――獣人戦線・中国大陸。
ここには『人民租界』と呼ばれるコンキスタドールの勢力がのさばっており、日々侵攻を進めている。その中で『
須弥山型都市』と呼ばれるタイプの都市……ひとつの山を改造した仙術サイバー都市が今まさに攻め込まれていた。
「くそっ! 一体どうなってやがるんだ
……!?」
階梯2の白虎達が、密かに掘り進めた塹壕の中で息を潜めている。
そのすぐそばを、異形の『
宝貝オブリビオンマシン』がゆっくりと哨戒しているからだ。
雨降りしきる中、泥塗れで身を隠す彼らは哀れな弱者なのか? 否、そういうわけでもない。
サイバー武侠マフィアのトラ達が結成している互助組織……即ち
幇は強力なサイバネ武術や仙術殺法の使い手揃いだ。彼等も、この世界へいつの間にか流れ込んできた
機械化義体で人体改造を行っており、頑丈さや身体能力が向上している。その中でも『
白虎幇』と呼ばれる、白虎だけで構成された
幇は武闘派揃いだと他のサイバー武侠マフィアから一目置かれていた。
だがそれでも、彼らは人民租界軍に勝てなかった。
何故なら、敵は「宝貝を組み込み強化したオブリビオンマシン」に搭乗しており、数と質量の暴力で幇パンのトラ達を蹴散らし、街の支配権を奪うべく破壊と虐殺を繰り返す。
更に『
白虎幇』に間者が紛れ込んでいることが発覚。内部から籠絡されたサイバー武侠マフィアの白虎達は、仲間が殺されるのをただ、塹壕の中で見捨てる他なかった……。
――グリモアベース。
予知を見出したグリモア猟兵の蛇塚・レモン(白き蛇神憑きのシャーマンクイーン・f05152)が、招集に応じてくれた猟兵達へ今回の任務内容を伝達し始めた。
「みんなにはこれから、獣人戦線の中国大陸へ侵攻し続ける『人民租界』軍を撃破してほしいなっ!」
レモンは予知の内容を捕捉するべく、グリモアから空間へ画像を数枚投影してみせる。
「まず最初に、人民租界軍と徹底抗戦している『
白虎幇』へ近付く悪い黒兎を、残らず狩るのがみんなの任務だよっ! コードネームは『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』。篭絡相手の身も心もトロトロに溶かすだけじゃなくて、自身も薬品で液状化して戦闘に臨む諜報員達だよっ! 猛毒の遣い手で、彼女達には毒物は一切通用しないから気を付けてねっ? あと液状化で狭い隙間に潜り込んでからの奇襲攻撃が得意っぽい!」
なるほど、これはかなり用心しなくてはいけない相手のようだ……。
更に、一番の問題は人民租界軍が持ち込んだ『宝貝オブリビオンマシン軍団』だという。
「あの鉤爪の男、自分が滅ぼされる前に獣人戦線へオブリビオンマシンを大量に輸出したらしくってね? これらに人民租界軍が独自の改造を施して完成したのが『宝貝オブリビオンマシン』ってわけだよっ! 今回の宝貝は『
飛来椅』っていって、瞬間移動が出来ちゃう宝貝なんだってっ! これを活用した一撃離脱戦法や回避が得意っていうから、戦う際には注意してねっ?」
一瞬で間合いを詰められたり遠ざかったりするオブリビオンマシン……しかも相当な数を人民租界軍が拠点に屯しているらしい。なかなか苦しい戦いが予想されるだろう。
「でも、みんななら『
白虎幇』の白虎さん達を助け出して、宝貝オブリビオンマシン軍団を壊滅に追い込めるって信じてるよっ! それじゃ、準備が出来た人から転送するねっ!」
そう言ってレモンはグリモアを起動させ、獣人戦線の中国大陸にある『
須弥山型都市』と呼ばれるタイプの都市のひとつへの転送を開始する。
果たして、人民租界軍の強大な戦力を猟兵達は打ち破ることが出来るだろうか……?
七転 十五起
獣人戦線は中国大陸へ戦線を拡大、コンキスタドール率いる人民租界軍との戦闘です。
地元のサイバー武侠マフィアの白虎達と連携して、この難局を乗り切りましょう。
なぎてんはねおきです。
●概要
第1章集団戦、サイバー武侠マフィアの互助組織のひとつの『
白虎幇』に、コードネーム『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』部隊の魔手が忍び寄ります。彼らが骨抜きされる前に、一匹残らず駆逐してください。
第2章は冒険です。第2章移行時に情報を開示します。
第3章集団戦、敵の本拠地に乗り込んだ猟兵達と『
白虎幇』は、宝貝オブリビオンマシン破壊の共同作戦を開始します。この部隊のオブリビオンマシンには『瞬間移動が可能になる宝貝』が内部に組み込まれており、類稀な生命力感知で遠方から一気に間合いを詰めて攻撃し、再び瞬間移動で猟兵達の攻撃を回避する厄介な性能が追加されています!
可能な限り多数の機体を破壊し、人民租界軍を撤退に追い込めば勝利です。
その際、宝貝オブリビオンマシンに何らかの対抗策を編み出して実行した場合、プレイングボーナスが発生します。是非とも瞬間移動への対抗策を講じてぶつけてきてください。
●その他
コンビやチームなど複数名様でのご参加を検討される場合は、必ずプレイング冒頭部分に【お相手の呼称とID】若しくは【チーム名】を明記していただきますよう、お願い致します。
大人数での場合は、チームの総勢が何名様か若しくは参加者の名前をプレイング内に添えていただければ全員のプレイングが出揃うまで待つことも可能です。ですがその際は、参加者全員のオーバーロード投稿を強く推奨します。
それでは、皆様のご参加をお待ちしています!
第1章 集団戦
『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』
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POW : メルティング・シュガー
自身と武装を【ゲル化させる薬液】で覆い、視聴嗅覚での感知を不可能にする。また、[ゲル化させる薬液]に触れた敵からは【肉体や装備を溶解させることで戦闘力】を奪う。
SPD : フォーリング・パウダーシュガー
自身が装備する【軍服】から【粉砂糖状のBC兵器】を放ち、レベルm半径内の敵全員にダメージと【溶解】の状態異常を与える。
WIZ : シュガー・ウィズ・シュガー
体内から常に【甘い香り】が放出され、自身の体調に応じて、周囲の全員に【相手を疑ったり敵対する意思を奪う、】もしくは【『甘えたい』『ダメにされたい』など】の感情を与える。
👑11
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【注意!】
プレイング受付開始日時は『10日朝9時』からです。それ以前の投稿は無効です。ご了承ください。
鳴上・冬季
「結局は毒人間の一形態、ということなのでしょう」
嗤う
「ならば呼吸不要毒無効の身体になれば良いだけです。…合一・真黄巾力士」
2mの黄巾力士に融けるように融合
呼吸不要毒無効の鋼の身体を得る
地面を滑るように飛行で移動しながら金磚から敵を自動追尾する徹甲炸裂焼夷弾連射
敵だけをどんどん焼き尽くす
「貴女達を焼くと更に毒が発生するのかもしれませんが、呼吸をしない私には関係ありません。白虎幇の方はここの熱も冷え空気が入れ替わってからのんびりやってくれば良いでしょう」
嗤う
「餅は餅屋、と言うでしょう?貴方達の力は、こんな前哨戦で使う必要がないだけです。掃除は私達に任せて、本命に全力で当たればいいと思いますよ」
嗤う
――降りしきる雨の中、傘も傘を差さずに佇む男がひとり。
「世界は違えど仙術が存在するなのなら。一度この目で拝見したいものです。殺戮の手段は多種多様が好ましいですからね」
鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は独り言ちて嘲笑う。
しかし今は物見遊山に興じている場合ではない。
人民租界軍に抵抗している『
白虎幇』がオブリビオン達に内部から総崩れにされてしまう前に、その戦力を鏖殺するために『
須弥山型都市』まで転送されてきたのだ。
鳴上は周囲を見渡し、自身の現在地を探る。また、式神を飛ばして上空から地形と周辺の戦力分布を調査させた。
「成程、あの方向から黒兎の群れが。では、兎狩りを始めましょう。なにせ私は狐。兎の天敵ですので」
また鳴上の口角が上がった。それはなんとも愉悦に満ちていた。
式神に案内させ、コードネーム『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』部隊の行き先に先回りする鳴上。
次第に、鼻腔の奥を甘ったるい黒蜜のような香りが此方へ近付いてきた。
この芳香自体がユーベルコードであることは、グリモアベースで事前に知らされている。
「結局は毒人間の一形態、ということなのでしょう」
また、嗤った。
鳴上は黒兎達の行く手を阻むように現れると、豪雨の中でもむせかえる濃く甘い香りを遮断するべくユーベルコードを発現させた。
「ならば呼吸が不要で毒が通用しない身体になれば良いだけです。……『合一・真黄巾力士』。戦闘用自律思考型人型戦車たる宝貝の力、お見せ致しましょう」
そう言い放った鳴上の身体が、召喚された二足歩行の鉄の巨人こと宝貝・黄巾力士と合体。己自身が自我を持つ巨大な人型戦車となって、地面を滑走するかの如き超低空飛行で黒兎達へ突撃を開始した。
搭載された銃器型自作宝貝・金磚から、徹甲弾や炸裂焼夷弾など多種多様な実弾を乱射して黒兎達をみるみるうちにバラバラの焼死体へ変えてしまう。
「貴女達を焼くと更に毒が発生するのかもしれませんが、呼吸をしない私には関係ありません。
白虎幇の方は、ここの熱も冷えて空気が入れ替わってからのんびりやってくれば良いでしょう」
鳴上の口元は黒兎が絶望の叫びを上げるたびに上へ上へと歪んでゆく。
容赦なく、手心なく、爆殺焼殺裂殺の限りを尽くした鳴上は、逃げる黒兎達を自動追尾弾で一匹たりと逃さずに爆撃したのだった。
……と、ここで爆発音を聞き付けて駆け付けた白虎達。彼らは地面に無惨な姿で転がる黒兎達の骸を見つけて鳴上に問い質した。
「おい、これはお前がやったのか? こいつらは人民租界軍じゃねぇか。いったい何があった?」
鳴上は白虎達の言葉に、ただただ笑いが込み上げてくる。
「餅は餅屋、と言うでしょう? 貴方達の力は、こんな前哨戦で使う必要がないだけです。掃除は私達に任せて、本命に全力で当たればいいと思いますよ」
「私達……? つまり援軍が来てくれたのか?」
「まさか、あんたは猟兵なのか? あんた以外にも猟兵が助けに来てくれたのか?」
「てか、どうやって事前に人民租界軍の動きを知った?」
飛び交う質問の数々。
しかし鳴上は口元に右の人差し指を添えて、ただ嗤う。
「ここは戦場。口を動かす前にやるべき事をなさったらどうです?」
嫌味の籠った鳴上の提言に、白虎達は顔をしかめながらもすぐにこの件を幹部たちへ知らせに向かった……。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
なにぃ!?ハニートラップで身も心も溶かすとか最高じゃねーか!
「ひゃっはー☆これはもうメルシー達が身代わりになる…しか…」
…って物理的に溶かしてくる…だと?
畜生がぁぁぁ!!
「あんまりだよー…!」
シチュ的には存分にヤられたかったが…
「今度フィアちゃん達に慰めて貰おう☆」
よし未来に希望ありだ
ツー訳でおめーらは此処で終われ
【情報収集・視力・戦闘知識】
敵能力と動きとUCの性質把握
対UC
【属性攻撃・迷彩】
光水属性を己達に付与
光学迷彩で存在を隠し水の障壁で己達に匂い隠蔽と同時に向こうの甘い香りも遮断
【空中戦・念動力・二回攻撃・弾幕・切断・盗み攻撃・盗み】
念動光弾を乱射
距離を詰めて切り刻み
金目の物と服を強奪!
「なにぃ!? ハニートラップで身も心も溶かすとか最高じゃねーか!」
グリモアベースで得た情報に歓喜するカシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)と、相棒のメルシー。
「ひゃっはー☆ これはもうメルシー達が身代わりになる……しか……え? ご主人サマ、これ見て?」
メルシーは喜びもつかの間、血相を変えて敵の情報が記載された資料の一文を指差す。
これにカシムは絶望した。
「……って物理的に溶かしてくる……だと? 畜生がぁぁぁ!!」
「あんまりだよーぅぅ!」
スケベ心を抱くコンビは、肩を落としてトボトボと獣人戦線へ転送されていった……。
現地に着いたカシムとメルシーは早速、哨戒中の黒兎部隊と遭遇する。
「あれぇ? お兄さんたち、猟兵でしょ?」
「猟兵は殺さないとだね?」
「ほらほら~♪ 甘い香りで洗脳されちゃえ♪」
黒兎部隊から放たれる甘い芳香は、嗅いだ相手が黒兎部隊を疑ったり敵対する意思を奪い、もしくは『甘えたい』『ダメにされたい』などの自堕落な感情を植え付けるユーベルコードだ。
しかし、カシムとメルシーの抱くエロパワーはユーベルコードの効果を跳ね除け、怒りに転換して逆襲を図るのだ。
「シチュ的には存分にヤられたかったが……てめーらじゃダメだ……」
「今夜は甘えさせてくれる先約があるんだぞ☆」
ふたりは共通の恋人の顔を思い浮かべてリピドーを高めてゆく。
「つーわけで、訳でおめーらは此処で終われ。僕の輝かしい今夜の未来のためになぁ!」
「今夜は寝ずの5連戦が待ってるからね☆」
彼らなりの死刑執行宣言が発せられると、ふたりは忽然と黒兎部隊から姿を消してしまう。
お得意の光学迷彩魔術だ。水魔法で芳香成分を吸着させることで、敵の洗脳を無効化するオマケ付きである。
「洗脳以外は雑魚のおめーらに構ってる暇なんてねーよ!」
「ご主人サマ! 念動光弾なんて必要ないよ! 一気にヤッちゃおっか☆」
「そうだな! このまま彼奴等の首を刎ねちまえ……!」
カシムがダガーを、メルシーがビーム大鎌剣ハルペーを構えると、高速移動からの連続斬撃で部隊をたちどころに斬り刻んでゆく。血飛沫が噴き上がるたびに黒兎達の首が空に幾つも舞い上がり、ものの十秒で敵部隊は完全に全滅したのだった……。
大成功
🔵🔵🔵
アルジェン・カーム
UC常時発動中
白虎…良い響きですね
我が四門の技の一角…彼らに起きる
悲劇の終焉…破壊しましょう
「そうだねアルジェン…でも…なんだろう…凄くイラってくるんだよね…いや君達にじゃないけどね?(オブビリオンマシン…まさか…)」
【戦闘知識・オーラ防御】
自らを溶かして侵入する…中々怖い方法ですね
彼女らの侵入にたる経路…そして…オーラ防御広範囲展開
今回は防御ではなく探知として利用
ええ…気という概念でもあるでしょう
【念動力・弾幕】
「君達に好きにはさせないよ!」
念動光弾に破壊の波動を交えて分解
僕が甘えたくなるのは信頼のおける方だけですよ?
残念ながら貴方達ではないようです
宝剣による連続斬撃!
アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)は市街で『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』の襲撃を受けていた。
彼女らは自身の肉体や衣服、更に武器までもゲル化させて移動してくるのだ。
「自らを溶かして侵入する……中々怖い方法ですね。狭い場所が多い市街地では、地の利はあちらにあるといっていいでしょう」
「アルジェン、危ない!」
黒髪赤眼でメイド服を着た男の娘が、排水管の中から飛び出てきた黒兎を万能近接砲撃戦闘兵装『バイデント』から発射された念動光弾で射殺した。
アルジェンは背後から忍び寄ってきた敵にあと一歩で襲われるところだった。
「大丈夫、アルジェン?」
「ええ助かりましたよ、ぷっさん……ですが、囲まれましたね……」
アルジェンは黒兎達の生命力を気の波動として捕捉することで、大まかな位置取りと数を把握してみせる。
「敵の数は10体……皆、物陰にゲル化して潜んでいます」
「だったらボクに任せて、アルジェン! 破壊の波動で、隠れてる場所ごと消滅させてやる!」
プルートーは時速605kmで低空飛行すると、バイデントの穂先から次々と破壊光弾を乱射しはじめた。
ゴミ箱の影、側溝の奥、マンホールの中、廃墟の窓、怪しいところは全て砲撃してゆく。
すると、アルジェンの反応に変化が出始めた。
「5体、6体……いい調子です、ぷっさん」
「アルジェンと思考と魔力が繋がってるからね、ボクにも大体の敵の位置が分かるよ!」
徐々にゲル化した黒兎部隊を討伐してゆくプルートー。
これにいよいよ進退窮まった残党達が、一斉にアルジェンへと飛び掛かっていった。
「お兄さんをドロドロに溶かしちゃえば勝ちだね!」
「どうせウチらは捨駒だし、少しでも戦力を削げるなら!」
「捨て身の特攻もやむなしだよ!」
アルジェンの頭、胸元、足元へ同時に飛び掛かるゲル化黒兎3体。
しかし、アルジェンは英霊剣群を具現化させると、空中で刃を操作して3体同時に斬り伏せてみせたのだ。
「僕が甘えたくなるのは信頼のおける方だけですよ? 残念ながら、貴方達ではないようです」
肉体を保てなくなった黒兎達だったゲル状物質が、舗装を溶かしながら消失してゆく。
アルジェンは彼女達に黙とうを捧げると、踵を返して『
白虎幇』の元へ急ぐ。
「白虎……良い響きですね。我が四門の技の一角……彼らに起きる
悲劇の終焉……必ずや破壊しましょう」
「そうだねアルジェン……でも……なんだろう……凄くイラってくるんだよね……いや、彼女達にじゃないけどね?」
プルートーは予知の中でちらりと姿を見せた、オブリビオンマシンをどこかで見たような気がしてならなかったのだった。
大成功
🔵🔵🔵
アルマ・アルカレイト
チーム錬金術士
属性攻撃…刹那の無限回転と無限再生の翼発動
錬金術…凍結攻撃とマヒ攻撃の錬成弾と賢者の石を回復薬に作る
蟲使い…迷彩蟲を呼び出し矢弾の雨と結界術を使用
クイックドロウ…素早く弾丸を放つ
助けて、プサイ!後、蟲!
『分かったアルマ、力を貸そう…!』
笛で籠の蟲達を呼び出した後、指定UCでプサイを召喚して防御貫通雷を放ち周りの敵を攻撃する
させないわ!オラァ!
敵のUCに対しては凍結攻撃の錬成弾素早く放ちBC兵器達を凍らせてから迷彩蟲達が敵に矢弾の雨を放ち反撃
大丈夫よ!これは慶喜のお姉さんに折られた歯を直した力よ!
私はダメージを受けた慶喜にUC錬金術士奥義・無限再生の翼を付与して状態異常を回復させる
東・慶喜
チーム錬金術士
勝利への執念MAX
クイックドロウ…素早くエネルギー弾を放つ
エネルギー弾…凍結攻撃の弾で敵を凍らせる
薬品調合…フルポーションで回復薬を調合
結界術…防御技能敵の攻撃を防ぐ
危ない、アルマ!痛っ!
敵が軍服からBC兵器を放って来たので結界術で守るが少しダメージを食らったがUC雷と凍結の結界を発動して轟雷と凍結のオーラで敵に反撃した
アルマ、ありがとうな…俺の姉ちゃんがすまんかったな
アルマはUC錬金術士奥義・無限再生の翼で溶解の状態異常を回復してくれた
じゃあ今度はこっちの番やな!
指定UCを使用して竜巻を放ち敵を吹き飛ばす
ちなみに逃れた敵はプサイが追撃してくれたで
残りの敵はエネルギー弾で凍らせた
突然現れた黒兎部隊の奇襲攻撃!
「 フォーリング・パウダーシュガー!」
「溶けちゃえとけちゃえ!」
「甘~い毒を召し上がれ!」
黒砂糖状の生物化学兵器を散布する黒兎部隊!
近くにいたアルマ・アルカレイト(異世界からの来訪者『無能の錬金術士』・f39594)へ向けられて散布され、褐色の毒霧がアルマを覆い尽くす。
「ゲホゲホッ! た、助けて……!」
アルマの悲痛な叫びに、駆け付けた東・慶喜(無能の錬金術士の相棒・f40772)が七支刀『天音』を掲げて結界を張り巡らす。
「大丈夫か、アルマ!? 痛っ!?」
七支刀『天音』で追い風を起こして毒霧を押し戻して結界内に毒素を締め出そうとした慶喜であったが、簡単にはいかずに顔の一部と手の甲の皮膚がゲル化して痛みを引き起こす。
アルマは慌ててユーベルコードで大天使プサイを召喚する
「慶喜!? 秩序の大天使プサイ……力を貸して!」
「分かったアルマ、力を貸そう……!」
大天使プサイの権能によって猟兵達の行動成功率が底上げされ、更に錬金術士奥義・無限再生の翼を同時発動。
「大丈夫よ! これは慶喜のお姉さんに折られた歯を直した力よ!」
「待てや、永久歯って治るもんちゃうやろ!?」
驚く慶喜だが、アルマの前歯3本がしっかり復活して白く輝いているのをみて、ユーベルコードって便利なんだなと思考を放棄した。するとみるみるうちに慶喜の顔と手の甲も癒えてゆく。
「アルマ、ありがとうな……それと、俺の姉ちゃんがすまんかったな」
「もとはと言えば私が悪かったわ! やっぱり割り勘が大正義よね!」
黒兎部隊は目の前の頓珍漢コンビが何を話しているのかさっぱり分からない。
だが、結界で攻撃を防がれた今、彼女たちに出来ることはただひとつであった。
「て、撤退です~!」
「生物化学兵器が効かない結界ってどんな仙術よ!?」
「態勢を立て直さなくっちゃ!」
アルマと慶喜に背を向けて、一目散に逃げてゆく黒兎部隊。
しかし、ふたりが敵に情け容赦をかける正確ではなかった。
「よくも慶喜の顔を溶かしてくれたわね! プサイ! お願い! あと蟲達も!」
『この千里眼をもってすれば、何処に逃げようがこの裁きの稲妻は命中する……!』
大天使プサイの言葉通り、土砂降りの空模様がゴロゴロと轟いたかと思えば、暗黒の雲の中から万雷が地上へ降り注いだ。
「「きゃああああっ!」」
落雷の瞬間、複数の女性の悲鳴が入り混じる。
そして蟲笛で呼ばれた使役蟲が2人を敵の元まで誘う。
稲妻が落ちた場所へ駆け付ければ、既に黒兎部隊の数匹が黒焦の死体になって歩道に転がっていた。
「アルマ、まだ残党がおるで! 喰らえや!
浄化の竜巻!」
更に慶喜が激しい竜巻を残党の背中へ目掛けて解き放つ。
「「いやあああぁぁ!?」」
上空へ勢い良く吹き飛ばされた残党達。
「これで終いや!」
「錬金術と刹那の無限回転の力、見せてあげるわ!」
残党達は地上のアルマと慶喜の錬金凍結弾の餌食となって凍結し、地面に激突して砕け散っていった……。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
皇・絶華
単独行動希望
神機は少女形態
因みに記憶は割と曖昧です
「主様…此処…どこですかね?」(黒髪少女
どうやらクロムキャバリアともケルベロスディバイドとも違うようだな?
しかし…あのレモンという女…何だか私を知ってるようだったが…なぜだろうな?
「さぁ…俺の事は知らないようでしたが…」
そうか…まぁ私もどうも記憶は曖昧だしな
お前との出会いも少し曖昧だしな!
「そ、そうですか…(全て忘れてくれればよかったのに!…しかし主様を導いてたあの冥界の炎…あれは恐らくヘカテイア…あの野郎…絶対に許さねぇ…!)(ぐぎぎ」
絶空斬で切り刻み無力化
【念動力】
粉砂糖は念動障壁で防御!
どうやらお前達は粉砂糖を使うようだな…?
だがお前達には足りないものがある!
分からないのか…?
それは…パワーだ!
何より…砂糖とチョコは相性がいいらしいからな?
私としては糖質は体に良くないので完全カットしていたが…
砂糖の化身ならば仕方あるまい!
存分に食し!圧倒的なパワーに酔いしれるがいい!(ぜっちゃんチョコを口に捻じ込み捻じ込み
「あわわわわ…!(南無!」
皇・絶華(影月・f40792)はケルベロスディバイド世界を往く当てなく彷徨い続けていたところ、偶然にもグリモアベースへ迷い込んだ。
「なんだ、この移ろいゆく景色が広がる世界は?」
様々な世界の姿が浮かんでは消えてゆく小さな世界。
そこへグリモア猟兵と名乗る少女と出会う絶華。
当然、絶華は彼女にこの場所を問い質すが、グリモアベースという名称だけを告げて目を逸らしてしまう。
そして、意味ありげに開く光のゲートを指差して向かうように示唆した。
「あそこへ行けというのか。分かった、今はそれしか手掛かりがないからな……」
絶華は躊躇せずにゲートへ飛び込んでいった。光が満ち溢れ、彼は思わず目を瞑った。
絶華が目を開けると、そこは戦場だった。
散らびやかで下品な輝きを放つネオン街が、今まさに市街地戦の舞台となって2つの勢力がぶつかっている最中だった。
「
主様……此処……どこですかね?」
黒髪翠眼の少女が不安そうに周囲を見渡す。
この少女、見た目は虫も殺さぬ可憐な姿であるが、その正体は別世界『冥界』の最下層で永劫の時を封印されていた凶悪にして最悪の神機……連環神機『サートゥルヌス』である。だが諸事情により、今は人間の姿へ強制的に変化させられているため、絶華の後を恐々と突いていくだけであった。
そんなサートゥルヌスの問いに絶華が首を傾げて回答した。
「どうやら、クロムキャバリアともケルベロスディバイドとも違うようだな? しかし……あのグリモアベースとかで出会った金髪の女……何だか私を知ってるようだったが……なぜだろうな?」
「さぁ……俺の事は知らないようでしたが……」
絶華は記憶がないだけで、過去に猟兵に召喚されて大惨事を引き起こした戦果がある。
同じ任務に同伴した猟兵が例のグリモア猟兵へクレームを浴びせたほどの被害が発生したのだが、それは敢えて蒸し返す必要もないし、本人が記憶にないというのならこの話は止めようじゃないか。
「そうか……。まぁ些末な事だろうな! 私自身もどうも記憶は曖昧だし、現にお前との出会いも少し曖昧だしな! お前に私の特性チョコを与えたあたりはなんとなく覚えているのだが!」
「そ、そうですか……」
サートゥルヌスの顔が思わず引きつった。
(全て忘れてくれればよかったのに! つか一番忘れてほしいところを割と覚えてるじゃねーか!)
同時にサートゥルヌスの脳裏に、冥界での一コマが浮かび上がった。
(……しかし主様を導いてたあの冥界の炎……あれは恐らくヘカテイアの……あの野郎ォ、絶対に許さねぇ!)
主に悟られないよう、サートゥルヌスは奥歯を噛みしめて仇敵へ憎悪を募らせるのだった。
主従が街状況を知るべく探索していると、偶然にも『潜入工作系錬金術師・黒砂糖』部隊と遭遇してしまう。
「あら、白虎に猟兵が味方したって本当だったのね?」
「でもコイツ、弱そう~! さっさと溶かしちゃおうよ~!」
黒兎達が絶華達を嘲笑う。
確かに絶華は猟兵に目覚めたばかりで記憶も曖昧だ。オブリビオン達の格好の餌食と言えるだろう。
しかし、彼は覚えていないだけで、その昔に世界を救った英雄のひとりなのだ。
故に、戦闘本能で絶華は浴びせかけられる黒糖状の生物化学兵器の毒霧を念動障壁で遮り、一気に黒兎達へ神速の脚運びで肉薄し、斬霊刀の唾を鳴らして横一線に斬り薙ぎ払う。
まるで瞬間移動めいた攻撃速度を前に、黒兎達は自分の頸が刎ね飛ばされて逆さまに視界が反転し、間欠泉の如く鮮血が噴き出す自分の胴体を眺めて事切れていった。
「どうした? お前達はその程度か。弱すぎるな……パワーが足りないな!」
絶華の言葉に、サートゥルヌスは何かを察してこっそりと後ろへ下がってゆく。
「どうやらお前達は粉砂糖を使うようだな……? だが使い方が鳴っていない。だからこそ、お前達には足りないものがある! お前、言ってみろ?」
「ふえぇ……毒素の濃度を高めるとか?」
「愚か者が!」
「きゃああああっ!」
間違った回答を言った黒兎が、絶華に袈裟斬りに伏せられてしまった!
他の黒兎達は戦々恐々として、もはや言葉が出てこない。
これに絶華は呆れ返ってしまった。
「分からないのか……? ならば教えてやろう! それは……パワーだ! お前達の黒砂糖の毒にはパワーが足りない!」
何を言ってるんだ……?と黒兎達は虚ろな眼で絶華を見詰めてしまう。
そんな事をなどお構いなしに、彼はパワー獲得について熱弁を振るいだす。
「どうすればパワーを補えるか? それは私のチョコを食べる事だ! 何より……砂糖とチョコは相性がいいらしいからな? 私としては糖質は体に良くないので、今まで作ってきたチョコはすべて、糖質を100%カットしていたが……」
(おい、それってただの苦くて臭い黒い物体じゃねぇか。ダークマターじゃねぇかよ!)
心の中でサートゥルヌスがツッコミを入れている!
絶華の猛弁は更に熱を帯びてゆく。
「だがしかし! お前達が砂糖の化身ならば仕方あるまい!」
「「いいえ、違いますけど?」」
一斉に黒兎達は全力で否定するも、絶華は聞いていない。
「ならば! コラボだ! 私のチョコに、お前達の猛毒黒砂糖をまぶした、最強の健康パワーチョコの完成だ! さあ! 存分に食し! 圧倒的なパワーにお前達も酔いしれるがいい!」
絶華は手近にいた黒兎達の口へ同時に改良型ダークマターを口腔内へ押し込んでゆく!
「「あんぎゃああああああああっ!」」
口腔内から生物兵器を摂取し、更に地獄の味覚と臭気を放つ絶華特性チョコによって、黒兎達はどんどんとその場で骨まで溶解して死滅してゆく。
(あわわわわ……! えらいこっちゃ……! 大量殺人兵器の誕生じゃあ……!)
サートゥルヌスは顔面蒼白でガタガタと身震いさせて戦慄し、対して絶華は溶けていく黒兎達を見て感涙していた。
「おお……! 私のチョコを食べて、まさか文字通り身も心も蕩けていくとは! そこまで堪能してくれて感謝だ……! そうだ……! 溶けたお前達は、私のチョコの原料にしてやるぞ! これでいつでもチョコを堪能できるぞ! どうだ、喜ばしいだろう!?」
サートゥルヌスは目の前にいるヤバいサイコパスが自分の主である事実を今すぐに否定したくなった……。
<ぜっちゃんチョコに『黒砂糖状BC兵器トッピング』が加わりました>
大成功
🔵🔵🔵
箒星・仄々
サイバー武侠マフィアって
とっても強面ですけれども
オブリビオンさんと戦う同志です
お助けし
黒兎さん達を海へと導きましょう
例え見えず聞こえず匂わずとも
動けば大気が動くのが道理です
猫のお髭は敏感なんですよ〜
空気の動きを感じて
ぱっと跳躍しざま
影から躍り出たランさんに掴まります
液状化しても空は飛べませんから
回避するなら上方へ、です
ランさんは急上昇
距離をとって薬液をささっと避けましたら
騎乗して竪琴をぽろん
具現化した旋律で気配を吹き飛ばします
覆っている薬液も
薬液が入っている瓶?も
序でに軍服も香りも皆まとめて吹き飛ばします
これで吹き飛ばした先の白虎さんたちが
容易に倒せるはずです
まだまだ黒砂糖さん達はいるのですよね
楽しい演奏会としましょう
例えゲル化していても
隙間に隠れていても
音は届きます
四方八方に音を放って
吹き飛ばすことで燻り出して同上です
見つけましたよ
終幕
演奏を続けて鎮魂の調べとします
海で静かな眠りを
箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は転送直後から戦闘に向かわず、まずは『
白虎幇』……サイバー武侠マフィアの白虎達のアジトに顔を出していた。
「初めまして、救援に駆けつけた猟兵の箒星と申します。是非、皆さんと共闘できればと思いまして、挨拶に伺いました、よろしくお願いします」
懇切丁寧に挨拶をすれば、白虎達達もおいそれと邪険にはできない。それが望まぬ申し出であったとしても。
「ちゃんと挨拶できるのは立派じゃねぇか、黒猫ちゃんよぉ? だが、俺達のシマの問題に首を勝手に突っ込まねぇで貰いたいんだ。これは俺達の問題だ、お節介にも程々にな?」
白虎の一体が遠回しに箒星を追い払おうと告げた、その時だった。
「で、伝令! 東の1番区で交戦してた人民租界軍が、割り込んできた第三者によって瞬時に壊滅とのこと!」
「申し上げます、ボス! 膠着状態だった71番街が猟兵っていう奴に一瞬で解放されちまったって報告が!」
「ボス~! すごかったっすよ~! 猟兵って奴ら、猛毒の生物化学兵器を浴びてもぴんぴんしてるっす!」
「大変だ! 黒兎共が猟兵を名乗るヤツが持ってた真っ黒なチョコを食わされてドロドロに溶かされたぞ!」
それは各地で人民租界軍を撃破した猟兵達の報告であった。
箒星はすっとボスと思しき白虎の前へ進み出ると、ピンクの肉球が付いた真っ黒な猫の手を差し出した。
「サイバー武侠マフィアさん達ってとっても強面ですけれども、オブリビオンさんと戦う同志です。必ず皆さんをお助けし、人民租界軍の黒兎さん達を骸の海へと導きましょう。そのために、この私の猫の手をお貸しします。如何でしょうか?」
箒星の提案に、白虎達のボスは手を出すのをまだ躊躇っている。
「助けてくれたのは感謝する。だが、まだ信用出来ねぇ。だから、こういうのはどうだ?」
ボスから条件が出され、それをクリアすれば共闘に応じるとのことだ。
その条件とは、この『
須弥山型都市』でもっとも激戦区である『26番地』へ赴き、孤立した白虎達を救出せよというものだ。
「この国は昔から強さと信頼がモノを言う。だから同胞を救出出来たら信じるぜ。できるか? 黒猫?」
ボスの問いに、箒星は脱帽して一礼してみせた。
「お安い御用です。では、行って参りますね」
箒星は口笛を吹き鳴らすと、自身の影から体長5mの雌メカジキを召喚してその背に跨った。
そのまま雌メカジキのランさんは空中をスイスイと高速で遊泳し、そのまま『26番地』へ急行していった。
箒星は風から伝わる僅かな振動を感知し、敵の居場所を察知してゆく。
「前方10mに7~8人潜んでますね。例え見えず聞こえず匂わずとも、動けば大気が動くのが道理です。猫のお髭は敏感なんですよ〜。ランさん、上空へ跳び上がってください!」
箒星の指示でランさんは空中を水面から飛び出るように大ジャンプ!
建物よりも高く跳び跳ねたランさんから下を覗くと、孤立した白虎達と彼らを包囲する黒兎部隊の布陣が丸見えになった。
「さあ、行きましょう! 喝采のファンファーレを!」
箒星はすかさず竪琴を軽快に掻き鳴らし始めると、魔力で具現化した五線譜が上空から降り注ぎ始めた。
地上で戦っていた黒兎部隊と白虎達は、思わず空を見上げて呆けてしまう。
すると、光の五線譜はゲル化した黒兎部隊の頭上から着弾し、音の衝撃で一気に1400m以上も吹っ飛ばされてしまった。ゲル化した黒兎達は身体を元に戻す暇もなくバラバラになって飛び散ってゆき、再生することなく死滅してしまった。
「たとえゲル化して襲ってきても、私はランさんと上空にいますので薬品の瓶も届きません。そして光の五線譜は黒砂糖さん達の身体は勿論、ゲル化薬をも吹き飛ばしてしまいます。武器を無くした黒砂糖さん達なら、取り残された白虎さん達でも応戦できるはずです」
そう告げながら箒星はどんどん光の五線譜を竪琴から放って敵を遠くへ吹っ飛ばしていく。
白虎達も救援が来たことで反転攻勢を開始した。
「妙な薬がない兎共など、俺達の敵じゃないぜ!」
「オラァ! よくも散々苦しめてくれたなァ!?」
「おい、全員殺すなよ!? 数匹は半殺しにして、アジトへ連行して情報を吐かせろよ!?」
勢い付く白虎達。しかし、物陰や壁の亀裂に挟まるゲル化した黒兎が白虎達を背後から狙っている……!
と、ここで箒星は竪琴を高速アルペジオで情熱的に奏で始めた。
「例えゲル化していても、隙間に隠れていても、より強い旋律を放てば音は反響して必ず隙間に届きます。ですので、四方八方に音を放って吹き飛ばすことで、残党を燻り出しましょう」
その言葉通り、狭い隙間にいた残党達がみるみるうちに路上へ放り出されて姿を現してゆく。
「見付けましたよ」
箒星はランさんを急降下させると、
鋭い尖端の両刃細身の魔法剣を鞘から抜いてタクトのように振り乱した。
「この剣筋は
ヴィヴァーチェですよ。一瞬で骸の海へとお還しします」
すれ違いざまの風切り音が幾重にも鳴り響く。
直後、ゲル化した黒兎達は目にも留まらぬ箒星の剣捌きで細切れになり、光の五線譜によって遠くまでさらわれていってしまった。
「これでお願い事は完了でしました。皆さん、ボスさんがお待ちですよ」
白虎達は箒星へ感謝の言葉を述べると、急いで彼らのアジトへ戻ってゆく。そんな彼らの背を見送りながら。箒星は竪琴で黒兎達の最期を“見送る”のであった。
大成功
🔵🔵🔵
第2章 冒険
『悪天候の塹壕戦は地獄なり』
|
POW : 力任せに泥水を掻き出す
SPD : 便利な道具で効率よく泥水を運び出す
WIZ : 叡智や魔術で泥水に対処する
|
猟兵達の活躍を聞きつけたサイバー武侠マフィアの『
白虎幇』は、仁義と信頼によって猟兵達との共同戦線を快く歓迎した。
「あんた達となら、人民租界軍のクソ共の拠点を叩けるかもな……? おい、あの秘密通路を使うぞ」
白虎達のボスは雷雨が降りしきる中、猟兵達を秘密の通路へ案内してゆく。そして道すがら作戦内容を口伝てで解説した。
「実はな、俺達はあの黒兎達共とやり合っている間に、こっそりと塹壕を掘ってたんだ。それもただの塹壕じゃねぇ。この街を襲撃している人民租界軍の拠点に最も近い場所まで掘り進めた塹壕だ。それを使えば、敵の拠点の背後を突ける。視界が悪いこの雷雨の中、俺達で一気にクソ共を奇襲できるって話だ!」
勝ち誇るボスの言葉に、猟兵達も楽勝ムードが漂う。
しかし、先に偵察に出していた若衆のひとりが慌ててボスへ駆け寄ってきた。
「ボ、ボス! ヤバいですよ! この記録的な雨で、塹壕の中が浸水してます!」
「なんだと……!? マジかよ……!」
ボスはしまったと大きな手で顔を覆った。
若衆は言葉を継ぐ。
「それだけじゃないです! 浸水のせいで塹壕内は泥だらけで、一度入ったら足がとられて動けなくなっちまいます! ボス、他の作戦を立案してみては……?」
「駄目だ、あの通路を使う。お前は他の若い奴に、この事を知らせて人手を掻き集めてこい。人民租界軍が部隊を再編している今がチャンスなんだ。なんとしても塹壕の中の泥と雨水を外へ掻きだすぞ、いいな?」
「は、はい……!」
睨み付けるボスに委縮した若衆の白虎は、慌ててアジトへ戻っていった。
そしてボスは猟兵達へ向き合う。
「……って事になっちまった。情けねえ話だが、虎助けだと思って手伝ってくれねぇか? 頼む……!」
ボスが両手を合わせて頭を下げてみせる。
やはり、そういう事だよなぁ……!
しかし、この雷雨降りしきる今なら、猟兵達が敵部隊を壊滅させた今なら、秘密の通路さえ使えれば奇襲攻撃が可能になるのは間違いない。
ここはひとつ、猟兵達のユーベルコードで塹壕の復旧作業に手を貸してやろうではないか。
皇・絶華
単独行動
ふむ…ウェアライダー達だろうか
しかし白虎か…ふふ
「名前が気になるんですか主様?」
ああ…我が双子の弟は私と違い正当なる四門の術技を習得していた
そして幼い頃に私に虫入りチョコを馳走してくれた物だ
それ故にこういったチョコの素晴らしさを知る事が出来た(ほんわか
「…そうですか(よし弟の野郎ブチのめす!!」
さて…浸水した塹壕を如何にかするのだな
之もまた力を高める修練ともなるだろう
(ぜっちゃんチョコもぐもぐ…UCで用意したドリンクもごくごく
「ひぇ…!(ぷるぷる」
うむ…やはり素晴らしきパワーだ
という訳で全力で泥と雨水の掻きだしを行う
興味を持った白虎にも振舞うぞ(恐ろしい事に効果あり(但し超絶不味い
皇・絶華(影月・f40792)は白虎達の姿を先程からじろじろと眺めていた。
「どうしたのです? 主様?」
なんやかんやで従者として働くサートゥルヌス(黒髪翠目の少女のすがた)が絶華へ尋ねた。
すると絶華はおもむろに答えた。
「ふむ……二足歩行の虎か、もしやウェアライダーだろうか?」
「ウェア……なんだって?」
「そんな顔をするな、さったん」
「さったんってもしかして俺の事か!? 安直すぎね??」
唖然とするサートゥルヌスに絶華が首を傾げた。
「嫌なのか? それなら土星ちゃんでどうだ?」
「サートゥルヌスでいいでしょうが……で、ウェアなんたらってなんです?」
「ああ、私がいたケルベロスブレイドという世界での獣人族たちの総称だ」
「へぇ、主様といた世界にも、あんな感じなのがいたのか……」
サートゥルヌスも二足歩行の白虎は物珍しいのか、ついつい横目で見遣ってしまう。
と、ここで絶華が何故か笑みを浮かべているのをサートゥルヌスは気付いた。
「なんで奴らを見てニヤニヤしてるんです? まさか主様ってケモナーなんです?」
「いや、違う。しかし白虎か……ふふふ……懐かしいな……」
絶華はサートゥルヌスに昔話を語り始めた。
「我が双子の弟は私と違い、正当なる一族の後継者として奥義『四門の術技』を習得していた。そんな立派な弟は、幼い頃、兄である私に虫入りチョコを馳走してくれた物だ。それを食べた時、私は不思議な高揚感と充実感が身体中にみなぎったのを今でも覚えている……それ故に、私はチョコの素晴らしさを知る事が出来き、世界中の人々に健康になるための薬膳チョコの普及に日々邁進しているのだ!」
「元凶は弟かよぉぉぉ~!?」
サートゥルヌスは降りしきる雨の中で嘆きの絶叫を天へ轟かせた。
「弟の奴……もしあったらぶち殺す!」
「今……何か言ったか? 少し躾が必要のようだな? パワー!」
「おぼろろろろろろ!」
失言をしたサートゥルヌスの口元に、カブトムシの幼虫チョコをねじ込んでゆく絶華であった。
「さて、問題の塹壕に来てみたが……なるほど、これはひどいな。迂闊に泥水の中を泳げば傷が化膿して戦闘に影響を及ぼす。そもそも視界が悪くて泳げたものではないが。やはりここは泥水を掻き出さねばならないだろう」
塹壕の上で腕を組んで作業の段取りを考える絶華。
一方、幼虫チョコを食わされたサートゥルヌスは
再起不能していた。
「噛んだ時に幼虫の中身がプチッて溢れてドロッと濃い液体が臭いチョコと一緒に喉の奥へ……オエェェ!」
暫く行動は出来なさそうだ。
一方、絶華はパワーで解決するべく、ユーベルコードで漢方と虫配合の狂気の超高濃度カカオ汁を生成する。
「さて……浸水した塹壕を如何にかするのだな。之もまた力を高める修練ともなるだろう」
すると、なんと自分で摂取し始めたではないか!
「うむ! 美味い!」
味覚が完全に死んでいるからこそのリアクションである。
更に自身お手製のチョコレートも噛み砕いて飲み込むと、途端に彼の両目がギンギンに充血して見開いたではないか。
「おっぎょむればれぶぽにゅっぎょりゅちれちょぺーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!」
「ぬ、主様ぁぁぁ!?」
絶華はパワーとパワーの融合で溢れるエネルギーを抑えきれずに奇声を上げる!
そのまま泥水が溜まった塹壕へダイブすると、なぜかバタフライで泳ぎ出す!
「ぬ、主様が泳ぐなって言っておいて何で泳いでるんだ!?」
混乱するサートゥルヌス。
しかし、白虎達のボスが何かに気付く。
「いや、あれは薔薇フライで泳いでるんじゃねぇ! 見ろ! 残像が出来るほど高速で腕を回転させて、泥水を水車みてーに掻き出してやがるんだ!」
「なにその人間重機?」
よくみれば、確かに絶華が腕を振り回すたびに大量の泥水が塹壕の上へと掻き出されているではないか!
サートゥルヌスも中途半端なたとえツッコミでしか対応できなくなっていた。
「白虎達よ! パワーが欲しいか! 欲しい者達は私のチョコを受け取れ! 半年遅れのバレンタインチョコだぞ!」
完全にヤバいお薬でしかないぜっちゃんチョコとぜっちゃんカカオ汁(※ココアドリンクではない)。
しかし、怖いもの知らずの若衆数名が、果敢にも地獄への片道切符を光景摂取してしまった!
「「ま~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!」」
まずい、という単語を言えぬまま、脳内にアドレナリンが大量分泌されて元気になってしまう!
「よくぞ食した若衆達よ! これを食せば、凄まじい再生能力を獲得する! つまり24時間疲労知らず、銃弾で心臓を撃ち抜かれてもすぐに傷口が塞がって弾丸を弾き返すほどだ!」
「やっぱり危険薬物のそれじゃねぇか! あわわわわ……」
サートゥルヌスはもうどうにでもなれとガタガタと身体を震わせながら復旧作業を見守るしかできない。
塹壕の中では、絶華ほか両目がバキバキに充血してテンションが高くなった白虎の若衆達が脳のリミッターが外れた常人離れした筋力を発揮し、瞬く間にこの区画の泥水を掻き出してゆくのであった。
成功
🔵🔵🔴
アレクシア・アークライト
ここが“はじまりの猟兵”の世界――
UDCもいるっていう話だし、何処かで私達の世界と繋がっているのかもしれないわね
さて、それはさておき
いずれこの世界を見て回るにしても、まずはここの人達を手伝うのが先
塹壕や地下通路に溜まった水を掻き出して、通れるようにすればいいわけね
拠点まではどれくらい? 15km程度までならなんとかなるわ
UCを発動して、超能力の効果範囲を拡大
まずは《領域》を広域に展開し、塹壕や地下通路の状況を確認
念動力で浸水を堰き止めながら、溜まった水や泥を搔き出すわ
もちろん、《音波干渉》で音を消して、敵軍に気付かれないようにね
ぬかるんだ場所がある場合は、《物質干渉》で修復していくわね
「ここが“はじまりの猟兵”の世界――」
アレクシア・アークライト(UDCエージェント・f11308)は土砂降りの『
須弥山型都市』に掘られた塹壕付近へ転送されてきた。
「聞いた話だとこの世界にもUDCがいるっていう話だし、何処かで私達の世界と繋がっているのかもしれないわね。さて、それはさておき。いずれこの世界を見て回るにしても、まずはここの人達を手伝うのが先ね。って雨ヤバっ! 傘なんて持ってないわよ……?」
アレクシアはずぶ濡れを避けるため、自身の凄まじい念動力を用いて周囲に《領域》を形成する。雨風の影響を受けない空間を作成し、それを傘代わりに移動させながら歩いてゆく。
「……ここね。塹壕や地下通路に溜まった水を掻き出して、通れるようにすればいいわけね。ねえあなた、責任者は何処かしら?」
既に塹壕内で作業をしていた泥まみれの白虎へ声を掛けるアレクシア。
すると声を掛けられた白虎が雨が降らなくなったことに驚きながらもボスを呼びに向かった。
暫くして、ボスがアレクシアの周辺だけ雨が降っていない事を訝しがる。
「こいつは驚いた。嬢ちゃん、どんな妖術を使ったんだ?」
「あなたが此処のボスね? これは妖術じゃなくてただの念動力よ。それで? 拠点まではどれくらい? 15km程度までならなんとかなるわ」
「15km程度って、軽々しく言ってくれるじゃねぇか。俺達がその距離を掘るのに数週間かかったんだがな?」
白虎のボスはアレクシアの言葉を眉唾物だと思っているらしい。
仕方なく、アレクシアは実力でボスを黙らせることにした。
「――解除」
詠唱はそれだけ。
次の瞬間、アレクシアの精神力を消費して《領域》が急速に拡大してゆく。
塹壕の上に全く雨が降らなくなるほどの長大な念動力場を発生させられるのは、アレクシアが念動力に特化した異能の持ち主だからこそできる業であった。
彼女は塹壕の上にまるでガラス板が置いてあるかのように、平然と空中を闊歩しながら塹壕内部の被害状況を検分してゆく。
「まずは彼方から此方まで念動力の《防壁》で泥水を塞き止めるわね。あとは塞き止めた区画の泥水を搔き出してちょうだい。安心して、作業音は私の《音波干渉》で一切この《領域》外には洩らなさいわよ。どうしてもぬかるみが酷い場合は、掻き出すよりも《物理干渉》で押し固めて修復してゆくわね。さあ、あとはお願いするわ」
此処まで御膳立てされてては白虎達もやるしかない。
ボスは人手を掻き集め、塹壕のかなり広い区画の排水と泥の除去を行い続けるのだった。
大成功
🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「…依頼ならば仕方ありません」
嘆息
「別の水路に繋げて排水しなさい、黄巾力士水行軍」
黄巾力士14体9組15体1組計141体召喚
2組に排水先の低地(もしくは河川や排水路)の確認と補強を任せ残り8組を水没地下道に投入
地下道から排水先まで補強しつつ人が通れるサイズの水路掘削させ水を抜く
砲頭からウォーターカッターでドンドン壁面や邪魔な構造物を切り出させ土砂も水路外へ運ばせる
自分は竜脈使い全黄巾力士の能力底上げし工事のスピードアップ図る
「陣構築と同じ要領の作業です。多少音が出るのも時間がかかるのも当然でしょう?気付かれず奇襲したいだけなら水没したままでも通り抜けられました。排水に固執した貴方が悪いのです」
――解せぬ。
鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)が白虎達の頼みを聞いた直後、真っ先に浮かび上がった感想だ。
妖仙の自分が何故、泥に塗れて作業をせねばならないのか。そもそも塹壕が水没した時点で他の策を取らなかった『
白虎幇』の首領の融通の利かなさに殺意すら漲る。
……いっそ半殺しにしてみようか? 然すれば石頭の白虎の首領も考えを改めるだろう。
「いえ……それが罷り通るなら、グリモアの予知など必要ないですよね」
鳴上は嘆息を吐きながら宝貝・黄巾力士の掌を軒先代わりにして雨風を凌いでいた。
なにせグリモアの予知は絶対だ。もし予知の主旨に反した行動をすれば、妖仙の鳴上といえども不慮の事態に遭遇するやもしれない。猟兵という者は、グリモアの予知能力による情報戦の優位性の上で立ち回っていることを改めて思い知らされるわけで。それに最初から強引な手法が通用するなら、猟兵の手など借りずとも白虎達は人民租界軍を正面から潰せていただろう。
「やれやれ………依頼ならば仕方ありません」
乗り気ではないが乗り掛かった舟だ、鳴上はユーベルコードで総勢141体の宝貝・黄巾力士を召喚して作業に当たらせた。
「別の水路に繋げて排水しなさい、黄巾力士水行軍」
召喚した黄巾力士軍団はすべて水行……水属性を付与されている。本来、黄巾力士は金行を定められているのだが、そこは猟兵の中でも指折りの実力を誇る仙人の鳴上にとって造作のない宝貝改造である。ちなみにオリジナルの黄巾力士が鳴上の雨宿り担当をしているわけだが。
「それでは、黄巾力士を14体構成の小隊を9組、15体構成の小隊を1組作り、合計10組をそれぞれの作業に割り振ってゆきます」
振り分けはこうだ。
10組のうち、2組は下流の配水池の偵察とルート考案を任せる。幸い、塹壕からほど近くを流れる河川が存在するので、氾濫を危惧しつつ排水路のルートを取り決めさせる。
残りの8組は水没した塹壕の復旧作業と排泄路の掘削作業に割り当てる。特に1組だけ存在する15体の小隊は、掻き出された土砂と泥を運搬する重要な作業を担当する。りゅみゃくを意識して掘削された排水路は仙術としての効果も発揮し、掻き出された泥と土砂は排出先の河川の堤防構築の資材として再利用される。
掘削もかなりハイスピードで行われてゆき、黄巾力士軍団に装備された超高圧水流砲をウォーターカッターとして地盤を削り取ってゆき、出た泥水を吸い上げて外へ噴射することで排水してゆく。
鳴上もただ傍観するだけではなく、自身の仙力を全ての黄巾力士軍団へ絶えず注ぎ込んで作業効率の上昇を進めていた。
と、ここである事に鳴上が気が付く。既に塹壕の大部分を見えない壁が雨風を遮断し、ぬかるんだ通路の底を押し固めていたのだ。
「これは……結界でしょうか? いえ、物理干渉できる念動力の塊……? なんて精密なのでしょうか」
とある他の猟兵が設置した念動力の《領域》と《防壁》、そして周囲の騒音すら遮断できるほどの《物理干渉》を備えた《音響遮断》の存在に気が付き、鳴上は目を丸くして驚愕していた。
白虎達に聞けば、たったひとりの赤髪の少女がこれを成し遂げたのだという。しかし、それでも復旧作業は十分ではなく、こうして他の猟兵達に依頼しているのだという。
「いやはや、驚嘆ですね。私の黄巾力士軍団も陣構築と同じ要領の作業でやっていましたが、多少の作業時に出る騒音はやむなしでして。ええ、気付かれず奇襲したいだけなら水没したままでも通り抜けられましたのに、塹壕内の排水に固執した貴方に、これらを種に文句のひとつやふたつを述べようかと思ってたのですが。此処まで御膳立てされては、私も復旧作業に没頭せざるを得ませんね?」
まさか全長約15kmに及ぶ塹壕全域の雨風を遮り、泥の足場を押し固めるほどの異能を持つ猟兵が実在するとは。
鳴上の実力も、世辞ではなく猟兵のトップクラスだ。だが、世界はまだまだ広い。
「本当に、私など未々です……実に興味深い」
妖仙・鳴上は猟兵という存在の多様性に思わず目を細めると、口元だけを歪ませて嗤った。
成功
🔵🔵🔴
箒星・仄々
敵の背後まで塹壕を掘り進めたなんて凄いですね!
復旧作業に猫の手をお貸ししましょう
雷雨の中、竪琴を奏でます
雨も土も無機物です
正確に言うと
土壌には有機物も含まれていますが
主要な成分は岩石や鉱物が侵食された無機物です
降りしきる雨と泥を魔力へ変換します
その魔力を用いて
水分を塹壕の外へ移動させたり(水の魔力
塹壕へ熱した風を吹き付けて乾かしたりします(炎と風の魔力
雨や泥がなくなりますので
白虎さん達の作業のお手伝いにもなるでしょう
そして変換した魔力を塹壕の外で元へ戻せば
泥や水分が掻き出されたことになります
こんな感じで塹壕を復旧させながら
人民租界軍の背後へ向かいます
白虎達から作戦内容を聞いた箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は、素直に彼らの行動力を賞賛する。
「敵の背後まで塹壕を掘り進めたなんて凄いですね! 約15kmも数週間かけて掘り進めるなんて、なかなかマネできる事ではありません。いえ、そんな前から人民租界軍さんが白虎達のいるこの街へ真楽をしていた事が嘆かわしいです……人民租界軍さんを骸の海へとお還しするべく、私も復旧作業に猫の手をお貸ししましょう」
そう宣言した箒星は今……。
雷雨が降りしきる夕方、傘も差さずに自慢の竪琴を掻き鳴らしていた。
「さあ、楽しい演奏会にしましょう♪ トリニティ・シンフォニーです♪」
塹壕の中で陽気に歌と演奏を続ける箒星に、泥水を掻き出していた白虎達の手が止まる。
「あいつ、何をやってるんだ……?」
「冷やかしなら下がってろっつーの……って、うおっ!?」
「なんだこりゃ!?」
不信感を募らせていた白虎達は、突如としてユーベルコードの奇跡を目の当たりにした。
掻き出された泥水や土砂が、みるみるうちに炎・水・風の魔力へと変化されて意思を持ったかのように踊り狂う。
「それでは、泥水から水分を操作して外へ排水してゆきます。そして残った土塊を炎と風に変換し、崩れた壁を焼成して強固な壁へと乾燥させてゆきましょう。親切な方が見えない壁で、塹壕の中に雨風が吹き込まないようにしてくれたのは非常に助かりますね」
おかげで新たに浸水する心配は無くなり、安心して塹壕内部の乾燥を行ってゆく箒星。抜かるんだ通路も、熱風を浴びればすぐに固まっていった。
「黒猫、お前やっぱすげぇな……!」
いつの間にか白虎達のボスが様子を見に来ていた。
箒星は演奏中のため、ボスへ軽い会釈を済ませて再び意識を集中させる。
「私のユーベルコードは無機物を魔力へ変換します。水も、泥も、岩も、全て無機物です。正確に言うと土壌には有機物も含まれていますが、主要な成分は岩石や鉱物が侵食された無機物ですから、塹壕内部で操れないのは補強材として運搬される木材くらいですね」
乾燥した壁を補強するべく、木製の簀の子のような板が左右にどんどん張り付けられてゆく。
堪っていた泥水は、演奏が聞こえる範囲であれば一瞬で魔力となって消失してしまうので作業がとても迅速に片付くのも便利だ。
「ご覧いただいた通り、一瞬で雨や泥がなくなりますので白虎さん達の作業のお手伝いにもなるでしょう。そして変換した魔力を塹壕の外で元へ戻せば、泥や水分が掻き出されたことになります」
「マジですげぇな! これでかなり前進できる! よし、お前ら! 敵の背後まであと少しだ!」
ボスの号令で白虎達の士気が俄然盛り上がる。
箒星はこの雰囲気に合う行進曲を演奏し、彼らを更に勇気づけるのであった。
大成功
🔵🔵🔵
カシム・ディーン
おいおい…こんな力仕事はカシムさんの管轄じゃねーですよ
ツー訳でおめーらの出番だ!
UC発動
「「わーい☆」」
「幼女祭りはー?」
量を考えろ!?限度があるだろうがっ!
【情報収集・視力】
現在の塹壕の状態把握
効率的な泥水の回収ルートを把握
【属性攻撃・念動力】
泥水を凍結させて切り崩し念動力も駆使して運び出す
後は塹壕の通路の固定
安全確実に進軍できるように整えるぞ!
【医術】
後は僕は白虎達の状況を確認
怪我したのが居るならきっちり治療はしておきます
本当は美女とかがよかったが…まぁ…治療に努めます(ほろり
「次はキャバリア戦だね☆メルシー頑張るぞ☆…ちょこっと嫌な予感するけどね☆」
変なフラグ立てるな!!!
「おいおい……こんな力仕事はカシムさんの管轄じゃねーですよ」
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は白虎達を睨んでいる。カシムは(自称)天才魔術盗賊だ。パワーよりテクニック重視のアプローチを好む彼に土木作業従事など論外であった。
「ねぇねぇご主人サマ? そんなこと言ったら虎さん達が可哀想だよ!」
しかし相棒のメルシーは膨れっ面で契約者であるカシムを睨んでいた。
もう割と長い付き合いになる相棒からの圧に、カシムは眉間にしわを寄せながら不承不承で頷く。
「わかったっつーの! ただし、やるのはメルシー、おめーだぞ?」
「いいよー☆ ご主人サマの頼みならメルシー、頑張っちゃうぞ☆」
神機の契約者としての主従関係を全うするだけなのだが、事情を知らない白虎達からはカシムの事を『か弱い女子に強制労働させるモラハラ彼氏』と訝しがる者もいたそうな。
複雑な事情を知れば、きっと彼らも誤解が晴れるはずなのだが……。
「こういう悪環境ならこれだ! 行け! ドラグナーガールモード! おめーらの出番だ!」
カシムが魔力をメルシーに注ぐと、途端にメルシーの身体が141人に分裂!
「「ひゃっはー!」」
「というかご主人サマ? 幼女祭りの方が頭数多くてよくない?」
中東風の踊り子衣装に身を包んだメルシー(本体)に問いかけられたカシムは、食い気味で反論する。
「召喚される量を考えろ!? 限度があるだろうがっ! あとあれはすごく疲れる! 拠点へ行く前に僕が逝くぞ!」
141師団分の分身体へ絶えず魔力供給をしなくてはならないカシムの負担は想像以上だ。
人民租界軍とぶつかり合う前は消耗を避けたいため、カシムはこちらを選択したのだ。
それにドラグナーガールモードのメルシー軍団は、どんな環境でも十全に能力を発揮できる。
故に抜かるんだり水没している塹壕内を素早く飛翔して被害状況を情報としてまとめてゆく。
「ご主人サマ! なんか周囲に念動結界が張られてるよ? しかも凄い精密なやつ! 遮音性や物理干渉も出来ちゃうなんてすごいよ!」
「なんだそりゃ?」
カシムも塹壕内を直接検分すると、確かにぬかるんだ通路の足元が見えない板で押し固められているのを確認した。
「つまり、あとは泥水を掻き出すだけで大体済むってことか? 通りでこの辺りは雨風が吹き込んでこねぇと思いましたよ……」
見えないドームが塹壕の上を覆っている事にカシムは再び驚いた。
「まぁいい……僕達がやる事は変わらない……メルシー! 泥水をカドゥケウスの冷凍光線で固めて外へ運び出せ!」
「「ラジャったよ☆」」
メルシー軍団は言われた通りに泥水へ冷凍光線を乱射し、それをビーム大鎌剣ハルペーで斬り裂いて運搬する作業を繰り返す。
「これなら塞き止めた向こう側の泥水も固めて運び出せるよ!」
「奇襲をかけるなら全通路を復旧させるべきだね☆」
実は敵の拠点の背後へ回り込む塹壕は二手に分かれており、左右から挟撃できるように掘り進めていた。
しかし今は排水の関係上、そのうちのひとつから泥水が出ないように塞き止めているのだ。これを個体に変えて運び出せば、全通路が復旧する!
メルシー軍団の活躍で、封鎖されるはずだった塹壕の復旧作業も開始。ますます敵の拠点への利便性が増していった。
一方、カシムは傷を負った白虎達の手当てを行っていた。だがその顔は浮かない表情だ。
「本当は美女とかがよかったが……とほほ……」
「悪かったな、虎で。でも毛並みの良さは自慢なんだぜ? 少しおっさんのをモフるか?」
「いえ、遠慮しておきま……いや、意外と悪くないですね……これは……」
包帯を巻くがてら触れた白黒の毛皮の肌触りに、カシムは一瞬カネの匂いを感じたが流石に倫理的に反するので頭の中から考えを追いやった。
「ご主人サマ~終わったよ☆」
ここでメルシー軍団が戻ってきた。かなり復旧作業が進んだと報告を受けた白虎達のボスが破顔一笑する。
「そうかそうか! よくやってくれた!」
「あ、ついでにちょっと偵察行ってきたよ! 拠点に凄い数のオブリビオンマシンが集結してたよ!」
この知らせに白虎達が急にざわつきだした。
恐らく、メルシー軍団が見たのがグリモアベースで予知された宝貝オブリビオンマシンなのだろう。
どよめく彼らへ、メルシーが一喝した。
「大丈夫! メルシー達が付いてるよ! ちょっとヤな予感がするけど、ご主人サマと一緒なら負けないよ! 次回☆ 『激突、恐怖の宝貝オブリビオンマシン! ご主人サマ、暁に燃ゆ!』の巻だぞ☆ キャバリアファイトーォ、GO☆」
「僕に死亡フラグを立てるなバカヤロー! てかなんだそれ!?」
謎のニチアサ男児アニメ枠っぽい次回予告を振るメルシーに、カシムはすかさず蹴りを入れた。
大成功
🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
UC常時
虎さんか…うん!手伝うぞ!(格好よくて可愛いなーっとほっこり
「ここが獣人戦線…キャバリアの運用さえされてるというのは…色々と一線を画していますね?」
泥水の撤去か
それじゃおれも力を尽くすぞ!
【属性攻撃】
重力属性を体に付与
高めた力でしっかりと泥水を掬って運ぶぞ
ヘカテも手伝ってくれ!
「仕方ありませんね…私も手伝いましょう」
精霊魔術を利用して泥水を泥人形のゴーレムにして自ら外に出していく
「戦力として使うという手もありますが次はキャバリアらしいですからね?」
らしいな!ヘカテも頼りにしてるぞ!
「任せてください!私の叡智で蹴散らしますから!(でも…神機っぽい…まさか…それに…悪寒が…」
アルジェン・カーム
泥水の撤去ですか
中々に道具もそろわない中厳しい作業ですが…
それでも手がないわけじゃありません
僕も力を尽くすとしましょうか
【念動力・戦闘知識】
通路の状況を確認して念動力で運びながら
「アルジェン!こういう時はボクに任せて!メルクリウスの叡智を利用するよ!」
UC発動
【世界知識】
効率的な運搬方法確認
【召喚術・錬金術】
錬金術で泥水の材質を変質させてトロッコにしたりして召喚術で死者達に泥水を運ばせていく
僕は僕で力を尽くしてシンプルに運びます
少しでも手助けができれば幸いですしね
「ここを確保して…先のキャバリアを倒さないとね…どうもさっきからイラってくるんだよね…」
もしかすると因縁のある相手かもしれませんね?
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は二足歩行の喋る白虎達に目を輝かせていた。
「かっこいいな! でも可愛くもあるな!」
「そうか? そういわれると照れちまうぜ。嬢ちゃん、おっさんの毛並み、少しモフっていくか?」
ボスのお誘いを断る理由もないので、テラは恐る恐る手を差し伸べる。
「いいのか? それじゃ遠慮なく……おお、高級な絨毯みたいだな! 泥水の撤去作業、モフモフのお礼におれも力を尽くすぞ!」
極上のモフみにテラがはしゃぐ様を保護者兼相棒のヘカテイアがニコニコして見守る。
「なるほど、ここが獣人戦線……。キャバリアの運用さえされてるというのは……色々と一線を画していますね? 敵軍の保有する宝貝オブリビオンマシンとは、一体……?」
この二人を少し離れたところで見かけるのは、アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)と相棒のプルートーだ。
「あっ、あそこ! テラとヘカテイアだよ! 応援に駆けつけてくれたのかな?」
小鴉姿のプルートの言葉に、彼を頭に乗せたままアルジェンが穏やかに答えた。
「そうだとしたら心強いです……にしても、泥水の撤去ですか。中々に道具もそろわない中で厳しい作業ですが……それでも手がないわけじゃありません。僕達も力を尽くすとしましょうか」
「そうだね、アルジェン! こういう時はボクに任せて!」
プルートーはアルジェンの精神と魔力をリンクさせ、ユーベルコードを発現させる。
「こういう時は、メルクリウスの叡智を利用するよ!」
かつて古代クロムキャバリア世界で栄華と闘争を繰り返した千年皇国の統治者の頭脳を利用した叡智の御業を、プルートーはこの場で発現させる。
「メルシーさん……あなたの叡智をお借りします!」
「情報解析機構『叡智の神R」! 今の状況で最適な工事工程を検索……構築……最適化……!」
プルートーはたとえ直に目にしていない情報ですら収集し、この場での最適解を模索する。
「……そうか! 錬金術で泥水を変質させて資材に変えて、それを材料にトロッコにしたりして召喚術で死者達に泥水を運ばせていく……これだ!」
「ですがぷっさん? トロッコを使用するにも、塹壕に沿ってレールを敷くのは別の手間ではないでしょうか?」
アルジェンの疑問はもっともだ。ならばひたすら泥水を外へ掻き出す方法を考えるべきではなかろうか、と。
だがプルートーはテラとヘカテイアを指差す。
「ふたりが協力してくれれば問題ないよ! ということで、手伝ってよ、テラ、ヘカテイア!」
いきなり白羽の矢が立ったふたりは、此処でようやくアルジェンとプルートーの存在に気が付いた。
「おお! アルジェンにぷっさん、奇遇だな! おれ達の力が必要なのか?」
「プルートー、私達も目的は同じです。仕方ありませんね……是非協力し合いましょう」
かくして、四者の協力体制が敷かれる事となった。
プルートーは掻き出された土砂を錬金術で鉄の棒に作り替えレールを、白虎達が運び込んだ土砂崩れ防止用の木製の簀の子を利用してトロッコ車を作り上げる。
「ヘカテイア、これをどんどん魔法で設営を頼むよ! 死霊達の召喚能力はヘカテイアも凄いでしょ?」
「なるほど、死者の手も借りたいということですか……いいでしょう。では、来たれ! 彷徨う冥界の魂よ!」
塹壕付近に大量の亡霊達が召喚され、ヘカテイアの命でトロッコの設営に取り掛かった。プルートーも自らの術式で冥界から人手もとい霊手を借り出して作業に従事させれば、思いのほか設営作業がスムーズに進んでゆく。
「おれも泥水を掻き出すぞ!」
テラは全身泥まみれになりながらも、白虎達と一緒にバケツで泥水を外へ掻き出してゆく。
「ヘカテも手伝ってくれ!」
「分かりました……では、掻き出した泥で
土精霊達にゴーレムを作らせましょう」
ヘカテの精霊魔法で次々と土人形が生産され、作業効率がどんどん加速していった。
「こんな便利なものが作れるなら、敵の拠点もこれを使えないか?」
白虎達のボスの言葉に、ヘカテイアは首を横に振った。
「いいえ、確かに戦力として使うという手もありますが……次はキャバリアらしいですからね? 土人形では足止めにもならないでしょう」
「そ、そうか……」
「大丈夫だ、ボスのおっさん! ヘカテとおれのコンビは最強だ! 頼りにしてるぞ、ヘカテ!」
テラの泥だらけの笑顔に、ヘカテイアは胸の奥が思わずわななく。
「ええ……そうですとも! 任せてください! 私の叡智で蹴散らしますから!」
「その叡智なんだけど、大丈夫かな?」
プルートーはユーベルコードを発動させたまま敵拠点を分析し続けていた。
「あの拠点から神機の反応が多数感じるんだよね……しかもどうもさっきからイラってくる気配なんだよね……」
小鴉が忙しなく翼をバタバタさせている。
これに自身も真っ黒に汚れて作業していたアルジェンが会話に参加する。
「それは恐らく、ぷっさんの因縁の相手ではないでしょうか? 猟兵の間でも、因縁の相手には何かピンとくるものがあるようですし?」
「そういうものかなぁ……?」
「おっと、今はそれより、トロッコの設置が完了しましたよ。僕も力を尽くしてシンプルに運びます。少しでも手助けができれば幸いですのでね」
死者と亡霊達とアルジェンの働きで、泥水を運搬するシステムが確立された。
これでいよいよ作業は大詰め。敵拠点のすぐ目の前まで復興作業が進んでゆくのだった。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
第3章 集団戦
『神機『ヴァルキュリア』』
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POW : 対機神戦闘機構『戦死者を選ぶもの』
全身を【あらゆるダメージを軽減する虹色のオーラ】で覆い、自身の【搭乗者の生命力や己の闘争心】に比例した戦闘力増強と、最大でレベル×100km/hに達する飛翔能力を得る。
SPD : 対狙撃防衛機構『槍を持って進むもの』
光輝く【翼持ちし近接戦闘モード】に変身する。武器は【RX『ヴァルキュリアランサー』】しか使えないが、[RX『ヴァルキュリアランサー』]の射程外からのダメージは全て100分の1。
WIZ : 対人戦術機構『勇者達の恋人』
装備中のアイテム「【もとい自らである神機『ヴァルキュリア』】」が自我を持つ【輝く翼を纏った人間】に変身し、ユーベルコード「【対機神戦闘機構『戦死者を選ぶもの』】」を使用するようになる。
👑11
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猟兵達と白虎達は、塹壕を復旧させると敵の拠点の背後を突く位置取りまで接近していた。
白虎達の斥候が戻ってくる。
「まずいです、ボス。予想以上に宝貝オブリビオンマシンの配備が進んでやがります……!」
「間一髪ってとこか。出撃される前に奇襲をかけるぞ!」
白虎達のボスがいざ攻め込もうとした次の瞬間だった。
斥候が彼を引き留めるのだった。
「待ってください、ボス! あのオブリビオンマシン、ヤバいですよ!」
「この期に及んでなにがヤバいんだ?」
「あの機体ども、神機という特別なオブリビオンマシンらしいです。しかも、宝貝のおかげで生命感知を頼りに瞬間移動してくるらしいです!」
斥候の甲斐は嘘でまかせを言ってる様子はない。おそらく、駐留している人民租界軍のオブリビオン兵士達から盗み聞きしたのだろう。
しかし、この言葉にボスは訝しがる。
「……おい、お前? あと、つけられてないよな?」
「い、いえ、尾行はされてませんが?」
「馬鹿野郎! 生命探知を頼りに瞬間移動してくるなら、既にこっちにくるぞ!」
そうボスが言うやいなや、神機と呼ばれる宝貝オブリビオンマシン3機が忽然と姿を現したではないか!
ボスの悪い予感が的中したのだ!
「おい、猟兵達! ここは俺達に任せて、早く拠点を叩け! このくらいの数なら、俺達でどうにかしてみせる!」
ボスを筆頭に『
白虎幇』のサイバー武侠マフィアの白虎達が仙術や体術で応戦し、彼らの兵隊達がパンツァーキャバリアに乗り込んで応援に駆けつけてきた。
彼らの言葉通り、この場は任せて猟兵達は拠点の破壊と宝貝オブリビオンマシン戦力の削減に集中するべきだ。
しかし、瞬間移動してくる大量の敵機をどうやって対処するべきか……?
カシム・ディーン
おいちょっとまてやこらぁ!?
此奴らヴァルキュリアじゃねーか!?
まさかジャパニア関連かよこれ!?
「むー…オーディン君達が作った子だねー☆どうやら骸の海から引き揚げられたのかな?」
ラウンズの時といい…叩き潰すぞ!
【情報収集・視力・戦闘知識】
神機の動きと攻撃の癖や構造から脆い部分を捕捉
【属性攻撃・念動力】
電磁バリア展開
念動障壁を薄めに展開する事で敵の出現を可能な限り即座に察知
UC発動
同時に幸運の神発動
【空中戦・二回攻撃・切断・盗み攻撃・盗み】
超絶速度で飛び回り鎌剣で切り刻み金目の物は根こそぎ強奪!
実を言うとな
「メルシー達は近距離の方が得意だぞ☆」
他の敵機も飛び回り神速で切り捨て!
「切り捨てごめん☆」
アルジェン・カーム
機神搭乗
之はラウンズで見た…
いや…ぷっさんの話で出てた人達ですね
「…よりによってオーディンの奴が作った奴らじゃん…!」(ビキビキ
【戦闘知識】
自分の得意な領域へと持ち込むってのは戦いの定石ですね
神機の動きと攻撃の癖等を分析
更に転移の性質も
【オーラ防御】
オーラを薄く周囲に展開して転移して出現する位置を可能な限り早く察知
UC発動
同時に英霊剣群も
察知と同時に此方も攻撃を仕掛ける
来る事がある程度読めればいかに転移を使おうと手はあります
【二回攻撃・切断・串刺し・念動力・弾幕】
破壊の波動を纏わせて宝剣による連続斬撃
槍に切り替えて突き刺せば念動光弾をゼロ距離で叩き込む
一体ずつ丁寧に迅速に破壊し尽くす!!
カシム・ディーン(小さな竜眼・f12217)は破壊対象の宝貝オブリビオンマシンに見覚えがあった。故にその出所に驚愕したのだ。
「おいちょっとまてやこらぁ!? 此奴らヴァルキュリアじゃねーか!? まさかジャパニア関連かよこれ!?」
頭を掻き毟るカシムの傍らに、白銀の巨人……界導神機『メルクリウス』が本来の姿に戻って顕現する。
『むー……。オーディン君達が作った子だねー☆ どうやら骸の海から引き揚げられたのかな?』
「いや冷静かよっ! あれ、おめーの量産型みてーなもんだろーが!」
『だからこの姿に戻ったんだよご主人サマ! はやくメルシーの中に乗って!』
流石に生身で戦うのは厳しいと判断したカシムは、メルクリウスに搭乗して拠点へ急行してゆく。
一方、メルクリウスの姿を視認した冥皇神機『プルートー』。
「あっ、メルクリウスゥ!」
強火のメルクリウスガチ恋勢のプルートーは今、アルジェン・カーム(銀牙狼・f38896)と登場させて敵拠点へ向かっている真っ最中だ。
「ぷっさん、今はそれどころじゃないですよ……あれは……ラウンズ帝国でみた機体です……! ぷっさんの話にも登場していた、たしか……ヴァルキュリア……?」
『そ、そうだよっ! よりによってオーディンの奴が作った奴らじゃん……! ラウンズで雑に殲滅してやったばかりなのに……!』
操縦席内でじたばたする3D小鴉ホログラムが怨嗟の声を上げる。
寂れた喫茶店と偶然繋がっていたクロムキャバリアの地下帝国ことラウンズ。
その末路はヒャッハーでクレイジーな猟兵達の玩具になって、雑に壊滅したわけだが。それは酷い有様で、徹底的に。
『メルクリウスの劣化クローンを好き勝手使い潰すなんて解釈違いだね! アルジェン! メルクリウスと合流しよう!』
「ええ、そうしましょうか……!」
アルジェンはすかさずユーベルコード『対神滅殺機構『冥界の神』《スピアオブハーデス》』を発動させ、移動速度を一気に音速まで強化する。
『メルクリウス! ここは共闘したほうが賢明だよ!』
『げぇっ! ぷっさん!? う、うん、そうだね! それじゃあ背中は任せるよ!』
未だにプルートーへの恐怖心が拭いきれないのか、メルクリウスが若干怯えながらも共闘に応じた。
途端、周囲に突如姿を現すヴァルキュリア軍団! しかも完全に包囲されてしまった!
「くっ……! もう嗅ぎつけてきやがりましたか。メルシー! ラウンズの時みたく叩き潰せ!」
『おけまる水産☆ ユーベルコードいっくよー☆』
メルクリウスもユーベルコード『神速戦闘機構『速足で駆ける者』《ブーツオブヘルメース》』を発動。
瞬間移動を駆使して機械槍で近接戦闘を仕掛けてくるヴァルキュリア軍団を、音速機動で回避し続ける神機二柱。当然、念動障壁と電磁バリアを互いに展開し、死角から攻撃されても無傷を保っている。そして攻撃をされた衝撃を感知すると、マッハ14以上の速度で互いの武器……ビーム大鎌剣ハルペーと万能近接砲撃戦闘兵装『バイデント』で容赦なくヴァルキュリア軍団を破壊してみせた。
「念動障壁を衝撃感知センサー代わりに使えば、おめーらの瞬間移動からの奇襲は意味を為さねーよ」
カシムはメルクリウスに同時発動型ユーベルコードも発動させていた。森羅万象の因果律を操作できる幸運の女神たる異能により、瞬間移動先へメルクリウスの大鎌が届く確率を飛躍的に向上させていた。
「実を言うとな?」
『メルシー達は近距離の方が得意だぞ☆』
マッハ42を誇る命を刈り取る神の刃が、神の尖兵達を纏めて横薙ぎに斬り刻んでみせた。
プルートもメルクリウスの視覚をカバーしつつ、破壊の波動を纏わせたガンランスでヴァルキュリア軍団を分子レベルまで分解させていった。
「一体ずつ丁寧に迅速に破壊し尽します!」
『もう300年前のようにはいかない! これが今のボクの実力だ!』
敵機の超至近距離からの破壊念動弾を乱射し、立ちはだかる敵を一瞬で風化させてしまうプルートー。
『キリステ・ゴメンだぞ☆ うわ、まだまだお代わりが来るね☆』
「めちゃくちゃしつこいな!? こうなったらとことんやってやるぞ!」
それでも、カシムとメルシーも援軍に抑え込まれて身動きが取れない。
神機二柱は無双劇を披露しながら、ひたすらに逐次投入される敵戦力を削りまくるのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「私の黄巾力士は宝貝であって生命ではありません。ちょうど良いでしょう」
嗤う
「拠点ごと蹂躙せよ、真・黄巾力士」
黄巾力士を全長120mまで巨大化
拠点破壊に向かわせる
敵の攻撃は自分は仙術+功夫で縮地(短距離転移)し回避
黄巾力士はオーラ防御でダメージ軽減
敵が黄巾力士の手足に当たったらそのまま叩いたり踏み潰させつつ拠点に砲頭と金磚押し付けゼロ距離で鎧無視無差別攻撃させる
敵の一斉攻撃で爆破される時は拠点を巻き込ませ拠点を瓦礫だらけの更地状態にする
「手足で叩き潰せる距離はゼロ距離ですから減少なくダメージを通せます。そろそろ全点検の時期でしたから、全壊も誤差のうちです。ならば拠点破壊も兼ねれば両得です」
嗤う
既に各地で乱戦状態の敵拠点を、鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)は嘲笑っていた。
「私の黄巾力士は宝貝であって生命ではありません。ちょうど良いでしょう」
そう独り言ちると、彼はユーベルコードを発動させる。
「我が宝貝の真の姿を見せてやろう。行けぃ、黄巾力士! 我が敵を完膚なきまで滅し尽くせ! ハハハハハハ!」
使役している宝貝『黄巾力士』をユーベルコードで巨大化させ、142mの巨体を拠点へ向かわせ始めた。その姿は黄金に輝く超巨大パンツァーキャバリアである。
「このまま拠点ごと蹂躙せよ、真・黄巾力士!」
敵味方を区別しないならば攻撃が3回出来るユーベルコードだが、裏を返せば3回しか攻撃が出来ない。
更に、当然だが生命感知に引っかかる鳴上へヴァルキュリア軍団が瞬間移動で殺到してくる。
「妖仙を甘く見ないでください」
頭上から突き出された複数の機械槍を、縮地法で軽々と回避してみせる鳴上。
……実際はギリギリだったが、その焦りを余裕の表情の仮面で隠して騙すのが妖仙である。
「相手をするのは私ではありません。この真・黄巾力士です」
黄巾力士が力強く前へ踏み出す。ただそれだけで大地が大きく揺れて木々が薙ぎ倒され、体高5m前後のヴァルキュリア軍団は蟻の群れめいて踏み潰されてしまう。
故にヴァルキュリア軍団は瞬間移動で黄巾力士の周囲まで飛翔し、一斉に槍で突撃を開始した。
だが、これに鳴上は愚かだと言わんばかりに口元を愉悦に歪ませた。
「無駄ですよ。真・黄巾力士には強力なオーラ障壁を纏わせてあります。そんなちっぽけな槍で刺したところで、蜂の針よりも痛くも痒くもないですので」
その言葉通り、攻撃を浴びても平然とする真・黄巾力士。そしてお返しとばかりに頭部やその他に搭載された砲塔を、地上の敵拠点へ向けて照準を合わせてゆく。
「手足で叩き潰せる距離はゼロ距離ですから減少なくダメージを通せます。むしろ、そろそろ全点検の時期でしたから、黄巾力士の全壊も誤差のうちです。ならば拠点破壊も兼ねれば両得です」
冷酷に冷血に冷徹に鳴上は極上の笑みを浮かべた。
その直後、142mの真・黄巾力士が一斉射撃を敵拠点へ放つ。
凄まじい熱量と物量が天から降り注ぎ、敵拠点の大半が一瞬にしてクレーターが出来るほどに抉り取られてしまうのであった。
大成功
🔵🔵🔵
アルマ・アルカレイト
チーム錬金術士
属性攻撃…刹那の無限回転発動
錬金術…マヒ攻撃と凍結攻撃の弾丸を錬成
クイックドロウ…素早く弾丸を放つ(蟲も発動)
迷彩…錬成弾に纏わせる
蟲使い…蟲を周りに呼び出しておき矢弾の雨で攻撃させる
視力…敵をよく見る
来る…慶喜!
塹壕に入る前から慶喜と背中合わせにして死角を無くして移動していた
蟲笛で蟲達を呼んでおき銃を構えて瞬間移動してくる敵に備える
敵が現れたら蟲達は矢弾の雨を放つ
そこ!
私は貫通攻撃の錬成弾を放つ(UC『錬金術士奥義・『破壊の弾丸』を発動)
敵のUCに対しては視力で武器の軌道を見て回避また刹那の無限回転による結界術を展開して防御
慶喜のUCで動けなくなった敵に指定UCを発動して殴る
東・慶喜
チーム錬金術士
属性攻撃…刹那の無限回転発動
視力…敵の動きを見る
薬品調合と錬金術…凍結する薬を混ぜた弾丸を錬成
推力移動…移動と敵の攻撃を回避する為に使用
クイックドロウ…素早く放つ
ああ…分かったで!
アルマと背中合わせの状態で敵と遭遇した
素早く錬成弾を放つが敵に回避させる
それを待っていたで!
チャージしていたUCライトニング・ブリザード・フォーミュラを発動
敵が瞬間移動を使った瞬間に発動して敵が現れた所にUCを放ち攻撃
敵のUCは結界術で防御するか視力で敵の動きを見て推力移動で回避
殺れ…ドライライオット!
敵が痺れたらエネルギー弾に刹那の無限回転をかけて指定UCでドライライオットを呼び出して敵に連撃をかけた
アルマ・アルカレイト(異世界からの来訪者『無能の錬金術士』・f39594)と東・慶喜(無能の錬金術士の相棒・f40772)のコンビは、背中合わせのまま敵の拠点へ突入する。塹壕補修工事には参加できなかった分、ここで取り戻したいところだ。
「来る……慶喜!」
「ああ……分かったで!」
アルマが蟲笛で蟲達を呼ぶと、瞬間移動してきた宝貝オブリビオンマシン数機へ矢弾めいた針を蟲達は一斉に乱射し始めた。たかが蟲が飛ばした針だと侮ることなかれ。アルマの錬金術である刹那の無限回転が備わった針の雨は、強固な神機キャバリアの装甲を抜き穿つほどの威力を誇った。
複数の敵機は緊急回避のために再び瞬間移動、その間にアルマは錬成刃銃『ディアブロ』を構えて瞬間移動してくる敵に備える。
一方、慶喜は錬成銃『テスタロッサ』から凍結弾を錬成しながら何度も敵機を狙い撃つ。
しかしその全てが瞬間移動で回避されてしまっていた。
短距離瞬間移動を繰り返す敵機が、突如として慶喜の前へ姿を現す。
そのまま巨大な機械槍でアルマごと貫かんと攻撃を繰り出した。
だが慶喜はこの瞬間を待ち侘びていた。
「それを待っていたで!」
先程放たれた凍結弾を媒介にユーベルコードが発動。
あの無謀な乱射は慶喜が錬金エネルギーをチャージし続けていたことを隠すカムフラージュだったのだ。
敵機の背後から冷凍光線が何本も放射状に発射され、慶喜の銃口からは雷光の光線がショットガンめいて発射される。
「前門の雷、後門の氷や!」
不意に前後から攻撃された敵機数体の攻撃の手が止まる。そのまま通されていたら、背中合わせのふたりは回避しようにもできなかった。錬成した結界術の強度は保証されるものの、この咄嗟の瞬間に繰り出せるかはかなり博打であったがゆえに、この好機を逃すものかと相棒へ合図を送った。
「そこ!」
動きが止まった敵機数体へ、アルマはユーベルコード『錬金術士奥義・『破壊の弾丸』による貫通錬成弾を放つ。撃ち抜かれた敵機の群れは無限回転の力によって内部をズタズタに捩じ切られて活動を停止する。
「アルマ、前や!」
だがすぐに別の敵機がアルマへ巨大な機械槍を差し向けてきた。
これをアルマはすかさず別のユーベルコード同時発動して対処する。
「その神秘と科学の力とユーベルコードをぶち殺すわ!」
そのユーベルコードの名は『
正体不明殺し』。
神秘や科学由来の現象及びユーベルコードを無効化する、文明殺しといっても過言ではない一撃。
それを何とアルマの小さな拳に籠め、無限回転を乗せて槍の穂先をぶん殴った!
通常なら人間の拳など重機レベルのキャバリア相手では物量に押し負けて砕けるのが必然だ。しかしユーベルコードと文明を殺す一撃がそれを覆す。拳で殴られた機械槍はガラス細工のように木っ端微塵に砕け散り、回転が伝播した敵機体さえも一瞬で亀裂が生まれて崩壊してゆく。
慶喜も一気に畳みかけるべくユーベルコードで凍結魔神ドライライオットを召喚し、敵機に向けてけしかける。
「殺れ……ドライライオット!」
次元と因果を越えるドライライオットの連撃は、目の前の景色を氷と雷で埋め尽くしていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
テラ・ウィンディア
惨劇再会
拠点突撃
「あれはジャパニアの…!?」
【見切り・第六感・残像・空中機動・貫通攻撃・串刺し】
飛び回り間近に着た瞬間槍で串刺しにして迎撃!
邂逅
「な!?何故貴方が復活してるんですか!?」
知り合いか?
「あれは連環神機サートゥルヌス…乗り手をコアとして扱い使い潰す最低最悪のクソ神機ですよ!恐らくは乗り手はもう…!」
そんな…!
「やれるとでも?如何に時空を操ろうと重力から逃れ…は?主様?」
(べちゃ…カカオ汁摂取!
「(激しい奇声絶叫」(超強化
ヘカテー!!??ってなんか凄い魔力が上がってるんだが!?
い、今のは支援…なのか!?
「ひぐっ…ふぐぅ…この地獄の味…あわわ…!(今、自らの過ちを悟るヘカテさん!」
この…地獄のような善意…ま、まさか(何かを察し冷や汗だらだら
あ、ありがとう!これで存分に戦える!
お、おれ達が先行するな!
UC発動
【二回攻撃・早業・リミッター解除】
なんか凄い勢いで自己再生してる…!
「うぐぅ…ぐぶっ…不味い…苦い…臭い…!」
…後でおやつ食べような
ゼロ距離ブラックホールキャノンを叩き込み
皇・絶華
惨劇再会
拠点突撃
「主様!此奴らキャバリアです!俺に乗って下さい!蹴散らしてやりますよ!」
おお!心強いな!(機神搭乗)しかし私は操作した事ないんだが…
「大丈夫です!魔力をリンクさせれば何とかなります!あ、操作マニュアル見ます?」
ああ、頼む(熟読中
「それじゃ暫く俺が持ち堪えて…あ」(遂に邂逅
「ヘカテイアぁぁぁぁ!!手前ぇぇぇ!?」
(激昂!
「許さねぇ…手前はメルクリウスよりも許せねぇ…この俺が受けた苦痛!絶望!地獄!その心身と魂に刻み付けてやらぁ!」
さっちゃん!読んだぞ!
「おお!丁度いいです主様!奴がパワーを欲しております!」
何!?
雷光の如くUC発動!
流れる様にヘカテに摂取!
序にさっちゃんにも!
「お、俺はだいじょう…ぐげごがぁ!?」(超強化
うむ!とても懐かしい気がするな!
「ひぐっ…えぐっ…どうだ…俺の受けた地獄…味わいやがれ…ぐすっ」
おお!皆我がチョコに喜んでるな!
私達も行くぞ!
【念動力・切断・第六感】
直感を利用して現れた瞬間に念動力で動きを封じて鎌剣で切り刻む
攻撃は再生とオーラで防御!
「あれは、神機か!? ヘカテ!」
『ええ、私に乗り込んでください! でも、なんでこんなところにジャパニアの量産型神機が……?』
テラ・ウィンディア(炎玉の竜騎士・f04499)は相棒の三界神機『ヘカテイア』に乗り込み、瞬間移動してくる神機達の槍撃を上空へ飛翔してどうにか回避。しかし次々とヴァルキュリア軍団も背中の翅状の推進器で上空へ飛び立つと、ヘカテイアの周囲を瞬間移動して槍の刺突を繰り出してきた。
しかしテラもヘカテイアも百戦錬磨の猛者である。魔力の出力を上げて俊敏性を高めると、ギリギリまで攻撃を惹きつけてからユーベルコード発動!
「リミッター解除……グラビティリアクターフルドライブ……!」
瞬時にマッハ14の音速機動で包囲網を抜け出すと、ところどころに残像を残しながら、すれ違いざまに巨大化させた紅龍槍『廣利王』で神機の尖兵達の腹部を貫く。地獄めいた業火を纏った真紅の槍の穂先が、容赦なく標的達を串刺しにしてみせた。
と、その時だった。
ヘカテイアが地上で別の神機が戦闘しているのを目撃した。旧知のメルクリウスでもなければ、プルートーでもない。しかし、ヘカテイアはその機体の姿を200年経った今でも忘れていなかった。
「な……!? 何故、貴方が復活してるんですか!? サートゥルヌス!!」
少し時間を遡ろう。
連環神機サートゥルヌスは、見覚えのある神機の尖兵達を前にして主の身の安全を最優先する。
サートゥルヌスは少女の姿から体高5mの
人型汎用二足歩行兵器へと姿を戻した。
「主様! 此奴らキャバリアです! 俺に乗って下さい! 蹴散らしてやりますよ!」
これに満面の笑みで乗り込むのが皇・絶華(影月・f40792)である。
「おお!心強いな! しかし、私はロボなど操作した事ないんだが……?」
『大丈夫です! 魔力をリンクさせれば何とかなります! あ、操作マニュアルを魔力回路経由でインプットできますが、どうします?』
「ああ、頼む。っぐぬぅぅ!?」
絶華の顔が苦悶で歪みだす。まるで放課後直前の長いホームルーム中に膀胱が決壊しそうな時のもどかしさと苦痛が全身を駆け巡る。
『主様の脳味噌に直接インプットしますんで! そうやって今までの生体コァ……もとい所有者に叩き込んできましたから!』
サートゥルヌスはワンチャン、これで絶華が廃人になれば自由の身になれると期待していた。
事実、この脳内への情報上書きに耐え切れた操縦者はいないのだから。
しかし、絶華はガンギマリオリジナルスマイル100点満点ピースフルヘブン状態で突如叫び出す。
「すばらしい
!!!!!!!!!!!! 叡智が流れ込んでくるぞ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『え? なんでお前生きてんの???』
「カカオのパワーを信じているからな
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私独自の漢方と虫ブレンドの糖類ゼロの安心安全カカオ濃縮1万%のチョコを毎日食せば
!!!!!!!
歯も丈夫になり、嚙む力が強くなる事で脳も活性化されるのだ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
ああ、すばらしいぞ、古代の叡智が今、私の身体の中に満たされてゆく
!!!!!!!!!!!!!!!」
うるせぇ!
絶華は日頃から違法薬物めいた自作チョコを摂取しているため、この程度の精神汚染など姉除けられる抵抗力を有してしまっていた。案外、猟兵に目覚めた理由もコレじゃねぇか説も浮上する。
『なんかもう滅茶苦茶だな? まあ、インストールに少し時間がかかるから、その間に俺が動くか』
サートゥルヌスは瞬間移動してきた神機達を鎌剣『ハルペー2』で応戦する。
『こいつを見てくれ。命を刈り取る形をしているだろう? って言っても、目覚めたばかりの俺は耐えるしかできないけどな!』
全方位から槍を繰り出されるが、そこは悪逆の限りを尽くした神機の実力で防ぎ切ってみせる。
『ちっ! 全力だったらこんな雑魚共なんざ一瞬で首を刎ね飛ばしてやるのによぉ! って、誰か尾寄れの事を読んだ、か……?』
サートゥルヌスは声が聞こえた頭上を見上げる。
その視線の先には、200年前の仇敵の姿があった。
『ヘカテイアぁぁぁぁ!! 手前ぇぇぇ!?』
サートゥルヌスは激昂のあまりスラスター機能が復活、上空へ飛び上がってヘカテイアへ突っ込んでゆく!
『許さねぇ! 手前はメルクリウスよりも許せねぇ! この俺が受けた苦痛! 絶望! 地獄! その心身と魂に刻み付けてやらぁ!』
「ふむ、理解したぞ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『ナイスタイミングです、主様! あのロボがパワーを欲しています! ブチ込んでやってください!』
サートゥルヌスはここぞとばかりに主のクソマズチョコをヘカテイアへ差し向けるべく謀った。
何も知らない……というか何も考えていない絶華は、自身のチョコの布教先を見つけて嬉々とする。
「なんだって
!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?
よくぞ教えてくれた、さっちゃん
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
私はチョコの布教のために外へ出る
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
あとは頼んだぞ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『ちょッ! 今ここで外に出たらインストールの意味がねぇぇぇぇ!?』
話を聞かない絶華はコクピットから自身を強制パージさせると、なんとサートゥルヌスの顔面に闇よりも黒い液体をユーベルコードを使って噴射させた!
「お前に圧倒的なパワーを与えよう
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
さぁ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
我がチョコドリンクを飲み
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
圧倒的なパワーに酔いしれるがいい
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
『待てっ! 俺はだいじょっ……ぐげごがぁぁぁ~~~~~~~~~!?』
この世の終焉めいた嘆きの悲鳴が戦場に轟く。
すると、サートゥルヌスは違法薬物めいた合法のカカオエキス濃縮還元1万%の液体(絶華ブレンド済み)を摂取したサートゥルヌスが超絶強化されてしまう。
『ひぐっ……えぐっ……うええぇぇぇん! ど、どうだ……ひっぐ……俺の受けた地獄……手前ぇも味わいやがれ……ヘカテイア……! ぐすっ……!』
超絶強化されたサートゥルヌスは、どんなにヴァルキュリア軍団から攻撃を喰らっても平然としている!
むしろ突き出された槍を片手で掴むと、そのまま穂先を握り潰してしまったではないか!
『うええぇぇぇん! 手前ぇらに構ってる暇はねえぇぇ!』
サートゥルヌスは大鎌を振り回してヴァルキュリア軍団の上半身と下半身を次々と切り離して戦闘不能に陥らせていった。
一方、絶華はこのやり取りにデジャブを感じていた。
「うむ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
とても懐かしい気がするな
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶華はすぐに布教先であるヘカテイアへ向かう。彼はなんと空中に足を踏み出すと、超高速にじたばたしながら空を歩き出したではないか!
「私のバーサーカーソウルが囁くのだ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
チョコの力があれば、空中を歩くのも容易いと
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「お、おいヘカテ! 人間が空を歩いているぞ!?」
ゆっくり近付いてくる絶華に、テラは生命の根源的恐怖を覚える。SAN値チェックだ!
しかし、絶華の周囲に瞬間移動してきたヴァルキュリア軍団が襲い掛かる!
絶華、死す!?
「はははははは
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
チョコの布教先が増えたぞ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
しかし絶華、お手製のチョコを全力でヴァルキュリア軍団の顔面とコクピットへ投擲!
その勢いは装甲版すら突き破る威力を誇る! 強化された絶華の投擲力は戦車榴弾に等しかった!
「「あんぎょろぶれおだがさだあさkろあしおdddf
!!!?!?!!」」
言語化できない悲鳴が戦場に響いた次の瞬間!
ヴァルキュリアぐんだんは ばくはつした!
「なんか爆発したぞ、ヘカテー!?」
ギャグマンガよろしく、目玉を大きく見開いてツッコミを入れるテラ。
ヘカテイアもこの状況が理解できないでいる。
『生身で神機に打ち勝ったですって!? しかも操縦者の命まで奪うなんて、あの人はサートゥルヌスに選ばれただけはありますね! って、あの人、どこかで見たことありませんか?』
「ああ、おれもなんか思い出しかかってるんだ。でも思い出しちゃいけないって、本能が警告してるんだ……」
以前、絶華を幽霊として従えていた時期があるテラ。
その時から合法だけど違法な薬物チョコの被害に遭っており、この主従は忌まわしき記憶にふたを閉めて平穏を保ち続けていたのだ。
その封印が、今、解かれる――!
「いくぞ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
新たな我がチョコのパワー信者よ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
これが
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
カカオの恵みでありパワーだ
!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
絶華の重ねた両掌から、鉄砲水めいて放出される極黒の間欠泉!
それがヘカテイアの顔面とコクピットの隙間から内部へ侵入し、二人はカカオのパワーを授かってしまった。
『~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!?』
「アババババーッ! ヘ、ヘカテー!? おえええぇぇえぇぇ!」
『おぼろろろろろっろろろろろろっろおっろおおろ! この地獄の味……あわわ……!』
「ああ、うっぷ……間違いない……悪意ある100%善意のチョコレート……まさか、ぜっちゃーん!?」
とうとう記憶の蓋が開いた二人は、かつての過ちを思い返す。
あれ? もしかして、ぜっちゃんが復活したのって、冥界送りにしたヘカテイアとそれを止めなかったテラが原因じゃね?
「ああ、これは……!」
『インガオーホー! ンギャー!!』
ヘカテイアは魔力暴走状態になり、ブラックホールキャノンをその場で暴発させてしまった!
――数十秒後、半壊していた人民租界軍の拠点は更地になり、周囲に群がっていたヴァルキュリア軍団は塵とひとつ残らず消滅していた。
しかし、ぜっちゃんカカオ汁で超回復を得たテラとヘカテイア、そしてサートゥルヌス、当然ぜっちゃんも、星の終焉めいた重力弾を喰らってもピンシャンしていたのであった。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
箒星・仄々
オブリビオンさんに世界を蹂躙させはしません
神機さん達を倒し
人民租界軍を撃ち払いましょう
飛来椅で瞬間移動って凄い能力です
でもネタが明らかですから対策が打てますよ
竪琴をぽろろぽろろんと奏でます
生命感知で瞬間移動してきましたら
つまり音が聞こえる範囲に入って来た
ということになりますので
具現化した五線譜が
神機さんの武器を
神機さん自身を
虹色のオーラを
吹き飛ばします
攻撃しようと転移してきた瞬間なので
瞬間移動での回避は間に合わないはずです
吹き飛ばして
他の神機さんや敵拠点へぶつけたりできると
いいですね
更に飛来椅さんのありかの見当がつきましたら
(中心部とか、頭部とか背面の翼とか?
それも吹き飛ばします
もし搭乗者さんがいるようでしたら
操縦席以外の場所だけを吹き飛ばして
救出します
オブリビオンマシンさんの
虜になっていたのでしょうか?
それとも人化能力があるようですから
搭乗者さんはいらっしゃらないかも知れませんね
旋律を奏でながら
神機さんを海へと導きます
終幕
引き続き演奏を継続して鎮魂の調べとします
海で静かにお休みください
箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は目を疑った。
一瞬で人民租界軍の拠点が漆黒の輝きで塵となってしまったからだ。
残されたのは、残存するヴァルキュリア軍団と酷い悪臭であった。
「なんでしょうか、この地獄のような悪臭は? 人民租界軍さんが苦し紛れにばら撒いた生物化学兵器なのでしょうか。でもこのガスを吸うとなんででしょうか、気分がハイになってくるような?」
まさかたったひとりの猟兵の善意の暴走が、敵の基地を吹き飛ばして躁状態になる毒ガス(正確には液状だったものが気化したが故の産物)をばら撒くなんて思いもしないだろう。
だが事実だ。
そうとは知らない箒星は、敗走してゆくヴァルキュリア軍団を一機でも撃墜するべく、自身へ攻撃するように挑発をした。
「オブリビオンさんに世界を蹂躙させはしません。神機さん達を倒し、人民租界軍を撃ち払いましょう」
すぐさまユーベルコード『喝采のファンファーレ』を竪琴で奏でだし、詩を高らかに歌い上げる。
♪人民租界軍の神機さん~ 飛来椅で瞬間移動って凄い能力です~
でもネタが明らかですから対策が打てますよ~
大きな体ですが大したことないのですね~
これに人民租界軍の一部が反応し、虹色のオーラを纏った機体軍が箒星へ音速機動で突撃を開始!
挑発されたことで搭乗者の闘争心が刺激され、戦闘能力も向上してる!
傍目には挑発が裏目に出ているようにも見えるこの状況、しかし箒星の知略はそれを見越していた。
「さあ、遠慮なく私に近付いて下さい。一瞬で決着を付けましょう」
神機達は我先にと瞬間移動で箒星を取り囲むと、音速で武器を振り下ろした。
だが、それは箒星には絶対届かない。
神機が攻撃射程内に入った途端、前方から光り輝く五線譜が弾幕のように腹部へ激突したからだ。
激突の衝撃で神機は肢体やパーツのあれこれがバラバラに吹っ飛び、1420m先まで飛散してしまった。
「これが私の秘策です。生命感知で瞬間移動してくる、つまり音が聞こえる範囲に入って来たということになりますので、具現化した五線譜が神機さんのあらゆるものを吹き飛ばしてしまいますよ」
それは武器を。
ヴァルキュリア軍団自体を。
纏っていた虹色のオーラを。
機体の手足や搭載された宝貝を。
すべて吹き飛ばしてしまう。
「攻撃しようと転移してきた瞬間なので、瞬間移動での回避は間に合わないはずです」
その通りになった。誘い出されて激昂したヴァルキュリア軍団は、既に箒星が仕掛けたユーベルコードの効果射程内に入り込んでしまっていた。回避する判断が遅れた瞬間、機体はバラバラになって彼方先へ吹っ飛んでいる。
「もし搭乗者さんがいるようでしたら操縦席以外の場所だけを吹き飛ばして救出します。オブリビオンマシンさんの虜になっていたのでしょうか? それとも人化能力があるようですから、搭乗者さんはいらっしゃらないかも知れませんね」
後に、獣人戦線のオブリビオン側キャバリアの操縦者もオブリビオンであると箒星は知るのだが、幸いヴァルキュリア軍団は自律稼働型だったため誰も乗っていなかったようだ。
箒星の策の前に、残存する人民租界軍の神機は完全に撤退する方針を固めたらしく、いつの間にか瞬間移動であっという間に姿を消していった。
そして、人民租界軍は誰も居なくなった。
これにて、猟兵達と白虎達の大勝利となった!
「さあ、オブリビオンマシンさんの弔いと、皆さんの勝利を祝して、喝采のファンファーレを奏でましょう!」
箒星は竪琴で荘厳で勇ましい音色を爪弾いて、皆と勝利を喜び合った。
人民租界軍にも多大すぎる損害を出したことで、いつか来る大きな世界大戦に少しでもアドバンテージが取れるだろう。
白虎達は猟兵達を祝勝会へ誘い、猟兵達もこれを歓迎する。
今夜は朝まで賑やかになるのは、日の目を見るより明らかであった。
<了>
大成功
🔵🔵🔵