闇の救済者戦争⑯〜オムネス・プロ・ムーン
●シュート・ザ・ムーン
天地貫く大樹。
それは奇妙な樹のようであった。
そびえ立つ威容は『絡み合う血管の樹』と呼ぶに相応しいものであったし、事実、その血脈の如き枝葉は脈々と血液を送り込んでいる。
行く末は言うまでもない。
『始祖ヴァンパイア』――『ライトブリンガー』の元へと捧げられている。
常闇の世界ダークセイヴァーにおいて流れた血潮は全て、だ。
如何なる血も関係ない。
流れたのならば、その一滴足りとて他の者の物にすることはできないだろう。
そして、第三層の中心に天地を穿つということは、つまり第三層の上へと通じているということである。
上層を目指すのならば、この奇妙なる血管の樹『血脈樹』を伝って征くべきであろう。
だがしかし、そんな猟兵たちの前に現れたのは『不気味な目の紋様が刻まれた、小型の赤い月』だった。
一つではない。
無数に。
開眼するように『赤い月』の紋様は煌めく。
降り注ぐは苛烈なる光線。
雨のように降り注ぎ、大地を穿つ――。
●闇の救済者戦争
グリモアベースに集まってきた猟兵たちを迎えたのはナイアルテ・ブーゾヴァ(神月円明・f25860)であった。
「お集まり頂きありがとうございます。ダークセイヴァー世界第三層の中心部に天地を貫いてそびえ立つ『血脈樹』の存在はご存知でしょうか」
ダークセイヴァー上層の事件を解決したことのある猟兵ならば一度は目にしたこともあるだろう。
あの血管が絡み合った異様なる大樹を思わせる存在。
そのは『血脈樹』。
ダークセイヴァー世界において大地に流れた血を『始祖ヴァンパイア』たる『ライトブリンガー』へと捧げるものである。
「天地を穿つ、とうことは即ち第三層より上の上層に通じていると考えるかもしれません。ですが、この『血脈樹』に近づいた瞬間、『不気味な目の紋様が刻まれた、小型の月』がいくつも皆さんを迎撃してくるのです」
ナイアルテは示す。
目のような紋様が煌めき光線を放つ小型の赤い月。
それが一つではない。
『血脈樹』に近づかせぬと言わんばかりに無数に現れるのだ。
「光線は雨のように降り注ぐでしょう。ですが、私の予知は皆さんのユーベルコードで充分破壊が可能であると告げています」
彼女の言葉を信じるのならば、『赤い月』はあくまで攻撃に特化した『模造品』であるということだ。
これが『模造品』でなかったのならば……。
怖気走る事実である。
しかし、『模造品』であることと、ユーベルコードで破壊可能であるということもまた事実。
ならば。
「はい。皆さんならば『月の模造品』を破壊し前に進むことができるはずです」
『闇の救済者戦争』。
それはこの世界に生きる人々を救うための戦いでもある。
この戦いに猟兵たちが敗北すれば、鮮血に満ちて生命が沈む。
全ては『闇の種族』たちが己達の弱点である『欠落』を隠すためである。
「『赤い月』の攻撃は苛烈です。どうかお気をつけて」
目指す先が戦いの終結なのだ。
ここで止まっている暇は片時もない。どれだけ困難であっても道がつながっているというのならば、猟兵たちは雨のように降り注ぐ赤い月の光線もまた恐れることはないのだ――。
海鶴
マスターの海鶴です。
※これは1章構成の『闇の救済者戦争』の戦争シナリオとなります。
ダークセイヴァー第三層にて天地を貫く『血脈樹』を目指す皆さんの前に現れる『不気味な目の紋様が刻まれた、小型の赤い月』の放つ光線の砲撃の雨をかいくぐり、これを破壊して進むシナリオになっております。
これは『【Q】月を撃つ』を通じて皆さんが『ダークセイヴァーの月に直接攻撃を仕掛ける構え』を行っていたためです。
攻撃にとかした『模造品』である『赤い月』は、皆さんのユーベルコードならば充分に破壊が可能であるということが判明しています。
襲い来る津『月の模造品』を破壊し、進みましょう。
プレイングボーナス……「月の模造品」を破壊する。
それでは、『鮮血の洪水』を防ぎ、己の弱点をひた隠しにしようとする闇の種族を打倒する皆さんの物語の一片となれますよう、いっぱいがんばります!
第1章 冒険
『月の模造品を破壊せよ』
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POW : 一撃で模造品を破壊する、気合いで攻撃を耐え抜く
SPD : 狙いすまして遠距離の模造品を攻撃する、照射される光線をかわす
WIZ : 魔法や呪術で模造品を攻撃する、照射される光線を和らげる
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戒道・蔵乃祐
五卿六眼の盟主にして「始祖ヴァンパイア」たる『ライトブリンガー』だと?
途方途轍もない悪食、若しくは底の抜けた大食漢と言う他ありませんね
吸い上げられた血液は全て彼の者の為だけに捧げられるというのですか
そしてこの「月」も単なる自動防衛術式に過ぎないとはね
何れ程の強者なのかは未だ何も見えてこない存在ではありますが、この『血脈樹』を攻略することで付け入る隙も見えて来ようと腹を括るしか無いようです
ならば一気呵成に攻め立てるのみ
◆滅尽の暁光
(※キャバリア騎乗戦闘)
対ショック・対閃光防御形態に移行し武器受け+拡散シールドで月の光線を防御
投擲+限界突破した焼却の重量攻撃で模造品の月を灼き尽くす
猟兵達の戦いは長きに渡る。
されど、未だオブリビオンという存在に対しての理解は深淵を覗き込むかの如きものであったことだろう。
戦い、打倒し、そしてまた新たな謎が舞い込む。
それが世界の常であったというのならば、とてつもないことであると言えるだろう。
「五卿六眼の名手にして『始祖ヴァンパイア』たる『ライトブリンガー』だと?」
戒道・蔵乃祐(荒法師・f09466)は眼前にそびえる『血脈樹』を見上げる。
この奇妙な巨木の如き存在が吸い上げるのはダークセイヴァー世界の大地に染みた血である。
如何なる血であったとしても、吸い上げ主である『ライトブリンガー』の元へと運ぶ。
即ち、それは第三層より上へ、ということである。
「
途方途轍もない悪食、若しくは底の抜けた大食漢という他ありませんね。吸い上げられた血液は全て彼の者の為だけに捧げられるというのですか」
彼の言葉も尤もであろう。
これまでこの常闇の世界、ダークセイヴァーにおいて血がどれほど流れたことであろうか。多くの人間が苦しめられてきた。
ヴァンパイア支配盤石たるが所以である。
数多の哀しみと涙こそ流れた血の量に等しいものであることは言うまでもない。
その哀しみを止めるためにこそ猟兵たちは今まさに戦っているのだ。
だが、彼等の歩みを止めるものがある。
浮かぶ月。
赤き月は目のような紋様を見開き、光線を解き放つ。
唯一ではない。
無数に存在する『赤い月』が蔵乃裕の駆るキャバリアへと襲いかかる。
光線の一撃は重たい。
攻撃特化である、というのは聞き及んでいたが、雨のように降り注ぐ光線の砲撃は凄まじい。
「これほどとは……これが単なる自衛防衛術式に過ぎないのだと……!」
放たれる光線を前に蔵乃裕とキャバリアのアイセンサーがユーベルコードに煌めく。
「何れ程の強者なのかは未だ何も見えてこない存在ではありますが、この『血脈樹』の先にいるというのならば」
己もまた腹をくくらねばならない。
煌めくユーベルコードの輝きを残光にするようにキャバリアと共に蔵乃裕は駆け抜ける。
シールドが光線の一撃を受けて、焼きただれる。
攻撃に特化した、というのはこのことだろう。
光線の一撃でキャバリア同士の砲撃に耐えうるシールドの装甲がただれたのだ。
受け流すように拡散させていても、それでもなおこの威力。
「ならば、最終安全装置解除。 終焉告げるノルドの角笛、ギャラホルンの轟きを聞け!」
展開するグラビトロンレールキャノン。
機体のアンダーフレームが強大過ぎる出力の反動を抑えるように大地にアンカーを打ち込み固定する。
『赤い月』よりの砲撃は苛烈を極めた。
足を止めることは自殺行為に過ぎない。
けれど、蔵乃裕は見据える。
あの『赤い月』を放置しては後に続く者たちが苦境に立たされる。
ならば、己が開かねばならない道があるというものである。
「ユーベルコードで破壊できるというのならば!」
キャバリアが方針を掲げる。レールキャノンが展開し、出力が上がっていく。限界を超えた出力の放出によって機体が軋む。
「これぞ、滅尽の暁光(グラウンド・ゼロ)!」
撃ち込まれた滅却たる砲撃が『赤い月』の群れを一直線に切り裂くように破壊していく。
砕ける月は大地に落ちることはない。
「此れより先に我等が求める者がいるのならば、一気呵成に攻め立てるのみ」
蔵乃裕の言葉と共に放たれたユーベルコードは、凄まじい光の明滅と共に『赤い月』の残骸すら破壊の渦に飲み込ませ、『血脈樹』へと至る道を一直線に切り開いたのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
マリューズ・アビスマリア
こんなに沢山の月が昇っては、有難みも何もあったものじゃないわね。
本物じゃない月はさっさと壊してしまいましょ。
【空中浮遊】からの【空中機動】で血脈樹の周りを飛翔。
放たれる光線は、深淵鏡から【結界術】で防御結界を展開して凌いだり、空を飛んで回避を試みるわ。
竜形態に変形させたセレニアの【ブレス攻撃】とTempesterからの【電撃】で月を落としていく。
密集している月に対しては、荒ぶる稲妻の槍を叩き込んで一掃を試みましょう。
それにしても、月までこうも好き放題に扱うなんて。
この世界の支配者っていうのは、一体何物で何様なのかしら。
猟兵の放った砲撃の一撃が『赤い月』の群れを切り裂くようにして打ち砕いていく。
かの『赤い月』は攻撃に特化した模造品であるという。
一体『何』の模造品であるのかはわからない。されど、天より降り注ぐ光線の砲撃は苛烈にして熾烈そのものであった。
光の雨と呼んでもいい。
天を塗りつぶすかのような砲撃の最中を、マリューズ・アビスマリア(Lullabyss・f26351)は飛ぶ。
浮遊するように揺蕩うのは海面に揺らぐ海月のように優雅であったことだろう。
「こんなに沢山の月が上っては、有難みも何もあったものじゃないわね」
彼女は見上げる。
『赤い月』。
無数に生み出された模造品。
されど、苛烈たる光線の雨はそれだけで猟兵たちが目指す『血脈樹』への道を阻む。
切り開かれた道は、再び閉ざされようとしてる。
「一体どれだけの数の月を生み出したというのかしら」
迫る光線を身の丈ほどもあろうかという巨大な鏡によって跳ね返しながら、マリューズは凄まじい熱量を感じる。
肌の水分が干からびるのではないかと思うほどの膨大な熱量。
防御に徹していれば、いずれ焼滅されると理解するには充分だった。
「これは受けては駄目ね。この手は一度きりだわ」
マリューズは浮遊しながら迫る『赤い月』の砲撃を見やる。
受けてはならない。
かと言って躱すというには『赤い月』の群れはあまりにも膨大だった。
「やはり破壊するのが一番だわ。おいで、『セレニア』」
マリューズの手にした儀礼剣がユーベルコードの輝きを湛えた瞬間、空を泳ぐようにして海蛇竜が彼女を守るようにして走る。
迫る砲撃を防ぐ盾となる『セレニア』をマリューズは見た。
「少しだけ我慢してね」
彼女は己に迫る『赤い月』を見やる。
敵は理解している。
自分たち猟兵が『血脈樹』に迫らんとしていることを。
だから、こうやって『模造品』の『赤い月』を放ち、阻もうとしている。第三層からさらに上の層を目指す者がいる、ということが、この『赤い月』の主であるというのならば、この難関なる道筋をこそ開かねばならない。
放たれる『セレニア』のブレスが『赤い月』の光線を押し留める。
掲げた儀礼剣が迸るようにしてユーベルコードを解き放つ。
それはいわば稲妻を凝縮した槍。
「海の怒りは大気をも震わす」
マリューズは掲げた手に現れる稲妻の槍を握り締める。
迸る稲妻の力。
開放されず、溜め込まれた力の奔流が周囲に撒き散らされる。
雷光だけが、この常闇の世界を照らす。
「思い知りなさい。月すら穿つ荒ぶる稲妻の槍(ライトニング・バースト)」
放たれる一撃は『赤い月』へと激突し、その中心を穿つ。
砕けた破片。
迸る雷。
だが、それでは終わらない。着弾した『赤い月』を中心に荒れ狂う稲妻の渦が周囲にあた『赤い月』を吸い込むようにして巻き込んでいく。
激突し、砕け散り、そしてそれでも尚破壊の渦は終わらない。
そのさまを見遣りながらマリューズは息を吐き出す。
「それにしても、月までこうも好き放題に扱うなんて。この世界の支配者っていうのは、一体何者で何様なのかしら」
常闇の空に舞うは『赤い月』ではなく、蒼き海の月。
マリューズは浮遊しながら、稲妻の渦に飲み込まれる『赤い月』を飛び越え、『血脈樹』の先を目指すのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ヤーガリ・セサル
成程、敵が沢山。
中々に砲撃を喰らえば厳しい状況でしょう……ですが。
考えようによっては沢山の足場があるということですよね? そして攻撃重視ということは破壊は容易……。
ええ、小型でも、足をのせる場所があれば十分! 楽をさせてもらいますよ。
「魔術師の影巨人」召喚。騎乗して……助走をつけてからの跳躍! 狙うは『赤い月』の表面っ! 次々に踏み台にし、影巨人のキックで破壊しながら跳躍。何なら他の光線も誘って同士討ちです。後々下を行く人が楽できるように、ですね。
血脈樹への道を増やしたのが敗因でしたねぇ。
猟兵というのは大体においてずる賢く、裏技をやりたがるものなんですよ。
天を仰ぎ見れば、其処に有るのは無数の『赤い月』であった。
『目のような紋様浮かぶ赤い月』は、その瞳から光線の砲撃を解き放つ。
その勢いは凄まじいものであった。
光の雨と呼ぶに相応しい。
それほどまでの物量で持って猟兵達の『血脈樹』への到達を阻止せんとする有様をヤーガリ・セサル(鼠喰らい・f36474)はしかして好機であると理解する。
「成程、敵が沢山」
中々に、と難儀な状況であることは変わりない。
猟兵達の先行した道は轍のように戦場に刻まれている。
しかし、即座に『赤い月』は破壊されながらも切り開かれた道を塞ぐように展開する。
「中々に」
あの光線の砲撃を受ければ、ただでは済まない状況だと理解できる。
数も問題である。
破壊しても破壊しても湧き出すように道を埋める。
その有様だけでも厄介極まりない。だが、ヤーガリは頭を振る。
「考えようによっては、沢山の足場があるということですよね?」
物は言いようである。
それが如何に危険なことかを加味しなければ、だが。
「ええ、小型でも月。足を乗せる場所があれば充分!」
彼の瞳がユーベルコードに輝く。
背後より現れるのは自身の影から紡いだ人形。
巨人と呼んで差し支えない体躯。
その影の人形の肩に乗り、ヤーガリは前を向く。
目の前には無数の『赤い月』が『目のような紋様』を輝かせる。放つ光線は雨のように。
されど、ヤーガリは瞬きすらしなかった。
「我が影よ。紡がれ、束ね、編まれ、忠実な巨人となるのならば」
魔術師の影巨人(サモン・シャドウジャイアント)は此処に在り。
駆け出す。
光線の一撃を躱す。
これは偶然だ。ただ己の生み出した巨人が跳躍したから狙いがずれただけにsグ以内。
けれど、それでも手繰り寄せた偶然だ。
影の巨人が『赤い月』の表面を蹴りつける。砕ける表面。これが攻撃特化した脆いものであるというのならば、此れで充分。
跳躍する。
光線が次々とヤーガリと巨人を追って放たれるが、当たらない。
跳躍による照準をずらすやり方は、ヤーガリにとっては簡単なことだった。
同士討ちを狙うようにすれば、『赤い月』は光線を放たない。判断ができているとも言えるだろう。
数の利が喪われることを恐れているのかもしれない。
「ならば、都合がよいです」
ヤーガリは『影の巨人』と共に次々と『赤い月』を蹴って跳躍を続ける。例え、光線の雨が降ろうともそれでもヤーガリは止まらない。
「『血脈樹』への道を増やしたのが敗因でしたねぇ」
彼は笑う。
猟兵。
己達猟兵は大抵において工夫をこらすものである。
それが裏技と呼ばれるものであったのならば、きっとそうなのだろう。抜け目がないとも言えるだろう。
「ずる賢い敵を叩くには、敵以上に賢くなければならない。そして、得てして猟兵というのは生命の埒外故に、千差万別。それに追いつくには並大抵では無理というものですよ」
影の巨人と共にヤーガリは颯爽と『赤い月』を蹴り砕きながらさらなる跳躍を見せ、『血脈樹』へと迫るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
サク・ベルンカステル
漸くだ…漸くより上位の化物に刃を振るう事が出来るという時に邪魔をするのであれば悉く斬り捨てるのみ!
天蓋血脈樹の踏破の邪魔をする赤い月を睨むなりUC剣鬼の刃翼を発動し飛翔する。
赤い月から放たれる光線は随行大剣や黒剣で技能「武器受け」、または枝や幹を蹴り軌道を変えて回避をする。
遠距離の月には刃翼から黒刃の羽根を放ち、中距離の月には随行大剣で凪ぎ払い、至近距離の月には黒剣で切り裂きつつ天蓋血脈樹の登頂を目指す
『闇の救済者戦争』――それはダークセイヴァーに生きてきた者にとっては絶望でしかなかったかもしれない。
第三層から第四層を鮮血の洪水によって埋め尽くす。
それが『闇の種族』が己達の弱点である『欠落』を隠すために取る方策であった。
この鮮血の洪水が巻き起こる前にオブリビオン・フォーミュラを打倒しなければならない。途方もない絶望が大挙として現れているようにさえ思えたことだろう。
サク・ベルンカステル(幾本もの刃を背負いし者・f40103)は震える。
無論、恐怖によって、ではない。
震える。
これは恐らく、歓喜であったのかもしれない。いや、そういう感情ではないかもしれない。
しかし、思うのだ。
「漸くだ……」
つぶやく。
天には『赤い月』――無数に浮かぶそれは『赤い瞳のような紋章』が煌めき、光線の雨を地上に降り注がせる。
凄まじい物量。
光線は一撃だけでも猟兵達をしても脅威そのものであったことだろう。
だが、その光線の一撃を切り裂きながら、サクは飛ぶ。
無数の刃の羽でできた翼。
剣鬼の刃翼(ケンキノジンヨク)たるユーベルコードの煌めきは、サクに飛翔する力を齎す。
「漸く、より上位の化け物に刃を振るう事ができるという時に邪魔立てするのであれば悉く斬り捨てるのみ!」
光線切り裂きながら光を解き放つ。
火花散るような斬撃は光線を切り裂きながら『赤い月』を両断する。
背より放たれる黒刃の羽が乱舞する。
剣閃が空に刻まれる。
それは一瞬の斬撃。満ちる無数の羽が次々と『赤い月』を切り裂く。
本来であれば、それが『模造品』でないのならば切り裂くことは困難であったかもしれない。けれど、攻撃特化という性質上、ユーベルコードで破壊できる、という点がサクの飛翔を『赤い月』は止められぬたった1つの難点であった。
「『血脈樹』……あそこにさらなる上位の化け物がいるのならば」
己が斬らねばならない。
そうすることが己の為すべきこと。たった1つのことだ。そうすることでしか己の存在証明を為すことができない。
復讐は己の心に燃えるものであった。
炉心たる体は、その炎を受けて煌めく他ない。もうすでに己の中にある太陽はない。喪われてしまったし、喪ってはいけないものであったけれど。
しかし、多くを喪うのが、この常闇の世界の理であるというのならば、サクはその理をこそ斬らねばならない。
「己の努力は裏切るやもしれない。どれだけ積み重ねた研鑽も役立つことなく地に伏すこともあるだろう」
何もかもが無駄であるかもしれない。
無意味に終わるかもしれない。
生命あれど、無為に消え果てるかもしれない。
しかし、己の復讐心たる炎で錬鉄されたかのごとき刃は裏切らない。
これだけが己とと門いあるもの。
「立ちふさがるものは全て絶ち斬る」
それだけだ。
それだけを為してきた。
サクが信じるのは、共に戦場を駆け抜けた刀剣のみ。故に彼は斬撃と共に飛翔し『赤い月』を次々と切り裂いていく。
道がないのならば、拓けばいい。
斬り拓いて進むことでしか、己は戦場に行きつくことはない。故に、サクは己が斬らねばならぬ敵を求め、怒りにじませる瞳と共に『鮮血樹』へと迫るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
肆陸・ミサキ
※絡み苦戦怪我アドリブok
始祖の吸血鬼、ね
速やかに消したい存在なのは間違いないから、こんなところで、立ち止まってるわけにはいかないよ
道を開き、必ず辿り着いてみせよう
POWで
黒剣は手に馴染む大鎌に変え、光を放つ焼却の範囲攻撃を合わせて、あの月たちを破壊しにいこう
多少の怪我は厭わず、というより今さら退く理由にはならないから、飛びながら端から動けなくなる前まで暴れまわってやる
個人的には、太陽よりは月の方が好きなのだけどね
牙を剥くならなんだって同じ……所詮は紛い物だし
『ヴァンパイアの始祖』――『ライトブリンガー』、その存在は全てのダンピールの苦しみの大元であったことだろう。
その存在が居たからこそ今の己達がある。
忌々しいと思う血脈があったかもしれない。
同時に戦うための力であると理解する者もいるかもしれない。
けれど、肆陸・ミサキ(黒白を弁ぜず・f00415)の中にあるのは、かの存在『ヴァンパイアの始祖』たる『ライトブリンガー』を速やかに消したい、と願う。
いや、願うということではないのだろう。
実行するものである。
願うことも、誰かに託すこともしない。
それは己がしなければならないことだと、天に無数に浮かぶ『赤い月』を見やる。これが『鮮血樹』に迫らんとする猟兵たちを迎撃するために生み出された者出るというのならば、この先にこそ求める物があるのは間違いない。
「だったら、こんな所で立ち止まってるわけにはいかないよ」
猟兵達のユーベルコードが煌めき、『赤い月』は粉砕されていく。
道は拓くものだ。
どんなに困難な道筋が目の前に横たわるのだとしても、ミサキにとっては立ち止まる理由にはなっていない。
光線の雨が降り注ぐ。
凄まじい熱量。大地を砕く一撃は無数に。
破片が飛び散る中、ミサキは赤い瞳と金の瞳で正面を見据える。
手にした黒剣は大鎌へと姿を変える。
「どれだけ数を用意したとしても――全てを焼き尽くそうか」
彼女の瞳がユーベルコードに煌めく。
全身を覆うのは白い灼光たるドレス。背には光背の如き日輪の輝き。
『赤い月』放つ月光の如き光線を真っ向からミサキは受け止めるようにして飛ぶ。
振るう大鎌の斬撃が『赤い月』を両断する。
「こんな『模造品』を大量にもってきたところで、やることは変わらない」
飛ぶ。
飛ぶようにして走る。手にした大鎌を振るう己の腕が軋む。骨身が軋む程の出力。己の限界を越えるかのような斬撃の一撃は『赤い月』を両断して有り余る。
かの『赤い月』が『模造品』だからこそできることだった。
光線の数はさらに増える。
まるでミサキを脅威と認識したように降り注ぐ光線は空を埋め尽くす。
「太陽より月のほうが好きなんだけどね。けれど」
ミサキは光線の一撃を受け、流した血すら蒸発する熱量の中を飛ぶ。
熱が上がっていく。
熱い、と思う。
けれど、それは光線の火力に、ではない。
己の体温だ。己の体温が際限なく上昇していく。燃え上がるような怒りがあった。憎悪があった。
救う。
この常闇の世界を救う。
ただそれだけのために戦うのならば、己が身など顧みることはない。退く理由など今更必要としていない。
「牙を剥くならなんだって同じ……」
紛い物の月など、好ましいとも思わない。
『赤い月』を塗りつぶすかのような日輪の輝きは、空を白夜(オールライトナッシング)の如く照らす。
燃え上がる己の体温と共にミサキは手にした大鎌を鮮烈なる一撃として『赤い月』を切り裂き、開かれた道を突き進むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
オリヴィア・ローゼンタール
始祖たる吸血鬼……
この戦争で流れた血も、この大樹を通じて奴の糧となっている筈
思い通りにはさせん……!
総身に聖なる力を纏い(オーラ防御)、放たれる光線を軽減
光線で地面が破壊されても足を止めることなく疾走(ダッシュ・悪路走破・足場習熟)
【覚醒した聖槍】に漲る無窮の極光(武器に魔法を纏う)
空を突けば光の波動(全力魔法・衝撃波)が迸り、偽りの月を穿つ
全霊の力(怪力)を振り絞って【投擲】
無数の月を次々と突き穿ち粉砕する(貫通攻撃・吹き飛ばし)
「始祖たる吸血鬼……」
銀髪金瞳のシスター、オリヴィア・ローゼンタール(聖槍のクルースニク・f04296)は空を埋め尽くすような『赤い月』を見据える。
柔和な笑みは最早ない。
あるのは邪悪に対する苛烈なる瞳のみ。
己の体に流れる血潮を理解する。
そして、この血が大地に染みることがあったのならば、あの血管が絡み合ったかの如き『鮮血樹』は吸い上げていく。
始祖たる吸血鬼『ライトブリンガー』へと捧げられるように吸い上げられていく。
これまで生み出されてきた苦痛と死の全てを我がものとする『ライトブリンガー』をオリヴィアは怒りと共に睨めつけるように『鮮血樹』へと走る。
手にした黄金の穂先持つ槍が煌めく。
物心つく頃から揮っている槍。
『破邪の聖槍』――どうして己が持っているのか。どうして己が戦っているのか。どうして己は両親のことをおぼえていないのか。
何一つわかっていることはない。
けれど、たった1つ分かっていることがある。
『『ライトブリンガー』……思い通りにはさせん……!」
身に満ちるは聖なる力を満たし、降り注ぐ光線の雨を受け止めながらかいくぐる。強烈な熱量がオリヴィアを襲う。
凄まじい、と言う他ない。
熾烈すぎる光線の雨。防ごうとして防げるものではないとオリヴィアは理解するだろう。
大地を穿つ光線は、足場を喪わさせる。
けれど、その砕け、飛ぶ破片の如き大地をオリヴィアは蹴って走る。
「覚醒せよ、我が聖槍。無窮の神威を今ここに――!」
彼女の瞳がユーベルコードに輝く。
手にした己の槍。
黄金の穂先より解き放たれる己の身を反動から守るための封印を解き放つ。
守っては負ける。
たどり着く事もできずに己は光線の雨に屈するだろう。何時だって己はこの槍と共にあった。幾度も戦場を駆け抜けてきた。死地さえくぐり抜けてきた。
ならばこそ、最早ためらいはない。
「『赤い月』が浮かぶ夜……ええ、吸血鬼を狩るには良い夜です」
彼女の放つ聖槍の一撃が無窮の極光の如き輝きを放ち、その一撃を持って『赤い月』を穿ち、砕く。
飛び散る破片の最中を更に光線が降り注ぐ。
だが、オリヴィアの瞳はユーベルコードに輝く。
道なき道を歩むことには慣れている。いつだってそうだったのだ。暗夜を往くが如く生きてきた。
多くの凄惨たる光景を見てきた。
多くの苦しみを知った。
多くの生命が喪われる様も、己の掌で感じた。
ならばこそ、オリヴィアは己の手にした聖槍を構える。
それは投擲の構え。漲る光の波動を湛えた黄金の穂先が見据えるは『赤い月』の群れ。
「これより先に流れる血の一滴さえも貴様には与えられることはないと思え」
宣言する。
多くを喪ってきた。取りこぼした生命など数えられない。そして、その生命はどんなに願っても取り戻すことはできない。
だからこそ、奪われたものを贖うためにこそ、彼女はやりを振るうのだ。
振り抜く一撃。否、一射。
投擲の一撃は鮮烈に『赤い月』の光を穿つ閃光となって戦場を横断し、無数の『赤い月』を穿ち、吹き飛ばすのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
ニィナ・アンエノン
赤いお月様かぁ。
なんか不気味でやな感じだね。
まぁ本物と違って撃ち落とせるのは楽しそうで良いかも!
でもまずはこの熱烈大歓迎って感じの光線をかわさなきゃね☆
そうなるとやっぱり、にぃなちゃんのバイク【操縦】テクニックを存分に発揮するしかないね!
地面が良くなくても【悪路走破】してばりばり進むぞ☆
逆に悪路を利用して【スライディング】や【ジャンプ】で回避するのもいいかもね。
後は走りながら【情報収集】して、出来るだけいっぱいの赤い月をロックオン!
ミサイルで派手にどっかーんとやっちゃおう!
こーゆー所でツーリングって言うのもオツなものだよね☆
多くのユーベルコードが煌めく。
その輝きは第三層から上層に伸び、天を穿つかのようにそびえる『鮮血樹』を照らす。あの『鮮血樹』はダークセイヴァーにおいて大地に染みた血を一滴たりとて逃さず吸い上げる。
吸い上げた血潮は『吸血鬼の始祖』たる『ライトブリンガー』へと捧げられる。
故に、あの先にこそ猟兵たちが求める敵がいるのかもしれない。
少なくとも、空を埋め尽くすかのように展開した『赤い月』を見れば、それが間違いではないと思うことができるだろう。
『闇の救済者戦争』――この戦いが始まって以来、猟兵たちは果敢に戦いを挑んできた。
『闇の種族』は今の猟兵であっても倒しきれない。
それほどまでに強大である理由は一つ。
彼等は己の『欠落』を創り出し、それを隠すことによって猟兵であっても打倒しきれぬ力を得たのだ。
その『欠落』を隠すためだけに鮮血の洪水によって第三層から第四層を満たそうとしている。
「赤いお月様かぁ」
なんか不気味で嫌な感じだとニィナ・アンエノン(スチームライダー・f03174)は次の瞬間に降り注ぐ光線の雨を『テンプテーション』――己の駆る宇宙バイクのエンジンを唸らせ、駆け抜ける。
「熱烈大歓迎って感じ! にぃなちゃんのこと大好きすぎか☆」
ニィナは軽口を叩くが、光線の数は膨大そのものだった。
猟兵達のユーベルコードによって『赤い月』は数を減らしてはいるが、全てを破壊できたわけではない。
切り開いた道は、また再び閉じるようにして『赤い月』が集結し、その光線の砲撃を見舞い続けているのだ。
正直に言えば、無理筋が過ぎるほどの物量であった。
けれど、ニィナは笑う。
乾いた唇を湿らせるように舌をちろりと出して、『テンプテーション』のエンジンの出力を上げる。
砕ける大地はお世辞にも良い路面とは言えない。
状況だって悪くはない。
けれど、ニィナは笑う。
「さあ、にぃなちゃんのテクニックを存分に発揮させてもらっちゃうぞ☆」
唸り上げるエンジン音。
咆哮のように宇宙バイクが光線の雨の最中を掛け抜ける。スピードスターも斯くやとい言わんばかりのフルスロットル。
エンジンを全開にして『赤い月』からの猛追を振り切るようにしてニィナは飛ぶ。
車輪が滑る。
車体がスライドするように大地を滑り、隆起した地面を蹴るようにして後輪が大地を掴む。回転する車輪のシャフトから白煙が上がる。
無理な運転だと思った。
けれど、それでも此れくらいはしなければならないとニィナは理解する。
「いっぱい、いっぱいお月様☆ これは打てば当たるってやつじゃないかな☆ じゃあ、いこうか! 射程範囲全部ろっくおーん!」
ニィナの瞳がユーベルコードに輝いた瞬間『テンプテーション』の装甲が展開し、其処から無数の高機動マイクロミサイルを解き放つ。
「ミサイルカーニバルだよ、れっつだーんす!!!」
放たれるミサイル。
確かに『赤い月』の攻撃性能は凄まじい。
圧倒的だ。けれど、ニィナはわかっている。あれは『模造品』である。攻撃に特化しているがゆえに脆い。
ならば、こちらも数で押すまでなのだ。
「こーゆーところでツーリングっていうのもおツなものだよね☆」
ついてこれる人がいないのが難点だけど、とニィナは爆風と爆砕した破片が飛び交う中を、宇宙バイクの名が示すように誘惑するような見事なテクニックで滑るようにして『鮮血樹』へと迫るのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
月夜・玲
しかしまあ、月の模造品っていうのは随分と豪勢というかスケールが違うというか…
この血脈樹もそうだけど、全体的にスケールが大きいね
ま、登ってみなけりゃ分からない
この先に何があるのか、楽しみになってきたね
《RE》IncarnationとBlue Birdを抜刀
血脈樹を伝いながら上目指そう
『オーラ防御』で盾を生み出し、赤い月の攻撃を弾き光線を回避
『カウンター』で【剣技・蒼嵐剣】起動
斬撃と風の刃で赤い月を破壊
その場に残った竜巻を足場にして戦場を駆け、順次赤い月を破壊していこう
さあさあ、数だけ多くてもこっちの足止めにはならないよ
こっちの足止めしたいんなら、もっと強力なの持ってこないと!
いや、フリじゃないよ
天に浮かぶは無数の月。
全てが『赤い月』である。『目のような紋様刻まれた月』は、その瞳を開眼するように光線を解き放ち、雨のように大地を穿つ。
その物量は凄まじい。
猟兵達のユーベルコードが無数に輝いて尚、切り開いた道を閉ざすように『赤い月』は光線で空より大地を埋め尽くす。
「どんだけって感じ。月の『模造品』っていうのは随分と豪勢というか、スケールが違うというか……」
抜き払った二振りの模造神器の蒼き刀身が煌めく。
月夜・玲(頂の探究者・f01605)は見上げる。
そこにあるのは『鮮血樹』。第三層にありて、それは天を穿つ。
この先に第二層があるのか。
それとも何か待ち受ける者が存在しているのか。
どちらにせよ、往かねばわからない。
「のぼって見なけりゃわからない。この先に何があるのか、楽しみになってきたね」
切り開かれた道より『鮮血樹』を伝おうとした玲を襲う『赤い月』の光線の雨。
降りしきる雨よりも地上を塗りつぶす光線は、圧倒的な物量と熱量でもって玲を襲う。
オーラで防御した所で、いとも容易く砕かれ、その身を熱が襲う。
「攻撃特化って聞いてたけど、これはまた凄まじいね」
玲の瞳がユーベルコードに輝く。
「数だけ多くても足止めにはならないよ。充分強力だけどさ!」
煌めく。
蒼き刀身。それは模造神器。
玲が再現したUDCの力は、青嵐大系を編み上げる。重力制御された体が浮かぶ。
恐るべきは其処ではない。
彼女のユーベルコードは、彼女自身をもって音速を越える所にある。そして、その初速は一瞬で大気の壁を打ち抜き、豪雷の如き音を響かせる。
音速に到達した瞬間に訪れる、それは衝撃波を撒き散らしながら彼女の手にした蒼き刀身持つ模造神器が振るわれることを意味する。
「まずは基本の技からってね」
剣技・蒼嵐剣(プログラム・ストームソード)。
それこそが彼女の大系立てた邪神再現。
雷と炎を手繰る力は、嵐を呼ぶ。
その蒼き嵐でもって迫る『赤き月』を砕く。風の刃は、迫る月すら砕く。そして、その剣戟は切り裂くだけではとどまらない。
振るった斬撃は蒼き竜巻となって戦場を満たす。
『赤き月』が光線でもって戦場を満たすというのならば、玲は斬撃より生み出されし青嵐でもって戦場を席巻する。
「こっちの足止めしたいんなら、もっと強力なの持ってこないと!」
玲は叫ぶ。
突き上げた剣の鋒が天を示す。
そこに存在するであろう何者か。『ライトブリンガー』か、それ以上か。
これより訪れる困難はより凶悪なものとなるだろう。それは予見できることだ。
「あ、フリじゃないよ」
どう見てもフリである。
しかし、玲は迫る『赤き月』を砕き続ける。攻撃特化であるがゆえの脆さ。その脆弱性を見出させる事自体が、出し惜しみしていると思って仕方のない事実であった。
迫る光線の雨も、頂きを目指す者にとっては些末なことである。
雨ならば、嵐を前に屈するしかない。
風手繰る炎と雷の力は、疑似であれど真を凌駕する力となる。それを証明するかのように玲は斬撃を解き放ち、『赤い月』を散々に切り裂くのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
馬県・義透
四人で一人の複合型悪霊だが、今回は関係ない
「ぷっきゅ!」
…陰海月語を翻訳します…
作り物のお月さまを壊すんでしょ?ぼくもやりたいっ!
っておじーちゃんたちにねだったんだ。滅多にできないんだもん!
気を付けなさいって言われたから、怪我なく素早く切り抜けなきゃね!
四天霊障(極彩色化)で光線を和らげたり、曲げたりして。ぼく自身はしゅぱぱぱっと早く動いて、お月さまの光線が当たらないようにするんだ。
光珠をポイポイ投げて、お月さまを壊す!避けてもその光珠は追いかけるからね!
鬱陶しかったら…おもおもおじーちゃん(『不動なる者』)の重力属性攻撃で押し潰しちゃお。
ぼくが海月で似てるからって、容赦はしないんだからね!
馬県・義透(死天山彷徨う四悪霊・f28057)は複合型の悪霊である。
四柱で一つ。
そうした猟兵である。
そんな彼等はそわそわしていた。いや、心配していたというのが本来のことであろう。
ユーベルコード、四悪霊・『虹』(ゲーミングカゲクラゲノツヨサヲミヨ)によって『陰海月』と合体した状態であるから、そこまで心配する必要ないのかもしれないと自分たちを納得させるが、しかし、やはり心配なものは心配なのである。
一体何が、と言うのならば現状を、である。
「ぷっきゅ!」
合体した『陰海月』は意気揚々と洗浄に飛び出している。
此処までは良い。
だが、心配の種はすぐそこにあった。
見上げる空を埋め尽くすのは『赤い月』。
無数に浮かぶそれには、一様に『赤い目の紋様』が刻まれており、その開眼するかのような明滅と共に光線の雨が降り注ぐのだ。
その苛烈さたるや、筆舌に尽くしがたいものであった。
これだけの熱量が大地に降り注げば、海洋の世界出身である『陰海月』には辛いものがあったはずだ。
「ぷっきゅ!」
だが、それでも『陰海月』はどうしてもやりたかったのだ。
作り物の『赤い月』。
攻撃に特化しているがゆえに『模造品』である。ユーベルコードでならば破壊できるとうことだったので、自分もやりたいとねだったのである。
めったにできることではない。
「気をつけなさい」
そう言われて『陰海月』は身を引き締める。怪我をしないようにしなければならないが、迫る熱量はどうしようもない。
呪詛をまとっていても、肌を差すかのような熱量が迫っているのだ。
霊障は光線を和らげるが、それでも熱量は強烈だった。
「ぷっきゅい!」
ならば、と素早く動き『赤い月』の放つ光線の雨の間隙を縫うようにして飛ぶ。
煌めくユーベルコードは1680万色に輝く光珠を解き放つ。
空を舞うようにして光珠は飛ぶ。
偽りの『赤い月』。それを壊すこと。
自分の名前の由来。
海にたゆたう月のような存在。確かに自分も偽りの月であろう。海面に浮かぶ自分は、覗き込む者たちからすれば、同じものだ。
けれど、と思う。
あの『赤い月』は誰かを傷つけるものだ。
この常闇の世界にあって、多くの生命が奪われた。血潮は流れ、その一滴までもが全て『鮮血樹』によって『ライトブリンガー』へと捧げられている。
哀しみばかりが広がっている。
苦痛は生命を奪う。
どうあっても人を虐げることしかしない世界にあって、『陰海月』は思う。
容赦はしないと。
だってそうだ。
今もこうしている間も、これまでも。ずっと『闇の種族』は、その上位に存在する者たちも、みんな誰かを苦しめてきたのだ。
「ぷきゅ!」
それは許しては置けない。
模造の月を砕く。砕いて、砕いて、砕いて、先にある『鮮血樹』へと向かう。きっとその先に哀しみの大元がいる。
ならばこそ、それを砕かねばならない。
どんなに傷ついても、身を焼きこがさんばかりの熱が襲うのだとしても。
それでも『陰海月』は偽りの月を砕いた先をこそ、見据えるように光珠の乱舞と共に『鮮血樹』を目指して、空を飛ぶのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
紫・藍
藍ちゃんくんでっすよー!
雨のように降り注ぐ光線でっすかー!
いえいえ、藍ちゃんくんがライブで目にするサイリウムの光の数はこの程度ではないのでっすよー!
ねー、ファンの皆様方!
高高度からのビームはたしかに厄介でっすか!
それはつまり射角がほんのちょっとでもずれたら明後日の方向に飛んでいくというもの!
ファンの皆様にそっと手を添えていただいて目玉の向きをちょびっとでも変えていただくのでっす!
皆様にとってはちょっとばかり大きいサイリウムみたいなものかと!
存分に振るってもらうのでっす!
もちろん藍ちゃんくんも皆々様が盛り上がるよう心を込めて歌うのでっす!
コールよろしくなのでっすよー!
月夜を震わせちゃうのでっす!
天より降り注ぐ光線の雨。
常闇の世界にあって、その鮮烈なる光景は皮肉でしかなかった。
陽光無き世界において月光だけが大地を照らすものだった。そのか細い輝きに人々はすがったことだろう。
だが、今、天に浮かぶのは『赤い月』。
偽りの月であり、『模造品』。光線解き放つ力は攻撃特化出るがゆえに猟兵達のユーベルコードによって打ち砕かれる。
「それでもまだまだまだまだ! しょーがないでっすねー!」
紫・藍(変革を歌い、終焉に笑え、愚か姫・f01052)は、目の前の視界を塗りつぶす光線の雨を前にしていつもの笑顔をやめない。
表情も凍りつくような攻勢であったことだろう。
埋め尽くされる光線の熱量は凄まじい。どれだけ猟兵たちが強固な防御を持っていたとしても、容易くそれを砕く力だ。
強烈すぎる。
けれど、藍は笑う。
「こんな状況をどうにかするのが藍ちゃんくんでっすよー!」
藍は思う。
瞳を閉じれば、いつだって己を照らすのはファンが持つサイリウムの輝きだった。
色とりどりの輝き。
どれもが大切な輝き。
自分が何のために歌うのか。何のために戦うのかを思い出させてくれる。故に藍の瞳はユーベルコードに輝く。
「どんな光も! 藍ちゃんくんのライブには負けるのでっす!」
見開く瞳。
そう、そこには幻視するかの如き光景が広がっている。
コールが響く。
自分を呼ぶ声だ。ならば、答えねばならない。
「それじゃあ、いっくでっすよー! ファンの皆々様!」
コールが帰ってくる。
マイクを向ける。響く声。それは一つ一つは大したことのないものであったはずだ。いかにユーベルコードでもって招来されるファンのコール出会ったとしても、所詮は人の声だ。どんなに集めても『赤き月』の放つ光線の雨に勝るものではないはずだ。
だが。
「このお歌は山をも動かすのでっす!」
藍は歌う。
歌声は、藍の手(コールミーアイチャンクン)を持って迫る『赤い月』を掴むのだ。
目に見えているのならば。
そこに物体として存在しているのならば。
藍のユーベルコードは月すら動かす。
「そのお目々から光線を放っているのなら、ちょいと傾けてあげるだけでいいのでっす!」
藍はスピリチュアルなファンたちのコールを受けて笑う。
簡単なことだと。
月を動かすのだってできるのだ。歌声で。みんなのコールで。
動かされた月の光線が他の『赤い月』を穿つ。
砕けた月の破片が大地に降り注ぐ中、藍は歌う。
「心を込めて歌うのでっす! 皆々様が気持ちよくコールできるように! この赤い月夜を震わせるために! さあ、いっきまっすよー!」
響く。
響き続ける歌声と共に『赤き月』は己の挙動を御しきれぬように、大地を穿つ光線をともにある他の『赤き月』へと向け、砕く。
それはあまりにも不条理であったことだろう。
だが、藍の歌声を不条理とは言わせない。
これまで幾千幾万もの人々の命を奪ってきたのだ。不条理のままに。
ならばこそ、これからだと言うように藍は取り戻すことを歌う。高らかに。闇色の空を切り裂く光のように、強烈なる数多のサイリウムが振り抜かれた――。
大成功
🔵🔵🔵
メフィス・フェイスレス
ああ、イラっとくるわね
作り物の癖に我が物顔で空に蔓延って見下ろして
「宵闇」の翼で空を飛翔し、『血脈樹』を昇る
「飢渇」の『オーラ防御』と『斬撃波』を纏った「尾刃」で光線を弾き、叩き落とす
掠めた光線に身を焦がす
ああもう、アンタら如き、一々自前で相手してるヒマないの
躰の「顎門」を開き、吐き出された「宵闇」を生やし飛翔する「飢渇」の群れが
月に喰らい付いて取り憑いていく
寄生された月が光線を他の月に向けて照射し出す
光線に乗せられた「飢渇」が更に月に寄生して他の月に襲いかかり始める
混迷する戦場を意に介さず潜り抜けて、更に上を目指していく
せいぜい紛い物同士で喰い合っていればいいわ
粗悪な模造品には似合いの末路よ
見下されているとメフィス・フェイスレス(継ぎ合わされた者達・f27547)は思った。
降り注ぐ光線の雨。
膨大な熱量。
そこには恐怖があったはずだ。けれど、メフィスの胸の内を占めるのは、苛立ちだった。
「ああ、イラっとくるわね」
見上げた先にあるは『赤い月』。
無数に浮かぶ、それらは『瞳のような紋様』が刻まれている。その瞳がまばたきをする度に放たれる光線は凄まじい。
けれど、メフィスは吐き捨てる。
「作り物の癖に我が物顔で空に蔓延って見下ろして」
苛立ちのままに彼女の背より映えるは『骨身』の翼。醜悪と呼ぶ者もいるかもしれない。
けれど、それは宵闇を翔る者。
飛翔するメフィスは己に迫る光線の雨を前にして焼け落ちる眷属を見る。変異した背骨がへんじた刃が迫る光線を弾く。
攻撃特化、と呼ばれた『赤い月』のちからは凄まじいものだ。
弾いて掠めた光線の熱量で肌がただれるようにして焦げる。
「ああもう、アンタら如き、一々自前で相手してるヒマないの」
メフィスは毒づく。
苛立ちがそうさせているのだろう。
彼女の瞳にあるのは『鮮血樹』だけだ。その先にこそ『ライトブリンガー』がいるというのならば、迫る『赤い月』は邪魔でしかない。
眷属である『飢餓』がメフィスの体から噴出するようにして解き放たれる。
その名が示すように。
『飢餓』は骨身の翼を羽撃かせ、一気に『赤い月』へと迫る。
どれだけ光線を放たれ、焼け落ちるのだとしても構わない。百の内一つでも取り付けば良い。それだけで……。
「言ったでしょ。一々自前で用意なんてしてらんない。だから」
メフィスの瞳ユーベルコードに輝く。
それは、『赤い月』の主導権を眷属による寄生でもって染(ソメル)上げるものであった。
空中で『赤い月』が軋むようにして向きを変える。
明滅する光線。
砕ける月。
その破片を浴びながらメフィスは、間隙を縫うようにして『鮮血樹』へと迫る。
「もっと上へ」
この先へ。
己が、己たちが討たねばならぬ敵がいる。
『ライトブリンガー』――『吸血鬼の始祖』。この地獄の如き世界において、人々の生命を奪い続けるもの。
大地に染みた血の一滴すらも己のものとする存在。
それがあの『鮮血樹』の向こうに居る。天を穿つかの如き血管の絡みついた大樹。
あの先にこそ居る。
狩らねばならない。
『貌無し』として。吸血鬼狩りとして。是が非でも。
その最中、寄生した眷属たちが振るう光線が、他の『赤い月』を砕いていく。
そのさまを睥睨し、メフィスは息を吐き出す。
「せいぜい紛い物同士で喰い合ってればいいわ。粗悪な模造品には似合いの末路よ」
その言葉は己の眼下で行われる破壊へと向けられる。
何処まで行っても『赤い月』は模造品。
故に誠には至らず。
そして、光線と破片を抜け、メフィスはさらに『鮮血樹』へと距離を詰めるようにして一気に骨身たる翼を羽撃かせ、飛ぶ。
もう、眼下を見下ろすことさえしなかった――。
大成功
🔵🔵🔵
鳳凰院・ひりょ
俺のUCでどの程度対抗出来るか…
【召喚術】でコウモリを召喚
UCで合体
コウモリの翼を持った超音波発するひりょ、只今惨状!
俺の叫びを聴けぇぇ(ぼぇぇ
超音波攻撃に【全力魔法】力を乗せて模造品を攻撃だ
コウモリの翼で飛行しつつ、光線は舞うように【見切り】回避
回避出来ない分はコウモリ型闘気弾を連続で放ち相殺狙う
それでも対処出来ない分は【オーラ防御】でダメージ軽減
攻撃に特化しているという話だから、光線の雨を乗り切るのまでが難関か
光線かいくぐりながら光線の一部をエネルギーとして吸い取って【生命力吸収】回復出来れば、光線の雨も乗り切れるのかなぁ
咆哮による攻撃力上昇効果を得ておけば、模造品破壊も楽出来るだろうか?
己が一体どれほどのことができるであろうかと考える。
空に浮かぶは『赤い月』。
それも一つではない。無数に浮かぶ月は不気味な『瞳のような紋様』が刻まれ、瞬く瞬間に光線を雨のように地上へと解き放つ。
その熱量は凄まじいの一言だ。
直撃していなくても迫る熱波で肌が焼ける。
もしも、仮に直撃を受ければどれだけ防御に秀でた者であってもユーベルコードなしでは防ぐことはできないだろう。
だからどうした。
鳳凰院・ひりょ(天然系精霊術使いの腹ぺこ聖者・f27864)の瞳はユーベルコードに輝く。
どれだけ己の心に恐怖があるのだとしても。
己のユーベルコードでどれほど対抗することができるのかと問う心があるのだとしても。
それでも己はゆかねばならぬことだけは、はっきりとしていた。
「と皆の力で、この状況を乗り切る!ビーストマスターの名に懸けて!」
超獣化身(ビーストリンク)によって召喚したコウモリと合体したひりょの背に翼が広がる。
皮膜を震わせ、己の喉が唸るようにして叫ぶ。
「俺の叫びを聴けぇぇ!!!」
放たれるは超音波。
コウモリと合体したことによってひりょは、その動物の能力を、特性として放つことができる。
光線迫る戦場にひりょは飛ぶ。
雨のように降り注ぐ中、コウモリの持つ特性によって熱波迫る光線の一撃を躱すのだ。
己が放つ闘気の弾丸はどれだけ撃っても光線の一撃を相殺することはできないだろう。
わかっている。
オーラであっても防ぎきれぬ程の砲撃なのだ。
しかも、それが無数。
前に進むには破壊するしかない。
「攻撃特化だというのなら!」
どれほどの難関だろうと関係ない。目の前にそびえる『鮮血樹』は今もダークセイヴァー世界に流れた血を吸い上げ続けている。
血が吸い上げられる先は言うまでもない。
「『ライトブリンガー
』……!」
争いに傷ついた傷跡より滴る血を望む者。あらゆる血を集め、自身のものとする。それだけの力がありながら、虐げることにしか使わない。
これを義憤と呼ぶ者もいるだろう。
けれど、今まさに己が胸に抱く怒りこそが正しいと知る。この怒りは正しい。徒に傷つけられ、いたずらに生命を喪う。
そんなのは嫌だと思う心がある。厭う心がある。だから、己をは往くのだ。
光線の一撃を躱し、ひりょは見据える。
あの先に居る。
積層世界であるダークセイヴァー。常闇に覆われた世界。何処まで行っても地獄しかない。そんな中でも懸命に生きる人々をひりょは見てきたのだ。
ならばこそ、それを捨てることはできない。
かつての己が差し伸べられたように。
今を生きる人々のためになるようにと願うように。
「みんなの笑顔を守りたい」
その願いだけがひりょの背中を推し続ける。放たれる咆哮は超音波となって『赤い月』へと迫る。
震動は、そのまま巨大な月すらも砕く。
粉砕し、砕け散っていく月。
その最中をコウモリの翼で羽撃き、ひりょはそびえる『鮮血樹』を目指すのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
メリー・スペルティナ
むぐぐぐぐぐ……やっぱりこういう時は単純な射撃系のUCが欲しいですわ……
ですがないものねだりをしても仕方ありませんわ
使い捨ての血晶石を大量に用意、クロスボウを構え行きますわ!
相手は闇に紛れただけで見落としてくれるような相手じゃありませんわよね
ですが、わたくしなら“らくしょー”ですわ!
UC【強化呪式?:運命変転】を使用!
“華麗に”攻撃をかいくぐり、“正確に”攻撃者に反撃を叩き込む様を見るがいいですわ!(※理想)
(※で、現実はというと……)
……せ、成功すればそれでいいんですわよ!過程も大事ですがやっぱり大事なのは結果ですわ!待っていなさい、本家とか元祖とかそんな感じの吸血鬼!(※始祖です)
メリー・スペルティナ(暗澹たる慈雨の淑女(自称)・f26478)は空に浮かぶ『赤い月』を見上げる。
降り注ぐは光線の雨。
大地を濡らすように放たれる光線の熱波の凄まじさは言うまでもない。
肌を焼き、例え、オーラで身を覆うのだとしても突き抜けてくるほどの一撃。それが無数に。それこそ無限とも思える膨大な数で襲いかかってくるのだ。
「むぐぐぐぐぐ……」
メリーは注ぐ光線をかいくぐりながら『鮮血樹』を見据える。
あの先に『ライトブリンガー』がいる。『ヴァンパイアの始祖』とも呼ばれる存在。
このダークセイヴァー世界の大地に流れた血の全てを吸い上げ、捧げられる者。
『赤い月』の主。
「やっぱりこういう時は単純な射撃攻撃手段がほしいですわ……」
だが、メリーにはそのようなユーベルコードはない。
大量の血晶石を彼女は取り出す。
指の間に挟み込んだそれを、クロスボウにあてがい光線を見つめる。
「ないものねだりしても仕方がありませんわ!」
闇に紛れたとて、あの『赤い月』は見逃してはくれないだろう。なにせ、あれだけの数だ。戦場を塗りつぶすように光線を降り注がせれば、それだけ『赤い月』の主は猟兵たちを退けることができる。
正直に言えば、無理筋が過ぎるものであった。
戦場を塗りつぶす光線の雨。
無数に存在する『赤い月』。猟兵達のユーベルコードが煌めく度に破壊されてはいるが、それでも脅威と呼ぶには充分過ぎるほどの数であった。
「ですが!」
メリーは宣言する。
己を信じることができないで、何が自信であろうか。
己の道は己が歩まねばならない。他の誰でもない、自分がそう定めたのならば。
「わたくしなら、“らくしょー”ですわ!」
煌めく瞳はユーベルコードに満ちていた。
強化呪式?:運命変転(ワタクシニフカノウハナイノデスワ)。それは彼女が自分を信じることによって発露する力。
あらゆる行動に成功する。
言葉にしてしまえば単純なことであった。
これほどまでにシンプルなこともない。だが、それゆえに絶大なる代償が必要となるのは言うまでもない。
「わたくし! いつだって華麗に攻撃をかいくぐり、正確にカウンターを解き放ってきた実績がありますの!」
此れまでの戦いを記憶の中で反芻する。
イメージはできている。
降りしきる光線をひらりと躱し、クロスボウで血晶石を弾丸として放ち、『赤い月』を砕く。
華麗で優雅。
華美にして繊細。
洒脱にして瀟洒。
言うなれば、メリーはそのようにして生きていけるだけの自信があった。それを尊大であると問う事ができるのは彼女と同じだけの才能を持つものだけであったことだろう。
だが、運命は変転するものである。
「――ッ
!??!」
迫る光線の雨をかいくぐると言うにはあまりにもドタバタな足取り。
砕ける大地の破片が目の前をかすめる。放つクロスボウの一撃は明後日の方向に飛ぶ。されど、その全てが瓦礫に反射し『赤い月』を砕くのだ。
メリーはもう声もない。
だって、自分の思い描いたそれとは程遠いものであったからだ。どう考えても優雅には程遠い。
華麗とは言い難い。
けれど、メリーの一挙手一投足の全てが『赤い月』を砕くことへとつながっていくのだ。
「……せ、成功すればそれでいいんですわよ! 過程も大事ですがやっぱり大事なのは結果ですわ!」
瓦礫と化していく『赤い月』を見遣り、メリーはごまかすように、誰かに言い訳するように思わず叫ぶ。
「待ってなさい、本家とか元祖とかそんな感じの吸血鬼!」
最後の最後まで締まらぬままにメリーは『赤い月』の残骸降りしきる中を『鮮血樹』へと向かって走るのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
遠野・路子
やはり、ダークセイヴァーのシリアスな雰囲気は私によく似合う
ミコ痛い。最近ツッコミが激しい。真面目にやるから止めて
月は出ているか
ちがう、月を壊す
いつも真面目だけど今日はちょっと気合入れて戦おう
光線は面倒だね
『蒼銀の光芒』で防げる?
ぶつけて少しでも逸らせたらそれでいい
定点に止まっていると狙い撃たれそうだから
エアシューズを使って常に移動しつつ
的を絞らせない動きをしよう
その上で一気に行く
【天より至る白き幾千の星】
数の暴力なら私だって負けない
父が得意とした広域殲滅アビリティ
それには至れずともこの程度なら
『天より至れ、幾千の星よ』
覚悟して
闇の救済者戦争を突き進めばこの月の謎も明かされる?
気になるところだね
天に浮かぶは無数の『赤い月』。
降りしきる光線の雨は戦場を閃光で塗りつぶす。
常闇の世界ダークセイヴァーにおいて、これほどまでに鮮烈にして苛烈なる光景があっただろうか。
光なき世界において月光だけが頼りであった。
しかし、『赤い月』は、そんな寄る辺の如き光景ではなく破壊を見せる。
砕ける大地。
煌めくユーベルコード。
その度に『赤い月』は猟兵達によって砕かれていくのだ。
「やはり、ダークセイヴァーのシリアスな雰囲気は私によく似合う」
遠野・路子(悪路王の娘・f37031)は何処か満足げであった。しかし、そんな彼女の頬をつねるのは視肉の『ミコ』であった。
なんか最近自分に対するツッコミというものが、段々と痛烈なものになってきているようなきがする。
友達だから別にいいんだけれど、痛いのはちょっと勘弁して欲しい。
「真面目にやるから」
ならばよし、と『ミコ』は頷く。
こんな見た目をしていて、ツッコミは苛烈。一体全体誰に似たのだろうと路子は首を傾げる。
「月は出ているか」
ぐい、と『ミコ』がまた路子の頬をつねる。
「違う、尽きを壊す。いつも真面目だけど今日はちょっと気合い入れて戦おう」
別に『ミコ』に常にツッコミと言う名の頬をつねる行為が痛いからではない。
迫る光線は、そんな路子たちを撃ち抜かんと放たれている。
強烈な一撃。
あらゆる防護を貫くかのような一撃は苛烈そのものであった。しかも、それが唯一ではなく、無数に降り注ぐのだからたちが悪い。
熱波が頬を灼く。
だが、路子は前に進む。
前に進まなければ、路はできない。ならばこそ、彼女は己の道を往くために前に踏み出すのだ。
エアシューズが風をまとい、彼女の体を跳ね上げる。
ただ止まっているから狙い打たれるのだ。ならばこそ、的は絞らせない。
「『鮮血樹』……あれが『ライトブリンガー』に大地に染みた血を吸い上げ捧げているというのなら」
あの先にこそ『ライトブリンガー』がいる。
一気に、と彼女は迫る光線を躱しながら、その瞳をユーベルコードに輝かせる。
立ちふさがる『赤い月』は無数。
ならばこそ、破壊するしかない。
「数の暴力というのなら私だって負けない」
己の父『悪路王』が得意とした広域殲滅アビリティ。それを模したユーベルコードは、その境地に至ることがないのだとしても、されど未だ己は路の半ば。
いつかは、あの天より至る白き幾千の星(ソラヨリイタルシロキイクセンノホシ)にさえ手を届かせてみる。
引き絞った弓より放たれる光の矢。
それは空の一点から分裂と加速によって『赤い月』へと降り注ぐ。
光の矢は路子の視認した全てへと降り注ぐ。
あの『赤い月』が模造品であり、攻撃特化であるというのならば、砕けぬ道理はない。
「月だって砕いて見せる。いつか父上のようにだってやってみせる
だから、と路子の瞳はユーベルコードに輝いている。
その瞳に星の如き煌めきを宿し、この『闇の救済者戦争』を戦い抜く。そうすれば、この月の謎も明かされるかもしれない。
気になることは多々ある。
「うん、やっぱりシリアスなのは私によく似合う」
こくり、と頷く路子の眼前で砕け散った『赤い月』が大地へと降り注ぐ。
そんな最中、また『ミコ』が路子の頬をつねって、そんなことより早く、と『鮮血樹』を示すのだ。
「わかってる。わかっているから。だから、そんなにほっぺたつねらないで。お餅みたいに伸びちゃう――」
大成功
🔵🔵🔵
ギヨーム・エペー
太陽は現れないのに、月ばかりは出るんだなー。色は赤いし、攻撃してくるし、雨が降ってもそれは槍。……風情なんてあったもんじゃないな!
けども、破壊できる模造品に風情も何もないか。審美眼は持っててもそういうのには疎くてな
よかったよ。事前に情報を貰っていて。どんな対策をするか考える時間もあって。おかげで進むことができる
砲の雨が止むまで、氷の槍で迎撃をする。そうだな、昔やったことのある……覚えているか? 太陽、水の筒で小槍を水中機動で滑り飛ばす発射台を作ったことを
標準は此方に向かって来るんだ、当たるよ。きみが外してもおれが片付けるから、前に進める
手番を順に交代するんじゃあなく、互いの手数を出し尽くそう!
ダークセイヴァーは常闇の世界だ。
どこまで行っても、闇しか広がらない。そんな世界にあって人の寄る辺は月光であった。僅かな明かり。されど、その明かりがあったからこそ人は今まで生きてこられたのだろう。
けれど、今や天に浮かぶ『赤い月』は違う。
あれは破壊をもたらすものである。
降り注ぐ光線の雨は大地を塗りつぶすかのように撃ち込まれ、大地を穿つ。
同時に煌めく猟兵達のユーベルコードが、砕き破片を撒き散らして尚、空には無数の『赤い月』がある。
あれら全てが模造品であるという。
驚異的なことだ。少なくとも、ギヨーム・エペー(Brouillard glacé calme・f20226)はそう思ったし、けれど、同時に風情がないと思っていた。
「太陽は現れないのに、月ばかり出るんだなー」
色は赤いし、光線は撃ち込んでくるし。
まるで現実離れした光景であると言えるだろう。けれど、とギヨームは己の考えを改める。
だってそうだ。
破壊できる模造品の月に風情なんてあったものではない。
あれは美しくないものだとギヨームは思う。己の眼は美しさを知るものである。けれど、それを言葉にするにはどうにも難しい。
「でもまあ、よかったよ」
あれは破壊できる。
模造品であるからこそ、と理解しているからこそ、あれこれ悩むことなく前に進むことができる。
手にした氷の槍と光線が激突する。
止むことのない砲撃。
「覚えているか、『太陽』」
ギヨームは己の精霊が宿る細剣に告げる。
嘗ての記憶を遡る。それは過去の記憶。水の筒を形作り、内部の水を槍として、矢のように滑り飛ばす発射台を作った記憶。
あれは面白かった。
「あの『赤い月』が放つ光線は必ずおれに向いている。なら、必ず当たるよ」
『太陽』、とギヨームは投げかける。
己には聞こえる。
たとえ、狙いが外れたとしても構わない。なにせ自分たちは前に進むことができる。
停滞ではなく前進。
たとえ、それが時間に流されるままに進む道程なのだとしても、それでも前に進んでいる。過去は思うからこそ過去なのである。
今に染み出し、現在を浸蝕していいわけがない。
「手番を順に交代するんじゃあなく、互いの手数を出しつくそう!」
そうすれば、見える勝機だってある。
この『赤い月』の主がどれだけの力を持っているのだとしても、それでもギヨームは笑って前に進む。
ともにある者がいる。
それだけで十二分に己の心は救われている。
ユーベルコードの煌めきと共に打ち出される氷の槍が次々と光線と激突し、砕けていく。
だが、その光線の最中を飛ぶ槍は、『赤い月』へと突き立てられる。
「破壊することができる。なら、それは完璧ではないということだ。世の中には完璧ではないものばかりで満ちている。何も変わらないさ。絶対はないさ。けれど」
ギヨームはそれでも完璧ではない不完全さをこそ愛する。
欠けたものに美を見出すように。
ギヨームは乱舞する氷の槍と共に『赤い月』を破壊しながら、『鮮血樹』を目指し、誰のものでもない、己の歩幅で持って前に進むのであった――。
大成功
🔵🔵🔵
メンカル・プルモーサ
……月というか月型の砲台だなあれ……
…目のような紋様からレーザーを撃ってくる…と…
あれで模造品って言うのがまた…興味深いところだね…
……さて……それじゃあ撃ち落とすとしようか……
【夜空を別つ月閃の翼】を発動……高速飛行して赤い月の群れに接近……そのまま月の群の中に突入するよ…
…近くの月をすれ違い様に月の翼で切り裂いて…遠くの月は羽根を射出して破壊…
…ランダムな軌道で飛び回って赤い月のレーザーを回避…更に現影投射術式【ファンタズマゴリア】で囮を出して攪乱…これで同士討ちすればめっけものだね…
避けきれないレーザーは障壁を張って防ぐとしようか…
見上げた先にあるのは『模造品』であるという『赤い月』。
瞳のような紋様が怪しく煌めく度に、光線が雨のように大地に降り注ぐ。凄まじい物量である。
猟兵たちが『赤い月』をユーベルコードで破壊してもなお、道を塞ぐようにして『鮮血樹』を守るのだ。
あれは全てのダークセイヴァーの大地に染みた血を吸い上げる血管が束ねられたようなものだ。吸い上げられた血が何処に往くのかなど言うまでもない。
かの『赤い月』の主、『ライトブリンガー』の元へと捧げられる。
「……月というか月型の砲台だな、あれ……」
メンカル・プルモーサ(トリニティ・ウィッチ・f08301)は見上げる。
光線は絶え間なく降り注いで、大地を染め上げるようであった。
防ぐことはできないだろう。
なにせ、余波の熱波ですら肌を焼き、猟兵の防御すら貫いてくるのだ。迂闊に受け止めようとすれば、確実にこちらが痛手を負うことになるだろう。
「……あれで『模造品』っていうのがまた……興味深いところだね……」
『模造品』であるというのならば、真が存在しているということになる。
一体何の模造品であるのか。
それをメンカルは一瞬考える。
とは言え、この状況をかいくぐらなければ意味がない。
「……撃ち落として破壊できるというのならば、そうしようか」
煌めくメンカルのユーベルコード。
彼女の背に翼状に形成された高密度の月の魔力が噴出するようにして彼女の身を覆う。
それは、夜空を別つ月閃の翼(アルテミス・ウイング)。
空に広がる光翼は、彼女の能力を倍増する。そして、彼女のユーベルコードには条件付が成されている。
本来ならば、月が出ているという限定下でしか発露しない時間無制限。
されど、模造とは言え、『赤い月』は月。
ならばこそ、彼女の力は時間の制限を無意味なものとし、解き放たれた光の羽によって『赤い月』を砕くのだ。
「……砲撃、月、模造品……どちらにせよ。破壊できるというのなら、破壊して進むまで」
飛翔するメンカルを阻むことのできる『赤い月』はなかった。
能力が倍増していることもある。それ以上に彼女の放つ月の魔力は凄まじかった。光線の一撃すら倍増された光の翼による障壁によって防いで見せるのだ。
限定条件によって強化される力。
それはこの状況においては、メンカルに利する事以外のなにものでもなかった。
「満ち欠ける光よ、放て、羽ばたけ。汝は月晄、汝は照翼。魔女が望むは闇夜に輝く月灯り」
広がる光翼が剣のように周囲に合った『赤い月』を両断して見せる。
圧倒的な力。
メンカルは光翼を回転させるようにして振るい、更に迫る『赤い月』を撃滅させるように破壊しつくしていく。
さらに現影が満ちる。
メンカルの現影投射術式によって、無数のメンカルが現れ光線の的が絞られない。『赤い月』が猟兵に勝っていたのは攻撃力と数。
だが、今それをメンカルによって覆されてしまっている。
「同士討ちをすればめっけものだね……」
メンカルは己の現影と共に飛翔を続ける。
大地を穿つ一撃は苛烈すぎる。あの過剰な熱が戦場に満ちれば、地上を往く者たちにも影響が及ぶかもしれない。
ならば、己が空を飛び、現影でもって戦場をかき回す。
彼女にとっては最も得意とするところであったかもしれない。
「……『赤い月』……『模造品』とは言え、これだけ数を用意できる……それだけの力を持った存在、ということだろうね……
メンカルは己の興味の赴くまま。
天と地を穿つようにそびえる『鮮血樹』を目指し、月光の翼を羽撃かせながら『赤い月』を破壊するのだった――。
大成功
🔵🔵🔵
ロニ・グィー
アドリブ・連携・絡み歓迎!
んもー
ゲームの雑魚敵じゃないんだからお月さまをたくさん浮かべちゃダメだよ~!
●目には…歯!
人は良いことを言ったね
歯には目を!目には歯を!…ちょっと違った?
ま、いっか!
UC『神罰』でパワーアップした[餓鬼球]くんたちにお願いしよう!
今回は2グループ!
一つは光を吸収し(食べ)てボクを守ってくれるグループ!
もう一つは光を透過してそのままムーンムーンをパクパクしてくグループ!
えー?なに?どうせなら本物の月が食べたいって?それはだめだよー
まだね
さあかくれんぼ好きのヴァンパイアくんたち!
今行くよー
その木をへし折って引き摺りだしてあげるからね!
早くボク(たち)と遊ぼうよ!
「んもーゲームのザコ敵じゃないんだから、お月様たくさん浮かべちゃ駄目だよ~!」
ロニ・グィー(神のバーバリアン・f19016)は天に浮かぶ無數の『赤い月』が居並ぶ様相を前にして関心するやら残念がるやら大変だった。
『赤い月』の主『ライトブリンガー』の力の強大さの現れであったが、しかし、ロニはそんなことには興味はなかった。
正直に言えば、『赤い月』が放つ光線の雨を前にしても、その態度は崩れることはなかったのである。
放たれる光線は凄まじい熱量を持つ。
撃ち込まれた大地は砕け、熱波だけであっても猟兵達の肌を焼く。
それほどまでに強烈な力であるのだ。
「けどさ、目には……なんだっけ、歯! だっけ? あれ、違ったっけ。歯には目を! 目には歯を!」
ちょっと違う気がするが、ロニには構うところではなかった。
そんなこと考えなくてもどうだっていい。自分が今すべきことはたった1つなのだから。
「さあ、『餓鬼球』くんたちお願いしようかな! はいはーい、じゃあ二グループに分かれようね~!」
ロニの瞳がユーベルコードに輝くのと同時に展開した球体たちが、力を付与される。
即ち、光を吸収しロニを守るグループと光を透過して『赤い月』を食らうグループ。
この2つによって攻撃を防ぎ、攻撃するという手段をロニは手に入れる。
「言ってしまえば、神罰(ゴッドパニッシュメント)ってものさ!」
放たれる『赤い月』よりの光線の雨。
凄まじい熱量と膨大な数の攻撃。
そのいずれもがロニには届かない。球体は付与された力を持って光を吸収し、熱波すらも飲み込んでいく。
顎をもたげるように球体が開けば、即座に『赤い月』を噛み砕く。
砕け散った破片が舞い落ちる中、ロニは『鮮血樹』を見やる。
あそこに『赤い月』の主である『ライトブリンガー』がいるのであろう。
この大地に染みた血は全て『鮮血樹』に吸い上げられて『ライトブリンガー』へともたらされる。
捧げられると言ってもいいだろう。
この常闇の世界にありて、『闇の種族』は強大そのもの。
今の猟兵であっても滅ぼしきれるものではない。けれど、わかったのは。判明したのだ。
彼等は『欠落』を生み出し、隠すことによって力を増している。
だが、隠された『欠落』を見つけ出し、破壊することによって打倒することができうる。
「さあ、かくれんぼ好きのヴァンパイアくんたち! 今行くよー!」
ロニは駆け出す。
『赤い月』はユーベルコードが煌めく度に破壊されていく。
道を阻む『赤い月』は無數。
けれど、道は切り開くものだ。多くの猟兵たちが道を切り開く。この先に待っているのは恐らくさらなる強大な敵との戦いでしかないだろう。
「その樹をへし折って引きずり出してあげるからね! 早くボクたちと遊ぼうよ!」
ロニは笑う。
かくれんぼで遊ぶのならば、見つけ出してからが本番だ。
彼にとって、これは戦いですら無い。遊びでしか無い。その差異、齟齬は、恐らく埋まることはないだろう。
猟兵とオブリビオンである限り、逃れ得ぬ宿命。
故にロニは駆ける。『赤い月』の破片が降りしきり、光線が乱舞する道を。ただひたすらに直進していく。
障害を回避することなんて考えもしない。
「だって、道なき道ばかりなのが人生だってわかっているからね! ならさ! 去ったものより、明日来るものだけがほんとうなのさ!」
ただひたすらにまっすぐにロニは己のに迫るものを破壊し、友人を遊びに刺そうかのような気軽さでもって『鮮血樹』への道阻む『赤い月』を破壊するのであった――。
大成功
🔵🔵🔵