大祭祀ハロウィン襲来~立ち上がれ、秘密の決戦巨人
「事件発生です。リムは猟兵に出撃を要請します」
グリモアベースに招かれた猟兵達の前で、グリモア猟兵のリミティア・スカイクラッド(勿忘草の魔女・f08099)は淡々とした口調で語りだした。
「ケルベロスディバイドの地球を侵略するデウスエクスの首魁、十二剣神『大祭祀ハロウィン』から宣戦布告がありました」
大祭祀ハロウィンは近くケルベロスディバイド世界でも開催されるハロウィンの祭りによって、極大まで高められる『季節の魔力』――すなわち『ハロウィンの魔力』を利用した大規模作戦を仕掛けてきた。その目的は地球に『ハロウィンの楔』を打ち込み、大祭祀の主星『真理の部屋ハロウィン』と地球を融合させることだ。
「大祭祀ハロウィンの作戦が成功すれば、この地球上の全てが『ハロウィン化』し、『万物が存在する状態』に変化してしまいます」
これが具体的にどのような状況かを想像することは難しいが、地球上の全生命体は元より、猟兵でも飲み込まれれば無事では済まない。大祭祀ハロウィンはこれによりあらゆる生命とグラビティ・チェインを手中にするつもりなのだ。
「ですが、このハロウィン化によるカオスに対抗する手段がひとつだけ存在します。それは、仮装によって『あらゆる世界の概念が同時に存在する状況』を作り出すことです」
ガチの仮装や出身世界をモチーフにしたコーデ、友人とお揃いの仮装などジャンルは問わない。バラエティ豊かな仮装を身に纏うことで、戦場の「ハロウィン化」から身を守ることができるようだ。どういう理屈か分からなくても、今はそういうものだと納得してもらいたい。
「すでに大祭祀ハロウィン配下のデウスエクスは、地球上の決戦都市のいくつかを占領し、ハロウィン化を進めています。ですので皆様はすぐに仮装して、決戦都市の奪還に向かって下さい」
今回の戦場は都市内部となるが、すでに「ハロウィン化」が始まっており、仮装しなければ長くは耐えられない。
まるで街全体が仮装しているような不思議な光景は、幻想的でありながらも不気味さを感じさせるだろう。作戦を阻止できなければ、これが地球全土に広がる事になるのだ。
「都市を占領するデウスエクスの名は『三眼魔竜』トライオクルス。揺れる影のような身体に3つの目を持つドラゴンで、それぞれの目から異なるユーベルコードを使用します」
彼は大祭祀ハロウィンから与えられた任務に忠実であり、地球の者たちを下に見ているため交渉の余地もない。
油断ならない強敵だが、ここは真っ向から撃破するしかないだろう。デウスエクスやオブリビオンとの戦いで実力をつけた猟兵なら、決して勝てない相手ではない。
「皆様にこの都市を奪還してほしい理由はもうひとつあります。ここには地球人類が開発した『決戦兵器』と呼ばれる、対デウスエクス用秘密武装が秘匿されているらしいのです」
その決戦兵器の名は『決戦巨人カーディフ』。ケルベロス(猟兵も含む)の精神エネルギーによって遠隔操作できる、全高数十メートルの巨大人型ロボットだ。来るべき決戦に備えて開発された、特務機関DIVIDEの技術と研究の結晶である。
「この決戦兵器を回収できれば、大祭祀ハロウィンを撃破するチャンスもあるはずです」
決戦巨人カーディフには「変形機能」が備わっており、まるで「仮装」のように操縦者の命令でフォルムを変更することができる。この機能とロボ自体のパワーを活かして戦えば、今だ全貌の見えない十二剣神が相手でも有利に戦えるだろう。まさに、このような事態のために創られたのが「決戦兵器」なのだから。
「タイムリミットはハロウィン当日でもある10月31日。それまでに大祭祀ハロウィンを一定数撃破できなければ、地球は完全にハロウィン化します。どうか、皆様の力をお貸し下さい」
説明を終えたリミティアは手のひらの上にグリモアを浮かべ、ハロウィン化の進む決戦都市へと猟兵達を送り出す。
この都市に眠る決戦兵器を目覚めさせ、大祭祀ハロウィンを撃破することはできるのか。地球の命運をかけた大作戦が幕を開ける。
「転送準備完了です。リムは武運を祈っています」
戌
こんにちは、戌です。
今回のシナリオはケルベロスディバイドにて、地球のハロウィン化を企む『大祭祀ハロウィン』の作戦を阻止する依頼です。
1章は決戦都市を占領中のデウスエクス、三眼魔竜『トライオクルス』との戦闘です。
都市内部はハロウィン化が進行しており、仮装しなければ猟兵でも無事では済みません。仮装自体による有利不利な影響は特にないので、各自好きな仮装をしていただければ幸いです。
トライオルクスを倒し都市を奪還すれば、秘匿されていた決戦兵器『決戦巨人カーディフ』を回収できます。
2章は十二剣神『大祭祀ハロウィン』との決戦です。
デウスエクスの大ボスの一人であるため、真っ向勝負だと苦戦は必至ですが、回収した決戦兵器の力を利用すれば撃破のチャンスはあります。
決戦巨人カーディフは猟兵の遠隔操作で動き、巨大なボディによる肉弾戦と変形機能(フォルムチェンジ)で戦います。これを戦闘に利用するとプレイングボーナスが入ります。
10/31の朝までに、このハロウィンシナリオが「20本成功」していなければ、地球はハロウィンと化します。
それでは、皆様のプレイングをお待ちしております。
第1章 ボス戦
『三眼魔竜『トライオクルス』』
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POW : デクストラ・ブレイズ
【右目から消えぬ炎の鎖】を最大でレベルmまで伸ばして対象1体を捕縛し、【浄化不能な穢れし死穢の毒炎】による汚染を与え続ける。
SPD : ケントルム・サンダーボルト
【中央の目から放った、追尾式な雷の刃】で対象の【手首や足首など『首』とつく部位】を攻撃する。自身が対象に抱く【戦意などの攻撃的な要素】の感情が強い程、[手首や足首など『首』とつく部位]への命中率が上昇する。
WIZ : シニストラ・アイシクル
【左目の魔力から作った解けぬ氷柱】を手または足で射出する。任意の箇所でレベル×1個に分裂でき、そこからレベルm半径内に降り注ぐ。
👑11
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叢雲・紗綾
まったくクソみたいなコトかましてくれますねあの
大祭祀!
全世界ハロウィン化なんて絶対させねーんですから!
と、仮装しないとダメなんでしたね。
では赤ずきんの仮装をしていきましょう。
予備武装をバスケットに詰めて、月蝕・参式を構えて戦場へ突入ですよ。
何とも薄っぺらい影絵野郎ですが、実力は本物のハズ。
単射モードの月蝕・参式で撃っていきますが、向こうにとっても狙いやすい距離となると、やはり向こうが有利ですね。
なら、思い切って突撃です!
連射モードの【弾幕】で機動を牽制しつつ距離を詰め、至近距離に至ったら武器を雀蜂に持ち替え。
銃口突きつけてUCをブチ込んでやります!
「まったくクソみたいなコトかましてくれますねあの
大祭祀!」
いよいよ本格的に動き出した十二剣神、大祭祀ハロウィンによる『ハロウィン化』の危機に、叢雲・紗綾(嘲り詰る兇弾・f40836)は大いに憤っていた。これまで幾度もデウスエクスの侵略を撃退してきたというのに、ここに来て盤面ごとひっくり返すような計画を許せるはずがない。
「全世界ハロウィン化なんて絶対させねーんですから!」
幼い頃からケルベロスとして戦い続けてきた彼女は、デウスエクスの首魁に対する敵意も強く。この星を好き勝手にさせはしないと、肩で風切りながら戦場に向かう。敵の計画はすでに始まっている――まずは、制圧された決戦都市を奪還するところからだ。
「と、仮装しないとダメなんでしたね」
都市内部が見たこともない景色に染まっているのを見て、紗綾はさっと赤ずきんの仮装に着替える。猟兵すら侵食する『ハロウィン化』に抵抗するには、異なる世界の概念を纏うのが有効との話だ。右手には電光小銃「月蝕・参式」を構え、左手のバスケットには予備兵装を詰め込んで、戦闘準備も万全である。
「来たか、ケルベロス……」
都市に突入した彼女を待ち受けていたのは、影の如き巨体を持つ三つ目のドラゴン。大祭祀ハロウィンからこの地のハロウィン化を命じられた、三眼魔竜『トライオクルス』だ。妖しく輝く3つの視線からは、地球人への敵意と蔑むような感情がありありと伝わってくる。
(何とも薄っぺらい影絵野郎ですが、実力は本物のハズ)
紗綾は油断なく小銃を標的に向け、高威力の単射モードでプラズマ弾を撃ち込む。これに対してトライオルクスも【ケントルム・サンダーボルト】で応戦。中央の目から追尾式の雷刃を放ち、お互い電撃による激しい射撃戦の様相となった。
「これしきの電撃で、我が雷刃を超えられるか!」
トライオルクスのユーベルコードは本人の攻撃的な感情に応じて威力を増すようで、紗綾の手首や足首を的確に狙ってくる。まずは移動力を削いで武器を扱えなくしてから、最後に「首」を落とす算段だろう。猟兵を見下していても、侮ってはいないのが分かる。
(向こうにとっても狙いやすい距離となると、やはり向こうが有利ですね。なら、思い切って突撃です!)
この間合いでは先に削り切られると察した紗綾は、月蝕・参式を連射モードに切り替えて弾幕を張り、相手の機動を牽制しつつ距離を詰めていく。「赤ずきん」が銃を手に巨大なドラゴンに向かっていく、メルヘンと英雄譚が混ざったような不思議な光景だ。
「なんのつもりだ、貴様……!」
「すぐに教えてやりますよ」
トライオルクスも雷刃で迎え撃つが、弾数なら紗綾のほうが多い。多少の手傷を負いながらも強引に至近距離に到達した彼女は、バスケットに手を突っ込んで身の丈程もある長大な銃を――弐拾参式光線狙撃銃「雀蜂」を取り出した。
「ブチ込んでやります!」
銃口が標的に触れるほどの、文字通りの零距離射撃。大出力の一発で最大威力を実現するための【剣式近接狙撃術】がトライオルクスの腹部に撃ち込まれた。その閃光は標的の肉体をねじ切るように破壊し、体内で爆発を引き起こす。
「グ、オオォォォッ
!!!?」
精強なるドラゴンもこれには堪えたようで、ハロウィン化した都市に咆哮が轟く。その足元で紗綾は赤熱した狙撃銃の砲身を下げ、次の武器をバスケットから引っ張り出そうとしていた。まだ戦いは始まったばかり、憎きデウスエクスを葬り去るまで、彼女は引鉄を躊躇わない――。
大成功
🔵🔵🔵
山吹・慧
ハロウィン化…よくわからない状況ですが、
まあこういうのには慣れていますからね。
中華扇子を持って、黒いチャイナドレスに黒いニーソを着用。
これは仮装であり女装ではありません。異論は認めません。
…学生時代を思い出しますね、フフフ。
(街を見渡しながら)
しかし、こういう状況でなければ楽しそうですね…。
決戦配備のメディックを要請して
逃げ遅れた民間人の救護をお願いします。
敵の炎の鎖は【残像】を伴う動きで攪乱してから
【集中力】で回避。そのまま【エネルギー充填】を
行いながら接近していきます。
そして、炸裂弾を投擲して激しい爆発と光による
【目潰し】を仕掛けてから【リミッター解除】した
【白虎絶命拳】を放ちましょう。
「ハロウィン化……よくわからない状況ですが、まあこういうのには慣れていますからね」
山吹・慧(人間の玄武拳士・f35371)の故郷シルバーレインの世界でも、不思議で奇妙な事件はいくつもあった。
大祭祀ハロウィンによる地球の『ハロウィン化』。それがどんな現象であれ、地球の危機だと分かっているなら全力で阻止するまでだと、彼は仮装して現地に向かう。
「これは仮装であり女装ではありません。異論は認めません。……学生時代を思い出しますね、フフフ」
黒いチャイナドレスに黒いニーソを着用し、中華扇子を持って穏やかに微笑む。今回の事件における「仮装」の定義は幅広いので全然問題はないが、それにしても違和感がないのが逆に怖いような。ともあれハロウィン化に呑み込まれないための準備は万全という事だ。
「しかし、こういう状況でなければ楽しそうですね……」
戦場に到着した慧は、カオスな光景に染まった街を見渡してぽつりと呟きつつ、ひとまずはメディックの
決戦配備を要請。逃げ遅れた民間人の救護をお願いして後顧の憂いを取り除いた後、この都市を占拠する三眼魔竜『トライオルクス』に向き合う。
「随分と余裕な事だな」
その態度と、決戦配備を戦闘支援に使わなかった彼の行動に、トライオルクスは侮られているのかと怒りを抱いた。
竜の激情は灼熱を生み、右目から消えぬ炎の鎖となって解き放たれる。この【デクストラ・ブレイズ】に捕らえられたが最後、穢れた毒炎は死ぬまで対象に汚染を与え続けるだろう。
「別に侮っている訳ではありませんよ」
ただ率直な感想を述べただけだと、慧は集中力を高めて毒炎の鎖を躱す。仮装中でも身のこなしが鈍ることはなく、残像を伴うほどの俊敏な動きだ。トライオルクスの三眼をもってしても、これを見切るのは容易なことではあるまい。
「チョコマカと……!」
業を煮やした魔竜は炎の鎖を振り回すが、慧はそれも身をかがめて躱しつつ接近。呼気により「気」のエネルギーを練り上げながら敵の懐に飛び込んでいく。学生時代より鍛錬を重ね続けた拳士としての技は、この間合いでこそ最大の威力を発揮する。
「まずは手土産を」
「グォ……ッ?!」
至近距離に達する寸前というところで、慧はチャイナドレスの裾から炸裂弾を投擲。特注品ならではの激しい光と爆発が、敵の視界を真っ白に染める。目を灼かれたトライオルクスはたまらず三眼を閉じてしまい――この一瞬の致命的な隙を、逃す彼ではない。
「捉えました」
「ッ、ガァァッ
!!!?!」
放つは【白虎絶命拳】。リミッターの解除された膨大な「気」が拳より注ぎ込まれ、敵に肉体を内部から破壊する。
影絵の如き肉体がうねり、苦悶の絶叫と共に吐き出されるのはドス黒い血。ゴーストもオブリビオンも叩きのめしてきた男の拳は、不滅のデウスエクスにも通じうる力だった。
大成功
🔵🔵🔵
エイダ・スリムル
……。(ほぼ心の声)
仮装ですか。そうですね、カジノのディーラーな格好をしてみましょうか。
どうです? 似合っていますか?
一流の冥土のメイドとしてはカード捌きの技術も必要なのです(どこからともなく取り出したカードを切りながら)
ふざけた敵だろうと敵は敵、しっかりと殲滅しましょう
私の戦意は強いですからね、その分攻撃が精確になるのでしょう?
故に仮装に合わせて蝶ネクタイ型やカフス型やブーツ型の防具で自衛しますね
そして此方は手でも足でも無事な部位からカードを投擲します
図体がデカければその分ヒット数も多くなるでしょう
「……。(仮装ですか。そうですね、カジノのディーラーな格好をしてみましょうか)」
表面上は無口で無表情のまま、内心ではいそいそと仮装選びをするエイダ・スリムル(ヴァルキュリア・f40947)。
普段のメイド服からディーラーの衣装に着替えてみれば、ビシッとした格好と寡黙な態度がよくマッチしている。任務場必要な事ではあるが、それはそれとして結構ノリがいい。
「どうです? 似合っていますか?」
「フザけた格好だ」
冗談のつもりなのだろうか、真顔で敵に感想を問うてみれば『トライオルクス』からはすげない敵意が返ってきた。
その仮装が決戦都市を侵食する『ハロウィン化』に抵抗するための防護策だということはデウスエクス側も認識している。強大なドラゴンの視点から見れば、小賢しい足掻きだと言ったところか。
「じきにこの星は完全にハロウィン化する。そんな布切れでいつまでも耐えられると思わぬ事だ」
「……。」
それをさせないために自分達が来たのだと、エイダは言葉ではなく態度で示す。対して侵略者たるトライオルクスが放つは【ケントルム・サンダーボルト】。中央の目より撃ち出された雷刃が、魔竜の戦意に応じて標的に襲いかかる。
(私の戦意は強いですからね、その分攻撃が精確になるのでしょう?)
雷が正確にこちらの手首や足首を追尾してくるのを見て、エイダは蝶ネクタイ型やカフス型、ブーツ型などの仮装に合わせた防具でガードする。戦乙女の魔力と加護を籠めた「
冥土装甲」の防御力なら、受け方を誤らなければ十分に自衛できるはずだ。
「
賭けの時間だ。賭け金はお前達の命だがな」
敵の初手を受けきったエイダは、お返しとばかりに【ディーラーオブデス】を発動。突然飛び出した乱暴な発言と共に、トランプのカードが射出される。それは空中でワンセット分の枚数に分裂しながら、魔竜の元へと降りかかった。
「グガァッ
……!!?」
図体がデカければその分ヒット数も多くなる。見込み通りにトランプの豪雨はトライオルクスの全身に突き刺さり、一枚一枚は軽微でも累積すれば大きなダメージを与える。有効打を確認したエイダがくるりと手首を回すと、新しいトランプが手元に現れた。
「貴様、一体どこから武器を
……?!」
「……。一流の冥土のメイドとしてはカード捌きの技術も必要なのです」
どこからともなく取り出したカードを切りながら、平然と答えるエイダ。仮に手を負傷しても足首のスナップだけで投擲を行えるくらい、そのスキルは卓越している。魔法のように出てくるトランプを次々に投じて、彼女は敵を攻勢に転じさせなかった。
(ふざけた敵だろうと敵は敵、しっかりと殲滅しましょう)
ハロウィン化などという訳の分からない事象で地球を奪われるのは御免だ。波風ひとつ立たない湖面のような面持ちとは対照的に、彼女の内心は闘志が漲っていた。決戦都市の奪還を果たした暁には、次は大祭祀ハロウィンの番だ――葬るべき敵をあの世に送るまで、冥土のディーラーの仕事は終わらない。
大成功
🔵🔵🔵
仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
…大祭祀ハロウィンめ!貴様の野望を討ち砕く為にここに来た…!
さぁ行くぞ…私は処刑人…だけど今は…えーと…魔法少女…プルティアだッ!
魔法少女ティアゲヘナの衣装を着て戦場を行こう
決戦配備はディフェンダー、敵が放つ氷柱をバリケード構築し
氷柱を防ぎながら敵目掛けてダッシュで駆け抜けよう
鉄塊剣を抜き振るい地獄の炎纏い【影法師顕現】で分身達を召喚
分身達の強化された鎧砕きの力を発揮して降り注ぐ氷柱を鉄塊剣で破壊しながら接近
怪力と重量攻撃で氷柱諸共敵の肉体を切り裂き切断し、その左目を叩き潰してやろう…!
…邪魔をするなよ魔竜め!私は…処刑人だッ!!!
「……大祭祀ハロウィンめ! 貴様の野望を討ち砕く為にここに来た……!」
侵略者集団デウスエクスの首魁、十二剣神自らが動いた大規模作戦――ケルベロスディバイド地球における未曾有の危機に、義憤と共に立ち上がったのは仇死原・アンナ(処刑人、地獄の炎の花嫁、焔の騎士・f09978)だ。星そのものをカオスの渦に沈めんとする蛮行、よもや見過ごせるはずがない。
「さぁ行くぞ……私は処刑人……だけど今は……えーと……魔法少女……プルティアだッ!」
いざ戦場へと赴いたアンナの仮装は、赤い花飾りとリボンで飾り立てられた、赤と黒のドレス風衣装。「プルティアシリーズ・ティアゲヘナ変身コスチュームセット!(非公式)」である。どういった経緯で彼女がこの服を持っていたのか、複雑な理由がありそうだが今は置いておこう。
「……なんだそれは」
一瞬馬鹿にされているのかと思った三眼魔竜『トライオルクス』だが、マジカルな衣装に身を包んだアンナの闘志は本物である。『ハロウィン化』の進むこの都市に現れ、大祭祀の計画を妨害するつもりなら、こちらも容赦はすまい。
「魔法少女など片腹痛いわ。我が魔眼にて凍り付くがいい!」
「……舐めるなッ!」
左の魔眼より発動するのは【シニストラ・アイシクル】。魔力で作られた溶けぬ氷柱が射出され、空中で分裂しながら戦場に降り注ぐ。これに対してアンナはディフェンダーの
決戦配備を要請。ハロウィン化されてもまだ機能していたバリケードを構築し、身を守る態勢を整えた。
「出でよ……我が影達よ……我等は……うーん……魔法少女だッ!」
バリケードで氷柱を防ぎながら、敵目掛けて戦場を駆け抜けるアンナ。【影法師顕現】を発動すれば、その背後から仮面を被った9体の分身が召喚され、本体と共に武器を振るう。鉄の処女をモチーフにした鉄塊剣「錆色の乙女」は、その重量感に見合うだけの破壊力を備えていた。
「なにィ……ッ!!」
本体の持つ技能のうち、鎧砕きの力を強化された分身達が、降り注ぐ氷柱を破壊して本体のための道をこじ開ける。
トライオルクスの三眼が驚きで見開かれた瞬間、アンナは放たれた矢のような勢いでダッシュし、間合いを詰める。どんな格好をしているにせよ、彼女の本質と戦闘力はなにも変わってなどいなかった。
「……邪魔をするなよ魔竜め! 私は……処刑人だッ!!!」
やはり、その名乗りが一番しっくりくるのか。裂帛の気迫とともにアンナが振り下ろした鉄塊剣は、邪魔な氷柱諸共トライオルクスを斬り伏せた。影絵の如き肉体が裂け血飛沫が上がり、体勢が崩れたところに返した刃で追撃が入る。
「グ、ッッッガァッ!!!? 我が……我が魔眼がァ……ッ!!」
質量と怪力にものを言わせた処刑人の暴威は、トライオルクスの左目を叩き潰していた。その有様では視力は勿論、ユーベルコードの威力にも影響が出るだろう。溶けぬはずの氷が消えていくのを視界の端に捉え、敵が弱っているのを察したアンナは、息が切れるまでさらなる追撃を叩き込んだ――。
大成功
🔵🔵🔵
黒城・魅夜
ハロウィンは実は私の誕生日
そしてこの世とあの世の境界が最も薄くなる日
私にとっては居心地がいいかもしれませんが
その日を好き勝手に使われるのはやはりいい気はしませんね
仮装ですか
先ほども言った通り今月は私の誕生月
ハロウィンで22歳になります
……22歳でセーラー服を着ているのは
我ながら仮装ですよね、と思うのですが、いかがでしょう(くすっ)
まあそれがダメなら自在に変化する我が衣服を使い
逆十字を記したシスターにでもなってみましょう
首を狙うのは吸血種たる私の専売特許
鎖を舞わせ避雷針と為して雷刃を誘導
さらに結界で空間を歪めて回避
その雷光で私の影がはっきりと表れていますよ、愚か者
UCを発動し影の中に飲みこみます
「ハロウィンは実は私の誕生日。そしてこの世とあの世の境界が最も薄くなる日」
黒城・魅夜(悪夢の滴・f03522)にとってその日は大事な意味を持つが、ケルベロスディバイドの世界においても、『季節の魔力』とやらが極大まで高まる時期らしい。力ある術者が利用すれば、異なる星と星を融合させてしまうほどの凄まじいパワーだ。
「私にとっては居心地がいいかもしれませんが、その日を好き勝手に使われるのはやはりいい気はしませんね」
大祭祀ハロウィンにより『ハロウィン化』された都市の光景は、彼岸と此岸のみならず万物の境界が曖昧になっているように見える。このまま事態を放置すれば地球はデウスエクスの手に落ちるだろう。自身の誕生日を健やかな気持ちで迎えるためにも、彼女は事件解決に乗り出した。
「仮装ですか。先ほども言った通り今月は私の誕生月。ハロウィンで22歳になります」
魅夜の格好は普段通り、闇より織られた漆黒の衣だ。この「月よ貌を背けよ、星よ瞬くな」は着用者の意思で様々な衣服となることが可能だが、彼女はそれを黒いセーラー服にしている。見た目に違和感は特に無いので、なぜなのかとツッコむ人もあまりいないが。
「……22歳でセーラー服を着ているのは、我ながら仮装ですよね、と思うのですが、いかがでしょう」
ダメだったら逆十字のシスターという別の仮装案も秘めつつ、試しにハロウィン化した都市内に入ってみる。この中では猟兵も無対策では危険だという話だったが、特に心身に違和感は感じない。どうやら彼女のセーラー服も「あらゆる世界の概念」の一部として認識されたようだ。
「問題はなし、と。では参りましょう」
「フン……この都市はハロウィン様より我が預かった楔。奪わせはせぬぞ!」
総数108本からなる「呪いと絆」の鎖を顕現させ臨戦態勢を取る魅夜に、迎え撃つは三眼魔竜『トライオルクス』。
その異名の由縁ともなった三つ目のうち中央が輝くと、追尾式の雷刃【ケントルム・サンダーボルト】が放たれる。その軌道は人間の戦闘力や機動力を的確に奪える手首や足首、そして首筋など「首」とつく部位を狙っているようだ。
「首を狙うのは吸血種たる私の専売特許」
対する魅夜は鎖を宙に舞わせて避雷針と為し、雷刃の軌道を誘導する。ユーベルコードとはいえそれが電気の性質を有するのであれば、通電性の高い金物に引きつけられるのは道理。巧みな鎖さばきで攻撃を逸らすさまは、まるで稲妻と戯れているかのようだ。
「小癪なッ!」
トライオルクスはさらに中央の目で標的を凝視し、雷刃の追尾性を高める。使用者の攻撃的な感情が増すにつれて、このユーベルコードは命中精度が上がるのだ。鎖による避雷針だけでは、徐々にダメージを逸しきれなくなってくる。
(そろそろ、手を変えますか)
このままでは押し切られると判断した魅夜は、自身の周囲に結界を張り、空間を歪めることで雷刃の軌道を変える。
そのまますっと姿勢を低くして、首筋を狙った刃を躱して前に。その口元には勝利を確信した笑みが浮かんでいた。
「その雷光で私の影がはっきりと表れていますよ、愚か者」
【闇に溺れよ影へと沈め、せめて末期は舞う如く】。魅夜の影は本体の意のままに操ることができ、視認して触れたものを内部に引きずり込む。雷光で大きく伸びた彼女の影は今、トライオルクスの巨体をも呑み込めるサイズとなっていた。
「墜ちゆけ、沈め、奈落の底より深き場所、虚無の果てへと溺れゆけ」
「なんだとッ……ぐおおおッ、不味い
……!!」
全てを無に帰す影の引力から、必死に脱出しようともがく魔竜。どうにか全身引きずり込まれずには済んだものの、彼の片足と尾の半分は最初から存在しなかったように消失していた。恐るべき悪夢の力を垣間見せたセーラー服の女は、妖しくも美しく微笑む――。
大成功
🔵🔵🔵
エリン・エーテリオン
虹炎の神
https://tw6.jp/gallery/?id=172632
え〜と、虹炎武装!生と死の狭間の修道女!
『ほう、シスターか』
『あら、可愛いわね』
UCを発動して変身した
ちなみにアルコとミリアが称賛してくれた
これで何とか戦えるな!行くぜ!
敵の炎の鎖を伸ばして来たので推力移動で回避して衝撃波を放ち鎖を破壊した
来い、黄泉の王!
黄泉の王を召喚して黄泉の王は死属性攻撃の弾幕を放ち敵に攻撃した
この生と死の狭間の修道女の力はこんな物じゃないぜ!
そして追撃に殲滅魔法を放ち敵の体勢を崩す
この形態はサポート特化何だけどな…私が全力でぶん殴れば多少の威力は出るんだぜ!
敵の体勢が崩れた後に怪力で敵をぶん殴った
リュカシオン・カーネーション
虹炎の神
https://tw6.jp/gallery/?id=172631
前の魔女の服だ!
❛お古なのだわ!❜『ええ…露出が多いですね』
この衣装を見て少し引かれたがこれでハロウィン化を防ぐ
おっと、こいつはヤバいな…
追尾式の雷の刃が迫ってきたのでオーラ防御で防御する
UC使う前に試したい事があるんだよなあ!
敵のUCを防いだらアズリエルから斬撃波を放ち敵に攻撃する
行くぞシエル!
❛ハロウィンでもやってやるのだわー!❜
指定UCを発動して敵がもう一度UCを発動しようとしている所を阻止して推力移動で敵に近づきながら衝撃波を放つ
『追撃です!』
アロナちゃんがUC精霊王の天災の裁きを発動して敵に追撃して吹き飛ばした
「え~と、虹炎武装! 生と死の狭間の修道女!」
今回の戦場では仮装必須と聞いて、エリン・エーテリオン(邪神龍と虹炎の神と共に世界を駆ける元ヤンの新米猟兵・f38063)は【虹炎武装・生と死の狭間の修道女】を発動。黄泉の国の力を解放して、黒い修道女の格好に変身する。
『ほう、シスターか』
『あら、可愛いわね』
仲間の虹炎神「アルコイリス」と「ミリアスリラ」も、その格好を見て称賛してくれた。活発な普段のイメージとは異なるが、確かによく似合っている。単なる仮装ではなくユーベルコードとして、本人の霊力を高める効果があるのもポイントだ。
「前の魔女の服だ!」
一方のリュカシオン・カーネーション(転生したハジケる妖狐と精霊王とカオスな仲間たち・f38237)が着てきたのは、去年仕立てた魔女の仮装。胸元が大きく開いた紫のドレスに、先の折れたとんがり帽子と、ややセクシー方向に寄った他はオーソドックスな衣装である。
『お古なのだわ!』
『ええ……露出が多いですね』
仲間の虹炎神「アルカンシエル」と精霊王「アロナフィナ」には少し引かれたが、これもハロウィン化を防ぐため。
大祭祀ハロウィン化の仕業でカオスと化した決戦都市では、こうした対策がないと猟兵でも無事では済まないのだ。
「これで何とか戦えるな! 行くぜ!」
「ああ、ハロウィン前にひと暴れだ!」
「来るがいいケルベロスよ! この都市は渡さぬぞ!」
仮装していても中身は普段通りのまま、イケイケで突っ込もうとするエリンと、ノリノリで後に続くリュカシオン。
三眼魔竜『トライオクルス』が彼女らを凝視すると、右目からは炎の鎖が、中央の目からは雷の刃が放たれ、それぞれ別の標的に襲い掛かった。
「やべっ!」
「おっと、こいつはヤバいな……」
【デクストラ・ブレイズ】に襲われたエリンは、虹色の神炎を放出する推進力で身を躱し、衝撃波で鎖を破壊する。
【ケントルム・サンダーボルト】の標的となったリュカシオンは、狙われている手首や足首などの部位を「虹神炎覇気」のオーラで固め、雷の刃をガードした。
「ユーベルコード使う前に試したい事があるんだよなあ!」
「ぐッ!?」
雷刃を防ぎきったリュカシオンはニヤリと笑いながら「天災邪神鎌龍アズリエル」を振るい、斬撃波を敵に飛ばす。
死を司る邪神龍のパワーを秘めたその一撃は、影絵の如き魔竜の肉体を切り裂いて、苦痛のうめき声を上げさせた。
「来い、黄泉の王!」
そしてエリンも虹炎武装の力で召喚術を行使。実体なき骸骨の姿で現れた黄泉の王が、死の瘴気を弾幕にして放つ。
不死不滅のデウスエクスとはいえ、生と死を司る存在からの攻撃は通用する。「ガアッ!?」と大きな絶叫を上げ、トライオクルスがよろめいた。
「この生と死の狭間の修道女の力はこんな物じゃないぜ!」
「ッ、なんだと
……!!」
さらにエリンは虹炎神の力を拳に束ねて追撃を放つ。あらゆる耐性や反射・無敵などの効果を貫通する殲滅魔法だ。
清楚なシスターから繰り出される怒涛の猛攻を受けて、トライオクルスは大きく体勢を崩した。間髪入れずに彼女は敵との距離を詰め、虹炎を宿したままの拳をぐっと振りかぶる。
「この形態はサポート特化何だけどな…私が全力でぶん殴れば多少の威力は出るんだぜ!」
「ゴグァァッッ
!!!?!」
虹炎武装で強化された腕力にものを言わせてブン殴るだけの、ごくごくシンプルな攻撃。だがそれが、彼女の放った攻撃の中でもっとも威力が高かった。破城槌で叩かれたような衝撃に、今度こそトライオクルスの巨体が地に伏せる。
「おのれッ、貴様らァ!」
それでもトライオクルスの命運は尽きておらず、魔眼をぎらつかせて立ち上がってくる。流石に大祭祀ハロウィンから直々の命を受けただけの実力はあるということか。命にかえてでもも決戦都市のハロウィン化を遂行するつもりだ。
「行くぞシエル!」
『ハロウィンでもやってやるのだわー!』
だが、猟兵もそれを止める意志なら負けていない。敵がもう一度ユーベルコードを発動しようとしているところに、リュカシオンは【虹炎神・レーヴ・アルカンシエル"未来虹炎乱気流"】を発動。虹炎神アルカンシエルと共に虹炎の乱気流を放ち、魔眼の起動を阻止した。
「ぐッ……目が……!」
『追撃です!』
過去と未来を改変する乱気流の中で、視界を奪われるトライオクルス。この間にリュカシオン組の最後のメンバー、アロナフィナが【精霊王の天災の裁き】を発動。属性と自然現象を合成した天災の権能で、悪しき魔竜に追撃を行う。
『精霊王の裁きを貴方達に与えます……』
「おッ、おのれ……グギャアァァァッ
!!!!」
荒れ狂う業火の竜巻に呑まれたトライオクルスは、絶叫とともに吹き飛ばされる。この一連の猟兵達の攻撃が与えたダメージは相当のようだ。修道女と魔女という対照的な仮装をした二人ではあったが、その連携はピタリと完璧に息が合っており、仲間とのコンビネーションがこの戦果を生んだと言えるだろう――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
早門瀬・リカ
【剣と分かつもの】
アンジェリカ(f40793)さんと一緒に参加
狼をモチーフにした仮装姿で挑むよ
アンジェリカさんは素敵な仮装姿だね
思わず見とれてしまいそうだけど気を引き締めるよ
ドラゴン相手だと不思議と本能的に闘志が沸き上がってしまうよ
敵意が強い相手に対しての攻撃が命中しやすくなるのなら
狙いをアンジェリカさんにではなく僕の方に向ける事も出来そうだな
魔竜の攻撃を凌ぎつつ幻影雷獣撃による雷の牙で、
ダメージを与えつつ魔竜の動きを封じるよ
動きが鈍ってきた所で連携攻撃で仕留めにかかるよ
首尾よく魔竜を撃破出来たら、決戦兵器を回収するよ
決戦巨人、果たして僕に扱えるのか
アンジェリカさんはこういうのは得意そうだね
アンジェリカ・ディマンシュ
【剣と分かつもの】
ええ、征きましょうリカ!
十二剣神との対決です!
わたくしは天使……オラトリオの恰好をして戦列に参加
――暴走開始、今のわたくしは暴走を御せる……!
機械の翼が生え、ダモクレスとオラトリオの両方の特性を持った機械翼のデウスエクスへと変身
『巻き戻さない』為の『時間操作能力』で、左目の魔力から作った解けぬ氷柱を時間凍結で固定
そのまま時間を操作して敵を攪乱し、リカの『最重要本質』を活性化させ、支援させていきますわ
ええ……巨人でなく戦艦ですが、異世界のケルベロスは万能の兵器を扱って戦っていましたわ
そう言ってリカと一緒に決戦巨人を回収しますわ
「アンジェリカさんは素敵な仮装姿だね。思わず見とれてしまいそうだよ」
「ありがとう。リカの仮装もよく似合っていてよ」
大祭祀ハロウィンによる『ハロウィン化』の対策として、早門瀬・リカ(星影のイリュージョニスト・f40842)は狼をモチーフにした仮装を、アンジェリカ・ディマンシュ(ケルベロスブレイド命名者・f40793)は天使……オラトリオの仮装をしていた。お互いの格好を褒めながらも、気を引き締めて戦闘準備は万端である。
「それじゃあ行こうか、アンジェリカさん」
「ええ、征きましょうリカ! 十二剣神との対決です!」
大祭祀配下に奪われた都市を奪還し、地球全土のハロウィン化を阻止するため、二人の猟兵はいざ戦場へと向かう。
待ち構えるは三眼魔竜『トライオクルス』。影の如き巨大なドラゴンが、この地は渡さぬとばかりに咆哮を上げる。
「――暴走開始、今のわたくしは暴走を御せる……!」
戦列に参加すると同時にアンジェリカは【機械天使こそ我が獣性、故に我は鋼鉄の翼を広げる】を発動。機械の翼を生やし、ダモクレスとオラトリオの両方の特性を持った機械翼のデウスエクスへと変身する。本人が「暴走」と言うように、本来それは制御困難な最後の切り札だったのだが、猟兵に覚醒した今の彼女はその形態を自由に操れていた。
「ケルベロスが我らの力を……それでも地球の民などに、我は負けぬ!」
それを見たトライオクルスは怒りと闘志を漲らせて二つのユーベルコードを発動。中央の目からは【ケントルム・サンダーボルト】が、左目からは【シニストラ・アイシクル】が猟兵達に襲いかかる。3つの目からそれぞれ異なる術を行使するのが、彼の異名『三眼魔竜』の由縁だ。
「雷の刃は僕が引き受けよう」
二つのユーベルコードによる同時攻撃に対し、相方を守るために飛び出したのはリカ。あの追尾式の刃が敵意が強い相手に命中しやすくなるのなら、ターゲットをアンジェリカにではなく自分のほうに向けられる目算が彼にはあった。
(ドラゴン相手だと不思議と本能的に闘志が沸き上がってしまうよ)
それは本人でさえ知らない因縁によるものだろうか。胸の奥で燃え上がる熱を斬霊刀《影渡》に込めて、飛んできた雷の刃を切り落とすリカ。手首、足首、そして首筋など、危険な箇所ばかりを狙ってくるうえ追尾も正確だが、それ故に軌道を読みやすいのは好都合だった。
「ありがとうございます、リカ」
もう一方のユーベルコードはアンジェリカが対処する。暴走によって目覚めた機械天使の力――『巻き戻さない』為の『時間操作能力』を行使すれば、降り注ぐ氷柱は空中でピタリと動きを止めた。時間を限定的に凍結させることで、敵の攻撃を固定したのだ。
「小癪な真似を!」
時間操作には敵のペースを狂わせて撹乱する意図もあり、トライオクルスが苦々しく顔をしかめているのが分かる。
ならばと魔竜は三つ目の魔眼の力までも解放せんとするが、そうはさせじと猟兵達も反撃の体勢を整えつつあった。
「我が呼び出すは虚なる雷の獣、目の前を敵を噛み砕け!」
「グォ……ッ?!」
リカが【幻影雷獣撃】で召喚した幻術の雷獣が、雷の牙で敵に齧りつく。感電によるダメージとマヒを同時に与えられたトライオクルスは一時的に動きを止め――その隙にアンジェリカが、時間操作能力のもう一つの用途を発動する。
「さあリカ、あなたの『最重要本質』をここに!」
対象が持つ『進化』と『共存』等の『最重要本質』を活性化させ、力を引き出す。それが彼女にできる最大の支援。
魂の奥から湧き上がる力を感じたリカは「これならやれる」と確信を得て、疾風迅雷の早業で魔竜に斬り掛かった。
「アンジェリカさん、一緒に!」
「ええ、リカ!」
螺旋忍者と機械天使、二人のケルベロスによる連携は雷獣の牙と時間操作を伴って、回避・防御不能の攻撃と化す。
影状の肉体を斬霊刀が切り裂き、傷口を音響魔法の弾丸が抉る。反撃さえ許さぬほどの見事なコンビネーションだ。
「グ、オォォォォォッ
!!!?」
甚大なダメージによって遂にトライオクルスは崩れ落ち、倒れ込んだ巨体が近くにある建物を巻き込んで破壊する。
その建物の中から姿を現したのは、ドラゴンにも負けない巨体を誇る機械仕掛けの巨人――特務機関DIVIDEが開発したスーパーロボット『決戦巨人カーディフ』は、こんな所に隠されていたのか。
「決戦巨人、果たして僕に扱えるのか。アンジェリカさんはこういうのは得意そうだね」
「ええ……巨人でなく戦艦ですが、異世界のケルベロスは万能の兵器を扱って戦っていましたわ」
この巨人が大祭祀ハロウィンとの戦いでは切り札になると聞いていたリカとアンジェリカは、すぐに決戦兵器の回収に向かおうとするが――その間に立ち上がったトライオクルスが道を阻む。デウスエクス側も、地球人が開発したこの兵器には警戒していたようだ。
「ハロウィン様に仇なしうる脅威、渡しはせぬ……!」
断固としてここは譲らぬと吠える魔竜を前に、ケルベロス達は再び構えを取る。この決戦兵器がどちらの陣営に渡るかによって、決戦の行方も大きく変わってくるだろう。ハロウィン化した都市での激闘は、いよいよ大詰めを迎えようとしていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ソラウ・エクステリア
♪と🐓
あっ!ラーミア達だ!ケルベロスディバイドにも居たんだ…
敵の所へ向かっている時にラーミアを発見したので声をかける
『ラーミア達が居たい場所が生息地なのだ』『ラーミアはハロウィンの姿なのだ』『ラーミアはダンスを踊るのだ』
様々な格好したラーミア達がダンスを踊りながら着いてきた
あっ!あいつだね!
敵がUCを発動して来たのでこっちもUCを発動して滅殺の歌で雷の刃を消滅させてから音響弾による衝撃波で反撃した
『ラーミアのハロウィンを邪魔しないで欲しいのだ』『ラーミアはとっても可愛いのだ』『ラーミアの好きな食べ物はうどんなのだ』
指定UCの効果でUC狂気の生命体・ラーミアを発動して謎の光線を放ち敵に攻撃した
フラーウム・ティラメイト
♪と🐓
成る程、ソラウさんの仮装は南瓜がテーマの衣装ですか…
https://tw6.jp/gallery/?id=172966
の姿のソラウさんを見て
おや?これがラーミアなんですね…
都市を歩いているとマントを付けたラーミアが3匹現れました
『ケー!』
オベイも元気に返事してくれました
さて、さっさと終わらせましょう
ソラウさんがラーミアと話している間に敵と対峙したので黒剣から光線を放つが回避させる
おや、避けられましたか…!
敵が反撃にUCを発動してきたが私は視力で鎖を見てから結界術を展開して防御する
お返しです
UCを発動して敵の攻撃を避けながらソラウさんと共に魔力吸収と生命力吸収の斬撃波を放ち敵を切り裂いた
「成る程、ソラウさんの仮装は南瓜がテーマの衣装ですか……」
「そうだよ! 似合ってるかな?」
ハロウィン化に対抗するために仮装した仲間の格好を見て、興味深そうに呟くのはフラーウム・ティラメイト(因果獣と因果を喰らう者『オベイ』を宿す探究者・f38982)。スカートがジャック・オー・ランタンを模したドレスを着たソラウ・エクステリア(歌姫の時空騎士と時空龍の協奏曲・f38698)の姿は、なかなか可憐である。
「あっ! ラーミア達だ! ケルベロスディバイドにも居たんだ……」
現在も進行している決戦都市のハロウィン化を止めるために、二人が敵の所に向かっていると、マントを付けた梟に似た鳥が、3羽飛んでいるのを発見する。それが次元三大災害のひとつとも言われる【狂気の生命体・ラーミア】だと気付いたソラウは、なぜこんな所にいるのかと思いつつ声をかけた。
『ラーミア達が居たい場所が生息地なのだ』『ラーミアはハロウィンの姿なのだ』『ラーミアはダンスを踊るのだ』
ハロウィンらしく様々な格好をしたラーミア達は、不思議なダンスを踊りながらソラウ達の後をついてくる。べつに居ても邪魔にはならないし、彼らの存在が仮装のバラエティを増やしハロウィン化への抵抗力を高めてもくれそうだ。
「おや? これがラーミアなんですね……」
『ケー!』
始めてラーミアを見たフラーウムは、興味深そうにラーミアを見る。一緒に連れてきた「封印石・ディストーション・オベイ」も元気に返事してくれるが、今は観察に時間をかけている暇はない。走り続ける一行の視界の先に、巨大なドラゴンの影が見えてきた。
「あっ! あいつだね!」
「さて、さっさと終わらせましょう」
それは影絵のような肉体を持つ三つ目の竜、三眼魔竜『トライオクルス』だ。並々ならぬ実力を感じ取ったソラウとフラーウムは、各々の武器を構えて戦闘態勢に入る。オベイもそれに呼応するように『ケー!』と鳴き、ラーミア達は変わらず踊っていた。
『また奇妙な連中が来たものだ……誰であろうと、地球の民は皆殺しにしてくれる!』
魔竜は中央の目を輝かせて【ケントルム・サンダーボルト】を発動、追尾式の雷刃を猟兵達に射出する。戦意の高揚に応じて命中精度が上昇する、このユーベルコードを回避するのは難しい。受けるか相殺するほうがまだ容易だろう。
「聞いて、僕の……愚者の歌を」
対してソラウは仮装はそのままで破滅の歌姫に変身し、【ソラウの歌『愚者』】を戦場に響かせる。概念すら無効化する滅殺の歌が、魔竜のユーベルコードを相殺して雷刃を消滅させ――さらに歌声は音響弾にもなって敵に反撃する。
「ぐッ……やってくれる……!」
「こちらも追撃です」
音撃を浴びたトライオクルスがよろめいた瞬間、フラーウムが鍵形の黒剣から光線を放つ。タイミングは完璧だったはずだが、敵もさるものと言うべきか。崩れた体勢のままうねるように身を捩り、光線の下をかい潜るように避けた。
「おや、避けられましたか……!」
「舐めるなッ!」
その直後、トライオクルスは反撃の【デクストラ・ブレイズ】を発動。死穢の毒炎で編まれた消えざる鎖をもって、猟兵達を縛り上げようとする。これを見たフラーウムは結界術を使用、味方全体を守るように大きな結界を展開する。
『ラーミアのハロウィンを邪魔しないで欲しいのだ』『ラーミアはとっても可愛いのだ』『ラーミアの好きな食べ物はうどんなのだ』
この攻撃に対して不快感を示したのがラーミア達だ。ひとたび敵対したが最後、彼らは次元災害と呼ばれる由縁の力を遺憾なく発揮する。踊り狂いながら放たれる謎のビームが、結界も鎖も突破してトライオクルスへ飛んでいく――。
「なんだ貴様ら……グハァッ?!」
どんな耐性も防御も破壊するラーミアの謎ビームは、トライオクルスの予想を超えたダメージをもたらした。災厄が災厄たる由縁、理不尽な力が再び魔竜に隙を作った瞬間、フラーウムは【因果獣神皇・パラレル・オベイ・ディストーション】を発動する。
「未来を見通す新たな力……見せましょう」
その背中にはチェーンソーの翼が生え、両腕からは牙のような剣が飛び出し――渦眼となった瞳は敵の次なる行動を予知する。死霊のマフラーをなびかせて、襲い来る炎鎖を躱しながら、彼女はまっすぐ魔竜の元に飛び込んでいった。
「お返しです」
「なッ……ッ!!!」
振り下ろされた黒剣の斬撃波は因果を絶ち、魔力と生命力を奪い取る。魔竜の三眼が驚愕に見開かれた直後、その視界にはもう一人の猟兵が駆け込んでくる。マイク機能付きの時空騎士銃槍を携えて、歌い踊りながら戦う――時空の歌姫・ソラウだ。
「まだ終わりじゃないよ!」
「ガ、グギャァッ!!?」
アンコールの如く叩き込まれた追加の斬撃波は、トライオクルスの巨体を深々と切り裂き、より深い傷を負わせる。
いかな不滅のデウスエクスと言えど、これほどのダメージを受けて万全ではいられず。その存在感は本物の影法師のように、徐々に弱まりつつあった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎
https://tw6.jp/gallery/?id=60707
白いワーウルフのコスプレ
「あらゆる全てがハロウィンになる」か…
何を言ってるのかはよくわからんが、まぁ碌でもない事になるのは確かだろうな
デゼス・ポアを宙に浮かせてシルコン・シジョンを両手で構える
まずは大口径の弾丸を存分に食らわせてやろう
ハロウィンのお菓子代わりにたらふく食らうと良い
フン…叫び声を上げるほど嬉しいか
ならば、もてなした甲斐があるというものだ
ダメージを与えたらダッシュとジャンプでビルを足場に動き回る
奇抜な仮想をしたような足場の悪いビル群は悪路走破を駆使して動き回ろう
翻弄するように動き回り銃撃、更にデゼス・ポアからの斬撃も喰らわせる
来るか…
狂い震えろ、デゼス・ポア
敵がUCを発動する事を見切ったらカウンターでUCを発動
全身を脱力させて首を狙いに来た雷の刃を受けて無効化
同時にデゼス・ポアから威力を倍加させた雷の刃を敵に叩き付ける
せっかく、お菓子を上げたのにお返しにイタズラとはな
ハロウィンの流儀を知らん奴め
「『あらゆる全てがハロウィンになる』か……何を言ってるのかはよくわからんが、まぁ碌でもない事になるのは確かだろうな」
デウスエクス十二剣神が一人、大祭祀ハロウィンによる地球ハロウィン化。それが文字通り想像を絶する事態を引き起こす可能性を危惧して、キリカ・リクサール(人間の戦場傭兵・f03333)は今回の作戦に参加していた。耳付きのパーカーと付け尻尾で白いワーウルフの仮装をして、突入準備は万全だ。
「クッ……この我が、ここまで追い詰められようとは……」
ハロウィン化の進みつつある都市で彼女を待っていたのは、三眼魔竜『トライオクルス』。大祭祀よりこの決戦都市の占領と防衛を任された彼も、猟兵との激戦で相当のダメージを負っていた。三眼のうち左目は潰されて視力を喪い、影の如き肉体は至る所が傷ついている。
「ハロウィンのお菓子代わりにたらふく食らうと良い」
キリカは呪いの人形「デゼス・ポア」を宙に浮かせると、神聖式自動小銃"シルコン・シジョン"を両手で構える。
まずは大口径の弾丸を存分に食らわせてやるとトリガーを引けば、けたたましい銃声と共に機銃掃射が開始される。その一発一発には銃から洗礼が施され、デウスエクスにも有効な聖なる箴言が込められていた。
「グオオォォッ……!! 舐めるなァッ!」
銃撃を浴びたトライオクルスは苦しげな咆哮を上げるが、これで斃れるほどドラゴンは軟弱ではない。十二剣神より賜った使命を果たすために、残された力をふり絞って尾を振るい、翼を打ち、爪牙を伸ばす。手負いの獣が最も恐ろしいという言葉は、デウスエクスにも通じるようだ。
「フン……叫び声を上げるほど嬉しいか。ならば、もてなした甲斐があるというものだ」
キリカは皮肉げな笑みを浮かべながら、ハロウィン化した都市を駆け回る。奇抜な仮装をしたような足場の悪いビル群も、悪路に慣れた彼女にとっては立派な足場だ。軽快なダッシュとジャンプで足を止めないことを意識して、魔竜の攻撃を躱しつつ翻弄する。
「まだ食い足りないか? 私はこっちだぞ」
「おのれ、ちょこまかとッ!」
トライオクルスの猛攻は周囲のビルや建造物を次々に倒壊させていくが、そこにキリカが巻き込まれることはなく、走りながら銃撃を続ける。デゼス・ポアも彼女の動きに追随しながら「キャハハハハハ」と哄笑し、躯体から生やした刃で敵に斬りかかり、さらなるダメージを与えていた。
「負ける訳には……いかぬのだ! 我らデウスエクスの未来が為に!」
追い詰められたトライオクルスは、最後の魔力で【ケントルム・サンダーボルト】を発動。中央の目から放たれた光が雷の刃となり、ドラゴンの闘志に呼応するかのように飛んでいく。その正確な追尾と殺傷力は、ここからでも勝敗を逆転させる可能性を十分に秘めていた。
「来るか……」
敵のユーベルコード発動を見切ったキリカは、カウンターのユーベルコードを発動。銃撃を止め、全身を脱力させた無防備な体勢で攻撃を待ち構える。雷の刃は追尾性能の高さゆえに狙いは読みやすい。この状況なら手首や足首よりも一撃必殺を狙って、直接首を落としにくるはずだ――。
「狂い震えろ、デゼス・ポア」
その瞬間、トライオクルスの雷刃は、確かにキリカの首をかき切ったかに見えた。だが【ディアレ・アリュシオン】を発動させた彼女は完全な脱力状態によってダメージを無効化し、逆にそれを取り込んだ。【ケントルム・サンダーボルト】の魔力はさらに増幅された上で、呪いの人形から金切り声と共に射出される――。
「なんだとッ……グオォォォォォーーーーッ
!!!?!!」
威力倍増した雷の刃を自らの首筋に叩きつけられ、先程よりも大きく絶叫するトライオクルス。もはや、その衝撃に耐える体力も気力も残ってはいまい。ハロウィン化した都市を照らす稲光と共に、影の巨体がゆっくりと崩れ落ちる。
「せっかく、お菓子を上げたのにお返しにイタズラとはな。ハロウィンの流儀を知らん奴め」
ワーウルフの仮装の尻尾を揺らし、にやりと笑みを浮かべるキリカ。念のため銃を構えるが、その必要もあるまい。
限界を超えるダメージを受けたデウスエクスの肉体は崩壊を始めており、本物の影法師のように薄れて消えていく。
「ここまで、か……申し訳ございません、大祭祀ハロウィン様……」
任務を全うできなかった不甲斐なさを主に詫び、三眼魔竜『トライオクルス』は消滅した。完全に滅んだ訳ではないだろうが、しばらく地球に戻ってくることはあるまい。占領された決戦都市の奪還という、本作戦の第一目標はここに果たされたのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 ボス戦
『十二剣神『大祭祀ハロウィン』』
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POW : そして世界はハロウィンと化す
【ハロウィン化した世界】を見せた対象全員に「【オマエのハロウィンを見せてみろ!】」と命令する。見せている間、命令を破った対象は【ハロウィンによる肉体変化に抗う力】が半減する。
SPD : トリック・オア・ハロウィン
【食べた者をハロウィン化する毒菓子】を給仕している間、戦場にいる食べた者をハロウィン化する毒菓子を楽しんでいない対象全ての行動速度を5分の1にする。
WIZ : 真理を識る大祭祀ハロウィンの視線
視界内の対象1体の精神を【真実の部屋ハロウィン】に追放する。精神が帰還するまで、対象の肉体は動けないが無敵になる。
👑11
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三眼魔竜『トライオクルス』を撃破し、占領された決戦都市の奪還に成功した猟兵達。
彼らは速やかに、この都市に秘蔵されていた決戦兵器――『決戦巨人カーディフ』の回収に向かう。
話に聞いていた通り、それは人類の科学と魔導の兵器技術の粋を集めて開発された、巨大な人型ロボットだった。
猟兵が知る人型兵器といえばキャバリアがあるが、このカーディフの全長はそれより遥かに大きい。操縦は遠隔操作式で、ケルベロスや猟兵の精神エネルギーによって動くそうだ。
単純なサイズに見合ったパワーだけでも強力な兵器だが、このカーディフには「変形機能」が備わっている。
射撃形態や格闘形態に飛行形態など、仮装のようにフォルムチェンジを行うことで、様々な状況に応じた戦闘を行えるという。その性能をどこまで引き出せるかは、操縦する猟兵次第だろう。
「ヒャ~ッハッハッハァァァァ
!!!!」
都市奪還戦の終了から間を置かずして、不気味な笑い声が空から響く。
見上げれば、そこに浮かんでいるのは「魔女」にも似たシルエットの異形。
配下の敗北を察知して駆けつけてきたか。あれこそ十二剣神『大祭祀ハロウィン』だ。
「トライオクルスの野郎はやられちまったか……地球人を見下してはいたが、アイツは相当の実力者だった。やっぱり侮れねえな、六番目の猟兵達よ……!」
自ら宣戦布告を行うほどだ、ハロウィンはこちらの事をある程度知っているのだろう。
これ以上は配下に任せておけぬと見て、自ら都市の『ハロウィン化』を続けるべくやって来たか。
奴は数多のデウスエクス種族を束ねる大ボスの一人。三眼魔竜を倒した猟兵達でも苦戦は必死である。
だが、今こちらには決戦巨人カーディフがある。来るべき事変を見据えて開発された決戦兵器、ここで使わずしていつ使うというのか。
「面白くなってきたじゃねえか……さあ行くぜ、止められるものなら止めてみろ! この『
十二剣神』の一柱、大祭祀ハロウィンをなあ! ヒャ~ッハッハッハァァァァ
!!!!」
まさしく悪の侵略者然とした振る舞いで、圧倒的な魔力を解放する大祭祀ハロウィン。
ただ奴が存在しているだけで、周囲のハロウィン化が加速度的に進行していく。
デウスエクスの地球侵略開始以降、かつてない規模の一大事。
これに立ち向かうは六番目の猟兵と、人類の叡智が生んだ希望の決戦巨人。
ハロウィン当日を目前に控えながら、戦いはクライマックスを迎えようとしていた――。

仇死原・アンナ
アドリブ歓迎
大祭祀ハロウィン!貴様を屠る為に私はここへ来た!
さぁ行くぞ…私は処刑…魔法少女…プルティアだッ!
魔法少女ティアゲヘナの衣装を着て戦場を行こう
鉄塊剣抜き振るい決戦巨人を超巨大鉄塊剣形態に変形させよう
そして【半陰陽の鉄の乙女】の力で
超巨大鉄塊剣形態から超巨大対戦車砲形態に変形させておどろかせてやろう
魔法…否…魔砲の力を見るがいい…ちちんぷいぷい…破ッ!!!
決戦配備はクラッシャー、都市からの砲撃と共に超巨大対戦車砲から巨大徹甲弾を砲撃し
砲撃による範囲攻撃と鎧砕きで敵を吹き飛ばしてやろう…!
地獄の炎と鉄の味の飴玉だ…思う存分に味わうがいい…!
「大祭祀ハロウィン! 貴様を屠る為に私はここへ来た!」
ついに対峙したデウスエクスのトップを前に、アンナはハッキリと宣言する。こいつを撃破して地球ハロウィン化を阻止できれば、デウスエクスには動揺が走り、地球人類の士気も高まるだろう。単に負けられないだけでない、重要な意味を持つ一戦だ。
「さぁ行くぞ……私は処刑……魔法少女……プルティアだッ!」
「ヒャハハ! おっかない魔法少女もいたもんだな!」
魔法少女ティアゲヘナの衣装を着た彼女の名乗りをからかうように笑いながら、『大祭祀ハロウィン』は油断なく身構えている。猟兵の実力は勿論の事、その背後に立っている見慣れぬ巨人――人類の決戦兵器を警戒しているようだ。
「……来いッ!」
アンナが一声叫ぶと『決戦巨人カーディフ』は唸りを上げて変形し、ヒトの形から武器の形へ――超巨大鉄塊剣形態に変わる。無論、普通の人間には持ち上げることすらできないサイズだが、彼女はそれをしっかりと保持して、大祭祀ハロウィンの元に向かっている。
「おいおい……そんなんアリ?」
「まだおどろくのは早い……貴様はこいつで蹂躙される……!」
さらにアンナは【半陰陽の鉄の乙女】を発動。鉄塊剣形態に変形した巨人を、自らのユーベルコードで超巨大対戦車砲形態に変形させる。あまりのスケールから彼女でさえ持ち歩くことはできなくなるが、火力と射程は大幅強化された当にロマン砲だ。
「オイオイオイ……それがオマエのハロウィンなのか?!」
ハロウィン化した世界の中心に佇みながら、笑顔を引きつらせる大祭祀ハロウィン。この祭りの仮装にドレスコードなどは存在しないが、よもやこんな物騒な兵器を持ってこられるのは想定外だろう。少なくとも一般的な魔法少女が扱う武器ではない。
「魔法……否……魔砲の力を見るがいい……ちちんぷいぷい……破ッ!!!」
が、アンナはあくまでコレをマジカルなやつとして押し通すつもりのようで――事実、ハロウィン化による肉体変化にも抗う力は衰えないまま、クラッシャーの
決戦配備要請と共にトリガーを引く。都市に配備された砲台からの攻撃に加えて、超弩級の戦車砲から巨大徹甲弾が撃ち放たれた。
「ヤッベ……ッ
!!!!」
大祭祀ハロウィンは慌てて回避しようとするが、この規模の砲撃となると直撃を免れたところで結果は変わらない。
恐ろしいほどの質量と速度を持った徹甲弾はどんな装甲も貫き、弾頭に付与された地獄の炎は着弾と同時に大爆発を起こすのだ。決戦都市からの砲撃支援が、その攻撃範囲をさらに拡大する。
「地獄の炎と鉄の味の飴玉だ……思う存分に味わうがいい……!」
「イカれてるぜ、オマエ……ウギャァァァーーッ!!!」
せめてもの皮肉は轟音に紛れて悲鳴へと変わり。想像を絶する爆発と火力と衝撃が大祭祀ハロウィンを吹き飛ばす。
これこそ猟兵の力と決戦兵器の力がひとつになった一撃。地球もハロウィンも貴様の好きにはさせないという、人間の決意を表明する号砲となった。
大成功
🔵🔵🔵

ビッグ・サン
ハロウィンといったらパンプキン
ジャック・オー・ランタンでしょう
かぼちゃは育てるとかなり巨大化するようですね
私の特製肥料で巨大なカボチャを作ります
それにあなたのハロウィン化する毒菓子をまぜれば、きっといきなりジャック・オー・ランタンになりますよ
私はハロウィン結構好きですからね
ナイトメア・ビフォー・クリスマスみたいな世界も楽しいんじゃないかと思ってるんですよ
ですが毎日だと飽きますしね
お、話してる間に巨大なジャック・オー・ランタンが育ちましたよ
『トリックオアトリート!』
おお、ハロウィンっぽい鳴き声
いや、これはもう暴れまわってくれそうですね
毒菓子感謝ですよ
楽しくなってきましたね~♪
「ゲホッ、ゲホッ……ヒャ~ッハッハッハァ! やるじゃねえか六番目の猟兵達よ! 褒美にオレサマからハロウィンのプレゼントだ!」
予想を超える猟兵の攻撃によりダメージを受けた『大祭祀ハロウィン』。だがデウスエクスの親玉たるもの、一撃でやられるはずはなく。爆煙の中から高笑いとともに立ち上がると【トリック・オア・ハロウィン】を発動し、掌の上に大量のお菓子を生成する。
「ハロウィンといったらパンプキン。ジャック・オー・ランタンでしょう」
その菓子が普通のものでは無いことを理解しながら、ビッグは唐突にそんなことを言った。かぼちゃをくり抜いて作るあのランタンは、現代のハロウィンの祭りでは確かに定番中の定番だが。まさか今からそれを作る気なのだろうか。
「かぼちゃは育てるとかなり巨大化するようですね。私の特製肥料で巨大なカボチャを作りましょう。それにあなたのハロウィン化する毒菓子をまぜれば、きっといきなりジャック・オー・ランタンになりますよ」
「ハァ? オイオイ……」
困惑する大祭祀ハロウィンをよそに、ビッグは給仕された菓子をひょいと受け取って【アタック・オブ・ザ・キラー・プラント】を発動。ハロウィン化した大地にかぼちゃの種を植え、特別に調合した肥料を与えることで急速な成長を促す。
「私はハロウィン結構好きですからね。ナイトメア・ビフォー・クリスマスみたいな世界も楽しいんじゃないかと思ってるんですよ。ですが毎日だと飽きますしね」
そこに食べた者をハロウィン化させる大祭祀の毒菓子を加えることで、カボチャは成長途中で劇的な変異を遂げる。
根っからの研究者気質かつ、倫理観に若干欠けているところのあるビッグはこの過程も楽しんでいるため、敵のユーベルコードで行動も阻害されないのだった。
「お、話してる間に巨大なジャック・オー・ランタンが育ちましたよ」
ほどなくしてビッグと大祭祀の眼の前で誕生したのは、人間よりはるかに巨大な化け物カボチャ。しかも加工前なのにちゃんと目と鼻も口もキバもある。これはもはや植物と言うよりも、新種のモンスターと言ったほうが良さそうだ。
『トリックオアトリート!』
「おお、ハロウィンっぽい鳴き声」
「いや、おかしくねえか?!」
流石にこれは大祭祀ハロウィンもツッコミを入れるが、巨大カボチャは『トリックオアトリート!』と鳴き声(?)を繰り返しながら蔓を振り回して暴れ始めた。ビッグはまったくコレを制御する気がないようで、敵味方を区別せずに無差別攻撃している状況だ。周囲に民間人や他の猟兵がいなかったのが救いだろう。
「いや、これはもう暴れまわってくれそうですね。毒菓子感謝ですよ」
創造主の特権なのか、自分だけは巨大カボチャに襲われずにいるビッグは、その暴れっぷりを高みの見物している。
結果として貧乏くじを引かされるのは大祭祀ハロウィンである。菓子を渡した相手がこんな悪戯小僧だとは思わず、カボチャの暴走を受け止めるハメになる。
「楽しくなってきましたね~♪」
「こっちは全然楽しくネエよ! ケッ!!」
流石にカボチャに負けたとあっては十二剣神の名折れ。熾烈な殴り合いのすえ大祭祀ハロウィンが勝利を収めたものの、余計な消耗を強いられたのは否めまい。とんだトリックを味わったものだと苦々しい表情で吐き捨てるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エイダ・スリムル
……。(ほぼ心の声)
カーディフと呼ばれているこの巨大なロボットには変形機構もついているのですね
そうですね、ギターを持ち、体の各部位に音響機能を持った音楽ロボットに変形させてみましょうか
ハロウィンとは秋の収穫を祝うと共に悪霊を追い払うものですから、音楽はぴったりでしょう?
つまりこれこそが私のハロウィンなのです
さぁ存分に見せてやろう
これが音楽の力の一つ、
ヘビーメタルというやつだ
望み通りたっぷりハロウィンを楽しむといい
(折角変形した体中の音響装置をガン無視した荒々しいギターによる連続攻撃で、相手とギターの破壊音で奏でる激しいレクイエム)
「……。(カーディフと呼ばれているこの巨大なロボットには変形機構もついているのですね)」
相変わらず無言無表情のまま、エイダは決戦都市に秘匿されていた秘密兵器、『決戦巨人カーディフ』を見上げる。
単にそのデカいボディとパワーで戦うだけでなく、ケルベロスの意思に応じて様々な機能を発揮できるとのことだ。うまく使えば自分のスタイルに合わせたサポートを受けられるかもしれない。
(そうですね、ギターを持ち、体の各部位に音響機能を持った音楽ロボットに変形させてみましょうか)
試しにそう念じてみると、巨人はエレキサウンドの唸り声を上げて、彼女の望み通りの形態になっていく。その姿は人型のライブステージのようであり、ハロウィン化した都市に重厚な音圧を響かせる。こちらの演奏に合わせて好きな音を出すことも可能なようだ。
(ハロウィンとは秋の収穫を祝うと共に悪霊を追い払うものですから、音楽はぴったりでしょう?)
賑やかな歌や楽器の音色で災いを遠ざけるという発想は、古くから地球各地に存在した。つまりこれこそが私のハロウィンなのですと、エイダは心の中で得意げに胸を張る。その心象を代弁するかのように、カーディフ(音楽形態)がジャーンとひときわ大きな音を鳴らした。
「へえ、ソイツでどんなハロウィンを見せくれるって言うんだ? オマエの葬式曲だ、好きに奏でろ!」
【そして世界はハロウィンと化す】を発動中の『大祭祀ハロウィン』は、ハロウィン化した世界の中心でニヤニヤと笑っている。先程までとは違い、仮装していても気を抜けばカオスに呑み込まれそうだ。ここで自分の"ハロウィン"を披露することは、抗う力を保つために必要でもあった。
「さぁ存分に見せてやろう。これが音楽の力の一つ、
ヘビーメタルというやつだ」
口を開くと同時にエイダは「冥土のギター」をかき鳴らす。するとカーディフがギターのヘッドを槍の矛先のように敵へと向け――猛烈な勢いで突きを放った。【愚者に送るレクイエム】と名付けられたそのユーベルコードは、どう見ても完全な物理攻撃である。
「オイオイオイ?! 弾くんじゃないのかよ……グエッ!!」
大祭祀ハロウィンは慌てて刺突を回避するが、巨人はそのままギターの弦を使って敵の手足を絡め取り、地面に引きずり倒してダウンさせる。そして今度は敵の顔面めがけて、ハンマーのように持ち替えたギターを全力で叩きつける。折角変形した体中の音響装置をガン無視した、荒々しい連続攻撃であった。
「これがヘビーメタル……音楽の力だって言うのかよ?!」
「そうだ」
「ぜってぇちげぇ!」
ガシャンゴシャン! と相手とギターの破壊音で奏でる激しいレクイエムが都市に響き渡る。ヘビーメタルの意味を何か根本的に間違えていそうな攻撃に大祭祀ハロウィンは抗議するものの、何がおかしいのかとエイダは真顔である。以前、この技で倒されたデウスエクスも同じ台詞を残して散ったとか。
「望み通りたっぷりハロウィンを楽しむといい」
「納得いかね……グヘァッ!!?」
ともあれ本人がこれをハロウィンだと豪語する限り、ハロウィン化の影響は受けないし攻撃力のほども申し分ない。
騒音と紙一重の戦乙女式ヘビーメタルの公演は、相手かギターのどちらかが限界を迎えるまで続けられるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
エリン・エーテリオン
虹炎の神
これが決戦兵器か!キャバリアよりデカいな…
『よし、俺の力を使え!』
『でも、試しに兵器を動かしてみたら?』
アルコが自分の力を使えと語りかけてきたがミリアが神の力を使う前に決戦兵器を操縦してみるとアドバイスされた
おお…わくわくするなあ!
兵器に搭乗して敵との戦いへ望む
うおぉぉぉぉ!速えぇぇぇぇ!
まずは飛行形態に変形して敵を撹乱した後に敵の背後に回り込み射撃形態に変形して敵を撃ち抜く
鳴り響け…魂の音!
攻撃された敵がUCを発動してきたので私もUCを発動して虹神炎を蝙蝠のマントの様に決戦兵器を纏わせてハロウィンを見せてやった
これでも食らいやがれ!オラァァァァァ!
格闘形態に変形させて敵を殴り飛ばした
リュカシオン・カーネーション
虹炎の神
❛うおぉぉぉぉ!格好いいのだわぁぁぁぁ!❜
《シエルさん、テンション高…》
決戦兵器を見て興奮するシエルとそれを見てドン引きしているアロナちゃん
シオン、行っきまーす!
決戦兵器に搭乗して敵と勝負する
あ?
『わ〜い!お菓子だ〜!』
大量のお菓子を見て(敵のUC)困惑しているウチだったがカオスシャークが現れてお菓子を食べる
『あべし!』
カオスシャークが爆発した(理由不明)
ゆ…許さねえ、よくもカオスシャークを!
《何でカオスシャークが食べる前に使わなかったですか?!》
アロナちゃんが突っ込みを入れられながらUCを発動してお菓子を消し飛ばした後に格闘形態になって敵を蹴り飛ばす
エリン、パ〜ス!
エリンがUCを発動したタイミングでUC虹炎覇王越速神鳥砲を発動して敵を足止めした
「これが決戦兵器か! キャバリアよりデカいな……」
『よし、俺の力を使え!』
『でも、試しに兵器を動かしてみたら?』
デウスエクスから地球を守るために開発された、数十メートル級の巨大ロボを見上げて、エリンは興奮気味に叫ぶ。
虹炎神アルコイリスは自分の力を使えと語りかけてくるが、もう1柱のミリアスリラは神の力を使う前に決戦兵器を操縦してみてはとアドバイスする。彼女もそれに同意見だった。
『うおぉぉぉぉ! 格好いいのだわぁぁぁぁ!』
『シエルさん、テンション高……』
興奮しているのはもう1人。虹炎神アルカンシエルのあまりの興奮っぷりに、精霊王アロナフィナがドン引きする。
そしてリュカシオンはと言えば、もうすでに巨人によじ登って操縦しようとしている。この『決戦巨人カーディフ』は遠隔操作も可能だが、乗り込んで一緒に戦っても問題はない。
「シオン、行っきまーす!」
「おお……わくわくするなあ!」
かくして決戦巨人に搭乗したリュカシオン、そしてエリンの二人は協力して大祭祀ハロウィンとの戦いに挑む。
まずは飛行形態に変形して接近及び撹乱を図る。猟兵の意思に呼応したカーディフは巨大な翼とジェットエンジンを展開して、猛スピードで空を翔けた。
「うおぉぉぉぉ! 速えぇぇぇぇ!」
「ほう! デカいくせにやるじゃねえか!」
頬に当たる風と疾走感にエリンが歓喜の声を上げ、大祭祀は掛かってこいとばかりに鉤爪を振るう。巨人はその攻撃をひらりと躱してみせると背後に回り込み、今度は射撃形態へと瞬間変形。多数の火砲や機銃を展開して、弾丸の雨で敵を撃ち抜いた。
「イテッ……やるじゃねえか、ご褒美だ!」
決戦兵器の名に恥じぬ性能を味わった大祭祀ハロウィンは、お返しに【トリック・オア・ハロウィン】を発動。食べた者をハロウィン化する毒菓子を生成し、周囲にばら撒き始めた。もし食べてしまえば大惨事、拒否されてもユーベルコードの効果で対象を減速させられる、どちらに転んでも損のない術だ。
「あ?」
『わ~い! お菓子だ~!』
突如現れた大量のお菓子にリュカシオンは困惑しているが、甘い香りにつられて「カオスシャーク」がどこからともなく現れる。それは敵が給仕するものでも気にせずにお菓子に喰らいつき、美味しそうにむしゃむしゃと咀嚼し――。
『あべし!』
そして爆発した。おそらくは体内でのハロウィン化によるものと思われるが、正確な理由は不明である。元々アレは普段からハジけた言動を取ってばかりなので、おそらく死んではいないと思うが。それでも仲間がやられたのを見て(半分自業自得だが)黙ってはいられない。
「ゆ……許さねえ、よくもカオスシャークを!」
リュカシオンは【虹炎神・レーヴ・アルカンシエル"未来虹炎乱気流"】を発動して、毒菓子の山を消し飛ばす。
ハロウィン化を引き起こすとはいえ、それ自体はただのお菓子だ。過去や未来まで改変する虹炎の乱気流の前では、チリのように消滅していく。
『何でカオスシャークが食べる前に使わなかったですか?!』
「食らえハロウィン野郎!」
至極もっともなアロナフィナのツッコミはスルーして、リュカシオンはカーディフを格闘形態に移行。巨いなる鋼鉄の拳を叩きつければ、大祭祀ハロウィンは「ぐおッ!」とうめき声を上げて吹き飛んだ。重量とパワーにものを言わせた豪快な打撃は、シンプルゆえに強烈だった。
「やるな! だが、まだまだ! もっとオマエらのハロウィンを見せてみろ!」
血の滲んだ口元を歪めながら、大祭祀ハロウィンは【そして世界はハロウィンと化す】を発動。世界のハロウィン化を加速させ、そのカオスに猟兵達も巻き込まんとする。これに耐えるには己のハロウィンを示し、肉体変化に抗う力を維持しなくてはならない。
「鳴り響け……魂の音!」
そこでエリンは【虹炎の神・estrella・arcoiris】を発動。虹炎の神のパワーを解き放ち、溢れ出す虹色の炎を蝙蝠のマントのようにカーディフに纏わせて、これが自分のハロウィンだと見せつけてやる。荒れ狂うハロウィン化の渦に呑み込まれても、巨人と猟兵はなんら影響を受けていなかった。
「へえ、なかなかやるじゃねえか……っとお!?」
「見とれてる暇はないぜ!」
同じタイミングでリュカシオンは【虹炎覇王越速神鳥砲】を発動し、虹炎の砲撃で大祭祀ハロウィンを狙う。
見事な仮装に敵ながら感嘆してしまったハロウィンは、一瞬回避の動作が遅れ――その刹那に加速した虹炎が彼奴を包み込んだ。
「エリン、パ~ス!」
「おう!」
リュカシオンの目的は敵の足止め。この間にエリンがカーディフを操作し、格闘形態のまま大祭祀に接近する。
虹炎の神力を宿してさらにパワーアップした決戦巨人の拳――あらゆる耐性も無敵も粉砕する究極の一撃が、唸りを上げて振り下ろされる。
「これでも食らいやがれ! オラァァァァァ!」
「ギャハァッ
!!!?!」
甲高い悲鳴を上げて殴り飛ばされる大祭祀。その身体からバラバラと毒菓子やハロウィンの破片が飛び散っていく。
都市のハロウィン化も進んでいない様子からして、相当のダメージを受けているのは間違いない。猟兵と決戦兵器という人類の切り札は、十二剣神の予想も超えるものだったようだ。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
早門瀬・リカ
【剣と分かつもの】
決戦巨人カーディフを操りながら
大祭祀ハロウィンと戦うよ
引き続き狼をモチーフにした仮装姿でだね
狙うのは螺旋爆散掌による至近距離からの攻撃
僕なりのハロウィンを見せるとしようか
毒菓子を給仕してきたり、真実の部屋ハロウィンに
追放されそうなら僕の方で注意を引いて、
その隙にアンジェリカさんに攻撃してもらえたらかな
大祭祀ハロウィンが止めを刺そうと僕の方に
向かって来るなら、そこを狙って全力でUCを叩きこむよ
それで倒せなくても、カーディフにも接近戦形態で
全力攻撃をしてもらうようにかな
「アンジェリカさんもいるし楽しくないわけないからね」
「ここからが本当のハロウィンの始まりさ!」

アンジェリカ・ディマンシュ
【剣と分かつもの】
決戦巨人カーディフを操りながらリカと共にハロウィンと対峙
仮装によってハロウィン化に耐性を得て、共に戦っていく
これが『|十二剣神《グラディウス・トウェルブ》』…わたくし達の世界の、いわば『|十二創神《ヘリオライト・トウェルブ》』に相応するデウスエクス…!
事象の入れ替えで『ハロウィン化により齎された悪影響』と『ハロウィンの万全の状態』を『入れ替える』事で『食べた者をハロウィン化する毒菓子』を食べても問題なく、寧ろ反撃を可能に
そのまま生じたダメージを併用した無限再生のUCで回復
更に『事象の逆転による任意の2点の間の入れ替え』を交互に切り替え、わたくしとリカの状態を万全に保ち続け入れ替えられた不調・傷をハロウィンに叩き付けますわ!
「これが『
十二剣神』……わたくし達の世界の、いわば『
十二創神』に相応するデウスエクス……!」
この世界のデウスエクスの親玉のひとりと対峙したアンナは、放たれる圧倒的な魔力をひしひしと感じ、緊張の面持ちを見せる。彼女のいた世界にも似たような存在はいたものの、このように少人数で決戦に臨むのは無かったことだ。
「僕らなりのハロウィンを見せるとしようか」
そんな中で彼女を支えるように並び立ち、啖呵を切るのはリカ。引き続き狼をモチーフとした仮装姿のまま、毅然とした表情で『大祭祀ハロウィン』を睨みつける。あれが自分たちの地球を狙う敵の大ボスなら、どのみち避けて通れぬ相手なのだ。
「ヒャ~ッハッハッハァァァァ!!!! まだまだ行くぜ、六番目の猟兵達よ! そうらプレゼントだ!」
大祭祀ハロウィンは【トリック・オア・ハロウィン】を発動し、生成した大量の毒菓子を猟兵達に振る舞う。これを食った者は都市と同じようにハロウィン化してしまう、危険な毒菓子だ。そうと知って拒んだ場合は行動速度を低下させるため、どちらを選択されても奴に損はない。
「それは僕がもらうよ」
どうあがいても食わせるつもりだと察したリカは、アンジェリカをかばうように毒菓子を手に取った。見た目や匂いも美味しそうなスイーツに見えるソレに、意を決してかぶりつけば、ハロウィン化の毒は即座に彼の体を蝕みだした。
「うっ……!」
「ヒャハハ! いい度胸だァ!」
苦しげにうずくまったリカにとどめを刺そうと、ハロウィンはけたたましく笑いながら近寄ってくる。あまり肉弾戦が得意なタイプではなさそうだが、それでも基礎となるスペックが地球人とは違う。その両手にある鋭い鉤爪は、彼の命を奪うのに十分過ぎるように見えた。
「過去に起きた事を巻き戻す事は出来ない。けれども、今を変える事は生命の義務。故に遡行に対する反定立として逆転を成せ」
しかし。そのタイミングを見計らってアンジェリカが【逆転するはしかし、巻き戻しに対する反定立】を発動する。
これは任意の2点間に確定した現在の「事象の逆転」を起こすユーベルコード。これで『ハロウィン化により齎された悪影響』と、『ハロウィンの状態』を入れ替える。
「あン? なにをした?」
ハロウィン化の元凶にして『真理の部屋ハロウィン』を母星とする大祭祀ハロウィンが、自分で作った毒菓子の影響を受けることはないが、重要なのはリカの状態が戻ることだ。不調より快復した彼は弾けるような勢いで立ち上がり、のこのこと至近距離まで近付いてきた敵に全力のユーベルコードを叩き込む。
「お返しだよ!」
「グハァッ!!」
螺旋エネルギーを込めた【螺旋爆散掌】を叩きつけられ、大祭祀ハロウィンは身体を捻られながら吹き飛ばされる。
リカが気を引き、アンジェリカのユーベルコードで反撃のチャンスを作るこの戦法は、最初から打ち合わせたもの。全てが想定通りとはいかないが、手応えは十分にあった。
「ヘヘッ、やるじゃねえか……うおォ!?」
「まだだ!」
会心の一撃を食らってもなお倒れない大祭祀ハロウィンに、リカは『決戦巨人カーディフ』にて追い打ちをかける。
接近戦形態に変形した巨人はその図体と怪力をフルに活かし、全力のパンチを大祭祀に叩き込む。地球人類の叡智を結集した一撃、十二剣神にも通じうるはずだ。
「コイツ、よく動けやがる……!」
「アンジェリカさんもいるし楽しくないわけないからね」
現状でも十分にハロウィンを楽しんでいるリカは【トリック・オア・ハロウィン】の悪影響を受けづらい。螺旋忍者の俊敏な動きを損なわぬまま、巨人と共に敵を攻め立てていく。その後ろではアンジェリカが控え、再び事象の入れ替えを起こすタイミングを見計らっているようだ。
(思ったよりも順調ですが、それ故に攻め方に悩みますわね)
【逆転するはしかし、巻き戻しに対する反定立】を攻撃に利用する場合、敵が万全で味方が満身創痍の時が一番効果的になる。満身創痍の敵と事象を入れ替えても、傷や不調の交換にしかならないからだ。大祭祀はここまで猟兵との戦闘でダメージを負っており、それを残したままこちらの傷だけ押し付ける『入れ替え』は不可能ではないが難しい。
「ですが、それならそれで、こちらは万全の状態を保ち続けながら戦えばいいだけのこと」
アンジェリカは【悼み無き無間地獄は敵手に】で痛覚を遮断し、『無限瞬時再生』の権能を得た真の姿に変身する。
この肉体と反定立のユーベルコードによって、リカが受けたダメージは全てこちらが引き受けて再生しよう。彼には存分に前線で戦ってもらい、それをサポートするのがこの状況での最適解だ。
「行きますわよ、
十二剣神!」
「ここからが本当のハロウィンの始まりさ!」
「ヒャハハ、面白え! 一緒に楽しもうぜ!」
アンジェリカの加護を受け、負傷も不調も恐れず果敢に立ち向かうリカ。二人のケルベロスの連携を受けて、大祭祀ハロウィンは負けじと哄笑する。熾烈さを増していく戦いの行方は、まだどちらが勝つとも言い切れないが――流れは少しずつ地球側に傾きつつあった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
山吹・慧
『ハロウィン』
古代中国において、甦った死者を
闘技によってあの世に送り返した
『破路宇陰』という儀式がその起源とされている。
……そういう説があったそうなので、
闘技をもって僕のハロウィンをお見せしましょうか。
(引き続きチャイナドレス着用)
決戦配備はジャマー。
敵の知覚機能を妨害してもらいます。
カーディフは格闘形態でいきましょう。
接近戦を仕掛けて【グラップル】と【功夫】の技術で攻め、
敵の攻撃は【ジャストガード】と【受け流し】で凌ぎます。
そしてカーディフを戦わせている間に、
気付かれないように自身も敵に接近。
エンジェリックウイングで飛翔して
【羅山天昇波】を放ちましょう。
「『ハロウィン』。古代中国において、甦った死者を闘技によってあの世に送り返した『破路宇陰』という儀式がその起源とされている」
一体どこの文献に載せられていた説だろうか、少なくとも一般に流布しているハロウィンの由来とはまったく異なる説を、しれっとした表情で語るのは慧。突然こんな話を始めたのは、自分のチャイナドレスの仮装に説得力を持たせるためだろうか。
「……そういう説があったそうなので、闘技をもって僕のハロウィンをお見せしましょうか」
「ヒャ~ッハッハッハ、そりゃ面白い! 見せてもらおうか、オマエのハロウィンを!」
対する『大祭祀ハロウィン』は【そして世界はハロウィンと化す】により、決戦都市のハロウィン化を進めている。
この侵食に耐えるためにも、仮装によるハロウィンアピールは先程にもまして重要になる。なおかつ、このスタイルなら彼の得意とする格闘技も活かすことができた。
「ジャマーを要請します」
『了解!』
慧が特務機関DIVIDEに通信を入れると、直ちに
決戦配備が実行され、ハロウィン化を免れた建造物からバイオガスが噴射される。たちまち戦場は真っ白に染め上げられ、内部にいるデウスエクスの知覚機能は大きく低下。目視による標的の捕捉が困難となる。
「チッ、目眩ましか……うおっとお!?」
その煙幕の向こうから大祭祀ハロウィンに殴りかかってきたのは、決戦兵器『カーディフ』だった。格闘形態に変形した巨人は操縦する慧の思念を汲み取って、彼のグラップルと功夫の技術まで再現を可能にする。スケールに見合わぬ緻密な動きと、全長数十メートルの質量から繰り出される拳。それは十二剣神といえど無視できるものではなかった。
「特務機関DIVIDEがこんなオモチャを隠し持ってやがったとはな……だが、オレサマも伊達に十二剣神じゃないぜ!」
体格で言えばカーディフよりも遥かに小さな大祭祀ハロウィンだが、翼による機敏な動きで打撃を躱し、両手の鉤爪で反撃まで仕掛けてくる。慧の操るカーディフも的確なガードでそれを受け流し、装甲部のみのダメージで凌ぎきる。
(アイツはこっち隙を狙ってるはずだ……どこだ、どこから来る!)
巨人を戦わせている間に、操縦者がジャマーの煙幕に紛れて奇襲する。猟兵の作戦はそんなところだろうと、大祭祀ハロウィンも予想は付いていた。しかし知覚妨害の影響は思ったよりも大きく、また目の前にいるカーディフも手強いため索敵に意識を割けない。この状況で慧が仕掛けてくるタイミングを予測するのは困難だった。
「今、全ての気が僕の味方ですよ」
この間に慧は森羅万象の気を自らの体内で循環させ、エンジェリックウイングを背中に展開。まだ決戦支援の効果が続いているうちに、全速力で敵に接近する。巨大なロボットの足元を、敵の死角になる地面スレスレを翔け抜けて――放つは渾身の【羅山天昇波】。
「これが僕のハロウィンです」
「ヤベ……っ、ゴハァッ!!」
大祭祀ハロウィンが気付いた時にはすでに遅し。練り上げられた気は天を貫く衝撃波となって突き刺さり、彼奴を戦場の彼方まで吹き飛ばした。煙幕を突き抜け、ビルの外壁に叩きつけられた敵の口からは血反吐と苦悶の声が上がり、拳に残された十分な手応えを、慧はしっかりと握りしめた。
大成功
🔵🔵🔵
叢雲・紗綾
やっと出てきましたねタマネギ野郎。
お望み通りこの場で徹底的にブチのめしてやるから覚悟しなさいです。
カーディフは遠慮なく使わせて貰いましょう。
が、使っているのを悟らせないよう、敢えてこの身ひとつで挑む風を装い、月蝕・参式を構えて仕掛けます。
然し敵は十二剣神の一柱、UCでの速度低下が避けられないのもあり苦戦は確実。
体捌きを駆使して敵の攻撃を何とか躱していきますが、速度差からうまく狙いを定められない風を装い、防戦一方に追い込まれているように見せます。
が、視線で狙いだけはちゃんと定めてます。
敵が決定的な攻撃を撃ち込もうとした処に、射撃形態に変形させたカーディフから加具土の矢を叩き込んでみせましょう。
「やっと出てきましたねタマネギ野郎」
今回の事件を引き起こした首謀者にして十二剣神『大祭祀ハロウィン』と相まみえた紗綾は、普段にもまして攻撃的でぶっきらぼうな態度を隠さない。仮装行列の準備も進んでいたこの時期に、折角の楽しいハロウィンの祭りをよくも騒がせてくれたものだ。
「お望み通りこの場で徹底的にブチのめしてやるから覚悟しなさいです」
「おお、おっかねえ! できるものならやってみせろよ、ケルベロス!」
直球の敵意を向けられた大祭祀はヒャハハと笑い、手の中に大量のお菓子を発生させる。見た目だけなら美味しそうだが、一口食べればハロウィン化する恐ろしい毒菓子だ。分かっていて食べるバカはいないだろうが、拒否した場合は行動速度を低下させられる、標的側には不幸しかない【トリック・オア・ハロウィン】の二択が突きつけられる。
「そら食えよ、ここまで頑張ったご褒美だ」
「いらないです」
紗綾は毒菓子の給仕をきっぱりと断りつつ、月蝕・参式を構えて仕掛ける。あえてその身ひとつで挑む気らしいが、敵は全デウスエクスの頂点に立つ存在の一柱である。ユーベルコードによる速度低下が避けられない状態で、どこまで対抗できるだろうか。
「ヒャ~ッハッハッハァ! だったら代わりに死をプレゼントだ!」
大祭祀ハロウィンは楽しげに毒菓子をばら撒きながら、プラズマライフルの速射を避けて両手の鉤爪を振りかざす。
紗綾も体捌きを駆使してなんとか攻撃を躱していくが、速度差からうまく狙いを定められずに苦戦している。やはり十二剣神たるもの、単純な物理戦闘能力も並のデウスエクス以上だ。
「オラ、どうしたどうした! まだ何かあるんだろう?」
窮地に追い込まれていく獲物に、大祭祀ハロウィンは容赦のない追撃を加える。トリガーを引く暇もなく防戦一方の紗綾だが、その顔は勝負を諦めた者の表情ではなく、思うように体が動かない状態でも視線だけは狙いを定めている。
「さあ、どうでしょうね」
「ヘッ! だったら今すぐ殺してやるよ!」
ついにビルの壁際まで追いやられ、退路を失った少女に、大祭祀はとどめとなる決定的な攻撃を撃ち込もうとする。
膨大なハロウィンの魔力を込めた鉤爪。命中すれば猟兵でも致命傷となりうる一撃が目前に迫る――その時、少女は口元に笑みを浮かべた。
「一撃でブチ抜いてやりますよ!」
ここまでの戦闘は時間稼ぎ。我が身のみで挑む風を装いながら、紗綾は射撃形態に変形させた決戦巨人『カーディフ』にプラズマ化したエネルギーを充填し、狙撃のチャンスを見計らっていたのだ。そして今、絶好の機会で解き放たれたエネルギーは【加具土の矢】となり、減速をものともしない精度で大祭祀に襲い掛かる。
「ッ――
……!!! なるほど、な。これがオマエの隠し玉、か……」
意識の外側にいた巨人からの攻撃は、たとえ十二剣神でも避けることはできず、プラズマの閃光に胴を射抜かれる。
ぽっかりと体の中心に空いた穴から、どろどろとカオスな液体が流れ落ちる――してやられたと苦笑する大祭祀ハロウィンの顔に、もはや余裕は残されていなかった。
大成功
🔵🔵🔵
ソラウ・エクステリア
♪と🐓
ここで倒さなきゃハロウィンが始まる前に世界が終わっちゃう!決戦兵器起動!
決戦兵器を起動して敵と対峙する
見えた、そこだ!
視力で敵の行動を見ながら敵の攻撃を結界術で受け止めて飛行形態から射撃形態に変形させて攻撃する
えっ?何あれ?
敵のUCで毒菓子が支給されていた光景を見て困惑する
何か美味しそうだけど…今は我慢だ!
お菓子を見て食べたくなったが我慢して格闘形態にして敵を殴り飛ばした
もう一度歌うよ…愚者の歌を!
指定UCを発動して敵の毒菓子を消滅させながら敵にも攻撃した
フラーウム・ティラメイト
♪と🐓
敵の注意を引きましょうか…
『ケー』
オベイも囮になる事を同意した
おや…このお菓子は不味いですね、毒を抜いて食べましょうか
変な毒菓子を見てこのままではソラウさんの行動速度を五分の1にされてしまうので指定UCを発動して変身した後に次元能力を使って毒のみを抜いてお菓子を食べた
追撃します…
ソラウさんが決戦兵器で敵に攻撃するのと同時に因果断絶属性攻撃の斬撃波を敵に放ち体勢を崩したのと同時に敵によって精神を真実の部屋へと飛ばされた
…これは真理?
ハロウィンに飛ばされた私はこの世界の真理を知った
オベイはとっても可愛いということですね!
真理にたどり着いた私は再びUCを発動して斬撃波を放ち部屋から脱出したの
「ここで倒さなきゃハロウィンが始まる前に世界が終わっちゃう! 決戦兵器起動!」
地球をデウスエクスの手に渡すわけにはいかないと、ソラウは決戦巨人『カーディフ』に乗り込んで敵と対峙する。
敵の大ボスこと十二剣神『大祭祀ハロウィン』は今だ健在。ハロウィン当日までに奴を倒さなければ、この星のハロウィン化は止められない。ここからが正念場だ。
「敵の注意を引きましょうか……」
『ケー』
決戦兵器で戦うソラウに対して、フラーウムは囮になって彼女をサポートするつもりだ。オベイもその作戦に同意してくれたようで、封印石に入ったままぱたぱたと周囲を飛び回る。格上の実力者相手に勝利を収めるには、仲間同士の連携も重要だ。
「私達が相手です」
「ヒャハハ! おうよ、かかってこい!」
鍵型の黒剣で斬り掛かってきたフラーウムとオベイを、大祭祀ハロウィンは余裕をもってガードする。この程度ならユーベルコードを使うまでもないと言わんばかりだ。しかし、反撃しようと鉤爪を振り上げた瞬間が些細な隙になる。
「見えた、そこだ!」
この間隙を見逃さなかったソラウは、結界術を張ってフラーウム達を守り。飛行形態に変形させたカーディフで敵の頭上を取ると、さらに射撃形態へと移行して銃撃を仕掛ける。上空から降り注ぐ無数の弾丸の雨は、流石に避けきれないはずだ。
「イテテッ……やるじゃねえか! ご褒美にプレゼントをやるよ!」
巨人の銃撃を浴びた大祭祀ハロウィンは一瞬顔をしかめたが、すぐに笑顔になって【トリック・オア・ハロウィン】を発動。手から大量のお菓子を生成し、猟兵達に給仕し始めた。ハロウィンのお祭りではよくある光景だが、戦闘中にやるのは意味がわからず、ソラウも「えっ? 何あれ?」と困惑する。
「何か美味しそうだけど……今は我慢だ!」
甘い香りと見た目につられて食べたくなったソラウだが、我慢してカーディフを格闘形態に変形。接近戦を挑もうとするが、そうすると今度は機体と肉体が思うように動かない。どうやらお菓子を楽しまなかった者にはペナルティが課されるのが、このユーベルコードの法則らしい。
「おや……このお菓子は不味いですね、毒を抜いて食べましょうか」
フラーウムは大祭祀の配る菓子にハロウィン化を起こす毒が入っているのに気付いたが、このまま食べるのを拒否してはソラウの行動速度は下げられたままになってしまう。そこでオベイと合体して【因果獣神皇・ディストーション・オベイ】に変身すると、次元能力で毒だけを抜いてお菓子を食べる。
「これなら美味しいです」
「おいおい、マジかよ……」
まさかソレを食える地球人がいるとは思っていなかったのだろう。もぐもぐと毒菓子を頬張るフラーウムの様子に、大祭祀ハロウィンも驚きを隠せなかった。何にせよ普通に楽しまれてしまった時点で【トリック・オア・ハロウィン】は意味を失う。
「動けるようになった! よし!」
「う……ぐっ!!」
行動速度の自由を取り戻したフラーウムが、カーディフのフルパワーで敵を殴り飛ばす。動揺のせいでガードしきれなかったか、大祭祀ハロウィンの表情が苦悶に歪んだ。よく見ればその体にはここまでの戦闘で受けたダメージが蓄積している。
「追撃します……」
「ッとぉ、あんまり調子に乗るなよ!」
同時にフラーウムもチェーンソーの翼から斬撃波を放つが、相手も【真理を識る大祭祀ハロウィンの視線】を発動。
敵の体勢を崩したものの、彼女の精神は肉体から引き剥がされ、敵の主星である『真理の部屋ハロウィン』へと追放されてしまう。抜け殻となった少女の肉体がぱたん、と人形のように倒れ込んだ。
「ヒャ~ッハッハッハァァァァ!! まずは一人!!」
「そんな、フラーウムが?!」
ぴくりとも動かない仲間の姿と、大祭祀ハロウィンの勝ち誇った高笑いに、ソラウは激しく動揺する。真理の部屋に追放された者の精神は万物が存在する空間を永遠に彷徨う――そのはずだった。人並み外れた好奇心と探究心を持つ、フラーウムでなければ。
「……これは真理?」
オブリビオンや猟兵の存在も事前に知っていたほどの叡智を誇る、大祭祀ハロウィンの主星。そこで彼女はこの世界の真理にたどり着いた。天啓とも言えるひらめきが精神体のみでの【因果獣神皇・ディストーション・オベイ】発動を実現し、因果を断絶する斬撃波で脱出路を切り開く。
「オベイはとっても可愛いということですね!」
「な……なにぃ!? 戻ってきただとォ?!」
それがフラーウムの到達した真理。真理の部屋から帰還した精神は肉体に戻り、何事も無かったように立ち上がる。
その発言の意味不明さとユーベルコードを破られた驚きから、大祭祀ハロウィンはまたもや驚愕し。その隙に今度はソラウがユーベルコードを発動する。
「もう一度歌うよ……愚者の歌を!」
「や、ヤベッ……ウギャーーーッ!!?」
三眼魔竜トライオクルスにも聞かせた【ソラウの歌『愚者』】が、今度は大祭祀ハロウィンを滅殺せんと響き渡る。
辺りに散らばっていた毒菓子の残りがまず消滅し、次に大祭祀の体が末端からボロボロと崩れていく。予想外に次ぐ予想外の連続が、大いなる十二剣神の一柱を窮地に立たせていた――。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
キリカ・リクサール
アドリブ連携歓迎
フン…随分と浮かれているな
だが、その楽しい祭りもすぐ終わりだ
決戦巨人カーディフの肩に乗って迎え撃つ
仮装した姿は勿論、今の私と同じワーウルフだ
人狼をモチーフにした巨大ロボと言った所か
奴が「オマエのハロウィンを見せてみろ!」と言うのなら「コレが私のハロウィンだ」堂々と答えてやろう
なるほど、動きのコツは掴んだ
デゼス・ポアより少々デカいが、問題は無い
遠隔操作できる巨大なロボは人形遣いにはうってつけの相方だな
巨大な爪と牙を武器に相手を攻撃させながら、自分はシルコン・シジョンとオーヴァル・レイによる射撃でダメージを与えて行こう
敵が自分を狙って攻撃してきたらカーディフの巨大な腕で防御しよう
街が急激にハロウィン化してきているな…これも奴の影響か
吠えろカーディフ!ここで確実に奴を止めるぞ!
精神エネルギーを注いだカーディフで敵を抑え込んだらUCを発動
空に飛びあがり、念動力とパワーを込めた蹴りの一撃を叩き込む
この都市は返してもらうぞ
ハロウィンの熱に浮かれるのは、一日で充分だろう
「フン……随分と浮かれているな。だが、その楽しい祭りもすぐ終わりだ」
ヒャハハとけたたましい『大祭祀ハロウィン』の笑い声を聞いて、眉をひそめるのはキリカ。地球のハロウィン化という大規模侵攻を企てるには、相応の準備もしてきたのだろう。いざ本番にテンションが上がるのは自然な事かもしれないが、それを許さないために猟兵がいる。
「まだまだ終わらせないぜえ! オレサマにも十二剣神の意地があるんでな!」
大祭祀ハロウィンにも戦闘のダメージは蓄積しているが、ここにきて撤退という選択肢はないだろう。手負いとはいえ季節の魔力はまだ残っており、この都市のハロウィン化を進めるには十分。彼を中心にした世界は万物が入り交じる混沌の空間と化す。
「さあ、オマエのハロウィンを見せてみろ!」
「いいだろう。コレが私のハロウィンだ」
【そして世界はハロウィンと化す】を発動した大祭祀ハロウィンの命令に、キリカは堂々と返答する。彼女は今、自分と同じワーウルフの仮装をした決戦巨人『カーディフ』の肩に乗っていた。人狼をモチーフにした形態の巨大ロボが雄々しく戦場にそびえ立つ。
「へえ、なかなかカッコイイじゃねえか……!」
ハロウィン化による肉体変化の影響も、この様子ではほとんど無いだろうと悟った大祭祀は、直接攻撃に切り替えて襲ってくる。魔力を宿した鋭い鉤爪、翼による空中機動力などは物理的にも大きな脅威だ。キリカは振り落とされないよう掴まりながら巨人を操縦し、回避運動を取らせる。
「なるほど、動きのコツは掴んだ。デゼス・ポアより少々デカいが、問題は無い」
思念によって動かせる決戦巨人の操縦は、素人でもさして難しいものではない。練習すれば生身の人間と変わりない動きをさせることも可能だ。キリカはすぐに感覚を掴んだようで、人狼の仮装をした巨人を縦横無尽に駆け回らせる。
「遠隔操作できる巨大なロボは人形遣いにはうってつけの相方だな」
操縦に慣れれば次は回避だけではなく反撃も。巨大な牙と爪を武器にした攻撃に加えて、キリカ自身も"シルコン・シジョン"と浮遊砲台"オーヴァル・レイ"による射撃を行う。卵型の砲台より放たれる粒子ビームと聖別された弾丸が体を掠めると、敵は嫌そうに顔をしかめた。
「やるじゃねえの! だったら、ココはパイロットを狙うのが定石だよなあ!」
大祭祀ハロウィンは巨人の肩にいるキリカに標的を定め、鋼鉄の爪牙をくぐり抜けながら自身の鉤爪を振りかざす。
いかに決戦巨人が強力な兵器でも、操縦する者がいなければ意味はない。だからこそキリカも自分が狙われるリスクは承知しており、即座に巨人の腕を盾にして攻撃を防いだ。
(街が急激にハロウィン化してきているな……これも奴の影響か)
戦いながら周囲の状況に目を配れば、三眼魔竜に占領されていた時よりも異変が進んでいる。時間と範囲の都合さえ解決すれば、極論すれば大祭祀単独でも地球のハロウィン化は可能なのだろう。デウスエクスの頂点に立つ存在、十二剣神の恐ろしさを改めて感じる。
「吠えろカーディフ! ここで確実に奴を止めるぞ!」
だからこそ、ここでヤツと直接対峙できるのは千載一遇の好機だ。キリカがありったけの精神エネルギーを注ぐと、カーディフが咆哮を上げて大祭祀ハロウィンに掴みかかる。巨人のフルパワーで押さえ込まれれば、誰であろうと即座に脱出はできないだろう。
「チッ、放しやがれ……!」
まるで巨岩に挟まれたような圧力を押しのけようと、両腕に力を込める大祭祀――しかし彼が自由を取り戻す前に、キリカが巨人の肩より空へ飛び上がった。全身に纏うは念動力のオーラ、脚部を覆う「アンファントリア・ブーツ」。最新の魔法工学により極限まで高められた運動能力をもって、全身全霊の一撃を放つ。
「この都市は返してもらうぞ。ハロウィンの熱に浮かれるのは、一日で充分だろう」
「ッ……グワァァァァーーーッ
!!!?」
超巨大戦艦をも破壊する威力と衝撃を秘めた【サバット】の蹴りが、大祭祀ハロウィンに叩き込まれ、吹き飛ばす。
直撃を喰らった相手は絶叫とともに地面に落下し、巨大なクレーターを作り上げた。もう目前に迫ったハロウィンの祭りのため、デウスエクスのお祭り騒ぎに幕を引かんとする、キリカの意思の強さをヤツも思い知っただろう――。
大成功
🔵🔵🔵
黒城・魅夜
「止めてみろ」?
全ての世界のすべての敵に対し
猟兵が止められなかった相手などこれまで存在しません
あなたもその記録の一つとなるだけです
私たち猟兵がいかに恐ろしいかを物語る記録にね、ふふ
では出撃です、カーディフ
オーラを展開し操作環境を第六感で把握
環境耐性によって操縦技能に適応します
私が操る姿は
外装を常に組み替え続け不定型にさえ見える
悍ましき多頭多腕の機動魔獣
いうならばカーディフ・
悪霊フォーム
ふふ、凛々しい正義の姿など私には似合いませんからね
巨悪をもって悪に牙を突き立てるのが私の流儀
悪霊フォームを駆使してハロウィンと交戦
多頭多腕の強みを活かし手数で押し込みましょう
そしてこの多頭にはもうひとつの意味があります
そう、一つの頭にお菓子を食べてもらい
残りの頭で攻撃すれば敵のUCは意味がありませんね、ふふ
さあ悪夢の底に沈みなさい
あなたが大好きなハロウィン
その気持ちや記憶さえも奪い尽くしてあげましょう
ハロウィンを楽しむのは私だけでいいのです
ふふ、ハッピーバースディ、私
「『止めてみろ』? 全ての世界のすべての敵に対し、猟兵が止められなかった相手などこれまで存在しません」
言われるまでもない厳然たる事実を、魅夜は微笑みながら口にする。世界の命運をかけた戦いも猟兵にとってはいつもの事、負けられぬ戦いを勝ち抜いてきたからこそ今がある。数多の世界での戦歴が彼女の言葉を裏付けするだろう。
「あなたもその記録の一つとなるだけです。私たち猟兵がいかに恐ろしいかを物語る記録にね、ふふ」
「ヒャハハ、言うじゃねえか! そうでなくちゃなあ!」
自信と自負に満ちた猟兵の物言いに、『大祭祀ハロウィン』はけたけたと笑う。十二剣神である自分に対して、ここまで大口を叩けた地球人などこれまでに居ただろうか。それでこそ自分も全力を出す意味があると、溢れる季節の魔力が戦場を塗り替えていく。
「では出撃です、カーディフ」
魅夜はオーラを展開して決戦巨人『カーディフ』の操作環境を第六感で把握。思念により動かすという巨人の操縦法にすぐさま適応すると、形態変化のシグナルを送る。彼女が操る姿は、外装を常に組み替え続け不定型にさえ見える、悍ましき多頭多腕の機動魔獣だった。
「おお、こいつはおっかねえや! ハロウィンに相応しいバケモノだ!」
「ふふ、凛々しい正義の姿など私には似合いませんからね」
いうならばカーディフ・
悪霊フォームとでも名付けるべきか。巨悪をもって悪に牙を突き立てるのが自分の流儀だと、この禍々しき形態の巨人を駆使して魅夜は敵と交戦する。迎え撃つ大祭祀ハロウィンもビビった様子など欠片もなく、広げた鉤爪がギラギラと輝いていた。
(ここは多頭多腕の強みを活かし手数で押し込みましょう)
攻撃に使える部位が多い、異形故の文字通り「手数の多さ」をもって、激しい攻勢をかける魅夜のカーディフ。ここまで人型からかけ離れた形態を操縦して、よく頭が混乱しないものだ。一寸たりとも攻撃の手を緩めないことで、敵に反撃の機会を回さない。
「かわいいワンコだ、エサをやるよ!」
大祭祀ハロウィンはひらりひらりとその猛攻を躱しながら、【トリック・オア・ハロウィン】の毒菓子を振る舞う。
この菓子は食えばハロウィン化を引き起こし、食わなければ行動速度を低下させるユーベルコード。目論見としては相手が食うのを拒否して、動きが鈍った隙を突くつもりだろうが――。
「では頂きましょう」
「えっ、マジかよ!」
カーディフ・悪霊フォームの多頭にはもうひとつの意味がある。差し出された手ごと噛みちぎる勢いで、異形の巨人は毒菓子に食らいついた。当然、機械であろうとハロウィン化の影響を免れる訳ではないが、全ての部位に毒が回りきるまでには猶予がある。
「そう、一つの頭にお菓子を食べてもらい、残りの頭で攻撃すればそのユーベルコードは意味がありませんね、ふふ」
「オイオイ、無茶しやがるぜ……ッ!!」
妖艶に笑う魅夜の指令のもと、捨て身とも言える戦法を継続する決戦巨人。このまま食い続ければいずれは多頭でも足りなくなり、機能停止に陥るだろうが――それよりも敵が斃れるほうが先だ。ここまでの激闘で相当のダメージを負っている大祭祀には、悠長な削り合いをしている余裕はない。
「さあ悪夢の底に沈みなさい」
ダメ押しとばかりに魅夜は【漆黒の夜に舞い踊れ悪夢の麗牙】を発動。悪霊巨人の爪牙が大祭祀に突き刺さると同時に、対象を喰らい尽くす悪夢を魂に植え付ける。いかに不滅のデウスエクスと言えども、心は不変でも無敵でもない。
「あなたが大好きなハロウィン、その気持ちや記憶さえも奪い尽くしてあげましょう。ハロウィンを楽しむのは私だけでいいのです」
「ヒャヒャ……こいつはヤベェな、トラウマになりそうだぜ……!」
魂を抉られるようなビジョンを見せられながら、大祭祀ハロウィンはそれでも抵抗を続ける。鉤爪や牙で巨人の多腕多頭を払い除け、それを操る魅夜にも爪先を届かせようと――だが、その執念すらも最後には、悪夢の力が上回った。
「ここまで、か……今回はオレサマの敗北だ。見事だぜ、六番目の猟兵達! ヒャ~ッハッハッハァァァァ
!!!!」
出現した時と同じ不気味な笑い声を残して、十二剣神『大祭祀ハロウィン』は骸さえ残さず忽然と消滅した。
同時に決戦都市のハロウィン化も解け、元通りの景色が返ってくる。それは敵の侵攻を完全に退けた証明だった。
「ふふ、ハッピーバースディ、私」
勝利を告げる夜明けが、ハロウィンの到来を――そして1人の猟兵の誕生日を告げる。清々しい心持ちでまた1つ齢を重ねた彼女は、果たしてこの日をどう過ごすのか。役目を果たした決戦兵器が、その背後で静かに元の姿へ戻った。
かくして猟兵達は大祭祀ハロウィンによる『全世界同時攻撃』、地球のハロウィン化という未曾有の危機を退けた。
デウスエクスの首領相手に勝利を収めたというこの事実は、ハロウィンの祭りを目前に控えた地球各地に伝えられ、人類に大いなる歓喜と、そして希望をもたらしたのだった――。
大成功
🔵🔵🔵