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【サポート優先】討伐初心者おことわり!

#ゴッドゲームオンライン


 これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。

 討伐クエスト、それは初心者から上級者まで幅広く人気のある定番のクエストだ。そこにバクプロトコルが紛れ込めば、大惨事になることが用意に想像できる。
 今回の案件もそのようなものではあったものの、どうやら少しだけ様子が異なる。

「初心者用のエリアに、とんでもなく強いバクプロトコルが出現するのです」
 ゲームの世界といえど、バクプロトコルが出す被害は本物だ。現れてしまうのなら、被害を最小限に食い止める必要がある。
 バクプロトコルが出現したのは初心者用のダンジョンの近く。本当ならば弱いモンスターしかでないような場所らしい。

「バクプロトコル見た目が動物モンスターを混ぜ合わせたような異質存在です。大きさも大きく、近づくまでは一体しかいないためフィールドボスにも見えますね」
 一見するとその異様な姿から討伐クエストの対象には思えない。しかし近づくと増殖といえばいいのか、わらわらと数が増えるのだ。

「そのためどうやら犠牲になるのは初心者でなく、その噂を聞いて討伐せんとやってきた上級者のようなのです」
 まだ装備も十分でない初心者はボスキャラかなにかと思って遠巻きにするが、上級者にとっては見たことのない珍しいモンスター。
 戦いを挑むことに躊躇することはないだろうことか簡単に想像できる。そして大量のバクプロトコルに驚愕することも。想像できるからこそ、止めなければならない。

「初心者から上級者に噂が広がるまで少しだけ時間がありますから、その間に倒してしまってください!」
  幸い近くに出現するのは弱いモンスターばかり。戦いの余波で倒せてしまうか、ダンジョンへ向かう初心者に引き寄せられて移動するため気にすることもない。
 時間に余裕もあならば、猟兵たちのすることはただ一つ。人々に危害を加える敵を打ち倒すことだけだ。

「ゲームの世界でも、皆さんなら問題なく勝ってくれると信じています!人々の人権を守ってください!」


ぬぬかぬれ
 はじめましての方ははじめまして、こんにちはぬぬかぬれです。
 本シナリオはサポート優先になっていますが、通常のプレイングも受け付けています。

 今回のシナリオは「ゴッドゲームオンライン」危険なバクプロトコルを排除し一般プレイヤーが巻き込まれる危険を未然に防いでください。

●1章 集団戦
 群れをなして現れるバクプロトコルを討伐してください。
 フィールドはかなり広く、バクプロトコル以外に気を付けるものはありません。思い切り戦闘してください。

 2章は隠しモンスターとして潜んでいた竜牙兵・指揮官とのボス戦、3章は残党であるパワード・ミイラとの集団戦になります。

 アドリブ禁止の場合は簡潔で構わないので明記してください。文字数が足りない場合はア禁などだとわかりやすいです。
 共闘は禁止されている場合を除き今回のシナリオでは積極的に行います。
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第1章 集団戦 『アマルガムビースト』

POW   :    バグプロトコル・クロー
自身の【爪】が触れた対象に【バグ】を注ぎ込み、身体部位をねじ切り爆破する。敵との距離が近い程威力増大。
SPD   :    アマルガム・ゲイル
【魔獣のオーラ】を纏いレベル×100km/hで疾走する。疾走中は攻撃力・回避力・受けるダメージが4倍になる。
WIZ   :    ミューテーション・プロトコル
【体表面に出現する「魔獣の顎」】で敵の肉片を捕食する。自身の身体部位ひとつが変異し、敵のユーベルコードひとつを使用可能になる。
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エリカ・グランドール(サポート)
 サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
 戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。

※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」

 冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
 あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。

 ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。


鳥居・祐介(サポート)
戦闘スタイルは所謂「タンク」タイプです。
武装はほとんどが収納可能もしくは不可避なため一見丸腰に見え気弱でおどおどした外見で油断を誘って敵を引きつけ味方の突破や攻撃のための囮になります。
攻撃に対しては【激痛耐性】で多少の攻撃には怯まず耐え必要とあらば【怪力】で押さえつけます。
こちらの意図や強さを見抜く的にはグレートソードを抜いて大振りな攻撃を仕掛け否が応でも意識せざるを得ない状況にします。
ダメージが蓄積し瀕死になったら『風魔神顕現(アウェイキング・フレスヴェルク)』にて高い戦闘力を待つ風が人の形を成したような魔神を召喚して敵を薙ぎ払います。


杉崎・まなみ(サポート)
まなみは正当派後衛職のヒロインタイプです
聖職者教育を受講中の学生ですが、特に依頼に縛りは無く、どのような依頼も受けられます
但し人並みに気持ち悪いモノ、怖いもの等は苦手で遭遇した際は多少なりとも嫌がる仕草が欲しいです
甘いモノ、可愛いモノが好きで少し天然な所があります
初対面の人でもあまり物怖じせず、状況を理解して連携を取る動きが出来ます
シリアス2~3:ギャグ7~8割くらいのノリが好みです
ただシリアスもやれますよー

UCは状況に応じて、MS様が好きなのを使ってください

その他、細かい部分はMS様にお任せします


筒石・トオル(サポート)
「邪魔をしないでくれるかな」
「油断大敵ってね」
「ここは任せて」
正面切って戦うよりも、敵の動きを封じたり、属性防御を固めて盾や囮となったり、味方が倒し切れなかった敵にトドメを刺して確実に倒すなど、味方の安全性を高めるように動く。
ユーベルコード使用はお任せ。
使用しない場合は、熱線銃での援護射撃を主に行う。
人見知りではあるが人嫌いではないし、味方が傷付くのは凄く嫌。
戦うのも本当は好きではないが、誰かを守る為には戦う。
もふもふに弱い。敵がもふもふだと気が緩みがちになるが、仕事はきちんと行う……ホントだよ?


鳳凰院・ひりょ
久方ぶりの任務参加だ…
体なまってそうだなぁ…(汗

特に戦闘系で人手が足りない時には喜んで助太刀します!良かったら使ってください
接近戦では破魔の力を纏わせた刀での斬り合い、遠距離からは札による援護攻撃を主体に
状況によっては動物達を召喚して力を借りながら戦います(でも動物達に危害が及ぶような事は避けますけど)

指定UCは精霊力を目一杯込めたクリスタルドラゴンによる大火力での攻撃ですが、シチュエーションによりあったUCがあればそちらへ切り替えも可です
単独での行動よりは連携を重視した戦いを行います

少しばかり任務から遠ざかっていたので、戦闘での勘や体の動きが鈍っているかも
その辺りの描写も可です、お任せします



 ゲームの中だということは分かっていても、目の前にいる敵の見た目はゲームだからしかたがないと思えないほどリアルに見える。複数の動物を無理矢理にくっつけたかのような見た目のアマルガムビーストを目にして、まなみは思わず顔をこわばらせた。
 周りにいる他のモンスターは見た目だけなら可愛らしいものばかりなのに、明らかに異質な見た目の敵は恐ろしいものの倒さなければいけない相手がわかりやすくもある。そう気を取り直してまなみは杖を強く握った。

 エリカは周囲を見渡しながら、ゴッドゲームオンラインの世界が現実と変わりなく戦闘が可能であることを確認する。特別なにか違和感がある場所もないため、戦闘時に敵意外に気をつけることはなさそうだ。
 アマルガムビーストはどこか動物として不自然で、戦闘時の対応も一筋縄ではいかないかもしれない。それでもきっちりと観察すれば自ずと戦い方は分かってくる、エリカは慌てることなくしっかりと敵を見据えた。

 敵の数と近接以外の攻撃方法を持たないだろう獣の体を見て、トオルは援護射撃を中心に立ち回るべきだろうなと自分の役割を冷静に分析した。頭が良さそうには見えないため、不意打ちも有効かもしれない。
 今回は味方もいる。前線に立つよりもサポートに回ったほうが、味方全体の安全性も高くなるだろう。万が一のことがあれば、その時の判断で動けばいいだけだ。幸いあの毛皮はちっとも柔らかそうではないわけだし。そう思いながらトオルはちらりと横目で逃げていくふわふわしたモンスターにわずかに目をやった。

 祐介はほんの少しだけ敵の数とその異形に怯んだものの、足を引くことなくその場所に踏みとどまった。敵が強い方が魔神を呼べる可能性は上がるはず、だから大丈夫だと自分を奮い立たせる。
 一人だけではない、他に味方もいる状況ならば敵の目を引くことだって重要な役割だ。自分にできることを精一杯やろう、祐介はそっと不可視の鎧を撫でる。

 刀を握りながらひりょは軽く自分の動きを確認した。ここがゴッドゲームオンラインの中の世界だとしても、体の動かし方はなにも変わらないらしい。なまった体も良くも悪くもなることはなくそのままだ。
 戦いは体が覚えている。それでも久しぶりとなれば不安になることも少しはあるものだ。それでも肩に力を入れすぎないで、焦って一人でなんでもしようとしなければ、ひりょに多少のブランクがあっても遅れを取ることはないだろう。

「敵の行動パターンの解析は任せてください」
「あ、じゃあ援護は私が!」
「僕も援護に回るから、後ろは気にしなくていいよ」

 エリカとまなみ、トオルの声を背に受けて祐介とひりょはアマルガムビーストの群れに駆け出すように向かっていく。複数の動物の鳴き声を混ぜ合わせたような咆哮を発しながら、複数のアマルガムビーストがそれに反応して向かってくる。
 その爪を祐介が受け止めると、動きが止まったアマルガムビーストの前足を熱線が貫く。トオルの発したブラスターの一撃で隙が出来たアマルガムビーストの攻撃が弱まると、祐介は自分の腕輪にそっと囁いた。

 つむじ風のように現れたグレートソードで体勢の崩れたアマルガムビーストを斬りつけると、それに追い打ちをかけ起き上がらせないようにするように降り注ぐ熱線にしばらくもがいた後にアマルガムビーストはデータの粒子になって消えていった。
 グレートソードを構え直した祐介が息を吐いて後ろを振り向いたものの、トオルが涼しい顔をしてこちらを見ていたので慌てて前に向き直る。その様子とその体に傷がないことを確認して、トオルはほんの僅かに口角を上げた。

 まなみが天から降り注がせている光の合間をくぐり抜けるようにして、ひりょはアマルガムビーストの体に傷をつけていく。複数の動物が組み合わさっているが防御力の方はそれほどでもないようだ。
 それは動物たちの要素を攻撃にのみ偏らせているからなのだろう。食らうのが一撃だとしても洒落にならないかもしれない。そう考えたひりょは強気の攻めに出るよりも、確実にダメージを与えられる方を選んだ。

 天から降り注いでくる光は一発一発が決定打にはならないものの、確実にアマルガムビーストの体力を削りダメージを与えていく。その度に動きが鈍り攻撃が鈍り、更に光が当たりやすくなる。
 そうして弱ったアマルガムビーストを今が好機だとひりょが一刀のもとに斬り伏せる。その一撃を防ぐことも出来なかったアマルガムビーストは、そのまま倒れてデータの粒子に変わっていく。

 戦いの様子をしっかり見ながら、エリカはアマルガムビーストの行動を観察する。一見すれば普通の猛獣のようではあるが、普通の猛獣だとするにはどこか違和感がある。
 それは複数の動物をかけあわせたようなあの姿が原因ではない。それを理解したエリカは、アマルガムビーストの表皮が普通ではありえない様子で波打ちながら形を変えるのを目に止める。

「今アマルガムビーストに近づくと危険です!」

 その声に祐介とひりょが飛び退くのと、口などない場所から魔獣の顎が現れて先程まで二人がいた場所に噛みつこうと襲いかかったのはほとんど同時だった。
 それを見てまなみは思わず「なにあれ、気持ち悪い!」と顔をしかめ、トオルはその声と想像しない動きに驚いたようにわずかに目を見開いた。

「ええ、そういうのってアリ?」
「口、でしたよね?」

 噛みつこうと襲いかかったことなどなかったかのように、魔獣の顎があった痕跡すらわからなくなってしまったアマルガムビーストはこちらの動揺など歯牙にもかけずに攻撃を続けてくる。
 思っていたよりも異形の存在だったことに少しだけ驚きながらも、ひりょがはその爪を受けて腕ごと切り払った。祐介もアマルガムビーストの攻撃をいなすと、気にするところが一つ増えただけだと気を取り直す。

 不意打ちならともかく、タネが分かってしまえばそれを防ぐこともそう難しいことではない。なにせアマルガムビーストはチームを組んで向かってくるわけではないのだから。
 背後の敵の不意打ちを防いでくれる味方がいる状態では、最初の一撃さえ躱すことができれば気づくのは自分でなくとも攻撃を防ぐことは可能になる。敵が大きいのもこういった場合では猟兵たちに優位に働いた。なにせ的が大きいので援護射撃も当てやすいのだ。

「もうちょっとですよ!がんばりましょう!」
「……ほら、油断しちゃダメだよ」

 トオルの熱線銃が放った熱線が大きく開かれた魔獣の顎を貫いた。開いた口の中を攻撃されるのはアマルガムビーストにも効果があったらしく、大きな体がぐらりと揺れる。
 そこにすかさずまなみが光を降り注がせれば、蓄積されたダメージでアマルガムビーストはデータの粒子に変換される。そうやって倒していくたびに、群れをなしていた複数のアマルガムビーストもどんどんと数を減らしていった。

 最後の一匹の攻撃を祐介が受け止めると、後ろから飛び出したひりょがその動きに合わせたように刀を振るう。攻撃を受け止めきれなかったアマルガムビーストはそのまま音を立てて倒れると、跡形もなく消えてしまった。
 エリカが調べてみてもこの場所にいたアマルガムビーストの反応はどこにもない。他のモンスターにも異常はなく、巻き込まれた一般プレイヤーも見当たらない。

 無事に仕事が終わったことを確認した猟兵たちは、みなそれぞれに安堵の表情を浮かべて警戒でこわばっていた体の力をゆっくりと抜いた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​🔴​

風花・雪月
少し遅れてしまったようじゃ。
どうやら、増殖する輩は既に退治されておるようじゃな。

いや、念のため確認しておくとしよう。

UCにより戦場の管轄権を取得。
《監視》でデータの歪みや破損を把握し――

まだ残っておったか。
逃げておったのか、隠れておったのか。
はたまた隙間に嵌って動けなくなっておったのか。
いずれかは分からぬが、放っておいてまた増殖されてはたまらぬ。
最後の1ビットまで抹消してやろう。

しかし、バグを注ぎ込む力があるとあっては、近付かぬが賢明じゃな。
遠間より倒すとしよう。

逃げられぬように召喚した《式神》で包囲。
《扇子》を天に構えて振り下ろし、《五行》の金行をもって鋼矢の雨を振らせよう。


アトシュ・スカーレット(サポート)
性格
悪ガキから少し成長したが、やっぱり戦うのは好き
大人に見られるように見た目的にも精神的にも背伸びしている
目の前で助けられる人がいるなら積極的に救おうとする
口調は「〜だな。」など男性的

戦闘
【呪詛(腐敗)】と「棘」を組み合わせ、万物を強引に腐敗させる方法をついに編み出した
前衛も後衛もやれる万能型だが、前衛の方が好き
複数の武器を同時に操ることも可能
高速戦闘も力任せの戦闘も状況に応じて使い分ける
(装備していれば)キャバリアにも対応可
光や聖属性は使えません

非戦闘
聞き耳などを駆使した情報収集を中心とする
化術で動物に化けて偵察することも


ロータス・プンダリーカ(サポート)
素早さが売りの格闘猫
口調は「ですにゃ、ますにゃ、ですかにゃ?」と丁寧語に「にゃ」が付く

年齢の割に子供っぽい、と言うか猫っぽい
時々猫の本能には抗えない
尻尾や耳が感情と共に良く動く

拳法と銃を組合せた武術の達人
敵の動きを読み、計算された動きで戦う
悪を許さない正義と立ち向かう勇気を持ち合わせた漢
卑劣な事は嫌いだが、相手がそれ以上の悪であれば勝つ為の奇襲や搦め手は厭わず用いる

ユーベルコードは指定した物をどれでも使用
多少の怪我は厭わず積極的に行動
迷惑行為NG
公序良俗は遵守



 少々出遅れたか、と雪月がUC『管轄者権限(セーフモード)』を使ってをあたりを見回すとどうやらそうではないことがわかる。逃したわけでも討ち漏らしたわけでもなく、単純に異様なまでに討伐クエストに設定されたエリアが広いのだ。
 初心者用エリアでの討伐クエストはここまで広範囲になることはない。まだ操作に慣れていないユーザーに余計な負担を強いるようなクエストはドラゴンプロトコルとしてはあまり良い気持ちはしないと雪月はわずかに眉をひそめた。
 もちろんバグプロトコルなんてものがある時点でなに一つ良いことなんてないのではあるが。

 アトシュは周囲を見回して一般プレイヤーが見当たらないことに胸をなでおろした。話に聞いて大丈夫だとは思っていたものの万が一にも迷い込んでしまうなんてことがないとも言えないと考えていたのだ。
 今すぐに助けなければならない相手がいなければ、目の前の敵に集中するだけでいい。どちらにせよバグプロトコルを倒さなければ、危険な目にあってしまう一般のプレイヤーが出るのは避けられないのだから。

 ぴょんぴょんと飛び跳ねながらロータスは地面の様子を確認する。ぬかるんだりしていないし余計な障害物もなさそうなこの場所なら、思い切りニャン=カタを叩き込んでやっても大丈夫そうだ。
 草原にありがちなふさふさした穂をつけた植物がないというのも気が散らなくていい。あったらあったで心が躍るものではあるけれど、出来ることなら戦闘中でないときにああいったものは楽しみたいものであるし。

「バグを注ぎ込む力があるようじゃが、問題ないな?」
「あるわけないだろ」
「心配ないですにゃ」

 雪月の言葉に少し不機嫌そうに返事をしたアトシュも軽く笑みを浮かべたロータスも、アマルガムビーストの咆哮を合図にしたかのように駆け出すのを見て雪月は目を細めた。
 これならば鋼矢の雨を降らせるのは少し待ってもいいだろう。追加職のテストとして行う戦闘のデータは多ければ多い方がいい、サポートに回ってどれだけやれるかというのも得難いデータではあるだろう。

 式神で包囲する狙いを広く一体の行動を阻害するのではなく、広いフィールドで討ち漏らすことがないように残ったアマルガムビーストを一箇所に集めるようにコントロールする。一体一体の行動を阻害することは難しいが、それで十分だろう。
 雪月の発言に自信をもって頷いた二人がいるのだ、手を出すのは最後の最後でも構わない。このゴッドゲームオンラインの世界に現れたシステム外の存在がどう動きどう戦うのか、見せてもらうのも悪くない。

「触った相手を仕留められる力が、自分だけにあるなんて思ってんじゃねぇよな?」

 両手に装備したFragarachをアトシュに噛みつこうと口を開いたアマルガムビーストに突き刺すと、たちまち腐敗の力が傷口から敵を蝕んでいく。その苦しみに声を上げるアマルガムビーストが完全に腐敗するのを待たずに切り倒すと、背後に迫るもう一体に煩わしいとばかりに蹴りを入れた。
 不意打ちの一撃に少しだけひるんだ隙にアトシュは双剣を構え直す。四足の獣相手には大したダメージにはならないが、少しの時間を稼ぐくらいなら十分にできる。正面から相対することが出来るのであれば、こんな獣に遅れを取ることもない。

「遅いですにゃ」

 アマルガムビーストが振り下ろした爪をスライディングで躱しながら、目の前の胴体に弾丸を叩き込む。それを追いかけて噛みつこうとした顎を蹴り上げて弾き飛ばすと、喉に狙いを定め風穴を開けた。
 飛び跳ね舞うように攻撃を避けながら、相手の隙を見逃さずに攻撃を叩き込む。アマルガムビーストは素早く動き回る小さな体を捉えることが出来ず、噛みつこうとした牙は尻尾の先すら捕まえることが出来なかった。
 
 それに焦れたのか、魔獣のオーラをまとい速度を上げたアマルガムビーストにすらロータスは軽々と追いつきその横腹に突撃するように蹴りを叩き込む。吹き飛んだ体に追撃の弾丸を撃ち込めば巨大な体は崩れるようにデータになって消えていった。

「悪いけど、どいてくれるか?」

 敵を倒して地面に着地したロータスがその声をアトシュに目をやると、巨大な大剣を構える姿が目に入る。たしかにあれを振るうのに近くに味方がいては邪魔だろうと飛び退いた。
 後ろで式神を操作している雪月のところまで退けば十分だろうと判断して、思い切り距離を取る。それでも暴風のような攻撃は、その余波だけでロータスのヒゲを存分に震わせて雪月の長い髪を巻き上げる。

「わしも少しは働かねばのう」

 範囲から溢れたアマルガムビーストを式神で拘束した雪月は天に掲げた扇子を振り下ろし、鋼矢の雨を振らせ残った敵を一掃する。その雨が止んだ後には、アマルガムビーストの姿はエリアのどこにも存在しなかった。
 それを確認するためにもう一度辺りを探ってみた雪月は、同じ姿のエネミーすらこの場には一切反応が存在しないことを確認すると扇子の奥でゆっくりと微笑んだ。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​




第2章 ボス戦 『竜牙兵・指揮官』

POW   :    竜王の武威
【闘気を帯びた武器】が命中した敵を【返し刀】で追撃する。また、敵のあらゆる攻撃を[返し刀]で受け止め[闘気を帯びた武器]で反撃する。
SPD   :    竜王の呼気
【闘気を帯びた武器】から、戦場全体に「敵味方を識別する【荒ぶる炎の渦】」を放ち、ダメージと【消えない炎】の状態異常を与える。
WIZ   :    竜王の爪牙
レベルm半径内の敵全てを、幾何学模様を描き複雑に飛翔する、レベル×10本の【闘気の刃】で包囲攻撃する。
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 本来ならばクエストに慣れたプレイヤーが足を運ぶエリアにいるはずのボスキャラが初心者用エリアにいるというだけでも一種異様な光景になる。
 それが本来ならば複数の兵を率いているはずの竜牙兵・指揮官であるならば、その違和感はゴッドゲームオンラインに詳しければ詳しいほど強く感じることになるはずだ。

 しかし猟兵であるのならば、ゲーム上の違和感ではない部分にも気がつくだろう。

 なぜならばそれは普通の敵キャラクターではない。ゲーム上だけではなく、プレイヤー本人に危険をもたらすバグプロトコルなのだから。
北条・優希斗(サポート)
『敵か』
『アンタの言う事は理解できる。だから俺は、殺してでも、アンタを止めるよ』
『遅いな』
左手に『蒼月』、右手に『月下美人』と言う二刀流を好んで戦う剣士です。
自らの過去を夢に見ることがあり、それを自身の罪の証と考えているため、過去に拘りと敬意を持っております。その為オブリビオンに思想や理想があればそれを聞き、自分なりの回答をしてから斬ります。
又、『夕顔』と呼ばれる糸で敵の同士討ちを誘ったり『月桂樹』による騙し討ちを行なったりと絡め手も使います。
一人称は『俺』、口調は年上には『敬語』、それ以外は『男性口調』です。
見切り、残像、ダッシュ等の機動性重視の回避型の戦い方をします。


風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携可

約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ヴァンパイアを狩るため、あるいは次に狩るべきヴァンパイアの手掛かりを得るためにここにいる。
【世界知識】ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも【情報収集】の伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。

戦闘は剣士の動きだ。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。


百地・モユル(サポート)
熱血で好奇心旺盛
本が好きな小学生

正義感が強く困っている人は見過ごせない

UCは業火の一撃、灼熱の束縛に加えて
自分たちが押し切られそうになったらオーバーヒートバッシュ
🔴の数が多い場合はバーニングリベンジャーだ

攻撃には怪力、属性攻撃、2回攻撃、グラップルなどの技能をのせる

逆に敵の攻撃をからみんなをかばう、耐えるために
武器受け、挑発、おびき寄せ、時間稼ぎ、激痛耐性なども使用
敵に一撃入れられそうなら咄嗟の一撃や捨て身の一撃、カウンター
こいつがボスか…
みんな大丈夫?助けにきたよ!

そんなの許せない、ボクの炎で焼き払ってやる!

技能の勇気、覚悟、気合いは常に発動状態

アドリブ絡み歓迎

影朧などの場合は説得もしたい


ティティス・ティファーナ
ぬぬかぬれマスターにおまかせします。かっこいいティティス・ティファーナをお願いします!

 召喚獣「イフリート」の鎧装騎兵×アーチャー、8歳の女です。
 普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、年下には「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!



 空中に静止したティティスの足元の草が風を受けてさわさわとさささやくように音を立てた。眼前にいる黒い巨体さえ見なかったことにすれば、冒険の舞台としては少しのんびりとしすぎているくらい平和な場所だ。
 それは初心者用エリアとして作られたからであり、このまま眼前のバグプロトコルを倒してしまえばこのままなにも変わることなく平穏な場所としてゴッドゲームオンラインの中にあり続けるのだろう。
 ティティスは金の長い髪をなびかせて、この場所にとってもこの世界にとっても異物である竜牙兵・指揮官と対峙する。銀の瞳に恐れはなく、ただ倒すべき存在として黒い巨体を見据えていた。

 どうやら言葉を交わすことができない敵のようだと優希斗はわずかに体の力を抜いた。複数人での戦闘となれば話を聞くのは難しくなる、それを考えなくていいというのはそう悪いことではない。
 ゲームのキャラクターとして作られたとしても自分の意志を持つ存在がいるというのはゴッドゲームオンラインの猟兵を見ればわかるが、このバグプロトコルはそうではないらしい。
 周囲を見回し、敵が一人であることを確認して今回は鋼糸である夕顔の出番はないかもしれないと優希斗は考えを巡らせた。同士討ちを狙えないのならば二刀で攻めることに集中したほうがいいかもしれない。

 顕吉がサングラス越しの視線で当たりを見回してみても、目の前の敵以外に危険なものは見当たらない。空は青々と澄み渡り白い雲が風に流されるようにゆっくりと動く。足元に生えた草は柔らかく、所々に名前も知らない花が生えていてなんとも穏やかな場所だ。
 ダークセイヴァーとは異なる世界であるというのがなにをせずともよく分かる。これが作られた世界だというのだから、異世界というものを想像してみるというのが無意味にすら思えてしまうほどだ。
 たとえ降り注ぐ暖かな日差しが全てプログラムの産物だとしても、動くのに支障のない足場があって重力が変わらないのなら戦い方がそう変わるものでもない。顕吉にとって少し眩しかったとしても、戦場においては些細なことだ。

 ここが初心者用のエリアだと聞いていたモユルは周りを見回してホッと一息をついた。周りに初心者プレイヤーは見当たらなかった。もしかしたら先程の戦闘を見てここで戦うにはレベルが足りないとはなれたのかもしれない。
 この世界にバグプロトコルが現れると直接被害を被るプレイヤーだけでなく、NPCや管理している人たちもきっとものすごく困ってしまうだろう。モユルにはそれがいいことだとはとても思えない。
 ならばすることは一つ。倒すべき敵を、仲間と一緒になるべく早く倒すこと。モユルがギュッと拳を握りしめると、わずかに漏れ出した炎が赤く瞬くように風に流れて消えた。

 示し合わせたように走り出したモユルに続くようにして顕吉と優希斗も竜牙兵・指揮官を目掛けて駆け出した。その姿を見送ったティティスはゆっくりとレーザーの標準を合わせ、どんな攻撃が来てもいいようにと迎撃の準備をする。
 複数のファンネルで周囲の守りも固めて、後方支援の準備は十分だ。たとえ竜牙兵・指揮官が複数の竜牙兵を引き連れていたとしても、ティティスに触れることはおろか近づくことも出来ないだろう。

「ボクたちがすぐに倒してやるからな!」

 猟兵の接近を感じた竜牙兵・指揮官は敵対者に向けて攻撃を開始した。湧き上がる闘気が刃の形を取ると、複雑な軌道を描いて迎え撃つように襲いかかってくる。
 モユルがその闘気の刃を殴りつけるように受け止めると、まるでガラスが砕けるように破片になって空に溶けるように消えた。それでもきりがない程に多い数に何度も拳をふるい、燃え盛る炎で闘気の刃を退ける。

 「目障りだな」

 不快だと言わんばかりに眉を潜めた顕吉は闘気の刃を一刀のに斬り伏せると最短距離で竜牙兵・指揮官へと距離を詰め、波が迫るように襲い来る闘気の刃を刀で砕いていく。
 例え日光を遮るためにサングラスをしていても、意志のない刃に遅れを取るわけもない。白い髪をなびかせながら、赤い瞳を隠した顕吉はしっかりとした足取りで竜牙兵・指揮官に近づいた。

「道は地面にあるだけじゃないんだよ」

 飛び回る闘気の刃を踏みつけ足場にして優希斗は跳躍した。そのまま飛び交う刃をくぐり抜け竜牙兵・指揮官に迫ると、振りかぶった二刀の一撃と反撃の返し刀が激突し激しい音と火花をちらした。
 優希斗はそのまま竜牙兵・指揮官の胴に蹴りを入れその反動で飛び退くと改めて距離を取る。着地を待っていたように迫った闘気の刃が、横から突き刺さるように飛んできたレーザーに貫かれ砕けて消えた。

「問題ない、撃ち落とす」

 戦場を飛び回るように攻撃を繰り返していた闘気の刃が切り裂かれ撃ち落とされて砕けて消えていけば、最後に残るのは竜牙兵・指揮官のみだ。顕吉は優希斗が踏み出すのを視界の端で確認して、それに合わせるようにして己の刀、小竜公を竜牙兵・指揮官に振り下ろす。
 鎧を砕かんとした顕吉の剣を全力の反撃で弾き、優希斗の攻撃を避けようと動いた竜牙兵・指揮官は、視野の外から伸びてきた燃え盛る腕に思い切り殴られてバランスを崩した。

「ここからだって、ボクの手は届く!」

 モユルの義腕が生み出した隙を優希斗は見逃さず、体勢を立て直そうとする竜牙兵・指揮官を斬りつけそれを防ぐ。そこにもう一度顕吉の一撃が叩き込まれて、竜牙兵・指揮官の体を覆っていた鎧が破片を撒きながら砕ける。
 そこに細長い光が飛び込んできて、攻撃で出来た鎧の隙間を狙い撃つようにティティスのビームが撃ち抜く。竜牙兵・指揮官の手から落ちた巨大な武器が、地面とぶつかるには似つかわしくない効果音を立てながらゆっくりと足元に倒れた。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

佐々・星乃華(サポート)
 人間の星のエアライダー×除霊建築士、12歳のボーイッシュな女の子です。

 ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
 あとはおまかせ。よろしくおねがいします!


響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです


四条・眠斗(サポート)
ぅゅ……くぅ……あらぁ?
いつの間にか始まってましたかぁ?
さっさと事件を解決しないとぉ、安心してもうひと眠りできませんからねぇ。
ユーベルコードは出し惜しみしても仕方ありませんからぁ、
一気に片づけるつもりでやっちゃいましょう。
こう見えてもぉ、腕には少し自信があるのですよぉ。
それにぃ、様子を見てる間にまた眠くなっちゃっても困っちゃいますしぃ。
荒事じゃなくてぇ、楽しいことならめいっぱい楽しんじゃいましょう。
のんびりできるところとかぁ、動物さんがたくさんいるところなんか素敵ですよねぇ。
でもぉ、身体を動かすのも好きですよぉ。
お互いに納得の上で全力が出せると一番良いですよねぇ。
※アドリブ・絡み歓迎


城田・紗希(サポート)
基本的には考えるより行動するタイプ。
でもウィザードミサイルや斬撃の軌跡ぐらいは考える。…脳筋じゃナイデスヨ?
暗器は隠しすぎたので、UC発動時にどこから何が出てくるか、術者も把握していない。

逆恨みで怒ってる?…気のせいデスヨ。UCの逆恨みじゃアルマイシ。
ちゃんと説明は聞いてマシタヨ?(地の文と目を合わせない)

戦闘は、範囲系ユーベルコードなら集中砲火、単体攻撃なら可能な限りの連続使用。
必要に応じて、カウンターでタイミングをずらしたり、鎧破壊で次の人を有利にしておく。

……防御?なんかこう、勘で!(第六感)
耐性……は、なんか色々!(覚えてない)



 トントンとその場で軽く跳んでみても、地面はしっかりとそこに存在している。これがゲームの中だと言われなければ気づかないほどだと星乃華は不思議な気持ちになりながら周囲を見回した。
 それでも眼の前にいる敵は少しだけゲームらしいような、そんな気もしないでもない。のどかな光景に不釣り合いな様子のどっしりとした立ち姿は、まるでゲームに出てくるボスキャラのように見える。
 たとえそこにいるのがボスだろうと雑魚だろうと、負けるなんてことはない。そう考えながら星乃華は強気に鼻を鳴らした。体が大きいのならば、蹴り飛ばす的としては当てやすいだけなのだから。

 ゲームのキャラクターとして倒されるために作られたものというのは、倒すという行為が最大限寄り添うことになるのだろうか。リズはほんの少しだけ頭を悩ませて、どちらにしても倒さねばならないのだから救いであればいいと考えるのをやめた。
 本来ならばゴッドゲームオンラインにまだ不慣れなプレイヤーが安全に遊ぶべき場所にあのような強力な敵がいたならば、不幸な事故などいくらでも起きるだろう。それはなんとしてでも避けなければならない。
 なによりこの場所は素朴であっても美しいのだ。それが作られたものであっても、この場所が必要な人たちの手に戻るように全力を尽くさねばとリズはルナティック・クリスタを握る手にわずかに力を込める。

 眠斗はあくびを噛み殺しながら竜牙兵・指揮官に目を向ける。あれさえいなければどれだけ気持ちよく眠れるだろう。温かい日差しもそよぐ草花も聞こえてくる鳥のさえずりさえも眠るために用意されているようなものなのに。
 とにかくあの敵を倒さねばこの場所で眠ることも帰って眠ることも難しい。それならば眠斗がするべきことはただ一つ。なるべく早く眼前の敵を排除して、一仕事を終えた満足感とともに心置きなく眠れるようにするだけだ。
 それでもやはりうららかな日差しと温かな気温には眠気を誘われるもの、噛み殺しきれなかったあくびで目尻にうっすり浮かんだ涙を拭いながら眠斗は眠そうに目をぱちぱちと瞬かせる。

 だだっ広い草原に難しいこともなく倒せばいいだけのでかい敵が一体、なんてわかりやすいんだろうか。紗希はこれでいいとばかりに頷いた。常にこうであれば多少なにかを聞いていなかったとしてもなんの問題もないだろうに。
 共に戦う猟兵はともかくとして、周りに気にしなければならないものもない。特別倒すのに過程を経なくてはいけないわけでもない。つまりは突っ込んでも、攻撃さえなんとかすればどうにかなる。
 敵との距離を考えてから、ぐっと足に力を込める。一飛びで接敵できるほどの距離ではないものの、一気に距離を詰めれば相手の反撃の前に一撃入れられるだろう。ざり、と鳴った土の音を合図にするように紗希は竜牙兵・指揮官に向けて跳び出した。

「行きます!」
「ちょっと待って!ボクも行くよ!」

 こと移動速度に関しては星のエアライダーである星乃華の方に分がある。先に跳び出した紗希の背を追うように走り出すと、あっという間に横に並んだ。
 待ち受けるように武器を構えた竜牙兵・指揮官がエアシューズの蹴りを武器で受け止め、返す刃で反撃するのを星乃華が武器を蹴った勢いそのまま宙返りで交わすと紗希はその隙を見逃さないと言ったように暗器を投げつける。
 命中はしたものの、鎧の巨体では倒すほどのダメージにならないことを確認して紗希は少し思案した顔をすると距離を取った。星乃華も闘気を帯びた武器相手では簡単にへし折ることは難しそうだと二発目を入れる前に気がついていた。

「ぅゅ……つよそぅですかぁ……?」
「とても頑丈そうですわね、鎧ですし当然なのかもしれませんが……」
「それならぁ……鎧じゃ防げない攻撃とかぁ、いいですかねぇ?」

 怪我をしたり相手が広範囲の攻撃をするようならばすぐに支援できるようルナティック・クリスタを握り竜牙兵・指揮官を見据えるリズを眠斗が見上げた。戦力が拮抗しているのならば、天秤を傾けてしまえばいい。
 戦っている間に眠くなってしまうのも困るため、眠斗は出し惜しみはしないとUCを発動することを早々に決めた。冷たい吹雪であればどれだけ硬い鎧であっても防ぐことはできないだろう。
 ひょいひょいと攻撃を躱す星乃華と、紅時雨での一閃を狙う紗希を相手取っていた竜牙兵・指揮官は、急に襲いかかってきた吹雪への対抗のために無数の闘気の刃を展開する。

「させませんわよ」

 吹雪に混ざり、リズの手から舞い散った白い花びらが迎え撃つようにして闘気の刃と激突する。たおやかな見た目とは裏腹に、襲いかかるようにして刃を撃墜していく花びらの嵐は敵の刃を一切近づかせない。
 無数の刃は全て地に落ち、再び攻撃することもできないまま沈黙する。花びらはそのまま勢いを失うことなく、竜牙兵・指揮官に吹雪とともに殺到した。
 吹雪と花びらで勢いを大いに削がれた竜牙兵・指揮官を見て、星乃華は今がチャンスと大きく跳躍した。闘気が弱まれば、彼女の背丈以上の武器であっても壊せない理由はどこにもない。

「ボクの蹴りでへし折れろ!」

 武器をへし折った勢いのまま、巨体の胴を蹴りつける。その一撃で崩れた耐性を持ち直すことなく、竜牙兵・指揮官の上半身はそのままぐらりと地面に倒れた。
 真っ二つに両断された体は、そのバグプロトコルが倒されたことを表していた。追いかけるように倒れた下半身を見ることなく紅時雨を鞘に収めた紗希は誰に言うでもなくぽつりと呟く。

「ま、切れたってことは切れないものは無いってことでいいですね?」

 倒れた竜牙兵・指揮官は物言わぬまま、形を保てなくなり消滅していく。微かに雪と花びらの残る初心者用フィールドでその言葉を否定するものはどこにもいなかった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​




第3章 集団戦 『パワード・ミイラ』

POW   :    スピニング・コフィン
【包帯で結んだ棺桶】を【振り回すこと】で加速し攻撃する。装甲で防がれた場合、装甲を破壊し本体に命中するまで攻撃を継続する。
SPD   :    ファルス・レリック
偽物の【聖遺物】を創造し、戦場上空に浮かべることで、【自身と仲間全員がバフ】による連続攻撃能力と超再生能力を得る。
WIZ   :    クリムゾン・アイ
【呪いを込めた眼光】をレベルm半径内の対象1体に飛ばす。ダメージを与え、【移動力低下】の状態異常を与え、【命中】した部位の使用をレベル秒間封じる。
👑11
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 原因たるバグプロトコルを排除しても、その影響はまだ色濃く残っている。それをそのまま放置して帰るというのは、問題解決という点では片手落ちになってしまう行為だろう。
 それでも出てくる敵の数には限りがあるし、後片付けを済ませてしまえば仕事は終わり。猟兵たちの戦いも、一旦は終わりを迎えることだろう。
 そうなればあとに残るのは初心者用ののどかで安全な冒険のためのエリアだけ。そのためにも、危険なバグプロトコルを一体たりとも残しておくことは出来はしない。
アリス・セカンドカラー(サポート)
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい♥

それはまるでチートのような、とんでもない才能であると便利な舞台装置デウス・エクス・マーキナー役な狂言回しサポート

瞬間的に主観の世界観を切り替える魔術的パラダイムシフト高速詠唱早業先制攻撃多重詠唱拠点構築化術結界術による妄想を具現化する混沌魔術欲望開放戦闘戦闘演算、連続こんぼ諜報化術、ハッキング、情報収集輜重医術、サバイバルとマルチに活動可能。

依頼の成功を大前提に、あわよくば己の欲望を満たそうとするかも?
エナジードレイン大食い融合捕食でえっちなのうみそおいしいです♥


冷泉院・卯月(サポート)
勿論お仕事は大事ですけどぉ、折角なら珍しい物や新しい物も見つけたいですよねぇ~。
あ、ご一緒される方がいらっしゃればぁ、一緒に頑張りましょうねぇ~。

あまり戦闘は得意ではないですけどぉ、ぶちくんとたれちゃんの力も借りてぇ、頑張っちゃいますよぉ~。
遠距離なら二人に短杖になってもらって魔法弾を撃ったりぃ、
接近戦なら二人で力を合わせて杵になってもらって頑張っちゃいますぅ~。
パラドクスは状況に応じて臨機応変に使いましょうかぁ~。

戦闘以外なら運転なんかも得意なのでぇ、何処へでもお届けしちゃいますよぉ~。
道中も楽しいことが見つかるといいですよねぇ~。


夕闇霧・空音(サポート)
『私の可愛い妹のため…ここはさっさと終わらせるわよ』
 サイボーグの咎人殺し×竜騎士。
 普段の口調は「クール(私、あなた、~さん、ね、よ、なの、かしら?)」、覚醒時は「残虐(俺、お前、呼び捨て、だ、だぜ、だな、だよな?)」です。

UDCアース出身で改造された少女。

基本クールだが、妹のことになると色々見境がなくなる。妹ラブ。戦闘時にも強気で戦います。
冷気属性で戦う。
苦戦バトルもOK
真の姿に発動可能であれば使用可。
真の姿発動時は口調が荒くなり、一人称が「俺」になる。
妹の天音はある意味弱点になる。
真の姿発動はお好きに判断してください。


アラタマ・ミコト(サポート)
荒魂鎮神命あらたましずむるのかみのみこと助太刀に馳せ参じてございます。
かの軍勢が障害なのでございますね。
では、極楽浄土で身に付けし武芸でお相手いたしましょう。



 敵の姿を見てアリスは小さくため息を付いた。可愛らしい見た目でもないし感情があるかもわからない、なによりミイラというものは脳みそが無いのではなかっただろうか。
 大きい体に詰め込まれているのはアリス好みの魅力的で美味しそうなものではなく、面白くもなんともないよくある呪いであろうことも戦う以外の楽しみが望めない予感を感じさせ物憂げな顔を浮かべてしまう。
 それでも案外と楽しめることもあるかもしれないし、たまに味気ないものを挟めば次の糧はより甘美に感じられるかもしれない。アリスは考えを切り替えて、新しい楽しみに思いを馳せる。そのためには眼の前の邪魔者と遊ぶ時間は短いほうがいいと考えながら。

 そよそよとした風が自分の耳が撫でるのに目を細めた卯月は、はっと我に返って敵に目を向ける。動いてはいるがまだこちらに向かってこない様子に、ほっとふわふわの胸をなでおろして気を取り直す。
 あまりにものどかな陽気にうっかりピクニックにでも来たような気分にもなってしまうが、今回やるべきことは眼の前で群れをなすパワード・ミイラを倒すこと。戦いが始まっていないとはいえ油断はできない。
 戦闘は得意ではないとしても、一緒に戦う人たちもいるのだ。このゲームで楽しみたい人たちのためにも、できる限り頑張らなければ。卯月はキュッと拳を握って戦いに備える。

 天音はおそらくゴッドゲームオンラインをプレイとはないだろう。それでも、人生というのはなにが起こるかわからないものではあるし、万に一つ……億や兆を超えた細い可能性の先であってでも最愛の妹がこの場に来るかもしれないということを空音は想像する。
 初心者用のエリアはそれなりの数があるようではあるけれど、もしかしたらここに来ることもあるかもしれない。本当に天の星が落ちてくるような確率であったとしても、危険をそのままにしておけば妹に繋がる未来は消えはしない。
 それならば、根本から排除してしまうしかない。あらゆる世界のありとあらゆる危機が妹を害す可能性はそれらをなくしてしまう以外にゼロにする方法がないのだから、妹を想う姉としてはそれ以外の選択肢などありはしないのだ。

 即身仏とするにはあまりに粗末な姿にミコトはわずかに眉をひそめた。見たところ宝具も手にしてはいないようであるし、仏法に悖る下法によってこの世に再び舞い戻らんとするものなのかもしれない。
 極楽浄土にそんなものが溢れているのはとてもよろしくない。しかし極楽浄土にあり続けているのも妖討伐のため、それならばここで打ち倒すのもお役目の一つ。少々イメージと異なるところは今は気にするべきではない。
 ミコトは色々なことをとりあえず置いておいて、即身仏としての使命と眼の前にいる敵に集中することにした。障害を排除することが御仏の意志であるのかもしれないし、そうでなくともやるべきことであることには変わりがないのだから。

「あっちの敵はわたしのものってことでいいわよね?」
「えっ!あ、そうですねぇ、おねがいしますぅ」

 微笑みを残して敵の眼前に降り立ったアリスは、その美しさにすら関心を示さない反応の無さにつまらなさそうに髪をいじった。そしてそのまま触手で撫でるようにパワード・ミイラ触れると、紙をちぎるようにその体はバラバラに引き裂かれた。
 その残骸の上をまるでレッドカーペットでも歩くようにゆうゆうと進むと、千切れて役目を失った包帯の破片をそっと指で拾い上げる。それを手にしたまま、アリスはジリジリと距離を詰めてくるパワード・ミイラに向けて微笑んだ」

「これだけ壊れたら"無機物"よね?」

 指から解き放たれた薄汚れた白い包帯は、滲み出るように広がる世界に開いた穴のような黒に染まっていく。地面に転がっていたパワード・ミイラの残骸もその姿をじわりと闇色に染めアリスに忠実な炎となって舞い上がった。
 黒い炎が舐めるように襲いかかるのを眺めながら、アリスは頬に手を当てて一つため息を吐く。勢いで全てを燃やしてしまったけれど、一体くらい残しておいてお楽しみに使えばよかったと考えながら。

 燃え盛るパワード・ミイラを横目に卯月は両手の短杖をしっかり握りしめた。敵は多いが、多いために狙いを定めなくても魔法弾が当たる。そこまで動きが早くないのも、当てやすさの理由の一つになっていた。
 それでも数が多ければ、近づいてくる全てを魔法弾で倒せるというわけにもいかない。じりじりとではあるが近づいてきたパワード・ミイラに、卯月は手の中の短杖を杵に変えて思い切り振りかぶった。
 
「近づかないでくださぁい!」

 杵で横薙ぎに殴られたパワード・ミイラは、鈍い音を立て吹き飛ばされると他のパワード・ミイラを巻き込みながら地面に激突して動きを止める。それが起き上がってこないことを確認して、卯月は安堵の息を吐いた。
 数は多いものの一人で倒せないような強い敵ではない。頑張れば自分でも一緒に戦っている人たちと同じくらい戦えそうだということに、敵を倒した以上に安心して卯月はもう一度杵をぎゅっと握りしめる。

「あらたまちゃんのさぽぉとは入り用ですか?」
「必要ないわ、大丈夫よ」

 空音は長い髪を靡かせてパワード・ミイラと退治する。振り下ろされた腕を見をそらすことで躱すと、溶けることない超低温の氷の爪を生成し空振りをした敵の懐に入り込む。
 春のような温かさをもった空間に、冷気が白く靄の様に広がっていく。近づいたと思った瞬間には、既に敵の数歩先で冷気すら置き去りにした空音が爪に張り付いた包帯を振り払っていた。

「私の爪から、逃げられると思ったかしら?」

 目に映らないほど速い一撃がパワード・ミイラを瞬く間に切り裂き凍りつかせ、その場に歪なオブジェのように縫い付ける。そのままそれを足場に空音が跳躍すると、氷の彫像は原型を止めず粉々に砕け散る。
 そのままの勢いで敵の真ん中に降り立つと、彼女を中心にして巻き起こる冷気が敵対者を凍結させる。その様子を気にすることなく細く白い息を吐いて、空音は冷気で輝く髪をかきあげた。

 アラタマの大刀が上段から振り下ろされる勢いのままにパワード・ミイラを両断する。崩れ落ちるまま迫ってくる腕を返す刀で切り落とすと吹き飛ばされた腕は近くにいた別の敵にぶつかって落ちる。
 上からでは減る数も少ないと、大刀を握り直し横薙ぎに斬りつける。ただの少女の細腕であれば両断することなど不可能、しかし神仏に妖討伐のちからを賜ったアラタマには難しいことではない。

「蘇ったのならば、なすべきこともあるでしょうに」

 結果として生ける屍になってしまっても、成したいことがあったのではないのか。それとも下法によって動かされているだけで成すべきことなどないただの妖なのだろうか。
 眼の前の敵がどちらであるのかはアラタマには判断できなかったが、どちらであったとしても倒すべきであると言うことは変わらない。それでもぐらりと倒れた敵の体を見下ろしながら、心の中で小さく手を合わせておく。

 折り重なるように倒れたパワード・ミイラは、世界に分解されていくようにデータの粒子となって消えていった。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​

数宮・多喜(サポート)
『アタシの力が入用かい?』
一人称:アタシ
三人称:通常は「○○さん」、素が出ると「○○(呼び捨て)」

基本は宇宙カブによる機動力を生かして行動します。
誰を同乗させても構いません。
なお、屋内などのカブが同行できない場所では機動力が落ちます。

探索ではテレパスを活用して周囲を探ります。

情報収集および戦闘ではたとえ敵が相手だとしても、
『コミュ力』を活用してコンタクトを取ろうとします。
そうして相手の行動原理を理解してから、
はじめて次の行動に入ります。
行動指針は、「事件を解決する」です。

戦闘では『グラップル』による接近戦も行いますが、
基本的には電撃の『マヒ攻撃』や『衝撃波』による
『援護射撃』を行います。


風雷堂・顕吉(サポート)
アドリブ連携可

約100年前、ダークセイヴァーの人類敗北以来、ヴァンパイアとの死闘を細々と繰り広げてきたダンピール、それが俺だ。
ヴァンパイアを狩るため、あるいは次に狩るべきヴァンパイアの手掛かりを得るためにここにいる。
【世界知識】ダークセイヴァー世界の大抵のヴァンパイア相手ならそれがどのような血族かは知っているし、知らなくとも【情報収集】の伝手はある。
それ以外の世界については物珍しそうに振る舞うことになる。すぐに慣れるだろう。
ダークセイヴァーとスペースシップワールド以外の世界は日差しが強すぎるので、サングラスを着用する。

戦闘は剣士の動きだ。
次に参加する猟兵が戦いやすい状況を作ることも多い。


紫洲川・珠璃(サポート)
キャラの雰囲気は落ち着いたお姉さんの感じです
口数はどちらかというと少なく物静か

戦闘は果敢に攻め入り、
速度を生かした撹乱を主として手数重視の攻撃で戦います。
足は止めず常に動き回り、奇策より正攻法を好みます。
武器は主に一振りの刀(虚鐵)を両手持ちで使い、まれに脇差として所持している二本目を抜きます。
弓は事前に必要性がわかっていれば持ち込みますが、持っていないことも多く歯噛みすることも

ユーベルコードは基本は以下の順で制御しやすいので利用しますが
状況に応じて適切なものを利用します。

【使いやすい】⇔【使いづらい】
炎狐=妖剣解放<黒狐召喚<神狐召喚


メルキア・セルデモン(サポート)
対象の能力(ユーベルコード)を逆に自身が使うことが出来る存在と、様々な生物の遺伝子を取り込み、その生物の体質を使える存在。その2つを元に作られたのが、私なの。

やる事もそんなにないから、とりあえず色んな世界を回ってみて、何かあれば対処するつもりよ。

〇ユーベルコードは何を使っても構いません。(18禁でない且つ)彼女の個性(設定)を活かしてくれると大歓迎です。よろしくお願いします。



 カブで走ったら気持ちが良さそうな景色と陽気だというのに、そこにわらわらいる敵がどうしたって余計だと多喜は不法投棄されたゴミでも見るような気持ちでパワード・ミイラを見据えた。あれがいる限りいい景色とはお世辞にも言えないだろう。
 ゲームの世界だとしても、景観を損なうというのはあまりよろしくない。それが勝手に持ち込まれた危険なものであるのならば、もっとよろしくない。他人に危害を加えるなんてことになるならばもう論外だ。
 つまり眼の前で蠢いているバグプロトコルは存在からして論外であり、とっとと倒さなければならない相手。そうであるならばやることはそう難しくないと、多喜はそよ風に撫でられて顔にかかった髪をはらった。

 ゲームの世界では日は陰ると言う事がないのかもしれない。顕吉はサングラス越しに作られた太陽を見上げ、その眩しさに目をしかめた。おそらく雲一つないというのはこういう天気を言うのだろう。
 そんな光景の中で異物として存在しているバグプロトコルも、散々討伐されて数を減らし残りを殲滅すれば終わりという状況まで来ている。太陽の光に似つかわしくないその姿がそこに存在できるのもあと僅かということだ。
 ならば次を気にすることもない。後片付けが必要になる敵でもないのなら、最早やることは敵を切り裂くのみ。そして、一刻も早くこの場所を本来ここにいるべき者たちに返す、ただそれだけだ。

 珠璃が虚鐵の柄を握ると、鋭利な刀は音もなくそれに応えた。鞘から引き抜けば白昼の太陽に照らされた刃が人造の陽光を反射しチカチカと瞬く。
 柔らかなな銀の耳を撫でる風は足元でそよぐ草はこれから戦う場所とは思えないほどに穏やかではあるが、眼前にいる敵はその空間を侵食するように異物としてそこに存在している。
 倒すべき敵をしっかりと見据えて、珠璃はしっかりと虚鐵を構える。今回は戦闘だと聞いていたから陽燕も持ち込めているのだ、どんな状況でも対応できるはずだと考えながら。

 作られた、という点では人造人間とバグプロトコルには近しいところがあるのかもしれない。もちろん思考力や戦闘力があれと似通っているとは思わないが、自分のような敵が大挙して来るようなことにならないに越したこともない。
 メルキアは敵が砂利を踏む音で思考を戻す。同じ作られたものであっても、相手が劣っているのならば倒すという行為にはなんら支障がない。どんな姿で戦うのが相応しいか、そちらの方が今は重要だ。
 動きはそれほど速いようには見えないため、気をつけるとしたらあの巨大な棺桶だろうか、だが動きが大きければそれだけ隙も大きくなるものだ。そしてその隙を付くだけの手段は、メルキアには無数にある。

「そっちは任せていいかい?」
「問題ない」

 かすかに聞こえてくる小鳥のさえずりを引き裂くように、弾けるような電気の音が鳴り響く。その音の発生源でもある多喜は電気を浴びて逆巻く髪を気にすることなく、不敵な笑みを浮かべて敵と退治する。
 迫る腕を躱して、数度ナックルを叩き込む。それだけでは倒れることはないが、パワード・ミイラの敵意を強く煽るには十分だ。はっきりとこちらを狙えば、それこそがトリガーになる。

「残念だったね、後ろだよ!」

 背後から襲来した電撃に吹き飛ばされ、棺桶を持ち上げていた腕ごと地面に落ちる。攻撃の方向を確認しようとすれば、その動きで生まれた資格から再び電撃が放たれ焦げ付いた包帯をまとったパワード・ミイラが崩れ落ちる。
 それを足蹴にして、多喜は敵を挑発するかのように手招きをする。その指先からはパチパチと輝く電撃が、次の獲物を求めているかのようにほとばしっていた。

 顕吉の手の中にある小竜公は、依然として鞘に収められたまま。昼の草原という場所ではあまりにも静かすぎる立ち姿で、顕吉はパワード・ミイラの前に抜刀することなく立っていた。
 陽光によってサングラスの奥の瞳は伺いしれない。微かに風が毛先を揺らすだけで静止している顕吉の頭を握りつぶそうとでもしたのか、汚れた包帯を巻かれた手が彼に迫った。

「遅い」

 目にも留まらぬ抜刀術は、眼前に迫っていたパワード・ミイラの腕を切り落とすと、そのまま胴体を袈裟斬りに斬りつける。小竜公を収めると、その体はゆっくりと斜めにずれて地面に倒れる。
 それを踏み越えて顕吉は敵の群れの中に進む。たとえどのような攻撃をされたところで彼の刀よりも敵の動きが速いということはないだろう。その体が地に倒れるまで、斬られたということに気づかないのだから。

 数を減らしたからだろうか、パワード・ミイラの一体がなにかを取り出すと禍々しいオーラを放ったなにかが空に浮かび上がる。敵の動きを見る限りあれがよくないものであるというのは火を見るよりも明らかだった。

「空の物体は私に任せてくれる?」
「任せていいのね」
「ええ、大丈夫よ」

 珠璃は虚鐵で近づいてきていたパワード・ミイラを斬り伏せると、取り出した陽燕を空に向かって構える。偽の聖遺物の効果で斬り伏せた先程の敵が起き上がる前に、しっかりと狙いを定める。
 矢はつがえない。放つのは天を駆ける炎、それが確かに撃ち抜くためのある種の儀式のように静かに、ほんの一瞬、瞳を閉じる。珠璃にとってはその一瞬で十分だった。

「我、此処に求むるは、火軍の尖兵。我が喚び声に応えて赤熱の森より姿現せ、焔纏いし我が眷属」

 弦が鳴るのを合図に炎の狐はもつれるように空を駆け上がり、空中に浮かぶ偽の聖遺物を勢いのまま粉砕した。そしてそのまま降り注ぐ流星のように、空から地上の敵に襲いかかる。
 自分に迫っていた包帯まみれの手を燃え盛る牙が食いちぎるのを眺めることなく、珠璃はゆっくりと陽燕を下ろす。もう、刀も弓も、敵対者を倒すためには必要はないだろう。
 
 骨が軋むような音を立て、巨大な蛇が首をもたげるようにメルキアの背中から巨大な蠍の尾が姿を表した。その先端についた毒針からぽたりと滴り落ちた毒は普通の蠍毒とは違うようで、地面に落ちると音を立てて土を溶かした。
 人の腕よりも太い蠍の尾をメルキアが意のままに振り回すと、棺桶を振り回そうとしていたパワード・ミイラの腕を薙ぎ払うように弾いて躱す。そのまま姿勢を低くすると、開いた胴体に深々と毒針を突き刺した。

「あら、毒も効くのね」

 蠍の針で貫かれたパワード・ミイラが毒で溶け落ちるのを見上げてメルキアは独り言のようにつぶやいた。向かってくる他の敵に投げつけるように尻尾を振り、その勢いで溶けかけた体から針を引き抜く。
 毒に侵された全く同じ姿をした同胞を受け止めることも避けることもできなかったパワード・ミイラがメルキアに蹂躙されるされるまで、それほどの時間も必要ない。周りにいた敵は全て倒れ伏せ、散らばった包帯の残骸を足が踏みつけて去っていく。

 全てのバグプロトコルが存在しなくなった初心者用のエリアは、元の姿を取り戻す。初心者以外は相手にしないような弱いモンスターと、あまりにも穏やかな晴れの草原、それから小鳥が鳴く危険さのかけらもない森。
 それらはきっとこれからの初心者プレイヤーを変わらずに想定通り出迎えることだろう。もう想定外を引き起こす存在はここにいないのだから。

成功 🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔴​🔴​🔴​🔴​



最終結果:成功

完成日:2024年04月05日


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#ゴッドゲームオンライン


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種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠アッティラ・ドラゴンロードです。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


種別『集団戦』のルール
 記載された敵が「沢山」出現します(厳密に何体いるかは、書く場合も書かない場合もあります)。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト