闇の救済者戦争⑧〜餌を与えないでください
●飢餓
……おなか、へった……。
たべていい?
ねぇ、きみを。
たべさせて?
もっと、
もっともっと、
もっともっともっともっともっともっとたくさん!!
だって、おなかが、すいてるの……。
●人類砦
「ひゃー……キタキタキタ、ヤバいッスよ!!」
「騒ぐんじゃねぇ! 落ち着いて行動するんだ」
「お腹すいた……戦えない……」
「やだーーーーーーーもうおうちかえるぅ!!!」
「下がってろ馬鹿共!!」
……喧喧囂囂……。
●グリモアベース
いつもより心なしか暗い表情の男がひとり。グリモア猟兵、エリオス・ダンヴィクトル(陽はまた沈む・f27010)はため息混じりに話し始める。
「
厭だよな、戦争。」
などと言っても、まだダークセイヴァーでの戦争は始まったばかりだ。
「第四層で戦ってた
闇の救済者組織の連中も、頑張ってくれてる。……つっても、猟兵ほどの戦力にはならねぇんだが……今回は特に……」
歯切れ悪く、エリオスは言う。
第三層に転移させられた「人類砦」のひとつが、多数のオブリビオンに囲まれて苦戦させられているという。そのオブリビオンたちは圧政に苦しんで死した者たちの成れの果てであるようで、現地の者たちはどうにも攻めきれずにいるらしい。
「……力を貸してやってくれ」
頼むよ。
「さて、そんなわけ。分かってもらえたか?」
ぱっと、切り替えて、いつものように明るい声。
「現地の連中と一緒に砦での防衛戦だ。励ましの声ひとつでも元気になるだろうし、何か差し入れてやってもいいだろうな。……言っとくがあんま大量の物資は運べねぇからな?
グリモアにも限界がある、そこは考えてくれよ」
ま、それ以外ならなんとかなるさ。連中をしっかり支えてやってくれ。方法は任せるよ。
「それじゃ、あとはよろしく」
ウィンクひとつ。転送が終われば、包囲された砦の中だ。それでは猟兵諸君、幸運を。
「Good Luck」
みみずね
みなさまこんにちは、みみずねです。今回3本目の戦争シナリオ、一章だけで完結する短いシナリオとなっております。サクッと、軽めにやりたいと思っております。
執筆速度はそろそろ落ちると思いますが、書き終わり次第受付終了となります。
なお、このシナリオでは【
闇の救済者達と協力して戦う】ことによってプレイングボーナスが付きます。モブをご自由にプレイング内に描写していただいて構いません。励ましたり協力したり庇ったり、お好きにどうぞ。
受付はオープニング公開直後から。執筆は気が向き次第開始、書けるだけ書いたら終了となります。
ぜひお気軽にご参加くださいませ。
第1章 集団戦
『満たされることは無い飢餓者』
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POW : 分解作業
【手に持った武器】が命中した対象を切断する。
SPD : 捕縛行動
【獲物を押えつける為の死角からの攻撃】が命中した対象を捕縛し、ユーベルコードを封じる。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : 共食い
戦闘中に食べた【死体の肉】の量と質に応じて【さらに上質な肉を求め】、戦闘力が増加する。戦闘終了後解除される。
👑11
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リカルド・マスケラス
『⑧人類砦〜人類砦防衛戦』あたりのNPCとか出てくる依頼に参加希望っす
NPCの前に颯爽と現れて力を貸す狐のお面
「護る力、ちょっとだけ貸しちゃうっすよ」
ヒーローマスクなので、NPCに憑依して自分の能力値や技能で戦ってもらう。武器攻撃なら【2回攻撃】【薙ぎ払い】などの技能が使えるし、【属性攻撃】や【破魔】なんてものも乗せられる。
更にはUCによって同時に複数の対象に憑依して【集団戦闘】を行うことも可能
「勢いはこちらにあるっすよ!」
あとは、高レベルの戦闘や技能の行使を体験することで、ダークセイヴァーの人達の戦闘経験になってちょっとでも鍛える手伝いになれば良いなって思うっす
●
「ぴぃやぁぁあああああ、もう無理! マジ無理!!」
半ばヤケクソに叫びながら叫びながら鋤を振り回す未だ幼さの残る少女。そろそろ体力も精神力も限界。無限の体力を持つゾンビみたいな敵相手によくぞここまで戦ったもんだわ、アタシ──なんて、諦めかけていたところに、
「まだ戦えるっす!」
そう、颯爽と現れたのはヒーロー……ではなかった。
「ぇ……?」
少女の前に現れたのは、リカルド・マスケラス(ロープ際の魔術師・f12160)、ヒーローではなくヒーローマスク。もっというと和風な狐の面であった。
「え?! は、はい、どちらさまで!!?」
「自分、見ての通りお面っす。名前はリカルド。お嬢さんのお名前は?」
「あ、アイダですぅ……こ、こわくてもうアタシ無理、」
「無理なんかじゃない……自分と一緒に、みんなで戦うっす!」
弱音を遮ってそう言うと、面はぴたりと誂えたかのように少女の頭の側面にくっついた。武器は農具のままだが……リカルドの持つ技能は憑依した身体でそのままに使えるはずだ。
アイダの身体は先程までの緊張でガチガチになっていた四肢をのびのびと使い、砦に取り付かんとする敵を薙ぎ払っていく。
「……と、ちょっと多いっすね」
それでも次々とやってくるオブリビオンの群れに、リカルドはUC【仮面憑きの舞闘会】を使用する。リカルドの分身たる狐面たちが、他の
闇の救済者たちに憑依していく。猟兵として培った戦闘技術があれば、彼らも十二分に戦えることだろう。
周囲の本体への負荷が高い技ではあるが、ここで戦う皆に戦闘経験を体感してもらうことで、実戦を通して彼ら自身の力になってくれたらいい。
「勢いはこちらにあるっすよ!」
リカルドは武器を掲げ、叫ぶ。
「おぉおおおおおお!!!」
そしてその仲間たちからも、先程までの諦めムードとは全く違う、力強い声が返ってくる。
まだ戦える。自分たちはやれる!
闇の救済者たちは戦意を取り戻し、さらなる戦いに身を投じていくのだった。
大成功
🔵🔵🔵
本山・葵
・コミュ力とノリの良さで闇の救済者達を鼓舞する
「ハイハイ!呼ばれてもいないのに飛び出てジャジャジャジャーンっす!」
「自分が参戦したからには、もう安心っす。一緒に生きて帰るっすよ!」
技能:コミュ力
・UCで敵を転ばせた隙に、闇の救済者達に攻撃してもらう
「それではダークセイヴァーの皆さん、すべって転んだ敵を撃つだけのカンタンなお仕事のはじまりっす!」
「それそれっ!今宵の熱線銃(ブラスター)は血に飢えてるっすよ!」
技能:視力、スナイパー
※共闘、アドリブご自由にどうぞ
●
「つらい……」
「クソっ、なんでこんな……こんな……」
「ハイハイ!」
敗戦ムード……というより、諦めムードな人類砦に、明るい声が響く。
「呼ばれてもいないのに飛び出てジャジャジャジャーンっす!」
普通は『呼ばれて飛び出る』んじゃないかなぁ?!
……さておき。
現れたのは本山・葵(ユートレマジャポニカ・f03389)。流れる金髪、赤い縁の眼鏡の奥で輝く、青い瞳の美女──!
にわかに砦の男どもが活気づく。
……とは言ったが、本体は眼鏡のほうだ。いわゆる眼鏡が本体である。いやギャグではなく。
葵はヤドリガミなので、これは純然たる事実である。
まぁ、そんなことは闇の救済者にはぱっと見程度では分からないので黙っておこうね!
「自分が参戦したからには、もう安心っす」
葵は持ち前のコミュ力であっという間にその場のしょんぼりモードを振り払っていく。
さあさあ、と葵は砦の上にいる狙撃手たちを見渡した。
何をするのかと不思議そうにこちらを見る彼らをよそに、
「スイッチ……ONっすよ!」
葵は砦の外の敵を見下ろひ、UC【
めざせ喜劇王】を発動する!
戦場中にカタパルト式散布マシンを突き刺し、そこからよく滑るバナナを……えっ、バナナを……? バナナで戦場の地形を覆った!!
足の踏み場もないほどのバナナが、オブリビオンの進軍を止めている。
「それではダークセイヴァーの皆さん、すべって転んだ敵を撃つだけのカンタンなお仕事のはじまりっすよ!」
「お、おぅ
……?!」
元気な声に鼓舞されて、砦の人々は銃を武器を取る。彼らが敵を撃ち始めたのを確認して、葵もまた参加することにした。
「それそれっ!今宵の熱線銃(ブラスター)は血に飢えてるっすよ!」
次々と、敵を仕留めていく。肩を並べた
闇の救済者たちと、葵は顔を見合わせて、笑う。
「絶対、一緒に生きて帰るっすよ!」
その声にまた励まされ、人々は『応』と強く答えるのだった──。
大成功
🔵🔵🔵
エヴァルト・ヴァイスフルス
あいにくワタシは奪うのは好きでも奪われるのは嫌いでしてね。
それは人類砦の戦力とて同じこと。
なに、その飢餓感もすぐなくなりますよ。アナタたちの存在ごとね。
まずは襲われている闇の救済者の救出ですね。
『不意打ち』の『先制攻撃』で【指定UC】を発動し、範囲内の敵を一掃するとしましょう。
敵を排除したあとは『悪のカリスマ』と『威圧』を用いてみなさんを鼓舞するとしますか。
アナタ方の手の中に人類砦の未来があるのです。それをみすみす手放すような方はこの中にいらっしゃいますか?(圧をかける)
(立ち向かう覚悟を見せた者に対し)……よろしい。それでこそこのワタシが手を貸すに相応しい瞳です。さあ共に参りましょうか。
●
「あいにくワタシは奪うのは好きでも、奪われるのは嫌いでしてね」
不快そうにそう言い放ったのは、エヴァルト・ヴァイスフルス(闇の檻、夜の王・f38930)。貴種ヴァンパイアである彼は無論、奪われるより奪う側のものだ。別に人類に思い入れが有るわけでもないが、それはそれとして奪われるのは気に食わない。
「人類砦の戦力とて同じこと」
ひとの生命がどうこう言うつもりはない。だが、この砦から戦力を“奪って”いくというのなら、それは看過できない。
金色の瞳が、生前の飢えを引きずったままの哀れな亡者へと向けられる。
「なに、その飢餓感もすぐなくなりますよ。アナタたちの存在ごとね」
エヴァルトはUC【
昏き朱色の薔薇】を発動し、人類砦の齧りつこうとする敵へ不意打ちの先制攻撃を仕掛ける。
あかい、朱い──血のように赤い薔薇の花弁が辺りを覆い、亡者を元の亡者へと、……ただの過去へと還していく。飢餓だけを己が力として彷徨うソレらは貴種たるエヴァルトを前にしてはあまりに脆く、あっという間に崩れ去り、散っていった。
「さて……?」
敵を一通り制圧したエヴァルトは人類砦に降り立ち、どこか怖れを……或いは畏れを、拭いきれない表情の
闇の救済者たちを見遣る。彼らにとってヴァンパイアは敵であろう。そうでなくとも、エヴァルトはただ一つの個人として、彼らを威圧するに足るカリスマを持ち合わせていた。
「なんですか?」
その怯えたような目。これからまだ戦いは続くというのに。
「アナタ方の手の中に、この人類砦の未来があるのです。それをみすみす手放すような方が──この中にいらっしゃいますか?」
敢えて強い言葉で、挑発するように言う。闇の救済者たちははじめは戸惑ったように互いの顔を見合わせていたが……やがて、震えながらも拳を上げて、否を叫んだ。
否、否だとも。
我々は未来を守るためにここにいる。
あなたの仰るとおり……みすみす手放すためではない。
その言葉を聞いて、エヴァルトは満足げに頷いた。
「……よろしい。それでこそこのワタシが手を貸すに相応しい瞳です」
戦うものの瞳だ。強きものの目だ。
エヴァルト彼らを先導するように、ひらとマントを翻した。
「さあ。共に参りましょうか」
戦いは、続く──。
大成功
🔵🔵🔵
鳴上・冬季
「僵尸食人ですか、なるほど。ならば燃やし尽くすしかありませんね。…鏖殺せよ、黄巾力士火行軍」
・砲頭で敵に制圧射撃…15体
・砲頭から徹甲炸裂焼夷弾放ち鎧無視・無差別攻撃で敵を蹂躙…15体
・上記2班をオーラ防御で庇う…15体
計45体を1隊として3隊合計135体黄巾力士召喚
2隊進軍させ損耗したら残り1隊も投入
自分は風火輪
普段から連れ歩く黄巾力士は飛来椅で飛行し上空から戦場俯瞰
自分は竜脈使い全黄巾力士の能力底上げして継戦能力強化
適宜隊を組み替え敵又は黄巾力士が全滅するまで戦闘継続
「黄巾力士は宝貝で血肉はありません。敵を強化させず砦の人員の損耗もなくなります」
仙丹を味方の口内へ指弾し栄養補給しながら嗤う
●
「僵尸食人ですか、なるほど」
砦に降り立ち、冷静に戦況を見ているのは鳴上・冬季(野狐上がりの妖仙・f32734)。
眼下には蠢くオブリビオン。……彼らも元はこの世界の人間だったのかもしれないが、飢餓に追われて人を襲うその姿は……
人喰いゾンビという他あるまい。
死者を喰らって己を強化するとは厄介だが。
「ならば燃やし尽くすしかありませんね。…鏖殺せよ、黄巾力士火行軍」
冬季のユーベルコードによって召喚される黄巾力士は……いわゆる人型戦車の一種であるが……その数、総勢135体。五行の属性のうち、今回は火を司る。
内訳はこうだ。
まずは15体を砲塔による制圧射撃に割り当てる。また更に15体は砲塔から徹甲炸裂焼夷弾放ち鎧無視・無差別攻撃で敵を蹂躙させる。こちらが実際の攻撃部隊だ。
またこの2班をオーラ防御で庇うための15体を護衛としてつける。この合計45体による3班を一つの隊と数え、これを三隊用意する。
合計135体を順次、まずははじめの二隊を進軍させ、損耗したところへ残りの一隊を投入するという計画だ。
一方で、冬季自身は風火輪を使い、普段から連れ歩いている黄巾力士(飛行宝貝、飛来椅装備)は上空から戦場を俯瞰して観察する。
地の力──即ち竜脈を使い、全ての黄巾力士へ能力強化をかけていく。こうして戦況を見ながら適宜隊を編成していけば、おいそれと全滅はしないだろう。
「黄巾力士は宝貝で血肉はありません。敵を強化させず砦の人員の損耗もなくなります」
共食いをする暇も与えず、ただ蹂躙し、鏖殺する。人類砦には近付かせず、人々に犠牲は出させない。……また、もし破壊されたとて黄巾力士は冬季の作った宝貝であり、一切の血肉はない。僵尸どもがそれを喰らって強くなることもまたあり得ない。
だめ押しとばかりに仙丹を味方の口内へ指弾し栄養補給しながら、男は嗤う。
──この戦場はもはや己のもの。
敗北などあり得ない、と。
大成功
🔵🔵🔵
瀬河・辰巳
圧政の末に死んだのは確かに可哀想かもしれないけど。死んでもなお苦しみながらこき使われてるなんてもっと可哀想じゃないか?
ここで終わらせてやるのも、同じ世界の住人として一つの弔いだと思うけどな。
(相手が人間だから俺は割り切れてるのもあるけど)
敵が見えて士気が下がるのなら隠して焼くまで。妨害たっぷりの悪意の森で葬り、耐えて出てきた個体を片っ端から切り捨てる。
一応、遠距離から闇の救済者達には攻撃してもらうが、ヤバそうな人がいたら弓やオトモダチ(影)で援護する。
とりあえず畑を荒らした悪い熊の肉と香草なら持ってきたから、後で熊汁を食いたい奴は生き残るために頑張りな。
●
「……」
瀬河・辰巳(宵闇に還る者・f05619)は、静かに人類砦に殺到するオブリビオンたちを見下ろした。
(圧政の末に死んだのは確かに可哀想かもしれないけど)
苦しんで、飢えて死んだ、今はオブリビオンと化してしまった彼らのことを思う。だが、だからこそ、
(死んでもなお苦しみながらこき使われてるなんて、もっと可哀想じゃないか?)
この世界では皆そう、と言えば確かにそうかもしれない。死んでなお死にきれず、おもちゃにされ、或いはこうして使い捨ての兵隊代わりにされる……。
「ここで終わらせてやるのも、同じ世界の住人として一つの弔いだと思うけどな」
ぽつり、小さな声で言う。
(相手が人間だから……俺は、割り切れてるのもあるけど)
辰巳自身はダンピールである。人間とも血が繋がっているが、それでも吸血鬼の父の血が最も色濃く出ているのだ。もし彼らが人間でなく、辰巳と同じようなモノであったなら……彼らを目にして、前のめりには戦えない人類砦の人々の気持ちも分かったのだろうか?
「……いや」
軽くかぶりを振って考えを振り払う。今は、目の前のことに対処しよう。
あの敵が見えることで人々の士気が下がるというのなら、隠して焼くまでだ。UC【宵闇に揺蕩う口減らしの森】を発動し、戦場を森で覆う。
炎を纏った荊による妨害たっぷり、悪意の森で亡者たちを葬り去る。足止めを越えて出てきた個体は、片っ端から切り捨てていく。
少々視界は悪いが、一応、遠距離から闇の救済者達にも攻撃してもらう。辰巳たち猟兵はあくまで彼らの手伝いに来ているのだ。戦果を全て持っていったのでは、それはそれで士気が下がってしまうだろう。
「……っと、」
敵を切り払いながらも、人々へ向いた攻撃を援護するのは忘れない。弓、あるいは
オトモダチであれば森からでも攻撃は届く。
「とりあえず畑を荒らした悪い熊の肉と香草なら持ってきたから」
だから、と辰巳は続ける。
「後で熊汁を食いたい奴は生き残るために頑張りな」
「た、たべたいですっ……!」
ごくり、とつばをのんで、手を上げた正直者がひとり。他にも俺もわたしも僕も、と声が上がる。
なら、大丈夫。食べ物がある。食べる気があって、そのために戦えるなら、きっとこれからも──。
大成功
🔵🔵🔵
箒星・仄々
可哀想に
満たされることのない飢えに苦しまれるのも
同じ境遇だった同胞を撃たざるを得ないのも
さぞかし辛いと思います
及ばずながら猫の手をお貸ししましょう
竪琴を奏でながら声かけして鼓舞します
悍ましい怪物へと変わり果て
友や家族へ襲い掛かる
それを自分では止めることが出来ない…
そんな方々を倒すことで
呪われた運命から解放して差し上げましょう
皆さんにはそれが出来ます
ここで倒れてはダメです
生き抜いて
飢餓者さんの分まで
望む未来を実現させましょう!
UCも乗せて
怪我や傷、不安や焦り、空腹感を治療します
さあ行きましょう!
戦闘終了後
飢餓者さんへの鎮魂として
&砦の皆の未来を祝して
演奏を続けます
●
「可哀想に……」
箒星・仄々(ケットシーのシンフォニア・f07689)は哀しく呟く。
満たされることのない飢えに苦しまれるのも、
同じ境遇だった同胞を撃たざるを得ないのも、
「さぞかし辛いと思います」
オブリビオンとなってしまったみなさんも。それを迎え撃たねばならないみなさんも。どちらがという程もなくお辛いのでしょう。
「及ばずながら猫の手をお貸ししましょう」
仄々はそんな彼らに手を伸ばす。小さくとも、猫の手でも、やれることがきっとあるはずだから。
ポロロン。竪琴を奏でては、皆に声をかけて回る。
「みなさん、どうか聞いてください」
悍ましい怪物へと変わり果て、友や家族へ襲い掛かる。嫌でも、悲しくても、それを自分では止めることが出来ない……。彼らを手にかけたくないという気持ちは、分かります。
けれど。
「そんな方々を倒すことで、呪われた運命から解放して差し上げましょう」
彼らだって、あのままでいたいとは思っていないはずです。あなたがただって、あのままにしていいと思わないはずでしょう。
「皆さんにはそれが出来ます」
彼らを正しく導いてあげることこそ、きっと彼らにとっても、皆さんにとっても救いとなることでしょう。
「そうか……そう、だよな……」
仄々の言葉に励まされた人々は口々に、
「まったく、最後まで手がかかるんだから」
「僕たちが助けてあげないと、だよね」
それぞれに決意を固め、立ち上がる。
「そうです!」
ぴょこん、と台の上に乗る仄々。怪我人たちへ、疲れた
闇の救済者たちにこの歌が響くように。
「さあ、元気を出して。……行きましょう!」
UC【シンフォニック・キュア】によって、怪我も不安も、空腹も何もかも吹き飛ばして。武器を取り、共に戦いましょう。
誰もに明るい明日があるように。奪われた者たちにも、安らかな眠りがあるように、願いながら。
──。
やがて、剣戟が止んだ後も、仄々は演奏をやめなかった。
悲しく散っていった
飢餓者たちへの鎮魂を込めて。今ここに生きる人々の未来を祝して、奏で続けた──。
大成功
🔵🔵🔵
堺・晃
【毒花】
救済者達への作戦指示、及び援護は澪君に任せます
僕の役目は敵の殲滅だ
紫鴉
お前は念のため澪君の側に控えておけ
近接は素早く動きながらの龍狼剣の【なぎ払い】による【暗殺】
遠距離はハンドガンを用いての【援護射撃】と
召喚したアイアンメイデンの棘を【一斉発射】しての【串刺し】による【範囲攻撃】を使い分け攻撃
常に冷静に周囲の状況を見極め
澪君や救済者達に被害が行きそうになったら
銃撃や棘が間に合わない場合紫鴉の毒爪で攻撃させ【護衛】
僕特製の猛毒は強力ですよ
更に紫閂斬界発動
澪君や救済者達を狙う奴らを含め
戦場にいる全ての敵を纏めて貫き捕える猛毒のワイヤーを展開
食事の時間など、与えるわけがないでしょう
栗花落・澪
【毒花】
僕は今回援護側に回るよ
晃くん多分無双しちゃうと思うから…
一応、もし戦える人が居たら…
ううん、声出せるなら充分かな
流石の晃くんにも死角ってあるからさ
危なそうって思ったら、教えてあげて
もちろん僕もそうするけどね、と笑顔を見せ
【戦場の歌姫】発動
【誘惑】と【催眠術】をのせた【歌唱】で気を引き翻弄
足止めを狙いつつ晃くんや救済者達の攻撃力を増強
死体の肉を食べようとしたら即座に【高速詠唱】を挟み
氷魔法の【属性攻撃】で妨害
念のため翼で適度に浮遊しておくことで全体の配置を把握
自分の死角及び晃くんや救済者達の死角もフォローし
氷魔法の妨害と【破魔】を乗せた光魔法の【浄化】攻撃
好きにはさせないよ
●
戦場に、ふたりの少年の姿があった。一人は堺・晃(元龍狼師団師団長・f10769)、柔らかな表情を崩さないまま戦場を見下ろしている。
いま一人は栗花落・澪(泡沫の花・f03165)。金蓮花を可憐に咲かせた、琥珀色の髪と瞳のオラトリオだ。
「僕は今回は、援護に回るよ」
澪が言うと晃もすぐに頷いた。
「救済者達への作戦指示、及び援護は澪君に任せます」
僕の役目は敵の殲滅だ。晃は砦を澪に任せ、そのまま敵の集団へと向かっていった。
「紫鴉」
ふ、と顔を上げた晃は連れていた黒紫色の鴉へ呼びかける。
「お前は念のため澪君の側に控えておけ」
過保護だと言われるかもしれないが、離れてしまえば澪君に何かあったときに対処出来ない。討ち漏らしを出す気は毛頭ないが、それでも念を入れるに越したことはない。
そうして、素早く動きながら、龍狼剣を構える。取り回しのしやすい小型の剣は集団戦において、晃に圧倒的有利を与える。隙間を縫っては影からなぎ払い、時にはハンドガンでの援護射撃を行い、密集したところへは召喚したアイアンメイデンの棘を一斉発射して仕留めていく──
一方で澪はといえば、翼で低空を浮遊するようにして、晃や他の救済者たちの死角をいつでもフォローできるように、戦場を見渡していた。
砦にいた
闇の救済者たちには声をかけてきてある。
「一応、もし戦える人が居たら……ううん、声出せるなら充分かな」
無理をしなくてもいい、と念を押して。
「ほら、流石の晃くんにも死角ってあるからさ。危なそうって思ったら、教えてあげて?」
晃くん無双になるだろうとは思っていたけれど、何もかもがそれで解決するわけじゃない。一人でずっと戦うのは危険だし、彼ら救済者だって一緒に戦場にいるのだ。協力できることはしたい。
「もちろん僕もそうするけどね」
澪はそう言って、笑ってみせる。お互い、できることをやろう。そういうつもりで。
UC【戦場の歌姫】を発動して、戦場に歌声を響かせる。白い羽根の少年から発される歌声は広く、広く戦場へと降り注ぎ、味方には戦闘力の強化を。敵は誘惑と睡眠に襲われ、抗おうとした敵は混乱に陥る──
無論、その行為は近距離で戦っている晃から敵の気を逸らすとともにソレらの意識を、浄化の光魔法放つ
澪に、向けてしまう行為でもある。
「……それは、駄目です」
その声を、誰が聞いただろうか。
澪へと向かおうとした敵の攻撃を阻んだのは、先程送り出しておいた紫鴉だ。護衛として澪につけておいたその鴉の爪には、毒が塗られている。
「僕特製の猛毒は、強力ですよ」
くつりと、嗤った。
晃はUC【紫閂斬界】を発動し、混乱した敵の集団を見据える。澪を狙ったもの、救済者たちを狙ったものたちを纏めて射程に入れ、猛毒のワイヤーを引き出した。高速で展開する
人形の髪は戦場のほぼ全ての敵をその内に捕らえることができる。
『がっ……か……』
だが、毒に冒されながらも倒れた死体の肉を食べようとしていることに、ふたりともが即座に気付いた。
「食事の時間など、与えるわけがないでしょう」
晃がワイヤーに更に力を込めたところへ、澪からは高速詠唱による氷魔法が放たれた。
「好きにはさせないよ!」
かくして、ふたりは顔を見合わせて。少しだけ笑いあって。……すぐに目を逸したのはおいておこう。
こうして、救済者たちの戦場には、束の間の安寧が取り戻されたのであった──。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
朱酉・逢真
心情)俺は砦には入らないでおこう。病毒の塊だ、関わらない方がいい。厄がつく。俺は砦の外で動くよ。そォすりゃそっちに流れる量も減らせるだろ。
行動)眷属どもよ。獣に鳥よ、溢れ行け。食われて死ね。その死体から芽吹け、植物たちよ。林檎無花果豆穀物、育てや育て【
食神の壱柱】。俺のUCは名を借りたヤツらのチカラを借りてる技、これもただの食物じゃアない。飢えを満たす物として芽吹いたものだ。死してなお賓神の腹を満たそうとした神のごとく、永劫の飢えさえ満たしてみせよう。たんとおあがり、迷い子よ。
●
砦に入ることなく、そのまま外で活動することにしたのは、朱酉・逢真(朱ノ鳥・f16930)であった。
そもこの身は病毒の塊である。物理的にも関係的にも触れないほうが安全というものだ。迂闊に扱えば“厄”がつく。
「そォすりゃそっちに流れる量も減らせるだろ」
直接の手伝いにはならずとも、外で敵をおびき寄せるくらいにはなるだろう。そう言って、逢真はすたすたと砦から離れていった。
「だ、大丈夫かなあのひと……」
「ひょろっこかったけど、実は強いんじゃ?」
止める暇もなかった
闇の救済者たちはそれなりに心配し、気が咎めたが……留める術もなかったのでどうしようもない。せめて戦場での安全を祈るばかりである。
「サテ、と」
砦から充分に距離をおいたところで、逢真は己が使役する眷属たちへ呼びかける。
「眷属どもよ。獣に鳥よ、溢れ行け」
ぴぃぴぃ、キィキィ。喚び声に応えて、ちいさきものたちが溢れ出る。
──そして食われて死ね。
動物たちは飢えたものへと向かっていく。向かって行っては死ぬ。地に落ちた死体を……その肉を、飢餓者が食らおうとするが、
──芽吹け、植物たちよ。
死体からは、植物が次々と芽吹いていた。
芽吹けや草木、死したものから溢れ出ろ。林檎無花果豆穀物、育てや育て【
食神の壱柱】。
花から生まれた女神。その名を借りたユーベルコードによって創り出されるのは、こぼれ、あふれる食物が、飢餓者の足元に広がっていく。死体を食えど喰らえど、それを上回る勢いで積もり重なっていく。
それらはただの食物ではない。
飢えを満たす物として芽吹いたものだ。
「死してなお賓神の腹を満たそうとした神のごとく、だ」
永劫の飢えさえ満たしてみせよう。
飢え続けるのがお前たちなら。その腹が満たされるまで永劫に付き合うとも。
「たんとおあがり、迷い子よ」
逢真はわらう。共食いをやめ、肉を求めるのを止め、あふれる供物を腹へ込めていく愛し子らを眺めて、ただ咲う──
大成功
🔵🔵🔵