エンドブレイカーの戦い⑬〜オペレッタグラン灼熱会談〜
実験都市オペレッタグラン。
女手一つで作り上げられたという噂がある、今回の戦争に乗じてランスブルグに改造エリクシルを送り込んだ都市国家だ。
「その地を統治している女の名は『グラン・ギニョール』。……猟兵がかつてアルダワで対峙したことがある、『銃に変身出来る、喋る大槌』遣いです」
当時アルダワ攻略に参加していたものの右の区画の攻略を終始していたために彼女との接点がないルウ・アイゼルネ(滑り込む仲介役・f11945)は他のグリモア猟兵が記した報告書を読んだ上で、集まった猟兵に話しかけた。
「彼女は存在そのものが世界の危機と呼ぶにふさわしい戦闘能力を秘めている『戦略級殺人鬼』と呼ばれております。さらに今回は11の怪物が1柱『ウガルルム』と1つになったことで、対峙する者の五感を奪う『世界破壊の灼熱』を操れるようになっているようです」
かつて彼女はアルダワでの戦闘で現場となった地下火山を猟兵達に有効活用されて苦汁を舐めさせられた。だからこそ今回、彼女は全てを焼き尽くす炎を操れる存在をその身に宿したのかもしれない。
「今回は焼け付くような熱を利用するのではなく、克服することが鍵となります。とはいえ、五感を強制的に奪われるということはあらゆることが出来なくなるということでもあります」
何も見えず、何も聞こえず、何の香りも認識できず、何に触れているかの感覚を失う。
普段戦闘で何気なくやっている、目で自分がどこにいるのか、武器を持っているのかの状況を把握して、地面を踏む音や風に乗ってきた匂いで相手の動きを読む、それら全ての情報が不意に喪失する———視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の全てを失うというのは言うだけは簡単だが、非常に過酷な事柄なのだ。
そして今回グラン・ギニョールと対峙することを選んだ猟兵は自分自身がやりたいことを出来ているかが分からない闇の中で怪物を身に宿した怪物との戦いを強いられることとなる。
「自分が圧倒的に有利な状況を作った上で彼女は大量に製造した宝石災魔を放ち、物量で我々を完封しつつ足りないピースを埋める気です」
グラン・ギニョールはオペレッタグランの建設を終えるとかつてアルダワ魔王戦争の際に倒し尽くされた宝石災魔を再生産し、更なる研究を進めていた。超生物エリクシルはその過程で生まれた副産物と見られる。
宝石災魔は猟兵達が最初に認識したバージョンから3年の月日のうちに幾度ものアップデートを果たしたものの、未だ完全な「世界移動能力」を得ていない。
ただ3年経っても出来てないならもう少し泳がしても……と放置する余裕はもう無いだろうとルウは推測する。
そして彼女はオペレッタグランの最奥にある研究庫で眠っていた宝石災魔を全て解き放ち「猟兵と戦わせる」ことで宝石災魔の進化とグリモアベースに繋がるデータを何とか得ようとしているようだ。
「研究の方は強硬策を選ぶくらい煮詰まっているというか行き詰まっているようですが……だからといって彼女の攻撃は精細を欠いているなんて都合の良い話があるわけがなく、一度でも食らえば致命傷を受けるレベルは健在という」
俯いたルウは深く大きなため息をつく。
「ただ進むにしろ引くにしろどちらにしても行き着く結果が同じならば……我々に宣戦布告するついでに襲われた格好になったランスブルグが味わった苦しみを、利子をつけてお返しした方がいいだろう、という結論に至りました」
再び顔を上げたルウは見た者の背筋が凍るような笑みを浮かべて、猟兵達に語りかけた。
「それでは皆様、『お話』をしに参りましょうか」
平岡祐樹
お疲れ様です、平岡祐樹です。
このシナリオは戦争シナリオとなります。1章構成の特殊なシナリオですので、参加される場合はご注意ください。
今案件にはシナリオギミック「『世界破壊の灼熱』による五感の喪失に対処する」「解き放たれた『宝石災魔』を1体残らず倒す」がございます。
これに基づく対抗策が指定されていると有利になることがありますのでご一考くださいませ。
第1章 ボス戦
『ウガルルム・ザ・グランギニョール』
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POW : ウガルルム・リコシェ
【無数の拳銃】から発射した【致死量の「世界破壊の灼熱」を封入した銃弾】を、レベル回まで跳弾できる。跳弾回数に比例して命中率・致死率が向上。
SPD : ウガルルム殺戮劇場
【無数の拳銃の弾丸、または超重ハンマー】が近接範囲の対象に絶対命中する。元々の命中率が低いと威力減。
WIZ : ウガルルム・ハンマーインフェルノ
高速で旋回する【「世界破壊の灼熱」の渦】を召喚する。極めて強大な焼却攻撃だが、常に【ハンマーの回転】を捧げていないと制御不能に陥る。
👑11
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白石・明日香
雲霞の如くとはこのことか?デカ乳ごと纏めてた叩き落してやる!
五感が失われたら面倒だな・・・避けられるならその動きから軌道を見切って躱ししくじったら奴と嘗て戦った経験を生かして第六感で奴の挙動を把握するしかないな
・・・・・・
宝石災魔共は動き出す前に先制攻撃、範囲攻撃、鎧無視攻撃でデカ乳諸共吹き飛ばす!
間に合わない場合はオーラ防御、激痛耐性で耐えてやっぱり吹き飛ばす!
デカ乳めいくら脱ごうが勝率は上がらんと分かったか!!
負けるわけにはいかねぇんだよ!!
「五感が失われたら面倒だな……」
剣豪である白石・明日香(
欠片が集う・f00254)はウガルルムによってもたらされた障害に眉を顰めた。
避けられるならその動きから軌道を見切って、躱ししくじったらグラン・ギニョールと嘗て戦った経験を生かして第六感で奴の挙動を把握するしかないな……と腹を括った明日香は大剣を背負ってオペレッタグランに足を踏み入れた。
「……ん?」
自分以外の足が床を叩く音がして、自分よりもはるかに大きな扉の前で立ち止まって振り返ったグラン・ギニョールは笑みを見せた。
「よう、また会ったな」
「ありゃりゃ、アルダワからここまで追ってきたってのかよ? フットワーク軽過ぎっていうか、他にやることねぇのっていうか」
「グリモアベースを直接狙おうなんて輩は最優先討伐対象だ。……にしても随分と解放的な装いになったな、研究が上手くいかな過ぎて裸族になったか」
今のグラン・ギニョールが身につけているのは黒いボンテージスーツやブーツではなく、龍の四肢や鱗を連想させる宝石だった。
明日香の指摘にグラン・ギニョールは思わず噴き出し、そのまま大笑いし出す。
「ははっwww力を得るには代償ってもんが必要なんだよ! ……でもちょっとだけ掠ってるかな」
内側から叩かれた金属製の扉が変形し、次々に突起が生成される。そして轟音と共に壊れた大扉から大量の宝石災魔が飛び出してきた。
「バージョンアップしたグリモアベース探索災魔にあんた達のデータを取り込ませてくれよ! そうすりゃ1つ上のステージに上がれそうなんだよ!」
「雲霞の如くとはこのことか? デカ乳ごと纏めて叩き落してやる!」
グラン・ギニョールの姿どころか通路全体を覆い隠す量の宝石災魔を前に、明日香は素早く剣を抜いて地面を叩こうとする。
しかし災魔の影でグラン・ギニョールは銃弾を放ち、通路中を跳ね返らせることでこの場にいる明日香の五感を奪ってみせた。
「デカ乳めいくら脱ごうが勝率は上がらんと分かったか!! 負けるわけにはいかねぇんだよ!!」
だが一度振り上げた動きを辺りが急に暗くなって無音になったところで止める必要はないと、構わずそのまま続けようとする明日香に向けて宝石災魔は「首」を放ち、手から大剣を弾き飛ばした。
触覚が消えたことで痛覚も失われた明日香は大剣が無くなったことに気づかない。
『纏めて吹っ飛べぇ!!』
だが鍛え上げてきた己が体もまた「武器」であった。「首」に噛まれたことで血を流す両の拳が床に叩きつけられた瞬間、敵の真下から噴き出した衝撃波がオペレッタグランを揺らす。
巻き込まれた宝石災魔が墜落し、グラン・ギニョールが放った致死量の弾丸を押し潰す。だがその中に封入されていた世界破壊の灼熱はしっかりと全体に展開された。
成功
🔵🔵🔴

リカルド・マスケラス
「『世界破壊の灼熱』、もう名前だけで戦略級って感じっすよね〜。うん、めっちゃ怖いっすね」
と呑気な事を言っている狐のお面がバイクに乗って登場。【破魔】【浄化】を込めた【結界術】で灼熱を防御して五感の完全喪失は防ぐ
「それじゃ、反撃行くっすよアルタイル!」
宇宙バイク搭載のビーム砲やミサイルで【なぎ払い】宝石災魔は蹴散らし、鎖分銅を射出して【怪力】【ロープワーク】で相手の腕を拘束してハンマー回転を止めさせる
「さて、舞台とキャストは整ったっすね」
UCで倒した宝石災魔を復活させ、襲い掛からせる。そのうちの1体には直接自分が憑依して戦闘能力を上げて戦う
「相手を利用するなら、されることも承知の上っすよね」
「『世界破壊の灼熱』、もう名前だけで戦略級って感じっすよね〜。うん、めっちゃ怖いっすね」
呑気な事を言う狐のお面——— リカルド・マスケラス(希望の仮面・f12160)を直に乗せたバイクはグラン・ギニョールを探す道すがら、オペラッタグランを疾駆する。
そんな中、向かっていた方から焼けつくような熱波が飛んできた。
リカルドは破魔と浄化の力を込めた常に結界術を展開することで灼熱を防御して五感の完全喪失を防ごうとしていた。しかし結界を突き抜けてきた熱が視界を眩ませ、アルタイルのエンジン音を消し、フワフワと浮かぶような錯覚を引き起こす。
それでもアルタイルは転倒することなく熱波が飛んできた方へ全力で突っ込んだ。
熱波の発生源には大勢の宝石災魔達と巨大なハンマーを楽しげに振り回すグラン・ギニョールの姿がある。だが熱波で眩んだリカルドには何かキラキラした物が明滅しているようにしか見えなかった。
「それじゃ、反撃行くっすよアルタイル!」
それでも何かが光って近づいているなら、それはきっとエリクシルだとリカルドは攻撃を断行する。
アルタイルに搭載されたビーム砲やミサイルが宝石災魔を蹴散らし、射出された鎖分銅がハンマーを回すために両手を代わる代わる掴んでは離しを繰り返していたグラン・ギニョールの動きに乗じて手首に巻きつく。
「うわ、絡まった!!」
『バカ、調子に乗りすぎだよ』
「うるせぇババア! 回してなきゃ渦が解けちまうだろ!?」
グラン・ギニョールの言う通り、ハンマーの回転が止まったことで辺りを焼き払っていた世界破壊の灼熱の渦が消滅する。だが眩んだ視界は原因が無くなったからといってすぐには元に戻らない。
「さて、舞台とキャストは整ったっすね」
だが停車したアルタイルの周りにはビーム砲やミサイルの直撃を受けて機能を停止した宝石災魔達が転がっている。
『ちょーっとだけ、使わせもらうっすよ』
リカルドの目が怪しく光ると倒れていたうちの1体がむくりと起き上がり、アルタイルからリカルドを拾い上げて自分の頭に飾った。
すると伸び放題だった髪は一気に藍色に染め上げられ、無機質だった赤い眼が感情豊かに動き始めた。
「あー、視界がクリアになったっす。見えるっていいっすねぇ」
灼熱の中でも平然と稼働出来る宝石災魔の視界を借りれば、当然視界は戻ってくる。
四苦八苦しながら鎖を解いたグラン・ギニョールは苦々しげにリカルドを見た。
「オマエ……あたし達の作品に取り憑こうなんてふてぇ神経してんな? 逆に乗っ取られることだってあり得るってのに」
「相手を利用するなら、されることも承知の上っすよね。それに……こんなのに飲まれるほど耄碌してるつもりはないっすから」
アピールするように3色の「首」を生成してみせたリカルドの周りにいる宝石災魔達が続々と起き上がる。
「自分らを出し抜くなんて世界移動能力のついでで出来るとは思わないことっすね? さあ、行ってこいっすよ!」
完全に掌握された宝石災魔達はリカルドの号令に従って、自らを作った者へ襲いかかった。
成功
🔵🔵🔴

アリス・セカンドカラー
お任せプレ、汝が為したいように為すがよい。
『夜』に
変身して
私の“定義”した“理”の支配する領域……
不可思議なる真なる『夜』の領域を展開する。
五感を喪失しようが領域そのものを支配してしまえば関係ないわ。
そして指定UCの
エロいトラップ生成能力なら武器の形態変化に対する遠近両用に対応できる。
ああ、領域内の私は端末でしかないから
即リポップするわよ。
えっちなのうみそおいしいです❤
『私は私の“
理”が支配する領域を展開する。エロい罠魔法で弄んであげるわ♡』
『夜』に|変身したアリス・セカンドカラー(不可思議な腐敗の
混沌魔術師艶魔少女・f05202)は
自身が“定義”した“理”の支配する領域……【
不可思議なる真なる『夜』の領域】を展開する。
そしてその中で蠢くエロティックの意味だけでなく「エゲツない・ろくでもない・いやらしい」の頭文字を取った罠の数々が宝石災魔に襲いかかった。
「うっわ……」
宝石災魔を絡め取り、その全身を弄る触手にグラン・ギニョールは分かりやすく表情を曇らせる。
宝石災魔がもしも性感帯を擁していたら喘ぎ声や嬌声の類をあげていたかもしれないと想像でもしたのだろう。
『なに考えてんだいあんたは。もし自分があれに巻き込まれたらー、なんて下世話な想像をして発情でもしてんのかい?』
「そ、そんな訳ねぇだろババア!! いいからさっさと銃になれ!」
ハンマーからの指摘に顔を真っ赤にしながら反論したグラン・ギニョールはその姿を何百丁の銃に変える。そして致死量の「世界破壊の灼熱」が封入された弾丸を一斉に発射した。
性感帯を持たぬ宝石災魔は平然と反抗を試みているが、闇の中で蠢く罠を振り解くことが出来ずにされるがままになっている。
そんなひ弱な奴はいらないとばかりに弾丸は宝石災魔の体を砕きながら跳弾して亀甲縛りに強制的にする縄を千切り、服だけを溶かすスライムを蒸発させ、感覚を一時的に遮断する毒が仕込まれた触手入りの落とし穴を陥没させる。
そしてそのうちの1つがアリスの頭を貫いたが、その小さな骸が闇に溶けていくように消えると別のところからアリスがひょっこり顔を出した。
「チッ、射止めたと思ったのによ」
グラン・ギニョールは五体満足な様子のアリスに思わず舌打ちする。対してアリスは絶望的な事実を軽い調子で明かした。
「ああ、領域内の私は端末でしかないから即リポップするわよ」
今のアリスはオペラッタグランを覆い隠す闇そのもの。どれだけ相手の五感を喪失させる弾丸が体内で飛び交おうが、領域そのものを支配してしまえば関係ない。
「なんだよそれ……!」
『相も変わらずめちゃくちゃだねぇ、猟兵は」
歯を砕いてしまいそうな勢いで歯軋りするグラン・ギニョールの手の内で銃は嘆息する。もし義体があったら、両手を挙げて肩を竦めていたところだろう。
ただどの罠も拘束して牙を剥く前に弾丸に射抜かれて壊されてしまってはどうしようもない。
「でもこれじゃあ『おいしいのうみそ』は食べられそうにないわねぇ」
心底残念そうに言うアリスに、グラン・ギニョールは一転して背筋が凍るような感覚に襲われた。
苦戦
🔵🔴🔴
クローネ・マックローネ
絡みOK、アドリブ歓迎
【POW判定】
グラン・ギニョール…?
彼女って、そんな名前だったっけ?
いや、でも確かに以前猟兵達と交戦した時にはこの名前だったよね
…なんで違うって思ったんだろう?
五感の喪失については、五感とは異なる感覚である【第六感】で感じ取るようにするよ
更に【気配感知】【野生の勘】【幸運】【戦闘知識】も組み合わせるよ
相手の攻撃が命中した場合は【激痛耐性】で耐えるね
UCは「ワタシの暗黒三人集」を使用
召喚した三人の連続攻撃で"二人"に攻撃をしつつ、宝石災魔を一体一体確実に倒すよ
【召喚術】で呼んだ子達による【集団戦術】、受けてもらうね
猟兵でない、それも"見知った存在"の戦闘データって、いる?
「グラン・ギニョール……? 彼女って、そんな名前だったっけ?」
クローネ・マックローネ(快楽至上主義な死霊術士・f05148)は頭の中に響き続けるノイズに顔を顰めていた。
跳弾し続けて辺りに灼熱をばら撒く弾丸のせいで周りは真っ暗闇で、主要な感覚はどんどん喪失していって、視界が遮断される前に最後に見えた肌が茹だって泡立っていたほどに暑くなっている。
でもこのノイズは、それらのせいではないとクローネは感じていた。
「いや、でも確かに以前猟兵達と交戦した時にはこの名前だったよね。……なんで違うって思ったんだろう?」
何とも言えない違和感を飲み込んで、五感とは異なる感覚である第六感を解放させる。すると引き金を引くグラン・ギニョールの気配を感じ取れた。
しかし跳弾している弾丸までは把握出来ていない。不定形とはいえ、当たったら大変なことになる弾丸がここまで擦りもしてないのは単純に運が良いだけだろう。
だからこそ、その運が尽きる前にグラン・ギニョールを止めなくては。
『何処かの世界で活動していたらしい無名の霊達…。何処から来たかは知らないけど、その力、借りるね。』
クローネによって呼び出された狂える武人は最強になるために突き詰めた体術で、殺人鬼は最適化された殺人技芸で、悪魔兵は変形した腕を用いた射撃術で、宝石災魔を落としては叩き壊しつつグラン・ギニョールまでの距離を詰めていく。
「おいおいアンブレイカブルにデモニックヒューマンって、まさか
あいつらもグリモアベースに繋がったってのか!?」
『それにしては私達の名前を皆知らないじゃないか、何人か言ってきた奴はいたが……何かカラクリがありそうだねぇ? 他の世界にも似たような奴がいたとか』
「……確かに、それはあり得なくはねぇか」
その3人の姿にグラン・ギニョールは自身の目を疑いながら謎の固有名詞を呟き、銃は面白がるような感想を発する。
それらの声が灼熱によって未だに聞こえていないクローネは、どこにいても聞こえるように大声で呼びかけた。
「ねぇ。猟兵でない、それも"見知った存在"の戦闘データって、いる? ……あれ、なんでグラン・ギニョールが知ってるって思ったんだろ」
自分自身何を言っているのかが分からなくなってどんどん尻すぼみしていった、最後の自分自身への問いかけは絶え間なく続く銃撃音によってかき消される。
「……正直、猟兵になってねぇならいらねぇかな」
最初の、自分への問いかけだけは聞こえたグラン・ギニョールは答えても意味がないことを分かっていつつも律儀に返して、見覚えのある姿をした3人に銃口を向けた。
成功
🔵🔵🔴

アリス・セカンドカラー
OK、エナジーヴァンパイアに
変身して|コンティニューよ。
タイムフォールダウンで
時間質量を圧縮して凍結した時の牢獄が汝らを戒めるだろう。
五感を喪失は
雷鳴雷撃を応用したレーダー術式で補う。
天変地異で宝石災魔を蹂躙。
さて、銃にもハンマーにも
通電物質はあるのよねぇ、神経も通電物質なのよねぇ。サクッと
憑依して
えっちなのうみそおいしいです❤
跳ね返った1つの弾丸が3つの幻影を貫き、そのエクトプラズムを霧散させる。
するとグラン・ギニョールの周りを取り巻いていた闇が不意に晴れ、照明の光が戻ってきた。
『おや、闇が晴れたね』
「ちょっとだけ待て、あの影が原因じゃなかったよな?」
天井に吊るされていた宝石災魔の残骸が落ちてきたところで、グラン・ギニョールは怪訝な表情で視線を動かす。その先には不機嫌そうな顔で手を挙げるアリスの姿があった。
「世界破壊の看板を舐めすぎていたわ。OK、エナジーヴァンパイアに変身してコンティニューよ」
一旦
『夜』から体を元に戻したアリスへグラン・ギニョールはすかさず世界灼熱の渦を展開し直し、罠から解放された宝石災魔と一緒に襲いかからせる。
「タイムフォールダウン、時間質量を圧縮して凍結した時の牢獄が汝らを戒めるだろう」
しかし暴力的な技能による拘束がグラン・ギニョール達にのしかかり、その動きを封じる。その結果、渦は消し飛んだが残滓たる熱は通路内に充満してアリスの五感を奪う。
しかし電気に変じていたアリスは自分の体を媒介にすることでレーダー術式を生成して当座を凌ぎつつ、周囲に蔓延る宝石災魔を天変地異めいた雷撃で一掃した。
「さて、銃にもハンマーにも通電物質はあるのよねぇ、神経も通電物質なのよねぇ」
宝石災魔だった残骸の上をすり抜けながらアリス何やら呟きながらグラン・ギニョールへ電光石火の勢いで接近する。
グラン・ギニョールは体にかかり続ける重圧に負けじと歯を食いしばってハンマーを振り上げ、アリスに叩きつけようとする。
アリスは避け切れずに潰されるようにみせかけてその中にサクッと潜り込んだ。
『他者に寄生しエナジーを喰らうモノ。通電物質内を移動可能なら、準静電界やインパルスを通じて神経に憑くことも出来るわよね❤』
『おおう、硬くなった体によく効くねぇ……って、アンタ何白目剥いてんだい!』
「あががががっが」
ハンマーは電流で筋肉をほぐされた時のような呑気な感想を発したが、柄を通じてアリスの侵入を許したグラン・ギニョールは泡を吹きながらその場にへたり込んだ。
そして股下から溢れ出た感触に満足そうな面持ちを浮かべたアリスはグラン・ギニョールの体から跳ねるように離れると、自らの唇に指を当てながら宙を漂った。
「えっちなのうみそおいしいです❤」
大成功
🔵🔵🔵
空桐・清導
【ブレイズ・ハート】SPD
アドリブ大歓迎
エド(f39970)と参戦だ!
「五感を失う灼熱ね、厄介だが対処は出来る!
オレは雑魚散らしと牽制に専念する。エド、遊撃を任せた!」
戦場に入った瞬間、熱で五感を失いかける
が、光焔を全身に滾らせる
「灼熱によって五感がなくなるなら、それ以上の炎を纏えば良い!」
馬鹿げた理論で世界破壊に対抗
UCを発動し、飛翔
これで絶対命中は難しくなったな!
「喰らえ!ワールド・パニッシャー!」
全宝石災魔に光焔を叩き込み撃破
ウガルルムには強化した光焔を叩き込んでエドをサポート
その間に[力を溜める]
「コイツで決まりだ!
超必殺!シルヴァリオ・パニッシャー!」
極太の火焔砲をウガルルムに放つ!
エドワルダ・ウッドストック
【ブレイズ・ハート】POW
アドリブ歓迎
清導(f28542)と共に参戦しますわ。
グリモアベースに魔の手を伸ばすなど、見過ごせませんわ!
ここでぶっ潰させてもらいます!
五感を失わせる世界破壊の灼熱。脅威的ですわね。
でもそんなの知ったことではありませんわよ!
任せますわ、清導!
鮫鉈を振り回し、銃火器を乱射して、無差別に攻撃を繰り出します。
敵が迫ってきてくれるなら好都合、遠ざかるなら清導が潰すでしょう。
跳弾したリコシェが当たろうとも……即死を間逃れれば問題はありませんわよ!
《聖餐拵》!
陽の光が届かないここならば、負傷を捨てて自己再生し放題ですの!
清導が必殺技を放つ猶予を稼ぐべく、大暴れして遊撃しますわ!
「五感を失う灼熱ね、厄介だが対処は出来る! オレは雑魚散らしと牽制に専念する。エド、遊撃を任せた!」
「任されましたわ! グリモアベースに魔の手を伸ばすなど、見過ごせませんわ! ここでぶっ潰させてもらいます!」
空桐・清導(ブレイザイン・f28542)とエドワルダ・ウッドストック(金雀枝の黒太子・f39970)は並走しながらオペラッタグランへ突入する。
人が住むためというよりもエリクシルの研究や宝石災魔の製作に必要な電力や素材を作る施設ばかりが立ち並ぶ中、ぽっかりと門戸を開いていた通路に入った瞬間、奥から五感を失う熱波が2人を襲った。
「五感を失わせる世界破壊の灼熱。脅威的ですわね。でもそんなの知ったことではありませんわよ! 任せますわ、清導!」
「おう! 灼熱によって五感がなくなるなら、それ以上の炎を纏えば良い!『レイ!無敵機械のデータをロードしてくれ!』」
前に出た清導の馬鹿げた理論を実現させるために、電子空間から転送された白銀の機械鎧がブレイザインの赤い鎧に被さるように装着される。
『よっしゃ、再構築完了!行くぜ、ブレイザイン・インビンシブルモード!!』
外部からのエネルギーを吸収して自身の物にする光焔を全身に滾らせることで清導は世界破壊の灼熱に抵抗した。
「清導さん、真正面からって本気で大丈夫ですの!?」
清導が放った光焔の鎧で熱波の影響から逃れたエドワルダは話しかけるが清導から反応が返ってこない。
エドワルダは前で仁王立つ清導の頭をがっしり両手で掴み、強引にこちらを振り向かせると清導は驚いた様子の表情を浮かべた。……触覚はある。
目の前で手を大きく振る、眼球が左右に揺れる。……視覚よし。
「清導さん?」
「……ひょっとして話しかけてたのか? 悪い、ガチで聞こえてなかった」
聴覚、セーフ。あと検査対象は2つあるが、今は後回しだ。
「ならいいですわ。……件の熱波が噴き出しているということは間違いなく
奥にいますわね」
「そうだな、つまり……」
清導が言い終わるのを待たずに、奥から前線にいる猟兵達の攻撃をすり抜けてきた宝石災魔達が上がってきた。
「喰らえ!ワールド・パニッシャー!」
その場で跳んだ清導は溜めたばかりのエネルギーを消費することで生み出された光焔で天井ギリギリを飛んでいた宝石災魔達を薙ぎ払う。
そしてその下に陣取るエドワルダは鮫鉈を振り回し、銃火器を乱射して、無差別に攻撃を繰り返した。これで宝石災魔が清導よりも攻略が容易いと思ってこちらに迫ってきてくれるなら好都合、遠ざかるならそのまま清導が潰すだけだ。
そうしてジワジワと前線を押し出していった2人は宝石災魔達が保管されていたであろう、扉が破壊された大部屋の前ですでに交戦していた猟兵達と地面に置いたハンマーに力無くもたれかかるグラン・ギニョールの姿を見つけた。
『まったく……敵の攻撃を受けたからとはいえ、戦闘中に腰砕けになるとは呆れたもんだねぇ』
「るせぇババア……アレを受けてマッサージにしか感じてねぇのがおかしいんだよ……!」
一体何があったのか、顔を真っ赤にしながら息を荒くするグラン・ギニョールにハンマーは呆れ返ったような反応を示していた。……いや、本当に何があった。
……それはともかく、今こそ討ち取るチャンスだとエドワルダは清導に追加の光焔を付与してもらってから鉈と銃の二刀流で突っ込んでいった。
『ほら、追加が来たよ。これ以上バカにされたくなかったらしっかりと相手してやんな』
「言われなくとも分かってる!」
口では毅然と言い返すが、ハンマーが銃に形を変えたことで支えを失ったグラン・ギニョールはまるで生まれたての子鹿のように脚を震わせていた。
しかしその手に握られた銃から放たれる弾丸は確実にエドワルダの体を捉えた。
だがたとえ回りに回った
跳弾が当たろうとも……即死を間逃れれば問題はない。
誰にも天井を破壊されなかったことで陽の光が届かない
通路内ならば、負傷を捨てて自己再生し放題だからだ。
「『聖餐万歳! 自らの傷で倒れることはありませんわ』!」
清導が必殺技を放つ猶予を稼ぐべく、エドワルダはひたすら大暴れして遊撃に徹した。
どれだけ体に穴が開いても、弾丸が体内に残ってても、傷口を焼き固められても、数秒もしないうちに痕跡すらも分からなくなるほど綺麗に再生するエドワルダの姿にグラン・ギニョールは分かりやすく苛立ち始める。
そしてエドワルダ以外への注意はだんだんと薄くなり、理想通りの展開で事は進んでいく。
「コイツで決まりだ!」
そしてこの作戦のフィナーレを放つ清導の声を聞いてグラン・ギニョールに付き纏い続けていたエドワルダは軽快に距離を取る。
「待て! その体ハンマーで叩き潰」
「超必殺! シルヴァリオ・パニッシャー!」
そしてグラン・ギニョールだけが気づいていなかった極太の火焔砲が放たれた。
「しまっ……」
銃から聞こえた嘲笑混じりのため息も、通路に出来ていた水溜まりも総じて炎に飲み込まれて蒸発していく。
こうしてオペレッタグランの支配者であり、唯一の住民はいなくなった。
大成功
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