめずりするリリー。アレフを貪り尽くした彼女だが、1人を相手にした程度では、その身体はまだまだ余裕があり。
「まだまだ、聖夜は終わらないし、ね……♪」
 果たしてそれは聖なる夜か、それとも別の『せい』なる夜か。
 朝が来てチェックアウトの時刻を迎えるには、たっぷりと時間がある。彼女達の宴は、まだまだ終わらないようだ――。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年03月13日


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