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傾国調査隊の調査記録:人類遺跡編再び

#キマイラフューチャー #ノベル #人類遺跡

ルイナ・ラヴ
傾国調査隊として人類遺跡に朱鳥さんと一緒に調査に参りました
これが件の致死性の雪ですね、サモンコントラストで鋼鉄のガーゴイルと巨大なゴーレムを召喚してその陰に隠れて雪から身を守りましょう
しかしこの雪はどのような原理で降り注いでいるのか少し興味がありますね
これも遺跡の謎に迫る調査です、ガーゴイルの脚の間に掴まって遺跡の上の方を調べてみましょう
鋼鉄とはいえそこはガーゴイル、ちゃんと飛行もバッチリです!
空中から見渡しても人類遺跡の果ては今のところ確認できませんね、一体どれだけ広いのでしょう?
ここが天井でしょうか?
見た所何やら要り組んだ形をしていて普通の天井と言うよりやや奇妙な形をしておりますね、あの天井に走る溝から雪が降っているみたいですが・・・
この形は致死性の雪を生み出す仕組みと何か関係があるのでしょうか?
もしかしてキマイラフューチャーの街から何かを廃棄している?
それとも何かしらの理由があって意図的にこの形なのでしょうか?
ドン・フリーダムならば何か知っていたのでしょうけど・・・
この世界の物を生み出すコンコンシステムとも違うのでしょうか?
それとも自動で雪を生成し続けるコンコンシステムなのでしょうか?
ならば誰が何の為に・・・ここを守るため?
それとも元は致死性ではなく何かしらが原因で雪が変化した?
そろそろ合流ですね、しかしシステムフラワーズの戦いの前の人類遺跡はどんな感じだったのでしょうか?


山岡・朱鳥
傾国調査隊メンバーとして参上したわ、ここが噂の人類遺跡ってところね?
これが致死性の白い雪ね、でも私には何の問題もないわ!
災い満ちる常闇が、天地を覆いて不浄を塗す、アマノイワトガクレを発動
この常闇は仲間と自らを静寂の闇の能力が回復させ続けるわ
奪われた生命力を常時癒し続ける、勿論闇の中でも発動者は問題なく視界を確保できる、調査に何ら障害はない
ルイナの置いて行ってくれたゴーレムを使って瓦礫を退けながら進むわ
壊れかけの建造物からだいぶ古そうな印象を受けたけど、近くで見ると上ほどじゃないけどそんなに古代って感じじゃないみたいね?
確かに上の街のように発達した感じじゃないんだけど石造りの普通の建造物っていうか今の文明よりやや劣るって程度
もしかしてそんなに極端に古代でもないのかしら
遺跡の建造物が傾いているのが多いのはこの星が割れた影響の地殻変動のせいで遺跡自体が沈んだ可能性もあるんじゃないかしら
とすると・・・遺跡の謎の大部分は地下にあるんじゃないの?
あれは見た目教会みたいな建造物ね、中は穴が空いていて危険ね
レリーフがあるけど磨耗していてどんなものを象ったものかはわからないわね
かなり磨耗しているってことは古代でないにしても大昔ではあるというところかな
穴の中の調査はまた今度にしてそろそろ合流地点に向かいましょうか
それなりに収穫もあったことだし




 今回の調査結果はルイナ・ラヴ(戦う魔術研究者・f38750)と山岡・朱鳥(呪われた鬼の血・f41465)が観測したものだ。
 二人の調査は確かな一歩だが、人類遺跡は広大で謎も多い。
 もしかすると、今後に異なった事実が見つかる可能性もあるだろう。
 それを踏まえて、今回の報告を始めていく。


「ここが噂の人類遺跡ってところね?」
 扉から雪降る景色を眺めつつ、朱鳥は同行したルイナへと声をかける。
 先日の傾国調査隊による報告は聞いていた。人類遺跡の内部には、確かに致死性の雪が降っているようだ。
「これが件の雪ですか。見た目は普通ですし、変な匂いなどもしませんが……」
「でも危険な気配はするわ。出来る限り対策していきましょう!」
 じっと雪を観察するルイナの隣で、朱鳥は意識を集中させる。彼女の妖術は、敵に不浄を、味方に静寂を呼び寄せるものだ。
 常闇を傘のように展開すれば、雪に触れる危険性はぐっと下がる。更には静寂の力が身体を癒やしてくれるため、もし雪に触れてもすぐに回復出来るだろう。
 朱鳥は自身とルイナの周囲に常闇を展開し、早速遺跡の中へと踏み入れる。
「私は地表部分を調査しようと思うけど、ルイナはどうするの?」
「えっとですね、一つ作戦があります」
 ルイナも意識を集中し、ユーベルコードを発動していく。
 彼女の側に作り上げられたのは、鋼鉄のガーゴイルと巨大なゴーレムだ。
「私はガーゴイルと共に上空を調査してみようかと思います。ゴーレムは朱鳥さんが使って下さい」
「わかったわ、ありがとう。それじゃあ、後でまた合流しましょうか」
「はい、そちらもお気をつけて」
 ルイナがガーゴイルと共に高く飛び上がったのを確認し、朱鳥は改めて地上へ視線を向ける。
 広い広い雪原には、多くの秘密が眠っていそうだ。

 ルイナはガーゴイルの脚の間に捕まりつつ、共にどんどん空高くへ飛び上がっていく。
 ふと地上に目を向ければ、雪の上にぽつぽつ横たわる建造物がミニチュアのようだ。
 更に視線を遠くへ向けるが――世界の果てなどは見えたりしない。
(一体どれだけ広いのでしょう?)
 もしかするとキマイラフューチャーくらい? それとももっと広い?
 具体的な広さは分からないが、今は「上空から果てが見えないくらい広い」という情報が得られただけでも大きな進歩だ。
 今度は顔を上げて、じっと上空に目を凝らす。
 かなりの高さまで飛んできているが、未だ天井は見えない。地下だから、天井くらいはあると思っていたのだが。
(天井も観察してみたかったですが、見えないなら仕方がありませんね)
 この地点の天井がたまたま高いのか、そもそも天井が存在しているのか。
 その謎の答えも見つからなかったが、もしかすると今後何か分かるかもしれない。
 今は出来ることをしよう。ルイナは降り続ける雪に視線を向け、暫し考え込む。
(もしかしてキマイラフューチャーの街から何かを廃棄している? それとも何かしらの理由があって意図的にこの形なのでしょうか?)
 その答えを知っていそうな人物、ドン・フリーダムは既にいない。
 彼女はコンコンコンにも注目していたが、何か関係あるのだろうか。
(誰が何のために雪を……ここを守るため? それとも元は致死性ではなく何かしらが原因で雪が変化した?)
 どんどん仮説が積み重なっていく。しかし、答えは見えてこない。
 ならば今は、その考えを持ち帰ろう。ちょうど集合時間も近い。
 ルイナはガーゴイルと共に、ゆっくりと降下しはじめた。

 一方、朱鳥はゴーレムに盾になってもらいつつ、雪原を進んでいた。
 ふと目についたのは壊れかけの建造物だ。しかしその作りは思っていたよりも現代的だ。
(上ほどじゃないけどそんなに古代って感じじゃないみたいね?)
 キマイラフューチャーらしい近未来的な作りではない。けれどルイナが巡ってきた世界にもありそうな、普通の建物達。
 ここは遺跡ではあるが、その言葉から連想されるほど古い場所でもないのかもしれない。
(そんなに極端に古代でもないのかしら。傾いた建物が多いのも気になるわね)
 経年劣化の可能性も勿論ある。けれど星が割れた影響、地殻変動のせいで建物が傾いた可能性はあるだろう。
 だとすると気になるのは地下だ。朱鳥は以前の報告にあった地下施設、教会のような場所に入り込む。
 内部にあったレリーフは摩耗しており、ここからは古い印象が読み取れる。
 人類遺跡自体は古くなくとも、歴史はあった、と考えていいだろうか。
(……このくらいかしら。それなりに収穫もあったことだし)
 時間を確認し、朱鳥は来た道を引き返すことにした。

「朱鳥さん、お疲れ様です」
「ルイナこそ。それじゃあ帰りましょう」
 それから二人は無事に合流し、地上へと戻っていく、
 今日得た成果を確認し、また皆で話し合って、それからどうするか考えよう。
 それが彼女らの望みなのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年02月10日


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