エンドブレイカーの戦い⑪〜指先が紡ぐもの
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「集合お疲れ様。エンドブレイカーでの戦争発生に伴って、皆に仕事をお願いしたいんだ」
そう声をかけるのはレン・デイドリーム(白昼夢の影法師・f13030)だ。
「今回向かってもらうのは骸殻工房ガルシェンと呼ばれる都市だね。ここは巨人達が住まう都市国家で、腕の良い鍛冶職人がたくさんいるところなんだ。皆にはこの都市で、巨人と一緒に武装を作って欲しいんだ」
ガルシェンの地上部には工房街が存在し、そこには多くの武器工房や防具工房が存在している。そちらに向かい、共に武装を作ろうという訳だ。
「目的は『11の怪物』の一体、バシュムとの戦いへの備えだ。バシュムは強力な毒液を放つから、無策で立ち向かうのは難しい。そこでガルシェンの人々と協力して対毒武装を開発、バシュムとの決戦に備えよう、っていう訳なんだけど……」
説明を続けるレンの顔には、なんともいえない苦笑いが浮かぶ。作戦の内容は問題ないように思えるが――。
「ガルシェンに住んでるのは身長8メートル巨人達なんだ。そして彼らの作る武具は巨人の体躯に合わせてある。つまり……ガルシェンの職人達にとって、猟兵サイズの装備を作るのって初めてのことなんだよね」
猟兵の中には大柄なものもいれば、小柄なものもいる。
そのサイズ感を伝える為には、猟兵が直接乗り込むしかない訳だ。
「武装作成のために出来ることは色々あると思うよ。実際のサイズ感や使用感のモデルになるとか、細かい作業を手伝うとか、アイデアを出すとか……自前の設備や武装を売り込むのもいいかもしれないね」
工房にある道具や設備は巨人サイズだが、武具作成に適した環境自体は用意されている。
職人達にアイデアを出したり、武装の試着をするだけでも役に立てるだろう。
とにかく巨人達がスムーズに武具を作れるようになれば、戦いへの備えとしては十分だ。
「職人さん達からすればキャバリアだって小さいもんね。フェアリーとかだと、本当に小指の先サイズかな……? なかなか想像がつかない作業だけど、職人さん達は乗り気だよ」
職人達は猟兵からの提案を積極的に受け入れ、望む武装を作ってくれるだろう。
後の決戦に備える為、現地の人と手を取り合うことも大切だ。
「説明はこのくらいかな。転移の準備を進めるよ」
レンはグリモアを起動して、にっこりと笑みを浮かべる。
「難しい仕事になるかもしれないけど、是非楽しんで。良い結果になることを祈っているよ」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
異世界異文化交流タイム。
●プレイングボーナス
巨人の職人と一緒に、自分にぴったりの「対毒武装」を開発する。
●『巨人の武器工房』
バシュムとの戦いに備え、巨人の職人と共に対毒武装を作りましょう。
しかし職人達は身長8メートルの人向け装備しか作ったことがありません。
猟兵サイズの武具が作れるように手助けしましょう。
モデルになる、細かい作業を手伝う、アイデアを出すなどなど。
やれそうなことに挑戦して頂ければと思います。
職人は老若男女おり、猟兵に友好的です。
新しい武具を開発出来ることにワクワクしているようです。
シナリオ内でアイテム発行は行いませんが、作成した武具のアイテム化はご自由にどうぞ。
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オープニングが出た時点でプレイングを受付開始します。
シナリオの進行状況などに関しては戦争の詳細ページ、マスターページ等も適宜確認していただければと思います。
また、プレイングの集まり次第で不採用が出てしまうかもしれません。ご了承下さい。
それでは今回もよろしくお願いいたします。
第1章 日常
『巨人の武器工房』
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POW : 巨人と一緒に鎚を振るい、武装を自作する
SPD : 武装を試し振りし、使い心地を確かめて調整する
WIZ : 職人と話し合い、武装の設計を考える
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フェルム・ドゥベー
もし才能があったなら――
世を忍ぶ仮の姿として鍛冶屋になりたいと思ったことがあるんだよね
けれど上手くいかなかった
当たり前だった
海の魔力を手に入れたぼくは、鍛冶に欠かせない火の神の祝福なんて受けられないのさ…
感傷に浸ってても仕方ないね
思いついた仕事をどんどんしていこう
例えば作るべき装備はぼくみたいな非力な猟兵でも身に付けられなきゃいけないと、完成品は積極的に身につける
何、今の苦労が戦いの役に立つならちょっとやそっとの披露じゃ音をあげないよ
それから強力な毒液の対処をするものなら、ぼくの扱う海水魔法くらい防いでもらわなくちゃ困る
隙間の有無という意味でも錆耐性という意味でもね
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ガルシェンの工房には、サイズこそ大きいものの多種多様な鍛冶道具が並べられていた。
それらを前にして、フェルム・ドゥベー(ベリルの魔法使い・f15664)は誰にも悟られないように息を吐く。
もし才能があったのなら、世を忍ぶ仮の姿として鍛冶屋になりたいと思ったことがある。
クレリックになるという定められた未来ではなく、自分で選んだ一つの未来として――けれどその願いは届かなかった。
フェルムが魔術を学んだ結果、得たのは海の魔力だったから。
鍛冶屋として必要な才能は、火の神の祝福を得ることだ。それは勿論、海の魔力とは反するもの。
それ自体に不満はない。自然や海に関するものは好きだし、人助けの生活も悪くはない。
けれど叶わなかった夢を前にすることは、苦しい。
しかし感傷に浸っていても仕方がない。今自分がやるべきことを見失わないよう、フェルムは工房を進む。
彼を出迎えるのは職人の巨人達だ。
「何か仕事はあるかな? 俺に出来ることなら何でも言ってほしい」
フェルムが巨人たちに言葉を向ければ、彼らは笑顔を浮かべて頷く。
さあ、仕事の時間だ。
フェルム自身も意見を出し、彼に任されたのは武具の試着だった。
巨人達の作る武具はサイズも大きいが、重さもかなりのものが殆ど。
彼らが普段の感覚で武具を作れば、それを着こなすのには苦労が伴ってしまう。
そこで魔術師であるフェルムが重さや装着感を確認することで、あまり力の強くない猟兵でも使いやすい武具を作ろう、という訳だ。
最初に用意された盾や胸当ては非常に重く、少し身につけるだけでヘトヘトになりそうだった。
けれどフェルムも素直な感想を伝え、巨人達と共に改善を繰り返していけば――。
「……この胸当ては良いね。防御力と重さのバランスが取れている」
丁度いいバランスの武具が出来れば、次の段階にも移ることが出来る。
フェルムは自身の海魔術を武具へと放ち、その耐久性を確認していく。
全てを滅ぼさんばかりの毒液に立ち向かうには、海水程度に破壊されたり錆びたりしてはいけない。
だから遠慮も躊躇もせず、どんどん魔術を放ち、改善を促して。
そうしていけば、武具は少しずつ完璧に近付いていく。
作業の最中、巨人達が気にかけていたのはフェルムの疲労だ。
そんな彼らの心配に対し、フェルムは小さく笑みを浮かべる。
「何、今の苦労が戦いの役に立つならちょっとやそっとの疲労じゃ音をあげないよ。どんどんやろう」
今の彼の心を満たすのは、未来に向かう充足感。最初の夢には届かなくても、今の自分にしか出来ないことがある。
それを感じ取れるから、頑張れるのだ。
大成功
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グラナト・ラガルティハ
アドリブ歓迎
炎と戦の神としていろんな武具は見てきたが…巨人が作る武具というのは興味深くはあるな。
巨人達の職人としての腕は疑うよしも無いがやはりサイズ感は難しがろう…俺でよければ対比くらいにはなろう。
そうだな今まで見てきた武具の知識が役に立つのならその話もしよう。
あと、炎使う作業があるなら手伝うことは出来るな。
武具は戦には必要なものだ百戦錬磨の武人とてその身一つで闘うには限度があるからな…「対毒武装」の必要性は確かだ。
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炎と戦の神であるグラナト・ラガルティハ(火炎纏う蠍の神・f16720)にとって、鍛冶場というのは馴染みの深いものだ。
けれど巨人達が営む工房というのは珍しく、並べられた大きな道具を見ているだけでも楽しい。
使い込まれ、けれど丁寧に手入れされた鍛冶場の様子からは、職人達の腕の良さも見て取れる。
しかしそんな彼らでも、猟兵サイズの武具製作というのは不慣れだろう。彼らの力になりたいと、グラナトは真っ直ぐに申し出る。
「俺でよければ対比くらいにはなろう。今まで見知った武具に関する知識も提供出来る、それから……」
グラナトは巨人達に見えるよう、燃え盛る炎を生み出す。
その圧倒的かつ力強い炎を前にして、巨人達の瞳が大きく輝くのが見て取れた。
「……こんな風に炎を扱い作業は得意でな。必要なら言ってくれ」
炎の神が生み出す炎なら、強い武具を生み出すのに最適だ。
喜ぶ巨人達を前にして、グラナトの表情も和らいで。皆で力を合わせれば、きっと素晴らしい武具が出来る。そんな予感が胸を過ぎった。
グラナトの主な仕事は炉に火を焚べつつ、巨人達に知識を披露することとなった。
煌々と燃え上がる炎を前に、グラナトは過去に想いを馳せる。
「さて、何から話そうか。面白かった話ならいくつもあるのだが」
例えば古い戦いにおける、原初的な戦いの為の武具の話。
それから印象深かった戦いにおける、忘れられない武器の話。
時には巨人達も知らないような、新しい装備の話をするのも悪くない。
それから勿論――毒から身を守るために作られた、強固な武器の話だって。
「武具は戦には必要なものだ百戦錬磨の武人とてその身一つで闘うには限度があるからな……対毒武装の必要性は確かだ」
グラナトが見知った戦士にも、毒を持つ相手と戦い抜いた者達はいる。
その話を提供すれば、巨人達は次々にアイデアへと転換しだしたようだ。
一滴の毒も通さないような鎧や、仲間も守れる盾など――作れそうな装備はたくさんあるだろう。
試しに何か装備が作られれば、グラナト自身もそれを身につけ感触を確かめる。
「腕の部分が少し重いかもしれないな。もう少し軽くすることは出来るだろうか?」
神である自分だけでなく、仲間が身につけることも想定して意見を出して。
試着と改善を続けていけば、耐毒武具は少しずつ完成していく。
並べられた武具を前にして、グラナトの顔に浮かぶのは笑みだ。
「……良い装備だ。これなら安心して戦いに赴ける」
炎と戦の神からのお墨付きを得て、巨人達もワッと喜ぶ。
その光景が、グラナトの笑みを更に深めるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
マシュマローネ・アラモード
◎
モワ!こんにちは巨人さん!
まぁ!お兄様やお姉様なら、ちょうど良さそうな大きさですが、私向きくらいとなるとちょうど1/5でしょうか?
対毒武器の基本を教えていただけますか?
なるほど……私の武器が槌ですので、反転の術式を打ち込む本体と対毒の素材を組み合わせて……モワ、実際にスケールダウンしてみましょうか?
モワ、たくさんお手伝いさせてくださいね、必ずお役に立てて見せますから!
(気持ちを込めて、細かな作業を手伝いながら、自分の武器に合う大きさの対毒武器を作り上げて)
モワ、サイズはピッタリ!
ありがとうございます!
……負けられませんわね、この戦い!
●
「モワ! こんにちは巨人さん!」
ぱぁっと明るい笑みを浮かべ、そう挨拶するのはマシュマローネ・アラモード(第十二皇女『兎の皇女』・f38748)だ、
彼女を囲むのは工房の職人達。誰もが大きな体躯を誇り、マシュマローネを暖かく出迎えてくれている。
彼らの側にあるのはサンプルとして置かれた、元々彼らが作っていた武具類だ。当然それらも、巨人の体躯に合わせてとても大きい。
「まぁ! お兄様やお姉様なら、ちょうど良さそうな大きさですが……」
武具と自分の姿を見比べ、ぱちぱち瞬きするマシュマローネ。
彼女の背丈はごく普通の人間と変わらない。仮に武具を作ってもらうとすれば、1/5程度の大きさにしてもらう必要があるだろう。
「そうですね、まずは対毒武器の基本を教えていただけますか? それが分かればスケールダウンもやりやすいと思いますの」
マシュマローネの投げかけた質問に、巨人達はてきぱきと要点を伝えてくれる。
防具なら分かりやすく、毒が染み込まないよう隙間を減らしたり防護魔術を施せば良い。
なら武具は? 参考としてマシュマローネが見せたのは、愛用のキネティック・リパルサーだ。
「ちょうどそちらのサンプルに槌がありましたので、似たような武器が作れればと思うのですが……」
巨人達はその言葉に頷いて、幾つかのアイデアを提案する。
それにマシュマローネ自身も意見を重ねれば、良いアイデアとして纏まりそうだ。
「転の術式を打ち込む本体と対毒の素材を組み合わせて……モワ! 良い武器になりそうです! 実際に試作してみましょうか!」
案が纏まれば後は試してみるのみ。
マシュマローネは積極的に工房を駆け回り、巨人達のアシスタントとして働き出す。
最初は難しかった作業も慣れてみれば楽しいものだ。少しずつ調整を重ねて、改良して。
丁寧に、そして献身的に働くマシュマローネの様子を見れば、巨人達のやる気も溢れ出る。
そうして皆の心と技術を重ねて出来るのは――毒を打ち返す魔法の槌だ。
それを堂々と掲げ、マシュマローネは微笑む。
「モワ、サイズはピッタリ! 重さも扱いやすいです!」
軽く振ってみても、簡単には疲れない。造りも頑丈だし、戦場でも迷わず扱っていけそうだ。
それに――何より柄を握っていると、皆と頑張ったことを思い出せるから。
「ありがとうございます! ……負けられませんわね、この戦い!」
必ず勝とう。皆を守ろう。
そんなマシュマローネの意思と言葉を受け取って、巨人達も嬉しそうに笑うのだった。
大成功
🔵🔵🔵
城野・いばら
想像を創造するためには寸法は大事ね!
モデルさんならお任せあれなの
UCでトルソーさんを作りましょう
魔法の糸をギュッと固めた頑丈な型を
今まで出逢ってくれたアリス達を参考に
サイズ感や、種族特徴も大切にね
腕や頭、部分型も必要なら伺って
裁縫の知識だけれど
細かな縫い作業はお手伝い出来るかな
あのね
私もアリス達のお力をお借りしたいの
鉄金属には疎くて、
故郷の世界の魔法具さん頼りだったけれど
此処にはシールドスピアって武器さんがあるって聞いたわ
私のトロイメライ(ランス)にも付けられる
盾さんを紹介頂けないかしら
いばらには茨はあるけれど
大切なコ達を確り護ってくださる
頼もしいコがいてくれたら
ね、私もっと頑張れると思うから
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工房に並べられた巨大な道具や巨人製の武具。それに囲まれていると、自分が小さくなったようでなんだかおかしい。
そんな不思議な気持ちを楽しみつつ、城野・いばら(白夜の魔女・f20406)は職人達と向かい合う。
「想像を創造するためには寸法は大事ね! モデルさんならお任せあれなの」
まずはトロイメライを手繰って、魔法の糸を編み上げて。
そうして作り上げるのは、いばらと同じ体格のトルソーだ。
「こんな風にトルソーさんを沢山作ろうと思うの。少し待っていてね」
いばらは瞳を閉じて、更に糸を編んでいく。
イメージするとのは今まで出逢ってきた沢山のアリス達。
背の大きな子もいれば小さな子もいて、大きな羽根を持った子もいれば可愛い耳や尻尾のある子もいて。
彼ら一人ひとりの姿を思い出しつつ、作り上げるのは幾つものトルソー達。
全身のものは勿論、頭や腕などの部分型も忘れずに。
魔法の糸で作り上げたトルソーはそう簡単に壊れない。武具の試着もお任せあれだ。
「トルソーさんは自由に使って下さいな。それから裁縫ならいばらも手伝えるわ、何かお手伝いすることがあるならおっしゃって頂戴ね」
いばらの提案に巨人達は喜んで、早速作業を始めていく。
そしていばらも彼らの輪に加わって、幾つもの武具と向き合った。
それから暫く作業が進めば、次の行動を考える余裕も出てくる。
そこでいばらは職人達へと声をかけ、小さく頭を下げた。
「あのね、私もアリス達のお力をお借りしたいの。この子のことなのだけど……」
いばさが差し出したのは先程も使ったトロイメライだ。
御伽の国からやって来たいばらにとって、鉄金属というのはあまり縁のないもの。
故郷の世界では魔法具に頼ることが多かったが、せっかくの機会なのでプロの力を借りたいという訳だ。
「此処にはシールドスピアって武器さんがあるって聞いたわ。良ければこの子に付けられる盾さんを紹介頂けないかしら」
いばらの提案に職人達は大盛りあがり。不思議な魔法で作られた武器は彼らにとっても興味深いものだ。
それなら、と巨人達が示したのは、精巧な植物の模様が描かれた盾。それをトロイメライの柄に合わせれば、不思議とフィットする感覚があった。
この子と一緒なら、大切なコ達を確り護っていけるはず。
そう思うとなんだかワクワクするし、ぐっと背筋が伸びた気がする。
「ありがとう! このコと一緒ならもっと頑張れそうよ」
そう言ってはにかむいばらに、巨人達も楽しげに微笑むのだった。
大成功
🔵🔵🔵
シモーヌ・イルネージュ
ここでいろいろ作ってくれるんだって。
それは助かる!
特に腕のいい職人に作ってもらえるなんて最高だね。
巨人の職人が人間サイズの武具を作るなんて手先がほんとに器用だね。
じゃ、早速作ってもらおうか。
今回の相手は毒使いということだから、毒を浴びない装備、盾が欲しいな。
軽くて丈夫。使わないときには畳めるような。
傘みたいな形状にしてくれると、いいかな。
サイズは上半身を覆うぐらい。盾から出る部分は盾を動かしてカバーするから、使いやすいサイズにしよう。
こんなもんでどう?
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工房の中は独特の熱気と活気に溢れ、中にいるだけでで自分のテンションも上がりそうだ。
シモーヌ・イルネージュ(月影の戦士・f38176)は職人達の様子を眺めつつ、楽しげに目を細める。
「ここでいろいろ作ってくれるんだって。それは助かる! 特に腕のいい職人に作ってもらえるなんて最高だね」
シモーヌの言葉に巨人達も嬉しそうに笑う。褒めてもらえて嬉しい、頑張らないとな、なんて呟きつつ。
彼らは既に猟兵用の武具も作っているようで、完成したものはどれも立派だった。
「へえ、これが試作品か。巨人の職人が人間サイズの武具を作るなんて、手先がほんとに器用だね」
いざ自分がミニチュアサイズのものを作れ、と言われたら――それはやっぱり難しいだろう。
職人達の腕に感心したのなら、今度はそれを実感する時だ。
シモーヌは巨人の元へと歩み寄ると、彼らの顔をしっかりと見る。
「じゃ、早速作ってもらおうか。アイデアはどんどん出すし、手伝うことがあれば何でも言ってくれ」
何が必要か、何が出来るか。
派手な作業ではないけれど、きちんと考え戦いに備えることは大切だ。
シモーヌは巨人達と顔を突き合わせ、まずはアイデアを纏めていく。
「今回の相手は毒使いということだから、毒を浴びない装備、盾が欲しいな。軽くて丈夫。使わないときには畳めるような」
畳む、という仕組みを入れるなら形もそれらしいものがいいだろうか。
「こう、傘みたいな感じがいいな……巨人の皆って傘を使うのか?」
大きな巨人達にとって、雨は大したことがないかもしれない。そんな彼らでも人間の道具については勉強しているようで、傘のイメージもすぐに伝わった。
形がイメージ出来たのなら、次は大きさだ。
「サイズは上半身を覆うぐらい。盾から出る部分は盾を動かしてカバーするから、使いやすいサイズにしよう。どうかな?」
シモーヌが優先したのは取り回しの良さだ。
戦場を縦横無尽に駆け回る彼女にとって、動きを制限されることは致命的だろう。
よく使う黒槍も例に出しつつ、より具体的にイメージを重ねてって。
取り回しの良さ、防御力、重みやサイズ感など――いくつもの試作品を作っていけば、いずれイメージぴったりの盾が出来上がっていく。
完成した盾を軽く動かしつつ、シモーヌは表情を華やがせる。
「いいな、これ。しっかり身を守れそうだし、戦いにも集中できそうだ。ありがとう!」
真っ直ぐな感謝の言葉に、巨人達も満足そうに頷くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
レオンハルト・シャルラッハロート
絡み/アドリブ共に可
ガルシェン、か…。昔を思い出すな。
-もしかしたらあの時に顔を合わせた巨人がいるかもしれない。
ガルシェンに転送したら、まずはかつて昔の顔なじみの巨人がいないかどうか探します。
見つかったら、改めて『対毒武装』の開発をお願いします。
この時に自分もできる限り手を貸すことを申し出ます。
(見つからなかった場合も、昔、ここで戦った事を巨人たちに話します)
行動はPOW基準。
巨人達と思い出話を交わしながら『対毒武装』の自作に着手。
まずは自分のスーツアーマーの改造です。
(フェニックスの浄化も効かない毒、か。ならそれに対抗する意味でもこれは必要だな)
そう思いながら一心に鎚を振るいます。
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目的地へ向かう道すがら、レオンハルト・シャルラッハロート(不死鳥の天誓騎士・f38951)は周囲の様子を観察していた。
ガルシェンへ来るのは久しぶりだ。立ち並ぶ建物には懐かしいものもあるし、そうでないものもある。
もしかすれば見知った顔もいるかもしれない。記憶を手繰りつつ、レオンハルトは広い道を進んでいく。
そして辿り着いたのは、嘗て訪れたことのある建物だった。
大きな扉を叩けば、出てきたのは懐かしい顔だ。住民である巨人はレオンハルトの姿を見て、顔を綻ばせた。
「お久しぶりです。良ければ力を貸してほしいと思って、此処へやって来ました。お元気そうで何よりです」
レオンハルトも笑顔を浮かべ、巨人へ簡単に事情を話す。
今この世界が大きな危機に陥っていること、バシュムという怪物がいること、対毒武装が必要なこと。
巨人はレオンハルトの言葉に頷き、自身の工房へと案内してくれる。
「ありがとうございます。ボクに手伝えることがあれば何でも言って下さい。一緒に頑張りましょう」
皆で力を合わせれば、世界の危機も怖くない。
巨人が炉に焚べた炎を見つめつつ、レオンハルトは背筋を伸ばす。気合を入れて働かなければ。
仕事は順調に進んでいった。
レオンハルトは巨人の指示を受けつつ、細かい作業に着手していた。
人間サイズの武具を作るなら、細かい調整はヒトの手で行った方がいいだろう。
愛用のスーツアーマーを手元に置いて、施すのは毒への備えだ。
一番簡単なのは、毒液の染み込む隙間を無くすこと。毒液自体を弾けるような防護も施しておいた方がいいだろう。
(フェニックスの浄化も効かない毒、か。ならそれに対抗する意味でもこれは必要だな)
迫る戦いの過酷さを思いつつ、レオンハルトは賢明に鎚を振るう。
その様子を見て、巨人は懐かしそうに目を細めた。レオンハルトの真っ直ぐな様子は、今も昔も変わらない、だそうだ。
「そうでしょうか? でも……あなたも変わりませんね」
気付けばレオンハルトも言葉を重ね、思い出話に花が咲く。
これからの戦いが過酷でも、楽しいことは忘れてはいけない。それにこの世界に生きる人のことを思えば、気合だって入るのだから。
「……戦いが終われば、また此方に足を運びたいです。そのためにも、勝たないといけませんね」
生まれ育った故郷を追い出される訳にも、破壊される訳にもいかない。
思い描いた未来を掴むためにも――レオンハルトは巨人と共に、精一杯武具を作り上げていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
ダーティ・ゲイズコレクター
私はダーティ!ダーティ・ゲイズコレクター!
凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです!
今回はバシュムさんと戦うための武具を作りにやってきました!(カメラ目線)
巨人の皆さんに囲まれて埋もれて目立たなくなる…なんてことがないように大声で存在をアピールしていきますよ!
ではさっそく、毒を防げて超目立つ盾か鎧が欲しいです!
目立つことは超重要!だって私は視線誘導の悪魔!
視線が私に向かえば魔力が溜まって強くなれるんです!
常に光り輝くバリアを展開する鎧とか
内側が万華鏡になっていて、攻撃を防いだ時に鏡の中の私の視線が私に降り注ぐ盾とか
そういったものをお願いします!
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「私はダーティ! ダーティ・ゲイズコレクター! 凶悪で極悪で劣悪で最悪な魔王ダーティとは私のことです! 今回はバシュムさんと戦うための武具を作りにやってきました!」
工房へとやって来たダーティ・ゲイズコレクター(Look at me・f31927)は堂々と胸を張る。
彼女の堂々とした名乗りに釣られ、巨人達はどんどん集まってきたようだ。
多くの人々が自分に注目してくれるのは嬉しい。けれど大きな巨人に囲まれてしまえば、ダーティの姿は埋もれてしまうだろう。
それは由々しき事態だ。今日は頑張って自分の存在をアピールせねば!
「私がお願いしたいものは一つ! 毒を防げて超目立つ盾か鎧が欲しいです!」
ダーティの掲げたアイデアに、巨人達は不思議そうに瞬きする。そんなリアクションも想定済みだ、ダーティは迷うことなく次の言葉を紡いだ。
「目立つことは超重要! だって私は視線誘導の悪魔! 視線が私に向かえば魔力が溜まって強くなれるんです!」
ふふん、と微笑むダーティの様子を見て、巨人達も納得したようだ。
それもそのはず。彼女が工房にやってきてから、その魔力は高まり続けているのだ。
それは巨人達がダーティのことをじっと見つめているからで、ダーティがきちんと自分の存在をアピールしているから。
ならば彼女の持ち味を活かせるように工夫をせねば。巨人達もぐっと気合を入れたようだ。
「アイデアなら沢山あります! 良ければ聞いて下さいな!」
ダーティもまた声を張り上げ、巨人達と言葉を交わす。
さあ、とびっきりの武具を作ろう!
それから暫く話し合いと試作を重ね、出来上がったのは――すごく存在感を放つ鎧と盾だった。
ダーティの体格に合わせて作られた鎧は、毒を弾くキラキラのバリアを展開し続けてくれる。
これだけぴかぴか輝けば、バシュムも注目せざるを得ないだろう。
一方盾の方は敵の視線を集めるだけでなく、ダーティ自身の性質を活かすような造りになっていた。
内側をよく反射する素材で調整し、万華鏡のように作られたそれは持ち主の姿を綺麗に映し出す。
この盾の内側を覗き込めば、ダーティの視線がダーティ自身に降り注ぐという訳だ。
「ありがとうございます! これならよく目立てそうです!!」
早速鎧を試着しつつ、ダーティはニコニコと微笑む。
そんな彼女の眩しい姿と眩しいバリアに、巨人達も大満足なのであった。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊。生前は戦友
第三『侵す者』武の天才
一人称:わし 豪快古風
見本としての武器:灰遠雷
ふむ、なるほど…だから、武器の扱いにも長けているわしか。
であるならば…試しをしようかの。
『わしら』は結構特殊じゃから、見本が灰遠雷(和弓)なのよ。
ただ、サイズ感が伝わればよいな、と思う。
弓は引いてみて、張りの強さなどを調節しよう。こういうとき、体格差出るからの…。
今回は矢もであるから…鏃に使う鉱物やなんやのの意見をな。あとは、矢の長さよなぁ。
※
UCは判定用ですが、陰海月も興味津々だったりします。
霹靂も、見学してます。抜けそうな羽を矢羽根に提供したり。
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ガルシェンの工房街を見上げつつ、馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)を構成する悪霊の一人『侵す者』はゆっくりと息を吐く。
今回自分が選ばれたのは、仲間達との話し合いの上だ。武の天才である『侵す者』こそ相応しいと言われたが、その理由は大体予想がついていた。
「職人達の武具造りか。武器の扱いにも長けているわしが選ばれたのも道理があるな。ならば、試しをしようかの」
義透は待ち構える職人達の元へと進み、簡単に挨拶を交わす。
彼らはヒトの武器を参考に、猟兵向けの武具を造りたいようだ。
「『わしら』は結構特殊じゃから、見本がこれでな」
義透が差し出したのは霊力で出来た弓『灰遠雷』。
この世界にも魔法は存在するため、不可思議な物質で作られたもの自体は巨人達にも抵抗がないだろう。
職人達は興味深そうに灰遠雷を見つめ、観察している。
「ただ、サイズ感が伝わればよいな、と。参考になりそうか?」
少し不安げな義透に対し、職人達は大きく頷く。これを参考に、必ず武具を作り上げようと。
職人達はすぐに道具を並べ、武具の作成に取り掛かりはじめたようだ。
義透はその様子を見学しつつ、声をかけられる時を待つ。
彼の傍らでは陰海月が浮遊し、楽しそうに職人達の様子を眺めていた。
更にその隣では、霹靂も目を輝かせている。抜け落ちた自分の羽根を提供し、矢羽根にしてもらったりしているようだ。
そうして待っていれば、いずれ試作品も出来上がる。義透は試作品の弓を構え、暫し考え込んだ。
「ふむ……張りはもう少し強くしても大丈夫だ。もう少し軽い方が取り回しがいいかもしれないな」
素直な感想を述べれば、職人達はすぐに改良に取り掛かる。
そうして試行錯誤を繰り返し、弓はある程度形になった。それなら次は矢の番だ。
「鏃に使う鉱物に、矢の長さも……考えることは多いのう」
矢羽根には霹靂の羽根を、鏃にはこの地で取れる硬い鉱石を。
義透の知識と経験、職人達の技術をどんどん重ね合わせて、最終的に出来たのは――。
「……ほう、破魔の矢と弓か」
悪しきものを跳ね除ける魔力を帯びた鉱石を使い、組み上げられた弓と矢。
それは義透の腕にしっくり収まり、先の戦いに向けた力をくれる。
完成した品に陰海月と霹靂も喜んでいるようだ。
「助かった。必ずやこの矢で敵を打ち倒そう」
感謝と約束を告げ、微笑む義透。彼の様子に、巨人達もしっかりと頷くのだった。
大成功
🔵🔵🔵
瞳ヶ丘・だたら
WIZで挑む。アドリブ等歓迎だ。
あたし用の武装はいい。
わざわざ人間サイズの装備など作ってもらっても、戦士ならぬあたしには十全に扱い切れんからな。ならば手慣れた仕事を任せる方がよろしい。
その代わりにあたしが造る
決戦兵器の為の装備をお願いしたい。来たる蛇との戦いに備えての巨人級人型戦車だ。無論あたしとしても初めての試みだが……あなたたちに教えを乞うことに恥はない。いい作品になると信じている。よろしくお願いします。
依頼したい武器は二つ。
遠隔武装。蛇の鱗を撃ち抜く
機関砲。
近接武装。蛇の口を縫い止める
杭打ち器。
この世界の技術力とは大いに異なる願いかもしれないが、彼らならば設計図一枚から自分以上の兵装を作ってくれるという確信がある。
鍛治家業を途中で放り投げた非才の身だが、それでも設計には口を出す。
巨人の技術と我が機体との噛み合いを100%にする為の〈武器改造〉はどれだけ重ねても飽き足らない。
……この時間こそ何にも代え難い経験だ。感謝します。
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瞳ヶ丘・だたら(ギークでフリークな単眼妖怪・f28543)は工房についてすぐ、職人と顔を突き合わせ話し合いに勤しんでいた。
「あたし用の武装はいい」。だたらが真っ先に告げた言葉に職人達は少々驚いていたが、その真意はすぐに理解してもらえた。
「戦士ならぬあたしには十全に扱い切れんからな。その代わりあたしが造る
決戦兵器の為の装備をお願いしたいんだ」
此度の依頼は大蛇の怪物・バシュムとの戦いに備えたもの。
相手が分かっているのなら、それに相応しい準備を整えるのが筋という訳だ。
ここでいう決戦兵器とは巨人と変わらぬ大きさの人型戦車のこと。完成予定図を見せれば、職人達の瞳は分かりやすく煌めいた。
彼らもまた自分と同じ、機械弄りや物弄りを愛するもの達。少し言葉を交わして様子を窺うだけでも、それはひしひしと伝わってきていた。
だからだたらは巨人達に誠意と熱意を籠めて、言葉を紡ぐ。
「あなたたちに教えを乞うことに恥はない。いい作品になると信じている。よろしくお願いします」
真っ直ぐ向けられた言葉に、巨人達はゆっくりと頷く。
いいものを作ろう。ただ皆で、一つの方向を見て。
方向性が決まれば、今度はより具体的に方針を話し合う時だ。
だたらは先に作っておいた設計図を並べ、巨人達に示す。なるべく大きな紙に描いたのは、二つの武器についてだ。
「まず一つ、蛇の鱗を撃ち抜く
機関砲。これは遠隔武装になるな」
異世界の住民にどの程度伝わるか、と少々不安な面もあったが、設計図を見る巨人達は楽しげだ。
この世界にも独自の仕組みで動く銃は存在し、魔法等を使った動力も存在している。それを応用すれば、再現も不可能ではないだろう。
「それじゃあもう一つも。こちらは近接武装だな。蛇の口を縫い止める
杭打ち器だ」
続く設計図を示せば、巨人達が息を飲む音が聞こえた。どうやら彼らもこの武装の強さ、そして浪漫は理解してくれたようだ。
だたらも嬉しそうに笑みを浮かべ、職人達の姿を見上げる。
思った通り。この世界の技術力とは大いに異なる願いを示しても、彼らなら一枚の設計図から素晴らしいものを作り上げるだろう。
予感は確信に変わり、だたらの期待はどんどん膨らんでいく。
「それじゃあ、早速作業に移ろう。設計の方には協力させてもらうよ」
だたらの声を合図に、職人達は工房に散らばっていく。
最高の武装を作り上げる時だ。
そこからの時間は濃厚なものだった。
職人達はそれぞれの持場で鎚を振るい、炉に火を焚べ、どんどん部品を作り上げていく。
だたらも工房内を駆け回り、巨人達と言葉を交わし続けた。
気になる点があればすぐにそれを擦り合わせ、調整し。素晴らしいと思う点があれば素直に賛美する。
だたらの偽りのない言葉に巨人達も背中を押され、どんどん作業を進めてくれた。
(……ああ、本当に良い時間だ)
意見を出し合い、作業を観察し、どんどん出来上がる武具を見つめる。
だたらにとって今日この時は、きっと忘れられないものになるだろう。
嘗て鍛治家業を途中で放り投げた身ではあるが、それでも今回の作戦は全力で。今だからこそ出来ることを、だたらは全身で堪能するのだ。
そうして時間が過ぎ去れば、完成した武具が目の前に並べられた。
巨大な機関砲はこの世界の技術を使い、魔力を動力にしているらしい。おかげで弾切れしにくく、それでいて威力も保証されている。
杭打ち器は毒に強い金属を使っているようで、炉の火を受けて鈍く輝いている。それでいて、どんな物でも打ち砕けそうな迫力があった。
「素晴らしいな。この時間は何よりも何にも代え難い経験になった」
完成した武装を前にして、だたらは感嘆の息を零す。その様子に、巨人達は屈託のない笑みを浮かべる。
世界の危機を救うという目的は勿論、同じ願いを持つ者として――素晴らしい時間を過ごし、結果を残せた。この場にいる誰もが、そう思っている。
「――感謝します」
だたらは巨人達へと深く礼をし、感謝を述べる。
その言葉に、巨人達もまた有難うと笑うのだった。
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こうして猟兵達はガルシェンの人々と対毒武装を作り上げることが出来た。
皆で手を取り合って作り上げた武装は、必ずこの世界の終焉を打ち砕くだろう。
大成功
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