ネズミのように死ぬがいい!
●獣人ゲル化計画
――俺さ、明日初めて戦争に行くんだ。
――お国の為とはわかってるが、そんな事より、俺には大病を患っちまった娘がいるんだよ。戦争でたくさん敵兵を殺して、昇進して、たくさんの金を貰うのさ。そうすりゃきっとお医者様とやらも、金の亡者とやらも納得して『治してくれる』筈さ。
――あん? そりゃあオマエ死ぬ奴のいう科白だって? 俺は死なねぇよ。死んでたまるか。こんなところで死んでたら娘に泣かれちまう。
――嗚呼、選別にゼリーを奢ってやるって? へっ! ありがたく貰っておくさ。俺はこれでも大の甘党なんでな。砂糖だけでも十分やっていけるさ。
――? なんだって俺の事をそんなに見てんだよ。しかも、ブタが鉛玉喰らったかのような面しやがって。……テメェの身体が柔らかいのは知ってるが、こんなに溶けてたかって? なに謂ってんだよ。俺は……オマエの内側に入りたい……。
●グリモアベース
「貴様等――狂気艦隊を落とした事により『クロックワーク・ヴィクトリア』での活動が可能と成った。実に嬉しい事だが、さて、戦場から戦場に渡る程度の地獄でしかない」
グリモア猟兵、ロバート・ブレイズは『いい笑み』で君達を歓迎していた。
「クロックワーク・ヴィクトリア、この超大国は『蒸気技術』と『UDC』を組み合わせて作られたものだ。他の超大国と近い『狂気』を蔓延らせる事に特出している。そんな国での最初の予知は――『狂気要塞』の攻略」
「貴様等にはまずクロックワーク・ヴィクトリアのとある街を探索してもらう。如何やら猟奇事件が頻発しているらしくてな。予知したところ『獣人がゲルと化して獣人を襲っている』ようだ。ゲル獣人はオブリビオン化しており鼠算式に増えるというワケよ。貴様等にはこの事件の黒幕を叩いてほしい。ああ、狂気要塞とは超大国が造り出した『建物に擬態する巨大なUDC』だ。現時点で破壊するのは不可能故『蒸気内臓』だけを狙うのが宜しい」
「纏めると『猟奇事件の犯人探し、犯人の撃破、狂気要塞の『蒸気内臓』の破壊』となる。貴様等の活躍に期待しておく」
グリモアが輝いて。
にゃあら
にゃあらです。
ドロドロ。
第一章。
黒幕を探しましょう。
この街のどこかに『狂気要塞の尖兵として指揮をしているオブリビオン』がいます。
フラグの乱立こそが鍵なのかもしれません。
第二章。
黒幕との戦闘になります。
このオブリビオンを倒すと狂気要塞によってゲル化していた獣人達が解放されます。
第三章。
詳細不明。
第1章 日常
『死亡フラグはむしろ乱立させるとへし折れる』
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POW : こっちにはユーベルコードがあるんだ、負ける気がしねぇ!
SPD : そんな装備で大丈夫か、だって? 大丈夫だ、問題ない。
WIZ : 生きて帰ったら豪勢な飯を奢れよッ? 約束なッ?
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超大国『クロックワーク・ヴィクトリア』に支配されているこの街では時々、奇妙な出来事が起こると謂う。たとえば、ある家族が急に失踪して、廃人となって見つかっただとか、そういう『在り来たり』なものだ。そんな街で住民達が騒がしくなると謂う事は狂気の
桁が違うと表現しても良い。
曰く――急に奇妙な事を言い出した奴がゲル状になった。ゲル状になった兵士が住民を襲い、新たなゲル状を作り出した。つまりは鼠算式で増殖する莫迦みたいな事件。君達はまず情報収集を行い黒幕の居場所を探さなければならない。
その最中、奇妙な事を言い出して、ゲル状に成らなければ良いのだが……。
イリスフィーナ・シェフィールド
今回は調査依頼ですのね、この程度わたくし一人で十分ですわ。
堂々と街の中を捜索して情報収集。
被害者のお知り合いに最近怪しい人と接触してたりしないか聞き込みしていると情報を提供したいという方が。
目立つ所で話したくないといわれました。
もの凄く良い感じがします(第六感)、つまり酷い目に会える気が(え)
指定コードで警戒せず付いていった場合を未来視しましょう。
……ああ、不意を突かれて襲われゲル状に。
ちょっと惨めすぎて遠慮したいですわ、そそられる部分もありますが。
襲ってきた所でオーラ全開で撃退し逃げるのを追跡しましょう。
(ボスが用心深い奴なら二段構えにしてた罠にかかる、そうでないなら無事追跡できるでお任せ)
ほんの少し、さきっちょだけ、ゲルになるのは『あり』かもしれない。
時計塔が――街を見下ろす針が――オマエの事を嘲笑った。落ちるべきだと超大国が告げたならば如何様な橋でも、人でも、落ちるべきだとお偉い様どもが喚いている。何もかもがイメージだと、妄想の類だと一蹴したところでようやく『景色』を眺める余裕が出来た。今回は調査依頼ですのね、この程度、わたくし一人で十分ですわ。素晴らしいほどのフラグ建築ではないか、橋を造った職人さん達も吃驚な速度と謂えよう。ええ、まさか、このわたくしが敵の罠に引っ掛かるなんてありえませんわ。堂々と、ズカズカと、土足で日ノ本の屋敷に入るが如く捜索を開始した。そうですわね、まずは被害者のお知り合いにでも接触してみましょうか。なんやかんやで聞き取り調査をしていると見るからに怪しげな『ウサギ』が一匹。自分の耳以外を丸々と隠すように跳ねているものがやってきた。あの、情報を提供したいのですが……あまり、目立つところでは話したくないので……。ああ、良い予感がします。もの凄く素敵な予感がします。つまり、わたくしは酷い目に遭いたいということで……。ごくりと咽喉を鳴らして埒外性、未来とやらを覗き込む。其処に『在った』のは……。
ゲルだ。ゲルと化して崩れ、ぐちゃぐちゃに踏み潰されている、己だ。ああ、不意を突かれて襲われて、挙句の果てには予想通りなわたくし……。流石に『あれ』を味わうのは惨めすぎるのではないか。あの、スワンプマンよりも醜い、尊厳への破壊は、まったく喰らいたいとは思えない。此処はしっかりと猟兵として……。
ウサギ――に視えていたものは――オマエに触れようとした。その瞬間を
先読みしてオマエはオーラを巡らせる。全力全開、触れるもの全てを跳ね返す完璧な構えだ。撃退に成功したならば筆舌に尽くし難い『それ』の『痕』を追っていく。
オマエは気付いていないかもしれないが、さて、足元を改めると宜しい。
ゲル溜まりに掬われたら、嗚呼、台無しではないか。
用心するべきはオマエの方だと立派な旗が訴えている。
成功
🔵🔵🔴
ルフェ・スカルリリー
【アドリブ歓迎・NG無し】
※()は分身のセリフです。
まずは情報収集ですか。それなら人手を増やして取り掛かりましょう。
ユーベルコードで私の分身を呼び出します。(はぁ?面倒くせぇな。)……一応、仕事は真面目にしてくれる子です。
私は住民に聞き込みをしましょう。(やめとけよ。お前は単純だから、敵に騙されて溶かされそうだ)む……大丈夫ですって!昔、交渉や心理の勉強したことありますから!(あっそ。まぁ、人を相手するのは任せるぜ。俺はゲル化の現場でも調べるか)ええ、お互い気を付けましょうね。
(任せるとは言ったが、あいつ本当に騙されたりしないよな?駄目だった時はバケツにでも詰めてやろ……)
人間の精神には鬼が棲み憑いている。たとえ獣だろうと、怪物だろうと、死人だろうと知的生命体で在れば『人間』と解釈しても宜しい。無い有る噂が飛び交えば不安は現実と化し霧の濃い街を患わせるものだ。ああ、煩わしく思えてたまらない。咽喉へと這入り込んだ不定形のお味は窒息してまで望むべき悦楽か否か……。まずは情報収集ですか。それなら、人手を増やして取り掛かりましょう。死体が喋るな、なんて、兵隊さんから突っ込まれそうだが問題はない。そもそも彼方も
死体ではないか。毒林檎へ接吻するかの如くに、ずるりと、己の埒外性を世に映す――はぁ? 面倒くせぇな。つーか俺は戦闘の方に特化してんだぜ。なんでまた、こんな、厄介事になんか――一応お仕事はしてくれるオマエの分身サマだ。真面目で、クソ真面目で、たいへん喜ばしい……。
私は聞き込みをしましょうか。きっと街に住んでいる皆さんは心優しいに決まっています。今、途轍もないフラグが呵々と建築された気もする。いや、気の所為ではない。濃厚な霧も吃驚な、大きな大きな橋が架かる……。やめとけよ。お前は単純だから、敵に騙されて溶かされるのがオチだ。はやく魔女んとこに戻って泣きつくのが正解だぜ? む……。ちょっとばかりイラっとしたのだ。いくら自分だからってそんな忠告の仕方では火に油を注ぐ――大丈夫ですって! 昔、交渉や心理の勉強したことありますから! あっそ。俺のことだから『止められない』のは知っている。それを理解して、あの野郎は口走ったのだ。俺はゲル化の現場でも調べるか。何があっても知らねぇからな……。ええ、お互い気を付けましょうね。何が『お互い気を付けましょうね』だ。何が……。
……不安。筆舌に尽くし難いほどの不安が俺の心に圧し掛かった。冷静さに劣るだって? 今は俺の方が冷静じゃねぇかよ。任せるとは言ったが、あいつ本当に騙されたりしてないよな? まぁ、駄目だった時はバケツにでも詰めてやろ……。
……バケツで足りるのか?
ドラム缶にしておくか。
成功
🔵🔵🔴
ロヴァキア・シェラデルト
闘えない人間の命などに興味はないが、これが仕事なら仕方がない。
もう大丈夫だ、助けに来たぞ。
俺はこの街の人を助けるために日々鍛錬してきたのだ。後のことは任せるといい。
ああ、ここが片付いたら俺も後を追う。心配しなくても必ず黒幕を見つけ出してやる。
ところで他にゲル獣人を見なかったか。もしかしたら、その中に俺の宿敵がいるかも知れないんだ。
などと、昔殺した奴らの言い方を真似る。つらつら嘘で言いくるめて情報収集。
…どのくらいフラグを立てれば変異するんだろうか。
ゲル住民(生死問わず)を一回殺…倒してから【泥雷】で叩き起こす。
住民の証言からゲルの目撃情報を、ゲル本人からの証言で変異の間際関わった場所や相手を。
チープな味わいこそがイングランドの象徴だと何処ぞの誰かさんが嘲るようにこぼしていた。あふれんばかりの混沌が、漏れ出すようなスモッグが、肺胞から現れるとは流石ヴィクトリアか。蒸気を支配者として、狂気を支配者として君臨させているこの超大国は、最早、獣人にとっての棺桶に等しい――闘えない人間の命などに興味はないが、これが仕事なら仕方がない。ああ、探偵業とやらはなんとかホームズにでもぶん投げれば良いのだ。きっとお医者様が付いてきて治療から検死までバッチリと謂えよう。ぶらりと歩いていたら彼方からの悲鳴。さて、誰が何になったかは知らないが、正義の味方として振る舞ってやれ。
オマエが辿り着いたのはとある建物であった。
雰囲気がよろしい事から軍人様か貴族様でも泊めているのだろう。
もう大丈夫だ、助けに来たぞ。心にもない事だ、正直に、心から如何でもいい事だ。如何して闘志すらも抱けない、只の獣人に声を掛けなければならない。俺はこの街の人を助けるために日々鍛錬してきたのだ。後のことは任せるといい。これは昔殺した奴らの真似事だ。つらつらと、ぺらぺらと、極薄の言の葉で包めてやる。ああ、ここが片付いたら俺も後を追う。心配しなくても必ず黒幕を見つけ出してやるさ……。ところで、他にゲル獣人を見なかったか? もしかしたら、その中に俺の宿敵がいるかも知れないんだ……。フラグを立てる。乱立させていく。なあ、教えてくれ、いったい何処にゲル獣人が……。ようやっと目の前の獣が溶け出した。本来ならこのまま、オマエも犠牲者に成るのだが――。
スワンプマンの出来損ないが何を喚いている。今から、出来損ないではなく本物にしてやれば宜しい。死んでいようと生きていようと雷に打たれれば起き上がる。まあ、その前に、念には念を入れて殺してはおくが……。弾丸は消耗品ではない、それに、化け物だって貫通する。
で……? ゲルが溜まっていそうな場所、この事件の黒幕が居そうな場所、教えてくれ。これは質問ではない、命令だ。傀儡にされたゲル獣人が口を開く。……私をゲルにしたのはウサギです。とっても溶ける、ウサギなのです。ウサギを指揮しているのは、如何やら、ブタだというお話です。それと……。
アナタの後ろにブタさんがいますね。
……棚から牡丹餅か? 余所見するつもりはない。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『俗物軍人『ブタ将軍』』
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POW : トンカツ作戦
戦闘用の、自身と同じ強さの【レベル×20体の歩兵】と【レベル÷10両のパンツァーキャバリア】を召喚する。ただし自身は戦えず、自身が傷を受けると解除。
SPD : ビフカツ作戦
【サーベル】を向けた対象に、【自身が指揮する兵士達の機銃掃射】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : カツレツ作戦
【信号弾】を合図に、予め仕掛けておいた複数の【兵隊】で囲まれた内部に【カノン砲から発射される榴弾】を落とし、極大ダメージを与える。
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まったく――ネズミどもめ。
吾輩の計画を邪魔するとはいい度胸じゃないか。
猟兵がとある建物内に集まると、待っていたのはブタであった。恰幅よろしく、軍服で身を包んだブタはブヒブヒと猟兵を嗤ってみせた。
貴様等は吾輩の、極めて大好きな行為を妨害してしまった。望外なほどに、存外なほどに素晴らしい獣人ゲル化計画を、秘密を暴いてしまったのだ。貴様等はおそらく吾輩を殺そうとするだろう。止めようとするだろう。莫迦者めが……。
何……? そんなにも戦争が好きなのか?
やはり貴様等は愚かだ。吾輩は確かに、戦争も好きだが、それ以上に――獣人が苦しむところを視るのが大好きなのだ。戦闘よりも虐殺、虐殺よりも実験、実験が失敗すればするほど、より良い! と、謂うワケだ。理解したかな? 腐れザクロ諸君。
では――ネズミのように死ぬがいい!
イリスフィーナ・シェフィールド
ふぅ、危なくゲル状になってしまうところでした、助かったのは日頃の行いですわね。
いかにも外道っぽい豚野郎様ですわね、部下に戦闘丸投げなあたりが特に。
こうなったらさっさと絞めて差し上げましょう……。
そういえば今故郷では闇鍋を開催しましょうって募集がありましたわね。
シャドウ・モードを発動して敵が見惚れてる内に
豚野郎様に接近して殴り飛ばしてコードを解除させましょう。
後は蹴り飛ばしたのを捕まえて更に投げ落としからの絞め技で絞め落としましょう、ハムの如くギュッとですわ。
ギュッと締めたのは兜の緒か、それとも、極厚の揚げ物か。
神の怒りにでも触れたのか、雷にでも中てられたのか、ポッキリと折れたフラグを片手にオマエは五体満足で立っていた。ふぅ、危うくゲル状になってしまうところでした、助かったのは日頃の行いのおかげですわね。突っ込んだところで此方の負けになるのは常の如く。何方かと謂えば日頃の行いが愉快だったからこそシュールが裸足で逃げ出したのではないか。閑話休題――いかにも外道っぽい豚野郎様ですわね、部下に戦闘丸投げなあたりが特に。トンカツ作戦だなんて宣っているのは自らのチープさを、メッキの軟さを、衣で隠す為に違いない。こうなったらさっさと絞めて差し上げましょう。そういえば今故郷では闇鍋を開催しましょうって募集がありましたわね。恋煩いの味も知らないオコサマ・ランチに、乱痴気騒ぎの大将サマに現実の苦さと謂うものを摺り混まねばならない。向かってくるキャバリア、吶喊してくる歩兵どもにダイナマイトをプレゼントだ。ただし、それはオマエの肉体である。シャドウ・モードと冠しているクセに色仕掛けとは流石は忍者、いや、ニンジャだ。
スタイル抜群のオマエに、完璧なヴェールを纏ったオマエに、魅了されない者はいない。銃剣を構えていた兵どもはなんとも滑稽な
前屈みで留まっている。ええい、使えない奴等だ。吾輩が直々に狂気要塞の、UDCの糧としてやろうか……! 悪態を吐いている余裕があったなら警戒を強めるべきだった。お元気な兵士を突破したオマエは豚野郎様に肉薄する――ダイエットの時間ですわ、搾り取ってあげますの。殴り飛ばし、蹴り飛ばし、ユーベルコードの解除を確認して――投げ落とす!
豚野郎様にはタコ糸がお似合いだ、オマエと呼ばれるタコ糸を!
音を上げるのがお早いこと!
大成功
🔵🔵🔵
印旛院・ラビニア
途中参加で駆け付けたのはネズミじゃなくてウサギだよ
「ゼリーは好きだけど、人をゼリーにするのは趣味が悪いよ」
召喚された軍隊に
大口を叩いてUC発動
「有象無象を呼んだって、この僕を止めることは到底無理さ」
叩いた以上は引き下がれない。軍隊は攻撃を【ダッシュ】で逃げつつアサルトライフルの銃弾をばら撒いて、パンツァーの砲撃は逃げながら攻撃パターンを【学習力】で覚えて、隙を見てサーベルで足を切り落としにかかり、動けなくさせる
「猟兵相手にこれじゃ足りないよ。この教訓を周知させる暇は与えないけどね」
羞恥の女神はそのまま引き金を引いて将軍を撃ち抜くよ
呼吸し易い額ではないか、其方でも葉巻を吸えるのではないか。
どろりと、こぼれた漿液の色を態々確かめる必要はない。
人を殺すのは恐怖や悲哀、マイナスと称される感情の群れで在ろうか。それは違う。人を最も殺している感情はプラスのもので有り、特に、好奇心と呼ばれる代物は始末も難いか。お気軽お手軽なクエストに首を突っ込んだならバグ様との正面衝突、脳天ごつんとしてしまったなら、成程、情緒諸共に焼かれても文句は謂えない。ちょっと失礼、駆け付けたのはネズミじゃなくてウサギだよ! ほう、跳んで火に入るウサギとは滑稽な奴め、吾輩、トンでもない莫迦を視た気がするわ。ブヒブヒとした嘲笑と共にトンカツが揚がる。おお、彼方よりやってきた兵どもはゲル塗れか、或いは毛塗れか……! ゼリーは好きだけど、人をゼリーにするのは趣味が悪いよ。こんなもの、僕にかかれば十秒も掛からないね! ほう、
大口ではないか。申し訳ない、貴様はウサギではなくマウスだった! 有象無象が並んでいる。命令を待つだけの人形が薬か何かをやっている。そんなヘナチョコ歩兵を呼んだって、この僕を止めることは到底無理さ! 叩き付けた言葉を呑み込む事は出来ない。引き下がれる筈もない。鉛玉を喰らうよりも先にあのロースを喰い破れ!
ばら撒いてくれよアサルトライフル、歩兵どもを足止めできれば上等だ。脱兎の如くを頭に置いてパンツァーの砲撃を潜っていく。これは修羅場だ。敵の行動パターンを把握すれば、掌握すれば、即座に狩場へと変わっていく。隙を見せたな――? おお、狙えよ、首を刎ねよ! 最も――オマエが刎ねたのは足首だが!
猟兵相手にこれじゃ足りないよ。この教訓を
周知させる暇は与えないけどね。羞恥の女神よ、戦女神よ、ブレイン・カレーを召し上がると好い。
引き金は既に……。
成功
🔵🔵🔴
ロヴァキア・シェラデルト
ゲル化する前に気づけたということは、フラグは折れたと考えて良いのか?
…こいつもこいつでお手本のように「奇妙な事を言い出した」な。
黙って隠れていれば良いものを、わざわざ出向いてくれるとはよほど作戦に自信がある様子。お前はいつ溶ける?
【血渦葬】で敵陣向けて無数の斬撃を放つ。そのうち1つでも本体に当たればよし、そうでなければ激痛耐性を活かし捨て身の攻撃。
出血した己や敵兵の血を赤い槍[ヴァローナ]に変え、切り払いながら進む。本体に一太刀でも浴びせられればそれで十分、あとは嬲り殺すだけ。
素早さと身軽さには自身がある。殺される前に殺せば良いのだ。
命を賭けるに相応しい敵か否か。
嬲り殺しだ、鏖殺だ、ネズミのように死ぬのではない。
人間のように死ぬのだ!
地を這う蛆虫を綺麗にする為、泥沼へと運ぶ行為は果たして、優しさなのか別のものか。転がされた蛆虫からの「余計なお世話」も耳にせず、只、泥濘とやらをかけていく豚心よ。ああ、溶けていた。溶けてくる前に気付けていた。故に、オマエに突き刺さったフラグは既に殺されていたのだ。そう、折れたと考えて良いんだな。クエスチョンを取り除け、あとは莫迦みたいな戦場を駆け抜けるだけだ。……で、こいつもこいつでお手本のように「奇妙な事を謂い出した」な。黙っていれば良いものを、隠れていれば良いものを、わざわざ、出向いてくれるとはよほど作戦に自信がある様子。それとも、脳味噌がスポンジで出来ているのか。お前はいつ溶ける……? トンでもない事を宣う、まさか、吾輩が溶けるとしたら、それは鉄板の上でだけよ……! お上手なジョークだ、嗤ってくれる。
向けられたサーベルよりもオマエの方が早かった。当たり前だ、鈍足極めた豚足なんぞに、光速が負ける所以などない。地を這う無数の蛆虫、否、百と三十五の斬撃が兵とやらにぶつかった。成程、部下を肉壁にするのが趣味な将軍サマらしい。悪くない。いや、悪いからこそ、誰にもまったく何も
文句われず屠れるものだ。なあ、素敵なコミュニケーション相手だろうよ。捨て身――痛みを興奮に変換せよ、赤だ、血だ、嵐とやらがやってきた。
必要なのは想像力ではない、シンプルな、暴力から発生する、派生する、得物の鋭利さだ。
赤い槍を握り締め敵陣を薙ぎ、レッド・カーペットの味をしめる。一太刀だ。あの豚に一太刀でも浴びせられれば、それで十分なのだ。……素早さと身軽さには自信がある、穴あきチーズになるよりも先に殺せば良いのだ。
命を賭けるに相応しい敵か、否か……。
……豚は豚だったな。貴様は貴様自身の命を賭けて、戦争をしなかった。
貴様は猪ではない!
勿体ない奴だ、この悦びを知らずに、串刺し刑とは!
成功
🔵🔵🔴
ルフェ・スカルリリー
【アドリブ歓迎・NG無し】※()は分身のセリフです。
何故ドラム缶を持ってるんです?あ、さては私が溶けると思って入れ物を用意したんですね。せめて自分自身は信用して欲しいものです。
(うっせ。お前がフラグ立てるような事言うからだろ。)分身はドラム缶をブタ将軍の方に蹴っ飛ばしてから、射線から逃げつつ[斬撃波]を飛ばしに行きました。
彼が[存在感]を出してる内に[クライミング]で壁を登り、ヴォルテックエンジンで体に[力を溜めて]、天井からブタ将軍に[不意打ち]の一撃を隠剣で仕掛けます。
壁を登ろうとしてるのがバレたら、[気合い]入れて無理やり[切り込んで]行きましょうか。
ネズミ肉のハンバーグにゲル状のソース、何方も原材料は同じではないか。
一石二鳥だとブタは嗤っていたが喰う側の身にもなってくれ。
次は喰われる側だがな。
転がっているのは大きな大きな、人ひとりはすっぽりと入れる、ドラム缶と呼ばれる代物だった。お風呂にでも浸かるのかと最初は思ったが分身の姿を見たオマエは瞬時に察する。あ、さては私が溶けると思って容れ物の用意をしたんですね。せめて自分自身は信用して欲しいものです。頬を膨らませるフリをした本体サマに目をやった。なんだか少し腹が立ってくる。うっせ。お前がフラグ立てるような事言うからだろ。そもそも、突っ込んでいったお前が悪いんだぜ。ピーピーと言の葉を連ねているついでにドラム缶転がしだ。蹴り飛ばされたソレは凶器となって、目隠しとなってブタ将軍の方へと向かっていく。サーベル掲げての死刑宣告だなんてイマドキ誰もやらねーよ。射線から逃れた刹那に飛ばせよ斬撃、歩兵とやらを崩していく――私の分身ながらいい『存在感』です、死角を取るには絶好の機会ですね。
壁を登攀する事に苦はなかった。分身が陽動をしてくれているオカゲで力を蓄える事だって容易い。魂の衝動よ、莫大なエネルギーよ、身体を巡り、集中して埒外性を高めるのだ。如何やらバレる心配は無さそうだ。正面突破よりも横槍を入れる方が戦場らしくて悦ばしい。さて――頃合いですか。天井からの奇襲攻撃……暗殺……豚串は結構売れるそうですよ。
懐に隠しておいた小さな小さなナイフでは貫く事は難しい。されど、首を掻っ切る事くらいは楽々なのだ。む……貴様、最初から吾輩だけを狙っていたのか! あっちは分身だよ、君、スポンジみたいな頭をしているクセに、戦術を吸収出来なかったのかい。ざしゅりと、抉るようにプレゼントをしてやった。どうです、私も中々、料理がお上手でしょう。
おい――もう済んだんだな? お前のジビエなんか喰いたくねぇが。
成功
🔵🔵🔴
ライラ・ロックハート
そう、あれはまだ私が幼かった頃。
初めてのフランス料理店で、メインディッシュに出てきたのはゼリーで包まれた謎の冷たい肉料理。
元々ぬるぬるしたものが好きじゃなかった私は、それ以来フランス料理が苦手になったわ。
ここは英国?
別にそんなことはどうでもいいわ。
私が言いたいのは、ゼリーと肉の組み合わせは最悪ってこと。
だから。
ちゃっちゃとおっ死ね、
英国野郎。
《サイコキネシス》で葉巻を取り上げ、眉間に擦り付け。
敵が対応している間に接近し、フォースセイバーで斬り捨てるわ。
異次元を覗いているのは
要塞なのか、或いは
獣なのか。残飯代わりのゲルどもが咽喉を、胃袋を満たしていく。この酷い味こそがイングランド戦線の象徴だ。突き刺さった腐り欠けの魚が彼方を、虚空を見つめている。
人間の舌は――脳は――幼い頃に好き嫌いと呼ばれるものを
構築ると謂えよう。大人になっても尚、苦味や辛味が苦手な人も大勢いる。それに加えてトラウマなんてものが這い寄ってきたならば、最早、矯正する事など不可能か。そう、あれはまだ私が小さく、比較的生身だった時。初めてのフランス料理店で、メインディッシュに出てきたのはゼリーで包まれた謎の冷たい肉料理。ああ、ぬるぬるしていた。ヌメヌメと、此方を見ていた。元々、そういうものが好きじゃなかった私は、それ以来フランス料理を見ると気分が悪くなった。それで……ここは英国? 美食を悪徳だと、背徳だと宣う超大国か。ヴィクトリアンな雰囲気がまったくお似合いではない豚さんとのお見合い。いや、別にそんなことはどうでもいいわ。私が言いたいのは、ゼリーと肉の組み合わせは最悪ってこと。それに、内臓が主だなんて本当に狂っている――このハギスめ。生々しいハムめ。
ちゃっちゃとおっ死ね、
英国野郎。歩兵が幾人やってこようがパンツァーを幾つ並べてこようが、遠距離からおちょくってやれば解除される。サイコキネシスで狙うは英国野郎の、ブタ将軍サマの葉巻だ。細かい操作は要らない、あの、皺くちゃな眉間に摺り付けてやれ。ああ、熱い。なんて厚い面の皮だ。焦げ臭さが漂う……。隙を晒したわね。ブヒブヒとヤカマシイ獣に、ケダモノに、肉とやらに
薄してくれ。
嗚々――両断だ。
臓腑かゼリーかも解せない、只の、微動もしない屑にすると好い。
成功
🔵🔵🔴
第3章 集団戦
『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』
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POW : メルティング・シュガー
自身と武装を【ゲル化させる薬液】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[ゲル化させる薬液]に触れた敵からは【肉体や装備を溶解させることで戦闘力】を奪う。
SPD : フォーリング・パウダーシュガー
自身が装備する【軍服】から【粉砂糖状のBC兵器】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【溶解】の状態異常を与える。
WIZ : シュガー・ウィズ・シュガー
体内から常に【甘い香り】が放出され、自身の体調に応じて、周囲の全員に【相手を疑ったり敵対する意思を奪う、】もしくは【『甘えたい』『ダメにされたい』など】の感情を与える。
👑11
🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔵🔴🔴🔴🔴
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将軍の死体を――半分ほどのゲルを――視た君達は、狂気が増幅されている事に気が付いた。ああ、認めるしかない。咀嚼する他にない。この、黒幕が存在していた建築物こそが『狂気要塞』なのだと。脳髄が警鐘を鳴らす中、要塞の至る所から『ウサギ』が跳ねてきた。いいや、跳ねているのではない。ウサギは、ずるずる、ぬるぬる、這ってきたのだ。あのウサギどもこそ『ゲル化』の原因に違いない。しかし……多い。莫迦みたいに多い。ウサギはネズミのように増えていたのだ。ああ、今現在も増え続けている!
君達はウサギを蹴散らし脱出しなければならない。
狂気要塞を完全に破壊する事は不可能だろう……!
ただ、このまま脱出してもオブリビオンは再びゲル化の脅威を振り撒く筈。
何処かにある『蒸気内臓』だけども砕いてしまえば、打撃を与えられるかもしれない!
※※※
プレイングボーナス:狂気要塞の『蒸気内臓』を破壊する。
イリスフィーナ・シェフィールド
あら可愛いウサギさんと思いましたらゲル津波でちっとも可愛いくありませんわっ。
ゲル津波が押し寄せる前にロボ形態の真の姿に変身し
香りをできるだけシャットアウトして
空中飛びながらギリギリまでライトニング・プレッシャーで周りを攻撃です。
蒸気内臓に当たればラッキーの心持ちでまいりましょう。
限界ちょっと前に退避いたしましょう、安全第一ですわ。
ゲル状態に溶けてしまっては抱擁も満足に受けれませんし。
不屈――その二文字が似合う女に成れた気がする。油断大敵を自身の心に、精神に刻み込んでケダモノどもを見定めた。ゼリーにウサギ肉を隠すだなんて巧妙な。
――わたくし、臭い物には蓋をしないとダメだと思いますの。
一滴の珈琲と山積みの砂糖、多量のミルクに誘惑されて、嗚呼、脳髄が彼方へと飛びそうだ。堕落への導きとして、怠惰からの遣いとしてウサギがネズミのようにやってきた。視線、骸の海を彷彿とさせる
大渦巻きに投げ込んだならば、ほんの僅かに抵抗とやらがバランスを崩してしまう。あら、可愛いウサギさんと思いましたらゲル津波でちっとも可愛くありませんわっ。ふらつく頭部を両手で抑え込み敵対者の、狂気の真実とやらを暴き出す。あれの何処が魅力的なのか改めて考えると宜しい――つまりは、バナナのような甘い香りなのだ。それを遮断すれば、無意味にすれば、何もかもは此方のもの……。
ゲル塗れになるよりも先に己こそが真実だと
猟兵らしさを身に纏うと良い。マスクを被ってしまえば、装甲を身に着けてしまえば、理性だけが前面に押し出される。そう、不都合なもの、汚染的なものはシャット・アウトだ。空を舞う姿は、超次元の渦めいた門を往く姿は、まるで、戦場に降り立った
戦女神……。ああ、光だ。神からの贈り物は神の怒りへと変換され、意志ある存在の得物と化す。ええ、蒸気内臓に中ればラッキーですわ。泥人形を作る気は無いと宣告してやれ、現実はシュガーではない。
空中――優勢だとは思っていたが、さて、オマエは経験を積み重ねてきた猟兵だ。少し前のオマエで在れば吶喊し、気分の良さに呑まれていた事だろう。限界ちょっと前に退避いたしましょう。安全第一、まだいける、は、いけないのサインだ。
ゲル状に溶けてしまっては抱擁も満足に受けられませんし。
この判断には女神様もニッコリだ。くるり、背後を確認する。
機械と臓腑とゲルのキマイラが、キメラが絶叫していた。
成程、オマエは
幸運を掴んだのだ。
成功
🔵🔵🔴
ライラ・ロックハート
飛ばない豚はただの豚だっけ?
それなら跳ねない兎は何なのかしらね。
って、這ってるし、ぬめってるし。
だから、ゼリーと肉の組み合わせは最悪って言ったわよね。
とてもまとも相手なんかしていられないわ。
念動力で空中に移動。
湧き出てくる兎にブラスターを撃ち込みつつ、広域に念動力を展開して蒸気内臓を捜索。
内臓っていうくらいだから、蠢きはするだろうけど、動いたりはしないわよね。
だったら、私の力に最適。炉心直結型のバスターをUCで強化して叩き込むわ。
倍率は10倍、100倍、1000倍、10000倍――
動かない奴相手なら、いくらでも高めらるわ。
死神は何処にでもやってくる。既に死んでいても、骸の海からのシュガーでも、その暴力からは逃れられない。嗚々、今この瞬間こそが『場合』なのだ。全身全霊で目標を殲滅しなければならない……。
アザラシだったか、オットセイだったか、曖昧な記憶を弄ったところでひとつのドキュメンタリーに遭遇する。モザイクを拭い取った何処かの誰かさんの所為で発酵済みの鳥さんがデカデカと映っている。それに続けての接吻シーンだ。部位の描写は省く事とする。飛ばない豚はただの豚だっけ? それなら跳ねない兎は何なのかしらね。ウサギを名乗った時点で、生命の末路だと喇叭を吹いた時点で、嗚呼、冒涜的だとしか言の葉に出来ない。……って、這ってるし、ぬめってるし。感知出来ないユーベルコードを揮ったところでゲル化ウサギよ、そんなに溜まっていたら意味が無いではないか。だから、ゼリーと肉の組み合わせは最悪って言ったわよね。とてもまともに、正気に、相手になんかしれいられないわ。ぶわりと宙に浮かんだならば
独壇場だ。無限だろうと無間だろうと、最早、オマエと謂う高みには届かない――勿論選ぶべきは連射、光輝、ウサギ・ゼリーが蒸発していく――で? 蒸気内臓はどこかしらね。内臓ってつくんだから蠢くだろうし、動けない筈だ。目と鼻の先、ウサギが蒸発した事で露になった脈動の一。
だったら、私の力に最適。ゲル化ウサギと同程度には気持ち悪いけれども、そう、ゼリー感が無いだけマシなのだ。炉心直結――バスターの準備は万端だ。掌を狂乱に。
倍率は……10倍? いいや、100倍。それとも1000倍。甘い甘い、アレを確実に壊す為なら、10000倍だって厭わない。幾等命中率が下がろうと、不動に成ろうと、相手も不動なら関係ない。いくらでも、なんどでも、倍加することができるわ……!
圧倒的だ、絶望的だ、語彙までも吹っ飛ぶ奈落のような有り様。
――漆黒が咲いた。闇が嗤った。
成功
🔵🔵🔴
ロヴァキア・シェラデルト
どういう仕組みかしらんが街一つ軽く狂気に落とせる力、放っておくには惜しい。
UDC…つまり喰えるものならば喰らう。いずれはな。
【仕事道具】で無から次々召喚される衝撃手榴弾を投げ入れ攻撃。
自分の機動力を活かして上へ上へ(または壁をぶち抜いて)逃げながら可能な限り破壊工作メインで活動する。
兎たちを一々攻撃していては囲まれるだけだ。蒸気内臓がどこにあるか分からん以上今は手当たり次第に。
マフラーで呼吸器官を保護、皮膚は羅刹紋で硬化させる。防御手段が心もとないため悔しいが長居はできんな。
窓または武器で壁にぶち開けた穴から飛び出して逃走。落下耐性と軽業で安全な場所に移動する。
殺意と面倒の狭間で頭が揺れていた。阿鼻の底無しからやってきた傷だらけの塩水。染みた。そう、沁み込んだのだ。浸透するゲルの汚らしさに振盪を覚える。
容易に殺せるとは思うなよ、スーサイド・シュガーの足踏み。
狂気要塞――あまねくを惑わせ、悉くを狂乱させる、UDC怪物の一種。その巨躯と隠蔽性は他の怪物すらも騙して誘う、そのようなイメージをオマエに与えた。どういう仕組みかしらんが、知りたくもないが、街一つ軽く狂気に落とせる力、放っておくには惜しい。先程は「知りたくない」と言の葉にしてしまったが、実際のところは「味わってみたい」の間違いだ。喰えるものは喰らい尽くして己の血肉にしなければ『損』と謂うもの。しかし「いずれ」だ。俺の脳味噌や胃袋は『これ』を貪食するほど成長出来ていない。さて、この場面、必要なのは冷静な判断力ではない。シンプルな暴力、莫迦げた火力と呼ばれる代物か。
仕事道具は欠かさず手入れをしている。丁寧に丁寧に用意して、そうして、乱雑に的へと放り投げる。爆発だ、おお、大爆発だ。転がった手榴弾は悪夢めいた衝撃で以て壁やらウサギやらを纏めて鏖殺していく。そのまま脱兎と洒落込むが宜しい――ついでに囲まれないよう機動力を活かし、内臓探し、試みた。
手当たり次第だ。ランダム・エンカウントは思いのほか早く、ドクン、と脈打つ音。蒸気内臓の発見と共に、ぶわり、甘ったるい臭いが届く。マフラーでの保護は緊急的なものであり、おそらく、完全にシャット・アウトは難しい。悔しいが長居はできんな。蒸気内臓へのプレゼントを終えたなら、追われる前にオサラバ告げるが好い。窓、或いは外へと繋がるだろう壁の崩壊――飛び出せ! たとえ高所からだろうとオマエはキャットと変わらない。
――安全地帯は直ぐ其処だ。ミッション・クリアの静寂。
口寂しいと分泌騒がしい。
成功
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ルフェ・スカルリリー
【アドリブ歓迎・NG無し】
これは……まずいですね!香りをどうにかする術がないです、準備が足りなかったですね!命を懸けた鬼ごっこです。[悪路走破][軽業]で逃げつつ、跳んできたウサギは[斬撃波]で触れないように攻撃していきます。
ただ、蒸気内臓を破壊しないと依頼達成とは言えませんね……ユーベルコードでウサギを眠らせる事ができて、余裕があったら探してみましょう。
金色の眼に映り込んだのは黒々としたシュガー・ラビット。ひとつひとつの輪郭がハッキリとしないのは密集している所為で、嗚々、彼女等は珈琲の中のフレッシュとも思えた。蓄えられた糖度はひどくヒトっぽく、故に死体すらも動かすエネルギーを担えたと。
要塞が震えるように嗤った。オマエを抱擁しようと思考掠奪の沼が往く。
雷に打たれたかのような衝撃、ハートバーンへの誘いか。
人類をダメにする、台無しにする方法は灯台下よりも近くに存在している。柔らかいものと温かいもの、それに加えて甘ったるい香りが漂えば、如何様な不屈もグツグツとろけるか。これは……まずいですね! 嗚呼、オマエにはこの狂気の爆発を、ゲルの馥郁を塞ぐ術が無かったのだ。妨げられる事なく鼻腔に這入ってしまえば、愈々、ゼリーどもの仲間入りか。ご一緒にテケリリ啼き叫ぶと宜しい、アルビノ・ペンギンめ……。準備が足りなかったですね! 命を懸けた鬼ごっこの時間だ。何処かの誰かが爆破した瓦礫を難なく進み、軽々と脱兎を決め込む――飛んで火にいる夏の虫? いいや、跳んで鍋に入るウサギの群れだ。触れない為の斬撃が波と成って、遠距離への睡魔と成って、ブルー・ミストを讃える。
スヤスヤするまで飛び回り、跳ね回ってようやく、オマエは静を勝ち取る事が出来た。あとはゆっくりと依頼達成の為に
蒸気内臓とやらを探すと宜しい。こんもりと山になったゲルどもの奥、脈打つ臓腑の不定形さを認める事と成った。いや、余裕があって良かったです。これなら私も安心して夢の世界に旅立てそうです。
魂の衝動の逆流、オマエからの過剰なエンジン、まさか、フランケンシュタインの怪物ではないのだから。狂気が再び鼓動する事など――在り得ない!
大成功
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印旛院・ラビニア
ああ、これはダメにされる。身体でなくて心が溶かされるタイプのやつだ
「ここは僕にまかせて先へ行くんだ!」
などとカッコいいことを言いつつもゴロゴロ甘える
「まあ、僕がダメになっても他が頑張ればいいし」
一応手は打ってある。自分がダラダラしている間にクリーピングコインを【ザナドゥシティの部下達】に変身させて蒸気内蔵の探索と破壊を任せる
探索と破壊が成功したら脱出だ。甘やかされ、溶かされた状態に慣れてきたら、自分の体を
適応させて、えいやっとやる気を出して逃げようかな。体が溶けてても、その体に適応すればいい。ゲーマーはそのあたり柔軟なのだ。
「甘いのに慣れたら今度はビターなものが欲しいね」
体調不良の人間にお粥を与えた際、如何様な反応を愉しめるだろうか。いい、自分でやる。なんて強がりもシュガーなウサギは嫌いではないが、やはり、頭を垂れるようにおねだりしてくる相手が大好きだ。発熱によって意識が朦朧とし、思考力や判断力に衰えが見える――その状態を無理矢理『創り出す』ようなユーベルコードだ、ドロドロ脳髄を啜る豚のような音……。ああ、これはダメにされる。身体でなくて心が、
遺伝子番号が溶かされるタイプのやつだ。「ここは僕にまかせて先へ行くんだ!!!」云々と叫んだところで、カッコウつけたところで、肩まで湯に浸かったかのような惰性具合。ゴロゴロと転がり甘えるサマは、無様さは、何処か、あの時のオマエにも似ていた……。まあ、僕がダメになっても他が頑張ればいいし。のんびりゼリー状に埋もれて、ショゴスにまみれてダラダラと境界線を殺される。一応手は打ってあるけどね。身勝手に動き出すクリーピングコイン、アレはなんだ。マスクをしている。刻まれているのは部下の二文字か。ニンジャだ、ニンジャが奔っている……寿司を調達して回っている……さてはヒーラーか!!!
ヒーラーで在ると同時にニンジャどもはシーフだった。瓦礫の影に身を隠しながら探索を行う。ニンジャの勘と技術を頼りに
蒸気内臓とやらを発見した。おお、見るがいい。ニンジャがコブシを揮えば、臓腑、サヨウナラを口にせず潰れたトマト!!! あとは脱出を試みるのみだが、オマエ、そろそろ自我まで喪失しそうだが……? まあでもこの甘ったるさには、とろけ具合には慣れてしまうよね。
適応を完了させたなら身体を起こせ、えいやの掛け声と同時に脱兎だ……。ウサギが追ってくる。追い掛けてくる。己こそが肉食動物なのだと、宣うように……。
知らなかったのか、ゲーマーはひどく柔軟なのだ。
今度はビターなのが欲しいね、チョコレートなんてどうかな?
君達はゲル化事件の黒幕を屠り、見事、狂気要塞からの脱出に成功した。
蒸気内臓を壊せたので、当分、連中は狂気の供給に滞るだろう。
――ネズミのように死なせてやった。
成功
🔵🔵🔴