【サポート優先】新たな危機を食い止めろ
これはサポート参加者を優先的に採用するシナリオです(通常参加者を採用する場合もあります)。
●
「集まってくれてありがとう。グリードオーシャンで新しい事件よ」
クリナム・ウィスラー(さかなの魔女・f16893)は集合した猟兵に視線を向けつつ、静かに口を開く。どうやら依頼の案内のようだ。
「目的地はアルダワの文化が残る島ね。島の住民達が自警団のような海賊組織を作って、それなりに平和に暮らしている島みたいだけど……ここに『新たな七大海嘯の配下』を名乗るオブリビオンが襲撃してくることが分かったの。みんなにはそいつらの退治をお願いしたいわ」
かつてグリードオーシャンに存在していた七大海嘯は、猟兵達によって滅ぼされた。
今回現れる者達がかつての敵の残党か、あるいは新たな勢力かは分からない。しかし七大海嘯を名乗り悪事を働く以上、見過ごす訳にはいかないだろう。
「新たな七大海嘯の配下を名乗る輩は世界全土に出没しているようね。おまけに彼ら、とても口が固いみたいで。戦っても直接情報を喋らせることは難しいわ。今はとにかく襲ってくるやつらを迎撃して、被害を減らすことに注力しましょう」
相手から情報を得られなくても、戦い続けていけば何か掴むことが出来るかもしれない。
とにかく今は出来ることをやるのが最善だろう。
「それで、襲ってくる敵の情報ね。まず最初は『スカイドルフィン』というイルカみたいなやつが襲ってくるわ。現地の海賊も彼らと応戦しているみたいだし、一緒に倒してちょうだい」
島の海賊達はアルダワの文化を使い、蒸気機械で出来た兵器などで援護してくれるようだ。
彼らの力を借りつつ戦えば、苦戦することはないだろう。
「イルカを蹴散らせば、彼らを率いているオブリビオンが出てくるはずよ。それも倒せば事件は解決ね」
やるべきことはシンプル。
とにかく襲いかかる敵を倒し、事件を解決する。それが今回の目的だ。
「説明はこのくらいかしら? それじゃあ、そろそろ転移しましょうか」
クリナムは猟兵達に頭を下げ、グリモアを起動する。
開かれたゲートの向こうは、広大な海の世界だ。
「気を付けて、行ってらっしゃい。良い報告を待っているわ」
ささかまかまだ
こんにちは、ささかまかまだです。
サポート優先シナリオとなります。
通常プレイングを頂いた際は、通常通りに執筆させていただく予定です。
●シナリオ概要
アルダワ由来の島を襲う、「新たな七大海嘯の配下」を名乗るオブリビオンを戦いましょう。
一章では現地の人々と協力できます。島を拠点にする海賊達は蒸気機械で出来た兵器で援護などをしてくれます。
二章の敵は口が固く情報も吐かないため、素直に倒しましょう。
●
どの章からでも参加していただいて大丈夫ですし、特定の章だけ参加していただくのも歓迎です。
進められる時に進めていく感じになるかと思われます。
それでは今回もよろしくお願いします。
第1章 集団戦
『スカイドルフィン』
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POW : ドルフィンアタック
【泳ぐか羽ばたく事により発生する高速の】突進によって与えたダメージに応じ、対象を後退させる。【仲間】の協力があれば威力が倍増する。
SPD : 超音衝撃波
【口】を向けた対象に、【超音波によっておこる衝撃波】でダメージを与える。命中率が高い。
WIZ : 超音波呼び寄せ
【超音波で呼び寄せたスカイドルフィン】が現れ、協力してくれる。それは、自身からレベルの二乗m半径の範囲を移動できる。
👑11
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ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
人間のマジックナイト×電脳魔術士、女の子です。
普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
島暮らしの海賊達と顔を見合わせつつ、ローズ・ベルシュタイン(夕焼けの薔薇騎士・f04715)は戦いへと意識を向ける。
「まずは弱めの敵が押し寄せてくるかと思われます。そこで皆様の援護をお願いしたいのですわ」
「分かったぜ、島には乗り上げさせねぇよ」
海賊達はローズからの指示を受け、積極的に協力する姿勢を見せている。
彼らと共に戦えば、敵を島に上陸させることなく倒すことも出来るだろう。
ローズ達はそれぞれ武装の準備を整えると、敵の出現地点である浜辺へと足を運ぶ。
視線を海の方へ向ければ、見えるのは揺らめく炎。スカイドルフィン達の邪悪な炎の翼だろう。
「それではまずは……砲撃、お願いします!」
「あいよ!」
ローズの掛け声を合図に、海賊達は蒸気機械の砲台をずらりと並べる。
そして敵が射程圏内へと入れば――砲台は一斉に火を吹いた。
海賊達は絶え間なく攻撃を続け、イルカ達を少しずつ削っていく。
しかし相手も負けじと超音波を発し、仲間と共に突撃しようとしている様子。
敵の増殖スピードは凄まじい。このままでは海賊達は競り負けてしまうが――そこで立ち上がるのはローズの役目だ。
「星々の瞬きが、生命を繋ぐ輝きとなって。皆様を支えて下さい!」
ローズが清らかな祈りを捧げると、ふいに空を柔らかな光が彩っていく。
その光は降り注ぐ星となり、周囲を覆っていって。星の輝きに触れた海賊達は、力強く攻撃を再開していく。
「嬢ちゃんの力か? ありがとう、助かるぜ!」
「こちらこそ。私も前に出ますわ!」
海賊達が無事に戦い抜けそうなことを確認すると、ローズは精霊銃を片手に前方へと飛び出す。
狙いを定めるのは、砲撃の合間を縫って島へと辿り着こうとするイルカ達。
「私のユーベルコードが使えたということは、皆様がこの島を守りたいと祈っているからこそです。その祈り、無下にはさせません!」
祈りと決意を籠めて引き金を引けば、薔薇の弾丸は的確に外敵を撃ち抜く。
ローズ自身も絶え間なく攻撃を続けていけば、島の安全は守られるだろう。
最初に押し寄せてきたイルカ達は、ローズの支援と射撃を前に散っていくのだった。
成功
🔵🔵🔴
星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
先程の戦いで敵の先陣は潰すことが出来た。
しかし後続のイルカ達も休むことなく海を進み、次々に島へ殺到してきている様子。
星川・杏梨(聖炎の剣士・f17737)は海の向こうで揺らめく炎を睨みつつ、大砲を再装填する海賊達へと声をかける。
「相手はイルカ型なのよね。攻撃方法もそれに準ずるものなら……少し危険だけど、浜辺で戦ったほうがいいかもしれないわ」
「浜辺まで寄せるのか? 島に乗り上げられたら危険じゃねえか?」
海賊達の疑問も尤もだ。杏梨はこくりと頷くと、海賊達へと向き直る。
「ええ、確かに危険よ。けれど海中の方が彼らの能力は上がるはずだから、出来れば陸上で戦いたいの。みんなで力を合わせれば、一匹たりとも取り逃さずに戦えるでしょうし」
「なるほどな。猟兵さんがそう言うなら従うぜ」
杏梨の言葉に納得した海賊達は、笑顔を浮かべて作業を続ける。
彼らの方は心配なさそうだ。杏梨は改めて海へと視線を向け、ゆっくりと呼吸を整える。
(この場で一番動き回れるのは私のはず。作戦を提案した以上、きっちり役割をこなさないとね)
流星の聖剣を引き抜いて、一歩前に出て。
杏梨の決意に合わせるよう、イルカ達も島へ乗り上げ始めたようだ。
砂浜へやって来たイルカ達は、ひたすら陸地を目指して進もうとしている様子。
そんな彼らを阻むのは海賊達の砲撃と、その合間を飛び交う杏梨だ。
「あなた達の相手は私よ!」
イルカの能力はそれほど高くない。正面から斬り伏せてやれば、勝つのは間違いなく杏梨側だ。
しかし相手は徒党を組むオブリビオン。獣ではなく知性のあるものなら、ある程度は考えて動くはずだ。
そこで杏梨が選んだのは、海賊達の砲撃を利用すること。その射線を活用するように立ち回れば、敵の陣形は乱れていく。
そうして焦った敵達は大きく口を開き、超音波にて杏梨を捉えようとするが――。
「……そうよね、イルカならエコロケーションくらい出来るでしょう。けれどそれは読めていたわ」
イルカ達より速く、彼らの動きを読んでいた杏梨が舞い踊る。
攻撃の隙を縫うように剣を振るっていけば、イルカ達は能力を行使する前に切り捨てられた。
相手の性質を読み、使えるものを冷静に使う。そんな杏梨の立ち回りは着実に敵を減らしていった。
成功
🔵🔵🔴
陰日向・千明(サポート)
「異世界のスマホってのは、こうやって使うンスよォ
……!!」
◆口調
・一人称は「うち」、二人称は「あんた」、くだけた敬語をつかう
◆性質・特技
・マイペースで合理主義
・雨女
◆行動傾向
・特権階級者の車に轢かれ、事故を揉み消された恨みから黄泉返った女子高生。地元を鎮守する竜神の力を借りて受肉している
・他人より自己の利益を優先し、その世界の秩序や慣習にとらわれない傾向にあるが、なんだかんだで弱者は放っておけない
・神器化したスマホで霊界通信サービス「天孫(あまそん)」にさまざまな道具を注文して、あらゆる苦難を乗り越える
・死への恐怖心がなく、傷ついてもなお前進する様相はまさしく屍鬼
・切り札は誤発注したキャバリア
●
戦いが続く浜辺に、ふいに黒い雲が差す。
急な天候の変化だろうか。少し慌てる海賊達の元へ、近づくのは陰日向・千明(きさらぎ市の悪霊・f35116)だ。
「あー、大丈夫ッス。自分、雨女なもので……降り出したのはその影響ッス」
千明は少々バツの悪そうな表情を浮かべつつ、海賊達の様子を窺う。
彼らも最初は驚いていたが、千明の言葉に落ち着いたようだ。
「このくらいの雨なら大丈夫だぜ。うちの大砲、雨降ってても撃てるから」
「それなら良かったッス……それで、あっちが敵ッスかね……?」
ちらり、海へと視線を向ければ見えるのは禍々しいイルカ達。
凶悪な表情をしたイルカの大群が迫ってくる光景は、恐ろしくもありシュールでもある。
「あんた達が砲撃するなら、うちも遠距離から攻撃しましょうかね」
千明はゴッスン・ネイルズを構えると、海賊達の列へと加わる。
イルカ達がやってくるまでは、あと少しだ。
島を目指すイルカ達は、キィキィと鳴きながら泳ぎ続ける。
それはただの鳴き声ではなく、仲間を呼び寄せるための超音波。
呼び声に応じて集まったイルカ達は、波のように砂浜へと迫っていく。
彼らの数を一体でも減らそうと海賊達は砲撃を行うが、それでも限度はあるだろう。
そういう時こそ猟兵の出番だ。千明はスマホをさっと操作すると、イルカの波をじっと見つめる。
「お取り寄せ完了、っと。それじゃあ行くッスよ、蛇の様に、鎖の様に……」
『注文』と書かれたボタンをタップした瞬間、千明の周囲から重い気配が溢れ出す。
その気配は細長い形を取ると、畝るようにイルカの元へと向かっていく。
気配に触れたイルカ達は少しだけ違和感を感じつつも、変わらず突進を続けているようだ。その様子に海賊達は不安げだが、千明は特に気にしていないようだ。
それもそのはず。放った蛇毒鎖は、既に効果を発揮しているのだから。
突進を続ける最中、イルカ達を襲うのは小さな不幸。
たまたま邪魔な位置に岩があった。たまたま砲撃に当たりそうな位置に押し出された。そんな致命的ではない不幸だ。
しかしイルカ達は知性があり、集団で行動している。そのような不幸が巻き起これば、まず疑うのは仲間達だ。
彼らは仲間に不信感を抱き、隊列を乱していく。そうなればあとは、砲撃の餌食になって終わるだけ。
「こんなものッスかね……なかなか壮観ッス……」
疑い、自滅していくイルカ達を眺めつつ、千明は小さく息を吐くのだった。
成功
🔵🔵🔴
古賀・茉莉(サポート)
人間の殺人鬼×魔女、14歳の女です。
普段の口調は「女性的(私、あなた、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」、狭いところでは「無口(わたし、あなた、呼び捨て、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは割に合わないsacrificeを使用し、先に儀式は終えています。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
ジャンルは戦闘、ホラー、が特に好きです。
描写は自身の血みどろ、苦戦、スプラッタ、バイオレンス、負傷描写を特に好みます。
よろしくおねがいします!
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イルカ達が来る限り、戦いは続く。
古賀・茉莉(人間の殺人鬼・f33080)もまた戦いに加勢しようと、海賊達の元へと姿を現した。
「嬢ちゃんも猟兵か? 加勢してくれるなら助かる!」
「勿論そのつもりだよ。あの獲物はボクに任せて。それから……」
茉莉は黒星ノ双剣を取り出しつつ、海賊達ににっこり笑顔を向ける。
その様子は見た目相応の少女らしいものだが――海賊達の胸中に何かの予感が過る。
そんな彼らの様子を知ってか知らずか、茉莉は更に言葉を紡ぐ。
「……ボクに何が起きても気にしないでね。自分のペースで戦うから」
「わ、分かった。気を付けてな!」
海賊達に見送られつつ、茉莉は海の方へと近づく。
そんな彼女の元へと迫るのは、炎の翼を羽ばたかせるイルカ達だった。
イルカは茉莉の姿を認識すると、迷うことなく飛び込んできたようだ。
茉莉は双剣を構えつつ、敵が接近してくる瞬間を見定める。最初の数体は動きもシンプルで、迎撃するのは難しいことではなかった。
しかしイルカ達も力を合わせることでより速く加速したり、緩急をつけてきたりと工夫している。
最初は一方的に敵を斬り伏せていた茉莉だが、戦いが続けば彼女の元まで辿り着く個体も増えてきた。
イルカ達の突進は一切の容赦がない。剥き出しになった腹へ重い一撃が叩き込まれた際は、思わず気を失いそうになった。
「かはっ……でも、このくらいなら、まだ」
突っ込んできたイルカをぶった切りつつ、茉莉は自身の腹を撫でる。
その白い肌には――うっすらとだが、生々しい傷跡が残っていた。
その傷をそっと撫でつつ、茉莉は意識を集中させる。思い返すは前日に行った儀式だ。
自身の腹を何度も切り裂き、大虐殺の大罪人の処刑を模倣する。その儀式によって生み出されるのは――大罪人そのものの力。
「……そろそろいいかな。懲りない君の力、貸してもらうよ」
茉莉が力強く一歩前へと踏み込めば、その気迫でイルカ達の動きが乱れる。
その瞬間に叩き込まれるのは、目にも留まらぬ斬撃だ。
周囲のイルカはあっという間に切り裂かれ、更に飛び込んでくる個体も次々に刃の餌食と変わる。
処刑の苦しみを味わおうと刃を振るいたい。そんな罪人の力が、茉莉の身体能力を向上させたのだ。
その力があれば、自身の苦しみだって何のその。茉莉は打撲の痛みすらも楽しみつつ、軽やかに刃を振り続けるのだった。
成功
🔵🔵🔴
アス・ブリューゲルト(サポート)
「手が足りないなら、力を貸すぞ……」
いつもクールに、事件に参加する流れになります。
戦いや判定では、POWメインで、状況に応じてSPD等クリアしやすい能力を使用します。
「隙を見せるとは……そこだ!」
UCも状況によって、使いやすいものを使います。
主に銃撃UCやヴァリアブル~をメインに使います。剣術は相手が幽霊っぽい相手に使います。
相手が巨大な敵またはキャバリアの場合は、こちらもキャバリアに騎乗して戦います。
戦いにも慣れてきて、同じ猟兵には親しみを覚え始めました。
息を合わせて攻撃したり、庇うようなこともします。
特に女性は家族の事もあり、守ろうとする意欲が高いです。
※アドリブ・絡み大歓迎、18禁NG。
●
イルカ達の波はまだまだ島へと迫ってきている。
彼らの狙いは島全体だろう。アルダワ由来の優れた技術は勿論、島で暮らす民間人にも危害を加えようとしているはずだ。
そんな卑劣な作戦を成功させてなるものか。アス・ブリューゲルト(蒼銀の騎士・f13168)は決意と共にフォースセイバーを握り締め、戦場となる砂浜へと踏み入れる。
後方では海賊達が蒸気機械の砲台を使い、応戦し続けている様子。
アスは海賊達の元へと歩み寄り、彼らと顔を合わせることにした。
「力が必要かと思い、足を運んだ。状況はどうなっている……?」
「猟兵さん達のおかげで、今も島は無事だ。まだまだ敵が来るようだけど、俺達も戦い続けられるぜ!」
彼らの言葉は空元気ではないようだ。ならばその言葉を信じ、後衛は任せておけばいいだろう。
アスはこくりと頷くと、海の方へと進んでいく。
「俺も俺の仕事を遂行しよう……」
やるべきことはただ一つ。迫る敵を片っ端から倒していくだけだ。
海から飛び出したイルカ達は、炎の翼を広げて砂浜へと迫る。
動きが単調なものは海賊達が撃ち落としてくれるが、それでも限界はあるだろう。
砲撃を抜けるほどの技量を持ったイルカは直接叩き落とすしかない。そう考えたアスは静かに意識を集中し、呼吸を整える。
(イルカ達からは鳴き声や炎の音がする。数こそ多いが、撃ち漏らす程でもないな)
敵が来そうな方向を見定めれば、そちらの方へ駆け寄って。
アスはイルカ達へと接近すると、ユーベルコードの力を乗せて剣を振るう。
「月影の前で己の罪を嘆くがいい――と、もう遅いか」
フォースブレードは青白い月のような軌跡を残しつつ、次々にイルカ達を切り裂いていく。
一体倒せばまた一体。アスは砂を蹴飛ばしつつ、島へと乗り上げたイルカ達と相対し続けた。
海賊達の砲撃が途切れそうなタイミングにはより神経を研ぎ澄ませて、一匹たりとも逃さないように。
そのアスの意志を体現するが如く、月の刃は輝き続ける。
そして最後には――イルカの波は綺麗さっぱり消え去った。
戦果を確認すると同時に、聞こえてきたのは海賊の歓声。
それを背中で受け止めつつ、アスも心の内で安堵するのだった。
成功
🔵🔵🔴
御梅乃・藍斗(サポート)
一人称:僕
二人称:君、あなた
他人にはさん付け
基本的に敬語(ですます調)、動揺した時など男子っぽい口調になるのも可
まじめで負けず嫌い
積極的に他人と親しくする方ではないが任務に必要であれば協力は惜しまない
必要時サバイバル、捕縛、居合、受け流しなど活用
敵からの攻撃には激痛耐性や狂気耐性で耐える
名家の出であり、力あるものはそうでないものを守る義務があると考えている
サキュバスだが種族ゆえに性的な要素を警戒あるいは期待されることを厭っており、下世話な話題には嫌悪感を示す潔癖な性格
UCは活性化した物をどれでも使用
迷惑行為や公序良俗に反する行動はしない
●
イルカ達は最後の力を振り絞り、残った個体で総突撃を仕掛けてきたようだ。
浜辺から海を見れば、彼らの鳴き声がよく聞こえる。御梅乃・藍斗(虚ノ扉・f39274)は迫るイルカ達を確認しつつ、静かに呼吸を整える。
後方では海賊達が蒸気機械を使い、敵襲に備えている様子。彼らのような荒くれ者と共に戦うのは、なんだか不思議な感じだ。
けれど海賊達がここまで猟兵達と共闘し、島を守ろうとしてきたことは聞いている。彼らに関しては信頼しておいても大丈夫だろう。
それならば、自分は自分に出来ることを。三翼刀の柄にそっと手を触れつつ、ふっと息を吐いて。
「……そろそろでしょうか」
藍斗の赤い瞳に映るのは、此方へ向かうイルカ達の大群だ。
イルカ達は仲間同士で隊列を組んで、協力しながら突進してきているようだ。
そんな彼らを迎え撃とうと海賊達も砲撃を行い、少しずつ敵の数を減らしていく。
その砲撃の合間を縫って、藍斗は海を目指して駆けていく。
狙いを定めるは、砂浜へと乗り上げようとするイルカ達。
彼らが狙っているのはこの島そのもの。戦える海賊達だけでなく、島の中で暮らす罪なき人々も蹂躙するつもりだろう。
そんなことはさせてなるか。藍斗は決意と共に刃を引き抜くと、そのまま敵との距離を詰める。
「……斬る」
宣言のような呟きと共に、一閃。的確に放たれた斬撃は手近なイルカを両断し、骸の海へと叩き込む。
そのまま流れるように身体を動かし、別の個体も斬り伏せて。刃についた血を振り払い、藍斗は姿勢を整える。
まだまだ安心は出来ない。イルカ達の姿はまだ見えているのだから、急いで次の敵と戦わねば。
利き手の手甲から力を流し込み、刃の切れ味は落とさないように気を付けて。藍斗は再び砂を蹴り、陸を目指すイルカの元へと駆けていく。
ひたすら刀を振るい続けていれば、敵の数もあと僅かとなっていた。
最後の敵を斬り伏せた瞬間、聞こえてきたのは海賊達の歓声だ。
彼らは勝利を喜びつつ、猟兵達へと感謝の言葉を告げている様子。そんな彼らに対し、藍斗もしっかりと頭を下げる。
「こちらこそ、ありがとうございました」
一緒に戦ってくれた相手なら、感謝もしっかりと忘れずに。藍斗の真っ直ぐな在り方は、その所作からよく滲んでいた。
成功
🔵🔵🔴
第2章 ボス戦
『シーサーペント』
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POW : 海神の咆哮
自身の【霊力】を代償に、【邪悪の咆哮】を籠めた一撃を放つ。自分にとって霊力を失う代償が大きい程、威力は上昇する。
SPD : 大渦大回転
【体を高速回転させ、強力な水竜巻】を発動する。超高速連続攻撃が可能だが、回避されても中止できない。
WIZ : 深海の王者
【海竜の血】を降らせる事で、戦場全体が【グリードオーシャンの深海】と同じ環境に変化する。[グリードオーシャンの深海]に適応した者の行動成功率が上昇する。
👑11
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●
猟兵達がイルカを蹴散らしたことで、いよいよ敵の大将が出て来ざるを得なくなったようだ。
海の向こうから現れたのは、巨大な海竜『シーサーペント』。
「猟兵が出向いたか。ここで貴様を殺せば、新たな七大海嘯の支配も進むに違いない」
海竜は猟兵達を見下ろしつつ、大きな口をニヤリと歪める。
向こうは一歩も退く気がなさそうだ。ここで退治しておかなければ、島に甚大な被害が及ぶだろう。
この強敵が相手となると、海賊達は歯が立たない
「俺達はここまでだ! 最後まで手助け出来なくて申し訳ねぇけど……後は頼んだ!」。
海賊達は逃走の準備をしつつ、猟兵達へと声をかける。
彼らの期待に応えるためにも、そして島を救うためにも。必ずや海竜を倒さなくては。
ローズ・ベルシュタイン(サポート)
『さぁ、楽しませて下さいますわよね。』
人間のマジックナイト×電脳魔術士、女の子です。
普段の口調は「高飛車なお嬢様(私、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」、宿敵には「薔薇の棘(私、あなた、呼び捨て、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格は高飛車なお嬢様風の偉そうな感じです
花が好きで、特に薔薇が大好き
武器は、主にルーンソードや精霊銃で戦う。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
「あなたがイルカ達を率いていたオブリビオンですのね。ここで倒させて頂きます!」
海竜との戦いで先陣を切ったのは、先の戦いと同じくローズ・ベルシュタインだった。
ローズはロングソードを引き抜きつつ、此方へ迫る海竜を見上げる。
相手は海から砂浜へと上がり戦おうとしている様子。猟兵達を殺すのが目的ならば、海の中から攻撃してきてもおかしくはないが――。
不審な行動の理由はすぐに分かった。海竜は自らの身体を切り裂くと、そこから流れる血をユーベルコードの糧にし始めた。
次の瞬間、戦場の空気が一変した。酸素が薄くなり、水圧が身体を襲う――周囲の環境が海竜に適したものへと変わったのだ。
(っ……! これは、厄介ですわ……)
ローズはすぐに呼吸を整え体勢を立て直すが、相手の動きは早い。
海竜は泳ぐように此方の方へと肉薄し、鋭い鰭にてローズを切り裂こうとしてきたようだ。
ローズも負けじと砂を蹴り、迫る斬撃から身を引いて。それでも切っ先が腕に触れれば、鋭い痛みがローズを襲った。
「はは、先程の威勢はどうした!」
攻撃と共に浴びせられる海竜の声。それもローズを打ちのめさんと放たれるが――。
「ッ、この程度で、負けませんわ!」
むしろそれは、ローズの闘争心を掻き立てるのに十分だった。
どうにか体勢を立て直し、しっかりと剣を握り締め。
ローズは敵を見据えつつ、猟兵としての力を発揮していく。
「我は纏う薔薇の気高さに等しき極みの鎧! 行きますわ!」
勇ましい叫びに合わせてローズが纏うのは、アルヌワブランの薔薇で彩られた甲冑だ。
愛らしい薔薇の花はローズが受けた痛みも糧にして、立ち上がる力を与えてくれる。
そうすれば、深海に近い環境となった戦場でも突き進むことは難しくない。ローズはしっかり剣を構えつつ、海竜の懐へと向かう。
「あなたが仕える七大海嘯が何者だろうと構いませんわ。強者の威光に従い他者を傷つけるような蛮行は――見過ごせません!」
怒りと決意を力に変えて、振るうは渾身の一閃。
的確に放たれた一撃は海竜の胴を綺麗に切り裂き、深い傷を刻み込む!
たとえ不利な状況でも諦めず、困難にも気高く立ち向かう。そんなローズの在り方が、猟兵達を勝利へと近づけるのだった。
成功
🔵🔵🔴
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
身勝手な理由で人を傷つけるオブリビオン。その存在はどこの世界でも変わらないな、と日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)は思う。
「とにかく仕事の時間だな。討伐対象は……あの海竜か」
彼方の視線の先には、水竜巻を纏う海竜の姿がある。
あれこそが新たな七大海嘯の配下を名乗り、島を傷つけようとするオブリビオン。早く倒さなくては。
相手が強敵である以上、武器も相応しいものがいいだろう。彼方は試製蝕槍『Skoll』を握りしめると、砂の上を力強く走り出す。
「いいぞ、立ち向かうなら殺してやるまで!」
「それはこっちの台詞だ。君を倒すのが仕事だからな、思いっきりやらせてもらおう」
吠える海竜に対し笑顔を向けつつも、彼方はしっかりと相手の出方を窺う。
纏っている水竜巻も何か意味のあるものだろう。さて何を仕掛けてくるか――そう思った瞬間だった。
海竜が纏う竜巻がひときわ大きく回転すると、その風圧が彼方の方へと押しかかる。
それに負けないように足に力を入れて、まだまだ前を見据えれば、竜巻と同じく回転する海竜の姿が見えた。
「これぞ大渦大回転、押し潰してやろう!」
海竜は独楽のように高速で回りつつ、凄まじい勢いで彼方の元へと飛び込んできたようだ。
その動きは砂浜に乗り上げようとも衰えることはない。海の生き物ながら陸に対応する、彼なりの戦略なのだろう。
しかし彼方が立てる場所は、陸上だけではない。迫る風と海水の匂いを感じつつ、彼方が見上げたのは――空だ。
「……屋外だからね、高さは十分だ」
『Managarmr』で砂を踏みしめ、一歩、二歩。
彼方は軽くステップを踏むように前へと進むと、次の瞬間には天高く飛び上がっていた。
迫る巨大な竜巻を超えるよう、何度も何度も空気を踏む。そうしてぐんぐん飛んでいけば、雲にまで手が届きそうだ。
「何ッ!?」
「空中までは対応出来ないみたいだな。なら後は、海の獲物らしく倒れるといい」
此方を見上げる海竜に再び笑顔を向け、彼方は槍を構える。
そのまま落下の勢いを利用して、天から降り注ぐ矢の如く海竜を突き貫いて。
驕りを抱いて海から訪れた侵略者は、空を堂々と舞い踊る戦士によって退けられたのだ。
成功
🔵🔵🔴
中村・裕美(サポート)
副人格のシルヴァーナで行動します
『すぐに終わってしまってはもったいないですわね』
多重人格者の殺人鬼× 竜騎士
外見 赤の瞳 白の髪
口調 (わたくし、~さん、ですわ、ますの、ですわね、ですの?)
裕美のもう一つの人格で近接戦闘特化。性格は享楽的な戦闘狂
戦闘では【残像】が残るような優雅ステップで敵に近づき、惨殺ナイフによる【切断】を【早業】で繰り出す
ドラゴンランスを使うことがあれば、相手を【串刺し】にするか、竜に変えて【ブレス攻撃】
【瞬きの殺人鬼】使用後の昏睡状態はもう一つの人格に切り替えカバー
電脳魔術が使えないので裕美の能力が必要な場合は【オルタナティブ・ダブル】で呼び出します
あと、虫が苦手
●
戦場となる砂浜は風が吹き荒れ砂が舞い、苛烈な状況だ。
そんな戦場へ恐る恐る足を運ぶのは、多重人格者の猟兵、中村・裕美(捻じくれクラッカー・f01705)だ。
「結構綺麗な海なのに、荒らされ放題ね……」
この状況を巻き起こした主犯はどこだろうか。その答えはすぐに分かった。
島に面した海辺に凄まじい海流の流れが見える――その中央で怒りの形相を浮かべる海竜が問題のオブリビオンだろう。
「まだ諦めんぞ……新『七大海嘯』様のためにも!」
海竜は徐々に追い詰められているようで、その身体には幾つもの傷が刻まれている。
それでも撤退するつもりはないらしく、巻き起こした水竜巻と共に陸へ乗り上げようとしているようだ。
相手が突進してくるつもりなら、近接戦闘に備えた方がいいだろうか。裕美は静かに目を閉じて、惨殺ナイフを握りしめる。
「ここは私よりも……シルヴァーナ、お願い……」
主人格の呼び声に応じ現れるのは、副人格であるシルヴァーナ。
裕美の黒髪は白髪へと変わり、金の瞳は真っ赤に染まる。そして俯き加減の表情は、享楽的な笑みへと変わって。
「わたくしの出番という訳ですのね。獲物は……あの海竜ですか」
シルヴァーナは状況を理解すると、すぐにナイフを構えて敵を睨む。
そんな彼女の元へ飛び込むのは、凄まじい勢いで回転する海竜だ。
「貴様こそ引き裂いてやろう!」
海竜は海から砂浜へと乗り上げても、スピードを落とすことなく向かってくる。
その動きは素早いが、小回りは効かないようだ。シルヴァーナはギリギリまで相手を引き付けつつ、その姿をしっかりと見定める。
そして接敵の瞬間に――。
「……甘いですわ」
目にも留まらぬ速さで嵐の横をすり抜ければ、風と波の刃が彼女を切り裂くことはなかった。
残像すら残すスピードの回避は凄まじく、海竜は混乱している様子。隙を見せた以上、相手の終わりは近いだろう。
「わたくし達に立ち塞がる者は、すべて切り裂いて差し上げますわ」
シルヴァーナは優雅に一つ微笑むと、戸惑う海竜の懐へと滑り込む。
そのまま斬撃のラッシュを浴びせてやれば、鮮血が風に乗って舞い上がった。
その返り血もくるりと躱しつつ、シルヴァーナは砂の上に華麗に立つのだった。
成功
🔵🔵🔴
星川・杏梨(サポート)
『この剣に、私の誓いを込めて』
人間のスーパーヒーロー×剣豪、女の子です。
普段の口調は「聖なる剣士(私、~さん、なの、よ、なのね、なのよね?)」
時々「落ち着いた感じ(私、~さん、ね、わ、~よ、~の?)」です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
また、例え依頼の成功のためでも、
公序良俗に反する行動はしません。
性格はクールで凛とした雰囲気です。
常に冷静さを念頭に置く様に努めており、
取り乱さない様に気を付けています。
戦闘は、剣・銃・魔法と一通りこなせます。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●
海竜が暴れまわっている影響か、島は黒い雲に覆われ、海は荒れている。
嵐の前兆のような光景を前に、星川・杏梨は強く聖剣を握り締めた。
(自然災害ならまだしも、オブリビオンによって人々の暮らしが破壊されるなんて……そんなこと、させないわ)
杏梨が鋭く敵を睨めば、相手も此方に気付いた様子。
海竜は海の中へと飛び込むと、そこからでも響く声で笑い出した。
「はは、小さき猟兵よ。新たな七大海嘯の配下たる俺を止められるか?」
「止められるかどうかじゃない。止めるのよ」
嘲るような声を一蹴し、杏梨は剣を空へと掲げる。
祈るは黒い雲の向こう、空高く輝くはずの星に向け。この島を、世界を見守っていた星々よ、どうか力を貸して頂戴。
「星々の加護よ、私に力を与えなさい。そして全てを断ち切る力を分け与えよ!」
杏梨の言葉に応じるように、雲の合間から柔らかな光が降り注ぐ。
その光は聖なる魔力と変わり、杏梨に戦う力を与えてくれた。
「何か小細工をしているようだな、構わずすり潰してやる!」
海竜は身体を回転させ、水竜巻を纏いつつ陸へと乗り上げる。
そのまま凄まじいスピードで杏梨の方へと向かってくるが、それに対して杏梨は――。
「潰れるのはあなたの方よ。覚悟なさい!」
迷うことなく聖剣を振るい、生み出す衝撃波にて敵の纏う水を削る。
一発で足りないならもう一発、相手が接近するギリギリまで剣を振るい続ければ、相手の纏う水もかなり減らせたようだ。
そうして敵の体積が小さくなれば、突進を回避するのも難しくない。
杏梨は砂を蹴りつつ飛び上がり、飛び込む敵の頭上へと向かっていく。
そのまま相手の後方に着地し、流れるように後ろへと振り向いて。
「七大海嘯が相手でも怖くはない。私達は何度だって立ち向かい、あなた達を倒すわ!」
決意と共に放つのは、命すら籠めた全力の斬撃だ。
星の力を帯びた刃から放たれる一撃は、煌めく衝撃波へと変わり――海竜の身体を深々と切り裂く!
強い思いと迷うことのない行動、重ねてきた日々の鍛錬。その全てが杏梨の糧となり、悪を断つ刃と化したのだった。
成功
🔵🔵🔴
ルクス・キルクルス(サポート)
『私、あんた、しばく。ドゥーユーアンダスタン?』
人間の剣豪×バトロワシューターの女です。
普段の口調は「自由人(私、あんた、だ、だね、だろう、だよね?)」
怒った時は「喧嘩は高価買取(私、てめぇ、ぜ、だぜ、じゃん、じゃねぇの? )」です。
自由に自分の好きなことを好きなようにやるのがモットー。
基本は剣をメインにした近接戦闘で、状況に応じて銃も使います。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
アドリブ連携◎ エログロ× あとはおまかせ。
よろしくおねがいします!
ラムダ・ツァオ(サポート)
ラムダよ、よろしく。
相手が強いのなら、削れる機会は逃さず、相手に隙は見せず、
長期戦を覚悟して着実に狙うのがいいわね。
勿論、隙があれば見逃したくないけど。
見切ったり足には自信があるけど、過信せずに落ち着いて戦況を見極めるわ。
行動指針としては以下の3通りが主。
1.囮役としてボスの注意を引き付け、味方の攻撃を当てやすくする。
2.ボスの移動手段→攻撃手段の優先順で奪っていく。
3.仕留められそうな場合は積極的に仕留めに行く。
(他に仕留めたい人がいればその手助け)
台詞回しや立ち位置などは無理のない範囲でご随意に。
ユーベルコードは状況に応じて使い分けます。
アドリブ・連携歓迎
●
海竜は身体中から血を流しつつも、諦めることなく海へと飛び込む。
「ここまで追い詰められるとはな。だが俺も退く訳にはいかない!」
彼がここまで食い下がるのは、『新たな七大海嘯の配下』という肩書故だろうか。
怒りを滲ませる敵を前に、ルクス・キルクルス(36の世界の果てまで・f38588)とラムダ・ツァオ(影・f00001)はそれぞれの獲物を構えた。
「分かりやすい悪党だね、こうなったら徹底的にぶっ飛ばしてやろう!」
「賛成ね。十分削れているみたいだし、そろそろトドメのタイミングかしら」
闘気を滾らせるルクスの隣で、ラムダはゆるり微笑んで。
様子は異なる二人でも、目指す場所は同じ――あのオブリビオンを必ず倒す!
そんな猟兵達の気概を感じ取ったのか、海竜も残る力を振り絞り身体を回転し始めたようだ。
「行くぞ、猟兵!」
「言われなくても!」
「さあ、どこからでもかかって来なさい」
全員が全力でぶつかり合う、浜辺での戦いはこれがクライマックスだ。
海竜は身体を回転させ続け、海水の竜巻を纏いつつ陸へと乗り上げる。
そんな彼の前に躍り出るのはラムダだ。
(動きは素早いけど、複雑じゃない。ずっと動けるようでもなさそうだし、時間を稼ごうかしら)
冷静に敵の能力を見極めつつ、ラムダは黒衣を翻す。
相手を引き付けるように砂浜を駆けていけば、海竜も素直に付いてきているようだ。
その最中、ラムダはルクスへアイコンタクトを送る。その意図を理解したルクスは、愛用の『流星雨』をしっかりと構えた。
ラムダに引きつけられている分、敵の動きはシンプルだ。狙いを定めて早め早めに狙撃を行えば――その弾丸は海竜の身体を貫いていく。
「ええい小癪な、これならどうだ!」
海竜は苦虫を噛み潰したような顔を浮かべ、その場へ留まったようだ。
しかしそれは痛みに苦しんでいるからではない。新たな攻撃のためだろう。
ラムダはルクスの元まで駆け寄ると、その顔をしっかりと覗き込む。
「嫌な予感がするわ。私のユーベルコード、あなたに使うわね」
「助かるよ。その分しっかり働くからな!」
同意が取れれば一安心。ラムダは少しだけ目を閉じて、意識を深く集中させる。
共に戦う仲間は、勝利への意志を共有する者同士。そんな相手に授けるのは、眩い光だ。
光に包まれた猟兵達の背からは、巨大な応援の翼が姿を現した。
「これでよし、と。そろそろ向こうも動きそうね」
「そうだな、あのデカブツ……何をやらかすつもりだろうか」
猟兵達が海竜へと視線を向ければ――彼の周囲には、ひときわ大きな海竜巻が出来上がっていた。
「こうなれば自棄だ! お前達のような存在は、海の藻屑と変えてやろう!」
海竜は海竜巻を大きく回転させると、その風圧で全てを吹き飛ばさんとしてきたようだ。
猟兵達は光の翼で空を目指し、できるだけ竜巻の影響がない範囲へと離脱していく。
それでも風圧が、海水が。猟兵達へと向かえば、その衝撃はかなりのものだ。
「竜巻が止むまで動けそうにない、かしら」
ラムダは黒の外套で身体を守りつつ、吹き荒れる風を耐え忍ぶ。
そんな彼女の隣で、ルクスは――怒りの色を滲ませていた。
「……腹が立つな、好き勝手動かれて……」
好きなように動けない。それはルクスにとって耐え難いものだ。
だったらその怒りは、ユーベルコードとしてぶつけてやればいい。
「悪いな! 私は気が短いし、沸点も低い!!」
ルクスが怒りの叫びを上げたなら、その響きは海竜の身体を打ちのめす。
それはまるで、彼もまた嵐の中へと捕らわれたようで。
その瞬間に海竜巻も弱まり、大きなチャンスへと変わる。猟兵達は顔を見合わせ頷くと、翼を羽ばたかせて地上へ急降下しだした。
ルクスは『月光静』を構え、ラムダは『黒刃』を構え。それぞれの刃を翳しつつ、狙うは地に伏せようとする獲物。
「私達の、そしてこの島の人達の自由を奪おうとした報いだ!」
「海のお偉いさんみたいだけど、最後は砂の上で迎えるのね。それじゃあ、さよなら」
二人は即席の、けれど息の合った連携で刃を振るい、海竜へトドメの一撃を浴びせる。
煌めく刃は悪しき侵略者の息の根を止め、一つの島に平穏を取り返したのだった。
●
こうして新たな七大海嘯の配下を名乗る者達は倒れた。
もうすぐ戦いの終わりを感じ取った海賊達が、笑顔で猟兵へと感謝しに来るはずだ。
いずれ新たな戦いも始まるかもしれない。
けれどその時に備え、猟兵達の日々の戦いも続いていくのだ。
成功
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