バトル・オブ・オリンピア⑨〜セラフ・セラフィム
●聖なる哉
燃える。
燃えている。
その其の光栄は全地に満ちるのだ。
「……燃えるぜえええええええ!!!!! 否応なくな!」
ダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』はアスリート魂を高らかに燃え盛る炎へと変じながら絢爛魔法領域『ウィンブルドン』にて咆哮する。
「此処が頂上決戦だぜ!! 猟兵とオレとの!!!!」
彼はアスリートアースでも最上級の豪華絢爛たるテニスコートに立つ。
無論、来る猟兵を迎え撃つためである。
「なんて炎だよ……!」
『アイン』と呼ばれる少女は熱血アスリート『大炎・丈』の気炎上げる様以上に迸る闘志を前にして足を一歩前に踏み出した。
しかし、あふれる熱気は、それだけでも超人アスリートたる彼女を押し返すほどだった。
この熱気を前にしては猟兵しか耐えうることはできないだろう。
「悔しいですが、私達では……!」
「なんたる気迫か! 凄まじいことだが!!」
『ツヴァイ』と『ドライ』たちは『ギャラクシィリーガー』によってサッカーフィールドに変えられた『WBC』のスタジアムが更に変形し、豪華絢爛テニスコートへと再び変貌する様を見た。
豪華絢爛。
そう呼ぶに相応しいほどのきらびやかなテニスコート。
「さ、ささ流石は『魔術決闘』を始祖に持つ超次元魔術競技テニス、です!」
『フィーア』が突如として語りだす。
どうした急に。
ていうか、今なんて?
「ああ、私達の『プラクト』大会のスタジアムを『最も絢爛にして深遠なる魔術儀式場』に変えるたぁな……! これくらいはやるだろうよ!」
『アイン』もさも知っていて当然みたいな感じでテニスの隠された真実を語っている。
「これが絢爛魔法領域『ウィンブルドン』……!」
ねぇ、なんかさっきから話が異次元に飛んでる気がするんだけど!
「熱血アスリート『大炎・丈』! やつの一打は大地を鳴動させ、砕き、マグマを噴出させるか!」
いや待って如何にアスリートアースが超人アスリートひしめく世界だとしても、急に超次元魔術競技だったとか持ち出してくるのはおかしくない?
猟兵たちの誰もがそう思っただろう。
なにその急に生えてきた設定。
だが、事実である。
これがアスリートアースなのである。
そして、この猟兵とダークリーガーの頂上決戦に最強の魔術防護を施された『ウィンブルドン』のコートさえも耐えられないだろう。
「故に!」
グリモア猟兵、ナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)は何故か後方で転移を維持しつつ腕組みして仁王立ちしている。
所謂イェーガー立ちである。
「この一打ごとに変形するテニスコートに対応しなければならないのです、皆さん!」
気合十分なのはわかるのだが、なんなのだろう。
猟兵たちはちょっと自分たちが幻覚でも見ているのかと思った。
なんか、存在しないテニスの記憶が突如脳内に溢れ出した。
いや、嘘。
テニスプレイヤーは多彩なユーベルコードを操る超人テニスの選手である。
その戦いは人知を超えて、時には天変地異さえもたらすと言われているのだから、別におかしいことはない。
うん、普通。
普通かな、それ。
「時に大地は鳴動し! ひび割れマグマさえも噴出するでしょう、旋風が荒び竜巻が幾重にも遅い来るでしょうし、隕石が宇宙からは降り注ぐでしょう! ですが! この戦い、皆さんの鍛え上げられた超人的な足腰と! 困難を乗り越える智慧があれば!」
ナイアルテは目を見開き、叫ぶ!
私達を誰だと思ってやがる!! と言わんばかりに彼女は腕組みし胸を張る。
「ダークリーガー、恐るに足らず! です!」
さあ、と彼女は後方転移維持しながら、どうしてそんなに強気になれるのかと思うほどにメラメラと闘志を無駄に燃やし、猟兵達を送り出す。
そう、これより始まるは天地鳴動たる『魔術決闘』! 燃え上がれアスリート魂! 燃やせ猟兵魂――!
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『バトル・オブ・オリンピア』の戦争シナリオとなります。
超人テニスの頂上決戦の始まりです。
アスリートアースにおいてテニスとは『魔術的決闘』を始祖に持つ超次元魔術競技です。
テニスコートとなったフィールドは試合に耐えるために幾重もの魔術防護が張り巡らされてますが、しかし、ダークリーガーと皆さんの頂上決戦には耐えられません。
一打ごとにテニスコートは砕け、マグマの噴出に上昇気流で竜巻が巻き興り、雷雲が稲妻走らせ、隕石も落下してきます。なんで?
そして、それは皆さんとダークリーガーとの応酬が続く限り止まることはありません。
ユーベルコードに寄る一打の応酬を行い、ダークリーガーを下しましょう。
プレイングボーナス……コート上の地形変化に適応する。
それではアスリートアースに巻き起こる熱きスポーツバトルの祭典を戦い抜く皆さんの物語の一片となれますように、たくさんがんばります!
第1章 ボス戦
『熱血アスリート『大炎・丈』』
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POW : 強敵と闘って…燃えるぜえええええええ!!!!!
【アスリート魂から生じる熱く燃え盛る炎】を纏い、攻撃力が8倍になる。ただし防御力は0となり、全ての攻撃が致命傷になる。
SPD : 例え逆境でも…燃えるぜえええええええ!!!!!
戦場全体に【激しく吹きすさぶ逆風】を発生させる。敵にはダメージを、味方には【逆境から生じる燃える闘魂と不屈の闘志】による攻撃力と防御力の強化を与える。
WIZ : どんな時でも…燃えるぜえええええええ!!!!!
【アスリート魂から生じる熱く燃え盛る炎】を放ち、命中した敵を【そう簡単に消せないどこまでも燃え広がる炎】に包み継続ダメージを与える。自身が【SNSでの問題発言や攻撃的な発言で大炎上】していると威力アップ。
イラスト:くずもちルー
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵
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種別『ボス戦』のルール
記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。
| 大成功 | 🔵🔵🔵 |
| 成功 | 🔵🔵🔴 |
| 苦戦 | 🔵🔴🔴 |
| 失敗 | 🔴🔴🔴 |
| 大失敗 | [評価なし] |
👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。
※このボスの宿敵主は
「仇死原・アンナ」です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。
フィア・シュヴァルツ
「ほう、絢爛魔法領域ウィンブルドンか……」
『知っているのですか、フィア様!?』
「うむ。昔、我が若かりし頃には、魔術決闘が流行っていたものよ。
この世界ではテニスとか呼ばれているようだがな」
昔を懐かしみながらラケットを握り――
空飛ぶ箒の上に仁王立ちしながらコートに入ろう。
かつて、魔術決闘の女王と呼ばれた我の実力、見せてくれるわ!
「大炎・丈とやら。魔術決闘で空も飛ばずに戦おうとは――笑止!
地割れやマグマに飲み込まれるがよいわ!」
このままでも敵は自滅するだろうが、ここは真の魔術決闘を見せてやろう!
【隕石召喚】によってフィールドごと敵を吹き飛ばしてくれようぞ!
「ふははは、魔術決闘に隕石は付き物よ!」
『絢爛魔法領域ウィンブルドン』
その起源は『魔術決闘』である。
古代アスリートアースのフランスの修道院においてはボールではなく、珠……すなわち磨き上げられた玉を打ち合うことで互いの魔力を増幅し、膨れ上がった魔術でもって民の安寧を祈る絢爛豪華たる光景を生み出したと言われているという。
現在においては日本、欧米のみならずアジアなどに広がり、時にアスリートマフィアによる非合法な地下試合としてダークリーガーの興行の要となっていると言われている。
なーんて!
そんなこともあるかもしれないしないかもしれないけれど、兎にも角にも今は『バトル・オブ・オリンピア』の真っ最中である!
ふふふ、私が猟兵塾塾長『菜医愛流帝』である。
とかやっている場合ではないのである。
「ほう『絢爛魔法領域ウィンブルドン』か……」
だが、そらとぶ魔法のほうきの上にて仁王立ちしていたフィア・シュヴァルツ(漆黒の魔女・f31665)は昔を懐かしむ遠き眼差しでもってテニスコートを見下ろしていた。
『知っているのですか、フィア様!?』
使い魔の鴉『フギン』が驚愕する。
「うむ。昔、我が若かりし頃には、『魔術決闘』が流行っていたものよ。この世界ではテニスとか呼ばれているようだがな」
手にしたラケットを握りしめ、フィアは遥か上空より、ダークリーガーでもあり、熱血アスリート『大炎・丈』へとラケットを突きつけるようにして宣言する。
「『大炎・丈』とやら」
「ぬっ! 貴様は……!」
知っているのか、『大炎・丈』!
「かつては『魔術決闘』の女王と呼ばれた魔女……! よもや貴様が来るとはな!」
『フギン』は思った。
なんかダークリーガーもこっちの茶番に乗ってくれてる……! と。いや、茶番ではない。本気である。
その闘志を見ればわかる。
燃え盛る炎のようなアスリート魂から生じる闘志。
それを見て、付き合いよいな、とか考えてはいけないのである!
「ほう、我の名を知っているか。だが、魔術決闘で空も飛ばずに戦うとは――笑止!」
振りかぶったフィアの一打が炸裂する。
その一打は重たく鋭い。
だが、『大炎・丈』は拾ってみせたのだ。その衝撃でテニスコートが避け、割れる。なんで?
噴出するマグマを彼は躱し、叫ぶ。
「ふっ! 空を飛ぶ相手に地を這う者が勝てぬ道理など、すでに克服しているんだぜ!! 全ては熱血でカバーできる! できるできる! やれないことなんてないんだぜ!!!」
吹き荒れる闘志と共に放たれるスマッシュ。
それをフィアは受け止めながら笑う。
「なるほど、なかなかに骨のある男よ! だが、これを受けてもなお闘志みなぎらせることができるか! 受けよ、我が、隕石召喚(メテオストライク)スマッシュの一打を!!」
煌めくフィアの瞳。
炸裂するは、天空より召喚された巨大隕石。
いや、スマッシュは?
ボールは?
関係ない。
フィアの一打は隕石となって降り注ぐ。
それがテニス! いや、ボールが隕石ってデカすぎんだろ……とか、そういうの野暮である。
「な、なにぃ……!?」
「ふははは、魔術決闘に隕石はつきものよ! これぞ我がメテオストライクスマッシュ! 幾人もの決闘者を屠った我が必殺の一打に真の強者が如何なるものかを知るが良い!」
『フィア様、まるっきり悪役なんですが……』
『フギン』の言葉など無視して、フィアは笑い続ける。
そう、勝者こそが絶対正義!
フィールドを隕石でぶち砕こうが、勝てばよかろうなのだ――!
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
実は私はテニスもほんの少し先っちょくらい
どちらかと言えば硬式よりも軟式の方が馴染みが深い、ペーパーテニスプレイヤー!
そう!テニスとはああいう…
…そうはならん!
これはシングルスなのかダブルスなのか…
|バーリトゥード《なんでもあり》?
そうだね…
ラケットを構え、コートへ入場
ラケット→だいたい棒→実質剣
つまりラケットは私の得手!
得手って決まったんだよ今ここで!
地形変化で足下が悪ければバウンドで変な所へいく
なら全てボレーで返す!
【Code:F.G】起動
飛んでボールに対応しつつ
飛んでません感を出す為にコートの上ギリギリで浮ぶ
そしてボールを返したらネットを超えた辺りでボールに超重力照射!
直角に落ちる魔球!
炸裂するは猟兵とダークリーガーによるユーベルコードスマッシュの応酬。
すでに『絢爛魔法領域ウィンブルドン』のテニスコートは隕石の落下によってクレーターと化していた。
凄まじい威力である。
だがしかし、ダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』は立ち上がる。
クレーターが生まれるほどの衝撃を受けてなお、彼は立ち上がるのだ。
例え逆境でも構わない。
逆風が己に吹いていても、それでも不屈の闘志と燃え尽きぬ闘魂がある限り、『大炎・丈』は立ち上がるのだ!
「燃え上がるぜ……! 俺は! 燃えるえぇぇぇぇっ!!!!」
「うわ、うるさ」
月夜・玲(頂の探究者・f01605)はラケット構えてテニスコートに入場していたが、あまりの声量に耳を塞ぐ。
そう、彼女はテニスをほんの少し先っちょくらい齧ったテニスプレイヤーである。
どちらかというと硬式テニスより軟式のほうが馴染みが深いのだ。
誰だ、軟式はペーパーテニスプレイヤーなんて言ったやつは!
「ていうか、これはシングルスなのかダブルスなのか……」
「|バーリトゥード《なんでもあり》だ!」
「そうなの?」
「そうとも!」
「そうだね……なら、やってやろうじゃん!」
びし、と玲はラケットを『大炎・丈』に突きつける。
……いや、それ。
どう見ても彼女の得物、模造神器であった。青く光っている。
あーっと此処で審判というか、後方転移維持面していたグリモア猟兵がかけよります。審議、審議でーす。
「いい? ラケットって、だいたい棒だよ? ほら、ラケットの半分が持ちての棒。で、棒ってことはさ、実質剣だよね?」
そうはならんやろ。
誰もが思った。けれど、玲はニコリと笑う。う、顔がいい。
「つまりラケットは私の得手! 得手って決まったんだよ今此処で!」
そうはならんやろ。このリプレイ始まって二度目である。
だがしかし、玲さんはゴリ押す。
「もしかして、模造神器にビビってるヤツいるぅ? いないよねぇ!?」
「おう!」
おうじゃない。
『大炎・丈』はむしろ、どっちでもよかったのかもしれない。テニスができるんならなんでもよかったのだ。
例え、玲がラケット握って無くて、模造神器ぶんぶんしていてもだ!
「やろうか! この俺の熱き魂を喰らえ!」
おっらぁ! と迫るは炎のスマッシュ。いきなりダイレクトスマッシュ! いいのか、それは! けれど、すでにテニスコートはクレーターによって荒れ放題。どんなふうにボールがバウンドするかわからない。
ラリーなんてまともにできるわけがない。そもそもいきなりスマッシュである。
「それなら全てボレーで返す! Code:F.G(コード・フル・グラビティ)、起動!」
玲の瞳がユーベルコードに輝く。
放たれた炎のスマッシュに飛びつくようにしてボールに対応し、拾う……いや、ダイレクトボレー!
放たれる強烈な一撃は、確かに凄まじいものだったが、しかしどう考えても人間のできる動きじゃあない。
どうして……??
「時代は重力制御!」
玲はユーベルコードに寄って解き放った超重力で持ってコートを飛翔しているのだ。
テニスに飛んだらダメってルールはない。
ルールにないならやっていいのである。
あ、いや、玲はあくまで飛んでませんよ感を出しているが、飛んではいる。この超人アスリートひしめくヒーローズアースのカメラ判定を舐めてもらっては困る。でもセーフ。ルールに書いてないからセーフ!
「受けてみなよ、私の必殺スマッシュを!」
放つ一打。
それは凄まじい勢いで『大炎・丈』の顔面へと飛ぶライナー!
あわや顔面に! と思った瞬間、玲の照射した超重力がボールに当たり、重力を得て直角に落下したのだ。
「これが私の必殺スマッシュ! 直角に落ちる魔球!」
コートに激突する超重力ボール。
それはクレーターのようにえぐれた大地を激震させ、さらに鳴動を持ってコートの奥底から荒れ狂うマグマを噴出させ『大炎・丈』を焼き尽くすのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
陰海月「ぷっきゅ!」
…陰海月語を翻訳します…
なるほど、これがテニスなんだね!!
(多大なる勘違い)
大丈夫、ぼくならいけるっ!
ラケットにぎにぎして、うん、よし!
さあこい!ぼくが打った球も、コート
くだけるけど!あと眩しいけど!
できるだけ、変化した地面にボール返そうっと!
ぼくはかすかに浮いてるから、地形変化は関係ないし、どんなに球が重くても怪力だからへっちゃら!
吹き上がるマグマは…うん、四天霊障(極彩色)の結界が守ってくれる!ありがとう、おじーちゃん!
※このままだと、テニスにとんでもない印象がつく陰海月。終わったら、おじーちゃんたちは試合動画見せようと思った
無論、言うまでもないことであるがアスリートアースの超人テニスと他の世界のテニスは起源が異なる。いや、違うかも知れないけれど、今はそういうことにしておこう。
此処、アスリートアースの超人テニスは元を正せば『魔術決闘』を祖としている。
そう、一打返すごとに魔力が増幅され、その増幅された魔力でボールが重たくなる。その応酬で持ってボールを打ち返せなくなった方の負けなのだ。
そんなとんでもないテニスであるからして、猟兵とダークリーガーの頂上決戦に至れば、そりゃまあ、テニスコートだって割れるだろうし、マグマだって噴出する。
本当に? と馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)と思ったが、実際にダークリーガーである熱血アスリート『大炎・丈』が噴出するマグマに飲み込まれる光景を見れば、納得せざるを得なかった。
「……これは本当に大丈夫なやつなんですかねー」
「いや、マグマの噴出程度でダークリーガーが死ぬだろうか、と思うほうが正しいのやも知れない」
「それもそれでどうかと思いますが」
『問答やっている場合ではない、来るぞ!」
彼らは『陰海月』とユーベルコード四悪霊・『虹』(ゲーミングカゲクラゲノツヨサヲミヨ)によって合体し、備える。
噴出したマグマ。
その迸りから霊障結界でもって『陰海月』を守る。
「ぷきゅ!」
ありがとー! と声が聞こえる。
だが、今はその礼を聞いている暇がない。噴出したマグマの底から『大炎・丈』が一歩踏み出し、凄まじい炎の……それこそ、闘魂満ちるスマッシュを繰り出しているのだ。
「どんな時でも……燃えるぜえええええええ!!!!!」
彼の一打は猛烈だった。
『陰海月』の怪力をしてなお、ありあまるほどの威力。
触腕を束ねて漸く打ち返せるかどうかというほどだった。しかし、打ち返したのだ。触腕でしっかり握りしめたラケット。
その一打は1680万色に輝くとなってテニスコートへと叩き返される。
コートは変化しないが、しかし滅茶苦茶眩しい!
「うおっ! どうなっていやがる! ボールが……なんか、ゲーミングカラーみたいに光っていやがる!!」
そう、『大炎・丈』の言う通りだった。
『陰海月』の放った一打は1680万色に輝くボールとして彼を襲っているのだ。
眩しければ、目測を謝る。目測を誤ったのならば、振るうテニスラケットも空振りしてしまうだろう。
だが、相手もダークリーガー!
さるものである。空振りする、と思った瞬間、その手首を返して強引にボールを捉えたのだ。しかし、そのボールは芯を食っていないため、威力が落ちる。
「ぷきゅ!」
いける! と『陰海月』は奮起する。
これがテニスである。
多大な勘違いであるとは思うのだが、四悪霊たちは思った。そもそも合体できるからといって『陰海月』が出てきて良いものなのか。
いや、教育的なことを考えれば、どう考えたって悪い。
どう見てもテニスに対するとんでもな印象が植え付けられてしまうだろう。
「どうする?」
「いや、どうすると言われましてもー」
「動画、あれがあったじゃろ。あれを見せて……」
「混乱するだけでは?」
『大炎・丈』と『陰海月』の間に行われるラリー。その間、ずっと四悪霊たちは今後の教育方針について、あーでもないこーでもないと議論を交わすのだが、『陰海月』はテニスって派手で楽しいなって拭いようのない超人テニスに感化されるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
葛城・時人
ウン暑い熱い!焼けこげそう
あと普通の感性だと頭痛が痛くて対戦不可能そう
でも
「勝ちにいくよ!」
継戦能力とか限界突破とか空中機動とか結界術とかも使って
「絶対倒す!今は冬だよ季節考えろー!」
テニスは親のお相伴だけでも
「打ち返すだけならOK!」
能力者機動の為起動!
UCは白燐剣光大神楽
ラケットに光剣重ねて球を受ける
乾坤一擲の一打来た!
でも突発的な暴走でSNSで炎上するヒマなかったぽいし
全力の能力者機動で攪乱回避の上で返す!
おっと…敵もさるもの
気合で打ち返してきたね!でも残念
「お前は縫い留められた!」
継続ダメ入りっぱ足場最悪
気合で打ち返されても絶対イケる!
「よし!くらえ!(今考えた)重光球スマッシュッ!」
「これが猟兵……なんてやつらだ……!!!」
ダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』は続く猟兵たちとのラリーに疲弊する。体力は大幅に消耗しているはずだ。
まさか己についてくるプレイヤー、アスリートがいるとは思わなかったのだろう。
彼にとってスポーツとは熱だ。
大いに燃えることのできること。打ち込めることだ。
だからこそ、己以上に闘魂、アスリート魂を燃え上がらせることのできる者など居ないと思っていたのだ。
だが、今まさに『絢爛魔法領域ウィンブルドン』において、猟兵たちは変形するテニスコートの地形にさえ適応してくるのだ。
打ち返した一打をさらに返してくる。
その応酬のたびに熱気が燃え盛る。
「……燃えるぜえええええええ!!!!!」
咆哮が轟く。
吹き荒れる炎。
その熱波を受けて葛城・時人(光望護花・f35294)は思わずうめいた。
「ウン暑い熱い! 焼け焦げそう!」
「それはお前の魂が燃えていないからだ! 心頭滅却すれば火もまた涼しじゃあない! 心燃えればマグマだって耐えられる! そういうものだ!」
「普通の感性だと頭痛が痛くてやってられないんだけど!」
時人はこれは意思疎通が無理だな、と思った。
けれど、やらねばならない。
「勝ちにいくよ!」
彼は汎ゆる技能を発露させる。
戦いにおける継続戦闘能力とか限界突破だとか空中機動だとか結界術だとか、まあ、そういう諸々をすべて活用してマグマ吹き荒れるテニスコートに適応するのだ。
「絶対倒す! 今は冬だよ季節考えろー!」
「いいや! むしろ、冬だからこそこの熱気がありがたいと思わないか! 夏だけがスポーツの季節じゃあない! むしろ、ウィンタースポーツのほうが燃え甲斐があるんだよ!!!」
打ち込まれる『大炎・丈』のスマッシュをなんとか時人は拾って打ち返す。だが、重たい。ラケット越しに伝わる重さに骨がきしんだ。
「ぐっ……!」
「打ち返せればなんとかなると思ったか、猟兵! 甘い! テニスは『魔術決闘』! 一打打ち返すごとに魔力が増幅して重たくなるんだよ!」
そうなのである。
急にそうなの? 案件であるが、そうなのである。
「なら! 穿ち、奪い、縫い留めろ! ククルカン!」
ユーベルコードに輝く瞳。
白燐剣光大神楽(ビャクリンケンコウダイカグラ)によって百燐蟲が変化した光剣をラケットに重ねて打ち込まれた重たい一打を捉える。
「乾坤一擲!」
「させるか! 喰らえ! 今俺のSNSはさっきのウィンタースポーツのほうが燃えるという発言で大炎上中だ! なんか知らんがサマースポーツディスらしい!!!」
隙あらば大炎上である。
そんな炎上の仕方ある?
「打ち返すか、これを! だけど、残念!」
「何!?」
「お前は縫い留められた!」
そう、それは時人が放ったユーベルコードをあわせた一打。光剣によって生み出された兼部の如き太刀筋っていうかフォームっていうか、スマッシュは光の衝撃波を伴って放たれ、眩い光でもって『大炎・丈』の視覚を奪ったのだ。
「まぶしっ!」
「これが、俺の必殺スマッシュ! 重光球スマッシュだ!!」
名前は今考えた! と時人は視覚を奪った『大炎・丈』へと魔力が増幅されて凄まじい重さとなった弾を打ち込むのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
李・麗月
ナイアルテちゃん、そういう時は腕組みに加えて地面を裂いて下からせりあがって来るのが格好よいわよぉ。
当然BGM はデンドンデンドン……止めてくださいってぇ? 残念ねぇ。
武神様と一体化したアタシをこの程度の炎で焼こうだなんて片腹痛いわぁ。
地面がボッコボコだろうが玉を打つと同時に衝撃波を発生させて玉を包み込んで一緒に相手に打ち込めば良いしねぇ。
武神様にテニスができるのかって笑止千万ねぇ。
世のスポーツの起源は遡れば皆、封神武侠界に辿り着くのよぉ。
とある出版会社の本にも書いてあるから間違いないわぁ。
つまり武芸百般の武神様はスポーツの達人でもあるのよぉ、理解したら観念してねぇ。
(当然ですが嘘八百ですw)
猟兵立ちというものがある。あるか? あるのである。あるったらある。
そう、それは壮大なBGMと共に爆煙の中を下からせり上がってくる超かっこいいポーズである。
デンドンデンドン。
っていう、あれである! 皆大好きだよね!
だが、やめておいておこうか。
それ以上は。
「残念ねぇ」
李・麗月(《蠱惑娘娘》・f42246)は『絢爛魔法領域ウィンブルドン』にて無駄に色気を振りまきながら、ユーベルコードを瞳に輝かせる。
神仙一体の儀(シンセンイッタイ)。
それは武神の霊を降臨させ身体に宿した状態へと変身するユーベルコードである。
彼女は吹き荒れるマグマが立ち上るテニスコートへと苦もなく降り立つ。
「この程度の炎でアタシを焼こうだなんて片腹痛いわぁ」
「俺の燃える闘魂をこの程度と言ったか!」
ダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』は冷水ぶっかけられながらも、湯気立つような熱気でもって一歩を前に進める。
そう、彼らは猟兵との一進一退のラリーの末にマグマに飲まれたり、冷水の如きユーベルコドやらフライパンの殴打を受けたりしながらも、その闘志をメラメラと燃やして立っているのだ。
はっきり言ってやばい。
どんだけなのだというほどに彼は闘志燃え尽きることなくテニスコートに存在していた。
それは認めなければならない。
しかし、麗月は艷やかに微笑む。
「笑止千万ねぇ。だって、あなた……このテニスが『魔術決闘』を祖にしているといったけれどぉ……」
「その通りだ!『魔術決闘』、それがテニスの興りでだ! それがどうしたというのだ!」
ラリーが続く。
一打毎にテニスコートが避けて、鳴動していく。
ボッコボコのテニスコートだろうがなんだろうが麗月は構わなかった。衝撃波をまとわせたボールを打ち込むがゆえに、どれだけフィールドが荒れて居ても関係ないのである!
「世のスポーツの起源は遡れば皆、封神武侠界に辿り着くのよぉ」
そうなの!?
「とある出版会社の本にも書いてあるから間違いないわぁ」
「デタラメを!」
「嘘だと思うのならば調べて御覧なさいよぉ。武芸百般の武神様を見に下ろすアタシの言葉よぉ?」
民が明るい書房とかそんな会社名だったらやばいので、そこまでにしていただこう。
起源主張始めたらもう、それは戦争なのである。
いやまあ、今まさにアスリートアースでは戦争っていうか『バトル・オブ・オリンピア』の真っ最中なのであるが。
「そういうわけで、理解したのなら観念してねぇ」
「負けるものかよ! 如何に武芸百般の武神が相手だろうが! 燃えてくるだけの話だぜ!!!」
負けじと打ち返す『大炎・丈』。
彼の闘志は凄まじい。だからこそ、麗月は舞うように衝撃波をまとわせた弾を打ち返す。
ラリーの応酬はただそれだけでテニスコートを隆起させ、山へと変貌させていく。なんていうか、スケールが違う。
空高く舞い上がるようにしてテニスコートだけがせり上がっていくのだ。
とんでもないことである。
だが、それでも麗月は嫋やかに笑い、汗一つかくことなく『大炎・丈』と共に超人テニスの覇権を争い続けるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
シニストラ・デクストラ
【心境】
「テニスは知っていますの。確かノックアウト打法の特訓法ですの兄さま。」
『テニスを知っているよ。確かバットで打ち返したら必殺技を開眼できるんだよね姉さま。』
(注:ネタが古い)
【行動】
野球選手担当のシニストラがメインに試合します
デクストラは補助担当。二人の連携攻撃と連続コンボが大炎・丈を襲います
地形変化は…
「飛べば関係ないの。兄さま。」
『空中浮遊したら意味ないよね。姉さま。』
ラケットという名の魔剣ダーインスレイ棒をぶん回してボールを返しつつ、遊戯「シニストラ・レムレース」でシニストラを射出して、予測不可能の軌道からフライングドロップキックをお見舞いします。
うん。自分がボールになればいいの
隆起して山のようにせり上がっていくテニスコート。
それは『絢爛魔法領域ウィンブルドン』におけるダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』と猟兵達による一大決戦の余波だった。
それほどまでに彼らの戦いは凄まじいものであり、苛烈だったのだ。
シニストラ・デクストラ(双躰のラスボス・f31356)の二人はその様子を見上げながら、しかし、心は踊っていた。
「テニスは知っていますの。確かノックアウト打法の特訓方ですの兄さま」
『テニスを知っているよ。確かバッドで打ち返したら必殺技を開眼できるんだよね姉さま』
ネタが古い、と誰が言っているようであるが、誰もわからんのであればセーフである。
セーフったらセーフ。
ノーカンって言っても良い。
そんなこんなやり取りをしながら二人は隆起したテニスコートへと躍り出る。
すでにテニスコートは天変地異のようなハチャメチャさだった。荒唐無稽な光景であると言っても良い。
「めちゃくちゃだわ、兄さま」
『ぐちゃぐちゃだね、姉さま』
二人はテニスコートに野球バッドを構えて飛び込んだ。テニスっていうか、もうそれクリケットじゃないかなって思ったが、誰もツッコまない。
「俺を前に真正面から来るか!」
シニストラは野球選手担当である。デクストラは補助。
つまり夫婦コンビならぬ姉兄のゴールデンコンビなのである。打ち返される弾を二人が見事なコンビネーションでもって打ち返す。
しかし、これは『魔術決闘』を祖に持つ超人テニス。
ラリーを繰り返すだけで増幅された魔力が弾を重くしていくのだ。
それに加えて隆起する大地。
鳴動するフィールド。
さらには落雷すら轟音を立てて、衝撃波を放っているではないか。
「災害のバーゲンセールだわ、兄さま」
『ハザードレベルマックスだね、姉様』
しかし、そんなフィールドの中を二人は飛ぶ。空中浮遊していたら鳴動する大地は意味をなさない。
手にしたラケットという名の魔剣ダーインスレイ棒をぶん回しながら、シニストラは、遊技「シニストラ・レムレース」(シニストラレムレース)によってラスボス変身し、空中を縦横無尽に駆け抜ける。
いや、加速と減速、そして軌道変更を繰り返す、捉えることのできない変幻自在たる挙動でもって『大炎・丈』を翻弄しているのだ。
予測不可能な動き。
「これは……どこに打っても返される気がする! だが、臆するものかよ!! 熱血だ! こんな時は熱血に限る! 打ち返してきたのなら、打ち返すまでよ!!喰らえ!!」
『大炎・丈』はボールを打ち返す。
だが、直後、シニストラが飛び込んでくる。
なんで?
弾じゃなくて、シニストラ事態がドロップキックを打ち込んできたのだ。
『こっちのボールはイージーボールだよ。決めて姉さま』
「わかっているわ。なんども繰り返しボールが打ち返されるのなら、うん。自分がボールになればいいの、そうよね、兄さま」
そうじゃないと思うけどなぁ。
むしろ、それ反則じゃない?
ちょくでドロップキックって。
しかし、試合は中断されない。打ち込んだドロップキックの衝撃は『大炎・丈』を巻き込みながら鳴動した大地を砕き、隆起したテニスコートを瓦解させるほどの衝撃を生み出しながら、沈下していくのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
高崎・カント
「もきゅ? もっきゅー⁉」
す、すごいのです! 燃えてるのです⁉
これがテニス……びっくりなのです!
飛べばマグマと地割れは問題ないのです【UC使用】
あとは竜巻と旋風と隕石を避けるだけなのです!
三次元に動けることで、カントは地の利を得るのです
いっぱいがんばったらマッハ10以上(Lv133×100km/h)出せるのです
竜巻で大きく吹き上げられたボールを追いかけ、上空から思い切りスマッシュなのです!
すかさずボールを追いかけて急降下
マントを広げて衝撃波を起こし、大炎さんが打ち返せないようにするのです
魔術は使えないけど、カントもテニスができるのです!
大炎さんの炎を、カントの風で吹き消しちゃうのです!
大地が燃えている。
砕かれたテニスコートは隆起してからまた瓦解して元の位置に戻ってきていた。
なんというか、あまりにも驚天動地。
なんでもあり、というのならば正しくそのとおりであったことだろう。
「もきゅ? もっきゅー!?」
高崎・カント(夢見るモーラット・f42195)はあまりにも凄まじい光景に目を見開き、『もっきゅー!』と鳴くことしかできなかった。可愛いね。
凄まじい光景。
天変地異と言って差し支えない光景。
けれど、カントはがんばるモーラットである。どんなに困難が眼の前に広がっているのだとしても、退くわけにはいかないのだ。
「来いよ、猟兵! 共に燃え上がろうぜぇぇぇぇ!!!!」
ダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』が手招きしている。マグマ満ちるテニスコートから叫ぶ声にビリビリと空気が震えている。
これまで猟兵たちとの頂上決戦にテニスコートは何度も砕けた。
けれど、彼は未だに立っている。
ラリーが続く限り、己の闘魂は燃え尽きることがないとでもいうかのようであった。はっきり言って暑苦しい。けれど、感とは嫌いではなかった。
このすっごいテニスコートの中出たっている『大炎・丈』もまた凄まじい存在なのだ。
燃えているテニスコートで仁王立ち出来る者がどれだけいようか。
そう多くはいないだろう。
びっくりである。
けれど、どんなにコートが荒れ狂っていても飛べば関係ない。
そう、スーパー・ジャスティス!
ユーベルコードにキラリと輝くつぶらな瞳。
「もきゅー!」
黄金のオーラをまとい、カントは己の意志を発露する。いっぱいがんばったらマッハ10にも到達するのだ。
空気の壁をぶち抜く轟音が響き渡り、それに誘発されるようにして雷光が迸る。
雷鳴が聞こえる。
「なんという速さ! やるな! だが、俺とて負けてられん! 喰らえ!」
ラケットが振り抜かれ竜巻が巻き起こる。
必殺スマッシュは竜巻を纏って強烈な一打をカントのコートへと叩き込む。
「もっきゅー!」
バウンドするボールを拾う。
ラケットがきしむ。
かろうじて返したところに『大炎・丈』が飛び込んでいる。
打ち込まれた一撃。
それはどうしようもない一打だった。致命打と言ってもいい。それほどまでに完璧なタイミングだった。
だが、次の瞬間カントのマントが翻る。
「俺の必殺スマッシュの竜巻を!?」
「もっきゅー!!」
そう、カントは『大炎・丈』の放った竜巻をマントで受け止め、増幅するように竜巻をという名の衝撃波を放ったのだ。
振りかぶっていた『大炎・丈』の腕が振り切れないほどの衝撃。
「ぐ、ぐっ! おおおおっ!!!」
だが、燃え上がる闘魂は、ラケットを振り抜く。
しかし、それは衝撃に押されて精彩を欠く一打となっていた。
それをカントは見逃さない。
自分は魔術を使うことは出来ない。けれど、テニスはできるのだ。炎は確かに恐ろしい。
けれど、炎を吹き飛ばす風を自分は纏うことができる。
「もきゅ!」
正々堂々!
力と力のぶつかり合い。
これこそがテニススポーツだと言うようにカントのカウンタースマッシュが『大炎・丈』のフィールドを割るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ウーヌス・ファイアシード
「テニス」なる競技が如何様なものかは先程教えてもらったが…
此程までに大きな力を持つ程に至るとは…!
されどその力を悪しきに使わず、ただ競技の為に使う事こそ、力のあるべき姿なのだろうな…
なれば此度は我が火をこの「テニス」に相応しき形で振るおう!
…されど流石に天変地異に等しきこの地をこの足で駆けるのは厳しいか…
やむを得ぬが、ここは【空中機動】で吹き荒れる災禍を避け、砕ける大地に阻まれぬよう進み、球を打ち返してゆこう!
我の力と…今の我が得ることが出来た心…世界を|終末《ふはい》から守りたい、という意志を込めた、灰化の火を纏わせて!
もし彼奴がそれを打ち返したなら、より力と心を込めてこちらも打ち返そう!
ウーヌス・ファイアシード(復燃せし灰化の火・f37284)はテニスを学ぶ。
元はフランスの修道院での遊びが起源と言われているが、しかし、アスリートアースにおいては違う。
そう、超人アスリートひしめくアスリートアースにおいてテニスとは『魔術決闘』を祖とするもの。
ボールを打ち返す度、膨れ上がっていく魔力。
その重さに耐えきれなくなったものの敗北となる。
そして、それが猟兵とダークリーガーの頂上決戦ともなれば、テニスコートの一枚や二枚割れるってもんである。
ついでにマグマも噴出するし、竜巻だって吹き荒れる。
雷鳴は轟くし、落雷は当然のようにある。
つまり、有り体に言ってむちゃくちゃだった。
「ふむ……此処まで大きな力を持つほどに至るとは……!」
ウーヌスは驚嘆した。
彼女が学んだテニスは苛烈にして熾烈なる競技であった。
この様を見やれば、確かに、と。
テニスコートは鳴動し隆起し、瓦解してはまた元の位置に戻っている。猟兵とダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』との戦いは正しく天変地異を巻き起こすものであったのだ。
「燃え上がってきたぜぇぇぇぇぇ!!!!」
此処まで猟兵たちに疲弊されてなお、叫ぶ彼の声は力がみなぎっていた。
なんたる力であろうか。
「見事という他あるまい。だが、その力を悪しきに使わず、ただ競技のために使うことこそ、力在るべき姿なのだろうな……なれば此度は我が火をこの『テニス』に相応しき形で振るおう!」
ウーヌスの瞳がユーベルコードに輝く。
「来いよ! 猟兵! 全部受け止めて返してやる! それが燃え上がるってことだろおおおおおっ!!!!!」
やかましいくらいに『大炎・丈』は叫んでいる。
マグマの海をまるで意に介していないように彼は立っている。マジでどうなってんの? と思わないでもなかったが、ウーヌスは超人アスリートというのはそういうものだと理解していた。理解しちゃったかー。
「見事! 我はこの地を足で駆けるは厳しいというのに……マグマの海を征くか、ダークリーガー!」
「逃げてばかりでは!」
放たれるスマッシュ。
苛烈な一打。竜巻をまとい、雷光さえも取り込む一打は、ウーヌスを狙っている。まともに受ければ彼女の体はバラバラに爆散してしまうだろう。
けれど、彼女の心もまた静かに燃える。
盛んに燃えるだけが炎ではない。
力を蓄えるように満ちて吹き荒れるのもまた炎である。故に、彼女はユーベルコード輝く瞳で、必殺スマッシュ迫る光景を見つめた。
「我の力と……今の我が得ることが出来た心……世界を|終末《ふはい》から守りたい……ダークリーガー、汝らはどういう形であれ、終末をもたらす者よ……なれば、この灰化の火(カイカノヒ)を受けよ……!」
灰化の炉心たる自身の身より吹き荒れるは火。
その火が迫る竜巻纏うボールへと命中する。
それは消え得ぬ火であり、竜巻を吹き飛ばし、さらに此方の勢いを膨れ上がらせていく。
雷光すら吹き飛ばしながらウーヌスはラケットを振り抜く。
炎で風を取り込んだのだ。
「俺のスマッシュの勢いが殺される……!?」
「いいや、殺したのではない。得て、膨れ上がったのだ。これが汝の力の強さ。心の強さ。故に、我は汝の力の強さを上回る心で打ち返そう!」
ウーヌスの心が燃える。
静かに。
けれど、強烈な熱を持ち得た一打となって『大炎・丈』へと閃光のようにボールが走り、大地を砕くのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
早速煽られてしまった藍ちゃんくんなのでっす!
マイクパフォーマンスは藍ちゃんくんも得意でっすし、平気なのですがー。
ファンの皆様はそうでもないやもでっすしねー。
となれば、ええ。
歌うのでっす!
踊るのでっす!
テニスは魔術だけではないのでっす!
超人テニスと言えば、そう!
ミュージカルなのでっす!
つまり藍ちゃんくんの得意分野!
歌で炎を吹き飛ばしつつ、配信での話題も全部かっさらっちゃうのでっす!
忘れてまっせんかー?
藍ちゃんくん、王子様でもあるのでっすよー?
稲妻、竜巻、隕石、マグマ、テニスなミュージカルにはあるあるなのでっす!
全部全部藍ちゃんくんのパフォーマンスに組み込んじゃうのでっす!
燃え盛るアスリート魂は鎮火することはできない。
そこにダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』が要る限り、炎は消えることはない。例え、テニスコートが割れてマグマが噴出し、海となっていたとしても、だ。
それほどまでに彼のアスリート魂は苛烈にして激烈なるものであった。
あんまりにも激烈なもんだから、ついついSNSでも発言を切り取られて大炎上したりしてしまうこともあるのだが、まあ、それはそれである。
燃えているので問題なし!
「そうだぜ、心が燃えなければ何の意味もねぇぇぇぇっ!!! この俺を燃え上がらせることができるか!!!」
猟兵とダークリーガーの頂上決戦。
『絢爛魔法領域ウィンブルドン』にて、彼らの戦いは天変地異の如き様相を見せいてた。
テニスコートは叩き割られ、マグマが何度も噴出するし、竜巻は巻き興り、落雷はあちこちで頻発する。隆起したテニスコートはせりあがり、また地盤沈下を起こすように元の位置に戻ったり、それはもうなんていうか凄まじいというしかない光景だったのだ。
「藍ちゃんくんでっすよー!」
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)はテニスコートに降り立つ。
だが、『大炎・丈』はラケットを突きつけるようにして宣言する。
「藍ドル様が何のようだよ! 此処はアスリートのフィールドだぜ!!!」
早速煽られた藍は笑う。
煽られても関係ない。というか、マイクパフォーマンスは藍の独壇場である。とは言え、いきなり煽られてしまっては、藍のファンたちはそうではないだろう。
煽り耐性ゼロ。
『大炎・丈』のSNSは絶賛大炎上中である。
「炎が俺を強くしてくれる! 俺の炎は、俺自身が燃えていることで尽きぬ炎となって俺を強くしてくれる! 受けろよ、俺の必殺スマッシュを!」
炸裂する光。
炎纏うボール。
だが、響くは歌声!
「藍ちゃんくんでっすよー! 天を覆う闇も障害も吹き飛ばして! 青空に藍ちゃんくんの歌を響かせるのでっす!」
青空の如く澄んだ歌声が響く。
藍は歌う。
何故?
「テニスは魔術だけではないのでっす! 超人テニスと言えば、そう!」
ためた。
この期に及んで、藍はぐっと貯めた。必殺スマッシュが炸裂している最中だというのに貯めた。間に合うのか?
「ミュージカルなのでっす!」
なんで?
なんでそうなったの? 誰もが思った。でも、藍のファンたちは違った。深く頷いていた。わかり味がある。同意しかない。百里ある。
そんなコメントが激流のように流れてきそうだった。
「俺の炎が……吹き飛ばされる!? 歌で!?」
「歌だからでっすよー! 配信での話題も藍ちゃんくんが全部かっさらっちゃうのでっす!」
「そんなことができるわけが……!!」
「忘れてまっせんかー? 藍ちゃんくん、王子様でもあるのでっすよー?」
そう、藍の歌声は心無きものにすら感情を呼び起こす魂の歌。
ならば、炎だって、竜巻だって隕石くんだって、マグマくんだってみんなみんな生きているんだ友達なんだ! である!
「テニスなミュージカルにはあるあるなのでっす!」
そうなの?
そうなのである!
藍の歌声が響く限り、天変地異の如きテニスコートの変形は、藍ミュージカルのパフォーマンスの一部でしかない。
故に炸裂する必殺スマッシュ纏う炎さえも藍が振りかぶったラケットに吸い込まれていく。
その炎を纏う藍スマッシュは、このテニスコートに満ちる汎ゆる事象を巻き込んで『大炎・丈』へと叩き込まれるのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
レジーナ・ビエルニィ
……うん、わかった。
(そこまで驚かない。まあそういうものなんだろうな位の感覚。まあ世界は広いし……。驚くよりもルール把握を優先)
ラケットを構えるよ。地形に対しては『ぺんぺんくんシューズ』で滑るように動く。
これだけじゃ足りない?なら【氷雪地獄】。
|コート《戦場》全体を吹雪で覆い、地形を凍らせてゆく事でコートの変化に対抗してく。
一応風の力もあるからぺんぺんくんシューズでも少しは飛べるかもしれない
ああいうタイプなら多少の変化も勢いで押し通せるだろうけど、私はそういうタイプじゃないし、冷静に瞬間思考で判断して対応してく。
後は、相手の球の弾道を見切って、其処にラケットを合わせて「撃ち返し」ていくよ
アスリートアースにおけるテニスの起源。
その超人テニスの如き光景を前にしても、概要を飲み込んだレジーナ・ビエルニィ(雪女のバトロワシューター・f37984)はいつものクールな表情で持ってコクリと頷いた。
「……うん、わかった」
ほんとに!?
今まさに猟兵とダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』との一大決戦を見ても、納得できたの!?
そう、テニスコートにはマグマが噴出し、落雷が迸り、竜巻が巻き起こっている。
隕石だって降り注いでいるし、一度隆起して沈下して、また隆起しそうなほどに鳴動しているのだ。
なのに、レジーナは冷静に頷いた。
そこまで驚くことはないと言わんばかりだった。まあ、そういうものなんだろうな、位の感じだった。
クールすぎる。
「燃え上がってきたぜぇぇぇぇぇっ!!!! これだ! これを俺は求めていたんだぜ!!! この燃え上がる瞬間を!!!」
『大炎・丈』の咆哮が轟き、幾度となく猟兵たちの必殺スマッシュに打ちのめされてきたのにも関わらず彼は立ち上がってきているのだ。
「まだ足りない?」
「ああっ!! 足りないッ! 足りないっ、ぜえええええっ!!!」
放たれる炎のスマッシュ。
それはただ力任せに打ち込まれたものではなかった。ラインギリギリを狙った技巧派スマッシュでもあったのだ。
ただ力任せだけではない。駆け引きも出来る男。それが『大炎・丈』であったのだ。
レジーナは『ぺんぺんくんシューズ』でもって滑るようにしてフィールドを駆け抜け、ラケットを振り抜く。
打ち返されたボールが『大炎・丈』のコートに突き刺さらんばかりに急カーブしてラインを責め立てる。
だが、それを彼は拾うのだ。
「イージーなボールを!!!!」
「いいえ、違う。あなたにはこれだけでは足りない。だから」
レジーナの瞳がユーベルコードに輝く。
ラインを攻めたのは、それで勝負が決まるからではない。『大炎・丈』が必ずボールを拾うことも計算に入れての一打だったのだ。
必ず彼は拾う。
ならば、そこに幾ばくかの時間が生まれる。
その一瞬で持ってレジーナはテニスコートに猛烈な吹雪を発生させたのだ。
「氷雪地獄……! だが、俺の炎が、燃える闘魂が、吹雪程度で抑えられるものか……!!!」
「でしょうね。わかっているあなたみたいなタイプは、きっと多少の変化も勢いで押し返して来るだろうってことは」
自分とは真逆のタイプ。
だからこそ、レジーナは理解している。
『大炎・丈』という男を。ダークリーガーを、熱血アスリートを。
拾われたボールにレジーナは飛び込む。
冷静沈着たること。それがレジーナのモットーであり、変えられない正確であり、又同時に強みであったのだ。
変化とは確かに対応しなければならないことである。
『大炎・丈』のように勢いですべてを押し返すことができたのならば、それもまた良いだろう。だが、それができないのならば、己自身が変わるしかないのだ。
故にレジーナは冷静に思考する。
角度、力。そして相手の技量。自身の技量。
これまで多くの猟兵たちと戦ってきた『大炎・丈』である。
ならばこそ見えるものがある。
「……そこ」
狙いすました針のようなスマッシュ。
その一打は『大炎・丈』の吹き荒れるような炎すらも貫く針の一差しとなって走り、テニスコートを割るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
李・玉明
WIZ アドリブ歓迎
オー! バーニーング♪
豪華絢爛な魔術テニス! ウィンブルドンよ、こんにちは!
妾が、来たのじゃー! イエーイ♪
丈の熱意に負けないよう、元気いっぱいに張り切っていくのじゃ!
盛り上がっていこうぞ!
天変地異、天地鳴動はお手の物!
なんたって妾は、天候操作の得意な仙術使いでもあるからのぅ!
噴き出すマグマ、荒れる竜巻、迸る稲妻に隕石も!
みんな、妾に協力して欲しいのじゃ♪
魅惑の視線を瞬きと共に放ったら、どんな概念も友達なのじゃ!
そう、丈の燃え盛る炎だって! みんないっしょに盛り上げる仲間になって欲しいのじゃ!
さあ、試合を楽しもう! 丈も、アインも、フィーアも!
楽しんだものが勝ちなのじゃー!
「オー! バーニング♪」
李・玉明(豪華絢爛西欧天女・f32791)は『絢爛魔法領域ウィンブルドン』の光景をみやり、歓声を上げた。
炎吹き荒れ、大地が砕けてはマグマが噴出する。
雷鳴が轟けば空を閃光が染め上げる。
立ち上る竜巻は、あらゆるものを舞い上げ嵐を呼ぶ。
空を見上げれば落雷と共に隕石さえも降り注いでいるのだ。なんたる豪華絢爛たる光景であろうか。
普通怖くなるほどの天変地異であるはずなのだが、玉明は違った。
「豪華絢爛な魔術テニス! ウィンブルドンよ、こんにちは! 妾が、来たのじゃー! イェーイ♪」
ノリノリである。
この天女ノリノリである。
ダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』と猟兵たちの頂上決戦は正しくテニスコートを人外魔境へと変貌せしめていた。
凄まじいまでの熱気。
噴出するマグマが上昇気流を生んでいるのだ。
その最中にありながらも『大炎・丈』は燃え上がる闘魂のみにおいて打ち込まれる猟兵たちの必殺スマッシュの数々を受け止め、打ち返し、打ちのめされても立ち上がってきたのだ。
その力は凄まじいものであると言えるだろう。
「いいぜ、来いよ、猟兵! 例え天女様だっていうのだとしても俺は手加減しないぜ! この俺の燃え上がる闘魂がそう言ってるんだぜえええええ!!!!」
なんとも暑苦しい。
だが、玉明は深く頷く。
そう、彼の熱意に負けない。負けてはならない。
元気いっぱいこそが彼女の長所。ならばこそ、彼女はテニスコートへとためらいなく飛び込むのだ。
放たれるスマッシュ。
ボールは炎を纏っているし、大気を斬りさくだけで竜巻を発生させている。
だがしかし!
「凄まじい力じゃ、けれどの! 盛り上がるのは此処からぞ! 天変地異、天地鳴動はお手の物!」
「そうなのか!?」
「ど、どどどう見ても、無理なんですけど!」
応援に来ていた『アイン』たちの言葉に玉明は笑う。
「心配するでない。なんたって妾は天候操作の得意な仙術使いでもあるからのぅ! 吹き出すマグマも、荒れる竜巻も、迸る稲妻に隕石も!」
きらり、と光る彼女の瞳。
それは魅惑の視線。
そう、玉明は寵姫にして国民的スタァ。
その美貌に魅了されるのは仕方のないこと! 彼女が微笑めば花が咲き、彼女の唇が言葉を紡げば、現実と成る。
「みんな、妾に協力してほしいのじゃ♪」
ぱちん、とウィンクが飛んだ瞬間、彼女は汎ゆる存在を魅了する。
それが寵姫の瞳なのだ!
「燃える炎は盛り上げてほしいのじゃ、竜巻は涼やかな風を妾に送ってほしいのじゃ、あ、こら、悪戯な風め。こら、じゃぞ」
とかなんとか、それはもう盛大なる……いや、豪華絢爛たる舞踏のごとく玉明はテニスコートを跳ねるようにして飛び、ボールをラケットでもって打ち返す。
「みんなみんな一緒に盛り上がる仲間なのじゃ。それはお主も変わらぬぞ、『大炎・丈』よ」
「お、俺もだと……!?」
「そうじゃ。試合とは楽しむもの。そうじゃろう? なあ、『アイン』、『フィーア』。スポーツとは斯くも楽しいものなのじゃ。そして!」
玉明が舞うようにして天高く舞い上がる。
炎が温めた空気を竜巻が舞い上げ、雷鳴と隕石は空を割る。
光差し込むきらびやかな光景の中、玉明がラケットを振り抜いた。
そう、それはスポーツを楽しんだものだけが到達しうる笑顔というなの強烈スマッシュ。
こんなの皆玉明のことが好きになって当然である。
「楽しんだものが勝ちなのじゃー!」
そこに勝敗は関係ない。
そういうように彼女のスマッシュは『大炎・丈』の胸を射止めるように奔るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
これがかの有名な絢爛魔法領域『ウィンブルドン』…
…テニスとはこの魔法領域を最大限活用するために生まれたスポーツとすらいえる…
…この魔法領域をも打ち砕くとは並のテニスプレイヤーではないな…これは厳しい戦いになるに違いない…
…実際、勝負となると中々どうして強敵だね…だから地形を利用させて貰おう…
【戯れ巡る祝い風】を発動…有利な偶然を引き寄せてマグマや竜巻等を味方に付けるよ…
…運動能力じゃ敵わないので術式組紐【アリアドネ】をラケットに結んで操る事でリーチを伸ばしてカバー…
…派手な中ラリーを続けて…最後にはネットに当たったボールを『運良く』相手コートに落そう…なんでネット残ってるんだろうね…
アスリートアース景勝地。
その一つに数えられるのが『絢爛魔法領域ウィンブルドン』である。アスリートアースガイドブックに書いてったので、きっとそう。
「これがかの有名な『絢爛魔法領域ウィンブルドン』……テニスとはこの魔法領域を最大限活用するために生まれたスポーツとすら言える……」
解説のメンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)さん、どうでしょうか。
良い仕事してるね。
じゃない。
いや、こんな寸劇やっている場合じゃあないのである。
「……この魔法領域をも打ち砕くとは並のテニスプレイヤーではないな……」
あっ、メンカルは冷静だった。
こっちの寸劇をサラッと流して、ダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』の凄まじき技量を分析している。
この『絢爛魔法領域ウィンブルドン』に張り巡らされた魔術結界は最強を誇る硬度を持っている。
だが、その魔術防御すらもぶち抜くほどにダークリーガーと猟兵との戦いは凄まじいものだったのだ。
なにせ、テニスコートが割れてマグマが噴出し、竜巻が舞い上がり落雷迸る上に隕石まで落ちてくるのだ。
ついでにコートの地面が隆起して山になって、また沈下して元に戻って、また盛り上がっている。滅茶苦茶である。
「……これは厳しい戦いになるに違いない……」
メンカルをして、そう言わしめる相手。
それが『大炎・丈』であった。
「だったら逃げ出すか、猟兵!!! この俺を前にして!!!」
打ち込まれた幾度とない猟兵たちの必殺スマッシュを受けてなお、『大炎・丈』は立ち上がってきている。
メンカルは頭を振る。
そう、逃げることはない。退くことはない。
確かに彼は強敵だが、勝てない相手ではないのだ。冷静に砕け、変形したテニスコートをメンカルはみやり、駆け出す。
「遙かなる祝福よ、巡れ、廻れ、汝は瑞祥、汝は僥倖。魔女が望むは蛇の目祓う天の風」
「詠唱……!? この期に及んで一体何を……!」
彼方へと広がり駆け巡るそよ風が『絢爛魔法領域ウィンブルドン』に走り抜けた。
それは彼らの頬を優しく撫でただけであったが、しかし、同時にテニスコートを駆け抜けていったのだ。
つまり。
「……戯れ巡る祝い風(ブレス・オブ・ゴッデス)は、私に味方する。つまり」
『大炎・丈』の放ったスマッシュは何故か突如としてメンカルの目の前で噴出したマグマに阻まれ勢いを殺される。
打ち返せば、竜巻が突如として発生し勢いを増し、ラリーを続けようとすれば稲光が『大炎・丈』の視界を塗りつぶすのだ。
「ど、どういうことだ……!!! 何故、俺にばかりこんな不利な状況が……!!!」
「偶然だけど、偶然じゃあない。私がそうした……そうやって状況を引き寄せている。だって、運動能力じゃあ、私は到底お前に勝てない。だからこそ……」
創意工夫をするのだというようにメンカルのラケットが術式組紐に結び付けられ、リーチを伸ばす。
だが、それだけでは『大炎・丈』の一打を拾うことはできない。
けれど、事象のすべてがメンカルに味方し、ボールを叩き返すのだ。
ラリーが続く。
一進一退。
打ち返すたびに魔力が増幅していく。重たい。もはや偶然だけでは処理できない領域にまで到達している。
だからこそ、最後は運なのだ。
「……これで」
「ネットに……ひかかった……だと?!」
「これも実力の内、だよ……でも、なんでネット残ってるんだろうね……?」
ネットに引っかかってボールが『大炎・丈』のコートに落ちる。
偶然かもしれないが、それはメンカルが引き寄せた運なのだ。でもまあ、確かに。なんでこれだけテニスコートは破壊されてもネットは無事なんだろうか。
『絢爛魔法領域ウィンブルドン』の謎は深いのかも知れない――!
大成功
🔵🔵🔵
菫宮・理緒
【サージェさんと】
『菜医愛流帝』塾長としてのからの、推し事依頼ってことだよね。
これは引き受けざるを得ない。
といっても、希代の運動音痴なわたしになにができるのか……。
悩んでる場合じゃない。そんなものどうとでもするのが推し事!
え?写真?だいじょぶ。動画撮ってる!(常に)
さ、テニスならば相応の戦い方があよね。打ってきなさい!
と、相手にボールを渡すね。
でも相手の熱血サーブは、正確に相手に跳ね返るよ。
これこそ、理緒ゾーン!
いやただの【リフレクションマリス】なんだけどね?
でも相手の攻撃は全部跳ね返るからね!こちらのコートは無傷!
サージェさん、たたみかけるよー!
あ、わたし、跳ね返すだけだから攻撃は任せた!
サージェ・ライト
【理緒さんと】
お呼びとあらば参じましょう
私はクノイチ、テニスしたら弾み過ぎて忍べないとかそんなことないもんっ!
ええ、テニスをしていてもクノイチしてみましょう!
というわけで理緒……ファンクラブ副会長でしたか
あの、副会長?
『菜医愛流帝』塾長のイェーガー立ちは撮らなくても?
アッハイマジメニガンバリマス
運動の対極にいる理緒さんがテニスするなら
私も負けていられませんね
理緒ゾーンって
いえ、ここが勝機ですね!
【かげぶんしんの術】かーらーのー
ラケット持って【疾風怒濤】です!
つまり攻撃回数重視のスイング&ボール分裂魔球で
「手数こそ正義! 参ります!!」
この魔球の雨をしのぎ切れるならしのいでみるがいい!!
様子のおかしい、つまりテンションが高いからと言って、そのテンションのままに行動するとたいてい黒歴史になる。
それは人の営みを語る上で避けては通れぬものであったことだろう。
人は過ちを犯すし、繰り返す。
しかし、繰り返さぬために自省という名の心の痛みを負うのである。
何が言いたいかって、安易な思いつきで行動すると後々まで引きずるってことである。
「お呼びとあらば参じましょう。私はクノイチ、テニスしたら弾みすぎて忍べないとかそんなことないもんっ!」
サージェ・ライト(バーチャルクノイチ・f24264)は弾んでいた。
何が弾んでいたかはみなまで言うな。
野暮になるでしょ!
そんな忍ぶつもりなんてまったくないくらいに存在感を痛いくらいに放っているサージェことクノイチと共に菫宮・理緒(バーチャルダイバー・f06437)はテニスコートへと踏み出す。
すでに猟兵とダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』との頂上決戦によってテニスコートは天変地異が起こった後みたいになっているが、気にしたら負である。
というか、理緒は稀代の運動音痴である。
稀代のってつく必要あったかなと思ったが、まあ、壊滅的な運動音痴というよりは良いのではないだろうかと思いました。
「『菜医愛流帝』塾長からの推し事依頼なら、引き受けざるを得ないよね」
何その、相手が格闘家なら使わざるを得ないみたいなノリ。
確かに理緒は自身の運動音痴を自覚している。
アスリートアースなんていう運動が、スポーツがすべてを決めるみたいな極まった世界にあっては彼女という猟兵は無力であった。
けれど、それでも踏み出さねばならぬ事案がある。
そう、それが今なのだ!
無駄に気合の入った理緒にサージェは頭を垂れる。
「副会長、『菜医愛流帝』塾長のイェーガー立ちは撮らなくても?」
「大丈夫。動画撮ってる! 常に!」
なんという覚悟。
いや、覚悟かな、これ。どう考えても別のこと考えている顔であったが、理緒の顔はそれはそれは精悍であった。いや、劇画調になっていると言ってもいいだろう。
それくらい画風が二人して変わっていたが、がんばって。
「ええい、何をごちゃごちゃと!!! 訳の分からないことを!!!」
『大炎・丈』は二人の寸劇が終わるまでちゃんと待っていてくれていたのだ。律儀である。
しかし、そろそろ堪忍袋が限界っていうか、そんな感じで放つはスマッシュ。
それは大地を割る一打。
雷鳴を呼び込み、隕石すらも降り注がせる銀河を砕くスマッシュだった。
もうインフレが凄まじすぎてなんてい言っていいかわからない。
「ふ、打ってきた、ねー!」
「理緒さん、運動の対極にいる理緒さん! 大丈夫なんですか!」
なんで今それ言った?
だがしかし、理緒は笑う。その瞳にはユーベルコード。
必殺スマッシュは理緒に届くことはなかった。振るうラケットの勢いはヘロヘロ。どう考えても打ち返せるものではなかった。
だが、打ち込まれたボールは一瞬にして『大炎・丈』と変わらぬスマッシュとして打ち返されていたのだ。
「な、なにぃ!!!?」
「これこそ、理緒ゾーン!」
「いえ、それただのユーベルコードですよね」
リフレクションマリス。それは電子魔術によって編まれた反射結界である。それによって理緒は苦もなく『大炎・丈』のスマッシュを打ち返していたのだ。
「サージェさん、ネタバラシより先に畳み掛けるよー!」
そう、理緒は敵のスマッシュを跳ね返せるが、それだけなのだ。それ以上ができない。
だからこそ、こっちだけダブルスなのだ。2対1なのだ。
卑怯!
いいや、クノイチ的には褒め言葉である。
「ええ、此処が勝機ですね! 参ります! 疾風怒濤(クリティカルアサシン)のソニックブロー!」
サージェがラケットを持ち替えて、甘く返されたボールを捉える。
「打ち返せるものなら打ち返してみてください。このクノイチ殺法、分裂魔球を!」
サージェの放ったスマッシュは魔球のごとく分裂して、流星雨のように『大炎・丈』へと降り注ぐ。
それはまるで天変地異を引き起こす頂上決戦を彩るに相応しい光景であったことだろう。
「分裂する魔球……!?」
「手数こそ正義なのです!」
「多すぎんだろ……!!!!」
しかも、全部実体を持っている。
降り注ぐテニスボール。それは、絢爛たるテニスコートを完全に粉砕するように打ち込まれ、『大炎・丈』さえも飲み込んでいくのだったら――。
大成功
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ルクス・アルブス
【ステルク】
あ、あれ?
え、えっと……あ、あの……ステラさん?
いえ、その、いつものがないと、なんとなく調子でないなーっていいますか、
あれって、ステラさんのアイデンティティじゃないですか。
しなくてもだいじょぶなんです?
えっ。
上質の……成分?
それじゃあれって、エイルさん欠乏症みたいなものなんですか!?
いよいよやべーですね。
店長にも、五月雨のみなさまにも、注意しておかないとです。
これはあまりにも青少年健全育成違反ですよね。
って、痛ぁ!?
そういえば『魔術決闘』なんですよね。
ならここはわたしの奏……え?氷?
あー……うーん……。
わかりましたよぅ。今回は炎相手ですもんね。
ではいけー(さみしそうになげやり感)
ステラ・タタリクス
【ステルク】
なるほど、『超次元魔術競技テニス』
かのアルダワ魔王戦争にて大魔王を倒した『魔術決闘』は
有名を通り過ぎて伝説と言えましょう
魔王すら倒せるテニス……そのテニスがこの世界で顕現したのなら
この程度の天変地異は当然ですね
え?どうしましたルクス様?
いつものですか?
前回、上質の|エイル様《皐月店長様》成分を大量に補給できましたので
誰がやべーメイドですか
ほら、ルクス様出番ですよ
あの炎に対抗できるのは氷の魔術を操るルクス様しか
ええ、フィールドを破壊するほどの威力
これ以上の|奏魔法を操る光の勇者《破壊音波しか出ない演奏家》の出番は無いと思います
フレーフレールクス様
私は援護射撃でダイレクトボレーしますね
流星雨のようなテニスボールがテニスコートを砕く。
それはまるで天地創造の如き光景であったことだろう。凄まじき猟兵とダークリーガーにして熱血アスリート『大炎・丈』の戦いは、まさに頂上決戦。
『絢爛魔法領域ウィンブルドン』に相応しき戦いであると言えただろう。
そんな光景の最中、『大炎・丈』は立ち上がる。
「負けるものか!!!! 負けられるものか!!!! やっと温まってきたところだぜ!!! もっと、もっと燃え上がれえええええっ!!!!!」
咆哮と共に彼は立ち上がる。
なんたる気迫。なんたる闘魂だろうか。
その光景を前にして、ステラ・タタリクス(紫苑・f33899)は深く、深く頷いた。
「なるほど『超次元魔術競技テニス』……かのアルダワ魔王戦争にて大魔王を倒した『魔術決闘』は有名を通り過ぎて伝説と言えましょう」
なんか、嫌に神妙な声色である。
「あ、あれ? え、えっと……あ、あの……ステラさん?」
ルクス・アルブス(『魔女』に憧れる『出禁勇者(光属性)』・f32689)はちょっと不安になった。
なんで不安になったかというといつもの『あれ』がないからである。
『あれ』とはすなわち、ヤベーメイドの雄叫びである。
「魔王すら倒せるテニス……そのテニスがこの世界で顕現したのなら、この程度の天変地異は当然ですね? ルクス様……どうされましたルクス様?」
ステラはルクスの様子がおかしいことに首を傾げる。
その表情は明らかにルクスの知るそれではなかった。なんていうか雑念のすべてが削ぎ落とされたかのような完璧メイドの顔がそこあったのだ。
「いえ、その、いつものがないと、なんとなく調子でないなーっていいますか、『あれ』ってステラさんのアイデンティティじゃないですか。しなくてもだいじょうぶなんです?」
「いつもの?」
その言葉にステラは少し考える。
いや、考えるまでもない。
そういう所作すら決まるのが今のステラなのだ。雑念煩悩のすべてを浄化したがゆえに、その所作は嫋やかですらあった。
いいことである。
だが、同時にルクスとしては不安を覚える。
「前回、上質の|『エイル様』《皐月店長様》成分を大量の補給できましたので」
だから、叫ぶ必要はないのだという。
どういうこと?
えっ。とルクスは思った。
上質の……成分?
つまり、あの叫びはステラの欠乏症の症状であった、ということなのだろうか。
「いよいよもってやべーですね」
「誰がヤベーメイドですか」
いや、どう考えてもステラがである。
「店長にも、『五月雨模型店』のみなさまにも注意しておかないとです。これはまりにも青少年健全育成違反ですよね……って、痛ぁ!?」
ツッコミが入る。
スリッパではない。ラケットで、である。
「ほら、ルクス様、出番ですよ」
「もっと優しくしてくだしませんか!?」
「何をごちゃごちゃと……!!!!」
炸裂するは『大炎・丈』の渾身の一打。
だが、それは最後の一打だった。これまで繰り広げてきた猟兵達とのラリー。
それによって疲弊した彼はこれが最後の一打だと理解していたのだ。だからこそ、彼は渾身を込めた。
でもほら、相手が悪い。
「ふれふれーるくすさま」
やる気ないステラの応援の声。
まあ、確かに『大炎・丈』の炎は凄まじい。あれに対抗するためには氷の魔術を操ることのできるルクスしかいないだろう。
だからこそ、ステラは応援したのだ。
とってもやる気ないけど。
「あー……うーん……」
「演奏はダメです」
「わかりましたよぅ。今回は炎相手ですもんね。ではいけー」
寂しそうに投げやりなユーベルコードの輝きが満ちる。なんとも言い難い雰囲気である。
片や投げやりワールドレコード。片や、雑。
しかし、それでも。
しっかり結果を残すからこの二人って質悪いなぁって思いながら『大炎・丈』は砕かれた己の必殺スマッシュとテニスコートと命運をともにし、幾度とない天変地異の如き地形の変化に耐えきれなかった大地へと敗北という二字を刻んで倒れ伏し、決着を見せるのだった――。
大成功
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