【サポート優先】かみさま、
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
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「『夜潜神里コツキカンナ』」
クレープ・シュゼット(蜂蜜王子・f38942)が、聞き慣れない地の名を口遊む。
「小さな、本当に小さな小世界だ。その世界の神様が死んだ」
一柱。
ただ一柱の神が、治め守護した世界だった。
それが、ある日突然、殺された。何の前触れもなく。民達の知る由もなく。
そんな芸当が、可能な存在なんて。
「契約の使途『リグザイル』。どうも別の世界で『契約者』を得て、殺させたみたいだね」
とは言え、その契約者も既に命はないと言う。生命を全て、リグザイルに搾り取られたのだろう。
「神殺しによって、リグザイルが得たのは『洗脳』の力だよ」
曰く。
かみさま――コツキカンナではそう呼ばれていた――は、民達に異様なまでに信奉されていたと言う。それは最早狂信の域であった。そう、まるで
洗脳されているかのように。
リグザイルは、そんなかみさまを屠り糧とすることにより、数多の人々を容易く盲信させる程の力が手に入ると考えた。そして事実、リグザイルはこうしてまんまと、洗脳の力を手に入れたというわけだ。
「今のリグザイルが野に放たれれば、同意のない契約が次々成立する。そして契約者を大勢増やしたリグザイルは、エンドブレイカーの世界や、外世界の侵攻に送り出す為の手駒として、彼らを徹底的に使い潰すだろうね」
それだけは、阻止しなければならない。
「リグザイルはかみさまのいた村……百人くらいの小さな村なんだけど、なんとそれが小世界の全て。で、そこを迷宮化して、かみさまを狂信していた小世界の人達を押し留めて、脱出の機会を窺ってる」
何故、そのようなことをする必要があるのか。
「人々が、かみさまの仇を討とうとしているから。脱出には時間がかかるみたいでね、その間に攻撃されるのが嫌みたい」
勿論、エンドブレイカーでも、猟兵でもない小世界の人々に、エリクシルであるリグザイルを討つことは叶わない。だが、中にはユーベルコードを使えるものもいて、死なないとは言えそれを不意打ちで喰らいたくはない、という思いはあるようだ。
「だから、迷宮内の探索を邪魔する存在はいないよ。ただ、常に洗脳の力が働いてるから。皆なら気を強く持ってれば抗えると思うけど、気を抜くと意識持ってかれるかも知れないから、油断はしないでね」
幸いにして迷宮はそう複雑でなく、リグザイルとはすぐ対面出来るだろう。問題は戦闘中だ。集中して、敵に当たらなければならない。
「リグザイルを倒したら、かみさまの葬儀が行われるみたいだから。皆も、手伝ってあげて。手を合わせてあげるだけでもいいから」
かみさまは、人々の心の拠り所だった。
冥福を祈る姿を見せれば、人々の心の整理も少しはつくのかも知れない。
●
「いやあ正解だったねえ、試しに迷宮造ってみたけど、迷宮内にずーっと洗脳の力が溢れてる!」
純白の汚れなき獣――の、皮を被った欲望の獣が、はしゃいだようにゆらりと尾を揺らす。
ただ、と続けて、背後の数名の少年少女を見遣るまでは。
「正直期待外れではあったかな。うーん……神なんて言っても本当に小規模な小世界の神でしかなかったし、こんなものなのかな」
などと何やら呟きつつも。
「まあいいか。この力があればもっと契約を、そして契約者を増やせる。その為の力が手に入っただけでも、僕にとっては収穫だからね」
リグザイルは笑う。まるで無邪気に。
それが『嗤い』であると、今は誰も知らぬまま。
絵琥れあ
お世話になっております、絵琥れあと申します。
ひっそりとサポート優先シナリオを運営させていただきます。
勿論、通常参加も望外の喜びですので歓迎いたします……が、後述の理由により余りお勧めはいたしません。
(但し通常参加はタイミングによっては流れる可能性があります。同章受付中の再送は歓迎です)
流れと詳細は以下の通りになります。
第1章:ボス戦『契約の使途『リグザイル』』
第2章:日常『夜空を見上げて』
第1章では、洗脳の力を手に入れたリグザイルとの戦いになります。
コツキカンナの村、もとい小世界の少年少女達を複数名、洗脳により契約者として従えています。
彼らはリグザイルを撃破すれば洗脳、及び契約が解けるので、極力戦闘に巻き込まない、こちらに攻撃させない方がよいでしょう。
第2章では、コツキカンナの夜に行われる、かみさまの葬儀の手伝いを、もしくは葬儀への参列をお願いいたします。
……が、人によっては少々後味の悪いものを見る羽目になるかも知れません。通常参加は余りお勧めいたしません。
なお、この章ではリプレイ執筆前に断章が挿入されます。
サポート優先シナリオのため、調子や現行シナリオの進捗と相談しながら自分のペースで執筆していくことになるかと思います。
それでは、どうぞよろしくお願いいたします。
第1章 ボス戦
『契約の使途『リグザイル』』
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POW : さあ、僕達の敵をやっつけるんだ!
自身の【契約者の願望を歪めて暴走させること】を代償に、【英雄、あるいは魔女に変身させた契約者】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【契約者の寿命を削って発動する必殺技】で戦う。
SPD : 特別に、神騎の力を貸してあげるね。
対象に【神剣を装備したエリクシルの天使】を憑依させる。対象は攻撃力が5倍になる代わり、攻撃の度に生命力を30%失うようになる。
WIZ : ちょっと君の身体を貸してもらうね。
【自身の契約者】と合体し、攻撃力を増加する【代わりに契約者の生命力の一部を奪う光の剣】と、レベルm以内の敵を自動追尾する【代わりに契約者の記憶の一部を奪う魔力弾】が使用可能になる。
👑11
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ウルスラ・ロザーノ(サポート)
いつもテンション高いとは言われるなー、確かに誰に対してもフレンドリーな対応しようと心掛けとる
といっても銀誓館の学生時代から能力者をしてきたんでな
救えるもんはできるだけ救う、でも倒すべき敵は必ず討伐すべしっちゅー方針や
戦法はヒット&アウェイ型、戦場全体を広く利用して戦うで
基本は中距離
レーザービット射撃やナイフの蹴り込みで牽制しつつ、
エアシューズで、地上は高速で駆け回り、空中も地形とか足掛かりに利用して軽業のように跳ね回るよ
敵からの攻撃は、すべて見切って受け流したりの回避で凌ぐよ
攻め込む機会を見つけたら奇襲を仕掛けるで
一気に接近して、蹴撃やその斬撃波を叩き込む!
サッカーボールのシュートは必殺技や!
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ウルスラ・ロザーノ(鈴振り燕・f35438)は洗脳の力に耐え、迷宮化した村の最奥に辿り着く。そこでリグザイルと対面し、それを護るように進み出た少年少女の姿を見、眉を顰めた。
「他人から力搾り取った挙句、人質取るよーな戦い方するんが気に入らへんね」
「僕はか弱いからね。さあ君達、神騎の力で敵を倒すんだ。こんな悪い神様のいた世界から、僕と逃げよう」
「その上死体蹴りか」
ますます気に入らへん――ウルスラは呟き。
命削る神剣を構えた少年少女達の合間を縫うように、ウルスラは一陣の風、いや嵐となって吹き抜ける!
「当たらんかったら攻撃したことにはならへんやろ!」
少年少女は必死でウルスラへと斬りかかるが、極限まで極められた風の力を前に掠ることすら叶わない。
「君達、何をしているんだい。そんな敵一人……」
「より速くより鋭く……これが進化した風の力や、思い知れッ!!」
「!」
若者を利用し使い棄てる、その悪逆への怒りも込めて。
無限に収束し続ける風を纏った痛烈な蹴りの一撃が、リグザイルへと直撃し、弾き飛ばす!
成功
🔵🔵🔴
リカルド・マスケラス(サポート)
『正義のヒーローの登場っすよ~』
装着者の外見 オレンジの瞳 藍色の髪
基本は宇宙バイクに乗ったお面だが、現地のNPCから身体を借りることもある
NPCに憑依(ダメージはリカルドが請け負う)して戦わせたりも可能
接近戦で戦う場合は鎖鎌や鎖分銅の【ロープワーク】による攻撃がメインだが、プロレスっぽい格闘技や忍者っぽい技もいける
遠距離戦では宇宙バイク内臓の武装による射撃攻撃やキャバリアによる【結界術】
その他状況によって魔術による【属性攻撃】や【破魔】等使用。
猟兵や戦闘力のあるNPCには【跳梁白狐】で無敵状態を付与できる。
基本的にチャラい上辺ですが、人々の笑顔のため、依頼自体には真面目に取り組みます
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「さ、悪趣味なエリクシルにはご退場願うっすよ!」
リカルド・マスケラス(希望の
仮面・f12160)は簡素な袴姿の、しかし体躯のいい男の身体を借りてリグザイルの前に現れた。
この身体を借りたのにはわけがある。彼の駆る宇宙バイクは馬力や運搬力、即ちパワー重視の機体なのだ。その為、服に着られない、ならぬバイクに乗られないだけの乗り手が必要だったのだ。
「行くっすよ、アルタイル!」
低く唸るような駆動音と共に、発進する。
それを見たリグザイルは、洗脳契約した少年少女を前線に立たせ。
「パワーにはパワーを、ってね。さあ、僕達の敵をやっつけるんだ! その命を懸けて……僕も力を貸すからね」
「労働に対価が見合ってないっすねえ! 詐欺っすよ詐欺!」
そんな契約は解除させる一択だ。勿論、その為にはリグザイルを倒すより他にない。
少年少女は今や契約により与えられた力を行使する度にその寿命を削ってしまう。ならば、行使させないように立ち回るのみだ!
「ちょっと失礼、っす!」
「!?」
リカルドは攻撃の素振りを見せようとした対象から、アルタイルを突撃させ跳ね飛ばしていった。勿論、極力ダメージなく、気絶するに留める程度に加減はして。
「この細かい調整が大変なんすよねえ、何せパワー型っすから」
「何をしているんだい君達、ほら早く起きて……」
「おっと、そうはさせないっすよ!」
また謎の力で無理矢理、少年少女を叩き起こされては堪ったものではない。
リカルドはアルタイルに搭載した全武装をリグザイルへ向けると、ありったけのビームとミサイルを撃ち込んだのだった。
成功
🔵🔵🔴
エジィルビーナ・ライアドノルト(サポート)
私はエジィルビーナ、エジィでもルビーでも好きに呼んでくれていいよ。
困ってる人がいるなら助けたいし、倒さなきゃいけない強い敵がいるなら全力で立ち向かわなきゃ。全力で頑張るからね!
実は近接戦闘以外はあんまり得意じゃないんだけど……あっ、畑仕事ならチェリから教えてもらったから、少しはわかるよ!
力仕事はそんなに得意じゃないけど、足りない分は気合と根性でカバーするから任せといて!
☆
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
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(「やっぱり嫌だね、こういうの」)
エジィルビーナ・ライアドノルト(シールドスピアの天誓騎士・f39095)は、そう思わざるを得なかった。
願いを歪めて叶えるエリクシル。しかもこのリグザイルという個体は、願いを叶える代わりにと契約を迫りその命を使い潰す。その上、今は洗脳という手段まで手に入れ、より悪質に契約を成り立たせていると言うではないか。
これを野に放ってはいけない。既にこの小世界の『かみさま』はその命を奪われ、人々は不幸に見舞われている。その被害が、世界を超えて拡大していくのだ。それを阻止する為にも。
「その子達も助けて、エリクシルも破壊する!」
人々を護る騎士として、誓いを立てる!
「行くよ、グランスティード!」
喚ぶは星霊にして愛馬。
ひらり飛び乗り、跨ればまさに人馬一体。
「次から次へとしつこいね。でも、彼らの命を懸けた必殺技を受けて、果たして耐えられるかな?」
「そんなもの、絶対に受けない――打たせない!」
嘶きと共に愛馬は駆ける。
その速度で少年少女の動きを超えて、雷光纏う盾槍を振るいその身体を痺れさせる!
「く……っ」
身体が思うように動かなければ、技をかけることすら儘ならない。
その勢いのまま、リグザイルへと突撃する!
「その子達を解放して貰うよ!」
渾身の槍の一突きで、邪悪を裁く!
成功
🔵🔵🔴
春霞・遙(サポート)
UDC組織に所属して、UDC関連の一般病院に勤務している小児科医です。
行動の基本方針は困っている人が居るなら助けたい、人に害をなす存在があるなら退けたい。
戦う力はあまりないですけど、自分が傷を負うとしてもみなさんのお手伝いができれば嬉しいです。
基本的に補助に徹します。
「医術」「援護射撃」「情報収集」から、【仕掛け折り紙】【葬送花】での目くらましや演出、【生まれながらの光】【悪霊祓いのまじない】で照明や目印を付けるなども行えるかと思います。
攻撃は拳銃による射撃か杖術が基本で、その他はUCを使用します。
【悔恨の射手】【未来へ捧ぐ無償の愛】は基本的に使用しません。
シリアス以外ならいたずら好きの面も。
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(「まだ年若い子供達の命を、無理矢理搾り取ろうとするなんて」)
春霞・遙(子供のお医者さん・f09880)には、この小世界で起きたというその事実が余りに耐え難かった。当面、医師としての仕事とUDC関連事件の事後処理に専心していた中でも、支援の派遣を二つ返事で承諾したほどに。
(「敵を倒す為の戦力としては、この身は心許ないかも知れない。それでも、」)
今まさに、子供達の命を握り苦しめている存在が目の前にいる。ならば、戦うより他にない。多少無理を通してでも。
さて、子供達にこちらを攻撃させるわけにはいかない。その攻撃は、子供達自身の寿命を削る行為でもある。しかし、子供達があのリグザイルに洗脳され、契約と称してその身体を自由に使える状態になってしまっている以上、リグザイルないし子供達の意思で攻撃の手を止めることはないだろう。
ならばやはり、攻撃をさせないようにする。それしかない。攻撃をさせない為には――幾つか考えは浮かぶが、遙に出来そうなのは。
「これで行きましょうか。紙の鳥に紙の花、舞い踊り遊び戯れて、子供達の下へ」
折り鶴飛び立ち、回る百花繚乱。桜に朝顔、薔薇に竜胆。子供達の目を眩ませて、遊びに誘う。
「君達、何を遊んでいるんだい? ……うっ」
ぱん、と。
少年少女に向かおうとした、リグザイルの頬を掠めたものがある。
一条の弾丸。その動きを阻む。
「行かせません」
悪しき企みに、若き命を巻き込もうと図る者は!
成功
🔵🔵🔴
ニコリネ・ユーリカ(サポート)
あらあら、盛り上がってるわねぇ
お忙しい所、お邪魔しまーす!
新しい販路を求めてやってきた花屋です
宜しくお願いしまーす(ぺこりんこ)
~なの、~なのねぇ、~かしら? そっかぁ
時々語尾がユルくなる柔かい口調
商魂たくましく、がめつい
参考科白
んンッ、あなたって手強いのねぇ
えっあっヤダヤダ圧し潰……ギャー!
私も気合入れて働くわよー!
悪い子にはお仕置きしないとねぇ
さぁお尻出しなさい!
乗り物を召喚して切り抜けるサポート派
技能は「運転、操縦、運搬」を駆使します
広域では営業車『Floral Fallal』に乗ってドリフト系UCを使用
狭域では歌唱と魔法、シャッター棒をブンブンして戦います
NG無し、自由に動かして下さい
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「小世界にも素敵なお花は如何ですか? ……ってやっぱりそれどころじゃなさそうねえ」
販路開拓の為に今日も西へ東へ、そんなニコリネ・ユーリカ(花屋・f02123)であったが。聞いていた通り村は迷宮化され、人々は洗脳された少年少女を除いて追い出され。散々な有様であった。
尤も、それらの問題はリグザイルさえ討てれば解決はしそうだ。かみさまとやらはもう救えないだろうが、残された人々の立て直しは出来る筈。
「暗くならずに行きましょ。葬儀にお花が要るかも知れないし、この世界が立ち直ったら改めて売り込みも出来るかも知れないしね! と言うわけで、エリクシルにはご退場願うわよー!」
「って、またそういうのか。似たような攻撃が、何度も僕達に通用するとでも? 君達も、もう対処法は解っているよね」
花車『Floral Fallal』に乗り込むニコリネに、リグザイルは辟易したように嘆息してから、少年少女に呼び掛けた。成程似たような攻撃した猟兵がいたのか。
だが、その程度で歩みを、ならぬ運転を止めるニコリネではない。
「初心忘れるべからずよ。ドリフトの基本操作、見せてあげるわ!」
ニコリネはまず一度敵から離れるように発進しつつ、離脱。しかしすぐに侵入角度をコントロールしながら戻り、踵でアクセル、爪先でブレーキを片足で、同時に踏み抜く。
「減速してから一気に加速、アクセルでリヤを流して、ハンドルでフロントを流すせば……!」
そのまま愛車は超高速スピンで少年少女とリグザイルに迫る!
だが、それを少年少女はひらりと飛び退き、躱してしまった。リグザイルもそのまま後方へ距離を取る。
しかしそれこそが、リグザイルの誤算だった。
あくまで鉄の乗機による突撃は、少年少女を跳ね飛ばし、リグザイルへの道を開くものだと思っていた。無理もない。先例がそうだったのだから。
だが、ニコリネはそのまま回転する車体でリグザイルに突撃!
「ええええええ? なんなんだいこいつら
……??」
下手をすればニコリネ自身も負傷、或いは三半規管にダメージを負いかねない特攻だ。弾き飛ばされながら、そんな無茶苦茶を通すニコリネ、と言うよりは猟兵という存在に、リグザイルは首を傾げざるを得なかったのである。
成功
🔵🔵🔴
エリカ・グランドール(サポート)
サイボーグのシャーマン×電脳魔術士のエリカ・グランドールです。
戦闘はあまり得意ではありませんが、周囲の状況を観察して違和感のある箇所を発見したり、敵の弱点を推測して隙を作り出すといった行動で皆さんをサポートしたいです。
※セリフ例
「今、何か光りました。ここに何かあるのでは……」
「あの敵の動きには規則性があるわ。うまく狙う事が出来れば……」
冷静沈着と言う程ではありませんが、ビックリする事はあまりありません。
あと、笑いのツボが良くわかっておらず「今の、どこがおもしろかったのでしょうか?」と、真面目に聞き返す事もあるようです。
ユーベルコードは、エレクトロレギオンを好んで使います。
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「……全く、どうなっているのかな」
リグザイルは表情に変化こそないものの、明らかにその声音は苛立ちを隠し切れていなかった。
そして、その様子を迷宮内の障害物と化した家屋の影に隠れ、密かに観察していた者がいた。
(「……取り繕えないほど追い詰められているようね……」)
エリカ・グランドール(サイボーグのシャーマン・f02103)は敵のその感情の露呈こそが、この戦いに終わりが近いことの証左だと見抜いていた。
故に、彼女は。
「こういった立ち回りは、本来得意ではないのですが」
敢えて、リグザイルを守る少年少女の前に姿を現した。
「ん? 新手かな。君達、さっさとやっつけてしまってよ」
飛ぶ指示もまた、雑なものへと変わりつつある。
ここからが勝負だ。エリカは躙り寄ってくる少年少女を、その射程ギリギリまで引きつけて――そのまま、踵を返して走り出した。
当然、少年少女はエリカを追ってくる。それをリグザイルは愉快そうに眺めていた。
「飛び出したはいいけど形勢不利を悟ったかな? それじゃあ、更なる絶望を与えてあげよう。ちょっと君の身体を借りるよ」
近くにいた少女の身体に、リグザイルが憑依しようとした、その瞬間だった。
「………………え?」
電脳の兵団が放った電磁弓。
放たれた光の矢が、リグザイルの後頭部を、そのまま額の宝石を、貫いていた。
「……まさか、自分自身を、囮に……」
敢えて形勢不利を演じ、敵に逆転の目を見せ油断させると同時、注意を引いてエレクトロレギオンに攻撃させる隙を生んだ。
「油断大敵、と言いますから」
消滅するリグザイル。
その契約が破棄されると同時に、気を失い倒れかけた少女の一人を、エリカはそっと受け止めた。
成功
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第2章 日常
『夜空を見上げて』
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POW : 夜空を眺める
SPD : 夜空を眺める
WIZ : 夜空を眺める
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かみさまの遺体があるという、屋敷に向かう。
とは言ってもそこは、他の家屋よりは少し大きいという程度の、小さな神社の本殿のように見えた。
扉を開き、中へと入る。蝋燭の灯りだけで照らされた室内で、かみさまは、すぐに見つかった。
かみさまは、年若い女性のように、見えた。
狼にも似た、耳と尾を有するも、へなりと萎れ。
力なく、その場に倒れ、無惨にも腹を両断され、しかし、完全に断たれているのか、辛うじて繋がっているのか、夥しくぶち撒けられた血と、臓物で、定かではないほどだった。
しかし、ああ、しかし。どうしたことだろう。その死に顔は。
余りにも、安らか――否。ばかりか。
快楽さえ得たかの如く、恍惚として。
「よくやりましたね、アシナ」
背後から、声がした。
この世のものとは思えぬほどに美しい、何者かが立っていた。猟兵達の後に続いて、ゆるり、踏み入ってくる。
真白の髪。瞳は尊き紫。一見すれば細身の女にも見える。しかし発せられた言葉に乗る音は紛れもなく、男の。
ゆらり、狼にも似た耳と尾とが、揺れた。
「貴女は立派に、務めを果たしましたよ」
――見れば。
女のそれは、紛い物だった。アシナと呼ばれた女は――成程、偽りの神だ。
アシナは『かみさま』として、死んだのだ。
この男の、代わりに。
「ああああああ……!! かみさま
……!!」
「かみさま!! ご無事で!!」
「そうか、アシナが……!! アシナもかみさまの代わりを努め上げ、さぞ誇らしく逝ったことでしょう
……!!」
「かみさま!!」
「かみさま!!」
進み出る。
かみさまが、アシナの前へと膝をつく。
装いが赫く染まるのも、厭わずに。
そして、言うのだ。
「私と『ひとつに』なりましょう」
肉を食らう。
腸を食らう。
その口で。
その牙で。
誰かが呼んだ。
「――『噛み様』!!」
厳・範(サポート)
長年の修行で誘惑に強いお爺です
食べ物に制限はありません。
話し方は古風です
亡き親友との約束(世界を守る)で、封神武侠界のみで活動していましたが、『仁獣』性質と親友の幻影の後押しで決意し、他世界でも活動し始めました
「放っておけぬのよ」
動きとしては、主にサポートに回ります
【使令法:~】では、麻雀牌を利用して、対象生物を呼び出します
また、半人半獣もしくは本性の麒麟形態だと、背に人を乗せることがあります
なお、武侠の血が騒ぐと足技が出ます
阳白、阴黒は大人しいです
「クエ」「ピィ」
花雪は個別行動可能です
「お爺様と共にでも、別にでも行けます」
依頼達成のためとはいえ公序良俗に反する行為はしません
あとはお任せします
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噛み様は、人を噛む。
噛んで、己の血肉とし、噛まれた者は、かみさまとひとつになる。
そうしてかみさまは、力を得て外敵や災害から世界を守ってきたと言う。
「小を殺して大を生かす、か」
「ええ、我々はそうして共生してきました」
今までも、これからも。
かみさまは、厳・範(老當益壮・f32809)に向けて妖艶に笑んだ。
唇を、身代わりの血で真っ赤に濡らして。
「一つ、よいか」
かみさまは微笑むだけだ。何も答えはしない。
厳範はそれを、肯定と受け取った。
「身代わりとなった者は……いや。今まで貴殿が食らった民は。貴殿が『それを望むように仕向けた』のか」
「……かのエリクシルとやらが私に求めた『洗脳』を施したかという意図であれば、答えは否です。確かに私は洗脳の力を持ちますが、やむを得ない場合以外に用いることはありません。ただ私は、己の言葉と立ち居振る舞いで、今の立場を確立したのみです」
その言葉を、信じるのならば。
かみさまは、専らその弁舌と演技力とカリスマ性で以て、民から狂信を得ているのだろう。
「……ならばよい」
いや、よいとも言い切れないのが厳範の本心だが。
しかし、民がそれを是とし、史上の幸福としているのであれば。口を挟むべきではないだろうと厳範は判断した。
強制された意思ではないだけ、まだマシだろう。それが解っただけで充分とすべきなのだ。ここでは。
「この後、アシナの葬儀が行われます」
かみさまは、自ら血の海に転がるアシナの骨を拾い上げ、箱の中へと納めていく。
「よろしければ、御参列を」
そう言って、かみさまはまた、微笑んだ。
成功
🔵🔵🔴
響納・リズ(サポート)
「ごきげんよう、皆様。どうぞ、よろしくお願いいたしますわ」
おしとやかな雰囲気で、敵であろうとも相手を想い、寄り添うような考えを持っています(ただし、相手が極悪人であれば、問答無用で倒します)。
基本、判定や戦いにおいてはWIZを使用し、その時の状況によって、スキルを使用します。
戦いでは、主に白薔薇の嵐を使い、救援がメインの時は回復系のUCを使用します。
自分よりも年下の子や可愛らしい動物には、保護したい意欲が高く、綺麗なモノやぬいぐるみを見ると、ついつい、そっちに向かってしまうことも。
どちらかというと、そっと陰で皆さんを支える立場を取ろうとします。
アドリブ、絡みは大歓迎で、エッチなのはNGです
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アシナは、かみさまの巫女だと聞いた。
美しく、世界で一番霊力の高い娘だった。故に、巫女として、かみさまの側仕えとなった。
かみさまは、襲撃を察知していた。その身代わりを、アシナが申し出たと言う。
エリクシル――リグザイルが取り込んだのは、かみさまの力ではなかった。それでも、ある程度の洗脳の力を手に入れることが出来たのは、アシナの霊力の高さ故だろう。
「……ひとつ、よろしいでしょうか」
「どうぞ」
釈然としない気持ちで、響納・リズ(オルテンシアの貴婦人・f13175)はかみさまへと問いかけた。
アシナの骨が納められた箱へと、かみさまは今、花を詰めている。可憐だが、野に咲く花でしかなかった。それでも選ぶように花を摘み取っているのは、少しでもよい花をと彼なりに想いを込めているのだと、リズは信じたかった。
「貴方は、アシナ様のこと……どのように見ていらっしゃったのでしょうか」
その献身は、報われたのだろうか。
命すら差し出してもよいと思えるほどの。
「愛しいひとでしたよ」
「………………」
「勿論私は、私を信奉する者を、即ちこの世界の全ての民を愛します。アシナが特別、というだけのこと。私にも人並みに、情はありますから」
もしかすると。
丁寧に、時間をかけて食らうことが、彼なりの報い方、だったのかも知れない。
アシナは、この世界の民は、かみさまに食われることを、ひとつになるとして、名誉ないし幸福であると感じてすらいる。だからこその。
「……それを聞いて、安心いたしました」
正直なところ、全て腑に落ちたわけではない。
だが、アシナの献身は、犠牲は、きっと無意味ではなかったのだろう。かみさまにとっても。
リズはその唇にフルートを添え、奏でた。アシナへの鎮魂曲。
かみさまも、暫しそれに聴き入っていた。
成功
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網野・艶之進(サポート)
「正直、戦いたくはないでござるが……」
◆口調
・一人称は拙者、二人称はおぬし、語尾はござる
・古風なサムライ口調
◆性質・特技
・勤勉にして率直、純粋にして直情
・どこでも寝られる
◆行動傾向
・規律と道徳を重んじ、他人を思いやる行動をとります(秩序/善)
・學徒兵として帝都防衛の技術を磨くべく、異世界を渡り武芸修行をしています
・自らの生命力を刃に換えて邪心を斬りおとす
御刀魂の遣い手で、艶之進としては敵の魂が浄化されることを強く望み、ためらうことなく技を用います
・慈悲深すぎるゆえ、敵を殺めることに葛藤を抱いています……が、「すでに死んでいるもの」や「元より生きていないもの」は容赦なく斬り捨てます
●
葬列が村を往く。
動けぬ赤子と老人以外の総出で列を成し、中心に棺代わりの箱を抱えたかみさまが歩みを進めている。
網野・艶之進(斬心・f35120)は、それを見送った。
(「……この世界にとっては、必要な犠牲であったのかも知れぬ……」)
身代わりがいなければ、恐らくはそのままかみさまが死んでいた。
予知の時点で、一人の犠牲も出さずに終わらせることは不可能だったのだろう。それでも、活人の剣を振るう慈悲深き青年にとって、すんなりと割り切ることが出来ないのもまた、事実であった。
(「だが、これでは余りにも
……!!」)
自己犠牲が、正当化されすぎている。
そして、それを民に望ませすらする、あのただ一柱の神。
だが、それを悪しき風習と断じることが、果たして出来るだろうか。
断じて、どうなるのだろうか。少なくとも民は混乱に陥る筈だ。何が正しいのか、この世界では解らない。
民は、現状が正しいと、本気で信じている。そして恐らくは、かみさま自身も。
(「……儘ならぬものでござる」)
その事実だけが、そこにある。
●
――せめてと。
葬列の後、艶之進はアシナの骨が埋葬された、その場所へ足を運び。
己より抜け落ちた花弁をひとつ、石の墓前に添えた。
それを手向けの花として。
成功
🔵🔵🔴