宇宙海賊スノラヴィアン
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ここはスペースオペラワールド。とある辺境の未開惑星。
と言っても宇宙進出をしていないだけの、ハイテク機械が飛び交う進んだ文明の星である。
そんな鋼鉄の街並みに突如、ぶわりと寒波の様な冷気が舞い降りる。
「ちょ……何……」
「寒……ぃ……」
「凍っ……や……や……ば……」
「たす……け……」
現代風の人々はたちまち凍り付き、ビル群は白い氷と氷柱が支配する。
かろうじて存在する木々などの自然もカチコチに凍り付き、空飛ぶ自動車などの運搬機器も凍り付いて時を止めた。
「ウーサウサウサ!」
そんな凍った街並みに空から大量の、兎耳の付いた宇宙船が舞い降りて来た。
「凍らずに済んでいるハッピーな星人がいたらよく聞くが良いウサ!我ら、宇宙海賊『スノラヴィアン』!宇宙交流も進んでない文明だらけのこの星を乗っ取って、コレクションにして、宇宙オークションに売りさばく為に占領しに来たウサー!」
「お前達は全員氷漬けになって、商品として保存されるが良いウサー!」
宇宙船の中から乗り出して宇宙人たちが現れる。
その身体はアイスクリスタルで出来たクリスタリアンの宇宙人であり、防寒着に似た宇宙海賊服を着て、身体から冷気を耐えず吹き出し纏い続けている。
彼らが手に持つ銃や宇宙船の機銃が放たれると、それらはすべて冷気の塊となって、その惑星のありとあらゆるものを凍らせていった。
「ウーサウサウサ!商品はこの冷凍倉庫の中に確保、ウサー!」
超巨大な宇宙輸送コンテナが舞い降りると、惑星中の氷漬けになった人間や、いい感じに高価そうな文明品がどんどん詰め込まれていく。
侵略から24時間、その星は氷の星となって、人間達はスノラヴィアンに連れ去られて行ってしまったのだった……。
●
「たいへんだわ!たいへんだわ!宇宙のお星さまの一つが海賊さんに占領されちゃった!」
グリモアベースに猟兵を集めた、グリモア猟兵のポーラリア・ベル(冬告精・f06947)はそう告げた。
「場所はスペースオペラワールド。宇宙進出してないけど文明の進んだ、現代よりちょっと近未来な所に宇宙海賊さんが現れて……それで……占領を予知したんだけど、もう予知じゃないというか大分侵略進んでるというか!」
慌てて映像機をガチャガチャと操作して現状とされる星の映像を見せる。
宇宙海賊『スノラヴィアン』はちびっこクリスタリアンの氷使いなメンバーで構成された宇宙人である。
その星の何処かの平地(凍って氷原になっている)。
スノラヴィアンの部隊が何人も見張る厳重な超巨大コンテナが映し出された。
このコンテナの中には、この星のほぼすべての人間達が逐一保管されているだろう事が伺える。
……否、まだ宇宙船が沢山行き交いしている。
宇宙船とコンテナが繋がれると、お互いの隊員が「ウサー」「ウサウサ」と会話し、その星のどこかから運んできた氷漬けの人間やその星の郷土品の様なお宝や機械がコンテナに輸送されていく。
「何か、『惑星氷結ウイルス』っていう惑星侵略兵器をばらまいて星を凍らせて、無防備に凍っちゃった人間さんを集めている最中なの。」
全部集めきった所で宇宙に打ち上げ、どことも知らぬ場所で宇宙中に売りさばくつもりなのだろう。
「そんな事させるのはよくないわ!真冬になるのはすごいけど……みんないなくなっちゃったら死の星になっちゃうの!」
だからスノラヴィアンから皆を助け出して欲しいとポーラリアは猟兵達に願った。
「それで転送して暴れて欲しいのだけど、ちょっといやんな情報を得たのだわ。」
どうやら今回のスノラヴィアンは結構な用心深い連中であるらしく。
「猟兵さんがまともに暴れた時点で商品をお持ち帰りする為の『コンテナ転送装置』っていうのを起動して逃げちゃうらしいの」
不思議な力で猟兵以外の、宇宙輸送コンテナにいる全員がどこかに消えてしまう。
その不思議機能のせいか、今回、グリモアの力でコンテナの中に直接輸送はできないらしい。
「だからそのー、ちょっと言いにくいのだけど。」
「あらかじめ凍るなり何なりして捕虜になって連れ去られて、内部に潜入して欲しいなって。」
その星はアース系の世界に似た文明の人間が住む星故、被害者になり切るのは容易。
もしくはその星の文明遺産……ペットの氷漬けや、機械や宝物に偽装する手もアリかもしれない。
だが油断してはならない。スノラヴィアンは用心深いが欲深くもある。
この星に転送される猟兵は「最初の氷結ウイルス散布で見つからなかった存在」とすぐにバレるだろう。
誰かは顔だけ解凍されて、他に生き残りがいないか尋問される(その後再冷凍される)事だろう。
その辺りも考えておかないといけない。
それらを耐えて、そこから内部で暴れる為に自己解凍策を用意して。
コンテナ内にある転送装置ビーコンを破壊すればとりあえず第一フェイズは終了。あとはスノラヴィアンを倒すだけとなる。
「色々大変で我慢な話になるかと思うけど、頑張って!さむさむな目に合うかもだから、暖かくしていってねー!」
そう言ってポーラリアはグリモアを展開。準備のできた猟兵から未開の惑星へと転送していくのであった。
古塔
古塔です。よろしくお願いします。
潜入、解放、戦闘と慌ただしいですが、実際はもう少し単純かもなスペースオペラワールドのシナリオとなります。
●惑星
とある宙域、座標MAI-S-ZKFIY、未開惑星クロマル。
鉄がどこでも取れる故の惑星名だが銀色の機械文明で溢れている。環境の為に少しばかりの緑も。
ほぼ
地球と似た元素・文明構成をしていますが、技術進歩はこの惑星のが未来に進んでいます。
この惑星が今回、一日にして
全球氷漬けとなりました。
やらかしたのは『宇宙海賊団スノラヴィアン』。彼らが惑星氷結ウイルスを撒いたためです。
(ウイルスによるものなので、凍らせた元凶たるスノラヴィアンが退散した時点であっさりと解凍されます。)
人類は9.9割、ほぼ全員が氷漬けとなり、宇宙海賊スノラヴィアンの用意した巨大宇宙輸送コンテナに持ち運ばれています。文明的なお宝と共に。
●1章
宇宙海賊スノラヴィアンに捕まって、巨大宇宙輸送コンテナに潜入します。
絶対に戦闘行為はしないでください。スノラヴィアンを倒せる戦力を見せた時点で脅威とみなし、彼らはコンテナごと宇宙の何処かに転移、逃げて『失敗』となります。
惑星氷結ウイルスにかかった事にして自身も氷漬けになって連れ去られたり、この星のお宝っぽいのに偽装したりして、上手く連れ去られてください。
ただ、猟兵は彼らにとって「見慣れぬ星の人間」に見えるので、参加者の誰か一人は顔を解凍され、他にお前の様な奴がいるかフリーズ・ガンを突き付けられ尋問されます。
潜入目的で凍っている事がバレたら大変な事になって『失敗』するかもしれません。
よく考えて、黙るか耐えるか喋るかしましょう。
(※凍らず生身でやってきたら確実に尋問されます。その状態で潜入できるかは言いくるめ次第です。)
(※誰も尋問プレイングをしなければサポート起用で処理します。)
●2章
ここまでくるとなんやかんやあってコンテナが宇宙に転移する為の装置が壊れ、スノラヴィアンの目的が断章で自動的に挫けます。
スノラヴィアンは怒って戦闘行為に走るかと思われます。『集団戦』です。
●3章
あります。内容は不明です。
第1章 冒険
『戦ってはいけない!』
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POW : わざと捕まって気合で尋問に耐える。
SPD : わざと捕まって要領よく尋問をやり過ごす。
WIZ : わざと捕まってうまく尋問をはぐらかす。
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ヴィリー・フランツ
心情:こりゃまた大掛かりな襲撃を行う宙賊もいたもんだ、さてどうやって現地民として潜入したもんか…
手段:時間は少ないが下準備として転移先の国家の名前やその他の周辺国の名前くらいは調べて覚えんといかんな、葉巻を吸って【喫煙者】を発動させながら良い案を考える。
転送後、尋問されたら大佐級の佐官のフリをする、凍ってないのは政府高官用退避シェルターに一人逃げ込んだとしてな。
胸にはデカい勲章も着けてるし、制服を着れば俺もそれなりに見えるのでな、信憑性はあると思うぞ。
スノラヴィアンの事は宇宙人と認識せず「お前等は何処の軍だ!もしかして◯◯国の連中か!?」と話が通じない頑迷な軍人を演じて誤魔化す事を試みる
●
「こりゃまた大掛かりな襲撃を行う宙賊もいたもんだ、さてどうやって現地民として潜入したもんか…」
葉巻を咥え、ゆっくりと吸って、状況映像を見続ける男がいた。
彼の名はヴィリー・フランツ(スペースノイドの傭兵・f27848)。
金髪。赤いベレー帽を被り、軍服を着ている。
「え、えっと」
現在居る所はグリモアベースである。
「お行かない、ので?」
心配そうにグリモア猟兵(転送員)のポーラリアが訪ねた。
先の葉巻を踏み消して、もう一本葉巻を吸う。
独特のにおいに鼻をくすぐられながら困惑した顔でヴィリーを見やるポーラリア。
「悪いな嬢ちゃん。俺は一服しないと頭が冴えない
性質でね。……そしてこいつは潜入任務が終わるまで現地で吸えねぇ。『この星に無い銘柄』でバレるなんてポカしたくねぇしな。」
「お、お嬢ちゃん!?そ、そうだねそうだよねポーラもう14さいだしー」
突然のお嬢ちゃん呼びに空中で照れるポーラリアの横を割り。
「ちょっと失礼するぜ」
「え?」
ヴィリーはポーラリアが先程動かしていた機械(グリモアベースに常設されている、OPでよくお世話になる予知や周辺の映像を出してくれる奴)を操作した。
「え、え?それ解るの?動かし方とか」
「グリモア猟兵なら大体動かしてる辺り、まあコンピューターみたいなもんだろ。分からねぇ所はサポート頼む。」
「何を見るのかしら?」
サポート妖精の如くポーラリアが隣についてヴィリーがグリモアの映像機を動かす目的は、下準備だ。
「時間は少ないが……予知で見た映像の限りでいい。転移先の星のコンテナがある国家、周辺国、その名前と国柄の詳細、できるだけ全部頭に叩き込ませてもらうぜ。」
3本目の葉巻を吸いながら、ヴィリーは国旗から特色、政治、軍力、戦っている敵国等は無いかなどを特に調べ上げた。
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凍てついた星、クロマル。
その一国の、超巨大宇宙輸送コンテナが設置された氷原の様な平地。
コンテナの中には転送されないが外のどこかしらには転送できる。
もっとも、世界中どこに転送されようが最終的には見つかってしまう。
全惑星民を連れ去る為世界中にスノラヴィアンの宇宙船が飛び交っているのだ。
「都市国家ヴィクセム」
輸送コンテナの設置場所に選ばれた、郊外の平地を領土としている国の名だ。
その首都たるグランヴィクセムという街の中に星人反応を確認したスノラヴィアンの一部隊が急行した。
宇宙船が降り、スノラヴィアンがやってくる。
スノラヴィアンの体躯は普通の人間の半分くらいの小さな身長。
そこにうっすら透過して透き通る、冷たいアイスクリスタルで出来た体をしている。
可愛らしい顔とは裏腹に凶悪な冷気の漏れる銃器等のスペース装備をこれでもかとしている宇宙海賊のなりだ。
スノラヴィアンの目の前、両手を挙げて降参をアピールしている男は、軍人の様だった。
「ヴィクセム軍部は佐官、ヴィリー・フランツだ。階級は大佐!特異な寒波に嫌な予感がして政府高官用退避シェルターに一人逃げ込んだが、これはどうなっている!貴様らは誰だ!?」
「成程放送を聴いてなかったウサか。我々は宇宙人、宇宙海賊スノラヴィアン!この星、黒丸星人をみんな纏めて拉致しに来たウサ!」
フリーズ・ガンと呼ばれるスペース改造冷凍銃を突きつけるスノラヴィアン。
「拉致だと!?お前等は何処の軍だ!もしかして敵対隣国アヴィーラの連中か!?この程度で征服したとはいい度胸だな!まだ俺が残っているぞ!」
「しいて言うなら宇宙海賊軍ウサ!アヴィーラって何ウサ!惑星氷結ウイルスは機能してるはずだけどこういう取り残しがいるから……お前以外にも生き残りはいるウサ!?答えるウサ!後ろのシェルターを見せるウサ!」
「ふざけるな!ここ以外にもシェルターがあるがきっとみんな生き残っているだろう!ざまあみろ!だがアヴィーラ軍になど我々ヴィクセムの民が屈する事等無いぞ!」
「いやお前の仲間全員凍ってるウサ。この国の人口は確か約1億とんで200万人。我々の冷凍倉庫に最初にぎっしり詰めておい」
「そんなわけあるか!102005000人の我が国民がその程度で拉致しきったなど片腹痛い!責任者はどこだ!そのケツに銃をぶち込んでやるぞ!」
「5000人も取りこぼしがいるウサ!?どこウサ!答えるウサ!」
「俺はアヴィーラ軍になど屈指はせん!」
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「……はい。……はい。上述の通り隣国にいるアヴィーラ軍とか言うのを凄い憎んでいる政府軍高官らしくてウサ。」
ヴィクセム国郊外氷原平地、超巨大宇宙輸送コンテナ。
宇宙海賊スノラヴィアンの現アジトの様なそこには超テクノロジーによってこの星の世界中の人間を収容できるスペースが入っている。
それだけではなく、内部は巨大な『黒丸星人収容スペース』『売れそうなお宝収容スペース』……を覆う様に、各ブロックや小部屋が複数点在しており、四角い要塞と言っていいような複雑な内部構造さも秘めていた。
その1室、星人分類検査室に、なんだかんだで生身のままヴィリーは連れてこられた。
「お前らが凍っていないという事はやはり事前に掴んでいた退避シェルターをお前達も持っていたという事だろう!迂闊だったのはそのシェルターに非常食だけでなく兵器まで積んでいたという事だな!軍法はどうなっている!そうまでして戦争がしたいのか!」
スノラヴィアンのフリーズ・ガンは、生命体を死なさず仮死状態にし生かして冷凍保存する事も可能である。
その為本来は人類と判明した時点で即座に冷凍するのがスノラヴィアン流。だったが。
ヴィリーと名乗る彼は凍らず生き残っている人類を、自国と敵国の両方で知っているそぶりを見せる為、口を割り出すまでは凍らせずに泳がせるべきだという判断が下されていた。
「俺は屈さんぞ!絶対に屈さんぞ!」
狂乱(演技)しているヴィリーの周囲を囲むようにスノラヴィアンが冷凍銃を突き付けているが、それでも彼の怒りは止まらない。
「データ照合……ヴィリーって名前合ってるウサ?」
監視カメラから様子を見るモニター室のスノラヴィアン達が騒ぐ。
「似た顔の軍人がいるウサ。敵のシェルター掴んであれこれって事はスパイとか二重スパイのアレだから、偽名って線もあるウサね。」
「星間DNA、不一致。外見、クロマル星人と一致。よくある『他所星から落ちてきて正体解らないままこの星の人類やってます』系軍人で、だからこの変な性格ウサ?」
「一理ある様な、そんな出来過ぎた話あるかって気分な様なウサ」
「素性はともかく情報は引き出せたウサか」
「それが頑固に怒ってばかりで全然。話が通じない頑迷な軍人って感じウサ。」
「こいつの言ってるシェルター、ウサ達では見つけられなかったウサ。でもいきなり生存者として知らないシェルターから出てきたのがこいつだから1つや2つある気は……」
「もういいウサ」
一人のスノラヴィアンがドンっと機器を叩く。
「例の部屋へ連れて行ってそれまでの処理とするウサ」
「例の部屋ウサ?」
「例の?」「え?」「何それ?」「例の……?」
「ん?お前達は輸送から帰ってきた部隊ウサ?少し前に同じような生存者を尋問する為、急遽特別に作った『じわじわ冷凍尋問室』ウサ。今の所話してくれた率は
5分。」
「50%ウサか。」「いい
塩梅ウサ」「話さなかったら?」
「話しても話さなくてもこの星の人類が辿る道は『みんな氷漬けからのオークション行き』と決まってるウサ。勿論冷凍ウサ♪」
「おいっ!ここはどこだ!何だこの部屋は!うおっ!?」
そこらの冷凍倉庫より格段に冷える部屋にヴィリーは連れてこられた。
真っ白な冷気で充満された寒々しい部屋の周囲には、寒さでもがいた末に全身くまなく凍り付いて悲壮な氷像と化した人間達がごろりごろりと転がっている。
「全然話さない奴向けの尋問室ウサ!この部屋は特殊冷却装置によってどんどん温度が下がって行って、最後には生きたまま氷像になるお部屋ウサー!」
ホログラム画面越しにスノラヴィアンがウサウサと説明する。
成程寒い。放っておけば指先からじわじわと凍っていく。
「そこで完全に凍り付く前に生存者がいるシェルターの位置を教えてくれて、実際に生存者がいたら出してやるウサ!さあ教えるウサ!」
消えるホログラム。徐々に冷えていく室内。
「ふぅ……」
ヴィリーは懐から葉巻を出して、一服する。
「とりあえず中には入れた。ここからどう出てどう暴れるかだな。」
映像は消えたが、耳を澄ませると音声スピーカー部分からスノラヴィアンの声がする。
情報を探り、転送ビーコンの場所を聞き次第、動くか。
ただの人間なら絶望の末に話すか凍るかするようなこの極寒の部屋でも、猟兵ならある程度は耐えられる。
まずは待つ。考える。その為には、と。
ヴィリーは尋問室の出口扉の前で、もう1本葉巻を吸った。
大成功
🔵🔵🔵
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「警戒に対して慎重に、かつ容量を得た実証を確定する、か…」
捕まる前に周囲の人の洋装と要望を細かく観察してファンネルビットを1機同様の“人間化”させてティティス自身はファンネルビットと化してクリアボディとアストラル・エレメント・ヴェールで透明化し視聴嗅覚を阻害して“居ない者”として対応します。
物理法則上の計測をされる様ならアストラル化して非物理化して対応します。周辺の人の対応や応対を観想して極力同じ様に応対します。
同時に事後の経験と対応の為に総ての事象と音声を記録し記憶してます。
怯えや痛がる様子(ファンネルビットに痛覚はありません)は周囲の人の反応を見て学んで行動します
●
「警戒に対して慎重に、かつ容量を得た実証を確定する、か…」
乳白色の如き金色の髪と肌を持つ、人の姿をした金属の様な存在、ティティス・ティファーナ(召喚獣「アストラル・エレメント(幽魔月精)」・f35555)が、転送されて間もなく呟いた言葉である。
グリモア猟兵には「まだ捕まってない被害者のいる場所にできれば転送して欲しい」旨を伝え、ティティスは転送された。
今いる周辺は山のキャンプ場。
地球より進んだデザインの洋装を着こなした若者達が、楽しく騒いでいる場の時間を止められたかのように全員揃って凍り付いている。
気温の些細な変化によって、腕や股、顔の辺りに小さな氷柱が垂れ下がり始めている。
そんな若者たちの、特に女性方の容姿・服装を、ぐぐと顔を近づけて、360度余すところなく観察する。
「これがクロマル星の人間の外見……」
すると空から何か気配がした。
茂み……は凍っている為隠れると壊れるためかえって目立つ。凍った木の裏に隠れよう。
それと同時にティティスは自身の身体から「ファンネルビット」と呼ばれる小型浮遊砲台を射出。
それをもにゅもにゅと、ティティスのユーベルコードの力によって粘土の様に形を変えていく。
雪結晶型サーチライトがキャンパーな若者達の姿を映し出した。
「クロマル星人発見ウサ!回収するウサー!」
近くに宇宙船を降ろし、中からやってきた沢山のスノラヴィアン達が慣れた手際で人間達を回収する。
同様に、少女の姿をした――氷像に限りなく似た物質を構成したオブジェ。ティティスの分身人形ともいえるファンネルビットも回収されていった……。
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「回収完了。人間の氷漬け6体、今そっちに向かっ……あれ?」
宇宙船を操縦して巨大宇宙輸送コンテナに向かうスノラヴィアンの一人は違和感を覚えた。
「……1日働きづめだから疲れてるウサ?」
他のスノラヴィアンが回収した氷像を確認しながら言う。
この船の回収コンテナに詰めたのは5体の氷像である。
「でも最初、ここにあった反応は4人ウサ」
「で、実際にあったのが5人。……あれ、6……?」
スノラヴィアンが騒ぐ中、この侵略宇宙船『スノラビ号』の物陰に隠れて潜入していたティティスは「あっ」と感じ、おもむろに体を変質させた。
『透明化、並びにエネルギーパルス感知不可領域に調整、開始。』
クリアボディとアストラル・エレメント・ヴェール。
2つのユーベルコードを使い、彼女は透明になり、こっそり流体金属から伝わる電気信号で感知した、スノラビ号の全ての感応機器に感知されない様な特殊パルスを展開した。
「あっ、計器の回収数表示が5体になったウサ」
「やっぱり故障ウサ?メンテに出すウサ?」
「長年使ってたけど……このミッションが終わったらちょっと出すかウサー」
それにしてもと、不思議に思ってコンテナ内部を確認するスノラヴィアンもいた。
きゃっきゃわいわいと楽しんでいる姿で凍り付いているクロマル星人の若者キャンパー達。
の、中に、1歩引いて紛れていた、不思議な金髪の少女の氷像。
とりあえず友達だからと一緒に山に連れてこられてバーベキューしながら、シャツ1枚で、この星謹製のカメラを手に皆を映そうかな?と思っている、ふんわりと微笑んだ表情で立ち尽くしている女の子、が凍った姿。
まるで彼らと同じようでいてちょっと違う様な、どこか、日常に紛れ込んできた宇宙人の様な……?
不思議な金髪少女の氷像。この反応こそが追加で現れた5体目の氷像である。
「……まあ、世の中そう言う娘もいるものウサ。凍ってくれてよかったよかったウサ。君の事気に入ってくれる宇宙人はきっといるウサよ!解凍して奴隷にされるか、凍らせたまま衣類かけにされるか、宝物みたいに大切に保管されるか……どうなるかは知った事じゃないけどウサね!ウーサウサウサウサ……!」
ティティスはそうやって微笑むスノラヴィアンに何を感じたかは分からない。
ただ、安全に輸送される事は確定した。
巨大宇宙輸送コンテナにて搬送される、ファンネルビットを変質させた、ティティスそっくりの分体の氷漬け氷像を。
兎に角今は、見失わない様に、自身をユーベルコードで「居ない者」とさせながら、事象を録画し音声を録音しつつ後をつけていくのであった……。
大成功
🔵🔵🔵
四王天・燦
旅行者を装って侵入する
適当な護身用の銃と、使い捨ての符を一枚持つのみ
誤魔化す為にウィルスの残滓に感染しておき、怯えた表情を作り符術"氷華演舞"で凍り付くぜ
符は隠滅
凍る中、自身に旅行者だと催眠術で言い聞かせておく
転送が覚醒トリガーだ
尋問では秘密の旅行者だと言い切る
住居を問われたら澱まず既知の惑星を叫ぶぜ
念押しで凍った腹部にフリーズ・ガンを何度も撃ち込まれ半狂乱
銃口で凍ったお腹を小突かれ振動と響く音に戦慄する
催眠術効果で尋問をかわすぜ
最後に氷の花嫁衣裳姿で氷結ウィルスまみれの冷たい薬液に沈められ、薬液ごと凍らされ絶対零度の美しい琥珀にされるよ(衣装描写とラヴィアンの感想希望)
動けない、身体が軋む―
●
「装備よし、演技はさっきやった通り……。後は、よし、上手くサンプルを採取できたぜ」
妖狐のシーフのお姉さん、四王天・燦(
月夜の翼・f04448)は、凍てついた街の中、もうすぐやってくるスノラヴィアンの為の「準備」をしていた。
採取した氷結ウイルスカプセルをちょっとだけ開いてユーベルコードを放つ指先に感染させる。
自爆でなく、同様のもので街の人達同様に凍り付いたと偽装する為である。
指先から這うようにどんどん身体の芯が凍り付いていく。
完全に凍り切る前に、燦は稲荷符を頭にくっつけ、洗脳するように、自己暗示をかける様に、呪術による催眠をかける。
「もしどこかで『転送』って声が聞こえたら正気に戻る様に……アタシは旅行者……「私」は……旅行者……」
地面に落ち、自然に発火して消滅するようセットされた稲荷符が焼け消える。
それを視界にとどめたのを最後に、燦は完全に凍り付く。
はた目から見れば隣にいる紳士についてきた、訳も分からないまま自分の手を見て狼狽える姿で凍り付いた女性の氷像がその場に完成した。
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「起きろウサ!」
ぷしゅうと蒸気が顔にかかったような感覚と共に顔の氷が溶ける。
気が付くと彼女は機械的な薄暗い部屋の中央に立たされ、子供の様な体躯の可愛らしい海賊団に囲まれ、青い銃を突きつけられていた。
「動くなウサ。動きたくても動けないと思うけどウサ。
我々は宇宙人ウサ。お前がこの星の人間で無いのは
調査で分かってるウサ。
偽装して潜入してきた宇宙監査官や『猟兵』の可能性を支部する為、お前を尋問するウサ!」
「えっ、何、何……!?私、夫と新婚旅行に来ていて」
「お前の顔写真のデータもなければ夫もいないウサ!隣の男は確かに刑事職だったけどウサ。」
「お前はどこの惑星から来たウサ!」
「っ……う、宇宙人!わ、わたし、ブラースのアンバレマから来た」
「アンバレマはお前がいた国としてブラースはクロマル星の
ヨコモジ名ウサ。現地民だとあくまでしらばっくれるつもりウサ!?」
お腹にゴンと銃を突きつけられる。
この「ゴン」と響き渡った音と振動に彼女は自覚した。自覚してしまった。
今の自分の身が顔以外、氷像の様に凍らされており、指一本動かす事が出来ない事を。
「あ……か、は……あ……ぁぁ……あ……!」
脳が肺すらも凍っている事を知覚し、一時的に呼吸困難の錯覚を起こす。
そう、錯覚である。肺も喉も凍らされているはずだが、呼吸も会話も不思議と出来てしまう。
特殊な冷凍機能で凍らされている様だ。
ゴン、ゴンと、更に、凍っているお腹を銃で小突かれる。自分より小柄に見えるのに、思ったより圧の力が強く、痛い。
「こいつはフリーズ・ガン。お前の身体を五感を残したまま凍らせる事が出来るし、凍った体に撃ち込むと更に凍って激痛が走るウサ。……喋らないというのなら、もっと打ちこんでやるウサ?」
「や、やめ。あぐがご!っ!?」
お腹に銃が撃ち込まれる。
ツララを残す様な衝撃波の形をした氷がお腹に出来、自身の神経に『腹に重いものを撃ち込まれた』感覚が駆け巡る。
「とっとと!」
「知りませ!あぐっ!」
「喋るウサ!」
「旅行者で!あ゛あ゛っ!」
「さあ!」
「ぐごっ!」
「さあ!」
「がごっ!」
銃口で凍ったお腹を小突かれ、振動と響く音に戦慄し、泣き始める。
恐怖と痛みと衝撃で涙を流し、丸く太ったような氷が腹部に何重にも重ねられる様に凍り付いた。
醜く歪んだ顔のまま、ひゅう、ひゅう、必死で呼吸の声を鳴らす彼女。
「い、嫌、嫌だぁぁ……ぁ……が…だ…れか……たす……け……」
「もういいウサ」
代表者の様な宇宙人が取調室に現れた。
「花嫁で怪しい奴ウサ?じゃあ『例の部屋』送りにして保管ウサ。」
「例の部屋」
宇宙人達がざわつく。
「何ウサそれ?」「例の
……?」「さっき作ったっていう『じわじわ冷凍尋問室』ウサね!」「あ、そっちじゃないウサ?」「え?」「どこウサ何ウサ」「例の部屋
?」「……?」
「こういうどうしようもない異星侵入者の値段を少しでもオークションで吊り上げる為に作った『作品加工室』ウサ。その女は結婚した花嫁に偽装して潜入しているウサね?望み通り花嫁姿の『作品』にして、お宝部屋行きの末路ウサー!」
●
顔以外が凍ったまま別室に運ばれた彼女は、そこでいったん全身を解凍される。
暖かくは無い。冷たいまま氷だけが剥がれる特殊な薬霧を全身に噴射させられたらしく、寒い。
血行が宜しくなく、ぶるぶるがちがちと震える彼女は、今現在、見えない程繊細な糸によって空中に吊り下げられている状態である。
万一逃げ出されないよう周りの宇宙人から銃を突き付けられながら、下には冷気が充満したプール。
「我々スノラヴィアンがこの星を凍らせたときに使った惑星氷結ウイルス……を、液化凝縮したプールウサ。心の底からカチコチに凍り付いて、宝石みたいな氷になるウサ!……やるウサ!」
「あ、ああ、あ、嫌、嫌!た、助け、助けてください!私なんでもしますから……宇宙人、宇宙人ですから!」
「宇宙人とゲロったら猶更凍らせて無力化しないといけないウサね?」
「……!い、いや!ぁ……!」
「最初からお前には凍る以外の選択肢は無いウサ。」
片手に氷の花束を、どこかから伸びて来る機械アームに握らされた。
その恰好は氷で出来たウェディングドレスである。
糸によって身動きが取れないまま、ゆっくりと、氷結ウイルスのプールに沈められていく……。
…………………………。
引き上げられる花嫁。
床に単分子ワイヤーで運ばれ、ワイヤーを取り除き、状態を確認する。
「抵抗しないよう拘束もしたけど、このポーズちょっと不格好だったウサ?」
「ウサは好きウサよ。もがいた末に凍り付いて、夫から引き離された無様で悲しい花嫁の最期ウサ!」
「きっとその手のコレクターが欲しがるウサ!」
宙吊りにされたような姿で、美しい琥珀の様に透明な、輝く氷の宝石の中に全身を閉じ込められた彼女。
「(動けない、身体が軋む―)」
氷で出来た花束とウェディングドレスもまた身体の全てを見せるかの様にうっすらと透き通る。
悲しみに溢れたような表情をし、凍る寸前零した涙が気泡の様に顔の周囲で輝いている。
星を凍らせる科学平気で身体の芯まで余す所なく凍らせたその氷は絶対零度で出来ており、迂闊に触れるだけで凍り付いてしまいそう。
「冷やし過ぎたみたいウサ。しばらくはここで放置するウサ!」
「後からこの部屋に来た奴が、こいつの綺麗な人形みたいな宝石の姿を見てびっくりする姿、早く見たいウサー!」
そうしてスノラヴィアン達は去り、冷たい冷気を漂わせるこの部屋で、彼女は。
――氷の花嫁にされた燦は、事が始まるまで安置される事となったのであった。
大成功
🔵🔵🔵
チル・スケイル
あえてノコノコ近づき、海賊に凍らされてさらわれます
見た目が人間離れしているため、レアな宇宙人と見なされるかもしれません
方針:「コイツただのグルメな通りすがりだ、何も知らないアホだ」と思われる為、それっぽい演技をする
はじめまして。私はスケイル星人(嘘)のチルという者です
美食を求めて宇宙の各地を旅しています(嘘。あらゆる世界を旅している)
その途中で氷の塊のような星を見かけたので、珍味を味わえるかと思い近づきました(嘘)
グルメ知識ですか?この近辺だとハマロー星のスシがお勧めです(本当)
今なら旬の宇宙ブリ、脂が乗ってて美味しいです(本当)
魚介以外だと、アックス星の飛竜スープが…(以下グルメトーク)
●
惑星クロマル 巨大宇宙輸送コンテナ 内部 取調室。
部屋の中央に展示された、スタイル抜群な氷漬けの女竜人の氷像。
スノラヴィアンが女竜人の氷像を囲むと、その顔に
定点解凍装置を当てる。
「起きろウサ!」
煙の様な蒸気と共に、どこかやさしげな青いドラゴンの頭が生を取り戻し、動き出す。喋り出す。
「……えっと、ここはどこですか?」
「我々はこの星を略奪しに来た宇宙人ウサ!」
「はあ」
「でもこの星以外の『異物』が紛れ込んでいるのを良しとしないウサ。お前はそのアイスドラゴンな見た目からして紛れもなくこの星の生命体ではないウサね?他に仲間がいるのかを聞くのも兼ねた尋問を始めるウサ!」
「まずお前はどこの星のもんウサ」
「私はスケイル星人のチル・スケイル(氷鱗・f27327)という者ですね。……あっ、この状態中々気持ちいいです。全身に保冷剤押し当ててるような解放感。」
「頭以外が凍ってる状況の感想はしなくていいウサ。……スケイル星人?リュウリン星系の人型生命体でもないウサ?」
「宇宙は広いので」
「一度や二度の星間旅をしている奴ではないウサね。」
電子手帳に情報を記載していくスノラヴィアン。
尚、スケイル星人というのは前もって考えていた嘘の情報である。
「(まあどちらにしたって……ウサ)」
その横のスノラヴィアンはチルを憐れむ様な目を見せてニヤついた。
「それで?この星に来た目的は何ウサ?」
「美食を求めて宇宙の各地を旅しています。その途中で氷の塊のような星を見かけたので、珍味を味わえるかと思い近づきました」
「ん?」
「我々がこの星に惑星氷結ウイルスをばらまいたのは昨日の話ウサ」
「星が凍ってすぐ見つけてやってきて、冷却保存期間中の冷気を浴びてそのまま氷結した……何か住民と馴染んでる様な様子をして?」
「(……少々無理がありましたでしょうか?)」
「お前が下りて来た宇宙船はどこウサ」
「ありません。私は氷の力を自在に操り、大気圏でも単独で突入が可能です。」
チルは色々と嘘を言った。旅の目的も、宇宙船の話も。
「宇宙線被爆計測器は特にお前の身体から宇宙線を検出しなかったウサ」
「私の氷は宇宙の外気もシャットアウトするのです。」
「……ウーサ……」
スノラヴィアン達はちょっと考えた後。
「いや災難だったウサね!」
「こんな宇宙進出もしてない辺境の星までやってきて!」
「悪いけど事が終わるまでそのまま凍ってもらうウサ!」
彼女を特に何も知らない奴だと判定した。
チルの中の、凍った身体の凍った心が少し溶ける様な安堵を覚えた。
「よしお前は再冷凍ウサ。他のクロマル星人同様収容スペースでゆっくり凍ってるが良いウサ!」
スノラヴィアンが銃を顔に向ける。
「あっ、所で私グルメ知識には事欠かないんですよ。この近辺だとハマロー星のスシがお勧めです」
「ウサ?」
収容される事が分かって一段落したからか、チルは今まで宇宙で旅をしてきた時のグルメ知識を披露し始めた。
「今なら旬の宇宙ブリ、脂が乗ってて美味しいです」
「ウ、ウサ」
「聞いてないウサ」
「いえいえ構いません。でもお仕事の帰りなどに立ち寄ってみても良いかもしれません。そう思って話をしています。ところで魚介以外だと、アックス星の飛竜スープが…」
延々と話をし始める。語り出したら止まる事を知らないチル。
彼女は事が始まるまで、ずっとスノラヴィアン達と宇宙グルメの会話をし続けたのだった。
大成功
🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
氷漬けしてくる宇宙海賊達…ゴクリ…
と…ともあれ自ら氷漬けにするのですが、自ら凍るようなUCは持ち合わせていないので、はいいろ・きゃんぱすさんを召喚して協力してもらいます!
「うふふ~♪自ら氷漬けだなんて相変わらずね♪」
いやいや!潜入の為ですから!氷漬けになりたいとかじゃないですから!!
そんなコントを繰り広げつつも、適当な場所で相手を凍らせる触手によって二人共氷漬けに!
その後は上手く捕まる流れに…!
もし尋問されてももう一度凍らせてほしいとドM感増し増しで懇願しまくります
…多分ドン引きするでしょうが…潜入の為には仕方のないことです!決してフリーズ・ガンによって凍らされたいとかじゃ…
●
「氷漬けにしてくる宇宙海賊達…ゴクリ…」
あらゆるものが凍り付いた寒々しき青に色を落とした惑星に降り立った兎の男の娘、テフラ・カルデラ(特殊系ドMウサギキマイラ・f03212)は、その見事な惑星凍結と、これから自分が何をするかの妄想に垂らした涎を飲み込んだ。
「と…ともあれ自ら氷漬けにするのですが、自ら凍るようなUCは持ち合わせていないので」
本当か?氷妖精は?氷結の指輪は?状態変化銃は?フローズンヨーグルとりもちは?
まあ暴発はノーカンなのかもしれないし、テフラという者にも気分があるのだろう。
「協力者を呼びましょう。『はいいろ・きゃんぱすさん召喚なのですよ~♪』」
両手を広げ、迎え入れる様なポーズで光を放つと、中から元影朧、性癖妄想具現化少女、『はいいろ・きゃんぱす』(スタチュー・イラストレーター)が召喚された。
ハイカラな着物に丸眼鏡の三つ編み少女。周囲には色んな「人間が石や氷に固められたシチュの同人誌」が舞う。
「うふふ~♪召喚されました♪自ら氷漬けだなんて相変わらずね♪」
「いやいや!潜入の為ですから!氷漬けになりたいとかじゃないですから!!」
「……っぁあ!滾る、滾りますわ♪未知なる惑星、何もかも凍った世界に迂闊に足を踏み入れた宇宙飛行士のショタっ娘と私!危険を顧みず踏み込んだ大地の先で突如氷の地を裂き現れる触手!それは獲物を氷結して頂きますする未確認宇宙生命体だった!」
はいいろ・きゃんぱすはバリバリと原稿を書き始める。
そして出来上がったページの1枚1枚が世界に浸透して、溶ける。
すると原稿内容の如き触手が、突如地を裂きテフラとはいいろ・きゃんぱすに飛び掛かってきたではないか!
「うにゃあわっ!こ、これは……つめた……!」
「氷結触手さんは獲物の中を宇宙服を突き破って穴という穴に侵食、あひいっ!わたしに、も侵食し、喘いでもがいて蠢きながら全身に冷気をぷしゅうと吹き巡らせて、あ、こ、ぁ、は……こおっ……て……」
「は、はひ!いっ、……ぁ……はひひろ……ひゃんふぁふ……ふぁ……」
あっという間に極冷下の冷気を、全身に入り込んで侵して来た触手によって吹き込まれ、凍り付いていく二人。
テフラとはいいろ・きゃんぱすは、恍惚の余り錯乱し、触手まみれの中二人で抱きしめ合う。
同時に触手もまた絶頂に達したのか、凍り付いていく。
スノラヴィアンが駆け付けてみた時には。
全身が凍った触手に這われている触手まみれの男女が二人で抱き合いながら全身で恍惚を表した様な表情をした氷のオブジェとなっていたのだった。
「……そう言うプレイ中に凍った人間だったウサか?」
スノラヴィアンはなんかドン引きし、そして妙な後悔を覚えた。
そのあまりにも凄惨な最中を彫像の如く氷に閉じ込めてしまった状況に。
それはそれとして彼らは、丁重に氷の台座に乗せて運ばれ、巨大宇宙輸送コンテナへと搬送されていった……。
●
巨大宇宙輸送コンテナ。
その各ブロック回廊を氷像運搬スノラヴィアン達が通る。
テフラには兎耳がついていたが、「コスプレの一種」と判断され、普通に事無きを得た。
えぐいプレイの最中を切り取ったその氷塊に関して、まさかこいつがスノラヴィアンの計画を邪魔する猟兵だなどと思うスノラヴィアンは一人もいなく、収容スペースへと普通に運ばれている。
「…………………………………………。」
かたり。
「ウサ!?」
凍った触手プレイまみれの男女の氷像が揺れた気がした。
それは何か……搬送中スノラヴィアンの携帯していたフリーズ・ガンが小突く様にぶつかった拍子に揺れたような。
「どうしたウサ?」
「い、いや、何でもないウサ」
「…………………………………………。」
かたかた。
「ウサ!?」
「な、何か揺れてるウサ!?」
「この……フリーズ・ショットガンを近づけたら何か不気味に揺れ動いてる、気がしてるウサ。」
「え、ええっ……」
今搬送しているスノラヴィアンの1人はフリーズ・ガンを改造したフリーズ・ショットガンを装備している。
一度に大量の冷凍弾を近~中距離レンジでぶちまける優れものだ。
「…………………………。」
「ちょ、ちょっと何する気ウサ!」
テフラの、否、二人に同時命中するような距離で銃口を構え。
ドバン!と放った。
まるで液体窒素をぶちまける様な感覚で大量の冷凍弾が二人にかかり、真っ白な氷と氷柱でデコレーションされていく。
……触手プレイに白いものがかけられた、という辺りから変な妄想が出来そうだが、やめておこうね。
「あ……ああ……あ……」
ドバン!
ドバン!
2度3度と、更にフリーズ・ショットガンをぶちまけるスノラヴィアン。
その度に厚くて冷たい氷が多層に、まるで生クリームを薄くかける様に二人をデコレーションして行く。
「もういい!もうやめるウサ!お前どうしたウサ!?」
「い、いや……その、この氷像の眼を見ていると、『もっと撃ってください!もっと凍らせてください!』って言ってるような……気がしてウサ……。」
「とんだドMもいたもんだけど、多分それは錯覚ウサ。フリーズ・ガンの衝撃で商品が壊れたらどうするウサ。自重するウサ」
「ウサ……」
そう。錯覚である。
撃たれる度に「ありがとうございます!」と言ってそうな感じに恍惚に二人の氷像が揺れていたのも、きっと、錯覚。
こうして二人は必要以上に凍らされながら、他の星民同様の収容スペースに閉じ込められてしまったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エーファ・マールト
戦ってはいけないだってよ。奇跡の大脱出を拝ませてやろうぜケヒャヒャヒャ!
などとのたまう黒兎の指示に従って無抵抗で凍らされにきました。すでに凍らされずに対応しているお味方もいる様子です。緊張しますが奇跡の大脱出、挑戦してみましょう
突然凍らされたみたいな自然なポーズで中身まで凍らされる。観客がいないのが非常に残念です。あとで監視用の動画でも拝借して研究してみたいものです
致命的な死を迎える前に、あるいはどこか壊死して支障が出る前に《紅い蜘蛛の糸》で脱出しましょう。タネも仕掛けもございません
●
「戦ってはいけないだってよ。奇跡の大脱出を拝ませてやろうぜケヒャヒャヒャ!」
赤身がかった銀髪に少々のロールヘアーをしたサーカスバニーなマジシャン、エーファ・マールト(
魔道化黒兎カーニェと
その助手・f28157)がやってきた。
先の台詞は左手に着けたハンドパペットの
魔道化黒兎カーニェの声である。
「そうですね、すでに凍らされずに対応しているお味方もいる様子です。緊張しますが奇跡の大脱出、挑戦してみましょう」
エーファは未だ空気中に漂う惑星氷結ウイルスの風を捕まえ、先回りすると。その氷結風をまともに浴びる。
突然凍らされたみたいなごく自然なポーズで、中身まで凍り付いていく。
「(観客がいないのが非常に残念です。あとで監視用の動画でも拝借して研究してみたいものです。)」
凍った心の中で、凍結脱出マジックをするUDCのマジシャンの動画に想いを馳せながら。
きっと私が凍ったのを空から見ているんだろうなとか、凍っている私を見て宇宙海賊達はどんな表情で見てるのかな、とか、ここから――目の前で脱出されたら、どれだけ驚いてくれるのだろう。という想いも馳せる。
スノラヴィアン達が宇宙船に彼女らを乗せる。
「ウサ」「ウサ」
星人分類検査室のサーチ機器にかけられ、監視モニター越しに彼女の姿をスノラヴィアン達が見やる。
「通って良しウサ」
「それにしても派手な衣装ウサね」
「ウサの大人になった姿と、手に子供の姿を握ってる感じウサ?」
「こんなに呆けた顔して何をするつもりだったウサかね」
「大道芸人ウサ?マジックショーをするつもりだったんじゃないかウサ」
「ウサウサ。脱出ショーでもするつもりだったら残念ウサね」
「これから先は脱出できない氷のオークションにご招待ウサー!」
エーファとカーニェは運ばれた。突然凍らされて身動きが取れなくなった流しのストリート大道芸人、バニーとパペット黒兎の氷像として。
巨大宇宙輸送コンテナの中には、この惑星の人間が無数にずらりと並んでいる。
数億人は超える見事に壮大な氷像群。それらが視覚も聴覚もはっきりしながら全身を凍らされた状態で集められているのだ。
階層制なのか、透明な天井の上にも何層にも分けて並べられた人間がちらりと視界に映った。
「(さて、致命的な死を迎える前に、あるいはどこか壊死して支障が出る前に)」
五感がはっきりとしているのはエーファ達にとってありがたい事である。
彼女はユーベルコードを発動した。
光と共に、エーファの身の氷が崩れ、中から奇跡の如く生身のエーファが現れ、フィニッシュのバンザイポーズをした。
「はっはっは。こんな事もあろうかと。タネも仕掛けもございません。
紅い蜘蛛の糸は先までの致命的な失敗を無かった事に出来るのです!」
「ケヒャヒャヒャ!10秒前の出来事だけだろ!何分何時間経ったよ!」
「失礼な。凍結による壊死や死が迫っていたとして発動したのです。今がその10秒前だった。そういう事でしょう?」
「あーあー。こんな事に幸せな記憶を消し飛ばす、厄介な代償払いやがってよ」
ただ、今回は凍った最中に想った、『もしもこの脱出劇を観客が見ていたら』という記憶を代償にしたため、まだ軽い方である。
コンテナの中は氷が溶けない様にされているからか、寒い。
しかしエーファもまた猟兵。寒さを感じている場合ではない。
どっちにしろこの延々と続きそうなくらいに立ち並べられた人間の氷漬けの中を、これから頑張って探索していかなければならない。
エーファは時にスノラヴィアンから隠れながら、転送ビーコン装置を破壊する為に、潜入任務を開始したのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と共に
色々突っ込みたいけど、前回の一件も合わせわかった事がある。それは類は類を、邪悪は邪悪を呼ぶんだなって。石像にされる事?家でさんざんやってるから慣れた。
「はぁ…またかぁ…」
という事で石像作成が始まる。セメントを塗り付けられ(髪は一本一本すいて)、口にセメントスプレーを吹かれて。どうせ催眠術掛けられるんだから、その前に呪詛天使呼び出しておこう。そして私の眼前にオリガの目から催眠が…。
こうしてキスをし合う百合セメント像になった二人を、私…呪詛天使と魔王の力が美術館の目立つところに配置。回収が来るまで打ち合わせを兼ねた会話をするのだった。
「私にそんな趣味はない!離れろー!」
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒
今回の潜入に関していい方法を思いついた。それはあたし達自身が芸術品になること!という事で石像になってもらうわよアンナ。大丈夫、いつも通りセメント像になればいいから(邪悪な変態淑女)!
まずはアンナをキマイラフューチャーで手に入れたセメントや、自前のセメントスプレーで固めていくわ。ついでに身動きできないよう【催眠術】掛けとこ。
次はあたしがアンナにキスをするポーズを取り、魔王の力を呼び出したら、アンナにしている事として口からセメントを流し込まれ。
体内をセメントで埋め尽くされた石像にされたあたしは、アンナと共に回収されるのを待つのだった…。
「ふふっ、後は任せておきなさいな」
●
「今回の潜入に関していい方法を思いついた。それはあたし達自身が芸術品になること!という事で石像になってもらうわよアンナ!」
開口一番、石像となって潜入する旨を同行者に告げる。
彼女は青い長髪に白の洋服を着こなす、オリガ・ホーリエル(黒き天使と歩む快虐の魔王・f12132)。魔王である。
「はぁ…またかぁ…」
そんな魔王な彼女の提案に諦め混じりの声を漏らす同行者の女性。
彼女は緑の長髪に露出度の高い服(恐らくはオリガ謹製)を着た、白と黒の翼をもつオラトリオ、アンナ・フランツウェイ(断罪の御手・f03717)。
天使である。
「大丈夫、いつも通りセメント像になればいいから」
「いつも通りって、オリガ、あんたねぇ」
邪悪な邪悪な変態淑女の如き提案で畳みかけるオリガ。
「色々突っ込みたいけど、前回の一件も合わせわかった事がある。それは類は類を、邪悪は邪悪を呼ぶんだなって。石像にされる事も、家でさんざんやってるから慣れた。やるんなら、やろう。」
渋々と言った感じでアンナは付き合う事にしたのだった。
「まずは、と。」
二人は凍り付いた足元に気をつけながら、転送された街の一角、美術館の扉をこじ開けて潜入。
美術館の中の目立つ所に立った。
そしてオリガはアンナに、キマイラフューチャーで手に入れたセメントや、自前のセメントスプレーを用意し「かける前に、催眠をかけておくわ。」魔王の力による催眠術をかけられる。
「(ああ、どうせかけるって思ってたわよ)」
アンナは己の怨念である呪詛天使という分身を、催眠術をかけられる前に降臨。
二人の傍に怨念で出来たオラトリオが出現する。
まるで闇に落ちたアンナの様な存在だ。
「……っ」
オリガと目を合わせ、催眠にかけられとろんとしたアンナ。
そんな可愛らしい天使の髪を1本1本
梳いていく。
梳きながら、その髪の1本1本に、丁寧に手でセメントを塗り固めていくオリガ。
「はい、じゃあ中もセメントで固めていくわよ」
「!?……………………」
おもむろにアンナの口にセメントスプレーが突っ込まれると、プシューと勢いよく吹きかけられ、セメントガスが体内に混入。たちまちアンナの身体を芯の芯から石として固めていく。
「うふふ、いい感じに固まったわねぇ。」
オリガはうきうきと嬉々として制作を行い続ける。
内側から固まったアンナの、次は外側。
プシューと、セメントスプレーを全身にくまなくかけていく。
「…………………………」
外も内も石化した、見事な美しい天使の石像が出来上がった。
「次はあたしがアンナにキスするポーズを取るわよ」
そう言ってオリガは魔王の力を呼び出す。
自身の本来の姿、嗜虐趣味な魔王の力の分身。
闇に染まったような、もう一人のオリガが現れた。
「あら、私。またアンナを石化したの?」
魔王が言う。
「人にした事は自分もされなきゃねぇ。」
そう言って魔王はセメント薬をオリガに流し込もうとする。
「ええ、お願いあたし。素敵な百合セメント像にしてくださいな。」
そう、今回のオリガは『魔王の仕返し』を織り込み済みである。
唇を艶めかしくアンナに近づけながら、横からセメントを、スプレーで口の中に入れこまれ、薬品で身体にかけられていく。
「ふふっ、後は任せておきなさいな」
「あ……ん……んん……」
セメントスプレーが体内にいきわたり、完全に石化する数秒前に、ギシギシと鳴る体を振り絞って何とかアンナの唇に、オリガの唇が触れ合う。
硬く、冷たく、乾いた唇が。
アンナの呪詛天使とオリガの魔王が、二人のポーズを丁寧に修正していく。
「…………………………」
美術館、その展示室の目立つ場所に、凍って尚稼働する電力によるスポットライトで照らし出された。
天使と淑女がお互いを愛おし気に口づけを交わしている、とても美しいセメントの彫刻像。
誰が見ても本物の人間とは思えないが、本物の人間かと思えるような迫力と美しさがあった。
「さて、と。これで後は宇宙海賊が回収して、宝物スペースに入れられるのを、こっそりついていって見届けるだけ、かしら。」
魔王の言葉に呪詛天使はうなずく。
「それにしてもとっても愛おしそうにキスしているわね。やっぱり普段から相思相愛なのよね。お二人共」
「(私にそんな趣味はない!離れろー!)」
二人のセメント像を愛おしく頭から撫でる魔王と呪詛天使に、心の中でアンナがキレた。
その声は誰にも響かない。届かない。
まもなくして雪結晶型のサーチライトが二人を照らし、スノラヴィアン達がやってくる。
二人は巨大宇宙輸送コンテナの、寒々しく寂しげなお宝の山の中に入る事となる。
暖かく口づけを交わした彫像のまま……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
第2章 集団戦
『宇宙海賊団『スノラヴィアン』』
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POW : アサルトチェンジスノラヴィアン
全身を【変形した宇宙船スノラビ号の】装甲で覆い、身長・武器サイズ・攻撃力・防御力3倍の【透明化・飛翔能力も有したバトルアーマー】に変身する。腕や脚の増加も可能。
SPD : スペースラビットフリート
レベル体の【宇宙船スノラビ号】を召喚する。[宇宙船スノラビ号]はレベル×5km/hで飛翔し【足場代わりにでき、一緒にフリーズ光線機銃】で攻撃する。
WIZ : フリージングプランダー
対象にひとつ要求する。対象が要求を否定しなければ【瞬間氷結して人質に】、否定したら【惑星氷結ウイルスを戦場に撒き】、理解不能なら【上記の両方を行い自由】を奪う。
👑11
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●星民氷像収容スペース
「ケヒャヒャヒャ!風邪ひいてねえかよ!ここ寒いみたいだぜ!」
「大丈夫です。それより早くコンテナの転送機を探さないと。」
「グリモア猟兵は入れば大丈夫とか言ってたけどなぁ!」
巨大宇宙輸送コンテナ内部。
億を超える無数にも見える程の人間の氷像が立ち並ぶスペースの中、氷像の物陰に隠れながらエーファ(とカーニェ)は探索している。
時折壁が開き、スノラヴィアン達が新たな氷像を運んできたりする。
「(おい!こっちだ……こっちだ!)」
すると突如、エーファ(が左で握っている黒兎のカーニェ)の手を引っ張る男が現れた。
「(手を貸してくれ。もう何人か冷凍された!お前は……変わった見た目だが、なんだか強そうな気がする。味方、なんだよな!?)」
「えっと、あなたは」「もう喋んな駄夢魔。こいつの声が小さいのは周りにバレる体大人しくしとけ」
二人はボソボソ声に切り替えて。
「(俺が本体のカーニェだ!人間側のこいつはオマケの助手な。お前……そういう事か?)」
「(他に掴まっている仲間の位置も織り込み済みだ。だが警備が多い……助けてくれ!)」
「(ケヒャヒャヒャ!お前、つまり
この星の人間だな!
そういう事なんだな!)」
●特別冷凍尋問室
「○○地区の輸送ビーコンの調子はどうウサ……」
「どんどん新しいお宝が見つかるウサ。同性愛者がさかんな……」
「ふむ」
「話す気になったウサか?」
「その前に俺の仲間のは、部下は、凍っている奴はどれだけいるんだ!」
「またその話ウサか……」
めんどくさそうに通信を切るスノラヴィアン。
その間に通信マイクから漏れ出る情報をヴィリーは聞きながら葉巻を吸い続ける。
普通ならとっくの昔に全身が凍り付いてしまう程の時間が過ぎたが、身の内に防寒対策を仕込んでもいるのでまだまだ動けそうである。
だが、下手にここを脱出するよりは、まず情報を確定してから――。
その時、冷凍尋問室の扉にドゴン、ドゴンと、凄い衝撃音が響く。
「(あっ、くそ、硬いな!)」
「(オイこら、俺様と助手に任せろ!)」
「(では行きます。
棘戯術。小道具使ってカチャカチャと……)」
「(いやこれ電子ロック)」
ガチャリと扉が開く音がした。
「はい!開きました!拍手をお願い」「したらバレんだろうが!いや、もうこれだけ暴れりゃ十分か?」
「おっ、あんた達は?」
「今だ!」
ヴィリーが喋ると同時に、扉から現れた者達……黒兎のパペットを持ったバニーさんを筆頭とした人間の、リーダー格の男が合図を放った。
すると特別冷凍尋問室の冷気が止まり、通信回線やカメラ、モニタが機能を停止した。
「話は少し聞いた!お前も『猟兵』って奴なんだろ!力を貸してくれ!」
「おっと、反撃の時間ですかね!」
そう、彼らは人間。クロマル星の現星民である。
スノラヴィアンの惑星氷結ウイルスという理不尽な制圧兵器は、この星の人類の99%を氷漬けにした。
残り1%は知恵を回してこの輸送コンテナに潜入していたのである。
それはもう、猟兵の如く知恵を巡らせ、時間差で解凍する措置や美術品に紛れる等をした。
だが、彼らの文明力と地力はスノラヴィアンには叶わない。
制圧するどころか1体も倒せず逃げ回っていたという所なのだ。
戦力を少しでもかき集めていた彼らにとって、『猟兵』は願ってもいない存在だった。
カーニェ(とエーファ)によってどれだけ猟兵が潜伏しているかをしった彼らは少し派手な強硬策に出た、といった次第である。
「ところで、このコンテナがこの後転送されて宇宙に行くって事は知ってるか?」
「ん……転送?こいつを宇宙船で持ち上げて宇宙に引き上げるんじゃあ」
「ああ、そう捉えてたか。違うんだ。テレポートみたいな技術で近くの宇宙に転送するんだとよこいつを。でもそれを邪魔できる方法がある。特定個所転送ビーコンとやらだ。ほらよ」
特別冷凍尋問室に居続けて情報を掴んでいたヴィリーは自前で書いていた情報のメモを男に渡した。
「!ありがたい。この
○○地区とかいうのはこの突き当りを右に曲がって……今俺の電子画面のマップに表示させる!」
男はホログラムで浮かび上がる機能付きのスマホらしきものを操作して、このコンテナ内のマップを表示してきた。
「おっ、ありがたい機器があるもんだ。」
●宇宙輸送コンテナ 転送ビーコン操作室前
「侵入者ウサ!」「凍らせるウサ!」
何処かからかっぱらって来た銃器を使って、見張りのスノラヴィアンと撃ちあっているレジスタンスな人間達をヴィリーとエーファ達は見た。
「うわっ!しまっ……」
「きゃ!ああ!……」
しかしスノラヴィアンの方が感応も戦技も高く、あっという間にフリーズ・ガンで撃たれて氷のフィギュアと化してしまう人間達。
「そこで俺達の出番ってわけか」
「ケヒャヒャヒャ!よく警報を鳴らされねぇもんだ。自分らの力でやれるとでも思ってるんだな!」
「それじゃあ急いで倒さないと――。」
エーファがそう言った時である。
見張りスノラヴィアン達の後頭部に鋭い謎の衝撃が加わる。
「!?」「ウ……!s……」
不自然に倒れるスノラヴィアン。身構える猟兵と人間達。
ステルスを一時解除して姿を現す者がいた。
「警戒に対して慎重に、かつ容量を得た実証を確定する。」
ティティスだ。猟兵である。
「この部屋の奥の機械を壊せば、この星の人類は宇宙にさらわれずに済むと確認する。それで合っている?」
「!……ああ。情報を聞いた限りではその通りだ!」
「承知した」
そう言ってティティスはまたもや消えると、部屋の扉が空き。
数秒後、スノラヴィアンを攻撃する音と、幾度かの衝撃音が響く。
「任務は完了した。」
赤い光とサイレンが鳴り響き、ティティスはステルスを完全に解除した。
「エマージェンシー!エマージェンシー!転送ビーコンが破損!内部侵入者によるものウサ!」
「!その部屋に青いレバーは無かったか!」
「ある」
「そのレバーを倒してくれ!もしもの為のコンテナ保冷物資全解凍システムの起動レバーらしい!」
ティティスが解凍レバーを引くと、輸送コンテナの全ての部屋に蒸気の様な霧が噴出される。
むせるスノラヴィアン。溶ける人間達。
「次はこの薬だ!」
「そいつは何だ!?」
「あまりにも商品価値がない奴は『お宝』に加工されたと聞いている!そいつらを都合よく元に戻す解除薬だ。不審な石像や琥珀像を見なかったか?そいつにかけてくれ!」
それは人間達が頑張ってスノラヴィアンから奪取してきた、心強いアイテムであった。
一人二人元に戻してもすぐに再冷凍されるだけ。
しかし解凍相手が猟兵であれば……。
エーファとヴィリーは手分けしてまだ固まっている猟兵を元に戻しに行き、その際にかかって来るスノラヴィアンの排除、いわば梅雨払いをティティスが担当した。
「何ウサ!?今度は何ウサ!?」
「せっかくとらえた人間達が全員脱走を図ってるウサー!」
「宝物スペースもヤバいウサー!」
「どうしよどうしよ」
困惑するスノラヴィアン。
その中で勢い強く機械を叩き、ドン!という音で周囲を黙らせるスノラヴィアンがいた。
「もういいウサ。輸送コンテナ全区画『放棄解放』。
戦闘準備ウサ。こんな舐めた真似してきた侵入者は……残らず冷凍刑ウサ!!」
そう言って赤い自爆スイッチの様なボタンを押すスノラヴィアン。
だがそれは自爆スイッチではない。
広がる天井。分解されるコンテナ。
スノラヴィアン達の後ろに、巨大な人型パワードスーツ兵器……バトルアーマーが浮かび上がった。
●そして
惑星クロマルの平地に置かれた超巨大宇宙輸送コンテナ。
それが今、パックリ2つに割れる様にして開く。
周囲に取り付けられていた全部屋も落下分離。
元から凍っていなかった人間達が惑星防衛軍の如く指揮をして人間達を遠くへと逃がしている。
今いる場所は、天井が取っ払われた空っぽの巨大コンテナ(東京ドーム一万個分くらいの広さ)の中にいるという感じだ。
コンテナの全ての天井はスライド移動して地面に落下、取り除かれ、猟兵達のいる場所の上空にはまっさらな空が見える。
見上げると、空。
その空いっぱいに無数の宇宙船が隊列を成して飛んできた。
タル型、うさ耳付き、フリーズ光線機銃で武装された、やたらスピードの出そうな宇宙船から、宇宙海賊スノラヴィアンが沢山乗り出して猟兵達を見下ろしていた。
その手には三連フリーズ・ハンドガン、フリーズ・スナイパーライフル、フリーズ・バズーカ砲等、様々なフリーズ・ガンの強化改造銃器を手にしている。
「お前達がウサ達が危惧していた『猟兵』ウサね!?」「よくもやってくれたなウサ……!」
空だけではない。コンテナの壁を勢いよく破砕してやってくるスノラヴィアンもいた。
彼らは自らの宇宙船『スノラビ号』を変形させたバトルアーマーに身を包み、強力そうな各種冷凍銃器を構えている。
『バイオ簡易操作による猟兵対応氷結ウイルス、完成したウサ!やろうと思えば火や高熱も凍らせることができるウサ!上手く使うウサ!』
どこかからそんな通信音も聞こえて来た。
逃げ惑う人々、包囲し、襲撃を行う『宇宙海賊スノラヴィアン』。
彼らは逆上してこの事件を引き起こすトリガーとなった猟兵達を決して許さないだろう。
ここが正念場だ、戦え!イェーガー!
チル・スケイル
ぬ。武装した宇宙人軍隊に、キャバリアにも劣らぬ巨大兵器群。食事の心配をしている場合ではなさそうですね
絶凍を発つ船に、我が氷雪を巡らそう…アイスシップ、浮上!
さて、仕事をしましょうか
魔力式エコーロケーションで、敵バトルアーマーを捜索
アイスシップ周辺に攻撃魔法陣を展開、雪弾幕を一斉射。アーマーに雪を貼り付け、透明化と視界を阻害します
半端な攻撃は通じない、ならば氷の
衝角を生成。突撃してアーマーを貫き、一撃離脱します
アイスシップはサイズ故に敵の射撃を全て避けられない事が懸念点。凍りつき、飛行が阻害されそうですが…
氷を魔力に変換し、私の中に取り込んでいきましょう
…食べ過ぎましたかね
●
「ぬ。武装した宇宙人軍隊に、キャバリアにも劣らぬ巨大兵器群。食事の心配をしている場合ではなさそうですね」
再冷凍されて保管されていたチルは、凍りながらぐっすり眠っていたが、いつの間にか解凍され起きていた。
そしていつの間にか、重武装な宇宙海賊に囲まれていたのだった。
『絶凍を発つ船に、我が氷雪を巡らそう…アイスシップ、浮上!』
颯爽とユーベルコードを発動する。
船には船。チルが床を踏むと地面から浮き上がる様に巨大な氷の帆船が召喚され、浮かび上がる。
氷の帆船はそのまま宙を舞い、大空に飛んでいく。
スノラヴィアン達の宇宙船団を掃討する見込みだ。
「さて、仕事をしましょうか」
飛空するアイスシップの下から飛んでくるバトルアーマーのスノラヴィアン。
上空からは宇宙船をバトルアーマーに変形させたスノラヴィアンが降下してくる。
「ボコボコにして分からせてやるウサー!」
「グルメなスケイル星人でも容赦はしないウサー!」
「こちらこそ。美味しい氷料理が出されないなら最早捕まる意味もありません。雪弾、氷弾、装填。冷凍光線発射準備」
チルの空飛ぶ氷帆船から、無数の氷で出来た砲台が突き出ると、空飛ぶスノラヴィアンの宇宙船やバトルアーマーに一斉射撃を放つ。
「ウサー!」「怯むなウサ!」
着氷性の氷砲弾で氷漬けになって吹き飛ばされたり、冷凍光線で巨大な氷塊に閉じ込められるも、彼らはすぐさま氷を引きはがし進軍する。
スノラヴィアンもまた氷属性。半端な氷攻撃は通用しづらいのだ。
「着艦ウサ!」
「本体を凍らせるウサー!」
「ぬ、いつの間に」
気が付くとチルの目の前にステルスを解除して氷の帆船に乗り継いだバトルアーマー・スノラヴィアンが。
スノラヴィアンの種族はクリスタリアン。搭乗するバトルアーマーにも【クリスタライズ】のユーベルコードを搭載したステルス機能を有しているのだ。
チルは狙撃杖『カシュパフィロ』によるスナイパー氷弾でバトルアーマーの隙間を狙った装甲貫通。
大杖『ラケート・ランティーロ』による氷バズーカ弾での吹き飛ばしで、スノラヴィアンを船から吹き飛ばしていくが、数が多い。
スノラヴィアンからの冷凍光線や氷結ミサイルの弾幕が来る。
拳杖『パフィロ』や突撃杖『ストゥーマ・フシロ』で弾幕を張り、ミサイルを破壊。氷片が吹雪の様に戦場に散る。
迂闊にも冷凍光線レーザーを喰らってしまう。
「凍ったウサ!」
否、チルは凍っていない。
「美味しい冷気ですね。」
強烈な冷気の光線を浴びて凍り付いた傍から、自身の身体に吸収していくチル。
チルもまた半端な氷攻撃は通用しないのだ。
「効かないウサ!?」「これだからリュウリン……じゃなかったスケイル星人は!」
「冷気がご馳走ウサ?こうなったら沢山食べさせてお腹いっぱい食辺りにして倒すウサ!」
ひるむことなく大量の冷気と冷凍銃、冷凍光線を囲んで浴びせ続けるスノラヴィアン。
「うぷ……仕方ありません、少々揺れますよ!」
チルがあまりの冷気に気分を悪くし床に手を着くと、氷帆船を操作。
勢いよく高速横回転スピンをしてスノラヴィアンを遠心力で振り払った。
「「ウサー!」」
「まだまだこんなものではないウサ!」
「スノラヴィアンの恐ろしさを他の宇宙人にも刻み付けるウサー!」
再び進軍するスノラヴィアン隊。
「さっきのステルス厄介ですね。ならば。魔力式エコーロケーション、及び、パウダースノーチャフを起動」
氷の船を響慣らし、エコー音を起こす。
チルの聴覚に今いるスノラヴィアンを察知する。
更に粉雪が一斉に船の全周囲に展開。
雪が付着した部分が透明になっていき、ステルス機能を起こすスノラヴィアンを見つけ出す。
「もう一回転。と共に雪弾幕一斉掃射!」
帆船がスピンし更に飛翔してくるスノラヴィアンを振り払うと、大量の雪玉が、察知したスノラヴィアンに向けても発射。
「う、ウサ!?」「前が見えないウサー!」
「氷の衝角ラムを生成。これよりアイスシップはヒットアンドアウェイを取ります。」
氷の帆船が高速で動き出す。
スノラヴィアンの宇宙船にも負けない速さで向こう岸へと跳んでいくと、Uターンして突っ込んで来る。
「ウ、ウサー!?」
「氷の衝角ラムを生成。突撃!」
飛んでいるバトルアーマー・スノラヴィアンに、船の先端で勢いよく突撃!
「ぐえウサッ!」
強烈な刺突衝撃を喰らいスノラヴィアンの数体が爆散消滅を起こした1
「そ、装甲を貫通されたウサ!?」
「なんてダイナミックな!」
「怯むなウサー!凍らせて動きを止めるウサー!」
こうしてチルはアイスシップにて、空中で何度も突撃と離脱を繰り返し、突撃に巻き込んだスノラヴィアンのアーマーと宇宙船を破壊していったのであった。
「…食べ過ぎましたかね」
操作しながらも息切れする。
船に付いた冷凍弾弾幕さえも吸収したチルは食あたりレベルの極大な冷気を耐えず吸収する。
自身の中に、スノラヴィアンの大量の甘美な冷気がこれでもかと溜まって、ふらつきながらチルは戦っていた。
成功
🔵🔵🔴
エーファ・マールト
「ぎゃっはっはー! つまりあれか、憂さ晴らしをしようってことか、そりゃあ災難だ。ここは腕の見せ所だなあ!」
ですかねえ!? ただでさえウサウサばかりな皆さんを引きつける役目、この私が担ってみせましょう。ハンドパペットとお話ししながらいつも通り、平常心。
さて、仕掛けといっても先ほどちらとお見せした《棘戯術》をここでも披露させていただくのですが
透明! 飛翔! 何よりあの硬い装甲。あれらを突破する方法を。1、2、3の合図でお出ししてみせましょう
猟兵をも氷結させるならその脅威度は推して知るべしです。では1、2、3ハイ!
「タネはてめぇで蒔いたもの、仕掛けを御覧じろ!ケヒャヒャヒャ」
……仕上げですよね
ヴィリー・フランツ
心情:OKOK、兎狩りの時間だ。
手段:【宇宙海兵強襲部隊】を召喚、飛行型揚陸艇には俺の装甲気密服と各武装を積載して貰う、ついでに煙草とライターも持ってきた?パーフェクトだ。
装備を装着したら後は海兵隊を展開、パワードスーツには海兵の携帯ロケット、地上に降下したスノラビ歩兵にはレーザーライフル、上空の小型艇は浮上した揚陸艇からの銃撃、そして大型の母船がいたら…俺自らが小隊を率いて揚陸艇で強行接舷し内部を白兵戦にて制圧を試みるぜ。
●WIZ対策:敵からの要求は何だ?何れにせよ俺からの返答はこうだ「クソ食らえ!」通信士、返信しろ。
こっちは部下も含め完全防備の気密服だ、ウィルスなんて効かねぇよ。
●
「OKOK、兎狩りの時間だ。」
ヴィリーが指を鳴らすと、宇宙飛行型強襲揚陸挺が現れ、中からスノラヴィアンに負けない程の重武装な海兵隊が現れた。
ヴィリーのユーベルコードにして私兵、
宇宙海兵強襲部隊である。
彼らは火をつけるライターと新しい紙巻煙草も持ってきた。
「ん、ついでに煙草とライターも持ってきた?パーフェクトだ。」
「よし、乗り込む奴は着いてきな。野郎ども、今日は死ぬには良い日だ!」
ヴィリーと、エーファ(とカーニェ)の乗った宇宙船が大空に飛び立った。
「ぎゃっはっはー! つまりあれか、憂さ晴らしをしようってことか、そりゃあ災難だ。ここは腕の見せ所だなあ!」
「ですかねえ!?」
エーファ(とカーニェ)はヴィリー乗ったの宇宙船の上にしがみついて機会を伺っている。
ヴィリーの部隊が揚陸艇から分離していく。
この時の為に用意した重力圏用ジェットパックで空を飛び、レーザーライフル、ロケットミサイルなどの火器でスノラヴィアンを迎え撃つ。
「迎撃、迎撃ウサ!1猟兵たりとも逃さず凍らせるウサ!」
向こうからもロケット砲、3連装バルカン、冷凍レーザー光線等が放たれ、撃ち合う。
下から氷結バズーカ砲を撃ち込んで来るスノラヴィアンに揚陸艇は上を取り、空からレーザーライフルの雨を放つ。
「ウワーッウサ!」
「弾幕が濃いウサ!あいつ軍艦呼び寄せたウサ!?」
「誰か手の空いてる奴、プランFの確保に移るウサ!」
「アイアイウサー!」
地上部隊スノラヴィアンは近づけない、近づかせない。
近くにスノラヴィアンの小型艇が近づいてくる。銃撃戦だ。
小型艇から伸びて来るフリーズ・マシンガン機銃による冷凍弾幕が揚陸挺を凍り付かせていく。
だが負けじとヴィリーの部隊が機銃の銃撃を浴びせ、1機1機落としていく。
1隊対多隊による戦況は五分にもつれ込む。泥沼の戦いである。
「特攻ウサー!」
ブーストで飛んできたバトルアーマー・スノラヴィアンが巨大氷結バズーカ砲を構える。
「やっちまいな!」
すぐさま重装甲気密服で飛び上がった宇宙海兵隊の一人がカウンター気味にロケット砲を放つ。
氷結バズーカは命中、爆発し、海兵を丸ごと氷に閉じ込めて墜落。
と同時にロケット砲がスノラヴィアン側の揚陸艇に着弾し爆発。炸裂しながらこちらも墜落した。
「敬礼させるヒマもないってか。凍ってちゃあな。全く忙しい日だぜ。」
するとヴィリーはひときわ巨大なスノラビ号の宇宙船を発見する。
「大型母船だ!このまま突っ込むぞ!」
その母船から小型艇スノラビ号が多数出撃しているのが見える。
装甲気密服を装備したヴィリー達は防護も完璧に、全速力で突撃。
「撃ち落とすウサ!」
母船から大量の小型艇が揚陸艇を迎え撃つ。
「それではただでさえウサウサばかりな皆さんを引きつける役目、この私が担ってみせましょう。」
「ギャハハハ!お前は目立ちやすいからな!
安全対策の無え空中ブランコの始まりだぜ!」
ハンドパペットのカーニェの声と同時に、揚陸挺の甲板に出ていたエーファは駆け出し、飛ぶ。
空中、飛んできた小型艇。
「はい!」
その冷凍光線や氷弾の弾幕をアクロバティックに回転捻りで躱しながら、小型艇の1つに着地。
そのガラスに大量のトランプと、種の様なものをぶちまける。
「ま、前が見えないウサ!?」
更にエーファは跳躍し、小型艇の1つのうさ耳を掴むと、トランプと種をばらまきながら再跳躍。
「あの子娘、うざいウサ!」
「照準がぶれるウサ、どうにかして撃ち落とすウサー!」
上から降りて来る小型艇。更に囲んで放たれる氷結弾幕。
「凄いです。皆見てくれてますよ!」
「これからどんな目に合うかも知らねぇ間抜けな観客ががっぽりだぜ!ギャラも弾んでもらいてえなあ!」
エーファは手から取り出した大量の風船で対空しながら、空中で跳躍して次の小型艇へ。
そうして小型艇を引き付けている間に向かった揚陸挺の全力突撃は、横から母船をへこませる程の衝撃を以て完了する。
轟音。穴が空くほどの衝撃。
母船内にアラームが鳴り続ける。
「「ウ、ウサー!?」」
「野郎ども、突撃開始だ!」
強行接舷を試みたヴィリー達
宇宙海兵強襲部隊は、空いた穴から突撃する。
「応戦しろウサ!フリーズ・バズーカで通路ごと凍らせて防ぐウサー!」
フリーズ・ガンとレーザーライフルの光線が飛び交う。
母船は既に大部隊を出払わせたのもあって、徐々にヴィリー隊が進軍。
そのままブリッジまで強行する。
「よく来たウサ……だがこいつを見るウサ!」
ブリッジには多数のスノラヴィアン。
その内の1人がでかい液体窒素の様なタンクを見せる。
「猟兵用に改造した惑星氷結ウイルスウサ。死なば諸共。今からこいつを爆発させてお前達と共に凍って海に沈んでやるウサ」
「ほーう?」
「更にこいつらもつけるウサ!」
ブリッジの外、窓から見える様に飛翔するバトルアーマー・スノラヴィアンが2体。
彼らに挟み込むように抱えられているのは、氷塊。
この惑星の住民達が丸ごと沢山閉じ込められた氷塊だ。
「武器を降ろして投降するウサ。そうしたらこいつらを解放してやるしこの惑星からも手を引くウサ。」
「できなければコチコチに冷凍保存したこいつらを粉々に破壊するし、氷結ウイルスも再拡散するウサ!」
スノラヴィアンがタンクと猟兵、交互に銃を突きつける。
「(最も、今『猟兵』側にじわじわと別に漏らしたウイルスを足元から撒いてるウサ。このままたじろいでいればじきに我々の勝利ウ)」
「『クソ食らえ』だ」
ヴィリーは答えた。
「そうウサか。じゃあ――」
「はい。私達の出番ですね。たいへん長らくお待たせしました。」
惑星民達の氷塊にすとんと飛び乗るバニーがいた。
エーファである。
「ウサ?」
「はい、『仕掛け』を今配り終えた所なのです。仕掛けといっても先ほど電子ロックの際にちらとお見せした《棘戯術》をここでも披露させていただくのですが。」
「あいつ……先に飛んできた人間ウサ?」
「うさ耳生えてるけど我々よりおっきな……」
「良い的ウサ!」
バトルアーマー・スノラヴィアンが氷塊を腰から伸ばしたワイヤーアンカーで固定して距離を引き、挟み撃ちにする様に大型冷凍光線ライフルを構える。
見えてはいないがステルス能力で後ろや上下からもバトルアーマーが武器を構えて迫っている。
「透明! 飛翔! 何よりあの硬い装甲。あれらを突破する方法を。1、2、3の合図でお出ししてみせましょう」
「やっちまえウサー!」
指示をしたスノラヴィアンも銃をタンクに向ける。
「その脅威度は推して知るべしです。では1、2、3ハイ!」
銃撃、そして破砕音。
戦場上空のあちこちで響き渡る。
「……ウサ……」
指示をしたスノラヴィアンはその光景に目を見開きながら眉間と手の銃を撃たれ、破損。
周りにいたスノラヴィアン達も、スナイパーばりのレーザー射による早打ちで、ウイルスタンクに傷つけず撃ち抜かれた。
と同時に、外にいたバトルアーマー達は内側から一斉に棘を生やす。
装甲を内側から破壊する、エーファのユーベルコード
棘戯術だ。
何を隠そう先程の電子ロックもこれで内側を破壊して開けた。
声も上げずに次々と、小型艇とバトルアーマーが、派手な花火の様に棘を生やして爆散する。
まるでカーニバル・パレードのクライマックスの様な花火が、空中に無数に撃ち上がる。
「タネはてめぇで蒔いたもの、仕掛けを御覧じろってな!ケヒャヒャヒャ」
「……仕上げですよね」
「うるせぇよ」
「……っとすみません、そっちの戦艦でこの氷回収していただけませんか。ショーの締めとして!」
エーファは爆発の衝撃でワイヤーが切れ、落下する惑星民達を閉じ込めた氷塊に乗って、墜落。
「やるじゃねぇか!おかげで楽に仕事が進んだぜ」
ブリッジのガラスを破ってヴィリーと海兵隊が飛び降りる。
別動隊が動かしていた揚陸挺が下に滑り込むと、氷塊もエーファも彼らも見事に載せて離脱したのであった。
「大丈夫ですか?ウイルスとか……さっき猟兵も凍るとかで」
「こっちは部下も含め完全防備の気密服だ、ウィルスなんて効かねぇよ。人質はお前さんが何とかするのにかけてたぜ。そっちこそ無事で何よりだ。」
そう言ってヴィリーとエーファ(とカーニェ)は、作戦の成功にサムズアップを返したのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
リアン・ブリズヴェール
【アドリブ歓迎】【ソロ希望】
潜入時に【魅了変化】で4歳の花嫁風魔法少女になって子供と見せかけます
そして氷結が解除されるとすぐに【オルタナティブダブル】でファムを召喚してスノラヴィアンを引きつけて素手で戦います
でもスノラヴィアンの【フリージングプランダー】で理解不能判定をされて服ごと瞬間氷結にされて人質になってしまいます
そしてリアンを人質にされたらファムも降参してスノラヴィアンによって時間をかけて嬲られながら服はそのままに肉体を芯まで氷結させられてしまいます
そして2人揃って出荷用の箱に厳重に積み込まれてしまいそうです
●
宇宙輸送コンテナの中で氷結している、4歳の可愛らしい花嫁の氷像があった。
子供の花嫁の氷像は薄暗い中で商品として氷の輝きをもたらし、その場に佇み続けていた。
蒸気の様な霧が降りかかる。
「……う……」
身体が解凍されていき、その衣服が風を意識したような爽やかな緑の花嫁風魔法少女のものとなっていく。
魔法少女の様な軽いドレスの装いをした、腰までかかる緑髪の少女、リアン・ブリズヴェール(微風の双姫・f24485)。
彼女もまた猟兵であった。
「と、溶けまし、た?……はくしゅん!」
寒さでくしゃみをしながらも状況を確認しようとすると、突如コンテナが上から真っ二つになり、宇宙海賊スノラヴィアンの部隊が空から出現した。
「う、うわわ。どうしましょう。リアン、花嫁になって誰とも知らない人のものになってしまうかと思いましたけど」
たじろぎながらもやる事は分かっている。
リアンはユーベルコードを発動した。
己の中から魔力を発揮し、光のオーラに包まれると、その光を介してもう一人の自分。――即ち『ファム』が作り上げ、生み出され、その場に現れた。
「リアン……ここは?あのいっぱいいるのと戦えばいいんだね……リアンの為に!」
「う、うん、一緒に戦ってくれる、かな……」
ファムとリアンは抱き合って、お互い瓜二つの容姿ながらプリンセスの様な緑の魔法少女ドレス姿に変身し、宇宙海賊スノラヴィアンの部隊へと突撃した。
地上にいるスノラヴィアンの部隊。
兎耳の生えるごつくて青いバトルアーマーに身を包んだスノラヴィアンが、巨大な氷結銃器をリアンとファムに突きつける。
「世界を」
リアンがパンチをしてスノラヴィアンを殴りつけ、吹き飛ばす。
「氷漬けにしたら」
ファムがパンチをしてスノラヴィアンを殴りつけ、吹き飛ばす。
「だめーっです!」
覇気とプリンセスハートを込めた、リアンとファムの同時蹴りでバトルアーマー・スノラヴィアンの装甲がへこみ、吹き飛んだ。
「あ、あいつ、華奢なナリして強いウサ!」
「ま、待つウサ!ここにお前を止める氷結ウイルスが……」
スノラヴィアンが懐から怪しげに冷えた冷気のカプセルを交渉しようとする。
「私は正義の魔法少女」
「悪は正します!」
リアンとファムは聞き耳持たずに飛び掛かり、攻撃を仕掛ける。
「っ!?」
その瞬間、リアンは一瞬で冷気に包まれ、白く輝く氷像と化した。
「リアン!?一体どうして――」
「そこまでウサ!」
リアンの氷像が独りでに動き出し、ファムと対面する。
否、リアンの後ろに、リアンを抱きかかえるバトルアーマー・スノラヴィアンの姿が現れた。
バトルアーマーに備え付けられたステルス機能で不意打ちフリーズ・ガンを放たれ凍らされたのだ。
「今度こそ抵抗はよしてもらうウサ!ここには大事な人質がいるウサ!」
リアンを盾にする様に掲げるスノラヴィアン。
「リアン……!」
リアンは言葉を返さない。
「……わかりました。どうか、リアンを離して……」
そう言ってファムは膝を落とし、両手を挙げながらへたり込むようにしてその場に崩れた。
突如、ファムの後頭部に激痛が響く。
叩かれたのだ。バトルアーマーのスノラヴィアンに、武器で叩かれた。
「あうっ!」
倒れ込むファムにスノラヴィアンが囲み、げしげしと蹴り踏みだす。
「このウサ!」
バトルアーマーから降りたスノラヴィアンが蹴り、銃で殴る。
「今までよくもやってくれたなウサ!」
バトルアーマーのスノラヴィアンが踏み付け、大砲で背中を叩きつける。
「うっ、あっ、……リアン……」
涙をこぼしながら、全身に
痣が出来続けるも、耐えるファム。
リアンは抱えられているスノラヴィアンに傾けられ、目線を
嬲られ続けているファムの方に寄せられてしまう。
「……………………」
「じっと見てるが良いウサ。我々の邪魔をした罰ウサ」
凍って動かない体で、見開いたその眼のままで、延々と叩かれ蹴られ続けるファムを魅せ続けられるリアン。
「見つけてきたウサ!転送装置!まだ2,3人くらいは宇宙転送で競うウサ!」
人が数人入るくらいの小さなコンテナを運んでくるスノラヴィアンがやってきた。
「丁度いいウサ。仕上げにこのウイルスで完全に凍ってもらうウサ」
ファムは、氷像と化したリアンが見ている前で、惑星を氷結させるウイルスの液状態が入ったカプセルを飲まされる。
じわり、じわり、身体の中で氷結していき、結晶が出来上がり、肺も呼吸できず、肉体がじわじわと芯から凍り付いていく。
「……リ……ァ……」
ファムは何かを懇願するように手を伸ばした状態で、完全な氷像と化してしまったのだった。
「さあ、こいつらだけでも銭を稼ぐウサ。手ごろなコレクターにでも出荷ウサ!」
凍り付かされた二人の魔法少女の氷像は、簡易的に厳重に保冷コンテナの中へと梱包され。
光を浴び、そのまま宇宙の何処かへと消えていった。
グリモア猟兵が帰還転送を起こすまで、二人仲良く並べられ、梱包用リボンで巻かれた二人の氷像は、誰とも知れぬ宇宙人に可愛がられる事となる……。
成功
🔵🔵🔴
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に
「げほ…うっ…おがっ…!」
石像から元に戻れたあたしは…体内に注ぎ込んだセメントを吐き出すことに苦戦していた。慣れない事をするんじゃないと実感しながら、アンナが戦うのをしばし見守るしかなかった…。
セメントを吐き出し終わったら、戦闘開始よ!集団の先頭にいる何人かのスノラヴィアンに、【催眠術】を掛けて味方のスノラヴィアンを凍らせるよう指示。
連携が途切れたら現実偽装解除!魔王の姿に戻り、【属性攻撃】で炎を纏わせた【衝撃波】をスノラヴィアン達の足元に発射し、さらに陣形を崩しアンナがユーべルコードを放てる隙を作るわ。
「さぁアンナ!やってしまいなさい!」
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と共に
生身に戻れてさぁ戦闘だ…と思ったら、オリガがしゃがんでえずいている…。まぁ最初はきついからねあれ。私?もう慣れたよ。
しばらくオリガ役に立たないから、その間は時間稼ぎ。突っ込んでスノラヴィアン共を【なぎ払い】、【範囲攻撃】で片づけていくよ。攻撃されそうになったら、空を飛び回り(【空中戦】)攻撃を回避していこう。
オリガが復帰し、陣形を崩してくれたらスノラヴィアン共の中心に移動し、ユーべルコード発動。血の剣が刺さったなら、私の血液に流れる【呪詛】を体内に流し込み、確実にトドメを刺していくよ。…自分たちが為そうとした所業の報いを受けて、地獄に落ちるといい。
●
「げほ…うっ…おがっ…!」
現地惑星民からの不思議な解除薬でセメント像から元に戻っていった二人。
その内のオリガは苦しそうに悶え、中のセメントを吐き出し、荒く呼吸を続ける。
「あーそれ。まぁ最初はきついからね。私?もう慣れたよ。」
それを冷たい目で見て、一通り収まるのを待っているアンナ。
何度石に、セメント像にされたか分からないオラトリオなのでこういうのは既に慣れたものなのだ。
しかし敵は待ってくれない。
スノラヴィアンの部隊が今にもかかって来る。
「生身に戻れたしさぁ戦闘だってね。オリガが落ち着くまで時間を稼ぎますか。」
「なーにを余裕かましてるウサ!」
「これだけの数ウサ!猟兵でもただでは済まさないウサ!」
「改めて花嫁百合っプルの氷像に仲良く凍らせ変えてお前達も宇宙のどことしれない所に出荷してやるウサー!」
フリーズ・ガンによる冷凍弾丸の弾幕を放ってくるスノラヴィアン。
「普通の戦いになるのなら遠慮はいらない。あなた達……『処刑』してあげる。」
アンナは白と黒の翼を広げながら、鋸刃状の剣と処刑用の剣を手に突撃する。
凄まじい勢いでの横振りが放たれる。
「ウ、ウサー!?」
一撃の勢いで何体かのスノラヴィアンは切り刻まれ、その身が爆散。
直撃を免れたスノラヴィアンも剣の風圧によって弾幕ごと吹き飛ばされていく。
「こいつならどうウサー!」
横入りでバトルアーマーのスノラヴィアンがガトリング冷凍銃による冷凍弾幕を放つ。
それをアンナは身を翻しながら空中に羽ばたいて跳躍。躱しながら、滑空するように接近する。
「な、早いウサ」
引き斬るようにして装甲を、エグゼキューターで傷つけラストレクイエムで両断。
バトルアーマーが切り刻まれて中のスノラヴィアンごとバラバラになって地に落ちた。
「こ、こいつ強いウサ!?」
「今えずいてるあっちの方を人質にして弱体化させるウサ!」
スノラヴィアンはアンナの猛攻を何体か掻い潜り、オリガの方へと接近。
三連装フリーズ・ガンで冷却しようとする。
「はあ……はあ……慣れない事するんじゃない……わね!」
床に口から出した溶解セメントをまき散らしながら、ぎん、と目を光らせる。
その光を、魔眼を浴びたスノラヴィアン達の神経が狂わされる。
「【催眠術】よ……人質にするなら味方にしてやりなさいスノラヴィアン!」
「ウ、ウサ……」
「な、なにをするウサ!?うわっー!」
バシュバシュと冷凍弾がスノラヴィアンの1体に集中放火され、カチンと氷の塊に閉じ込められた。
スノラヴィアンは冷気耐性が強い。故に沢山冷凍弾を撃ち込んで簡単に氷が崩れないよう、とても硬く凍らせられた。
「な、なにをしているウサー!?」
動揺し、戦線が乱れるスノラヴィアン達。
「今だ!」
「隙が出来たわね!」
アンナとオリガの目が魔眼によらず光る。
『テクスチャー解除。全力でお相手するわ。』
オリガがユーベルコードを発動し、禍々しい大鎌を手にした、青いゴスロリ服を着たドS魔王へと変貌する。
その鎌に炎を纏わせ、ぶんと振ると、スノラヴィアン達を溶かす様な炎の衝撃波が放たれる。
「「「ウ、ウサー
!!」」」
スノラヴィアンは溶けたり吹き飛んだりしながら陣形を崩していく。
「さぁアンナ!やってしまいなさい!」
『この剣から逃れられると思うな』
吹き飛んだスノラヴィアンの部隊の中心にアンナが舞い降りると、1280本、無数とも思える様な大量の血の剣を空間に生成、全方位に弾幕の如く撃ち放った。
「ウ、ウサ!?」
「あ、ああっー!」
スノラヴィアンのクリスタルな体の中にアンナの血が入っていき、身体が赤い絵の具の様に真っ赤に染まる。
それはアンナの呪詛である。
「…自分たちが為そうとした所業の報いを受けて、地獄に落ちるといい。」
スノラヴィアン達は赤い飛沫を放ちながら、
尽く爆散していったのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
わー!何とか解凍して脱出していたら大変なことになってますー!?
ともあれはいいろ・きゃんぱすさんと一緒に迎え撃ちます!
恐らく凍結系は効かないと思うので別の方法で対策しましょう!
はいいろさんの召喚する黄金の手による黄金化や石化ガスによる石化
わたしはとりあえず【石化ポーション】投げつけたり【蝋シャンパン】の罠を仕掛けたり【カーボンフェアリー】をけしかけたり【ドリアードブリンガー】で樹にしたり【ジュエリーカメラ】で宝石像にしたりと…手持ちのアイテムを可能な限り使って撃退…というかオブジェに変えていきます!
(他の人が巻き込まれたらごめんなさい~!)
(最終的に凍るかどうかはお任せします)
●
「わー!何とか解凍して脱出していたら大変なことになってますー!?」
解凍の霧を浴びせられ元に戻ったテフラときゃんぱすは、空一面を覆う大量のスノラヴィアン軍隊に慌ておののいた。
抱きしめたまま凍り付いた二人だが、氷が溶けても抱き合ったままだ。どうしようという困惑での抱き合いだが。
「ボコボコにするウサ!」
「凍らせてお前達だけでも再出荷ウサ!」
「そんな事はさせませんよ!迎え撃ちましょうはいいろ・きゃんぱすさん!」
「んー……」
きゃんぱすはここで掴まりえらいことをされ凍らされた上に商品として出荷されるテフラの同人誌を素早く描き上げようとしている。
「はいいろ・きゃんぱすさん!?」
「ちょっとダメね。いい感じのが思い浮かばないわ。シチュ不足というか軍隊多すぎてバトル展開になってるって言うか……いやさっきドコかで手ごろなシチュなかったかしら?」
「何言ってるんですかはいいろ・きゃんぱすさん!このままじゃピンチですよ!」
「……テフラくん!アレを見て!」
急にきゃんぱすはテフラをぐいと掴み、バトルアーマーに乗っていないスノラヴィアンを見せる。
特に胸の辺りを見せさせる。
「……ふくらみがありますね。」
「あっちのも、あっちのも……もしかしてこの宇宙人」
「全員、女の子ですか
……!?」
そう、実はスノラヴィアン、女性海賊団である。
船員の大体は身長2分の1のクリスタリアンの女の子で構成されている。
「うっへっへ、ショタも良いけどあんなちんちくりんの幼女がやってきた未開の星であられに固められ逆に観光のオブジェにされる……シチュがわいてきたわあ!やるわよテフラくん!」
「乗り気になりましたか!」
「こいつら全員逆に売りさばきましょう!同人誌として!」
「同人誌なのは譲らないんですね!」
「くふふ…素敵なモデル…いっぱいいっぱい…♪」
「な、何ウサ!?」
きゃんぱすは無数の原稿用紙に様々な攻撃手段を描いて、スノラヴィアンに襲わせた。
「いきなさい!黄金の手!」
「ウサー!?」
はいいろきゃんぱすが紙に描いた黄金の手がスノラヴィアン達を掴み上げると、スノラヴィアン達は物言わぬ黄金の像へと変わり果てていった。
「石化ガスで悶える姿も見たいわ!」
はいいろきゃんぱすが紙から放った石化ガスが辺りに充満する。
「ウ、ウ……サ……」
あっという間に呼吸困難に陥り、銃を落として苦しみ悶えたままのスノラヴィアンの石像があちこちで完成していった。
「凍結触手でいたいけな氷像にしてあげる!」
はいいろきゃんぱすの撒いた紙から、触れると凍り付くいかがわしい無数の触手が放たれる。
「う、うわーウサ!?」
触手に絡めとられ、一瞬だけ冷気に包まれてカチコチに凍り付くスノラヴィアン。
だが2秒後、あっさりと氷を砕いて動きを再開する。
「あーっ!いい!1秒でも凍ってしまった所があったらそこから永遠に凍ったシチュが描けるう!」
きゃんぱすは今の瞬間を必死に紙に描きとどめた。
「ぼ、ボクも続きましょう!」
スノラヴィアンの宇宙船隊が、空から急襲してテフラ達に襲い掛かる。
「石化ポーションです!」
「ウサー!?」
テフラが薬品をぶん投げると、スノラヴィアンと宇宙船は灰色に固まっていき、外に顔を出していたスノラヴィアンも中で操縦しているスノラヴィアンもみんな硬い石に化えられてしまう。
「蝋シャンパンです!」
「ウサー!?」
テフラが大量の蝋が詰まった真っ白なシャンパンをぶちまけると、蝋液の掛かったスノラヴィアンと宇宙船がドロドロの蝋に包まれ、べしゃりと地面に落ち、白く固まって動けなくなった。
「カーボンフェアリーです!」
「ウサー!?」
テフラの袖から放たれた炭素冷凍妖精が4匹、「□」を作るようにして立ちはだかると、炭素冷凍の結界膜を形成。
膜を通った宇宙船とスノラヴィアンは、プシュウと音を立ててカーボンフリーズの壁に閉じ込められ、無機質で硬い炭素の身体と化して地面にごとりと落ちた。
「ドリアードブリンガーです!」
「ウサー!?」
テフラが美しい装飾が施された木の短剣を宇宙船に投げると、そこから無数の樹木と蔓草と花が湧き出、外に顔を出していたスノラヴィアンや中で操縦しているスノラヴィアンが樹木に覆われ、次の瞬間には木目美しい樹木の像と化し、地面に落ちて滑り、動かなくなった。
「ジュエリーカメラです!」
「ウサ!?……
……!?」
テフラが不思議な宝石で出来たカメラでスノラヴィアンと宇宙船を撮ると、それらは一瞬で宝石に……ならなかった。
「あ、あれ!?」
スノラヴィアンはクリスタリアン。アイスクリスタルの宝石で出来た人型宇宙生命体。
元から宝石像が生命を持って動き出したような奴らなので宝石化は効かないのだ。
「今のカメラはよくわかんないウサ!」
「とりあえず没収ウサー!」
「うわあ!?た、助けてはいいろきゃんぱすさんー!」
「あっ、どうしたのテフラくん。触手いっとく?」
「え、うわあー!大惨事です!!?」
いつの間にかきゃんぱすは冷凍触手を大量に展開してスノラヴィアン達を絡めとっていた。
冷気は効かないが触手は効いており、スノラヴィアン達が触手でちょっとアレな事になっている。
「ウ、ウササ……」
「気持ちいいウサ……あっ、あっ」
なんかえらい声を放ちながら、時折噴き出す冷気で凍り付いては氷が落ちる。
その瞬間をスクリーンショットでもとるかの様に光の速さで描きとどめるきゃんぱす。
「と、兎に角たのもしいでうひゃあ!?」
テフラもまた凍結触手に絡めとられ、スノラヴィアン達同様に冷たい冷気を送り込まれる。
「く、癖になりそうで……」
テフラは言い切る前に、あっという間に身体の中に冷気が溜まって、全身が氷像として凍り付いてしまった。
思わず口元から垂れた
涎がそのまま凍って氷柱になっていく。
そのまま、はいいろきゃんぱすは兎という兎を触手に絡めとっていったのだった。
成功
🔵🔵🔴
四王天・燦
『転送』ビーコン破損のワードで催眠解いて、火属性攻撃な狐火燃え上がらせ復活…って裸同然だ
適当な布切で隠すけど丸腰だわな
攻撃をジャンプやダッシュで避けながら逃げ惑うぜ
そうだ話し合おう!(キリッ)
氷の花嫁になれって要求はNO
ウイルスには多少の抗体ができたんで元気に抵抗し、逃げながら拾った紙切れをベースに、血で四王稲荷符を突貫制作する
氷河期魔法一発かませりゃ充分よ
投石したり、転落したラヴィアンからフリーズガンを盗み攻撃で奪って大暴れ
銃器は超へたっぴなんで撃てば跳弾が自分に当たって氷の装身具みたいになっちまう
兎に角暴れて敵をおびき寄せる
多勢に無勢。最後通牒の要求には氷漬けが良いと返すぜ
てめーらのな!
相打ち上等
集中攻撃喰らって凍り付いても、気合と根性で符術"氷華艶舞"を完成させっぜ
凍結耐性ごと
本場仕込みの氷で包んで
封印術をかまして躯の海へと凍結便で送ってやる
ざまあ、みやがれ―
氷で彩られて凍結して、冷たい夢に微睡んでしまう…
(※やっぱり綺麗に描写希望です)
●
さかのぼる事少し前、猟兵達が氷漬けになっていた住民を解凍する際。
燦は『転送ビーコン』破損のワードで自らの催眠を解き。
「……ぷはっ!ぜえ、ぜえ……少し寒いな……いて!」
花嫁姿の氷結レリーフから自己解凍をしていたのだった。
溶けて、小さくなり、砕ける氷。
と同時に、宙に浮かぶような氷塊に閉じ込められていたため、床にどしゃりと倒れるように落ちた。
「くそっ、中から狐火燃え上がらせ復活……って裸同然だ適当な布切は……っと。あと、丸腰だわな」
ふと見るとスノラヴィアンの宇宙海賊服ジャケットが置いてあった。
小さく、袖丈が短いがギリギリ着れる。こいつも羽織ろう。
女性用だったらしいので思ったよりはフィットした。
下もギリギリ、ミニスカ程度のスカート付きジャケットだったので隠れてはいる。
●
そして現在。
大量のスノラヴィアン達が開かれたコンテナ内の猟兵達をくべなく探している。
打ち倒す為である。
「こりゃヤバい。大群が押し寄せてきてるじゃん。そうだ話し合おう!(キリッ)」
燦はそう決めると開けた場所、スノラヴィアン達の軍勢の前に姿を現した。
「おーい!降参する!こっち降りて一旦話し合おうぜ!」
「その期限はとうに過ぎたウサ!旅行客と言っていたけどやっぱりだましていたウサね!」
スノラヴィアン達が銃を構えている。
「取引には乗るぜ!どうすればいい?」
「それじゃあもう一度商品になるウサ。おまえ狐耳と尻尾が出てるウサね?狐獣人の花嫁は東洋の神秘としてそれなりに高く売れるウサー!」
「あ、それはNO。やっぱお前達おしおきな。」
「やれウサ!」
スノラヴィアン達が霧のようなものを噴霧してきた。
猟兵にも効くように調整された惑星氷結ウイルスを再び散布し始めたのだ。
だが燦は凍り付く様子すら見せず、平気で立っている。
「……氷結ウイルスが回る時間はどれくらいウサ?」
「即効用のを撒いた筈ウサ」
「残念だったな。アタシはもう抗体が出来てんだ。」
燦は氷結ウイルスを身体に取り込んで凍り付いての潜入だった。
あらかじめウイルスを取り込むことで、身体に耐性が出来ていたのだ。
「う、嘘ウサ!そういう事を事前に察知して遺伝子単位の改造でウイルスは調整した筈……」
「でも実際効いてないウサ!?」
それは、燦がそれ以上に、今まで様々な世界で凍り付いてきたからだろうか。
「んじゃこっちから行くぜえ!」
燦はその辺の機材の欠片(鋼鉄に近い材質)を手あたり次第投擲。
スノラヴィアンの宇宙船の1機がフロントガラスを突き破られ、爆発し、墜落する。
「ウ、ウサ~」
目を回して中で気絶しているスノラヴィアン達からフリーズ・ガンを奪う燦。
「銃器は超へたっぴなんで、数撃たせてもらうぜ!」
「かかれウサー!」
スノラヴィアン達の宇宙船団とバトルアーマーが向かってくる。
それを燦は手あたり次第拾ったフリーズ・ガンで乱射する。
フロントガラスに命中し、カメラが氷結して視界不良で墜落する宇宙船。
ガチガチの氷塊になるまで凍り付かされ身動きが取れなくなるバトルアーマー。
その中で燦は、あちこちに撃ったせいで跳ね帰ってきた跳弾に当たる。
「っ……いい感じになってきたじゃねえか」
氷の令嬢の装飾の様な煌びやかな氷が身体に徐々に付いていくが、意にも介せずフリーズ・ガンを乱射する。
「取り囲んで凍らせるウサー!」
おびき寄せられる様に、大量のスノラヴィアンが燦に向かってくる!
「多勢に無勢。相打ち上等。最後通牒の要求には氷漬けが良いと返すぜ……てめーらのな!」
全方位からフリーズ・ガンの氷結弾丸が乱射され、燦の身体が凍り付いていきながら。
『御狐・燦が命ず。符よ、氷河期魔法と合わさり、凍れる花となりて美しく舞え!』
燦はユーベルコードで生み出した氷の稲荷符で陣を形成し、触れたあらゆるものを凍らせる花びらの花吹雪を辺り一面に放った。
「本場アイスエイジクイーン仕込みの氷で包んでやるぜ。躯の海へと凍結便で送ってやる」
「ウ、ウサ……!」
スノラヴィアン達にも凍結耐性はあるが、それすらも貫通した、デビルキングワールドの氷河期の女王の力の再現。
「こ、凍るウサ……氷が解けないウサ
……!?」
「わ、我々が……あいつに……ウ……サ……」
極氷の花吹雪に覆われたスノラヴィアン達は、見るも無残に全身を凍てつかせ、その場にオブジェとして佇む事となったのであった。
「ざまあ、みやがれ―」
それと同時に氷に侵食され、遂に全身がくまなく凍り付いてしまう、燦。
スノラヴィアンの氷像に囲まれて美しく凍り付いたそれは、
まるで兎の小人達に祝砲を掲げられて祝福されている、美しき結婚式に出向いた氷の女王様の様。
凍てついたミニスカドレスジャケットに着いた薔薇の様な氷の華々が、装飾の様に燦を彩る。
鮮やかな氷で彩られた世界の中、燦達は凍結している。
「(……………………………………)」
燦は冷たく寒い氷の中で、冷たい夢に微睡み続けるのであった……。
成功
🔵🔵🔴
第3章 ボス戦
『テラフォーミング・エレメンツ『テラ』』
|
POW : アストロジカル・ジオメトリクス
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【星の生まれる星屑の素】で包囲攻撃する。
SPD : トーキング・ハーバリウム
対象に【希望する植物】を生やし、自身とのテレパシー会話を可能にする。対象に【任意的に解ける、友好的な気持ち】の状態異常を与える事も可能。
WIZ : ボタニカル・プラネット
レベルm半径内を【植物の生い茂る豊かな生存圏】とする。敵味方全て、範囲内にいる間は【植物を愛し、活かす技能やUC】が強化され、【それ以外】が弱体化される。
👑11
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●
「た、沢山やられたウサ―!」
猟兵達にボコボコにされて甚大な被害を被ったスノラヴィアン達。
「も、猛撤退するしかないウサ!?」
「う……ここまでやられてしまったらもう、奴らを拉致してもお釣りが来ないウサ」
「こうなったらアレを出して我々は逃げるウサ!」
残った1割程のスノラヴィアン達は、ひときわ大きな宇宙船スノラビ号から、何やら生物が入った緑のカプセルをこの星に投下した。
「本来は、全部凍り付いて死の星になった惑星に使う『テラフォーミング』用の生態兵器ウサ。
でも商機を逃したこの星にはもう用が無いウサ。
『テラフォーミング・エレメンツ『テラ』』投下!この星を動物のいない緑豊かな惑星に再構成するウサー!」
そう言って全てのスノラヴィアン達が宇宙に撤退した直後、星に降りたカプセルから緑の爆発。
その中から目覚める、華を纏う緑の女神。
「―――――」
彼女の周囲が、海が、機械が、コンテナが、空を飛ぶ鳥や魚が、どんどん植物に変じていく。
このままではこの星の全てが彼女の力で草花に変わってしまうだろう!
この生態兵器を打ち倒す事で今回の任務は終了となる。
戦え!
猟兵!
チル・スケイル
あの置き土産を我々にぶつけ、その間に逃げるつもりのようですね
敵の思い通りは癪ですが、対処しなければ星が滅ぶ
これより、最終目標を討伐します
並大抵の攻撃は植物にされる…ならば、アイスシップそのものに魔力全てを預け、丸ごとぶつけます
目標、女神型オブリビオン。アイスシップ旋回…固定。
魔力充填開始。先ほど捕食した冷気を私の魔力に転換、並行してアイスシップに注入。
魔力回路問題なし。脱出用バックドア型魔法陣全開放。全砲撃魔法陣を推進魔法陣に変換。
完了。魔力充填率、120%
オールグリーン。アイスシップ、射出!
テフラ・カルデラ
※絡み・アドリブ可
無事に解凍してからの…大変なことになってますー!?(2回目
緑化とはいえ限度があるのですよ…!
こうなれば【全てを凍てつかせる小さな妖精】さんで防がなければ!
最初は良かったものの…向こうの方が浸食が早くて防ぎきれません!
妖精さんも植物に変えられて…はにゃぁぁ!?わたしの足も侵食していきます…!
このままだと草花に変えられちゃうのに…浸食される度に…何だか…心地よくなっ…て……あっ…
(兎の形の草花となり緑の女神に愛でられてしまう)
●
「あの置き土産を我々にぶつけ、その間に逃げるつもりのようですね」
チルは去り行くスノラヴィアンの艦隊を見上げつつも、目の前の敵に集中する。
「敵の思い通りは癪ですが、対処しなければ星が滅ぶ」
あの緑の女神……よく見ればトパーズの宝石が身体のいたる所に浮き出ている、クリスタリアンの一種であるようだ……は、周囲の地形や生物を次々と植物に変えている。
「これより、最終目標を討伐します。アイスシップそのものに魔力全てを預け、丸ごとぶつけ、一斉射撃で葬りましょう。」
氷船(アイスシップ)の甲板で冷ややかな視線を込めたチルは、全速力で地に降りた女神に向けて船を前進させていくのだった。
●
「はひ、はひ……ひどい目に遇いました……!」
一方、地上では、冷凍触手プレイでひどい目に遇っていたテフラの氷が溶けていた頃だった。
「あれ?はいいろ・きゃんぱすさんは?あの人は?あの人は……オブリビオンさんっぽいです!?うわあ!大変なことになってますー!?」
歌う様に緑の衝撃波を放ち、周囲を、惑星をどんどん植物に変えていくテラフォーミング兵器の女神にテフラは恐怖した。
「緑化とはいえ限度があるのですよ…!こうなれば【
全てを凍てつかせる小さな妖精】さんで防がなければ!……ってうわあ!?」
いつの間にか役目を終えてどこかに帰って行ったはいいろ・きゃんぱすの代わりにユーベルコードを変更し、悪戯好きな氷の妖精を召喚したテフラ。
その目前を横切る様に巨大な氷の船が現れたのだ。
●
「目標、女神型オブリビオン。アイスシップ旋回…氷結衝角、形成。」
巨大な氷の槍のような物体を船の先端に冷気を込めて生み出すチル。
「魔力充填開始……」
チルは強烈な一撃を与えようとエネルギーを溜めるが、悠長に待ってくれる相手ではない様だ。
女神は円を描くように両手を大きく広げると、1470発の、大砲にも似た巨大な
星屑を射出。
文字通り大砲の砲弾の勢いでチルのアイスシップに放たれる。
「アイスシップ、側面に旋回…全砲門開け。氷雪弾、発射!」
雪と氷の大砲、冷凍光線の一斉射撃を放ち、この星屑の弾幕を相殺していく。
空中で幾度もの爆発、破砕音が響く。
女神の星弾は多重な上に、氷の砲弾を破砕するほどの破壊力を持っていた。
「不甲斐無い。魔力を充填しようにも迎撃で精一杯です。」
チルは船を一度女神の周囲に旋回させながら弾幕を放ち続けている。
星屑砲弾が防壁となり、つけ入る隙間を防いでくる。
何か別の手を打つか、一か八か捨て身で特攻するか。
●
「す、すごい戦いになってます!?」
地上であたふたしながら猟兵とオブリビオンの戦いの様子を見るテフラ。
「わたしに出来る事は……あっ!?」
すると足元のコンクリの様だった地面が、既に一面緑の草原と化し、自分の足がそれにつられて緑色の植物に変じられようとしている所だった。
「きゃーっ!もしかしなくても植物化のオブリビオンさんですかぁ!?」
自分の靴、足が侵食され、
茎の様になっていく。
その内地面に根を張って、そうなればもう動けなくなり、テフラという名の花と化すしかないだろう。
「こうなったらイチかバチかです!妖精さんなら寒さで凍らせられますし、植物にも特攻です!」
テフラは地に着く度、くにくにと曲がる足を必死に動かして、あえて女神の方へ駆け出した。
氷花が見たそうな氷妖精も、つられてテフラと共に女神へと飛び込んでいったのだった。
●
「―― ――」
歌う様にユーベルコードの衝撃波を放ち、女神『テラ』は、あらゆるものを自身が愛する植物へと、その植物が生き生きとする緑豊かな生存圏へと世界を変えていく。
よしんば今チルが特攻を仕掛けても、砲弾も氷船も植物へと変じさせ、この星の生物の仲間入りを果たしていくだろう。
「―― ―― !?」
その暖かな世界に寒さを覚えた。
青白き衝撃波が、寒波が、草木を食べる兎の人型と共にやって来る不思議な妖精の冷気が、女神へと押し寄せてくるのだ。
「やってください
氷妖精さん!どこかの妖精宜しく冬を呼んで凍らせてあげるのですよー!」
氷妖精はふうっと、吸った息を吐き出す様な全力の息吹を吹く。
その息は絶対零度の凍てつく猛吹雪となり、この場の世界を覆い尽くす巨大な寒波と化した。
「――――!!」
女神はその冷気に押され、攻撃を中断し、寒さに苦しみながら敵意を兎達に向けた。
「その意気です妖精さん!このまま氷の華の楽園にしてやりま
……!?」
兎の猛攻は長く続かなかった。
夏も冬も雪原も火山も、惑星全土を緑に変えようとする生態兵器こそが女神の本領。
その権能を思いっきり兎達に向ければ……冷気も妖精の寒波も、全て春の緑に変えられるのだ。
「はにゃぁぁ!?妖精さんも植物に変えられて…わたしの足も侵食していきます…!」
氷妖精の頭から花が咲き、翅も葉に変わり、飛ぶ力を失いへろへろと落ちて来る所を優しく片方の手で取る。
顔もエーデルワイスの様な花となったそれを顔に近づけて、嗅ぐ。
匂いの無い、水分が多量に含まれている、美しい花だ。
「だ…だめ…草花に変えられちゃうの…いけないのに…浸食される度に…何だか…心地よくなっ…て……」
兎の身体もまたいよいよ地に根付く。
でもきっとあの子はこの子のお友達なのだろう。
ふっとタンポポを吹く様に息を吹きかける。
「…あっ…」
その花がふわりと宙を飛び、ふわふわとこっちに向かってくる。
もう片方の手に、今飛んできて、手を取った。
地から根を離れた、褐色にうさ耳の様な白い花びらを咲かせる、小さなリボンのついた可愛らしい花を。
やさしく、やさしく、その2つの花を頬に寄せ。
この冬の花2つを、愛しく、愛しく、受け入れましょう。
微笑みながら、辺り一面を更に豪華な花を咲かせていく。
●
「攻撃の手が緩みました。今が好機です。」
女神の視界の外、もう一つの冬。
「アイスシップ旋回…固定。」
氷雪の弾幕を最小限に留めながら、チルの氷の船が改めて向き直る。女神のその胸に向けて。
「魔力充填開始。先ほど捕食した冷気…全て私の魔力に転換、並行してアイスシップに注入。」
船が豪華で巨大な、1つの氷弩弓の矢と化していく。
「魔力回路問題なし。脱出用バックドア型魔法陣全開放。全砲撃魔法陣を推進魔法陣に変換。」
船の後方から、冷気による巨大なジェット噴射が音を上げる。
「充填完了。魔力充填率、105% 110% 115% 120%」
相手が惑星を緑に覆うなら、こちらは惑星を氷に覆おう。
あの宇宙海賊のウイルスより更に強力な、1本の氷の矢にて。
「オールグリーン。アイスシップ、射出!」
チルは持てる魔力と冷気を全て氷船に込め、飛び退く。
自爆特攻の如くロケット噴射して飛んでいく氷船。
春の緑の衝撃波と、冬の青の衝撃波を纏う氷船がかち合う。
それは女神の力を徐々に、徐々に、押し返し。
「――!!」
その身体を跳ね飛ばす様に、巨大な船の突撃の一撃が女神を貫いた。
周囲の緑の世界は、強烈な冷気によって一時的に凍てつき、破砕したのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
アンナ・フランツウェイ
オリガ(f12132)と共に
負けたからってまた面倒なものを…。だけど、相手が生命を司る相手ならこっちの土俵だ。だから…生命を滅ぼす呪詛の力、見せてあげるよ。
邪魔されるのが面倒なのと、テラフォーミングを止める為にも、向かってくる星屑の素を、【断罪式・彼岸花】で迎撃。【呪詛】を周囲に散布し、私達を攻撃してくる植物を枯死させながら進んでいくよ。「
接近出来たらオリガが燃やした場所目掛け、オリガと同時攻撃。傷が出来たら、私自身の血を塗り付けた武器を突き刺して追撃。【傷口をえぐる】で傷口を引き裂きながら、血液中の【呪詛】と武器を通した【生命力吸収】でトドメを刺す。生命を滅ぼす呪詛の力、思い知ると良い。
オリガ・ホーリエル
アンナ(f03717)と一緒に
また面倒くさいのが出てきたわねぇ。でもいくら強くても、私とアンナの力には勝てないわ。何故かって?あたし達の愛は最強だからよ!覚悟なさい!
星屑の素の迎撃はアンナに任せ、進路上にある邪魔な植物に向け鎌を振るい【属性攻撃】をのせた【範囲攻撃】、蒼い炎を纏った【衝撃波】植物を焼き切っていくわ。
接近後はさっきの攻撃に【全力魔法】をのせた一撃を放ち、ダメージを与えられたらアンナと共に突撃し、同時攻撃!アンナが呪詛なら私は蒼い炎。【属性攻撃】と【全力魔法】で直接テラの中から、蒼い炎で焼き尽くしてあげるわ。
「さっきも言ったてしょ、あたしたち二人なら最強だって!」
●
「また面倒くさいのが出てきたわねぇ。」
「負けたからってまた面倒なものを…。」
アンナとオリガは敵意を向ける。
イタチの最後っ屁の様に繰り出して来た、惑星改変生態兵器に対して。
「だけど、相手が生命を司る相手ならこっちの土俵だ。だから…生命を滅ぼす呪詛の力、見せてあげるよ。」
そう言ってアンナは処刑剣を手に、オリガは大鎌に魔王の炎を宿して突撃していった。
女神型生態兵器テラが息を吹きかけるようにして、生命の塊で出来たような輝く星屑を放つ。
それはまるで大砲の弾幕の様に襲い掛かる。
「相手が生命を司る相手ならこっちの土俵だ。だから…生命を滅ぼす呪詛の力、見せてあげるよ。」
アンナは全身から大量の血を放つと、呪詛を凝縮した無数の処刑道具を生成。
切り刻むようにして星屑を払いのけると、斬り飛ばされた星屑が枯れるようにして消えていく。
「――――」
テラが声を響かせると、無数の植物が壁の如く押し迫り、二人の進行を遮る。
「あたしが焼き払うわ!」
オリガが蒼い炎を纏った大鎌を振るうと、炎の衝撃波となって植物を焼き消していく。
「いくら強くても、私とアンナの力には勝てないわ。何故かって?あたし達の愛は最強だからよ!覚悟なさい!」
そうして二人はテラの懐に潜り込んだ。
「――――!」
鎧の様に編んだ高密度の植物でテラは自身を護りながら、大量の
蔓を触手の如く放つ。
触れればそこから侵食して花へと書き換える不思議な
蔓を。
『テクスチャー解除。全力でお相手するわ。』
オリガはドSな魔王の力を、腕力のみ限定解放すると、一層強力な蒼炎による大鎌でテラの胸を突くようにして振るう。
「そんな植物、あたし達の前では…セメントプレイの最中、体に咲かせる程度のギミックでしかない。世界全体をお花畑にしたら貴重さも失われるわ。」
柱の如き
蔓の塊を焼き斬り、テラの胸にも少々の貫通傷が付く。
「傷ができたね。今トドメを刺すよ。」
その中へとアンナが、否、オリガも同時に飛び込んだ。
「アンナが呪詛なら私は蒼い炎。」
「直接中から、生命を滅ぼす呪詛の力と――」
「蒼い炎で焼き尽くしてあげるわ。」
アンナがテラの胸に処刑剣を突き刺し、えぐる。
アンナの血が混じった生命を滅ぼす呪詛が入る。
そこにオリガの鎌も突きつけられる。
呪詛に火を灯すようにして全身に蒼い炎が迸り、呪いながらテラを焼き尽くした。
「―――――!!」
もだえ苦しむテラから離脱するように二人は、傷口を開き捌く様にして武器を振るい抜けたのであった。
「さっきも言ったてしょ、あたしたち二人なら最強だって!」
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
四王天・燦
凍れる花嫁姿のまま氷の華を咲かせ戦闘不能…
そこで文字通り切札たる『呪縛の静寂』を強制発動だ
カードに描かれたレリーフ姿の女精霊と立場を交代するよ
冷たい、きつい……!
覚醒するも花と茨で彩られた絶対零度のオリハルコンレリーフと化しカードに入り、召喚されて使われる
輝きを放つたび悍ましき金属の悦楽に蝕まれるよ
ぅ、あああ……頭が馬鹿に、なりそうだ!?
結界術でオリハルコン化の輝きをドーム状にして張り巡らせ星屑の飽和攻撃を凌ぐ
拾ったフリーズガンを両手で乱れ撃ちし氷属性攻撃で植物を防ぎ、氷面の反射を利用して輝きを浴びせてあげる
うふふふ――
愉しそうな精霊に対しアタシは疲労困憊だ
スノラヴィアンたちめ、覚えてろ……!
●
「…………………………」
スノラヴィアンの切り札が斬られて尚、花嫁の氷像と化している燦。
その氷像が敵オブリビオン『テラ』の波動に飲み込まれると、氷像から美しい氷の花が咲いていく。
「うふふふ――参ってる様ね。」
その時である、燦の氷像の中から虹色のカード状の輝きがもたらされると、
「私と交代しましょう。自然で埋め尽くすだけの星なんて馬鹿みたい。」
入れ替わる様にレリーフ姿の女精霊がその場に現れた。
その手には先程までそこにあった、氷の花が身体中に咲く花嫁の氷像姿の燦のイラストが描かれたカードが。
「――――」
テラは声にもならない声を響かせて、花びらを振りまくと、それらは星の生まれる星屑の素となる。
礫の様な星の弾幕が精霊に向けて飛んでくる。それらは飛距離に応じて徐々に巨大化していく、1粒1粒が惑星になろうとしているのだ。
「無機質な星なんて風情じゃないわ。女の子にしてあげる。」
精霊は先程の氷の花嫁のカードをかざす。
すると虹色の光を放って、燦が召喚された。
「(冷たい、きつい
……!)」
燦は精霊の力なのか、その姿を変質させている。
花と茨で彩られた絶対零度のオリハルコンレリーフのオリハルコン板がその場にドスンと舞い落ちたのだ。
「オリハルコンに変わりなさい」
そのレリーフが虹色の光を放つと、星屑が次々と、その星が擬人化したような女性姿のオリハルコンレリーフ像となって、重さを有してその場に墜落する。
精霊は次々とオリハルコンレリーフ像を増産しながらテラへと歩みを進める。
「(ぅ、あああ……頭が馬鹿に、なりそうだ!?)」
燦がその輝きを放つ度に、悍ましき金属の悦楽に蝕まれ、気が狂っていく。
「――――」
テラは精霊の周囲を囲むように、全方位から星屑の弾幕を放ち、浴びせる。
それに応じて精霊は燦のオリハルコンレリーフ像を更に輝かせ、ドーム状の光を張り巡らせると、星屑の飽和攻撃を全てオリハルコンレリーフ像に変えて落とす。
「行き過ぎた植物は枯らさないといけないわ。これ、なんだか解る?」
懐に潜り込んだ精霊は、カードの中から銃を取り出す。
先程までスノラヴィアンが使っていたものを拾った、冷凍銃フリーズ・ガンだ。
それを片手ずつ2丁持ち、ダブルハンドガン形式で乱射する。
「――――!!」
恐らくは燦が今纏っている白い絶対零度の冷気も乗せられた、テラをも凍てつかさんとする絶対零度の弾幕は、テラが咄嗟に生やした
夥しい量の植物の壁で防がれる。
「いけない子…」
精霊はなりふり構わず、でたらめな方向も含めてフリーズ・ガンを乱射し続ける。
次第にテラの周囲に展開された植物に、鏡の様な氷が張った。
「うふふふ――輝きを浴びせてあげる」
その時を待っていたかのようにすかさずオリハルコンレリーフ像を掲げる精霊。
オリハルコン化の輝きは植物の氷に反射を繰り返し、全方位から乱反射した強烈な光となってテラを満たした。
「――――
!!……」
テラはみるみるうちに身体を、硬く虹色に輝くオリハルコン像へと変えていき。
天然物から人工物へと変えられていった植物はどんどん進行を止め、硬い金属となって地に落ちていったのだった。
「うふふ、うふふふ――」
愉しそうに微笑む精霊。
使われる度に、中で意識を取り戻し保っている燦の体力は減っていった。
「(くそ……ぅ……おかげで疲労困憊だ……スノラヴィアンたちめ、覚えてろ
……!)」
白い冷気と虹色の輝きを放つ無機質な絶対零度のオリハルコンレリーフ像は、いつか来るかもしれないスノラヴィアンへの復讐を想い続けたのであった。
成功
🔵🔵🔴
ティティス・ティファーナ
SPDで判定
*アドリブ歓迎
「敵もエレメントか…忌悪なパルスだ、駆逐し撃滅する」
テレパシーを感受して解析し一度距離を取って『アストラル・エレメント・トランスフォーメーション』でファンネルビット/シールドビット/リフレクタービットを創造して展開し敵のUCを警戒して対応しながら攻撃や影響をテレポートで回避しながら1分先の未来を見ながらリニアロングボウとレーザービームで攻撃を仕掛けマルチスタイルで状況と戦況を注視しながら有害UCを反射リライズします。
可能な範囲で透明化し視聴嗅覚を阻害して敵を幻惑して対応を思案して好機を得たら全力での総攻撃を仕掛けます。
「いらぬ置き土産など滅却するしか選択肢は無い」
●
「敵もエレメントか…忌悪なパルスだ、駆逐し撃滅する」
アストラル・エレメントのティティスは何か近いものを感じたが、敵対する彼女はただ星を植物で覆わせるだけの存在。
意思疎通などできる筈もないとたかをくくる。
花を咲かせ、草木生い茂らせながら惑星を蹂躙するテラに向かって、ティティスは各種ビットを創造して飛び込んだ。
「――――」
テラが歌う様に草花を放つと、ティティスはその身体に黄色いミモザの花を咲かせる。
親愛の花言葉を持つミモザの感覚がティティスのアストラルと金属の骨格を通して精神に響き渡る。
怖がらなくてもいいよと、私達と一つになりましょうと。
何か優しげな声が体に伝わる気がしたが。
「解析。精神汚染のものと判断。一旦距離を取る。」
それらを振り切って遠距離に離脱後、ティティスはファンネルビットのレーザーを空中から雨の様に放った。
「いらぬ置き土産など滅却するしか選択肢は無い」
「――――」
焼かれる周囲の植物の中から、テラは更に声を響き渡らせ、無数の植物の蔦をティティスへと放つ。
それらの攻撃を流体金属を光らせ、閃光の如くテレポートをしながら回避。
全方位から包み込む様に
蔦による攻撃が来る。
蔦からは花を咲かせる花粉さえもがまき散らされる。
だがティティスは予測機能により1分前からその攻撃の未来を見ていた。
「『幽魔月精は機械魂魄』
A・E・T」
全身がアストラルエネルギーに変わっていく。
幽魔月精のエネルギー体となったティティスは、そこからアストラルエネルギーでリニアロングボウとレーザービームの砲台を創り上げると、お返しと言わんばかりにテラを平気で取り囲み、無数のアストラルエネルギー・レーザーを射出。
包囲攻撃を行った。
「――――!」
もう一度と、テラは声を響かせると。
今度はアストラルエネルギーの身体をも植物へと変じさせる波動を放ち、光の速さで動くティティスにもアストラルエネルギー体の花を咲かせていく。
ものの数秒でティティスという名の光も緑の塊に変わる事だろう。
「解析は既に完了している」
ティティスは先にユーベルコードを喰らった為、既にその技の対抗能力をアストラル体の中で組み上げていた。
自身の身体が緑化する前に、精神を通してアストラルエネルギーのパルスを放つ。
今度はテラに対して光の花が咲く。
レーザーの塊の様な高熱を帯び続けるその花は、テラの身体を精神から焼き尽くそうとしていた。
「――――!」
ティティスは突如、消える。
先の話で見せた
透明化だ。
否定の感情を乗せた花を咲かせ、突如視界から消えた。
あの子は今どこに……?
「好機を得た。これより滅却を開始する。」
困惑して植物操作にも隙が出来た時、ティティスは透明化を解除した。
テラの目前に透明化したまま仕掛けた各種ビット兵器と共に。
「――――!!」
ティティスの全方位一斉射撃がテラを襲う。
植物の女神は心身ともに、無数のレーザーで焼かれ続ける事となった。
成功
🔵🔵🔴
ヴィリー・フランツ
心情:クソっ!?奴らの旗艦を仕留め損なったか。作戦変更だ、奴等の投下した生体兵器を焼却して惑星環境を正常化する。
手段:餅は餅屋、破壊の専門家である【宇宙海兵戦闘工兵隊】を召喚する、工兵隊の火炎放射器と爆薬でテラフォーミング・エレメンツまでの道を強引に切り開くぞ。
俺もフレイムスロワーで増殖する植物を焼却する、多少の熱は問題ない、その為の環境変化に強い装甲気密服だ。
予備燃料は工兵隊のビークルに乗せておく。
テラフォーミングエレメンツと対峙後は、残った工兵隊と一緒に火炎放射だ、
機能停止するまで丸焦げにしろ
POW対策、星屑の元ってなんだよ種子なら燃やせば良いか
エーファ・マールト
あっ見てくださいお花さん! ふふっ可愛いですね。なんてハンドパペットの頭を撫でてみたり
「ケヒャヒャヒャ言ってる場合かよ。頭の中までお花畑になっちまったのか?」
確かになんだか体の自由がきかなくなってきました。このままでは全身花に覆われて動けなくなってしまいそう。なのに敵愾心がまるで出てこないんですよね。どうしましょう!?
ここは友好的な心すなわち理性を爆発させてしまいましょう! 《爆破脱出》の無限爆破でぼかんぼかんとド派手に爆発大脱出です。頭に花が生えたカーニェさん(パペット)も大事ですけどきちんとしまって…ではでは大大大爆発オチと参りましょうか! うっふふふふ!
●
「クソっ!?奴らの旗艦を仕留め損なったか。」
未だ空に浮かぶ揚陸艇の中、ヴィリーは宇宙へと飛び立っていくスノラヴィアンを見送った。
このまま追撃してもいいが、その前に地上を侵食するあの生体兵器を倒さなければこの星に明日は無いだろう。
氷と違い生命体を変質させるそれは、一般人が植物に変えられたら元に戻せるかも怪しい。
「作戦変更だ、奴等の投下した生体兵器を焼却して惑星環境を正常化する。」
揚陸艇を方向転換させ、地上におわす女神型生体兵器『テラ』を駆逐する事にした。
●
「あっ見てくださいお花さん! ふふっ可愛いですね。」
一方。
地上に着陸して緑の波動をモロに受けた猟兵がいた。
彼女、エーファは体中から色とりどりの花を咲かせ、文字通りのお花畑となった周囲にじゃれるようにきゃっきゃうふふと遊んでいる。
自身の頭から咲いた花を撫で、左手の黒兎のハンドパペット、カーニェにも咲いたお花を嗅ぎ、んーっと背伸びをする。
まるでここだけ平和な日差しに包まれている様だ。
他の地域もすぐにこうなる事だろう。
「ケヒャヒャヒャ言ってる場合かよ。頭の中までお花畑になっちまったのか?」
「ううん……確かになんだか体の自由がきかなくなってきました。あの方は敵なのでしょうか?」
咲かせる花の効果によってエーファは友好的な気持ちに染めあげられつつあった。
「敵に決まってんだろバカか!このままじゃ全身が物理的に花に覆われて死ぬぜ!」
「なのに敵愾心がまるで出てこないんですよね。どうしましょう?」
もうずっとこうしていたいな、と言いたげに、エーファは花畑の地面に寝転がろうとする。
寝転がる事は出来なかった。地面に膝を崩して着けた脚から根や茎が生えて、地面とくっついているからだ。
「チッ、こうなったらショーの時間だ!オイ、爆発脱出マジック準備するぞ!」
「爆発!脱出!?」
カーニェのその言葉にエーファは心を燃え上がらせた。
敵の友好より自身の好きなものを。即ちマジックであるなら話が違う。
演目はど派手な爆発脱出マジックである。
「そうですね、ここは友好的な心すなわち理性を爆発させてしまいましょう!あのお友達の中で!」
エーファは早速準備にと、取り出したトランプカードで足についた根茎を素早く切り取ると、テラのもとへと駆けだしたのだった。
●
「餅は餅屋だ。
宇宙海兵戦闘工兵隊、展開開始!」
ヴィリーはユーベルコードを発動し、空に追加の海兵隊を召喚する。
それは空に浮かぶジェットビークルを伴った幽霊戦闘工兵隊である。
「焼いて切り開け!」
ヴィリーの指示と共にビークル隊がテラに向けて突撃する。
「――――」
テラは振り払う様に星屑の弾幕を放ち、撃退しようとする。
それは星屑の素。
星屑が集まってできた星の素であり、時間経過でふくらみ、星になり、大地を浄化する。
「なんだよ星屑の元って。種子なら燃やせば良いか」
ビークル隊から火炎放射器が一斉に放たれ、幾何学模様的に乱発されている星屑の元を焼き払おうとする。
しかし焼き切れず、被弾して穴を空け、爆散していく工兵が出てきた。
「ちっ、爆破ならどうだ!」
ヴィリーは再三指示をする。粘土状の爆弾、即ちプラスチック爆弾を塊にして、すれ違い気味に星屑の元へ投擲して離脱していく工兵達。
離脱した後に粘土は輝き、大きな爆発をあげる。
星屑は粉々に砕け散った。
「オーケイ。このまま突き進むぞ!ビークル隊は予備燃料を積みつつ全部隊突撃!」
テラに近づき、火炎放射器の射程範囲に入る。
「――――」
テラは抵抗と言わんばかりに大量の植物を、敵意を向けてヴィリー達に槍の如く放つ。
「一片も残さず焼却だ。いいな」
ヴィリーも揚陸艇の上に上がり、火炎放射器を構えて、放ってくる植物を焼き尽くしていく。
蔦に絡まれ揚陸艇が動きを止める毎に、丹寧に焼いていく。
その際に燃え上がる炎や煙をヴィリー達は気にしない。
「多少の熱は問題ない、その為の環境変化に強い装甲気密服だ。」
宇宙服のようなアーマードスーツは燃え上がる熱も通さないのだ。
●
「あっ、あそこ、潜り込めそうです。それではやってみましょう!」
遂にテラの至近距離に潜り込んだヴィリーは、舞台と共に突撃、一斉に火炎放射を構え……その横をすり抜けるようにしてエーファが現れた。
「
機能停止するまで丸焦げにしろ。……ん?なん」
突如おもむろにエーファはテラの周りに大量の爆弾を仕掛け始めたのだ。
「待て、撃ち方もうちょっと退がれ!」
よく見るとそれは先程のバニー、エーファであった、筈である。
手のハンドパペットをいつの間にか取り、黒いゴスロリ服に無数の黒い手が浮く、異様な少女の姿となっていたが。
「お花さん、お友達になってくれてありがとう。お礼にとっておきのマジックショーを披露したいと思います!3,2,1……」
「うおぉっ、まさかもう爆破を」
轟音、爆裂。
テラが何かする前にエーファの爆弾が爆発する。
それも一度や二度でなく、爆発の最中に新たな爆弾が仕掛けられ、連鎖的に爆発していく。
「うっふふふふ!ではでは大大大爆発オチと参りましょうか!」
爆炎の中で笑う様に舞うエーファ。
その胸には花の生えた黒い兎のハンドパペットをしまっている。
「待っ……くっ、もう滅茶苦茶じゃねぇか!」
ヴィリーの火炎放射隊も反射的に火炎放射を放つ。
「――――ァァ、ァ――――」
その爆発と炎に焼かれ、テラフォーミングエレメンツ、テラの姿が完全に焼却され、消滅したのをヴィリーは確認すると、撤退命令を出す。
爆炎に自身や工兵隊が巻き込まれては叶わない。
予備のビークルを呼び出し、次々と乗って、焼け消えていく大量の蔦の中からヴィリーは脱出した。
「はい、脱出成功です!皆々様、どうかご拍手を!」
そのビークルの先端にいつの間にかエーファは立ち乗って、バンザイポーズを取っていた。
「……この一回だけの縁だが本当無茶苦茶しやがるな……まあいい!敵方の消滅を確認した。任務は完了だ。……あの艦隊はいつか覚えていろよ……」
こうして、テラフォーミング兵器は完全に焼却された。
鉄の惑星であったクロマルは全てを完全緑化する事も、完全凍結する事も免れ、猟兵達の活躍によって見事に平和を取り戻したのだった。
集まった住人達も、スノラヴィアンに抵抗していた者達がやがて元の国に返していく事だろう。
逃げ出したスノラヴィアン達はほぼ壊滅と言っていい程数を減らし、ウイルスも切り札も潰された。
いつかはやがて、また悪事を行うかもしれないが。
今暫くは、彼らも戦う事はできないだろう。
こうしてこの宇宙に、またひと時の平和が訪れたのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴