桜祭りと春ファッション
●桜を着飾る新装備
「よし……出来たぞ!」
「おお、新作の装備だな!」
大正ロマンの香りが漂う世界、サクラミラージュ。この幻想的な世界の一角で、職人たちは新しいアイテムの開発を手掛けていた。
彼らの名前は帝都鍛冶司。新武装やアイテムを生み出す、帝都桜學府の技術部門の優れた鍛冶師たちだ。
その鍛冶師の一人が、作品を前に喜びの声を上げていた。
開発したのは『桜舞うハイカラファッション』。略して桜服。
戦闘中もお洒落がしたい! という要望に応えて生み出された、防具を兼ねた春ファッションだった。
学生服からちょっとしたお洒落服まで、その服のジャンルは様々だ。
そして共通点として。この服を着て動くと、薄桃色の桜の花びらを模した光が周囲を舞う仕様になっている。
桜の花びらは演出としてだけではなく、催眠効果も持っていた。
花びらに敵が触れると、ふわっと眠くなる仕組みだ。当たり前だが戦闘中に敵が寝てくれたら、隙が増えて倒しやすくなる。
しかし、まだ改良点もあるかもしれない。
ぜひ誰かに試着をしてほしい――と話している頃、桜祭りの会場からはにぎやかな声が聞こえてくるのだった。
●桜祭りと新装備
「……と、言うわけで。桜祭りと、新装備の開発のお誘いに来たぜ」
猟兵たちを目の前に、グリモア猟兵のジャック・サンは明るい口調でサクラミラージュの地図を見せた。
「桜祭りの会場はここ。帝都桜學府から離れた場所にある広い公園で、たくさんの桜が咲いているぜ」
桜祭りはこの時期の恒例行事のようで、桜餅にお団子、桜ミルクのドリンクなど春にちなんだ食べ物なども豊富のふるまわれる予定だ。
他にも祭りでは、自分の好きな人にリボンを送ると良いことがあるとされている。
日頃の感謝を込めて、大切な人や友人、家族へ。好きな色のリボンを花やお菓子に巻いて手渡すのだ。
渡す相手がここにいない場合は、代わりに桜の枝にリボンをまく人もいる。
その為、桜祭りの公園は、カラフルな桜の木と多くの人々であふれるのだ。
猟兵たちは桜祭りにぜひ来てほしいと招待されていた。
「ただ、桜祭りに行く前にちょっとお願いしたいことがあるんだ」
ジャックの予知によると、桜祭りには人だけでなくオブリビオン――影朧まで呼び寄せてしまっているようだ。
既に餅型の影朧と、巨大なウサギが会場に向かっている。
今から向かえば、会場に影朧が到着する前に、敵を倒すか追い払うことができるはずだ。
「そして、闘いの時なんだけど……今回開発した試作品、桜服を着てみてほしい。新型武装の試用に協力してほしいと頼まれているんだ」
開発途上の武装ゆえ、まだまだ改善できる点はある筈だ。実際に使ってみて感じた不便や不具合があれば、忌憚なき意見を聞かせてほしい――と帝都鍛冶司の話だ。
着ていると傍に来た敵を眠らせる効果がある、との事だが。
どれくらい敵が寝るのか、うっかり自分まで寝てしまわないかなど、睡眠効果は服によってまちまちらしい。
「影朧は、その荒ぶる魂と肉体を鎮めた後、桜の精の癒やしを受ければ転生することができる。うまく使えば最小限の戦闘で倒すこともできすかもしれないな」
服は様々なデザインが用意されている。普段着ないようなファッションに挑戦するのも良いだろう。
「桜祭りを楽しめるかは、皆にかかっている。いい結果を期待しているぜ」
そう言ってジャックは猟兵たちをサクラミラージュへ送り出す。
皆が足を踏み入れると、満開の春が君たちを歓迎していた。
滝谷
滝谷です。はじめましての方も久しぶりの方もよろしくお願いいたします。
サクラミラージュでお花見&敵退治のシナリオです。
試用を頼まれている装備はハイカラファッションを改良したものです。近くにいる敵を眠らせる効果を持ちます。
しかし、どれだけ眠くなるのかは人それぞれ。
どんなデザインの服を着て、どれだけ眠くなるか(敵がウトウトした、ぐっすり寝た、自分まで寝た……など)はプレイング内にお書き下さい。
一章はもちもちの餅との戦闘です。
桜餅を救出せねば、とお餅たちが燃えています。でも食べるとおいしいです。倒すか食べるかすると救済となります。
二章はサクラモフウサギ巨大種との戦闘です。
ウサギは腹ペコで、桜祭りの食糧を奪うつもりのようです。倒すかお腹いっぱいにしてあげましょう。
5階建てのビルくらいの大きさがありますが、寝かせればモフモフ感を楽しめます。
三章では桜祭りを楽しんで下さい。
既に新装備に関する報告は終えた後ですから、花見をするもよし、リボンを交換するもよしです。
戦闘の判定に関しましては、レベルに関係なくプレイングが良ければ成功判定を出すことが可能です。
参加人数に応じて、サポート参加の方々も採用する可能性があります。
いろいろと書きましたが、どうぞ春のシナリオをお楽しみください。
第1章 集団戦
『もちもちの餅』
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POW : もっちぃぃい!!!(捕食者は餅だぁ!!!)
噛み付きが命中した部位を捕食し、【生命エネルギー】を得る。
SPD : もっちゃぁぁあ!!!(逃さねぇからなぁ!!!)
【とろけてどろどろになった体】が命中した敵の部位ひとつを捕縛し、引き寄せる。
WIZ : も…もち…もちぃ…(オマエ…いじめるのか…?)
【かわいい風貌を最大限利用した潤んだ目線】が命中した生命体・無機物・自然現象は、レベル秒間、無意識に友好的な行動を行う(抵抗は可能)。
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●まるまる、もちもち
猟兵たちが降り立った先にあったのは、穏やかな風に吹かれながら満開の花を揺らす、桜の木々たちだった。
桜祭りの公園では、既に祭りの準備で大忙しだ。
地元の人たちが、市民の為に、猟兵の為にとお店や料理の準備に走り回っている。
しばらくすれば楽しい笑い声と、おいしそうな香りが、桜とともにあたりを包みこむことだろう。
しかし、その前に。
猟兵たちにはやることがある。
「ぅわ、なんだ?!」
「餅が祭り会場に向かっているわ!」
聞こえてきた悲鳴は、街の方から。どこからやって来たのか、無数の餅が飛び跳ねて桜祭りの会場目指して前進していた。
可愛い姿とは言えオブリビオンだ。道行く市民は仲間の協力のもと速やかに避難を開始する。
「もちー! もちもちもちーー!(桜餅を救えー!)」
「もっちもっち、もちー!(食べてもらうのは僕たちだー!)」
怒った様子で道へ躍り出た餅たち。このままいけば桜祭りはめちゃくちゃにされてしまうだろう。
それを防ぐためにも。新しい武装を手に、猟兵たちは餅たちの行く手を阻む。
この道の先にはいかせない――!
セルジュ・フォートリエ
■アドリブ、共闘歓迎です
「うぅん…困ったなぁ…」
お餅たちを眺めながら少し悩む。
なぜ悩んでいるのかと言えば、この目の前にいるもちもちの物体があまりにもかわいいから。
こう見えて、かわいいものには目がないのです。
「…いや、これは敵…これは敵…」
自分に言い聞かせるように呟きながら、UCを発動。
UCで召喚されたのは、同じくもちもちした物体。
「好きなようにしていいですよ」
もちもちのトカゲたちに呼びかけ、自分はそっと眺めます。
トカゲたちは攻撃したり、ぱくっと食べてしまう子も。
少し心苦しいですが、トカゲたちの満足そうな顔もまたかわいいのでよしとしましょう。
納花・ピンチン(サポート)
ブギーモンスターの勇者×殺人鬼
布を被ってから8年が経ちましたわ
普段はお嬢様口調で、時々関西弁がちょこっと
……って、勉強中なんですわ!
あくまでお仕置きをしに来ているから
あまり殺伐とした戦い方はしませんわ
武器も直前で刃を返して叩いたり
その光景はギャグになることが多いですわ
商人街出身、お話しや交渉なんかも好きです
小さなスイーツや飴ちゃんを渡して一緒に食べると
色々話してくれるんですわ
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し
多少の怪我は厭わず積極的に行動します
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません
また例え依頼の成功の為でも
公序良俗に反する行動はしません
あとはおまかせ
ほないっちょ、よろしくおねがいします
●もちもちは可愛い
立ちはだかる猟兵を前に、『もちもちの餅』はぴょんぴょんと抗議をしていた。
「うぅん……困ったなぁ……」
口元に手を当てて悩むのはセルジュ・フォートリエ(魔剣使い・f39315)だ。
セルジュはこうみえて、可愛い物が好きなのだ。
目の前にいるもちもち生命体は、愛くるしい姿と言える。
「お困りのようですわね、イエーガーはん! ご協力するのですわ」
応援に駆け付けた、納花・ピンチン(ブギーモンスターの勇者・f31878)がくるっと回ると、周囲に光の花びらが舞った。
ブギーモンスターのピンチンが着ている知恵の布は、桜柄バーションとなっている。
これは帝都鍛冶司から試用を頼まれていた新装備『桜舞うハイカラファッション』を取り入れたおかげだった。春仕様というわけだ。
可愛いですわよね、とご機嫌に声を弾ませる彼女。
タタンとブーツの音を鳴らし、餅へと向き直る。
「人を困らせるお餅さんたちに、ちょっとだけお仕置きですわ!」
ピンチンは可愛いだけではない。ブギー・ブギーフェイスを発動させると異形の鹿へと姿を変えて走り出す。
「もっちゃぁぁあ!!!(逃さねぇからなぁ
!!!)」
飛びかかる餅たち。しかしピンチンは軽い身のこなしで餅をポンポンと放り投げてゆく。
ついでに周囲を飛ぶ花弁の睡眠効果が、餅の動きを鈍くしていた。
「そ、そうですよね。これは敵……これは敵……」
セルジュも、一緒にお散歩しましょう、と宙に声をかける。石竜子のさんぽ(トカゲノサンポ)でもちもちのトカゲを召喚して見せた。
「好きなようにしていいですよ」
「もちー! もちちー!!(なんだとー! させるかぁー!)」
一斉に襲ってくる、みたらし、きなこ、あんこ餅。
しかし、トカゲたちはそれを許さない。翼を与えられたトカゲは、餅たちに喜んでじゃれついた。
爪を立てるもの、かじるもの、弾力勝負を挑むもの、と自由奔放にトカゲたちは餅たちを追い詰める。
しかし餅だってやられるばかりではない。
「も……もち……もちぃ……(オマエ……いじめるのか
……?)」
反撃に出た餅のひとつが、セルジュをうるんだ瞳で見つめてきた。
「……っ!」
同情をそそる愛くるしさは、思わず保護したくなる誘惑を帯びていた。
怯える姿。こぼれそうな涙。赤く染まったもちもちの頬。
その餅の姿にセルジュは思わず手を――――伸べることはなかった。
「もちぃいいいいぃいぃ?!」
すぱーーん!!
と間に入って気持ちよく餅を空へと投げ飛ばしたのはピンチンだった。
鹿の角で勢いよくだ。
本日一番のホームランと言っていい。
アタシを止めたいのなら鹿煎餅を用意することですわ……とばかりに胸を張る。桜も舞ってピンチンの姿には神々しさがあった。
魅了の解けたセルジュの元へはトカゲたちが擦り寄った。
空のかなたに消えたお餅にちょっぴり胸を押さえながらも、
「(トカゲたちの満足そうな顔もまたかわいいので、よしとしましょう)」
とセルジュは餅を食べるトカゲたちに笑みを向けるのだった。
成功
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杉崎・まなみ(サポート)
まなみは正当派後衛職のヒロインタイプです
聖職者教育を受講中の学生ですが、特に依頼に縛りは無く、どのような依頼も受けられます
但し人並みに気持ち悪いモノ、怖いもの等は苦手で遭遇した際は多少なりとも嫌がる仕草が欲しいです
甘いモノ、可愛いモノが好きで少し天然な所があります
初対面の人でもあまり物怖じせず、状況を理解して連携を取る動きが出来ます
シリアス2~3:ギャグ7~8割くらいのノリが好みです
ただシリアスもやれますよー
UCは状況に応じて、MS様が好きなのを使ってください
その他、細かい部分はMS様にお任せします
日下・彼方(サポート)
人間のUDCエージェント × 月のエアライダーの女です
戦闘での役割はレガリアスシューズを使っての空中戦、
影の狼を使役して斥候・偵察ができます
武器は通常大型ナイフを使用しますが
強敵には太刀・槍を持ち出す事もあります
普段は(私、君、呼び捨て、だ、だな、だろう、なのか?)
機嫌が悪いと (私、~様、です、ます、でしょう、ですか?)
性格は受けた仕事はキッチリこなす仕事人のような感じです
仕事から抜けると一転惚けた風になります
ユーベルコードは必要に応じて、
多少の怪我は厭わず積極的に行動します。
他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。
公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
クリム・フラム(サポート)
火炎と爆発とレーザーがメインのブックメイカーの女の子です。
口調はですます調ですが、概ね声が大きい感じです。
行動方針は主に2つで最低限の安全策を取ってから飛び込んで炎と爆破で解決しようとするスタイルと、
情報を集めて分析しながら探索や戦闘を進めていく方向です。
ユーベルコードは指定した物をどれでも使用し、多少の怪我は厭わず積極的に行動します。他の猟兵に迷惑をかける行為はしません。また、例え依頼の成功のためでも、公序良俗に反する行動はしません。
あとはおまかせ。よろしくおねがいします!
●もちもち・うまうま
猟兵たちとの遭遇に、『もちもちの餅』たちはすぐさま数手に分かれた。
桜祭りの会場へ辿り着く為に、複数ルートで向かい始めたのだ。
「もちーもちちちぃー!(急げ―、猟兵なんかにやられるかー!」
中でも最も大きな餅チームが、市街地から道路に沿って飛び跳ねてゆく。
その上空には餅を追いかける、日下・彼方(舞う灰の追跡者・f14654)の姿があった。
「(目標、補足。……ぴょんぴょんと跳ねて移動するのか)」
ゴーグル型のデバイスを操作しながら、飛び走る餅の位置を仲間へ告げる。
彼方の手には使い慣れた大型ナイフ。
そして着る服はいつもと違い、ジャケットの代わりに空色の羽織を纏っていた。
帝都鍛冶司から試着を頼まれた新装備だ。
「ふむ……戦闘に支障はなさそうだな。――行くぞ!」
感触を確かめてから急降下する彼方。
レガリアスシューズの機動力を生かし日下流格闘術(クサカリュウカクトウジュツ)で素早く敵を斬りつけた!
「もちー?!」
もちもちの餅は空からの襲撃を予測していなかったのだろう。一気に慌ただしくなった。
弧を描く彼方のナイフに翻弄される餅。
更に羽織から舞い落ちる、催眠効果のある花びらが餅の動きを遅くする。
その餅を狙って彼方は追撃のナイフを振るった。
「もっちぃぃい!!!(捕食者は餅だぁ
!!!)」
仲間の餅が彼方へ飛びかかり、レガリアスシューズへ絡みつこうと抵抗する。
「させないですよ!」
「今助けますね、お任せください!」
そこへ攻撃を仕掛けたのは、クリム・フラム(図書室のパイロマニア・f36977と杉崎・まなみ(村娘・f00136)だった。
ぶおん。 風を切るように投げつけられたピコピコハンマー。風圧で餅がはがれ、彼方が再び飛翔する。
二人は彼方からの連絡を受け、駆け付けてきたのだ。
餅たちの進路方向に立ちはだかるようにして、クリムとまなみが武器を構える。
「ここから先にはいかせません! ……地の神よ……かの物を慈愛で導いてください……!」
まなみの言葉に従うように、地面がぐにゃりと変化する。
神の悪戯(カミノイタズラ)によって現れたのは二個目のピコピコハンマーだった。
まなみが魔法で操作し、ピコピコハンマーを振り下ろす。
ピコン! 音がするたびに餅が逃げ狂った。
「もぎゃぁああああー!(杵だにげろー!)」
「もちちちちぃ!(潰されるぞー!)」
餅にとってはトラウマなのか。餅つきをされてはたまらないと言った様子だ。
それがまなみの誘導だとは気づかず、瞬く間に餅たちは一か所に集められてゆく。
「も……もち……もちぃ……(オマエ……いじめるのか
……?)」
餅の瞳が涙で潤む。
切ない視線にまなみが攻撃を躊躇するも。
「あなたの情報は解析済みです! 情を誘って猟兵を仲間にしようとすることも――焼くと美味しいってことも、全てです!」
クリムが大声で誘惑をはねのける!
魔力を込めた本は轟々とした音を立て。クリムの開いたページからは紅蓮の炎があふれ始めていた。
「踊れ炎、思うがままに焼き尽くせ! です!」
幻想の紅炎(フレイムファンタシア)が放たれる!
綴られた物語から生まれた幻想の業火。
力強い紅の、なんと美しいことか。
クリムが放った一撃は、集められた餅たちを焼き焦がし、逃れられない灼熱と飲み込んでいった。
「うん、完璧な焼き加減です!」
満足げに胸を張るクリム。
彼女達の目の前には、程よい感じに焼きあがった焼き餅たちの姿があった。
既に、やられました、と動かなくなった餅たちを摘まみ上げれば、美味しそうな香りがクリムの鼻をくすぐってくる。
「焼き餅にみたらし……美味しいですよね」
まなみと彼方もやってきて、食べればほんのりと上品な甘さが口いっぱいに広がった。
「ん~~! 絶品です!」
「確かに」
ほっぺたが落ちないよう、まなみが頬をおさえて称賛する。美味しいものは人を幸せにする魔力があるのです、と。
「他の餅たちは、別の猟兵さんたちが向かっているみたいですね」
と、本のページをめくりながら、クリム。
「なので私たちは、お先にお餅さんたちをいただきましょう!」
彼女もまたパクリ、とあんこ餅を。
戦った後の甘いものは、特別なおいしさがするのだった。
成功
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真宮・奏
義兄の瞬(f06558)と参加
新兵器の実験と聞いてちょっと構えてましたが、綺麗な服でびっくり。私、こういうの憧れてたんです。兄さん、似合いますか?(ハイカラファッション着てくるりと一回転)
目の前にいる影朧に目がキラキラ。倒すの勿体無い!!むしろ食べます!!(←胃袋ブラックホール)トリニティ・エンハンスでお餅達の攻撃に耐えながら食べまくります。食べ残しちゃったものは兄さんにお任せしますので!!
お腹いっぱい食べたのと平気の服の効果でお餅達がいなくなった後は満足して眠る私を見て苦笑する兄さんがいたとか。
神城・瞬
義妹の奏(f03210)と参加
ええ、兵器の事は聞いてますので、どんな兵器がくるのと身構えてしまってましたが、まあ、防具の調査も必要ですよね。軽くて着やすいハイカラファッションは有用だ。(奏の張り切りに目を細めつつ)
目の前のお餅に目を丸くする。あ、奏の目がキラキラしてます。あ、衣服の効果かお餅の動きが鈍いような?眠りつつあるようで。奏が走って行きました。ああ、こうなると止まりませんね。胃袋ブラックホールですから。
とりあえず奏が食べきれないお餅を月白の闘気で処理しておきます。いくら外見がお餅でも影朧ですから。
ああ、奏が満足して寝ちゃってます。こういう姿は小さい頃から変わってませんね。(苦笑)
●もちもちと兄妹
「私、こういうの憧れてたんです。兄さん、似合いますか?」
ブーツでつま先立ちし、くるりと真宮・奏(絢爛の星・f03210)が回って笑顔を見せる。
華やかな光の花びらと纏う義妹の姿に、神城・瞬(清光の月・f06558)は嬉しそうに目を細めた。
二人が着ているのは、試用を頼まれた桜服だ。
洋服から和服テイストまでさまざまな衣装が用意された中から、奏は桜柄の和服をチョイスしていた。
ブラウスの上に桜柄の和服を羽織り鮮やかに。落ち着いた紫色の袴風スカートは動きやすいよう工夫されている。
ブーツと洋風の髪留めも身に着ければ、大正ロマンあふれるモダンな衣装の出来上がりだ。
普段の戦闘衣と違う衣装に、奏は嬉しそうだ。
「ええ。もちろん。よく似合っています」
と頷く瞬。
兄の瞬は、奏とは対照的に洋風のハイカラファッションに身を包んでいた。
ノーカラーのシャツに細身のズボンとベストを合わせた姿は、普段の彼よりずっと身軽な衣装に思えた。
差し色として選んだ紫色の小物が、瞬のスタイルの良さを引き立てる。
よく見れば袖口やベストに、目立たぬように桜柄があるなど大人っぽさの中に遊び心も隠れていた。
どちらも動けば、ふわりと桜の花が舞い上がる。
「新兵器の実験と聞いてちょっと構えてましたが、綺麗な服でびっくりしました」
「僕もです。まぁ、防具の調査も必要ですよね」
軽くて着やすい防具もまた実用的。
なるほど、と瞬が納得していると丸い影朧が二人の前に姿を現すのだった。
「もちーー!!」
道を開けろと跳ねるもちに、立ちはだかる瞬と奏。
お餅が動いてますね……と目を見開く瞬。そして隣では奏が目を輝かせていた。
「倒すの勿体無い!! むしろ食べます!!」
両手を胸のまえで合わせ、夢のようだと語る奏。
トリニティ・エンハンスで風や水の加護を得ると、さっそくお餅の中へ飛び込んでいった。
「もちもちもちーー!?(なんなんだー?!)」
驚く餅たちだが、すぐに桜服の花びらに触れて瞳をとろんとさせる。睡眠効果が効いているようだ。
びっくりしたのは餅だけではなかったが。
「(奏が走っていきました……!? ですが、これなら大丈夫そうですね)」
ほっと胸をなでおろす瞬。
もちもちぷにぷにのお餅におしくらまんじゅうされていた妹だが、トリニティ・エンハンスのお陰で全く痛くはなさそうだ。
やがて大人しくなったお餅たちを口へと運ぶ。
ふんわりと香るきな粉にみたらし。そしてお餅の程よい甘さと弾力感がたまらない。
もちーんと伸びるお餅を頬張る奏に、瞬もゆっくり近づいて。
「ああ、こうなると止まりませんね。胃袋ブラックホールですから」
幸せそうな光景を見守りながら、食べきれなかったお餅たちを月白の闘気(ツキシロノトウキ)で優しく消してゆくのだった。
お餅が大体食べ終わる頃には、奏はウトウトと眠りについていた。
桜服の影響か……それともお腹いっぱいになった幸せからか。
きっと両方だろうと瞬は苦笑して見せる。
「こういう姿は小さい頃から変わってませんね」
大切な人を見つめる瞬の視線は穏やかだ。
しばらく奏を見つめていたが、やがて瞬は奏を背負い、仲間の元へと歩き出すのだった。
大成功
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ジゼル・サンドル
サクラミラージュでよく着ている矢絣の着物と紅い袴姿ながら矢絣に加え桜もあしらった桜服バージョン。
わたしは常々思っていたんだ、敵を眠らせ優しく送り返すことはできないかと。この服はまさにぴったりだ!
…なのだがひとつ問題が。これ着てるとわたしまで、眠い…春眠暁を覚えずと授業で習ったがこういうことか…(ウトウト)
もちもち食べたら目も覚めそう…(もちもちの餅じーっと)
…うう、そんな目で見つめられたら食べられないぞ。
こういう時こそ役立つはずだ、新しい服が。
ふわりと袖を揺らしつつ、さらに指定UCも乗せて眠らせる。自分も寝そうだけど【眠り耐性】で耐える。
眠った隙にすまない、いただきます!
もちもちで美味しい…!
●もちもちと春の歌姫
春の風吹くサクラミラージュ。
優しい声を持つ歌姫、ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)は『もちもちの餅』たちに周囲を囲まれていた。
穏やかな日差しの中、餅たちはジゼルに寄りそう形で、すやぁと寝息を立てている。
そして。
「……わたしまで、眠い……春眠暁を覚えずと授業で習ったがこういうことか……」
ジゼルまで一緒に眠くなっていた。
数分ほど前までは
「わたしは常々思っていたんだ、敵を眠らせ優しく送り返すことはできないかと。この服はまさにぴったりだ!」
と喜々として和服にそでを通した彼女。
好んで着ている矢絣柄の和服には、本日は桜のアクセントを添えて。
紅い袴と合わせて着こなせば、動くたび花びらを散らす桜服の出来上がりだ。
桜服の効果は抜群だった。見つけた餅を眠らせたものの、気を抜けば自分も添い寝をしてしまいそうになっている。
ぽかぽかの春。
心地よい花の香り。
ぐっすりのお餅たち。
眠気をこらえながら、オレンジ色の瞳が寝落ちしそうなお餅を覗き込む。
「もちもち食べたら目も覚めそう……」
「……も……もちちぃ……?(僕を……食べちゃうの?)」
と、餅の声。うるんだ瞳に、きゅん、としてしまいそう。
「(……うう、そんな目で見つめられたら食べられないぞ)」
だから、続きは餅が寝てから。
マザーズウィスパーの穏やかな子守唄で深い眠りへと誘い、桜服の花びらで起きないように夢の世界へ。
美しい歌声があたりをやさしく包み込む。
「眠った隙にすまない、いただきます!」
ぐっすり眠ったお餅をやさしく口に運べば、ジゼルの笑顔がほころんだ。
「もちもちで美味しい……!」
ほんのりとした甘みに絶妙なきな粉やあんこのおいしさが絡み合う。
眠ったお餅も、食べたお餅も。本来の静けさを取り戻し、やがては桜の精の癒しを借りて影朧から解放されてゆくだろう。
幸せそうな笑顔で餅を堪能するジゼル。
たまにはこんな日が、あっても良いのだから。
大成功
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第2章 ボス戦
『サクラモフウサギ巨大種』
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POW : ぶーっ!ぶーっ!
【鳴き声と共に激おこうさぎモード】に変化し、超攻撃力と超耐久力を得る。ただし理性を失い、速く動く物を無差別攻撃し続ける。
SPD : もふもふもふもふ
対象の攻撃を軽減する【超もふもふ毛皮】に変身しつつ、【踏み潰し】で攻撃する。ただし、解除するまで毎秒寿命を削る。
WIZ : サクラモフウサギの大群
自身の【寿命】を代償に、【サクラモフウサギの群れ】を戦わせる。それは代償に比例した戦闘力を持ち、【体当たりや齧りつき、キックなど】で戦う。
👑11
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無事にお餅を転生させた猟兵たち。
これで一件落着――というにはまだ早かった。
ドシン、ドシン。
そんな表現が似合う低い重低音が、近づいてくることに皆は気づく。
駆け付けてみれば、森の木より高い、全長15mはあろうかという巨大ウサギが桜祭りの公園に向かう姿が見えた。
ウサギの名は『サクラモフウサギ巨大種』。
サクラミラージュに暮らす、巨大な固有種の獣だ。
今は空腹なのか、森の木々をなぎ倒しながら桜祭りの会場へ向かっているのがわかる。森を抜け、街の大通りを越えて、食事をしようというのだろう。
そうなる前に、サクラモフウサギをどうにかしなければならない。
猟兵たちがウサギへと対峙する中、多くの人が同じことを考えていた。
「「(このウサギ……すっごく、もふもふだ
……!)」」
――と。
岩社・サラ(サポート)
「最優先撃破対象確認。これより戦闘に移ります」
傭兵としての戦闘技術と一族に伝わる土魔法を組み合わせて戦う冷静な性格の女性。
口調はですます調。必要以上に会話はしない。
依頼に関しては負傷を厭わず可能な限り全力を尽くすが、公序良俗に反する行為は行わない。
仲間との連携ができる場面では積極的に連携を行う。
行動
目立たないように隠れながらDMRによる狙撃。ショットガンによる接近戦。装甲目標ならミサイルランチャー。接近戦なら斧。と武器を使い分けて戦います。
敵の攻撃を防御する際はゴーレム(アイテム)を召喚し庇わせることで対処します。
ユーベルコードは選択したものを適時使用します。
書かれていない部分はおまかせします
燈夜・偽葉(サポート)
★これはお任せプレイングです★
『ぶった斬ってあげます!』
妖狐の剣豪 × スカイダンサー
年齢 13歳 女
外見 黄昏色の瞳 白い髪
特徴 長髪 とんでもない甘党 柔和な表情 いつも笑顔 胸が大きい
口調 元気な少女妖狐(私、あなた、~さん、です、ます、でしょう、でしょうか?)
性格:
天真爛漫年下系ムードメーカー(あざとい)
武器:
刀9本
黄昏の太刀(サムライブレイド)を手に持ち
場合によっては念動力で残り8本を同時に操る
ユーベルコードはどれでもいい感じで使います
敵の動きは見切りや第六感を生かして回避
避けられなければ武器受けで対処します
多彩な技能を持っていて、問題に対していい感じで組み合わせて対処します
●巨大ウサギを食い止めろ
「目標を確認。……これは」
「ウサギさん、すっごく気が立っているみたいです!」
駆け付けた岩社・サラ(岩石を操る傭兵・f31741)と燈夜・偽葉(黄昏は偽らない・f01006)が、『サクラモフウサギ巨大種』を見上げる。
サクラミラージュの固有種、と聞いていたが五階建てのビルに相当するほどのウサギは珍しいと思えた。
森を進行しながら、力任せに振るわれる爪。直撃した木が切り裂さかれた。
ウサギの後ろには横倒しになった木々が続いているのがわかる。
「もしかして、お腹がすいているのでしょうか?」
「仲間が食べ物を用意し、こちらに向かっています。時間を稼ぎましょう」
偽葉にサラが答えて、支給されていた新防具――敵を眠らせる効果を持つ桜服を纏う。
今回の任務では、討伐せずとも敵を追い返せれば良いとされているからだ。
眠くして落ち着かせ、食事を与え、森へ帰す。
それが猟兵たちが考えたプランだった。
その為にも、まずは敵の暴走を止め眠くする必要がある。
「わかりました! では行きますよっ!」
同時に武器を構えると、二人はサクラモフウサギへと駆け出していく。
先手を打ったのは偽葉だった。
桜服を纏い、動くたびに眠りを誘う花びらが舞う。
敵が繰り出す攻撃を避けながら接近する偽葉。
黄昏の太刀を手に、森の木々を蹴って飛び上がった。
「――薙ぎ払え!」
力強い抜刀。
横薙ぎの一閃。
偽葉の白い長髪が揺れ、敵の前足ではバキンッと爪が壊れる音がした。
剣よ、天を斬って(ザンクウ)によって、空間ごと破壊したのだ。
「ぶーっ! ぶぅううーっ!!」
右前足の爪が破壊されたことで、サクラモフウサギが激高する。
スピードを上げて突進する巨体。
偽葉は鞘を使い受け流した。
衝撃で、痺れる両手。
だが、これで十分敵を惹きつけた。
「ぐぅっ……! サラさん、お願いします!」
「了解です」
疾駆するサクラモフウサギの死角から、サラが距離を詰める。
「(防具に眠りの作用があるとはいえ、巨体が止まるにはまだ時間がかかるでしょう)」
ならば。被害を食い止める為に出来ることを。
「召喚完了。装甲を穿ちます」
サラは召喚した特殊武装『装甲穿孔ドリル』を唸らせた。
特殊武装「装甲穿孔機」(スペシャルアームズ・アーマードリリングマシン)によって強化したドリルを力強く叩き込む!
健在だった後ろ脚の爪を、サラはすれ違いざまに貫いて見せた。
ほとばしる亀裂。舞い散る桜。
砕いた爪の破片で、サラ頬に一筋の血がにじみむ。
勢いでバランスを崩したサクラモフウサギは、ドシンと、地面を揺らして倒れこんだ。
何とか立ち上がるものの、体がフラフラして見せる。
「サクラモフウサギが眠たそうですね」
「おぉ、効いているようです」
サラと偽葉が確信する。
敵が眠るまで、あと、少し。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
ジゼル・サンドル
引き続き矢絣の着物に桜をあしらった桜服姿。
すごくおっきなモフモフだ…!あの上で寝たらさぞ気持ちいいだろうな…
わたしは君と争う気はないんだ、とりあえず落ち着こう。
『世界を繋ぐ歌』を歌い戦闘行為の成功率を落とした上で親友からもらったおっきなハートのチョコレートを差し出す。
お腹が空いているとイライラしてしまうよな、よかったら一緒に食べないか?わたしはチョコが大好きなんだ。
一緒にチョコをモグモグ食べ、空腹が落ち着いたところで袖をふわりと揺らしモフウサギを眠りに誘う。
ふわぁ…やっぱりわたしまで眠いが、少しくらいなら一緒に寝ても大丈夫かな。
可能ならモフウサギに寄りかかりしばし春のうたたねを楽しむ。
●もふもふ、一番乗り
例え巨体であっても、相手はウサギには変わりない。
「(すごくおっきなモフモフだ……! あの上で寝たらさぞ気持ちいいだろうな……)」
ジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)はオレンジの瞳を輝かせてときめいた。
しかし、起きている『サクラモフウサギ巨大種』にそのまま飛び込むのは危険、ということは十分理解している。
「わたしは君と争う気はないんだ、とりあえず落ち着こう」
そう語ると、世界を繋ぐ歌を披露。
優しい歌声が響く中、仲間と用意した豊富な食べ物や大きなチョコレートも見せると、相手が動きを止めるのがわかった。
「ぐ……ぐるぅ……」
ぐぅぅぅう。
既に他の猟兵とのやり取りで眠気がきていたサクラモフウサギ。
唸り声がやみ、代わりに腹の音がする。
ジゼルがそっとチョコを差し出せば、ウサギが警戒しながらも、一口。
ウサギも食べられるよう改良されたチョコはお気に召したようで、すぐに他の食べ物も食べだした。
「お腹が空いているとイライラしてしまうよな、よかったら一緒に食べないか? わたしはチョコが大好きなんだ」
寄り添うように微笑みかけ、自分もチョコを口にする。
更に矢絣の着物に桜をあしらった和服を揺らせば、舞い散る桜の光がサクラモフウサギを落ち着かせていった。
そしてお腹がいっぱいになると、安心したようにサクラモフウサギが傍で眠り始めた。
ジゼルもホッとすると、欠伸がこみ上げてくる。
「(ふわぁ……、少しくらいなら一緒に寝ても大丈夫かな?)」
試しにつついてみるが、眠るサクラモフウサギの表情は穏やかそのもの。
ふふ、と嬉しそうに笑ってから、一番乗りでウサギの胸に飛び込んだ。
「(わぁ、すっごくフワフワだ
……!)」
体が沈む形で、白い毛並みに包まれる。
暖かくて、ふわふわで、幸せになれるこの時間。
春の穏やかな日差しを感じながら、ジゼルは至福のうたた寝を楽しむことにした。
大成功
🔵🔵🔵
真宮・奏
義兄の瞬(f06558)と参加
物凄く・・・もふもふです・・・ああ、もう我慢できない!!精霊さん、一緒にもふもふしましょう!!(精霊乱舞発動。100レベルにするのは【オーラ防御】)
興奮のあまり全開になったオーラを纏いつつウサギさんに飛び込みます。飛び交うのは矢車菊。ウサギさんが寝てしまいました。ナイスです、兄さん!!
ああ、そのもふもふのお腹が堪らない・・・(100レベルの【オーラ防御】のせいか攻撃は全く痛くない)
幸せ〜(ウサギに埋まったまま眠りに入る)無意識に【怪力】で寝返りして【グラップル】でウサギを吹っ飛ばす姿にまた苦笑いする兄さんがいたり。
神城・瞬
義妹の奏(f03210)と参加
確かにウサギですが。大きすぎますね。あ、奏がもう魅了されてます。まあ、もふもふ命の奏にとって宝に等しいですよね。もう奏が走って行きました。全く。
このままでは奏が潰されるので【高速詠唱】で矢車菊の癒しを発動。奏がお腹に埋もれてもふもふしている間にこっそり【結界術】【封印術】で会場までの道を封鎖してモフウサギがこれ以上進めないように。
あ、奏がウサギのお腹に埋もれて寝てしまいました。寝相が悪い子なので寝返りで吹っ飛ばされるウサギの方に同情したり。こっそり【電撃】で追撃しておきます。
●もふもふは共に
森の中で眠る『サクラモフウサギ巨大種』。その魅力に声を震わせ、感情を抑えきれない女性がいた。
「物凄く……もふもふです……ああ、もう我慢できない!」
と助走をつけてウサギのお腹にダイブしたのは真宮・奏(絢爛の星・f03210)だ。
ぽふんっ。
飛び込めば、妖精たちごと白い毛並みが受け止める。細い体は柔らかい兎毛の中に深く沈んだ。
「おぉおおお……!」
歓喜の声と共に、周りには桜の花びらと、矢車草の花が舞う。
子供みたいな無邪気な姿に、神城・瞬(清光の月・f06558)は微笑んだ。
「もふもふ命の奏にとって宝に等しいですよね」
全く、と肩をすくめながら。
それでも愛しい人をみる優しい眼差しは変わらない。
「(大きすぎるウサギが起きないように、と矢車菊の癒し(ヤグルマギクノイヤシ)を使っておいて正解でした)」
矢車草と桜の共演は、眠りの相乗効果をもたらしている。
おかげで、サクラモフウサギは何をされても暫くは起きそうになかった。
もしもの時は雷撃も~と考えていたが、これなら必要ないだろう。
「兄さんも一緒にいかがですか?」
もふもふの白毛に埋もれながら、奏の手が動くのが見えた。
念のため、と街を護るための結界術を施していた瞬だったが、誘われたウサギの元へ。
「ああ、このもふもふのお腹が堪らない……」
「おぉ……確かに、これは」
魅力的。
蕩けそうな至福を感じながら、奏がサクラモフウサギを抱きしめて頬をよせる。
傍にいる瞬も想像以上に柔らかな毛並みに、感心してみせるのだった。
やがてサクラモフウサギの腹の上で、奏は静かに寝息を立て始める。
ウサギの平均体温は三九度ほど。人肌よりあたたかな体温は温泉のような心地よさだ。
精霊たちと瞬は、眠る彼女を優しく見守っていた。
普段はフルートを奏でる瞬の長い指が、奏の赤茶色の髪を優しくなでる。
彼女は守ると誓った相手。無事にこうしていることに、静かに目を細めた。
心配していたサクラモフウサギもぐっすり寝ている。
途中、眠る巨大ウサギの手が奏を押しつぶそうとするなら対応する予定ではいたが。
「幸せ~~」
ふにゃりと寝ぼけながら。奏が勢いよく巨大な手を払うので、瞬も最後はウサギに同情していた。
「寝相が悪い子なので……」
瞬も白い毛に埋もれながら苦笑する。そこもまた、彼女の面白いところだ。
やがて自分も寝てしまいそうだ……と呟けば、妖精たちが笑みを浮かべたような気がした。
この幸せなお昼寝は、サクラモフウサギが起きて森へと帰るまで、ゆるりと続いたのだった。
大成功
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第3章 日常
『きみに飾るわたしの彩』
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POW : 友愛の彩を結ぶ
SPD : 愛情の彩を結ぶ
WIZ : 感謝の彩を結ぶ
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餅にウサギに、桜服の試用と様々な任務をこなした猟兵たち。
街に戻ると、賑やかな桜祭りが皆を出迎えた。
広々とした公園の周囲をぐるりと囲む桜並木。そして中央には一番大きな桜の樹が花を咲かせている。
どれも満開。風が吹けば桜吹雪が空を彩った。
お祭りでは出店もあふれており、軽食や桜茶といった飲食を楽しむこともできる。
桜餅にお団子、桜ミルクのドリンクのほかにも、イチゴや桃と言った春の果物や定番の和菓子もおすすめだ。
人々と活気に満ちた桜祭りを開催できたのも、猟兵たちのお陰ということもあり、心行くまで楽しんでいただきたい。
もちろん戦闘に参加してない方も歓迎だ。
そして桜祭りではリボンを送る風習もあった。
好きな人へ、親しい人へ、愛する人へ。
自分が日ごろの感謝を込めて、好きな色のリボンを贈り物に巻き付けて、ご相手へ手渡しをする。
気持ちが伝わりますように。あるいはご縁が長く続きますようにと。
相手がいなくても、代わりに桜へと巻き付ける人もいる。
必ず挑戦する必要はないが、もし、思う相手がいるなら記念に贈ってもいいかもしれない。
あなたはどの様にこの祭りを楽しむのだろうか。
あなたは誰にどんなリボンを渡すのだろうか。
様々な想いを胸に秘め。猟兵たちは桜祭りへと参加するのだった。
キノ・コバルトリュフ(サポート)
キノキノ、キノが来たから
もう、大丈夫だよ。
キノノ?キノだけじゃ心配だって?
マツタケ!キノには星霊の仲間がいるから大丈夫!!
トリュフ!!キノ達の活躍を見せてあげるよ。
シメジ?キノが苦戦はありえないけど、その時は一発逆転を狙っていくよ。
キノキノ、みんなよろしくね。
六代目・松座衛門(サポート)
ヤドリガミの人形遣い×UDCメカニック。人形を用いて異形(オブリビオン)を狩る人形操術「鬼猟流」の使い手です。
ヤドリガミの特徴である本体は、腰に付けている十字形の人形操作板です。
普段は「自分、~君、~さん、だ、だろう、なのか?)」と砕けた口調です。
いつもは、大道芸として人形劇を現地の人たちに披露しています。
機械的な仕掛け(からくり等)に興味があり、各世界の技術を鬼猟流に取り入れようと努力してます。
●桜祭りへようこそ!
「キノキノ! すごい大きな桜だね」
感銘の声を上げたのは、キノ・コバルトリュフ(キノコつむりの星霊術士・f39074)だ。
サクラミラージュの桜は、猟兵たちを歓迎していた。
目の前に広がる桜並木をキョロキョロと見渡せば、青い髪が靡いて頭の上のキノコが揺れる。
桜祭りへ、ぜひいらっしゃい――というお誘いに乗ってきた甲斐があった。
お花見としても絶景の桜。だが、その周りにある露店の美味しそうな香りも気になって仕方がない。
そんなキノに明るい声がかかる。
「よぅ、キノさん。楽しんでるか?」
片手をあげて挨拶してきたのは六代目・松座衛門(とある人形操術の亡霊・f02931)だった。
松座衛門の反対の手には、既に露店で買ってきた食べ物が握られている。
彼もまた、桜祭りを楽しみにやってきたのだ。
既に桜祭りの会場を見て回っていたのだろう。
焦茶色の柔らかな髪の上に、薄桃色の花びらが乗っている。
挨拶を返したキノがどこへ行くのかを訪ねれば、松座衛門が道の奥を指さした。
「あっちに美味しい桜餅が売ってるって聞いたんだ」
桜餅。食べておいしい、お土産にもうれしい、和のお菓子だ。
一緒に行くかと尋ねれば、喜んで、と少女が笑う。
二人は露店まで話しながら歩くことにした。
祭りには様々な露店が出ていた。
綿あめ、やきとり、金魚すくい、イチゴ飴――。
中でも多くの人がリボンが付いたものを大事そうに抱えているのを見て、松座衛門の口元が緩む。
「(物を大切にしてくれるって、いいよな)」
そう感じたのは自身がヤドリガミであるからだろうか。
「キノノ? なんでリボンなの?」
キノも気づいて口にする。リボンの売店や、サービスでリボンのラッピングをしてくれる店を見つけ、首をかしげて見せた。
「大事な人へ感謝を表すお祭りでもあるんだ。ああやって、リボンやリボンで飾った品を、思いの相手に渡すらしい」
友人、家族、恋人へ。
たとえ大切な人がこの場にいなくても、代わりに桜の木にリボンをまいてゆく人もいる。
「マツタケ! それならキノは星霊ちゃんとキノコちゃん達にリボンを送ろうかな」
ぽん。と手をたたいて嬉しそうにキノが言う。松座衛門はキノコに大きなリボンを飾る姿を想像し、微笑ましくなった。
「いいね。自分はどうしようかな」
「キノキノ、一緒に選ぶの手伝うよ?」
松座衛門の言葉にキノが手を引く。彼女の目指す方向には桜餅とリボン売りの露店が並んでいた。
――それもいいかもしれない。
祭りへ来たのも、きっと何かの縁だから。
二人が話すと、桜の中を楽しそうに歩いて行った。
成功
🔵🔵🔵🔵🔴🔴
真宮・奏
義兄の瞬(f06558)と参加
(瞬に起こされた)あ、私道の中で寝ちゃって兄さんに背負って運んでもらってた?はわわ、お世話かけてごめんなさい。
(気を取り直して)お餅一杯食べたので飲み物飲みたいです。ここの出店で桜ミルク飲みましょう!!あ、さっきのお餅はみたらし味だったら桜餅食べたいなあ・・・
瞬兄さんとミルクと桜餅頂きながら、さっきのお餅の影朧を思い出します。折角作られたのに食べ残しで捨てられてしまったお餅かもしれませんね。成仏したでしょうか。(唇に餅のかすがついていていまいち威厳がない)
神城・瞬
義妹の奏(f03210)と参加
(安全な所に奏を運んで行ったが、無理に起こさずに待ってる)ええ、とても幸せそうに眠っていましたよ。ええ子供の頃から奏を良く背負っていましたからね。これぐらい苦労でもなんでもないです。
そうですね、飲み物のみたいです。桜祭りといえば桜餅。奏と美味しく頂きます。
そうですね、お餅もですが、巨大なウサギも可愛がってもらえなくて心残りだったかも。こういう影朧も救っていくのが僕達の役目なんでしょうね。(奏の唇の餅のかすを取ってあげながら)
●桜祭りは大事な人と
真宮・奏(絢爛の星・f03210)が目を開くと、満開の桜が視界を埋め尽くしていた。
ここは? と体を起こして言葉を零せば、優しい返事が返ってくる。
「起きましたか? ここは桜祭りの会場ですよ」
神城・瞬(清光の月・f06558)の言葉の意味を一度咀嚼する奏。
そして、理解すると瞳が大きくなった。
「あ、寝ちゃって兄さんに背負って運んでもらってました?」
「ええ、とても幸せそうに眠っていましたよ」
「はわわ、お世話をおかけしてごめんなさい」
奏の頬が、かぁっと熱くなる。
頬を両手で抑える姿に、瞬が和むと彼女の頭を優しくなでた。
「子供の頃から奏を良く背負っていましたからね。これぐらい苦労でもなんでもないです」
二人の付き合いは長い。
瞬は懐かしい記憶を思い起こしながら、彼女の目が覚めるまで傍で待っていたのだ。
折角ですから何かいただきますか、と尋ねれば、ごまかすように奏が視線を露店へ向ける。
「あ、お餅一杯食べたので飲み物飲みたいです。あそこの出店で桜ミルク飲みましょう!!」
「そうですね。僕も飲み物が欲しいと思っていました」
「それから、桜餅も食べたいなぁ……」
さっきのお餅はみたらし味だったから、次は桜で。子供の様に和菓子へ送られる視線に、瞬は再び笑って見せた。
ふわり。
景色を楽しみながら桜餅を口に運べば、桜の風味が嚙むたびに広がった。
甘さと塩辛さの絶秒なバランスは、食べるものを虜にする。春の風物詩の一つとも言えた。
桜餅には、蒸したもち米で餡をくるむ『道明寺』と、クレープ風に薄く焼いた生地で餡をくるむ『長命寺』の二種類がある。
今回はもちもち感が楽しめる道明寺の方をチョイスしていた。
もちろん、餅は餅でも影朧ではないので安心してほしい。
「美味しいですっ」
もちもち。奏は桜餅を口にしながら、先ほどの影朧たちを思い出す。
ぴょんぴょんと飛び跳ねる姿が可愛らしい相手だった。
「あの子たちは……折角作られたのに食べ残しで捨てられてしまったお餅かもしれませんね」
食べるときに大人しかったのは、寝ているから――だけの理由ではなかったのかもしれない。
「そうですね、お餅もですが、巨大なウサギも可愛がってもらえなくて心残りだったかも。こういう影朧も救っていくのが僕達の役目なんでしょうね」
桜ミルクを飲みながら、静かに語る瞬。彼もまた、先ほどの兎を思い出していた。
影朧は、悲しみから生まれるオブリビオンと言ってもいい存在だ。
悲劇を減らすことで、影朧も減らすことができるのかもしれない。
先ほどあった影朧たちは、桜の精の力も借りて癒されていったことを二人は知っている。
……もしかしたら、今頃新しい命に転生している頃なのだろうか。
「私たちは大事に食べましょうね!」
キリッと笑みを向けた奏の頬に、そっと瞬が手を添えた。
「ええ。……残さず食べましょう」
ついてますよ。と言葉の代わりに口元を拭うと、奏の顔は二度目の桜色に染まった。
二人はこれからも、やさしさを積み重ねて幸せを育んでゆく事だろう。
この大きな桜の木が、年月をかけて、美しく育ってゆくように。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
ジゼル・サンドル
大親友のミルナ(f34969)と
ワンピースの桜服もあるのか、可愛いな。
矢絣の着物と袴からワンピースに着替え、うん、これは着ててもさほど眠くならないみたいだ。
ミルナこそ、ピンクのグラデーションの髪に桜色が映えて綺麗だぞ。
オレンジデー?
へぇ、そんな記念日があるのか。
そうだな、わたしのこの瞳の色はお母さん譲りのものだから…オレンジの日があるというのはなんだか少し嬉しくなるな。
じゃあわたしも、オレンジジュースのストローにオレンジのリボンを結んで贈ろう。
こちらこそ、これからも親友でいよう。リボンに願いを込めて。
桜あんぱん…!桜ミルクドリンクにも合いそうだ、早速買いに行こう!
ミルナの手を引いて駆けていく。
ミルナ・シャイン
大親友のジゼル(f34967)と
ジゼル、桜色のワンピースがありましたわ!お揃いで着てみません?
そのワンピースもとってもお似合いですわ!
大切な人とリボンを贈り合うなんて素敵なイベントですわね…
そうそうジゼル、オレンジデーってご存知?
大切な人とオレンジ色のものを贈り合って絆を深める日なんですって。バレンタイン、ホワイトデーに続く愛の記念日ですわ。
オレンジ色の瞳が綺麗なジゼルにぴったりの記念日ですわよね!
オレンジデーには少し早いですけれど、とストローにオレンジ色のリボンを結んだ桜ミルクドリンクを手渡す。
これからも仲良くしてくださいな。
そういえばあちらで桜あんぱん売ってましたわ、買いにいきましょうか。
●桜祭りと大切な君へ
桜の花が舞う会場を、二人の少女が手をつないで歩く。
「そのワンピースもとってもお似合いですわ!」
「ミルナこそ、グラデーションの髪に桜色が映えて綺麗だぞ」
ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)とジゼル・サンドル(歌うサンドリヨン・f34967)が笑いあうたび、淡く光る花びらが風に揺れた。
着ているのはお揃いのワンピース。
桜色の柔らかな生地に花柄を取り入れたデザインで、上には白のカーディガンを合わせてある。
――桜色のワンピースがありましたわ! お揃いで着てみません?
と誘ったのはミルナから。
自分の見立ては正しかった、と親友を見て喜べばジゼルも笑みを返す。
ジゼルの瞳には、ミルナの青い髪は桜の色との対比が鮮やかに写った。
「それに、これは着ててもさほど眠くならないみたいだ」
嬉しそうに見上げれば、桜の花々が誇らしげに咲いている。
けれど先に桜祭りを楽しもう、と二人は露店の並ぶエリアへと弾む足取りで向かうのだった。
桜祭りの会場を歩けば、随分と賑わっていた。
すれ違う人たちも祭りを楽しんでいるのがわかる。
「大切な人とリボンを贈り合うなんて素敵なイベントですわね……」
順番にお店を見て回りながら、ミルナが唇に指をあてる。
そして見つけた売店から戻ってくると、先に買い物を済ませて待っていた親友へ笑みを向けた。
「そうそうジゼル、オレンジデーってご存知?」
「オレンジデー?」
なんだっけ、とジゼルが首をかしげて見せた。
「大切な人とオレンジ色のものを贈り合って絆を深める日なんですって」
オレンジデーは四月に行われるイベントだ。
二月のバレンタインで愛を告白し、三月で相愛となり、四月に喜びを感謝する――。
オレンジの花言葉『花嫁の喜び』にかけたもので、愛を深める日、と表現する人もいたりする。
「へぇ、そんな記念日があるのか」
「オレンジ色の瞳が綺麗なジゼルにぴったりの記念日ですわよね! オレンジデーには少し早いですけれど……」
感心するジゼルに、ミルナが差し出したのは桜ミルクのドリンクだった。
ストローにはオレンジのリボンが可愛くちょうちょ結びになっている。
受け取ったジゼルは頬を染めて照れくさそうに笑った。
「そうだな、わたしのこの瞳の色はお母さん譲りのものだから……オレンジというのはなんだか嬉しくなるな」
お礼にわたしも、とジゼルは用意していたオレンジジュースをミルナへ。
ストローには同じようにオレンジのリボンが飾られていた。
――親愛なるあなたへ。これからも親友でいましょう。
お互いに、感謝の言葉をリボンに託して。
笑顔で気持ちを受け取れば、心の奥がぬくもるのを感じていた。
そしてミルナがもう片方の手を差し出して微笑む。
「そういえばあちらで桜あんぱん売ってましたわ、買いにいきましょうか」
「桜あんぱん……! 桜ミルクドリンクにも合いそうだ、早速買いに行こう!」
ジゼルに手を引かれ、会場の中を走りだすミルナ。
離れないよう握りしめた手は、先ほどよりも温かいものとなっていた。
大成功
🔵🔵🔵🔵🔵🔵
最終結果:成功
完成日:2023年04月09日
宿敵
『サクラモフウサギ巨大種』
を撃破!
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