快楽性嗜好品の醸造
「うう、うあ……」
ぐちぐちと緩やかな水音が響く。
シルバーレイン世界のスペインで発生したリリス型オブリビオン『白蛇女郎』による事件は、猟兵たちの活躍で解決した。しかしそれに関わった当事者の一人、クライド・エント(だらしない海賊・f02121)は納得していなかった。
彼は、白蛇女郎に戦いで負けた。そして弄ばれた。悔しさを感じると同時に、その際の快楽が……忘れられなかった。
だからオブリビオンとして白蛇女郎が復活したという報せを聞いたクライドは、記憶が引き継がれていないと分かっていても彼女にリベンジするという名目で動き……そして再び、敗北したのだった。
「むぐ、ぐう……!」
白蛇女郎が棲家とする廃屋敷の中、クライドは服を脱がされて身動きもとれない状態となっていた。全身に、白蛇女郎が着物の内側から呼び出した無数の白蛇に絡みつかれ、さらに毒牙に噛み付かれている。蛇毒はクライドの命を奪うためのものではない。精神はとてもクリアのまま、性器には異常に血流が巡り、大きく勃起をさせられている。
そしてすでに、上からのしかかる白蛇女郎の胎内へと完全にずっぷりと収められていた。
二人はいわゆるスパイダー騎乗位で繋がっている。白蛇女郎はまるで地面へと座るようにクライドに腰を下ろし、上半身は前傾させてクライドの顔を両腕で掴んでいた。
「ふふ、ああ情けないねえ」
長い舌をゆらゆら出しつつ嘲笑し、甘い吐息がクライドに掛かる。クライドは必死で身をよじるが、動けない。だがその行為は拘束に抗おうとするためではない。白蛇女郎はまったく動いていないのだ。生殺しされているから、自ら快楽を求める。
「ふー、ふーっ……!」
クライドはすでに半ば正気を失っていた。わずか一ミリでも動ければ、それだけで甘く強烈な摩擦が肉棒から全身へ突き抜ける。気持ちいい、キモチイイ!
「無様無様、ほらもっと頑張りな」
クライドは理解している。これは捕食行為だ。白蛇女郎はクライドに快楽を与え、絶頂の瞬間を見計らって喰い殺す。そして猟兵という上物をただ殺すだけではなく、ひたすらの我慢させて脳が快楽でトロトロに溶け、発狂するのを狙っているのだ。
今はそのための『仕込み』の段階。白蛇女郎は自ら積極的には動かない。まったく動かないわけではなく、クライドの動きに合わせて動き、程良く常に快楽を与え続けている。つまりクライドのやっていることはほとんどが無駄。すべては嗤う白蛇女郎の掌の上にある。
「ふぐーっ、ぐー!」
猿轡のように蛇を噛まされているが、もし喋れるのであればクライドは情けなく射精の許可を懇願したかもしれない。あるいはギリギリこらえようとするか……どんな反応を示すかの想像すら、白蛇女郎に悦楽をもたらす。
「……ひ!」
ねちゃねちゃという濡れた肉同士が起こす摩擦音。そこにかりかりという音が混じる。白蛇女郎が、クライドの乳首を弄り始めたのだ。
「いちいち反応が面白いねえ」
小さいながらも硬くなっている乳首を爪で摘まんだり、指先で転がしたり。もちろん過剰に刺激して爆発させはしない。
「どうだい、イキたいかい?」
クライドの耳元に顔を寄せて、耳を舐りながら囁く。びくんと跳ねる様が滑稽だ。
「……! ……!」
ほんの僅かに動く頭を、必死に縦に振る。そんなクライドの必死さを、白蛇女郎は哄笑で吹きとばした。
「もちろん駄目よ? もっと頑張りましょう?」
クライドの脇腹が優しく撫でられる。射精できない。させてもらえない。小さな快感に脳を炙られ続ける。そしてその先にもたらされるのは、最高の快楽と、死。
……でもそれは、一体いつになるのだろうか?
成功
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