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エンドブレイカーの戦い⑭〜Winded Wind

#エンドブレイカー! #エンドブレイカーの戦い #ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー #天翔回廊ヘイズワース #ウインドゼファー


 風が吹く。
 都市国家『天翔回廊ヘイズワース』。その楼閣の一つの頂上に立つ『彼女』の金の髪を風が撫で、靡かせる。
『ヒャヒャヒャ、まさかお前が再びこの俺を手にする日が来ようとはなァ』
 下卑た声がする。『彼女』の手にする禍々しき剣から。
「ええ。私もまさか、再びあなたを手に戦場へ立つ日が来るとは思ってませんでした、ダイアモード」
 応える『彼女』は空を見据える。遥か遠く──かつて己が生まれ育ち、そして死した故郷──紫煙群塔の在る方角を。
『で、ヤるんだろォ? お前の故郷ラッドシティも、昔のお前の仲間エンドブレイカーも、この世界の何もかもを、お前の願いの為の代償にしちまうんだろォ!?』
 心底愉快そうに嗤う剣。『彼女』は其を肯定するでも否定するでもなく。
「──生前かつては革命に生きた私だけど。今の私は違う。私は、私の為にこそ叶えたい願いがある」
 瞳を閉じれば浮かんでくる、懐かしき顔。新たな生を共に歩んだ、かけがえなき友の顔。己よりも強く賢く、だがそれ故に、11の怪物の力を以てしても蘇生叶わなかった友。
「──その為なら、私は構わない」
 瞳を開き、口にするは決意。全てを──かつての己が守りたかった全てを踏み躙ってでも、願い叶える為に邁進せんとする意志の表明。
『ギャハハハハ! イイぜイイぜェ! 今のお前すっげェイイ目をしてるぜェ!』
「誰にも──私の、邪魔は、させないッ!!」
 それが『彼女』──『ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー』、11の怪物が一柱『ウシュムガル』と融合し蘇ったスピード怪人『ウインドゼファー』の、決して揺るがぬ意志であった。

『ヒャヒャヒャ、猟兵とかいうのがどんな奴らだか知らねぇが、今のお前と俺の敵じゃねぇってなァ!』
「そろそろ黙れ」
『はい』



「──一体、何がどうなってこうなったんだろうね」
 予知を語り終えたグリモア猟兵、シュプリムント・メーベルナッハ(穢死檻の巫女・f38888)、通称プリムは、困惑と──何処か寂しさを漂わせた表情で語る。
「今度、皆に倒して欲しい敵は『ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー』。11の怪物の一柱『ウシュムガル』と、皆が以前キマイラフューチャーで倒したスピード怪人『ウインドゼファー』が融合した敵だよ」
 かの怪人、かつての戦で完膚なきまでに殲滅を繰り返し既に骸の海からも消滅した存在の筈。それが何故蘇生を果たせたのか。それは分からないが。
「それと、彼女には、そうなる前の姿と名前もあるの。20年くらい前『紫煙群塔ラッドシティ』で革命を起こした『革命聖女ゼファー』。それが昔の──プリム達の知ってる彼女の名前」
 かつて貧富の差の激しい都市国家であったラッドシティ。其を変えるべく貧民達を率いて革命を起こし、新たな政府を打ち立てた革命軍の先頭に在った少女こそが、エンドブレイカー達の知るゼファーであった。
 しかし、諸勢力との折衝の失敗や政策の遅れ、何よりかのジェスターを筆頭とするマスカレイド達の暗躍により革命の進展は絶望的なまでに悪化。そんな中で革命を続ける為に彼女は力を求め、邪悪な自我持つ武具のマスカレイド『喋る武器』が一振り『嗤う剣ダイアモード』を手に取り──そしてマスカレイドとなり果て。かつて革命に協力していたエンドブレイカー達の手で討たれるに至った。
 それが、かつてを知るエンドブレイカー達にとっての『ゼファー』である。
「でも『ウシュムガル』としての彼女ゼファーは、それとは違う目的があるみたい」
 どうやら、かつての革命とは異なる、ごく個人的な目的ではあるようだが──それが、数多の人々にとって理不尽を強いる行いを経て果たされることに変わりは無い。その行い、決して見過ごすわけにはいかないのだ。

「ウシュムガルが今いるのは『天翔回廊ヘイズワース』って都市国家だよ」
 滅びの大地に在る、かつて滅びた都市国家の一つで、ここも15年の時を経て復興を遂げるに至っている。因みに、かの勇者ラズワルドもこの都市国家の出身らしい。
「街の人は皆避難済みだから、ウシュムガルとの戦いに専念することはできるけど……気を付けて、ウシュムガルはとんでもないスピードでもって攻めてくるから」
 革命聖女としても、スピード怪人としても、その敏捷性こそが最大の武器であったゼファー。その武器は、11の怪物の力を得たことで更に研ぎ澄まされている。
「防御も捨ててスピードに特化しているから、そのスピードはもう誰にも負けないレベルになってるの。少なくとも、スピードでの勝負は勝ち目が無いと思う」
 その速度で以てユーベルコードでの先制攻撃も仕掛けてくるし、それを凌いでも何とかして彼女の速度に対処できなければ、一撃当てることすら叶わぬままに打ち倒されてしまうだろう。かつて以上の強敵であろうことは間違い無い。
 幸い、彼女は守りを捨てている故、一撃でも当てることが叶えば充分なダメージが通ることだろうとも見立てられるが、それすら容易なことではない。持てる力の限りを以て、彼女の速度を捉える他に無いだろう。

「……昔も今も。ゼファーちゃんを止められるのは、皆をおいて他にいないから。皆、どうかよろしくお願いね……!」
 祈るようなプリムの声に見送られ、猟兵達は征く。
 紆余曲折、長き生を彷徨ってきた風の聖女の待つ地へと。


五条新一郎
 その風の行き着く処。
 五条です。

 11の怪物戦、次なる敵はかつて革命聖女であったスピード怪人。
 更なる速さの極地へと至った彼女を捉え、その再びの生を終わらせると致しましょう。

●このシナリオについて
 このシナリオの難易度は「やや難」です。

●目的
『ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー』の撃破。

●戦場
 エンドブレイカー世界、天翔回廊ヘイズワース。
 滅びの大地にある都市国家の一つで、此方もTW3本編終了後に復興を遂げました。
 風景のイメージは、現在のTW3のTOPにてイラストが掲載されております。

●プレイングについて
 OP公開と同時にプレイング受付開始、ある程度のご参加を頂いたところで締切予定。募集状況はタグにて。
「敵の「超スピード」と先制攻撃に対処する」ことでプレイングボーナスが得られます。兎に角速度が凄まじい一方防御力は皆無なので、如何に攻撃を当てるかが重要となります。

 それでは、皆様の刹那見切るプレイングお待ちしております。
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第1章 ボス戦 『ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー』

POW   :    アクセラレイト・デザイア
全身を【エリクシルの輝き】で覆い、自身の【誰に邪魔はさせないという意志の強さ】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD   :    ゼファー・タイフーン
レベル×100km/hで飛翔しながら、自身の【嗤う剣ダイアモード】から【勢いを増し続ける竜巻】を放つ。
WIZ   :    嘲笑せし斬風
【嗤う剣ダイアモードから放たれる衝撃波】を【スピード怪人の加速能力】で加速し攻撃する。装甲で防がれた場合、装甲を破壊し本体に命中するまで攻撃を継続する。
👑11
🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​🔵​
スピカ・ネビュラスター
【デビルキングワールド出身のラスボス:ワルいこと万歳】

へえ、友達の復活が目的なんだ
そういうのって無慈悲に阻止したくなるよね(ニヤリ)

敵の先制攻撃は速すぎて防御も回避もできなそうだね
でも……『無限に再臨せし災厄』、変身して復活するよ
ふふっ、今のでボクを倒したと思った?
甘い甘い、ラスボスはこの程度じゃやられないよ
(変身するたびに魔星と融合したりとか、宇宙っぽく異形化していく:詳細お任せ)

じゃあ、そろそろ終わらせようか
重力操作のウィッチクラフトを多重発動
超重力を自分中心に発生させることで、敵が攻撃後に離脱できなくするよ

これで終わりだね
あははははははは!!
(防御を捨てている敵に魔力弾でトドメ)



 天翔回廊ヘイズワースへと転移を果たした猟兵達。都市に走る大路の一つ、その石畳の上へ、蒼き星がふわりと降り立つ。スピカ・ネビュラスター(銀河の魔女・f31393)、銀河の魔女たるラスボスの一部を成す魔星『アークツルス』である。
「やあ、ウインドゼファー。いや、ウシュムガルと呼ぶべきかな?」
 アークツルスの上に腰を下ろしたスピカが、己が前に姿見せしその者へ問う。白のコートと赤きフルヘルム、鋼鉄のガントレットにてその身を覆った女性へと。
「どっちでも構わない。今の私はウシュムガル・ザ・ウインドゼファー。11の怪物が一柱でもあり、蘇生を遂げたスピード怪人でもある」
『ゲヒャヒャヒャヒャ! そんで俺が『嗤う剣ダイアモード』だ、ってなァ!』
 問いに堪えるウシュムガルに続き、その手に携えられし剣が下劣な笑みと共に名乗ってみせる。
『お前が猟兵かァ? なんか随分と大層な魔力を持ってるみてェだが所詮はガキだ、この俺とコイツの敵じゃ――』
「黙って」
『はい』
 挑発じみて更に語るダイアモードだが、スピカが威圧めいて告げると大人しく黙った。スピカは改めてウシュムガルへと視線を移し。
「聞いたよウシュムガル。キミ、友達の復活が目的なんだってね?」
 その言葉にウシュムガルの身が僅かながら反応を示す。グリモア猟兵の追加の予知により、ウシュムガルの目的は友――かつて共にドン・フリーダムの下に在った幹部達、エイプモンキーとラビットバニーの蘇生であると判明している。
「美しき友情ってヤツかな。いいよね、そういうの――」
 うんうん、と頷きながら尚も続けるスピカ。友を尊ぶ心、彼女にとってもまた共感を覚えるもの――というわけではない。
「――だからこそ、無慈悲に阻止したくなるよね」
 続く言葉は口の端を吊り上げながら。見目の恐ろしさと心根の優しさが比例するラスボスという種にあって、スピカの見目は可憐な少女そのもの。其が示す彼女の内面とは、即ち。
『ヒャヒャヒャ! 可愛い顔して随分エグいコト言うなァお前! でもなァ――』
「そうはいかない。私は今度こそ、願いを叶えてみせる」
 そんなスピカの様相を好ましく感じたらしいダイアモードだが。促すが如き彼の言に続き、ウシュムガルが身構える。弓を引くかの如く、嗤う剣持つ右腕を引き左腕を前に出した構え。
「――邪魔は、させないッ!」
 ウシュムガルの身が、真紅の輝きに包まれた。そうスピカの視覚が認めた、次の瞬間。
「――ぁ――」
 胸に生じる痛み。総身の熱が引く感覚。暗転する視界。糸が切れた人形の如く、スピカの身体は力無く崩れ、魔星の上から転がり落ちた。
 その背後にウシュムガル。全身をエリクシルの輝きに包んだ彼女が駆け出し、スピカを斬り、駆け抜けて残心を果たすまで、コンマ1秒程も無し。
『ああ? もう終わりかァ? 何だよ、悪ぶったコト言うクセに呆気無――』
 呆気無く斃れたスピカに悪態をつくダイアモードだが、その言葉は中途で途絶える。意識を向けた先、石畳の上にスピカの亡骸は無く。どころか。
「ふふっ、今のでボクを倒したと思った?」
『――ンだとォ!?』
 蒼く輝き続ける魔星、その上面からスピカの上半身が生えてきているではないか。それも、全くの無傷で。驚愕を禁じ得ないダイアモード。
「再生? しぶとい……!」
 ならば何度でも倒すまで。そう判じるや否やウシュムガルは即座に動き。斬撃を以てスピカの首を刎ね飛ばす。
『甘い甘い、ラスボスはこの程度じゃやられないよ』
 首を失ったスピカの身体は直ちに溶け崩れ――直後、魔星の中からスピカの声がする。その声音、先の攻撃が一切堪えていないかの如し。
『ちィ! こっちが本体ってコトかよ!』
「それなら……!」
 その様相から判じたダイアモードの声を残し、ウシュムガルの姿が消える。直後、魔星の表面を幾つもの斬閃が奔り――乱切りめいてバラバラに分解。鮮血の如く、黒き霊気が切断面から溢れ出す。
『こ、これなら流石に……ちょ、まだ終わんねェのかよォ!?』
 だが。悲鳴めいた叫びを上げるダイアモードの前で、黒き霊気は渦巻き広がり、其処に確かな意志のあることを如実に示してみせる。スピカが未だ健在であることを表すかのように。
『あはははは! 残念だねぇ、ボクはまだまだ戦えるんだよ』
 渦の中からスピカの哄笑が響く。渦巻く黒の中には無数の輝きが灯り、其が集いて形を為す。それはさながら、宇宙空間に生み出した己の顔。
「宇宙……ということ……!? でも……!」
 途方もなきその存在、なれど躊躇などしてはおれぬ。ウシュムガルは再び剣を構え――
「……っ!?」
『な!? 何してやがるゼファ……お、重てェ!?』
 スピカの目前にて静止する。叱咤せんとしたダイアモード、即座に理解する。スピカを中心に、凄まじいまでの重力が発生している……!?
『ふふっ、どんなに速くても、これじゃあ動けないよね?』
 渦の中からスピカの声。敵を捉えられないなら、捉えられる状態へ至らしめるまで。其がスピカの答えであった。
 動けぬウシュムガルの頭上から降り落ちる無数の光。彼女へ終わりを齎すべく、スピカが呼び寄せた流星――めいた魔力の弾丸だ。
『さあ、これで終わりだよ――あははははははは!!』
 スピカの哄笑の響く中、魔力弾の流星群が次々とウシュムガル目掛け着弾し。爆炎の中にその姿を飲み込んでいった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

アイン・セラフィナイト
久しぶりだね、ウインドゼファー。
直接対決することはなかったけど……もう一度骸の海へ還ってもらうよ。

敵のユーベルコードに対し『高速詠唱』『属性攻撃』の風魔法を行使する。
風には風を……なんていうとでも思ったかな?
僕が風魔法で作り出すのは、真空の壁だよ。
たとえ数ミリでも構わない、衝撃波である以上、真空は超えられない。

ゼファーが接近してくる前にすぐに【ノーム・アンビット】を使用して、周囲に超高重量の砂の嵐を発生させよう。
超高速で動けば動くほど、君の体は重さに耐えられなくなっていく。
砂の武器を造り出して投射、その体を貫こう!



 大路に巻き起こる土煙。其が吹き流れてゆく中、よろめきながらも立ち上がるウシュムガル。前を向けば、青い髪の少年が己の前に立つ姿を認める。
「――久しぶりだね、ウインドゼファー。尤も、直接顔を合わせるのは初めてだけれど」
 純白の柄を持つ杖を構え、アイン・セラフィナイト(全智の蒐集者・f15171)は語りかける。かつてのバトルオブフラワーズにおいて直接対決したことは無かったが、如何なる怪人であったかはグリモア猟兵としての予知を通じ知っている。
 彼女が成さんとしていることに、思う処が無いではない。けれども。
「折角戻ってきたところではあるけど……もう一度、骸の海へ還って貰うよ」
 其が数多の犠牲を伴う行いなれば、見過ごすことは許されぬ。殲滅の意志を、確と示してみせる。
「そうはいかない。私の願い、何としても叶えてみせる」
『ギャハハハハ! そうだそうだ、蘇ったからにゃァ好き勝手やらせて貰うぜってなァ!』
 無論、ウシュムガルも退きはしない。嗤うダイアモードを構えるが早いか、其を振り抜くと。生じたる衝撃波が、アインの身を裂いて――
「風よ!」
 だがその直前、アインも動いていた。高速詠唱にて瞬刻で行使されるその魔術は風。風には風を以て抗するべき――そう判じたかとも見えるが、実の処はそうではない。
『……あ? 何で当たってねぇ?』
「これは……真空か!」
 結果としてアインは無傷。何があったと訝しむダイアモードだが、ウシュムガルはその理由に見当がついたらしい。
 そもそも衝撃波とは詰まるところ、空気の振動によって起こる波である。故に、空気が存在しない真空中では波が伝播せず、衝撃波は発生し得ないのである。
 アインが先の魔術によって行ったのは、己の目前への真空の壁の構築。それは大して厚くもない壁ではあったが、どんなに薄くとも真空である以上、空気の波はそこで止まってしまうのだ。
「ご名答。――僕の魔術で以てすれば、君の戦術は全て無為になる」
 ウシュムガルの答えを肯定しつつ、アインは改めて杖を掲げる。強気な宣告は、それ程の意気で以て彼女に挑むという意志の形。
「そうはさせない」
 対するウシュムガルは改めて邪剣を構える。衝撃波が無効ならば、自ら斬り捨てるだけのこと。その意志を籠めてアインを見据え――
「私の邪魔は、だれにもさせないッ!」
 直後、その場から消失――疾走開始!
「……ッ! その速度も、封じ込めさせてもらう!」
 身を翻すアインだが、二の腕を裂かれて血が噴き出す。痛みに顔を顰めるが、意識を杖へと集中して黙殺。そのまま詠唱へと入る。
「渇きの回廊、無形の楼閣、今此処に白き災厄は吹き荒れる――!」
 詠唱は瞬刻。アインの脇を駆け抜けて身を翻し、再度攻撃を繰り出さんとしたウシュムガルの視界が白く染まる。雪か。否、これは――
『砂かァ!? ちっ、目くらましのつもりかよ!』
 ダイアモードの察した通り。吹き荒れるは白き砂。濃密な砂嵐が、砂塵の向こうにアインの姿を覆い隠さんとする。
「確かに視界は悪い、でもこの程度ならッ!」
 敵を捉えるは支障無し。その意を告げるや否やウシュムガルは再度動く。
「ぐっ……!」
 アインの呻くと共に脇腹から出血。アインとしてもウシュムガルの姿は見えづらく、回避のタイミングは先程よりもシビア。ならばこれは悪手であったのか。否、無論そのようなことはない。
「……そこだ!」
「ちぃ……っ!」
 続くウシュムガルの攻撃は回避に成功。衣の一枚とて裂かせることなき完全な回避。其は偶然か。否、必然である。
『な、何だこの砂……ッ! 纏わりついてクソウゼェ、ってかクソ重ェ!?』
「く……っ、動きが……!」
 ダイアモードが悲鳴を上げる通り。この砂嵐を形成する砂はただの砂ではない。アインの敵に吸着し、見目からは想像もつかぬ程の高密度とそれ故の重量で以て、敵に過剰なまでのウェイトをかける代物。さしものウリディムマとて、それ程の重量がかかってしまえば持ち前の速度は発揮できぬ。
「かかったね……!」
 策は成った。傷の痛みに顰められていたアインの表情が僅かに緩む。ならば、後は攻撃を撃ち込むだけだ。その意を受け、アインの頭上に形作られるは砂の槍。鋼鉄をも上回る強度を有する代物。
「この槍で……貫かせてもらうよ!」
 告げると共に、槍は撃ち放たれ。砂の重みに膝を折りかけるに至っていたスピード怪人の身を捉え、貫いた。

大成功 🔵​🔵​🔵​

夢ヶ枝・るこる
■方針
・アド/絡◎

■行動
動機自体は、理解出来るものですからねぇ。
お相手致しますぅ。

壁を背にして立ち、相手が攻撃可能な方向を或る程度絞りますねぇ。
その上で『FPS』の探査で周囲を探知、『FMS』のバリアと『FES』『FGS』[結界術]による各種結界を重ねますぅ。
如何に速度や強化が有っても『突破の一手』の為には僅かなタイムラグが生まれるでしょうから、そのラグの探知に時機を絞り『FIS』で彼女と行違う位置に転移し躱しますねぇ。
そして【乳霹宙】を発動、超広域を覆う無差別且つ雷速の攻撃であれば、彼女の速度でも逃れるのは困難でしょう。
可能であれば『雷球』に捕えた一瞬に全攻撃用『祭器』で[追撃]しますねぇ。



 ヘイズワースの大路の片隅、城壁と建物の壁で形作られた角を背にして立つは夢ヶ枝・るこる(豊饒の使徒・夢・f10980)。敵は超速度を誇るスピード怪人、捉えるは容易ではない。故にこうして壁を背に立ち敵の攻撃経路を絞り込んでいるのだ。
(動機自体は、理解できるものではあるのですがねぇ)
 聞けば、ウシュムガル――ウインドゼファーは、かつて共にドン・フリーダムの下に在った幹部達を友と呼び、その蘇生を目的として蘇ってきたのだという。友の為に全てを賭して何かを成す、其処に懸ける想いには、るこるとしても感じ入る処はある。
 なれど、その願いは実現の過程において多くの人々を――或いは一つの世界を破滅へ追い遣る理不尽なもの。故にこそ、その願いは叶えさせてはならない。るこるもまた、その意志の下に此処へ赴いたのだ。
(――それにしても)
 展開した探査用祭器の反応に、眉根を寄せる。ユーベルコードを発動して速度を更に上げたウシュムガル、その反応は空に在る。在るのは判るが。
(凄まじい速度ですねぇ……)
 右かと思えば上、下かと思えば左。ウシュムガルの反応は一瞬にしてあちらこちらに飛び回る。思考の速度ですら追いつくのがやっとという程の速度だ。
 そして、その速度を維持したまま徐々に近づいてくるのが、祭器の反応だけでなく肉眼でも把握できる。上下左右斜め、撹乱の為か細かな方向転換を幾度も繰り返す。慣性の法則などスピードの彼方に置き去ってきた、と言わんばかりの無茶苦茶な機動でるこる目掛けて迫ってくる。
 対抗するべく、るこるは防御祭器を展開。バリアを前面に、歪曲障壁、斥力を形成する重力結界とを以て守りを固める。そして、今一つの切り札も。
(チャンスは一瞬、逃してはいけません)
 タイミングが僅かでもずれれば、致命の刃が己の身を斬り裂くことだろう。迫る超速の怪物を前に意識を集中、探知祭器も動員しその時を狙い澄ます。
 そして。
(――来ました!)
 撹乱機動を繰り返していたウシュムガルが仕掛ける。そう見えた時には、既にかの怪人はバリアへと刃を突き入れていた。生半なオブリビオンの攻撃を容易く弾くバリアが、まるで薄紙かのように引き裂かれ――
(今ですぅ!)
 バリアが裂け、ウシュムガルがるこるを間合いに捉えたその瞬間。空間転移祭器を起動。るこるの身はその場より消え去り、ウシュムガルの後方、刃の届かぬ位置へと転移。
「大いなる豊饒の女神の象徴せし欠片、その裁きの御印を――くぅぅっ!」
 直後にユーベルコードを発動すべく祈りを構える――と同時、その胸を裂く刃。鮮血が噴き上がり、るこるはよろめきその場に膝をつく。
「く……ぅっ。ですが……」
 肩で息をしつつも、るこるが見上げた其処には。
「ぐ……っ!? これは……雷の……!」
『アガガガガガ!? し、痺れれれれれ』
 雷球に包まれるウシュムガルの姿があった。その手ではダイアモードが電流に痺れ悶えている。
 空間転移を果たした直後にユーベルコードを発動したるこるだが、その効果が発現する瞬間にウシュムガルの反転と攻撃が間に合った。やはり、速度を以てしては完全に出し抜くことの叶わぬ敵ということだったらしい。
 とはいえ、ユーベルコード自体は確と発現。るこるの身より放たれた乳白色の雷がウシュムガルを貫き、こうして雷球に捕らえることが叶ったのだ。
「このまま、一気に叩かせて頂きますぅ……!」
 だが、これ程の敵だ。いつまでも捕らえておけるとは思えぬ。ならば、今のうちに確実に一撃を撃ち込む。
 浮遊砲台、爆撃機構、戦輪、その他数多の攻撃祭器でウシュムガルを完全包囲。直後に放たれた熱線、炸裂弾、爆撃、斬撃。あらゆる攻撃が、ウシュムガルを中心に盛大に炸裂した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

龍巳・咲花
曾て戦った相手も己が目的の為に全てを捨てた……そんな覚悟を持った者がござった
お主もそうなのでござるな
その気持ち、分かるとは言わぬでござる、生きた年月も環境も違うでござるからな
ただ、止めるでござる、世界の為故に

先制攻撃と超スピード対策に、地には撒菱を、空中には龍脈鎖と龍糸銕線で突っ込めば絡み取られ斬れる即席の結界を作るでござるよ
止められずとも結界が解れる場所が敵の居場所でござる故
更に的を狭める為に低姿勢を取り防御態勢で初撃を凌ぐでござるな

その後は拙者もムシュマフを纏い、結界に加え炎と手裏剣やクナイの投擲で相手の攻撃軌道を絞り、拙者が受け止めムシュマフが止めを放つ連携攻撃を仕掛けるでござるよ!



 大路から一本内に入った街路の中心、対峙する二つの影。
「――曾て、拙者達が戦った相手にも。己が目的の為に全てを捨てた……そんな覚悟を持った者がござった」
 一方、龍巳・咲花(バビロニア忍者・f37117)が口を開く。瞳を閉じれば、過ぎるのは『彼女』の姿。大いなる力を得る為に、其を以て果たさんとしていた目的すらも捨てた、リリスの君臨者。
「お主も――そうなのでござるな」
 語る言葉は、見据えるもう一方、ウリディムマ・ザ・ウインドゼファーへ。このスピード怪人が、嘗て共に並び立った三幹部の二人の蘇生を果たすべく此度の戦に全てを懸けている、という話は聞き及んでいる。
「それは同情のつもり?」
 ウシュムガルの声音には険が立つ。その様相を以て、同情や共感といった感情に対する拒絶を示す。
「否。その気持ち、分かるとは言わぬでござる」
 尤も、咲花としても斯様な意識は毛頭無い。元々が環境も文化も全く異なる世界の生まれ。しかも彼女は、百年以上に及ぶ生を生きてきたというではないか。その重みに宿る感情の程、未だ20年も生きておらぬ己に理解できるとは到底思えぬ。だが。
「ただ――」
 それでも理解できることはある。腰を落とし、身構えると共に。ウシュムガルを見据える瞳が細められる。
「――止めるでござる。世界の為ゆえに」
 その願いを、成就させる訳にはいかない。其もまたかつての『彼女』と同じく。
「――そう。それなら……」
 ウシュムガルもまた、その反応を理解していた。得物たる嗤う剣を、弓引くが如く構える。
『ヒャヒャヒャ! バラバラに引き裂いてやるぜェ!』
「あなた達を倒し、突き進ませて貰うッ!」
 ダイアモードの嗤うと共に叫べば、その身は直後にその場から消える。否、そう見える程の超速度にて疾走を開始したのだ。
「何のッ!」
 疾風の如き勢いにて走るウシュムガル、咲花は其を横跳びにて躱すと共に、その両手を上下左右に忙しなく振るう。伴い生ずる、空間に煌めく幾つもの輝きと何本もの鎖。
 其は龍脈の力にて形成されたる鎖と鋼糸。此れを周辺の空間に展開、以て即席の結界をその場へ形成したのである。
「これで私を止めると? そうはいかない!」
 ウシュムガルの声がする。そんなもので己は止められないと。其を証立てんとでもいうのか、爆発的な勢いで迫りくる影の存在を咲花は直感する。
「止められれば御の字でござるな!」
 腰を落とし身を伏せ、姿勢を低くした状態にて応える咲花。この結界は彼女の攻撃を防ぐが主ではない。本命は――
(左後方――其処でござる!)
 結界に綻び。今この場で結界を敗れる者など極少ない。ならば結界の綻びが生じた理由は一つしかない――其処から、敵が来る!
「見切ったでござる!」
 その直感のもとに回避機動。地を転がり綻びの方角から90度手前の方向へ転がり逃げれば、ウシュムガルの刃は頭上すれすれを通り過ぎてゆく。
 恐らくはすぐ次が来る、ならば今のうちに備えを。両手を組み、意識を集中――ユーベルコードを励起。
 直後、その身を包むは黄金の炎と、其によって肉体を形作る竜の姿。炎竜ムシュマフ、バビロニア忍者たる咲花の力の源、龍脈より呼び寄せられたる竜だ。
(――時に、11の怪物の一柱にもムシュマフというのが居たらしいでござるな)
 かつてエンドブレイカー達が滅ぼしたという怪物の一体がこの竜と同じ名であったらしいと思い出す咲花。とはいえ、其処に重大な意味は恐らく無いのだろうと思う。ムシュマフとその炎を纏ったことで生ずる力は、普段と何ら変わり無いのだから。
 再び迫る、ウシュムガルの気配。鎖と鋼糸の結界を再度展開し構える。やがて、真右に綻びを感知――
「――捉えた、でござる……!」
 そして動く咲花。だがそれは躱す為ではない。寧ろ――
自分テメェから当たりに来やがった……!?』
 驚愕するダイアモード。咲花が自ら、迫る刃に身を当てに来たのだ。脇腹へ深く突き刺さった、ダイアモードの刃。間違いなく重傷だ。だが同時に。
『ってかコレ、拙いんじゃねェか!?』
「……深く、入りすぎた……!」
 そう、ウシュムガル達の想定より手応えがありすぎる。咲花が敢えて自分から刃を受けに来たことで、刃が深く入り過ぎ――動きを、止めさせられたのである。
「……では、受けてもらうでござる。拙者のムシュマフの炎!」
 策は成った。口元から血を滴らせながらも咲花は笑む。ユーベルコードの力で、負傷の影響は先送りにできている。この好機をモノとするに障りはなし。ならば後は、やるだけだ。
 咲花の頭上で首を擡げたムシュマフが、炎を噴いて。以てウシュムガルを焼き焦がす。

大成功 🔵​🔵​🔵​

紫・藍
踊る時間も歌う時間もないままに藍ちゃんくん出オチしてらっしゃいませんかー!?
そうならないよう藍ちゃんくん、ファッションで勝負に出たのでっす!
藍ドルたるものどう見えるかは意識してまっすのでー。
ゼファーのお嬢さんは敏捷性こそが武器!
それはきっと速いだけでなくちゃんと狙ってくるかと!
今のお嬢さんはその速度でどこかに激突するだけで自滅しちゃうでしょうしねー!
前方確認ちゃんと良しなのでっす!
だからこその今日の藍ちゃんくんのアートなファッションは視覚に訴える催眠術なのでっす!
超速の中、動体視力とかできちんとこちらを認識してらっしゃるお嬢さんになら!
僅かにでも効いて、ほんの少しでも攻撃がズレたらその速度故に明後日の方向に竜巻がぶっ飛んでくのではないでしょうか!
お嬢さん!
死をも超越するほどの友情が、お嬢さんとモンキーさん、バニーさんの間にはあったのでっすかー!?
コミュ力発揮し、喋りたがりの剣さんも交えてお話しつつ!
聞いたお話を即興詩にしてお返しするのです!
お嬢さんだからこそ聴き逃がせぬお歌をなのです!



「ゼファーのお嬢さーん!」
 石畳の上より空を見上げ、紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は空翔けるウシュムガルへと呼びかける。文字通り目にも留まらぬ超速なれど、声は確かに彼女へ届く筈。
「死をも超越するほどの友情が、お嬢さんとモンキーさん、バニーさんの間にはあったのでっすかー!?」
 そう判じて、続いての呼びかけは即ち問いかけ。かの怪人達に対し、現在相対するスピード怪人は強い友情を抱いているとは猟兵達も知る処だ。それこそ、世界一つを贄としてでも彼らを蘇生せんと願う程には。
「その通りですとも! それが何だというのですか!」
 返答は地に巻き起こる竜巻と共に。其は藍の立つ位置の僅か左方を穿ち、瞬く間にその勢いを増してゆく。直撃を避けた藍は石畳を駆けて距離を取る。
『ヒャヒャヒャ! てめェも他の猟兵共みてェに『世界を犠牲にするなんて許しませーん』ってクチかァ!?』
 嘲笑混じりのダイアモードの声が追いかけてくる。此処までに相対した猟兵の言を揶揄するが如き下劣な声に対して、藍は。
「そんなことより!」
『へ!?』
 何と、置いておかれた。挑発のつもりだったのか、思わず頓狂な声を漏らしてしまうダイアモード。
「お嬢さんとお二人の間に、どんな友情があったのか聞かせて欲しいのでっす!」
 問うは飽くまでも彼らとの友情に関する仔細。その声音に底意は見えぬ。見えぬが。
「――いいでしょう! ならば聞いていくが良いです!」
 肯定の返答と同時、藍の右手前へと再度の竜巻が巻き起こる。語るにせよ、攻撃の手を緩めるつもりは無いということのようだ。
「エイプモンキーは強く、そして賢く!」
 急降下からの斬撃は藍の目の前へと振り下ろされ。
「ラビットバニーは朗らかで優しく!」
 続いての横薙ぎの刃は距離を取った藍には届かない。
『要するに大層愉快な奴らってコトだなァ!』
 予想外の展開が続いた為か暫し沈黙していたダイアモードも、調子を取り戻したらしく茶々を入れて来る。
「二人とも、私などよりもずっと優秀な人達――」
 再度上空へと飛び上がったウシュムガルの動きが一瞬止まる。見上げた藍は理解する。此方に狙いを定めている、と。
「それでも! 私を友だと言ってくれた!」
 その声が藍の耳に届いた頃には、ウシュムガルの身は彼の後方へ。次いで突風が藍の名と同じ色の髪をはためかせ――
「くっ、外した……!」
 悔しげに唸るウシュムガル。彼女の刃は、またも藍を捉えること叶わなかった。
「お嬢さん! もっとお話聞かせて下さいでっす!」
 一方の藍は攻撃を意に介さんとばかり更なる話をせがむ。戦いに来たのではないのか、と困惑の様子を見せるウシュムガルだったが。
「――いいでしょう! こうなれば気の済むまで聞いてゆくが良いです!」
 半ば自棄になったかのように叫ぶと共に再度飛翔を開始する。どうやら、語りはするが攻撃を続ける意志も捨ててはいない模様。
『なんやかんや言って友達語りが楽しくなってねェかお前』
「黙りなさい」
『はい』

 その後もウシュムガルは語った。エイプモンキーとラビットバニー、其々と過ごした日々を。人として、怪人として、そしてオブリビオンとして。
『まァ聖女様だった時ァ友達とかサッパリ居なかったみてェだしなァお前?』
「革命を始める前は独りぼっちでしたし、始めてからは友達を作る暇もありませんでしたし」
 時々ダイアモードが茶々を入れるのに応える形で、生前の――革命聖女であった頃の友人事情が判明したりもしつつ。
「私と友達になりたいと言ってくれたエンドブレイカーも、居たような気はしましたが……」
『俺を拾った時点でそいつァ無理筋ってなァ! ヒャヒャヒャ!』
「黙りなさい!」
『はい』
 などといった遣り取りを交えつつも、ウシュムガルは空を翔けダイアモードを振るう。竜巻を起こし、或いは自ら接近し。藍を斬らんと。
 だが、その刃は悉くが狙いを逸れる。何度か藍の身を捉えて流血を強いたが、いずれも致命傷には程遠い。
(歌う時間も踊る時間もないまま藍ちゃんくん出オチ、という事態はどうにか回避成功でっすね)
 何とか軽傷で済ませられていることに内心で安堵しつつ、藍は話を振り続ける。ウシュムガルを前に最低限の回避行動を取るのみだった彼が此処まで耐えているのは、その着衣が故。
 その衣装の形状や柄、模様は、見る者の視覚に混乱を催す不思議な意匠。ある種の催眠効果を齎すもの。集中すればするほどより強い影響を受けてしまう代物。
 ウシュムガルのその超速は、単純に敏捷性のみで実現しているものではない。周囲のものを確実に捉える動体視力、最適な挙動を策定・決定する集中力と判断力。それらの能力で以てこそ、此処までの速度が実現できている。
 そして同時に、それ故にこそ。この藍の策はウシュムガルに対し効果的に突き刺さっていた。超越的な動体視力と集中力は、それ故に藍を捉えることが叶わない。
「――それでは、お嬢さん!」
 ウシュムガルに語るを促してより暫し。一通りの話を聞き終えた藍が徐に告げる。何事かと言えば。
「今のお話をもとに、お嬢さんへ即興詩を作ってみました!」
 即ち、彼女の友についての話を即興詩としてまとめたというのだ。ウシュムガル達の反応を待たず、早速とばかり歌い始める藍。
「―――――♪」
 ヘイズワースの一角に響く、藍の歌声。それは何物にも妨げられることもなく、辺りを満たしてゆく。高速で機動を続けるウシュムガルの耳にも届く。
「……これ、は」
『オイ!? なんか動きが遅くなって……って聞いてねェな!?』
 超音速で動き回っていたウシュムガルの速度が、みるみるうちに落ちてゆく。ダイアモードの声も届かず、やがて完全に停止する。
「……二人とも……」
 絶えぬ友情を歌う歌。すっかり足も止めてしまいながら、ウリディムマはその歌声へと耳を傾け続け――その存在を、少しずつ薄れさせていく。

大成功 🔵​🔵​🔵​

岩社・サラ
アドリブ共闘歓迎

スピードに特化した相手ということですし、対策をしなくてはいけませんね。

攻撃を見てから回避というのが現実的でない以上、傭兵としての戦闘知識に頼りましょう。
超スピードであっても剣を使うのであれば接近してくるはず。これまでの戦闘経験から敵の攻撃タイミングを推し量り回避出来るように準備しましょう。焦らず落ち着きを持って当たれば不可能ではないはずです。

そして事前に目立たないように発動しておいたUCの「捕縛」の力を込めた鎖を回避と同時に投げつけ敵の足を止めます。
完全に停止させることは困難でしょうが、少しでも足を止めることができれば拳銃のクイックドロウを撃ち込むことも可能なはずです。



「スピードに特化した相手と聞いていましたが……なるほど」
 ヘイズワースの空を、文字通り目にも留まらぬ超速度で飛翔するもの。これがウリディムマ・ザ・ウインドゼファーか、と実感を以て岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)は呟く。
 これ程の速度ならば、成程対策は必須と言えるだろう。然しどうするか。サラの思案は、然しそう長くはなかった。超高速で動き回る敵への対抗策を編み出したのだ。
 傍目には何の武器も手にすることなく、街路の石畳の上に立つサラ。視線は油断なく空を見上げて――数秒の後。
「っ!」
 徐に身を翻した瞬間、其処を駆け抜けていった鋭い斬閃。ウシュムガルが振るった凶刃が、サラを斬るべく繰り出されたのだ。なれどサラは紙一重にて斬撃を躱す。短く舌打ちの音が聞こえたと思うのと、ウシュムガルの気配がサラの周囲から消えるのはほぼ同時。
「其方ですね……!」
 今度は後方へ素早く飛び退く。一瞬後、吹き抜けた横殴りの風。体当たり気味のウシュムガルの突撃斬撃。太腿に痛み。斬られたらしく血が滲む。だが怪我は軽い。回避機動は負傷こそ避け得なかったが、其が致命に至る可能性を潰した。判じて、飽くまでも突撃してくるウシュムガルの刃をこそ躱しきらんとその挙動へ予測を立てる。
 サラの回避機動の源流は、彼女自身が有する戦闘知識。傭兵としての活動を通して積み重ねた経験。其を基にウシュムガルの機動を予測、攻撃回避を可能としたのだ。尤も、必ず避けられるほどの精度ではなく、幾度か刃がその身を裂いていったが。武器の扱いに障りの生ずる程の負傷を負わなければ問題無いとして、次のウシュムガルの攻撃に備える。
『ヒャヒャヒャ! すっかりビビって動けねぇって感じだなァ! 一発攻めてこいよ、なァ!』
 嘲るようなダイアモードの声。攻撃の合間、こうして挑発を行い、回避機動への集中力を削ぎにかかっているのだ。
 サラは冷静さを纏って彼の相手をせず、あくまでウシュムガルの取り得る機動の予測に集中する。

 其を繰り返すこと暫し。サラの身はその全身に幾つもの傷を得るに至ってしまったものの、未だ両の足で立ち、意志を集中している様子が見て取れる。其は、斬撃を放たんとするウシュムガルの攻撃を、ある種待ち構えているかのようで――
「今度こそ、仕留めてみせる……!」
 幾度目かのウシュムガルの突撃。今度こそ仕留める、その意志を乗せて振るった刃は、しかし。
「……ぐっ!? しまった、これは……!?」
 またも空振った。それだけではない。その途中で衝突した、何か細長い物体が身体に絡みつき、締め付け捕縛せんとするその感触。其を感じてから、実際に捕縛に至るまでに、然程の時間はかからなかった。
「うまくいきましたね」
 サラが安堵の声を漏らす。放った鎖は、彼女がユーベルコードを以て生み出しておいた補助用ゴーレムギアの一種。本来の用途は無論、捕獲用ゆえに実に頑丈である。これを以て、ウシュムガルの身を捕らえてみせたのだ。
「くっ、こんな隙を晒すわけには……!」
 だがウシュムガルも黙ってはいない。動きづらい足を動かし、何とかサラと距離を保たんとする。なれどその速度、常人よりは遥かに速いが、サラにとっては寝起きでも確と視認の叶う程度の速度でしかない。
「いいえ、逃がしはしません」
 走り続けるウシュムガル、その背を鋭く見据えながら、サラは腰より抜いた拳銃の狙いを定め――発砲開始。ウシュムガルの背に、少なくない数の弾丸を撃ち込むことに成功した。

大成功 🔵​🔵​🔵​

オリヴィア・ローゼンタール
その境遇に同情しよう
その心情を理解しよう
その決断に至るまでの苦悩、察して余りある
だが、しかし――断じて容赦はしない
もはや言葉などというそよ風で、貴様という暴風を止めることは叶うまい
故に、雷霆となりて打ち砕く!

身に纏うは白き中華服
漲る【覇気】が迸る【電撃】と化す
強化された【視力】と極限の【集中力】、研ぎ澄まされた【第六感】からなる【心眼】
それらを以って超スピードの絶対先制を【見切り】、鍛え上げられた【功夫】の身のこなしで躱す
例え直撃を受けずとも、余波だけでも途轍もない威力だろうが、不退転の【覚悟】と恐れを知らぬ【勇気】で踏みとどまる
疾風と迅雷、どちらが勝るか――いざ勝負!

戦意に呼応し、雷霆が轟き煌めく(全力魔法・属性攻撃・限界突破)
絶大な破壊力は己が身さえも焼き焦がすが、そのような些事は【気合い】と【根性】で無視
すれ違いざまに、【怪力】で繰り出す【天霆雷迅脚】――九閃の蹴撃を以って堕した聖女を粉砕する!
ぉおおおおおおッ!!!



「……っく、流石に猟兵、只者ではないですね……」
 よろめきながらも態勢を立て直すウシュムガル・ザ・ウインドゼファー。その身には、此処までの猟兵達との交戦によって幾つもの深い傷が刻まれていた。
『ヒャヒャヒャ、何だもうギブかァ? お前の願いってなァそんなチャチぃモンだったのかァ?』
「愚問ですダイアモード。私はまだ動ける、戦える」
 煽りとも叱咤とも取れる邪剣の言に、己を奮い立たせるかの如く応えながら前を見据える。願いを投げ出すつもりなど毛頭無いとばかりに。
「――その境遇に同情しよう」
 見据えた先には白銀の影。白き中華服をその身に纏ったオリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)の姿。一歩踏み込むと共に、前方の怪人を見据えて言葉を紡ぐ。
「その心情を理解しよう」
 更に一歩。伴い、周囲の大気がばちり、と弾ける。オリヴィアの身に纏わるかのように、小さな雷電が迸る。
「その決断に至るまでの苦悩――察して余りある」
 足を止め、真っ直ぐに正面の怪人聖女を見据える。その視線に籠る意志の程を、ウシュムガルは直ちに察する。
「――だからとて、其処を退く意志は無いのでしょう?」
 確認めいた問い。答えは、オリヴィアの表情が物語っている。
「無論だ。――断じて、容赦はしない」
 ばちりと電荷が弾ける。迸る紫電が、勢いを増す。オリヴィアの覇気の高まりを示すが如く。
 最早、言葉などという微風では、眼前の彼女――荒れ狂う暴風と化した彼女を止めるなど叶い得ぬ。元よりそう感じてはいたが、対面すれば尚の事実感する。故に。
「――貴様の願い、雷霆となりて打ち砕く!」
 力強く宣ずると共に、爆発的な勢いで総身を紫電のオーラが包み込む。絶え間なく響く電荷の破裂音は、やがて雷鳴にも似た低く轟く音となる。
「――そうはいかない」
 無論、ウシュムガルも退きはしない。邪剣携えた右手を半身と共に引き、左手を前に出す構えを取る。周囲で大気が渦巻き、やがて低く唸る気流となって怪人の総身へと纏わり流れる。
「私の願い――誰にも、邪魔は、させないッ!」
 叫ぶと共にウシュムガルの姿が消える。否。
(――来る!)
 人並み外れた視力と極限の集中力を以て、彼女の挙動を見据えていたオリヴィアは見る。超絶的なスピードを以て己へ迫り、斬りかからんとするスピード怪人の姿を。その速度、今し方の言葉すらも置き去りとしてしまいかねぬ程。
「――ッ!」
 左へ身を捻り攻撃を躱す。なれど其は思考を介さぬ咄嗟の動き。第六感からなる心眼が齎した警告というべき、理論を超えた半ば無意識の行動。
 それでも、中華服の脇腹が裂け鮮血が噴き出す。此処までの備えを以てしても躱しきれぬ程の速度。否、此処まで備えたが故にこそこの程度で済んだとも言えようか。後コンマ1秒でも遅ければ、オリヴィアの上下半身は泣き別れとなっていたやも知れぬ。それ程の極限的回避行動だ。
 そして当然、これでは終わらぬ。空中へと飛び上がったウシュムガルは、旋回の後に急降下。今度こそオリヴィアを仕留めんとばかりに邪剣を構える。
『ヒャヒャヒャヒャヒャ! こいつで吹き飛んじまいなァ!!』
 高らかに嗤うダイアモードがウシュムガルによって振るわれれば、巻き起こるは黒き暴風。オリヴィアのすぐ傍らへ、激しい竜巻が巻き起こった――!
「何のこれしき……! おおおおおお……!!」
 人間どころかキャバリアすらも容易く巻き込み粉砕しかねん程の猛烈な暴風、なれどオリヴィアは踏ん張る。
 渦巻く大気は刃となり、オリヴィアの全身を引き裂く。夥しく流血しながらも、身構えるオリヴィアの身は小動ぎもせぬ。不退転の覚悟が齎す勇気が、ともすれば死をも招き得る大竜巻を前に醸される恐怖を捩じ伏せる。
 止めを刺さんと迫り来るウシュムガル。其を真っ直ぐに見据え、オリヴィアは吼える!
「疾風と迅雷、どちらが勝るか――いざ、勝負!!」

 雷霆が轟く。総身を覆う雷気が猛烈に噴き上がる。さながら、逆しまの落雷かのように。
 あまりにも激しい雷霆はオリヴィア自身の身すらも焼き焦がし、更なる痛みを齎すが。極限の集中下にある精神は痛みの齎す訴えを棄却する。
 ウシュムガル、邪剣を突き出す。狙うはオリヴィアの胸、心ノ臓。
 オリヴィア、右脚を振り上げる。伴って身を捻る。以て、刺突は左肩口にて受ける形となる。
 振り上げられた脚が、ウシュムガルの腹を捉え――直後、右脚より紫電が爆ぜると共に、雷霆が咆哮する!
「――ぉおおおおおおお!!!」
 迸る閃光がウシュムガルを貫く。刹那の間に放たれし蹴撃、実に九撃。邪悪を焼き尽くし、堕した聖女を粉砕せんとする、轟雷そのものの蹴撃であった。

大成功 🔵​🔵​🔵​

ルシア・ナドソコル
【心情】
先日、『喋る武器』とも遭遇しましたが、何故彼女のことが浮かばなかったのか
いや、考えることを避けていたのかもしれませんね

何故ここまで至ってしまったのか、最早問答も不要ですね
「あなたがその生き方を貫くのなら、僕はそれを終わらせます」

【戦闘】
「気配察知」で来る方向を予測し、「武器受け」「霊的防護」でダメージを最低限に減少させる
ダメージに対しては耐えしのぐしかないので、「気合」で危険な攻撃が終わるまでは耐えるだけですね

「エンドブレイカーがこういう連中だということは、あなたが一番ご存じでしょう?」

攻撃を受けた瞬間に「高速詠唱」「凍結攻撃」で足止め
別にダメージを与える必要はない
一瞬動きを止めることができればそれで十分

「カウンター」「武器落とし」のUCで反撃し、「部位破壊」で足を攻撃

全速力を封じたのなら、後はその似合わない仮面を「叩き割り」ます

「あなたの今の仲間には申し訳ないですが、復活はさせません」
「あなたがかつて幸せにしたかった人たちは、決して不幸な目に遭わせませんから」



(――何故、彼女のことが思い浮かばなかったのか)
 全身を引き裂かれ、焼き焦がされ。最早致命傷とも見える程の傷を負いながら、尚も立ち上がるウシュムガル――ゼファー。彼女を前として、ルシア・ナドソコル(自由と冒険を求めて・f39038)は沈痛げに一時、目を伏せる。
 此度の戦より少し前、エリクシルによって再現された『喋る武器』と遭遇していたルシア。喋る武器といえば、その担い手として真っ先に想起されるのは、今目の前にいる彼女の筈。であるのに。
(――いや、考えることを避けていたのかもしれませんね)
 救いたかったのに、救えなかった。彼女に対しそんな悔恨を抱くエンドブレイカーは少なくない。故に、努めて彼女のことを忘れようとしていたのかもしれない。それこそ逃避であると、分かっているのに。
 だが、眼前にこうして彼女が再び現れた以上。向き合わないわけにはいかない。彼女が、此処まで至ってしまった以上は。
「まだ……です。私は、まだ、戦える……!」
『ヒャヒャヒャ! やっぱお前パねェわ! そんなになってもまだ立つんだからなァ!』
 煽るようなダイアモードの声を受けつつも、絞り出すような声で己の意志を言葉とするウシュムガル。その様相、やはり問答は無用と見える。数瞬、哀しげな視線を向けたルシアだが、すぐに気を取り直す。
「――ゼファーさん」
 決意を込めた声音で呼ぶ。彼女のかつての名を。己の知る彼女の名を。
「あなたがその生き方を貫くのなら」
 構えるは、錆の浮いた重厚なる斧剣。かつてより愛用してきた、故郷の悪しき王の遺産。
「僕は、それを終わらせます」
 鋭く、かつて聖女であった怪物を見据える。今や世界を破滅に追い遣りかねぬ彼女を、放っておくわけにはいかない。それだけは確かなことだから。
「終わりはしない……終わらせはしない」
 対するゼファー、邪剣を構える。深く傷つけど尚、その切っ先のぶれる事は無く、構える四肢にも力滾る。其は、消えゆく焔の最期の輝きにも似て。
「私の願い、今度こそ――誰にも、邪魔は、させないッ!!」
 叫ぶと共に、構えたルシアの斧剣に衝撃。そのまま吹き飛ばされそうになる身を、何とか踏ん張る。
「ッ……! 流石に、速――ッ!」
 既に、正面にウシュムガルの姿は無い。想定していたとは実感すれば改めて驚愕を覚えるが、その暇すら無い。左方に気配を感じ、其方へ斧剣を構え――た直後、再度の衝撃。加え、左上腕に裂ける痛み。斬られた。霊的防護が無くば、丸ごと持っていかれていた処だろうか。
(成程、手強い……ですが……!)
 好機が巡ってくるまでは耐えるしかない。そう判じ、ルシアは只管防御に徹する。防ぎきれぬ刃が身を裂き、傷を刻む。痛みを気合で堪え、意識を繋ぎ留め。好機の巡りを待つ。
(ぐ……流石に、これは……!)
 幾度目かの攻撃を凌いだ時、脇腹を深く裂かれた。それまで以上の出血。左脚が崩れかける。構えのよろめくを、攻勢続ける怪物は逃がさない。
『ヒャヒャヒャヒャ! 辛そうだなァお前! 今、楽にしてやるよォ!』
 ルシアの有様を嗤うダイアモードに従うかのように、ウシュムガルはその邪剣を振るいルシアへ斬りつける。狙うは首筋、首を断つことを以て終わらせようと――
「――まだです!」
「!?」
 驚愕するウシュムガル。間違いなく捉えた、その確信と共に振るった剣が、ルシアの斧剣の斧部分にて防ぎ止められていた……!
 否、ウシュムガルの驚愕はそれだけではない。脚が、凍り付いている……!?
「漸く、捉えましたよ……!」
 会心の表情を見せるルシア。攻撃の瞬間に氷魔法を行使、一瞬でもウシュムガルの足を止めさせるという策は、土壇場の場面で遂に成功した。
『な……っ!? テメェ、諦め悪すぎだろうが!?』
 よもや、此処まで策を捨てずにいたとは。あまりの驚愕に悪態が漏れるダイアモード。
「それは勿論――ゼファー、あなたはご存知でしょう?」
 ルシアが動く。斧剣を握る手の手首を返し、剣の部分を以て狙う先は。
「エンドブレイカーは、こういう連中ばっかりだということをね」
 振り抜いた剣が捉えたのは、剣――即ち、ダイアモード。最初から武器を狙ったその一撃は、ダイアモードに致命的な衝撃を齎して。
『ガ――ッ!? や、待て、待てよオイ……! 俺はまだ、まだもっと――』
 瞬く間に全身へと罅の走る、ダイアモードの刀身。断末魔めいた叫びを残して、その邪剣は柄だけを残し粉々に砕け散っていった。
 その反動を利して、斧剣が打つのはゼファーの右膝。足を殺し、速度を殺す一撃を其処に受ければ、さしものスピード怪人も最早走ることは叶わない。
「あ……っぐ、ぅ……」
 最早走り出すこともできず、石畳に膝をつくウインドゼファー。得物ダイアモードも失った今、己の勝利の可能性は最早潰えた。心折れたその身は、少しずつ消滅を開始する。
 そんな彼女の前、ルシアは再び斧剣を振り上げ――面を打つ。彼女の顔を覆いきっていた、ウインドゼファーとしての仮面を。ルシアの知るゼファーには似合わぬ、その仮面を。
 瞬く間に罅が入り、砕け落ちる仮面。その下から現れた顔は――ルシアの知る彼女からは少々大人っぽくなってはいるものの、その造形は間違いようがない。『革命聖女ゼファー』――かつてルシア達エンドブレイカーが手を取り合わんとしていた彼女、そのものであった。
「あなたがかつて幸せにしたかった人達は、決して――不幸な目には遭わせませんから」
 呆然と己を見つめるゼファー、その哀しいまでに澄んだ瞳を見つめながら、ルシアは告げる。今の仲間の蘇生という願いを叶えさせるわけにはいかぬが、今を生きる人々を守るならば、と。
 返答は無いまま、消滅してゆくゼファー。完全にその身の消え去るその瞬間――安堵したような笑みを浮かべたように、ルシアからは見えたかもしれない。
 ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー、かつて革命少女と呼ばれた少女は、今度こそ紆余曲折のその生に幕を下ろしたのである。



 以て、猟兵達は11の怪物が一柱『ウシュムガル』を殲滅。
 果たして、残りの時が過ぎるまでに、どれだけの怪物達を滅ぼすことが叶うだろうか――

大成功 🔵​🔵​🔵​



最終結果:成功

完成日:2023年09月16日


タグの編集

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🔒
#エンドブレイカー!
🔒
#エンドブレイカーの戦い
🔒
#ウシュムガル・ザ・ウインドゼファー
🔒
#天翔回廊ヘイズワース
🔒
#ウインドゼファー


30




種別『ボス戦』のルール
 記載された敵が「1体」出現します。多くの場合、敵は、あなたが行動に使用したのと「同じ能力値」の戦闘方法で反撃してきます。
 それらを踏まえつつ、300文字以内の「プレイング」を作成してください。料金は★0.5個で、プレイングが採用されなかったら全額返金されます。
 プレイングが採用されたら、その結果は400文字程度のリプレイと「成功度」で表現されます。成功度は結果に応じて変化します。

 大成功🔵🔵🔵
 成功🔵🔵🔴
 苦戦🔵🔴🔴
 失敗🔴🔴🔴
 大失敗[評価なし]

👑の数だけ🔵をゲットしたら、次章に進めます。
 ただし、先に👑の数だけ🔴をゲットしてしまったら、残念ながらシナリオはこの章で「強制終了」です。

※このボスの宿敵主は💠山田・二十五郎です。ボスは殺してもシナリオ終了後に蘇る可能性がありますが、宿敵主がボス戦に参加したかつシナリオが成功すると、とどめを刺す事ができます。
※自分とお友達で、それぞれ「お互いに協力する」みたいな事をプレイングに書いておくと、全員まとめてひとつのリプレイにして貰える場合があります。


挿絵イラスト