揺り籠から終わりの時まで、共に
――シルバーレイン世界。
その某所……村崎・ゆかり(“
紫蘭”/黒鴉遣い・f01658)の自宅地下では、護摩壇が敷かれていた。
ゆかりはその中で、陰陽師らしく狩衣で正装を身に纏った様で難解な祭文を挙げ炎に護摩木を投げ込んでいる。
それは正に、大儀礼に挑む術師の様だ。
ゆかりの傍に控えるは、ゆかりが調伏し『六番目の猟兵』の使い魔となったアヤメと羅睺――エルフのクノイチのオブリビオンであった存在と、中性的な、実際の性別も不明な謎の神霊は主の大儀礼に対し、それぞれの反応を見せている。
好奇心いっぱいの様子で大儀礼を見守るのは羅睺、恋人が増えるのが面白くない様子でありながらも大儀礼を見守るのはアヤメ。
「急急如律令! 疾く来たりませ。我が愛しき淫祠の女王にして、心を縛るもの。骸の海より戻り来たれ!」
それは『周囲を籠絡する強大なリリスの女王』を召喚するユーベルコード『淫雅召喚』の詠唱。
――対象とする『召喚物』の性質上、呼び出されるは……リリスの頂点に立つ存在『揺籠の君』だ。
「――『淫雅召喚』」
陰陽師としての全霊を尽くし、最後の護摩木を炎へと投げ込むゆかり。
やがて焔は一層燃え上がり、その上の空中にぼんやりした靄が渦巻く。
「来ますね……」
「フォーミュラの候補かぁ……楽しみだね」
渦は見る間に人型をとって、美しい裸身を晒した女性……
その『最重要本質』は、リリスの頂点に立ち『フォーミュラ』……担当する世界の
再構築蘇生化したモノ全てを統べる『オブリビオンの盟主』――『オブリビオン・フォーミュラ』の資格を担うモノ。
――『揺籠の君』。彼女は空中に階段があるように歩み、ゆかりの前に降りてくる。
「はじめまして、『いとしいひと』」
「来てくれて嬉しいわ、愛しのゆりゆり」
「……無事に調伏出来たようですね」
「まぁ、他の猟兵もオブリビオン・フォーミュラを眷属として従える者もいるみたいだからね」
流石に『オブリビオン・フォーミュラ』を使い魔として使役する大儀礼は、己もオブリビオンであった過去を持つアヤメと神霊である羅睺であっても極度の緊張を抱えていたようだ。
しかし、流石は陰陽師の『六番目の猟兵』――無事にオブリビオンとしての『揺籠の君』を従える事に成功したようだ。
死霊術師やオブリビオンマシンなど、オブリビオンに関連する
異能系統を持つ『六番目の猟兵』の間には、程度の差はあれど一つの共通認識が出来ている。
――オブリビオンは、過去として存在そのものが世界を滅びに導く存在。
――だがしかし、『六番目の猟兵』がユーベルコード等で支配下に置いたりオブリビオンとしての『
この世を滅ぼす愛』を抑え込めば、共存する事は不可能ではない。
これはシルバーレイン世界の銀誓館学園の能力者……『生命としての正義』を貫き、死の静寂を正常とする異形へとかつて敵であったゴーストとも手を組み、『死の静寂の正常』に対して『生命としての正義』を貫き通した者達には受け入れられている理論だ。
「食人の禁止、許可の無い無差別籠絡の禁止。単独での外出の禁止……まぁこれは、生き残って銀誓館学園の能力者に保護されたリリスなら遵守して当然ね」
「けっこう、かるいですね」
地下の儀式場から移動し、『揺籠の君』に板張りの武道場にて『六番目の猟兵』の眷属としての禁則事項を示していくゆかり。
これは銀誓館学園からも提示された事項だ。
食人等『生命としての正義』に反するモノを、銀誓館学園の能力者は許しはしない。
しかし『生命としての正義』を遵守する存在を、銀誓館学園の能力者は見捨てる事は無い。
「では、遵守してくれたなら……次は、実力を計りましょうか」
「わかりました」
ゆかりは六尺棒を手にし、同じく臨戦態勢となった『揺籠の君』と対峙する。
実力を測る為の模擬戦を行うのだ。
「(……流石に、敵として対峙した時よりは実力は落ちていますか)」
オブリビオン・フォーミュラより位階が下がるジェネラル級オブリビオンやオウガ・フォーミュラの力や存在でも、完全な再現する事は『六番目の猟兵』でも難しい。
しかしオブリビオン・フォーミュラとしての力を再現したら、カタストロフを実行する力も再現できてしまうからこれ位で良いのかもしれない。
「ねぇ、アヤメからしたら『揺籠の君』の実力はどう?」
「彼女の方が上に決まっています。私はいわばアヴァタールやトループス、彼女は『フォーミュラ』の資格を有している。元のスペックが違い過ぎて当然でしょう」
リリスとしての力をシンプルに極めたユーベルコードを持つ『揺籠の君』と、十絶の陣――十天君がそれぞれ一つずつ有する必殺の陣法を個人で全て所有し、他にも東洋の神威の召喚すら可能な陰陽師としての『生命体の埒外』を有するゆかり。
彼女らは、それぞれの『
罪深き刃』を撃ち合いながら汗を流していく――
「という訳で、全員でお風呂に入りましょうか」
「おふろです、あせもおいしいです」
そう言ってお風呂場に向かう四人。
彼女らは『揺籠の君』が籠絡能力を強め、三人の興奮を高めていった結果……風呂場の脱衣所でなく武道館で服を脱ぎ、素っ裸のまま家を進んでいく。
自宅であって本当に良かった。
「さーて!最初は……!」
真っ先に『揺籠の君』の身体に飛びついたのは羅睺。
その様子にアヤメは窘めようとするが、ゆかりがそれを制する。
「これから命を預け合う関係性になるんだもの。親密になるのは良い事よ」
元オブリビオンだから、という理屈をアヤメは決して持ち出さない――元オブリビオンである己を否定し、ゆかりに救われた事を否定する事は決して、しない。
ならばこそ、『揺籠の君』と肌を合わせて自身を手招きする主の元へ行こう。
そう決意し、アヤメは体を委ねる――
「ね、早くキスを……」
「はい……分かりました……」
そう言ってアヤメは『揺籠の君』の唇へ己の唇を重ねる。
すぐさま『揺籠の君』がリリスとしての本能と技巧とあらゆるものを使い、アヤメの唇と口内を貪るように、しかし優しく慰撫していく。
アヤメは一気に蕩けた表情になり、ゆりゆりの愛撫に腰砕けも同然に――
「うわ、凄いね……流石はリリスの女王」
「上手いものね。これからが楽しみになりそう……」
先に湯舟へと入っていた羅睺とゆかりは、アヤメと『揺籠の君』の媚態を食い入るように観察。
やがて『揺籠の君』に手を引かれ、アヤメもそのまま先程唇を許したリリスと共に湯舟へ入る。
「……皆、ありがとうね。愛しているわ」
ぽつりと、ゆかりは三人に愛と感謝の言葉を口にする。
いつものことと聞き流す羅睺、三人同時がちょっと不満なアヤメ、そしてゆりゆりは素直に受け取り『いとしいひと』を抱きしめて――
「うわ、うわぁ
……!!」
「あやめのなか、あたたかいです」
「力試しだー、って房中術を駆使してこれって……アヤメ……」
「リリスの女王に勝てるわけないだろう、そっち方面で」
己の秘奥のなかに『揺籠の君』の蛇が女性機能を傷つけない様に、しかし的確に弱点を抉りながら潜り込んでいる感覚にアヤメは手玉にとられて一方的に貪られてしまう。
その様子を『生やした』羅睺がゆかりの中に突き入れて緩やかにストロークをしながら二人は観察していた。
所謂『即落ち』という奴だ。
「ここまで見事に落ちるとはね……羅睺、ちょっと加勢してきなさい」
「分かった。流石に可愛そうだし……ちょっと興味もあるからね」
そう言ってゆかりの中に吐精した後、次は『揺籠の君』の秘裂へと剛直を潜り込ませる神霊。
「うわっ……凄い……」
しかし流石はリリスの女王……中の感触はこなれている、等というものではない。
その感覚を前に、羅睺は一分の間に二回も精を解き放ってしまう。
「うーん、ならば……」
すぐさまリリスの蛇を菊に潜り込まされているアヤメ。空いている女性器に右手をゆかりはつき込んだ。
絶叫……嬌声を上げるアヤメ。そこにゆかりは羅睺にアイコンタクトを取り、蛇が尽きいられているアヤメの後ろに剛直を突きこませる。
「お、おぉぉ……」
最早快楽と孔への暴虐で一時的に言語機能を喪失したアヤメ。
しかし法悦と幸福を感じている事は確かだ。
「さぁ、絶頂しなさい」
「えっちなおしる、おいしいです」
そこに止めとして『揺籠の君』がアヤメの秘芯を凄まじい舌の使い方で舐め回し、一気に絶頂へ追い上げさせる。
そうしてアヤメは意識を失い、次にゆかりと『揺籠の君』のターゲットとなったのは羅睺。
ゆかりが羅睺の剛直を飲み込み、『揺籠の君』が蛇で胎内を蹂躙していく。
やがてトドメとしてゆかりが羅睺の陰嚢を握り締め、『揺籠の君』の蛇が子宮口に噛みつき催淫の毒を流し込む。
どちらも生殖機能が破壊しない様慎重に事を進め、羅睺の生殖機能を愛し犯し蹂躙する。
悶絶しながらアヤメと同じく意識を失う羅睺。
――残ったのは、ゆかりと『揺籠の君』だけだ。
式神二人が荒淫で沈んでいる中、いよいよゆかりとゆりゆりの愛の交歓が始まる。
これより、真実の淫らと愛を語ろうではないか――
「あなたはあたしのもの。でもあたしもあなたのものよ、ゆりゆり」
「ええ、そのおもいもおなじですよ、いとしいひと」
口づけをかわしながら互いの性感帯を愛撫し合うゆかりと『揺籠の君』。
そこに蜜の溢れたゆかりの股間にゆりゆりの蛇が入り込む。
「んっ……!」
一瞬の嫌悪と伝わってくる快感。蛇はゆかりの胎内を甘噛みし、催淫毒を緩やかに注入し満たしていく。
この感触にはゆかりも息を荒げ、しかし必死に理性を保とうとする。
だが、相手が悪い――『揺籠の君』は、リリスの女王なのだから。
「ああ――ああ――!!」
しかしゆかりは『六番目の猟兵』……こう言った事に『熟れている』部類でもある故、理性と意識を失いはしない。
逆に反撃として半ば擦れた言葉を漏らしながらも、目の前の愛しいリリスの股間に手を這わせて、リリスの胎内に指を二本、肉芽に親指で愛撫していく。
指を二本己の中に埋め込まれたリリスも、ゆかりの小さな乳房や乳首を弄んでお返しする。
「ん、んん……」
「あ、なんだか楽しそうなことをしているね?」
そこに意識の戻ったアヤメと羅睺が――『揺籠の君』とまぐわった事で、淫気に操られているが如く発情している。
そして先程のお返しと言わんばかりに、二人はゆかりの肉体へと群がっていく――
「あ、くはぁ!ううっ……」
主として面目を保つべく、必死に嬌声を抑えようとするゆかり。
しかし『揺籠の君』とその淫気に当てられたアヤメと羅睺の三人相手では、無謀というしかなく……
「あっ、ああああああ!?ふあんっ
……!!」
「も、もう許して、これ以上イキたくない……!!許して……」
「[検閲済み]!!そうです[検閲済み]!![データがデータ自身により自主的に削除されました]!![規制済み]、[規制済み]ー!!」
仕返しとして1時間の嬌声と3時間の哀願、そして2時間の[規制済み]な様を、三人の前に曝け出すのであった――
こうして、ゆかり達は新たな仲間として『揺籠の君』――『ゆりゆり』を迎え入れた。
初日は、淫ら色のまま過ぎていく。
そしてその淫ら色は、『
この世を滅ぼす愛』の危機が訪れるまで何者にも脅かされる事は無い。
これが、ゆかり達の新たな日常の始まりであった。
成功
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