花の都の婚礼祝賀祭
●グリモアベースにて
集まった猟兵たちにアリス・トゥジュルクラルテ(白鳥兎の博愛者・f27150)はお辞儀をした。
「皆さん、集まる、して、くれて、有難う、ございます。今回は、エンドブレイカーの、世界で、行われる、結婚式を、守る、して、欲しい、です」
結婚式が行われるのは都市国家『花の都フルール』。小さな国だが地面のみならず建物の壁や屋根にも色とりどりの花が咲く美しい国だ。そして先王が突然崩御したためにまだ十代だった王子が王位を継承した国でもある。
「ご結婚が、まだ、だった、です、けど、庶民の、女性、との、身分違いの、恋が、実る、して、ご結婚、する、事に、なった、です。それで、今は、国を、あげて、お祭りが、行う、されてる、です、けど、それを、エリクシルに、蘇生、された、狂王が、狙う、してる、です!」
狂王アニールはかつて都市国家『山斬烈槍ランスブルグ』で最恐最悪とうたわれた王である。蘇った彼は恐怖の王朝を再現するために婚礼の儀の最中の王や妃、王族たちを皆殺しにしようと目論んでいるのだ。
「幸い、アニールさんが、どこから、襲撃、するかは、予知で、見えた、ので、皆さん、には、その、裏道で、狂王を、倒す、して、欲しい、です。ただ、彼を、倒す、しても、エリクシルの、力で、大量の、『ワスプポッド』を、召喚、する、です」
ワスプポッドは殺人蜂を使役する人型アンデットだ。これを逃がせば一般人に被害が及んでしまう。
「ワスプポッドも、倒す、すれば、依頼は、終了、です! でも、せっかく、なので、お祭り、楽しむ、のも、いいと、思う、ですよ?」
王城へと続く大通りに出ればたくさんの出店がある。それを楽しむのもいいだろう。
そして当然王城では婚礼の儀が執り行われている。もちろん間近で見ることはできないが前庭までは一般開放されている。バルコニーから手を振る王と妃の晴れ姿を見に行くのもいいだろう。
「アリスの、おすすめは、王様が、恋人に、プロポーズ、した、庭園、です。そこも、お花に、囲まれる、していて、とても、綺麗、ですよ! お城、から、少し、離れてる、ので、静か、ですし。王様に、あやかる、して、想い人に、そこで、告白、しても、素敵、だと、思う、です!」
祭りを楽しむためにも狂王とモンスターを必ず倒さなければならない。
「せっかくの、おめでたい、出来事、です、から、できるだけ、内密に、済ませる、して、欲しい、です。水を差す、したい、ない、です、からね」
そう言ってアリスは猟兵たちを見送ったのだった。
●花の都フルールにて
「私こそが真の王。他の王などいらぬ」
猟兵たちに待ち伏せされているとも知らず狂王アニールは王城に向かって裏道を進んでいた。
一般人は王族の結婚に夢中で付近には誰もいない。周りを気にせず狂王と戦えるだろう。
猟兵たちは武器を手にアニールへと奇襲を仕掛ける。
彌厘
お久しぶりです、今回は『エンドブレイカー!』世界での依頼となります。
1章2章が純戦、3章は日常となります。
プレイングはオープニング公開直後から受け付けます。締め切りは次章に進むことが確定した日の翌日辺り。決まり次第タグとマスターページでお知らせしますので、ご確認をお願いします。
それでは、素敵なプレイングお待ちしています!
第1章 ボス戦
『狂王アニール』
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POW : クルーエルストリーム
レベルm半径内に【真紅の衝撃波】を放ち、命中した敵から【生命力】を奪う。範囲内が暗闇なら威力3倍。
SPD : 暴走せし殺意
【剣】が命中した敵に、「【命を捨ててもアニールを殺したい】」という激しい衝動を付与する。
WIZ : 我こそが王なり
自身の【王冠】から【恐怖のオーラ】を放出し、戦場内全ての【王ならざる者】を無力化する。ただし1日にレベル秒以上使用すると死ぬ。
👑11
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アルジュン・ラオ
・心情
結婚、ですか。
それはモノの私には余りにも……理解は難しく、されど矢張り”尊い“ものではあると理解しております。
暁彪(f11122)さんと共に
“特別”な人故に今回の依頼は少し考えるところがある模様
・行動
まずは彼の者を倒さなくてはなりませんね
王、王……ですか、私には人などどれも同じなのですが、きっと違うのでしょう、難しいものですね
暁彪さん、ここは共闘と参りましょう
鬼金棒で【傷口を抉る】ように、鎧を砕くように攻撃を
はてさて、嘘をついたことがあるかは分かりませんが、罪の味を味わってくださいな
桐生・暁彪
アジュン(f30791)と共に
心情
花の都に結婚…ね。獄卒鬼にはふさわしからぬ場だな。
想うものあらばこそ、その有り様を識るべきなのだろうかと横目でちらとアジュンを一瞬見遣る
特別を伝えるときを僅かばかり気をやるが、すぐ戦闘に頭をきりかえる。
行動
祝い事を邪魔するわけにはいかないのだから、早く終わらせないとな。
まずは共に邪法を示さんとする王を斬ろう。ドラゴンランスによる鎧無視攻撃を行う。ドラゴニックエンドをつかえるタイミングがあり、うまく命中すればドラゴンの力も借りようか。
アジュンとの連携の邪魔にならないように黒豹にサポートしてもらおう。
●特別な人
花咲く建物の物陰に隠れて狂王アニールを待ちながら桐生・暁彪(龍屠りし羅刹・f11122)は思わずつぶやいた。
「花の都に結婚……ね。獄卒鬼の俺にはふさわしからぬ場だな」
肩をすくめつつも横目でアルジュン・ラオ(鬼視ノ病・f30791)の様子をうかがう。
「結婚、ですか」
アルジュンはアニールが来るであろう方向を見つめつつ曖昧に微笑んだ。
「それはモノの私には余りにも……理解は難しく、されど矢張り『尊い』ものではあると理解しております」
彼はシーシャ――水タバコのヤドリガミである。そういう意味では元は物だったといっても差し支えないのかもしれない。
それでもアルジュンの歯切れが悪いのは彼にとって暁彪が『特別』だからだろう。だからこそ暁彪の口から結婚という言葉を聞いて胸がざわついた。
対する暁彪もアルジュンを特別に想っている。だから結婚式と聞いて気持ちを伝える絶好の機会だと思ったのだ。しかし。
「――来ましたよ」
アルジュンの言葉で暁彪は我に返った。見ればアニールが裏道を堂々と王城へと向かって歩いている。
(「まずは依頼だ」)
すぐに頭を切り替えた。相棒の黒ヒョウも戦わせようかと一瞬考えた。だがユーベルコードや装備武器として登録していない通常の生物ではエリクシルの配下やオブリビオンの相手は難しいだろう。そう判断して下がらせると忍び足でアニールに近づき死角からドラゴンランスで敵の脇腹を貫いた。
「ぐっ
……!?」
「祝い事の邪魔はさせないぞ、狂王」
更にユーベルコードの力で槍をドラゴンへと変化させる。
そのドラゴンは鋭い爪でアニールを引き裂いた。
「このっ……真の王たる私に逆らう愚か者どもめ!」
「王、王……ですか、私には人などどれも同じなのですが、きっと違うのでしょう、難しいものですね」
アニールが暁彪に激昂している隙にアルジュンも敵に肉薄。二メートルもの巨大な鬼棍棒『infernus』で暁彪がつけた傷口をえぐるように殴打する。
「ぬうっ!?」
しかしアニールが押さえたのは傷ではなく口だった。
「嘘をついたことがあるかはわかりませんでしたが、あったようですね。罪の味を味わってくださいな」
アルジュンのユーベルコードの力でアニールの舌に棘を生やした。その棘はこれまで話した嘘の分だけダメージを与えるのだ。
「……嘘など、いくらでもつこう。つかねば民が従わぬのならばな!」
口から血を流しながらもアニールは叫ぶ。すると彼の全身から真紅の衝撃波が周囲に放たれる。
アルジュンたちは防御や回避を考えていなかった。
(「避けられない――」)
直撃を覚悟してアルジュンは固く目を閉じる。
「アジュン!」
しかし暁彪の大きな体に守られてアルジュンに衝撃波は当たらなかった。
「くっ……」
二人分の生命力を奪われて暁彪は地に膝をつく。
「暁彪さん! どうして……!」
「人などどれも同じなのではなかったのか?」
奪った生命力でダメージを軽減したアニールが鼻を鳴らして嗤う。
今は暁彪を休ませて生命力を回復させなければ。狂王をにらみながらそう考えたアルジュンは暁彪に肩を貸して一旦下がろうとした。
「逃がさんぞ、反逆者ども!」
アニールが再び真紅の衝撃波を放とうとした時。
アニールの王冠目がけて炎をまとった斬撃波が裏道を走る。
それを避けるために意識が逸れて真紅の衝撃波が霧散した。
「何者だ!?」
アニールが振り返ればそこには別の猟兵がいた。
成功
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神野・玖狼
心情:若き王の花の門出に、何とも無粋なゾンビが現れたものだ。根腐れ起こしそうな差水はご退場願おうか。
戦闘:初っ端にUCを発動して、可能なら【王冠】を、厳しそうなら周囲の物を燃やし、【我こそが王なり】と【クルーエル】の効果を軽減を狙う。
「これはこれは、腐臭がすると思ったら既に死去した筈の王様じゃ無いか。残念だが、この世界にあんたの椅子は無い。冥府で好きな椅子に座っててくれ。」
王冠を燃やし損ねたら「文字通り、腐っても王様か!このまま、やられてたまるか!」
【殺意】に当てられたら、そのまま衝動に身を任せる。
「お前はココで仕留める!命に替えてもだ!全て燃えろぉ!」再度のUCで本体狙い。
●赤と緋
紅蓮の剣を模した炎でアニールの王冠を狙ったのは神野・玖狼(処刑人・f39505)だった。
「これはこれは、腐臭がすると思ったらすでに死去したはずの王様じゃ無いか。俺の攻撃を避けるとは文字通り、腐っても王様か!」
彼は黒い刀身のしのぎに炎を思わせる緋色が走る刀『緋炎』を構え直す。そして黒い瞳で狂王をにらみ据えた。
「残念だが、この世界にあんたの椅子は無い。冥府で好きな椅子に座っててくれ」
するとアニールは苛立たし気に吐き捨てる。
「椅子がないのならば奪えばいいだけだ。どの王よりも私が、玉座にふさわしいのだから!」
「無粋なゾンビにはご退場願おうか!」
アニールが真紅の衝撃波を放つ。
それと同時に玖狼も緋炎から紅蓮の剣をかたどった炎を放った。
炎はアニールを燃やし真紅の衝撃波は玖狼の生命力を奪う。
「クソッ……!」
しかし膝をついたのは玖狼だけだった。集中力が切れて炎も消える。
アニールは燃やされながらも奪った生命力でダメージを軽減したのだ。
「退場するのは貴様の方だったようだな」
嘲笑を浮かべてアニールが言う。
だがその言葉に玖狼は不敵に笑った。
「それはどうかな?」
「何!?」
その時気配を感じてアニールは振り返った。
成功
🔵🔵🔴
ミルナ・シャイン
王子様と庶民の乙女の身分違いの恋、そして晴れて結ばれ盛大な結婚式…!まさに素敵なおとぎ話のハッピーエンドですわね(うっとり)
そんなハッピーエンドに悪役の出る幕はありませんの、早急にご退場いただきましょう。
可能なら都市国家の【地形の利用】、裏道の高い建物に身を潜め頭上からの奇襲攻撃、兜割りの一撃を叩き込みますわ。
狂王アニール…エンドブレイカーの方から聞き及んでおりますわ、ランスブルグ史上最悪の王だと。城塞騎士にして天誓騎士、ミルナ・シャインがお相手しますわ!
衝撃波は防具『コーラルフラワー』の【オーラ防御】で防ぎつつ、鍛えた尾ビレで【ジャンプ】、落下の勢いも利用した斧の【重量攻撃】で【追撃】。
ファニファール・ビリュンケット
狂王アニールの影がランスブルグに留まらずに他の都市国家まで……。
しかも、愛する人と結ばれる日を狙うとは、
私も一人の愛する者がいる女性として許す訳にはいかない。
華やかな門出である婚礼を悲劇に変える悪しき終焉、終焉させてみせる!
過去の王が、いつまでも王に固執するとは。
何度甦ろうと、ランスブルグに住む者として何度でも言おう。
お前の時代は終わった、大人しく寝ていてもらおう!
ディアボロスブレイドの溜めた力の封印を解放。
衝撃波は大剣でなぎ払って吹き飛ばしつつ。
カウンターを仕掛けて、まずは深紅のオーラの鎧を浄化の力を纏わせた一撃で打ち砕いて。
そのまま早業の2回攻撃の2回目で、串刺しの一撃を!
終わりだ、狂王!
●故郷と恋と
物陰に隠れてタイミングを見計らっていたファニファール・ビリュンケット(緋炎蒼水・f39689)はアニールが慢心した瞬間に飛び出した。
「過去の王が、いつまでも王に固執するとは。何度よみがえろうと、ランスブルグに住む者として何度でも言おう。お前の時代は終わった、大人しく寝ていてもらおう!」
ファニファールは天地創世の聖剣とうたわれる大剣『ディアボロスブレイド』の封印を解き自身の戦闘力を強化しながら敵に走り寄る。
アニールはこちらを振り返りながら忌々し気に叫んだ。
「私の民ならば私に従え!」
そして真紅のオーラを身にまとう。
「絶望の終焉を、終焉させる!」
ディアボロスブレイドに浄化の力を宿らせ放たれようとしていたオーラをなぎ払う。さらに運よく敵が再びオーラをまとう前に大剣で串刺しにした。
「がっ……!」
「今だ!」
ファニファールが建物を見上げて叫ぶ。
その建物の屋上にはミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)が身を潜めていたのだ。
「城塞騎士にして天誓騎士、ミルナ・シャインがお相手しますわ!」
そう名乗りを上げると氷のような透き通った青い刃を持つ斧『煌めく蒼の軌跡』を大上段に構える。そのまま深海人の尾ひれで地を蹴り屋上から飛び降りた。そして落下の勢いも利用して敵の頭へと青い刃を打ち下ろす。
狂王は頭から腰までが真っ二つになり反撃もできないまま地に伏した。
その様はちょっとグロテスクでミルナは顔をしかめる。
「ちょっとやりすぎだったですの? けれども王様と庶民の乙女の身分違いの恋、そして晴れて結ばれ盛大な結婚式……! まさに素敵なおとぎ話のハッピーエンドを邪魔しようとしたのですもの、仕方ありませんですわよね?」
それにファニファールもうなずく。
「ああ。私も一人の愛する者がいる女性として許す訳にはいかないと思っていた。むしろ丁度いいくらいだろう」
「まあ! ファニファール様には愛する方が!?」
「ん、ああ。夫がいるし、子どもも二人いる」
「まあまあ! そうですのね! 旦那様はどんな方ですの?」
恋愛話が好きなミルナが青い瞳を輝かせて恋バナを始めようとしたまさにその時だ。
大成功
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第2章 集団戦
『ワスプポッド』
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POW : 蜂毒刺し
【赤い爪】が命中した部位に【強化蜂毒】を流し込み、部位を爆破、もしくはレベル秒間操作する(抵抗は可能)。
SPD : ワスプスウォーム
【体に出来た殺人蜂の巣】から、戦場全体に「敵味方を識別する【殺人蜂】」を放ち、ダメージと【猛毒】の状態異常を与える。
WIZ : ワスプハニー
【蜂蜜】を纏わせた対象1体に「攻撃力強化」「装甲強化」「敵対者に【空腹】を誘発する効果」を付与する。
👑11
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アニールの遺体が突然赤いオーラに包まれたかと思うとそのオーラが大量に分裂。一つ一つが人の形になるとそれらはすべてワスプポッドとなった。
ワスプポッドの身体についている巣からは殺人蜂が次々に出て来ている。つまりワスプポッドを一体でも倒し損ねると王族はおろか王と妃の晴れ姿を一目見ようと王城の前庭に集まっている一般人も殺人蜂に襲われ死者が出てしまう事になる。それは何としても避けなければならない。
猟兵たちはワスプポッドを一体残らず駆除しようと身構えた。
ミルナ・シャイン
もう!せっかく素敵な恋バナが始まるところでしたのになんて無粋な蜂さん達ですの!?羽音が耳障りで恋バナどころじゃありませんわ!
邪魔してくれたお礼に、貴方達も乙女の恋バナパーティーに招待してあげますわ!
指定UC発動、チョコミントスイーツをばらまく。蜂さん、蜂蜜はお好きかもしれませんけれどチョコミントはどうかしら?
自身は親友から贈られたチョコミントマカロンを食べてちゃっかり【毒耐性】を得つつ、UC効果で敵の動きが鈍ったところを斧で【なぎ払い】、生じた【斬撃波】で【範囲攻撃】して【切断】。斬撃波から逃れた敵も【武器を投げつける】ことで【追撃】。幸せな結婚式を守るため、一匹たりとも逃しませんわ!
アルジュン・ラオ
心情
ふむ、今度はちゃんと防御なるものも考えなくてはなりませんね
・行動
暁彪(f11122)さんと
ふむ、範囲はそこまで広くはございませんが、数が多いのでしたらやはりこれでしょうか
絡繰札を使って攻撃を
私には激痛耐性も少しはございますし、暁彪さんを敵からかばいましょう。敵で庇うようにすれば少しでも怪我をしないですみますでしょうか
他の猟兵もございますが、一応逃れるものが居ないかの確認は常にしたいものですね。
・連携&アドリブ可
ファニファール・ビリュンケット
なるほど、質でダメなら量で、ということなのだろうか。
それにしてもエリクシルの歪んだ形で願いを叶える能力。
お世話になった事もあったが……、改めて脅威に感じるな。
だが、数多の苦難を越えて結ばれる王と王妃。
そして祝福のために集まった人々が襲われる終焉、終焉させて貰う!
ジェットオーラを噴出させてつつ。
ジェットランページでランスチャージしながら相手へ吶喊、吹き飛ばして。
敵の反撃は武器で受けて流したり。
第六感で避けたりと攻撃を喰らわない様に立ち回って。
カウンターの咄嗟の一撃の串刺し、2回攻撃を仕掛けて前へ前と突き進む。
ここから先は通さない。
多勢に厳しいことは分かってはいるが、それでも諦めなければ道は開く!
桐生・暁彪
アジュン(f30791)と共闘。
【心情】
回復に関しては他の猟兵から回復支援を得られたら良いが、難しければ激痛耐性を使うか吸血や生命力吸収にかけるしかないか。
【行動】
ワスプポッドと殺人蜂か、一体でも逃さぬように気をつけたほうが良さそうだな。
傷のケアができていなければ、接敵することで吸血/生命力吸収を狙おう。
アジュンと互いの死角を補うように攻防一体に立ち回るほうが良いだろうか。
狩り漏らすことの無いよう視野は広くもつこととしよう。
敵に囲まれすぎないように気をつけ、ライオンライドで召喚して敵を一体でも自分たちに向かう数を少しでも減らすことはできるだろうか…
【その他】
他の猟兵との協力や連携は可
神野・玖狼
心情:倒れたと思いきや、ワスプポッドなんか置いて行きやがった。どこまでも迷惑な奴だ。ともかく、こいつらを駆除しないとな!
戦闘:「数が多いのは面倒だな。緋炎では1匹切り捨てる間にすり抜けられる。なら、纏めて駆除するまで!」
UCを発動して、範囲一帯のワスプポッド及び、殺人蜂をも纏めて燃やす。
「汚ない怪物も、燃やして仕舞えばあと腐れないってものだ。」
●守るために
ワスプポッドと殺人蜂を前にミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)は激怒していた。
「もう! せっかく素敵な恋バナが始まるところでしたのになんて無粋な蜂さんたちですの!? 羽音が耳障りで恋バナどころじゃありませんわ!」
ファニファール・ビリュンケット(緋炎蒼水・f39689)はそれに苦笑しつつも大量の敵を見て冷静に言う。
「なるほど、質でダメなら量で、ということなのだろうか。それにしてもエリクシルの歪んだ形で願いを叶える能力。お世話になった事もあったが……、改めて脅威に感じるな」
「ああ。倒れたと思いきや、ワスプポッドなんか置いて行きやがった。どこまでも迷惑な奴だ」
神野・玖狼(処刑人・f39505)は忌々し気に言いながら黒刀『緋炎』を構え直した。
「ともかく、こいつらを駆除しないとな!」
「そうだな。数多の苦難を越えて結ばれる王と王妃。そして祝福のために集まった人々が襲われる終焉、終焉させてもらう!」
「その前に、こちらをお楽しみくださいませ」
そう言ってミルナが仲間たちに配ったのはチョコミントスイーツだった。
意味もなくこの場面でそんなものを配ったりしないだろう。不思議に思いつつもそう考えた彼らは言われた通りにチョコミントスイーツを頬張った。
それを確認したミルナは今にも飛びかかって来そうな殺人蜂とワスプポッドに向かってチョコミントスイーツをばらまき始める。
「さあ! 邪魔してくれたお礼に、貴方たちも乙女の恋バナパーティーに招待してあげますわ!」
当然敵はそれを無視して毒針でミルナを攻撃しようとした。しかしその勢いは一瞬前までと違い驚く程に遅い。
それはミルナのユーベルコードの影響だった。チョコミントスイーツを給仕している間だけそれを楽しんでいない者の行動速度を五分の一にするのだ。だから仲間たちにも配ったのである。彼らもそれを楽しまなければ今頃は敵と同じように行動速度が五分の一になっていただろう。
「皆様、今ですわ!」
親友から贈られた貝殻型のトゥンカロン『シェルマカロン・チョコミント』を食べて毒耐性を上げながら青い刃の斧『煌めく蒼の軌跡』を振るい青い斬撃波を放つ。
「幸せな結婚式を守るため、一匹たりとも逃しませんわ!」
行動速度の変わった敵は攻撃に対処しきれずなぎ払われた。
彼女の号令を聞き今の内にと他の猟兵も動く。
ファニファールは素早く自由に動けるよう軽量化されたナイトランス『エクレール・トルメンタ』と自身の足からジェットオーラを噴出。
「悲劇の終焉、その元凶を撃ち貫く!」
時速五キロメートルの素早さで敵に突撃し吹き飛ばす。
「ここから先は通さない」
ワスプポッドの毒の赤い爪は難なくエクレール・トルメンタの柄で受け流した。
その隣では玖狼が緋炎を蓮の花の形をした焔の花びらに変えていた。
「数が多いから、緋炎では一匹切り捨てる間にすり抜けられる。なら、纏めて駆除するまで!」
蜂蜜をまとった殺人蜂の甘い匂いで空腹を感じるがミルナからもらったチョコミントスイーツで何とか集中力を保つ。そして半径百十四メートル以内の殺人蜂とワスプポッドを美しい花びらの焔で燃やした。
「汚ない怪物も、燃やしてしまえばあと腐れないってものだ」
それで分が悪いと判断したのか数体のワスプポッドが殺人蜂を連れて逃げ出そうとする。
「逃がすと思ったか?」
そう言ったのは三メートルを超える巨体の黄金のライオンに騎乗した桐生・暁彪(龍屠りし羅刹・f11122)だった。彼は先の戦いで失った二人分の生命力をミルナからもらったチョコミントスイーツと手近にいた殺人蜂から吸収した生命力で回復。敵を一体も逃がさないようにと警戒していたのだ。おかげでいち早く敵の動きに気づきライオンの脚力であっという間に追いついた。
「はあっ!」
ライオンの背から飛び降りるとドラゴンランスでワスプポッドを貫く。
さらに黄金のライオンも殺人蜂に鋭い牙で喰らい付いた。
だが暁彪の背後から殺人蜂たちが猛毒の針で襲いかかる。
「私たちに死角などございませんよ」
アルジュン・ラオ(鬼視ノ病・f30791)は先程暁彪に守られてしまった。それ故に彼から死角を補うように立ち回る事を提案され快諾したのだ。
今度は自分が守る番だと言わんばかりにユーベルコードを発動。暁彪を襲おうとしていた敵を能力で生み出した絡繰札で包囲し一斉に攻撃。数の多い敵を一網打尽にした。
「ふむ、今度はちゃんと防御なるものも考えなくてはと思っていましたが……」
気づけば敵はいなくなっていた。アルジュンが倒した者で最後だったのだ。
「必要ありませんでしたね。まあケガ無く済んだので良しとしましょう」
彼がそう言って肩をすくめた時王城の方から大歓声が聞こえてくる。どうやら結婚式が無事に済み王と妃がバルコニーに姿を現したようだ。
猟兵たちは王と妃、そして一般人を守れた事に安堵のため息をついたのだった。
大成功
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第3章 日常
『約束の場所にて』
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POW : 観光地巡りを楽しむ
SPD : お洒落な飲食を楽しむ
WIZ : 穏やかな語らいを楽しむ
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事件は無事解決したためここからは自由行動だ。このまま帰還しても構わないがせっかくの祝賀祭なのだから楽しむといいだろう。
今まさに盛り上がっている王城の前庭へと向かえば一般市民に混ざって王と妃の晴れ姿を拝むことができる。
大通りに出ればたくさんの出店が出迎えてくれるだろう。王城に人が集まっているため人込みにもまれる事もなく楽しめそうだ。
グリモア猟兵の話していた町外れの庭園に行くのもいいだろう。王が妃にプロポーズしたという縁起のいい場所だ。カップルで訪れればそれにあやかっていい雰囲気になれるかもしれない。もちろん一人で咲き誇る花を楽しむのも乙だ。
猟兵たちは思い思いにこの祝賀祭を楽しむ事にした。
神野・玖狼
心情:恐らく一先ずだろうが、アニールは退けた。呼び出されたワスプポッドも倒した。街の人達は平和に過ごせている。上出来な結果だな。
後はノンビリと楽しませてもらおう。
行動:大通りへと向かい、出店を楽しむ。
「その串焼き、美味そうだな。2本くれ。あと、美味い酒は何処かで飲めるか?」
「美味い料理と酒。戦いの後は、やはりこれに尽きる。」
●串焼きと酒
狂王はまたどこかでエリクシルにより蘇らせられるかもしれない。
(「だがひとまずは退けた。呼び出されたワスプポッドも倒した。これで街の人たちは平和に過ごせる。上出来な結果だな」)
そう考えながら神野・玖狼(処刑人・f39505)はゆったりとした足取りで大通りへと出た。
王城での盛り上がりが嘘のように大通りの人通りはまばらだった。たくさんの出店が出ているがどこも閑古鳥が鳴いている。中には店主すらいない出店もあった。
(「早々見られるものじゃないんだから、そりゃあみんな王と妃の晴れ姿を見たいよな」)
そう思いつつ玖狼は店を品定めする。
すると彼の姿を見止めた店主たちは息を吹き返したように我先にと客寄せを始めた。
「らっしゃいらっしゃい!」
「花の都が誇る花師の育てたお花はいかがですか!」
「今なら祭限定の特別価格だよ!」
その中で玖狼のお眼鏡にかなったのは串焼きの屋台だった。
「その串焼き、うまそうだな」
「兄ちゃんお目が高い! この串焼きは花の種で作った特製スパイスで焼いたうちの一番人気だよ!」
「へえ、そりゃあ珍しい。二本くれ」
「毎度あり!」
「あと、うまい酒はどこかで飲めるか?」
「酒ならそこの酒場がこの国で一番うまいぜ! ……おっと! 女将、お客さんだぜ!」
丁度示された酒場から恰幅のいい女性が出てきたところだった。
「おやまあ、お客さん来ちまった! とりあえず一杯だけでいいかい? アタシも王様とお妃様を見に行きたいんだ」
「ああ、それで構わない」
「すぐに戻るからね、二杯目以降は戻ってから出すよ!」
そう言って女主人が手早く用意したのはこの国の名物だという『フルール・スペシアル』という名の酒だった。一口飲めばさわやかな花の香りが鼻を抜けていく。
玖狼は思わず満足げにため息をついた。
「美味い料理と酒。戦いの後は、やはりこれに尽きる」
大成功
🔵🔵🔵
ミルナ・シャイン
王と妃の晴れ姿を見るべく王城の前庭へ。
あれが新しい国王様と王妃様ですのね!王妃様のドレス、とっても綺麗…
できれば遠眼鏡など使ってお二人の装いなど細部まで観察したいですわ。だってウェディングドレスは乙女の憧れですもの!ブーケやアクセサリーも気になりますわ。
わたくしもいつか、素敵な結婚式を挙げたいものですわ。
…そういえば、王妃さまは平民出身とお聞きしましたけれど身分の違うお二人はどうやって知り合ったのかしら?
それとなく地元の方にお聞きしたいですわね。
王子様に見初められ、身分の違いを乗り越えて結婚する大恋愛ですもの。お二人の恋の物語はきっとこの先、少女たちの憧れとして語り継がれていくのでしょうね…
ファニファール・ビリュンケット
戦いにもケリがついたところで。
守った人々の営みを少し、垣間見せて貰おう。
王と妃の晴れ姿には、何時ぞやの自分の結婚式を思い出して。
ああも立派に民衆に応えているのは立派というか。
私の時は緊張が勝っていたからな……。
とはいえ、夫が支えてくれていたし、逆に私もしっかりしなければと思ったり。
夫婦になるということはこういう事なのだと再認識したな。
そして幸せそうなお二人の姿に、それを暖かく祝福する民衆の方々。
天に誓いを立てた騎士として、これほど嬉しいことはないな。
彼らの哀しき終焉は終焉させることが出来たのだな。
そのまま町はずれの庭園にて、咲き誇る花たちを楽しんで帰りますよ。
なにせこの都市国家は花の都故に。
●幸せと憧れ
ミルナ・シャイン(トロピカルラグーン・f34969)とファニファール・ビリュンケット(緋炎蒼水・f39689)は幸せの絶頂にある王と王妃の姿を見るために王城の前庭へとやって来た。
そこには国中の人が集まり大変な賑わいとなっていた。そしてその群衆にバルコニーから王と妃が手を振っている。彼らのわきではドレス姿の小さな女の子たちがフラワーシャワーを降らせていた。
「あれが国王様と王妃様ですのね!」
青い瞳を輝かせて二人を見つめるミルナにファニファールがうなずく。
「そのようだ。しかし、ああも立派に民衆に応えているのは立派というか。私の時は緊張が勝っていたからな……」
自身の結婚式を思い出しつぶやいた。
それをミルナはこの騒ぎの中でも耳ざとく聞き取りファニファールに詰め寄る。
「まあ! ファニファール様程の人でも結婚式では緊張なさったのですわね!」
その顔にはありありと詳しく聞きたいと書かれていた。
ファニファールは苦笑してそれに答える。
「ああ。とはいえ、夫が支えてくれていたし、逆に私もしっかりしなければと思ったり。夫婦になるという事はこういう事なのだと再認識したな」
「素敵ですわね……!」
うっとりしているミルナにファニファールは笑ってバルコニーを示した。
「あちらは見なくていいのか?」
「そうでしたわ! ああ、王妃様のドレス、とっても綺麗……」
遠目に見ても正装である軍服に身を包んだ国王の隣にいる王妃は美しかった。しかし人が多すぎて近づけず細部まで見る事はできない。
「遠眼鏡を持ってくればよかったですわ!」
思わず深海人の尾ひれで地面をぺしんと叩く。
すると近くにいた恰幅のいい女性がミルナに双眼鏡を差し出してきた。
「これ、使うかい?」
「まあ、いいですの? 有難うございますわ!」
借りた双眼鏡で妃のウエディングドレスをじっくり観察する。
それは花の都らしく花をふんだんに使ったデザインだった。純白のドレスの胸元には大輪の真紅のバラが咲いている。ドレスや手袋にあしらわれたレースも花がモチーフになっているようだ。そして頭の上に乗せられたティアラにも中央に飾られた宝石の周りに花が咲いているというデザインだった。
「本当に綺麗ですわ……! ほら、ファニファール様もご覧になって!」
「ああ、有難う」
ファニファールが緑の瞳で双眼鏡をのぞけば丁度王と妃が手を振りながらも見つめ合っている所だった。それを見て人々は口々におめでとうと叫ぶ。皆が笑顔だった。
この笑顔を自分たちは守ったのだと改めて実感する。
(「天に誓いを立てた騎士として、これほど嬉しいことはないな」)
それで満足したファニファールは恰幅のいい女性に礼を言って双眼鏡を返した。
「……そういえば」
ミルナはふと疑問を抱き女性に尋ねる。
「王妃様は平民出身とお聞きしましたけれど身分の違うお二人はどうやって知り合ったですの?」
「ああ。あの子……お妃様はこの国屈指の花師でね。あ、花師ってのは建物に咲く特別な花の管理をする職業の事さ。それでお城の花の管理を任されていたのがお妃様って訳だ」
「お花が導いた縁という事ですわね! 身分の違いを乗り越えて結婚する大恋愛ですもの。お二人の恋の物語はきっとこの先、少女たちの憧れとして語り継がれていくのでしょうね……」
そしてそれはミルナ自身の憧れでもある。
(「わたくしもいつか、素敵な結婚式を挙げたいものですわ」)
「おっと、そろそろアタシは酒場に戻らないと。お客さんを待たせてるんだ。じゃあね」
二人で女性を見送るとファニファールが言う。
「私はこの後、庭園で花を楽しもうと思っているが、ミルナ殿はどうする?」
「王様が王妃様にプロポーズしたという、あの!? お供いたしますの!」
そうして二人も前庭を後にしたのだった。
大成功
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アルジュン・ラオ
暁彪(f11122)さんと共に
・行動
こうして人知れず護った方を見るというのはいいものですね
「…暁彪さんは、このようなものに興味はあるのでしょうかか」
…あるのだとしたら…すこし話を聞きたいような、違うような
こんな気持ちに“モノ”の私がなるのはすこし不思議な気持ちです。
……他の妖にもならないですので、矢張りこれは貴方だけなのでしょうね
「…そう、ですか」
貰った言葉に知らず目尻が紅くなり。
ええ……もしも、それが……などと思うのもきっと、貴方だからなのでしょう
桐生・暁彪
【心情】
いつもは祝いの場自体を避けてきたが、今回の祝賀祭は特別だ。
今回は一個人として、言祝ぎの場に連なるもよかろう。
【行動】
離れたところから、式の様子を見る
「式をすること自体に拘りはない。そんな相手ができると思ってなかった頃の話だけどな」
すっぱりと言い切ったかと思えば、意味深に気持ちが変わったことをにおわせる。
「ただ…アジュンと美味い酒で酌み交わせるなら、それもいいかもな」
幸せにしたいやつとの人生を誓うケジメとして行う気はある。
その相手はお前なのだと真っ直ぐに視線を向ける。
しかし、距離の詰め方に迷って、結局どちらともとれる言い方で濁してしまうのは恋愛に不慣れゆえの弱みか臆病になってしまう
●貴方だから
王城から少し離れた場所にある公園に桐生・暁彪(龍屠りし羅刹・f11122)とアルジュン・ラオ(鬼視ノ病・f30791)は来ていた。
普段ならば子どもたちが遊び大人たちの憩いの場になっているのだろう。しかし今は二人以外誰もいなかった。
ここからでも王城を見る事はできる。だが人が多すぎて王と王妃の姿を見る事はできなかった。それでも人々の歓声はここまで届いている。
その様子や声を聞いてベンチに腰掛けたアルジュンは微笑む。
「こうして人知れず護った方々を見るというのはいいものですね」
彼の隣に座った暁彪もそれを肯定した。
「そうだな。いつもは祝いの場自体を避けてきたが……たまにはこういうのも悪くない」
今回の祝賀祭は特別だという言葉は飲み込んだ。
するとアルジュンは青い瞳を王城から暁彪へと移した。
「……暁彪さんは、このようなものに興味はあるのでしょうか?」
暁彪が結婚をどう思っているのか聞きたい気もするし違う気もする。そんな矛盾した自分の想いに困惑した。
(「こんな気持ちに『モノ』のオレがなるなんて……」)
アルジュンは妖怪を愛している。それは他人が見れば狂気を感じる程に。それでも妖怪に対してはこんな感情を抱く事はなかった。
(「やはり貴方だけなのだろうな」)
尋ねられた暁彪はアルジュンをしっかりと見つめ返した。
「式をすること自体にこだわりはない。そんな相手ができると思ってなかった頃の話だけどな」
つまり今はそういう相手がいるという事だ。
「ただ……アジュンとうまい酒で酌み交わせるなら、それもいいかもな」
暁彪の赤い瞳はアルジュンを捕らえて離さない。
それはひどく遠回しなプロポーズの言葉だった。
アルジュンを幸せにしたい。だからこそそれを誓うためにケジメとして結婚を行うつもりはある。しかし戦場を故郷に持つ戦士の一族である暁彪は色恋沙汰には不慣れなのだ。それ以上の言葉を今は持ち合わせていなかった。
だがその言葉の意味をアルジュンが理解できないはずもない。
アルジュンは妙に顔が熱く感じる。心臓の音がうるさい。
「ええ……もしも、それが……」
そこまで言ってしまってからハッとして首を横に振った。
「いえ……何でもありません」
自分は『モノ』だというのに思ってしまったのだ。もしもそれが現実になったら、と。
いたたまれないような。それでいて暖かくて居心地がいいような。そんな雰囲気に二人は包まれた。
王城の方から人々が戻ってくる気配がする。どうやら王と王妃のお披露目は終わったようだ。
「……俺たちも、帰るか」
「……はい」
二人は寄り添って公園を去った。
こうして花の都の婚礼祝賀祭は幕を下ろした。
猟兵たちは思い思いに祝賀祭を楽しみながらも自分たちが守ったそれを見届けたのだった。
大成功
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